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明細書 :背景捨象撮像方法及び装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3511096号 (P3511096)
公開番号 特開2003-023550 (P2003-023550A)
登録日 平成16年1月16日(2004.1.16)
発行日 平成16年3月29日(2004.3.29)
公開日 平成15年1月24日(2003.1.24)
発明の名称または考案の名称 背景捨象撮像方法及び装置
国際特許分類 H04N  5/222     
H04N  7/15      
FI H04N 5/222 Z
H04N 7/15
請求項の数または発明の数 9
全頁数 5
出願番号 特願2001-206027 (P2001-206027)
出願日 平成13年7月6日(2001.7.6)
審査請求日 平成13年7月6日(2001.7.6)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】301022471
【氏名又は名称】独立行政法人通信総合研究所
発明者または考案者 【氏名】善本 淳
個別代理人の代理人 【識別番号】100090893、【弁理士】、【氏名又は名称】渡邊 敏
審査官 【審査官】井上 健一
参考文献・文献 特開 平11-27646(JP,A)
特開 平11-298779(JP,A)
特開 平4-83480(JP,A)
調査した分野 H04N 5/222
H04N 7/15 630
特許請求の範囲 【請求項1】
被写体の背景に偏光を照射する背景用偏光照射手段と、
その背景用偏光照射手段による照射偏光の偏光方位と異なる偏光方位の偏光を受光して、被写体の背景からの反射光を遮蔽しつつ被写体を撮像する偏光撮像手段とを備えることを特徴とする背景捨象撮像装置。

【請求項2】
被写体の所望部位に偏光を照射する被写体用偏光照射手段を備え、
背景用偏光照射手段は、被写体用偏光照射手段による照射偏光の偏光方位とは異なる偏光方位の偏光を、被写体の背景に照射し、
偏光撮像手段は、被写体用偏光照射手段による照射偏光の偏光方位と等しい偏光方位の偏光を受光して、被写体の所望部位に照射した偏光の反射を撮像する請求項1に記載の背景捨象撮像装置。

【請求項3】
背景用偏光照射手段が、発光部材に偏光フィルターを取り付けたものである請求項1または2に記載の背景捨象撮像装置。

【請求項4】
偏光撮像手段が、撮像手段に偏光フィルターを取り付けたものである請求項1ないし3に記載の背景捨象撮像装置。

【請求項5】
被写体用偏光照射手段が、発光部材に偏光フィルターを取り付けたものである請求項1ないし4に記載の背景捨象撮像装置。

【請求項6】
被写体用偏光照射手段が、通信相手の映像を表示する相手表示モニターである請求項1ないし5に記載の背景捨象撮像装置。

【請求項7】
相手表示モニターが、発光部材に偏光フィルターを取り付けたものである請求項6に記載の背景捨象撮像装置。

【請求項8】
相手表示モニターが、偏光を発光する部材で構成される請求項6に記載の背景捨象撮像装置。

【請求項9】
背景用偏光照射手段で、被写体の背景に偏光を照射し、
偏光撮像手段で、背景用偏光照射手段による照射偏光の偏光方位と異なる偏光方位の偏光を受光して、被写体の背景からの反射光を遮蔽しつつ被写体を撮像することを特徴とする背景捨象撮像方法。
発明の詳細な説明 【発明の詳細な説明】

【0001】

【発明の属する技術分野】本発明は、テレビ電話などの撮像手段で人物等を撮像する時、被写体の背景を光学的に映らないようにする撮像方法、及び、その方法を実施する装置に関する。

【0002】

【従来の技術】テレビ電話などの撮像手段で人物等を撮像する場合、被写体の背景が映ることが避けられない。例えば、家の中で自分の姿をテレビ電話で映すと、背景として部屋内の細部などが伝送されてしまい好ましくない。顔だけにスポットライトを当てれば、背景を相対的に暗く映すことが可能であるが、映像の不鮮明さや、設備のコスト増、同居他者への影響などの問題が派生する。

【0003】
一方、コンピューター処理を利用すると、予め背景だけの映像を撮像しておき、被写体が加わった場合との差分を基にして、背景の映像を捨象することが可能である。また、静的画像である背景と動的画像である被写体との差分を基にしても、背景の映像を捨象することが可能である。しかし、これらには、膨大なデータ処理が必要である。そのため、その処理に伴い、通信における即時応答性が疎外され、対面対話に臨場感を失わせる結果を招く。また、その処理精度や処理速度の他に、設備のコスト的問題が伴う。また、予め背景だけの映像を撮像しておき、被写体が加わった場合との差分を基にする方法によると、振動等でカメラが動いた場合の補正が困難であり、静的画像である背景と動的画像である被写体との差分を基にする方法によると、被写体の動静の判別が困難である。

