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明細書 :セリウム酸化物と銅とを含む触媒、およびその製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2015-208692 (P2015-208692A)
公開日 平成27年11月24日(2015.11.24)
発明の名称または考案の名称 セリウム酸化物と銅とを含む触媒、およびその製造方法
国際特許分類 B01J  23/76        (2006.01)
B01D  53/94        (2006.01)
B01J  37/03        (2006.01)
B01J  37/06        (2006.01)
B01J  37/08        (2006.01)
B01J  37/02        (2006.01)
FI B01J 23/76 ZABA
B01D 53/36 104Z
B01J 37/03 B
B01J 37/06
B01J 37/08
B01J 37/02 101C
請求項の数または発明の数 5
出願形態 OL
全頁数 10
出願番号 特願2014-089736 (P2014-089736)
出願日 平成26年4月24日(2014.4.24)
発明者または考案者 【氏名】羽田 政明
【氏名】服部 将朋
【氏名】小澤 正邦
出願人 【識別番号】304021277
【氏名又は名称】国立大学法人 名古屋工業大学
審査請求 未請求
テーマコード 4D048
4G169
Fターム 4D048AA13
4D048AB01
4D048BA08X
4D048BA19X
4D048BA35X
4D048BA41X
4D048BA42X
4D048BB01
4D048DA03
4D048DA06
4D048DA11
4D048EA04
4G169AA03
4G169AA08
4G169AA09
4G169BA47C
4G169BB04A
4G169BB04B
4G169BB06B
4G169BC31A
4G169BC31B
4G169BC43A
4G169BC43B
4G169BC51A
4G169BC51B
4G169CA07
4G169CA14
4G169EA02X
4G169EA02Y
4G169FA01
4G169FA02
4G169FB09
4G169FB14
4G169FB27
4G169FB29
4G169FB57
4G169FC03
4G169FC08
要約 【課題】セリウム酸化物、あるいはセリウム‐ジルコニウム複合酸化物において浄化活性の高い触媒、およびその製造方法を提供することである。
【解決手段】少なくとも酸化セリウムを含む酸化物であり、当該酸化物の表面に銅微粒子が分散担持された触媒であり、好ましくは、前記酸化物がさらに酸化ジルコニウムを含む触媒。
少なくともセリウム塩を含む水溶液にアルカリ性の沈殿剤を加え、得られる沈殿物を含む水溶液の溶媒を除去して洗浄したのち、乾燥、熱処理を行って得られた粉末に銅塩を含む水溶液を添加して銅を添加させた酸化セリウムを含む触媒の製造方法。
【選択図】 図3
特許請求の範囲 【請求項1】
少なくとも酸化セリウムを含む酸化物であり、当該酸化物の表面に銅微粒子が分散担持された触媒。
【請求項2】
前記酸化物がさらに酸化ジルコニウムを含む、請求項1に記載の触媒。
【請求項3】
酸化セリウムと酸化ジルコニウムが、モル比で100:0~30:70である請求項1または2に記載の触媒。
【請求項4】
銅の担持量が前記酸化物に対して0.04~10質量%である、請求項1~3のいずれかに記載の触媒。
【請求項5】
少なくともセリウム塩を含む水溶液にアルカリ性の沈殿剤を加え、得られる沈殿物を含む水溶液の溶媒を除去して洗浄したのち、乾燥、熱処理を行って得られた粉末に銅塩を含む水溶液を添加して銅を添加させた酸化セリウムを含む触媒の製造方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
