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明細書 :微小液滴の製造装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5665061号 (P5665061)
登録日 平成26年12月19日(2014.12.19)
発行日 平成27年2月4日(2015.2.4)
発明の名称または考案の名称 微小液滴の製造装置
国際特許分類 B01F   3/08        (2006.01)
B01F   5/00        (2006.01)
B01F  15/02        (2006.01)
B01J  13/00        (2006.01)
B01J  19/00        (2006.01)
FI B01F 3/08 A
B01F 5/00 D
B01F 15/02 A
B01J 13/00 A
B01J 19/00 321
請求項の数または発明の数 20
全頁数 26
出願番号 特願2012-524579 (P2012-524579)
出願日 平成23年7月13日(2011.7.13)
国際出願番号 PCT/JP2011/066004
国際公開番号 WO2012/008497
国際公開日 平成24年1月19日(2012.1.19)
優先権出願番号 2010158988
優先日 平成22年7月13日(2010.7.13)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成26年4月17日(2014.4.17)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】304021417
【氏名又は名称】国立大学法人東京工業大学
発明者または考案者 【氏名】西迫 貴志
個別代理人の代理人 【識別番号】100099759、【弁理士】、【氏名又は名称】青木 篤
【識別番号】100077517、【弁理士】、【氏名又は名称】石田 敬
【識別番号】100087413、【弁理士】、【氏名又は名称】古賀 哲次
【識別番号】100093665、【弁理士】、【氏名又は名称】蛯谷 厚志
【識別番号】100102990、【弁理士】、【氏名又は名称】小林 良博
【識別番号】100080919、【弁理士】、【氏名又は名称】田崎 豪治
審査官 【審査官】仲村 靖
参考文献・文献 国際公開第2007/026564(WO,A1)
特開2004-344877(JP,A)
特開2004-237177(JP,A)
特開2006-320772(JP,A)
調査した分野 B01F 3/08
B01F 5/00
B01F 15/02
B01J 13/00
B01J 19/00
特許請求の範囲 【請求項1】
微細流路を用いた微小液滴の製造装置において、
該装置が微細流路基板と微細流路基板保持用ホルダーを備え、
微細流路基板が、中央部に形成される微小液滴の排出口と、この微小液滴の排出口に微細流路によって接続され、この微小液滴の排出口を中心としたM個(Mは1以上の整数)の円形または多角形のそれぞれの周上に複数配置される、内側から第1~第Mの円形または多角形の周上の微小液滴生成部と、前記微小液滴の排出口を中心とした円形または多角形の周上に配置される第1の液体の導入口と、さらにその外側の円形または多角形の周上に順次配置される第N(ただしNは2以上の整数、M≦N-1)までの液体の導入口と、前記複数の微小液滴の生成部に前記第1~第Nの液体を供給する微細流路を有し、
微細流路基板保持用ホルダーが、微小液滴の排出口を中心軸とし、前記第1~第Nの液体を微細流路基板の各液体の導入口に均等に流量配分するためのN個の円環状または多角環状流路を有する多重管構造を有する微小液滴の製造装置であって、
N=2(このときM=1)であり、且つ第1の液体が分散相、第2の液体が連続相であり、
微細流路構造体保持用ホルダーが、微細流路基板の下部に配置される、連続相のホルダーへの導入口を備えた第3部品と、分散相のホルダーへの導入口を備え、且つ前記第3部品と組み合わせることで連続相を微細流路基板に供給するための円環状または多角環状流路を形成する第2部品と、前記第2部品と組み合わせることで分散相を微細流路基板に供給するための円環状経路を形成し且つ中央に微小液滴の微細流路基板からの排出口を有する円筒を備える第1部品を具備することを特徴とする微小液滴の製造装置。
【請求項3】
複数の微小液滴の生成部は、連続相液体に対して両側から分散相液体が交互に合流する請求項1に記載の微小液滴の製造装置。
【請求項5】
微細流路を用いた微小液滴の製造装置において、
該装置が微細流路基板と微細流路基板保持用ホルダーを備え、
微細流路基板が、中央部に形成される微小液滴の排出口と、この微小液滴の排出口に微細流路によって接続され、この微小液滴の排出口を中心としたM個(Mは1以上の整数)の円形または多角形のそれぞれの周上に複数配置される、内側から第1~第Mの円形または多角形の周上の微小液滴生成部と、前記微小液滴の排出口を中心とした円形または多角形の周上に配置される第1の液体の導入口と、さらにその外側の円形または多角形の周上に順次配置される第N(ただしNは2以上の整数、M≦N-1)までの液体の導入口と、前記複数の微小液滴の生成部に前記第1~第Nの液体を供給する微細流路を有し、
微細流路基板保持用ホルダーが、微小液滴の排出口を中心軸とし、前記第1~第Nの液体を微細流路基板の各液体の導入口に均等に流量配分するためのN個の円環状または多角環状流路を有する多重管構造を有する微小液滴の製造装置であって、
N=2(このときM=1)であり、且つ第1の液体が連続相、第2の液体が分散相であり、
微細流路構造体保持用ホルダーが、前記微細流路基板の下部に配置される、分散相のホルダーへの導入口を備えた第3部品と、連続相のホルダーへの導入口を備え、且つ前記第3部品と組み合わせることで分散相を微細流路基板に供給するための円環状または多角環状流路を形成する第2部品と、生成液滴のホルダーからの排出口を備え、且つ前記第2部品と組み合わせることで連続相を微細流路基板に供給するための円環状または多角環状流路を形成し、且つ中央に微小液滴の微細流路基板からの排出口を有する円筒を備える第1部品を具備することを特徴とする微小液滴の製造装置。
【請求項6】
複数の微小液滴の生成部は、前記分散相に対して両側から連続相が合流する請求項5に記載の微小液滴の製造装置。
【請求項8】
微細流路を用いた微小液滴の製造装置において、
該装置が微細流路基板と微細流路基板保持用ホルダーを備え、
微細流路基板が、中央部に形成される微小液滴の排出口と、この微小液滴の排出口に微細流路によって接続され、この微小液滴の排出口を中心としたM個(Mは1以上の整数)の円形または多角形のそれぞれの周上に複数配置される、内側から第1~第Mの円形または多角形の周上の微小液滴生成部と、前記微小液滴の排出口を中心とした円形または多角形の周上に配置される第1の液体の導入口と、さらにその外側の円形または多角形の周上に順次配置される第N(ただしNは2以上の整数、M≦N-1)までの液体の導入口と、前記複数の微小液滴の生成部に前記第1~第Nの液体を供給する微細流路を有し、
微細流路基板保持用ホルダーが、微小液滴の排出口を中心軸とし、前記第1~第Nの液体を微細流路基板の各液体の導入口に均等に流量配分するためのN個の円環状または多角環状流路を有する多重管構造を有する微小液滴の製造装置であって、
N=3であり、且つ第1の液体が第1分散相であり、第2の液体が第2分散相、第3の液体が連続相であり、生成液滴が第1分散相と第2分散相から構成され、
