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明細書 :トリフルオロメチルフタロシアニン誘導体の製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2015-212229 (P2015-212229A)
公開日 平成27年11月26日(2015.11.26)
発明の名称または考案の名称 トリフルオロメチルフタロシアニン誘導体の製造方法
国際特許分類 C07C 253/30        (2006.01)
C07D 487/22        (2006.01)
C07C 255/51        (2006.01)
C07F   1/08        (2006.01)
FI C07C 253/30
C07D 487/22 CSP
C07C 255/51
C07F 1/08 C
請求項の数または発明の数 15
出願形態 OL
全頁数 15
出願番号 特願2014-094388 (P2014-094388)
出願日 平成26年5月1日(2014.5.1)
発明者または考案者 【氏名】飯田 紀士
【氏名】田中 健太
【氏名】徳永 恵津子
【氏名】柴田 哲男
出願人 【識別番号】304021277
【氏名又は名称】国立大学法人 名古屋工業大学
審査請求 未請求
テーマコード 4C050
4H006
4H048
Fターム 4C050PA12
4H006AA01
4H006AA02
4H006AB76
4H006AB84
4H006AB92
4H006AC23
4H006AC30
4H006BA05
4H006BD70
4H006QN30
4H048AA01
4H048AA02
4H048AB76
4H048AB92
4H048AC90
4H048VA56
4H048VB10
要約 【課題】トリフルオロメチルフタロシアニン誘導体を製造する方法を提供する。
【解決手段】下記に示す
【化31】
JP2015212229A_000032t.gif
(式中R1はアルキル基,Mは水素原子、金属元素,半金属元素,金属酸化物,半金属酸化物、金属水酸化物,半金属水酸化物,金属ハロゲン化物,または半金属ハロゲン化物を表す。) フタロシアニンを合成する。
【選択図】なし
特許請求の範囲 【請求項1】
次の一般式(1)
【化19】
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(式中R1はアルキル基又は水素を表す。)で表される4-アルキル-6-ハロゲンフタロニトリルの製造方法であって,4-アルキルフタロニトリルに対して有機リチウム試薬とハロゲン化試薬とを反応させる工程からなる製造方法。
【請求項2】
請求項1記載のアルキル基がメチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,ペンチル基,へキシル基,ヘプチル基,オクチル基,ノニル基,デシル基,iso-プロピル基,tert-ブチル基,シクロプロピル基,シクロブチル基,シクロペンチル基,シクロへキシル基,フェニル基,ナフチル基,アントラセニル基,フルオレニル基からなる群から選択されたものである請求項1記載の製造方法。
【請求項3】
請求項1記載の有機リチウム試薬がn-ブチルリチウム,sec-ブチルリチウム、tert-ブチルリチウム,リチウムジイソプロピルアミド,ヘキサメチルジシラザンリチウム,リチウムテトラメチルピペラジンからなる群から選択されたものである請求項1または2に記載の製造方法
【請求項4】
請求項1記載のハロゲン化試薬がフッ素,塩素,臭素,ヨウ素,N-クロロスクシンイミド,N-ブロモスクシンイミド,N-ヨードスクシンイミド,Selectfluor,NFSIからなる群から選択されたものである請求項1,2または3に記載の製造方法。
【請求項5】
一般式(2)
【化20】
JP2015212229A_000021t.gif

で表される4-(tert-ブチル)-6-ヨードフタロニトリル。
【請求項6】
一般式(3)
【化21】
JP2015212229A_000022t.gif

で表される4-アルキル-6-トリフルオロメチルフタロニトリルの製造方法であって
4-アルキル-6-ハロゲンフタロニトリルに対してヤゴロフスキー型試薬と銅を反応させる工程からなる製造方法(式中R1は請求項1及び2に記載したものと同じである。式中Hal(ハロゲン)は、フッ素,塩素,臭素,ヨウ素からなる群から選択されたものである。)。
【請求項7】
一般式(4)
【化22】
JP2015212229A_000023t.gif

で表される4-(tert-ブチル)-6-トリフルオロメチルフタロニトリル。
【請求項8】
一般式(5)
【化23】
JP2015212229A_000024t.gif

で表される3,4,6-トリハロゲンフタロニトリルの製造方法であって,フタロニトリルに対して有機リチウム試薬とハロゲン化試薬とを反応させる工程からなる製造方法(前記有機リチウム試薬は、請求項3に記載のものと同じであり、前記ハロゲン化試薬は、請求項4に記載のものと同じである。)。
【請求項9】
一般式(6)
【化24】
JP2015212229A_000025t.gif

