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明細書 :アリールヒドロキノン類の製法及びアリールキノン類の製法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2015-168660 (P2015-168660A)
公開日 平成27年9月28日(2015.9.28)
発明の名称または考案の名称 アリールヒドロキノン類の製法及びアリールキノン類の製法
国際特許分類 C07C  41/30        (2006.01)
C07C  43/23        (2006.01)
C07C  46/06        (2006.01)
C07C  50/32        (2006.01)
B01J  31/04        (2006.01)
B01J  27/138       (2006.01)
B01J  31/02        (2006.01)
C07D 209/12        (2006.01)
C07B  61/00        (2006.01)
FI C07C 41/30
C07C 43/23 D
C07C 46/06
C07C 50/32
B01J 31/04 Z
B01J 27/138 Z
B01J 31/02 102Z
C07D 209/12
C07B 61/00 300
請求項の数または発明の数 10
出願形態 OL
全頁数 20
出願番号 特願2014-046259 (P2014-046259)
出願日 平成26年3月10日(2014.3.10)
発明者または考案者 【氏名】石原 一彰
【氏名】ウヤヌク ムハメット
出願人 【識別番号】504139662
【氏名又は名称】国立大学法人名古屋大学
個別代理人の代理人 【識別番号】110000017、【氏名又は名称】特許業務法人アイテック国際特許事務所
審査請求 未請求
テーマコード 4C204
4G169
4H006
4H039
Fターム 4C204AB01
4C204BB10
4C204CB03
4C204DB03
4C204DB16
4C204EB01
4C204FB01
4C204GB01
4G169AA06
4G169BA21A
4G169BA21B
4G169BA27A
4G169BA43A
4G169BA44A
4G169BB08A
4G169BB08B
4G169BC01A
4G169BC04B
4G169BC08A
4G169BC09A
4G169BC09B
4G169BD14A
4G169BD14B
4G169BE08A
4G169BE08B
4G169BE13B
4G169BE14A
4G169BE17A
4G169BE22B
4G169BE28A
4G169BE34A
4G169BE34B
4G169BE35A
4G169BE35B
4G169BE37B
4G169CB07
4G169CB59
4G169CB66
4G169CB70
4G169EE09
4H006AA02
4H006AC21
4H006AC41
4H006BA31
4H006BA66
4H006BA67
4H006BE32
4H006BE53
4H006GP03
4H006GP12
4H039CA29
4H039CA62
4H039CC20
4H039CF10
要約 【課題】レアメタル触媒を使用することなく温和な条件でアリールヒドロキノン類やアリールキノン類を製造する。
【解決手段】本発明は、触媒の存在下、キノン類にアリール化合物をマイケル付加させることにより、アリールヒドロキノン類を製造する方法であって、前記触媒として、ルイス酸とブレンステッド酸とを組み合わせたものを使用し、前記ルイス酸として、M(BAr4n(Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属又はトリアリールメチルであり、4つのArは電子吸引性基を有するアリールであって4つとも同じであっても異なっていてもよく、nはMの価数と同じ数である)を使用するものである。例えば、触媒量のLi[B(C654]とシュウ酸の存在下、1,2-ベンゾキノンに1,3-ジメトキシベンゼンをマイケル付加させたところ、目的とする生成物が得られた。
【選択図】なし
特許請求の範囲 【請求項1】
触媒の存在下、キノン類にアリール化合物をマイケル付加させることにより、アリールヒドロキノン類を製造する方法であって、
前記触媒として、ルイス酸とブレンステッド酸とを組み合わせたものを使用し、
前記ルイス酸として、M(BAr4n(Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属又はトリアリールメチルであり、4つのArは電子吸引性基を有するアリールであって4つとも同じであっても異なっていてもよく、nはMの価数と同じ数である)を使用する、
アリールヒドロキノン類の製法。
【請求項2】
前記ルイス酸は、Arがペンタフルオロフェニルであり、
前記ブレンステッド酸は、シュウ酸である、
請求項1に記載のアリールヒドロキノン類の製法。
【請求項3】
触媒の存在下、1,2-キノン類にアリール化合物をマイケル付加させることにより、アリールヒドロキノン類を製造する方法であって、
前記触媒として、CaI2とブレンステッド酸とを組み合わせたもの、又は、ヨウ素(I2)とブレンステッド酸とを組み合わせたものを使用する、
アリールヒドロキノン類の製法。
【請求項4】
前記ブレンステッド酸は、シュウ酸である、
請求項3に記載のアリールヒドロキノン類の製法。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載のアリールヒドロキノン類の製法によって得られたアリールヒドロキノン類を酸化することにより、対応するアリールキノン類を得る、
アリールキノン類の製法。
【請求項6】
前記アリールヒドロキノン類を酸化するにあたっては、ヨージド又はヨウ素(I2)を触媒として、過酸化物を用いて行う、
請求項5に記載のアリールキノン類の製法。
【請求項7】
過酸化物とヨージド触媒と酸触媒の存在下、ヒドロキノン類とアリール化合物とを反応させることにより、対応するアリールキノン類を製造する方法であって、
前記ヨージド触媒として、アンモニウムヨージド、ホスホニウムヨージド、アルカリ金属ヨージド又はアルカリ土類金属ヨージドを使用し、
前記酸触媒として、ルイス酸とブレンステッド酸とを組合せたものを使用し、
前記ルイス酸として、M(BAr4n(Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属又はトリアリールメチルであり、4つのArは電子吸引性基を有するアリールであって4つとも同じであっても異なっていてもよく、nはMの価数と同じ数である)を使用する、
タンデム型反応によるアリールキノン類の製法。
【請求項8】
前記過酸化物は、過酸化水素水であり、
前記ルイス酸は、Arがペンタフルオロフェニルであり、
前記ブレンステッド酸は、シュウ酸である、
請求項7に記載のタンデム型反応によるアリールキノン類の製法。
【請求項9】
過酸化物とヨージド触媒と酸触媒の存在下、1,2-ヒドロキノン類とアリール化合物とを反応させることにより、対応するアリールキノン類を製造する方法であって、
前記ヨージド触媒として、カルシウムヨージド又はヨウ素(I2)を使用し、
前記酸触媒として、ブレンステッド酸を使用する、
タンデム型反応によるアリールキノン類の製法。
【請求項10】
前記過酸化物は、過酸化水素水であり、
前記ブレンステッド酸は、シュウ酸である、
請求項9に記載のタンデム型反応によるアリールキノン類の製法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、アリールヒドロキノン類の製法及びアリールキノン類の製法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子豊富なアリール化合物のキノンへのマイケル付加及びそれに続く酸化反応によってアリールキノン類が合成できる。これまでに、マイケル付加反応において、Biの塩やInの塩をルイス酸触媒とする手法が報告されている(非特許文献1~3)。一方、多くのキノンは、その前駆体であるヒドロキノンの酸化によって製造されている。従って、キノンからではなくヒドロキノンから酸化・カップリングのタンデム型手法によってアリールキノンを合成することが好ましい。これまでに、このタンデム型手法は1例しか報告されていない(非特許文献4)。
【先行技術文献】
【0003】

