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明細書 :立体映像表示装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3114119号 (P3114119)
公開番号 特開2000-333212 (P2000-333212A)
登録日 平成12年9月29日(2000.9.29)
発行日 平成12年12月4日(2000.12.4)
公開日 平成12年11月30日(2000.11.30)
発明の名称または考案の名称 立体映像表示装置
国際特許分類 H04N 13/04      
G02B 27/22      
G03B 35/18      
FI H04N 13/04
G02B 27/22
G03B 35/18
請求項の数または発明の数 1
全頁数 6
出願番号 特願平11-144301 (P1999-144301)
出願日 平成11年5月25日(1999.5.25)
審査請求日 平成11年5月25日(1999.5.25)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】391027413
【氏名又は名称】郵政省通信総合研究所長
【識別番号】599071636
【氏名又は名称】掛谷 英紀
発明者または考案者 【氏名】掛谷 英紀
個別代理人の代理人 【識別番号】100061642、【弁理士】、【氏名又は名称】福田 武通 (外2名)
審査官 【審査官】山崎 達也
参考文献・文献 特開 平10-74052(JP,A)
特開 平8-280044(JP,A)
特開 平8-172648(JP,A)
特開 平6-233328(JP,A)
特開 昭63-39299(JP,A)
特開 昭60-159841(JP,A)
特開 昭60-24581(JP,A)
特開 昭56-125720(JP,A)
特開 昭50-82995(JP,A)
調査した分野 H04N 13/04
G02B 27/22
G03B 35/18
特許請求の範囲 【請求項1】
光透過状態光吸収状態を表示画素単位で電子的に切り替えられる第1液晶スクリーンと、光透過状態と光散乱状態とを表示画素単位で電子的に切り替えられる第2液晶スクリーンとを積層し、第2液晶スクリーンで光散乱状態とした画素の観察者側に位置する第1液晶スクリーンの各表示画素を光透過状態もしくは光吸収状態とすることで画像表示を行う表示体を、奥行方向へ多層に重ねた映像表示手段と、
上記映像表示手段における各表示体の第2液晶スクリーンへの状態変換制御と第1液晶スクリーンへの状態変換制御を併せて行うことにより、各表示体に画像表示領域と光透過領域とを生ぜしめる表示制御手段と、
を備え、
上記映像表示手段の各表示体の画像表示領域から観察者の視点までの距離を異ならせることによって、三次元空間像を生成するようにしたことを特徴とする立体映像表示装置。
発明の詳細な説明 【発明の詳細な説明】

【0001】

【発明の属する技術分野】本発明は、立体映像の表示方法および立体映像表示装置に関する。

【0002】

【従来の技術】従来から、立体映像表示方法としては、下記の方法がある。
(1) 立体ディスプレイにはレンチキュラ板、イメージスプリッタ、又は立体眼鏡で視差画像を提示して、両眼視差で生じる作用を用いるステレオ法が、最も一般的に用いられている。
(2) 三次元の空間像を生成する立体ディスプレイとしては、ホログラフィと体積走査法の2つの方法がある。
(3) 体積走査型の立体ディスプレイとしては、可変焦点光学系及びディスプレイ自体を動かす方法が知られている。上記の体積を走査する方法は、奥行き方向の解像度を粗くできるので、ホログラフィに比べると、データ量を低く抑えることができる。

【0003】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の立体映像表示方法の内、(1)の方法では、実際の立体像を見る場合と眼のピント調整が異なるので、観察者の眼が疲労しやすいという問題がある。また、多方向からの映像を同時に映し出すことができないという欠点もある。従って、複数の観察者が、同時に同じ立体像を鑑賞することはできない。

【0004】
次に、(2)の方法に就いては、ホログラフィは、光の波面を記録・再生するので、奥行き解像度が非常に高い反面、データ量が膨大になるという欠点がある。それ故、遠隔地の立体映像をリアルタイムで通信すること、及び映像をディジタルデータとして、保存すること等が極めて困難となる。

【0005】
更に、(3)の方法では、可変焦点光学系を動かす方法については、安定に動作させるのが難しいという問題点があり、他方、ディスプレイ自体を動かす方法は、物理的な駆動系が必要になるので、動作安定性の問題の他に消費電力及び騒音の問題も生じる。

【0006】
本発明は、上記の課題を鑑みて成されたもので、以下の3つの条件を満たす立体映像表示方法及びその装置を提供することを、目的としている。
[1]実際に空間像を生成し、複数の視点からの同時鑑賞を可能にする。
[2]通信及びデータ保存を可能にするために、奥行き方向の解像度を抑えた空間走査方法を用いる。
[3]物理的な駆動系を廃し、安定な動作を提供する。