で表される3,4,6-トリヨードフタロニトリル。
【請求項10】
一般式(7)
【化25】
JP2015212229A_000026t.gif

で表される3,4,6-トリ(トリフルオロメチル)フタロニトリルの製造方法であって請求項8で得られた3,4,6-トリハロゲンフタロニトリルに対してヤゴロフスキー型試薬と銅を反応させる工程からなる製造方法(式中Hal(ハロゲン)は、フッ素,塩素,臭素,ヨウ素からなる群から選択されたものである。)。
【請求項11】
一般式(8)
【化26】
JP2015212229A_000027t.gif

で表される3,4,6-トリ(トリフルオロメチル)フタロニトリル。
【請求項12】
一般式(9)
【化27】
JP2015212229A_000028t.gif

(式中R1は請求項1に記載のものと同じ。式中Mは水素原子,金属元素,半金属元素,金属酸化物,半金属酸化物,金属水酸化物,半金属水酸化物,金属ハロゲン化物,半金属ハロゲン化物を示す。)で表されるフタロシアニンの製造方法であって,請求項6で得られた4-アルキル-6-トリフルオロメチルフタロニトリルを金属塩とともに加熱する工程からなる製造方法。
【請求項13】
一般式(10)
【化28】
JP2015212229A_000029t.gif

で表されるフタロシアニン。
(式中,Mは請求項12のものと同じ。)
【請求項14】
一般式(11)
【化29】
JP2015212229A_000030t.gif

(式中,Mは請求項12のものと同じ。)で表されるフタロシアニンの製造方法であって,請求項10で得られた3,4,6-トリ(トリフルオロメチル)フタロニトリルを金属塩とともに加熱する工程からなる製造方法。
【請求項15】
一般式(12)
【化30】
JP2015212229A_000031t.gif

で表されるフタロシアニン(式中,Mは請求項12のものと同じ。)。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明はトリフルオロメチルフタロシアニン誘導体の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
フタロシアニンは人工に有機色素であり,様々な場所で色材として利用されている。これを機能性色素として電子材料などに応用しようとする研究が行われているが,実用化に至った例はない。それはフタロシアニンの機能性が低いというより,フタロシアニン自体の安定性に問題があるからである。フタロシアニンの電子密度が上がることで酸化に対して弱くなり,分解しやすくなってしまう。従ってフタロシアニンの実用化を考えた場合,機能性は多少低くても過酷な環境であっても長期間の使用に耐えられる堅牢なフタロシアニンが求められている。このようなフタロシアニンとしてフッ素化したフタロシアニンがある。これまでGorunやYagupol'skii,Lapokらによって合成されてきた(非特許文献1,非特許文献2,非特許文献3)。
【先行技術文献】
【0003】

【非特許文献1】B. A. Bench, A. Beveridge, W. M. Sharman, G. J. Diebold, J. E. van Lier, S. M. Gorun, Angew. Chem. Int. Ed. 2002, 41, 747-750
【非特許文献2】I. G. Oksengendler, N. V. Kondratenko, E. A. Luk'yanets, and L. M. Yagupol'skii, Zh. Organich. him. 1977, 13, 1554.
【非特許文献3】L. Lapok, A. Gut, and M. Nowakowska, Tetrahdron. Letters., 2013, 54, 4388
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
フタロシアニンは酸素や水の影響を受け徐々に分解されてしまう。本発明が解決しようとする課題は分解されにくいフタロシアニンを提供することである。上記目的を達成するため安定なトリフルオロメチル基と他の置換基によってフタロシアニンの周辺を修飾した。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を達成するため請求項1に記載の発明では4-アルキルフタロニトリルに対してハロゲン化を行った。すなわち請求項1記載の発明は次の一般式(1)
【0006】
【化1】
JP2015212229A_000002t.gif

