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明細書 :使用済核燃料の再処理システムおよび再処理方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第6210477号 (P6210477)
公開番号 特開2014-089155 (P2014-089155A)
登録日 平成29年9月22日(2017.9.22)
発行日 平成29年10月11日(2017.10.11)
公開日 平成26年5月15日(2014.5.15)
発明の名称または考案の名称 使用済核燃料の再処理システムおよび再処理方法
国際特許分類 G21C  19/46        (2006.01)
G21C   3/62        (2006.01)
FI G21C 19/46 M
G21C 3/62 C
G21C 3/62 N
請求項の数または発明の数 8
全頁数 15
出願番号 特願2012-240391 (P2012-240391)
出願日 平成24年10月31日(2012.10.31)
審査請求日 平成27年9月15日(2015.9.15)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】505374783
【氏名又は名称】国立研究開発法人日本原子力研究開発機構
発明者または考案者 【氏名】深谷 裕司
【氏名】高松 邦吉
【氏名】後藤 実
個別代理人の代理人 【識別番号】100100549、【弁理士】、【氏名又は名称】川口 嘉之
【識別番号】100113608、【弁理士】、【氏名又は名称】平川 明
【識別番号】100175190、【弁理士】、【氏名又は名称】大竹 裕明
審査官 【審査官】藤原 伸二
参考文献・文献 特開2001-166086(JP,A)
特開2006-078401(JP,A)
特公昭48-028275(JP,B1)
特開2005-249692(JP,A)
特開平11-064560(JP,A)
特開2010-190717(JP,A)
米国特許第4344912(US,A)
英国特許出願公開第2330685(GB,A)
調査した分野 G21C 19/46
G21C 3/62
特許請求の範囲 【請求項1】
原子炉から取り出した使用済核燃料の再処理システムであって、
前記使用済核燃料を溶解した硝酸溶液からウランを分離し、硝酸プルトニウム溶液を得る分離手段と、
前記分離手段からゾルゲル法による核燃料の製造手段へ送られる前記硝酸プルトニウム溶液に、化学・核的に不活性な不活性母材を混合する混合手段と、を備える、
使用済核燃料の再処理システム。
【請求項2】
前記混合手段は、前記分離手段から前記製造手段へ送られる前記硝酸プルトニウム溶液の蒸発濃縮が行われる前に前記不活性母材を混合する、
請求項1に記載の使用済核燃料の再処理システム。
【請求項3】
前記混合手段は、前記不活性母材を、前記製造手段へ送られた前記硝酸プルトニウム溶液が規定の核拡散抵抗性となる混合比で前記硝酸プルトニウム溶液に混合する、
請求項1または2に記載の使用済核燃料の再処理システム。
【請求項4】
前記混合手段は、前記分離手段において分離されたウランが溶解した硝酸ウラン溶液を、前記製造手段によって製造された前記核燃料が炉心設計上必要とされるプルトニウム富化度となる混合比で前記硝酸プルトニウム溶液に更に混合する、
請求項1から3の何れか一項に記載の使用済核燃料の再処理システム。
【請求項5】
原子炉から取り出した使用済核燃料の再処理方法であって、
前記使用済核燃料を溶解した硝酸溶液からウランを分離し、硝酸プルトニウム溶液を得る分離工程と、
前記分離工程からゾルゲル法による核燃料の製造工程へ送られる前記硝酸プルトニウム溶液に、化学・核的に不活性な不活性母材を混合する混合工程と、を行う、
使用済核燃料の再処理方法。
【請求項6】
前記混合工程は、前記分離工程から前記製造工程へ送られる前記硝酸プルトニウム溶液の蒸発濃縮が行われる前に前記不活性母材を混合する、
請求項5に記載の使用済核燃料の再処理方法。
【請求項7】
前記混合工程は、前記不活性母材を、前記製造工程へ送られた前記硝酸プルトニウム溶液が規定の核拡散抵抗性となる混合比で前記硝酸プルトニウム溶液に混合する、
請求項5または6に記載の使用済核燃料の再処理方法。
【請求項8】
前記混合工程は、前記分離工程において分離されたウランが溶解した硝酸ウラン溶液を、前記製造工程によって製造された前記核燃料が炉心設計上必要とされるプルトニウム富化度となる混合比で前記硝酸プルトニウム溶液に更に混合する、
請求項5から7の何れか一項に記載の使用済核燃料の再処理方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、使用済核燃料の再処理システムおよび再処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、燃焼後も安定した化合物となる不活性母材燃料(例えば、非特許文献1を参照)や、線量の高い物質を取扱い可能なセル内での遠隔燃料製造に適した振動充填法(例えば、非特許文献2を参照)の研究開発が行われている。
【先行技術文献】
【0003】
<nplcit num="1"> <text>T. Shiratori, T. Yamashita, T. Ohmichi, A. Yasuda, K. Watarumi, "Preparation of rock-like oxide fuels for the irradiation test in the Japan Research Reactor No. 3", Journal of Nuclear Materials, 1999, Vol.274, p. 40-46.</text></nplcit><nplcit num="2"> <text>紙谷 正仁, 小島 久雄, 篠田 佳彦, "先進湿式プラント設計研究(III)", 動力炉・核燃料開発事業団 東海事業所, 1998/03.</text></nplcit><nplcit num="3"> <text>WILLIAM S. CHARLTON、他4名, "PROLIFERATION RESISTANCEASSESSMENT METHODOLOGY FOR NUCLEAR FUEL CYCLES", NUCLEAR TECHNOLOGY, 2007 FEB, VOL.157, p.143-156.</text></nplcit>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
我が国は、NPT(核兵器の不拡散に関する条約)を締結しているため、保障措置上、プルトニウムを単体で存在させることができない。このため、現行の再処理法では最終製品がウランとプルトニウムの混合酸化物となるよう、脱硝前の硝酸プルトニウム溶液の硝酸ウラン溶液を混合している。よって、現行の再処理法から出る製品では、この混合比を超えるプルトニウム富化度の燃料を製造することができず、炉心設計の幅を狭めている。
【0005】
そこで、本願は、核拡散抵抗性を低下させることなく、核燃料のプルトニウム富化度を高めることが可能な使用済核燃料の再処理システムおよび再処理方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明では、ゾルゲル法が硝酸溶液を直接利用することができることに着目した。すなわち、本発明は、再処理で発生する硝酸プルトニウム溶液を脱硝することなく、ゾルゲル法による核燃料の製造手段へ導くこととし、核燃料の製造手段へ導く前に不活性母材を混合することにした。
【0007】
詳細には、本発明は、原子炉から取り出した使用済核燃料の再処理システムであって、前記使用済核燃料を溶解した硝酸溶液からウランを分離し、硝酸プルトニウム溶液を得る分離手段と、前記分離手段からゾルゲル法による核燃料の製造手段へ送られる前記硝酸プルトニウム溶液に不活性母材を混合する混合手段と、を備える。
【0008】
ここで、不活性母材とは、核拡散抵抗性の維持を目的として硝酸プルトニウム溶液に混合される材料であり、例えば、化学・核的に不活性な材料が好適である。
【0009】
上記再処理システムの場合、核燃料の製造手段へ送られる硝酸プルトニウム溶液に不活性母材を混合しているため、溶液中の硝酸が失われてもプルトニウム酸化物が単体で存在
せず、核拡散抵抗性が維持される。このため、上記再処理システムを用いることにより、核拡散抵抗性を低下させることなく、例えば、プルトニウム富化度が50%以上の燃料を製造することも可能である。
【0010】
また、既存(現行)の再処理施設において発生する脱硝前の硝酸プルトニウム溶液の濃度は既に低減速領域の濃度なので、核燃料の製造手段の一種であるゾルゲル法が求める溶液濃度とするための濃縮処理を施すと増倍率が更に低下することになり、臨界性の観点からも安全性を高めることが可能である。
【0011】
なお、前記混合手段は、前記分離手段から前記製造手段へ送られる前記硝酸プルトニウム溶液の蒸発濃縮が行われる前に前記不活性母材を混合するものであってもよい。蒸発濃縮が行われる前に不活性母材を混合しておけば、蒸発濃縮により溶液中の硝酸が失われてもプルトニウム酸化物が単体で存在することが無いので、プルトニウム濃度の増加による核拡散抵抗性の低下を防ぐことが可能である。
【0012】
また、前記混合手段は、前記不活性母材を、前記製造手段へ送られた前記硝酸プルトニウム溶液が規定の核拡散抵抗性となる混合比で前記硝酸プルトニウム溶液に混合するものであってもよい。
【0013】
ここで、規定の核拡散抵抗性とは、プルトニウムの核兵器への転用が困難となる値であり、例えば、保障措置上規定されている値等を適用することが可能である。混合手段が、不活性母材をこのような混合比で硝酸プルトニウム溶液に混合することにより、プルトニウムの核兵器への転用を防ぐことができる。
【0014】
また、前記混合手段は、前記分離手段において分離されたウランが溶解した硝酸ウラン溶液を、前記製造手段によって製造された前記核燃料が所望のプルトニウム富化度となる混合比で前記硝酸プルトニウム溶液に更に混合するものであってもよい。
【0015】
上記再処理システムでは、不活性母材の混合により核拡散抵抗性を確保しているため、所望のプルトニウム富化度の核燃料を製造することが可能であり、これにより、炉心設計の幅を広げることが可能である。
【0016】
なお、本発明は、方法の側面から捉えることもできる。すなわち、本発明は、例えば、原子炉から取り出した使用済核燃料の再処理方法であって、前記使用済核燃料を溶解した硝酸溶液からウランを分離し、硝酸プルトニウム溶液を得る分離工程と、前記分離工程からゾルゲル法による核燃料の製造工程へ送られる前記硝酸プルトニウム溶液に不活性母材を混合する混合工程と、を行うものであってもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る使用済核燃料の再処理システムおよび再処理方法であれば、核拡散抵抗性を低下させることなく、核燃料のプルトニウム富化度を高めることが可能となる。
【0018】
すなわち、本発明に係る使用済核燃料の再処理システムおよび再処理方法であれば、再処理で発生する硝酸プルトニウム溶液を脱硝することなく、ゾルゲル法による核燃料の製造手段へ導くこととし、核燃料の製造手段へ導く前に不活性母材を混合しているので、核拡散抵抗性を低下させることなく、核燃料のプルトニウム富化度を高めることが可能となる。よって、例えば、プルトニウム富化度50%以上の燃料を、核拡散抵抗性を低下させることなく製造することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施形態に係る再処理システムの構成図の一例である。
【図2】再処理システムによって実現される再処理法のフロー図の一例である。
【図3】ゾルゲル法(外部ゲル化法)により燃料を製造する際のフロー図の一例である。
【図4】プルトニウム濃度と実効増倍率との関係を示したグラフの一例である。
【図5】現行の再処理システムの構成図の一例である。
【図6】現行の再処理システムによって実現される再処理法のフロー図の一例である。
【図7】現行の再処理法を踏襲して単離プルトニウム燃料を製造する場合のフロー図の一例である。
【図8】核拡散抵抗性について比較を行ったグラフの一例である。
【図9】臨界性を比較したグラフの一例である。
【図10】Pu-239の消滅率を比較したグラフの一例である。
【図11】ゾルゲル法(内部ゲル化法)により燃料を製造する際のフロー図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本願発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態は、本願発明の一態様であり、本願発明の技術的範囲を以下の態様に限定するものではない。

