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明細書 :陸上または水上を走行可能なプロテクトフレーム付き飛行体のバッテリーおよびその充電交換装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2015-221622 (P2015-221622A)
公開日 平成27年12月10日(2015.12.10)
発明の名称または考案の名称 陸上または水上を走行可能なプロテクトフレーム付き飛行体のバッテリーおよびその充電交換装置
国際特許分類 B64F   1/00        (2006.01)
B64C  37/00        (2006.01)
B64C  39/02        (2006.01)
B64D  27/24        (2006.01)
FI B64F 1/00 Z
B64C 37/00
B64C 39/02
B64D 27/24
請求項の数または発明の数 6
出願形態 OL
全頁数 17
出願番号 特願2014-106695 (P2014-106695)
出願日 平成26年5月23日(2014.5.23)
発明者または考案者 【氏名】山田 学
【氏名】高橋 七奈
【氏名】大塚 真生
【氏名】小澤 愛
出願人 【識別番号】304021277
【氏名又は名称】国立大学法人 名古屋工業大学
審査請求 未請求
要約 【課題】陸上(および可能な場合は水上)の走行ができる飛行体を対象として、自動バッテリー充電交換装置を提供する。
【解決手段】飛行体1は飛行体本体1-1の左右に回転可能にプロテクトフレーム1-5を持ち自由回転して地上走行可能である。自動バッテリー充電交換装置の回転部2-1-3には複数のバッテリーが置かれ充電されている。飛行体は自動バッテリー充電交換装置に地上走行で接近し、プロテクトフレームに当接するガイド2-2-1、2-2-2により制御されてセッティングされる。回転部が回転することにより自動でバッテリーが交換できる。また、複数のバッテリーを充電するので飛行時間と充電時間のバランスもよくなる。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
制御部およびバッテリー部からなる本体部と、推進部と、
前記本体部または前記推進部に、
主たる進行方向に垂直となるように取り付けた軸部を備え、
前記軸に回転可能で、
前記本体部および前記推進部を立体的に包み込むプロテクトフレーム、
とからなる飛行体を対象とした、
誘導部と充電交換部とからなるバッテリー充電交換装置であって、
前記誘導部において、
前記飛行体を前記プロテクトフレームの陸上または水上の転がり移動により前記交換部の位置で停止させ、
前記飛行体の前記バッテリー部のバッテリーと、
前記充電交換部のバッテリーと、
を自動で交換することを特徴とする自動バッテリー充電交換装置。
【請求項2】
前記誘導部として、前記プロテクトフレームに当接する、誘導ガイドおよびストッパーが備えられていることを特徴とする請求項1に記載の自動バッテリー充電交換装置。
【請求項3】
前記飛行体の位置または質量により作動してハンドを起動させるスイッチを備え、前記ハンドにより前記飛行体のバッテリーと前記充電交換部のバッテリーを交換せることを特徴とする請求項1乃至請求項2の何れか1項に記載の自動バッテリー交換装置。
【請求項4】
前記充電交換部には、複数のバッテリーを着脱可能に保持する回転部を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の自動バッテリー交換装置。
【請求項5】
前記バッテリーには連結部および弾性体を備えた取付け部を有し、前記飛行体および前記自動バッテリー交換装置と着脱可能なことを特徴とするバッテリー。
【請求項6】
前記取付け部には、接続端子を有し、前記飛行体または前記自動バッテリー交換装置の接続端子と、前記弾性体により付勢して接続していることを特徴とする請求項5記載のバッテリー。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、陸上(および可能な場合は水上を)走行可能なプロテクトフレーム付の飛行体のバッテリーとその自動バッテリー充電交換装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本発明の自動バッテリー充電交換装置の対象である、陸上(および可能な場合は水上を)走行可能なプロテクトフレーム付の飛行体に関する従来技術は、推進器(プロペラ駆動装置やジェット型推進装置など)をもつ飛行体(以下、飛行体本体)であり、例えば非特許文献1と2のようなヘリコプタ型のものや、非特許文献3のような飛行船型や、非特許文献4のような航空機型のものである。一方、特許文献1では、機体に複数のロータ(プロペラ)が配設された飛行体本体であって、ロータを2次元的にプロテクトフレームで囲うことによって、フレームの内側に配設される前記ロータと障害物との接触を防止する飛行体本体を開示している。
また、飛行体本体のバッテリーの自動充電・交換装置に関する従来技術は、非特許文献5に示すように自動でバッテリーを交換・充電するシステムが提案されている。
【先行技術文献】
【0003】

