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明細書 :有機材料装置の製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4293467号 (P4293467)
公開番号 特開2008-085200 (P2008-085200A)
登録日 平成21年4月17日(2009.4.17)
発行日 平成21年7月8日(2009.7.8)
公開日 平成20年4月10日(2008.4.10)
発明の名称または考案の名称 有機材料装置の製造方法
国際特許分類 H01L  21/336       (2006.01)
H01L  29/786       (2006.01)
H01L  21/28        (2006.01)
H01L  21/306       (2006.01)
H01L  51/05        (2006.01)
H01L  51/40        (2006.01)
H01L  27/28        (2006.01)
H01L  21/8238      (2006.01)
H01L  27/092       (2006.01)
H01L  27/08        (2006.01)
H01L  51/50        (2006.01)
FI H01L 29/78 616K
H01L 29/78 618B
H01L 29/78 627C
H01L 29/78 613A
H01L 21/28 E
H01L 21/28 301B
H01L 21/306 N
H01L 29/28 100A
H01L 29/28 310K
H01L 29/28 500
H01L 27/08 321A
H01L 27/08 331E
H05B 33/14 A
請求項の数または発明の数 9
全頁数 26
出願番号 特願2006-265538 (P2006-265538)
出願日 平成18年9月28日(2006.9.28)
審査請求日 平成20年7月15日(2008.7.15)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504132272
【氏名又は名称】国立大学法人京都大学
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
【識別番号】000005968
【氏名又は名称】三菱化学株式会社
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
発明者または考案者 【氏名】菅沼 直俊
【氏名】下地 規之
【氏名】奥 良彰
個別代理人の代理人 【識別番号】100087701、【弁理士】、【氏名又は名称】稲岡 耕作
【識別番号】100101328、【弁理士】、【氏名又は名称】川崎 実夫
審査官 【審査官】河本 充雄
参考文献・文献 特開2004-335688(JP,A)
特開2005-86147(JP,A)
調査した分野 H01L 21/336
H01L 21/28
H01L 21/306
H01L 21/8238
H01L 27/08
H01L 27/092
H01L 27/28
H01L 29/786
H01L 51/05
H01L 51/40
H01L 51/50
特許請求の範囲 【請求項1】
基板上に形成された有機材料からなる第1材料層上に無機材料からなる犠牲層を形成する工程と、
前記犠牲層上を含む前記基板上の領域にレジストを形成する工程と、
このレジストを所定パターンに選択露光する選択露光工程と、
前記犠牲層を溶解させることができる水溶液からなる現像液で、前記選択露光工程において露光されたレジスト部分およびその直下の犠牲層を溶解させる現像工程と、
この現像工程の後の前記基板上に、第2材料層を形成する工程と、
前記犠牲層を溶解させることができる水溶液からなる現像液で、前記レジストおよびその直下の犠牲層を溶解させることによって、当該レジスト上の第2材料層をリフトオフし、前記第2材料層をパターニングするリフトオフ工程とを含む、有機材料装置の製造方法。
【請求項2】
前記現像工程後に前記基板上に残っている未露光部分のレジストを露光して、このレジストを前記リフトオフ工程で用いる現像液に可溶な性質に化学変化させる全レジスト露光工程をさらに含み、
この全レジスト露光工程の後に、前記第2材料層を形成する工程を行う、請求項1記載の有機材料装置の製造方法。
【請求項3】
前記現像工程およびリフトオフ工程において用いられる前記現像液は、いずれもアルカリ性水溶液である、請求項1または2記載の有機材料装置の製造方法。
【請求項4】
前記犠牲層が金属層である、請求項1~3のいずれか一項に記載の有機材料装置の製造方法。
【請求項5】
前記第1材料層が有機半導体材料層である、請求項1~4のいずれか一項に記載の有機材料装置の製造方法。
【請求項6】
前記第2材料層が金属層を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の有機材料装置の製造方法。
【請求項7】
前記第2材料層が、前記第1材料層を構成する有機材料層とは別の種類の有機材料層を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の有機材料装置の製造方法。
【請求項8】
前記第1材料層が、複数の有機材料層の積層構造を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の有機材料装置の製造方法。
【請求項9】
前記第2材料層が、複数の有機材料層の積層構造を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の有機材料装置の製造方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
この発明は、有機材料層上に、別の材料層のパターンを有する有機材料装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体活性層に有機半導体材料を用いた有機トランジスタが提案されている。有機トランジスタの一つの構造は、いわゆるトップコンタクト型である。トップコンタクト型の有機トランジスタは、有機半導体層上にソース・ドレイン電極を形成して作製される。より具体的には、たとえば、ガラス基板、プラスチック基板、シリコン基板などの基板上に、ゲート電極が形成され、これを覆うようにゲート絶縁膜が形成される。さらに、このゲート絶縁膜上に有機半導体層が蒸着され、この有機半導体層上にソース・ドレイン電極としての金属層が形成される。
【0003】
この金属層の形成には、一般に真空蒸着法が適用される。より具体的には、真空チャンバ内に蒸着源が配置され、これに対向するように前記ゲート絶縁膜および有機半導体層が形成された基板が配置される。さらに、この基板と蒸着源との間にシャドウマスクが配置される。シャドウマスクには、有機半導体層上に形成すべき金属層のパターン(ソース・ドレイン電極のパターン)に対応した微細な開口が形成されている。蒸着源において蒸発し、有機半導体層に向かって飛来する金属材料分子は、シャドウマスクの開口を通って、有機半導体層の表面に達して付着し、金属層のパターンを形成する。

【特許文献1】特開2005-038638号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、シャドウマスクを用いた前述の方法では、極微細な金属層のパターンを形成することができず、数μmオーダーのパターンが微細化の限界である。したがって、素子の微細化および高集積化には、必ずしも適した方法であるとは言えない。
そこで、素子を微細化するための方法として、インクジェットパターニングを適用することが提案されているが、インクジェットパターニングのインクとなりうる金属材料としては、たとえば、ナノ微粒子である必要がある。それ以外の材料であれば、ラインエッジの凹凸が大きく、パターン精度が悪くなる。
【0005】
一方、金属膜のパターニングにフォトリソグラフィ工程を適用して、パターンの微細化を図ることが考えられるかもしれない。しかし、フォトリソグラフィ工程において用いられるフォトレジストは、一般に、有機溶剤で希釈して基板上に塗布される。ところが、有機溶剤で希釈したフォトレジストを有機半導体層上に塗布すれば、その有機溶剤が有機半導体層を浸食し、その電気的特性を損なわせるおそれがある。