【0021】
図1は、本実施形態に係る再処理システムの構成図の一例である。再処理システム1は、使用済核燃料からウランおよびプルトニウムを回収するシステムである。再処理システム1は、受入・貯蔵工程、せん断・溶解工程、分離工程、精製工程、脱硝工程、製品貯蔵I工程、調整・製造工程、及び製品貯蔵II工程を司るシステムである。受入・貯蔵工程は
、使用済の燃料集合体2を貯蔵設備3に受け入れて貯蔵する工程である。せん断・溶解工程は、燃料集合体2をせん断設備4にてせん断した後、溶解設備5にて硝酸で溶解する工程である。分離工程は、FP(核分裂性生成物)分離設備6でFPを硝酸溶液から分離し、更に硝酸溶液をウラン・プルトニウム分離設備7(本願でいう「分離手段」の一例である)で硝酸ウラン溶液と硝酸プルトニウム溶液とに分離する工程である。精製工程は、硝酸ウラン溶液をウラン精製設備8で精製し、硝酸プルトニウム溶液をプルトニウム精製設備9で精製する工程である。脱硝工程は、ウラン脱硝設備10で硝酸ウラン溶液を脱硝する工程である。製品貯蔵I工程は、製品化したウラン酸化物をウラン貯蔵設備11にて貯
蔵する工程である。調整・製造工程は、プルトニウム調整・製造設備12(本願でいう「混合手段」の一例である)にて硝酸プルトニウム溶液を調整し、プルトニウム燃料を製品化する工程である。製品貯蔵II工程は、製品化したプルトニウム燃料を燃料貯蔵設備13にて貯蔵する工程である。