微細流路構造体保持用ホルダーが、
前記微細流路基板の下部に配置される、第2分散相のホルダーへの導入口を備えた第4部品と、
第1分散相のホルダーへの導入口を備え、且つ前記第4部品と組み合わせることで第2分散相を微細流路基板に供給するための円環状または多角環状流路を形成する第3部品と、
連続相のホルダーへの導入口を備え、且つ前記第3部品と組み合わせることで第1分散相を微細流路基板に供給するための円環状または多角環状流路を形成する第2部品と、
生成液滴のホルダーからの排出口を備え、且つ前記第2部品と組み合わせることで連続相を微細流路基板に供給するための円環状または多角環状流路を形成し、且つ中央に微小液滴の微細流路基板からの排出口を有する円筒または多角筒を備える第1部品を具備することを特徴とする微小液滴の製造装置。
【請求項9】
微細流路を用いた微小液滴の製造装置において、
該装置が微細流路基板と微細流路基板保持用ホルダーを備え、
微細流路基板が、中央部に形成される微小液滴の排出口と、この微小液滴の排出口に微細流路によって接続され、この微小液滴の排出口を中心としたM個(Mは1以上の整数)の円形または多角形のそれぞれの周上に複数配置される、内側から第1~第Mの円形または多角形の周上の微小液滴生成部と、前記微小液滴の排出口を中心とした円形または多角形の周上に配置される第1の液体の導入口と、さらにその外側の円形または多角形の周上に順次配置される第N(ただしNは2以上の整数、M≦N-1)までの液体の導入口と、前記複数の微小液滴の生成部に前記第1~第Nの液体を供給する微細流路を有し、
微細流路基板保持用ホルダーが、微小液滴の排出口を中心軸とし、前記第1~第Nの液体を微細流路基板の各液体の導入口に均等に流量配分するためのN個の円環状または多角環状流路を有する多重管構造を有する微小液滴の製造装置であって、
N=3であり、且つ第1の液体が連続相であり、第2の液体が第1分散相、第3の液体が第2分散相であり、生成液滴が第1分散相と第2分散相から構成され、
微細流路構造体保持用ホルダーが、
前記微細流路基板の下部に配置される、第2分散相のホルダーへの導入口を備えた第4部品と、
第1分散相のホルダーへの導入口を備え、且つ前記第4部品と組み合わせることで第2分散相を微細流路基板に供給するための円環状または多角環状流路を形成する第3部品と、
連続相のホルダーへの導入口を備え、且つ前記第3部品と組み合わせることで第1分散相を微細流路基板に供給するための円環状または多角環状流路を形成する第2部品と、
生成液滴のホルダーからの排出口を備え、且つ前記第2部品と組み合わせることで連続相を微細流路基板に供給するための円環状または多角環状流路を形成し、且つ中央に微小液滴の微細流路基板からの排出口を有する円筒または多角筒を備える第1部品を具備することを特徴とする微小液滴の製造装置。
【請求項10】
M=2であり、生成液滴が、第1分散相を最内相、第2分散相を中間相とするダブルエマルションである請求項9に記載の微小液滴の製造装置。
【請求項11】
複数の最内相液滴の生成部(第2微小液滴生成部)は、前記中間相に対して両側から最内相が交互に合流し、前記複数の中間相液滴の生成部(第1微小液滴生成部)は、最内相液滴を含む中間相に対して両側から連続相が合流する請求項10に記載の微小液滴の製造装置。
【請求項12】
M=2であり、生成液滴が、第1分散相を中間相、第2分散相を最内相とするダブルエマルションである請求項9に記載の微小液滴の製造装置。
【請求項13】
複数の最内相液滴の生成部(第2微小液滴生成部)は、前記最内相に対して両側から中間相が合流し、前記複数の中間相液滴の生成部(第1微小液滴生成部)は、前記最内相液滴を含む中間相に対して両側から連続相が合流する請求項12に記載の微小液滴の製造装置。
【請求項15】
微細流路を用いた微小液滴の製造装置において、
該装置が微細流路基板と微細流路基板保持用ホルダーを備え、
微細流路基板が、中央部に形成される微小液滴の排出口と、この微小液滴の排出口に微細流路によって接続され、この微小液滴の排出口を中心としたM個(Mは1以上の整数)の円形または多角形のそれぞれの周上に複数配置される、内側から第1~第Mの円形または多角形の周上の微小液滴生成部と、前記微小液滴の排出口を中心とした円形または多角形の周上に配置される第1の液体の導入口と、さらにその外側の円形または多角形の周上に順次配置される第N(ただしNは2以上の整数、M≦N-1)までの液体の導入口と、前記複数の微小液滴の生成部に前記第1~第Nの液体を供給する微細流路を有し、
微細流路基板保持用ホルダーが、微小液滴の排出口を中心軸とし、前記第1~第Nの液体を微細流路基板の各液体の導入口に均等に流量配分するためのN個の円環状または多角環状流路を有する多重管構造を有する微小液滴の製造装置であって、
N=4であり、且つ第1の液体が連続相であり、第2の液体が第1分散相、第3の液体が第2分散相、第4の液体が第3分散相であり、生成液滴が第1分散相、第2分散相、および第3分散相の三相から構成され、
微細流路構造体保持用ホルダーが、
前記微細流路基板の下部に配置される、第3分散相のホルダーへの導入口を備えた第5部品と、
第2分散相のホルダーへの導入口を備え、且つ前記第5部品と組み合わせることで第3分散相を微細流路基板に供給するための円環状または多角環状流路を形成する第4部品と、
第1分散相のホルダーへの導入口を備え、且つ前記第4部品と組み合わせることで第2分散相を微細流路基板に供給するための円環状または多角環状流路を形成する第3部品と、
連続相のホルダーへの導入口を備え、且つ前記第3部品と組み合わせることで第1分散相を微細流路基板に供給するための円環状または多角環状流路を形成する第2部品と、
生成液滴のホルダーからの排出口を備え、且つ前記第2部品と組み合わせることで連続相を微細流路基板に供給するための円環状または多角環状流路を形成し、且つ中央に微小液滴の微細流路基板からの排出口を有する円筒または多角筒を備える第1部品を具備することを特徴とする微小液滴の製造装置。
【請求項16】
M=3であり、生成液滴が第1分散相を第1中間相(連続相と接する相)、第2分散相を第2中間相(第1中間相の内側に位置する相)、第3分散相を最内相とするトリプルエマルションである請求項15に記載の微小液滴の製造装置。
【請求項17】
複数の最内相液滴の生成部(第3微小液滴生成部)は、最内相に対して両側から第2中間相が合流し、複数の第2中間相液滴の生成部(第2微小液滴生成部)は、前記最内相液滴を含む第2中間相に対して両側から第1中間相が合流し、前記複数の第1中間相液滴の生成部(第1微小液滴生成部)は、前記最内相液滴を含む第2中間相液滴を内包する第1中間相に対して両側から連続相が合流する請求項16に記載の微小液滴の製造装置。
【請求項18】
M=3であり、生成液滴が第1分散相を第1中間相、第2分散相を最内相、および第3分散相を第2中間相とするトリプルエマルションである請求項15に記載の微小液滴の製造装置。
【請求項19】
複数の最内相液滴の生成部(第3微小液滴生成部)は、第2中間相に対して両側から交互に最内相が合流し、複数の第2中間相液滴の生成部(第2微小液滴生成部)は、前記最内相液滴を含む第2中間相に対して両側から第1中間相が合流し、
前記複数の第1中間相液滴の生成部(第1微小液滴生成部)は、前記最内相液滴を含む第2中間相液滴を内包する第1中間相に対して両側から連続相が合流することを特徴とする請求項18に記載の微小液滴の製造装置。
【請求項22】
微細流路を用いた微小液滴の製造装置において、
該装置が微細流路基板と微細流路基板保持用ホルダーを備え、
