TOP > 国内特許検索 > 電子ホログラフィ立体映像再生装置 > 明細書

明細書 :電子ホログラフィ立体映像再生装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4963477号 (P4963477)
公開番号 特開2009-180995 (P2009-180995A)
登録日 平成24年4月6日(2012.4.6)
発行日 平成24年6月27日(2012.6.27)
公開日 平成21年8月13日(2009.8.13)
発明の名称または考案の名称 電子ホログラフィ立体映像再生装置
国際特許分類 G03H   1/26        (2006.01)
FI G03H 1/26
請求項の数または発明の数 8
全頁数 13
出願番号 特願2008-020677 (P2008-020677)
出願日 平成20年1月31日(2008.1.31)
審査請求日 平成22年12月24日(2010.12.24)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】301022471
【氏名又は名称】独立行政法人情報通信研究機構
発明者または考案者 【氏名】妹尾 孝憲
【氏名】三科 智之
【氏名】大井 隆太朗
【氏名】山本 健詞
【氏名】奥井 誠人
個別代理人の代理人 【識別番号】100064414、【弁理士】、【氏名又は名称】磯野 道造
【識別番号】100111545、【弁理士】、【氏名又は名称】多田 悦夫
審査官 【審査官】中村 理弘
参考文献・文献 特開平09-258641(JP,A)
特開平11-038359(JP,A)
特開2006-119442(JP,A)
特開平09-258643(JP,A)
調査した分野 G03H 1/04
G03H 1/26
特許請求の範囲 【請求項1】
被写体を撮影する撮影レンズと、この撮影レンズを通過して形成される被写体像から出る光の位相と振幅を表す干渉縞を生成する情報取得ホログラム生成手段と、この情報取得ホログラム生成手段により生成されたホログラムを表示するホログラム表示手段と、このホログラム表示手段により表示されるホログラムに読出光を照射する光照射手段と、この光照射手段の読出光により出力される前記ホログラムの回折光を通して再生像を形成する再生レンズと、この再生レンズの焦点の位置に配置して、前記回折光の半分を遮断する遮光板と、を備え、
前記撮影レンズから当該撮影レンズにより形成される被写体像までの距離と、前記ホログラム表示手段により表示されるホログラムによる被写体像から前記再生レンズまでの距離とを合わせた距離が、前記撮影レンズの焦点距離および前記再生レンズの焦点距離の和の距離となるように設定されることを特徴とする電子ホログラフィ立体映像再生装置。
【請求項2】
前記撮影レンズと前記再生レンズとがリレーレンズを形成することを特徴とする請求項1に記載の電子ホログラフィ立体映像再生装置。
【請求項3】
前記再生レンズは、前記撮影レンズの焦点距離より長い焦点距離を持つレンズ、もしくは、前記撮影レンズの焦点距離より短い焦点距離を持つレンズであることを特徴とする請求項1に記載の電子ホログラフィ立体映像再生装置。
【請求項4】
前記情報取得ホログラム生成手段は、コヒーレントな光を被写体に照射すると共に、参照光とする参照光照射手段と、この参照光照射手段からの参照光を、前記撮影レンズを介した後の被写体像からの光と重ねて得られる干渉縞を撮像する干渉縞撮像手段とを備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子ホログラフィ立体映像再生装置。
【請求項5】
前記情報取得ホログラム生成手段は、前記撮影レンズを介して被写体像から出る光を透過して要素画像とする要素レンズをアレー状に配置した要素レンズ群と、この要素レンズ群を通して得られる要素画像の集積像を立体映像情報として撮像する撮像手段と、この撮像手段で撮像した立体映像情報から前記被写体像の光の位相と振幅を示す干渉縞を演算して求めるホログラム生成手段と、を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子ホログラフィ立体映像再生装置。
【請求項6】
前記情報取得ホログラム生成手段は、前記撮影レンズを介して被写体像を平面映像として取得する平面像撮像手段と、この平面像撮像手段の平面映像の取得と同時に、その平面映像の奥行情報を、前記撮影レンズまたは別の撮影レンズを介して得られる前記被写体までの距離を示す距離画像として取得する距離画像取得手段と、この距離画像取得手段で取得した距離画像と前記平面像撮像手段により撮像した平面映像とをマッチングさせ前記被写体と当該被写体の奥行情報との組により生成される前記立体映像情報から、前記被写体像の光の位相と振幅を示す干渉縞を演算して求めるホログラム生成手段と、を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子ホログラフィ立体映像再生装置。