【特許文献1】特開2011-046355号公報
【0004】

【非特許文献1】田原誠、野波建蔵「マルチロータ型ヘリコプタの汎用的な機体設計手法と低コスト化による実現」日本機械学会論文集(C編)78巻787号(2012年)、pp.872-882
【非特許文献2】藤原大吾、辛振玉、羽沢建作、野波健蔵「自律小型無人ヘリコプタH∞ホバリング制御と誘導制御」日本機械学会論文集(C編)70巻697号(2004年)、pp.1708-1714
【非特許文献3】山田学、多喜康博、舟橋康行「定常風に対する飛行船システムの大域的な位置と姿勢の制御」日本機械学会論文集(C編)76巻767号(2010年)、pp.1770-1779
【非特許文献4】Rogelio Lozano 「Unmanned Aerial Vehicles」ISTE Ltd and JohnWiley& Sons、Inc.(2010年)pp.2-6
【非特許文献5】鮎澤秀夫、根本拓弥、岩倉大輔、野波健蔵「産業応用型マルチロータヘリコプタの自動バッテリー交換システムの開発」日本機械学会第13回「運動と振動の制御」シンポジウムUSB論文集[2013.8.27-30]、pp.B26
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし従来技術の飛行体本体および自動バッテリー充電交換装置には以下の件の問題がある。即ち、前記非特許文献1~4で開示された推進器(プロペラ駆動装置やジェット型推進装置など)をもつ飛行体本体、および特許文献1で開示された飛行体本体には、主に以下1)~3)の問題点がある。また、非特許文献5で開示された自動でバッテリーを交換・充電するシステムには、4)および5)の問題点がある。
【0006】
(問題点)
飛行体本体には、主に以下の問題がある。
1)現在のリチウムポリマーバッテリーでは、充電に時間を要する。例えば、世界中で最も有名で販売量が最も多いWiFiコントロールの4ローターヘリコプターであるParrot社のAR-DRONE2.0(全長0.5mX0.5m、質量425g)では、充電時間90分に対して飛行時間12分であり、バッテリーの稼働効率が約12%と低い。
2)移動するためには常に飛行するしかないため、飛行体本体を持ち上げる力が常に必要である。そのため、多大なエネルギーを要し、飛行時間も制限される。
3)陸上を移動できない。
【0007】
また、飛行体の自動バッテリー充電交換装置に関する従来技術には、非特許文献5に記載されているように、モーションキャプチャシステムに基づいた手法とテザードランディングシステムに基づいた手法が提案されているが、4)~5)の問題点がある。
4)モーションキャプチャシステムに基づいた手法では、複数台の高速高精度カメラなどで飛行中の3次元動作をリアルタイムで正確に測定し、フィードバック制御で障害物を回避し、充電のために指定させた位置に高精度で着陸させる方法であるため、それを実現するために高価な自動制御設備とカメラなどの設置スペースを必要とする。また、この手法では、着陸の位置精度により充電の可否が決まるが、着陸地点までの移動は飛行であるため、風などの外乱の影響を受けやすく、正確な位置の着陸が困難となり、確実性に乏しい。
【0008】
5)テザードランディングシステムに基づいた手法では、飛行体本体に搭載したリールからテザーを所定の長さまで降ろし、地上の充電装置に備えられたテザーキャプチャリング機構により、テザー先端の錘をロックした後、テザーを巻き取り、指定された位置に着陸させる手法である。しかし、テザーと錘の巻き取りを自動制御できる装置を飛行体本体に設置する必要がある。さらにこの手法では、着陸の位置精度および姿勢精度により充電の可否が決まり、着陸地点までの移動をテザーの巻き取りで行うことで、モーションキャプチャシステムに基づく手法に比べて確実性を向上させているが、テザーの巻き取りの際、機体姿勢を正確に保持する姿勢制御とテザーの張力を一定に保つ張力制御の両方を同時に必要とするため、風などの影響を受けやすく、特に低高度では自身で起こす風などにより飛行体は大きく煽られ、不安定化を起こしやすく、正確な位置・姿勢の着陸が困難となりやすい。また飛行体のテザーと錘をキャッチするテザーキャプチャ装置は長い2本のアームで構成され、長いほどキャッチできる確率が高まるが、装置が大型化してしまう。
【0009】
本発明は前記問題点を解決するものであり、既存の飛行体本体の必要な部分を保護するプロテクトフレームを飛行体本体に取り付けるだけで、3次元空間に存在する障害物に衝突しても飛行体本体の破損を生じず、着陸時や墜落時のダメージを軽減し、飛行体本体やこれに付加する搭載装置を保護する。よって、着陸や墜落をしても、陸上(および可能な場合は水上)を全方位走行できる。以下、「飛行体」とは、飛行体本体とプロテクトフレームを含む形態をいう。陸上(および可能な場合は水上)を移動できるので、飛行体を持ち上げる必要がないので移動時間が長くなる。