【0022】
図2は、再処理システム1によって実現される再処理法のフロー図の一例である。再処理システム1は、軽水炉や高速炉から搬送された使用済核燃料を燃料集合体のまま受け入れ、貯蔵する(S101)。再処理システム1は、貯蔵した使用済の燃料集合体を細かくせん断し(S102)、せん断片を硝酸にて溶解する(S103)。硝酸に溶けない被覆管等の細片は、燃料が溶解した硝酸溶液中で分離される。再処理システム1は、ウランやプルトニウムが溶解した硝酸溶液の温度等を適当に調整し、ウランとプルトニウムとを分離する(S104)。

【0023】
再処理システム1は、ウランやプルトニウムが溶解した硝酸溶液からプルトニウムを分離した硝酸ウラン溶液を精製し(S105)、脱硝してウラン酸化物とした後(S106)、ウラン貯蔵設備11に貯蔵する(S107)。

【0024】
また、再処理システム1は、ウランやプルトニウムが溶解した硝酸溶液からウランを分
離した硝酸プルトニウム溶液を精製する(S108)。また、再処理システム1は、硝酸溶液に溶かして濃度等を適当に調整した不活性母材を用意する(S109)。再処理システム1は、精製した硝酸プルトニウム溶液に、所望のプルトニウム富化度となるように硝酸ウラン溶液を必要に応じて適当に混合し、更に、適当なプルトニウム濃度となるように不活性母材を混合する(S110)。不活性母材は、焼結等の処理を経ても消失することの無い材料であり、化学・核的に不活性な材料である。不活性母材の材料の具体例としては、例えば、イットリウムスタビライズドジルコニア等を挙げることができる。不活性母材としてイットリウムスタビライズドジルコニアを用いる場合には、硝酸溶液と混合しやすいよう、硝酸ジルコニウム溶液や硝酸イットリウム溶液を用意して混合する。なお、不活性母材の混合比は、燃料の製造設備へ送られる硝酸溶液が、例えば、製造設備に規定されている未臨界度となり、或いは、保障措置上規定されている核拡散抵抗性となるように適宜決定することができる。そして、再処理システム1は、ウランとプルトニウムと不活性母材とを混合した硝酸溶液に蒸発濃縮等の処理を施して濃度等を適当に調整し(S111)、ゾルゲル法による燃料製造を行う(S112)。

