TOP > 国内特許検索 > 間引き給電型アレイアンテナ装置 > 明細書

明細書 :間引き給電型アレイアンテナ装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2014-171115 (P2014-171115A)
公開日 平成26年9月18日(2014.9.18)
発明の名称または考案の名称 間引き給電型アレイアンテナ装置
国際特許分類 H01Q  19/28        (2006.01)
H01Q   3/26        (2006.01)
H01Q   1/22        (2006.01)
H01Q  21/06        (2006.01)
FI H01Q 19/28
H01Q 3/26 Z
H01Q 1/22 Z
H01Q 21/06
請求項の数または発明の数 12
出願形態 OL
全頁数 14
出願番号 特願2013-042129 (P2013-042129)
出願日 平成25年3月4日(2013.3.4)
発明者または考案者 【氏名】細野 裕行
【氏名】▲高▼野 忠
【氏名】三枝 健二
【氏名】柴田 国明
出願人 【識別番号】899000057
【氏名又は名称】学校法人日本大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100124257、【弁理士】、【氏名又は名称】生井 和平
審査請求 未請求
テーマコード 5J020
5J021
5J047
Fターム 5J020AA03
5J020BA02
5J020BC04
5J020BC09
5J020DA03
5J020DA04
5J021AA07
5J021AA08
5J021AB03
5J021CA01
5J021GA01
5J021GA05
5J021JA03
5J047AA09
5J047AB01
5J047AB07
5J047EF04
要約 【課題】放射パターンが改良され、設計の自由度もさらに高い間引き給電型アレイアンテナ装置を提供する。
【解決手段】間引き給電型アレイアンテナ装置は、反射板10と給電素子20と無給電素子30と差動伝送路40とからなる。給電素子20は、略λ/2の整数倍の長さのダイポール型であって、その中心から一方の側にオフセットされる給電点21を有する。無給電素子30は、略λ/2の整数倍の長さのダイポール型であって、その中心から他方の側にオフセットされる接続点31を有し、給電素子20と略平行に配置される。差動伝送路40は、略λ/2の奇数倍の長さを有し、給電点21と接続点31の間を接続する。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
給電点を間引く間引き給電型アレイアンテナ装置であって、該間引き給電型アレイアンテナ装置は、
反射板と、
前記反射板の上に配置される略λ/2(但し、λは放射波の波長)の整数倍の長さのダイポール型の給電素子であって、その中心から一方の側にオフセットされる給電点を有する給電素子と、
前記反射板の上に配置される略λ/2の整数倍の長さのダイポール型の無給電素子であって、その中心から他方の側にオフセットされる接続点を有し、給電素子と略平行に配置される無給電素子と、
略λ/2の奇数倍の長さの差動伝送路であって、給電素子の給電点と無給電素子の接続点の間を接続する差動伝送路と、
を具備することを特徴とする間引き給電型アレイアンテナ装置。
【請求項2】
請求項1に記載の間引きアレイアンテナ装置において、前記給電素子の給電点と無給電素子の接続点とは、給電素子と無給電素子との信号がそれぞれ同相となる位置にオフセットされることを特徴とする間引き給電型アレイアンテナ装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の間引きアレイアンテナ装置において、前記給電素子と無給電素子とは、差動伝送路に対して略垂直となる位置にそれぞれジグザグ状に配置されることを特徴とする間引き給電型アレイアンテナ装