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明細書 :合金薄膜生成装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第6031725号 (P6031725)
公開番号 特開2014-051699 (P2014-051699A)
登録日 平成28年11月4日(2016.11.4)
発行日 平成28年11月24日(2016.11.24)
公開日 平成26年3月20日(2014.3.20)
発明の名称または考案の名称 合金薄膜生成装置
国際特許分類 C23C  14/14        (2006.01)
C23C  14/22        (2006.01)
C23C  16/50        (2006.01)
FI C23C 14/14 Z
C23C 14/22 Z
C23C 16/50
請求項の数または発明の数 7
全頁数 9
出願番号 特願2012-195690 (P2012-195690)
出願日 平成24年9月6日(2012.9.6)
審査請求日 平成27年7月24日(2015.7.24)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】899000057
【氏名又は名称】学校法人日本大学
発明者または考案者 【氏名】浅井 朋彦
【氏名】鈴木 薫
【氏名】西宮 伸幸
【氏名】高津 幹夫
個別代理人の代理人 【識別番号】100124257、【弁理士】、【氏名又は名称】生井 和平
審査官 【審査官】吉野 涼
参考文献・文献 特開2002-327262(JP,A)
特開昭63-223168(JP,A)
特開2007-009303(JP,A)
特開平06-057419(JP,A)
特開平10-088335(JP,A)
特開2010-50090(JP,A)
特開2006-310101(JP,A)
調査した分野 C23C 14/00-14/58
C23C 16/00-16/56
JSTPlus/JST7580(JDreamIII)
特許請求の範囲 【請求項1】
基板上に合金薄膜を生成する合金薄膜生成装置であって、該合金薄膜生成装置は、
筒状の外部導体と、
前記外部導体の内部に同軸状に配置され、生成すべき合金薄膜の原料となる各種金属からそれぞれ形成される複数の金属片を選択可能に組み合わせて棒状に構成される内部導体と、
前記外部導体と内部導体との間にプラズマ生成ガスを供給するプラズマ生成ガス供給部と、
スフェロマック様の磁化プラズモイドを生成するために、前記外部導体と内部導体との間にバイアス磁場を発生する電磁コイルと、
前記外部導体と内部導体との間に放電電圧を印加する電源回路と、
前記外部導体と内部導体との間に発生するプラズマが放出される真空チャンバと、
前記内部導体の軸方向に垂直に合金薄膜を生成する面を対向させるように、真空チャンバ内に基板を固定するステージと、
を具備することを特徴とする合金薄膜生成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の合金薄膜生成装置において、前記内部導体の複数の金属片は、生成すべき合金薄膜の各種金属の混合比に応じて、各金属片の長さが決定されることを特徴とする合金薄膜生成装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の合金薄膜生成装置において、前記内部導体の複数の金属片は、各金属片のそれぞれの融点に応じて、各金属片の長さが決定されることを特徴とする合金薄膜生成装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3の何れかに記載の合金薄膜生成装置において、前記内部導体の複数の金属片には、チタン、ジルコニウム、タングステン、タンタル、モリブデン、ニオブの少なくとも何れか1つを含む高融点金属材料が含まれることを特徴とする合金薄膜生成装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4の何れかに記載の合金薄膜生成装置において、前記内部導体の複数の金属片は、それぞれ単一金属又は合金からなることを特徴とする合金薄膜生成装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5の何れかに記載の合金薄膜生成装置において、前記内部導体の複数の金属片は、それぞれ雄ねじ構造及び雌ねじ構造を有し、ある金属片の雄ねじ構造が他の金属片の雌ねじ構造に締結されることで内部導体が棒状に構成されることを特徴とする合金薄膜生成装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項5の何れかに記載の合金薄膜生成装置において、前記内部導体の複数の金属片は、それぞれ中心に貫通孔を有する円筒形状からなり、貫通孔を貫通する支持棒により固定されることで内部導体が棒状に構成されることを特徴とする合金薄膜生成装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は合金薄膜生成装置に関し、特に同軸磁化プラズマ生成装置を用いる合金薄膜生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的にプラズマを用いた金属薄膜の生成を行う技術としては、プラズマCVD法が知られている。プラズマCVD法では、低い温度でも薄膜を生成できるメリットがある。
【0003】
また、同軸磁化プラズマ生成装置を用いて金属薄膜生成を行う技術としては、例えば本願発明者の一人が発明者に含まれる特許文献1がある。特許文献1では、同軸磁化プラズマ生成装置を用いて、ここから放出されるプラズマ塊を真空チャンバ内へ放出し、基板上の塗布膜に照射する。塗布膜は、膜生成材料の粉末を分散させた溶媒を塗布し、乾燥させることで形成されたものである。プラズマ塊を照射された塗布膜は、膜生成材料がイオン化又は活性化され、基板に強固な膜を形成する。また、同じく本願発明者の一人が発明者に含まれる特許文献2では、同軸磁化プラズマ生成装置の電源回路が連続パルス信号を印加できるように構成されており、連続パルスのデューティ比を変化させることで、内部導体を削るようにしてプラズマ生成ガスに金属を混入させることも可能なことが開示されている。
【先行技術文献】
【0004】

