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明細書 :周波数同期補償方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2015-162879 (P2015-162879A)
公開日 平成27年9月7日(2015.9.7)
発明の名称または考案の名称 周波数同期補償方法
国際特許分類 H04J  11/00        (2006.01)
H04W  56/00        (2009.01)
FI H04J 11/00 Z
H04W 56/00 130
請求項の数または発明の数 8
出願形態 OL
全頁数 12
出願番号 特願2014-038788 (P2014-038788)
出願日 平成26年2月28日(2014.2.28)
発明者または考案者 【氏名】田久 修
【氏名】若尾 悠太
【氏名】藤井 威生
【氏名】笹森 文仁
【氏名】半田 志郎
出願人 【識別番号】504180239
【氏名又は名称】国立大学法人信州大学
【識別番号】504133110
【氏名又は名称】国立大学法人電気通信大学
審査請求 未請求
テーマコード 5K067
Fターム 5K067AA11
5K067BB21
5K067CC04
5K067DD25
5K067EE02
5K067EE10
5K067FF05
5K067FF16
5K067GG01
5K067LL11
要約 【課題】無線通信システムにおいて、かつノードの数が多数となった場合でも、効率良く周波数の同期が可能な周波数同期補償方法を提供することを目的とする。
【解決手段】(1)受信機が使用可能なチャネルを通知するステップと、(2)送信機が、前記チャネルを利用して周波数同期用信号を送信するステップと、(3)前記受信機が、前記チャネルに設定された周波数帯域に基づいて、前記周波数同期用信号における周波数オフセットを推定するステップと、(4)前記受信機が、推定された前記周波数オフセットに基づく周波数補正信号を前記送信機にフィードバックするステップと、(5)前記送信機が、フィードバックされた前記周波数補正信号に基づいて、自己の信号の周波数を補正するステップと、を備えることを特徴とする無線通信の周波数同期補償方法。
【選択図】図2
特許請求の範囲 【請求項1】
(1)受信機が使用可能なチャネルを通知するステップと、
(2)送信機が、前記チャネルを利用して周波数同期用信号を送信するステップと、
(3)前記受信機が、前記チャネルに設定された周波数帯域に基づいて、前記周波数同期用信号における周波数オフセットを推定するステップと、
(4)前記受信機が、推定された前記周波数オフセットに基づく周波数補正信号を前記送信機にフィードバックするステップと、
(5)前記送信機が、フィードバックされた前記周波数補正信号に基づいて、自己の信号の周波数を補正するステップと、
を備えることを特徴とする無線通信の周波数同期補償方法。
【請求項2】
前記チャネルが、逆高速フーリエ変換の入力に用いる所定の複素数であることを特徴とする請求項1記載の無線通信の周波数同期補償方法。
【請求項3】
前記送信機が、前記受信機に予め設定されたチャネル決定用信号を送信するステップと、
前記受信機が前記チャネル決定用信号に基づいて、前記周波数帯域の幅を決定するステップと、
をさらに備えることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項記載の無線通信の周波数同期補償方法。
【請求項4】
前記チャネル決定用信号が、複数の信号の周波数の差として送信されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の無線通信の周波数同期補償方法。
【請求項5】
