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明細書 :有機半導体材料及び有機半導体材料用中間体

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2013-254818 (P2013-254818A)
公開日 平成25年12月19日(2013.12.19)
発明の名称または考案の名称 有機半導体材料及び有機半導体材料用中間体
国際特許分類 H01L  51/30        (2006.01)
H01L  51/05        (2006.01)
H01L  29/786       (2006.01)
C07D 495/04        (2006.01)
C08G  61/12        (2006.01)
FI H01L 29/28 250G
H01L 29/28 100A
H01L 29/78 618B
H01L 29/28 250H
C07D 495/04 101
C08G 61/12
請求項の数または発明の数 3
出願形態 OL
全頁数 17
出願番号 特願2012-128894 (P2012-128894)
出願日 平成24年6月6日(2012.6.6)
発明者または考案者 【氏名】尾坂 格
【氏名】瀧宮 和男
出願人 【識別番号】504136568
【氏名又は名称】国立大学法人広島大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100095407、【弁理士】、【氏名又は名称】木村 満
【識別番号】100138955、【弁理士】、【氏名又は名称】末次 渉
【識別番号】100109449、【弁理士】、【氏名又は名称】毛受 隆典
審査請求 未請求
テーマコード 4C071
4J032
5F110
Fターム 4C071AA01
4C071BB01
4C071CC21
4C071DD04
4C071EE13
4C071FF23
4C071GG04
4C071HH08
4C071KK01
4J032BA02
4J032BA04
4J032BA05
4J032BB03
4J032BB09
4J032BC02
4J032BC12
4J032CG01
5F110AA01
5F110CC05
5F110CC07
5F110DD02
5F110DD05
5F110DD13
5F110EE03
5F110EE08
5F110EE43
5F110FF01
5F110FF02
5F110FF23
5F110GG05
5F110GG25
5F110GG28
5F110GG29
5F110GG42
5F110HK02
5F110HK32
要約 【課題】キャリヤ移動度の良好な有機半導体材料を提供する。
【解決手段】有機半導体材料は、式1で表される。式1中、Rは水素、アルキル基又はアルキル基の末端に官能基を有する置換基、Xは酸素、硫黄又はセレン、Yは式11~15で表される基のいずれか、Zは芳香環、l及びmは0以上の整数、nは正の実数を表す。また、式13中、Rはアルキル基を表す。有機半導体材料は、チエノチオフェンジオン等のユニットを備えており、このユニットは電子欠損性(アクセプター性)の縮合環であり、良好な電子移動度及びホール移動度を示す。
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【選択図】なし
特許請求の範囲 【請求項1】
式1で表される、
ことを特徴とする有機半導体材料。
【化1】
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(式1中、Rは水素、アルキル基又はアルキル基の末端に官能基を有する置換基、Xは酸素、硫黄又はセレン、Yは式11~15で表される基のいずれか、Zは芳香環、l及びmは0以上の整数、nは正の実数を表す。)
【化2】
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(式13中、Rはアルキル基を表す。)
【請求項2】
式21で表される、
ことを特徴とする請求項1に記載の有機半導体材料。
【化3】
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(式21中、R及びnは上記式1と同義であり、Rは、Rが水素以外の置換基のとき水素であり、Rが水素のときアルキル基又はアルキル基の末端に官能基を有する置換基である。)
【請求項3】
式31で表される、
ことを特徴とする有機半導体材料用中間体。
【化4】
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(式31中、Wは水素、ハロゲン、ホウ酸、ホウ酸エステル、トリアルキルスズ、ハロゲン化亜鉛又はハロゲン化マグネシウム、Rは水素、アルキル基又はアルキル基の末端に官能基を有する置換基、Xは酸素、硫黄又はセレン、Yは式11~15で表される基のいずれかを表す。)
【化5】
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(式13中、Rはアルキル基を表す。)
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、有機半導体材料及び有機半導体材料用中間体に関する。
【背景技術】
【0002】
有機半導体は無機半導体に比べてキャリヤ移動度で劣るものの、無機半導体にはない特徴を持っている。有機半導体の特徴として、軽い、薄い、柔軟性がある、印刷法やスピンコート法等のウエットプロセスによる簡便な方法を利用できる、大面積化が容易である、などが挙げられる。このような特性から、有機半導体材料の研究が盛んに行われている。
【0003】
チエノチオフェンジオンは、電子欠損性(アクセプター性)の縮合環であるため、ドナー・アクセプター型骨格を有する半導体ポリマー、すなわちn型半導体ポリマー、両極性半導体ポリマー、或いはp型半導体ポリマーのユニットとして有用視されている。チエノチオフェンジオンやその類似構造の骨格を有する有機半導体材料として、例えば、非特許文献1、2などが挙げられる。
【先行技術文献】
【0004】