【特許文献1】特開2006-310101号公報
【特許文献2】特開2010-50090号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これまでの従来技術では、高融点金属材料を含む合金薄膜を生成することは難しかった。例えば、プラズマCVD法では、高融点金属材料をイオン化することはできないため、高融点金属薄膜を生成することはできなかった。このため、高融点金属薄膜の生成には、例えばイオンビームアシスト蒸着法等、限られた手法を用いるしかなかった。生成速度や高価な製膜装置を使用する必要等の観点から、高融点金属薄膜の生成は、大量生産には向いていなかった。
【0006】
また、特許文献1のような同軸磁化プラズマ生成装置を用いた薄膜生成手法では、印加される電流がコンデンサからの直流電流であることから直流的な放電となる。このような放電の場合には、電極に対する熱負荷により電極が損傷し、削りとられた電極素材はデブリとなり、基板上の膜生成材料に合金を形成しない金属粒が不純物として混じってしまうことがあった。また、特許文献2のような同軸磁化プラズマ生成装置では、内部導体が単一金属で形成されているため、単一金属の金属粒子による薄膜の生成は可能であっても、合金薄膜を生成することはできなかった。
【0007】
本発明は、斯かる実情に鑑み、汎用性が高く、高融点金属を含む合金薄膜であっても安価に生成可能な合金薄膜生成装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した本発明の目的を達成するために、本発明による合金薄膜生成装置は、筒状の外部導体と、外部導体の内部に同軸状に配置され、生成すべき合金薄膜の原料となる各種金属からそれぞれ形成される複数の金属片を選択可能に組み合わせて棒状に構成される内部導体と、外部導体と内部導体との間にプラズマ生成ガスを供給するプラズマ生成ガス供給部と、外部導体と内部導体との間にバイアス磁場を発生する電磁コイルと、外部導体と内部導体との間に放電電圧を印加する電源回路と、外部導体と内部導体との間に発生するプラズマが放出される真空チャンバと、内部導体の軸方向に垂直に合金薄膜を生成する面を対向させるように、真空チャンバ内に基板を固定するステージと、を具備するものである。
【0009】
ここで、内部導体の複数の金属片は、生成すべき合金薄膜の各種金属の混合比に応じて、各金属片の長さが決定されれば良い。
【0010】
また、内部導体の複数の金属片は、各金属片のそれぞれの融点に応じて、各金属片の長さが決定されても良い。
【0011】
また、内部導体の複数の金属片には、チタン、ジルコニウム、タングステン、タンタル、モリブデン、ニオブの少なくとも何れか1つを含む高融点金属材料が含まれていても良い。
【0012】
また、内部導体の複数の金属片は、それぞれ単一金属又は合金からなるものであっても良い。
【0013】
また、内部導体の複数の金属片は、それぞれ雄ねじ構造及び雌ねじ構造を有し、ある金属片の雄ねじ構造が他の金属片の雌ねじ構造に締結されることで内部導体が棒状に構成されれば良い。
【0014】
また、内部導体の複数の金属片は、それぞれ中心に貫通孔を有する円筒形状からなり、貫通孔を貫通する支持棒により固定されることで内部導体が棒状に構成されても良い。
【発明の効果】
【0015】
本発明の合金薄膜生成装置には、汎用性が高く、高融点金属を含む合金薄膜であっても安価に生成可能であるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本発明の合金薄膜生成装置を説明するための長手方向の概略断面図である。
【図2】図2は、本発明の合金薄膜生成装置の内部導体を構成する複数の金属片の具体例を説明するための概略側面図である。
【図3】図3は、本発明の合金薄膜生成装置の内部導体を構成する複数の金属片の他の具体例を説明するための概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための形態を図示例と共に説明する。図1は、本発明の合金薄膜生成装置を説明するための長手方向の概略断面図である。図示の通り、本発明の合金薄膜生成装置は、基板1上に合金薄膜2を生成するものであり、外部導体10と、内部導体20と、プラズマ生成ガス供給部30と、電磁コイル40と、電源回路50と、真空チャンバ60と、ステージ70とから主に構成されている。本発明の合金薄膜生成装置の大まかな構成は、同軸磁化プラズマガンをベースにしている。

