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明細書 :米アルブミンを含有する血糖降下剤及び健康食品

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第6061270号 (P6061270)
登録日 平成28年12月22日(2016.12.22)
発行日 平成29年1月18日(2017.1.18)
発明の名称または考案の名称 米アルブミンを含有する血糖降下剤及び健康食品
国際特許分類 A61K  38/00        (2006.01)
A23L  33/185       (2016.01)
A23L  33/10        (2016.01)
A61P   3/10        (2006.01)
A61K  36/899       (2006.01)
A23K  20/147       (2016.01)
FI A61K 37/02
A23L 33/185
A23L 33/10
A61P 3/10
A61K 36/899
A23K 20/147
請求項の数または発明の数 20
全頁数 16
出願番号 特願2012-531870 (P2012-531870)
出願日 平成23年8月29日(2011.8.29)
国際出願番号 PCT/JP2011/069503
国際公開番号 WO2012/029728
国際公開日 平成24年3月8日(2012.3.8)
優先権出願番号 2010192958
優先日 平成22年8月30日(2010.8.30)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成26年7月24日(2014.7.24)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】899000057
【氏名又は名称】学校法人日本大学
発明者または考案者 【氏名】熊谷 日登美
【氏名】稲 成信
【氏名】赤尾 真
個別代理人の代理人 【識別番号】110001542、【氏名又は名称】特許業務法人銀座マロニエ特許事務所
審査官 【審査官】上村 直子
参考文献・文献 特開2009-254265(JP,A)
特開2006-217813(JP,A)
特開2005-328776(JP,A)
特開2009-247271(JP,A)
特開2007-151446(JP,A)
特開2007-068454(JP,A)
特開2001-064197(JP,A)
特開昭61-205464(JP,A)
特表2007-508803(JP,A)
特表2010-508812(JP,A)
特開2005-080538(JP,A)
特開2005-245221(JP,A)
特開2011-157341(JP,A)
平成16年度 OECDの環境・健康・安全に関する文書 新規食品および新規飼料の安全性シリーズ:No10 「コメ(Oryza sativa)新品種の成分検討に関する合意文書:食品・飼料の主要な栄養成分・抗栄養成分」日本語訳 ,2004年,p.1-39,http://www.oecd.org/env/ehs/biotrack/Rice%20Compo%20Consid%20CS%20N%C2%B010%202004-Japanese%20transl%202004.pdf
吉川正明,穀類タンパク質から派生する生理活性ペプチドに関する研究,飯島記念食品科学振興財団年報,1998年 8月,Vol.1996,pp.55-58
TAKAHASHI, M et al,Peptide,1996年,Vol.17, No.1,pp5-12
調査した分野 A23L 2/00-35/00
A61P 1/10-43/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
特許請求の範囲 【請求項1】
米アルブミンを有効成分として含有する血糖降下剤。
【請求項2】
米アルブミンが単離された米アルブミンである請求項1記載の血糖降下剤。
【請求項3】