本発明は、安全性、操作性、および省エネルギー性に優れた、陸上(および可能な場合は水上)の走行ができる飛行体を対象として、自動バッテリー充電交換装置を提供することを目的とする。即ち、飛行体のバッテリーの充電・交換を自動的に行うため、プロテクトフレームをガイドとし、充電交換装置に確実にセッティングして充電する自動充電交換装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、制御部およびバッテリー部からなる本体部と、推進部と、前記本体部または前記推進部に、主たる進行方向に垂直となるように取り付けた軸部を備え、前記軸に回転可能で、前記本体部および前記推進部を立体的に包み込むプロテクトフレーム、とからなる飛行体を対象とした、誘導部と充電交換部とからなるバッテリー充電交換装置であって、前記誘導部において、前記飛行体を前記プロテクトフレームの陸上または水上の転がり移動により前記交換部の位置で停止させ、前記飛行体の前記バッテリー部のバッテリーと、前記充電交換部のバッテリーと、を自動で交換することを特徴とする自動バッテリー充電交換装置である。
請求項2に記載の発明は、前記誘導部として、前記プロテクトフレームに当接する、誘導ガイドおよびストッパーが備えられていることを特徴とする請求項1に記載の自動バッテリー充電交換装置である。
請求項3に記載の発明は、前記飛行体の位置または質量により作動してハンドを起動させるスイッチを備え、前記ハンドにより前記飛行体のバッテリーと前記充電交換部のバッテリーを交換せることを特徴とする請求項1乃至請求項2の何れか1項に記載の自動バッテリー交換装置である。
請求項4に記載の発明は、前記充電交換部には、複数のバッテリーを着脱可能に保持する回転部を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の自動バッテリー交換装置である。
請求項5に記載の発明は、前記バッテリーには連結部および弾性体を備えた取付け部を有し、前記飛行体および前記自動バッテリー交換装置と着脱可能なことを特徴とするバッテリーである。
請求項6に記載の発明は、前記取付け部には、接続端子を有し、前記飛行体または前記自動バッテリー交換装置の接続端子と、前記弾性体により付勢して接続していることを特徴とする請求項5記載のバッテリーである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1実施形態における、プロテクトフレーム付き飛行体と自動バッテリー充電交換装置を示す図である。
【図2】本発明の第1実施形態における自動バッテリー充電交換装置により、飛行体のバッテリーを交換する行程を説明する図である。
【図3】自動バッテリー充電交換装置における飛行体のプロテクトフレームとの車輪ストッパーの関係を示す図である。
【図4】本発明の第1実施形態における自動バッテリー充電交換装置のバッテリーの取付け部の構造を示す矢視図と三面図である。
【図5】本発明の第1実施形態における自動バッテリー充電交換装置のバッテリーの取付け部の平面図である。
【図6】本発明の第1実施形態における自動バッテリー充電交換装置により、飛行体からバッテリーを取り出す構造を説明する図である。
【図7】本発明の第1実施形態における自動バッテリー充電交換装置により、飛行体にバッテリーを取り付ける構造を説明する図である。
【図8】本発明の第1実施形態における自動バッテリー充電交換装置のハンド部によりバッテリーを保持する構造を説明する図である。
【図9】本発明の第1実施形態における自動バッテリー充電交換装置の回転部にバッテリーを保持する構造を説明する図である。
【図10】本発明の第1実施形態における自動バッテリー充電交換装置の回転部のバッテリーとハンド部の位置関係を示す図である。
【図11】本発明の第2実施形態における、プロテクトフレーム付き飛行体と自動バッテリー充電交換装置を示す図である。
【図12】本発明の第2実施形態における自動バッテリー充電交換装置により、飛行体のバッテリーを交換する行程を説明する図である。
【図13】本発明の第2実施形態における自動バッテリー充電交換装置のバッテリーの取付け部の構造を示す矢視図と三面図である。
【図14】本発明の第2実施形態における自動バッテリー充電交換装置によりバッテリーを飛行体に脱着する取付け部の詳細図である。
【図15】本発明の第2実施形態における自動バッテリー充電交換装置のバッテリーの連結部および飛行体の取付け部の平面図である。
【図16】本発明の第2実施形態における自動バッテリー充電交換装置の回転部にバッテリーを保持する構造を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の自動バッテリー充電交換装置は、陸上および水上を走行可能な飛行体のバッテリー部を自動で交換する装置である。飛行体は、制御部とバッテリー部からなる本体部、推進部からなる飛行体本体と推進部で発生する推力による転がり運動で自由に陸上及び水上移動ができる1つまたは2つのプロテクトフレームで構成される。本発明は、飛行体のプロテクトフレームの自動車の車輪のような機能の特徴を生かした、自動でバッテリーを交換する装置である。