【非特許文献1】Tetrahedron 2003, vol.44, p.9121
【非特許文献2】Synthesis 2004, p.106
【非特許文献3】Adv. Synth. Catal. 2006, vol.348, p.229
【非特許文献4】Chem. Commun. 2013, vol.49, p.4558
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
非特許文献1~3でルイス酸触媒として使用されているBiの塩やInの塩は、レアメタルを含むため入手しやすいとはいえなかった。また、非特許文献4のタンデム型手法では、反応温度を高温(140℃)にする必要があるうえ、使用されているPd触媒はレアメタルを含むため入手しやすいとはいえなかった。
【0005】
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、レアメタル触媒を使用することなく温和な条件でアリールヒドロキノン類やアリールキノン類を製造することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した目的を達成するために、本発明者らは、特に、アルカリ金属やアルカリ土類金属のボレート塩(M(BAr4n;M=Li,Na,Ca,Sr等、nはMの価数)とシュウ酸との組合せが、アリール化合物のキノン類へのマイケル付加反応において優れた触媒活性を示すことを初めて見いだし、本発明を完成するに至った
【0007】
即ち、本発明のアリールヒドロキノン類の製法は、触媒の存在下、キノン類にアリール化合物をマイケル付加させることにより、アリールヒドロキノン類を製造する方法であって、前記触媒として、ルイス酸とブレンステッド酸とを組み合わせたものを使用し、前記ルイス酸として、M(BAr4n(Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属又はトリアリールメチルであり、4つのArは電子吸引性基を有するアリールであって4つとも同じであっても異なっていてもよく、nはMの価数と同じ数である)を使用するものである。
【0008】
本発明の他のアリールヒドロキノン類の製法は、触媒の存在下、1,2-キノン類にアリール化合物をマイケル付加させることにより、アリールヒドロキノン類を製造する方法であって、前記触媒として、カルシウムヨージドとブレンステッド酸とを組み合わせたもの、又は、ヨウ素(I2)とブレンステッド酸とを組み合わせたものを使用するものである。
【0009】
本発明のアリールキノン類の製法は、上述した製法によって得られたアリールヒドロキノン類を酸化することにより、対応するアリールキノン類を得る方法である。
【0010】
本発明のアリールキノン類のタンデム型の製法は、過酸化物とヨージド触媒と酸触媒の存在下、ヒドロキノン類とアリール化合物とを反応させることにより、対応するアリールキノン類を製造する方法であって、前記ヨージド触媒として、アンモニウムヨージド、ホスホニウムヨージド、アルカリ金属ヨージド又はアルカリ土類金属ヨージドを使用し、 前記酸触媒として、ルイス酸とブレンステッド酸とを組合せたものを使用し、前記ルイス酸として、M(BAr4n(Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属又はトリアリールメチルであり、4つのArは電子吸引性基を有するアリールであって4つとも同じであっても異なっていてもよく、nはMの価数と同じ数である)を使用するものである。
【0011】
本発明の他のアリールキノン類のタンデム型の製法は、過酸化物とヨージド触媒と酸触媒の存在下、1,2-ヒドロキノン類とアリール化合物とを反応させることにより、対応するアリールキノン類を製造する方法であって、前記ヨージド触媒として、カルシウムヨージド又はヨウ素(I2)を使用し、前記酸触媒として、ブレンステッド酸を使用するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、レアメタル触媒を使用することなく温和な条件で、キノン類からアリールヒドロキノン類やアリールキノン類を製造することができる。また、反応基質が反応性の高い1,2-キノン類の場合には、ボレート塩よりも安価なカルシウムヨージドやヨウ素(I2)を用いることができる。更に、レアメタル触媒を使用することなく温和な条件で、ヒドロキノン類から酸化・カップリングのタンデム型反応によりアリールキノン類を一気に製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
1.アリールヒドロキノン類の製法
(1)その1
本発明のアリールヒドロキノン類の製法は、触媒の存在下、キノン類にアリール化合物をマイケル付加させることにより、アリールヒドロキノン類を製造する方法であって、前記触媒として、ルイス酸とブレンステッド酸とを組み合わせたものを使用し、前記ルイス酸として、M(BAr4n(Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属又はトリアリールメチルであり、4つのArは電子吸引性基を有するアリールであって4つとも同じであっても異なっていてもよく、nはMの価数と同じ数である)を使用するものである。

【0014】
キノン類としては、例えば、1,2-ベンゾキノン、1,4-ベンゾキノン、1,2-ナフトキノン、1,4-ナフトキノン、1,2-アントラキノン、1,4-アントラキノンなどが挙げられる。キノン類は、1つ以上の置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基、ニトロ基などが挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。アルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基などが挙げられる。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基などが挙げられる。

【0015】
アリール化合物としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フルオレン、フェナントレン、ピレン、クリセンなどの炭化水素系アレーン;フラン、チオフェン、ピロール、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、インドール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、ピラゾール、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、オキサゾール、チアゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、イソチアゾリン、イソオキサゾリン、キノリン、イソキノリン、アクリジン、ベンゾピラン、フェナジン、フェノキサジン、フェノチアジン、トリアジン、チアントレン、プリンなどのヘテロアレーンが挙げられる。アリール化合物は、1つ以上の置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基、ニトロ基などが挙げられる。アルキル基やアルコキシ基の例示については、既に述べたとおりであるため、説明を省略する。

【0016】
キノン類がマイケル付加可能な箇所を1カ所のみ有している場合、キノン類に対してアリール化合物を1倍モル以上使用すればよいが、経済性を考慮すれば1~2倍モル使用するのが好ましい。但し、アリール化合物の方がキノン類に比べて高価な場合には、アリール化合物に対してキノン類を1倍モル以上使用してもよい。キノン類がマイケル付加可能な箇所を2カ所有していて、その2カ所にアリール化合物を付加させる場合、キノン類に対してアリール化合物を2倍モル以上使用すればよいが、経済性を考慮すれば2~4倍モル使用するのが好ましい。