【0007】
(式中R1はアルキル基又は水素を表す。)で表される4-アルキル-6-ハロゲンフタロニトリルの製造方法であって,4-アルキルフタロニトリルに対して有機リチウム試薬とハロゲン化試薬とを反応させる工程からなる製造方法にある。
請求項2に記載の発明は請求項1記載のアルキル基がメチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,ペンチル基,へキシル基,ヘプチル基,オクチル基,ノニル基,デシル基,iso-プロピル基,tert-ブチル基,シクロプロピル基,シクロブチル基,シクロペンチル基,シクロへキシル基,フェニル基,ナフチル基,アントラセニル基,フルオレニル基からなる群から選択されたものである請求項1記載の製造方法にある。
請求項3に記載の発明は請求項1記載の有機リチウム試薬がn-ブチルリチウム,sec-ブチルリチウム、tert-ブチルリチウム,リチウムジイソプロピルアミド,ヘキサメチルジシラザンリチウム,リチウムテトラメチルピペラジンからなる群から選択されたものである請求項1または2に記載の製造方法にある。
請求項4に記載の発明は請求項1記載のハロゲン化試薬がフッ素,塩素,臭素,ヨウ素,N-クロロスクシンイミド,N-ブロモスクシンイミド,N-ヨードスクシンイミド,Selectfluor,NFSIからなる群から選択されたものである請求項1,2または3に記載の製造方法にある。
請求項5に記載の発明は一般式(2)
【0008】
【化2】
JP2015212229A_000003t.gif

【0009】
で表される4-(tert-ブチル)-6-ヨードフタロニトリルにある。
請求項6に記載の発明は
一般式(3)
【0010】
【化3】
JP2015212229A_000004t.gif

【0011】
で表される
4-アルキル-6-トリフルオロメチルフタロニトリルの製造方法であって4-アルキル-6-ハロゲンフタロニトリルに対してヤゴロフスキー型試薬と銅を反応させる工程からなる製造方法(式中R1は請求項1及び2に記載したものと同じである。式中Hal(ハロゲン)は、フッ素,塩素,臭素,ヨウ素からなる群から選択されたものである。)にある。
請求項7に記載の発明は一般式(4)
【0012】
【化4】
JP2015212229A_000005t.gif

【0013】
で表される4-(tert-ブチル)-6-トリフルオロメチルフタロニトリルにある。
請求項8に記載の発明は一般式(5)
【0014】
【化5】
JP2015212229A_000006t.gif

【0015】
で表される3,4,6-トリハロゲンフタロニトリルの製造方法であって,フタロニトリルに対して有機リチウム試薬とハロゲン化試薬とを反応させる工程からなる製造方法(前記有機リチウム試薬は、請求項3に記載のものと同じであり、前記ハロゲン化試薬は、請求項4に記載のものと同じである。)にある。
請求項9に記載の発明は一般式(6)
【0016】
【化6】
JP2015212229A_000007t.gif

【0017】
で表される3,4,6-トリヨードフタロニトリルにある。
請求項10に記載の発明は一般式(7)
【0018】
【化7】
JP2015212229A_000008t.gif

【0019】
で表される3,4,6-トリ(トリフルオロメチル)フタロニトリルの製造方法であって請求項8で得られた3,4,6-トリハロゲンフタロニトリルに対してヤゴロフスキー型試薬と銅を反応させる工程からなる製造方法(式中Hal(ハロゲン)は、フッ素,塩素,臭素,ヨウ素からなる群から選択されたものである。)にある。
請求項11に記載の発明は一般式(8)
【0020】
【化8】
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【0021】
で表される3,4,6-トリ(トリフルオロメチル)フタロニトリルにある。
請求項12に記載の発明は一般式9)
【0022】
【化9】
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【0023】
(式中R1は請求項1に記載のものと同じ。式中Mは水素原子,金属元素,半金属元素,金属酸化物,半金属酸化物,金属水酸化物,半金属水酸化物,金属ハロゲン化物,半金属ハロゲン化物を示す。)で表されるフタロシアニンの製造方法であって,請求項6で得られた4-アルキル-6-トリフルオロメチルフタロニトリルを金属塩とともに加熱する工程からなる製造方法にある。
請求項13に記載の発明は一般式(10)
【0024】
【化10】
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【0025】
で表されるフタロシアニンにある。
請求項14に記載の発明は一般式(11)
【0026】
【化11】
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【0027】
(式中,Mは請求項12と同じ。)で表されるフタロシアニンの製造方法であって,請求項10で得られた3,4,6-トリ(トリフルオロメチル)フタロニトリルを金属塩とともに加熱する工程からなる製造方法にある。
請求項15に記載の発明は一般式(12)
【0028】
【化12】
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【0029】
で表されるフタロシアニン(式中,Mは請求項12と同じ。)にある。
【発明を実施するための形態】
【0030】
4-アルキル-6-ハロゲンフタロニトリルは4-アルキルフタロニトリルに対して有機リチウム試薬とハロゲン化試薬を下記に従い反応させることで得ることができる。