【0018】
外部導体10は筒状である。具体的には、外部導体10は、円筒形状の導体からなるものである。外部導体10は、例えば、ステンレス鋼等により構成されれば良い。

【0019】
内部導体20は、外部導体10の内部に同軸状に配置されている。内部導体20は、円柱状であり、棒状体である。ここで、内部導体20は、生成すべき合金薄膜の原料となる各種金属からそれぞれ形成される複数の金属片21を選択可能に組み合わせて棒状に構成されている。また、内部導体20の金属片21を固定するベース部分は、例えばステンレス鋼等により構成されれば良い。なお、内部導体20の詳細については後述する。

【0020】
ここで、外部導体10と内部導体20は、一端が絶縁部材12により絶縁されそれらの配置位置が固定されており、他端がここからプラズマが放出されるように開放端となっている。

【0021】
プラズマ生成ガス供給部30は、外部導体10と内部導体20との間にプラズマ生成ガスを供給するように構成されている。具体的には、外部導体10にガス供給口が設けられており、ガス供給口に例えば電磁弁が設けられ、電磁弁を開閉することにより所定のプラズマ生成ガス、例えばヘリウムガスやアルゴンガス等を導入すれば良い。図示例では、上下2つのガス供給口が設けられている。

【0022】
また、電磁コイル40は、外部導体10と内部導体20との間にバイアス磁場を発生するものである。図示例では外部導体10の外周に2段配置される例を示した。電磁コイル40により、外部導体10と内部導体20の間に発生したプラズマに対して、バイアス磁場が印加される。これにより、プラズマが放電電流による磁場とバイアス磁場を含んだ状態で放出されるので、スフェロマック様の磁化プラズモイドが生成されることになる。

【0023】
電源回路50は、外部導体10と内部導体20との間に放電電圧を印加するものである。これは、外部導体10と内部導体20との間に、例えば準直流電圧を印加し準直流放電させるものである。電源回路50は、例えばトランスとコンデンサを組み合わせたトランス結合放電回路等を用いれば良い。トランス結合放電回路を用いることで、トランスの1次回路と2次回路のオンオフタイミングを調整することにより、交流電流から同一極性の電流を得ることが可能となり、準直流放電と呼ばれる放電電流が得られる。また、上述の特許文献2に開示のような、連続パルス信号を印加できるような電源回路を用いても良い。連続パルス信号のデューティ比を変化させることで、内部導体20の混入量を制御することも可能である。

【0024】
このような外部導体10と、内部導体20と、プラズマ生成ガス供給部30と、電磁コイル40と、電源回路50とから構成される同軸磁化プラズマガンは、これらの図示例の構成に特に限定されるものではなく、スフェロマックプラズマを生成可能な構造である同軸磁化プラズマガンであれば、如何なる構造であっても構わない。