【請求項7】
前記情報取得ホログラム生成手段は、前記立体映像情報からRGBに対応するそれぞれのR用ホログラム、G用ホログラム、B用ホログラムを生成し、
前記ホログラム表示手段は、前記R用ホログラム、前記G用ホログラム、前記B用ホログラムを表示し、
前記再生レンズは、RGBに対応する前記R用ホログラム、前記G用ホログラム、前記B用ホログラムのそれぞれの光経路中に配置され、
前記再生レンズのそれぞれを通過した光を重ねて前記被写体の再生像を表示するように、反射鏡およびハーフミラーを設置することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子ホログラフィ立体映像再生装置。
【請求項8】
撮影レンズを介して表示される被写体の被写体像から出る光の位相と振幅を表す干渉縞をホログラムとして生成する撮像装置から前記ホログラムのデータを受け取り、前記ホログラムを表示して前記被写体の再生像を再生する電子ホログラフィ立体映像再生装置において、
前記ホログラムを表示するホログラム表示手段と、このホログラム表示手段により表示されるホログラムに読出光を照射する光照射手段と、この光照射手段の読出光により出力される前記ホログラムの回折光を通して再生像を形成する再生レンズと、この再生レンズの焦点の位置に配置して、前記回折光の半分を遮断する遮光板と、を備え、
前記撮影レンズから当該撮影レンズにより形成される被写体像までの距離と、前記ホログラム表示手段により表示されるホログラムによる被写体像から前記再生レンズまでの距離とを合わせた距離が、前記撮影レンズの焦点距離と前記再生レンズの焦点距離との和の距離となるように、前記再生レンズを設置したことを特徴とする電子ホログラフィ立体映像再生装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、被写体を電子ホログラフィによる立体映像として再生する電子ホログラフィ立体映像再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電子ホログラフィ像を撮像して立体映像として表示する場合には、被写体を撮影するレンズにより、被写体の縮小像を形成し、この縮小像から出る光を微小なレンズ(要素レンズ)を多数配列したレンズアレー(要素レンズ群)に通して得られる多数の微小な像(要素画像)を集積像として撮影する。つぎに、撮影した集積像から出る光を再度、要素レンズ群を通すことで、撮影時の縮小画像を再生し、この縮小像から出る光の振幅と位相の情報を、参照光との干渉縞として計算で求め、得られた干渉縞を液晶などのディスプレイに表示し、そのディスプレイにレーザ光を参照光として照射することで、撮影時の縮小像を再生する電子ホログラフィによる映像再生方法が知られている(非特許文献1)。
【0003】

【非特許文献1】三科智之、外5名「インテグラル・ホトグラフィーホログラム変換による実写入力電子ホログラフィの検討」3次元画像コンファレンス2007、No.1-4、2007年7月12日(CD当日配布)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の電子ホログラフィによる映像再生方法の技術では以下に示す問題点が存在した。
従来の電子ホログラフィによる映像再生方法の技術では、被写体そのものではなく、縮小投影された被写体像を再生するものであるため、特に、被写体が撮影レンズから遠くなるほど、再生される再生像のサイズや奥行が縮小されており、被写体と同じサイズや奥行きの映像が再生できないという問題があった。
【0005】