微細流路基板が、中央部に形成される微小液滴の排出口と、この微小液滴の排出口に微細流路によって接続され、この微小液滴の排出口を中心としたM個(Mは1以上の整数)の円形または多角形のそれぞれの周上に複数配置される、内側から第1~第Mの円形または多角形の周上の微小液滴生成部と、前記微小液滴の排出口を中心とした円形または多角形の周上に配置される第1の液体の導入口と、さらにその外側の円形または多角形の周上に順次配置される第N(ただしNは2以上の整数、M≦N-1)までの液体の導入口と、前記複数の微小液滴の生成部に前記第1~第Nの液体を供給する微細流路を有し、
微細流路基板保持用ホルダーが、微小液滴の排出口を中心軸とし、前記第1~第Nの液体を微細流路基板の各液体の導入口に均等に流量配分するためのN個の円環状または多角環状流路を有する多重管構造を有する微小液滴の製造装置であって、
N=5であり,且つ第1の液体が連続相であり,第2の液体が第1分散相,第3の液体が第2分散相,第4の液体が第3分散相,第5の液体が第4分散相であり,生成液滴が,第1分散相,第2分散相,第3分散相,および第4分散相の四相から構成され、
微細流路構造体保持用ホルダーが,
前記微細流路基板の下部に配置される,第4分散相のホルダーへの導入口を備えた第6部品と,
第3分散相のホルダーへの導入口を備え,且つ前記第6部品と組み合わせることで第4分散相を微細流路基板に供給するための円環状または多角環状流路を形成する第5部品と,
第2分散相のホルダーへの導入口を備え,且つ前記第5部品と組み合わせることで第3分散相を微細流路基板に供給するための円環状または多角環状流路を形成する第4部品と,
第1分散相のホルダーへの導入口を備え,且つ前記第4部品と組み合わせることで第2分散相を微細流路基板に供給するための円環状または多角環状流路を形成する第3部品と,
連続相のホルダーへの導入口を備え,且つ前記第3部品と組み合わせることで第1分散相を微細流路基板に供給するための円環状または多角環状流路を形成する第2部品と,
生成液滴のホルダーからの排出口を備え,且つ前記第2部品と組み合わせることで連続相を微細流路基板に供給するための円環状または多角環状流路を形成し,且つ中央に微小液滴の微細流路基板からの排出口を有する円筒または多角筒を備える第1部品を具備することを特徴とする微小液滴の製造装置。
【請求項23】
M=4であり、生成液滴が第1分散相を第1中間相(連続相と接する相)、第2分散相を第2中間相(第1中間相の内側に位置する相),第3分散相を第3中間相(第2中間相の内側に位置する相),第4分散相を最内相とするクワドラプル(四重)エマルションである請求項22に記載の微小液滴の製造装置。
【請求項24】
複数の最内相液滴の生成部(第4微小液滴生成部)は,最内相に対して両側から第3中間相が合流し,複数の第3中間相液滴の生成部(第3微小液滴生成部)は,前記最内相液滴を含む第3中間相に対して両側から第2中間相が合流し,前記複数の第2中間相液滴の生成部(第2微小液滴生成部)は,前記最内相液滴を含む第3中間相液滴を内包する第2中間相に対して両側から第1中間相が合流し,前記複数の第1中間相液滴の生成部(第1微小液滴生成部)は,前記最内相液滴を含む第3中間相液滴を含む第2中間相液滴を内包する第1中間相に対して両側から連続相が合流する請求項23に記載の微小液滴の製造装置。
【請求項25】
M=4であり、生成液滴が第1分散相を第1中間相(連続相と接する相)、第2分散相を第2中間相(第1中間相の内側に位置する相),第3分散相を最内相,第4分散相を第3中間相(第2中間相の内側に位置する相)とするクワドラプル(四重)エマルションである請求項22に記載の微小液滴の製造装置。
【請求項26】
複数の最内相液滴の生成部(第4微小液滴生成部)は,第3中間相に対して両側から最内相が合流し,複数の第3中間相液滴の生成部(第3微小液滴生成部)は,前記最内相液滴を含む第3中間相に対して両側から第2中間相が合流し,前記複数の第2中間相液滴の生成部(第2微小液滴生成部)は,前記最内相液滴を含む第3中間相液滴を内包する第2中間相に対して両側から第1中間相が合流し,前記複数の第1中間相液滴の生成部(第1微小液滴生成部)は,前記最内相液滴を含む第3中間相液滴を含む第2中間相液滴を内包する第1中間相に対して両側から連続相が合流する請求項25に記載の微小液滴の製造装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は微小液滴の製造装置に関し、さらに詳しくは微細流路を用いた、単分散性に優れる微小液滴(エマルション)の製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明者らは、サイズの均一性(単分散性)に優れた微小液滴(エマルション)の生成手法として、微細流路の交差形状を利用したエマルションの生成手法を開発している(WO02/068104)。
【0003】
この技術により、均一サイズのエマルションを生成することができ、またエマルションの液滴径や生成速度を流路内の流れの速さを操作することで柔軟に制御できるようになった。そして、この技術は、多相エマルションの生成(特開2004-237177号公報)、球状固体微粒子の調製(特開2004-059802号公報、特開2004-067953号公報)、着色固体微粒子の調製(特開2004-197083号公報)などに応用されている。
【0004】
しかしながら、上記の技術には、1つの微細流路交差構造では液滴を生成できる流量に上限があり、処理できる量が少ないという問題がある。この問題を解決するために、微細流路を多数並列化させた装置の開発例がいくつか報告されている。例えば、(a)分散相分配用微細流路の層、(a)連続相液体分配用微細流路の層および(c)液滴生成用Y字微細流路の層、の計3層を貼り合わせた微細流路基板が報告されている(特開2004-243308号公報)。
【0005】
一方、本発明者らは、液滴生成用の微細流路の交差形状を多数並べた微細流路基板と各微細流路への液体の分配を制御するための階層構造を備えた微細流路基板保持用ホルダーから成る装置を開発している(WO2007/026564,Lab Chip,2008,8,287-293)。
【0006】
しかしながら、上記の微小液滴の製造装置では、微細流路基板の各流路に基板外部から分散相および連続相を供給するための複数の導入口(液体供給口)に対応して、微細流路基板保持用ホルダーにも複数の液体供給経路を設ける必要がある。この構造は以下のような問題を有する。
【0007】
まず、微細流路基板に並列化させる流路の数の増大に伴い、微細流路基板の液体供給口の数も増加させる必要があるが、それに応じて、微細流路基板保持用ホルダーの各階層にも対応する位置に多数の液体供給経路を設ける必要がある。また、微細流路基板により密に流路を並べて単位面積あたりの流路数を増加させることが基板面積の有効利用の観点から望ましいが、これには微細流路基板に加工する液体供給口のサイズ、および対応する微細流路基板保持用ホルダーの液体供給経路の穴サイズをより小さくする必要がある。通常、微細流路基板保持用ホルダーの作製は機械加工によって行うが、多数の微細穴の加工は技術的に困難であり、高コストにつながる。また、微細流路基板保持用ホルダーに密に微細穴加工を行った場合には、縦穴の隙間を通る、各階層の側面からの分散相あるいは連続相の供給口の加工が困難となる。
【0008】
また、1つの微細流路基板保持用ホルダーは、液体供給口の配置が異なる微細流路基板に対して用いることができず、汎用性に欠けるのが難点である。
【先行技術文献】
【0009】