【0007】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、請求項1に係る立体映像表示装置(1)は、光透過状態と光吸収状態を表示画素単位で電子的に切り替えられる第1液晶スクリーン(11a)と、光透過状態と光散乱状態とを表示画素単位で電子的に切り替えられる2液晶スクリーン(11b)とを積層し、第2液晶スクリーンで光散乱状態とした画素の観察者側に位置する第1液晶スクリーンの各表示画素を光透過状態もしくは光吸収状態とすることで画像表示を行う表示体(11)を、奥行方向へ多層に重ねた映像表示手段(例えば、液晶スクリーン層12)と、上記映像表示手段における各表示体の第2液晶スクリーンへの状態変換制御と第1液晶スクリーンへの状態変換制御を併せて行うことにより、各表示体に画像表示領域と光透過領域とを生ぜしめる表示制御手段(例えば、表示制御部13)と、を備え、上記映像表示手段の各表示体の画像表示領域から観察者の視点までの距離を異ならせることによって、三次元空間像を生成するようにしたことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を、添付図面に基づいて詳細に説明する。

【0009】
図1は、本発明に係る立体映像表示方法を具現化するための立体映像表示装置の第1実施形態を示すものである。

【0010】
この第1実施形態に係る立体映像表示装置1では、複数の画素からなる第1液晶スクリーン11aと第2液晶スクリーン11bとを積層してなる表示体11を、観察者の視点Aに対する奥行方向へ多層に重ねることですることで映像表示手段としての液晶スクリーン層12を構成し、該液晶スクリーン層12への表示制御を統括的に行う表示制御手段としての表示制御部13により、各表示体11…を画素単位で光の透過状態と散乱状態の状態変換制御を行うと共に画像表示を行い、画像表示領域と光透過領域とを生ぜしめるのである。なお、液晶スクリーン層12の最後部(観察者からもっとも離れた位置)には光吸収層14を設け、背景が透けて見えることの無いようにしてある。また、液晶スクリーン層12より観察者の視点Aまで適宜な光量が到達するように、適宜な照明装置15も設けてある。

【0011】
上述した立体映像表示装置1によれば、各表示体11…における散乱状態の画素によって各表示体11…毎に適宜な形状の画像表示領域を形成して画像表示を行うと共に、各表示体11…における光透過状態の画素よりなる光透過領域(画像の表示されない領域)を通して奥の表示体11の画像表示領域が観察者に見えるようになる。すなわち、観察者の視点Aに近い表示体11に表示映像の近景を表示し、観察者の視点Aから遠い表示体11に表示映像の遠景を表示すれば、視差による映像の遠近感を観察者が認知でき、複数の視点からの同時鑑賞が可能な三次元空間像を作成することが可能となるのである。

【0012】
また、映像表示手段たる液晶スクリーン層12への表示制御を行う表示制御部13は、各表示体11…の第1,第2液晶スクリーン11a,11bへの表示制御を独立して行えるように、各スクリーンと1対1で対応するようにグラフィックボードを所要数備え、液晶スクリーン層12によって表示する三次元空間像を表示体11の数に応じて多層化し、各層毎の映像信号が各グラフィックボードから各スクリーンへ送られて、各表示体11で適宜な表示が行われるものとしてある。なお、立体映像表示装置1によって表示する対象となる三次元空間像をどのようにして多層化し、各層毎の映像をどのように生成するかは、特に限定されるものではなく、公知既存の画像処理技術を如何様に用いても良い。

【0013】
ここで、第1液晶スクリーン11aと第2液晶スクリーン11bとからなる表示体11の表示動作をより具体的に説明する。白黒映像の場合は各画素で透明・白色・黒色を表示できるようにすればよく、これらを各々図2(a)~(c)に示す。第1液晶スクリーン11aとしては、白黒画像の表示が可能な透過型液晶(TN、ECB、F-STN等)又は吸収型液晶(GH、PCGH)を用い、第2液晶スクリーン11bとしては、光透過状態と光散乱状態を自在に変換可能な散乱型液晶(高分子分散型液晶:PDLC)を用いる。

【0014】
表示体11の特定の画素を透明にする場合は、第2液晶スクリーン11bの画素に電圧を加えて光透過状態にすると共に、第1液晶スクリーン11aも光透過状態とする(図2(a)参照)。表示体11の特定の画素を黒色にする場合は、第2液晶スクリーン11bに電圧を加えないで光散乱状態にすると共に、第1液晶スクリーン11aを光吸収状態とする(図2(b)参照)。表示体11の特定の画素を白色にする場合は、第2液晶スクリーン11bに電圧を加えないで光散乱状態にすると共に、第1液晶スクリーン11aを光透過状態とする(図2(c)参照)。

