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明細書 :気体の浄化装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2014-184426 (P2014-184426A)
公開日 平成26年10月2日(2014.10.2)
発明の名称または考案の名称 気体の浄化装置
国際特許分類 B01D  53/86        (2006.01)
B01J  23/26        (2006.01)
FI B01D 53/36 ZABB
B01J 23/26 A
請求項の数または発明の数 8
出願形態 OL
全頁数 15
出願番号 特願2013-230996 (P2013-230996)
出願日 平成25年11月7日(2013.11.7)
優先権出願番号 2012245877
2013030560
優先日 平成24年11月8日(2012.11.8)
平成25年2月20日(2013.2.20)
優先権主張国 日本国(JP)
日本国(JP)
発明者または考案者 【氏名】水口 仁
【氏名】塚田 祐一郎
【氏名】鈴木 悠介
【氏名】高橋 宏雄
出願人 【識別番号】504180239
【氏名又は名称】国立大学法人信州大学
審査請求 未請求
テーマコード 4D048
4G169
Fターム 4D048AA17
4D048BA25X
4D048BA41X
4D048CA01
4D048CC32
4D048CC53
4G169AA03
4G169BB04A
4G169BC58B
4G169CA02
4G169CA03
4G169CA15
4G169DA06
4G169EE07
要約 【課題】酸化物半導体による触媒作用を利用して、VOCなどの有害物質を効果的に分解除去する気体の浄化装置を提供する。
【解決手段】多孔体からなる基材に酸化物半導体を担持させた触媒担持ブロックと、触媒担持ブロックを収納する収納容器12と、触媒担持ブロックを加熱するヒータ30とを備え、触媒担持ブロックにヒータの収容部が設けられ、ヒータの収容部にヒータ30が配置されている。ヒータの収容部にヒータを収容することにより、触媒担持ブロックを均一に効率的に加熱することができ、浄化装置をコンパクト化して、効率的に有害物を浄化することができる。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
多孔体からなる基材に酸化物半導体を担持させた触媒担持ブロックと、触媒担持ブロックを収納する収納容器と、触媒担持ブロックを加熱するヒータとを備え、
前記触媒担持ブロックにヒータの収容部が設けられ、該ヒータの収容部に前記ヒータが収容されていることを特徴とする気体の浄化装置。
【請求項2】
前記触媒担持ブロックは、複数個の触媒担持ブロックを直列に互いに接触して配置され、前記触媒担持ブロックの対向する接触面の少なくとも一方に凹溝が形成されて前記ヒータの収容部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の気体の浄化装置。
【請求項3】
前記ヒータの収容部は、前記触媒担持ブロックを通過する被処理気体が搬送される方向に対し、収容部の長手方向が直交する向きに設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の気体の浄化装置。
【請求項4】
前記触媒担持ブロックの側面と前記収納容器の内側面との間に、触媒担持ブロックの側面と前記収納容器の内側面との間から被処理気体が漏出することを防止するシール性を備えた断熱材が介装されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項記載の気体の浄化装置。
【請求項5】
前記収納容器の外周部に、収納容器から外部への熱伝導を遮断する断熱材が設けられていることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項記載の気体の浄化装置。
【請求項6】
請求項1記載の気体の浄化装置に用いられる触媒担持ブロックであって、
触媒担持ブロックの本体に、前記ヒータを収容する収容部が設けられていることを特徴とする触媒担持ブロック。
【請求項7】
前記ヒータの収容部は、平面形状が、前記ヒータの平面形状に一致する溝状に形成されていることを特徴とする請求項6記載の触媒担持ブロック。
【請求項8】
請求項6または7記載の触媒担持ブロックの製造方法であって、
触媒担持ブロックの外形に合わせて発泡体を成形する工程と、
成形した発泡体上において、前記触媒担持ブロックに収容するヒータの断面形状に合わせた曲げ形状とした金属ワイヤからなる発熱体を加熱しながら掃引し、発熱体が通過した領域の発泡体を除去することにより、発泡体に前記ヒータの収容部となる溝形状を形成する工程と、
前記溝形状が形成された発泡体にセラミックのスラリーを浸み込ませた後、発泡体を乾燥、焼成することにより、前記発泡体を分解除去し、前記スラリーのセラミック成分からなる多孔体を形成する工程と、
該多孔体に酸化物半導体を担持する工程と、
を備えることを特徴とする触媒担持ブロックの製造方法。

発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、揮発性有機化合物(VOC:Volatile Organic Compound)、排気ガス等の有害物を含む気体の浄化に用いる浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明者は、プラスチックやVOC等の気体を分解して浄化処理する方法として、加熱した酸化物半導体の触媒活性作用を利用する方法を提案した(特許文献1)。酸化クロム、酸化チタン等の酸化物半導体を350~500℃程度に加熱すると、正孔が大量に生成され、この正孔の強い酸化力により、被分解対象物は小分子に裁断化され、最終的にこれらの小分子が空気中の酸素と反応して、水と二酸化炭素に完全分解される(非特許文献1、非特許文献2)。
【0003】
また、本発明者は、酸化物半導体を利用する浄化装置として、ハニカムあるいは網目状の多孔体からなる通気性を有する基材に酸化物半導体を担持して形成した触媒部と、この触媒部を加熱するヒータとを備える装置を提案した(特許文献2)。この浄化装置は、触媒部を複数段に並べて配置し、触媒部の段間にヒータを配置して触媒部を加熱した状態で、被処理気体が順次、触媒部を通過することにより、被処理気体が浄化されるように構成されている。
【先行技術文献】
【0004】