この発明は、触媒に利用されるセリウム酸化物と銅とを含む複合材料に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車から排出される排ガスには主に一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)が含まれており、これら成分を触媒により無害化することは重要である。ガソリン車の前記排ガスの浄化触媒である三元触媒に用いられる物質が酸素ストレージ能を有することは、触媒の酸化還元性能を高めるだけではなく、前記汚染物質を全て浄化させることのできる空気燃料費(A/F)のウィンドウ幅を広げることができる。酸化セリウム(CeO)は担持された触媒活性種の凝集を抑制するだけではなく、Ce原子の価数を変化させることにより自身の酸素を吸収/放出することができるため、三元触媒に広く用いられ、様々な研究が行われている。また、酸化セリウムにジルコニウムを固溶させることにより酸素ストレージ能が向上する。
【0003】
三元触媒の触媒活性種として主にPt、Rh、Pdなどの貴金属が用いられているが、近年、世界的な需要の高まりにより価格が高騰しているため、非貴金属などの安価な材料を触媒活性種として利用する触媒が研究されている。銅はCOの酸化に対し高い活性を有しており、燃料電池用の水素ガス中のCoの酸化除去触媒として提案されている。また,銅は酸化セリウムとの強い相互作用によりその活性を高めるとされ、セリウム‐ジルコニウム複合酸化物に銅を担持した触媒のCO酸化除去に関する研究が多く行われている。
【0004】
貴金属より安価な非貴金属を触媒活性種として用いる場合、単位質量当たりの活性が低いため、多量に担持することが多い。例えば、バーミキュライト(Expanded vermiculite)担体に26重量%の銅を担持した一酸化炭素選択触媒の活性およびその製造方法が記載されている(特許文献1参照)。しかし、担体表面に触媒活性種が多量に担持された触媒が高温に曝されると、一般に触媒活性種がシンタリングして比表面積が小さくなり、活性が低下する。また、これに関連して、担持した触媒活性種の粒径が10nm以下のナノメートルサイズの粒子(ナノ粒子)が金属酸化物担体に担持された触媒が高い触媒活性を示すことが知られており、微細金属ナノ粒子が金属酸化物担体表面上に高分散した触媒開発が必要とされ、例えば、超臨界逆溶媒沈殿法により作製した酸化セリウム及びセリウム‐ジルコニウム複合酸化物担持銅触媒のCO酸化除去に関し、高い活性を有することが記載されている(非特許文献1参照)。しかし、商業ベースにするには、触媒性能面とともに、製造の容易さやコストなども考慮に入れる必要がある。
【先行技術文献】
【0005】

【特許文献1】特開2009-101257
【0006】

【非特許文献1】JOURNAL OF RARE EARTHS, Vol. 31, No. 2, 2013
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明の課題は、セリウム‐ジルコニウム複合酸化物において浄化活性の高い触媒、およびその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、鋭意努力した結果、少なくともセリウム酸化物と銅とを組み合わせることにより、少ない銅量でも、高い浄化活性を有する複合材の触媒が得られることを見出した。すなわち、本発明によれば、以下の複合材料およびその製造方法が提供される。
【0009】
・ 少なくとも酸化セリウムを含む酸化物であり、当該酸化物の表面に銅微粒子が分散担持された触媒。
【0010】
・ 前記酸化物がさらに酸化ジルコニウムを含む、前記[1]に記載の触媒。
【0011】
・ 酸化セリウムと酸化ジルコニウムが、モル比で100:0~30:70である前記[1]または[2]に記載の触媒。
【0012】
・ 銅の担持量が前記酸化物に対して0.04~10質量%である、前記[1]~[3]のいずれかに記載の触媒。
【0013】
[5]少なくともセリウム塩を含む水溶液にアルカリ性の沈殿剤を加え、得られる沈殿物を含む水溶液の溶媒を除去して洗浄したのち、乾燥、熱処理を行って得られた粉末に銅塩を含む水溶液を添加して銅を添加させた酸化セリウムを含む触媒の製造方法。

【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明により作製した複合酸化物のXRD測定の結果を示す図である。
【図2】本発明により作製した複合酸化物のラマン分光測定の結果を示す図である。
【図3】本発明により作製した複合酸化物のTEM観察の結果を示す図である。