本発明は、前記の問題点に鑑み創案されたものであり、被写体の再生像が表示されるときに再生像のサイズが小さくなることのない電子ホログラフィ立体映像再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る電子ホログラフィ立体映像再生装置は、前記目的を達成するため、以下に示すような構成とした。すなわち、電子ホログラフィ立体映像再生装置は、被写体を撮影する撮影レンズと、この撮影レンズを通過して形成される被写体像から出る光の位相と振幅を表す干渉縞を生成する情報取得ホログラム生成手段と、この情報取得ホログラム生成手段により生成されたホログラムを表示するホログラム表示手段と、このホログラム表示手段により表示されるホログラムに読出光を照射する光照射手段と、この光照射手段の読出光により出力される前記ホログラムの回折光を通して再生像を形成する再生レンズと、この再生レンズの焦点の位置に配置して、前記回折光の半分を遮断する遮光板と、を備え、前記撮影レンズから当該撮影レンズにより形成される被写体像までの距離と、前記ホログラム表示手段により表示されるホログラムによる被写体像から再生レンズまでの距離とを合わせた距離が、前記撮影レンズの焦点距離および前記再生レンズの焦点距離の和の距離となるように設定される構成とした。
【0007】
このように構成された電子ホログラフィ立体映像再生装置は、撮影レンズを通して被写体像から出る光の位相と振幅を表す干渉縞を情報取得ホログラム生成手段により生成する。そして、電子ホログラフィ立体映像再生装置は、生成した干渉縞をホログラム表示手段により表示すると共に、光照射手段により読出光を照射して回折光とし再生レンズにより被写体の再生像を形成する。電子ホログラフィ立体映像再生装置は、再生レンズと再生像との光経路中において、再生レンズにおける焦点の位置に遮光板を設置しているために、再生像として形成される場合に邪魔になる共役光等を除去することができ、また、撮影レンズと再生レンズとがそれぞれの焦点距離の和の距離を離した位置に設置されるため、再生像が元の被写体と同等あるいはそれ以上の大きい像として再生することができる。
【0008】
なお、前記した構成とした場合、前記電子ホログラフィ立体映像再生装置は、前記撮影レンズと前記再生レンズとが同じ焦点距離のリレーレンズを形成する構成としても構わない。
このように構成したことにより、電子ホログラフィ立体映像再生装置は、被写体と同等の大きさと同じ奥行を持った再生像を再生することができる。
【0009】
また、前記電子ホログラフィ立体映像再生装置は、前記再生レンズが、撮影レンズの焦点距離より長い焦点距離を持つレンズ、もしくは、前記撮影レンズの焦点距離より短い焦点距離を持つレンズである構成としてもよい。
このように構成したことにより、電子ホログラフィ立体映像再生装置は、小さな被写体を拡大して再生することや、もしくは、遠くの被写体を拡大して再生することができる。
【0010】
さらに、前記電子ホログラフィ立体映像再生装置は、前記情報取得ホログラム生成手段が、コヒーレントな光を被写体に照射すると共に、参照光とする参照光照射手段と、この参照光照射手段からの参照光を、前記撮影レンズを介した後の被写体像からの光と重ねて得られる干渉縞を撮像する干渉縞撮像手段とを備える構成としてもよい。
【0011】
このように構成したことにより、電子ホログラフィ立体映像再生装置は、被写体に参照光照射手段によりコヒーレントな光を照射し、その反射した光と、参照光照射手段からの参照光と、を重ねて干渉縞撮像手段に撮像することで干渉縞であるホログラムを取得することができる。
【0012】
そして、前記電子ホログラフィ立体映像再生装置は、前記情報取得ホログラム生成手段が、前記撮影レンズを介して被写体像から出る光を透過して要素画像とする要素レンズをアレー状に配置した要素レンズ群と、この要素レンズ群を通して得られる要素画像の集積像を立体映像情報として撮像する撮像手段と、この撮像手段で撮像した立体映像情報から前記被写体像の光の位相と振幅を示す干渉縞を演算して求めるホログラム生成手段と、を備える構成としてもよい。
【0013】
このように構成したことにより、電子ホログラフィ立体映像再生装置は、被写体を、撮影レンズを介して要素レンズを整列させた要素レンズ群により要素画像とし、その要素画像の集積像を立体映像情報として撮像手段に撮像する。そして、電子ホログラフィ立体映像再生装置は、撮像手段により撮像した立体映像情報から被写体像から出る光の位相と振幅を示す干渉縞をホログラムとしてホログラム生成手段により演算して求めることができる。
【0014】
また、前記電子ホログラフィ立体映像再生装置は、前記情報取得ホログラム生成手段が、前記撮影レンズを介して被写体像を平面映像として取得する平面像撮像手段と、この平面像撮像手段の平面映像の取得と同時に、その平面映像の奥行情報を、前記撮影レンズまたは別の撮影レンズを介して得られる前記被写体までの距離を示す距離画像として取得する距離画像取得手段と、この距離画像取得手段で取得した距離画像と前記平面像撮像手段により撮像した平面映像とをマッチングさせ前記被写体と当該被写体の奥行情報との組により生成される前記立体映像情報から前記被写体像の光の位相と振幅を示す干渉縞を演算して求めるホログラム生成手段と、を備える構成としてもよい。