【非特許文献1】Shiyan Chen, Altan Bolag, Jun-ichi Nishida, and Yoshiro Yamashita; "n-Type Field-effect Transistors Based on Thieno[3,2-b]thiophene-2,5-dione and the Bis(dicyanomethylene) Derivatives"; Chemistry Letters 2011, 40, 998-1000
【非特許文献2】Yuning Li, Prashant Sonar, Samarendra P. Singh, Mui Siang soh, Martin van Meurs, and Jozel Tan; "Annealing-Free high-Mobility Diketopyrrolopyrrole-Quaterthiophene Copolymer for Solution-Processed Organic Thin Film Transistors"; Journal of the American Chemical Society 2011, 133, 2198-2204
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
有機半導体材料には、ホール移動度或いは電子移動度のキャリヤ移動度が良好であることが要求され、更なるキャリヤ移動度の向上が望まれている。
【0006】
本発明は上記事項に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、キャリヤ移動度の良好な有機半導体材料及び有機半導体材料用中間体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の観点に係る有機半導体材料は、
式1で表される、
ことを特徴とする。
【化1】
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(式1中、Rは水素、アルキル基又はアルキル基の末端に官能基を有する置換基、Xは酸素、硫黄又はセレン、Yは式11~15で表される基のいずれか、Zは芳香環、l及びmは0以上の整数、nは正の実数を表す。)
【化2】
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(式13中、Rはアルキル基を表す。)
【0008】
また、式21で表されることが好ましい。
【化3】
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(式21中、R及びnは上記式1と同義であり、Rは、Rが水素以外の置換基のとき水素であり、Rが水素のときアルキル基又はアルキル基の末端に官能基を有する置換基である。)
【0009】
本発明の第2の観点に係る有機半導体材料用中間体は、
式31で表される、
ことを特徴とする。
【化4】
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(式31中、Wは水素、ハロゲン、ホウ酸、ホウ酸エステル、トリアルキルスズ、ハロゲン化亜鉛又はハロゲン化マグネシウム、Rは水素、アルキル基又はアルキル基の末端に官能基を有する置換基、Xは酸素、硫黄又はセレン、Yは式11~15で表される基のいずれかを表す。)
【化5】
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(式13中、Rはアルキル基を表す。)
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る有機半導体材料は、チエノチオフェンジオン等のユニットを備えており、このユニットは電子欠損性(アクセプター性)の縮合環であり、良好な電子移動度及びホール移動度を示す。また、有機半導体材料は、上記のユニットにチオフェン環が結合していること、また結合したチオフェン環が可溶性基としてアルキル基又はアルキル基の末端に官能基を有する置換基を有する場合、可溶性基は上記のユニットと離れた側に結合していることから、立体障害が緩和される。これにより、有機半導体材料の平面性が保たれるので、有機半導体材料を用いて有機半導体層を形成した際の結晶性が高まり、良好なキャリヤ移動度を示す。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施例で作製したボトムゲート・トップコンタクト型のトランジスタ素子の構造を示す断面図である。
【図2】トランジスタ素子P1Bの伝達特性を示すグラフ(図2(A))、出力特性を示すグラフ(図2(B))である。
【図3】実施例で作製したトップゲート・ボトムコンタクト型のトランジスタ素子の構造を示す断面図である。
【図4】トランジスタ素子P1Tの伝達特性を示すグラフ(図4(A))、出力特性を示すグラフ(図4(B))である。
【図5】トランジスタ素子P1Tの伝達特性を示すグラフ(図5(A))、出力特性を示すグラフ(図5(B))である。
【図6】トランジスタ素子P2Bの伝達特性を示すグラフ(図6(A))、出力特性を示すグラフ(図6(B))である。
【図7】トランジスタ素子P2Tの伝達特性を示すグラフ(図7(A))、出力特性を示すグラフ(図7(B))である。
【図8】トランジスタ素子P2Tの伝達特性を示すグラフ(図8(A))、出力特性を示すグラフ(図8(B))である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(有機半導体材料)
本実施の形態に係る有機半導体材料は、式1で表される。
【化6】
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【0013】
式1中、Xは酸素、硫黄又はセレンである。