【0031】
【化13】
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【0032】
一般式(1)の合成方法
置換基R1としてはメチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,ペンチル基,へキシル基,ヘプチル基,オクチル基,ノニル基,デシル基,iso-プロピル基,tert-ブチル基,シクロプロピル基,シクロブチル基,シクロペンチル基,シクロへキシル基,フェニル基,ナフチル基,アントラセニル基,フルオレニル基などが選択可能である。
有機リチウム試薬としては有機リチウム試薬がn-ブチルリチウム,sec-ブチルリチウム、tert-ブチルリチウム,リチウムジイソプロピルアミド,ヘキサメチルジシラザンリチウム,リチウムテトラメチルピペラジンを用いることができるが最も好ましくはリチウムテトラメチルピペラジンである。
ハロゲン化試薬としてはハロゲン化試薬がフッ素,塩素,臭素,ヨウ素,N-クロロスクシンイミド,N-ブロモスクシンイミド,N-ヨードスクシンイミド,Selectfluor,NFSIなどを用いることができるが反応性の観点から最も好ましくはヨウ素である。
溶媒の種類は特に限定されないがジエチルエーテル,ジイソプロピルエーテル,n-ブチルメチルエーテル,tert-ブチルメチルエーテル,テトラヒドロフラン,ジオキサン等のエーテル系溶媒やヘプタン,ヘキサン,シクロペンタン,シクロヘキサン等の炭化水素系溶媒などを挙げることができる。最も好ましくはテトラヒドロフランである。温度範囲は0℃から-80℃で可能だが
好ましくは-80℃である。
一般式(3)の製造方法

【0033】
【化14】
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【0034】
反応で用いるヤゴロフスキー型試薬は次の非特許文献4を参考に合成可能である。
(非特許文献4)C.-P. Zhang, Z.-L. Wang, Q.-Y. Chen, C.-T. Zhang, Y.-C. Gu, J.-C. Xiao, Angew. Chem. Int. Ed, 2011, 50, 1896-1900
置換基R1としては
置換基R1としては前記一般式(1)の合成方法で記載したR1と同様である。
ハロゲン部位は塩素、臭素、ヨウ素が利用できるが好ましくはヨウ素である。
用いる銅は0価の銅であり、粉末状の銅を用いるのが好ましい。
溶媒の種類は特に限定されないが,ジエチルエーテル,ジイソプロピルエーテル,n-ブチルメチルエーテル,tert-ブチルメチルエーテル,テトラヒドロフラン,ジオキサン等のエーテル系溶媒;ヘプタン,ヘキサン,シクロペンタン,シクロヘキサン等の炭化水素系溶媒;クロロホルム,四塩化炭素,塩化メチレン,ジクロロエタン,トリクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒;ベンゼン,トルエン,キシレン,クメン,シメン,メシチレン,ジイソプロピルベンゼン,ピリジン,ピリミジン,ピラジン,ピリダジン等の芳香族系溶媒;酢酸エチル等のエステル系溶媒;アセトン,メチルエチルケトン等のケトン系溶媒;ジメチルスルホキシド,ジメチルホルムアミド等の溶媒;メタノール,エタノール,プロパノール,イソプロピルアルコール,アミノエタノール,N,N-ジメチルアミノエタノール等のアルコール系溶媒;超臨界二酸化炭素,イオン性液体が挙げられるが,ジメチルホルムアミドが最も好ましい。
反応温度は室温から100℃の間で可能であるが好ましくは60℃である。
一般式(5)の製造方法

【0035】
【化15】
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【0036】
有機リチウム試薬としては有機リチウム試薬がn-ブチルリチウム,sec-ブチルリチウム、tert-ブチルリチウム,リチウムジイソプロピルアミド,ヘキサメチルジシラザンリチウム,リチウムテトラメチルピペラジンを用いることができるが最も好ましくはリチウムテトラメチルピペラジンである。
ハロゲン化試薬としてはハロゲン化試薬がフッ素,塩素,臭素,ヨウ素,N-クロロスクシンイミド,N-ブロモスクシンイミド,N-ヨードスクシンイミド,Selectfluor,NFSIなどを用いることができるが反応性の観点から最も好ましくはヨウ素である。
溶媒の種類は特に限定されないがジエチルエーテル,ジイソプロピルエーテル,n-ブチルメチルエーテル,tert-ブチルメチルエーテル,テトラヒドロフラン,ジオキサン等のエーテル系溶媒やヘプタン,ヘキサン,シクロペンタン,シクロヘキサン等の炭化水素系溶媒などを挙げることができる。最も好ましくはテトラヒドロフランである。温度範囲は0℃から-80℃で可能だが
好ましくは-80℃である。
一般式(7)の製造方法