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3の何れかに記載の間引きアレイアンテナ装置において、前記差動伝送路は、直線状であることを特徴とする間引き給電型アレイアンテナ装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4の何れかに記載の間引きアレイアンテナ装置において、前記給電素子と無給電素子とは、略λ/2の間隔を開けて配置されることを特徴とする間引き給電型アレイアンテナ装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項3の何れかに記載の間引きアレイアンテナ装置において、前記差動伝送路は、メアンダ状であることを特徴とする間引き給電型アレイアンテナ装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6の何れかに記載の間引き給電型アレイアンテナ装置であって、さらに、基材を具備し、前記反射板は基材の裏面に設けられ、給電素子及び無給電素子は基材の表面に設けられることを特徴とする間引き給電型アレイアンテナ装置。
【請求項8】
請求項7に記載の間引き給電型アレイアンテナ装置において、前記差動伝送路は、基材の表面に、又は基材に設けられるビアホールを介して基材の裏面に設けられることを特徴とする間引き給電型アレイアンテナ装置。
【請求項9】
請求項7又は請求項8に記載の間引き給電型アレイアンテナ装置において、前記基材は、可塑性を有することを特徴とする間引き給電型アレイアンテナ装置。
【請求項10】
請求項1乃至請求項9の何れかに記載の間引き給電型アレイアンテナ装置において、前記給電素子及び無給電素子が、複数連続的に配置されることを特徴とする間引き給電型アレイアンテナ装置。
【請求項11】
請求項1乃至請求項9の何れかに記載の間引き給電型アレイアンテナ装置において、前記無給電素子が複数連続的に配置され、差動伝送線路は隣り合う無給電素子間も接続することをすることを特徴とする間引き給電型アレイアンテナ装置。
【請求項12】
請求項1乃至請求項11の何れかに記載の間引き給電型アレイアンテナ装置であって、さらに、前記差動伝送路上にシールド部材を具備することを特徴とする間引き給電型アレイアンテナ装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は間引き給電型アレイアンテナ装置に関し、特に、給電素子と無給電素子とを反射板の上に配置した間引き給電型アレイアンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の放射素子を配置して、そのうちの幾つかを無給電素子とすることで、アンテナ利得を低減させることなく、給電部を簡略化するものが従来から知られている。例えば、特許文献1や特許文献2には、給電素子と無給電素子とを複数配置し、給電素子から放射されるサイドローブを用いることで給電素子と無給電素子を電磁気的に(空間的に)結合して給電部を減らしたアレイアンテナ装置が開示されている。これらは、反射板の反射面から所定の距離を離した略平行な同一平面上に、給電素子と無給電素子を所定の間隔を開けて配置されるものである。
【0003】
特許文献1や特許文献2に開示のアレイアンテナ装置は、給電素子のサイドローブを用いて電磁気的に(空間的に)無給電素子と結合するものであるため、反射板からの距離や給電素子と無給電素子間の距離は厳密に決定される必要があるものであった。このため、設計の自由度に乏しかった。さらに、各素子が空間的に結合されるものであるため、例えばコンフォーマルアレイアンテナ装置のような、曲面上に配置されるアンテナに適用するには設計が困難で現実的ではなかった。
【0004】
そこで、本願と同一出願人による特許文献3が開発された。即ち、特許文献3の間引き給電型アレイアンテナ装置は、給電素子と無給電素子の中心を差動伝送路で接続するものである。これにより、設計の自由度の高いアレイアンテナ装置が実現可能となった。
【先行技術文献】
【0005】

