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明細書 :受動モードロックファイバレーザ装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2015-156452 (P2015-156452A)
公開日 平成27年8月27日(2015.8.27)
発明の名称または考案の名称 受動モードロックファイバレーザ装置
国際特許分類 H01S   3/067       (2006.01)
H01S   3/083       (2006.01)
H01S   3/098       (2006.01)
G02F   1/365       (2006.01)
G02F   1/355       (2006.01)
G02B   6/02        (2006.01)
G02B   6/00        (2006.01)
FI H01S 3/06 B
H01S 3/083
H01S 3/098
G02F 1/365
G02F 1/355 501
G02B 6/10 C
G02B 6/00 376A
請求項の数または発明の数 9
出願形態 OL
全頁数 9
出願番号 特願2014-031286 (P2014-031286)
出願日 平成26年2月21日(2014.2.21)
発明者または考案者 【氏名】野村 雄高
【氏名】藤 貴夫
【氏名】三村 榮紀
【氏名】小川 和彦
出願人 【識別番号】504261077
【氏名又は名称】大学共同利用機関法人自然科学研究機構
【識別番号】707001768
【氏名又は名称】ファイバーラボ株式会社
個別代理人の代理人 【識別番号】100081776、【弁理士】、【氏名又は名称】大川 宏
審査請求 未請求
テーマコード 2H150
2K102
5F172
Fターム 2H150AB27
2H150AC37
2H150AH15
2H150AH33
2K102AA05
2K102BA22
2K102BB05
2K102BC02
2K102BD09
2K102BD10
2K102CA00
2K102DA06
2K102DB01
2K102DB02
2K102DD07
2K102DD09
2K102EB11
5F172AE12
5F172AF05
5F172AM08
5F172CC04
5F172EE12
5F172NN14
5F172NN17
5F172NQ09
5F172NQ44
5F172NQ48
5F172NQ53
要約 【課題】2μ帯でこれまでよりパルス幅の短いレーザを高効率で発生する受動モードロックファイバレーザ装置を提供すること。
【解決手段】Tm添加ZBLANファイバを利得媒質とする受動モードロックファイバレーザ装置。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
共振器と、
前記共振器内に配置されたファイバ利得媒質と、
前記ファイバ利得媒質をポンプするポンプ光源と、
モードロックを誘起するモードロック機構と、を有する受動モードロックファイバレーザ装置であって、
前記ファイバ利得媒質がTm添加ZBLANファイバであることを特徴とする受動モードロックファイバレーザ装置。
【請求項2】
前記共振器内に配置された分散補償手段を有する請求項1に記載の受動モードロックファイバレーザ装置。
【請求項3】
前記モードロック機構が非線形偏波回転である請求項1又は2に記載の受動モードロックファイバレーザ装置。
【請求項4】
前記共振器はリング共振器である請求項1~3のいずれか1項に記載の受動モードロックファイバレーザ装置。
【請求項5】
前記ポンプ光源のポンプ波長が790nmである請求項1~4のいずれか1項に記載の受動モードロックファイバレーザ装置。
【請求項6】
前記Tm添加ZBLANファイバに接続された無添加ZBLANファイバを備える請求項1~5のいずれか1項に記載の受動モードロックファイバレーザ装置。
【請求項7】
前記Tm添加ZBLANファイバと前記無添加ZBLANファイバとは端面結合される請求項6に記載の受動モードロックファイバレーザ装置。
【請求項8】
前記Tm添加濃度は0.5mol%より高く10mol%以下である請求項5~7のいずれか1項に記載の受動モードロックファイバレーザ装置。
【請求項9】
前記Tm添加ZBLANファイバの長さが0.64m未満である請求項1~7のいずれか1項に記載の受動モードロックファイバレーザ装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、波長2μm近傍の超短パルスレーザを発生する受動モードロックファイバレーザ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パルス時間幅が短いコヒーレント光は、ピークパワーが大きく且つ集光性に優れているので、集光スポットの強度がテラワットにもなる。このような超短パルスコヒーレント光は、超精密加工、超高速時間分解計測、分子制御、光コヒーレンストモグラフィーなど、ナノテクノロジー、バイオテクノロジー、医療、産業分野にわたり、有用である。
【0003】
上記の分野へ応用可能な超短パルスレーザとしては、0.8μm帯のTiサファイアレーザ、1μm帯のYbレーザ、1.5μm帯のErレーザ、2μm帯のTm添加石英ファイバレーザ(非特許文献1参照。)、2.8μm帯のEr添加フッ化物ガラス(ZBLAN)ファイバレーザ(非特許文献2参照。)等が挙げられる。
【先行技術文献】
【0004】