米アルブミンを含有する食後の血糖上昇を抑制するための健康食品(ただし、アミロースを含まずアミロペクチン側鎖のグルコース重合度の分布ピークが13~15に位置するアミロペクチンを含む難消化性である米穀であって野生種のうるち米からアミロース合成酵素I(GBSSI)及びアミロペクチン枝作り酵素IIb(BEIIb)を欠損したwx/ae米及びこれを含む食品;N-メチル-N-ニトロソウレアで処理して変異させたグルコース重合度が6~12であるアミロペクチン側鎖の全アミロペクチン鎖に対する割合が5~20%である突然変異米を原料とする粒食形態または粉食形態の米加工品及びこれを含む食品;アミロース含量が25%以上である米及びこれを含む食品;金南風のN-メチル-N-ニトロソウレア処理により得られる突然変異米CM211及びCM349を加工して得られる加工米及びこれを含む食品;並びに北陸169号を食物繊維1.6~4.3質量%、ショ糖2~5質量%含有するように搗精した米及びこれを含む食品を除く)。
【請求項4】
米アルブミンが単離された米アルブミンである請求項3記載の健康食品。
【請求項5】
サプリメント、機能性食品または代替食品の形態である請求項3または4記載の健康食品。
【請求項6】
米アルブミンを含有する、食後の血糖上昇を抑制するための製剤化された健康食品。
【請求項7】
糖尿病、糖尿病合併症及び/または肥満の予防及び/または改善のための請求項3~6のいずれか1項に記載の健康食品。
【請求項8】
一服用単位当たり1~200gの米アルブミンを含有することを特徴とする請求項3~7のいずれか1項に記載の健康食品。
【請求項9】
一服用単位当たり5~100gの米アルブミンを含有することを特徴とする請求項3~7のいずれか1項に記載の健康食品。
【請求項10】
米アルブミンを含有するヒト以外の動物用の血糖降下剤。
【請求項11】
米アルブミンを含有する食後血糖の上昇を抑制するための飼料またはヒト以外の動物用のサプリメント。
【請求項12】
米アルブミンが単離された米アルブミンである請求項11記載の飼料またはヒト以外の動物用サプリメント。
【請求項13】
製剤化されていることを特徴とする請求項11または12の飼料またはヒト以外の動物用サプリメント。
【請求項14】
糖尿病、糖尿病合併症及び/または肥満の予防及び/または改善のための請求項11~13のいずれか1項に記載の飼料またはヒト以外の動物用サプリメント。
【請求項15】
米アルブミンを含有する食後血糖上昇抑制作用を食品に付与するための食品添加物。
【請求項16】
米アルブミンを含有する糖尿病及び/または糖尿病合併症の予防、改善及び/または治療に使用するための医薬組成物。
【請求項17】
米アルブミンを含有する食後の血糖上昇を抑制するための医薬組成物。
【請求項18】
米アルブミンを含有する食後の血糖上昇を抑制するためのヒト以外の動物用の医薬組成物。
【請求項19】
米アルブミンの有効量を摂取させることを含む糖尿病、糖尿病合併症及び/または肥満の予防及び/または改善のために食後血糖上昇を抑制する方法(ヒトに対する治療行為は除く)。
【請求項20】
米アルブミンの有効量をヒト以外の動物に投与することまたは摂取させることを含むヒト以外の動物の糖尿病及び/または糖尿病合併症の予防、改善及び/または治療方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、米アルブミンを含有する血糖降下剤及び健康食品に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、我が国では食生活の欧米化や人口の高齢化に伴い、高血圧や糖尿病といった生活習慣病の増加が懸念されている。厚生労働省の調査によると国内における糖尿病患者とその予備軍は1870万人にのぼり、これは成人の6人に1人が糖尿病とその予備軍であることを示している。糖尿病による血糖値の上昇は様々な合併症を起こすため、糖尿病患者は血糖降下剤の服用や食事制限により血糖値をコントロールする必要がある。そして、糖尿病の発症と進行に食後の血糖値上昇が密接に関係していることが知られており、糖尿病の管理及び糖尿病の予防において、食後血糖値の上昇を穏やかにする食品の摂取が重要になっている。
【0003】
なお、食後血糖の上昇を抑制する食品としては、難消化性デキストリン、小麦アルブミン、ポリフェノール(フラボノイド類)が知られており、これらは糖質分解酵素(例えば、アミラーゼ、マルターゼ、スクラーゼ)の阻害剤あるいは酵素分解物の吸収経路の阻害剤として機能することで、食後の血糖値上昇を穏やかにしている。
【先行技術文献】
【0004】