【特許文献1】特許第4517146号
【特許文献2】特開2010-214359号公報
【0005】

【非特許文献1】T.Shinbara, T. Makino, K. Matsumoto and J. Mizuguchi: Completedecomposition of polymers by means of thermally generated holes at hightemperatures in titanium dioxide and its decomposition mechanism, J. Appl. Phys98, 044909 1-5 (2005)
【非特許文献2】水口 仁:半導体の熱活性によるFRPの完全分解とリサイクル技術、加工技術 47, 37-47 (2012)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した浄化装置は、触媒部とヒータとを組み合わせてユニット化し、ユニットを組み合わせることにより、簡単に被処理気体の処理量や処理対象とするガスの種類に応じて浄化装置を構築できるという利点がある。また、触媒部を挟んでヒータを配置することによって、触媒部が上下に位置するヒータにより均一、かつ効率的に加熱される構造となっている。
しかしながら、この浄化装置では触媒部とヒータとが分離しており、それぞれの配置スペースを確保して設置する必要があるために、浄化装置の小型化を図ることが制約されるという問題があった。さらに、従来装置では、ヒータによる熱が上下の触媒部の加熱の他に、横方向に逃げてしまい、熱効率が不十分であるという問題もあった。
【0007】
酸化物半導体の触媒活性作用を利用して気体を浄化する本方法は、従来の燃焼法に比較すると格段に小型であるが、さらに熱効率を高め小型化できれば、有害物が発生する機器類に搭載して環境に有害物を排出させないようにするといった利用が可能となり、浄化装置の用途を大きく広げることが可能である。
【0008】
本発明は、酸化物半導体による触媒作用を利用することにより有害物を含む気体を効果的に浄化することができ、種々の用途への利用を可能にする気体の浄化装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る気体の浄化装置は、多孔体からなる基材に酸化物半導体を担持させた触媒担持ブロックと、触媒担持ブロックを収納する収納容器と、触媒担持ブロックを加熱するヒータとを備え、前記触媒担持ブロックにヒータの収容部(ヒータ挿入孔)が設けられ、該ヒータの収容部に前記ヒータが挿入して装着されていることを特徴とする。
なお、多孔体からなる基材とは、ハニカム構造あるいは三次元網目体構造等の気体の通過経路がきわめて入り組んだ形態に形成された素材であり、アルミナ、マグネシア、シリカ等の固溶体、あるいはゼオライト、シリコン・カーバイト等の焼結体である。
【0010】
触媒担持ブロックの基材に担持させる酸化物半導体としては、化合物の分解時で高温下、さらに酸素雰囲気下にあっても安定な物質であり、例えば、次の化学式で示される物質等が挙げられるが、これらに限定されることはない。BeO,MgO,CaO,SrO,BaO,CeO,TiO,ZrO,V,Y,YS,Nb,Ta,MoO,WO,MnO,Fe,Fe, MgFe,NiFe,ZnFe,ZnCo,ZnO,CdO,MgAl,ZnAl,Tl,In,SnO,PbO,UO,Cr,MgCr,FeCrO,CoCrO,ZnCr,WO,MnO,Mn,Mn,FeO,NiO,CoO,Co,PdO,CuO,CuO,AgO,CoAl,NiAl,TlO,GeO,PbO,TiO,Ti,VO,MoO,IrO,RuO
【0011】
前述したVOC等を完全分解するメカニズムを要約すると以下のようになる(非特許文献1、非特許文献2参照)。まず、半導体の熱活性とは、室温では全く触媒効果を示さない半導体を350-500℃に加熱すると突如として顕著な触媒効果が発現する現象である。半導体が熱励起される(つまり加熱される)と価電子帯の電子は伝導帯に励起され、価電子帯には電子が抜けた穴(正孔)が大量に生成する。この正孔は電子に早く戻って来てもらい、元の安定状態に戻りたいと言う性質がある。つまり、電子を引っ張る力が強く、換言すれば強い酸化力を有する。この正孔の強い酸化力を使って、被分解化合物(例えばポリマー)から結合電子を奪い、ポリマー内にカチオンのラジカルを生成する。この不安定ラジカルは350-500℃の温度でポリマー内を伝播し、ポリマー全体を不安定化し、ラジカル開裂を誘起して巨大分子を小分子化する。その結果、エチレンやプロパンのように裁断化された分子は、空気中の酸素と反応して完全燃焼反応により炭酸ガスと水になる。このように分解過程は、大量の正孔生成、ラジカル開裂による小分子化、そして完全燃焼の3つから構成される。
【0012】