【0017】
ルイス酸としては、ボレート塩であるM(BAr4n(Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属又はトリアリールメチルであり、4つのArは電子吸引性基を有するアリールであって4つとも同じであっても異なっていてもよく、nはMの価数と同じ数である)を使用する。アルカリ金属としては、Li,Na,Kなどが挙げられ、アルカリ土類金属としては、Mg,Ca,Sr,Baなどが挙げられる。トリアリールメチルのアリールは、3つとも同じであってもよいし異なっていてもよい。異なっている場合には、すべて別々でもよいし、2つが同じで残りは別でもよい。トリアリールメチルとしては、トリフェニルメチル(=トリチル)やトリス(ペンタフルオロフェニル)メチルなどが挙げられる。なお、Mがアルカリ金属やトリアリールメチルの場合にはnは1であり、Mがアルカリ土類金属の場合にはnは2である。4つのArは、電子吸引性基を有するアリールであって、4つとも同じであってもよいし異なっていてもよい。異なっている場合には、すべて別々でもよいし、2つが同じで残りは別々でもよいし、2つが同じで残り2つも同じでもよいし、3つが同じであってもよい。電子吸引性基としては、例えばハロゲン原子やトリハロメチル基、ニトロ基、ニトリル基などが挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子が好ましく、トリハロメチル基としてはトリフルオロメチル基が好ましい。また、電子吸引性基を有するアリールとしては、ペンタフルオロフェニルや3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニルなどが好ましく、ペンタフルオロフェニルがより好ましい。

【0018】
ルイス酸であるボレート塩の使用量は、例えば、反応基質に対して0.01~20mol%が好ましい。0.01mol%を下回ると、反応速度が遅くなるとか副生成物の比率が高くなる等の不具合が生じることがあるため好ましくなく、20mol%を上回ったとしても、それによって収率が大きく向上することがないため経済的見地から好ましくない。反応速度の促進効果を考慮すると、反応基質に対して1mol%を下限とすることが好ましい。また、経済的見地からすると、反応基質に対して10mol%を上限とすることがより好ましい。

【0019】
ブレンステッド酸としては、例えば、芳香環上に1以上のOH基を持つフェノール類、カルボン酸、オキソカーボン酸、リン酸モノ又はジエステルなどが挙げられる。フェノール類としては、ペンタフルオロフェノール、カテコール、3-フルオロカテコール、テトラフルオロカテコール、テトラクロロカテコール、レゾルシノール、4-フルオロレゾルシノール、テトラフルオロレゾルシノール、テトラクロロレゾルシノールなどが挙げられる。カルボン酸としては、酢酸、マンデル酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、サリチル酸、フタル酸などが挙げられる。オキソカーボン酸としては、デルタ酸、スクアリン酸、クロコン酸、ロジゾン酸、ヘプタゴン酸などが挙げられる。リン酸モノ又はジエステルとしては、ビナフチルハイドロゲンホスフェート(BP)などが挙げられる。これらの中で、テトラフルオロカテコール及びシュウ酸が反応促進効果が高いため好ましい。更に、安価な点を考慮すると、シュウ酸が好ましい。

【0020】
ブレンステッド酸の使用量は、例えば、反応基質に対して0.01~100mol%が好ましい。また、ボレート塩に対して1~10倍モルが好ましい。

【0021】
反応溶媒は、反応基質や触媒に応じて適宜選択すればよいが、例えば、ハロゲン化炭化水素、芳香族炭化水素及びこれらのうちの2種以上を混合した溶媒などが挙げられる。また、反応基質や触媒によっては、これらと水との混合溶媒を用いてもよい。ハロゲン化炭化水素としては、1,2-ジクロロエタン(DCE)や1,4-ジクロロブタン(DCB)、ジクロロメタン、クロロホルムなどが挙げられ、芳香族炭化水素としてはトルエンやキシレン、ベンゼンなどが挙げられる。

【0022】
反応温度は、反応基質や触媒に応じて適宜設定すればよい。反応温度が低すぎると、反応速度が遅くなり反応が終了するまでに長期間を要することがあるため好ましくなく、反応温度が高すぎると、反応基質が分解したり副反応が支配的になったりすることがあるため好ましくないが、適正な反応温度は反応基質や触媒によって異なる。そのため、一概に反応温度の好適な範囲を定めることはできないが、一つの目安として、0℃~100℃の間、好ましくは25℃(室温)~50℃の間で適宜設定すればよい。

【0023】
(2)その2
本発明の他のアリールヒドロキノン類の製法は、触媒の存在下、1,2-キノン類にアリール化合物をマイケル付加させることにより、アリールヒドロキノン類を製造する方法であって、前記触媒として、カルシウムヨージドとブレンステッド酸とを組み合わせたもの、又は、ヨウ素(I2)とブレンステッド酸とを組み合わせたものを使用するものである。

【0024】
1,2-キノン類は、1,4-キノン類に比べて反応性が高い。そのため、触媒としてボレート塩とブレンステッド酸とを組み合せたもの以外に、カルシウムヨージドとブレンステッド酸とを組み合わせたものやヨウ素(I2)とブレンステッド酸とを組み合わせたものでも、アリール化合物の1,2-キノン類へのマイケル付加が進行し、対応するアリールヒドロキノン類が得られる。但し、カルシウムヨージドをカルシウムクロリドやナトリウムヨージドに代えたりすると反応は全く進行しなくなる。1,2-キノン類、アリール化合物、ブレンステッド酸の例示については、前記1.(1)で述べたとおりであるため、説明を省略する。なお、ブレンステッド酸としては、シュウ酸が好ましい。また、各剤の使用量、反応溶媒、反応温度などについても、前記1.(1)で述べたとおりであるため、説明を省略する。

【0025】
2.アリールキノン類の製法
本発明のアリールキノン類の製法は、上述したいずれかのアリールヒドロキノン類の製法によって得られたアリールヒドロキノン類を酸化することにより、対応するアリールキノン類を得るものである。酸化は、例えば、空気酸化でもよいし、過酸化物を用いた酸化でもよい。酸化しやすいアリールヒドロキノン類の場合には、空気酸化によって容易にアリールキノン類を得ることができる。空気酸化は、例えば、アリールヒドロキノン類をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製する際に自動的に進行することがある。空気中での酸化が進行しにくいアリールヒドロキノン類の場合には、過酸化物を用いた酸化によってアリールキノン類を得ることができる。過酸化物としては、過酸化水素水や有機ヒドロペルオキシドを用いることができる。有機ヒドロペルオキシドとしては、tert-ブチルヒドロペルオキシドやクメンヒドロペルオキシドが挙げられる。費用や環境負荷などを考慮すると、過酸化水素水が好ましい。アリールヒドロキノン類をアリールキノン類に酸化するためには、過酸化物をアリールヒドロキノン類に対して1~5倍モル、好ましくは1.5~3倍モル使用する。過酸化物を用いる場合、触媒としてヨージド又はヨウ素(I2)を用いることが好ましい。ヨージドとしては、特に限定するものではなく、NaI,KIなどのアルカリ金属ヨージド;MgI2,CaI2,BaI2などのアルカリ土類金属ヨージド;FeI2,FeI3などの遷移金属ヨージドなどが挙げられる。ヨージドの使用量は、アリールヒドロキノン類に対して0.01~100mol%が好ましく、1~20mol%がより好ましい。なお、こうした酸化は、キノン類からアリールヒドロキノン類へ誘導したあと、アリールヒドロキノン類を単離することなくそのままワンポットで行ってもよい。その場合の過酸化物の使用量は、キノン類からアリールヒドロキノン類が100%収率で得られると仮定して計算してもよい。