【特許文献1】特開平10-279496号公報
【0005】

【非特許文献1】Kodama, T., Miyazaki, T., Kitamura, I., Suzuki, Y., Namba, Y., Sakurai, J., Torikai, Y., and Inoue, S., Effects of single and long-term administration of wheat albumin on blood glucose control: randomized controlled clinical trials. European Journal of Clinical Nutrition, 59(3), 384-392 (2005)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、これらの小麦アルブミンや難消化性デキストリンはアミラーゼ等の糖質分解酵素の阻害あるいは酵素分解物の吸収経路の阻害により食後血糖の上昇を抑えるものであるため、必ずしも十分な食後血糖上昇抑制効果が得られず、特にグルコース、フルクトース等の単糖類を摂取した場合には食後血糖の上昇を抑制することはできない。
なお、特許文献1には、米の水、酸、アルカリ、有機溶媒のいずれかの抽出物、またはその抽出物にタンパク分解酵素、繊維分解酵素、脂肪分解酵素、デンプン分解酵素または麹を作用させたものが糖尿病予防・治療薬に使用され得ることが記載されているが、特許文献1に記載の発明は非常に漠然としており、米の種々の溶媒の抽出物中の多数の成分のうちいずれの成分が有効であるのか一切記載されておらず、米アルブミンの作用についての言及もない。また、実施例においても、水抽出物または有機溶媒抽出物の水溶液、またはその酵素処理物が水溶液または水溶液の凍結乾燥品として提示されているのみであり、医薬としての品質を確保するには不十分であり、また、食品として利用する場合でも利用可能性が限定される。
本発明の発明者は、食後血糖の上昇を抑制することができる成分を研究し、米アルブミンが高い食後血糖上昇抑制効果を有し、グルコース等の単糖類を摂取した場合でも食後血糖の上昇を抑制し得ることを見出して、本発明を完成した。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、米アルブミンを有効成分として含有する血糖降下剤に関する。該血糖降下剤において、好ましくは米アルブミンは単離された米アルブミンである。
上記血糖降下剤は、特に食後血糖上昇を抑制するための血糖降下剤である。
【0008】
また、本発明は米アルブミンを含有する健康食品に関する。
該健康食品は、サプリメントの形態、機能性食品の形態または代替食品の形態であり得る。
上記健康食品において、米アルブミンは単離された米アルブミンであり得る。
また、上記健康食品は、特に糖尿病、糖尿病合併症及び/または肥満の予防及び/または改善のため、また食後血糖の上昇の抑制のための健康食品であり得る。
【0009】
上記血糖降下剤、健康食品は、動物用のものであってもよい。即ち、本発明は、米アルブミンを含有するヒト以外の動物用血糖降下剤、飼料またはヒト以外の動物用のサプリメントにも関する。
また、本発明は、米アルブミンを含有する食後血糖上昇抑制作用を食品に付与するための食品添加物に関する。
【0010】
さらに、本発明は、医薬として使用するための米アルブミン、糖尿病、糖尿病合併症及び/または肥満の予防、改善及び/または治療に使用するための米アルブミン、及び食後の血糖上昇を抑制するための米アルブミンに関する。
【0011】
これらの米アルブミンは、動物用のものであってもよい。
また、これらの米アルブミンは、好ましくは単離された米アルブミンである。
【0012】
さらに、本発明は米アルブミンを含有する医薬組成物、米アルブミンを含有する糖尿病、糖尿病合併症及び/または肥満の予防、改善及び/または治療用の医薬組成物、並びに米アルブミンを含有する食後の血糖上昇を抑制するための医薬組成物に関する。
【0013】
上記医薬組成物は、ヒト以外の動物用のものであってもよい。即ち、本発明は、米アルブミンを含有するヒト以外の動物用の医薬組成物にも関する。
【0014】
さらに、本発明は、米アルブミンの有効量を投与することまたは摂取させることを含む糖尿病、糖尿病合併症及び/または肥満の予防、改善及び/または治療方法、米アルブミンの有効量を投与することまたは摂取させることを含む食後の血糖上昇を抑制する方法に関する。
これらの方法において、米アルブミンは好ましくは単離された米アルブミンである。
【0015】
これらの方法は、ヒト以外の動物に行われる方法であってもよく、本発明は、米アルブミンの有効量をヒト以外の動物に投与することまたは摂取させることを含むヒト以外の動物の糖尿病、糖尿病合併症及び/または肥満の予防、改善及び/または治療方法にも関する。
【発明の効果】
【0016】
本発明において使用される米アルブミンは、食用として長年摂取されている米を原料とするものであるため、安全性が高い。また、本発明の米アルブミンによる血糖上昇抑制作用はアミラーゼ阻害によるものではないため、高い血糖上昇抑制効果が得られ、しかもグルコース等の単糖類含有食品を摂取した場合でも有効に血糖の上昇を抑制できる。さらに、インスリン分泌促進系の血糖降下剤ではないとは考えられるため、広い範囲の病態に対して使用することができる。
【0017】
また、本発明の米アルブミンは原料が米であるため入手しやすく、原料の安定供給の点でも好ましい。さらに、生米重量当たりの成分収率が難消化性デキストリン等に比べて高く、製造コストの低減の観点でも好ましい。
【0018】
また、米アルブミンは水溶性で無味無臭であり、しかも加熱耐性であるため、加工しやすく種々の機能性食品に利用することができる。
【0019】
さらに、本発明で使用される米アルブミンは、精白米の表面近傍に多く含まれ、水溶性であるため、日本酒製造において米を削った際に出る削り粉、米加工品を製造する際の洗米廃液の再利用により入手することが可能であり、資源再利用の観点からも好ましい。
また、本発明において、米アルブミンにより食後血糖の上昇を抑制することにより、体重の減量、肥満の予防、改善及び治療を図ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の米アルブミンのSDS-PAGEの結果を示す電気泳動写真である。
【図2】本発明の米アルブミンの消化耐性を示す電気泳動写真である。
【図3】デンプン負荷試験によるマウスの食後血糖値の変化を示すグラフである。
【図4】グルコース負荷試験におけるマウスの食後血糖値の変化を示すグラフである。
【図5】米アルブミン及び小麦アルブミンのα-アミラーゼ阻害活性を示すグラフである。
【図6】米アルブミン及び小麦アルブミンのα-アミラーゼ阻害活性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(米アルブミン)
本発明で使用される米アルブミンは、好ましくは原料米、米の削り粉または洗米液等(以下、原料米等と記す)から単離されたものであり得る。例えば、米アルブミンは、原料米等を水または水性緩衝液、好ましくは水性緩衝液で抽出し、得られた抽出液を、塩析し、得られた沈殿を所望により透析することにより単離される。塩析は、好ましくは飽和度40%以上の硫酸アンモニウム水溶液を用いて行われる。本発明の米アルブミンは、特に14~16kDaの米アルブミン(難消化性米アルブミン)である。

