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明細書 :ハロゲン化炭素溶媒の性能を測定する方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2016-008833 (P2016-008833A)
公開日 平成28年1月18日(2016.1.18)
発明の名称または考案の名称 ハロゲン化炭素溶媒の性能を測定する方法
国際特許分類 G01N  21/78        (2006.01)
C07F   3/06        (2006.01)
FI G01N 21/78 Z
C07F 3/06
請求項の数または発明の数 2
出願形態 OL
全頁数 7
出願番号 特願2014-128077 (P2014-128077)
出願日 平成26年6月23日(2014.6.23)
発明者または考案者 【氏名】森 悟
【氏名】徳永 恵津子
【氏名】柴田 哲男
出願人 【識別番号】304021277
【氏名又は名称】国立大学法人 名古屋工業大学
審査請求 未請求
テーマコード 2G054
4H048
Fターム 2G054AA02
2G054AB06
2G054BB01
2G054CA30
2G054CE02
2G054EA04
2G054EB02
2G054GA02
2G054GA03
4H048AA05
4H048VA66
4H048VB10
要約 【課題】含フッ素フタロシアニンがハロゲン化炭素溶媒の経年変化,純度,添加剤などの液性の差によって色調を変化させることを利用し,液性の差を識別する方法を提供する。
【解決手段】フタロシアニンは酸を加えることでプロトンを受容し,色調が変化することが知られている。一方含フッ素フタロシアニンは,ハロゲン化炭素溶媒中に元から存在する微量のプロトンによって色調を変えるほど感度が高く,同種の溶媒でも製造会社や経年,純度,添加剤などの液性の違いにより色調が変化することを見出した。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
下記一般式(1)
【化1】
JP2016008833A_000006t.gif

(式中,R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7,及びR8はそれぞれ独立にフッ素原子を少なくとも1つ含むアルキル基,アルケニル基,又はアルキニル基を示し,R9,R10,R11,R12,R13,R14,R15,及びR16はそれぞれ独立に水素原子,アルキル基,アルコキシ基,ハロゲン原子,置換基を有していてもよいアミノ基,ヒドロキシル基,アルキルチオ基,カルボニル基,置換基を有していてもよいカルバモイル基,シアノ基,ニトロ基,アリール基,アリールオキシ基,アルケニル基,又はアルキニル基を示し,R9乃至R16のうち隣接する2つの基は一緒になって置換基を有していてもよい5乃至7員環を形成してもよく,Mは水素原子,金属元素,半金属元素,金属酸化物,半金属酸化物,金属水酸化物,半金属水酸化物,金属ハロゲン化物,半金属ハロゲン化物,を示す。)で表される含フッ素フタロシアニンが,ハロゲン化炭素溶媒中のプロトンを受容することで色調を変化させる特性を利用し,ハロゲン化炭素溶媒の液性の差を識別する方法。
【請求項2】
前記請求項1に記載の液性が純度,添加剤,経年変化であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】

本発明は,含フッ素フタロシアニンがハロゲン化炭素溶媒に存在するプロトンを受容し,色調を変化させることにより,ハロゲン化炭素溶媒の性能(経年変化,純度,添加剤などの液性)の測定する方法である。
【背景技術】
【0002】
フタロシアニンは青・緑色の顔料として利用されてきた。その優れた物理学的な性質から,電荷発生材,光磁気ディスク用色素として利用されている機能性色素である。さらに光線力学的治療の光増感剤,非線型光学材料など,さまざまな分野での応用が期待されている。
一般的にフタロシアニンは有機溶媒中での可視・紫外吸収スペクトルにおいて680nm付近にQ帯と呼ばれる非常に強い吸収帯を有する。このQ帯の形状は,フタロシアニンのメソ位がプロトン化することにより変化することが知られている(非特許文献1~4)。