【0006】
前述した問題は、金属層を形成する場合に限らず、基板上に有機材料層を形成した後に、他の材料層(たとえば、有機材料層、絶縁膜など)をパターン形成する場合に共通の問題である。
そこで、この発明の目的は、基板上の有機材料層に対する影響を抑制または防止しつつ、当該基板上に別の材料層の微細パターンを形成することができる有機材料装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための請求項1記載の発明は、基板上に形成された有機材料からなる第1材料層上に無機材料からなる犠牲層を形成する工程と、前記犠牲層上を含む前記基板上の領域にレジストを形成する工程と、このレジストを所定パターンに選択露光する選択露光工程と、前記犠牲層を溶解させることができる水溶液からなる現像液で、前記選択露光工程において露光されたレジスト部分およびその直下の犠牲層を溶解させる現像工程と、この現像工程の後の前記基板上に、第2材料層を形成する工程と、前記犠牲層を溶解させることができる水溶液からなる現像液で、前記レジストおよびその直下の犠牲層を溶解させることによって、当該レジスト上の第2材料層をリフトオフし、前記第2材料層をパターニングするリフトオフ工程とを含む、有機材料装置の製造方法である。
【0008】
この方法によれば、第1材料層を無機材料からなる犠牲層で保護した状態でレジストが形成(塗布)されるので、第1材料層をレジスト中の有機溶媒から保護できる。すなわち、犠牲層によって、第1材料層とレジストとの接触を回避できる。その結果、第1材料層に対する影響を抑制または防止しつつ、基板上に第2材料層を形成(パターニング)することができる。しかも、フォトリソグラフィ技術によって第2材料層をパターニングできるので、シャドウマスクを用いる従来技術に比較して格段に微細化されたパターンの第2材料層を、第1材料層が形成された基板上に形成することができる。むろん、インクジェットパターニングの場合とは異なり、第2材料層の使用材料に対する厳しい制限もない。
【0009】
前記現像工程と前記リフトオフ工程との現像液は、同種のものでも異種のものでもよい。また、前記第2材料層は、たとえば、蒸着法により形成されてもよい。第2材料層の形成パターンは、前記第1材料層に対する接触部を有するパターンでもよいし、前記第1材料層とは接触部を有しないパターンでもよい。
請求項2記載の発明は、前記現像工程後に前記基板上に残っている未露光部分のレジストを露光して、このレジストを前記リフトオフ工程で用いる現像液に可溶な性質に化学変化させる全レジスト露光工程をさらに含み、この全レジスト露光工程の後に、前記第2材料層を形成する工程を行う、請求項1記載の有機材料装置の製造方法である。
【0010】
この方法によれば、現像工程後に基板上に残っている未露光部分のレジストを露光して、このレジストをリフトオフ工程で用いる現像液に可溶な性質に化学変化される全レジスト露光工程が行われる。そのため、リフトオフ工程において、基板上の全レジストを確実に溶解させることができ、レジストと共に第2材料層の不要部分を精密にリフトオフできる。
【0011】
請求項3記載の発明は、前記現像工程およびリフトオフ工程において用いられる前記現像液は、いずれもアルカリ性水溶液である、請求項1または2記載の有機材料装置の製造方法である。
一般に、レジストは、アルカリ性水溶液に可溶であるように設計され、露光後の現像工程では、アルカリ現像液が用いられることが多い。したがって、リフトオフ工程においてアルカリ性水溶液を用い、有機材料層としてアルカリ性水溶液に不溶な材料を用いることによって、有機材料層に対するレジストの選択比を大きくとることができ、精密なリフトオフが可能になる。
【0012】
請求項4記載の発明は、前記犠牲層が金属層である、請求項1~3のいずれか一項に記載の有機材料装置の製造方法である。
この方法によれば、犠牲層として金属層、たとえば、アルミニウムの層などが形成される。一般に、アルミニウムなどの金属は、アルカリ性水溶液に可溶である。そのため、リフトオフ工程における現像液として、たとえば、アルカリ性水溶液を用いた場合、有機材料層に形成された犠牲層を、レジストと共に容易に溶解除去することができる。
【0013】
請求項5記載の発明は、前記第1材料層が有機半導体材料層である、請求項1~4のいずれか一項に記載の有機材料装置の製造方法である。
この方法によれば、犠牲層の働きにより、レジストが有機半導体材料層に接触することを回避できるため、レジスト中の有機溶剤による有機半導体材料層に対する影響を抑制または防止できる。これにより、有機半導体材料層の電気的特性を損なうことなく、有機半導体材料層の上に微細パターンの第2材料層を形成することができる。その結果、優れた電気的特性の有機半導体装置を実現できる。
【0014】
有機半導体装置の例としては、半導体活性層として有機半導体層を用いた有機トランジスタや、有機半導体発光層において電子および正孔の再結合を生じさせて発光を起こす有機半導体発光素子(有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子)を挙げることができる。
請求項6記載の発明は、前記第2材料層が金属層を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の有機材料装置の製造方法である。
【0015】
この方法によれば、第2材料層が金属層、たとえば、金属電極を含むものとして形成される。したがって、たとえば、有機半導体材料層等の有機材料層上に電極を形成したトップコンタクト型デバイスを製造することができる。この場合に、有機材料層の電気的特性を損なうことなく微細パターンの金属膜を基板上(たとえば有機材料層上)に形成できるので、デバイスの微細化および高集積化を図ることができる。
【0016】
請求項7記載の発明は、前記第2材料層が、前記第1材料層を構成する有機材料層とは別の種類の有機材料層を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の有機材料装置の製造方法である。
この方法によれば、第2材料層が、第1材料層を構成する有機材料層とは別の種類の有機材料層を含むものとして形成される。より具体的には、たとえば、第1材料層がP型有機半導体材料で形成され、第2材料層がN型有機半導体材料で形成される。これにより、基板上にP型およびN型の有機半導体材料層をいずれも微細パターンに形成することができる。したがって、たとえば、Pチャンネル型動作の有機トランジスタ素子とNチャンネル型動作の有機トランジスタとを基板上に微細パターンに形成し、これらを基板上で集積化したりすることができる。
【0017】
請求項8記載の発明は、前記第1材料層が、複数の有機材料層の積層構造を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の有機材料装置の製造方法である。
この方法によれば、第1材料層が複数の有機材料層の積層構造として形成されるので、たとえば、有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法として好適に採用することができる。
【0018】
請求項9記載の発明は、前記第2材料層が、複数の有機材料層の積層構造を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の有機材料装置の製造方法である。
この方法によれば、第2材料層が複数の有機材料層の積層構造として形成されるので、たとえば、有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法として好適に採用することができる。より具体的には、たとえば、基板上に複数の微小有機ルミネッセンス素子を高密度で配置することが可能になり、高精細な表示装置を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の第1実施形態に係る方法が適用される有機材料装置の構成を図解的に示す断面図である。
