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明細書 :イオン液体、イオン液体の製造方法、および同イオン液体を含む蓄電装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5757480号 (P5757480)
公開番号 特開2012-236809 (P2012-236809A)
登録日 平成27年6月12日(2015.6.12)
発行日 平成27年7月29日(2015.7.29)
公開日 平成24年12月6日(2012.12.6)
発明の名称または考案の名称 イオン液体、イオン液体の製造方法、および同イオン液体を含む蓄電装置
国際特許分類 C07C 257/14        (2006.01)
H01M  10/00        (2006.01)
C07C 311/48        (2006.01)
H01G   9/00        (2006.01)
FI C07C 257/14 CSP
H01M 10/00
C07C 311/48
H01G 9/00
請求項の数または発明の数 5
全頁数 11
出願番号 特願2011-108578 (P2011-108578)
出願日 平成23年5月13日(2011.5.13)
審査請求日 平成26年5月13日(2014.5.13)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504136568
【氏名又は名称】国立大学法人広島大学
【識別番号】000003137
【氏名又は名称】マツダ株式会社
発明者または考案者 【氏名】瀧宮 和男
【氏名】宮碕 栄吾
【氏名】甲斐 裕之
個別代理人の代理人 【識別番号】110001427、【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
【識別番号】100077931、【弁理士】、【氏名又は名称】前田 弘
【識別番号】100110939、【弁理士】、【氏名又は名称】竹内 宏
【識別番号】100110940、【弁理士】、【氏名又は名称】嶋田 高久
【識別番号】100113262、【弁理士】、【氏名又は名称】竹内 祐二
【識別番号】100115059、【弁理士】、【氏名又は名称】今江 克実
【識別番号】100117581、【弁理士】、【氏名又は名称】二宮 克也
【識別番号】100117710、【弁理士】、【氏名又は名称】原田 智雄
【識別番号】100124671、【弁理士】、【氏名又は名称】関 啓
【識別番号】100131060、【弁理士】、【氏名又は名称】杉浦 靖也
【識別番号】100131200、【弁理士】、【氏名又は名称】河部 大輔
【識別番号】100131901、【弁理士】、【氏名又は名称】長谷川 雅典
【識別番号】100132012、【弁理士】、【氏名又は名称】岩下 嗣也
【識別番号】100141276、【弁理士】、【氏名又は名称】福本 康二
【識別番号】100143409、【弁理士】、【氏名又は名称】前田 亮
【識別番号】100157093、【弁理士】、【氏名又は名称】間脇 八蔵
【識別番号】100163186、【弁理士】、【氏名又は名称】松永 裕吉
【識別番号】100163197、【弁理士】、【氏名又は名称】川北 憲司
【識別番号】100163588、【弁理士】、【氏名又は名称】岡澤 祥平
審査官 【審査官】前田 憲彦
参考文献・文献 特開2010-150461(JP,A)
特開2010-138234(JP,A)
独国特許出願公開第04020964(DE,A1)
特開2011-026296(JP,A)
特開2009-007565(JP,A)
特開2006-282525(JP,A)
特開2012-041478(JP,A)
特開2012-033477(JP,A)
特開2011-253677(JP,A)
Journal of Organic Chemistry,1970年,35(5),p.1542-1545
調査した分野 C07C 257/00
C07C 311/00
H01G 9/00
H01M 10/00
CAplus/REGISTRY(STN)
特許請求の範囲 【請求項1】
下記一般式で表されるホルムアミジニウム系カチオンと、アニオンXとから構成され、アニオンXがビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオンであることを特徴とするイオン液体。
【化1】
JP0005757480B2_000008t.gif
(式中、RはC2n+1又は(CH)OMe、RはMe又はEtを表す。Rのnは0~20の整数である。)
【請求項2】
請求項1に記載されたイオン液体の粘度が35cP以下である
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載されたイオン液体の分解温度が280℃以上である
【請求項4】
請求項1に記載されたイオン液体の製造方法であって、
N,N-ジアルキルカルバモイルクロリド、N-アルコキシアルキル-N-アルキルカルバモイルクロリド、N-メトキシ-N-アルキルカルバモイルクロリド又はN-メチルカルバモイルクロリドと、N,N-ジメチルホルムアミド又はN,N-ジエチルホルムアミドとを、溶媒中で混合し加熱することにより、ホルムアミジニウム塩化物を合成する工程と、
ニオンXをカウンターイオンとして含むアルカリ塩を用い、イオン交換反応によって、上記塩化物から上記一般式で表されるホルムアミジニウム塩よりなるイオン液体を生成する工程とを備え、アニオンXがビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオンであることを特徴とするイオン液体の製造方法。
【請求項5】
請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載されたイオン液体を電解質として含む蓄電装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明はイオン液体及びその製造方法、並びに同イオン液体を含む蓄電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
イオン液体は、難燃性、不揮発性、高極性、イオン伝導性、溶解性など種々の優れた特性を併せ持ち、有機合成化学の分野では、特殊反応媒体や難溶解物質の溶剤として、例えば、クラウンエーテルのような相間移動触媒などの特異的触媒に利用されている。また、イオン液体は、キャパシタ、リチウムイオン電池などの蓄電装置の非水電解質材や、色素増感型太陽電池、電界効果トランジスタ、有機メモリー、有機アクチュエータなどの電子デバイス関連分野への利用が可能であり、近年、注目を集めている。
【0003】
そこで、イオン液体の開発が活発になされており、例えば、イミダゾールを主骨格とするカチオンとアニオンとから構成されるイオン液体(特許文献1)を初めとして、四級アンモニウムカチオンを利用したイオン液体(特許文献2)、イミニウム系のイオン液体(特許文献3)など、種々のイオン液体が提案されている。
【先行技術文献】
【0004】

