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明細書 :二光子吸収材料

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4751998号 (P4751998)
公開番号 特開2007-217377 (P2007-217377A)
登録日 平成23年6月3日(2011.6.3)
発行日 平成23年8月17日(2011.8.17)
公開日 平成19年8月30日(2007.8.30)
発明の名称または考案の名称 二光子吸収材料
国際特許分類 G02F   1/361       (2006.01)
C09K  11/06        (2006.01)
C07F   5/02        (2006.01)
FI G02F 1/361
C09K 11/06 660
C09K 11/06 680
C07F 5/02 A
請求項の数または発明の数 16
全頁数 92
出願番号 特願2006-041640 (P2006-041640)
出願日 平成18年2月17日(2006.2.17)
審査請求日 平成19年12月3日(2007.12.3)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504132272
【氏名又は名称】国立大学法人京都大学
【識別番号】504255685
【氏名又は名称】国立大学法人京都工芸繊維大学
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
発明者または考案者 【氏名】神原 浩久
【氏名】森 裕平
【氏名】栗原 隆
【氏名】中條 善樹
【氏名】長田 裕也
【氏名】藤田 静雄
【氏名】堀口 嵩浩
【氏名】堀田 収
【氏名】山雄 健史
【氏名】秋山 誠治
【氏名】竹ノ内 久美子
【氏名】藤野 正家
個別代理人の代理人 【識別番号】100064908、【弁理士】、【氏名又は名称】志賀 正武
【識別番号】100108453、【弁理士】、【氏名又は名称】村山 靖彦
審査官 【審査官】小久保 敦規
参考文献・文献 特開2005-284107(JP,A)
特開平11-255902(JP,A)
特開2006-131835(JP,A)
Organic Letters,Vol.7, No.24,p.5481-5484 (2005).
Journal of Organometallic Chemistry,Vol.689, No.13,p.2201-2206 (2004).
Polymer Journal,Vol.34, No.12,p.967-969 (2002).
Special Publication-Royal Society of Chemistry,Vol.253,p.51-58 (2000).
Synthetic Metals,Vol.154, No.1-3,p.113-116 (2005).
調査した分野 C07F 5/02
CAplus(STN)
REGISTRY(STN)
JSTPlus(JDreamII)
JMEDPlus(JDreamII)
JST7580(JDreamII)
特許請求の範囲 【請求項1】
π共役炭化水素ユニットとホウ素原子が結合している有機ホウ素化合物を含み、前記有機ホウ素化合物が下記の式(4)で表されることを特徴とする二光子吸収材料。
【化1】
JP0004751998B2_000255t.gif
(但し、式(4)中、X、X´は、同一であっても異なっていてもよく、下記の式(5)(但し、式(5)中、o、pは0または1を表し、qは0以上、4以下の整数を表す。Aは、下記の式(6)(但し、1個の水素原子が非環状の置換基で置換されていてもよい。);下記の式(7)(但し、1個の水素原子が非環状の置換基で置換されていてもよい。);下記の式(8)(但し、1個の水素原子が非環状の置換基で置換されていてもよい。);下記の式(9)(但し、1個の水素原子が非環状の置換基で置換されていてもよい。);下記の式(10)(但し、1個の水素原子が非環状の置換基で置換されていてもよい。);または、下記の式(11)(破線は適宜二重結合を表し;Jは置換基を有していてもよい炭素原子、窒素原子、酸素原子または硫黄原子を表し;Tは置換基を有していてもよい炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子または単結合を表し;Qは置換基を有していてもよい炭素原子、窒素原子、酸素原子または硫黄原子を表し;Mは置換基を有していてもよい炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子または単結合を表し;Lは置換基を有していてもよい炭素原子、窒素原子、酸素原子または硫黄原子を表し;JとTまたはTとQは一緒になって、1,4-ジオキサン環またはベンゼン環を形成していてもよい。)を表す。Dは、炭素数が3以上、10以下のシクロアルキル基;炭素数が2以上、6以下のアルケニレン基;カルバゾリル基;水素原子が、置換基を有していてもよいフェニル基またはアルキル基で置換されていてもよいアミノ基;ピリジニル基;ピラジニレン基;置換基を有していてもよいチオフェニル基;置換基を有していてもよいフェニル基;置換基を有していてもよいフェニレン基を表す。Eは、1個または2個の水素原子が、炭素数が1以上、10以下のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基;1個の水素原子が、炭素数が1以上、6以下のアルキル基で置換されていてもよいピリジニル基;1個の水素原子が、炭素数が1以上、6以下のアルキル基で置換されていてもよいチオフェニル基;1個の水素原子が、炭素数が1以上、6以下のアルキル基で置換されていてもよいチオフェニレン基;を表す。Gは、水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数が1以上、4以下のアルキル基;水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数が1以上、12以下のアルコキシ基;ハロゲン原子;シアノ基を表し、q個のGは同一であっても異なっていてもよい。)で表される。)
【化2】
JP0004751998B2_000256t.gif
【化3】
JP0004751998B2_000257t.gif
【化4】
JP0004751998B2_000258t.gif
【化5】
JP0004751998B2_000259t.gif
【化6】
JP0004751998B2_000260t.gif
【化7】
JP0004751998B2_000261t.gif
【化8】
JP0004751998B2_000262t.gif

【請求項2】
π共役炭化水素ユニットとホウ素原子が結合している有機ホウ素化合物を含み、前記有機ホウ素化合物が下記の式(20)で表されることを特徴とする二光子吸収材料。
【化9】
JP0004751998B2_000263t.gif
(但し、式(20)中、X、X´は、同一であっても異なっていてもよく(但し、X´はなくてもよい。)、mは2以上、10000以下の整数を表し、下記の式(21)(但し、式(21)中、o、pは0または1を表し、qは0以上、4以下の整数を表す。Aは、下記の式(22)(但し、1個の水素原子が非環状の置換基で置換されていてもよい。);下記の式(23)(但し、1個の水素原子が非環状の置換基で置換されていてもよい。);下記の式(24)(但し、1個の水素原子が非環状の置換基で置換されていてもよい。);下記の式(25)(但し、1個の水素原子が非環状の置換基で置換されていてもよい。);下記の式(26)(但し、1個の水素原子が非環状の置換基で置換されていてもよい。);または、下記の式(27)(破線は適宜二重結合を表し;Jは置換基を有していてもよい炭素原子、窒素原子、酸素原子または硫黄原子を表し;Tは置換基を有していてもよい炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子または単結合を表し;Qは置換基を有していてもよい炭素原子、窒素原子、酸素原子または硫黄原子を表し;Mは置換基を有していてもよい炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子または単結合を表し;Lは置換基を有していてもよい炭素原子、窒素原子、酸素原子または硫黄原子を表し;JとTまたはTとQは一緒になって、1,4-ジオキサン環またはベンゼン環を形成していてもよい。)を表す。Dは、炭素数が3以上、10以下のシクロアルキル基;炭素数が2以上、6以下のアルケニレン基;カルバゾリル基;水素原子が、置換基を有していてもよいフェニル基またはアルキル基で置換されていてもよいアミノ基;ピリジニル基;ピラジニレン基;置換基を有していてもよいチオフェニル基;置換基を有していてもよいフェニル基;置換基を有していてもよいフェニレン基を表す。Eは、1個または2個の水素原子が、炭素数が1以上、10以下のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基;1個の水素原子が、炭素数が1以上、6以下のアルキル基で置換されていてもよいピリジニル基;1個の水素原子が、炭素数が1以上、6以下のアルキル基で置換されていてもよいチオフェニル基を表す。Gは、水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数が1以上、4以下のアルキル基;水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数が1以上、12以下のアルコキシ基;ハロゲン原子;シアノ基を表し、q個のGは同一であっても異なっていてもよい。)で表される。)
【化10】
JP0004751998B2_000264t.gif
【化11】
JP0004751998B2_000265t.gif
【化12】
JP0004751998B2_000266t.gif
【化13】
JP0004751998B2_000267t.gif
【化14】
JP0004751998B2_000268t.gif
【化15】
JP0004751998B2_000269t.gif
【化16】
JP0004751998B2_000270t.gif

【請求項3】
Jは置換基を有していてもよい炭素原子、窒素原子または硫黄原子を表し、Tは置換基を有していてもよい炭素原子、窒素原子または単結合を表し、Qは置換基を有していてもよい炭素原子、窒素原子または硫黄原子を表し、Mは置換基を有していてもよい炭素原子、窒素原子または単結合を表すことを特徴とする請求項1または2に記載の二光子吸収材料。
【請求項4】
Aは、下記の式(36)(但し、1個の水素原子が、水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数が1以上、4以下のアルキル基;水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数が1以上、12以下のアルコキシ基;水素原子が、炭素数が1以上、2以下のアルキル基を有していてもよいフェニル基、または、炭素数が1以上、2以下のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基;-B(Mes)(但し、Mesは、下記の式(37)で表される。);-Si(CH;-Si(C;シアノ基;ハロゲン原子で置換されていてもよい。)で表されることを特徴とする請求項1または2に記載の二光子吸収材料。
【化17】
JP0004751998B2_000271t.gif
【化18】
JP0004751998B2_000272t.gif

【請求項5】
Aは、下記の式(38)(但し、1個の水素原子が、水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数が1以上、4以下のアルキル基;水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数が1以上、4以下のアルコキシ基で置換されていてもよい。)で表されることを特徴とする請求項1または2に記載の二光子吸収材料。
【化19】
JP0004751998B2_000273t.gif

【請求項6】
Aは、下記の式(39)(但し、1個の水素原子が、水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数が1以上、4以下のアルキル基で置換されていてもよい。)で表されることを特徴とする請求項1または2に記載の二光子吸収材料。
【化20】
JP0004751998B2_000274t.gif

【請求項7】
Aは、下記の式(40)(但し、1個の水素原子が、水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数が1以上、4以下のアルキル基で置換されていてもよい。)で表されることを特徴とする請求項1または2に記載の二光子吸収材料。
【化21】
JP0004751998B2_000275t.gif

【請求項8】
Aは、下記の式(41)(但し、1個の水素原子が、水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数が1以上、8以下のアルキル基で置換されていてもよい。)で表されることを特徴とする請求項1または2に記載の二光子吸収材料。
【化22】
JP0004751998B2_000276t.gif

【請求項9】
Aは、下記の式(42)(但し、窒素原子が、炭素数が1以上、4以下のアルキル基で置換されていてもよい。)で表されることを特徴とする請求項1または2に記載の二光子吸収材料。
【化23】
JP0004751998B2_000277t.gif

【請求項10】
Aは、下記の式(43)(但し、窒素原子が、炭素数が1以上、4以下のアルキル基で置換されていてもよい。)で表されることを特徴とする請求項1または2に記載の二光子吸収材料。
【化24】
JP0004751998B2_000278t.gif

【請求項11】
Aは、下記の式(44)(但し、窒素原子が、炭素数が1以上、4以下のアルキル基で置換されていてもよい。)で表されることを特徴とする請求項1または2に記載の二光子吸収材料。
【化25】
JP0004751998B2_000279t.gif