【0025】
上述の燃料製造工程(S112)は、具体的には、例えば、以下のような処理を適用可能である。図3は、ゾルゲル法(外部ゲル化法)により燃料を製造する際のフロー図の一例である。再処理システム1は、不活性母材を混合したウランとプルトニウムの混合硝酸溶液(以下、「U・Pu溶液」という)に増粘剤を混合し、粘度を調整する(S201)。増粘剤は、U・Pu溶液を、アンモニア水溶液に滴下させるためのノズルから適正に滴下させることが可能な粘度にするものであり、例えば、PVA(polyvinyl alcohol)を
適用可能である。なお、増粘剤としてPVAを用いる場合、ポリマー水溶液にTHFA(Tetrahydrofurfuryl alcohol)等の水溶性環状エーテルを予め混合しておくことにより、水溶液の表面にポリマーの皮膜が形成されるのを防止し、水溶液中のポリマーの均一な溶解状態を保つことが望ましい。

【0026】
再処理システム1は、増粘剤が混合されたU・Pu溶液を、振動させたノズルからアンモニア水へ向けて滴下する(S202)。ノズルから滴下したU・Pu溶液は、落下中に表面張力で球状化する。

【0027】
ノズルから滴下したU・Pu溶液は、アンモニア水中に落下し、アンモニア水中を沈降する過程で液滴内部までゲル化が進行する(S203)。ノズルから滴下したU・Pu溶液は、落下中に表面張力で球状化しているため、アンモニア水中を沈降する過程で球状にゲル化する。

【0028】
再処理システム1は、アンモニア水中を沈降する過程で球状にゲル化したゲル玉を洗浄液で洗浄する(S204)。例えば、洗浄液として水やアルコールを使った場合、硝酸アンモニウムやアンモニア水が発生する。

【0029】
再処理システム1は、洗浄によって湿潤状態にあるゲル玉を乾燥させる(S205)。ゲル玉は、あらゆる方法で乾燥させてよく、例えば、自然に乾燥させてもよいし温風(例えば、温度が350~770K程度の空気)を当てて強制的に乾燥させてもよい。

【0030】
再処理システム1は、乾燥させたゲル玉を焼結させる(S206)。ゲル玉は、あらゆる方法で焼結させてよく、例えば、ゲル玉が配置されている雰囲気を高温(例えば、1670K程度)にする他、焼結体の性質(気孔率等)が所望のものとなるよう、ゲル玉が配置されている雰囲気の圧力を減圧してもよい。ゲル玉を焼結させたものは、燃料核を構成する。

【0031】
再処理システム1は、上記一連の処理を行うことにより、プルトニウムを含有した燃料
核を完成させる。この燃料核には、上述のステップ(S110)において混合された不活性母材が、その後の焼結等の処理を経ても消失することなく残留している。また、硝酸プルトニウム溶液を脱硝する工程も行わない。よって、プルトニウム酸化物が単体で存在することがないので、核拡散抵抗性を維持可能である。

【0032】
また、再処理工程と燃料製造工程とを配管で直結させることにより、プルトニウムは再処理工程から燃料製造工程へ至るまでの一連の過程において同一ラインにより最終的な酸化物燃料の焼結体まで加工可能である。このような工程は、ゾルゲル法による燃料製造では燃料物質は硝酸溶液に溶解させて用いるため、再処理によって発生する硝酸プルトニウム溶液を直接利用することにより実現できる。ただし、再処理により発生する硝酸プルトニウム溶液とゾルゲル法による燃料製造で必要になる硝酸プルトニウム溶液の成分は異なるため、調整工程が必要になる。さらに、上記再処理システム1では、不活性母材を混合後に蒸発濃縮を行う。例えば、ゾルゲル法による場合、燃料製造に用いる硝酸プルトニウム溶液、硝酸ウラン溶液、もしくはその混合物は2mol/lit.程度の濃度で得られる必要があり、そこに付加される不活性母材は硝酸ジルコニウムが7mol/lit.、硝酸イットリウムが2mol/lit.程度である。これらの組成は設計要求により異なる。現行(従来技術)の再処理法では精製工程後、脱硝工程に進む前に蒸留濃縮が行われる。代表的な施設においては、濃縮後のウラン濃度が約350gU/lit.、プルトニウム濃度が約250gPu/lit.程度であるが、上記再処理システム1では代表的な設計例に対して、不活性母材を混入した状態でプルトニウム濃度480g/lit.程度まで濃縮させる必要がある。