浄化処理部に用いる触媒担持ブロックには、単一のブロック状に形成したものに、ヒータの収容部を設けて、ヒータを装着するようにすることもできるし、複数の触媒担持ブロックを組み合わせ、全体としてブロック状に構成して使用することもできる。
複数個の触媒担持ブロックを相互に接触させた状態で組み合わせて使用する場合には、触媒担持ブロックの接触面(組み合わせ面)の双方に凹溝を設けてヒータの収容部(ヒータ挿入孔)を形成することもできるし、一方の接触面のみにヒータが埋没する深さに凹溝を設けてヒータの収容部とすることもできる。
複数の触媒担持ブロックを組み合わせて使用する場合は、触媒担持ブロックの組み合わせ方を変えるだけでヒータの配置が調節でき、処理風量に合わせて調節することが容易にできるという利点がある。ヒータの配置が決まった場合は、触媒担持ブロックを組み合わせず、一つのブロック状の触媒担持ブロックにヒータの収容部を設けてヒータを装着することもできる。
【0013】
なお、M字形ヒータのような平面形状が曲線形のヒータを装着する場合は、触媒担持ブロックを組み合わせて、触媒担持ブロックの組み合わせ面にヒータの収容部(ヒータ挿入孔)を設ける方法が有効である。
触媒担持ブロックにヒータの収容部を設け、ヒータを触媒担持ブロックに直接接触させて触媒担持ブロックを加熱することにより、触媒担持ブロックを、均一に、効率的に加熱することができる。前記ヒータの収容部は、前記触媒担持ブロックを通過する被処理気体の搬送方向に対し、収容部の長手方向が直交する向きに設けることにより、被処理気体の流通を妨げずに触媒担持ブロックを均一に効率よく加熱することができ、効果的に被処理気体を浄化することができる。
【0014】
また、前記触媒担持ブロックの側面と前記収納容器の内側面との間に、触媒担持ブロックの側面と前記収納容器の内側面との間から被処理気体が漏出することを防止するシール性を備えた断熱材を介装することにより、被処理気体が触媒担持ブロックの側面と収納容器の内側面との間から漏出することを防止し、被処理気体を確実に浄化して排出することができる。
また、前記収納容器の外周部に、収納容器から外部への熱伝導を遮断する断熱材を設けることにより、前記ヒータにより収納容器に収納された触媒担持ブロックを効率的に加熱することができ、浄化装置を安全に使用することができる。
【0015】
気体の浄化装置を構成する触媒担持ブロックの製造方法としては、触媒担持ブロックの外形に合わせて発泡体を成形する工程と、成形した発泡体上において、前記触媒担持ブロックに収容するヒータの断面形状に合わせた曲げ形状とした金属ワイヤからなる発熱体を加熱しながら掃引し、発熱体が通過した領域の発泡体を除去することにより、発泡体に前記ヒータの収容部となる溝形状を形成する工程と、前記溝形状が形成された発泡体にセラミックのスラリーを浸み込ませた後、発泡体を乾燥、焼成することにより、前記発泡体を分解除去し、前記スラリーのセラミック成分からなる多孔体を形成する工程と、該多孔体に酸化物半導体を担持する工程と、を備える製法が、ヒータの収容部を容易にかつ確実に形成できる点で有効である。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る気体の浄化装置によれば、触媒担持ブロックにヒータの収容部を設けて、ヒータの収容部にヒータを収容する構成としたことにより、触媒担持ブロックを効率的に加熱することが可能となり、さらに触媒担持ブロックとヒータとをコンパクトに配置するため浄化装置の小型化が図られ、有害物を効果的に浄化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】浄化装置の浄化処理部の外観図である。
【図2】処理部に配置する触媒担持ブロックの平面図(a)、斜視図(b)である。
【図3】浄化装置の処理部の組み立て斜視図である。
【図4】触媒担持ブロックを収納した状態をケース部の端面方向から見た状態を示す写真である。
【図5】M字ヒータを装着した触媒担持ブロックの断面図(a)、平面図(b)である。
【図6】触媒担持ブロックに装着するM字ヒータの例である。
【図7】触媒担持ブロックの製造工程を示す図である。
【図8】セラミック多孔体とヒータとからなる触媒ユニットの写真である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本発明に係る気体の浄化装置の一実施形態について主要構成部分である浄化処理部10の外観図を示す。この浄化処理部10は、被処理気体を浄化する触媒担持ブロック20を収納した収納容器12と、収納容器12に連結されたダクト14a、14bとを備える。収納容器12はステンレス板を用いて角筒状に組み立てられ、触媒担持ブロック20は収納容器12の収納空間を略充填するようにして収納されている。収納容器12の開口側の両側縁にはフランジ12aが設けられ、フランジ12aにダクト14a、14bが連結され、ダクト14a、14bと収納容器12の内部は連通空間となっている。