この有機材料装置は、FET(電界効果型トランジスタ)としての基本構造を有する有機トランジスタ1である。有機トランジスタ1は、基板を兼ねるゲート電極2と、このゲート電極2上に積層されたゲート絶縁膜3と、ゲート絶縁膜3上に積層された有機材料層4と、この有機材料層4上に所定の間隔(たとえば、10μm)を空けて形成された一対の電極5,6(ソース・ドレイン電極)とを備えている。すなわち、この有機トランジスタ1は、電極5,6が、有機材料層4に対してゲート電極2とは反対側に配置された、いわゆるトップコンタクト型の構造を有している。たとえば、一対の電極5,6のうちの一方は、有機材料層4にキャリヤ(電子または正孔)を注入するキャリヤ注入電極5であり、他方は有機材料層4からキャリヤを受け取るキャリヤ引き出し電極6である。
【0020】
ゲート電極2は、シリコン基板の表層部に高濃度にN型不純物を導入して形成された不純物拡散層からなる電極である。むろん、たとえば、基板としてプラスチック基板を用い、この基板上にニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)などの金属膜を形成してゲート電極2とすることもできる。ゲート電極2は、少なくとも電極5,6の間の電極間領域7において、ゲート絶縁膜3を介して有機材料層4に対向するように基板上に設けられている。
【0021】
ゲート絶縁膜3は、たとえば、酸化シリコン(SiO2)、五酸化タンタル(Ta2O5)、酸化アルミニウム(Al2O3)ならびに、ノボラック樹脂およびポリイミドなどのポリマー、などから構成される。
有機材料層4は、キャリヤ注入電極5から注入される正孔を移動させることができるP型有機半導体材料(正孔輸送性有機材料)で構成されたP型有機半導体層であってもよいし、キャリヤ注入電極5から注入される電子を移動させることができるN型有機半導体材料(電子輸送性有機材料)で構成されたN型有機半導体層であってもよい。また、正孔および電子の両方を移動させることができるバイポーラ型有機半導体材料からなるバイポーラ型有機半導体層で有機材料層4を構成することもできる。この場合、電極5,6は、いずれもキャリヤ注入電極となり、その一方は正孔を有機材料層4に注入する正孔注入電極となり、他方は電子を有機材料層4に注入する電子注入電極となる。
【0022】
典型的なP型有機半導体材料は、ペンタセンであり、層厚50nmのペンタセン層で有機材料層4を構成することができる。その他、次のようなP型有機半導体材料のなかから任意に選択したものを構成材料として用いることができる。
Pentacene、Tetracene、Anthracene などのアセン系材料。Copper Phthalocyanineなどのフタロシアニン系材料。α-sexithiophene、α,ω-Dihexyl-sexithiophene、dihexyl-anthradithiophene、Bis(dithienothiophene)、α,ω-Dihexyl-quinquethiopheneなどのオリゴチオフェン材料。poly(3-hexylthiophene)、poly(3-butylthiophene)などのポリチオフェン材料。その他、oligophenylene、oligophenylenevinylene、TPD、α-NPD、m-MTDATA、TPAC、TCTA などの低分子材料や、poly(phenylenevinylene)、poly(thienylenevinylene)、polyacetylene、poly(vinylcarbazole)などの高分子材料。
【0023】
また、N型有機半導体材料としては、次のようなN型有機半導体材料のなかから任意に選択したものを構成材料として用いることができる。
NTCDI、C6-NTC、C8-NTC、F15-octyl-NTC、F3-MeBn-NTC等のNTCDI系材料。PTCDI、C6-PTC、C8-PTC、C12-PTC、C13-PTC、Bu-PTC、F7Bu-PTC、Ph-PTC、F5Ph-PTC等のPTCDI系材料。その他、TCNQ、C60フラーレン、F16-CuPc、F14-Pentacene等。
【0024】
さらにまた、バイポーラ型有機半導体材料としては、α-NPD、Alq3(Tris(8-hydroxyquinolinato)alminum(III))、CBP(4,4'-Bis(carbazol-9-y1)biphenyl)、BSA-1m(9,10-Bis(3-cyanostilil)anthracene)、MEHPPV(Poly[2-Methoxy-5-(2-ethylhexyloxy)-1,4-phenylenevinylene])、CN-PPP(Poly[2-(6-cyano-6-methylheptyloxy)-1,4-phenylene])、Bis(2-(2-hydroxyphenyl)-benz-1,3-thiazolato)zinc complex、Poly[(9,9-dihexylfluoren-2,7-diyl)-co-(anthracen-9,10-diyl)]を例示できる。
【0025】
電極5,6には、有機材料層4に適用される有機材料を考慮して、この有機材料層4との間でキャリヤの授受を行いやすい材料が適用される。具体的には、たとえば、金(Au)、アルミニウム(Al)、マグネシウム-金(Mg-Au)合金、マグネシウム-銀(Mg-Ag)合金、アルミニウム-リチウム(Al-Li)合金、カルシウム(Ca)、白金(Pt)、ITO(酸化インジウム(In2O3)と酸化錫(SnO2)との固溶体)などで電極5,6を構成することができる。
【0026】
P型有機半導体層(たとえば、ペンタセン層)で有機材料層4を構成する場合には、有機トランジスタ1において、半導体動作時には、電極5,6間には、キャリヤ注入電極5側が正となる電圧が印加される。この状態で、ゲート電極2に負の電圧を印加すると、電極5,6間において有機材料層4内にチャネルが形成される。これにより、キャリヤ注入電極5から注入された正孔が有機材料層4を通ってキャリヤ引き出し電極6へと輸送される。こうして、電極5,6間が導通する。ゲート電極2への印加電圧を取り除くと、有機材料層4内のチャネルが消失して、電極5,6間が遮断される。電極5,6間の電流は、ゲート電極2への印加電圧に依存して変化する。このようにしてトランジスタ動作が行われる。
【0027】
図2A~2Gは、図1の有機トランジスタの製造方法を工程順に示す図解的な断面図である。まず、図2Aに示すように、基板を兼ねるゲート電極2上に、ゲート絶縁膜3が形成され、このゲート絶縁膜3上に有機材料層4(第1材料層)が積層形成され、さらに、この有機材料層4の上に犠牲層8が積層形成される。
犠牲層8は、後述するフォトレジスト9に対して化学的に安定な無機材料であり、たとえば、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、タリウム(Tl)などの周期律表(IUPAC、1990年)IIIB族に属する金属材料、アルミニウム-タンタル(Al-Ta)合金などが挙げられる。一般に、アルミニウムなどの金属は、アルカリ性水溶液に可溶であるため、犠牲層8がこのような金属であると、後述するリフトオフ時に、フォトレジスト9と共に犠牲層8を容易に溶解除去することができ、犠牲層8が有機材料層4に残存することを防止できる。
【0028】
次に、この状態で、図2Bに示すように、犠牲層8の上にフォトレジスト9が塗布される。この時、有機材料層4は、犠牲層8に保護されているので、有機材料層4とフォトレジスト9との接触を回避できる。すなわち、フォトレジスト9中の有機溶媒が有機材料層4を浸食したりすることがない。フォトレジスト9としては、紫外線露光を受けることにより、アルカリ現像液に対して可溶な性質に化学変化するものが用いられる。
【0029】
次に、フォトレジスト9に対して適切なベーク処理を施した後、図2Cに示すように、この状態の基板の上方にフォトマスク10Aが配置され、フォトレジスト9が選択的に露光される。すなわち、フォトマスク10Aには、電極5および電極6にそれぞれ対応する形状の開口10aおよび開口10bが形成されていて、この開口10aおよび開口10bに対応する領域のフォトレジスト9が選択的に紫外線露光される(選択露光工程)。これにより、フォトレジスト9の開口10aおよび開口10bに対応する部分は、アルカリ現像液に対して可溶な性質に化学変化する。
【0030】
次に、図2Dに示すように、アルカリ現像液、たとえば、TMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)を用いてフォトレジスト9を現像することにより、電極5,6を形成すべき領域の有機材料層4が露出させられる(現像工程)。