【特許文献1】WO02/068104
【特許文献2】特開2004-237177号公報
【特許文献3】特開2004-059802号公報
【特許文献4】特開2004-067953号公報
【特許文献5】特開2004-197083号公報
【特許文献6】特開2004-243308号公報
【特許文献7】WO2007/026564
【0010】

【非特許文献1】Lab Chip,2008,8,287-293
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記状況に鑑みて、微小液滴をより低コストで、効率的に、しかも大量生産することができる微細流路を用いた微小液滴の製造装置を提供することを目的とする。さらに、本発明の目的は、得られる微小液滴を硬化させて微粒子を得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本願発明は、上記の課題を解決するために以下の発明を提供する。
(1)微細流路を用いた微小液滴の製造装置において、
該装置が微細流路基板と微細流路基板保持用ホルダーを備え、
微細流路基板が、中央部に形成される微小液滴の排出口と、この微小液滴の排出口に微細流路によって接続され、この微小液滴の排出口を中心としたM個(Mは1以上の整数)の円形または多角形のそれぞれの周上に複数配置される、内側から第1~第Mの円形または多角形の周上の微小液滴生成部と、前記微小液滴の排出口を中心とした円形または多角形の周上に配置される第1の液体の導入口と、さらにその外側の円形または多角形の周上に順次配置される第N(ただしNは2以上の整数、M≦N-1)までの液体の導入口と、前記複数の微小液滴の生成部に前記第1~第Nの液体を供給する微細流路を有し、
微細流路基板保持用ホルダーが、微小液滴の排出口を中心軸とし、前記第1~第Nの液体を微細流路基板の各液体の導入口に均等に流量配分するためのN個の円環状または多角環状流路を有する多重管構造を有する微小液滴の製造装置であって、
N=2(このときM=1)であり、且つ第1の液体が分散相、第2の液体が連続相であり、
微細流路構造体保持用ホルダーが、微細流路基板の下部に配置される、連続相のホルダーへの導入口を備えた第3部品と、分散相のホルダーへの導入口を備え、且つ前記第3部品と組み合わせることで連続相を微細流路基板に供給するための円環状または多角環状流路を形成する第2部品と、前記第2部品と組み合わせることで分散相を微細流路基板に供給するための円環状経路を形成し且つ中央に微小液滴の微細流路基板からの排出口を有する円筒を備える第1部品を具備することを特徴とする微小液滴の製造装置。
(3)複数の微小液滴の生成部は、連続相液体に対して両側から分散相液体が交互に合流する上記(1)に記載の微小液滴の製造装置。
(5)微細流路を用いた微小液滴の製造装置において、
該装置が微細流路基板と微細流路基板保持用ホルダーを備え、
微細流路基板が、中央部に形成される微小液滴の排出口と、この微小液滴の排出口に微細流路によって接続され、この微小液滴の排出口を中心としたM個(Mは1以上の整数)の円形または多角形のそれぞれの周上に複数配置される、内側から第1~第Mの円形または多角形の周上の微小液滴生成部と、前記微小液滴の排出口を中心とした円形または多角形の周上に配置される第1の液体の導入口と、さらにその外側の円形または多角形の周上に順次配置される第N(ただしNは2以上の整数、M≦N-1)までの液体の導入口と、前記複数の微小液滴の生成部に前記第1~第Nの液体を供給する微細流路を有し、
微細流路基板保持用ホルダーが、微小液滴の排出口を中心軸とし、前記第1~第Nの液体を微細流路基板の各液体の導入口に均等に流量配分するためのN個の円環状または多角環状流路を有する多重管構造を有する微小液滴の製造装置であって、
N=2(このときM=1)であり、且つ第1の液体が連続相、第2の液体が分散相であり、
微細流路構造体保持用ホルダーが、前記微細流路基板の下部に配置される、分散相のホルダーへの導入口を備えた第3部品と、連続相のホルダーへの導入口を備え、且つ前記第3部品と組み合わせることで分散相を微細流路基板に供給するための円環状または多角環状流路を形成する第2部品と、生成液滴のホルダーからの排出口を備え、且つ前記第2部品と組み合わせることで連続相を微細流路基板に供給するための円環状または多角環状流路を形成し、且つ中央に微小液滴の微細流路基板からの排出口を有する円筒を備える第1部品を具備することを特徴とする微小液滴の製造装置。
(6)複数の微小液滴の生成部は、前記分散相に対して両側から連続相が合流する上記(5)に記載の微小液滴の製造装置。
(8)微細流路を用いた微小液滴の製造装置において、
該装置が微細流路基板と微細流路基板保持用ホルダーを備え、
微細流路基板が、中央部に形成される微小液滴の排出口と、この微小液滴の排出口に微細流路によって接続され、この微小液滴の排出口を中心としたM個(Mは1以上の整数)の円形または多角形のそれぞれの周上に複数配置される、内側から第1~第Mの円形または多角形の周上の微小液滴生成部と、前記微小液滴の排出口を中心とした円形または多角形の周上に配置される第1の液体の導入口と、さらにその外側の円形または多角形の周上に順次配置される第N(ただしNは2以上の整数、M≦N-1)までの液体の導入口と、前記複数の微小液滴の生成部に前記第1~第Nの液体を供給する微細流路を有し、
微細流路基板保持用ホルダーが、微小液滴の排出口を中心軸とし、前記第1~第Nの液体を微細流路基板の各液体の導入口に均等に流量配分するためのN個の円環状または多角環状流路を有する多重管構造を有する微小液滴の製造装置であって、
N=3であり、且つ第1の液体が第1分散相であり、第2の液体が第2分散相、第3の液体が連続相であり、生成液滴が第1分散相と第2分散相から構成され、
微細流路構造体保持用ホルダーが、
前記微細流路基板の下部に配置される、第2分散相のホルダーへの導入口を備えた第4部品と、
第1分散相のホルダーへの導入口を備え、且つ前記第4部品と組み合わせることで第2分散相を微細流路基板に供給するための円環状または多角環状流路を形成する第3部品と、
連続相のホルダーへの導入口を備え、且つ前記第3部品と組み合わせることで第1分散相を微細流路基板に供給するための円環状または多角環状流路を形成する第2部品と、
生成液滴のホルダーからの排出口を備え、且つ前記第2部品と組み合わせることで連続相を微細流路基板に供給するための円環状または多角環状流路を形成し、且つ中央に微小液滴の微細流路基板からの排出口を有する円筒または多角筒を備える第1部品を具備することを特徴とする微小液滴の製造装置。
(9)微細流路を用いた微小液滴の製造装置において、
該装置が微細流路基板と微細流路基板保持用ホルダーを備え、
微細流路基板が、中央部に形成される微小液滴の排出口と、この微小液滴の排出口に微細流路によって接続され、この微小液滴の排出口を中心としたM個(Mは1以上の整数)の円形または多角形のそれぞれの周上に複数配置される、内側から第1~第Mの円形または多角形の周上の微小液滴生成部と、前記微小液滴の排出口を中心とした円形または多角形の周上に配置される第1の液体の導入口と、さらにその外側の円形または多角形の周上に順次配置される第N(ただしNは2以上の整数、M≦N-1)までの液体の導入口と、前記複数の微小液滴の生成部に前記第1~第Nの液体を供給する微細流路を有し、
微細流路基板保持用ホルダーが、微小液滴の排出口を中心軸とし、前記第1~第Nの液体を微細流路基板の各液体の導入口に均等に流量配分するためのN個の円環状または多角環状流路を有する多重管構造を有する微小液滴の製造装置であって、
N=3であり、且つ第1の液体が連続相であり、第2の液体が第1分散相、第3の液体が第2分散相であり、生成液滴が第1分散相と第2分散相から構成され、
微細流路構造体保持用ホルダーが、
前記微細流路基板の下部に配置される、第2分散相のホルダーへの導入口を備えた第4部品と、
第1分散相のホルダーへの導入口を備え、且つ前記第4部品と組み合わせることで第2分散相を微細流路基板に供給するための円環状または多角環状流路を形成する第3部品と、
連続相のホルダーへの導入口を備え、且つ前記第3部品と組み合わせることで第1分散相を微細流路基板に供給するための円環状または多角環状流路を形成する第2部品と、
生成液滴のホルダーからの排出口を備え、且つ前記第2部品と組み合わせることで連続相を微細流路基板に供給するための円環状または多角環状流路を形成し、且つ中央に微小液滴の微細流路基板からの排出口を有する円筒または多角筒を備える第1部品を具備することを特徴とする微小液滴の製造装置。
(10)M=2であり、生成液滴が、第1分散相を最内相、第2分散相を中間相とするダブルエマルションである上記(9)に記載の微小液滴の製造装置。
(11)複数の最内相液滴の生成部(第2微小液滴生成部)は、前記中間相に対して両側から最内相が交互に合流し、前記複数の中間相液滴の生成部(第1微小液滴生成部)は、最内相液滴を含む中間相に対して両側から連続相が合流する上記(10)に記載の微小液滴の製造装置。
(12)M=2であり、生成液滴が、第1分散相を中間相、第2分散相を最内相とするダブルエマルションである上記(9)に記載の微小液滴の製造装置。
(13)複数の最内相液滴の生成部(第2微小液滴生成部)は、前記最内相に対して両側から中間相が合流し、前記複数の中間相液滴の生成部(第1微小液滴生成部)は、前記最内相液滴を含む中間相に対して両側から連続相が合流する上記(12)に記載の微小液滴の製造装置。
(15)微細流路を用いた微小液滴の製造装置において、
該装置が微細流路基板と微細流路基板保持用ホルダーを備え、
微細流路基板が、中央部に形成される微小液滴の排出口と、この微小液滴の排出口に微細流路によって接続され、この微小液滴の排出口を中心としたM個(Mは1以上の整数)の円形または多角形のそれぞれの周上に複数配置される、内側から第1~第Mの円形または多角形の周上の微小液滴生成部と、前記微小液滴の排出口を中心とした円形または多角形の周上に配置される第1の液体の導入口と、さらにその外側の円形または多角形の周上に順次配置される第N(ただしNは2以上の整数、M≦N-1)までの液体の導入口と、前記複数の微小液滴の生成部に前記第1~第Nの液体を供給する微細流路を有し、