【0014】
また、式1中、Yは式11~15で表される基のいずれかである。
【化7】
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【0015】
また、式1中、Rは水素、アルキル基又はアルキル基の末端に官能基を有する置換基であり、好ましくはアルキル基である。アルキル基は分岐していても分岐していなくてもよい。アルキル基により、式1で表される有機半導体材料は、有機溶媒へ可溶性が高まる。このため、有機半導体材料を有機溶媒に溶解させてスピンコート法等のウエットプロセスを利用し、有機半導体層の形成を容易に行える。

【0016】
また、式1中、Zは芳香環である。芳香環として複素芳香環であることが好ましく、複素芳香族五員環であることがより好ましい。複素芳香族五員環として、チオフェン、セレノフェンなどのカルコゲノフェンが挙げられる。また、l及びmは0以上の整数を表す。複素芳香族五員環は、Rがアルキル基又はアルキル基の末端に官能基を有する置換基の場合、上記置換基による立体障害を緩和する機能を果たすものであり、1つ以上結合していることが好ましい。また、複素芳香族五員環は、Rが水素の場合、式1で表される有機半導体材料の有機溶媒への可溶性を高めるため、置換基を有することが好ましく、置換基としてはアルキル基又はアルキル基の末端に官能基を有する置換基が好ましい。

【0017】
また、式1中、nは正の実数を表し、式1で表される化合物が低分子化合物、高分子化合物のいずれであってもよい。

【0018】
上記式1で表される有機半導体材料として、例えば、式21で表される化合物が挙げられる。式21中、Rおよびnは、式1と同義であり、Rは、Rが水素以外の置換基のとき水素であり、Rが水素のときアルキル基又はアルキル基の末端に官能基を有する置換基である。
【化8】
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【0019】
有機半導体材料は、チエノチオフェンジオン等のユニットを備えており、このユニットは電子欠損性(アクセプター性)の縮合環である。このため、有機半導体材料は、ドナー・アクセプター型の骨格を有する半導体であり、良好な電子移動度及びホール移動度を示し、n型半導体(電子輸送性半導体)、両極性半導体(アンビポーラー性半導体)、或いはp型半導体(ホール輸送性半導体)として有用である。

【0020】
また、上記のユニットにチオフェン環が結合していること、またチオフェン環にアルキル基などの置換基を有する場合、置換基は上記のユニットと離れた側に結合していること、また、更にはアルキル基を有するチオフェン環に複素芳香族五員環などの芳香環が結合していることから、立体障害が緩和される。このため、有機半導体材料の平面性が保たれ、有機半導体材料を用いて有機半導体層を形成した際の結晶性が高くなり、良好なキャリヤ移動度を示すことになる。

【0021】
したがって、この有機半導体材料を用いて、薄膜有機トランジスタや薄膜太陽電池等への応用が可能である。

【0022】
(有機半導体材料用中間体)
本実施の形態に係る有機半導体材料用中間体は、式31で表される。
【化9】
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【0023】
式31中、Wは、水素、塩素、臭素等のハロゲン、ホウ酸、ホウ酸エステル、トリアルキルスズ、ハロゲン化亜鉛、ハロゲン化マグネシウムのいずれかを表す。また、X、Y及びRは、上述した式1と同義である。