しかしフタロシアニンのメソ位をプロトン化するためには,酸を添加する必要があり,その感度は高いとは言い難い。このことに鑑み本発明者はこれまでに,中性溶媒中においてメソ位がプロトン化される含フッ素フタロシアニンを開発している。これらは酸などの添加物を添加することなく,溶液中に存在する微量なプロトンを捕捉し色調を変化させる。
一方、同じ種類のハロゲン化炭素溶媒でも,経年変化,純度,添加剤などの違いがあるが、これらの違いを感度良く識別する方法はまだない。
たとえば、純度測定では、純度99.0%と99.8%のクロロホルムの差をGC,HPLC,NMRを用いた機器的純度測定では感度良く測定することは困難である。
【先行技術文献】
【0003】

【非特許文献1】Lang, K.; Wagnerova, D. M. J. Chem. Soc. Faraday Trans. 1992, 88, 677
【非特許文献2】Beeby, A.; FitzGerald, S.; Stanley, C. F. J. Chem. Soc., Perkin Trans. 2 2001, 1978
【非特許文献3】Honda, T.; Kojima, T.; Fukuzumi, S. Chem. Commun. 2011, 47, 7986
【非特許文献4】Honda, T.; Kojima, T.; Kobayashi, N.; Fukuzumi, S. Angew. Chem. Int. Ed. 2011, 50, 2725
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は前記含フッ素フタロシアニンが前記ハロゲン化炭素溶媒の液性(経年変化,純度,添加剤など)の差によって色調を変化させることにより、これらの違いを感度良く識別する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、
下記一般式(1)
【0006】
【化1】
JP2016008833A_000003t.gif

【0007】
(式中,R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7,及びR8はそれぞれ独立にフッ素原子を少なくとも1つ含むアルキル基,アルケニル基,又はアルキニル基を示し,R9,R10,R11,R12,R13,R14,R15,及びR16はそれぞれ独立に水素原子,アルキル基,アルコキシ基,ハロゲン原子,置換基を有していてもよいアミノ基,ヒドロキシル基,アルキルチオ基,カルボニル基,置換基を有していてもよいカルバモイル基,シアノ基,ニトロ基,アリール基,アリールオキシ基,アルケニル基,又はアルキニル基を示し,R9乃至R16のうち隣接する2つの基は一緒になって置換基を有していてもよい5乃至7員環を形成してもよく,Mは水素原子,金属元素,半金属元素,金属酸化物,半金属酸化物,金属水酸化物,半金属水酸化物,金属ハロゲン化物,半金属ハロゲン化物,を示す。)で表される含フッ素フタロシアニンが,ハロゲン化炭素溶媒中のプロトンを受容することで色調を変化させる特性を利用し,ハロゲン化炭素溶媒の液性の差を識別する方法にある。
前記識別する液性としては、純度,添加剤,経年変化などである。
本発明は、前記一般式(1)で表される含フッ素フタロシアニンがハロゲン化炭素溶液中に存在するわずかなプロトンにより当該フタロシアニンのメソ位がプロトン化され色調が変化することを利用するもので、当該色調変化を測定することにより,当該ハロゲン化炭素溶媒の液性測定を行う方法である。
前記一般式(1)において,R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7,及びR8が示すフッ素原子が少なくとも1つ含むアルキル基としては,例えば,炭素数1乃至20程度のアルキル基を用いることができる。具体的には,メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,ペンチル基,ヘキシル基,ヘプチル基,オクチル基,ノニル基,デシル基,ウンデシル基,ドデシル基,トリデシル基,テトラデシル基,ペンタデシル基,ヘキサデシル基,ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基,イコシル基,又はこれらの環状アルキル基,分鎖アルキル基などを用いることができる。