【請求項12】
Dは、炭素数が3以上、6以下のシクロアルキル基;炭素数が2以上、3以下のアルケニレン基;炭素数が1以上、10以下のアルキル基、または、炭素数が1以上、3以下のアルコシキ基で置換されていてもよいフェニル基;1個の水素原子が、炭素数が1以上、4以下のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基または炭素数が1以上、4以下のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基;1個の水素原子が、炭素数が1以上、4以下のアルキル基で置換されていてもよいチオフェニル基;チオフェニレン基を表すことを特徴とする請求項ないし11のいずれかに記載の二光子吸収材料。
【請求項13】
Eは、1個または2個の水素原子が、炭素数が1以上、8以下のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基;1個の水素原子が、炭素数が1以上、4以下のアルキル基で置換されていてもよいチオフェニル基を表すことを特徴とする請求項ないし11のいずれかに記載の二光子吸収材料。
【請求項14】
Gは、水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよいメチル基;n-ヘキソキシ基を表すことを特徴とする請求項ないし11のいずれかに記載の二光子吸収材料。
【請求項15】
上記の式(4)、式(20)において、XおよびX´が下記の式(45)~(114)のいずれかで表されることを特徴とする請求項1または2に記載の二光子吸収材料。
【化26】
JP0004751998B2_000280t.gif
【化27】
JP0004751998B2_000281t.gif
【化28】
JP0004751998B2_000282t.gif
【化29】
JP0004751998B2_000283t.gif
【化30】
JP0004751998B2_000284t.gif
【化31】
JP0004751998B2_000285t.gif
【化32】
JP0004751998B2_000286t.gif
【化33】
JP0004751998B2_000287t.gif
【化34】
JP0004751998B2_000288t.gif
【化35】
JP0004751998B2_000289t.gif
【化36】
JP0004751998B2_000290t.gif
【化37】
JP0004751998B2_000291t.gif
【化38】
JP0004751998B2_000292t.gif
【化39】
JP0004751998B2_000293t.gif
【化40】
JP0004751998B2_000294t.gif
【化41】
JP0004751998B2_000295t.gif
【化42】
JP0004751998B2_000296t.gif
【化43】
JP0004751998B2_000297t.gif
【化44】
JP0004751998B2_000298t.gif
【化45】
JP0004751998B2_000299t.gif
【化46】
JP0004751998B2_000300t.gif
【化47】
JP0004751998B2_000301t.gif
【化48】
JP0004751998B2_000302t.gif
【化49】
JP0004751998B2_000303t.gif
【化50】
JP0004751998B2_000304t.gif
【化51】
JP0004751998B2_000305t.gif
【化52】
JP0004751998B2_000306t.gif
【化53】
JP0004751998B2_000307t.gif
【化54】
JP0004751998B2_000308t.gif
【化55】
JP0004751998B2_000309t.gif
【化56】
JP0004751998B2_000310t.gif
【化57】
JP0004751998B2_000311t.gif
【化58】
JP0004751998B2_000312t.gif
【化59】
JP0004751998B2_000313t.gif
【化60】
JP0004751998B2_000314t.gif
【化61】
JP0004751998B2_000315t.gif
【化62】
JP0004751998B2_000316t.gif
【化63】
JP0004751998B2_000317t.gif
【化64】
JP0004751998B2_000318t.gif
【化65】
JP0004751998B2_000319t.gif
【化66】
JP0004751998B2_000320t.gif
【化67】
JP0004751998B2_000321t.gif
【化68】
JP0004751998B2_000322t.gif
【化69】
JP0004751998B2_000323t.gif
【化70】
JP0004751998B2_000324t.gif
【化71】
JP0004751998B2_000325t.gif
【化72】
JP0004751998B2_000326t.gif
【化73】
JP0004751998B2_000327t.gif
【化74】
JP0004751998B2_000328t.gif
【化75】
JP0004751998B2_000329t.gif
【化76】
JP0004751998B2_000330t.gif
【化77】
JP0004751998B2_000331t.gif
【化78】
JP0004751998B2_000332t.gif
【化79】
JP0004751998B2_000333t.gif
【化80】
JP0004751998B2_000334t.gif
【化81】
JP0004751998B2_000335t.gif
【化82】
JP0004751998B2_000336t.gif
【化83】
JP0004751998B2_000337t.gif
【化84】
JP0004751998B2_000338t.gif
【化85】
JP0004751998B2_000339t.gif
【化86】
JP0004751998B2_000340t.gif
【化87】
JP0004751998B2_000341t.gif
【化88】
JP0004751998B2_000342t.gif
【化89】
JP0004751998B2_000343t.gif
【化90】
JP0004751998B2_000344t.gif
【化91】
JP0004751998B2_000345t.gif
【化92】
JP0004751998B2_000346t.gif
【化93】
JP0004751998B2_000347t.gif
【化94】
JP0004751998B2_000348t.gif
【化95】
JP0004751998B2_000349t.gif

【請求項16】
上記の式(4)、式(20)において、Xが式(116)、X´が式(117)で表されるか、もしくはXが式(118)、X´が式(119)で表されるか、もしくはXが式(120)、X´が式(121)で表されるか、もしくはXが式(122)、X´が式(123)で表されるか、またはXが式(124)、X´が式(125)で表されるものであることを特徴とする請求項1または2に記載の二光子吸収材料
【化96】
JP0004751998B2_000350t.gif
【化97】
JP0004751998B2_000351t.gif
【化98】
JP0004751998B2_000352t.gif
【化99】
JP0004751998B2_000353t.gif
【化100】
JP0004751998B2_000354t.gif
【化101】
JP0004751998B2_000355t.gif
【化102】
JP0004751998B2_000356t.gif
【化103】
JP0004751998B2_000357t.gif
【化104】
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【化105】
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発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、π共役炭化水素ユニットとホウ素原子が結合している有機ホウ素化合物を含む二光子吸収材料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
二光子吸収とは、1個の分子が、一度に2個の光子(フォトン、Photon)を同時に吸収することにより、分子が基底状態から励起状態へ遷移する現象のことである。
【0003】
このような分子の励起状態への遷移を生じさせる場合、2個の光子のエネルギーは、同じであっても異なっていてもよい。二光子吸収を生じる材料(以下、「二光子吸収材料」と称する。)を用いて光メモリ媒体などの記憶媒体を形成すれば、この記憶媒体の所定の位置に、ビットデータを記録することができる。すなわち、記憶媒体の所定の位置に、その記憶媒体の基底状態と励起状態のエネルギーギャップの半分に相当する波長を有するレーザ光を照射させ、二光子吸収過程により、記憶媒体内に構造変化などに由来する屈折率変化を引き起こさせ、この屈折率変化を所定の位置にビットデータとして記憶することができる。
【0004】
二光子吸収過程は、入射光の光強度の二乗に比例して起こることから、一光子吸収過程に比べて、記憶媒体の所定の位置に形成される屈折率変化によるスポットサイズ、特に光軸方向についてのサイズを小さくすることができる。この光軸方向にビームの広がりを小さく抑えることができるということは、高密度な三次元光記録の実現に益することができる。すなわち、各層にビットデータの光書き込みを行う積層型薄膜素子において、各層のスペースを一光子型に比較して小さくすることが可能となり、その結果、高密度化が達成されることとなる。
【0005】
従来、二光子吸収型の光記憶媒体を実現するにあたり、主に、以下の二つの方式に関しての研究開発がなされていた。
【0006】
(1)従来の一光子吸収型記憶材料を二光子吸収型に転用して用いる方式
(2)二光子吸収型として開発されたπ電子共役分子を適用する方式
ここで、(1)の方式については、アゾベンゼン、スピロピラン、ジアリールエテンなどの光異性化材料を二光子吸収材料に転用して用いていた(例えば、非特許文献1参照。)。また、(2)の方式では、ポリアセチレン、ポリジアセチレン、ポリアリレンビニレン、ポルフィリンなどの三次非線形光学材料を二光子吸収材料として用いていた(例えば、非特許文献2参照。)。