【0033】
ここで、臨界性についての評価を行った。図4は、プルトニウム濃度と実効増倍率との関係を示したグラフの一例である。本評価は、円環容器で高さは無限大(無限円環)、内半径は1mで、10cmの厚さの容器に溶液を格納した状態の体系を想定した。図7のグラフから明らかなように、臨界性は、100g/lit.の辺りではプルトニウム濃度に比例して増倍率の増加が見られるが、約210g/lit.の濃度でその傾向が逆転し下降する。この原因は、水溶液による中性子の減速の程度の違いによるもので、一般的な炉物理現象である。この210g/lit.の状態は最適減速とよばれ、それ以降は低減速領域であり、低減速領域においてはプルトニウム濃度に反比例して増倍率が低下する。上述したように、代表的な施設において、再処理によって発生する硝酸プルトニウム溶液のプルトニウム濃度は約250gPu/lit.程度であり、既に低減速領域の濃度である。よって、上記再処理システム1において発生するU・Pu溶液に、ゾルゲル法が求める溶液濃度(例えば、480gPu/lit.)とするための濃縮処理を施すと、増倍率が更に低下することになり、臨界性の観点からも安全性を高めることが可能である。

【0034】
また、上記実施形態に係る再処理システム1の場合、U・Pu溶液に不活性母材を混ぜてから蒸発濃縮を行っているため、U・Pu溶液に不活性母材を混ぜないで蒸発濃縮を行う場合に比べると、核拡散抵抗性の高い状態を維持しながら燃料製造を行うことができる。

【0035】
例えば、ゾルゲル法に用いる硝酸溶液の組成の条件が、硝酸プルトニウム2mol/lit.、硝酸ジルコニウム7mol/lit.、硝酸イットリウム2mol/lit.であったと仮定する。なお、この組成割合は、最終的な燃料製造の要求により変更可能であり、固定された値ではない。

【0036】
ここで、蒸発濃縮を行った後に不活性母材を混ぜようとする場合、混合前の蒸発濃縮において、硝酸プルトニウム溶液の濃度を2mol/lit.よりも高い濃度にする必要がある。仮に、硝酸プルトニウムと硝酸ジルコニウム・イットリウム混合溶液を1:1で混合する場合、それぞれの溶液は倍の規程数が必要となり、硝酸プルトニウム4mol/l
it.、硝酸ジルコニウム14mol/lit.、硝酸イットリウム4mol/lit.となる。このような溶液濃度の組み合わせ自体は複数考えられ、硝酸プルトニウム溶液の濃度は2mol/lit.から事実上の上限となる飽和濃度までの範囲内で存在することになる。不活性母材が混合されていない単体の硝酸プルトニウム溶液が高濃度で存在することは、核拡散抵抗性の観点から好ましくない。

【0037】
また、プルトニウム濃度が2mol/lit.の硝酸プルトニウム溶液に不活性母材を混ぜ、不活性母材を混合したU・Pu溶液が2mol/lit.となるようにする為には、結晶の硝酸ジルコニウム、硝酸イットリウムが必要になるが、連続処理を行うプロセスにおいて固形物の取り扱いを行うことは難しく、また、溶解後の濃度管理も難しい。

【0038】
しかし、上記再処理システム1であれば、U・Pu溶液に不活性母材を混ぜてから蒸発濃縮を行っているため、U・Pu溶液に不活性母材を混ぜないで蒸発濃縮を行う場合に比べると、核拡散抵抗性の高い状態を維持しながら燃料製造を行うことが可能であり、また、不活性母材を取扱いが容易な硝酸溶液の状態で用いることが可能である。

【0039】
図5は、現行の再処理システムの構成図の一例である。現行の再処理システム101は、上記実施形態に係る再処理システム1と同様、受入・貯蔵工程、せん断・溶解工程、分離工程、精製工程、脱硝工程、及び製品貯蔵工程を司るシステムである。しかし、現行の再処理システム101の脱硝工程では、硝酸ウラン溶液の脱硝のみならず硝酸ウラン溶液と硝酸プルトニウム溶液との混合溶液についても脱硝を行う。また、現行の再処理システム101の製品貯蔵工程では、製品化したウラン酸化物のみならずウラン酸化物とプルトニウム酸化物の混合品についても製品として貯蔵する。

【0040】
図6は、現行の再処理システムによって実現される再処理法のフロー図の一例である。現行の再処理システム101は、軽水炉や高速炉から搬送された使用済核燃料を燃料集合体のまま受け入れ、貯蔵する(S1101)。再処理システム101は、貯蔵した使用済の燃料集合体を細かくせん断し(S1102)、せん断片を硝酸にて溶解する(S1103)。再処理システム101は、ウランやプルトニウムが溶解した硝酸溶液の温度等を適当に調整し、ウランとプルトニウムとを分離する(S1104)。