【非特許文献1】Andreas Wienke, et.al., “Ultrafast, stretched-pulse thulium-doped fiber-based dispersion management”, OPTICS LETTERS, Vol.37,No.13,pp2466-2468, published June 19,2012.
【非特許文献2】時田茂樹、“中赤外OH吸収帯波長高出力超短パルスファイバレーザの開発”、[online]、[平成25年2月11日検索]、インターネット<URL: http://kaken.nii.ac.jp/pdf/2010/seika/mext/14301/20760032seika.pdf#search='%EF%BC%BA%EF%BC%A2%EF%BC%AC%EF%BC%A1%EF%BC%AE+%E6%99%82%E7%94%B0'>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
Andreas Wienke等は、長さ0.64mのTm添加石英ファイバを利得媒質とする非線形偏波回転型受動モードロックレーザで、パルス幅500fs、パルスエネルギ170pJ、繰り返し周波数45.42MHz、平均パワー7.8mW(光-光変換効率:14%)のレーザを得ている。なお、Andreas Wienke等は、上記の500fsのパルスを外部圧縮器で圧縮することで、119fsのパルス幅を達成している。
【0006】
一方、時田は、長さ30mのEr添加ZBLANファイバを利得媒質とする非線形偏波回転型受動モードロックレーザで、繰り返し周波数6.7MHz(モード同期が不安定のためかパルス幅等は報告されていない)のレーザ発振に成功している。
【0007】
上記のように、2μm帯の波長域では、パルス幅が119fsのレーザしか報告されていない。パルス幅が119fsでは波長変換や周波数コム、二光子顕微鏡などへ用いることが難しい。一般に、パルス幅は短ければ短い程良い。
【0008】
そこで、本発明は、2μm帯でこれまでよりパルス幅の短いレーザを発生する、受動モードロックファイバレーザ装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するためになされた本発明の受動モードロックファイバレーザ装置は、共振器と、前記共振器内に配置されたファイバ利得媒質と、前記ファイバ利得媒質をポンプするポンプ光源と、モードロックを誘起するモードロック機構と、を有し、前記ファイバ利得媒質がTm添加ZBLANファイバであることを特徴とする。
【0010】
Tm添加ZBLANガラスのエネルギ準位とZBLANファイバの波長分散特性とにより、波長2μm帯でパルス幅が従来よりも短いパルスレーザを発生させることができる。
【0011】
上記の受動モードロックファイバレーザ装置において、前記共振器内に分散補償手段を有するとよい。これにより、さらにパルス幅の短いパルスレーザを発生させることができる。
【0012】
また、前記モードロック機構が非線形偏波回転であるとよい。発振するレーザのスペクトル幅(帯域)は共振器内の光学要素の帯域によって決まるが、これにより、帯域を狭める光学要素を使用しなくてよいので、発振するレーザのスペクトル幅が狭くならない。
【0013】
また、前記共振器はリング共振器であるとよい。モードロック機構が非線形偏波回転の場合、線形(ファブリペロ型)共振器では波長板を1往復の間に2回透過してしまうために、非線形偏波回転による受動モードロックが安定しない。そのため、ファラデー回転子鏡などを必要とする。リング共振器では、波長板を1回しか透過しないので、非線形偏波回転による受動モードロックが安定する。
【0014】
また、前記ポンプ光源のポンプ波長が790nmであるとよい。これにより、2μm近傍で高効率発振させることができる。
【0015】
また、前記Tm添加ZBLANファイバに接続された無添加ZBLANファイバを備えるとよい。これにより、非線形効果が大きくなり、非線形偏波回転による受動モードロックが安定する。
【0016】
また、前記Tm添加ZBLANファイバと前記無添加ZBLANファイバとは端面結合されるとよい。ZBLANファイバは融点が300℃と低いため、石英ファイバのように融着することが困難である。Tm添加ZBLANファイバから出た光を空中伝播させて無添加ZBLANファイバに結合させるには、少なくとも2枚のレンズを必要とする。光学要素が増えると、反射・吸収損失が増え、軸ずれが起こりやすくなり、光学系の調整に時間がかかる。端面結合すれば、損失を大幅に減らすことができ、軸ずれや調整の問題も生じない。
【0017】
また、前記Tm添加濃度は0.5mol%より高く10mol%以下であるとよい。Tm添加濃度は1~4mol%の範囲がより好ましい。
【0018】
ポンプ波長が790nmの場合、2μm付近で発振させるためには、Tmイオン同士が接近している必要があり、少なくとも0.5mol%より高くなければならない。Tm添加濃度が10mol%以下ではポンプ光がTm添加ZBLANファイバの全長に亘って有効に吸収される。Tm添加濃度が1mol%以上ではTmイオン同士が十分接近しており、相互作用(cross relaxation)が一層起きやすくなる。Tm添加濃度が4mol%以下では、ポンプ光がTm添加ZBLANファイバの全長に亘って一層有効に吸収される。
【0019】
また、前記Tm添加ZBLANファイバの長さが0.64m未満であるとよい。これにより、ポンプ光がTm添加ZBLANファイバの全長に亘って有効に吸収される。
【発明の効果】
【0020】
Tm添加ZBLANガラスのエネルギ準位とZBLANファイバの波長分散特性とにより、波長2μm帯でパルス幅が従来よりも短いパルスレーザを発生させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施形態1に係る本発明の受動モードロックファイバレーザ装置の概略構成図である。
【図2】実施形態2に係る本発明の受動モードロックファイバレーザ装置の概略構成図である。
【図3】実施形態3に係る本発明の受動モードロックファイバレーザ装置の概略構成図である。
【図4】実施形態4に係る本発明の受動モードロックファイバレーザ装置の概略構成図である。
【図5】実施例の受動モードロックファイバレーザ装置で発生したパルス波形である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(実施形態1)
本実施形態の受動モードロックファイバレーザ装置は、図1に示すように、2つの反射要素1a、1bで構成されるファブリペロ型共振器1と、共振器1内に配置されたファイバ利得媒質2と、ファイバ利得媒質2をポンプするポンプ光源3と、モードロック機構4を有している。