前記(1)のステップにおいて、前記使用可能なチャネルが複数通知され、前記(2)のステップにおいて、前記使用可能なチャネルから任意に選択された一のチャネルを利用することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の無線通信の周波数同期補償方法。
【請求項6】
前記(3)のステップにおいて、周波数オフセットを推定する方法が、あらかじめ前記送信機が選択する前記使用可能なチャネルを制限しておいて、前記周波数同期用信号を高速フーリエ変換することで推定する方法であることを特徴とする請求項5記載の無線通信の周波数同期補償方法。
【請求項7】
前記(3)のステップにおいて、周波数オフセットを推定する方法が、前記周波数同期用信号を所定の区間に分割して、それぞれ高速フーリエ変換処理を行い、前記区間の先頭を基点とした位相成分の推移を測定する方法であることを特徴とする請求項5記載の無線通信の周波数同期補償方法。
【請求項8】
前記(2)から(5)のステップを繰り返すことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項記載の無線通信の周波数同期補償方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムにおける、周波数同期補償方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムでは、多数の無線端末(ノード)が1つの拠点(基地局:FC)にアクセスするスター型のネットワーク形態が多い。その一例として、例えば携帯電話やスマートフォンなどの移動通信システム、屋内環境の無線LAN(Wi-Fi)、センシング情報を集約するセンサネットワークなどがある。スター型のネットワークにおいて、多数のノードの発信周波数を合わせる同期は多くの利点を引き出す。高速大容量無線通信を実現する直交周波数分割多重(OFDM)や複数アンテナを利用したMIMO技術では、周波数の高い同期精度を利用した複数フローの直交伝送により大容量化を達成している。また、TVの周波数帯のガードバンドを別の無線システムが使用するコグニティブ無線が検討されており、ガードバンドのような狭い帯域の利用には高い周波数同期精度が求められる。
【0003】
図1に、無線通信の基本となるシステム図を示す。また、これについて基本的な無線通信の流れを説明し、ノードとFC間の局発発信器の周波数差(周波数オフセット)について説明する。ノードでは、変調信号がD/A変換によりアナログ信号に変換された後、局発発信器によりベースバンド信号処理に適した周波数から電波伝搬用に指定された周波数に変換後、アンテナより電磁波信号として発せられる。FCでは受信した後、局発発信器で元のベースバンド信号処理の周波数に変換し、A/D変換、復調処理となる。
【0004】
以上の処理で、ノード・FC間の局発発信器の周波数に差異(Δf1、これを周波数オフセットと呼ぶ)があるとき、受信機ではsin2πΔf1tで時間と共に位相が進む。その結果、信号が逆位相となり電力が減衰する。また、隣接チャネルからの干渉が発生し、復調が困難になる問題が生じる。
【0005】
周波数オフセットの緩和(周波数同期補償)には、一般に周波数オフセットの推定と発信周波数の補正が必要になる。周波数オフセットの推定にはパイロットと呼ばれる送受信機で既知の信号を送信する。受信機では、信号が既知であることを利用して受信信号と既知信号から位相の進み具合を評価して、周波数オフセットを推定する。そして、推定値から周波数オフセットを補正するための補正量を受信機に通知する(フィードバック)。送信機は、フィードバック情報によって局発発信器の周波数を補正する。パイロットによる周波数同期補償では、特にスター型のネットワークでは、多数の端末が同時にアクセスすることによる、混信の恐れがある。混信を回避する方法として、WiMAX(非特許文献1、2)(登録商標)やLTE(非特許文献3)では、端末固有の固有系列を使用する方法が用いられている。
【先行技術文献】
【0006】