【非特許文献1】T.SHIONO et al, Japanese Journal of Applied Physics,Vol.44,No.5B,pp.3559-3563(2005)
【非特許文献2】D.Y.KIM et al,Journal of Physical Chemistry,Vol.109,No.13,pp.2996-2999(2005)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、これらの方式による材料には、それぞれの問題があった。すなわち、(1)の方式による材料は、当然、二光子吸収材料として開発されたものではないことから、二光子吸収効率が低く、安価な小型レーザ装置を用いての光記憶が行えず、実用的でないという問題があった。(2)の方式による材料でも、(1)の方式による材料と比べれば、二光子吸収効率は1~2桁程度大きいものの、実用的な光記憶媒体の性能を考慮すると、十分なレベルに達しておらず、また、二光子吸収係数がある程度高くても、一光子吸収の寄与による熱効果の影響が完全に排除できないという問題があった。もちろん、熱効果の影響は、(1)の方式による材料でも排除できていない。
【0008】
(1)および(2)の方式の材料は、有機溶媒への溶解性が低く、このため実用的なデバイス素子である薄膜素子などを簡便に作製するには適さないという問題があった。また、これらの材料系では、一旦励起状態に励起されても、光照射後は速やかに基底状態に戻ることから、そのままでは屈折率変化を定着するのが困難であるという問題もあった。(1)の方式で用いられる材料は、二光子吸収係数(二光子吸収効率)を大きくするためにπ共役系を拡大することによって生じる致命的な欠陥のいずれかを有しており、この致命的な欠陥の全てを有していない理想的な材料は見出されていなかった。
【0009】
一方、二光子吸収に関する理論検討の分野では、対称性に優れるπ共役系を拡大したり、π共役系の中に窒素原子を導入すると、空軌道(LUMOおよびLUMO+1LUMO)がπ共役系の中心近傍に偏在し、占有軌道(HOMOおよびHOMO-1)がπ共役系の端偏在することにより軌道の歪みが大きくなり、これによって3次の非線形光学効果や二光子吸収効率が増大するとの報告があった。このような現象に関して、実験的にも低分子ながら比較的大きな二光子吸収係数を有する材料が見つかっているが、実用材料の開発指針としては不十分であった。
【0010】
このようなことから、二光子吸収材料は、二光子吸収の大きな分子構造を有するとともに、二光子吸収によって生じる励起状態が屈折率変化を誘起する分子構造が必要であった。
【0011】
特に、二光子吸収の大きな分子構造については、上述のようなπ共役系の拡大に起因する実励起や、二光子吸収材料が溶媒に不溶になることを避けながら、実現しなければならなかった。
【0012】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、二光子吸収効果に寄与する分子軌道の歪を有するとともに、溶媒に可溶な有機ホウ素化合物および二光子吸収材料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者等は、上述のような実励起や、溶媒への不溶化を回避するために、単にπ共役系を拡大するのではなく、二光子吸収効果に寄与する分子軌道の歪を積極的に作り出すべく、π共役系内にヘテロ原子を導入することを鋭意検討した結果、ホウ素原子がπ共役系と結合した有機ホウ素化合物を含む二光子吸収材料は、LUMOおよびその付近の空軌道でホウ素原子寄りにπ電子の歪みが偏り、実吸収のない波長域で通常に比べ2桁以上大きな二光子吸収効率を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0014】
さらに、有機ホウ素化合物のホウ素原子の部位は、他の部位と比べて不安定で解裂しやすいことを見出し、本発明を完成するに至った。ホウ素原子の部位が解裂しやすいということは、光照射により結合分裂が引き起こされ、その結果、他に何の手立てを施すことなく、屈折率変化を定着することが可能であるという特長を有する。
【0015】
本発明の二光子吸収材料は、π共役炭化水素ユニットとホウ素原子が結合している有機ホウ素化合物を含み、前記有機ホウ素化合物が下記の式(4)で表されることを特徴とする。
【0016】
【化1】
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【0017】
(但し、式(4)中、X、X´は、同一であっても異なっていてもよく、下記の式(5)(但し、式(5)中、o、pは0または1を表し、qは0以上、4以下の整数を表す。Aは、下記の式(6)(但し、1個の水素原子が非環状の置換基で置換されていてもよい。);下記の式(7)(但し、1個の水素原子が非環状の置換基で置換されていてもよい。);下記の式(8)(但し、1個の水素原子が非環状の置換基で置換されていてもよい。);下記の式(9)(但し、1個の水素原子が非環状の置換基で置換されていてもよい。);下記の式(10)(但し、1個の水素原子が非環状の置換基で置換されていてもよい。);または、下記の式(11)(破線は適宜二重結合を表し;Jは置換基を有していてもよい炭素原子、窒素原子、酸素原子または硫黄原子を表し;Tは置換基を有していてもよい炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子または単結合を表し;Qは置換基を有していてもよい炭素原子、窒素原子、酸素原子または硫黄原子を表し;Mは置換基を有していてもよい炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子または単結合を表し;Lは置換基を有していてもよい炭素原子、窒素原子、酸素原子または硫黄原子を表し;JとTまたはTとQは一緒になって、1,4-ジオキサン環またはベンゼン環を形成していてもよい。)を表す。Dは、炭素数が3以上、10以下のシクロアルキル基;炭素数が2以上、6以下のアルケニレン基;カルバゾリル基;水素原子が、置換基を有していてもよいフェニル基またはアルキル基で置換されていてもよいアミノ基;ピリジニル基;ピラジニレン基;置換基を有していてもよいチオフェニル基;置換基を有していてもよいフェニル基;置換基を有していてもよいフェニレン基を表す。Eは、1個または2個の水素原子が、炭素数が1以上、10以下のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基;1個の水素原子が、炭素数が1以上、6以下のアルキル基で置換されていてもよいピリジニル基;1個の水素原子が、炭素数が1以上、6以下のアルキル基で置換されていてもよいチオフェニル基;1個の水素原子が、炭素数が1以上、6以下のアルキル基で置換されていてもよいチオフェニレン基;を表す。Gは、水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数が1以上、4以下のアルキル基;水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数が1以上、12以下のアルコキシ基;ハロゲン原子;シアノ基を表し、q個のGは同一であっても異なっていてもよい。)で表される。)
【0018】
【化2】
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【0019】
【化3】
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【0020】
【化4】
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【0021】
【化5】
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【0022】
【化6】
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【0023】
【化7】
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【0024】
【化8】
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【0025】
本発明の二光子吸収材料は、π共役炭化水素ユニットとホウ素原子が結合している有機ホウ素化合物を含み、前記有機ホウ素化合物が下記の式(20)で表されることを特徴とする。
【0026】
【化9】
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【0027】
(但し、式(20)中、X、X´は、同一であっても異なっていてもよく(但し、X´はなくてもよい。)、mは2以上、10000以下の整数を表し、下記の式(21)(但し、式(21)中、o、pは0または1を表し、qは0以上、4以下の整数を表す。Aは、下記の式(22)(但し、1個の水素原子が非環状の置換基で置換されていてもよい。);下記の式(23)(但し、1個の水素原子が非環状の置換基で置換されていてもよい。);下記の式(24)(但し、1個の水素原子が非環状の置換基で置換されていてもよい。);下記の式(25)(但し、1個の水素原子が非環状の置換基で置換されていてもよい。);下記の式(26)(但し、1個の水素原子が非環状の置換基で置換されていてもよい。);または、下記の式(27)(破線は適宜二重結合を表し;Jは置換基を有していてもよい炭素原子、窒素原子、酸素原子または硫黄原子を表し;Tは置換基を有していてもよい炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子または単結合を表し;Qは置換基を有していてもよい炭素原子、窒素原子、酸素原子または硫黄原子を表し;Mは置換基を有していてもよい炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子または単結合を表し;Lは置換基を有していてもよい炭素原子、窒素原子、酸素原子または硫黄原子を表し;JとTまたはTとQは一緒になって、1,4-ジオキサン環またはベンゼン環を形成していてもよい。)を表す。Dは、炭素数が3以上、10以下のシクロアルキル基;炭素数が2以上、6以下のアルケニレン基;カルバゾリル基;水素原子が、置換基を有していてもよいフェニル基またはアルキル基で置換されていてもよいアミノ基;ピリジニル基;ピラジニレン基;置換基を有していてもよいチオフェニル基;置換基を有していてもよいフェニル基;置換基を有していてもよいフェニレン基を表す。Eは、1個または2個の水素原子が、炭素数が1以上、10以下のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基;1個の水素原子が、炭素数が1以上、6以下のアルキル基で置換されていてもよいピリジニル基;1個の水素原子が、炭素数が1以上、6以下のアルキル基で置換されていてもよいチオフェニル基を表す。Gは、水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数が1以上、4以下のアルキル基;水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数が1以上、12以下のアルコキシ基;ハロゲン原子;シアノ基を表し、q個のGは同一であっても異なっていてもよい。)で表される。)
【0028】
【化10】
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【0029】
【化11】
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【0030】
【化12】
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【0031】
【化13】
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【0032】
【化14】
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【0033】
【化15】
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【0034】
【化16】
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【0035】
本発明の二光子吸収材料において、Jは置換基を有していてもよい炭素原子、窒素原子または硫黄原子を表し、Tは置換基を有していてもよい炭素原子、窒素原子または単結合を表し、Qは置換基を有していてもよい炭素原子、窒素原子または硫黄原子を表し、Mは置換基を有していてもよい炭素原子、窒素原子または単結合を表すことが好ましい。
【0036】
本発明の二光子吸収材料において、Aは、下記の式(36)(但し、1個の水素原子が、水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数が1以上、4以下のアルキル基;水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数が1以上、12以下のアルコキシ基;水素原子が、炭素数が1以上、2以下のアルキル基を有していてもよいフェニル基、または、炭素数が1以上、2以下のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基;-B(Mes)(但し、Mesは、下記の式(37)で表される。);-Si(CH;-Si(C;シアノ基;ハロゲン原子で置換されていてもよい。)で表されることが好ましい。
【0037】
【化17】
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【0038】
【化18】
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【0039】
本発明の二光子吸収材料において、Aは、下記の式(38)(但し、1個の水素原子が、水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数が1以上、4以下のアルキル基;水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数が1以上、4以下のアルコキシ基で置換されていてもよい。)で表されることが好ましい。
【0040】
【化19】
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【0041】
本発明の二光子吸収材料においてAは、下記の式(39)(但し、1個の水素原子が、水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数が1以上、4以下のアルキル基で置換されていてもよい。)で表されることが好ましい。
【0042】
【化20】
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【0043】
本発明の二光子吸収材料において、Aは、下記の式(40)(但し、1個の水素原子が、水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数が1以上、4以下のアルキル基で置換されていてもよい。)で表されることが好ましい。
【0044】
【化21】
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【0045】
本発明の二光子吸収材料において、Aは、下記の式(41)(但し、1個の水素原子が、水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数が1以上、8以下のアルキル基で置換されていてもよい。)で表されることが好ましい。
【0046】
【化22】
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【0047】
本発明の二光子吸収材料において、Aは、下記の式(42)(但し、窒素原子が、炭素数が1以上、4以下のアルキル基で置換されていてもよい。)で表されることが好ましい。
【0048】
【化23】
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【0049】
本発明の二光子吸収材料において、Aは、下記の式(43)(但し、窒素原子が、炭素数が1以上、4以下のアルキル基で置換されていてもよい。)で表されることが好ましい。
【0050】
【化24】
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【0051】
本発明の二光子吸収材料においてAは、下記の式(44)(但し、窒素原子が、炭素数が1以上、4以下のアルキル基で置換されていてもよい。)で表されることが好ましい。
【0052】
【化25】
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【0053】
本発明の二光子吸収材料において、Dは、炭素数が3以上、6以下のシクロアルキル基;炭素数が2以上、3以下のアルケニレン基;炭素数が1以上、10以下のアルキル基、または、炭素数が1以上、3以下のアルコシキ基で置換されていてもよいフェニル基;1個の水素原子が、炭素数が1以上、4以下のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基または炭素数が1以上、4以下のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基;1個の水素原子が、炭素数が1以上、4以下のアルキル基で置換されていてもよいチオフェニル基;チオフェニレン基を表すことが好ましい。
【0054】
本発明の二光子吸収材料において、Eは、1個または2個の水素原子が、炭素数が1以上、8以下のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基;1個の水素原子が、炭素数が1以上、4以下のアルキル基で置換されていてもよいチオフェニル基を表すことが好ましい。
【0055】
本発明の二光子吸収材料において、Gは、水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよいメチル基;n-ヘキソキシ基を表すことが好ましい。
【0056】
本発明の二光子吸収材料において、上記の式(4)、式(20)において、XおよびX´が下記の式(45)~(114)のいずれかで表されることが好ましい。
【0057】
【化26】
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【0058】
【化27】
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【0059】
【化28】
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【0060】
【化29】
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【0061】
【化30】
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【0062】
【化31】
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【0063】
【化32】
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【0064】
【化33】
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【0065】
【化34】
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【0066】
【化35】
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【0067】
【化36】
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【0068】
【化37】
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【0069】
【化38】
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【0070】
【化39】
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【0071】
【化40】
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【0072】
【化41】
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【0073】
【化42】
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【0074】
【化43】
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【0075】
【化44】
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【0076】
【化45】
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【0077】
【化46】
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【0078】
【化47】
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【0079】
【化48】
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【0080】
【化49】
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【0081】
【化50】
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【0082】
【化51】
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【0083】
【化52】
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【0084】
【化53】
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【0085】
【化54】
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【0086】
【化55】
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【0087】
【化56】
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【0088】
【化57】
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【0089】
【化58】
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【0090】
【化59】
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【0091】
【化60】
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【0092】
【化61】
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【0093】
【化62】
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【0094】
【化63】
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【0095】
【化64】
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【0096】
【化65】
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【0097】
【化66】
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【0098】
【化67】
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【0099】
【化68】
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【0100】
【化69】
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【0101】
【化70】
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【0102】
【化71】
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【0103】
【化72】
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【0104】
【化73】
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【0105】
【化74】
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【0106】
【化75】
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【0107】
【化76】
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【0108】
【化77】
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【0109】
【化78】
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【0110】
【化79】
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【0111】
【化80】
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【0112】
【化81】
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【0113】
【化82】
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【0114】
【化83】
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【0115】
【化84】
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【0116】
【化85】
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【0117】
【化86】
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【0118】
【化87】
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【0119】
【化88】
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【0120】
【化89】
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【0121】
【化90】
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【0122】
【化91】
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【0123】
【化92】
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【0124】
【化93】
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【0125】
【化94】
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【0126】
【化95】
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【0127】
本発明の二光子吸収材料において、上記の式(4)、式(20)において、Xが式(116)、X´が式(117)で表されるか、もしくはXが式(118)、X´が式(119)で表されるか、もしくはXが式(120)、X´が式(121)で表されるか、もしくはXが式(122)、X´が式(123)で表されるか、またはXが式(124)、X´が式(125)で表されるものであることが好ましい。
【0128】
【化96】
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【0129】
【化97】
JP0004751998B2_000098t.gif

【0130】
【化98】
JP0004751998B2_000099t.gif

【0131】
【化99】
JP0004751998B2_000100t.gif

【0132】
【化100】
JP0004751998B2_000101t.gif

【0133】
【化101】
JP0004751998B2_000102t.gif

【0134】
【化102】
JP0004751998B2_000103t.gif

【0135】
【化103】
JP0004751998B2_000104t.gif

【0136】
【化104】
JP0004751998B2_000105t.gif

【0137】
【化105】
JP0004751998B2_000106t.gif

【発明の効果】
【0200】
本発明の二光子吸収材料は、π共役炭化水素ユニットとホウ素原子が結合している有機ホウ素化合物を含むので、紫外光の照射によりホウ素原子近傍の結合が選択的に断裂する。したがって、本発明の二光子吸収材料を用いて光記憶媒体を作製し、二光子吸収過程によって光記憶媒体に結合断裂を生じさせれば、小スポット化および三次元化による、光記憶媒体の大容量化が可能となる。さらに、二光子吸収過程を利用することにより、ビームの小スポット化が可能となるので、光記憶媒体に対する三次元光書込みが容易となる。また、本発明の二光子吸収材料および有機ホウ素化合物は、各種有機溶媒に可溶である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0201】
以下、本発明の二光子吸収材料および有機ホウ素化合物について詳細に説明する。
【0202】
本発明の二光子吸収材料は、π共役炭化水素ユニットとホウ素原子が結合している有機ホウ素化合物を含むものである。
【0203】
有機ホウ素化合物は、好ましくは、下記の式(126)または式(127)で表される。
【0204】
【化106】
JP0004751998B2_000107t.gif

【0205】
【化107】
JP0004751998B2_000108t.gif

【0206】
但し、上記の式(126)および式(127)中、R、Rは炭素数が2以上のアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表す。
【0207】
炭素数が2以上のアルキル基としては、例えば、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、2-ブチル基、t-ブチル基、2-メチルブチル基、3-メチルブチル基、シクロヘキシルメチル基、ネオペンチル基、2-エチルブチル基、2-ブチル基、シクロヘキシル基、3-ペンチル基などの直鎖状、分岐鎖状、もしくは、環状のアルキル基などが挙げられる。これらのうち、好ましくは、炭素数2~12程度のアルキル基、特に好ましくは、炭素数3~12程度の分岐鎖状のアルキル基である。
【0208】
アリール基またはヘテロアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、フルオレニル基、フェナンスリル基などのアリール基;チオフェニル基、ピリジル基、フラニル基、ピロリル基、ベンゾイミダゾイル基、イミダゾイル基、ピラゾイル基などのヘテロアリール基などが挙げられる。これらのうち、好ましくは、炭素数6~12程度の単環または縮合二員環式(ヘテロ)アリール基である。これらの中でも特に好ましくは、単環式(ヘテロ)アリール基である。
【0209】
また、上記の式(126)および式(127)中、R、Rを有するベンゼン環は、R、R以外にさらに置換基を有していてもよい。
【0210】
、Rを有するベンゼン環がさらに有していてもよい置換基の具体例としては、上記のR、Rの具体例として挙げたものが相当する。
【0211】
以下に、下記の式(128)~式(133)として、R、Rを有するベンゼン環の構造を具体的に例示するが、本発明はその要旨を超えない限り、これらに限定されるものではない。なお、下記の式(128)~式(131)において、Meはメチル基を表す。
【0212】
【化108】
JP0004751998B2_000109t.gif