次に、図2Eに示すように、全面が紫外線露光され、基板上に残存しているすべてのフォトレジスト9が紫外線によって露光される(全レジスト露光工程)。
【0031】
次に、図2Fに示すように、全面に金属層である電極5,6(第2材料層)が蒸着され、さらに、図2Gに示すように、アルカリ現像液を用いて、フォトレジスト9が溶解させられる。これにより、電極5,6の不要部分がフォトレジスト9とともにリフトオフされて(リフトオフ工程)、有機トランジスタ1が完成する。
このように、犠牲層8の働きにより、有機溶剤に希釈されたフォトレジスト9が有機材料層4に接触することを回避できるため、有機材料層4に対する影響を抑制または防止しながら、つまり、有機材料層4の電気的特性を損なうことなく、フォトリソグラフィによって、有機材料層4の上に電極5,6の微細パターンを形成することができる。また、リフトオフ時にもアルカリ性水溶液を用いることによって、有機材料層4に対するフォトレジスト9の選択比を大きくとることができ、精密なリフトオフが可能になる。
【0032】
図3は、この発明の第2の実施形態に係る方法が適用される有機材料装置の構成を説明するための図解的な断面図である。
この有機材料装置は、基板11(たとえば、ガラス基板、シリコン基板またはプラスチック基板)上に複数(たとえば、2つ)の有機トランジスタ12P,12Nが形成された、有機トランジスタ集積回路素子29である。
【0033】
個々の有機トランジスタ12P,12Nは、基板11上に形成されたゲート電極13,14と、ゲート電極13,14上に積層されたゲート絶縁膜15と、ゲート絶縁膜15上に所定の間隔(たとえば、10μm)を空けて形成された電極16P,17,16Nと、これらの電極16P,17,16N上に形成され、ゲート電極13,14と対向配置された有機半導体層18,19とを備えている。すなわち、この有機トランジスタ集積回路素子29は、電極16P,17,16Nが、有機半導体層18,19に対してゲート電極13,14と同じ側に配置された、いわゆるボトムコンタクト型の構造を有している。電極17は、一対の有機トランジスタ12P,12Nによって共有され、それらを互いに接続している。
【0034】
一方の有機半導体層18はP型有機半導体層(第1材料層)であり、他方の有機半導体層19はN型有機半導体層(第2材料層)である。すなわち、この実施形態では、基板11上に、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)構造の回路を形成できる。P型有機半導体層18は前述のP型有機半導体材料で構成することができ、同じく、N型有機半導体層19は前述のN型有機半導体材料で構成することができる。
【0035】
ゲート電極13,14の材料としては、たとえば、上記した第1の実施形態におけるゲート電極2と同様の材料が挙げられる。
ゲート絶縁膜15についても同様に、上記した第1の実施形態におけるゲート絶縁膜3と同様の材料で構成することができる。
電極16Pは、P型有機半導体層18に正孔を注入する正孔注入電極であり、電極16NはN型有機半導体層19に電子を注入する電子注入電極である。電極16P,17,16Nの材料としては、たとえば、上記した第1の実施形態における電極5,6と同様の材料が挙げられる。
【0036】
P型有機半導体層18とN型有機半導体層19とは、互いに異なる種類の有機材料で構成されている。
そして、この有機トランジスタ集積回路素子29において、個々の有機トランジスタ12P,12Nを電気的に分離する素子分離の目的で、隣り合うP型有機半導体層18とN型有機半導体層19とは、互いに間隔Dを開けて分離されている。この間隔Dは、たとえば、1マイクロメートルのオーダーであり、これにより、サブミクロンルールの有機トランジスタ集積回路素子29が構成されている。
【0037】
図4A~4Fおよび図5G~5Lは、図3の有機トランジスタ集積回路素子の製造方法を工程順に示す図解的な断面図である。この図4および図5において前述の図2に示された各部に対応する部分には、図2の場合と同一の参照符号を付して示す。
まず、図4Aに示すように、ゲート電極13,14、ゲート絶縁膜15および電極16P,17,16Nが形成された(ゲート電極13,14については、たとえば、フォトリソグラフィによりパターニングされて形成)基板11の表面(正確には、ゲート絶縁膜15および電極16P,17,16Nの表面)の全面に、フォトレジスト20が塗布され、適切なベーク処理が施される。この状態の基板11の上方にフォトマスク10Bが配置され、フォトレジスト20が選択的に露光される。すなわち、フォトマスク10Bには、P型有機半導体層18に対応する形状の開口10cが形成されていて、この開口10cに対応する領域のフォトレジスト20が選択的に紫外線露光される。
【0038】
次に、図4Bに示すように、アルカリ現像液を用いてフォトレジスト20を現像することにより、電極16P,17の各一部が露出させられる。このとき、フォトレジスト20は、形成すべきP型有機半導体層18のパターンを反転したパターン(反転パターン)に現像されることになる。この後、次に形成されるP型有機半導体層18とゲート絶縁膜15との密着力を強化するための表面処理として、HMDS処理が行われ、さらに、P型有機半導体層18と電極16P,17(たとえばAuからなるもの)との密着力を強化するために、チオール化合物を用いた表面処理が行われる。
【0039】
次に、図4Cに示すように、全面が紫外線露光され、基板11上のすべてのフォトレジスト20が紫外線によって露光される。
次に、図4Dに示すように、全面にP型有機半導体層18が蒸着され、さらに、図4Eに示すように、アルカリ現像液を用いて、フォトレジスト20が溶解させられる。これにより、P型有機半導体層18の不要部分がリフトオフされる。フォトレジスト20は、図4Cの工程において予め紫外線に露光されているため、アルカリ現像液に容易に溶解し、P型有機半導体層18に対して高い選択比で除去される。また、P型有機半導体層18の形成前にHMDS処理およびチオール化合物による表面処理を行っているため、リフトオフ時にもP型有機半導体層18とゲート絶縁膜15および電極16P,17との結合が強固に保持される。こうして、有機トランジスタ12Pの電極16P,17間に渡る領域に、これらの電極16P,17に接するP型有機半導体層18を形成することができる。
【0040】
次に、図4Fに示すように、P型有機半導体層18を含む全面に、犠牲層8が形成される。
次に、この状態で、図5Gに示すように、犠牲層8の上にフォトレジスト9が塗布される。この時、P型有機半導体層18は、犠牲層8に保護されているので、P型有機半導体層18とフォトレジスト9との接触を回避できる。すなわち、フォトレジスト9中の有機溶媒がP型有機半導体層18を浸食したりすることがない。
【0041】
次に、図5Hに示すように、この状態の基板の上方にフォトマスク10Cが配置され、フォトレジスト9が選択的に露光される。すなわち、フォトマスク10Cには、N型有機半導体層19に対応する形状の開口10dが形成されていて、この開口10dに対応する領域のフォトレジスト9が選択的に紫外線露光される(選択露光工程)。これにより、フォトレジスト9の開口10dに対応する部分は、アルカリ現像液に対して可溶な性質に化学変化する。
【0042】
次に、図5Iに示すように、アルカリ現像液、たとえば、TMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)を用いてフォトレジスト9を現像することにより、N型有機半導体層19を形成すべき領域の電極16N,17が露出させられる(現像工程)。
次に、図5Jに示すように、全面が紫外線露光され、基板上に残存しているすべてのフォトレジスト9が紫外線によって露光される(全レジスト露光工程)。
【0043】
次に、図5Kに示すように、全面にN型有機半導体層19が蒸着され、さらに、図5Lに示すように、アルカリ現像液を用いて、フォトレジスト9が溶解させられる。これにより、N型有機半導体層19の不要部分がフォトレジスト9とともにリフトオフされて(リフトオフ工程)、同一基板上に複数種類の有機トランジスタ12P,12Nが形成された有機トランジスタ集積回路素子29が完成する。
【0044】