【0037】
【化16】
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【0038】
ヤゴロフスキー型試薬は一般式(3)で用いたものと同じ。
ハロゲン部位は塩素、臭素、ヨウ素が利用できるが好ましくはヨウ素である。
用いる銅は0価の銅であり、粉末状の銅を用いるのが好ましい。
溶媒の種類は特に限定されないが,ジエチルエーテル,ジイソプロピルエーテル,n-ブチルメチルエーテル,tert-ブチルメチルエーテル,テトラヒドロフラン,ジオキサン等のエーテル系溶媒;ヘプタン,ヘキサン,シクロペンタン,シクロヘキサン等の炭化水素系溶媒;クロロホルム,四塩化炭素,塩化メチレン,ジクロロエタン,トリクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒;ベンゼン,トルエン,キシレン,クメン,シメン,メシチレン,ジイソプロピルベンゼン,ピリジン,ピリミジン,ピラジン,ピリダジン等の芳香族系溶媒;酢酸エチル等のエステル系溶媒;アセトン,メチルエチルケトン等のケトン系溶媒;ジメチルスルホキシド,ジメチルホルムアミド等の溶媒;メタノール,エタノール,プロパノール,イソプロピルアルコール,アミノエタノール,N,N-ジメチルアミノエタノール等のアルコール系溶媒;超臨界二酸化炭素,イオン性液体が挙げられるが,ジメチルホルムアミドが最も好ましい。
反応温度は室温から100℃の間で可能であるが好ましくは60℃である。
一般式(9)の製造方法

【0039】
【化17】
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【0040】
置換基R1としてはメチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,ペンチル基,へキシル基,ヘプチル基,オクチル基,ノニル基,デシル基,iso-プロピル基,tert-ブチル基,シクロプロピル基,シクロブチル基,シクロペンチル基,シクロへキシル基,フェニル基,ナフチル基,アントラセニル基,フルオレニル基などが選択可能である。
Mが示す金属元素としては,アルカリ金属,アルカリ土類金属,遷移金属,ランタノイド系金属,アクチノイド系金属を用いることができる。具体的には,リチウム,ナトリウム,カリウム,マグネシウム,カルシウム,スカンジウム,イットリウム,チタン,ジルコニウム,クロム,マンガン,モリブデン,鉄,ルテニウム,コバルト,ロジウム,ニッケル,パラジウム,ニッケル,銅,亜鉛,アルミニウム,ガリウム,インジウム,スズ,ランタン,ウランなどが挙げることができる。Mが示す半金属元素としては,例えば,ホウ素,ケイ素,砒素,ゲルマニウム,鉛などが挙げることができる。Mが示す金属酸化物としては,アルカリ金属,アルカリ土類金属,遷移金属,ランタノイド系金属,アクチノイド系金属の酸化物を用いることができる。具体的には,酸化リチウム,酸化マグネシウム,酸化カルシウム,酸化チタン,酸化クロム,酸化マンガン,酸化モリブデン,酸化鉄,酸化ルテニウム,酸化銅,酸化亜鉛,酸化アルミニウム,酸化ガリウム,酸化ランタン,酸化ウランなどが挙げることができる。Mが示す半金属酸化物としては,例えば,ホウ素酸化物,ケイ素酸化物,砒素酸化物,ゲルマニウム酸化物,鉛酸化物などが挙げることができる。Mが示す金属水酸化物としては,アルカリ金属,アルカリ土類金属,遷移金属,ランタノイド系金属,アクチノイド系金属の水酸化物を用いることができる。例えば,水酸化アルミニウム,水酸化インジウム,水酸化タリウムなどが挙げることができる。Mが示す半金属酸化物としては,例えば,ホウ素水酸化物,ケイ素水酸化物,砒素水酸化物,ゲルマニウム水酸化物,鉛水酸化物などが挙げることができる。Mが示す金属ハロゲン化物としては,アルカリ金属,アルカリ土類金属,遷移金属,ランタノイド系金属,アクチノイド系金属のハロゲン化物を用いることができる。ハロゲン原子としては,フッ素原子,塩素原子,臭素原子,又はヨウ素原子のいずれでもよい。