【0019】
図2に、収納容器12に収納される触媒担持ブロック20を示す。図2(a)は触媒担持ブロック20を収納容器12に収納した状態での平面図、図2(b)は斜視図を示す。図2に示すように、触媒担持ブロック20は、互いに端面を接触させ、整列させて収納容器12に収納する。
図示例では4個の触媒担持ブロック20を収納容器12に収納している。一つの触媒担持ブロック20は、厚さ30mm、高さ50mm、横幅73mmである。触媒担持ブロック20を4個、並べた状態で、横幅73mm、高さ50mm、長さ(気体の流れ方向)120mmのブロック状になる。本実施形態で使用している触媒担持ブロック20は一例であり、収納容器12に収納する触媒担持ブロック20の大きさや、配置数などは適宜選択可能である。

【0020】
なお、触媒担持ブロック20は、ハニカム構造あるいは三次元網目体構造等の流通経路がきわめて入り組んだ多孔体として形成され、気体と触媒(酸化物半導体)との接触面積がきわめて大きくなるように構成された基材に、触媒として酸化クロム等の酸化物半導体を担持させたものである。このようなハニカム構造あるいは三次元網目構造となる基材としては、市販のセラミック・フォームを利用することができる。このセラミック・フォームは製錬した液体状の金属をろ過するフィルターとして利用されているもので、ランダムな三次元構造を有し、通過する気体との衝突頻度が高いこと、軽量であること、熱容量が小さく、さらに透過率が80%程度もあるという利点がある。セラミック・フォームは板状製品として提供され、所望する大きさに切断したり、穴を開けたりすることが可能であり、浄化装置に合わせて加工して使用することができる。
基材に担持させる酸化物半導体としては、前述したように種々の酸化物半導体を用いることができる。中でもTiO2、ZnO、NiO、Cr2O3、Fe2O3が好ましく、さらに酸化クロムが最も好んで使用される。

【0021】
本実施形態の浄化装置において特徴とする構成は、触媒担持ブロック20を互いに側面を接触させる(当接させる)配置として収納容器12に収納し、かつ触媒担持ブロック20の本体自体にヒータの収容部(ヒータ挿入孔)20aを貫通させて設け、ヒータの収容部20aにヒータ30を収容する構成としたことにある。実施形態ではヒータ30として円柱状のロッド・ヒータ(外径10mm、長さ52mm)を使用し、内径12mmのヒータの収容部20aを設けた。

【0022】
実際には、触媒担持ブロック20の互いに接する面に断面形状が半円形の凹溝を設け、触媒担持ブロック20を向い合せて配置した際に、断面形状で円形のヒータの収容部20aが形成されるようにした。
図2に示すように、実施形態では、触媒担持ブロック20の2つの当接面にそれぞれ2つずつヒータの収容部20aを設け、収納容器12に触媒担持ブロック20を装着した状態で、収納容器12全体で4つのヒータの収容部20aを設けた。

【0023】
図3に、収納容器12の組み立て図を示す。
図3(a)は、コの字形に形成されたケース部12bに触媒担持ブロック20を収容し、ケース部12bに蓋12cを被せる状態を示す。触媒担持ブロック20を収納したブロック体にはヒータの収容部20aが設けられ、蓋12cにヒータの収容部20aに位置合わせしてヒータを挿入するための開口12dが設けられている。
図3(b)は、収納容器12に触媒担持ブロック20を収納した状態を示す。

【0024】
図1は、収納容器12に触媒担持ブロック20を収納し、ヒータの収容部にヒータ30としてロッド・ヒータを挿入して装着した状態を示す。ヒータ30の端部から導電線31が延出し、電源に接続される。ヒータ30は収納容器12の外側(図示例では上面側)から触媒担持ブロック20に挿入するから、ヒータの収容部は収納容器12の一つの面にのみ開口していればよい。
収納容器12に収容する触媒担持ブロック20の数や、その配置位置に合わせて、あらかじめ収納容器12にヒータを挿入する開口を設けておけば、収納容器12に触媒担持ブロック20を収納した後に、ヒータ30を挿入するだけで浄化処理部が構成できる。

【0025】
なお、収納容器12の組み立て方法や、収納容器12とダクト14a、14bとを連結させて組み立てる方法は、上記例に限るものではなく、組み立て用のパーツを適宜用意することによって適宜組み立てることができる。たとえば、上記例のように、収納容器12とダクト14a、14bとを別のパーツとして、収納容器12を組み立てた後にダクト14a、14bを連結してもよいし、収納容器12とダクト14a、14bとを連結した分割パーツを用意しておき、触媒担持ブロック20を収納容器12に収納しながら収納容器12とダクト14、14bがともに組み立てられるようにすることもできる。

【0026】
図4は、収納容器12に触媒担持ブロック20を収容した状態を収納容器12の端面方向から見た状態を示す。触媒担持ブロック20はセラミック・フォーム等の網目状等の素材からなるため、収納容器12に触媒担持ブロック20を収納した状態で、収納容器12の内側面と触媒担持ブロック20の外面との間から被処理気体が漏出することが生じ得る。このため、実施形態では、収納容器12の内側面と触媒担持ブロック20の側面との間に気体のシール性を有する断熱材35を挟み込み、触媒担持ブロック20の側面と収納容器12の内側面との間を気密にシールするとともに、触媒担持ブロック20から収納容器12に熱が伝導することを抑制している。