【図4】比較例1により作製した複合酸化物のTEM観察の結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、変更、修正、改良を加え得るものである。

【0016】
本発明の酸化物セラミクス材料は、担体としてセリウム酸化物と,触媒活性種として銅を必須成分として含み、ジルコニウム酸化物を任意成分として含むが、酸化セリウムと酸化ジルコニウムとの複合酸化物であることが好ましい。酸化ジルコニウムは、酸化セリウムの酸素吸収放出量を多くし、複合酸化物の耐熱性を向上する。ただし、酸素ストレージ能を発現するのはCeであり、Zrをあまり多く添加すると複合酸化物の酸素吸収放出量が小さくなる。セリウム酸化物とジルコニウム酸化物の含有割合は、これらの合計を100モル%とすると、酸化セリウムの含有割合は100モル%~30モル%であり、酸化ジルコニウムの含有割合は0モル%~70モル%である。特に、酸化セリウム:酸化ジルコニウムが70:30~30:70モル%(原子%比率はモル%比率と同じ)が好ましく、特に低温における優れた酸素吸収放出能を高度に両立することが可能である。さらにセリウム酸化物とジルコニウム酸化物は固溶体を形成することが好ましい。

【0017】
Cuを前記酸化物に担持する場合、担持量が多いと担体表面上に凝集する。触媒反応は触媒表面において起こるため、Cuが微粒子状態で高分散であることが好ましい。一方、担持量が少ないと十分な活性が得られない。よって、担体であるセリウム‐ジルコニウム複合酸化物に対するCu量は0.04~10.0質量%とする。なお、Cuの粒子径は1nm~20nmが好ましい。

【実施例】
【0018】
以下、この発明を更に説明するために実施例を示すが、この発明は実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0019】
本発明の複合酸化物は、ホタル石型結晶構造またはホタル石型類似結晶構造を有する。結晶構造の確認、格子定数の測定はX線回折装置(リガク、MiniFlexII)により、以下の条件で行う。結晶構造については、顕微ラマン分光装置(レニショー、inVia)も用いて評価した。
(XRD測定条件)
ターゲット:銅、管電圧:30kV、管電流:15mA、発散スリット:1.25°、散乱スリット:1.25°、受光スリット:0.3mm、操作モード:連続、スキャンステップ:0.02°、サンプリング時間:1.0秒。
【実施例】
【0020】
高度な固溶状態にあるセリウム‐ジルコニウム複合酸化物は高い酸素ストレージ能を示す。本発明の複合酸化物において、格子定数の理論値と実測値の比(実測値/理論値)を算出することにより、固溶状態を評価した。理論値は、それぞれの酸化物単体の格子定数の理論値と含有率から求めた。実測値は、上記条件で測定した(311)面の回折ピーク(2θ=58°付近)の角度より算出した値を用いた。本発明の複合酸化物は、格子定数の理論値に対する実測値の比(実測値/理論値)がほぼ1であり、理論的に酸化セリウムのホタル石型結晶構造にジルコニウムが固溶している。固溶状態が高い場合、構造中に歪が少ないため、酸素の吸蔵・放出時にスムーズに出入りすることが可能となり、特に低温時に酸素が移動しやすくなると考えられる。
【実施例】
【0021】
本発明の複合酸化物は、大気雰囲気下、800℃、3時間焼成後の比表面積が2.7m2/g以上、特に担体としてセリウム-ジルコニウム複合酸化物を用いた場合は31m2/g以上であるという特性を有する。800℃、3時間焼成後の比表面積及び粒子形態は、複合酸化物の耐熱性を表す指標となる。担体にセリウム‐ジルコニウム複合酸化物を用いた場合、上述の通り高度な固溶状態にあり、かつ酸化セリウム単体を担体として用いた場合と比較して、10倍以上の比表面積を有しており、低温における優れた酸素ストレージ能と耐熱性の双方を備える。本発明において比表面積は、ASAP2000(Micromeritics社製)で窒素ガスを用い、N脱着法で測定できる。また、(111)面の回折ピークからScherrer式を用いて結晶子径の算出を、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて粒子形態の観察を行った。
【実施例】
【0022】