【0026】
3.酸化・カップリングのタンデム型反応によるアリールキノン類の製法
(1)その1
本発明のタンデム型反応によるアリールキノン類の製法は、過酸化物とヨージド触媒と酸触媒の存在下、ヒドロキノン類とアリール化合物とを反応させることにより、対応するアリールキノン類を製造する方法であって、前記ヨージド触媒として、アンモニウムヨージド、ホスホニウムヨージド、アルカリ金属ヨージド又はアルカリ土類金属ヨージドを使用し、前記酸触媒として、ルイス酸とブレンステッド酸とを組合せたものを使用し、前記ルイス酸として、M(BAr4n(Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属又はトリアリールメチルであり、4つのArは電子吸引性基を有するアリールであって4つとも同じであっても異なっていてもよく、nはMの価数と同じ数である)を使用するものである。

【0027】
この製法では、まず、ヒドロキノン類が過酸化物によって酸化されてキノン類に変換され、次いで、キノン類にアリール化合物がマイケル付加反応によりカップリングしてアリールヒドロキノン類が生成し、そのアリールヒドロキノン類が過酸化物によって酸化されてアリールキノン類が得られる。

【0028】
ヒドロキノン類としては、例えば、1,2-ベンゼンジオール、1,4-ベンゼンジオール、1,2-ナフタレンジオール、1,4-ナフタレンジオール、1,2-アントラセンジオール、1,4-アントラセンジオールなどが挙げられる。ヒドロキノン類は、1つ以上の置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基、ニトロ基などが挙げられる。ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基の例示については、前記1.(1)で述べたとおりであるため、説明を省略する。

【0029】
ヨージド触媒は、ヒドロキノン類あるいはアリールヒドロキノン類の過酸化物による酸化を促進する役割を果たす。アンモニウムヨージドとしては、テトラアルキルアンモニウムヨージド(テトラアルキルの4つのアルキルは、全て同じであってもよいし、2つ又は3つが同じであってもよいし、全て異なっていてもよい)、テトラアリールアンモニウムヨージド(テトラアリールの4つのアリールは、全て同じであってもよいし、2つ又は3つが同じであってもよいし、全て異なっていてもよい)、テトラアリールアルキルアンモニウムヨージド(テトラアリールアルキルの4つのアリールアルキルは、全て同じであってもよいし、2つ又は3つが同じであってもよいし、全て異なっていてもよい)等の他、アルキルとアリールとが混在したり、アルキルとアリールアルキルとが混在したり、アリールとアリールアルキルとが混在したアンモニウムヨージド等が挙げられる。こうしたアンモニウムヨージドとしては、テトラメチルアンモニウムヨージド、テトラエチルアンモニウムヨージド、テトラプロピルアンモニウムヨージド、テトラブチルアンモニウムヨージド、テトラペンチルアンモニウムヨージド、テトラヘキシルアンモニウムヨージド、テトラへプチルアンモ二ウムヨージド、テトラ-n-オクチルアンモニウムヨージド、テトラオクタデシルアンモニウムヨージド、エチルトリメチルアンモニウムヨージド、エチルトリプロピルアンモニウムヨージド、トリメチルフェニルアンモニウムヨージド、トリエチルフェニルアンモニウムヨージド、(1,2-ジフェニルプロピル)トリメチルアンモニウムヨージド、トリメチル-(1-フェニルエチル)アンモニウムヨージド、及びベンジルトリエチルアンモニウムヨージド等が挙げられる。このうち、4つのアルキル基が同じであるテトラアルキルアンモニウムヨージドが好ましい。特に、テトラメチルアンモニウムヨージド、テトラエチルアンモニウムヨージド、テトラプロピルアンモニウムヨージド、テトラブチルアンモニウムヨージド、テトラペンチルアンモニウムヨージド、及びテトラヘキシルアンモニウムヨージドが好ましく、最も好ましくはテトラブチルアンモニウムヨージドである。ホスホニウムヨージドについても、アンモニウムヨージドと同様である。ホスホニウムヨージドとしては、テトラフェニルホスホニウムヨージド、メチルトリフェニルホスホニウムヨージド、トリブチルメチルホスホニウムヨージド等が挙げられる。このうち特に、テトラフェニルホスホニウムヨージド、及びメチルトリフェニルホスホニウムヨージドが好ましい。アルカリ金属ヨージドやアルカリ土類金属ヨージドの例示については、前記2.で述べたとおりであるため、説明を省略する。

【0030】
ヨージド触媒の使用量は、例えば、反応基質に対して1~40mol%が好ましく、5~10mol%がより好ましい。1mol%を下回ると十分な触媒活性が得られないおそれがあるため好ましくなく、40mol%を上回ったとしても、それによって収率が大きく向上することがないため経済的見地から好ましくない。

【0031】
アリール化合物の例示及びその使用量、ボレート塩やブレンステッド酸の例示及びその使用量については、前記1.(1)で述べたとおりであるため、説明を省略する。過酸化物の例示については、前記2.で述べたとおりであるため、説明を省略する。過酸化物は、反応基質であるヒドロキノン類をキノン類に酸化する酸化反応と、マイケル付加によって生成するアリールヒドロキノン類をアリールキノン類に酸化する酸化反応の両方で使用される。そのため、過酸化物の使用量は、反応基質に対して2~10倍モル、好ましくは3~6倍モルである。反応溶媒や反応温度などについては、前記1.(1)で述べたとおりであるため、説明を省略する。

【0032】
この製法では、過酸化物として過酸化水素水、ヨージド触媒としてテトラアルキルアンモニウムヨージド又はカルシウムヨージド、ルイス酸としてArがペンタフルオロフェニルであるボレート塩、ブレンステッド酸としてシュウ酸を用いることが好ましい。

【0033】
(2)その2
本発明のタンデム型反応による他のアリールキノン類の製法は、過酸化物とヨージド触媒と酸触媒の存在下、1,2-ヒドロキノン類とアリール化合物とを反応させることにより、対応するアリールキノン類を製造する方法であって、前記ヨージド触媒として、カルシウムヨージド又はヨウ素(I2)を使用し、前記酸触媒として、ブレンステッド酸を使用するものである。