【特許文献1】特開2006-237781号公報
【特許文献2】特開2009-044610号公報
【特許文献3】国際公開第2011/024990号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献3のアレイアンテナ装置は、放射パターンにサイドローブが現れてしまうものであった。これを避けるために、給電素子と無給電素子の間隔をλ/2(但し、λは放射波の波長)とすることが開示されている。特許文献3の場合、差動伝送路の長さはλとする必要があるため、素子間がλ/2のところに長さλの差動伝送路をメアンダ状に配置していた。また、反射板の影響による入力インピーダンスの変化をオフセット給電によりインピーダンス調整するものもあった。しかしながら、メアンダ状の差動伝送路は、反射や放射の影響のおそれがあり、また、どのようにメアンダ状に屈折させるか等、設計が難しいものであった。
【0007】
本発明は、斯かる実情に鑑み、放射パターンが改良され、設計の自由度もさらに高い間引き給電型アレイアンテナ装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した本発明の目的を達成するために、本発明による間引き給電型アレイアンテナ装置は、反射板と、反射板の上に配置される略λ/2(但し、λは放射波の波長)の整数倍の長さのダイポール型の給電素子であって、その中心から一方の側にオフセットされる給電点を有する給電素子と、反射板の上に配置される略λ/2の整数倍の長さのダイポール型の無給電素子であって、その中心から他方の側にオフセットされる接続点を有し、給電素子と略平行に配置される無給電素子と、略λ/2の奇数倍の長さの差動伝送路であって、給電素子の給電点と無給電素子の接続点の間を接続する差動伝送路と、
を具備するものである。
【0009】
ここで、給電素子の給電点と無給電素子の接続点とは、給電素子と無給電素子との信号がそれぞれ同相となる位置にオフセットされれば良い。
【0010】
また、給電素子と無給電素子とは、差動伝送路に対して略垂直となる位置にそれぞれジグザグ状に配置されれば良い。
【0011】
また、差動伝送路は、直線状であれば良い。
【0012】
また、給電素子と無給電素子とは、略λ/2の間隔を開けて配置されれば良い。
【0013】
また、差動伝送路は、メアンダ状であっても良い。
【0014】
さらに、基材を具備していても良く、反射板は基材の裏面に設けられ、給電素子及び無給電素子は基材の表面に設けられ手も良い。
【0015】
また、差動伝送路は、基材の表面に、又は基材に設けられるビアホールを介して基材の裏面に設けられても良い。
【0016】
また、基材は、可塑性を有するものであっても良い。
【0017】
また、給電素子及び無給電素子が、複数連続的に配置されても良い。
【0018】
また、無給電素子が複数連続的に配置され、差動伝送線路は隣り合う無給電素子間も接続するものであっても良い。
【0019】
さらに、差動伝送路上にシールド部材を具備するものであっても良い。
【発明の効果】
【0020】
本発明の間引き給電型アレイアンテナ装置には、放射パターンが改良され、設計の自由度もさらに高いという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、本発明の間引き給電型アレイアンテナ装置の基本構成を説明するための概略平面図である。
【図2】図2は、本発明の間引き給電型アレイアンテナ装置の基本構成を説明するための、給電点を通る概略横断面図である。
【図3】図3は、本発明の間引き給電型アレイアンテナ装置における表面電流の位相分布図を示す。
【図4】図4は、本発明の間引き給電型アレイアンテナ装置の放射パターンである。
【図5】図5は、本発明の間引き給電型アレイアンテナ装置において、給電素子と無給電素子が複数連続的に互い違いに配置される例を説明するための概略平面図である。
【図6】図6は、本発明の間引き給電型アレイアンテナ装置の無給電素子が複数連続的に配置される例を説明するための概略平面図である。
【図7】図7は、本発明の間引き給電型アレイアンテナ装置の複数の素子を直線的に揃えて配置した例を説明するための概略平面図である。
【図8】図8は、本発明の間引き給電型アレイアンテナ装置の基材が可塑性を有する例を説明するための、給電点を通る概略横断面図である。
【図9】図9は、本発明の間引き給電型アレイアンテナ装置の差動伝送路上にシールド部材を設けた例を説明するための概略斜視図である。
【図10】図10は、本発明の間引き給電型アレイアンテナ装置の差動伝送路を基材の裏面に設ける例を説明するための、差動伝送路の一方を通る概略横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を実施するための形態を図示例と共に説明する。図1は、本発明の間引き給電型アレイアンテナ装置の基本構成を説明するための概略平面図である。また、図2は、本発明の間引き給電型アレイアンテナ装置の基本構成を説明するための、給電点を通る概略横断面図である。図示の通り、本発明の間引き給電型アレイアンテナ装置は、反射板10と、給電素子20と、無給電素子30と、差動伝送路40とから主に構成されている。