【0004】

【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、コンピューター処理によらないで、光学的手段のみによって、被写体や他の共同生活者への影響を極力抑えつつ、被写体の背景を映らないように撮像する方法、及び、その方法を実施する装置を提供することを目的とする。

【0005】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明の背景捨象撮像方法及び装置は、次の構成を備える。すなわち、被写体の背景に偏光を照射する背景用偏光照射手段と、その背景用偏光照射手段による照射偏光の偏光方位と異なる偏光方位の偏光を受光して、被写体の背景からの反射光を遮蔽しつつ被写体を撮像する偏光撮像手段で、被写体を撮像すると同時に被写体の背景を捨象する。

【0006】
ここで、被写体の所望部位に偏光を照射する被写体用偏光照射手段を設け、背景用偏光照射手段で、被写体用偏光照射手段による照射偏光の偏光方位とは異なる偏光方位の偏光を、被写体の背景に照射し、偏光撮像手段で、被写体用偏光照射手段による照射偏光の偏光方位と等しい偏光方位の偏光を受光して、被写体の所望部位に照射した偏光の反射を撮像するようにして、被写体等に悪影響を及ぼすことなく、撮像用の光量不足の補完に寄与させてもよい。

【0007】
背景用偏光照射手段を、発光部材に偏光フィルターを取り付けたものとして、非撮像時における背景用偏光照射手段の汎用性に寄与させてもよい。

【0008】
偏光撮像手段を、撮像手段に偏光フィルターを取り付けたものとして、構成の簡易化に寄与させてもよい。

【0009】
被写体用偏光照射手段を、発光部材に偏光フィルターを取り付けたものとして、構成の簡易化に寄与させてもよい。

【0010】
被写体用偏光照射手段を、通信相手の映像を表示する相手表示モニターとして、通信の利便性と構成の簡易化に寄与させてもよい。

【0011】
相手表示モニターを、発光部材に偏光フィルターを取り付けたものとして、構成の簡易化に寄与させてもよい。

【0012】
相手表示モニターを、偏光を発光する部材で構成される液晶モニター等として、簡素な構成に寄与させてもよい。

【0013】

【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。図1は、本発明による背景捨象撮像装置の要部説明図である。被写体の所望部位としての人物の顔(10)に、その正面やや上方から、被写体用偏光照射手段としての被写体用ライト(20)で、所定の方位に偏光された偏光が照射される。被写体用ライト(20)は、従来公知の発光部材(21)の出力端に、偏光フィルター(22)を取り付けることで、簡易に構成できる。

【0014】
被写体の背景(11)には、その上方から、背景用偏光照射手段としての背景用ライト(30)で、被写体用ライト(20)から照射される偏光の偏光方位とは異なる偏光方位の偏光が照射される。背景用ライト(30)は、室内用蛍光灯など従来公知の発光部材(31)の出力端に、偏光フィルター(32)を取り付けたものが、非撮像時における汎用性と、構成の簡易さの点で好ましい。

【0015】
図3及び4は、背景用ライト(30)の正面断面図及び側面断面図である。蛍光灯(31)の反射板(33)の下部から外方に延設された支持体(34)に、樹脂製の偏光フィルム(32)が装着されている。偏光フィルム(32)は、着脱自在であり、通常は外されていて、蛍光灯(31)が露出している。図示の例では、偏光フィルム(32)による偏光方位は、蛍光灯(31)の長軸方向である一方、被写体用ライト(20)による偏光方位は、それに垂直な水平方向であって、両者の偏光方位は直交している。

【0016】
被写体の人物の顔(10)の正面には、偏光撮像手段としての偏光撮像機(40)が配置される。偏光撮像機(40)は、カメラ(41)のレンズに偏光フィルター(42)が取り付けられている。偏光フィルター(42)の偏光方位は、被写体用ライト(20)の偏光フィルター(22)の偏光方位と等しく設計される。そのため、カメラ(41)は、被写体の人物の顔(10)に照射されて反射された偏光は受光するが、背景用ライト(30)から照射された偏光は受光しない。従って、偏光撮像機(40)には、被写体の人物の顔(10)が撮像されると同時に、被写体の背景(11)は捨象される。