【0013】
(飛行体の特徴)
まず、飛行体の特徴について、図1、図2、図3により説明する。
ただしこれらの図は一例であり、説明の簡単のため、飛行体本体は4ロータ型小型ヘリコプタとし、飛行体本体に取り付ける2つのプロテクトフレームを半球体としたが、本発明では任意の飛行体を対象とし、プロテクトフレームは大きさとして飛行体本体を立体的(3次元的)に覆い、形状として回転可能であり、軽量である条件を満たせば、その他の要件は任意である。また、一つの球状のプロテクトフレームでも良い。
例として、本体部を中心に十字形状の棒状のフレームを構成し、その端部に4つの推進部を固定する。4つの推進部のプロペラは、一つの平面上に配置される。4つのプロペラの回転数が同じ場合、飛行体本体は鉛直方向に飛行する。

【0014】
飛行体本体の水平方向の移動は、4つのプロペラの内、移動したい方向の2つのプロペラの回転数を下げる。飛行体本体は移動方向の端部が下がるように傾き飛行する。左右方向へ曲がる際は、左右のプロペラの回転数を変化させることにより行う。この水平移動は陸上及び水上走行の基本的な動作となる。
プロテクトフレームを取り付ける軸部は、棒状の形態をしている。軸部は、4つの推進部に干渉しないように、一方の端部を本体部の左右に固定し、他方の端部にプロテクトフレームを回転可能に取り付ける。軸部の取付け方向は、飛行体の陸上(および可能な場合は水上)での基本的な動作において主たる進行方向に対して垂直方向が望ましい。陸上又は水上においてプロテクトフレームを車輪として走行する際、輪郭部の回転による進行方向と主たる進行方向が一致しエネルギー効率が良いからである。
よって、図1~3に示す4ロータ型小型ヘリコプタの場合、飛行体本体としての水平移動の基本的な動作より、車輪としての飛行体の主たる進行方向は前後2方向となる。

【0015】
また、飛行体本体が、通常のヘリコプタのように人が乗る本体部の上部に主たるプロペラを搭載する形態の場合、操縦席がある方向が水平移動時の進行方向となる。よって、軸部は進行方向に垂直に本体部の左右に取り付けられる。この際プロペラは本体部の上部にあるので、軸部はプロペラと干渉しない。

【0016】
プロテクトフレームの大きさ、形状、重量の特徴は以下のようである。プロテクトフレームの大きさは、飛行体本体(特に推進器)を立体的(3次元的)に囲んでカバーし、墜落時・離陸時・着陸時・飛行時において飛行体本体(特に推進器)が陸上や障害物に当たらないよう、十分な大きさをもつものとする。飛行体を立体的に包み込むため、プロテクトフレームは、本体部および推進部に対して凹形状(円盤形状も含む)となっている。プロテクトフレームの形状は、いかなる姿勢で着陸しても転がりやすい形状(例えば飛行体本体の進行方向から見た場合半球又は円筒形形状をしており、進行方向に平行かつ軸部の伸びる方向に直交する断面形状が円形(円盤形状も含む)又は6角形以上の多面体などが良い)とし、かつ内部の飛行体本体の空気の流れを妨げないよう、十分な隙間をもつようにする。プロテクトフレームの重量は、飛行体本体のペイロード以下で十分に軽量とし、プロテクトフレームを含めた飛行体が、離陸を含め空中で自由に運動できるものである。