【0023】
反射板10は、例えば導体からなるものであり、給電素子からの背面方向の放射を抑制して正面方向の利得を向上させるために用いられる。

【0024】
給電素子20は、反射板10の上に配置されるものである。そして、給電素子20は、略λ/2(但し、λは放射波の波長)の整数倍の長さのダイポール型のものである。また、給電素子20は、その中心から一方の側(図1では上側)にオフセットされている給電点21を有している。給電素子20は、給電部60により電波エネルギが給電点21に供給される放射素子である。図2に示されるように、プリント基板等の基材50を用いて間引き給電型アレイアンテナ装置が形成される場合には、給電点21はビアホール51を介して給電部60に接続される。給電部60には、給電素子20に電波エネルギを供給するための電気信号源やA/D変換器、バラン、アンプ等が含まれる。

【0025】
なお、図示例では基材50を用いてアレイアンテナ装置を構成しているが、本発明はこれに限定されず、給電素子の給電点に接続される導線等により給電素子が固定できれば、基材50を省略しても勿論良い。

【0026】
ダイポール型の給電素子20の具体例としては、図示例のような直線状のダイポールアンテナ素子が挙げられる。しかしながら、本発明に用いられる給電素子はこのような直線状のダイポールアンテナ素子に限定されず、メアンダ状のダイポールアンテナ素子等、如何なるものであっても良い。

【0027】
無給電素子30は、反射板10の上に配置されるものである。そして、無給電素子30は、略λ/2の整数倍の長さのダイポール型のものである。また、無給電素子30は、その中心から他方の側(図1では下側)にオフセットされる接続点31を有している。無給電素子30は、給電素子20と略平行に配置される。図示例の無給電素子30は、給電素子20と略同様の素子長を有するものを示した。しかしながら、本発明はこれに限定されず、アレイアンテナ装置の広帯域化を図る等のため、給電素子と無給電素子の素子長を異ならせることも可能である。

【0028】
そして、差動伝送路40は、給電素子20の給電点21と無給電素子30の接続点31の間を接続するものである。差動伝送路40は、略λ/2の奇数倍の長さを有する。差動伝送路40とは、例えばコプレナ伝送路等であり、基材50上に金属導体により形成された2本の共平面線路を意味する。差動伝送路40は、2本の線路が逆位相となるように、給電素子20の給電点21と無給電素子30の接続点31をそれぞれ中心に挟んで対称に接続されている。即ち、ダイポール型の上下2つの素子の一方の素子同士が互いに接続されている。これにより、差動伝送路40から電波が放射されるのを抑制することが可能となる。

【0029】
例えば、図1に示される例では、給電素子20と無給電素子30は、差動伝送路40に対して略垂直となる位置にそれぞれジグザグ状に配置されている。即ち、図1において差動伝送路40に対して給電素子20が下側に配置され、無給電素子30が上側に配置されている。また、差動伝送路40は、図示例では直線状のものを示した。即ち、この場合には、差動伝送路40がλ/2の長さを有していることから、給電素子20と無給電素子30とは、略λ/2の間隔を開けて配置されることになる。差動伝送路40はλ/2の長さを有していれば良いため、従来技術のようにメアンダ状にする必要はない。但し、本発明の間引き給電型アレイアンテナ装置は、直線状である必要は必ずしもなく、例えば給電素子20と無給電素子30との間隔をλ/2よりも狭めた場合等には、必要によりメアンダ状にしてλ/2の長さを有するように構成しても良い。

【0030】
ここで、給電素子20の給電点21と無給電素子30の接続点31とは、給電素子20と無給電素子30との信号がそれぞれ同相となる位置にオフセットされれば良い。図3に、本発明の間引き給電型アレイアンテナ装置における表面電流の位相分布図を示す。同図は、以下の条件の場合のシミュレーション結果である。
・中心周波数は2.45GHz
・給電素子20及び無給電素子30の素子長がλ/2の長さ
・反射板は無限長として素子から反射板までの距離は5mm
・給電素子20と無給電素子30の間隔はλ/2(即ち、差動伝送路40の長さはλ/2)
・給電素子20の給電点21のオフセット位置は上から15mm
・無給電素子30の接続点31のオフセット位置は下から9.31mm
・差動伝送路40の線幅は0.8mm
・差動伝送路40の線路間の間隔は1mm