【0024】
有機半導体材料用中間体は両端にハロゲン等を備えているため、カップリング反応等を応用して重合させることで、式1で表される有機半導体材料を容易に合成することが可能になる。

【0025】
上述した有機半導体材料並びに有機半導体材料用中間体は、例えば、下記反応式に示すように、工程1~工程5を経由して合成することができる。
【化10】
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【0026】
まず、上記の工程1の反応式にて示すように、3,6-ジブロモチエノチオフェン等のジハロゲノチエノチオフェンと2-トリメチルスタニル-4-アルキル-5-トリメチシリルチオフェン等のアルキル基を有するカルコゲノフェンとを反応させる。チエノチオフェンのハロゲンがアルキル基を有するチオフェンに置換され、化合物aが合成される。

【0027】
続いて、上記の工程2の反応式にて示すように、化合物aとビス(ピナコラト)ジボロンやビス(ネオペンチルグリコラト)ジボロン、ビス(ヘキシレングリコラト)ジボロン、ビス(カテコラト)ジボロンなどのジボロン酸エステルとを反応させる。チエノチオフェンの2位及び5位に位置する炭素と水素との結合が切断され、同位置にボロン酸エステル基が結合し、化合物bが合成される。なお、ジボロン酸エステルとの反応では、CH活性化触媒を添加して行うとよい。

【0028】
続いて、上記の工程3の反応式にて示すように、化合物bと2KHSO・KHSO・KSO等の酸化剤との反応により、化合物bのチエノチオフェンの2位及び5位に結合したボロン酸エステルを酸化させる。これにより、チエノチオフェンの2位及び5位にカルボニル基が結合した化合物cが得られる。

【0029】
続いて、N-ブロモスクシンイミド(N-Bromosuccinimide:NBS)等のハロゲン化剤でハロゲン化を行う。トリメチルシリル(TMS)基をハロゲンに置換し、化合物d(有機半導体材料用中間体)を合成する。なお、式31において、Wが臭素以外の他のハロゲン、水素、ホウ酸、ホウ酸エステル、ハロゲン化亜鉛、ハロゲン化マグネシウムである有機半導体材料用中間体を得る場合、公知の手法により化合物cのTMS基或いは化合物dの臭素を他の基に置換すること、或いは置換された水素をさらに置換することで合成し得る。

【0030】
続いて、得られた有機半導体材料用中間体と5,5-ビス(トリメチルスタニル)-2,2-ビチオフェンなどの置換基を有するカルコゲノフェンとを反応させる。これにより、化合物e(有機半導体材料)を重合して得ることができる。

【0031】
なお、式1においてXがセレンである有機半導体を得る場合、上記の工程1において、ジハロゲノチエノチオフェンの代わりにジハロゲノセレノロセレノフェンを用いることで合成し得る。

【0032】
また、式1においてXが酸素である有機半導体を得る場合、「Gerald Pttenden, Neil A. Pegg and Ronald W. Kenyon; Synthesis of Grevillins, Novel Pyrandione Pigments of Fungi. Biogenetic Interrelationships between Grevillins, Pulvinic Acids, Terphenylquinones and Xylerythrins; Journal of Chemical Society PERKIN TRANS, 1, 1991」に開示の手法を応用し、上記の工程3における化合物cに相当する化合物を得て、上記の工程4、工程5を行うことで合成し得る。