【0025】
上述のように構成された同軸磁化プラズマガンでは、以下のようにプラズマが生成される。まず、プラズマ生成ガス供給部30からプラズマ生成ガスが供給される。外部導体10と内部導体20との間の空間に電源回路50により放電電圧を印加すると、外部導体10と内部導体20との間に放電が発生し、放電電流が流れてプラズマが生成される。生成されたプラズマは、放電電流による磁場と共に、電磁コイル40によるバイアス磁場により、ポロイダル方向とトロイダル方向の磁場が生じ、スフェロマックプラズマとして外部導体10と内部導体20の開放端から放出される。スフェロマックプラズマは、すぐには拡散することなく、プラズマ塊の状態のまま高速で放出される。

【0026】
真空チャンバ60は、上述のように外部導体10と内部導体20との間に発生したプラズマが放出されるものである。具体的には、真空チャンバ60は、絶縁体61を介して外部導体10に接続されており、放出されたプラズマが真空チャンバ60内に導入される。

【0027】
ステージ70は、内部導体20の軸方向に垂直に合金薄膜2を生成する面を対向させるように、真空チャンバ60内に基板1を固定するものである。ステージ70は、図示例のように同軸磁化プラズマガンから基板1までの間の距離を連続的に変化可能なように構成されていても良い。また、プラズマをステージ70側に引き込むように、ステージ70を接地又は負バイアスにしても良く、この場合、真空チャンバ60とステージ70は絶縁される。

【0028】
同軸磁化プラズマガンから放出されたスフェロマックプラズマには、プラズマ生成の際に内部導体20の表面がプラズマにより削り取られた金属粒子が混入している。したがって、このプラズマをステージ70に固定された基板1に向けて衝突させることにより、基板1上に金属粒子を堆積させることが可能となる。即ち、各種金属からなる複数の金属片21を組み合わせて構成される内部導体20を用いることにより、複数の金属片21から削り取られた各種の金属粒子が混ざり合った状態で基板1上に堆積する。したがって、基板上には組み合わせた金属片21に応じた均一の合金薄膜が生成されることになる。

【0029】
ここで、本発明の合金薄膜生成装置の最も特徴的な構成要素である内部導体についてより詳細に説明する。内部導体20の複数の金属片21は、生成すべき合金薄膜の原料となる各種金属から形成されれば良い。例えば、合金薄膜としてステンレス薄膜を生成する場合には、原料となるクロム、ニッケル、マンガン等の金属片21をそれぞれ用意すれば良い。さらに、例えば高融点金属材料であるタングステン等からなる金属片を用いれば、これが含まれる合金薄膜が容易に生成可能となる。本発明の合金薄膜生成装置では、タングステン等の高融点金属材料であっても、生成されるプラズマにより削り取ってプラズマ生成ガスへの混入を図ることが可能となる。したがって、タングステンの他、例えば、チタン、ジルコニウム、タンタル、モリブデン、ニオブ等の高融点金属材料を金属片21として用いることも可能である。これらの高融点金属材料は、プラズマCVD法等の従来技術ではイオン化できないため薄膜形成を行うことは難しかったものである。本発明の合金薄膜生成装置によれば、このような高融点金属材料であっても、膜生成材料として用いることが可能となる。

【0030】
図2は、本発明の合金薄膜生成装置の内部導体を構成する複数の金属片の具体例を説明するための概略側面図である。図2に示されるように、本発明の合金薄膜生成装置の内部導体20を構成する複数の金属片21は、例えば、それぞれ雄ねじ構造22及び雌ねじ構造23を有するものであれば良い。これにより、ある金属片21の雄ねじ構造22が他の金属片の雌ねじ構造23に締結されることで、内部導体20が棒状に構成される。生成すべき合金薄膜に応じた原料となる金属片21を組み合わせて締結し内部導体20とすることで、汎用的且つ簡便に合金薄膜を生成することが可能となる。金属片21は、例えばダイキャスト等により製造されれば良い。ダイキャスト等であれば、高い寸法精度で金属片21を大量生産することが可能となる。通常、内部導体の先端は電界集中を避けるために球面加工されたものを用いるが、本発明の合金薄膜生成装置においては、金属片の溶出を目的としているため、先端形状は矩形状で良い。また、金属片21は、それ自体が単一金属であっても良いし、合金からなるものであっても良い。金属片21の組み合わせや先端からの順番等は、生成される合金薄膜に応じて適宜決定されれば良い。