【0031】
図示の通り、上述のような条件において、給電素子20と無給電素子30は、位相が揃っていることが分かる。このように同相となるような位置でオフセット給電することで、図4に示されるように良好な放射パターンが得られる。図4は、本発明の間引き給電型アレイアンテナ装置の放射パターンである。同図の放射パターンは、上述の図3のシミュレーション条件と同様の条件におけるy-z面(E面:アンテナ素子の電界振幅面)及びz-x面(H面:アンテナ素子の磁界振幅面)のシミュレーション結果である。また、角度はz軸を0°としており、反射板が無限長であるため90°以上は存在しない。同図から、本発明の間引き給電型アレイアンテナ装置では、放射パターンのサイドローブ(量子化ローブ)が存在せず良好な放射パターンとなっていることが分かる。また、比較例として全給電型アレイアンテナ装置の放射パターンも示したが、これらと比べても良好に一致していることが分かる。したがって、全給電型アレイアンテナ装置と同等の性能が得られることも分かる。

【0032】
本発明の間引き給電型アレイアンテナ装置を実現する具体的な構造としては、例えば図2に示されるように、反射板10が基材50の裏面(放射方向の反対側の面)に設けられ、給電素子20及び無給電素子30が基材50の表面(放射方向側の面)に設けられている。そして、差動伝送路40は、基材50の表面に設けられている。そして、基材50の給電素子20の給電点21のところにビアホール51が設けられており、ビアホール51を介して給電部60が接続される。このように、基材上に所望の配線パターンをエッチング等により形成するだけで、間引き給電型アレイアンテナ装置が実現可能である。基材50としては、誘電体からなるプリント基板等であれば良いが、ハニカム構造を有する絶縁性のハニカム板等であっても良い。

【0033】
本発明の間引き給電型アレイアンテナ装置は、このような差動伝送路40により、給電素子20と無給電素子30が、物理的に結合される。したがって、従来技術のように反射板からの距離や素子間の距離に影響を受けないため、設計の自由度が向上する。例えば、インピーダンス調整は差動伝送路40の線路幅や線路間隔、そしてオフセット位置により、大幅に調整が可能となる。したがって、反射板10との距離には殆ど影響を受けず広範囲にインピーダンスを調整することが可能となる。

【0034】
また、このような基本構成の素子を複数並べることで、大規模なアレイアンテナ装置を実現可能となる。図5は、本発明の間引き給電型アレイアンテナ装置において、給電素子と無給電素子が複数連続的に互い違いに配置される例を説明するための概略平面図である。図中、図1等と同一の符号を付した部分は同一物を表わしているため、詳説は省略する。図示の通り、給電素子20と無給電素子30が互い違いに配置されると共に、差動伝送路40によりそれぞれの素子が接続されている。なお、図中、2つの給電素子20,20に1つの無給電素子30が挟まれるような構成となっているが、この場合、2つの給電素子20,20を駆動する給電部からの信号に、位相差を与えることも可能である。これにより、無給電素子からのビームを走査することも可能となる。

【0035】
さらに、本発明の間引き給電型アレイアンテナ装置は、給電素子と無給電素子が図5に示されるように互い違いではなく、無給電素子が複数連続的に配置されるものであっても良い。図6に、本発明の間引き給電型アレイアンテナ装置の無給電素子が複数連続的に配置される例を説明するための概略平面図を示す。図中、図1等と同一の符号を付した部分は同一物を表わしているため、詳説は省略する。図示の通り、給電素子20に対して無給電素子30が複数連続的に配置されると共に、差動伝送路40により隣り合う無給電素子間も接続されている。このような構成であっても、差動伝送路40により給電素子20と無給電素子30間が結合されているため、各無給電素子30は、給電素子20と同等の振る舞いをすることになる。このように1つの給電素子で複数の無給電素子を放射素子とできることから、給電部をさらに減少させることも可能となる。なお、給電素子と無給電素子の出現パターンは、上述の図示例には限定されず、例えばランダムに配置されても良い。