微細流路基板保持用ホルダーが、微小液滴の排出口を中心軸とし、前記第1~第Nの液体を微細流路基板の各液体の導入口に均等に流量配分するためのN個の円環状または多角環状流路を有する多重管構造を有する微小液滴の製造装置であって、
N=4であり、且つ第1の液体が連続相であり、第2の液体が第1分散相、第3の液体が第2分散相、第4の液体が第3分散相であり、生成液滴が第1分散相、第2分散相、および第3分散相の三相から構成され、
微細流路構造体保持用ホルダーが、
前記微細流路基板の下部に配置される、第3分散相のホルダーへの導入口を備えた第5部品と、
第2分散相のホルダーへの導入口を備え、且つ前記第5部品と組み合わせることで第3分散相を微細流路基板に供給するための円環状または多角環状流路を形成する第4部品と、
第1分散相のホルダーへの導入口を備え、且つ前記第4部品と組み合わせることで第2分散相を微細流路基板に供給するための円環状または多角環状流路を形成する第3部品と、
連続相のホルダーへの導入口を備え、且つ前記第3部品と組み合わせることで第1分散相を微細流路基板に供給するための円環状または多角環状流路を形成する第2部品と、
生成液滴のホルダーからの排出口を備え、且つ前記第2部品と組み合わせることで連続相を微細流路基板に供給するための円環状または多角環状流路を形成し、且つ中央に微小液滴の微細流路基板からの排出口を有する円筒または多角筒を備える第1部品を具備することを特徴とする微小液滴の製造装置。
(16)M=3であり、生成液滴が第1分散相を第1中間相(連続相と接する相)、第2分散相を第2中間相(第1中間相の内側に位置する相)、第3分散相を最内相とするトリプルエマルションである上記(15)に記載の微小液滴の製造装置。
(17)複数の最内相液滴の生成部(第3微小液滴生成部)は、最内相に対して両側から第2中間相が合流し、複数の第2中間相液滴の生成部(第2微小液滴生成部)は、前記最内相液滴を含む第2中間相に対して両側から第1中間相が合流し、前記複数の第1中間相液滴の生成部(第1微小液滴生成部)は、前記最内相液滴を含む第2中間相液滴を内包する第1中間相に対して両側から連続相が合流する上記(16)に記載の微小液滴の製造装置。
(18)M=3であり、生成液滴が第1分散相を第1中間相、第2分散相を最内相、および第3分散相を第2中間相とするトリプルエマルションである上記(15)に記載の微小液滴の製造装置。
(19)複数の最内相液滴の生成部(第3微小液滴生成部)は、第2中間相に対して両側から交互に最内相が合流し、複数の第2中間相液滴の生成部(第2微小液滴生成部)は、前記最内相液滴を含む第2中間相に対して両側から第1中間相が合流し、
前記複数の第1中間相液滴の生成部(第1微小液滴生成部)は、前記最内相液滴を含む第2中間相液滴を内包する第1中間相に対して両側から連続相が合流することを特徴とする上記(18)に記載の微小液滴の製造装置。
(22)微細流路を用いた微小液滴の製造装置において、
該装置が微細流路基板と微細流路基板保持用ホルダーを備え、
微細流路基板が、中央部に形成される微小液滴の排出口と、この微小液滴の排出口に微細流路によって接続され、この微小液滴の排出口を中心としたM個(Mは1以上の整数)の円形または多角形のそれぞれの周上に複数配置される、内側から第1~第Mの円形または多角形の周上の微小液滴生成部と、前記微小液滴の排出口を中心とした円形または多角形の周上に配置される第1の液体の導入口と、さらにその外側の円形または多角形の周上に順次配置される第N(ただしNは2以上の整数、M≦N-1)までの液体の導入口と、前記複数の微小液滴の生成部に前記第1~第Nの液体を供給する微細流路を有し、
微細流路基板保持用ホルダーが、微小液滴の排出口を中心軸とし、前記第1~第Nの液体を微細流路基板の各液体の導入口に均等に流量配分するためのN個の円環状または多角環状流路を有する多重管構造を有する微小液滴の製造装置であって、
N=5であり,且つ第1の液体が連続相であり,第2の液体が第1分散相,第3の液体が第2分散相,第4の液体が第3分散相,第5の液体が第4分散相であり,生成液滴が,第1分散相,第2分散相,第3分散相,および第4分散相の四相から構成され、
微細流路構造体保持用ホルダーが,
前記微細流路基板の下部に配置される,第4分散相のホルダーへの導入口を備えた第6部品と,
第3分散相のホルダーへの導入口を備え,且つ前記第6部品と組み合わせることで第4分散相を微細流路基板に供給するための円環状または多角環状流路を形成する第5部品と,
第2分散相のホルダーへの導入口を備え,且つ前記第5部品と組み合わせることで第3分散相を微細流路基板に供給するための円環状または多角環状流路を形成する第4部品と,
第1分散相のホルダーへの導入口を備え,且つ前記第4部品と組み合わせることで第2分散相を微細流路基板に供給するための円環状または多角環状流路を形成する第3部品と,
連続相のホルダーへの導入口を備え,且つ前記第3部品と組み合わせることで第1分散相を微細流路基板に供給するための円環状または多角環状流路を形成する第2部品と,
生成液滴のホルダーからの排出口を備え,且つ前記第2部品と組み合わせることで連続相を微細流路基板に供給するための円環状または多角環状流路を形成し,且つ中央に微小液滴の微細流路基板からの排出口を有する円筒または多角筒を備える第1部品を具備することを特徴とする微小液滴の製造装置。
(23)M=4であり、生成液滴が第1分散相を第1中間相(連続相と接する相)、第2分散相を第2中間相(第1中間相の内側に位置する相),第3分散相を第3中間相(第2中間相の内側に位置する相),第4分散相を最内相とするクワドラプル(四重)エマルションである上記(22)に記載の微小液滴の製造装置。
(24)複数の最内相液滴の生成部(第4微小液滴生成部)は,最内相に対して両側から第3中間相が合流し,複数の第3中間相液滴の生成部(第3微小液滴生成部)は,前記最内相液滴を含む第3中間相に対して両側から第2中間相が合流し,前記複数の第2中間相液滴の生成部(第2微小液滴生成部)は,前記最内相液滴を含む第3中間相液滴を内包する第2中間相に対して両側から第1中間相が合流し,前記複数の第1中間相液滴の生成部(第1微小液滴生成部)は,前記最内相液滴を含む第3中間相液滴を含む第2中間相液滴を内包する第1中間相に対して両側から連続相が合流する上記(23)に記載の微小液滴の製造装置。
(25)M=4であり、生成液滴が第1分散相を第1中間相(連続相と接する相)、第2分散相を第2中間相(第1中間相の内側に位置する相),第3分散相を最内相,第4分散相を第3中間相(第2中間相の内側に位置する相)とするクワドラプル(四重)エマルションである上記(22)に記載の微小液滴の製造装置。
(26)複数の最内相液滴の生成部(第4微小液滴生成部)は,第3中間相に対して両側から最内相が合流し,複数の第3中間相液滴の生成部(第3微小液滴生成部)は,前記最内相液滴を含む第3中間相に対して両側から第2中間相が合流し,前記複数の第2中間相液滴の生成部(第2微小液滴生成部)は,前記最内相液滴を含む第3中間相液滴を内包する第2中間相に対して両側から第1中間相が合流し,前記複数の第1中間相液滴の生成部(第1微小液滴生成部)は,前記最内相液滴を含む第3中間相液滴を含む第2中間相液滴を内包する第1中間相に対して両側から連続相が合流する上記(25)に記載の微小液滴の製造装置。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、微細孔加工を必要としないで、チップの孔、流路間隔を自由に設定できるので、微小液滴をより低コストで、効率的に、しかも大量生産することができる微細流路を用いた微小液滴およびこれから得られる微粒子、の製造装置を提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の1例を示す微小液滴の製造装置の微細流路構造体(チップ)の上面図。
【図2】微細流路における微小液滴生成の1例を示す模式部分拡大図。
【図3】本発明の微小液滴の製造装置の十字流路における微小液滴生成の模式図
【図4】本発明の微小液滴の製造装置の微細流路構造体保持用ホルダーの断面図。
【図5(a)】本発明の微細流路構造体保持用ホルダーの分解図(断面図)。
【図5(b)】本発明の微細流路構造体保持用ホルダーへの微細流路構造体(チップ)のセットの手順を示す。
【図5(c)】上記(b)により位置合わせ部品、微細流路構造体(チップ)および窓付きカバーをセットする直前の状態を示す。
【図6】本発明の1例を示す微小液滴の製造装置の微細流路構造体(チップ)の上面図。
【図7】本発明における微小液滴生成の1例の模式図を示す。
【図8】本発明の1例を示す微小液滴の製造装置の微細流路構造体(チップ)の上面図。
【図9】微小液滴が生成される様子を示す図。
【図10】微小液滴が生成される様子を示す図。
【図11】本発明のもう1つの1例を示す微小液滴の製造装置の微細流路構造体(チップ)および微細流路構造体保持用ホルダーの上面図(a)および側面図(b)。
【図12】図11の微小液滴の製造装置の微細流路構造体(チップ)の1例を示す上面図。
【図13】図12の微小液滴の製造装置の微細流路構造体保持用ホルダーの1例を示す上面図。
【図14】本発明の微小液滴の製造装置の微細流路構造体(チップ)のもう1つの1例を示す上面図。
【図15】図14に示す微細流路構造体(チップ)をステンレス(SUS 304)製のホルダーにセットする手順を示す。
【図16】図14のA部の拡大図。
【図17】図14のB部の拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の第1の態様において、微小液滴の製造装置は、微細流路基板と微細流路基板保持用ホルダーを備え、その微細流路基板は、中央部に形成される微小液滴の排出口と、この微小液滴の排出口に微細流路によって接続され、この微小液滴の排出口を中心としたM個(Mは1以上の整数)の円形または多角形のそれぞれの周上に複数配置される、内側から第1~第Mの円形または多角形の周上の微小液滴生成部と、前記微小液滴の排出口を中心とした円形または多角形の周上に配置される第1の液体の導入口と、さらにその外側の円形または多角形の周上に順次配置される第N(ただしNは2以上の整数、M≦N-1)までの液体の導入口と、前記複数の微小液滴の生成部に前記第1~第Nの液体を供給する微細流路を有する。