【0015】
このように構成したことにより、電子ホログラフィ立体映像再生装置は、平面撮像手段により撮像した被写体の平面映像と、距離画像取得手段により取得した被写体の距離画像とをマッチングさせて立体映像情報とし、その立体映像情報から干渉縞をホログラム生成手段により演算して被写体のホログラムとして生成することができる。
【0016】
なお、前記電子ホログラフィ立体映像再生装置は、前記情報取得ホログラム生成手段が、前記立体映像情報からRGBに対応するそれぞれのR用ホログラム、G用ホログラム、B用ホログラムを生成し、前記ホログラム表示手段が、前記R用ホログラム、前記G用ホログラム、前記B用ホログラムを表示し、前記再生レンズが、RGBに対応する前記R用ホログラム、前記G用ホログラム、前記B用ホログラムのそれぞれの光経路中に配置され、前記再生レンズのそれぞれを通過した光を重ねて前記被写体の再生像を表示するように、反射鏡およびハーフミラーを設置する構成としてもよい。
【0017】
このように構成したことにより、電子ホログラフィ立体映像再生装置は、被写体と同じ大きさあるいはそれ以上の大きさとなる被写体のカラー再生像を、再生することができる。
【0018】
また、電子ホログラフィ立体映像再生装置は、撮影レンズを介して表示される被写体の被写体像から出る光の位相と振幅を表す干渉縞をホログラムとして生成する撮像装置から前記ホログラムのデータを受け取り、前記ホログラムを表示して前記被写体の再生像を再生する電子ホログラフィ立体映像再生装置において、前記ホログラムを表示するホログラム表示手段と、このホログラム表示手段により表示されるホログラムに読出光を照射する光照射手段と、この光照射手段の読出光により出力される前記ホログラムの回折光を通して再生像を形成する再生レンズと、この再生レンズの焦点の位置に配置して、前記回折光の半分を遮断する遮光板と、を備え、前記撮影レンズから当該撮影レンズにより形成される被写体像までの距離と、前記ホログラム表示手段により表示されるホログラムによる被写体像から再生レンズまでの距離とを合わせた距離が、前記撮影レンズの焦点距離と前記再生レンズの焦点距離との和の距離となるように、前記再生レンズを設置した構成とした。
【0019】
このように構成したことにより、電子ホログラフィ立体映像再生装置は、被写体をホログラムとして生成したデータを、ホログラム表示手段により表示して、表示したホログラムを光照射手段により照射する読出光を介して回折光として出力する。そして、電子ホログラフィ立体映像再生装置は、予め撮影レンズとの位置関係を設定された再生レンズを通過する回折光を、遮光板により半分の領域を遮光して、被写体と同じ大きさおよび同じ奥行きの再生像として表示する。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る電子ホログラフィ立体映像再生装置は、以下に示すような優れた効果を奏するものである。
電子ホログラフィ立体映像再生装置は、被写体の撮像から表示までの光経路において撮影レンズおよび再生レンズがそれぞれの焦点距離の和の距離を離して設置されるように構成しているので、例えば、両レンズの焦点距離を互いに異ならせることで、被写体と同じサイズ以上の再生像を表示することができる。なお、電子ホログラフィ立体映像再生装置は、撮影レンズと再生レンズとが同じ焦点距離のリレーレンズの関係に構成されることで歪みがなく、被写体と同じサイズで、同じ奥行きとなる再生像を表示することができる。
【0021】
また、電子ホログラフィ立体映像再生装置は、再生レンズが撮影レンズの焦点距離より長い焦点距離を持つレンズ、もしくは、短い焦点距離を持つレンズにすることで、小さな被写体を拡大して再生することや、もしくは、遠くの被写体を拡大して再生することができる。
【0022】
電子ホログラフィ立体映像再生装置は、撮影レンズおよび再生レンズの配置、ならびに、遮光板の設置により、再生時に不要となる共役光等の不要光を除去する場合に、通常必要になる、再生レンズと対をなしてリレーレンズを構成する出力レンズを省略して装置全体を小型化することができる。また、被写体のカラー再生像を再生する場合に、特に、再生レンズと遮光板をRGBで共用してレンズの少ない構成とした小型化を実現できる。
【0023】
電子ホログラフィ立体映像再生装置は、立体映像情報を干渉縞として取得することや、あるいは、立体映像情報を要素画像の集積像として取得することや、または、立体映像情報を平面映像および奥行き情報を用いて取得することのいずれであっても実現できるため、汎用性にすぐれている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面を参照して本発明に係る電子ホログラフィ立体映像再生装置を説明する。