【0041】
Mが示す半金属ハロゲン化物としては,例えば,ホウ素ハロゲン化物,ケイ素ハロゲン化物,砒素ハロゲン化物,ゲルマニウムハロゲン化物,鉛ハロゲン化物などが挙げることができる。ハロゲン原子としては,フッ素原子,塩素原子,臭素原子,又はヨウ素原子のいずれでもよい。本発明のフタロシアニンは種類に応じて塩を形成する場合があり,また水和物,媒和物として存在する場合があるがこれらの物質はいずれも本発明の範囲に含まれる。溶媒の種類は特に限定されないが,ジエチルエーテル,ジイソプロピルエーテル,n-ブチルメチルエーテル,tert-ブチルメチルエーテル,テトラヒドロフラン,ジオキサン等のエーテル系溶媒;ヘプタン,ヘキサン,シクロペンタン,シクロヘキサン等の炭化水素系溶媒;クロロホルム,四塩化炭素,塩化メチレン,ジクロロエタン,トリクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒;ベンゼン,トルエン,キシレン,クメン,シメン,メシチレン,ジイソプロピルベンゼン,1-クロロナフタレン,ピリジン,ピリミジン,ピラジン,ピリダジン等の芳香族系溶媒;酢酸エチル等のエステル系溶媒;アセトン,メチルエチルケトン等のケトン系溶媒;ジメチルスルホキシド,ジメチルホルムアミド等の溶媒;メタノール,エタノール,プロパノール,イソプロピルアルコール,アミノエタノール,N,N-ジメチルアミノエタノール,エチレングリコール等のアルコール系溶媒;超臨界二酸化炭素,イオン性液体が挙げられるが,チレングリコール中,もしくは無溶媒で反応を行うのが望ましい。
反応温度は室温から用いる溶媒の沸点までの間で行うことが可能であるが230℃が好ましい。
本発明のフタロシアニンダイマーの位置異性体の混合物,立体異性体の任意の混合物,ラセミ体なども本発明の範囲に包含される。本発明の含フッ素フタロシアニン縮環ダイマーは置換基の種類に応じて塩を形成する場合があり,また水和物又は溶媒和物として存在する場合もあるが,これらの物質はいずれも本発明の範囲に包含される。
一般式(11)の製造方法

【0042】
【化18】
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【0043】
Mが示す金属元素としては,アルカリ金属,アルカリ土類金属,遷移金属,ランタノイド系金属,アクチノイド系金属を用いることができる。具体的には,リチウム,ナトリウム,カリウム,マグネシウム,カルシウム,スカンジウム,イットリウム,チタン,ジルコニウム,クロム,マンガン,モリブデン,鉄,ルテニウム,コバルト,ロジウム,ニッケル,パラジウム,ニッケル,銅,亜鉛,アルミニウム,ガリウム,インジウム,スズ,ランタン,ウランなどが挙げることができる。Mが示す半金属元素としては,例えば,ホウ素,ケイ素,砒素,ゲルマニウム,鉛などが挙げることができる。Mが示す金属酸化物としては,アルカリ金属,アルカリ土類金属,遷移金属,ランタノイド系金属,アクチノイド系金属の酸化物を用いることができる。具体的には,酸化リチウム,酸化マグネシウム,酸化カルシウム,酸化チタン,酸化クロム,酸化マンガン,酸化モリブデン,酸化鉄,酸化ルテニウム,酸化銅,酸化亜鉛,酸化アルミニウム,酸化ガリウム,酸化ランタン,酸化ウランなどが挙げることができる。Mが示す半金属酸化物としては,例えば,ホウ素酸化物,ケイ素酸化物,砒素酸化物,ゲルマニウム酸化物,鉛酸化物などが挙げることができる。Mが示す金属水酸化物としては,アルカリ金属,アルカリ土類金属,遷移金属,ランタノイド系金属,アクチノイド系金属の水酸化物を用いることができる。例えば,水酸化アルミニウム,水酸化インジウム,水酸化タリウムなどが挙げることができる。Mが示す半金属酸化物としては,例えば,ホウ素水酸化物,ケイ素水酸化物,砒素水酸化物,ゲルマニウム水酸化物,鉛水酸化物などが挙げることができる。Mが示す金属ハロゲン化物としては,アルカリ金属,アルカリ土類金属,遷移金属,ランタノイド系金属,アクチノイド系金属のハロゲン化物を用いることができる。ハロゲン原子としては,フッ素原子,塩素原子,臭素原子,又はヨウ素原子のいずれでもよい。