R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7,及びR8が示すフッ素原子が少なくとも1つ含むアルケニル基又はアルキニル基に含まれる不飽和結合の数は特に限定されないが,好ましくは1乃至2個程度である。該アルケニル基又はアルキニル基は,直鎖状又は分枝鎖状のいずれでもよい。
R9,R10,R11,R12,R13,R14,R15,及びR16が示すアルキル基は,例えば,炭素数1乃至20程度のアルキル基を用いることができる。具体的には,メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,ペンチル基,ヘキシル基,ヘプチル基,オクチル基,ノニル基,デシル基,ウンデシル基,ドデシル基,トリデシル基,テトラデシル基,ペンタデシル基,ヘキサデシル基,ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基,イコシル基,又はこれらの環状アルキル基,分鎖アルキル基などを用いることができる。
R9,R10,R11,R12,R13,R14,R15,及びR16が示すアルケニル基又はアルキニル基に含まれる不飽和結合の数は特に限定されないが,好ましくは1乃至2個程度である。該アルケニル基又はアルキニル基は,直鎖状又は分枝鎖状のいずれでもよい。
R9,R10,R11,R12,R13,R14,R15,及びR16が示すアルコキシ基としては,例えば,炭素数1~6程度のアルコキシ基を用いることができる。より具体的には,メトキシ基,エトキシ基,n-プロポキシ基,イソプロポキシ基,n-ブトキシ基,sec-ブトキシ基,tert-ブトキシ基,シクロプロピルメチルオキシ基,n-ペントキシ基,n-ヘキソキシ基,トリエチレングリコシル基などを挙げることができる。
R9,R10,R11,R12,R13,R14,R15,及びR16が示すハロゲン原子はフッ素原子,塩素原子,臭素原子,又はヨウ素原子のいずれでもよい。
R9,R10,R11,R12,R13,R14,R15,及びR16が示すアミノ基が置換基を有する場合,置換基として,例えば,上記に説明した炭素数1~10程度のアルキル基又はハロゲン化アルキル基などを有していてもよい。より具体的には,炭素数1~6程度のアルキル基で置換されたモノアルキルアミノ基,又は炭素数1~6程度の2個のアルキル基で置換されたジアルキルアミノ基(2個のアルキル基は同一でも異なっていてもよい)などを挙げることができる。
R9,R10,R11,R12,R13,R14,R15,及びR16が示すアルキルチオ基としては,上記に説明した炭素数1~10程度のアルキルチオ基を用いることができる。例えば,メチルチオ基、エチルチオ基などを挙げることができる。
R9,R10,R11,R12,R13,R14,R15,及びR16が示すカルボキシ基としては,例えば,アルキル基,アルコキシ基,アルケニル基,アルキニル基,又はアリール基を有するカルボキシ基を用いることができる。具体的には,アセトキシ基,プロピオノキシ基,ブタノキシ基,ペンタノキシ基,ヘキサノキシ基,メトキシカルボニル基,エトキシカルボニル基などが挙げられる。
R9,R10,R11,R12,R13,R14,R15,及びR16が示すカルバモイル基が置換基を有する場合、置換基として、例えば、上記に説明した炭素数1~6程度のアルキル基又はハロゲン化アルキル基などを有していてもよい。カルバモイル基が2個の置換基を有する場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。
R9,R10,R11,R12,R13,R14,R15,及びR16が示すアリール基としては,ヘテロアリール基も含有し,具体例としては,例えば炭素数2~30のアリール基,具体的にはフェニル基,ナフチル基,アンスラニル基,ピレニル基,ビフェニル基,インデニル基,テトラヒドロナフチル基,ピリジル基,ピリミジニル基,ピラジニル基,ピリダニジル基,ピペラジニル基,ピラゾリル基,イミダゾリル基,キニリル基,ピロリル基,インドリル基,フリル基などが挙げることができる。