【0213】
【化109】
JP0004751998B2_000110t.gif

【0214】
【化110】
JP0004751998B2_000111t.gif

【0215】
【化111】
JP0004751998B2_000112t.gif

【0216】
【化112】
JP0004751998B2_000113t.gif

【0217】
【化113】
JP0004751998B2_000114t.gif

【0218】
さらに、上記の式(126)および式(127)中、X、X´は下記の一般式(134)で表される。X、X´は、同一であっても異なっていてもよい。但し、X´はなくてもよい。k個またはl個のXは同一であっても異なっていてもよい。k、lは1以上、10000以下の整数を表す。
【0219】
【化114】
JP0004751998B2_000115t.gif

【0220】
上記の一般式(134)中、o、pは0または1を表し、qは0以上、4以下の整数を表す。Arは、1個以上の水素が非環状の置換基で置換されていてもよいアリール基またはヘテロアリール基を表す。
【0221】
アリール基またはヘテロアリール基を構成する芳香環の具体例としては、5員環単環として、フラン環、チオフェン環、ピロール環、イミダゾール環、チアゾール環、オキサジアゾール環、六員環単環として、ベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、縮合環として、ナフタレン環、フェナンスレン環、ピレン環、キノリン環、イソキノリン環、キノキサリン環、ベンゾフラン環、カルバゾール環、ジベンゾチオフェン環、アントラセン環などが挙げられる。
【0222】
Dは、炭素数が3以上、10以下のシクロアルキル基;炭素数が2以上、6以下のアルケニレン基;カルバゾリル基;水素原子が、置換基を有していてもよいフェニル基またはアルキル基で置換されていてもよいアミノ基;ピリジニル基;ピラジニレン基;置換基を有していてもよいチオフェニル基;置換基を有していてもよいフェニル基;置換基を有していてもよいフェニレン基を表す。
【0223】
Eは、1個または2個の水素原子が、炭素数が1以上、10以下のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基;1個の水素原子が、炭素数が1以上、6以下のアルキル基で置換されていてもよいピリジニル基;1個の水素原子が、炭素数が1以上、6以下のアルキル基で置換されていてもよいチオフェニル基;1個の水素原子が、炭素数が1以上、6以下のアルキル基で置換されていてもよいチオフェニレン基;を表す。
【0224】
Gは、水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数が1以上、4以下のアルキル基;水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数が1以上、12以下のアルコキシ基;ハロゲン原子;シアノ基を表し、q個のGは同一であっても異なっていてもよい。
【0225】
また、有機ホウ素化合物は、さらに好ましくは、下記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)で表される。
【0226】
【化115】
JP0004751998B2_000116t.gif

【0227】
【化116】
JP0004751998B2_000117t.gif

【0228】
【化163】
JP0004751998B2_000118t.gif

【0229】
但し、上記の式(136)中、X、X´は、同一であっても異なっていてもよく、下記の式(139)(但し、式(139)中、o、pは0または1を表し、qは0以上、4以下の整数を表す。Aは、下記の式(140)(但し、1個の水素原子が非環状の置換基で置換されていてもよい。);下記の式(141)(但し、1個の水素原子が非環状の置換基で置換されていてもよい。);下記の式(142)(但し、1個の水素原子が非環状の置換基で置換されていてもよい。);下記の式(143)(但し、1個の水素原子が非環状の置換基で置換されていてもよい。);下記の式(144)(但し、1個の水素原子が非環状の置換基で置換されていてもよい。);または、下記の式(145)(破線は適宜二重結合を表し;Jは置換基を有していてもよい炭素原子、窒素原子、酸素原子または硫黄原子を表し;Tは置換基を有していてもよい炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子または単結合を表し;Qは置換基を有していてもよい炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子を表し;Mは置換基を有していてもよい炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子または単結合を表し;Lは置換基を有していてもよい炭素原子、窒素原子、酸素原子または硫黄原子を表し;JとTまたはTとQは一緒になって、1,4-ジオキサン環またはベンゼン環を形成していてもよい。)を表す。
【0230】
【化117】
JP0004751998B2_000119t.gif

【0231】
但し、上記の式(137)中、X、X´は、同一であっても異なっていてもよく(但し、X´はなくてもよい。)、mは2以上、10000以下の整数を表し、下記の式(139)(但し、式(139)中、o、pは0または1を表し、qは0以上、4以下の整数を表す。Aは、下記の式(140)(但し、1個の水素原子が非環状の置換基で置換されていてもよい。);下記の式(141)(但し、1個の水素原子が非環状の置換基で置換されていてもよい。);下記の式(142)(但し、1個の水素原子が非環状の置換基で置換されていてもよい。);下記の式(143)(但し、1個の水素原子が非環状の置換基で置換されていてもよい。);下記の式(144)(但し、1個の水素原子が非環状の置換基で置換されていてもよい。);または、下記の式(145)(破線は適宜二重結合を表し;Jは置換基を有していてもよい炭素原子、窒素原子、酸素原子または硫黄原子を表し;Tは置換基を有していてもよい炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子または単結合を表し;Qは置換基を有していてもよい炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子を表し;Mは置換基を有していてもよい炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子または単結合を表し;Lは置換基を有していてもよい炭素原子、窒素原子、酸素原子または硫黄原子を表し;JとTまたはTとQは一緒になって、1,4-ジオキサン環またはベンゼン環を形成していてもよい。)を表す。
【0232】
【化118】
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【0233】
但し、上記の式(138)中、X、X´は、同一であっても異なっていてもよく(但し、X´はなくてもよい。)、nは2以上、10000以下の整数を表し、下記の式(139)(但し、式(139)中、o、pは0または1を表し、qは0以上、4以下の整数を表す。Aは、下記の式(140)(但し、1個の水素原子が非環状の置換基で置換されていてもよい。);下記の式(141)(但し、1個の水素原子が非環状の置換基で置換されていてもよい。);下記の式(142)(但し、1個の水素原子が非環状の置換基で置換されていてもよい。);下記の式(143)(但し、1個の水素原子が非環状の置換基で置換されていてもよい。);下記の式(144)(但し、1個の水素原子が非環状の置換基で置換されていてもよい。);または、下記の式(145)(破線は適宜二重結合を表し;Jは置換基を有していてもよい炭素原子、窒素原子、酸素原子または硫黄原子を表し;Tは置換基を有していてもよい炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子または単結合を表し;Qは置換基を有していてもよい炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子を表し;Mは置換基を有していてもよい炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子または単結合を表し;Lは置換基を有していてもよい炭素原子、窒素原子、酸素原子または硫黄原子を表し;JとTまたはTとQは一緒になって、1,4-ジオキサン環またはベンゼン環を形成していてもよい。)を表す。
【0234】
Dは、炭素数が3以上、10以下のシクロアルキル基;炭素数が2以上、6以下のアルケニレン基;カルバゾリル基;水素原子が、置換基を有していてもよいフェニル基またはアルキル基で置換されていてもよいアミノ基;ピリジニル基;ピラジニレン基;置換基を有していてもよいチオフェニル基;置換基を有していてもよいフェニル基;置換基を有していてもよいフェニレン基を表す。
【0235】
Eは、1個または2個の水素原子が、炭素数が1以上、10以下のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基;1個の水素原子が、炭素数が1以上、6以下のアルキル基で置換されていてもよいピリジニル基;1個の水素原子が、炭素数が1以上、6以下のアルキル基で置換されていてもよいチオフェニル基;1個の水素原子が、炭素数が1以上、6以下のアルキル基で置換されていてもよいチオフェニレン基;を表す。
【0236】
Gは、水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数が1以上、4以下のアルキル基;水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数が1以上、12以下のアルコキシ基;ハロゲン原子;シアノ基を表し、q個のGは同一であっても異なっていてもよい。
【0237】
【化119】
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【0238】
【化120】
JP0004751998B2_000122t.gif

【0239】
【化121】
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【0240】
【化122】
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【0241】
【化123】
JP0004751998B2_000125t.gif

【0242】
【化124】
JP0004751998B2_000126t.gif

【0243】
【化125】
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【0244】
Aが、上記の式(140)、式(141)、式(142)、式(143)、式(144)で表され、1個の水素原子が非環状の置換基で置換されている場合、その置換基は、水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数が1以上、10以下のアルキル基;水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数が1以上、12以下のアルコキシ基;水素原子が、炭素数が1以上、4以下のアルキル基を有していてもよいフェニル基、または、炭素数が1以上、4以下のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基;ハロゲン原子などが挙げられる。このような置換基としては、例えば、-CH、-CHCH、-(CHCH、-(CHCH、-(CHCH、-(CHCH、-(CHCH、-(CHCH、-(CHCH、-(CHCH、-OCH、-OCHCH、-O(CHCH、-O(CHCH、-O(CHCH、-O(CHCH、-O(CHCH、-O(CHCH、-O(CHCH、-O(CHCH、-O(CH10CH、-O(CH11CH、-CF、-CFCF、-(CFCF、-(CFCF、-(CFCF、-(CFCF、-(CFCF、-(CFCF、-(CFCF、-(CFCF、-OCF、-OCFCF、-O(CFCF、-O(CFCF、-O(CFCF、-O(CFCF、-O(CFCF、-O(CFCF、-O(CFCF、-O(CFCF、-O(CF10CF、-O(CF11CF、-B(Mes)(但し、Mesは、下記の式(146)で表されるメチシル基(2,4,6-トリメチルフェニル基)を表す。)、-Si(CH、-Si(C、シアノ基、フッ素、塩素、臭素などが挙げられる。
【0245】
【化126】
JP0004751998B2_000128t.gif

【0246】
また、Aが、上記の式(140)で表される場合、上記の置換基の中でも、水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数が1以上、4以下のアルキル基;水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数が1以上、4以下のアルコキシ基;水素原子が、炭素数が1以上、2以下のアルキル基を有していてもよいフェニル基、または、炭素数が1以上、2以下のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基;-B(Mes);-Si(CH;-Si(C;シアノ基;ハロゲン原子などが好ましい。このような置換基としては、例えば、-CH、-CHCH、-(CHCH、-(CHCH、-OCH、-OCHCH、-O(CHCH、-O(CHCH、-CF、-CFCF、-(CFCF、-(CFCF、-OCF、-OCFCF、-O(CFCF、-O(CFCF、-B(Mes)、-Si(CH、-Si(C、シアノ基、フッ素などが挙げられる。
【0247】
Aが、上記の式(141)で表される場合、上記の置換基の中でも、水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数が1以上、4以下のアルキル基;水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数が1以上、4以下のアルコキシ基が好ましい。このような置換基としては、例えば、-CH、-CHCH、-(CHCH、-(CHCH、-OCH、-OCHCH、-O(CHCH、-O(CHCH、-CF、-CFCF、-(CFCF、-(CFCF、-OCF、-OCFCF、-O(CFCF、-O(CFCFなどが挙げられる。
【0248】
Aが、上記の式(142)で表される場合、上記の置換基の中でも、水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数が1以上、4以下のアルキル基が好ましい。このような置換基としては、例えば、-CH、-CHCH、-(CHCH、-(CHCH、-CF、-CFCF、-(CFCF、-(CFCFなどが挙げられる。
【0249】
Aが、上記の式(143)で表される場合、上記の置換基の中でも、水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数が1以上、4以下のアルキル基が好ましい。このような置換基としては、例えば、-CH、-CHCH、-(CHCH、-(CHCH、-CF、-CFCF、-(CFCF、-(CFCFなどが挙げられる。
【0250】
Aが、上記の式(144)で表される場合、上記の置換基の中でも、水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数が1以上、8以下のアルキル基が好ましい。このような置換基としては、例えば、-CH、-CHCH、-(CHCH、-(CHCH、-(CHCH、-(CHCH、-(CHCH、-(CHCH、-CF、-CFCF、-(CFCF、-(CFCF、-(CFCF、-(CFCF、-(CFCF、-(CFCFなどが挙げられる。
【0251】
また、Aが、上記の式(145)で表される場合、Jは置換基を有していてもよい炭素原子、窒素原子または硫黄原子を表し、Tは置換基を有していてもよい炭素原子、窒素原子または単結合を表し、Qは置換基を有していてもよい炭素原子、窒素原子または硫黄原子を表し、Mは置換基を有していてもよい炭素原子、窒素原子または単結合を表すことが好ましい。このようなAとしては、例えば、置換基を有していてもよいフェニル基;置換基を有していてもよいピリジニル基;置換基を有していてもよいチオフェニル基;置換基を有していてもよいフラニル基;置換基を有していてもよいピリダジニル基;置換基を有していてもよいピリミジニル基;置換基を有していてもよいピラジニル基などが挙げられる。
【0252】
さらに、Aは、下記の式(147)(但し、1個の水素原子が、水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数が1以上、4以下のアルキル基で置換されていてもよい。)で表されることが好ましい。この場合、置換基としては、例えば、-CH、-CHCH、-(CHCH、-(CHCH、-CF、-CFCF、-(CFCF、-(CFCFなどが挙げられる。
【0253】
【化127】
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【0254】
Aは、下記の式(148)(但し、1個の水素原子が、水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数が1以上、8以下のアルキル基で置換されていてもよい。)で表されることが好ましい。この場合、置換基としては、例えば、-CH、-CHCH、-(CHCH、-(CHCH、-(CHCH、-(CHCH、-(CHCH、-(CHCH、-CF、-CFCF、-(CFCF、-(CFCF、-(CFCF、-(CFCF、-(CFCF、-(CFCFなどが挙げられる。
【0255】
【化128】
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【0256】
Aは、下記の式(149)(但し、窒素原子が、炭素数が1以上、4以下のアルキル基で置換されていてもよい。)で表されることが好ましい。この場合、置換基としては、例えば、-CH、-CHCH、-(CHCH、-(CHCH、-CF、-CFCF、-(CFCF、-(CFCFなどが挙げられる。
【0257】
【化129】
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【0258】
Aは、下記の式(150)(但し、窒素原子が、炭素数が1以上、4以下のアルキル基で置換されていてもよい。)で表されることが好ましい。この場合、置換基としては、例えば、-CH、-CHCH、-(CHCH、-(CHCH、-CF、-CFCF、-(CFCF、-(CFCFなどが挙げられる。
【0259】
【化130】
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【0260】
Aは、下記の式(151)(但し、窒素原子が、炭素数が1以上、4以下のアルキル基で置換されていてもよい。)で表されることが好ましい。この場合、置換基としては、例えば、-CH、-CHCH、-(CHCH、-(CHCH、-CF、-CFCF、-(CFCF、-(CFCFなどが挙げられる。
【0261】
【化131】
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【0262】
また、Dは、炭素数が3以上、6以下のシクロアルキル基;炭素数が2以上、3以下のアルケニレン基;炭素数が1以上、10以下のアルキル基、または、炭素数が1以上、3以下のアルコシキ基で置換されていてもよいフェニル基;1個の水素原子が、炭素数が1以上、4以下のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基または炭素数が1以上、4以下のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基;1個の水素原子が、炭素数が1以上、4以下のアルキル基で置換されていてもよいチオフェニル基;チオフェニレン基を表すことが好ましい。このようなDとしては、例えば、-CH=CH-、-CH=C=CH-、-N(CH、-N(CHCH、-N(CHCHCH、-N(CHCHCHCH、下記の式(152)~(183)で表されるものなどが挙げられる。
【0263】
【化132】
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【0264】
【化133】
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【0265】
【化134】
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【0266】
【化135】
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【0267】
【化136】
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【0268】
【化137】
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【0269】
【化138】
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【0270】
【化139】
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【0271】
【化140】
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【0272】
【化141】
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【0273】
【化142】
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【0274】
【化143】
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【0275】
【化144】
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【0276】
【化145】
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【0277】
【化146】
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【0278】
【化147】
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【0279】
【化148】
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【0280】
【化149】
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【0281】
【化150】
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【0282】
【化151】
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【0283】
【化152】
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【0284】
【化153】
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【0285】
【化154】
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【0286】
【化155】
JP0004751998B2_000157t.gif