【0022】
原料米としては、玄米または精白米、好ましくは精白米を破砕したものを使用することができる。また原料米の代わりに、米加工品の製造において生じる洗米廃液を使用することもできる。14~16kDaの米アルブミンは、精白米の表層部に多く存在し、しかも水溶性であるため、洗米廃液にも多く含まれるからである。また、原料米の代わりに日本酒の製造において精白米を磨く際に生じる米の切削粉を使用することもできる。

【0023】
本発明の米アルブミンの抽出に使用する水性緩衝液は、好ましくはpH4~6またはpH8~9の水性緩衝液、好ましくはクエン酸緩衝液である。
塩析により得られた沈殿は、透析、限外濾過、ゲル濾過クロマトグラフィー等の方法から選択される精製方法、またはそれらの組み合わせにより精製するのが好ましい。

【0024】
例えば、塩析して得られた沈殿を純水に溶解して透析を行うことにより精製することができる。

【0025】
所望により、殺菌のため、透析後に60~100℃、好ましくは70~90℃の温度で、1~60分間、好ましくは10~30分間の加熱を行う。

【0026】
また、透析により精製された米アルブミンを、限外濾過またはゲル濾過クロマトグラフィーによりかけることにより、さらに精製された14~16kDaの米アルブミンを得ることができる。

【0027】
本発明の米アルブミンは、上記方法により単離され、所望により精製された米アルブミン粉末を乾燥したものでも、該米アルブミン粉末の水溶液を凍結乾燥したものでも良い。

【0028】
(血糖降下剤、医薬組成物、医薬として使用される米アルブミン)
本発明は、米アルブミンを有効成分とする血糖降下剤、医薬組成物、医薬として使用される米アルブミン、好ましくは経口血糖降下剤、特に食後血糖上昇抑制剤に関する。
本発明の血糖降下剤、医薬組成物、医薬として使用される米アルブミンは、糖尿病、境界型、糖尿病合併症、肥満等の予防及び/または治療に使用することができる。
なお、糖尿病には、1型糖尿病及び2型糖尿病が含まれる。

【0029】
本発明の血糖降下剤、医薬組成物、医薬として使用される米アルブミンは、食品由来の米アルブミンを有効成分とするものであるので、安全に摂取でき、糖尿病の長期にわたる治療、並びに予防に適している。

【0030】
本発明の血糖降下剤、医薬組成物、医薬として使用される米アルブミンは、米アルブミンに、賦形剤、結合剤、希釈剤、添加剤、香料、緩衝剤、増粘剤、着色剤、安定剤、乳化剤、分散剤、懸濁化剤、防腐剤等の薬理学的に許容される補助剤を配合し、製剤技術分野で一般的な方法により製剤化することができる。

【0031】
固形の経口製剤は、例えば、錠剤、散剤、顆粒剤、細粒剤、丸剤、フィルム剤、トローチ剤、カプセル剤、チュアブル剤、糖衣錠等であり、有効成分としての米アルブミンに、剤形に応じて、賦形剤(例えば乳糖、デキストロース、ショ糖、セルロース、コーンスターチ、デンプン類、部分アルファー化デンプン、結晶セルロース、D-マンニトール、ブドウ糖、炭酸カルシウムおよびリン酸カルシウム等)、滑沢剤(例えばシリカ、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレングリコール、ショ糖脂肪酸エステル、含水二酸化ケイ素等)、結合剤(例えばデンプン類、アラビアゴム、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン等)、崩壊剤(例えばデンプン類、アルギン酸、アルギン酸塩、クロスカルメロースナトリウム、炭酸カルシウム、カルボキシメチルセルロース等)、飽和剤、着色料、矯味剤、湿潤剤(例えばレシチン、ポリソルベート、硫酸ラウリル塩等)等を配合して製造することができる。散剤、顆粒剤及び細粒剤は、水、湯等に溶解して服用される製剤であってもよい。

【0032】
液状の経口製剤は、例えば溶液、乳濁液及び懸濁液の形態とすることができる。懸濁液及び乳濁液は、担体として、例えば天然ゴム、寒天、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール等を使用して製造することができる。

【0033】
本発明の血糖降下剤、医薬組成物、医薬として使用される米アルブミンの投与量は、患者の年齢、体重、症状及び投与経路によるが、例えば成人に経口的に投与する場合の投与量は、一日に例えば1~5回、一回当り有効成分量が米アルブミンの量として例えば1g~50g、好ましくは5g~20gとなる量である。本発明の血糖降下剤、医薬組成物、医薬として使用される米アルブミンは、例えば食前または食後に投与される。
(健康食品)