【0017】
左右2つのプロテクトフレームを、飛行体の軸部の両端にそれぞれ取り付ける場合、一軸のみ自由回転できるように構成する。搭載方法として、つぎのイ)、ロ)、ハ)の3つの実施形態が可能なようにすると良い。
イ)着陸時や墜落時において、いかなる姿勢で着陸しても周りを囲った左右のプロテクトフレームにより、飛行体本体(特にプロペラなどの推進器)を破損せずに転がり、飛行体本体の姿勢を自動で回復し、最終的に離陸時に都合のよい姿勢となること。
ロ)陸上において、推進部を制御部で制御し、飛行体本体を進みたい方向に傾ければ、飛行体本体は姿勢を保持したまま、プロテクトフレームは回転し陸上を転がり走行する。左右2つのプロテクトフレームの輪郭部が、2輪車両の車幅方向の車輪(タイヤ)の役割を果たすため、陸上走行時に飛行体はロール方向の動きが抑えられ、直進安定性が高い。
ハ)陸上において、飛行体にヨー方向の回転力を与えれば、左右2つのプロテクトフレームの輪郭部が2輪車両の車輪として互いに反対向きに回転するので、飛行体はその場でヨー方向に容易に回転できる。よって、飛行体は陸上を安全かつあらゆる方向に移動できる。

【0018】
また、飛行体の他の実施例もある。これは、飛行体本体の本体部として推進部を搭載するためのステーが本体部から十字型に4本即ち2対あるが、この1対のステー部の左右両端に軸部を接続するものである。
軸部の両端部にプロテクトフレームがつくのは同じ構造である。このような構成でよれば、本体部に軸部を取りつける必要がないので本体部の設計自由度が大きくなる。

【0019】
尚、飛行体の飛行や走行等のあらゆる移動については、バッテリーの充電容量を考慮して移動行程をプログラム化して制御部(1-2)に入力しておく自動操縦を行うことが多いが、緊急時等の操縦の柔軟性を確保するために、手動による遠隔操縦で移動制御可能にしている。このような構成にすれば、指定された遠隔地や災害地や人が行きにくい場所などへ、瓦礫や障害物があっても無人で安全かつ確実に移動し、空撮、観測、監視などの作業を実施でき、自動バッテリー充電交換装置と組み合わせれば、半永久的な自動観測・監視システムも実現できる。

【0020】
水上も走行可能とする飛行体について説明する。これは、左右のプロテクトフレーム輪郭部(タイヤに相当)を、水の密度より小さくすることで達成できる。例えば、タイヤのチューブように中空化にたり、発砲した樹脂のようにする。また、中空化と発砲樹脂の併用でも良い。発砲樹脂としては、例えば発砲ポリエチレン(見かけ密度0.0227g/cm3)等、発砲スチロール(見かけ密度0.0169g/cm3)等を用いると良い。これにより水上を走行可能となる。

【0021】
本発明の自動バッテリー充電交換装置の実施形態を2例示す。バッテリーの稼働効率が低い(約12%)問題の解消方法として、自動バッテリー充電交換装置に、バッテリーを複数個設置(例10個)して充電し、1個づつ使用してバッテリーの電気容量がなくなってくる時間内に、自動バッテリー充電交換装置に戻して自動交換する。

【0022】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態を、図1から図10に示す。
図1は、本発明の第1実施形態における、プロテクトフレーム付き飛行体と自動バッテリー充電交換装置を示す図である。
自動バッテリー充電交換装置には、充電交換部と誘導部がある。誘導部は、飛行体の左右のプロテクトフレームの外形形状を利用して、これに当接するガイド部を有する。飛行体は、ガイド部に誘導されて自動バッテリー充電交換装置にセッティングされる。