【0033】
また、式1においてYが式12~15で表される有機半導体材料を合成する場合、工程3以降において、チエノチオフェンの2位及び5位に結合しているカルボニル基を公知の手法によって式12~15で表される基へと官能基化を行うことで合成できる。
【実施例】
【0034】
以下、実施例に基づき、有機半導体材料の合成、有機半導体材料を用いた有機薄膜トランジスタの特性について説明する。
【実施例】
【0035】
(化合物1の合成)
窒素雰囲気下、三口フラスコに3,6-ジブロモチエノ[3,2-b]チオフェン(2.54g,8.52mmol)、2-トリメチルスタニル-4-(2-オクチルドデシル)-5-トリメチシリルチオフェン(12.8g,21.3mmol)、Pd(PPh(0.39g,0.34mmol)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)(120mL)を加えて、100℃で12時間攪拌した。
室温まで冷却した後、反応溶液をフッ化カリウム溶液に注ぎ、さらにクロロホルムを100mL加えた。
抽出したクロロホルム溶液を水100mLで3回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。
クロロホルムを減圧除去した後、ヘキサンを移動相とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて分離精製し、化合物1(9.42g)を黄色液体として得た。
【実施例】
【0036】
上記の反応式を以下に示す。
【化11】
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【実施例】
【0037】
得られた化合物1の測定結果を以下に記す。
1H-NMR(CDCl3, 500 MHz): δ (ppm) 7.51 (s, 2 H), 7.30 (s, 2 H), 2.61 (d, 4H, J=7.30), 1.71 (m, 2H), 1.26 (m, 64H), 0.87(m, 12H), 0.38 (m, 18 H); 13C-NMR(CDCl3, 500 MHz): δ (ppm) 150.60, 140.47, 137.44, 133.11, 128.71, 127.66, 121.49, 39.39~0.66
【実施例】
【0038】
(化合物2の合成)
窒素雰囲気下、三口フラスコに化合物1(4.0g,3.9mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(2.2g,8.6mmol)、ビス(1,5-シクロオクタジエン)ジ-μ-メトキシジイリジウム(I)(258mg,0.39mmol)、4,4’-ジ-tert-ブチル-2,2’-ジピリジル化合物(209mg,0.78mmol)、およびシクロヘキサン80mLを入れ、遮光下にて約6時間還流攪拌した。
室温まで冷却後、クロロホルムを加えて、飽和食塩水で抽出した。
ヘキサン:ジクロロメタン(1:1)を移動相とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて分離精製し、化合物2(4.08g)を黄色液体として得た。
【実施例】
【0039】
上記の反応式を以下に示す。
【化12】
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【実施例】
【0040】
得られた化合物2の測定結果を以下に記す。
1H-NMR(CDCl3, 500 MHz): δ (ppm) 7.62 (s, 2 H), 2.60 (d, 4H, J=9.05), 1.36 (s, 24H), 1.71 (m, 2H), 1.25 (m, 64H), 0.87(m, 12H), 0.38 (m, 18 H)
【実施例】
【0041】
(化合物3の合成)
窒素雰囲気下、三口フラスコに化合物2(3.76g,3.0mmol)、THF120mL、アセトン50mL、水30mLを入れ、遮光下にて攪拌した。さらに、Oxone(登録商標、デュポン株式会社製)(14.6g,24.0mmol)を加えて、室温にて3時間攪拌した。
ハイドロサルファイトナトリウム水溶液を加えた後、クロロホルムで抽出した。
有機層を飽和食塩水および水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。
有機溶媒を除去した後、ヘキサン:ジクロロメタン(9:1)を移動相とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて分離精製し、化合物3(0.64g)を赤色固体として得た。
【実施例】
【0042】
上記の反応式を以下に示す。
【化13】