【0034】
本発明の健康食品は、たとえば糖尿病、糖尿病合併症、糖尿病関連疾患、肥満、体重の減量等の予防または改善に使用することができる。
本発明の健康食品は、上記で経口投与用の血糖降下剤について記載したような錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、糖衣錠、フィルム剤、トローチ剤、チュアブル剤、溶液、乳濁液、懸濁液等の任意の形態のサプリメントとして提供される食品であり得る。その場合、本発明の健康食品は、米アルブミンを上記で例示した補助剤と配合して一般的な製剤方法により製剤化したものであり得る。また、本発明の健康食品は米アルブミンに加えて、健康増進のための他の成分を含んでいてもよい。

【0035】
そのような成分としては、例えば、アミノ酸,ペプチド;ビタミンE、ビタミンC、ビタミンA、ビタミンB、葉酸等のビタミン類;ミネラル類;糖類;無機塩類;クエン酸またはその塩;茶エキス;油脂;プロポリス、ローヤルゼリー、タウリン等の滋養強壮成分;ショウガエキス、高麗人参エキス等の生薬エキス;ハーブ類:コラーゲン等が挙げられる。

【0036】
例えば、米アルブミン、液糖、クエン酸、クエン酸ナトリウム、ビタミンCを混合し、水を加えてドリンク剤の形態の本発明の健康食品を製造することができる。

【0037】
本発明の健康食品は、機能性食品の形態であってもよい。好ましい例としては、緑茶、麦茶、ウーロン茶、紅茶、コーヒー、ココア、スポーツドリンク、水、清涼飲料、乳酸飲料、乳飲料、果汁飲料、ゼリー状飲料、アルコール飲料、薬用酒等の飲料;ビスケット、クッキー、ケーキ、ゼリー、チョコレート等の洋菓子、饅頭、最中、羊羹、煎餅、練切等の和菓子;キャンデー;チューインガム;アイスクリーム、シャーベット等の冷菓;パン、麺類、ごはん、味噌汁、豆腐もしくはその加工品等の食品;みりん、食酢、甘味料、醤油、味噌、ドレッシング、マヨネーズなどの調味料;ヨーグルト、ハム、ベーコン、ソーセージなどの畜農食品;かまぼこ、揚げ天、はんぺんなどの水産加工品;インスタント食品、レトルト食品等の加工食品等が挙げられる。

【0038】
上記本発明の機能食品としての健康食品は、上記米アルブミンを、一般食品の原料とともに配合し、通常の方法により加工して製造することができる。

【0039】
例えば、茶飲料の形態の本発明の健康食品を下記の方法により製造することができる:穀物茶、ウーロン茶、緑茶、紅茶等の茶葉を単独で又は混合して抽出液を得る。抽出液に、米アルブミンと、アスコルビン酸、炭酸水素ナトリウムを添加してpH約6.0~6.5に調製し、純水を加えて茶飲料とする。

【0040】
また、米アルブミン、グラニュー糖、ゼラチン、オレンジ果汁を加熱して溶解し、冷却してゼリーの形態の本発明の健康食品を製造することができる。
さらに、米アルブミン粉末または凍結乾燥品と、所望により緑茶抽出物、紅茶抽出物、ウーロン茶抽出物、コーヒー抽出物などの飲料成分抽出物の顆粒もしくは粉末、酸化防止剤(例えばビタミンC)、矯味剤、着色料及び/または香料からなる組成物を1回摂取量毎にスティック包装またはピロー包装に充填して湯に溶かして飲用できる食品として提供してもよい。

【0041】
さらに、本発明の健康食品は栄養補助食品または代替食品の形態であってもよい。栄養補助食品は、食事による栄養摂取を補うための食品である。代替食品は、1日あたり1回または複数の通常の食事に替えて使用するための製品を指し、例えばダイエットや肥満治療の目的で使用されるものを意味する。

【0042】
ダイエットまたは肥満治療目的の代替食品は、一定の範囲のカロリー含有量、例えば好ましくは50~1000カロリー、より好ましくは100~700カロリー、最も好ましくは200~500カロリーのカロリー含有量を有する。

【0043】
栄養補助食品または代替食品は、液体、粉末、固体、半固体の形態の製品であり得る。例えば、バー、スープ、水やミルクなどに溶解または懸濁して摂取される可溶性粉末、シリアル、麺、パスタ製品、ライスプディング、ゼリー等のデザートの形態であり得る。

【0044】
本発明の栄養補助食品または代替食品は、米アルブミンに加え、炭水化物(スクロース、ラクトース、グルコース、フルクトース等の糖類、コーンシロップ、マルトデキストリン、デンプン、加工デンプン等)、タンパク質(乳性タンパク質、乳性ペプチド、大豆タンパク質等)を含有し得る。さらに、所望によりビタミン類;ミネラル類;ハーブ類;アミノ酸;甘味料;調味料;香料;香辛料;酸化防止剤;保存料;着色料;乳化剤、例えばレシチン、卵黄または卵由来乳化剤等;安定剤;果物もしくは野菜またはそれらの小片、乾燥物、濃縮物、ジュースもしくはピューレ;任意の食用塩、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム;クエン酸、乳酸、安息香酸、アスコルビン酸のアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩;コレステロール低下剤、たとえば、イソフラボン、フィトステロール、大豆抽出物または魚油抽出物;茶葉抽出物等を含有していてもよい。