【0287】
【化156】
JP0004751998B2_000158t.gif

【0288】
【化157】
JP0004751998B2_000159t.gif

【0289】
【化158】
JP0004751998B2_000160t.gif

【0290】
【化159】
JP0004751998B2_000161t.gif

【0291】
【化160】
JP0004751998B2_000162t.gif

【0292】
【化161】
JP0004751998B2_000163t.gif

【0293】
【化162】
JP0004751998B2_000164t.gif

【0294】
【化163】
JP0004751998B2_000165t.gif

【0295】
Eは、1個または2個の水素原子が、炭素数が1以上、8以下のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基;1個の水素原子が、炭素数が1以上、4以下のアルキル基で置換されていてもよいチオフェニル基を表すことが好ましい。このようなEとしては、例えば、上記の式(156)~(163)で表されるもの、上記の式(180)~(183)で表されるもの、下記の式(184)~(191)で表されるものなどが挙げられる。
【0296】
【化164】
JP0004751998B2_000166t.gif

【0297】
【化165】
JP0004751998B2_000167t.gif

【0298】
【化166】
JP0004751998B2_000168t.gif

【0299】
【化167】
JP0004751998B2_000169t.gif

【0300】
【化168】
JP0004751998B2_000170t.gif

【0301】
【化169】
JP0004751998B2_000171t.gif

【0302】
【化170】
JP0004751998B2_000172t.gif

【0303】
【化171】
JP0004751998B2_000173t.gif

【0304】
Gは、水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよいメチル基;n-ヘキソキシ基を表すことが好ましい。このようなGとしては、例えば、-CF、-CCl、-CBr、-O(CHCHなどが挙げられる。
【0305】
また、上記の式(137)において、mは2以上、10000以下の整数であるが、各種溶媒への溶解性に優れ、取り扱い易いことなどから、4以上、500以下であることが好ましい。
【0306】
同様に、上記の式(138)において、nは2以上、10000以下の整数であるが、各種溶媒への溶解性に優れ、取り扱い易いことなどから、4以上、500以下であることが好ましい。
【0307】
このような有機ホウ素化合物の中でも、上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、XおよびX´が下記の式(192)で表されることが好ましい。
【0308】
【化172】
JP0004751998B2_000174t.gif

【0309】
同様に、上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、XおよびX´が下記の式(193)で表されることが好ましい。
【0310】
【化173】
JP0004751998B2_000175t.gif

【0311】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、XおよびX´が下記の式(194)で表されることが好ましい。
【0312】
【化174】
JP0004751998B2_000176t.gif

【0313】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、XおよびX´が下記の式(195)で表されることが好ましい。
【0314】
【化175】
JP0004751998B2_000177t.gif

【0315】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、XおよびX´が下記の式(196)で表されることが好ましい。
【0316】
【化176】
JP0004751998B2_000178t.gif

【0317】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、XおよびX´が下記の式(197)で表されることが好ましい。
【0318】
【化177】
JP0004751998B2_000179t.gif

【0319】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、XおよびX´が下記の式(198)で表されることが好ましい。
【0320】
【化178】
JP0004751998B2_000180t.gif

【0321】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、XおよびX´が下記の式(199)で表されることが好ましい。
【0322】
【化179】
JP0004751998B2_000181t.gif

【0323】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、XおよびX´が下記の式(200)で表されることが好ましい。
【0324】
【化180】
JP0004751998B2_000182t.gif

【0325】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、XおよびX´が下記の式(201)で表されることが好ましい。
【0326】
【化181】
JP0004751998B2_000183t.gif

【0327】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、XおよびX´が下記の式(202)で表されることが好ましい。
【0328】
【化182】
JP0004751998B2_000184t.gif

【0329】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、XおよびX´が下記の式(203)で表されることが好ましい。
【0330】
【化183】
JP0004751998B2_000185t.gif

【0331】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、XおよびX´が下記の式(204)で表されることが好ましい。
【0332】
【化184】
JP0004751998B2_000186t.gif

【0333】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、XおよびX´が下記の式(205)で表されることが好ましい。
【0334】
【化185】
JP0004751998B2_000187t.gif

【0335】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、XおよびX´が下記の式(206)で表されることが好ましい。
【0336】
【化186】
JP0004751998B2_000188t.gif

【0337】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、XおよびX´が下記の式(207)で表されることが好ましい。
【0338】
【化187】
JP0004751998B2_000189t.gif

【0339】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、XおよびX´が下記の式(208)で表されることが好ましい。
【0340】
【化188】
JP0004751998B2_000190t.gif

【0341】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、XおよびX´が下記の式(209)で表されることが好ましい。
【0342】
【化189】
JP0004751998B2_000191t.gif

【0343】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、XおよびX´が下記の式(210)で表されることが好ましい。
【0344】
【化190】
JP0004751998B2_000192t.gif

【0345】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、XおよびX´が下記の式(211)で表されることが好ましい。
【0346】
【化191】
JP0004751998B2_000193t.gif

【0347】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、XおよびX´が下記の式(212)で表されることが好ましい。
【0348】
【化192】
JP0004751998B2_000194t.gif

【0349】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、XおよびX´が下記の式(213)で表されることが好ましい。
【0350】
【化193】
JP0004751998B2_000195t.gif

【0351】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、XおよびX´が下記の式(214)で表されることが好ましい。
【0352】
【化194】
JP0004751998B2_000196t.gif

【0353】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、XおよびX´が下記の式(215)で表されることが好ましい。
【0354】
【化195】
JP0004751998B2_000197t.gif

【0355】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、XおよびX´が下記の式(216)で表されることが好ましい。
【0356】
【化196】
JP0004751998B2_000198t.gif

【0357】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、XおよびX´が下記の式(217)で表されることが好ましい。
【0358】
【化197】
JP0004751998B2_000199t.gif

【0359】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、XおよびX´が下記の式(218)で表されることが好ましい。
【0360】
【化198】
JP0004751998B2_000200t.gif

【0361】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、XおよびX´が下記の式(219)で表されることが好ましい。
【0362】
【化199】
JP0004751998B2_000201t.gif

【0363】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、XおよびX´が下記の式(220)で表されることが好ましい。
【0364】
【化200】
JP0004751998B2_000202t.gif

【0365】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、XおよびX´が下記の式(221)で表されることが好ましい。
【0366】
【化201】
JP0004751998B2_000203t.gif

【0367】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、XおよびX´が下記の式(222)で表されることが好ましい。
【0368】
【化202】
JP0004751998B2_000204t.gif

【0369】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、XおよびX´が下記の式(223)で表されることが好ましい。
【0370】
【化203】
JP0004751998B2_000205t.gif

【0371】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、XおよびX´が下記の式(224)で表されることが好ましい。
【0372】
【化204】
JP0004751998B2_000206t.gif

【0373】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、XおよびX´が下記の式(225)で表されることが好ましい。
【0374】
【化205】
JP0004751998B2_000207t.gif

【0375】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、XおよびX´が下記の式(226)で表されることが好ましい。
【0376】
【化206】
JP0004751998B2_000208t.gif

【0377】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、XおよびX´が下記の式(227)で表されることが好ましい。
【0378】
【化207】
JP0004751998B2_000209t.gif

【0379】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、XおよびX´が下記の式(228)で表されることが好ましい。
【0380】
【化208】
JP0004751998B2_000210t.gif

【0381】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、XおよびX´が下記の式(229)で表されることが好ましい。
【0382】
【化209】
JP0004751998B2_000211t.gif

【0383】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、XおよびX´が下記の式(230)で表されることが好ましい。
【0384】
【化210】
JP0004751998B2_000212t.gif

【0385】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、XおよびX´が下記の式(231)で表されることが好ましい。
【0386】
【化211】
JP0004751998B2_000213t.gif

【0387】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、XおよびX´が下記の式(232)で表されることが好ましい。
【0388】
【化212】
JP0004751998B2_000214t.gif

【0389】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、XおよびX´が下記の式(233)で表されることが好ましい。
【0390】
【化213】
JP0004751998B2_000215t.gif

【0391】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、XおよびX´が下記の式(234)で表されることが好ましい。
【0392】
【化214】
JP0004751998B2_000216t.gif

【0393】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、XおよびX´が下記の式(235)で表されることが好ましい。
【0394】
【化215】
JP0004751998B2_000217t.gif

【0395】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、XおよびX´が下記の式(236)で表されることが好ましい。
【0396】
【化216】
JP0004751998B2_000218t.gif

【0397】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、XおよびX´が下記の式(237)で表されることが好ましい。
【0398】
【化217】
JP0004751998B2_000219t.gif

【0399】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、XおよびX´が下記の式(238)で表されることが好ましい。
【0400】
【化218】
JP0004751998B2_000220t.gif

【0401】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、XおよびX´が下記の式(239)で表されることが好ましい。
【0402】
【化219】
JP0004751998B2_000221t.gif

【0403】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、XおよびX´が下記の式(240)で表されることが好ましい。
【0404】
【化220】
JP0004751998B2_000222t.gif

【0405】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、XおよびX´が下記の式(241)で表されることが好ましい。
【0406】
【化221】
JP0004751998B2_000223t.gif

【0407】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、XおよびX´が下記の式(242)で表されることが好ましい。
【0408】
【化222】
JP0004751998B2_000224t.gif

【0409】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、XおよびX´が下記の式(243)で表されることが好ましい。
【0410】
【化223】
JP0004751998B2_000225t.gif

【0411】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、XおよびX´が下記の式(244)で表されることが好ましい。
【0412】
【化224】
JP0004751998B2_000226t.gif