【0016】
一方、微細流路基板保持用ホルダーは、微小液滴の排出口を中心軸とし、前記第1~第Nの液体を微細流路基板の各液体の導入口に均等に流量配分するためのN個の円環状または多角環状流路を有する多重管構造を有する。整数Nは、好適には2~5である。

【0017】
本発明の第2の態様において、上記の第1の態様の微小液滴の製造装置は、N=2(このときM=1)であり、かつ第1の液体が分散相、第2の液体が連続相である。図1は、本発明の第2の態様の微小液滴の製造装置の微細流路構造体(チップ)の1例を示す上面図である(1は分散相、2は連続相、3は排出口)。図2は、微細流路における微小液滴生成の1例を示す模式部分拡大図であり、1は分散相、2は連続相であり、連続相液体と分散相液体が合流した後に、微小液滴が微小液滴生成部で生成されている。図2において、211、212は連続相液体の送出口、261、262は送出口211、212から送出される連続相液体の分岐部、311~314は分岐部261、262で分岐される分岐される連続相液体の微細流路を示す。221~224は分散相液体の送出口、271~274は送出口221~224から送出される分散相液体の分岐部を示し、分散相液体の分岐部271~274においては、分岐される分散相液体の微細流路321~328が分岐して形成される。

【0018】
さらに、本発明の第3の態様において、上記の第2の態様の微小液滴の製造装置は、複数の微小液滴の生成部は、連続相液体に対して両側から分散相液体が交互に合流する。図3は、本発明の第3の態様において、微小液滴の製造装置の十字流路における微小液滴生成の1例の模式図を示し、1は分散相、2は連続相である。

【0019】
さらに、本発明の第4の態様において、上記の第2の態様の微小液滴の製造装置は、微細流路構造体保持用ホルダーが、微細流路基板の下部に配置される、連続相のホルダーへの導入口を備えた第3部品と、分散相のホルダーへの導入口を備え、且つ前記第3部品と組み合わせることで連続相を微細流路基板に供給するための円環状または多角環状流路を形成する第2部品と、前記第2部品と組み合わせることで分散相を微細流路基板に供給するための円環状経路を形成し且つ中央に微小液滴の微細流路基板からの排出口を有する円筒を備える第1部品を具備する。図4は、本発明の微小液滴の製造装置の微細流路御構造体保持用ホルダーの断面図、そして図5(a)~図5(c)は本発明の微細流路構造体保持用ホルダーの分解図を示す。

【0020】
本発明の第5の態様において、上記の第1の態様の微小液滴の製造装置は、N=2(このときM=1)であり、且つ第1の液体が連続相、第2の液体が分散相である。これは、図1において、分散相と連続相を交換した態様である。

【0021】
本発明の第6の態様において、上記の第5の態様の微小液滴の製造装置は、複数の微小液滴の生成部が、前記分散相に対して両側から連続相が合流する。これは、図3において、分散相と連続相を交換した態様である。

【0022】
本発明の第7の態様において、上記の第5の態様の微小液滴の製造装置は、微細流路構造体保持用ホルダーが、前記微細流路基板の下部に配置される、分散相のホルダーへの導入口を備えた第3部品と、連続相のホルダーへの導入口を備え、且つ前記第3部品と組み合わせることで分散相を微細流路基板に供給するための円環状または多角環状流路を形成する第2部品と、生成液滴のホルダーからの排出口を備え、且つ前記第2部品と組み合わせることで連続相を微細流路基板に供給するための円環状または多角環状流路を形成し、且つ中央に微小液滴の微細流路基板からの排出口を有する円筒を備える第1部品を具備する。これは、図4および図5(a)~図5(c)において、分散相と連続相を交換した態様である。

【0023】
本発明の第8の態様において、上記の第1の態様の微小液滴の製造装置は、N=3であり、かつ第1の液体が連続相であり、第2の液体が第1分散相、第3の液体が第2分散相であり、生成液滴が第1分散相と第2分散相から構成される。

【0024】
本発明の第9の態様において、上記の第8の態様の微小液滴の製造装置は、M=2であり、生成液滴が、第1分散相を最内相、第2分散相を中間相とするダブルエマルションである。図6は、本発明の第9の態様の1例を示す微小液滴の製造装置の微細流路構造体(チップ)の上面図である。

【0025】
本発明の第10の態様において、上記の第9の態様の微小液滴の製造装置は、複数の最内相液滴の生成部(第2微小液滴生成部)が、前記中間相に対して両側から最内相が交互に合流し、前記複数の中間相液滴の生成部(第1微小液滴生成部)は、最内相液滴を含む中間相に対して両側から連続相が合流する。図7は、この態様における微小液滴生成の模式図を示す。

【0026】
本発明の第11の態様において、上記の第8の態様の微小液滴の製造装置は、M=2であり、生成液滴が、第1分散相を中間相、第2分散相を最内相とするダブルエマルションである。これは、図6において、第1分散相、第2分散相の位置を交換した場合にあたる。

【0027】
本発明の第12の態様において、上記の第11の態様の微小液滴の製造装置は、複数の最内相液滴の生成部(第2微小液滴生成部)が、前記最内相に対して両側から中間相が合流し、前記複数の中間相液滴の生成部(第1微小液滴生成部)は、前記最内相液滴を含む中間相に対して両側から連続相が合流する。

【0028】
本発明の第13の態様において、上記の第8~12の態様の微小液滴の製造装置は、微細流路構造体保持用ホルダーが、前記微細流路基板の下部に配置される、第2分散相のホルダーへの導入口を備えた第4部品;第1分散相のホルダーへの導入口を備え、且つ前記第4部品と組み合わせることで第2分散相を微細流路基板に供給するための円環状または多角環状流路を形成する第3部品;連続相のホルダーへの導入口を備え、且つ前記第3部品と組み合わせることで第1分散相を微細流路基板に供給するための円環状または多角環状流路を形成する第2部品;ならびに生成液滴のホルダーからの排出口を備え、且つ前記第2部品と組み合わせることで連続相を微細流路基板に供給するための円環状または多角環状流路を形成し、且つ中央に微小液滴の微細流路基板からの排出口を有する円筒または多角筒を備える第1部品、を具備する。

【0029】
本発明の第14の態様において、上記の第1の態様の微小液滴の製造装置は、N=4であり、且つ第1の液体が連続相であり、第2の液体が第1分散相、第3の液体が第2分散相、第4の液体が第3分散相であり、生成液滴が第1分散相、第2分散相、および第3分散相の三相から構成される。

【0030】
本発明の第15の態様において、上記の第14の態様の微小液滴の製造装置は、M=3であり、生成液滴が第1分散相を第1中間相(連続相と接する相)、第2分散相を第2中間相(第1中間相の内側に位置する相)、第3分散相を最内相とするトリプルエマルションである。図8は、本発明の第15の態様の1例を示す微小液滴の製造装置の微細流路構造体(チップ)の上面図である。