【0045】
なお、本発明の健康食品に対する本発明の米アルブミンの添加量は、1回の食事に対して摂取される米アルブミンが1g~200g、より好ましくは5g~100gとなるように添加するのが好ましい。

【0046】
(飼料または動物用サプリメント)
本発明の健康食品は、米アルブミンを含有する飼料または動物用サプリメントであっても良い。本明細書において、飼料にはペットフードも含まれる。

【0047】
飼料または動物用のサプリメントも、上記健康食品の製造方法に準じて製造され得る。

【0048】
飼料または動物用のサプリメントにおいて、米アルブミンの添加量は、1食当たり50mg/kg体重~1000mg/kg体重、好ましくは100mg/kg体重~500mg/kg体重となる量である。

【0049】
飼料として製造される場合、通常の飼料の原料に米アルブミンを配合して製造することができる。

【0050】
サプリメントとして製造される場合、そのまま、または飼料に混ぜて摂取される粉末、顆粒、細粒、液体、錠剤などの形態で製造することができる。

【0051】
(食品添加物)
本発明の米アルブミンからなる食品添加物は、たとえば米アルブミン粉末または米アルブミン水溶液の凍結乾燥品の形態で提供することができ、食品加工における食品添加物、特に食後血糖上昇抑制作用を付与するための食品添加物として使用することができる。
(予防、改善及び治療方法)
本発明による米アルブミンの有効量を投与することまたは摂取させることを含む糖尿病、糖尿病合併症及び/または肥満の予防、改善及び/または治療方法、米アルブミンの有効量を投与することまたは摂取させることを含む食後血糖の上昇を抑制する方法において、米アルブミンの投与量は、患者の年齢、体重、症状及び投与経路によるが、例えば成人に経口的に投与する場合の投与量は、一日に例えば1~5回、一回当り有効成分量が米アルブミンの量として例えば1g~50g、好ましくは5g~20gとなる量である。また、米アルブミンは、例えば食前または食後に投与され得る。
【実施例】
【0052】
以下、実施例及び試験例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【実施例】
【0053】
製造実施例1:
精白生米(滋賀県産日本晴れ)300gをミルにて破砕し、そこに生米重量に対して5倍量(w/v)の25mMのTris-HCl緩衝液(pH8.6)を加え、4℃で一昼夜撹拌した。遠心分離にて上清を回収し、そこに硫酸アンモニウムを70%飽和となるよう穏やかに加え、4℃で一晩撹拌した。次に、遠心分離にて沈殿を回収し少量の純水に溶解した後、純水に対して24時間以上透析を行った。透析後に溶液を回収し、80℃20分間の加熱処理を行い、加熱後室温になるまで氷中で冷却した。遠心分離にて不溶性の夾雑タンパク質を除去後、上清を凍結真空乾燥し、粗米アルブミン粉末を得た。
【実施例】
【0054】
この粗米アルブミン粉末を30mg/mlとなるように純水に溶解し、ゲル濾過クロマトグラフィー(Sephadex G-50)を行い、各フラクションの280nmへの吸光度を測定し、二つ目のピークを回収した。これを凍結真空乾燥し、約300mgの難消化性米アルブミン(IDRA)粉末(生米重量に対して0.1%)を得た。SDS-PAGEを行った結果、IDRAは分子量約14~16kDaのタンパク質であった(図1、Mは分子量マーカー、Aは得られた米アルブミン(1mg/ml)である。)。
【実施例】
【0055】
得られたIDRAの熱安定性を調べたところ、100℃、20分間の加熱によっても変性することがなく、可溶性を保っていた。
【実施例】
【0056】
また、IDRAの米の部位別の含有量を調べたところ、精白米の表層部に多く含有されていることがわかった。
【実施例】
【0057】
試験例1:in vitroタンパク質消化実験
実施例で得られた難消化性米アルブミン(IDRA)100mgを、1mgペプシン(ブタ由来)含有0.01N HCl(pH2.0)10mlに溶解し、37℃で2時間インキュベーションした。次に、重炭酸ナトリウムを加えてpHを8.0に調整し、さらにパンクレアチン(ブタ由来)を10mg加え、37℃で2~6時間インキュベーションした。インキュベーションの2時間毎に溶液を50μl回収し、純水で10倍希釈後、等量のSDSサンプルバッファーに溶解してSDS-PAGEを行った。泳動終了後、CBB染色にて消化の有無を確認した。
【実施例】
【0058】
比較のために、上記難消化性米アルブミンの代わりにウシ血清アルブミン(BSA)粉末を用いて同様の試験を行った。
【実施例】
【0059】
結果を図2の電気泳動写真で示す。
【実施例】
【0060】