【0027】
断熱材35には、触媒担持ブロック20の加熱温度(350℃~500℃程度)に十分耐える耐熱性と、加熱温度で触媒担持ブロック20と収納容器12とを気密にシールするシール性が確保できる素材であれば、適宜素材を使用することができる。断熱材35の厚さも適宜厚さにすればよい。
断熱材35で包むようにして触媒担持ブロックを例えばステンレス製の収納容器12に入れる場合、収納容器12の内面は鏡面仕上げとし、熱反射により熱の系外への放出を最小限にとどめる。

【0028】
触媒担持ブロック20と収納容器12の壁面との間のシール性を確保することは、浄化処理を確実に行う上で注意すべき問題である。本実施形態の浄化装置においては、触媒担持ブロック20の側面全体と収納容器12の内側面との間にシール性を有する断熱材35を挟む込むことにより、被処理気体を確実に浄化処理できるようにしている。
なお、ヒータ30を挿入する開口12dとヒータ30の外面との間についても、ヒータ30と開口12dとの間に断熱シートを詰めてシールする。

【0029】
図1に示す浄化処理部10は浄化装置の主要構成部分であり、実際に使用する際には、浄化処理部10の外側を断熱材によって覆うようにし、浄化処理部10を保温して浄化処理部10から熱が逃げないようにするとともに、安全保護のため高温に加熱された浄化処理部10に触れないようにする。実際の装置では、収納容器12全体を断熱材で覆い、浄化処理部をンレス金属ケース(化粧箱)に収納した。浄化処理部の外面を覆う断熱材としては、綿状のアルミナ繊維やガラス繊維、板状の断熱材としては産業機器用断熱板や珪藻土板が使用できる。
断熱材を取り付ける際には、収納容器12の縁部に設けたフランジ12aを利用して取り付けることができる。

【0030】
なお、触媒担持ブロック20は、ヒータ30への通電を制御して、基材に担持した酸化物半導体の触媒作用が確実に作用するように温度制御する。図2、3に示す実施形態では、触媒担持ブロック20の中央部に温度センサ(熱電対)を挿入する挿入孔21を設け、収納容器12にもセット孔12eを設けて、温度コントローラーによりヒータ30への通電を制御して、触媒担持ブロック20の温度を制御している。

【0031】
(屈曲ヒータの配置例)
上述した浄化装置はヒータ30として棒状のヒータ(ロッド・ヒータ)を装着した例である。図5は、屈曲形のヒータとして、図6に示すM字ヒータ32を触媒担持ブロック22に装着した例を示す。図5(a)は、触媒担持ブロック22に形成した凹溝22aにM字ヒータ32を装着した触媒担持ブロック22を他の触媒担持ブロックと組み合わせた例を示す。図5(b)は、M字ヒータ32を装着した触媒担持ブロック22の装着面における平面配置である。

【0032】
本実施形態においては、相互に端面を接触させて配置する一方の触媒担持ブロック22の端面(接触面)にM字ヒータ32がちょうど埋没する深さに凹溝22aを設けてヒータの収容部とし、他方の触媒ブロック22の接触面を平面としている。もちろん、対向配置する触媒担持ブロック22の双方の接触面に断面形状が半円形の凹溝22aを設け、凹溝を組み合わせてヒータの収容部とすることもできる。
このM字ヒータ32のように屈曲形のヒータを使用する場合は、複数個の触媒担持ブロックを組み合わせて使用し、触媒担持ブロックの突き合わせ面(接触面)に、ヒータの収容部を形成してヒータを装着する方法が有効である。
前述した、ロッド・ヒータ等の棒状のヒータを使用する場合は、必ずしも触媒担持ブロックの突き合わせ面を利用することなく、触媒担持ブロック自体にヒータの収容部を設けてヒータを装着してもよい。

【0033】
本実施形態のように、触媒担持ブロック自体の内部に直接、ヒータを内蔵する配置とすることにより、触媒担持ブロックを効率的に加熱することができ、触媒担持ブロックによる有害物の分解、浄化作用を効果的に行うことが可能になる。また、触媒ブロック自体にヒータを内蔵することにより、浄化装置全体としてのコンパクト化を図ることが可能になる。
なお、触媒担持ブロックにヒータを内蔵する際には、触媒担持ブロックを通過する被処理気体の流量を考慮して、使用するヒータの形状や、ヒータの大きさ(径寸法)、ヒータの配置間隔等を設定する。

【0034】
(触媒担持ブロックの製法)
触媒担持ブロックにヒータを収容する収容部(ヒータ挿入孔)を設ける方法としては、触媒担持ブロックの基材であるセラミック多孔体に機械加工(フライス盤やルータによる加工)により設ける方法がある。しかしながら、セラミック多孔体は脆く、加工時に破片が飛散しやすいことから、加工が難しい上に、切削刃が傷みやすく、セラミックの切削ごみが機械の可動部分に入り込んで加工装置を傷めてしまうといった問題がある。