【0031】
本発明の第16の態様において、上記の第15の態様の微小液滴の製造装置は、複数の最内相液滴の生成部(第3微小液滴生成部)は、最内相に対して両側から第2中間相が合流し、複数の第2中間相液滴の生成部(第2微小液滴生成部)は、前記最内相液滴を含む第2中間相に対して両側から第1中間相が合流し、前記複数の第1中間相液滴の生成部(第1微小液滴生成部)は、前記最内相液滴を含む第2中間相液滴を内包する第1中間相に対して両側から連続相が合流する。

【0032】
本発明の第17の態様において、上記の第14の態様の微小液滴の製造装置は、M=3であり、生成液滴が第1分散相を第1中間相、第2分散相を最内相、および第3分散相を第2中間相とするトリプルエマルションである。図8は、本発明の第17の態様の1例を示す微小液滴の製造装置の微細流路構造体(チップ)の上面図でもある。

【0033】
本発明の第18の態様において、上記の第17の態様の微小液滴の製造装置は、複数の最内相液滴の生成部(第3微小液滴生成部)が、第2中間相に対して両側から交互に最内相が合流し、複数の第2中間相液滴の生成部(第2微小液滴生成部)は、前記最内相液滴を含む第2中間相に対して両側から第1中間相が合流し、前記複数の第1中間相液滴の生成部(第1微小液滴生成部)は、前記最内相液滴を含む第2中間相液滴を内包する第1中間相に対して両側から連続相が合流する。

【0034】
本発明の第19の態様において、上記の第14~18の態様の微小液滴の製造装置は、微細流路構造体保持用ホルダーが、前記微細流路基板の下部に配置される、第3分散相のホルダーへの導入口を備えた第5部品;第2分散相のホルダーへの導入口を備え、且つ前記第5部品と組み合わせることで第3分散相を微細流路基板に供給するための円環状または多角環状流路を形成する第4部品;第1分散相のホルダーへの導入口を備え、且つ前記第4部品と組み合わせることで第2分散相を微細流路基板に供給するための円環状または多角環状流路を形成する第3部品;連続相のホルダーへの導入口を備え、且つ前記第3部品と組み合わせることで第1分散相を微細流路基板に供給するための円環状または多角環状流路を形成する第2部品;ならびに生成液滴のホルダーからの排出口を備え、且つ前記第2部品と組み合わせることで連続相を微細流路基板に供給するための円環状または多角環状流路を形成し、且つ中央に微小液滴の微細流路基板からの排出口を有する円筒または多角筒を備える第1部品、を具備する。

【0035】
本発明の第20の態様において、微細流路を用いた微小液滴の製造装置は、該装置が微細流路基板と微細流路基板保持用ホルダーを備え、微細流路基板が、一列に形成される微小液滴の複数の排出口と、この微小液滴の排出口に微細流路によって接続され、この微小液滴の排出口に平行に一列に複数配置される微小液滴生成部と、前記微小液滴の排出口に平行に一列に配置される第1の液体の複数の導入口と、さらにその外側に同様に配置される第2の液体の複数の導入口と、前記複数の微小液滴の生成部に前記第1および第2の液体を供給する微細流路を有する。一方、微細流路基板保持用ホルダーが、該微小液滴の排出口の列ならびに該第1および第2の液体の導入口の列に対応するスリット部を形成してなり、微小液滴の排出口を有する排出層、ならびに第1および第2の液体の各導入口を有する第1液体導入層および第2液体導入層が、第1および第2の液体を微細流路基板の各液体の導入口に均等に流量配分するように階層構造を有する。この態様においては、微細流路基板と微細流路基板保持用ホルダーは、円周型ではなく、行列型の配置を有するが、円周型と同様な利点を有する。すなわち、微細流路基板の各流路に基板外部から分散相および連続相を供給するための複数の導入口(液体供給口)に対応して、微細流路基板保持用ホルダーにも複数の液体供給流路を設ける必要はない。上記スリット部は、後述するように上記排出口および液体の導入口に接続するように対応して設けられる。後述する図13は、このようなスリット部の例(各スリット部は独立している。)を示すが、たとえば2つのスリット部10および11が端で結合したコの字型等とすることもできる。

【0036】
本発明の微小液滴の製造装置の微細流路構造体(チップ)を、前述の図1により、さらに詳しく説明すると、その微細流路チップには、微小液滴の排出口3を中心として、最も外側に36箇所の連続相液体の導入口を、その内側に72箇所の分散相液体の導入口を、微小液滴の排出口を中心とした同心円上の位置にそれぞれ配置し、連続相液体および分散相液体の分岐流路と、微小液滴が生成される72箇所の十字流路(すなわち144箇所のT字路)からなる微小液滴生成部を最も内側に形成して、微細流路構造体が構成されている。すなわち、周縁部から連続相液体と分散相液体とを十字に交差させて、72箇所の十字路(144箇所のT字路)で微小液滴を生成し、その生成された微小液滴は、中心の微小液滴の排出口に導かれ、排出されることになる。

【0037】
次に、本発明の1つの実施例を示す、微細流路を用いた微小液滴の製造装置の、微細流路構造体保持用ホルダーの多重管構造について、前述の図4および図5(a)~図5(c)とともにさらに詳しく説明する。ここでは、窓付カバー4および微細流路基板5の位置合わせ部品6の下部に、微細流路基板の中心に位置する微小液滴の排出口3を中心軸として、排出口7を有する排出層である第1部品7’が設けられ、その排出層7’の円管状の壁を隔てたその外側に分散相供給用の円環状流路を有する分散相1(第1の液体)導入層である第2部品1’が設けられ、さらにその円環状の壁を隔てたその外側に、連続相供給用の円環状流路を有する連続相2(第2の液体)導入層である第3部品2’が設けられるように配置された多重管構造を、複数の円筒部品を互いにはめ合わせる形で設けている。図5(b)に示す手順で部品を組み合わせた状態(図4、ならびに位置合わせ部品6、微細流路構造体(チップ)5および窓付きカバー4をセットする直前の状態を示す図5(c))では、分散相1の液体および連続相2の液体の供給部品の中心に位置する円筒の内壁と、その円筒の内側に位置し、下層部品から伸びている円筒の外壁の間には、円環状のすきまが生じるように設計されており、図4および図5(c)に示されるように上記すきまに形成された分散相流路Iおよび連続相流路IIによって分散相液体あるいは連続相液体が通れるようになっている。分散相液体が流れる円環状流路である分散相流路I、および連続相液体が流れる円環状流路である連続相流路IIは微細流路基板まで達し、微細流路基板上の異なる同心円状に設けられた、分散相液体あるいは連続相液体の導入口に接続するように構成されている。

【0038】
このような多重管構造により、微細流路構造体保持用ホルダーに微細穴加工を多数施すことなく、微細流路基板上の分散相液体導入口あるいは連続相液体導入口に、それぞれ均等に流量を分配することが可能となる。これにより、より容易かつ低コストに微小液滴製造装置を提供することができる。また、微細流路基板上の液体導入口は、微細流路基板保持用ホルダーの円環状流路に位置が合うよう配置されていれば良く、微細流路基板上の液体導入口の個数は問わない。すなわち、液体導入口が配置されている円とホルダーの円環流路の位置が合えば、1つのホルダーを異なる流路形状および異なる液体導入口個数を有するさまざまな微細流路基板に使用することができ、汎用性の大幅な向上が見込まれる。

【0039】
つぎに、図11~13とともに、本発明の第20の態様について、さらに詳細に説明する。図11は、この微細流路構造体(チップ)および微細流路御構造体保持用ホルダーの上面図(a)および側面図(b)を示し、図12は、その微細流路構造体(チップ)の1例を示す上面図、図13は、その微細流路御構造体保持用ホルダーの1例を示す上面ずである。

【0040】
図11(b)に示されるように、窓付カバー4および微細流路基板5の位置合わせ部品6の下部に、微細流路基板の中心に位置する微小液滴の排出口を中心軸として、排出口7を有する排出層7’、その排出層7’の上の分散相(第1の液体)1の導入層1’、そしてその上に連続相(第2の液体)2の導入層2’が設けられるように配置されている。図11(b)において、8および9は、それぞれ第1および第2の液体の導入口を示す。図11(a)および図13に示されるように、微細流路基板保持用ホルダーは、図11(b)および図12における、該微小液滴の排出口7の列ならびに該第1および第2の液体の導入口8および9の列に対応するスリット部を形成してなり、上記のように、微小液滴の排出口を有する排出層7’、ならびに第1および第2の液体の各導入口を有する第1導入層および第2液体導入層1’および2’が、第1および第2の液体を微細流路基板の各液体の導入口に均等に流量配分するように階層構造を有する。図13において、10~12は、それぞれ排出口7、第1液体の導入口8、および第2の液体の導入口9および排出口7に対応するスリット部を示す。