図1は、電子ホログラフィ立体映像再生装置の全体構成を模式的に示す模式図、図2は電子ホログラフィ立体映像再生装置の撮影レンズと再生レンズの設置位置の関係を模式的に示す模式図である。
【0025】
図1に示すように、電子ホログラフィ立体映像再生装置1は、被写体Wの立体映像情報を、撮影レンズ11を介して取得すると共にホログラムを生成する情報取得ホログラム生成手段20(立体映像情報取得手段2、ホログラム生成手段3)と、この情報取得ホログラム生成手段20により生成したホログラムを記憶する記憶手段4と、この記憶手段による記憶したホログラムを読み出して表示するホログラム表示手段6と、このホログラム表示手段6により表示されるホログラムに読出光を照射する光照射手段5と、この照射された読出光がホログラムにより回折されて形成される回折光の光行路中に設置された再生レンズ12と、この再生レンズ12を通過した光の光経路中に配置される遮光板7と、光経路中に配置される反射板およびハーフミラーである光学系8と、を備えている。
【0026】
この電子ホログラフィ立体映像再生装置1では、被写体Wの撮像から再生までの光経路中に撮影レンズ11と再生レンズ12との二つのレンズが、それぞれの焦点距離の和の距離だけ離れた位置になるように設置されている。なお、ここでは、図2に示すように、撮影レンズ11と再生レンズ12とは、それぞれの焦点距離の和の距離だけ離れた位置となるようにしてリレーレンズの関係になるように設定されている。つまり、撮影レンズ11から当該撮影レンズにより形成される被写体像までの距離と、ホログラム表示手段6により表示されるホログラムによる被写体像から再生レンズ12までの距離とを合わせた距離が、撮影レンズ11の焦点距離および再生レンズ12の焦点距離の和の距離となるように設定されている。なお、電子ホログラフィ立体映像再生装置1では、撮影レンズ11と再生レンズ12とは、焦点距離が同じものを用いて設定されている。
【0027】
情報取得ホログラム生成手段20は、撮影レンズ11を通過して形成される被写体Wの被写体像から出る光から被写体像の立体映像情報を取得する立体映像情報取得手段2と、この立体映像情報取得手段2から取得した立体映像情報から被写体像の光の位相と振幅を表す干渉縞をホログラムとして生成するホログラム生成手段3と、このホログラム生成手段3により生成されたホログラムを記憶する記憶手段4とを備えている。
【0028】
立体映像情報取得手段2は、ここでは、被写体Wの要素画像の集積像から立体映像情報を取得するものである。この立体映像情報取得手段2は、要素レンズ2aを2次元状においてアレー状に配置した要素レンズ群2bと、この要素レンズ群2bからの要素画像の集積像を立体映像情報として撮影する撮像手段2cとを備えている。要素レンズ2aは、両凸レンズあるいは片凸レンズが多数同一平面上に整列して設置されている。要素レンズ2aは、1mm前後の直径のものが数万(数百万)整列して、図示しない支持枠に支持されて要素レンズ群2bを構成している。また、撮像手段2cは、カメラあるいはTVカメラ等の映像を撮影することができるものであればよい。要素レンズ群2bは、撮影レンズ11からほぼその焦点距離だけ離れた位置に設置され、また、撮像手段2cは、要素レンズ群2bが作る要素画像群が撮影できる位置に設置されている。なお、図2では、要素レンズ群2bの位置は、本来、点線で示される位置であるが、構成が重なって表せないため、被写体像、要素レンズ群2b、および、要素画像を表示できるように模式的に示している。
【0029】
ホログラム生成手段3は、立体映像情報取得手段2により取得した立体映像情報(集積像)から光の位相と振幅を表す干渉縞としてのホログラムを演算により算出して生成するパーソナルコンピュータ(以下、PCという)である。このホログラム生成手段3は、立体映像情報取得手段2から立体映像情報をデータとして受け取り、予め設定されているホログラムの演算ソフトを介して、ここでは、再生像Wfが被写体Wと同じ状態のカラー像として再生できるように、R用ホログラム、B用ホログラム、G用ホログラムを演算して算出している。そして、算出したホログラムのデータは、記憶手段4に送られる。
【0030】
記憶手段4は、画像あるいは動画をホログラムの状態で記憶することができるハードディスクあるいは光ディスク等のデータを記憶することができるものである。この記憶手段4に記憶されたホログラムは、ホログラム表示手段6に送られる。なお、記憶手段4は、ホログラム生成手段3であるPCのメモリとして一体に形成される構成としても構わない。