【0023】
本実施形態の反射要素1aは、反射鏡Mの表面にモードロック機構4の半導体可飽和吸収体SAを形成したものである。モードロック機構4としては、可飽和吸収体の他に共振器1を構成する反射要素1bを光軸方向に移動させるものでもよい。

【0024】
ファイバ利得媒質2は、ZBLAN(ZrF4-BaF2-LaF3-AlF3-NaF)ファイバのコアにTmを添加したものである。Tm添加ZBLANファイバ2は、コア径が例えば6μmのシングルモードファイバーである。また、Tm添加ZBLANファイバ2の長さは、Tm添加濃度とポンプ光源4のポンプ光波長、ポンプパワ等によって決められる。

【0025】
例えば、チタンサファイアレーザをポンプ光源に使用する場合、ポンプ光波長が790nmになる。ポンプ光波長が790nmのとき2μm帯で発振させるためには、Tmイオン同士を十分接近させて、相互作用(cross relaxation)を引き起こす必要がある。したがって、Tm添加濃度は0.5mol%より高く10mol%以下が好ましく、1~4mol%の範囲がより好ましい。

【0026】
例えば、Tm添加濃度が4mol%の場合、Tm添加ZBLANファイバ2の長さは、0.2mである。Tm添加濃度が2mol%の場合、Tm添加ZBLANファイバ2の長さは、0.4mである。