図2において、Mは分子量マーカー、Aは未処理の試料、Bはペプシン処理2時間の試料、Cはペプシン処理後パンクレアチン処理2時間の試料、Dはペプシン処理後パンクレアチン処理4時間の試料、Eはペプシン処理後パンクレアチン処理6時間の試料である。
【実施例】
【0061】
電気泳動写真に示されるように、IDRAは、ペプシン2時間、パンクレアチン6時間の処理においても14kDa付近に鮮明なバンドが存在し、胃や膵臓由来のタンパク質分解酵素に対して消化耐性を有していることが明らかである。
試験例2:in vivoマウスデンプン負荷試験・グルコース負荷試験
【実施例】
【0062】
8週齢の雄のICRマウス(n=7群)を1週間の予備飼育を行い、14時間の絶食の後、2g/kg体重となるよう可溶性デンプンまたはグルコースを生理食塩水と共に、無麻酔下でゾンデにより経口胃内投与した。サンプル群は、生理食塩水の中にIDRAが100または50mg/kg体重(デンプン負荷試験時)、200mg/kg体重(グルコース負荷試験時)となるように添加したものを投与した。試験開始前と試験開始後30、60、120分(デンプン負荷試験時)、または試験開始後15、45、90分(グルコース負荷試験時)に尾静脈採血を行い、血液中のグルコース量を血糖測定機器(バイエル社製デキスターZII)を用いて測定した。
【実施例】
【0063】
結果を図3(デンプン負荷試験)及び図4(グルコース負荷試験)のグラフに示す。図中、*は、コントロール群(PBS投与)に対して有意差があることを示す(P<0.05)。
【実施例】
【0064】
グラフより、IDRAは、デンプン負荷試験/グルコース負荷試験のどちらにおいても、コントロール群と比べ食後の血糖値上昇を有意に低下させることがわかる。
【実施例】
【0065】
試験例3:α-アミラーゼ阻害活性の測定
マウスより膵臓を摘出し、9倍量(w/v)の50mM NaCl、3mM CaCl含有20mM HEPES緩衝液(pH6.9)を加え、ホモジナイザーで均一化した後、遠心分離にて上清を回収し、これを粗マウス膵臓αアミラーゼ溶液とした。この粗酵素溶液を緩衝液で2倍希釈し、そこへ、同じ緩衝液で各濃度に希釈されたIDRAを加え37℃でプレインキュベーションした。次に2mM G3-CNP(合成基質)を加え37℃で酵素反応させ、405nmの吸光度を測定し、α-アミラーゼ阻害活性の有無を確認した。ポジティブコントロールには小麦アルブミンを用いた。
【実施例】
【0066】
結果を図5のグラフに示す。
【実施例】
【0067】
グラフより明らかなように、IDRAにはα-アミラーゼ阻害活性は確認されず、米アルブミンの血糖値低下作用は、アミラーゼ活性阻害以外の要因によるものであることがわかる。
【実施例】
【0068】
上記試験例から明らかなように、IDRAはデンプン負荷試験・グルコース負荷試験のいずれにおいてもコントロール群と比べて食後の血糖値上昇を有意に低下させた。また、IDRAはα-アミラーゼ阻害活性やマルターゼ阻害活性を有していないため、糖の吸着・排出促進といった、これまでに報告されている糖質分解酵素の阻害とは異なる機能を有している可能性が示唆された。
【実施例】
【0069】
製造実施例2
精白生米(滋賀県産日本晴れ)300gをミルにて破砕し、そこへ生米重量に対して5倍量(w/v)の100mM クエン酸ナトリウム緩衝液(pH 6.0)を加え、4℃で一昼夜撹拌した。遠心分離にて上清を回収し、そこへ硫酸アンモニウムを40%飽和となるよう穏やかに加え、4℃で一昼夜撹拌した。次に、遠心分離にて沈殿を回収し少量の純水に溶解後、純水に対して24時間以上透析を行った。透析後に溶液を回収し、80℃20分間の加熱処理を行い、加熱後室温になるまで氷中で冷却した。遠心分離にて不溶性の夾雑タンパク質を除去後、上清を凍結真空乾燥し、粗米アルブミン粉末を得た。この粗米アルブミン粉末を30mg/mlとなるよう純水に溶解し、ゲル濾過クロマトグラフィー(Sephadex G-50)を行い、各フラクションの280nmへの吸光度を測定し、二つ目のピークを回収した。これを凍結真空乾燥し、約300mgの難消化性米アルブミン(IDRA)粉末(生米重量に対して0.1%)を得た。SDS-PAGEを行った結果、IDRAは分子量約14~16kDaのタンパク質であった。
【実施例】
【0070】
製造実施例3:
抽出を25mMのTris-HCl緩衝液(pH8.6)で行うこと以外は実施例2と同じ方法により米アルブミンを製造した。収率は生米重量に対して0.07%であった。
【実施例】
【0071】
試験例4:in vivoラットデンプン負荷試験・グルコース負荷試験