【0034】
この製法では、まず、1,2-ヒドロキノン類が過酸化物によって酸化されて1,2-キノン類に変換され、次いで、1,2-キノン類にアリール化合物がマイケル付加反応によりカップリングしてアリールヒドロキノン類が生成し、そのアリールヒドロキノン類が過酸化物によって酸化されてアリールキノン類が得られる。

【0035】
アリール化合物の例示及びその使用量、ブレンステッド酸の例示及びその使用量については、前記1.(1)で述べたとおりであるため、説明を省略する。過酸化物の例示及びその使用量については、前記2.で述べたとおりであるため、説明を省略する。ヨージド触媒の使用量については、前記3.(1)で述べたとおりであるため、説明を省略する。反応溶媒や反応温度などについても、前記1.(1)で述べたとおりであるため、説明を省略する。

【0036】
この製法では、過酸化物として過酸化水素水、ヨージド触媒としてカルシウムヨージド、ブレンステッド酸としてシュウ酸を用いることが好ましい。

【0037】
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【実施例】
【0038】
以下の実験例においては1H NMRスペクトルをJEOL ECS-400(400MHz)スペクトロメータで、13C NMRスペクトルをJEOL ECS-400(125MHz)スペクトロメータ測定した。反応の進行は、薄層クロマトグラフィー(TLC)で、Merck precoated TLCプレート(シリカゲル60 GF254,0.25mm)を用いてモニタリングした。溶媒や試薬は市販のものをそのまま反応に用いた。なお、実験例1のエントリー4~7,12、実験例2のエントリー6,7、実験例3のエントリー3、実験例4のエントリー5~8及び実験例5~10が本発明の実施例に相当し、その他は比較例に相当する。
【実施例】
【0039】
[実験例1]
【実施例】
【0040】
【表1】
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【実施例】
【0041】
実験例1では、上記式にしたがって、1,2-ナフトキノンに1,3-ジメトキシベンゼンをカップリングさせる反応を行った。具体的には、表1に示すエントリー1~12の反応を行った。このうち、エントリー4の実験手順について以下に説明する。なお、他のエントリーについても、これに準じて反応を行った。エントリー4では、反応容器において、室温下、基質であるナフタレン-1,2-ジオン(31.6mg,0.2mmol)及びそれに対して2当量の1.3-ジメトキシベンゼン(55.3mg,0.4mmol)、基質に対して1mol%のLi[B(C654](1.9mg,0.002mmol)、10mol%のシュウ酸(1.8mg,0.02mmol)及び溶媒であるジクロロエタン(2mL)を添加し、その後、室温で3時間攪拌し、反応を行った。反応終了後、反応容器に飽和の重曹水(NaHCO3)水溶液(5mL)を加えて、反応生成物を含む反応液を酢酸エチルで2回抽出した。得られた有機層を水及び食塩水により、順次、洗浄した後、無水硫酸マグネシウム(MgSO4)を投入した。その後、溶媒を減圧下、留去し、粗生成物を含む濃縮物を得た。次いで、この濃縮物をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィー(展開液:ヘキサン/酢酸エチル=2/1)に供して、カップリング生成物である4-(2,4-ジメトキシフェニル)ナフタレン-1,2-ジオンを赤色固体物として得た(45.3mg,0.154mmol,77%収率)。得られた生成物の分析データを以下に示す。
【実施例】
【0042】
TLC, Rf = 0.30 (hexane-EtOAc = 2:1); IR (CHCl3) 3009, 1665, 1607, 1504, 1287, 1209, 1160 1028 cm-1; 1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 3.74 (s, 3H), 3.89 (s, 3H), 6.39 (s, 1H), 6.59-6.63 (m, 2H), 7.06-7.08 (m, 1H), 7.18 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.45-7.55 (m, 2H), 8.14-8.16 (m, 1H); 13C NMR (CDCl3, 400MHz) δ 55.6, 55.7, 99.0, 104.9, 118.4, 128.4, 129.5, 129.9, 130.4, 130.5, 131.4, 135.1, 135.7, 155.4, 157.9, 162.3, 180.0, 180.9. HRMS (FAB+) m/z calcd for C18H15O4 (M+H) 295.0965, found 295.0962.
【実施例】
【0043】
表1に示すように、無触媒条件及びシュウ酸やLi[B(C654]をそれぞれ単独で触媒に用いた場合には反応は進行しなかった(エントリー1~3)。一方、Li[B(C654]とシュウ酸を両方用いた場合、反応が効率よく進行し、初期の生成物4-アリール-1,2-ヒドロキノンがシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製中空気酸化されることによって対応する4・アリール-1,2-ナフトキノンが77%収率で得られた(エントリー4)。これらの実験から、この反応には触媒としてルイス酸及びブレンステッド酸の両方が必要であることがわかった。また、Ca[B(C6542やPh3C[B(C654]を用いても反応は効率よく進行した(エントリー5,6)。さらに、ボレート塩の代わりにCaI2を用いた場合、時間がかかるものの反応が同様に進行した(エントリー7)。しかし、ボレート塩の代わりにCaCl2やNaIを用いた場合には反応は全く進行しなかった(エントリー8,9)。触媒としてCaI2のみを用いたところ、反応が進行しなかった(エントリー10)。また、触媒として単体ヨウ素を用いて反応を行ったところ、ヨウ素のみでも反応が進行したが、反応速度は遅かった(エントリー11)。触媒としてヨウ素とシュウ酸を合わせて用いると、ヨウ素のみに比べて反応速度が速くなり、化学収率が向上した(エントリー12)。これらの結果から、ボレート塩とシュウ酸の組み合わせが最も高い触媒活性を有し、CaI2とシュウ酸の組み合わせやヨウ素とシュウ酸の組み合わせが適度な触媒活性を有することが分かった。
【実施例】
【0044】
[実験例2]
【実施例】
【0045】
【表2】
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【実施例】
【0046】
実験例2では、上記式にしたがって、1,4-ナフトキノンに1,3-ジメトキシベンゼンをカップリングさせる反応を行った。具体的には、表2に示すエントリー1~8の反応を行った。このうち、エントリー7の実験手順について以下に説明する。なお、他のエントリーについても、これに準じて反応を行った。エントリー7では、反応容器において、室温下、基質である2-メチルナフタレン-1,4-ジオン(34.4mg,0.2mmol)及びそれに対して2当量の1.3-ジメトキシベンゼン(55.3mg,0.4mmol)、基質に対して1mol%のCa[B(C6542(4.1mg,0.002mmol)、10mol%のシュウ酸(1.8mg,0.02mmol)及び溶媒であるジクロロエタン(2mL)を添加し、その後、室温で1時間攪拌し、反応を行った。反応終了後、実験例1と同様の後処理(抽出、溶媒留去及び精製)を行い、カップリング生成物である2-(2,4-ジメトキシフェニル)-3-メチルナフタレン-1,4-ジオンを橙色固体物として得た(55.5mg,0.18mmol,90%収率)。得られた生成物の分析データを以下に示す。
【実施例】
【0047】