【0027】
反射要素1bは石英ガラスに誘電体多層膜をコートしたもので、発振波長(2μm)に対して90%の反射率(10%の透過率)を有する。

【0028】
5は2色ミラーで、790nmのポンプ光を反射し、2μm帯の発振光を透過する。6a、6bは、カップリングレンズである。

【0029】
本実施形態の受動モードロックファイバレーザ装置は、Tm添加ZBLANガラスのエネルギー準位とZBLANファイバの波長分散特性とにより、波長2μm帯でパルス幅が80fsと従来よりも短いパルスレーザを発生させることができる。

【0030】
(実施形態2)
本実施形態の受動モードロックファイバレーザ装置は、図2に示すように、実施形態1の受動モードロックファイバレーザ装置に分散補償手段7を追加したものである。実施形態1と同一の要素には同一の符号を付し、説明を省略する。

【0031】
本実施形態の分散補償手段7は回折格子型で、回折格子7a、球面鏡7b、平面鏡7cを備えている。例えば、回折格子7aの+1次回折光を球面鏡7bと平面鏡7cとで分散補償する場合、7dは、回折格子7aの-1次光を出力として取り出す平面鏡である。

【0032】
本実施形態の受動モードロックファイバレーザ装置は、分散補償手段7を備えているので、実施形態1の受動モードロックファイバレーザ装置よりパルス幅の短い~50fsのパルスレーザーを発生することができる。

【0033】
本実施形態では、分散保諸手段7に回折格子型を用いたが、チャープファイバーブラッグ格子、チャープミラー等を用いてもよい。

【0034】
なお、Tm添加ZBLANファイバ2のコア径を大きくしたり、コア/クラッドの屈折率比を変えることで波長分散を小さくすることができる。しかし、コア径を大きくすると、シングルモードになり難い問題が生じる。また、コア/クラッドの屈折率比を変えると、Tm添加濃度が制約される。したがって、分散保諸手段7を備えることで、そのような問題、制約を回避することができる。

【0035】
(実施形態3)
本実施形態の受動モードロックファイバレーザ装置は、図3に示すように、実施形態1の受動モードロックファイバレーザ装置におけるモードロック機構4を可飽和吸収体SAを用いる方式から非線形偏波回転方式に変更した以外は、実施形態1の受動モードロックファイバレーザ装置と同じである。実施形態1と同一の要素には同一の符号を付し、説明を省略する。

【0036】
両端に配置された1cと1dは、共振器1を構成する反射鏡で、1dは非線形偏波回転のためのファラデー回転子鏡4eを兼ねている。4aと4bは1/4波長板であり、直線偏光を楕円偏光に、楕円偏光を直線偏光に変換する。4cは1/2波長板であり、偏光の向きを回転する。4dはファラデー回転子、4eはファラデー回転子鏡である。4fは出力取り出しのための偏光ビームスプリッタである。

【0037】
ファラデー回転子4dとファラデー回転子鏡4eとは、共振器1内の線形偏波回転の補正及び共振器1内の非線形偏波回転を安定させるために用いられる。

【0038】
本実施例において、非線形偏波回転による受動モードロックは、偏光ビームスプリッタ4fとTmイオン添加ZBLANファイバ利得媒質2との間に配置された1/4波長板4bと1/2波長板4cによって達成される。

【0039】
偏光ビームスプリッタ4fで取り出される出力の大きさは、1/4波長板4aによって調節される。

【0040】
本実施形態の受動モードロックファイバレーザ装置は、共振器内に可飽和吸収体を備えていないので、帯域の広い2μm帯の超短パルスレーザを発生させることができる。

【0041】
(実施形態4)
本実施形態の受動モードロックファイバレーザ装置は、図4に示すように、実施形態2の受動モードロックファイバレーザ装置におけるファブリペロ型共振器1をリング共振器10に、モードロック機構4を可飽和吸収体SAを用いる方式から非線形偏波回転方式に、変更し、Tm添加ZBLANファイバ2に無添加ZBLANファイバ2a、2bを接続した以外は、実施形態2の受動モードロックファイバレーザ装置と同じである。実施形態2と同一の要素には同一の符号を付し、説明を省略する。

【0042】
無添加ZBLANファイバ2a、2bは、Tm添加ZBLANファイバ2のTm添加前の状態に等しい。すなわち、無添加ZBLANファイバ2a、2bのコア径、波長分散特性等は、Tm添加ZBLANファイバ2と同じである。