【0031】
ホログラム表示手段6は、ホログラムを画像として表示するものである。このホログラム表示手段6は、例えば、液晶画面により形成されており、ここでは、R用ホログラム表示手段6aと、G用ホログラム表示手段6bと、B用ホログラム表示手段6cとを備えている。
【0032】
光照射手段5は、ホログラムを読み出すためのコヒーレントな光である読出光(参照光)を照射するものであり、例えば、レーザ光を照射するレーザ照射装置を使用している。この光照射手段5は、白色、または、赤色、緑色、青色のレーザ光を照射することで、ホログラム表示手段6に表示されたホログラムである干渉縞に読出光を干渉させて回折光を形成している。なお、光照射手段5は、R用ホログラム表示手段6aと、G用ホログラム表示手段6bと、B用ホログラム表示手段6cとにそれぞれ対応して設置されている(5a,5b,5c)。
【0033】
再生レンズ12は、ここでは、R用ホログラム表示手段6aと、G用ホログラム表示手段6bと、B用ホログラム表示手段6cとにそれぞれ対応して設置されている(12a,12b,12c)。この再生レンズ12は、ホログラム表示手段6との距離が、被写体Wと撮影レンズ11との位置関係と同じ位置関係になるように設定されている。なお、再生レンズ12は、それぞれの再生レンズ12a,12b,12cと、撮影レンズ11との関係がリレーレンズの関係になっていればよい。
【0034】
遮光板7は、再生レンズ12から再生像Wfが結像するまでの光経路中で、再生レンズ12において読出光の焦点距離となる位置に、その回折光の半分を遮断するようにそれぞれが設置されている。なお、遮光板7aは、ここでは、R用ホログラムの回折光を遮光する位置で、反射鏡8aと再生像Wfとの間に配置されているが、再生像Wfの位置は被写体Wの位置に応じて前後する。そのため、遮光板7の位置は、再生レンズ12からその焦点距離だけ離れた位置であれば良く、再生像Wfの位置には依存しない。また、遮光板7bは、G用ホログラムの回折光を遮光する位置で、ハーフミラー8bで反射される手前に配置されている。そして、遮光板7cは、B用ホログラムの回折光を遮光する位置で、ハーフミラー8cの手前となる位置に配置されている。この遮光板7は、光を遮光するものであれば、例えば、布やフィルムや板等の遮蔽物に光を吸収できるような黒色を施して形成しても構わない。
【0035】
なお、遮光板7は、R用ホログラムと、G用ホログラムと、B用ホログラムの位置では、回折光の半分を遮光する範囲がそれぞれ同じになるように配置している。つまり、ここでは、R用ホログラム、G用ホログラム、B用ホログラムでは、例えば、回折光の上半分を通過させるように設置されている。
【0036】
光学系8は、ここでは、R用ホログラムの光経路中に配置されて、R用ホログラムの回折光を所定方向に反射する反射鏡8aと、G用ホログラムの光経路中で、R用ホログラムの回折光と重なる位置に配置されたハーフミラー8bと、B用ホログラムの光経路中で、R用ホログラムおよびG用ホログラムの回折光と重なる位置に配置されたハーフミラー8cとを備えている。なお、この光学系8は、R用ホログラムの回折光と、G用ホログラムの回折光と、B用ホログラムの回折光とを重ねて表示することができれば、その位置および数は限定されるものではない。
【0037】
つぎに、電子ホログラフィ立体映像再生装置1の動作について説明する。
図1に示すように、はじめに、電子ホログラフィ立体映像再生装置1は、撮影レンズ11を介して被写体Wを、情報取得ホログラム生成手段20における立体映像情報取得手段2の要素レンズ2aにより要素画像とし、その要素画像の集積像を立体映像情報として撮像手段2cにより撮像する。そして、立体映像情報取得手段2により取得した立体映像情報である集積像により、被写体像から出る光の位相と振幅とを演算して干渉縞であるホログラムを生成し、生成したホログラムを記憶手段4に記憶する。なお、被写体Wが静止している画像である場合だけでなく、動作を伴う映像である場合にも同様にして被写体Wの動作をフレームごとにホログラムとして生成する。
【0038】
電子ホログラフィ立体映像再生装置1は、ホログラムが生成されると、記憶手段4からホログラム表示手段6にホログラムのデータが送られてそれぞれ同じタイミング(同期を取った状態)で表示される。ホログラムが表示される場合は、光照射手段5により読出光が照射されて、そのホログラムである干渉縞に読出光が干渉することにより回折光として表示される。
【0039】