7週齢の雄のWistar系ラット(n=7/群)を1週間の予備飼育を行い、15時間の絶食の後、1g/kg体重となるよう可溶性デンプンまたはグルコースを生理食塩水(PBS)と共に、無麻酔下でゾンデにより経口胃内投与した。サンプル群は、PBSの中にIDRAが50、100または200mg/kg体重(50、100mg/kg体重はグルコース負荷試験時のみ)となるよう添加したものを投与した。IDRAを添加しないPBSのみを投与したものをコントロール群とした。試験開始前と試験開始後15・30・45・90分に尾静脈採血を行い、血液中のグルコース量を血糖値自動測定装置(バイエル社製デキスターZII)を用いて測定した。また、血液中のインスリン量をELISA法にて測定した。さらに、試験時間内での総吸収グルコース量を示すグルコース変動曲線下面積(AUC)と総分泌インスリン量を示すインスリンAUCは、Wolever, T.M. and Jenkins, D.J., The use of the glycemic index in predicting the blood glucose response to mixed meals.American Journal of Clinical Nutrition,43(1),167-172 (1986)に記載の方法に従って算出した。
【実施例】
【0072】
結果を表1~表4に示す。各値は7回の実験の平均値である。表中、AUCは変動曲線下面積であり、b,cの文字は、コントロール群(PBS投与)に対して有意差があることを示す(P<0.05)。
表より、IDRA投与群はコントロール群と比べ、デンプン負荷試験・グルコース負荷試験のどちらにおいても食後の血糖値、インスリン上昇を有意に低下することが明らかである。また、IDRA投与群はコントロール群と比べ、グルコースAUC、インスリンAUCが共に減少した。
【実施例】
【0073】
【表1】
JP0006061270B2_000002t.gif
【実施例】
【0074】
【表2】
JP0006061270B2_000003t.gif
【実施例】
【0075】
【表3】
JP0006061270B2_000004t.gif
【実施例】
【0076】
【表4】
JP0006061270B2_000005t.gif
【実施例】
【0077】
試験例5:α-アミラーゼ阻害活性の測定
Wistar系ラットより膵臓を摘出し、9倍量(w/v)の50mM NaCl,3mM CaCl含有20mM HEPES緩衝液(pH6.9)を加え、ホモジナイザーで均一化した後、遠心分離にて上清を回収し、これを粗ラット膵臓α-アミラーゼ溶液とした。この粗酵素液を緩衝液で2倍希釈し、そこへ、同じ緩衝液で各濃度に希釈されたIDRAを加え37℃でプレインキュベーションした。次に2mM G3-CNP(合成基質)を加え37℃で酵素反応させ、405nmの吸光度を測定しα-アミラーゼ阻害活性の有無を確認した。ポジティブコントロールには小麦アルブミンを用いた。結果を図6のグラフに示す。グラフにおいて、各値は3回の実験の平均値であり、n.d.は検出されなかったことを示す。
グラフより明らかなように、IDRAにはα-アミラーゼ阻害活性は確認されず、米アルブミンによる血糖値低下作用には、糖質分解酵素の活性阻害以外の要因が考えられる。
【実施例】
【0078】
試験例6:IDRAの熱安定性
IDRAを1mg/mLの濃度となるように超純水に溶解し、60~121℃の温度で10~120分間加熱した。加熱後、試料を氷冷して遠心分離を行い、上清の280nmにおける吸光度を測定した。加熱後の可溶性タンパク質の割合は、未加熱状態での上清のタンパク質濃度を100としたときの相対値として算出した。ネガティブコントロールには卵白アルブミンを用いた。結果を表5及び表6に示す。各値は3回の実験の平均値である。
【実施例】
【0079】
【表5】
JP0006061270B2_000006t.gif
【実施例】
【0080】
【表6】
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【実施例】
【0081】
表5及び表6より明らかなように、卵白アルブミンは、80℃での加熱により68%のタンパク質が変性不溶化したのに対し、IDRAは、100℃、120分間の加熱においても97%のタンパク質が可溶性を保持し、121℃、20分間の加熱においても、タンパク質の溶解性に変化は見られなかった。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明の血糖降下剤は、糖尿病及び/または糖尿病合併症の予防及び/または治療のための医薬として利用することができる。本発明の健康食品は、糖尿病及び/または糖尿病合併症の予防及び/または改善のための食品として利用することができる。
図面
【図3】
0
【図4】
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【図5】
2
【図6】
3
【図1】
4
【図2】
5