【非特許文献1】山本剛史 , 平川満,モバイルWiMAXにおけるタイミング同期と周波数同期に関する一検討,2008年電子情報通信学会 総合大会A-5-31
【非特許文献2】庄納 崇 編著WiMAX教科書,インプレスR&D 2009年8月
【非特許文献3】服部 武,藤岡 雅信HSPA+/LTE/SAE教科書,インプレスR&D 2010年2月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のWiMAXでは、周波数の同期方法として、複数のノードが制御信号を基地局に通知して周波数オフセットを推定する方法が開示されている。しかし、この方法は、すべてのノードに対して決められたチャネル(タイル)を固定的に割り当てなければならず、ノード数が増加した場合のスケーラビリティに欠けるという課題がある。
【0008】
また、上記に開示される混信の回避方法では、FCは多数ある固有系列の中からノードが選択した固有系列の特定が必要になり、その推定処理が複雑になる。送信機側では、固有系列を記憶するメモリが必要になるため、回路規模が大きくなる。固有系列をノードが記憶した場合、生成できる固有系列数が限定され、拡張性が乏しい。特に送信機が多くなった場合に深刻な問題として、偶発的に複数の送信機が同じ固有系列を選択した場合には、混信が回避できない。といった課題が存在する。また、上記のフィードバックには系列とその系列を選択した送信機が補正すべき調整量の両方を同時に通知するため、フィードバックの情報量が大きくなる。それに合わせて、受信機では復調処理が必要になるため、処理が複雑になるという課題がある。
【0009】
本発明は、無線通信システムにおいて、かつノードの数が多数となった場合でも、効率良く周波数の同期が可能な周波数同期補償方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するためになされた、特許請求の範囲の請求項1に記載された周波数同期補償方法は、
【0011】
(1)受信機が使用可能なチャネルを通知するステップと、(2)送信機が、前記チャネルを利用して周波数同期用信号を送信するステップと、(3)前記受信機が、前記チャネルに設定された周波数帯域に基づいて、前記周波数同期用信号における周波数オフセットを推定するステップと、(4)前記受信機が、推定された前記周波数オフセットに基づく周波数補正信号を前記送信機にフィードバックするステップと、(5)前記送信機が、フィードバックされた前記周波数補正信号に基づいて、自己の信号の周波数を補正するステップと、を備えることを特徴とする。
【0012】
また、特許請求の範囲の請求項2に記載された周波数同期補償方法は、請求項1に記載されたものであって、前記チャネルが、逆高速フーリエ変換の入力に用いる所定の複素数であることを特徴とする。
【0013】
また、特許請求の範囲の請求項3に記載された周波数同期補償方法は、請求項1または2のいずれか1項に記載されたものであって、前記送信機が、前記受信機に予め設定されたチャネル決定用信号を送信するステップと、前記受信機が前記チャネル決定用信号に基づいて、前記周波数帯域の幅を決定するステップと、をさらに備えることを特徴とする。
【0014】
また、特許請求の範囲の請求項4に記載された周波数同期補償方法は、請求項1から3のいずれか1項に記載されたものであって、前記チャネル決定用信号が、複数の信号の周波数の差として送信されることを特徴とする。
【0015】
また、特許請求の範囲の請求項5に記載された周波数同期補償方法は、請求項1から4のいずれか1項に記載されたものであって、前記(1)のステップにおいて、前記使用可能なチャネルが複数通知され、前記(2)のステップにおいて、前記使用可能なチャネルから任意に選択された一つのチャネルを利用することを特徴とする。
【0016】
また、特許請求の範囲の請求項6に記載された周波数同期補償方法は、請求項5に記載されたものであって、前記(3)のステップにおいて、周波数オフセットを推定する方法が、あらかじめ前記送信機が選択する前記使用可能なチャネルを制限しておいて、前記周波数同期用信号を高速フーリエ変換することで推定する方法であることを特徴とする。
【0017】
また、特許請求の範囲の請求項7に記載された周波数同期補償方法は、請求項5に記載されたものであって、前記(3)のステップにおいて、周波数オフセットを推定する方法が、前記周波数同期用信号を所定の区間に分割して、それぞれ高速フーリエ変換処理を行い、前記区間の先頭を基点とした位相成分の推移を測定する方法であることを特徴とする。
【0018】
また、特許請求の範囲の請求項8に記載された周波数同期補償方法は、請求項1から7のいずれか1項に記載されたものであって、前記(2)から(5)のステップを繰り返すことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、無線通信システムにおいて、ノードの数が多数となった場合でも、効率良く周波数の同期が可能な周波数同期補償方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】無線通信の基本となるシステム図である。
【図2】本発明に係る周波数同期補償の信号処理の概要図である。
【図3】IFFTのポイントの限定を表すイメージ図である。
【図4】周波数オフセットを推定する第一の方法の説明図である。
【図5】周波数オフセットを推定する第二の方法の説明図である。
【図6】送信機が選択したバンドとフィードバック通知の関係の説明図である。
【図7】実施例に係る周波数同期補償方法の流れに関する説明図である。
【図8】バンドの中央位置をノードに伝える方法を表すイメージ図である。
【図9】周波数同期補償を完了するために必要なターン数のグラフである。
【図10】ノード数に対する周波数同期補償結果を表すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を実施するための形態を説明する。