【0044】
Mが示す半金属ハロゲン化物としては,例えば,ホウ素ハロゲン化物,ケイ素ハロゲン化物,砒素ハロゲン化物,ゲルマニウムハロゲン化物,鉛ハロゲン化物などが挙げることができる。ハロゲン原子としては,フッ素原子,塩素原子,臭素原子,又はヨウ素原子のいずれでもよい。本発明のフタロシアニンは種類に応じて塩を形成する場合があり,また水和物,媒和物として存在する場合があるがこれらの物質はいずれも本発明の範囲に含まれる。溶媒の種類は特に限定されないが,ジエチルエーテル,ジイソプロピルエーテル,n-ブチルメチルエーテル,tert-ブチルメチルエーテル,テトラヒドロフラン,ジオキサン等のエーテル系溶媒;ヘプタン,ヘキサン,シクロペンタン,シクロヘキサン等の炭化水素系溶媒;クロロホルム,四塩化炭素,塩化メチレン,ジクロロエタン,トリクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒;ベンゼン,トルエン,キシレン,クメン,シメン,メシチレン,ジイソプロピルベンゼン,1-クロロナフタレン,ピリジン,ピリミジン,ピラジン,ピリダジン等の芳香族系溶媒;酢酸エチル等のエステル系溶媒;アセトン,メチルエチルケトン等のケトン系溶媒;ジメチルスルホキシド,ジメチルホルムアミド等の溶媒;メタノール,エタノール,プロパノール,イソプロピルアルコール,アミノエタノール,N,N-ジメチルアミノエタノール,エチレングリコール等のアルコール系溶媒;超臨界二酸化炭素,イオン性液体が挙げられるが,チレングリコール中,もしくは無溶媒で反応を行うのが望ましい。
反応温度は室温から用いる溶媒の沸点までの間で行うことが可能であるが230℃が好ましい。
本発明のフタロシアニンダイマーの位置異性体の混合物,立体異性体の任意の混合物,ラセミ体なども本発明の範囲に包含される。本発明の含フッ素フタロシアニン縮環ダイマーは置換基の種類に応じて塩を形成する場合があり,また水和物又は溶媒和物として存在する場合もあるが,これらの物質はいずれも本発明の範囲に包含される。
以下,本発明のトリフルオロメチルフタロシアニン誘導体の合成を実施形態により具体的に説明するが,本発明の範囲は下記の実施形態に限定されるものではない。
(第1実施形態)
4-(tert-ブチル)-6-ヨードフタロニトリルの合成
窒素置換した100 mlナスフラスコにTHF 10 ml,2,2,6,6-テトラメチルピペリジン0.92 ml (5.43 mmol)を加え,0℃に冷却する。1.25 Mのn-ブチルリチウム4.3 ml (5.43 mmol)を加え,30分撹拌した。その後-80℃に冷却し,THF 5.0 mlに溶解した4-(tert-ブチル)フタロニトリル500 mg (2.71 mmol)をゆっくり滴下して加えた。一時間撹拌後,THF 5.0 mlに溶解したヨウ素1.38 g (5.43 mmol)をゆっくり滴下し,2時間撹拌した。その後室温で1時間撹拌した。水を加えて反応を停止させ,反応溶液を減圧濃縮し,ジエチルエーテルで3回抽出した。有機層を1規定の塩酸,チオ硫酸ナトリウム水溶液,飽和食塩水の順で洗浄し,硫酸ナトリウムで乾燥後,減圧濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン / 酢酸エチル = 80 / 20)で精製し,目的物を544 mg (収率65%)で得た。
MS (EI): m/z = 310 (M+)
1HNMR (CDCl3, 300 MHz): δ = 1.35 (s, 9H), 7.78 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 8.13 (d, J = 1.7 Hz, 1H)
(第2実施形態)
4-(tert-ブチル)-6-(トリフルオロメチル)フタロニトリルの合成
アルゴン置換した30 mlナスフラスコに4-(tert-ブチル)-6-ヨードフタロニトリル250 mg (0.81 mmol),ヤゴロフスキー型試薬857.2 mg (2.12 mmol),銅385 mg (6.05 mmol),DMF 4.0 mlを加え,60℃で一晩撹拌した。その後室温まで冷却し,反応溶液をセライト濾過し,ろ液に水を加えジエチルエーテルで3回抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し,硫酸ナトリウムで乾燥後,減圧濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン / 酢酸エチル = 80 / 20)で精製し,目的物を177 mg (収率87%)で得た。
MS (EI): m/z = 252 (M+)
1HNMR (CDCl3, 300 MHz): δ = 1.41 (s, 9H), 8.00 (s, 2H)
19F NMR (CDCl3, 282 MHz): δ = -62.6 (s, 3F)
(第3実施形態)
3,4,6-トリヨードフタロニトリルの合成