このように、犠牲層8の働きにより、有機溶剤に希釈されたフォトレジスト9がP型有機半導体層18およびN型有機半導体層19に接触することを回避できるため、P型有機半導体層18およびN型有機半導体層19に対する影響を抑制または防止しながら、つまり、P型有機半導体層18およびN型有機半導体層19の電気的特性を損なうことなく、フォトリソグラフィによって、基板上にP型有機半導体層18およびN型有機半導体層19をいずれも微細パターンに形成することができる。
【0045】
図6は、この発明の第3の実施形態に係る方法が適用される有機材料装置の構成を説明するための図解的な断面図である。
この有機材料装置は、基板21上に複数色(たとえば、3色)の赤色有機EL22R,22G,22B(総称するときには「有機EL22」という。)が形成された、RGB発光素子30である。
【0046】
基板21は、光透過率の高い材料、たとえば、ガラス基板またはプラスチック基板などから構成される。これにより、有機EL22で生じる光は、基板21を通過して外部に取り出される。
有機EL22は、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色に発光する発光色素の種類が異なる。そのため、同時に形成することができず、赤色有機EL22Rと、緑色有機EL22Gと、青色有機EL22Bとに分離して形成される。個々の有機EL22は、基板21上に形成された信号電極23(陽極)と、赤色有機層24R,緑色有機層24G,青色有機層24B(総称するときには「有機層24」という。)と、電子注入層25と、走査電極26(陰極)とを備えている。より詳しくは、信号電極23が、基板21上に互いに間隔を空けて3箇所に分離形成され、各信号電極23をそれぞれ覆うように有機層24が形成され、各有機層24上に電子注入層25が形成されている。そして、走査電極26が、電子注入層25の上面および側面、ならびに有機層24の側面を覆うように形成されており、走査電極26と信号電極23とは、有機層24を隔てて、接触が回避されている。
【0047】
信号電極23は、有機層24に正孔を注入するための電極であり、たとえば、ITO(酸化インジウム(In2O3)と酸化錫(SnO2)との固溶体)、IZO(酸化インジウム亜鉛)または酸化亜鉛(ZnO)などの透明電極材料から構成される。
有機層24は、有機EL22における発光部分であり、正孔輸送層241と、赤色、緑色および青色の各発光層242R,242G,242B(総称するときには「発光層242」という。)と、電子輸送層243とを信号電極23上に積層した積層構造を有している。
【0048】
正孔輸送層241は、信号電極23から注入される正孔を発光層242へと輸送するための層であり、たとえば、α-NPD、TPDなどのジアミン系材料、またはm-TDATAなどで構成される。
信号電極23から正孔輸送層241への正孔の注入を容易にするため、正孔輸送層241と信号電極23との間に正孔注入層を介装してもよい。このような正孔注入層の材料としては、たとえば、Copper Phthalocyanine、m-MTDATA(たとえば、層厚は1nm以下)などが挙げられる。
【0049】
発光層242は、正孔輸送層241から正孔の供給を受け、また、電子輸送層243から電子の供給を受けて、これら正孔および電子を再結合させることによって発光を生じさせる層であり、分離形成された各有機EL22に対応して、赤色発光層242R、緑色発光層242Gおよび青色発光層242Bとして構成される。
各発光層242は、キャリヤ(正孔または電子)輸送能力を有している必要はないが、正孔輸送層241および電子輸送層243よりも発光量子効率の高い有機半導体材料からなるものであることが好ましく、Alq3などの蛍光を示す金属錯体系材料に蛍光色素をドープして構成される。たとえば、赤色発光層242Rとしては、Alq3にDCMがドープされたもの、たとえば、緑色発光層242Gとしては、Alq3にCoumaline(クマリン)がドープされたもの、たとえば、青色発光層242Bとしては、Alq3にPerylene(ペリレン)がドープされたものなどが挙げられる。
【0050】
電子輸送層243は、走査電極26から電子注入層25を介して注入される電子を輸送するための層であり、たとえば、Alq3などの金属錯体系材料から構成される。
電子注入層25は、走査電極26と電子輸送層243とのエネルギー障壁を緩和するように作用する層であり、走査電極26と電子輸送層243との間に電子注入層25を介在させることにより、電子輸送層243に対して容易に電子を注入することができる。電子注入層25の材料としては、Alq3やBathophenanthrolineなどの電子輸送性有機半導体にリチウム(Li)、セシウム(Cs)などのアルカリ金属をドープした層、フッ化リチウム(LiF)を始めとするアルカリ金属・アルカリ土類金属フッ化物、酸化ゲルマニウム(GeO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)などが挙げられる。
【0051】
走査電極26は、電子注入層25を介して電子輸送層243に電子を注入するための電極であり、導電率が高く、電子輸送層243に対して電子を注入しやすい金属、たとえば、アルミニウム(Al)、カルシウム(Ca)マグネシウム-アルミニウム(Mg-Al)合金、アルミニウム-リチウム(Al-Li)合金、などから構成される。
発光動作時には、たとえば、信号電極23に対して正の電圧が印加され、正孔輸送層241に正孔が注入される。一方、走査電極26に対して、負の電圧が印加され、電子注入層25を介して電子輸送層243に電子が注入される。そして、これらの電子と正孔とが各層を輸送され、有機材料層4内で再結合することにより発光する。発光した光は、信号電極23および基板21を通過して外部に取り出される。
【0052】
図6に示された構造で構成した画素を基板21上に複数個マトリクス配列することにより、二次元カラー表示装置を構成することができる。
図7A~7E、図8F~8I、図9J~9M、図10N~図10Qおよび図11R~図11Uは、図6のRGB発光素子の製造方法を工程順に示す図解的な断面図である。この図7~図11において前述の図2、図4および図5に示された各部に対応する部分には、図2、図4および図5の場合と同一の参照符号を付して示す。
【0053】
まず、図7Aに示すように、信号電極23が所定の間隔を空けて形成(たとえば、フォトリソグラフィによりパターニングされて形成)された基板21の表面(正確には、基板21および信号電極23の表面)の全面に、フォトレジスト20が塗布され、適切なベーク処理が施される。この状態の基板21の上方にフォトマスク10Dが配置され、フォトレジスト20が選択的に露光される。すなわち、フォトマスク10Dには、赤色有機EL22Rに対応する形状の開口10eが形成されていて、この開口10eに対応する領域のフォトレジスト20が選択的に紫外線露光される。
【0054】
次に、図7Bに示すように、アルカリ現像液を用いてフォトレジスト20を現像することにより、赤色有機EL22Rに対応する信号電極23が露出させられる。このとき、フォトレジスト20は、形成すべき赤色有機EL22Rのパターンを反転したパターン(反転パターン)に現像されることになる。
次に、図7Cに示すように、全面が紫外線露光され、基板21上のすべてのフォトレジスト20が紫外線によって露光される。
【0055】
次に、図7Dに示すように、全面に正孔輸送層241、赤色発光層242Rおよび電子輸送層243が、蒸着源を切り換えながら連続的に蒸着され、信号電極23上に赤色有機層24R(第1材料層)が積層構造を有するように形成される。さらに、図7Eに示すように、アルカリ現像液を用いて、フォトレジスト20が溶解させられる。これにより、赤色有機層24Rの不要部分がリフトオフされる。
【0056】
次に、図8Fに示すように、基板21および赤色有機層24Rの全面に、犠牲層8が形成される。
次に、この状態で、図8Gに示すように、犠牲層8の上にフォトレジスト9が塗布される。この時、赤色有機層24Rは、犠牲層8に保護されているので、赤色有機層24Rとフォトレジスト9との接触を回避できる。すなわち、フォトレジスト9中の有機溶媒が赤色有機層24Rを浸食したりすることがない。
【0057】
次に、フォトレジスト9に対して適切なベーク処理を施した後、図8Hに示すように、この状態の基板の上方にフォトマスク10Eが配置され、フォトレジスト9が選択的に露光される。すなわち、フォトマスク10Eには、緑色有機層24Gに対応する形状の開口10fが形成されていて、この開口10fに対応する領域のフォトレジスト9が選択的に紫外線露光される(選択露光工程)。これにより、フォトレジスト9の開口10fに対応する部分は、アルカリ現像液に対して可溶な性質に化学変化する。