【0022】
図2に、本発明に係る周波数同期補償の信号処理の概要を示す。本発明では、情報を伝送する通信を確立前に、周波数同期補償専用時間を設けている。周波数同期補償が終わった後、正規の情報通信を確立するため、情報通信用の変復調処理は別途用意されていると想定している。

【0023】
次に本発明に係るノード(送信機)とFC(受信機)の変調処理について説明する。ノードでは、逆高速フーリエ変換(IFFT)を利用する。IFFTは多入力多出力の並列ディジタル信号処理であり、決められた入力に対応する離散化された正弦波が出力される。本発明に係る周波数同期補償方法では、多入力のうち1つに任意の複素数(たとえば1+0j)を入力して、それ以外の入力は0とする。IFFTでは,入力のポイント番号に比例した周波数の正弦波が生成される、よって、IFFTの入力ポイントを切り替えることで、任意の周波数の正弦波を生成できる。

【0024】
ここで、各ノードはIFFTのポイントに乱数等を利用して不規則に選択する。その結果、偶発的に同じ正弦波を選択した場合を除いて、混信を避けられる。ただし、周波数同期補償前では、周波数オフセットに起因して周波数がシフトするため、ポイントが近い正弦波同士は、混信する恐れがある。そのため、本発明に係る周波数同期補償方法では、あらかじめ選択できるポイントを限定する。ポイントの限定のイメージを図3に示す。図の例では,選択できるポイントを3,8と5ポイント毎に制限している。このとき、送信可能なポイントの中間を境界とし、その境界で区切られた帯域(バンド)が定義できる。バンド幅の半分以内の周波数オフセット量であれば、別のノードが隣のバンドのポイントを選択した場合にも干渉を回避できる。なお、バンド幅は図に示すように一様に設計してもかまわないし、バンドごとに幅が変わるように、ポイントの制限を変える、あるいはバンド幅を決定する境界の位置を変えても良い。ここで、送信可能なポイントの位置(バンドの設計)はFCが決定し、FCがノードに定期的に送信可能なポイント番号を通知する。

【0025】
複数のノードから任意に選択したポイントで正弦波が発せられた後、FCでは全正弦波を一括受信後、局発発信器による周波数変換、A/D変換後、高速フーリエ変換(FFT)により受信信号から正弦波の各周波数成分の複素信号を解析する。ここで、2つの方法で周波数オフセット量を推定する。

【0026】
図4に周波数オフセットを推定する第一の方法を示す。この方法では、あらかじめ送信機が選択できる周波数のポイントを制限することで、受信機側のFFT処理結果から現れるポイントの移動から周波数オフセット量と方向(中心周波数を基準とした)が推定できる。

【0027】
図5に周波数オフセットを推定する第二の方法を示す。この方法では、標本化された時間信号をFFT窓と呼ばれる区間に分割して、それぞれにFFT処理を適用する。その結果、FFT窓の先頭を基点とした位相成分が分析できるため、時間に対する位相推移を測定できる。位相の時間微分として周波数オフセットが与えられるため、これより周波数オフセットが推定できる。この方法では周波数ポイント未満の周波数オフセットを推定できる。

【0028】
その後、推定された周波数オフセット量を受信機から送信機へ通知する。送信機が選択したバンドとフィードバック通知の関係を図6に示す。この例では、ノードが3番目のポイントを選択している。複数のノードから正弦波を同時に送信されるが、FCの受信信号ではノードが異なるバンドを選択しているため、信号の衝突は避けられ、それぞれのバンドで周波数オフセットが推定できる。各バンドで推定された周波数オフセット量と中央のポイントからの周波数オフセットのズレの方向(極性)は、そのバンドを利用してディジタル変調により通知する。ノードは選択したバンドのみ復調することで補正すべきオフセットの量および方向を知ることができる。

【0029】
このようにすることで、ノードでは復調すべきバンド幅を狭く限定できるため、フィードバックの情報を復調するのに必要な帯域を狭め、簡易化を実現できる。なお、フィードバックは周波数オフセットの極性だけを通知してもかまわない。そのようにすることで、1ビットの通知となり、復調処理をさらに簡易化できる。ノードでは、通知された周波数オフセットの極性情報を利用して、周波数の補正方向を決定する。補正量は、ノードが独自に設定できるが、設定法として、バンド幅を一様に設定した場合、FCから通知されたポイントからバンド幅が推定できるため、バンド幅に1以下の係数をかけた値を周波数オフセット補正量として設計できる。また、補正成功回数が増えるにしたがって、係数を小さくし、補正量を小さくすることで、周波数変動を一つに収束するようにしても良い。