【特許文献1】特開2010-111599号公報
【特許文献2】特開2009-21060号公報
【特許文献3】特表2010-507647号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は新規なイオン液体を提供することにある。特に、低粘度で且つ高温安定性に優れたイオン液体を提供することを課題とする。すなわち、触媒、蓄電装置、色素増感型太陽電池、電界効果トランジスタなど、イオン液体の各種用途では、耐熱性の観点から、そのイオン液体の分解温度が高いことが求められ、また、良好なイオン伝導性の観点から低粘度であることが求められる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るイオン液体は、下記一般式で表されるホルムアミジニウム系カチオンと、アニオンXとから構成され、アニオンXがビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオンであることを特徴とする。式中、RはC2n+1又は(CH)OMe、RはMe又はEtを表す。Rのnは0~20の整数である。なお、Meはメチル基、Etはエチル基である。
【0007】
【化1】
JP0005757480B2_000002t.gif

【0008】
上記イオン液体は、その構造式から明らかなように、カチオン部分の2つのN原子のうちの一方にアニオンXが配置されるため、仮にR及びRがMe(メチル基)である場合であっても、カチオン部分の電荷分布がアンバランスになり、その結果、融点及び粘度が低くなる。好ましいのは、R及び/又はRがMe以外のアルキル基になっていることである。これにより、カチオン部分の構造の非対称性が強くなり、粘度の低減に有利になる。
【0009】
のnは、イオン液体の低粘度化のために、20以下の整数とする必要があり、特に7以下の整数、さらには5以下の整数であることが好ましい。
【0010】
上記イオン液体は、良好なイオン伝導性を得るために、その粘度が35cP以下であることが好ましい。
【0011】
上記イオン液体は、高温安定性の確保のために、分解温度が280℃以上であることが好ましい。
【0012】
上述の如きイオン液体を電解質として含む蓄電装置にあっては、イオン液体の粘度低減により、高容量化に有利になり、また、高温安定性の点でも有利になる。
【0013】
上記イオン液体は、次の方法によって製造することができる。それは、N,N-ジアルキルカルバモイルクロリド、N-アルコキシアルキル-N-アルキルカルバモイルクロリド、N-メトキシ-N-アルキルカルバモイルクロリド又はN-メチルカルバモイルクロリドと、N,N-ジメチルホルムアミド又はN,N-ジエチルホルムアミドとを、溶媒中で混合し加熱することにより、ホルムアミジニウム塩化物を合成する工程と、
ニオンXをカウンターイオンとして含むアルカリ塩を用い、イオン交換反応によって、上記塩化物から上記一般式で表されるホルムアミジニウム塩よりなるイオン液体を生成する工程とを備え、アニオンXがビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオンである方法である。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るイオン液体によれば、低粘度で高温安定性に優れていることから、触媒、蓄電装置、色素増感型太陽電池、電界効果トランジスタなど各種用途に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施例及び比較例のキャパシタレート特性を示すグラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。