本発明の複合酸化物は、400℃において、担体に酸化セリウムを用いた場合は62μmol/g、セリウム‐ジルコニウム複合酸化物を用いた場合は359μmol/g以上の酸素吸蔵量を示す。本発明において複合酸化物の酸素吸蔵量は、ガス吸着装置を用いて、以下の方法により測定した。まず、5%の水素を含んだアルゴンガスをフローさせながら、複合酸化物の試料100mgを40分かけて400℃まで昇温し、20分間保持することで試料を還元する。その後はアルゴンガスをフローさせながら計測が終わるまで400℃に保持する。次いで、計量管にて正確に秤量した酸素をサンプル管にパルスで導入し、試料を酸化する。試料通過後にTCD検出器にて検出される酸素のパルスの積分強度が一定となり、濃度に変化がなくなるまでこの操作を続ける。この際、初期のいくつかのパルスにおける強度の減少量を酸素吸収量として積算し,400℃における酸素吸蔵量(μmol/g)とする。
【実施例】
【0023】
また、本発明において複合酸化物のCO酸化活性は以下の方法により測定した。まず、酸素ガスをフローさせながら、複合酸化物の試料50mgを400℃まで27分かけて昇温し、15分間保持することで試料を酸化する。その後、15分間ヘリウムガスをフローして十分に置換する。さらにヘリウムガスをフローさせながら室温まで降温する。次いで、0.5%の一酸化炭素と1.0%の酸素を含むヘリウムガスをパルスで導入させながら400℃まで200分かけて昇温し、ガスクロマトグラフにおける一酸化炭素に起因するピークの面積値の減少量からガス中の一酸化炭素の転化率を求める。
【実施例】
【0024】
本発明のセリウム‐ジルコニウム複合酸化物は、以下に示す湿式で調製した沈殿物を焼成する工程(a)~(c)を含む方法で製造することができる。
ジルコニウム水溶液とセリウム水溶液とを混合して混合水溶液とし、撹拌保持する工程(a)、撹拌保持した混合水溶液に沈殿剤を混合し、沈殿物を得る工程(b)、及び得られた沈殿物を酸化雰囲気にて焼成する工程(c)を含む製造方法である。工程(a)において撹拌保持は1時間行うことが好ましく、CeとZrの含有量はそれらの合計量が0.1mol/Lとすることが好ましい。工程(b)の沈殿物を得る工程に用いるアルカリ性水溶液はアンモニウム水溶液を用いることが好ましいく、アルカリ性水溶液は、ジルコニウムイオン、セリウムイオンを中和、沈殿するに必要な理論量の2~3倍のアルカリを含有することが好ましい。生成する沈殿物の回収はろ過することにより行うことができる。回収の際、沈殿物は洗浄することが好ましい。
【実施例】
【0025】
本発明においてセリウム‐ジルコニウム複合酸化物に銅を担持する場合は、以下に示す含浸法を用いて調製した複合酸化物粉末を焼成する工程(e)~(g)を含む方法で製造することが出来る。銅水溶液を調製する工程(e),上記で作製したセリウム-ジルコニウム複合酸化物に含浸する工程(f)、及び得られた酸化物を酸化雰囲気にて焼成する工程(g)を含む方法である。工程(e)において銅水溶液の調製に用いる水はできるだけ少ないほうが好ましい(2.9g/L以上)。工程(f)において銅水溶液をセリウム-ジルコニウム複合酸化物に含浸する際は、工程(c)により得られた酸化物粉末を10分以上粉砕し、含浸操作では5分以上撹拌操作を行うことが好ましい。工程(c)および(g)における焼成は、酸化雰囲気下で行うことができる。焼成条件は、例えば、沈殿物を100℃以上120℃以下の温度で12時間以上乾燥させ,次いで500℃以上600℃以下の温度で3時間以上5時間以下の条件で第1焼成工程と、800℃以上1000℃以下の温度で3時間以上5時間以下の条件で第2焼成工程とを含む2段階焼成が好ましい。
【実施例】
【0026】
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明する。
(実施例1)