【0036】
また、上述の図示例では、複数の素子がジグザグ状に配置される間引き給電型アレイアンテナ装置を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、複数の素子を平行且つ直線的に揃えて配置されても良い。図7は、本発明の間引き給電型アレイアンテナ装置の複数の素子を直線的に揃えて配置した例を説明するための概略平面図である。図中、図1等と同一の符号を付した部分は同一物を表わしているため、詳説は省略する。図示の通り、この例では、給電素子20と無給電素子30の中心は直線状に揃えて配置されている。そして、オフセット給電を実現するために、給電素子20と無給電素子30に対して、差動伝送路40が斜めに接続されている。この例の場合であっても、差動伝送路の長さを略λ/2とするため、素子間の間隔はλ/2よりも狭くなる。このように、本発明の間引き給電型アレイアンテナ装置は、素子の配置に自由度がある。

【0037】
次に、図8に、本発明の間引き給電型アレイアンテナ装置の基材が可塑性を有する例を説明するための、給電点を通る概略横断面図を示す。図中、図1等と同一の符号を付した部分は同一物を表わしているため、詳説は省略する。図示の通り、本発明の間引き給電型アレイアンテナ装置では、可塑性を有する基材52、より具体的にはフレキシブルプリント基材等を用いることが可能である。本発明の間引き給電型アレイアンテナ装置は、差動伝送路を用いて各素子間を物理的に結合しているため、各素子の放射方向が変わったとしても問題なくアレイアンテナとして機能するものである。したがって、コンフォーマルアレイアンテナ装置のような、曲面上に配置されるアンテナにも適用可能である。即ち、フレキシブルプリント基材上に本発明の間引き給電型アレイアンテナ装置を形成し、これを例えば航空機の機体の曲面に沿って貼付するだけでコンフォーマルアレイアンテナ装置が実現可能となる。

【0038】
本発明の間引き給電型アレイアンテナ装置では、素子間を差動伝送路で接続している。差動伝送路は、2本の線路が逆位相となるため、差動伝送路から電波が放射されないように構成されている。しかしながら、何らかの理由で差動伝送路からも放射する可能性がある。そこで、以下に説明する例では、差動伝送路上にシールド部材を設けたものを説明する。図9は、本発明の間引き給電型アレイアンテナ装置の差動伝送路上にシールド部材を設けた例を説明するための概略斜視図である。図中、図1等と同一の符号を付した部分は同一物を表わしているため、詳説は省略する。図示例では、給電素子20と無給電素子30、さらにこれらの間を接続する差動伝送路40が基材50の放射方向側の面に設けられている。そして、シールド部材70が、差動伝送路40を覆うように配置されている。シールド部材70は、例えば導電性を有している。また、必要により、シールド部材70は放射方向の反対側の面に設けられる反射板10に電気的に接続されても良い。このようにシールド部材70により差動伝送路40をシールドすることで、差動伝送路40からの放射の影響を排除することが可能となる。

【0039】
さらに、多層基材を用いた場合には、差動伝送路を基材の裏面側に設けることも可能である。図10は、本発明の間引き給電型アレイアンテナ装置の差動伝送路を基材の裏面に設ける例を説明するための、差動伝送路の一方を通る概略横断面図である。図中、図1等と同一の符号を付した部分は同一物を表わしているため、詳説は省略する。図示の通り、例えば基材を3層基材55とし、基材表面に給電素子20及び無給電素子30を設ける。そして、ビアホールを介して基材の裏面に差動伝送路40を設ける。さらに、反射板17を、3層基材55の中央の層に配置する。これにより、差動伝送路40からのアンテナ放射方向側への放射が反射板17により遮られるため、反射板17が上述のシールド部材の役割も担うようにもなる。

【0040】
なお、両面基材の場合には、基材裏面に差動伝送路を配置すると共に、基材表面に給電素子及び無給電素子を設け、この間にシールド部材として導体を残しておくように構成しても良い。

【0041】
なお、本発明の間引き給電型アレイアンテナ装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0042】
10 反射板
17 反射板
20 給電素子
21 給電点
30 無給電素子
31 接続点
40 差動伝送路
50 基材
51 ビアホール
52 基材
55 3層基材
60 給電部
70 シールド部材
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9