【0017】
<イオン液体>
本実施形態に係るイオン液体は、下記一般式で表されるホルムアミジニウム系カチオンと、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオンXとから構成されている。式中、RはC2n+1又は(CH)OMe、RはMe又はEtを表す。Rのnは0~20の整数である。

【0018】
【化1】
JP0005757480B2_000003t.gif

【0019】
アニオンX、すなわち、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン(N(SOCF))を以下では「NTf」と略記する

【0020】
本発明者は、以上のような構造のイオン液体が、比較的低粘度であり、高温安定性が高く、しかも、有機化合物を溶解する能力に優れる、という特性を有することを確認している。このイオン液体は、キャパシタや二次電池といった蓄電装置用の電解液として好適に使用することができる。

【0021】
<実施例>
上記イオン液体の具体例を説明する。

【0022】
-イオン液体の製造-
N,N-ジアルキルカルバモイルクロリド、N-アルコキシアルキル-N-アルキルカルバモイルクロリド、N-メトキシ-N-アルキルカルバモイルクロリド又はN-メチルカルバモイルクロリドと、N,N-ジメチルホルムアミド(以下「DMF」と略記する。)又はN,N-ジエチルホルムアミドとを、溶媒中で混合し加熱することにより、ホルムアミジニウム塩化物(中間体)を合成する。次いで、上記アニオンXをカウンターイオンとして含むアルカリ塩とイオン交換水とを用い、イオン交換反応によって、上記塩化物から上記一般式で表されるホルムアミジニウム塩よりなるイオン液体を生成する。溶媒としてトルエンを用い、アルカリ塩として、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiNTf)を用いる場合の、イオン液体の合成スキームを次に示す。なお、Clは、ジクロロメタン(100ml)で抽出後、イオン交換水(50ml)で3回洗浄することで除去する。

【0023】
(DMFを反応させるケース)
【化2】
JP0005757480B2_000004t.gif

【0024】
(N,N-ジエチルホルムアミドを反応させるケース)
【化3】
JP0005757480B2_000005t.gif

【0025】
以下の各実施例において、化合物の同定には、H-NMR(Varian 400 MHz)を用いた。

【0026】
(実施例1)
イオン液体としての、N1,N1,N3,N3-テトラメチルホルムアミジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド塩を以下の方法によって合成した。

【0027】
窒素雰囲気下、300mLの三ッ口フラスコに、N,N-ジメチルカルバモイルクロリド (7.36 g,68.4 mmol)、DMF(5.0 g, 68.4 mmol)及びトルエン(120mL)を入れ、6時間加熱還流させた。放冷後、真空下で溶媒を留去することにより、N1,N1,N3,N3-テトラメチルホルムアミジニウム塩化物(黄色固体 6.7 g (72%),1H-NMR (400 MHz, CDCl3)・9.25 (s, 1H), 3.45 (s, 6H), 3.40 (s, 6H))を得た。

【0028】
次に、N1,N1,N3,N3-テトラメチルホルムアミジニウム塩化物(1.1mmol)とイオン交換水(5mL)をTFAボトル(20mL)に入れた。これに、LiNTf(1.2mmol)を数回にわけて加え、室温で一晩攪拌した。得られた反応溶液を塩化メチレンで抽出し、(乾燥させずに)減圧下で濃縮した。その後、カラムクロマトグラフィー(6%含水アルミナ、塩化メチレン:酢酸エチル=2:1)で高極性成分を分取することにより、N1,N1,N3,N3-テトラメチルホルムアミジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド塩(淡黄色液体 11.2 g (80%), 1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.55 (s, 1H), 3.35 (s, 6H), 3.29 (s, 6H))を得た。R及びRはMeである。