【0035】
このような問題を解消する方法としては、セラミック多孔体を形成した後に、ヒータの収容部を形成するのではなく、セラミック多孔体の製造過程において、ヒータの収容部を形成してしまう方法が有効である。
セラミック多孔体は、作製しようとするセラミック多孔体の形状(外形)に合わせて、まず発泡体を成形し、この発泡体を利用して作製する。発泡体は、多孔体を形成するための基材となるもので、発泡ウレタン等の、ハニカム構造あるいは三次元網目体構造等の多孔体構造体を備えるものを使用する。
発泡ウレタンは、通常、1×1×1m程度の大きさの立方体状の発泡ウレタン体として提供される。この発泡ウレタン体から切り出して所望する大きさ(例えば、300×300×30mm)の平板体状の発泡体を形成する(発泡体を成形する工程)。セラミック多孔体の大きさや形状は適宜設定可能であるが、以下では、平板状のセラミック多孔体を形成する例について説明する。

【0036】
図7(a)は、平板状のセラミック多孔体に使用する発泡体40を示す。この発泡体にヒータの収容部として例えばM字形の溝を設ける方法としては、厚さが20mm程度の発泡ウレタンをM字状に打ち抜き、これを発泡体40の上に貼り付ける方法が考えられる。しかしながら、この方法では、発泡ウレタンを打ち抜くトムソン・ブレードの作製や打ち抜き装置が必要となりコスト高となる。また、発泡ウレタンを液体窒素等で凍結させ、これをフライス盤に取り付け、回転ノミで溝を掘る方法によって溝を加工する方法も可能である。しかしながら、この方法も量産性を考えると現実的ではない。

【0037】
図7(b)は、発泡体40にヒータの収容部となる溝を加工する方法を示す。加熱した金属ワイヤを発泡体40上で掃引して発泡体40を焼き抜き、溝(ヒータの収容部)を形成する。金属ワイヤは発泡体40を焼き抜く発熱体として使用するもので、ヒータ線にはNi-Cr線や白金線を利用することができる。この金属ワイヤをコの字形に曲げて発熱体44とし、発熱体44を絶縁碍子45の電極に固定し、発熱体44と通電用の電源46とを接続する。
発熱体44に通電し、赤熱した発熱体44を発泡体40に接触させながら掃引すると、金属ワイヤが発泡体40に接触した部位が焼き抜かれ、発熱体44がメスのように作用して、発熱体44が通過した領域が発泡体40から切り取られる(発泡体にヒータの収容部となる溝形状を形成する工程)。

【0038】
図7(b)はM字形のヒータの収容部を設けるために発熱体44をM字状に掃引する例(図の矢印のように発熱体を動かす)である。
図7(c)は、発熱体44を掃引する操作を行って発泡体40に溝42を形成した状態を示す。溝42の幅及び深さは、金属ワイヤによって形成する発熱体44のコの字形部分の幅と深さ(長さ)を調節することによって任意に設定することができる。発熱体44を掃引操作する際に、発泡体40の表面から沈み込ませる発熱体44の深さを調節して溝42の深さを設定することができる。

【0039】
(実験例1)
発熱体を利用して発泡ウレタンに溝を形成する操作を行った例について説明する。
気体の透過率が約80%の発泡ウレタン板(300×300×30mm)を発泡体とした。
発熱体には、直径0.5mmのNi-Cr線を金属ワイヤを使用し、金属ワイヤを幅10mm、深さ10mmのコの字形に加工して発熱体とした。
発熱体の印加電圧を1V、掃引速度を5cm/秒として発泡体上で発熱体をM字状に掃引することにより、発泡体上に溝を形成することができた。発泡体上に形成された溝は、幅10mm、深さ10mmであった。

【0040】
(実験例2)
実験例1において使用した発熱体と同一の発熱体を使用し、気体の透過率が約40%の発泡ウレタン板(300×300×50mm)にM字形の溝を形成する実験を行った。発熱体の印加電圧、掃引速度は実験例1と同様である。
この実験においても、発泡体上で発熱体をM字状に掃引することにより、発熱体の掃引経路にしたがってM字状の溝が形成されること、発泡体上に、幅10mm、深さ10mmの溝が形成されたことを確認した。
これらの実験結果は、金属ワイヤを発熱体とし、金属ワイヤを加熱して発泡体を焼き抜く方法が、発泡上に溝を形成する方法として有効に利用できることを示す。

【0041】
金属ワイヤを用いた発熱体を利用して発泡体に溝を形成する方法は、加工装置がきわめて簡易な構成で済ませられること、溝を加工する操作が簡単で短時間で溝を作ることができること、発熱体の掃引方向(動かし方)を制御するだけで直線や曲線の任意の形状に溝が形成できるという利点がある。
また、発熱体を掃引して溝を形成する方法は、溝を形成する対象物である発泡体の形状や大きさによって制約されないという利点もある。発熱体を掃引してヒータの収容部を形成する操作は、きわめて自由度の高い操作であり、平板状等の平面的な発泡体に収容部を形成する場合に限らず、円柱体状や円筒体状等の曲面状の外面を備える発泡体に対して収容部を形成することも容易に可能である。