【0041】
再処理システム101は、硝酸溶液からプルトニウムを分離した硝酸ウラン溶液を精製し(S1105)、脱硝してウラン酸化物とした後(S1106)、貯蔵する(S1107)。

【0042】
また、再処理システム101は、硝酸溶液からウランを分離した硝酸プルトニウム溶液を精製し(S1108)、精製した硝酸プルトニウム溶液に、プルトニウム富化度が50%以下となるように硝酸ウラン溶液を混合した硝酸溶液を脱硝してウラン・プルトニウム混合酸化物とした後(S1109)、貯蔵する(S1110)。

【0043】
使用済核燃料の再処理によって製造される核燃料のプルトニウム富化度を高める際に、現行の再処理システム101の再処理法を踏襲した場合、例えば、以下のようなフローが考えられる。

【0044】
図7は、現行の再処理法を踏襲して単離プルトニウム燃料を製造する場合のフロー図の一例である。図7に示すフロー図のS1201からS1207までの処理については、図6に示すフロー図のS1101からS1107までの処理と同様であるため、その説明を省略する。現行の再処理システム101が行う再処理法を踏襲して単離プルトニウム燃料を製造する場合、再処理システム101は、ウランやプルトニウムが溶解した硝酸溶液からウランを分離した硝酸プルトニウム溶液を精製した後(S1208)、精製した硝酸プ
ルトニウム溶液に硝酸ウラン溶液を混合することなく、硝酸プルトニウム溶液を脱硝することになる。そして、再処理システム101は、硝酸プルトニウム溶液を脱硝して得たプルトニウム酸化物を必要に応じて貯蔵、輸送した後、燃料製造を行うことになる(S1210)。

【0045】
なお、核拡散抵抗性に関しては、非特許文献3に示されるように、Charltonらによって定量的な評価手法が提案されている。この手法では、各工程における核拡散抵抗性を核燃料物質の兵器転用の観点からの利便性、発熱・放射線による取扱いの難しさ、接触・運搬に関する利便性等の観点から核拡散抵抗性を定量化している。各工程において定量化された核拡散抵抗性をそれぞれの工程で処理される物量と処理に要する時間の重みを掛けて合成を行うことによりシステム全体の核拡散抵抗性を評価することができる。

【0046】
図8は、上記評価法により、現行の再処理法を踏襲してプルトニウムの単離を行うケース(以下、ケース1という)と、現行の再処理法通りにウランとプルトニウムの混合を行うケース(以下、ケース2という)と、上記再処理システム1でプルトニウムを取り扱うケース(以下、ケース3という)のそれぞれの核拡散抵抗性について比較を行ったグラフの一例である。なお、核拡散抵抗性がケース毎に異なるのは分離工程以降であるため、図8では分離工程から燃料製造へ至るまでの核拡散抵抗性について示している。分離工程は、各ケースで共通であり、その核拡散抵抗性は0.4程度(最大で1)である。精製工程は、本実施形態(ケース3)の核拡散抵抗性が従来法の核拡散抵抗性と比較し若干(0.03程度)の低下が見られる。これは、精製工程においては、後に続く脱硝工程の前準備として蒸留濃縮を行うが、本実施形態においてはゾルゲル法へ接続するために480gU/lit.程度の高い濃度への濃縮を行うためである。また、本実施形態において精製工程の時間が800時間程度と従来法の倍程度に長いのは、硝酸プルトニウム溶液の濃度が倍程度になっているのに対し、貯蔵槽の体積が一定のため、濃縮後の貯蔵における滞在期間が長くなっているためであり、設計変更により短くすることができる。本実施形態(ケース3)ではこの精製工程後に燃料製造へ直結できる。

【0047】
一方で、従来法では脱硝工程によりプルトニウムとウランの酸化物粉末が出来、運搬可能な容器へと詰められ製品として貯蔵される。また、期間としては貯蔵期間が支配的であり、一般的な再処理施設では2年程度の貯蔵が可能な設計となっている。ここでは、貯蔵期間は1年としているが、仮に400時間程度に設定したとしても結果は変わらない。脱硝・貯蔵工程においては、核拡散抵抗性の低下が顕著に見られ、ケース2では0.24程度、ケース1では0.19程度に低下する。これは、ケース1やケース2では、精製工程までは、密閉された配管や容器に格納されていたプルトニウムが、脱硝工程以降においては運搬可能な容器に詰め替えられることにより持ち出しが可能になったことが原因である。特に、プルトニウム単体の分離を行うケース1は、ケース2に比べて核拡散抵抗性の低下が著しい。このように、従来法において核拡散抵抗性が低下するのはプルトニウム酸化物が持ち出し可能な形で存在するためであるが、本実施形態の手法(ケース3)においては、単離プルトニウムを扱えるにも関わらず、従来の手法(ケース1やケース2)に比べて高い核拡散抵抗性を担保できる。