TLC, Rf = 0.46 (hexane-EtOAc = 2:1); IR (CHCl3) 2938, 2836, 1661, 1614, 1506, 1294, 1269, 1209, 1159, 1031 cm-1; 1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 2.03 (s, 1H), 3.74 (s, 3H), 3.86 (s, 3H), 6.56-6.60 (m, 2H), 7.00 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.69-7.74 (m, 2H), 8.08-8.16 (m, 2H); 13C NMR (CDCl3, 400MHz) δ55.5, 55.7, 98.9, 104.5, 115.5, 126.3, 126.7, 131.0, 132.4, 132.5, 133.4, 133.5.HRMS (FAB+) m/z calcd for C19H17O4 (M+H) 309.1121, found 309.1123.
【実施例】
【0048】
表2に示すように、基質に1,4-ナフトキノンを用いた場合も、基質に1,2-ナフトキノンを用いた場合と同様、無触媒やシュウ酸のみ、ボレートのみでは反応が進行しなかった(エントリー1,2,5)。また、TsOHのほか、1,4-ナフトキノンで活性を示した単体ヨウ素(I2)を用いても反応は進行しなかった(エントリー3,4)。一方、ボレート塩とシュウ酸を両方用いると反応は円滑に進行した(エントリー6,7)。ボレートはLi塩よりもCa塩の方が活性がよかった(エントリー7vs6)。一方、1,2-ナフトキノンと対照的に、ボレート塩の代わりにCaI2を用いると反応は全く進行しなかった(エントリー8)。従って、反応性の低いキノンの場合は、ボレート塩とシュウ酸を組み合わせた触媒を用いる必要があることが示された。
【実施例】
【0049】
[実験例3]
【実施例】
【0050】
【表3】
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【実施例】
【0051】
実験例3では、上記式にしたがって、1,4-ベンゾキノンにインドールをカップリングさせる反応を行った。具体的には、表3に示すエントリー1~3の反応を行った。このうち、エントリー3の実験手順について以下に説明する。なお、他のエントリーについても、これに準じて反応を行った。エントリー3では、反応容器において、室温下、基質である2,5-ジクロロシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオン(35.4mg,0.2mmol)及びそれに対して1当量の2-メチルインドール(26.3mg,0.2mmol)、基質に対して1mol%のLi[B(C654](1.9mg,0.002mmol)、10mol%のシュウ酸(1.8mg,0.02mmol)及び溶媒であるジクロロエタン(2mL)を添加し、その後、室温で3時間攪拌し、反応を行った。原料が全て消費されたことを確認し、反応溶液に、基質に対して10mol%のカルシウムヨージド(6mg,0.02mmol)、次いで、2.2当量(30wt%水溶液、Nacalai社製、45μL,0.44mmol)の過酸化水素水を添加した。反応液を50℃に加熱して、25時間撹拌した。反応終了後、反応液を室温に戻し、反応容器に飽和のチオ硫酸ナトリウム(Na223)水溶液(5mL)を加えて、さらに飽和の重曹水(NaHCO3)水溶液(5mL)を加えて、反応生成物を含む反応液を酢酸エチルで2回抽出した。得られた有機層を水及び食塩水により、順次、洗浄した後、無水硫酸マグネシウム(MgSO4)を投入した。その後、溶媒を減圧下、留去し、粗生成物を含む濃縮物を得た。次いで、この濃縮物をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィー(展開液:ヘキサン/酢酸エチル=2/1)に供して、カップリング生成物である2,5-ジクロロ-3-(2-メチル-3a,7a-ジヒドロ-1H-インドール-3-イル)シクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオンを紫色固体物として得た(59mg,0.194mmol,97%収率)。得られた生成物の分析データを以下に示す。
【実施例】
【0052】
TLC, Rf = 0.38 (hexane-EtOAc = 2:1); 1H NMR (Acetone-d6, 400 MHz) δ 2.36 (s, 3H), 7.00-7.03 (m, 1H), 7.07-7.11 (m, 1H), 7.24 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.36 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.39 (s, 1H), 10.6 (br, 1H).13C NMR (CDCl3, 400 MHz) δ14.1, 105.10, 111.0, 119.9, 120.8, 122.3, 126.9, 133.3, 135.4, 137.1, 139.6, 140.2, 144.7, 176.9, 178.1.
【実施例】
【0053】
表3に示すように、ベンゾキノンとインドールのカップリング反応は、無触媒条件では進行しなかったが(エントリー1)、シュウ酸のみを用いた場合には若干進行した(エントリー2)。このようにシュウ酸のみで反応が進行したのは、インドールの求核性が高いためだと思われる。一方、Liボレートとシュウ酸とを組み合わせた場合には、反応は円滑に進行して3時間で終結し、対応する3-アリールヒドロキノンが定量的に得られた(エントリー3)。この場合は、ヒドロキノンは酸化されにくかったため、CaI2と過酸化水素を用いて対応するキノンへ酸化した。
【実施例】
【0054】
[実験例4]
【実施例】
【0055】
【表4】
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【実施例】
【0056】
実験例4では、上記式にしたがって、酸化・カップリングのタンデム型反応を行った。具体的には、表4に示すエントリー1~9の反応を行った。このうち、エントリー7の実験手順について以下に説明する。なお、他のエントリーについても、これに準じて反応を行った。エントリー7では、反応容器において、室温下、基質である1,2-ナフタレンジオール(32mg,0.2mmol)及びそれに対して2当量の1.3-ジメトキシベンゼン(55.3mg,0.4mmol)、基質に対して1mol%のLi[B(C654](1.9mg,0.002mmol)、10mol%のシュウ酸(1.8mg,0.02mmol)、5mol%のカルシウムヨージド(3mg,0.01mmol)、及び溶媒であるジクロロエタン(2mL)を添加し、次いで、2.2当量(30wt%水溶液、Nacalai社製、45μL,0.44mmol)の過酸化水素水を添加した。その後、室温で1時間攪拌し、反応を行った。反応終了後、実験例3と同様の後処理(抽出、溶媒留去及び精製)を行い、カップリング生成物である4-(2,4-ジメトキシフェニル)ナフタレン-1,2-ジオンを赤色固体物として得た(46.8mg,0.16mmol,80%収率)。得られた生成物の分析データは、実験例1のところに既に記載したため、ここでは省略する。
【実施例】
【0057】
表4に示すように、1,2-ナフタレンジオールと1,3-ジメトキシベンゼンを用いた酸化・カップリングのタンデム型反応では、酸化触媒(ヨージド)を用いないと何も反応が起こらなかった(エントリー 1)。一方、Bu4NIを酸化触媒に用いると共に、シュウ酸やTsOH、Sc(OTf)3を酸触媒に用いたところ、1,2-ナフタレンジオールが酸化された1,2-ナフトキノン(酸化生成物B)が得られたが、カップリング生成物Aは生成しなかった(エントリー2~4)。これに対して、Bu4NIを酸化触媒に用いると共に、酸触媒としてシュウ酸とLiボレートの混合触媒を用いたところ、反応が円滑に進行し、カップリング生成物Aが71%収率で得られた(エントリー5)。また、トルエンを溶媒に用いても反応は進行した(エントリー6)。酸化触媒としてBu4NIの代わりにCaI2を用いた場合も、反応は円滑に進行して1時間で終結した(エントリー7)。酸化触媒にCaI2を用いる場合、酸触媒としてシュウ酸のみ用いても反応が円滑に進行し、カップリング生成物Aが78%収率で得られたが(エントリー8)、シュウ酸を用いないと、カップリング生成物Aは得られず酸化生成物Bが得られた(エントリー9)。なお、実験例4のエントリー5~8では、まず、1,2-ナフタレンジオールが酸化されて1,2-ナフトキノン(酸化生成物B)が生成し、次に、1,2-ナフトキノンが1,3-ジメトキシベンゼンとカップリングして4-置換-1,2-ナフタレンジオール(表1と共に示した式の[ ]内参照)が生成し、その1,2-ナフタレンジオールが酸化されてカップリング生成物Aが得られた。このように酸化反応が2回必要となるため、過酸化水素は1,2-ナフタレンジオールに対して2当量(2倍モル)用いた。