【0023】
具体的には、一対の誘導ガイド1は、その一方の端部を、飛行体が自動バッテリー充電交換装置に向かって進行してくる方向に対して凸になるように互いに当接する。他方の端部は、もう一対の誘導ガイド2の一方の端部と当接する。一対の誘導ガイド2は、互いに平行に設定され、その間隔は、飛行体の左右のプロテクトフレームの輪郭部の間隔に、嵌合するように設定される。一対の誘導ガイド2の他方の端部はストッパー(壁)に当接し、ストッパーは飛行体の進行を止める役割を果たす。よって、壁の高さは飛行体のプロテクトフレームの輪郭部の半径よりも高く設定する。一方、誘導ガイド1及び誘導ガイド2は、輪郭部に当接して飛行体を誘導するガイドレールの役割を果たす高さで良い。また、誘導ガイド1の側面部の直線部と球状のプロテクトフレームの輪郭部の円弧部は点接触しているので摩擦力は小さく、飛行体はスムーズに誘導される。
このように飛行体が自動バッテリー充電交換装置に向かって陸上または水上を進行する際、2つのプロテクトフレームの輪郭部の間隔範囲内に誘導ガイド1の凸部があれば、飛行体は誘導ガイド1に導かれ、誘導ガイド2の外側に導かれる。即ち、飛行体の移動制御は、飛行するのに比べ地上を移動するので制御が安定して行える。また、飛行体の制御位置にバラツキが発生しても、誘導ガイド1により矯正される。

【0024】
また、誘導ガイド1は、飛行体が進行してくる方向に対して凹、即ちハの字に開いて設置しても良い。飛行体の自動バッテリー充電交換装置への進行範囲が、誘導ガイド1のハの字に開いた両端の範囲内にあれば、飛行体は充電装置に誘導ガイドに沿って導かれる。 尚、一体式プロテクトフレームの場合は、この誘導部を用いる。

【0025】
図2により、第1実施形態の自動バッテリー充電交換装置による飛行体のバッテリーを交換する行程を説明する。
尚、下記の行程における飛行体の制御は地上より遠隔操作で主に自動で行う。
(1)飛行体は、自動バッテリー充電交換装置の送受信機から送られてくる信号を検知し、プロテクトフレームが地上または水上を回転して近づく。
(2)飛行体は、プロテクトフレームが誘導ガイド1及び誘導ガイド2に当接し回転しながら、充電交換部に近づく。
(3)プロテクトフレームがストッパーに当たり飛行体は停止する。飛行体の自重により、スイッチが押され、ハンド部が上昇し、バッテリーを取る。
(4)バッテリーを回転部に置き、そのバッテリーの充電を開始する。
(5)ハンド部を下にさげ、回転部が回転する。
(6)充電が完了しているバッテリーをハンド部が取り、バッテリーを飛行体に取り付ける。
(7)飛行体は、上記(1)のときと逆方向の推力を与えることにより、プロテクトフレームを回転させながら、自動バッテリー充電交換装置から離れる。

【0026】
第1実施形態の回転部は、水平に設置される台で円形をしている。台上に、複数のバッテリーがほぼ等間隔で設置される。台上で電気的に接続され充電される。

【0027】
図3は、自動バッテリー充電交換装置における飛行体のプロテクトフレームとの車輪ストッパーの関係を示す図である。プロテクトフレームが車輪ストッパーを乗り越え、プロテクトフレームがストッパーに当たり飛行体は停止する。この際、車輪ストッパーは、飛行体を反動により逆方向に移動するのを防ぐ。
また、車輪ストッパーは、飛行体がいない場合、陸上ラインより下に収納され、飛行体の自重により作動するスイッチにて上昇し飛行体のプロテクトフレーム後部に当接して停止して、飛行体を前後方向で固定しても良い。

【0028】
図4は、本発明の第1実施形態における自動バッテリー充電交換装置のバッテリーの取付け部の構造を示す矢視図と三面図である。バッテリー本体にバッテリーカバーを取り付ける。バッテリーカバーには側面および上面に穴があいており、一対のL字形状ブラケットが取付けられている。一対のL字形状のブラケットにより連結部が構成され、弾性体を介して連結している。連結部の両側を圧縮すると連結部の上部も接近する。連結部の上部は、引っかけ部がある。即ち、バッテリーの取付け部は、連結部と弾性体をからなり、バッテリーカバーに勘合したものである。
バッテリーを飛行体から取り外す場合、ハンド部により連結部の両側を圧縮し、連結部上部の引っかけ部も圧縮もする。その後、飛行体の取付け部から下部に移動することで取り外す。
また、バッテリーに飛行体から取付ける場合、ハンド部により連結部の両側を圧縮し、連結部上部の引っかけ部を圧縮する。飛行体の取付け部に挿入し、圧縮力を解除すると連結部が広がり、飛行体の取付け部へ締結される。
また、バッテリーの連結部上部の引っかけ部の下には、端子部(バッテリーの+-電極)がある。バッテリー本体の+-電極と電線により電気的に連結している。
また、飛行体のバッテリーの取付け部の、対応箇所にも端子部(バッテリーの+-電極)がある。よって、弾性体により電気的な接合も確保できる。