【0058】
次に、図8Iに示すように、アルカリ現像液、たとえば、TMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)を用いてフォトレジスト9を現像することにより、緑色有機層24Gを形成すべき領域の信号電極23が露出させられる(現像工程)。
次に、図9Jに示すように、全面が紫外線露光され、基板上に残存しているすべてのフォトレジスト9が紫外線によって露光される(全レジスト露光工程)。
【0059】
次に、図9Kに示すように、全面に正孔輸送層241、緑色発光層242Gおよび電子輸送層243が、蒸着源を切り換えながら連続的に蒸着され、信号電極23上に緑色有機層24G(第2材料層)が積層構造を有するように形成される。さらに、図9Lに示すように、アルカリ現像液を用いて、フォトレジスト9が溶解させられる。これにより、緑色有機層24Gの不要部分がリフトオフされる。
【0060】
その後、図8F~図8Iおよび図9J~9Lと同様の工程が行なわれ、図9Mに示すように、青色有機層24Bが形成される。
次に、図10Nに示すように、有機層24および基板21の全面に犠牲層8が形成される。次に、この状態で、図10Oに示すように、犠牲層8の上にフォトレジスト9が塗布される。この時、有機層24は、犠牲層8に保護されているので、有機層24とフォトレジスト9との接触を回避できる。すなわち、フォトレジスト9中の有機溶媒が有機層24を浸食したりすることがない。
【0061】
次に、図10Pに示すように、基板21の上方にフォトマスク10Fが配置され、フォトレジスト9が選択的に露光される。すなわち、フォトマスク10Fには、電子注入層25に対応する形状の開口10g~iが形成されていて、この開口10g~iに対応する領域のフォトレジスト9が選択的に紫外線露光される。
次に、図10Qに示すように、アルカリ現像液を用いてフォトレジスト9を現像することにより、有機層24が露出させられる。その後、図11Rに示すように全面が紫外線露光され、基板21上のすべてのフォトレジスト9が紫外線によって露光される。
【0062】
次に、図11Sに示すように、各有機層24に電子注入層25が形成され、図11Tに示すように、アルカリ現像液を用いて、フォトレジスト9が溶解させられる。これにより、電子注入層25の不要部分がリフトオフされる。
そして、図11Uに示すように、走査電極26が形成されて、同一基板上に複数の有機ELが形成されたRGB発光素子30が完成する。
【0063】
このように、犠牲層8の働きにより、有機溶剤に希釈されたフォトレジスト9が各有機層24に接触することを回避できるため、有機層24に対する影響を抑制または防止しながら、つまり、有機層24の電気的特性を損なうことなく、フォトリソグラフィによって、各有機層24をいずれも微細パターンに形成することができる。そのため、高精細でかつ表示品質の高い2次元表示デバイスを実現できる。
【0064】
図12は、この発明の第4の実施形態に係る方法が適用される有機材料装置の構成を説明するための図解的な断面図である。この図12において前述の図1に示された各部に対応する部分には、図1の場合と同一の参照符号を付して示す。
この有機材料装置は、有機トランジスタ32が複数(図12に表れているのは3つだが、実際にはより多数)集積された、有機トランジスタ集積回路素子31である。
【0065】
個々の有機トランジスタ32は、図1に示す有機トランジスタ1とほぼ同じ構成であり、ゲート電極2が基板33(たとえば、ガラス基板、シリコン基板またはプラスチック基板)と一体的に形成されておらず、基板33上に分離して形成されている点において、図1の有機トランジスタ1と異なっている。また、一部の電極6は、隣り合う一対の有機トランジスタ32によって共有されており、これらを互いに接続している。
【0066】
図13A~図13D、図14E~14Hおよび図15I~図15Lは、図12の有機トランジスタ集積回路素子の製造方法を工程順に示す図解的な断面図である。図13、図14および図15において図2、図4および図5に示された各部に対応する部分には、図2、図4および図5の場合と同一の参照符号を付して示す。
まず、図13Aに示すように、ゲート電極2およびゲート絶縁膜3が形成(ゲート電極2については、たとえば、フォトリソグラフィによりパターニングして形成)された基板33の表面(正確にはゲート絶縁膜3の表面)の全面に、フォトレジスト20が塗布され、適切なベーク処理が施される。この状態の基板33の上方にフォトマスク10Gが配置され、フォトレジスト20が選択的に露光される。すなわち、フォトマスク10Gには、有機材料層4に対応する形状の開口10j~lが形成されていて、この開口10j~lに対応する領域のフォトレジスト20が選択的に紫外線露光される。
【0067】
次に、図13Bに示すように、アルカリ現像液を用いてフォトレジスト20を現像することにより、ゲート絶縁膜3の一部が露出させられる。このとき、フォトレジスト20は、形成すべき有機材料層4のパターンを反転したパターン(反転パターン)に現像されることになる。
次に、図13Cに示すように、全面が紫外線露光され、基板33上のすべてのフォトレジスト20が紫外線によって露光される。
【0068】
次に、図13Dに示すように、全面に有機材料層4(第1材料層)が蒸着され、図14Eに示すように、アルカリ現像液を用いて、フォトレジスト20が溶解させられる。これにより、有機材料層4の不要部分がリフトオフされる。
次に、図14Fに示すように、有機材料層4を含む全面に、犠牲層8が形成される。
次に、この状態で、図14Gに示すように、犠牲層8の上にフォトレジスト9が塗布される。この時、有機材料層4は、犠牲層8に保護されているので、有機材料層4とフォトレジスト9との接触を回避できる。すなわち、フォトレジスト9中の有機溶媒が有機材料層4を浸食したりすることがない。
【0069】
次に、フォトレジスト9に対して適切なベーク処理を施した後、図14Hに示すように、この状態の基板の上方にフォトマスク10Hが配置され、フォトレジスト9が選択的に露光される。すなわち、フォトマスク10Hには、電極5および電極6にそれぞれ対応する形状の開口10m~qが形成されていて、この開口10m~qに対応する領域のフォトレジスト9が選択的に紫外線露光される(選択露光工程)。これにより、フォトレジスト9の開口10m~qに対応する部分は、アルカリ現像液に対して可溶な性質に化学変化する。
【0070】
次に、図15Iに示すように、アルカリ現像液、たとえば、TMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)を用いてフォトレジスト9を現像することにより、電極5,6を形成すべき領域の有機材料層4が露出させられる(現像工程)。
次に、15Jに示すように、全面が紫外線露光され、基板上に残存しているすべてのフォトレジスト9が紫外線によって露光される(全レジスト露光工程)。
【0071】
次に、図15Kに示すように、全面に金属層である電極5,6(第2材料層)が蒸着され、さらに、図15Lに示すように、アルカリ現像液を用いて、フォトレジスト9が溶解させられる。これにより、電極5,6の不要部分がフォトレジスト9とともにリフトオフされて(リフトオフ工程)、有機トランジスタ32が複数集積された、有機トランジスタ集積回路素子31が完成する。
【0072】
このように、犠牲層8の働きにより、有機溶剤に希釈されたフォトレジスト9が有機材料層4に接触することを回避できるため、有機材料層4に対する影響を抑制または防止しながら、つまり、有機材料層4の電気的特性を損なうことなく、フォトリソグラフィによって、有機材料層4の上に電極5,6の微細パターンを形成することができる。これにより、デバイスの微細化および高集積化を図ることができる。
【0073】
図16は、この発明の第5の実施形態に係る方法が適用される有機材料装置の構成を説明するための図解的な断面図である。この図16において前述の図1に示された各部に対応する部分には、図1の場合と同一の参照符号を付して示す。
この有機材料装置は、材料が異なる複数(たとえば、2つ)の電極が有機材料層4の上面に接触して形成されるトップコンタクト型の有機トランジスタ35である。