【0029】
(実施例2)
N-エチル-N-メチルカルバモイルクロリド(550 mg, 4.53 mmol)とDMF(0.35 mL, 4.53 mmol)とを用い、実施例1と同じ方法にて、N1-エチル-N1,N3,N3-トリメチルホルムアミジニウム塩化物(黄色固体 354 mg (51%), 1H-NMR (400 MHz, CDCl3)・10.13 (s, 1H), 3.63 (s, 2H), 3.50 (s, 3H), 3.31 (s, 3H), 3.29 (s, 6H), 1.28 (s, 3H))を合成した。そして、実施例1と同様のイオン交換によって、イオン液体N1-エチル-N1,N3,N3-トリメチルホルムアミジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド塩(淡黄色液体 10.15 g (91%), 1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.56 (s, 1H), 3.62 (t, 3H), 3.52 (s, 3H), 3.31 (s, 3H), 3.30 (s, 3H), 1.35 (t, 3H))を得た。RはEt、RはMeである。

【0030】
(実施例3)
N-メチル-N-プロピルカルバモイルクロリド(882 mg, 6.51 mmol)とDMF(0.604 mL, 6.51 mmol)とを用い、実施例1と同じ方法にて、N1,N3,N3-トリメチル-N1-プロピルホルムアミジニウム塩化物(黄色固体 602 mg (56%),1H-NMR (400 MHz, CDCl3)・9.82 (s, 1H), 3.53(t, 2H), 3.40 (s, 3H), 3.26 (s, 3H), 3.21 (s, 6H), 1.63-1.24 (s, 3H), 0.92(t, 3H))を合成した。そして、実施例1と同様のイオン交換によって、イオン液体N1,N3,N3-トリメチル-N1-プロピルホルムアミジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド塩(淡黄色液体 624 mg (83%); 1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.56 (s, 1H), 3.40 (t, 3H), 3.53 (s, 3H), 3.31 (s, 3H), 3.28 (s, 3H), 1.73-1.68 (s, 2H), 0.95(t, 3H).)を得た。RはPr(プロピル基)、RはMeである。

【0031】
(実施例4)
N-ブチル-N-メチルカルバモイルクロリド(700 mL, 4.44 mmol)とDMF(0.41 mL, 5.33 mmol)とを用い、実施例1と同じ方法にて、N1-ブチル-N1,N3,N3-トリメチルホルムアミジニウム塩化物塩(黄色固体 645 mg (77%), 1H-NMR (400 MHz, CDCl3)・9.63 (s, 1H), 3.61 (t, 2H), 3.42 (s, 3H), 3.23 (s, 3H), 3.19 (s, 3H), 1.63-1.24 (m, 4H), 0.95 (t, 3H))を合成した。そして、実施例1と同様のイオン交換によって、イオン液体N1-ブチル-N1,N3,N3-トリメチルホルムアミジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド塩(淡黄色液体 10.05 g (91 %), 1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.48 (s, 1H), 3.40 (t, 3H), 3.33 (s, 3H), 3.30(s,3H), 3.24 (s,3H), 1.73-1.24 (m, 4H), 0.95 (t, 3H))を得た。RはBu(ブチル基)、RはMeである。