原料として硝酸ジルコニルおよび硝酸アンモニウムセリウムを用い、セリウムの含有割合が100原子%,70原子%,50原子%及び30原子%、また、それぞれの場合のジルコニウムの含有割合が0原子%,30原子%,50原子%,70原子%となるように原子換算で0.1mol/Lの水溶液を調整した。水溶液1Lと撹拌子を入れたビーカーに入れ、1時間撹拌保持した。そして25質量%のアンモニア水溶液を添加した。その後、得られた沈殿物を濾過、洗浄を繰り返し行った。得られた沈殿物を大気雰囲気下にて120℃、24時間乾燥後、600℃、3時間焼成、再度、大気雰囲気下にて800℃、3時間焼成し、酸化セリウムおよびセリウム‐ジルコニウム複合酸化物を得た。また、得られた複合酸化物を粉砕し、ごく少量の蒸留水に硝酸銅を酸化セリウムまたはセリウム‐ジルコニウム複合酸化物に対し0.04~10wt%(銅/セリウム‐ジルコニウム複合酸化物の重量比)となるように溶解させ、含浸操作を行った。得られた酸化セリウム担持銅触媒について、前述した方法により、XRD、ラマン分光測定、比表面積、TEM、600℃における酸素吸蔵量、一酸化炭素の酸化活性をそれぞれ測定した。得られた複合酸化物はCaF2構造相として指数付できる結晶相を有し、担体に酸化セリウムを用いた場合は2価の銅に由来するピークも含んでいた。担体にセリウム‐ジルコニウム複合酸化物を用いた場合の格子定数の理論値に対する(311)面の格子定数の実測値の比(実測値/理論値)はどれもほぼ1であり、高い固溶状態にあると考えられる。また、電子顕微鏡観察により、担体であるセリウム‐ジルコニウム複合酸化物との強い相互作用によりドーム状となった数nm程度の酸化銅粒子がセリウム-ジルコニウム複合酸化物粒子上に担持されていることがわかった。
【実施例】
【0027】
大気雰囲気下、800℃、3時間焼成後の粉末の比表面積は、セリウムの含有割合が100原子%、70原子%,50原子%及び30原子%のものでそれぞれ2.7m/g、31m/g、34m/g、37m/gであった。また、400℃における酸素吸蔵量はそれぞれ62μmol/g、359μmol/g、421μmol/g、336μmol/gであった。
1質量%の銅を添加したセリウム‐ジルコニウム複合酸化物の一酸化炭素の酸化反応において、一酸化炭素が20%、50%、および80%転化される温度(T20、T50、T80)を表1に示す。セリウム原子とジルコニウム原子の含有割合が70原子%と30原子%である場合に最も高い活性を示し、T20、T50、T80はそれぞれ63℃、81℃、100℃であった。
【実施例】
【0028】
【表1】
JP2015208692A_000003t.gif
【実施例】
【0029】
最も活性の高いセリウム原子とジルコニウム原子の含有割合が70原子%と30原子%である担体を用い、銅の添加量を0.04質量%から10質量%とした場合の一酸化炭素の酸化活性を表2に示す。1質量%、5質量%および10質量%の銅を添加した場合に優れた活性を示すが、上述の理由より添加量が少ないほうが好ましく、よって、1質量%の銅を添加した複合酸化物が最も好ましい結果となった。
【実施例】
【0030】
【表2】
JP2015208692A_000004t.gif
【実施例】
【0031】
(比較例1)
セリウム原子とジルコニウム原子の含有割合が70原子%と30原子%となるように乳鉢で酸化セリウムと酸化ジルコニウムを単に物理的に混合し、600℃、3時間焼成、再度、大気雰囲気下にて800℃、3時間焼成した。また、得られた複合酸化物を粉砕し、ごく少量の蒸留水に硝酸銅をセリウム‐ジルコニウム複合酸化物に対し1wt%となるように溶解させ、含浸操作を行った。得られた酸化物について、前述した方法によりTEM観察(図1参照)、一酸化炭素の酸化活性をそれぞれ測定した。その結果、酸化セリウム粒子上のみではなく、酸化ジルコニウム粒子上に担持された10nm程度の酸化銅粒子が確認された。また、一酸化炭素の酸化反応におけるT20は104℃,T50は146℃,T80は187℃であった。
【実施例】
【0032】
(比較例2)
一酸化炭素の酸化活性において最も活性が高いセリウムとジルコニウムの含有割合がそれぞれ70原子%、30原子%の担体を用いて、銅の代わりに1wt%の白金を担持したセリウム‐ジルコニウム複合酸化物を作製した。得られた酸化物について、前述した方法により一酸化炭素の酸化活性を測定した。一酸化炭素の酸化反応におけるT20は166,T50は204,T80は236℃であった。銅の方が白金よりも低温酸化活性度が高いことが分かった。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は、200℃前後の低温で、高い一酸化炭素酸化活性度を有する触媒に利用することができる。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3