【0074】
この有機トランジスタ35は、図1に示す有機トランジスタ1とほぼ同じ構成であり、ゲート電極2が基板36(たとえば、ガラス基板、シリコン基板またはプラスチック基板)と一体的に形成されておらず、基板36上に分離して形成されている点、および電極5,6が、異なる材料で形成されている点において、図1の有機トランジスタ1と異なっている。
【0075】
図17A~17F、図18G~18Mおよび図19N~19Sは、図16の有機トランジスタの製造方法を工程順に示す図解的な断面図である。図17、図18および図19において前述の図2、図4および図5に示された各部に対応する部分には、図2、図4および図5の場合と同一の参照符号を付して示す。
まず、図17Aに示すように、ゲート電極2およびゲート絶縁膜3が形成(ゲート電極2については、たとえば、フォトリソグラフィによりパターニングして形成)された基板36の表面(正確にはゲート絶縁膜3の表面)の全面に、フォトレジスト20が塗布され、適切なベーク処理が施される。この状態の基板36の上方にフォトマスク10Iが配置され、フォトレジスト20が選択的に露光される。すなわち、フォトマスク10Iには、有機材料層4に対応する形状の開口10rが形成されていて、この開口10rに対応する領域のフォトレジスト20が選択的に紫外線露光される。
【0076】
次に、図17Bに示すように、アルカリ現像液を用いてフォトレジスト20を現像することにより、ゲート絶縁膜3の各一部が露出させられる。このとき、フォトレジスト20は、形成すべき有機材料層4のパターンを反転したパターン(反転パターン)に現像されることになる。
次に、図17Cに示すように、全面が紫外線露光され、基板36上のすべてのフォトレジスト20が紫外線によって露光される。
【0077】
次に、図17Dに示すように、全面に有機材料層4(第1材料層)が蒸着され、図17Eに示すように、アルカリ現像液を用いて、フォトレジスト20が溶解させられる。これにより、有機材料層4の不要部分がリフトオフされる。
次に、図17Fに示すように、有機材料層4を含む全面に、犠牲層8が形成される。
次に、この状態で、図18Gに示すように、犠牲層8の上にフォトレジスト9が塗布される。この時、有機材料層4は、犠牲層8に保護されているので、有機材料層4とフォトレジスト9との接触を回避できる。すなわち、フォトレジスト9中の有機溶媒が有機材料層4を浸食したりすることがない。
【0078】
次に、フォトレジスト9に対して適切なベーク処理を施した後、図18Hに示すように、この状態の基板の上方にフォトマスク10Jが配置され、フォトレジスト9が選択的に露光される。すなわち、フォトマスク10Jには、電極5に対応する形状の開口10sが形成されていて、この開口10sに対応する領域のフォトレジスト9が選択的に紫外線露光される(選択露光工程)。これにより、フォトレジスト9の開口10sに対応する部分は、アルカリ現像液に対して可溶な性質に化学変化する。
【0079】
次に、図18Iに示すように、アルカリ現像液、たとえば、TMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)を用いてフォトレジスト9を現像することにより、電極5を形成すべき領域の有機材料層4が露出させられる(現像工程)。
次に、図18Jに示すように、全面が紫外線露光され、基板上に残存しているすべてのフォトレジスト9が紫外線によって露光される(全レジスト露光工程)。
【0080】
次に、図18Kに示すように、全面に金属層である電極5(第2材料層)が蒸着され、さらに、図18Lに示すように、アルカリ現像液を用いて、フォトレジスト9が溶解させられる。これにより、電極5の不要部分がフォトレジスト9とともにリフトオフされる(リフトオフ工程)。
次に、図18Mに示すように、有機材料層4を含む全面に、犠牲層8が形成される。
【0081】
次に、この状態で、図19Nに示すように、犠牲層8の上にフォトレジスト9が塗布される。この時、有機材料層4は、犠牲層8に保護されているので、有機材料層4とフォトレジスト9との接触を回避できる。すなわち、フォトレジスト9中の有機溶媒が有機材料層4を浸食したりすることがない。
次に、フォトレジスト9に対して適切なベーク処理を施した後、図19Oに示すように、この状態の基板の上方にフォトマスク10Kが配置され、フォトレジスト9が選択的に露光される。すなわち、フォトマスク10Kには、電極6に対応する形状の開口10tが形成されていて、この開口10tに対応する領域のフォトレジスト9が選択的に紫外線露光される(選択露光工程)。これにより、フォトレジスト9の開口10tに対応する部分は、アルカリ現像液に対して可溶な性質に化学変化する。
【0082】
次に、図19Pに示すように、アルカリ現像液、たとえば、TMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)を用いてフォトレジスト9を現像することにより、電極6を形成すべき領域の有機材料層4が露出させられる(現像工程)。
次に、図19Qに示すように、全面が紫外線露光され、基板上に残存しているすべてのフォトレジスト9が紫外線によって露光される(全レジスト露光工程)。
【0083】
次に、図19Rに示すように、全面に金属層である電極6が蒸着される。ここで、電極6の材料としては、電極5の蒸着に用いられた材料とは異なる材料が用いられる。たとえば、電極5が金(Au)で形成され、電極6がカルシウム(Ca)で形成される。また、電極6の材料としてアルカリ現像液と反応しやすい材料、たとえば、アルミニウム(Al)を用いると、最終リフトオフのとき(図19S参照)に、電極6とアルカリ現像液が反応し、電極の厚みが薄くなる場合がある。そのため、このような材料を用いる場合には、たとえば、電極6の厚みが電極5より厚くなるように(たとえば、厚み差分hを設けるように)蒸着させる。
【0084】
次に、図19Sに示すように、アルカリ現像液を用いて、フォトレジスト9が溶解させられる。これにより、電極6の不要部分がフォトレジスト9とともにリフトオフされて(リフトオフ工程)、材料が異なる複数の電極が形成された有機トランジスタ35が完成する。
このように、犠牲層8の働きにより、有機溶剤に希釈されたフォトレジスト9が有機材料層4に接触することを回避できるため、有機材料層4に対する影響を抑制または防止しながら、つまり、有機材料層4の電気的特性を損なうことなく、フォトリソグラフィによって、有機材料層4の上に電極5,6の微細パターンを形成することができる。
【0085】
図20は、この発明の第6の実施形態に係る方法が適用される有機材料装置の構成を説明するための図解的な断面図である。この図20において前述の図6および図12に示された各部に対応する部分には、図6および図12の場合と同一の参照符号を付して示す。
この有機材料装置は、有機トランジスタと有機ELとを有する複合集積素子38である。
【0086】
この複合集積素子38は、基板39(たとえば、ガラス基板またはプラスチック基板)上に、図12に示す有機トランジスタ32と、図6に示す赤色有機EL22Rとを所定の間隔を空けて備えている。なお、電極5および電極6の材料としては、赤色有機EL22Rにおいて生じる光を外部に取り出す必要があるため、上記した信号電極23と同様の材料である透明電極材料が用いられる。
【0087】
図21A~21F、図22G~22K、図23L~23Pおよび図24Q~24Sは、図20の複合集積素子の製造方法を工程順に示す図解的な断面図である。図21、図22、図23および図24において前述の図7~図11および図13~図15に示された各部に対応する部分には、図7~図11および図13~図15の場合と同一の参照符号を付して示す。
【0088】
まず、図21A~図21Eの工程(図13A~図13Dおよび図14Eと同様の工程)が行なわれ、基板39上に有機材料層4が形成される。
次に、図21Fに示すように、有機材料層4を含む全面に、犠牲層8が形成される。
次に、この状態で、図22Gに示すように、犠牲層8の上にフォトレジスト9が塗布される。この時、有機材料層4は、犠牲層8に保護されているので、有機材料層4とフォトレジスト9との接触を回避できる。すなわち、フォトレジスト9中の有機溶媒が有機材料層4を浸食したりすることがない。
【0089】