【0032】
(実施例5)
N-メチル-N-ペンチルカルバモイルクロリド(192 mL, 1.17 mmol)とDMF(0.12 mL, 1.4 mmol)と用い、実施例1と同じ方法にて、N1,N3,N3-トリメチル-N1-ペンチルホルムアミジニウム塩化物塩(黄色固体 176 mg (84 %), 1H-NMR (CDCl3)・9.52 (s, 1H), 3.55 (t, 2H), 3.38 (s, 3H), 3.22 (s, 3H), 3.19 (s, 3H), 1.68-1.12 (m, 6H), 0.88 (t, 3H))を合成した。そして、実施例1と同様のイオン交換によって、イオン液体N1,N3,N3-トリメチル-N1-ペンチルホルムアミジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド塩(淡黄色液体 102 mg (52%), 1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.52 (s, 1H), 3.42 (t, 3H), 3.35 (s, 3H), 3.32 (s, 3H), 3.26(s, 3H), 1.82-1.23 (m, 4H), 0.90(t, 3H))を得た。RはPe(ペンチル基)、RはMeである。

【0033】
(実施例6)
N-メトキシ-N-メチルカルバモイルクロリド(391 mL, 3.22 mmol)とDMF(0.32 mL, 3.83 mmol)とを用い、実施例1と同じ方法にて、N1-メトキシ-N1,N3,N3-トリメチルホルムアミジニウム塩化物塩(黄色固体 310 mg (63 %), 1H-NMR (CDCl3)・10.13 (s, 1H), 3.38 (s, 3H), 3.l9 (s, 3H), 3.25 (s, 3H), 3.03 (s, 3H))を合成した。そして、実施例1と同様のイオン交換によって、イオン液体N1-メトキシ-N1,N3,N3-トリメチルホルムアミジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド塩(淡黄色液体 199 mg (63 %), 1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.54 (s, 1H), 3.38 (s, 3H), 3.32 (s, 3H), 3.26(s, 3H))を得た。RはOMe(メトキシ基)、RはMeである。

【0034】
(実施例7)
N-メトキシエチル-N-メチルカルバモイルクロリド(1.545 g, 10.2 mmol)とDMF(0.946 mL, 12.2 mmol)と用い、実施例1と同じ方法にて、N1-メトキシエチル-N1,N3,N3-トリメチルホルムアミジニウム塩化物(黄色固体 852 mg (46 %), 1H-NMR (CDCl3) d 9.41 (s, 1H), 3.67 (t, 2H, J = 6.8 Hz), 3.57 (s, 3H), 3.53 (s, 3H), 3.39 (s, 3H), 3.35 (s, 3H), 3.36 (t, 2H, J = 6.8 Hz))を合成した。そして、実施例1と同様のイオン交換によって、イオン液体N1-メトキシエチル-N1,N3,N3-トリメチルホルムアミジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド塩(淡黄色液体 880 mg (74 %), 1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.52 (s, 1H), 3.43 (t, 3H), 3.35 (s, 3H), 3.32 (s, 3H), 3.27 (s, 3H), 2.89(s, 2H))を得た。Rは(CH)OMe(メトキシエチル基)、RはMeである。

【0035】
(実施例8)
N-メトキシプロピル-N-メチルカルバモイルクロリド(232 mg, 1.4 mmol)とDMF(0.20 mL, 1.54 mmol)とを用い、実施例1と同じ方法にて、N1-メトキシプロピル-N1,N3,N3-トリメチルホルムアミジニウム塩化物(黄色固体 226 mg(83 %), 1H-NMR (CDCl3) d 9.43 (s, 1H), 3.89 (t, 2H, J = 7.7 Hz), 3.51 (s, 3H), 3.49 (s, 3H), 3.32 (s, 3H), 3.30 (s, 3H), 3.24 (t, 2H, J = 7.7 Hz), 1.84-1.93 (m, 2H))を合成した。そして、実施例1と同様のイオン交換によって、イオン液体N1-メトキシプロピル-N1,N3,N3-トリメチルホルムアミジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド塩(淡黄色液体 490 mg (61 %), 1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.56 (s, 1H), 3.41 (t, 3H), 3.34 (s, 3H), 3.33 (s, 3H), 3.32 (s, 3H), 2.74 (s, 3H), 1.36 (m, 2H), 0.90 (t, 3H))を得た。Rは(CH)OMe(メトキシプロピル基)、RはMeである。