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【実施例】
【0043】
得られた化合物3の測定結果を以下に記す。
1H-NMR(CDCl3, 500 MHz): δ (ppm) 7.68 (s, 2 H), 2.60 (d, 4H, J=7.35), 1.71 (m, 2H), 1.24 (m, 64H), 0.87 (m, 12H), 0.37 (m, 18 H); 13C-NMR(CDCl3, 500 MHz): δ (ppm) 187.04, 150.39, 146.75, 141.05, 134.72, 132.86, 126.00, 38.85~13.70
【実施例】
【0044】
(化合物4の合成)
窒素雰囲気下、三口フラスコに化合物3(0.45g,0.42mmol)、N-ブロモスクシンイミド(NBS)(0.15,0.84mmol)、テトラヒドロフラン(THF)(50mL)を入れ、遮光下にて12時間攪拌した。
反応液に水を加えた後、クロロホルムで抽出した。
有機層を飽和食塩水および水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。
有機溶媒を除去した後、ヘキサン:ジクロロメタン(9:1)を移動相とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて分離精製し、化合物4(0.38g)を赤色固体として得た。
【実施例】
【0045】
上記の反応式を以下に示す。
【化14】
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【実施例】
【0046】
得られた化合物4の測定結果を以下に記す。
1H-NMR(CDCl3, 500 MHz): δ (ppm) 7.34 (s, 2 H), 2.53 (d, 4H, J=7.15), 1.71 (m, 2H), 1.25 (m, 64H), 0.87 (m, 12H); 13C-NMR(CDCl3, 500 MHz): δ (ppm) 186,87, 146.62, 143.00, 131.67, 131.18, 125.81, 117.86, 3848~14.14
【実施例】
【0047】
(高分子化合物P1の合成)
化合物4(0.105g,0.1mmol)、5,5‘-ビス(トリメチルスタニル)-2,2’-ビチオフェン(49mg,0.1mmol)、Pd(PPh(3.5mg,0.003mmol)、トルエン(5mL)を反応用バイアルに入れて密封し、マイクロウェーブ反応装置を用いて、180℃で40分間反応させた。
室温まで冷却した後、反応液を塩酸/メタノール(200mL/5mL)溶液に注ぎ込み、5時間攪拌した。
沈殿した固体をろ取し、ソックスレー抽出器を用いてメタノール、ヘキサン、クロロホルムで洗浄した後、クロロベンゼンで抽出した。
濃縮した溶液をメタノールに注ぎ込み、化合物P1(100mg)を濃紫色の固体として得た。(数平均分子量42,200、重量平均分子量95,900、分散度2.3)
【実施例】
【0048】
上記の反応式を以下に示す。
【化15】
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【実施例】
【0049】
(高分子化合物P2の合成)
上記の化合物1の合成における2-トリメチルスタニル-4-(2-オクチルドデシル)-5-トリメチシリルチオフェンの代わりに、2-トリメチルスタニル-4-(2-デシルテトラデシル)-5-トリメチシリルチオフェンを用いる以外、上記の化合物1の合成~化合物4の合成と同様にして化合物5を得た。
そして、化合物4の代わりに化合物5を用い、高分子化合物P1の合成と同様にして、化合物P2(108mg)を濃紫色の固体として得た。(数平均分子量15200、重量平均分子量42700、分散度2.8)
【実施例】
【0050】
上記の反応式を以下に示す。
【化16】
JP2013254818A_000017t.gif
【実施例】
【0051】
(高分子化合物P1を用いたボトムゲート・トップコンタクト型トランジスタ素子の評価)
図1に示す構造のトランジスタ素子を作製した。
まず、ゲート電極となる200nm厚のシリコン酸化膜を有する高濃度にドーピングされたn-型シリコン基板を十分洗浄した後、n-型シリコン基板のシリコン酸化膜表面をパーフルオロデシルトリエトキシシラン(FDTS)でシラン処理した。
高分子化合物P1をオルトジクロロベンゼンに溶解して3g/Lの溶液を調製し、メンブランフィルターでろ過した後、上記表面処理したn-型シリコン基板上にスピンコート法で約50nm厚の高分子化合物P1薄膜を作製した。
この薄膜を窒素雰囲気下にて、200℃で30分加熱した。