次に、フォトレジスト9に対して適切なベーク処理を施した後、図22Hに示すように、この状態の基板の上方にフォトマスク10Mが配置され、フォトレジスト9が選択的に露光される。すなわち、フォトマスク10Mには、電極5,6(23)にそれぞれ対応する形状の開口10vおよび開口10wが形成されていて、この開口10vおよび開口10wに対応する領域のフォトレジスト9が選択的に紫外線露光される(選択露光工程)。これにより、フォトレジスト9の開口10vおよび開口10wに対応する部分は、アルカリ現像液に対して可溶な性質に化学変化する。
【0090】
次に、図22Iに示すように、アルカリ現像液、たとえば、TMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)を用いてフォトレジスト9を現像することにより、電極5,6(23)を形成すべき領域の有機材料層4およびゲート絶縁膜3が露出させられる(現像工程)。
次に、図22Jに示すように、全面が紫外線露光され、基板上に残存しているすべてのフォトレジスト9が紫外線によって露光される(全レジスト露光工程)。
【0091】
次に、図22Kに示すように、全面に電極5,6(23)が蒸着され、さらに、図23Lに示すように、アルカリ現像液を用いて、フォトレジスト9が溶解させられる。これにより、電極5,6(23)の不要部分がフォトレジスト9とともにリフトオフされる(リフトオフ工程)。
次に、図23Mに示すように、有機材料層4を含む全面に、犠牲層8が形成される。
【0092】
次に、この状態で、図23Nに示すように、犠牲層8の上にフォトレジスト9が塗布される。この時、有機材料層4は、犠牲層8に保護されているので、有機材料層4とフォトレジスト9との接触を回避できる。すなわち、フォトレジスト9中の有機溶媒が有機材料層4を浸食したりすることがない。
次に、フォトレジスト9に対して適切なベーク処理を施した後、図23Oに示すように、この状態の基板の上方にフォトマスク10N配置され、フォトレジスト9が選択的に露光される。すなわち、フォトマスク10N、赤色有機層24Rに対応する形状の開口10xが形成されていて、この開口10xに対応する領域のフォトレジスト9が選択的に紫外線露光される(選択露光工程)。これにより、フォトレジスト9の開口10xに対応する部分は、アルカリ現像液に対して可溶な性質に化学変化する。
【0093】
次に、図23Pに示すように、アルカリ現像液、たとえば、TMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)を用いてフォトレジスト9を現像することにより、赤色有機層24Rを形成すべき領域の電極6(23)が露出させられる(現像工程)。
次に、図24Qに示すように、全面が紫外線露光され、基板上に残存しているすべてのフォトレジスト9が紫外線によって露光される(全レジスト露光工程)。
【0094】
次に、図24Rに示すように、全面に正孔輸送層241、赤色発光層242Rおよび電子輸送層243が、蒸着源を切り換えながら連続的に蒸着され、電極6(23)上に赤色有機層24Rが積層構造を有するように形成される。そして、赤色有機層24Rの上に、電子注入層25および走査電極26が形成される。さらに、図24Sに示すように、アルカリ現像液を用いて、フォトレジスト9が溶解させられる。これにより、赤色有機層24Rの不要部分がリフトオフされて(リフトオフ工程)、有機トランジスタと有機ELとを有する複合集積素子38が完成する。
【0095】
このように、犠牲層8の働きにより、有機溶剤に希釈されたフォトレジスト9が有機材料層4および赤色有機層24Rに接触することを回避できるため、有機材料層4および赤色有機層24Rに対する影響を抑制または防止しながら、つまり、有機材料層4および赤色有機層24Rの電気的特性を損なうことなく、フォトリソグラフィによって、有機材料層4および赤色有機層24Rをいずれも微細パターンに形成することができる。そのため、高精細な複合集積素子を実現できる。
【0096】
なお、上記した製造方法では、有機EL22として、赤色有機EL22Rを形成したが、図6に示した緑色有機EL22Gや青色有機EL22Bを形成することもできる。
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明はさらに他の形態で実施することが可能であり、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【0097】
たとえば、有機材料層の表面を平坦化して、犠牲層にピンホールが生じることを防ぐために、保護膜として、TPD/Copper Phthalocyanine(CuPc)などから構成される膜を形成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】この発明の第1実施形態に係る方法が適用される有機材料装置の構成を図解的に示す断面図である。
【図2】図2A~2Gは、図1の有機トランジスタの製造方法を工程順に示す図解的な断面図である。
【図3】この発明の第2の実施形態に係る方法が適用される有機材料装置の構成を説明するための図解的な断面図である。
【図4】図4A~4Fは、図3の有機トランジスタ集積回路素子の製造方法を工程順に示す図解的な断面図である。
【図5】図5G~5Lは、図3の有機トランジスタ集積回路素子の製造方法を工程順に示す図解的な断面図である。
【図6】この発明の第3の実施形態に係る方法が適用される有機材料装置の構成を説明するための図解的な断面図である。
【図7】図7A~7Eは、図6のRGB発光素子の製造方法を工程順に示す図解的な断面図である。
【図8】図8F~8Iは、図6のRGB発光素子の製造方法を工程順に示す図解的な断面図である。
【図9】図9J~9Mは、図6のRGB発光素子の製造方法を工程順に示す図解的な断面図である。
【図10】図10N~10Qは、図6のRGB発光素子の製造方法を工程順に示す図解的な断面図である。
【図11】図11R~11Uは、図6のRGB発光素子の製造方法を工程順に示す図解的な断面図である。
【図12】この発明の第4の実施形態に係る方法が適用される有機材料装置の構成を説明するための図解的な断面図である。
【図13】図13A~13Dは、図12の有機トランジスタ集積回路素子の製造方法を工程順に示す図解的な断面図である。
【図14】図14E~14Hは、図12の有機トランジスタ集積回路素子の製造方法を工程順に示す図解的な断面図である。
【図15】図15I~15Lは、図12の有機トランジスタ集積回路素子の製造方法を工程順に示す図解的な断面図である。
【図16】この発明の第5の実施形態に係る方法が適用される有機材料装置の構成を説明するための図解的な断面図である。
【図17】図17A~17Fは、図16の有機トランジスタの製造方法を工程順に示す図解的な断面図である。
【図18】図18G~18Mは、図16の有機トランジスタの製造方法を工程順に示す図解的な断面図である。
【図19】図19N~19Sは、図16の有機トランジスタの製造方法を工程順に示す図解的な断面図である。
【図20】この発明の第6の実施形態に係る方法が適用される有機材料装置の構成を説明するための図解的な断面図である。
【図21】図21A~21Fは、図20の複合集積素子の製造方法を工程順に示す図解的な断面図である。
【図22】図22G~22Kは、図20の複合集積素子の製造方法を工程順に示す図解的な断面図である。
【図23】図23L~23Pは、図20の複合集積素子の製造方法を工程順に示す図解的な断面図である。
【図24】図24Q~24Sは、図20の複合集積素子の製造方法を工程順に示す図解的な断面図である。
【符号の説明】
【0099】
1 有機トランジスタ
4 有機材料層
5 電極
6 電極
8 犠牲層
9 フォトレジスト
10 フォトマスク
11 基板
16P 電極
16N 電極
17 電極
18 P型有機半導体層
19 N型有機半導体層
21 基板
24 有機層
29 有機トランジスタ集積回路素子
30 RGB発光素子
31 有機トランジスタ集積回路素子
33 基板
35 有機トランジスタ
36 基板
38 複合集積素子
39 基板
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
12
【図14】
13
【図15】
14
【図16】
15
【図17】
16
【図18】
17
【図19】
18
【図20】
19
【図21】
20
【図22】
21
【図23】
22
【図24】
23