【実施例】
【0058】
[実験例5]
【実施例】
【0059】
【化1】
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【実施例】
【0060】
実験例5では、上記式にしたがって、酸化・カップリングのタンデム型反応を実施した。反応容器において、室温下、基質である1,4-ナフタレンジオール(32mg,0.2mmol)及びそれに対して4当量の1.3-ジメトキシベンゼン(110.6mg,0.8mmol)、基質に対して1mol%のCa[B(C6542(4.1mg,0.002mmol)、10mol%のシュウ酸(1.8mg,0.02mmol)、5-mol%のカルシウムヨージド(3mg,0.01mmol)、及び溶媒であるジクロロエタン(1mL)を添加し、次いで、3当量(30wt%水溶液、Nacalai社製、61μL,0.6mmol)の過酸化水素水を添加した。その後、反応液を50℃にして、7.5時間攪拌し、反応を行った。反応終了後、反応液室温に戻し、実験例3と同様の後処理(抽出、溶媒留去及び精製)を行い、カップリング生成物である2,3-ビス(2,4-ジメトキシフェニル)ナフタレン-1,4-ジオンを赤色固体物として得た(72.4mg,0.17mmol,84%収率)。実験例5では、まず、1,4-ナフタレンジオールが酸化されて1,4-ナフトキノンが生成し、次に、1,4-ナフトキノンの2カ所に1,3-ジメトキシベンゼンがカップリングして2置換の1,4-ナフタレンジオールが生成し、そのジオールが酸化されて最終生成物が得られた。得られた生成物の分析データを以下に示す。
【実施例】
【0061】
TLC, Rf = 0.23 (hexane-EtOAc = 2:1); IR (CHCl3) 3005, 2938, 2836 1664, 1610, 1502, 1463, 1292, 1263, 1209, 1159, 1034 cm-1; 1H NMR (CDCl3, 400 MHz, two rotamers) δ 3.56 (s, 1.2H), 3.73 (s, 1.8H), 3.76 (s, 1.8H), 3.78 (s, 1.2H), 6.29-6.42 (m, 4H), 6.75 (d, J = 8.2 Hz, 1.2H), 6.87 (d, J = 8.2 Hz, 0.8H), 7.72-7.75 (m, 2H), 8.14-8.17 (m, 2H); 13C NMR (CDCl3, 400MHz, two rotamers) δ 55.35, 55.39*, 55.41, 55.7*, 98.3, 98.6*, 103.9*, 104.5, 116.1*, 116.7, 126.6*, 126.7, 130.4, 131.6*, 132.65, 132.72*, 133.4 (2C), 144.6*, 145.8, 158.1*, 158.2, 161.1 (2C), 184.2, 184.4*.HRMS (FAB+) m/z calcd for C26H23O6 (M+H) 431.1489, found 431.1491.
【実施例】
【0062】
[実験例6]
【実施例】
【0063】
【化2】
JP2015168660A_000007t.gif
【実施例】
【0064】
実験例6では、上記式にしたがって、酸化・カップリングのタンデム型反応を実施した。反応容器において、室温下、基質である1,2-ナフタレンジオール(32mg,0.2mmol)及びそれに対して2当量の1,3,5-トリメトキシベンゼン(67.3mg,0.4mmol)、基質に対して1mol%のLi[B(C654](1.9mg,0.002mmol)、10mol%のシュウ酸(1.8mg,0.02mmol)、5mol%のカルシウムヨージド(3mg,0.01mmol)、及び溶媒であるジクロロエタン(2mL)を添加し、次いで、2.2当量(30wt%水溶液、Nacalai社製、45μL,0.44mmol)の過酸化水素水を添加した。その後、室温で1時間攪拌し、反応を行った。反応終了後、実験例3と同様の後処理(抽出、溶媒留去及び精製)を行い、カップリング生成物である4-(2,4,6-トリメトキシフェニル)ナフタレン-1,2-ジオンを赤色固体物として得た(51.4mg,0.158mmol,79%収率)。得られた生成物の分析データを以下に示す。
【実施例】
【0065】
TLC, Rf = 0.50 (hexane-EtOAc = 2:1); IR (CHCl3) 2940, 2839, 1655, 1610, 1585, 1454, 1226, 1205, 1127 cm-1; 1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 3.72 (s, 6H), 3.90 (s, 3H), 6.24 (s, 2H), 6.36 (s, 2H), 6.99 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 7.43-7.51 (m, 2H), 8.14 (dd, J = 7.3 Hz, 7.4 Hz 1H); 13C NMR (CDCl3, 400MHz) δ 55.6, 55.9, 90.8, 106.4, 128.6, 129.7, 130.2 (2C), 131.6, 135.3, 136.2, 151.8, 158.4, 162.4, 180.2, 180.9. HRMS (FAB+) m/z calcd for C19H17O5 (M+H) 325.1071, found 325.1074.
【実施例】
【0066】
[実験例7]
【実施例】
【0067】
【化3】
JP2015168660A_000008t.gif
【実施例】
【0068】
実験例7では、上記式にしたがって、酸化・カップリングのタンデム型反応を実施した。室温下、基質である1,2-ナフタレンジオール(32mg,0.2mmol)及びそれに対して2当量の1-メトキシナフタレン(63.3mg,0.4mmol)、基質に対して1mol%のLi[B(C654](1.9mg,0.002mmol)、10mol%のシュウ酸(1.8mg,0.02mmol)、5mol%のカルシウムヨージド(3mg,0.01mmol)、及び溶媒であるジクロロエタン(2mL)を添加し、次いで、2.2当量(30wt%水溶液、Nacalai社製、45μL,0.44mmol)の過酸化水素水を添加した。その後、室温で18時間攪拌し、反応を行った。反応終了後、実験例3と同様の後処理(抽出、溶媒留去及び精製)を行い、カップリング生成物である4’-メトキシ-[1,1’-ビナフタレン]-3,4-ジオンを赤色固体物として得た(37.6mg,0.12mmol,60%収率)。得られた生成物の分析データを以下に示す。
【実施例】
【0069】