【0031】
また、複数の金属片21は、必ずしも同一の長さを有するものである必要はなく、生成すべき合金薄膜の各種金属の混合比に応じて、各金属片21の長さが決定されれば良い。即ち、合金薄膜を生成するにあたり、複数の膜生成材料をどの程度の混合比で製膜するのかに応じて、同じ長さで同じ材料の金属片21を複数用いて長さを長くすることも可能である。また、同じ材料の金属片21を複数の長さで用意しておき、混合比に応じて選択的に用いても良い。

【0032】
さらに、複数の金属片21は、各金属片21のそれぞれの融点に応じて、各金属片の長さが決定されても良い。即ち、融点が低い金属程先に削り取られるため、長さを短めにして表面積を減らし、融点が高い金属程なかなか削り取られないため、長さを長めにして表面積を増やし、単位時間当たりのプラズマ生成ガスへの混入量を調整することも可能である。

【0033】
また、本発明の合金薄膜生成装置の内部導体は、複数の金属片を組み合わせることで棒状に構成されれば良いものであるため、図2に示されるような例には限定されない。例えば、内部導体は、図3に示されるような構成であっても良い。図3は、本発明の合金薄膜生成装置の内部導体を構成する複数の金属片の他の具体例を説明するための概略側面図である。この例では、内部導体20の複数の金属片21は、それぞれ中心に貫通孔25を有する円筒形状からなり、貫通孔25を貫通する支持棒26により固定されることで内部導体20が棒状に構成される。ここで、支持棒26にはねじ山が切られると共に、金属片21の貫通孔25にもねじ山が切られ、支持棒26に金属片21をねじ込んでいくことで内部導体が構成されれば良い。また、支持棒26の先端のみにねじ山が切られており、先端に配置される金属片21の貫通孔25のみにねじ山が切られ、先端部分のみで固定する構成であっても良い。なお、図示例のように、金属片21の先端部分は貫通孔25は貫通しておらず閉じており、先端は平面であっても良い。

【0034】
なお、本発明の合金薄膜生成装置の内部導体は、棒状体であれば良いため、上述の図示例に限定されるものではなく、複数の金属片の固定方法は如何なる構造であっても良い。

【0035】
次に、本発明の合金薄膜生成装置を用いた合金薄膜生成過程について、具体的に説明する。まず、プラズマ生成ガス供給部30からプラズマ生成ガスである、例えばアルゴンガスを外部導体10と内部導体20との間に供給する。また、電磁コイル40を用いて外部導体10と内部導体20との間にバイアス磁場を発生させる。そして、電源回路50により外部導体10と内部導体20との間に放電電圧を印加することで、放電させてプラズマを生成する。この放電に伴い、プラズマ中には径方向の電流が流れる。また、プラズマには、内部導体20の電流によりトロイダル磁場が生ずる。この放電の際に、内部導体20の表面が削り取られ、各種の金属粒子がプラズマに混入する。そして、プラズマ中の径方向の電流とトロイダル方向の磁場によるローレンツ力により、バイアス磁場を引きずりながら内部導体20の軸方向に加速される。さらに、磁気再結合により、同軸磁化プラズマガンの先端側でのバイアス磁場がポロイダル磁場となり、スフェロマックプラズマが放出される。スフェロマックプラズマには、内部導体20の表面が削り取られた金属粒子が含まれているため、スフェロマックプラズマを真空チャンバ60内のステージ70に固定された基板1に衝突させることで、基板1上に金属粒子が堆積する。このプラズマ放電を複数回繰り返し行うことで、所望の膜厚になるまで基板1上に金属粒子を堆積させていき、所望の合金薄膜2を得ることが可能となる。

【0036】
なお、本発明の合金薄膜生成装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0037】
1 基板
2 合金薄膜
10 外部導体
12,61 絶縁部材
20 内部導体
21 金属片
22 雄ねじ構造
23 雌ねじ構造
25 貫通孔
26 支持棒
30 プラズマ生成ガス供給部
40 電磁コイル
50 電源回路
60 真空チャンバ
70 ステージ
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2