【0413】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、XおよびX´が下記の式(245)で表されることが好ましい。
【0414】
【化225】
JP0004751998B2_000227t.gif

【0415】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、XおよびX´が下記の式(246)で表されることが好ましい。
【0416】
【化226】
JP0004751998B2_000228t.gif

【0417】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、XおよびX´が下記の式(247)で表されることが好ましい。
【0418】
【化227】
JP0004751998B2_000229t.gif

【0419】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、XおよびX´が下記の式(248)で表されることが好ましい。
【0420】
【化228】
JP0004751998B2_000230t.gif

【0421】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、XおよびX´が下記の式(249)で表されることが好ましい。
【0422】
【化229】
JP0004751998B2_000231t.gif

【0423】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、XおよびX´が下記の式(250)で表されることが好ましい。
【0424】
【化230】
JP0004751998B2_000232t.gif

【0425】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、XおよびX´が下記の式(251)で表されることが好ましい。
【0426】
【化231】
JP0004751998B2_000233t.gif

【0427】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、XおよびX´が下記の式(252)で表されることが好ましい。
【0428】
【化232】
JP0004751998B2_000234t.gif

【0429】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、XおよびX´が下記の式(253)で表されることが好ましい。
【0430】
【化233】
JP0004751998B2_000235t.gif

【0431】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、XおよびX´が下記の式(254)で表されることが好ましい。
【0432】
【化234】
JP0004751998B2_000236t.gif

【0433】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、XおよびX´が下記の式(255)で表されることが好ましい。
【0434】
【化235】
JP0004751998B2_000237t.gif

【0435】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、XおよびX´が下記の式(256)で表されることが好ましい。
【0436】
【化236】
JP0004751998B2_000238t.gif

【0437】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、XおよびX´が下記の式(257)で表されることが好ましい。
【0438】
【化237】
JP0004751998B2_000239t.gif

【0439】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、XおよびX´が下記の式(258)で表されることが好ましい。
【0440】
【化238】
JP0004751998B2_000240t.gif

【0441】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、XおよびX´が下記の式(259)で表されることが好ましい。
【0442】
【化239】
JP0004751998B2_000241t.gif

【0443】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、XおよびX´が下記の式(260)で表されることが好ましい。
【0444】
【化240】
JP0004751998B2_000242t.gif

【0445】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、XおよびX´が下記の式(261)で表されることが好ましい。
【0446】
【化241】
JP0004751998B2_000243t.gif

【0449】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、Xが下記の式(263)で表され、X´が下記の式(264)で表されることが好ましい。
【0450】
【化242】
JP0004751998B2_000244t.gif

【0451】
【化243】
JP0004751998B2_000245t.gif

【0452】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、Xが下記の式(265)で表され、X´が下記の式(266)で表されることが好ましい。
【0453】
【化244】
JP0004751998B2_000246t.gif

【0454】
【化245】
JP0004751998B2_000247t.gif

【0455】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、Xが下記の式(267)で表され、X´が下記の式(268)で表されることが好ましい。
【0456】
【化246】
JP0004751998B2_000248t.gif

【0457】
【化247】
JP0004751998B2_000249t.gif

【0458】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、Xが下記の式(269)で表され、X´が下記の式(270)で表されることが好ましい。
【0459】
【化248】
JP0004751998B2_000250t.gif

【0460】
【化249】
JP0004751998B2_000251t.gif

【0461】
上記の式(135)、式(136)、式(137)、式(138)において、Xが下記の式(271)で表され、X´が下記の式(272)で表されることが好ましい。
【0462】
【化250】
JP0004751998B2_000252t.gif