TLC, Rf = 0.57 (hexane-EtOAc = 1:1); IR (CHCl3) 3066, 2938, 1656, 1583, 1289, 1244, 1089 cm-1; 1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 4.09 (s, 3H), 6.54 (s, 1H), 6.89-6.93 (m, 2H), 7.39-7.55 (m, 5H), 7.64 (d, J = 6.7 Hz, 1H), 8.21-8.23 (m, 1H), 8.38 (d, J = 6.8 Hz, 1H); 13C NMR (CDCl3, 400MHz) δ 55.9, 103.4, 122.8, 125.5, 125.7, 126.0, 126.5, 126.6, 127.5, 129.2, 130.2, 130.3, 130.9, 131.5, 132.0, 135.5, 136.3, 156.8, 157.1, 179.8, 180.9. HRMS (FAB+) m/z calcd for C21H15O3 (M+H) 315.1016, found 315.1019.
【実施例】
【0070】
[実験例8]
【実施例】
【0071】
【化4】
JP2015168660A_000009t.gif
【実施例】
【0072】
実験例8では、上記式にしたがって、酸化・カップリングのタンデム型反応を実施した。反応容器において、室温下、基質である1,2-ナフタレンジオール(80.1mg,0.5mmol)及びそれに対して2当量の2-ナフトール(144.2mg,1mmol)、基質に対して1mol%のLi[B(C654](4.8mg,0.005mmol)、10mol%のシュウ酸(4.5mg,0.05mmol)、5mol%のカルシウムヨージド(7.5mg,0.025mmol)、及び溶媒であるジクロロエタン(5mL)を添加し、次いで、2.2当量(30wt%水溶液、Nacalai社製、110μL,1.1mmol)の過酸化水素水を添加した。その後、室温で3時間攪拌し、反応を行った。反応終了後、実験例3と同様の後処理(抽出、溶媒留去及び精製)を行い、カップリング生成物である2’-ヒドロキシ-[1,1’-ビナフタレン]-3,4-ジオンを茶色固体物として得た(132.4mg,0.44mmol,88%収率)。得られた生成物の分析データを以下に示す。
【実施例】
【0073】
TLC, Rf = 0.24 (hexane-EtOAc = 2:1); 1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ 6.37 (s, 1H), 6.72 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 7.31-7.39 (m, 3H), 7.49-7.57 (m, 2H), 7.74 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.88 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.94 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 8.08 (dd, J =, 7.3, 7.3 Hz 1H), 9.88 (s, 1H); 13C NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 115.5, 118.4, 123.2, 124.2, 126.9, 127.8, 128.1, 128.3, 128.9, 130.4 (2C), 130.5, 132.1, 132.5, 135.2, 135.5, 151.7, 151.8, 179.0, 179.9.
【実施例】
【0074】
[実験例9]
【実施例】
【0075】
【化5】
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【実施例】
【0076】
実験例9では、上記式にしたがって、酸化・カップリングのタンデム型反応を実施した。反応容器において、室温下、基質である1,2-ナフタレンジオール(80.1mg,0.5mmol)及びそれに対して2当量の1-ナフトール(144.2mg,1mmol)、基質に対して1mol%のLi[B(C654](4.8mg,0.005mmol)、10mol%のシュウ酸(4.5mg,0.05mmol)、5mol%のカルシウムヨージド(7.5mg,0.025mmol)、及び溶媒であるジクロロエタン(5mL)を添加し、次いで、2.2当量(30wt%水溶液、Nacalai社製、110μL,1.1mmol)の過酸化水素水を添加した。その後、室温で1.5時間攪拌し、反応を行った。反応終了後、実験例3と同様の後処理(抽出、溶媒留去及び精製)を行い、カップリング生成物である4’-ヒドロキシ-[1,1’-ビナフタレン]-3,4-ジオンを黒色固体物として得た(89.3mg,0.3mmol,60%収率)。得られた生成物の分析データを以下に示す。
【実施例】
【0077】
TLC, Rf = 0.17 (hexane-EtOAc = 2:1); 1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ 6.38 (s, 1H), 6.73 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 7.00 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.35 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.40-7.56 (m, 4H), 7.76 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 8.06 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 8.24 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 10.60 (s, 1H).
【実施例】
【0078】
[実験例10]
【実施例】
【0079】
【化6】
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【実施例】
【0080】
実験例10では、上記式にしたがって、酸化・カップリングのタンデム型反応を実施した。反応容器において、室温下、基質である1,4-ナフタレンジオール(160.2mg,1mmol)及びそれに対して2当量の2-メチルインドール(262.4mg,2mmol)、基質に対して1mol%のLi[B(C654](9.5mg,0.01mmol)、10mol%のシュウ酸(9mg,0.1mmol)、5mol%のカルシウムヨージド(15mg,0.05mmol)、及び溶媒であるジクロロエタン(10mL)を添加し、次いで、2.2当量(30wt%水溶液、Nacalai社製、220μL,2.2mmol)の過酸化水素水を添加した。その後、室温で32時間攪拌し、反応を行った。反応終了後、実験例3と同様の後処理(抽出、溶媒留去及び精製)を行い、カップリング生成物である2-(2-メチル-1H-インドール-3-イル)ナフタレン-1,4-ジオンを紫色固体物として得た(251.4mg,0.88mmol,88%収率)。得られた生成物の分析データを以下に示す。
【実施例】
【0081】
TLC, Rf = 0.31 (hexane-EtOAc = 2:1); 1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 2.48 (s, 3H), 7.01 (s, 1H), 7.13-7.21 (m, 2H), 7.33 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 7.54 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.75-7.81 (m, 2H), 8.14-8.21 (m, 2H), 8.32 (brs, 1H); 13C NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 14.1, 107.5, 110.8, 119.4, 121.0, 122.4, 126.1, 127.1, 127.8, 132.4, 132.9, 133.7, 133.9, 134.9, 135.6, 137.1, 144.5, 184.8, 185.5.