【0048】
このように、本実施形態に係る再処理システム1であれば、燃料製造の際の核拡散抵抗性が高いため、ウランを混合する必要が無い。また、炉心設計からの要求があれば、プルトニウム富化度はプルトニウム単体の利用も含めて非常に幅広く設定が可能である。但し、単離したプルトニウムの利用が可能であるか否かは、最終的に製造された燃料の核拡散抵抗性に依存する。ガス冷却炉に用いられる被覆燃料粒子は再処理の難しさから核拡散抵抗性の高い燃料であるため、単離したプルトニウムを単体で用いた燃料であっても、保障措置上の制限を受けることなく、製造が許容される蓋然性が高い。また、単離したプルトニウムの使用による核拡散抵抗性に問題がある場合は、上記実施形態に係る再処理システ
ム1のように、イットリウムスタビライズドジルコニアやトリウム等の不活性母材を硝酸ウラン溶液の代わりに混合することで、現行の軽水炉燃料の再処理法及びMOX燃料よりも核拡散抵抗性が非常に高いプルトニウム富化度100%の燃料の製造も可能である。また、上記実施形態に係る再処理システム1は、現行の再処理法の一部を変更したものであるが、改良型再処理(Co-processing法)の一部を改造して本発明の実施形態とした場合であっても同様の効果を得られる。

【0049】
例えば、現行の軽水炉燃料の再処理法では、保障措置に基づきプルトニウムとウランが1対1となるように硝酸プルトニウム溶液と硝酸ウラン溶液とを混合した後、脱硝工程を行う。この理由は、酸化プルトニウムが、核拡散抵抗性の低い単体の状態で存在することを防ぐためにある。よって、現行の軽水炉燃料の再処理法では、製造可能な混合酸化物(MOX)燃料のプルトニウム富化度が最大でも50%に限られてしまい、炉心設計の幅を狭めている。この制限は、改良型再処理(Co-processing)法を用いた場合にも適用され
る。よって、プルトニウム富化度が50%を超える燃料を製造するためには、核拡散抵抗性が高い状態で再処理や燃料製造を行うことが可能なシステムが求められる。上記実施形態に係る再処理システム1であれば、核拡散抵抗性を低下させること無く、硝酸プルトニウム溶液あるいはU・Pu溶液を再処理工程から燃料製造工程へ送り出すことが可能である。よって、例えば、保障措置に抵触することなくプルトニウム富化度50%以上の燃料を製造することも可能となる。

【0050】
上記実施形態に係る再処理システム1により、核拡散抵抗性を維持しながらプルトニウム富化度50%以上の核燃料が製造可能となることにより、例えば、高温ガス炉を用いたプルトニウム専焼炉の性能は格段に向上する。このようなプルトニウム専焼炉概念としてDeep Burnと呼ばれる炉型が存在するが、この炉型においては単離プルトニウムの使用を想定している。この炉型の設計諸元の概要としては、4バッチ炉心、1バッチ当たりのプルトニウム装荷量は約300kg、取出し燃焼度は約550GWd/tである。装荷したPu-239の約97%を消滅出来る。

【0051】
図9は、Deep Burn炉心概念において、使用した燃料の違いによる臨界性を比較したグラフの一例である。解析手法は積分型中性子輸送方程式を衝突確率法により解いたものを用いている。図9のグラフに示すDeep Burn・USは、本来のDeep
Burnと同様に単離プルトニウムを用いた場合の臨界性を示している。図9のグラフに示すDeep Burn・JPは、現行の日本の再処理により得られる最大のプルトニウム富化度50%のMOX燃料を用いた場合の臨界性を示している。図9のグラフに示すDeep Burn・IMFは、上記実施形態に係る再処理システム1で製造した燃料の臨界性を示しており、ウランを混合する代わりに不活性母材であるイットリウムスタビライズドジルコニアを混入したものである。この時のプルトニウムインベントリ自体はDeep Burn・JPと同様である。Deep Burn・USとDeep Burn・JPとの比較ではDeep Burn・JPの無限増倍率が大幅に低下していることが確認できる。これは、ウランを混合することによって、U-238による中性子捕獲反応が増大し、臨界性を大きく損ねていることによるものである。一方で、Deep Burn・IMFは高い無限増倍率を示している。これは、ウランを混合しないため、上記の臨界性の低下が回避されるためである。この評価においてDeep Burn・IMFはDeep Burn・JPと同様、Deep Burn・USと比較してプルトニウムインベントリが半分程度になっている。それでも、Deep Burn・IMFがDeep Burn・USと比較して無限増倍率が高いのは、中性子の減速が不足している体系であるためであり、設計対応により同等の無限増倍率を得ることができる。しかし、Deep Burn・JPに示されているU-238の中性子捕獲反応による臨界性の低下は避けられないものである。実際は、複数バッチ炉心であるため、直接的な比較はできないが、図9において増倍率が1となる値を比較すると、Deep Burn・JPの到達燃焼度は
Deep Burn・USの半分以下になると推測される。

【0052】
結論として、臨界性の観点からは、現行のウラン混合によるプルトニウム富化度50%のMOX燃料を用いることにより、Deep Burn炉心概念の燃焼度は半分以下に減少すると言える。