【0029】
図5は、本発明の第1実施形態における自動バッテリー充電交換装置のバッテリーの取付け部の平面図である。
バッテリーの両側に出張っている連結部の下部を中央に圧縮すると、バッテリー本体の+-電極に連結している電線も動く。よって、これを見込んだ設計が必要である。
ここで、弾性体は、コイルバネ、板バネ、ゴムなどのバネ性を有する材料などである。

【0030】
図6は、本発明の第1実施形態における自動バッテリー充電交換装置により、飛行体からバッテリーを取り出す構造を説明する図である。右上図から反時計周りに右下の図への工程で説明する。
ハンド部が、飛行体(機体)に装着されているバッテリーを取り外し回収するために、バッテリーの位置まで上昇する。次に、ハンドにより、バッテリーの連結部を両側(左右)から押して圧縮する。この際、弾性体(バネ等)は、圧縮される。連結部の引っかけ部が、飛行体の取付け部の穴より小さくなる。次に、ハンド部を下に下げることで、バッテリーは飛行体から取り外され回収できる。

【0031】
図7は、本発明の第1実施形態における自動バッテリー充電交換装置により、飛行体にバッテリーを取り付ける構造を説明する図である。右上図から反時計周りに右下の図への工程で説明する。
ハンド部がバッテリーを保持して、飛行体の取付け部に対して上昇する。バッテリーの連結部は、弾性体が圧縮されているので、その上部は凸(三角形)になっているので、飛行体の取付け部の溝に入りやすい。次に、ハンド部が左右に開くことによって、弾性体によって連結部は左右に広がり、飛行体の取付け部に機械的に押しつけられ勘合する。よって、電気的接続も確保される。

【0032】
図8は、本発明の第1実施形態における自動バッテリー充電交換装置のハンド部によりバッテリーを保持する構造を説明する図である。
左図は、連結部の弾性体が圧縮された状態である。電気的にも開放されている。
右図は、連結部の弾性体がハンド部の圧縮から開放された状態である。飛行体とバッテリーは機械的にも電気的にも接続されている。
尚、バッテリーの電線は長さが変化するので、長さに余裕をもたせた設計が必要である。

【0033】
図9は、本発明の第1実施形態における自動バッテリー充電交換装置の回転部にバッテリーを保持する保持部の構造を説明する図である。
回転部は円盤形状で水平に設置され、その上にバッテリーは、複数個取り付けられ充電されている。
回転部の円盤の上に、バッテリー毎にバッテリー保持部(置き場)が、円盤上面とバッテリー保持部下面とにスペースを確保して柱を介して設けてある。この際、柱は片方を開放した方持ち状態とする。開放下側のスペースにハンド部が入り、ここから上部へ移動し、バッテリーの連結部をはさんで圧縮し持ち上げる等の操作を行う。バッテリー保持部には、四方に壁部がありバッテリーが落ちないようにしている。
バッテリーの充電方法は、例えばバッテリーの下面に充電端子があり、バッテリー保持部上面の端子と電気的に接続して行う。また、非接触で電磁誘導にて充電しても良い。

【0034】
図10は、本発明の第1実施形態における自動バッテリー充電交換装置の回転部のバッテリーとハンド部の位置関係を示す図である。ハンド部は、バッテリーの移動操作を行わない時を示しており、円盤上面とバッテリー保持部下面とのスペース(すき間)に位置し、バッテリー交換時の円盤回転時に、バッテリー保持部を支える柱と干渉しないようになっている。

【0035】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態の特徴は、回転部が、第1実施形態の回転部の円盤が水平に置かれ、バッテリー交換時の移動が水平面で回転するのに対して、垂直面で回転し、この動作でバッテリーを交換することである。従って、ハンド部が不要である。
図11から17で説明する。

【0036】
図11は、本発明の第2実施形態における、プロテクトフレーム付き飛行体と自動バッテリー充電交換装置を示す図である。回転部は、ドーナッツ状のベルトとなっており、外側にバッテリーの保持部が複数個取り付けてある。保持部には充電用の端子がある。ベルト上部のバッテリー保持部の高さと地上を走行している飛行体のバッテリー位置の高さとはほほ同レベルにある。
その他は図1と同じである。