【0463】
【化299】
JP0004751998B2_000253t.gif

【0464】
【化251】
JP0004751998B2_000254t.gif

【0465】
このような本発明の二光子吸収材料に含まれる有機ホウ素化合物は、π共役骨格として、ホウ素の空のp軌道を介して拡張されるπ共役構造をなしており、さらに、二光子吸収の発現に寄与するホウ素原子による分子軌道の歪をより効果的に制御するために、分子内に電子供与基や電子吸引基を備えている。そして、本発明の二光子吸収材料に含まれる有機ホウ素化合物は、紫外光の照射によりホウ素原子近傍の結合が選択的に断裂する(一光子過程による)。したがって、本発明の二光子吸収材料を用いて光記憶媒体を作製し、二光子吸収過程によって光記憶媒体に結合断裂を生じさせれば、小スポット化および三次元化による、光記憶媒体の大容量化が可能となる。さらに、二光子吸収過程を利用すると、一光子吸収過程の場合と比べて、ビームの集光スポットの広がりのうち、特に光軸方向についての広がりが大幅に短くなることから、小スポット化が可能となるので、光記憶媒体に対する三次元光書込みが容易となる。
【0466】
また、本発明の二光子吸収材料に含まれる有機ホウ素化合物は、各種有機溶媒に可溶である。この有機ホウ素化合物を溶解する有機溶媒としては、当該化合物の分子構造と構造相関の大きなベンゼン系の有機溶媒が好ましく用いられ、ベンゼン系の有機溶媒としては、トルエン、キシレン、メシチレン(トリメチルベンゼン)、ジエチルベンゼン、イソプロピルベンゼンなどが挙げられる。また、当該化合物のうち、分子中に電子供与性やヘテロ原子などを有する置換基が付与された場合には、クロロホルム、塩化メチレン、アセトン、ジオキサン、酢酸エチル、テトラヒドロフランなどの極性溶媒を、好ましい溶媒として追加して挙げることができる。さらに、高分子媒質中に当該化合物を分子分散するに際して、特に極性の高い高分子の場合は、N-メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、トリメチルフォスフェート、メチルエチルケトンなどの極性溶媒を使用することができる。ただし、これらの極性溶媒は、水分を含み易いため、脱水状態で使用するように注意しなければならない。なぜならば、当該化合物は光ばかりでなく、水によっても分解される可能性があるためである。
【0467】
この有機ホウ素化合物は、各種絶縁材などからなる基材の上に薄膜状に形成され、この薄膜が二光子吸収材料として用いられる。
【0468】
この有機ホウ素化合物を基材の上に薄膜状に形成するには、まず、この有機ホウ素化合物を上記のような有機溶媒に溶解して、この有機ホウ素化合物を含む溶液を調製する。
【0469】
次いで、基材の上に、この溶液をスピンコート法などにより塗布した後、乾燥することにより、有機ホウ素化合物からなる薄膜を得る。
【0470】
次に、図1を参照して、有機ホウ素化合物の製造方法の第一の例を示す。
【0471】
ここでは、有機ホウ素化合物として、上記の式(136)において、XおよびX´がフェニル基である場合について説明する。
【0472】
四つ口フラスコに、マグネシウム(Mg)を投入した後、窒素ラインに接続した三方コックを装着し、この四つ口フラスコ内の窒素置換および減圧乾燥を行う。
【0473】
次いで、この四つ口フラスコ内に、脱水テトラヒドロフラン(以下、「THF」と略す。)を滴下した後、1,2-ジブロモエタンを投入して攪拌し、気泡が出るのを確認して、1-ブロモ-2,4,6-トリイソプロピルベンゼン(図1に示す化合物(α))を溶解した脱水THFをゆっくり滴下する。
【0474】
化合物(α)を溶解した脱水THFの滴下を終了した後、この四つ口フラスコをオイルバスにより78℃にて2時間加熱しながら、反応させた後、室温で放冷する。
【0475】
また、上述の方法と同様にして、別の四つ口フラスコ内の窒素置換および減圧乾燥を行った後、この四つ口フラスコ内に、トリメトキシボラン(Trimethoxyborane)を投入して、氷浴により-10℃に冷却する。
【0476】
その後、このトリメトキシボランを投入した四つ口フラスコ内に、上述の化合物(α)を反応させた反応液をゆっくり滴下した後、1時間反応させた後、四つ口フラスコ内の反応液を室温まで昇温する。
【0477】
次いで、この四つ口フラスコ内の反応液を吸引濾過し、反応液に含まれる結晶を脱水ペンタンで洗浄し、濾液を全て濃縮して、透明な油分を得る。
【0478】
得られた油分を減圧蒸留することにより、図1に示す化合物(β)を得る。
【0479】
また、別の四つ口フラスコに、窒素ラインに接続した三方コックを装着し、この四つ口フラスコ内の窒素置換および減圧乾燥を行う。
【0480】
次いで、この四つ口フラスコ内に、化合物(β)、脱水エーテルおよび脱水ペンタンを投入し、氷浴により0℃に冷却しながら攪拌する。
【0481】
次いで、この四つ口フラスコ内に、水素化アルミニウムリチウム(LiAlH)の20%エーテル溶液を滴下し、0℃にて1.5時間反応させる。
【0482】
次いで、この四つ口フラスコ内の反応液を室温まで昇温させた後、この反応液をガラスフィルターにより濾過しながら、その濾液を別の乾燥した四つ口フラスコ内に移す。
【0483】
次いで、この反応液を移した四つ口フラスコ内に、トリメチルクロロシラン(TMSCl)を滴下し、室温にて2時間反応させる。
【0484】
次いで、この四つ口フラスコ内の反応液を、ガラスフィルターにより濾過しながら、その濾液を別の乾燥した四つ口フラスコ内に移す。
【0485】
その後、この四つ口フラスコ内に移した反応液を、加温、減圧しながら濃縮して、図1に示す化合物(γ)を得る。
【0486】
次いで、化合物(γ)が入っている四つ口フラスコ内に、脱水THFを投入して溶液を調製した後、4-エチニル-N,N´-ジメチルアニリン(4-Ethynyl-N,N´-Dimethylaniline)を投入して、水浴により40℃にて5時間、加温しながら攪拌する。
【0487】
次いで、四つ口フラスコ内の反応液を、加温、減圧しながら濃縮した後、四つ口フラスコ内の濃縮物を、冷ヘキサンを加えて結晶化させ、さらに冷ヘキサンによりこの結晶を洗浄し、図1に示す化合物(δ)を得る。
【0488】
次に、図2を参照して、有機ホウ素化合物の製造方法の第二の例を示す。
【0489】
ここでは、有機ホウ素化合物として、上記の式(136)において、XおよびX´が上記の式(206)で表される場合について説明する。
【0490】
四つ口フラスコに、窒素ラインに接続した三方コックを装着し、この四つ口フラスコ内の窒素置換および減圧乾燥を行う。
【0491】
次いで、この四つ口フラスコ内に、化合物(β)、脱水エーテルおよび脱水ペンタンを投入し、氷浴により0℃に冷却しながら攪拌する。
【0492】
次いで、この四つ口フラスコ内に、水素化アルミニウムリチウムの20%エーテル溶液を滴下し、0℃にて2時間反応させる。
【0493】
次いで、この四つ口フラスコ内の反応液を室温まで昇温させた後、この反応液をガラスフィルターにより濾過しながら、その濾液を別の乾燥した四つ口フラスコ内に移す。
【0494】
次いで、この反応液を移した四つ口フラスコ内に、トリメチルシリルクロライド(Trimethylsilylchloride)を滴下し、室温にて2時間反応させる。
【0495】
次いで、この四つ口フラスコ内の反応液を、ガラスフィルターにより濾過しながら、その濾液を別の乾燥した四つ口フラスコ内に移す。
【0496】
その後、この四つ口フラスコ内に移した反応液を、加温、減圧しながら濃縮して、化合物(γ)を得る。
【0497】
次いで、化合物(γ)が入っている四つ口フラスコ内に、脱水THFを投入して溶液を調製した後、4-エチニル-N,N´-ジメチルアニリン(4-Ethynyl-N,N´-Dimethylaniline)を投入して、水浴により40℃にて5時間、加温しながら攪拌する。
【0498】
次いで、四つ口フラスコ内の反応液を、加温、減圧しながら濃縮した後、四つ口フラスコ内の濃縮物を、冷ヘキサンを加えて結晶化させ、さらに冷ヘキサンによりこの結晶を洗浄し、図2に示す化合物(ε)を得る。
【0499】
次に、図3を参照して、有機ホウ素化合物の製造方法の第三の例を示す。
【0500】
ここでは、有機ホウ素化合物として、上記の式(138)で表される場合について説明する。
【0501】
四つ口フラスコに、窒素ラインに接続した三方コックを装着し、この四つ口フラスコ内の窒素置換および減圧乾燥を行う。
【0502】
次いで、この四つ口フラスコ内に、図3に示す化合物(ζ)および脱水THFを投入する。
【0503】
次いで、化合物(γ)を脱水THFに溶解して溶液を調製し、この溶液を化合物(ζ)が投入された四つ口フラスコ内に滴下した後、室温にて5時間、攪拌しながら反応させる。
【0504】
その後、四つ口フラスコ内の反応液を、加温、減圧しながら濃縮した後、四つ口フラスコ内の濃縮物を、少量のクロロホルムに溶解した後、メタノールに再沈殿させる。
【0505】
その後、得られた沈殿物をベンゼンに溶解して凍結乾燥することにより、図3に示す化合物(η)を得る。なお、化合物(η)を表す化学式において、rは2以上、10000以下の整数である。
【0506】
次に、図4を参照して、有機ホウ素化合物の製造方法の第四の例を示す。
【0507】
ここでは、有機ホウ素化合物として、上記の式(138)で表される場合について説明する。
【0508】
四つ口フラスコに、窒素ラインに接続した三方コックを装着し、この四つ口フラスコ内の窒素置換および減圧乾燥を行う。
【0509】
次いで、この四つ口フラスコ内に、図4に示す化合物(θ)および脱水THFを投入する。
【0510】
次いで、化合物(γ)を脱水THFに溶解して溶液を調製し、この溶液を化合物(θ)が投入された四つ口フラスコ内に滴下した後、室温にて12時間、攪拌しながら反応させる。
【0511】
その後、四つ口フラスコ内の反応液を、加温、減圧しながら濃縮した後、四つ口フラスコ内の濃縮物を、冷ヘキサンを加えて結晶化させ、さらに冷ヘキサンによりこの結晶を洗浄し、図4に示す化合物(ι)を得る。なお、化合物(ι)を表す化学式において、sは2以上、10000以下の整数である。
【実施例】
【0512】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0513】
(実施例1)
有機ホウ素化合物として、上記の式(136)において、XおよびX´がフェニル基である化合物を合成した。
【0514】
容量300mLの四つ口フラスコに、マグネシウム3.48gを投入した後、窒素ラインに接続した三方コックを装着し、この四つ口フラスコ内の窒素置換および減圧乾燥を行った。
【0515】
次いで、この四つ口フラスコ内に、脱水THF10mLを滴下した後、1,2-ジブロモエタンを投入して攪拌し、気泡が出るのを確認して、1-ブロモ-2,4,6-イソプロピルベンゼン(図1に示す化合物(α))を溶解した脱水THFをゆっくり滴下した。
【0516】
化合物(α)を溶解した脱水THFの滴下を終了した後、この四つ口フラスコをオイルバスにより78℃にて2時間加熱しながら、反応させた後、室温で放冷した。
【0517】
また、上述の方法と同様にして、別の容量300mLの四つ口フラスコ内の窒素置換および減圧乾燥を行った後、この四つ口フラスコ内に、トリメトキシボラン30mLを投入して、氷浴により-10℃に冷却した。
【0518】
その後、このトリメトキシボランを投入した四つ口フラスコ内に、上述の化合物(α)を反応させた反応液をゆっくり滴下した後、1時間反応させた後、四つ口フラスコ内の反応液を室温まで昇温した。
【0519】
次いで、この四つ口フラスコ内の反応液を吸引濾過し、反応液に含まれる結晶を脱水ペンタン100mLで洗浄し、濾液を全て濃縮して、透明な油分を得た。
【0520】
得られた油分を減圧蒸留することにより、図1に示す化合物(β)を得た。
【0521】
得られた化合物(β)の沸点は106~108℃(1mmHg)、収量は10.8g、収率は36%であった。
【0522】
また、別の容量100mLの四つ口フラスコに、窒素ラインに接続した三方コックを装着し、この四つ口フラスコ内の窒素置換および減圧乾燥を行った。
【0523】
次いで、この四つ口フラスコ内に、化合物(β)、脱水エーテル80mLおよび脱水ペンタン20mLを投入し、氷浴により0℃に冷却しながら攪拌した。
【0524】
次いで、この四つ口フラスコ内に、水素化アルミニウムリチウムの20%エーテル溶液11mLを滴下し、0℃にて1.5時間反応させた。
【0525】
次いで、この四つ口フラスコ内の反応液を室温まで昇温させた後、この反応液をガラスフィルターにより濾過しながら、その濾液を別の乾燥した容量100mLの四つ口フラスコ内に移した。
【0526】
次いで、この反応液を移した四つ口フラスコ内に、トリメチルクロロシラン1.4mLを滴下し、室温にて2時間反応させた。
【0527】
次いで、この四つ口フラスコ内の反応液を、ガラスフィルターにより濾過しながら、その濾液を別の乾燥した容量100mLの四つ口フラスコ内に移した。
【0528】
その後、この四つ口フラスコ内に移した反応液を、加温、減圧しながら濃縮して、白色結晶の図1に示す化合物(γ)を得た。
【0529】
次いで、化合物(γ)が入っている四つ口フラスコ内に、脱水THF22mLを投入して溶液を調製した後、4-エチニル-N,N´-ジメチルアニリン2.0gを投入して、水浴により40℃にて5時間、加温しながら攪拌した。
【0530】
次いで、四つ口フラスコ内の反応液を、加温、減圧しながら濃縮した後、四つ口フラスコ内の濃縮物を、冷ヘキサンを加えて結晶化させ、さらに冷ヘキサンによりこの結晶を洗浄し、黄色結晶の図1に示す化合物(δ)を得た。
【0531】
得られた化合物(δ)の収量は1.75gであった。
【0532】
また、化合物(δ)をH-NMRにより分析したところ、7.59(d,4H)ppm、7.30-7.45(m,10H)ppm、7.00(s,2H)ppm、2.95(m,1H)ppm、2.50(m,2H)ppm、1.33(d,6H)ppm、1.13(d,12H)ppmにピークが観測された(溶媒:重水素化クロロホルム、基準物質:テトラメチルシラン、周波数400MHz)。分析結果を、図5に示す。
【0533】
よって、得られた化合物は、化合物(δ)に間違いないことが確認された。
【0534】
また、化合物(δ)を質量分析計により分析した。分析結果を、図6に示す。
【0535】
分析の結果、化合物(δ)の重量平均分子量(Mw)は420.44であった。
【0536】
(実施例2)
有機ホウ素化合物として、上記の式(136)において、XおよびX´が上記の式(206)である化合物を合成した。
【0537】
容量100mLの四つ口フラスコに、窒素ラインに接続した三方コックを装着し、この四つ口フラスコ内の窒素置換および減圧乾燥を行った。
【0538】
次いで、この四つ口フラスコ内に、化合物(β)、脱水エーテル45mLおよび脱水ペンタン11mLを投入し、氷浴により0℃に冷却しながら攪拌した。
【0539】
次いで、この四つ口フラスコ内に、水素化アルミニウムリチウムの20%エーテル溶液5.0mLを滴下し、0℃にて2時間反応させた。
【0540】
次いで、この四つ口フラスコ内の反応液を室温まで昇温させた後、この反応液をガラスフィルターにより濾過しながら、その濾液を別の乾燥した容量100mLの四つ口フラスコ内に移した。
【0541】
次いで、この反応液を移した四つ口フラスコ内に、トリメチルシリルクロライド(Trimethylsilylchloride)0.48mLを滴下し、室温にて2時間反応させた。
【0542】
次いで、この四つ口フラスコ内の反応液を、ガラスフィルターにより濾過しながら、その濾液を別の乾燥した四つ口フラスコ内に移した。
【0543】
その後、この四つ口フラスコ内に移した反応液を、加温、減圧しながら濃縮して、白色結晶の化合物(γ)を得た。
【0544】
次いで、化合物(γ)が入っている四つ口フラスコ内に、脱水THF22mLを投入して溶液を調製した後、4-エチニル-N,N´-ジメチルアニリン1.45gを投入して、水浴により40℃にて5時間、加温しながら攪拌した。
【0545】
次いで、四つ口フラスコ内の反応液を、加温、減圧しながら濃縮した後、四つ口フラスコ内の濃縮物を、冷ヘキサンを加えて結晶化させ、さらに冷ヘキサンによりこの結晶を洗浄し、黄色結晶の図2に示す化合物(ε)を得た。
【0546】
得られた化合物(ε)の収量は0.73gであった。
【0547】
また、化合物(ε)をH-NMRにより分析したところ、7.47(d,4H)ppm、7.22(d,2H)ppm、7.11(d,2H)ppm、6.98(s,2H)ppm、6.66(d,4H)ppm、2.99(s,12H)ppm、2.96(m,1H)ppm、2.58(m,2H)ppm、1.32(d,6H)ppm、1.1(d,12H)ppmにピークが観測された(溶媒:重水素化クロロホルム、基準物質:テトラメチルシラン、周波数400MHz)。分析結果を、図7に示す。
【0548】
よって、得られた化合物は、化合物(ε)に間違いないことが確認された。
【0549】