【0015】
一方、カラー映像の場合は、透明・白色・黒色に加えてカラー表示に必要な三原色(R・G・B)が表示できるようにする必要があり、上述した第1実施形態の表示体11でカラー表示を表現するためには、色選択的な散乱が可能な第2液晶スクリーンを実現するか、或いは、色選択的な透過/吸収の制御が可能な第1液晶スクリーンを実現する必要がある。そのため、より簡便なカラー表示の表現方法を以下に説明する。

【0016】
例えば、図3に示すように、三原色毎に表示画像を分解し、赤色成分の画像を赤色成分表示用液晶スクリーン層12Rに、緑色成分の画像を緑色成分表示用液晶スクリーン層12Gに、青色成分の画像を青色成分表示用液晶スクリーン層12Bに各々表示させ、これらの表示画像をハーフミラー16で混合することによって、観察者にRGBの立体像として観せるようにすれば、カラー表示による立体映像表示装置を実現できる。なお、RGB各色成分の画像は、モノクロ液晶よりなる液晶表示スクリーン層の前面に赤色フィルタ17R,緑色フィルタ17G,青色フィルタ17Bを各々配置して取得する。

【0017】
なお、上記のようなRGB画像を別々に表示させる場合は、各スクリーン層から観察者の視点Aまでの距離が等しくなるように、高精度に各スクリーンを配置しなければならない。そこで、図6に示すように、RGBの立体像を時分割で順次表示する方法によれば、高精度の位置決め等を要することなくカラーの立体映像表示を実現できる。

【0018】
具体的には、Nヘルツでカラーの立体映像を表示する場合には、「1/3N」秒毎に赤色成分の画像と緑色成分の画像と青色成分の画像を切り換えると共に、赤色成分の画像を表示している間には赤色光の照明15Rを点灯させ、緑色成分の画像を表示している間には緑色光の照明15Gを点灯させ、青色成分の画像を表示している間には青色光の照明15Bを点灯させれば良い。

【0019】
また、照明の色を変更せずに、液晶スクリーン層12の前面に配するフィルタを変えても、同様にカラーの立体映像を表示することができる。すなわち、「1/3N」秒毎に赤色成分の画像と緑色成分の画像と青色成分の画像を切り換えると共に、赤色成分の画像を表示している間には赤色フィルタ17Rを液晶スクリーン層12の前面に位置させ、緑色成分の画像を表示している間には緑色フィルタ17Gを液晶スクリーン層12の前面に位置させ、青色成分の画像を表示している間には青色フィルタ17Bを液晶スクリーン層12の前面に位置させれば良い。

【0020】
尚、上述した第1実施形態においては、物体のオクルージョンを表現することが可能である。
【0021】以上、本発明を図面に示した実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記した実施形態だけでなく、特許請求の範囲に記載した構成を変更しない限りどのようにでも実施することができる。

【0022】

【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る立体映像表示装置によれば、光透過状態と光吸収状態を表示画素単位で電子的に切り替えられる第1液晶スクリーンと、光透過状態と光散乱状態とを表示画素単位で電子的に切り替えられる第2液晶スクリーンとを積層し、第2液晶スクリーンで光散乱状態とした画素の観察者側に位置する第1液晶スクリーンの各表示画素を光透過状態もしくは光吸収状態とすることで画像表示を行う表示体を、奥行方向へ多層に重ねた映像表示手段とし、表示制御手段によって各表示体に画像表示領域と光透過領域とを生ぜしめることで、観察者の視点から表示体までの距離に応じた画像を各表示体に表示させるので、複数の視点からの同時鑑賞が可能な三次元空間像を作成することが可能になる。
【0023】従って、請求項1に係る発明によって得られる立体映像は視差・輻輳に加え、運動視差、ピント調節など人体が立体視する上での手がかりを全て正確に再現することができるので、観察者への視覚への負担を軽減することができる。

【0024】
しかも、本発明の立体映像提示方法は物理的な駆動を必要としないので、従来の空間走査型立体提示法に比べて、消費電力を抑えるとともに安定な動作をさせることも可能となる。

【0025】
また、奥行き方向の解像度を抑えた空間操作方法を用いているので、ホログラフィに比べると、表示に必要なデータ量や計算量も低く抑えられ、通信及びデータの保存を行う上で有利である。

【0026】
これにより、バーチャルリアリティにおける三次元空間の視覚提示装置や遠隔地間の立体映像の通信端末として、観察者にとってより快適で使いやすい環境を与えることができる。
図面
【図1】
0
【図4】
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【図2】
2
【図3】
3
【図5】
4
【図6】
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