R9,R10,R11,R12,R13,R14,R15,及びR16が示すアリールオキシ基としては,ヘテロアリールオキシ基も含有し,具体例としては,例えば炭素数2~30のアリール基,具体的にはフェニルオキシ基,ナフチルオキシ基,アンスラニルオキシ基,ピレニルオキシ基,ビフェニルオキシ基,インデニルオキシ基,テトラヒドロナフチルオキシ基,ピリジルオキシ基,ピリミジニルオキシ基,ピラジニルオキシ基,ピリダニジルオキシ基,ピペラジニルオキシ基,ピラゾリルオキシ基,イミダゾリルオキシ基,キニリルオキシ基,ピロリルオキシ基,インドリルオキシ基,フリルオキシ基などが挙げることができる。
アルキル基又はアルキル部分を含む置換基(例えば,アルコキシ基,アルキルチオ基,アルコキシカルボニル基など)のアルキル部分,アリール基又はアリール部分を含む置換基(例えば,アリールオキシ基など)のアリール部分は,フッ素原子,塩素原子,臭素原子,及びヨウ素原子からなる群から選ばれる1又は2個以上のハロゲン原子有していてもよく,2個以上のハロゲン原子が置換している場合には,それらは同一でも異なっていてもよい。
R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7,R8,R9,R10,R11,R12,R13,R14,R15,及びR16はそれぞれ独立に上記に定義されたいずれかの置換基を示すが,全部が同一の置換基であってもよい。
Mが示す金属元素としては,アルカリ金属,アルカリ土類金属,遷移金属,ランタノイド系金属,アクチノイド系金属を用いることができる。具体的には,リチウム,ナトリウム,カリウム,マグネシウム,カルシウム,スカンジウム,イットリウム,チタン,ジルコニウム,クロム,マンガン,モリブデン,鉄,ルテニウム,コバルト,ロジウム,ニッケル,パラジウム,ニッケル,銅,亜鉛,アルミニウム,ガリウム,インジウム,スズ,ランタン,ウランなどが挙げることができる。
Mが示す半金属元素としては,例えば,ホウ素,ケイ素,砒素,ゲルマニウム,鉛などが挙げることができる。
Mが示す金属酸化物としては,アルカリ金属,アルカリ土類金属,遷移金属,ランタノイド系金属,アクチノイド系金属の酸化物を用いることができる。具体的には,酸化リチウム,酸化マグネシウム,酸化カルシウム,酸化チタン,酸化クロム,酸化マンガン,酸化モリブデン,酸化鉄,酸化ルテニウム,酸化銅,酸化亜鉛,酸化アルミニウム,酸化ガリウム,酸化ランタン,酸化ウランなどが挙げることができる。
Mが示す半金属酸化物としては,例えば,ホウ素酸化物,ケイ素酸化物,砒素酸化物,ゲルマニウム酸化物,鉛酸化物などが挙げることができる。
Mが示す金属水酸化物としては,アルカリ金属,アルカリ土類金属,遷移金属,ランタノイド系金属,アクチノイド系金属の水酸化物を用いることができる。例えば,水酸化アルミニウム,水酸化インジウム,水酸化タリウムなどが挙げることができる。
Mが示す半金属水酸化物としては,例えば,ホウ素水酸化物,ケイ素水酸化物,砒素水酸化物,ゲルマニウム水酸化物,鉛水酸化物などが挙げることができる。
Mが示す金属ハロゲン化物としては,アルカリ金属,アルカリ土類金属,遷移金属,ランタノイド系金属,アクチノイド系金属のハロゲン化物を用いることができる。ハロゲン原子としては,フッ素原子,塩素原子,臭素原子,又はヨウ素原子のいずれでもよい。
Mが示す半金属ハロゲン化物としては,例えば,ホウ素ハロゲン化物,ケイ素ハロゲン化物,砒素ハロゲン化物,ゲルマニウムハロゲン化物,鉛ハロゲン化物などが挙げることができる。ハロゲン原子としては,フッ素原子,塩素原子,臭素原子,又はヨウ素原子のいずれでもよい。
化合物の絶対配置は(S)又は(R)配置のいずれであってもよく,光学異性体又はジアステレオ異性体などの立体異性体はいずれも本発明の範囲に包含される。光学的に純粋な形態の異性体は本発明の好ましい態様である。また,立体異性体の任意の混合物,ラセミ体なども範囲に包含される。含フッ素フタロシアニンは置換基の種類に応じて塩を形成する場合があり,また水和物又は溶媒和物として存在する場合もあるが,これらの物質はいずれも本発明の範囲に包含される。