【0037】
図12は、本発明の第2実施形態における自動バッテリー充電交換装置により、飛行体のバッテリーを交換する行程を説明する図である。
(1)飛行体は、自動バッテリー充電交換装置の送受信機から送られてくる信号を検知し、プロテクトフレームが地上または水上を回転して近づく。
(2)飛行体は、プロテクトフレームが誘導ガイド1及び誘導ガイド2に当接し回転しながら、自動バッテリー充電交換装置の回転部に近づく。
(3)プロテクトフレームがストッパーに当たり飛行体は停止する。飛行体の自重により、スイッチが押され、回転部が回転しベルト上の保持部が、飛行体のバッテリーと勘合して飛行体からバッテリーを取り去り充電を開始する。
(4)更に、回転部が回転しベルト上の充電が完了しているバッテリーを保持している保持部が、飛行体下部の取付け部にバッテリーを取付ける。これでバッテリー交換が完了し、回転部の回転が停止する。
(5)飛行体は、上記(1)のときと逆方向の推力を与えることにより、プロテクトフレームを回転させながら、自動バッテリー充電交換装置から離れる。

【0038】
図13は、本発明の第2実施形態における自動バッテリー充電交換装置のバッテリーの取付け部の構造を示す矢視図と三面図である。
連結部の引っかけ部の形状は、前方および後方に対して面取りをした三角形とする。弾性体を圧縮すると、連結部は、回転の進行方向の前方又は後方にたいして凸となる三角形の形状となる。
バッテリー部のその他の構造は第1実施形態と同じである。

【0039】
図14は、本発明の第2実施形態における自動バッテリー充電交換装置によりバッテリーを飛行体に脱着する取付け部の詳細図である。
図15は、本発明の第2実施形態における自動バッテリー充電交換装置のバッテリーの連結部および飛行体の取付け部の平面図である。
図14、図15を用いて、バッテリーの脱着機構について説明する。
飛行体へのバッテリー取付けの場合、バッテリーは回転部(ベルト)上に、保持部により固定されている。この状態で飛行体の取付け部に当接すると、取付け部入り口の開口面積が小さいため、バッテリーの連結部は、ベルトの移動に伴い弾性体が圧縮される。図15はバッテリーが飛行体の取付け部に取付けが完了した状態を示す。ここでバッテリーの保持部が開放される。これでバッテリーは、自動バッテリー充電交換装置から飛行体に取付けられる。
一方、飛行体からバッテリーを取り外す場合、回転部(ベルト)上にはバッテリーは無く保持部がある。この状態で保持部が飛行体のバッテリー部に回転移動すると、保持部がバッテリーを固定する。この際、ベルトが一時停止して固定を確実に行う。ベルトが再起動すると、バッテリーの連結部は、図14のハンドが開いた状態から、飛行体の取付け部の出口側の開口部に向かって移動するので、弾性体は圧縮され連結部の引っかけ部の先端が凸になる。よって、バッテリーは飛行体から取り外される。
連結部の引っかけ部の下には、バッテリー側及び飛行体側の端子があり弾性体の力により接続している。

【0040】
図16は、本発明の第2実施形態における自動バッテリー充電交換装置の回転部にバッテリーを保持する構造を説明する図である。
保持部には三角形状の凸部をつけ、対応するバッテリーの連結部の当接する部位には三角形状の凹部をつけることで、保持部がバッテリーを保持する際の位置決めが容易で可能となる。
【符号の説明】
【0041】
1 飛行体
1-1 本体部
1-2 制御部
1-3 推進部
1-4 軸部
1-5 プロテクトフレーム
1-6 バッテリー取付け部
2 バッテリー充電交換装置
2-1 充電交換部
2-1-1 ハンド部
2-1-2 昇降部
2-1-3 回転部
2-1-4 保持部(充電端子)
2-2 誘導部
2-2-1 誘導ガイド1
2-2-2 誘導ガイド2
2-2-3 ストッパー
2-2-4 車輪ストッパー
2-2-5 スイッチ
2-3 送受信機
3 バッテリー部
3-1 バッテリー本体
3-2 バッテリーカバー
3-3 弾性体
3-4 連結部
3-4-1 切り込み部
3-5 端子部(電池の+-電極)
3-6 配線(電池から端子に繋ぐ部分)
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
14
【図16】
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