窒素置換した300 mlナスフラスコにTHF 10 ml,2,2,6,6-テトラメチルピペリジン1.89 ml (11.2 mmol)を加え,0℃に冷却する。1.24 Mのn-ブチルリチウム9.03 ml (11.2 mmol)を加え,30分撹拌した。その後-80℃に冷却し,THF 20.0 mlに溶解したフタロニトリル 720.1mg (5.62 mmol)をゆっくり滴下して加えた。一時間撹拌後,THF 20.0 mlに溶解したヨウ素3.14 g (12.4 mmol)をゆっくり滴下し,2時間撹拌した。その後室温で1時間撹拌した。水を加えて反応を停止させ,反応溶液を減圧濃縮し,ジエチルエーテルで3回抽出した。有機層を1規定の塩酸,チオ硫酸ナトリウム水溶液,飽和食塩水の順で洗浄し,硫酸ナトリウムで乾燥後,減圧濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2 = 100)で精製し,目的物を581 mg (収率20%)で得た。
MS (EI): m/z = 506 (M+)
1HNMR (CDCl3, 300 MHz): δ = 8.60 (s, 1H)
(第4実施形態)
3,4,6-トリ(トリフルオロメチル)フタロニトリルの合成
アルゴン置換した50 mlナスフラスコに3,4,6-トリヨードフタロニトリル1.32 g (2.61 mmol),ヤゴロフスキー型試薬6.34 g (15.7 mmol),銅1.53 g (23.5 mmol),DMF 20.0 mlを加え,60℃で一晩撹拌した。その後室温まで冷却し,反応溶液をセライト濾過し,ろ液に水を加えジエチルエーテルで3回抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し,硫酸ナトリウムで乾燥後,減圧濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン / 酢酸エチル = 95 / 5)で精製し,目的物を272 mg (収率31%)で得た。
MS (EI): m/z = 332 (M+)
1HNMR (CDCl3, 300 MHz): δ = 8.50 (s, 1H)
19F NMR (CDCl3, 282 MHz): δ = -57.1 (q, J = 14.9 Hz, 3F), -59.5 (q, J = 14.9 Hz, 3F), -63.3 (s, 3F)
(第5実施形態)
1(4),8(11),15(18),22(25)-テトラキス(トリフルオロメチル)-2(3),9(10),16(17),23(24)- テトラキス(tert-ブチル)亜鉛フタロシアニン
窒素置換した10mlナスフラスコに4-(tert-ブチル)-6-(トリフルオロメチル)フタロニトリルを120 mg (0.48 mmol),塩化亜鉛を16.2 mg (0.12 mmol)加え,N,N-ジメチルアミノエタノール2.0 mlを加え,140℃で6時間撹拌した。室温まで冷却後,水を加えてジエチルエーテルで三回抽出し,有機層を飽和食塩水で洗浄後,硫酸ナトリウムで乾燥させ減圧濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン / アセトン = 98 / 2 )で精製し,目的物を81.5 mg (収率64%)で得た。
MALDI-TOF MS (dithranol): 1072.26—1078.53 ([M+] isotopic pattern)
1HNMR (toluene-d8, 300 MHz): δ = 1.67 (s, 36H), 8.66 (s, 4H), 10.15 (s, 4H)
19F NMR (toluene-d8, 282 MHz): δ = -59.5 (s, 12F)
(第6実施形態)
1,2(3),4,8,9(10),11,15,16(17),18,22,23(24),25-ドデカ(トリフルオロメチル)亜鉛フタロシアニン
窒素置換した10 mlナスフラスコに3,4,6-トリ(トリフルオロメチル)フタロニトリル66.4 mg (0.2 mmol),酢酸亜鉛9.2 mg (0.050 mmol),N,N-ジメチルアミノエタノール1.5 mlを加え,140℃で一晩撹拌した。室温まで冷却後,水を加えて酢酸エチルで三回抽出し,有機層を飽和食塩水で洗浄後,硫酸ナトリウムで乾燥させ減圧濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン / 酢酸エチル / メタノール = 50 / 40 / 10)で精製し,目的物を103 mg (収率5.2%)で得た。
MALDI-TOF MS(DHB):1391.8—1398.3 ([M+] isotopic pattern)
1HNMR (CDCl3, 300 MHz): δ = 8.89 (s, 4H)
19F NMR (CDCl3, 282 MHz): δ = -54.0 (s, 12F), -56.9 — -57.0 (m, 12F), -60.4 — -60.6(m, 12F)