液性測定を行えるハロゲン化炭素溶媒は特に限定されないが,クロロホルム,四塩化炭素,塩化メチレン,ジクロロエタン,トリクロロエタンなどが挙げられる。
以下、実施形態により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定されることはない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1実施形態に係る1,4,8,11,15,18,21,24-オクタキス(2,2,2-トリフルオロエトキシ)フタロシアニン亜鉛の可視紫外吸収スペクトルを示す図であって,クロロホルム中1.0×10-6Mにおけるスペクトルである。
【図2】本発明の第2実施形態に係る1,4,8,11,15,18,21,24-オクタキス(2,2,2-トリフルオロエトキシ)フタロシアニン亜鉛の可視紫外吸収スペクトルを示す図であって,ジクロロメタン中1.0×10-4Mにおけるスペクトル,及び測定してから半年間放置したジクロロメタン中1.0×10-4Mにおけるスペクトルである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
1,4,8,11,15,18,21,24-オクタキス(2,2,2-トリフルオロエトキシ)フタロシアニン亜鉛(下示式(化2))を条件が違うクロロホルム溶媒;(a) SIGMA-ALDRICH社製スペクトル測定用クロロホルム(純度99.8 %以上、アミレン添加),(b) SIGMA-ALDRICH社製スペクトル測定用クロロホルム(純度99.8%以上、EtOH添加),(c) KANTO社製スペクトル測定用クロロホルム(純度99.0 %以上、アミレン添加),(d) KISHIDA社製スペクトル測定用クロロホルム (純度99.0 %以上、EtOH添加), (e) TCI社製HPLC用クロロホルム(純度99.5 %以上、2-methyl-2-butene添加),(f) 蒸留したクロロホルムに濃度が1.0×10-6Mとなるように溶解させ,可視紫外吸収スペクトルを測定した。

【0010】
【化2】
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【0011】
表1に前記1,4,8,11,15,18,21,24-オクタキス(2,2,2-トリフルオロエトキシ)フタロシアニン亜鉛を前記(a)~(f)の溶媒に溶解した際の光吸収波長とモル吸光係数の常用対数値を示す。また図1に可視紫外吸収スペクトルの形状を示す。

【0012】
【表1】
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【0013】
表1及び図1より比較的純度が高いと思われる(a)及び(f)を用いた場合,Q帯の長波長側にわずかな吸収帯が観測された。また比較的純度が低いと思われる(c)及び(e)を用いた場合,Q帯の長波長側に大きな吸収帯が観測された。添加剤としてエタノールを加えている(b)及び(d)を用いた場合,Q帯の長波長側に吸収帯は観測されなかった。このようにクロロホルムの純度・添加剤の種類により,同種の溶媒であるにもかかわらず色調の変化が得られる。
(第2実施形態)
1,4,8,11,15,18,21,24-オクタキス(2,2,2-トリフルオロエトキシ)フタロシアニン亜鉛をジクロロメタンに濃度が1.0×10-4Mとなるように溶解させ,可視紫外吸収スペクトルを測定した。また測定に使用したジクロロメタンを一度目の測定後,半年間放置し,再度同様の条件で可視紫外吸収スペクトルを測定した。
図2に1,4,8,11,15,18,21,24-オクタキス(2,2,2-トリフルオロエトキシ)フタロシアニン亜鉛をジクロロメタンの溶媒に溶解した際の可視紫外吸収スペクトルの形状を示す。
図2より一度目の測定においてはQ帯の長波長側にわずかに吸収帯が観測された。一度目の測定から半年間放置したジクロロメタンに溶解させて測定した場合,Q帯の短波長側の吸収帯が小さくなり,長波長側の吸収帯が大きくなる現象が観測された。このようにジクロロメタンの経年に伴う純度などの変化を識別することができる。
図面
【図1】
0
【図2】
1