電子ホログラフィ立体映像再生装置1は、ホログラム表示手段6(6a,6b,6c)および光照射手段5(5a,5b,5c)により回折光が生成されて再生レンズ12(12a,12b,12c)によりそれぞれ集光されて光経路中の遮光板7(7a,7b,7c)によりそれぞれ回折光の半分が遮光され共役光等の再生像Wfを再生するときの不要となる不要光が除去される。そして、電子ホログラフィ立体映像再生装置1は、反射鏡8a、ハーフミラー8b,8cにより、それぞれの回折光が重ね合わされて結像することで再生像Wfを再生している。
【0040】
電子ホログラフィ立体映像再生装置1は、撮影レンズ11と再生レンズ12とがここでは、リレーレンズの関係になるように配置されているため、被写体Wと同じサイズでかつ同じ奥行の立体カラー映像を表示することができる。なお、図1で示す撮影レンズ11と被写体Wの位置関係において、被写体Wの位置が撮影レンズ11の焦点距離より短いところに設置されている場合、被写体Wの再生像Wfは遮光板7と観察者の間となる位置に実像として表示される。また、図2で示す撮影レンズ11と被写体Wの位置関係において、被写体Wの位置が撮影レンズ11の焦点距離より十分遠い位置にある場合には、再生像Wfは、再生レンズ12を通して見える虚像として観察者に認識されることになる。さらに、図1および図2では、再生像Wfは、上下左右が被写体Wと同じ方向を向くように、ここでは、ホログラム表示手段6を上下左右の向きを反転して設置している。
【0041】
なお、電子ホログラフィ立体映像再生装置1は、情報取得ホログラム生成手段20までの構成を撮像装置Aとし、また、ホログラム表示手段6から後の構成を別体として再生装置Bとして構成することが都合がよい。その場合、記憶手段4のホログラムのデータは、ホログラム表示手段6に仮想線で示すようにドライブ9を設けて光ディスク等のメモリ媒体により撮像装置Aから再生装置Bへの受け渡しを行い、かつ、ドライブ9に受け取ったホログラムのデータを同期して表示する構成にすると実現できる。
【0042】
このように、図1の仮想線で示すように、電子ホログラフィ立体映像再生装置1を撮像装置Aと再生装置Bとに分離して構成した場合であっても、撮影レンズ11と再生レンズ12との光経路中における関係を、その撮影レンズ11および再生レンズ12がそれぞれの焦点距離の和の距離を離して設置することで、被写体Wの再生像Wfを、被写体Wの大きさおよび奥行きと同等以上として再生して表示することができる。
【0043】
また、電子ホログラフィ立体映像再生装置1は、情報取得ホログラム生成手段20の構成を、例えば、図3(a)、(b)あるいは図4に示すような構成としても構わない。図3(a)、(b)および図4は、電子ホログラフィ立体映像再生装置において情報取得ホログラム生成手段の他の構成をそれぞれ示す模式図である。なお、図3(a)、(b)および図4において、すでに説明した構成は同じ符号を付して説明を省略する。
【0044】
図3(a)に示すように、情報取得ホログラム生成手段20Aは、撮影レンズ11からは被写体Wの平面映像を取得する平面像撮像手段2Aと被写体Wの奥行情報を距離画像として取得する距離画像取得手段2Aとを備える立体映像情報取得手段2Aの構成であってもよい。
【0045】
図3(a)に示すように、平面像撮像手段2Aは、被写体Wの平面映像を通常のイメージセンサなどの同一平面上において映像を撮像するものである。また、距離画像取得手段2Aは、被写体Wに距離測定用の光を照射し、反射して戻ってくる光の遅延時間を計測することで被写体Wまでの距離を距離画像として求めて奥行情報とするものである。そして、撮像した平面映像とその平面映像に対応する距離画像とをマッチングして立体映像情報とし、その立体映像情報からホログラムを演算して求めている。なお、この距離画像取得手段2Aは、複数の撮影レンズ11aを横に並べて(図示せず)、得られる視点位置のずれた複数の平面映像間から、同じ被写体Wの映っている映像ブロックの相対的な位置ずれ量として得られる視差量を視差画像とし、その視差画像から得られた被写体までの距離を奥行情報として取得しても構わない。
【0046】
また、図3(b)に示すように、距離画像取得手段2Aは、撮影レンズ11を使用すると共に、平面像撮像手段2Aの撮像光路からハーフミラーおよび反射鏡を光学系2Bとし、その光学系2Bを介して距離測定用の赤外線等の光を使用して距離画像を取得しても構わない。なお、この図3(b)の構成では、垂直ブランキング期間に参照光を照射することで、距離画像を得る構成としても構わない。この場合、距離を測る参照光として可視光が使用できる。
【0047】