高分子化合物P1薄膜上に金を真空蒸着し、ソース電極及びドレイン電極を形成した。このようにして、チャネル長50μm、チャネル幅1.5mmのボトムゲート・トップコンタクト型トランジスタ素子を作製した。以下、このトランジスタ素子をトランジスタ素子P1Bと記す。
【実施例】
【0052】
作製したトランジスタ素子P1Bに、ゲート電圧Vgを20~-60V、ソース・ドレイン間電圧Vdを0~-60Vに変化させてトランジスタ特性を測定した。図2(A)に伝達特性、図2(B)に出力特性を示す。これらの特性から、ホール移動度は0.35cm/Vs、電流のオン・オフ比は10と算出された。
【実施例】
【0053】
(高分子化合物P1を用いたトップゲート・ボトムコンタクト型トランジスタ素子の評価)
図3に示す構造のトランジスタ素子を作製した。
ソースおよびドレイン電極となる、50nmの金をパターニングしたガラス基板を十分洗浄した。
高分子化合物P1をオルトジクロロベンゼンに溶解して3g/Lの溶液を作製し、メンブランフィルターでろ過した後、上記表面処理したガラス基板上にスピンコート法により約50nm厚の高分子化合物P1薄膜を作製した。
この薄膜を窒素雰囲気下にて、200℃で30分加熱した。
次にゲート絶縁膜としてCYTOP(登録商標、旭硝子株式会社製)を200nm塗布し、さらにゲート電極としてアルミニウムを真空蒸着して、チャネル長50μm、チャネル幅3mmのソース電極、ドレイン電極を有するトップゲート・ボトムコンタクト型トランジスタ素子を作製した。以下、このトランジスタ素子をトランジスタ素子P1Tと記す。
【実施例】
【0054】
作製したトランジスタ素子P1Tに、ゲート電圧Vgを20~-100V、ソース・ドレイン間電圧Vdを0~-60Vに変化させてトランジスタ特性を測定した。図4(A)に伝達特性、図4(B)に出力特性を示す。これらの特性から、ホール移動度は0.034cm/Vs、電流のオン・オフ比は10と算出された。
【実施例】
【0055】
また、トランジスタ素子P1Tに、ゲート電圧Vgを-20~100V、ソース・ドレイン間電圧Vdを0~60Vに変化させてトランジスタ特性を測定した。図5(A)に伝達特性、図5(B)に出力特性を示す。これらの特性から、電子移動度は0.13cm/Vs、電流のオン・オフ比は5×10と算出された。
【実施例】
【0056】
(高分子化合物P2を用いたボトムゲート・トップコンタクト型トランジスタ素子の評価)
高分子化合物P1の代わりに高分子化合物P2を用い、高分子化合物P2薄膜を300℃で30分加熱した以外は、上記と同様にしてボトムゲート・トップコンタクト型トランジスタ素子を作製した。以下、このトランジスタ素子をトランジスタ素子P2Bと記す。
【実施例】
【0057】
作製したトランジスタ素子P2Bに、ゲート電圧Vgを20~-60V、ソース・ドレイン間電圧Vdを0~-60Vに変化させてトランジスタ特性を測定した。図6(A)に伝達特性、図6(B)に出力特性を示す。これらの特性から、ホール移動度は0.51cm/Vs、電流のオン・オフ比は10と算出された。
【実施例】
【0058】
(高分子化合物P2を用いたトップゲート・ボトムコンタクト型トランジスタ素子の評価)
高分子化合物P1の代わりに高分子化合物P2薄膜を300℃で30分加熱した以外は、高分子化合物P2を用いた素子と同様にトップゲート・ボトムコンタクト型トランジスタ素子を作製した。以下、このトランジスタ素子をトランジスタ素子P2Bと記す。
【実施例】
【0059】
作製したトランジスタ素子P2Bに、ゲート電圧Vgを20~-100V、ソース・ドレイン間電圧Vdを0~-60Vに変化させてトランジスタ特性を測定した。図7(A)に伝達特性、図7(B)に出力特性を示す。これらの特性から、ホール移動度は0.037cm/Vs、電流のオン・オフ比は10と算出された。
【実施例】
【0060】
また、トランジスタ素子P2Bに、ゲート電圧Vgを-20~100V、ソース・ドレイン間電圧Vdを0~60Vに変化させてトランジスタ特性を測定した。図8(A)に伝達特性、図8(B)に出力特性を示す。これらの特性から、電子移動度は0.069cm/Vs、電流のオン・オフ比は10と算出された。
【産業上の利用可能性】
【0061】
有機半導体材料は、良好なキャリヤ移動度を示すので、有機薄膜トランジスタや有機薄膜太陽電池等への利用が可能である。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
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【図7】
6
【図8】
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