【0042】
発熱体を掃引して収容部を形成する方法としては、ガイドを利用して手動で発熱体を移動させて形成することもできるし、操作用のロボット等の操作手段により発熱体を掃引操作して溝を形成することもできる。操作手段を利用して収容部(溝)を形成する方法であれば、発泡体に正確に溝を形成することができ、収容部を形成する処理を自動化することもできる。発泡体にヒータの収容部を形成する処理装置としては、被処理対象物である発泡体を支持する支持部、発熱体に通電した状態で発熱体を移動操作する操作手段、操作手段を制御して発泡体上で発熱体を掃引する経路を制御する制御部を構成として備えていればよい。

【0043】
図7(c)に示す発泡体10に設けられた溝12は、溝12内にヒータ6が埋没して収容される寸法に設けられている。触媒ユニットによっては、複数個のセラミック多孔体を組み合わせて使用する場合もある。2つのセラミック多孔体を向い合わせて、セラミック多孔体の対向面(接触面)間にヒータを配置するといったような場合は、一組の発泡体のそれぞれの対向面にヒータの外径の1/2の深さの溝を形成して組み合わせて使用すればよい。

【0044】
上述した方法により、発泡体40に溝42を形成した後、この発泡体40を、アルミナ、マグネシア、シリカ等のセラミック成分とバインダー成分とを混合したスラリー中に含浸させ、発泡体40の内部にまでスラリーを浸み込ませる。
次に、余剰のスラリーを除去した後、スラリーが付着した発泡体を乾燥させ、次いで、約1600℃で焼成する。焼成工程で、発泡体のポリウレタンは分解除去され、スラリーのセラミック成分であるアルミナ、マグネシア、シリカは固溶体となり、ハニカム構造あるいは三次元網目体構造を備える多孔体が得られる(多孔体を形成する工程)。
なお、スラリーを含浸させた発泡体を乾燥、焼成する工程において、発泡体と焼成体(セラミック多孔体)の寸法が変化する場合には、発泡体と焼成体の寸法の差異をあらかじめ想定して発泡体に形成する溝の幅、深さを設定しておけばよい。触媒ブロックのヒータの収容部の寸法精度はさほど高くはないから、製造上の誤差等も考慮して発泡体に形成する収容部(溝)の幅、深さを設定すればよい。

【0045】
触媒担持ブロックは、上述した方法によって作製したセラミック多孔体に酸化クロム等の酸化物半導体を担持することによって得られる(多孔体に酸化物半導体を担持する工程)。
酸化物半導体を担持させる操作は、酸化物半導体を分散させた分散液を調製し、分散液中にセラミック多孔体を浸漬してセラミック多孔体に分散液を付着させた後、乾燥させればよい。
セラミック多孔体にはあらかじめ溝が形成されているから、酸化物半導体を担持した後の触媒ブロックにも溝の形状が保持され、ヒータの収容部を備えた触媒担持ブロックが得られる。