さらに、図4に示すように、情報取得ホログラム生成手段20Cは、被写体Wにコヒーレントな光である参照光を照射する参照光照射手段2Cと、この参照光照射手段2Cにより照射された参照光をハーフミラーあるいは反射鏡で構成される光学系2Cを介して入射される参照光と、撮影レンズ11を介して入射する被写体像から出る光との干渉により、被写体の干渉縞であるホログラムを立体映像情報として撮像する撮像手段2Cとを備える構成としてもよい。この情報取得ホログラム生成手段20Cでは、すでに被写体Wのホログラムが生成されるため、PC3は、送られてきたホログラムのデータに1を掛けるだけで、記憶手段4に送ることになる。
【0048】
また、図示しないが、再生レンズ12を撮影レンズ11の焦点距離より長い焦点距離を持つレンズ、もしくは、短い焦点距離を持つレンズとする構成としても構わない。このように再生レンズ12の焦点距離を撮影レンズ11の焦点距離よりも長い焦点距離とすることで、被写体Wが小さな場合、再生像Wfを大きな像として再生することができる。また、再生レンズ12を、撮影レンズ11の焦点距離より短い焦点距離を持つレンズとすることで、被写体Wが遠くに位置した場合に、再生像は拡大して見ることができる。
【0049】
以上、説明したように、電子ホログラフィ立体映像再生装置1は、そのホログラムの生成する手段は、特に限定されるものではない。また、遮光板7による遮光する範囲は、R用ホログラム、G用ホログラム、B用ホログラムにより、それぞれ同じ回折光の範囲を遮光するように説明したが、カラー化の代わりに視域を拡大する為に異なった視点からのホログラムをホログラム表示手段6a,6b,6cに表示する場合などでは、異なる回折光の範囲(例えば、上側と真中と下側)を遮光する構成としても構わない。また、ここでは、カラー画像あるいはカラー映像の再生像について説明したが、単色画像あるいは単色映像として再生像を表示するようにしても構わない。
【0050】
さらに、再生像Wfをカラーで表示する場合として、図1に示すように、RGBで光経路を分けて後に重ねる構成で説明したが、例えば、RGBのホログラム表示手段6(6a,6b,6c)から一つの同じ光経路になるように、ハーフミラー(図示せず)あるいは反射鏡(図示せず)を介して出力して、そのRGBの光が重なった光経路中に再生レンズ12、遮光板7を、それぞれ一つ設置して再生像をカラーで表示する構成としても構わない。
【0051】
なお、電子ホログラフィ立体映像再生装置1では、撮影レンズ11および再生レンズ12の位置を所定の位置に設定すると共に、焦点距離を同じもの、あるいは、異ならせることで、被写体Wの大きさと同等およびそれ以上の大きさとなる再生像Wfを表示するように構成したが、被写体Wより小さく再生像を表示することもできる。つまり、焦点距離に対する被写体Wの位置の調整と、両レンズの焦点距離を互いに異ならせて配置することで、再生像Wfは、被写体Wより小さく再生することができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明に係る電子ホログラフィ立体映像再生装置の全体構造を模式的に示す模式図である。
【図2】本発明に係る電子ホログラフィ立体映像再生装置の撮影レンズと再生レンズの設置位置の関係を模式的に示す模式図である。
【図3】(a)、(b)は、本発明に係る電子ホログラフィ立体映像再生装置における情報取得ホログラム生成手段の他の構成を示す模式図である。
【図4】本発明に係る電子ホログラフィ立体映像再生装置における情報取得ホログラム生成手段の他の構成を示す模式図である。
【符号の説明】
【0053】
1 電子ホログラフィ立体映像再生装置
2,2A,2B,2C 立体映像情報取得手段
2A 平面像撮像手段
2A 距離画像取得手段
2C 参照光照射手段
2C 光学系
2C 撮像手段
2a 要素レンズ
2b 要素レンズ群
2c 撮像手段
3 ホログラム生成手段
4 記憶手段
5,5a,5b,5c 光照射手段
6 ホログラム表示手段
6a R用ホログラム表示手段
6b G用ホログラム表示手段
6c B用ホログラム表示手段
7 遮光板
7a 遮光板
7b 遮光板
7c 遮光板
8 反射光学系
8a 反射鏡
8b ハーフミラー
8c ハーフミラー
11 撮影レンズ
11a 撮影レンズ
12 再生レンズ
12a,12b,12c 再生レンズ
20 情報取得ホログラム生成手段
20A 情報取得ホログラム生成手段
20B 情報取得ホログラム生成手段
20C 情報取得ホログラム生成手段
W 被写体
Wf 再生像
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3