【0036】
(実施例9)
N,N-ジメチルカルバモイルクロリド(6.8 mL, 74 mmol)とN,N-ジエチルホルムアミド(10.3 mL, 81 mmol)とを用い、実施例1と同じ方法にて、N1,N1-ジエチル-N3,N3-ジメチルホルムアミジニウム塩化物塩(黄色固体 8.0 g(65 %), 1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.36 (s, 1H), 3.16 (s, 5H), 3.06 (s, 5H), 1.37 (t, J=7 Hz, 6H))を合成した。そして、実施例1と同様のイオン交換によって、イオン液体N1,N1-ジエチル-N3,N3-ジメチルホルムアミジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド塩(淡黄色液体 3.61g (72 %), 1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.57(s, 1H), 3.16 (s, 5H), 3.06 (s,5H), 1.37 (t, J = 7 Hz, 6H))を得た。R及びRはEtである。

【0037】
(比較例)
窒素雰囲気下、200mLの三口フラスコにN-メチルイミダゾール(14.5g,176mmol)、テトラヒドロフラン(124mL)及び1-ブロモ-3-メトキシプロパン(27.0g,176mmol)を入れ、5時間加熱還流させた。放冷後、減圧下で溶媒を留去した。得られたN-メトキシプロピル-N-メチルイミダゾリウム臭化物塩(1.28mmol)に、LiNTf(1.40mmol)を数回に分けて加え、室温で一晩攪拌した。得られた反応溶液を塩化メチレンで抽出し、得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下で溶媒を留去した。残渣を塩化メチレンに溶解させ、活性炭を加え、2時間室温で撹拌した。この溶液を濾過して活性炭を取り除き溶媒を留去した後に、カラムクロマトグラフィー(6%含水アルミナ、塩化メチレン:酢酸エチル=2:1)で高極性成分を分取することにより、淡黄色液体のN1-(3-メトキシプロピル)-N3-メチルイミダゾリウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド塩を得た。

【0038】
<実施例及び比較例に係るイオン液体の特性>
実施例1~5,7~9に係るイオン液体の粘度、密度、分解温度、酸化電位、還元電位及び電位窓を測定した。電位窓(酸化還元電位)は、CV(サイクリックボルタンメトリー)測定によって求めた。その測定条件は、作用電極:Pt、対極電極:Pt、参照電極:Ag/AgCl、溶媒:無し (イオン液体のみ, neat)、掃引速度:100 mV/sとし、室温で測定した。結果を表1に示す。

【0039】
【表1】
JP0005757480B2_000006t.gif

【0040】
実施例に係るイオン液体は、いずれも室温で35cP以下の低粘度液体であるから、イオン伝導性が良いことがわかる。また、実施例に係るイオン液体は、いずれも分解温度が280℃以上であるから、高温安定性に優れていることがわかる。また、実施例に係るイオン液体は、その電位窓からみて、電気化学的安定性の確保にも問題がないことがわかる。

【0041】
(キャパシタの放電容量の測定)
実施例4及び比較例に係るイオン液体を電解質として、正極および負極ともに活性炭(宝泉社製)から構成したキャパシタ系半開放セルを作製し、充放電測定装置(岩通計測社製)を用いて各電池のキャパシタ容量(初期放電容量)を測定した。測定に用いた宝泉社製活性炭(AG-1)は、全比表面積が約2230m/gである。測定条件は、電圧範囲:0V~2.5V、定電流値:1mA,2mA,3mA,5mA,10mA、温度:25℃である。各印加電流値でのキャパシタ容量を表2及び図1に示す。

【0042】
【表2】
JP0005757480B2_000007t.gif

【0043】
実施例4は、比較例に比べて、キャパシタ容量が大きく、且つ印加する電流値を高めた場合の容量低下が小さい。すなわち、出力特性が良い。これは、実施例4に係るイオン液体は、比較例のイオン液体に比べて、粘度が低く、抵抗が小さいこと、つまり、イオンの移動が容易であることによると考えられる。
【符号の説明】
【0044】
なし
図面
【図1】
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