【0043】
無添加ZBLANファイバ2a、2bをTm添加ZBLANファイバ2に接続する理由は、非線形偏波回転によるモードロックを安定させるためである。すなわち、ファイバが短いと、ファイバ内を伝播する光が受ける非線形効果が小さく、偏波回転が十分に起こらない。非線形偏波回転を十分に起こすためには、Tm添加ZBLANファイバ2を長くする必要がある。しかし、長くすると、ポンプ光源3からのポンプ光がTm添加ZBLANファイバ2の途中で吸収され尽くし、Tm添加ZBLANファイバ2の全長に亘って利得作用を奏することができなくなる。しからば、Tm添加濃度を下げればよいが、前述したように、Tm添加濃度には下限がある。本実施形態では、例えば、Tm添加濃度が4mol%の場合、ポンプ光がTm添加ZBLANファイバ2の全長に亘ってポンプ作用するように、Tm添加ZBLANファイバ2の長さが、0.2mに設定された。Tm添加ZBLANファイバ2の長さが0.2mでは、ファイバ内を伝播する光が受ける非線形効果が小さく、非線形偏波回転が十分に起こらない。そこで、本実施形態では、Tm添加ZBLANファイバ2の両端に、何も添加しない例えば長さ1mの無添加ZBLANファイバが接続された。

【0044】
Tm添加ZBLANファイバ2と無添加ZBLANファイバ2a、2bとは、図4のように端面結合されている。端面結合する理由は以下の通りである。すなわち、ZBLANファイバは融点が300℃と低いため、石英ファイバのように融着することが困難である。Tm添加ZBLANファイバから出た光を空中伝播させて無添加ZBLANファイバに結合させると、少なくとも2枚のレンズを必要とし、反射・吸収損失が増え、軸ずれを起こしやすくなり、光学系の調整に時間がかかる。端面結合すれば、損失を大幅に減らすことができ、軸ずれや調整の問題も生じない。

【0045】
リング共振器10は、アイソレータ10a、反射鏡10b、2色ミラー10c、10d及び反射鏡10eで構成される。

【0046】
偏光ビームスプリッタ4fは、非線形偏波回転でモードロックする際、不要な偏光成分を除去する。

【0047】
(実施例)
実施例の受動モードロックファイバレーザ装置は、図4に示す実施形態4の受動モードロックファイバレーザ装置である。

【0048】
Tm添加ZBLANファイバ2は、長さが0.2mで、コア径が6μmの偏光保持シングルモードファイバーにTmを4mol%添加したものである。

【0049】
無添加ZBLANファイバ2a、2bは、長さが1mでコア径が6μmの偏光保持シングルモードファイバである。

【0050】
ポンプ光源3は、チタンサファイアレーザシステムであり、波長793nmのポンプ光を発生する。

【0051】
カップリングレンズ6a、6bは、焦点距離が6mmであり、表面に790nmと1.6~2.0μmの光に対するARコートが施されている。

【0052】
2色ミラー5は、790nmの光を透過し、1.6~2.0μmの光を反射するように誘電体多層膜が形成されている。

【0053】
回折格子7aの格子密度は、600本/mmであり、回折格子7aから平面鏡7cまでの光路長は0.075mである。

【0054】
ポンプ光源3のポンプパワーが140mWのとき、スペクトル幅0.3μm、平均パワー13mW、パルス幅50fs(図5参照)、繰り返し周波数67.5MHzの超短光パルスレーザが発生された。光-光変換効率は9%であった。

【0055】
すなわち、2μm帯でパルス幅が50fsと従来の約半分の超短光パルスを発生することができた。

【0056】
なお、図5のパルス波形は、周波数分解光ゲート(FROG)法により得られた時間—スペクトル分解画像を解析することで得られたものである。
【符号の説明】
【0057】
1・・・・・・・・・共振器
2・・・・・・・・・ファイバ利得媒質(Tm添加ZBLANファイバ)
2a、2b・・・・無添加ZBLANファイバ
3・・・・・・・・・ポンプ光源
4・・・・・・・・・モードロック機構
7・・・・・・・・・分散補償手段
10・・・・・・・・リング共振器
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4