【0046】
図8は、酸化物半導体を担持した触媒担持ブロック5に、平面形状がM字形のヒータ6を装着した触媒ユニット8を示す。この触媒ユニット8に用いているヒータ6は平面形状がM字形のシース型ヒータ(外径10mm)である。触媒ブロック5の上面には、ヒータ6を収容するための、平面形状がM字形の収容部(溝)が設けられ、収容部に合わせてヒータ6をセットすることにより、ヒータ6は収容部に埋没するようにして収容される。
【実施例】
【0047】
以下、ヒータの収容部を設けた触媒担持ブロックを用いて気体の浄化装置を組み立て、実際にVOCを処理した例について説明する。
(実施例1)
小型の浄化装置として、一つの大きさが73×50×30mmの触媒担持ブロックを4個、一列状に並べて収納容器12に収納した浄化装置を構成し、VOCの分解特性を炭化水素計(単位はppmC)で測定した。
触媒担持ブロックの基材はセラミック・フォーム、担持した触媒は酸化クロムである。収納容器12の周囲を断熱材の珪藻土ブロックにより囲む配置とした。使用したヒータは、直径10mm、長さ51mm、300Wのロッド・ヒータ4本である。ヒータ30は図2に示した配置と同一とした。ヒータ30による触媒担持ブロックの加熱温度は400℃である。
空気を搬送ガスとし、VOCとしてTHF(テトラヒドロフラン)を処理対象とした。風量は約0.3m/分である。表1に測定結果を示す。
【実施例】
【0048】
【表1】
JP2014184426A_000003t.gif
【実施例】
【0049】
(実施例2)
中型の浄化装置として、1つの大きさが100×100×30mmの触媒担持ブロックを4個並べ、全体として100×100×120mmの大きさの触媒担持ブロックを収納容器12に収納した浄化装置を構成し、VOCの分解特性を測定した。触媒担持ブロックの基材はセラミック・フォーム、担持した触媒は酸化クロムである。
収納容器12の周囲を断熱材のセラミック・ブロックにより囲んで断熱した。断熱材の外表面温度は約50℃程度である。
使用したヒータは径10mm、120mm、300Wのロッド・ヒータである。図2と同様にヒータを4本配置した。触媒担持ブロックの加熱温度は400℃である。
空気を搬送ガスとし、THFを処理対象ガスとして、分解特性を測定した。風量は約0.3m3/分である。表2に測定結果を示す。
【実施例】
【0050】
【表2】
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【実施例】
【0051】
(実施例3)
もっとも小型の浄化装置として、大きさが20×50×73mmの触媒担持ブロックを収納容器12に収納して浄化処理部を構成し、VOCの浄化特性を測定した。この場合、VOCガスは20×50mmの間口から入り、長さ73mmの距離を走行する。
本実施例の浄化装置は、一つの触媒担持ブロックのみを使用して組み立てた例である。
触媒担持ブロックの長辺(73mm)を被処理気体の搬送方向(被処理気体が通過する方向)と平行に配置し、触媒担持ブロックの長辺に沿った方向に2本のロッド・ヒータを配置した。ロッド・ヒータは径6.25mm、長さ51mm、250Wである。触媒担持ブロックの加熱温度は400℃である。
空気を搬送ガスとし、トルエンを処理対象ガスとして、分解特性を測定した。風量は約0.2m3/分である。表3に測定結果を示す。
【実施例】
【0052】
【表3】
JP2014184426A_000005t.gif
【実施例】
【0053】
上記実施例に示す浄化装置は、いずれも触媒担持ブロックにヒータを挿入するようにしてヒータを装着する構成としたことにより、触媒担持ブロックを収納する容器(処理空間)を触媒担持ブロックの大きさと同程度とすることができ、触媒担持ブロックの機能を最大限に発揮し得る形態で、最も効率的に装置の小型化を図ることができる構成となっている。したがって、被処理気体の処理量に合わせて、最も効率的なサイズの触媒担持ブロックを選択して浄化装置を構成することにより、最も効率的でコンパクトな浄化装置を構成することができる。
【実施例】
【0054】
浄化装置に使用する触媒担持ブロックは、その大きさや形状が限定されるものではない。実施例の浄化装置では四角柱状の触媒担持ブロックを使用したが、円柱状の触媒担持ブロックを使用するといったことも可能である。触媒担持ブロックは、複数個組み合わせて使用することもできるし、実施例3のように、一つの触媒担持ブロックのみによって構成することもできる。
【実施例】
【0055】
触媒担持ブロックに装着するヒータには適宜ヒータが利用できる。ヒータの収容部は、通常、収容部(挿入孔)の長手方向が被処理気体を搬送する方向と直交する向きに設ける。この配置とすることにより、被処理気体の流通を妨げず、触媒担持ブロックの全体を均一に加熱して、被処理気体を効率的に浄化することができる。なお、浄化装置の配置等の関係から、ヒータの収容部を被処理気体が搬送される方向に平行に触媒担持ブロックに設けることも可能である。この場合は、ヒータに接続する導電線を、例えば排気ダクト側に引き出すようにすればよい。
【実施例】
【0056】
実施例3に示す浄化装置は、浄化処理部を保護する断熱材を含めても100mm角程度の大きさに形成されている。触媒担持ブロックをたとえば、細長く形成するといった方法により、浄化装置をさらに小型化することは容易に可能である。浄化装置を小型化することにより、有害な有機化合物が発生するような機器あるいは装置に浄化装置を付設して、有害物が外部に排出されないようにするといった用途等に広く利用することができる。また、VOCの処理量が多い場合の装置構成としては、本出願のユニット(たとえば100mm角の触媒ブロックを直列に4段つないだユニット)を並列に接続し、大風量に対処することも可能である。さらに、熱交換器を装着することにより、炉内に導かれるVOCガスが予備加熱されるので、飛躍的に風量を上げることが可能となる。本発明に係る浄化装置は、有機化合物等の有害物を分解して浄化する作用がきわめて強力であり、この浄化作用を利用することにより環境改善に大いに役立てることができる。
【実施例】
【0057】
なお、図1等に示す浄化装置には、被処理気体を浄化処理部に送入する送気機構あるいは、浄化処理部から浄化気体を排気する排気機構、さらには排熱を有効利用する熱交換器は付設されていない。送気機構あるいは排気機構を浄化装置とは別体に設けて、浄化装置に送気機構あるいは排気機構を連結して使用するようにしてもよいし、送気ファンあるいは吸気ファンをあらかじめ浄化装置に付設した構成とすることもできる。小型のファンをダクト内に配置する程度で、必要とする送気、排気作用をなすことが可能である。
【符号の説明】
【0058】
10 浄化処理部
12 収納容器
12a フランジ
12b ケース部
12c 蓋
12d 開口
12e セット孔
14a、14b ダクト
20 触媒担持ブロック
20a ヒータの収容部
21 熱電対挿入孔
22 触媒担持ブロック
22a 凹溝
30 ヒータ
32 M字ヒータ
35 断熱材
40 発泡体
42 溝
44 発熱体


図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7