また、化合物(ε)を質量分析計により分析した。分析結果を、図8に示す。
【0550】
分析の結果、化合物(ε)の重量平均分子量(Mw)は506.57であった。
【0551】
(実施例3)
有機ホウ素化合物として、上記の式(138)で表される化合物を合成した。
【0552】
容量100mLの四つ口フラスコに、窒素ラインに接続した三方コックを装着し、この四つ口フラスコ内の窒素置換および減圧乾燥を行った。
【0553】
次いで、この四つ口フラスコ内にて、図3に示す化合物(ζ)0.03785gを脱水THF1.0mLに溶解して溶液を調製した。
【0554】
次いで、化合物(γ)を脱水THFに溶解して調製した、トリピルボランテトラヒドロフラン溶液(0.525M)0.6mLを、上記の溶液が入っている四つ口フラスコ内に30分以上かけて滴下した後、室温にて5時間、攪拌しながら反応させた。
【0555】
その後、四つ口フラスコ内の反応液を、加温、減圧しながら濃縮した後、四つ口フラスコ内の濃縮物を、少量のクロロホルムに溶解した後、メタノールに再沈殿させた。
【0556】
その後、得られた沈殿物をベンゼンに溶解して凍結乾燥することにより、図3に示す高分子化合物(η)を得た。
【0557】
得られた高分子化合物(η)の収率は36%であった。
【0558】
高分子化合物(η)をH-NMRにより分析したところ、7.21-7.69(8H,Ar-H,B-CH=CH)ppm、6.92-7.08(2H,Ar-H(トリピル基))ppm、2.86-3.00(1H,CH(トリピル基))ppm、2.39-3.00(2H,CH(トリピル基))ppm、1.02-1.41(18H,CH(トリピル基))ppmにピークが観測された(溶媒:重水素化クロロホルム、基準物質:テトラメチルシラン、周波数400MHz)。
【0559】
また、高分子化合物(η)を13C-NMRにより分析したところ、153.1(Ar)ppm、149.3(Ar)ppm、147.8(Ar)ppm、138.7(Ar(トリピル基))ppm、135.1(Ar(トリピル基))ppm、132.3(Ar(トリピル基))ppm、127.2-128.8(-CH=CH-)ppm、119.8(-CH=CH-)ppm、34.8-35.6(-CH-)ppm、34.3(-CH-)ppm、23.8-24.9(-CH-)ppmにピークが観測された(溶媒:重水素化クロロホルム、基準物質:テトラメチルシラン、周波数100MHz)。
【0560】
よって、得られた化合物は、高分子化合物(η)に間違いないことが確認された。
【0561】
(実施例4)
有機ホウ素化合物として、上記の式(138)で表される化合物を合成した。
【0562】
容量100mLの四つ口フラスコに、窒素ラインに接続した三方コックを装着し、この四つ口フラスコ内の窒素置換および減圧乾燥を行った。
【0563】
次いで、この四つ口フラスコ内に、図4に示す化合物(θ)0.163gおよび脱水THFを投入した。
【0564】
次いで、化合物(γ)0.114gを脱水THF1mLに溶解して溶液を調製し、この溶液を化合物(θ)が投入された四つ口フラスコ内に滴下した後、室温にて12時間、攪拌しながら反応させた。
【0565】
その後、四つ口フラスコ内の反応液を、加温、減圧しながら濃縮した後、四つ口フラスコ内の濃縮物を、冷ヘキサンを加えて結晶化させ、さらに冷ヘキサンによりこの結晶を洗浄し、黄色結晶の図4に示す化合物(ι)を得た。
【0566】
得られた高分子化合物(ι)の収量は0.192g、収率は71%であった。
【0567】
また、元素分析の結果は、炭素81.22(理論値81.89)、水素10.29(理論値10.22)であり、理論値とよく一致した。
【0568】
高分子化合物(ι)をH-NMRにより分析したところ、7.81(2H,-CH=CH-)ppm、6.97(4H,Ar)ppm、4.00-3.75(4H,-OCH-)ppm、2.89(3H,Ar-CH(トリピル基))ppm、2.49(3H,Ar-CH(トリピル基))ppm、1.82-0.86(31H,-C11-,-CCH(トリピル基))ppmにピークが観測された(溶媒:重水素化クロロホルム、基準物質:テトラメチルシラン、周波数400MHz)。
【0569】
また、高分子化合物(ι)を13C-NMRにより分析したところ、151.72(Ar)ppm、121.81(Ar)ppm、110.63(Ar)ppm、148.96(Ar(トリピル基))ppm、147.236(Ar(トリピル基))ppm、119.30(Ar(Tripyl))ppm、129.05(-CH=CH-)ppm、69.02(-OCH-)ppm、35.00(-CH-)ppm、34.31(-CH-)ppm、29.24(-CH-)ppm、28.81(-CH-)ppm、25.59(-CH-)ppm、22.51(-CH-)ppm、24.56(-CH(トリピル基))ppm、14.01(-CH)ppmにピークが観測された(溶媒:重水素化クロロホルム、基準物質:テトラメチルシラン、周波数100MHz)。
【0570】
よって、得られた化合物は、高分子化合物(ι)に間違いないことが確認された。
【0571】
実施例で得られた化合物からなる薄膜を用いて、一光子吸収過程に基づく光照射による結合断裂を調べた。
【0572】
実施例1で得られた化合物(δ)をゼオネックス(日本ゼオン社製)に分散させた後、スピンコート法により、基板上にこの分散液を塗布し、化合物(δ)からなる薄膜を形成した。得られた薄膜における化合物(δ)の含有率は1.02重量%、薄膜の厚みは3.5μmであった。
【0573】
結合断裂の測定は、通常のUV照射装置から波長365nmの光を出射させ、上記のスピンコート薄膜に照射し、吸収スペクトル測定装置により、波長240nmから510nmの領域における吸収スペクトルを測定することにより行った。このとき、照射光のパワを15mW/cmとした。
【0574】
UV光照射に伴う吸収スペクトルの時間変化を図9に示す。
【0575】
図9から、波長340nm近傍の吸収ピークが時間の経過とともに顕著に減少する一方、波長270nm近傍の吸収ピークが増大することが観測された。この吸収ピークの減少または増加は、化合物(δ)内において、UV光照射により結合断裂が引き起こされ、それにより分子内のπ電子共役長が短くなったことに対応している。波長340nmの吸収は、化合物(δ)自体の構造に由来し、波長270nm近傍の吸収は、化合物(δ)の結合断裂により短くなった分子構造に由来する。結合断裂は、ホウ素原子近傍で起こると想定される。
【0576】
以上の一光子吸収過程に基づく吸収スペクトル変化の結果を活用すると、二光子吸収過程に基づく結合断裂を導くことが可能となる。すなわち、図10に示すメカニズムにより、照射する光源の波長を上記の倍にすれば(波長700~800nm)、一光子吸収過程ではなく、二光子吸収過程によって結合断裂を起こし得ることに想到しえる。図10では、波長の異なる二波長の光吸収によって化合物(δ)が励起状態となり、結合断裂が起こるケースについて表しているが、同波長の光を照射してもよい。なお、化合物(δ)においては、波長700~800nmにおいては、ほとんど一光子吸収は見られない。
【0577】
このことを確認するために、本発明者らは、図11に示す白色光ポンプ・プローブ系を構築した。
【0578】
図11中、符号10は白色光ポンプ・プローブ系、11はチタンサファイアレーザ、12はキセノンランプ(連続光)、13,14は反射鏡、15,16は集光レンズ、17は検出器、18は試料(薄膜)、19はポンプ光、20はプローブ光をそれぞれ示す。
【0579】
この系では、チタンサファイアレーザ11から発せられるポンプ光19であるチタンサファイアレーザ光(波長796nm、パルス幅130fs、繰返し周波数1kHz)を、試料18に照射することにより、試料18にて生じた光の吸収(吸光度)の変化を、プローブ光20である白色光(連続光)によって、波長330nm近傍から550nm近傍まで一度に調べることができる。試料18に結合断裂が生じた場合、それに伴う吸収ピークの変化を検出器17により検出することが可能である。
【0580】
図12に、化合物(δ)からなるスピンコート薄膜を用いて、二光子吸収過程に基づく吸収スペクトルの時間変化を調べた結果を示す。
【0581】
ポンプ光の強度を13.6mJ・cm-2・pulse-1とした。化合物(δ)の濃度は9.9重量%、膜厚は3.0μmである。図12に示すように、波長796nmの光照射によっても、図9に示した波長365nmの光照射によると同様に、波長340nm近傍の吸収ピークの強度が次第に減少していくことが確認された。この結果は、図10に示すメカニズムにしたがって、チタンサファイアレーザ光の照射により、分子内に二光子吸収過程により結合断裂が引き起こされてπ電子共役長が短くなったことを意味する。図13は、波長350nmから360nmにおける吸光度の時間依存性を平均してプロットした結果である。吸光度は、照射時間に比例して単調に減少することが判明した。二光子吸収過程により、照射時間に比例して励起状態に励起され、そのまま結合断裂が起こることが分かった。
【0582】
図12および図13に示した結果が、二光子吸収過程によるものであって、一光子吸収過程によるものではないことを検証する実験を行った。
【0583】
図14は、実験系を示す模式図である。実験は、波長660nmの半導体励起固体レーザをポンプ光とし、波長410nmのGaNレーザをプローブ光として用い、プローブ光の透過率変化を検出器で調べることにより行った。試料に入射するポンプ光の強度を20mW(100W/cm)とし、プローブ光の強度を7nW(35mW/cm)とした。このプローブ光パワを7nWに低く設定したのは、プローブ光自体の入射により透過率の変化が起こらないようにするためである。
【0584】
結果を、図15に示す。
【0585】
参考のために、同様の実験系により、ポンプ光を波長410nmのGaNレーザとした結果も併せて示す。この場合のGaNレーザのパワを500mW(50mW/cm)とした。波長410nmの光照射では、ポリマー特有の吸収ピークの減少に呼応して、波長410nmでも透過率は、次第に増大していくものの(図9の吸収ピークの減少に相当する)、波長660nmの光照射では、波長410nmにおける透過率はほとんど変化しないことが分かった。ポンプ光波長を830nmとし、その光強度を、ポンプ光波長660nmの場合に比べて、5倍とした同様の実験によっても、透過率変化は図15と同じように、ほとんど起こらなかった。もし、波長660nmおよび830nm帯において、一光子吸収過程により結合断裂が起こるのであれば、二光子吸収過程との効率の圧倒的な相違から考えて(数桁以上と推察される)、図15において、透過率変化が見られるはずである。
【0586】
なお、以上の結果は、化合物(δ)の分散媒としてゼオネックスを用いたが、ポリメチルメタクリレート(PMMA)によっても、同様の結果が得られた。
【0587】
ここでも、結果は、有機ホウ素化合物は、波長660nmおよび830nmの領域では、一光子吸収が起こらない、すなわち熱効果を排除でき得る材料であることも示している。
【0588】
実施例2で得られた化合物(ε)をゼオネックス(日本ゼオン社製)に分散させて作製したスピンコート薄膜を用いても、図11に示す実験系によって、図13と同様の実験を行った。
【0589】
化合物(ε)の濃度は9.8重量%、膜厚は3.0μmである。ポンプ光の強度を13.6mJ・cm-2・pulse-1とした。図16に、波長350nmから360nmにおける吸光度の時間依存性を平均してプロットした結果を示す。
【0590】
この結果、化合物(ε)においても、チタンサファイアレーザ光の照射により、分子内に二光子吸収過程により結合断裂が引き起こされて、π電子共役長が短くなったことを意味する。吸光度が照射時間に比例して単調に減少するのは、化合物(δ)と同様であったが、その減少の仕方(割合)は、化合物(δ)よりも2~3%大きかった。これは、吸光度の平均する波長域のとり方による影響でもあるが、化合物(ε)の分子構造も関係していると推測される。すなわち、化合物(ε)は、化合物(δ)に比べて、基本構造を同じくする上で、ジメチルアミノ基が加わっていることから、π電子共役長が増大しており、このため、より大きな吸光度の変化をもたらしたと考えることができる。
【0591】
実施例3で得られた高分子化合物(η)からなるスピンコート薄膜を用いても、図10に示す実験系によって、図12と同様の実験を行った。
【0592】
高分子化合物(η)は、単独でスピンコート膜を形成できるので、濃度は100重量%である。
【0593】
高分子化合物(η)からなるスピンコート膜の厚みは0.1μmであった。
【0594】
ポンプ光の強度を10mJ・cm-2・pulse-1とした。
【0595】
図17に、波長365nmから375nmにおける吸光度の時間依存性を平均してプロットした結果を示す。
【0596】
図17の結果から、二光子吸収を経由して、照射時間の増大と共に、初期の早い吸光度の減少と、その後の単調な吸光度の減少を観測することができた。
【0597】
実施例4で得られた高分子化合物(ι)からなるスピンコート薄膜を用いても、図10に示す実験系によって、図12と同様の実験を行った。
【0598】
高分子化合物(ι)は、単独でスピンコート膜を形成できるので、濃度は100重量%である。
【0599】
高分子化合物(ι)からなるスピンコート膜の厚みは0.2μmであった。
【0600】
ポンプ光の強度を19mJ・cm-2・pulse-1とした。
【0601】
図18に、波長415nmから425nmにおける吸光度の時間依存性を平均してプロットした結果を示す。
【0602】
図18の結果から、二光子吸収を経由して、照射時間の増大と共に、初期の早い吸光度の減少と、その後の単調な吸光度の減少を観測することができた。
【産業上の利用可能性】
【0603】
本発明の二光子吸収材料は、その高い二光子吸収係数および結合断裂を引き起こす特長により、例えば、二光子吸収薄膜を積層した三次元型の光記憶媒体に適用することができる。この他に、本発明の二光子吸収材料は、二光子吸収材料を均等に分散した三次元媒体において、レーザ光の照射スポットを任意に移動させ、三次元描写を行わせるデバイスにも適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0604】
【図1】本発明の二光子吸収材料に含まれる有機ホウ素化合物の製造過程の第一の例を示す概略図である。
【図2】本発明の二光子吸収材料に含まれる有機ホウ素化合物の製造過程の第二の例を示す概略図である。
【図3】本発明の二光子吸収材料に含まれる有機ホウ素化合物の製造過程の第三の例を示す概略図である。
【図4】本発明の二光子吸収材料に含まれる有機ホウ素化合物の製造過程の第四の例を示す概略図である。
【図5】実施例1で得られた有機ホウ素化合物をH-NMRにより分析した結果を示すグラフである。
【図6】実施例1で得られた有機ホウ素化合物を質量分析計により分析した結果を示すグラフである。
【図7】実施例2で得られた有機ホウ素化合物をH-NMRにより分析した結果を示すグラフである。
【図8】実施例2で得られた有機ホウ素化合物を質量分析計により分析した結果を示すグラフである。
【図9】実施例1で得られた有機ホウ素化合物からなる薄膜について、UV光照射に伴う吸収スペクトルの時間変化を示すグラフである。
【図10】二光子吸収過程のメカニズムを示す模式図である。
【図11】本発明の二光子吸収材料からなる薄膜について吸光度を観測するために用いた白色光ポンプ・プローブ系を示す模式図である。
【図12】実施例1で得られた有機ホウ素化合物からなる薄膜について、吸光度の経時変化を示すグラフである。
【図13】実施例1で得られた有機ホウ素化合物からなる薄膜について、波長350nmから360nmにおける吸光度の時間依存性を平均してプロットしたグラフである。
【図14】二光子吸収過程の実験系を示す模式図である。
【図15】実施例1で得られた有機ホウ素化合物からなる薄膜について、プローブ光の透過率変化の時間依存性を示すグラフである。
【図16】実施例2で得られた有機ホウ素化合物からなる薄膜について、波長350nmから360nmにおける吸光度の時間依存性を平均してプロットしたグラフである。
【図17】実施例3で得られた有機ホウ素化合物からなる薄膜について、波長365nmから375nmにおける吸光度の時間依存性を平均してプロットしたグラフである。
【図18】実施例4で得られた有機ホウ素化合物からなる薄膜について、波長415nmから425nmにおける吸光度の時間依存性を平均してプロットしたグラフである。
【符号の説明】
【0605】
10・・・白色光ポンプ・プローブ系、11・・・チタンサファイアレーザ、12・・・キセノンランプ、13,14・・・反射鏡、15,16・・・集光レンズ、17・・・検出器、18・・・試料、19・・・ポンプ光、20・・・プローブ光。
図面
【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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