【0053】
一方で、Pu-239の消滅率は次のようになる。図10は、Pu-239の消滅率を比較したグラフの一例である。Deep Burn・US及びDeep Burn・IMFについては、上記の臨界性に関する比較により、Deep Burnの設計諸元である、取出し燃焼度550GWd/tを達成できるものとしている。一方で、Deep Burn・JPはプルトニウム富化度が50%であり、プルトニウムインベントリがDeep
Burn炉心概念と比較し半分程度であるため、達成可能な燃焼度は275GWd/t
となっている。しかし、ウラン添加による臨界性の低下を考えると実際には燃焼度の275GWd/tの達成は難しいと思われる。この条件において、Pu-239の消滅率を比
較すると、Deep Burn・JPはPu-239の消滅率が80%程度であり、Deep Burn炉心概念と比較し15%程度低下する。燃焼度は半分程度であるが、プルトニウムのインベントリも半分程度であり、プルトニウムが優先的に燃焼しているのであれば、Deep Burn・JPについてもPu-239の消滅率は変わらないはずである。しかし、このようにPu-239の消滅率が低下しているのは、U-238の中性子捕獲反応により発生するPu-239が原因である。プルトニウムの消滅を行う際には、プルトニウムの発生源となるウランの混合は避けるべきである。また、ウランを混合する代わりに不活性母材を混合した際には、Deep Burn炉心概念と同等のプルトニウム消滅率が期待できる。

【0054】
このように、現行再処理によるウランの混合により、プルトニウム専焼炉の概念であるDeep Burnの臨界性及びプルトニウム消滅率が損なわれることが分かる。一方、単離プルトニウムの使用が可能となれば、Deep Burn本来の炉心性能が達成できる。また、単離プルトニウムの使用が保障措置上困難な場合であっても、上記再処理システム1により、ウランを混合する代わりに不活性母材を混合した燃料を用いれば、Deep Burnとほぼ同等の炉心性能を達成できることが分かる。

【0055】
また、Deep Burnにはアクチノイド核種の完全消滅を目的とした加速器を併用した消滅炉概念も存在する。その際は、現行再処理において、プルトニウムと同等のウランを混合することは非常に非効率的であり、上記再処理システム1であればより効率的な消滅が達成できる。

【0056】
<変形例>
なお、上述の燃料製造工程(S112)は、例えば、以下のような処理を適用してもよい。図11は、ゾルゲル法(内部ゲル化法)により燃料を製造する際のフロー図の一例である。再処理システム1は、不活性母材を混合したU・Pu溶液にアンモニアドナー等を混合し、U・Pu溶液を調整する(S201)。

【0057】
再処理システム1は、不活性母材やアンモニアドナーを添加したU・Pu溶液を、高温(例えば、362~363K程度)のパラフィンオイルやシリコンオイル等のオイルに滴下することにより、液滴内部をオイルで加熱してゲル化する(S302)。

【0058】
再処理システム1は、球状にゲル化したゲル玉を洗浄液で洗浄した後(S303)、洗浄によって湿潤状態にあるゲル玉を乾燥させる(S304)。ゲル玉は、あらゆる方法で乾燥させてよく、例えば、温風(例えば、温度が333~343K程度の空気)を当てて強制的に乾燥させることが可能である。

【0059】
再処理システム1は、乾燥させたゲル玉を高温の温風(例えば、温度が573~673K程度の空気)で加熱する(S305)。

【0060】
再処理システム1は、加熱したゲル玉を焼結させる(S306)。ゲル玉は、あらゆる方法で焼結させてよく、例えば、ゲル玉が配置されている雰囲気を高温(例えば、1623K程度)にする他、焼結体の性質(気孔率等)が所望のものとなるよう、雰囲気中の高温空気を減圧したり、ゲル玉が配置されている箇所を水素やアルゴン等の雰囲気にしてもよい。ゲル玉を焼結させたものは、燃料核を構成する。

【0061】
再処理システム1は、このように内部ゲル化法を用いて燃料核を完成させることも可能である。この燃料核には、上述のステップ(S110)において混合された不活性母材が、その後の焼結等の処理を経ても消失することなく残留している。よって、不活性母材が燃料核中に存在することにより、プルトニウムの密度上昇による臨界量の低下が抑制され、また、硝酸プルトニウム溶液を脱硝する工程を行わないため、プルトニウム酸化物が単体で存在することによる核拡散抵抗性の低下が抑制される。
【符号の説明】
【0062】
1,101・・・再処理システム
2・・・燃料集合体
3・・・貯蔵設備
4・・・せん断設備
5・・・溶解設備
6・・・FP分離設備
7・・・ウラン・プルトニウム分離設備
8・・・ウラン精製設備
9・・・プルトニウム精製設備
10・・・ウラン脱硝設備
11・・・ウラン貯蔵設備
12・・・プルトニウム調整・製造設備
13・・・燃料貯蔵設備
図面
【図1】
0
【図2】
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【図3】
2
【図4】
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【図5】
4
【図6】
5
【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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