【0041】
本発明において、微細流路の分岐構造としては、特に制限されないが、好適には十字路、T字路もしくはY字路から選ばれる。微細流路の大きさは、目的に応じて決定しうるが、通常0.1~1000μm程度、好ましくは10~500μm程度から選ばれる。微細流路を形成する材料の材質は、たとえばプラスチック、セラミック、金属等のいずれでもよく、たとえば微細流路の壁面を疎水性とする場合にはアクリル樹脂、シリコーン樹脂等が好適であり、一方、親水性にする場合には石英ガラス、シリコン、ホウケイ酸ガラス(たとえば「パイレックス」(商標))等が好適である。微細流路を形成する材料の形状、大きさは目的とする用途等により適宜選定し得、たとえば、加工した流路を有する板状体(たとえば~数センチ角)が挙げられる。

【0042】
本発明方法において、連続相を形成する液体は、有機化合物または水であり、一方分散相を形成する液体は、硬化性液体である。有機化合物としては、有機相としては、特に制限されないが、好適にはデカン、オクタン等のアルカン類、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、トルエン等の芳香族炭化水素類、オレイン酸等の脂肪酸類等が挙げられる。

【0043】
硬化性液体としては、熱または光等で硬化し得る液体であれば特に制限されない。たとえば、公知の重合性モノマー、オリゴマーまたはポリマーが挙げられ、好適には後述するようなアクリレート系モノマー、スチレン系モノマー、等が挙げられる。第1分散相と第2分散相等の複数の分散相を用いる場合には、後述するように相異なる着色剤を含有し、それらの分散相を構成する硬化性液体は、同一であっても異なっていてもよい。

【0044】
分散相および連続相の組み合わせは、通常O/W、O/O型、W/O型とすることができる。流路中で、分散相は層流で連続相と合流し、順次球状の微小液滴に変形され、同時または時間差で微小液滴が硬化されて微粒子が形成される。

【0045】
分散相および連続相の流速は、その種類等にもよるが、通常1μm~1000mL/時間程度から選ばれる。

【0046】
本発明における分散相は、たとえば第1分散相および第2分散相として、2色に色相を分相させることができ、たとえば一方に、または両方に異なる着色剤が添加され、必要に応じて帯電または帯磁のための添加剤を用い得る。着色剤としては、無彩色の白および黒、又は有彩色の赤、青、緑、紫、黄等から選ばれる、2色の分相色相を挙げることができる。このような色相を形成させる染顔料としては、特に制限されず、油溶性等の各種染料、または各種の無機・有機顔料等を使用することができる。これらの染料及び顔料は、硬化性成分への分散性、得られる2色性微粒子の用途で所望する色調等に応じて適宜選んで使用することができる。着色剤は、一方の分散相のみに使用することもできる。

【0047】
これら着色剤としての染顔料の添加量は、特に限定されるものではないが、通常、硬化成分100重量部当たり、0.1~10重量部程度の範囲で適宜使用される。

【0048】
また、本発明において、この2色に分相させた硬化性成分に、帯電付与剤を用いて、互いに異なる正負に帯電する成分で形成させることができる。あるいは、重合性モノマーとして、その官能基又は置換基の種類によって、既に上述する本発明における帯電性は、それぞれ(-)帯電性と(+)帯電性を示す傾向にあるモノマー種を挙げることができる。たとえば、(-)帯電性の傾向にある重合性モノマーとして、(メタ)アクリル酸フェニル等の(メタ)アクリル酸アリールエステル類、(メタ)アクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有重合性化合物類、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシエチル等のヒドロキシ基含有重合性化合物類、メチルスチレン等のスチレン系モノマー、等が挙げられる。一方、(+)帯電性の傾向にある重合性モノマーとして、例えば、メタクリルアミド等のアミド基含有ビニル単量体類等が挙げられる。

【0049】
また、本発明においては、磁性体粉を分散させることにより、2色相に分相させた微小液滴を、互いに異なる正負に帯磁させることができる。

【0050】
本発明方法により得られる微小液滴は、熱、UV等の光、等により硬化させて微粒子を得ることができる。
本発明において、UV照射下に重合硬化させる場合には、アセトフェノン類等の光重合開始剤を使用することができ、加熱下に重合硬化させる場合、有機パーオキサイド類等の熱分解型の重合開始剤も使用することができる。
【実施例】
【0051】
以下に、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(具体例1)
図1に示すような微細流路チップを、ガラス基板(合成石英)への加工により作製した。ドライエッチングにより基板上に矩形断面を有する微細溝(幅100μm、深さは全域100μm)を加工し、15mm×15mmに切断した。液体供給口(直径0.25mm、108箇所)および排出口(直径4.5mm、1箇所)用に貫通穴加工をほどこした同一面積の別基板と熱溶着による貼り合わせを行い、微細流路チップを形成した。これを機械加工によって作製したステンレス(SUS 304)製のホルダーに図4のようにセットして用いた。分散相として1、6ヘキサンジオールジアクリレート(新中村化学工業)を、連続相としてポリビニルアルコール(日本合成化学製GL-03)2%水溶液を用いた。送液にはシリンジポンプ(KDScientific社、KDS200)を分散相、連続相にそれぞれ1台ずつ用いた。分散相の流量を180mL/hr、連続相の流量を270mL/hrとして送液を行ったところ、チップ内部の72箇所の十字路(144箇所のT字路)全てにおいて均一なサイズの液滴が規則正しい時間周期で連続生成される様子を図9のように観察することができた。得られた液滴の平均径は95.4μm、変動係数は1.3%であった。
(具体例2)
分散相の流量を144mL/hrとする以外は具体例1と同様に行ったところ、同様に全ての流路において均一なサイズの液滴が規則正しい時間周期で連続生成される様子を確認することができた(図10)。得られた液滴の平均径は95.2μm、変動係数は1.7%であった。
(具体例3)
具体例1と同様にして、図14に示すような微細流路チップを形成し、これを機械加工によって作製したステンレス(SUS 304)製のホルダーに図15に示すようにセットして用い、2色液滴を生成するT字路(幅、深さともに100μm)を40個配置した。図14において、10は微細流路チップ、11~20は連続相液体の送出口、61~70は送出口11~20から送出される連続相液体の分岐部、111~130は分岐部61~70で分岐される分岐される連続相液体の微細流路を示す。21~40は第2分散相液体の送出口、71~90は送出口21~40から送出される第2分散相液体の分岐部、41~60は第1分散相液体の送出口、91~110は送出口41~60から送出される第1分散相液体の分岐部を示し、第2分散相液体の分岐部71~90および第1分散相液体の分岐部91~110においては、分岐される第2分散相液体の微細流路、分岐される第1分散相液体の微細流路が、連続相液体の微細流路111~130と同様にそれぞれ分岐して形成される。
第2分散相としてアクリルモノマー(赤色に着色)、第1分散相としてシリコンオイル(無色)および連続相としてSDS(ドデシル硫酸ナトリウム)0.3wt%水溶液を用いた。第1分散相および第2分散相の流量を10mL/hr、連続相の流量を40mL/hrとして送液を行ったところ、チップ内部の40箇所のT字路全てにおいて均一なサイズの2色液滴が規則正しい時間周期で連続生成されることが観察された(図16および17)。図16および17は、それぞれ図14のA部およびB部の拡大図である。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明によれば、微小液滴をより低コストで、効率的に、しかも大量生産することができる微細流路を用いた微小液滴、およびこれから得られる微粒子、の製造装置を提供し得る。
【符号の説明】
【0053】
1 分散相
2 連続相
3 排出口
4 窓付カバー
5 微細流路基板
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5(a)】
4
【図5(b)】
5
【図5(c)】
6
【図6】
7
【図7】
8
【図8】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
12
【図14】
13
【図15】
14
【図9】
15
【図10】
16
【図16】
17
【図17】
18