【0017】
カメラ(41)に使用するレンズは、F値の小さなレンズが好ましい。F値が小さいと、明るいので小光量で撮像できると共に、被写界深度が浅いので背景(11)をぼかす効果もある。

【0018】
なお、被写体用ライト(20)は、撮像用の光量不足を補完するものであって、必須の構成要素ではない。設置するならば、本実施例のような偏光を照射するものが好ましい。非偏光であると、偏光撮像機(40)の偏光フィルター(42)で光量が低下してしまうので、それを補うために被写体用ライト(20)の光量を上げると、被写体の人物や共同生活者を眩しくさせてしまうからである。

【0019】
偏光撮像機(40)と相手表示モニター(50)は、通信回線(60)を介して、データ処理伝送装置や通信相手側の表示モニターや偏光撮像機に接続されている。

【0020】
図2は、別実施例の背景捨象撮像装置を示す要部説明図である。この実施例では、被写体(10)の正面に配置されたテレビ電話等の相手表示モニター(50)には、相手画像を表示するブラウン管等の発光面(51)の周囲に、ライト(52)が設けられている。ライト(52)には、ブラウン管等の一部を充当しても、蛍光灯など他の発光部材を付設してもよい。また、ライト(52)が単体では偏光を発光することが不可能な光源である場合は、それに偏光フィルターを装着させて偏光を照射できるようにしてもよい。この実施例による相手表示モニター(50)の正面図を図6に示し、図5に前記実施例による相手表示モニター(50)の正面図を示す。本実施例によると、相手表示モニター(50)の発光面(51)の外周部分を活用して、相手表示モニター(50)に被写体用の光照射手段を付加できるので、簡素な構成でありながら通信の利便が図れる。特に図示したような環状のライト(52)であると、被写体の人物の顔(10)に四方から光が照射されるので、顔(10)に濃い影を落とすことを緩和する効果がある。

【0021】
なお、ライト(52)の前面に、スライド式のフィルター等を付設して、ライト(52)の光量を適宜調節できるようにしてもよい。また、相手表示モニター(50)を液晶モニター等で構成して、相手画像を表示する発光面から照射される光を偏光にして、これで被写体用ライト(20)を兼用させてもよい。

【0022】

【発明の効果】本発明は、上述の構成を備えることによって、次の効果を奏する。請求項9に記載の背景捨象撮像方法、または、請求項1に記載の装置によると、偏光撮像手段の受光する偏光が、被写体の背景に照射された偏光の偏光方位と異なるので、光学的手段のみによって、被写体の背景を捨象して被写体の所望部位のみを撮像することができる。

【0023】
請求項2に記載の背景捨象撮像装置によると、被写体の所望部位に照射する被写体用偏光の偏光方位が、撮像手段が受光する偏光の偏光方位と等しいと同時に、被写体の背景に照射する背景用偏光の偏光方位と異なるので、被写体等に悪影響を及ぼすことなく、撮像用の光量不足を補完することができる。

【0024】
請求項3に記載の背景捨象撮像装置によると、背景用偏光照射手段が、発光部材に偏光フィルターを取り付けて構成されるので、非撮像時には背景用偏光照射手段を通常の室内灯として利用できる。

【0025】
請求項4に記載の背景捨象撮像装置によると、偏光撮像手段が、撮像手段に偏光フィルターを取り付けて構成されるので、簡易に形成できる。

【0026】
請求項5に記載の背景捨象撮像装置によると、被写体用偏光照射手段が、発光部材に偏光フィルターを取り付けて構成されるので、簡易に形成できる。

【0027】
請求項6に記載の背景捨象撮像装置によると、被写体用偏光照射手段が、通信相手の映像を表示する相手表示モニターで構成されるので、通信の利便性と共に簡易に形成できる。

【0028】
請求項7に記載の背景捨象撮像装置によると、相手表示モニターが、発光部材に偏光フィルターを取り付けて構成されるので、簡易に形成できる。

【0029】
請求項8に記載の背景捨象撮像装置によると、相手表示モニターが、偏光を発光する部材で構成される液晶モニター等で構成されるので、簡素に形成できる。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図4】
2
【図5】
3
【図6】
4
【図3】
5