【0030】
図7に、本発明に係る周波数同期補償方法の流れ(プロトコル)を説明する。

【0031】
1)FCが周波数オフセット補償を開始するコマンドを全ノードに通知する(以降、FCからノードへの通知をブロードキャスト(BC)とする)。

【0032】
2)コマンドを受信したすべてのノードがIFFTポイントの中央に設定して正弦波を送信する。

【0033】
3)FCは正弦波を一括受信しFFTで周波数成分を検出する。各ノードが独立した周波数オフセットが発生した場合、信号の周波数成分は、中央のポイントを中心に広がった形となる。これよりFCは通信対象の全ノードが有する周波数オフセットの分布を捕らえられ、周波数オフセットを推定する際に適切なバンド幅を設計することができる。

【0034】
4)たとえば、中央のポイントから周波数軸上で最も遠ざかる成分の周波数以上にバンドとそれに対するポイントの制限を設計すれば、バンドを超える周波数オフセットは回避できるため、確実な周波数オフセット推定が可能になる。

【0035】
5)各バンド中央のポイントの位置をFCからノードにBCする。ここで、通知する方法は、バンドを等間隔に配置した場合には,1バンドあたりの大きさをノードに伝えるだけで、ノードは等間隔にポイントを拡張することで全ノードのポイントの配置を予測できる。このイメージ図を図8に示す。ここで。BCをする際に、各正弦波の有無でノードに通知した場合には、周波数同期が十分確保されていないため、ポイントの通知が誤る恐れがある。そこで、2つの正弦波で通知し、正弦波の周波数差からポイントを推定することで、周波数オフセット発生時においてもポイントの位置を検出できる。

【0036】
6)ノードは通知されたポイントからひとつを選択して正弦波を送信する。ここで、ノードの過度な同時通知を回避するため、正弦波の送信を不規則に変えるランダムバックオフを入れても良い。

【0037】
7)FCは同時に受信した正弦波から各バンド別に周波数オフセットを推定する。

【0038】
8)1つのバンドに対して1つのノードが選択した正弦波を受信した場合には、9)周波数オフセットを推定し、各バンドの帯域においてディジタル変調で通知する。10)各ノードは自身が選択したバンドの情報のみ復調し、記載の周波数補正情報に合わせて局発発信器の周波数を補正する。その後、11)補正成功回数を1つ増やす。

【0039】
一方、8)1つのバンドに複数のノードが同時に選択したとき、各ノードのオフセットは推定できるが、各々に補正情報を通知できない。もし、ノードが補正すべき情報が異なる場合には通知不可能と判断し、そのバンドには信号を送信しない(Null信号の送信)。これにより、ノードは周波数補正ができないことを認識できる。ただし,オフセットの極性がそろった場合や、補正量の通知でバンドを選択した全ノードの周波数オフセットが改善される場合には通知可能とし、9)の処理に進む。

【0040】
13)あらかじめ補正成功回数が所定以上になった場合には、処理を終了する。一方、所定回数未満の場合には、再び6)の処理に戻り繰り返す。6)と13)の処理の間には、FCは一定時間あるいは必要と判断したときには、9)のオフセット量通知の際に、バンド幅見直しの情報を一緒に送信してもよい。また、1)の処理にもどり、各ノードのオフセット補正に伴う改善効果を確認した上でバンド幅の設計を見直しても良い。
【実施例】
【0041】
本発明に係る周波数同期補償方法について、計算機シミュレーションを利用して評価した。ここで、送信機が周波数同期を確立するための制御信号を送信し、受信機が周波数の差異を推定して、それを補正するため、受信機から送信機にフィードバックするまでの一連の流れを1ターンと定義する。より少ないターン数で処理を終了することで、効率的に周波数同期を行っていることを示す。シミュレーション諸元を表1に示す。
【実施例】
【0042】
【表1】
JP2015162879A_000003t.gif
【実施例】
【0043】
各送信機のアクセス確率を初期値0.5とし、バンド内で信号が衝突する度に半減するように設定した。
【実施例】
【0044】
図9にユーザ数(ノード数)に対する周波数同期補償を完了するために必要なターン数の特性を示す。比較の対象として、周波数のチャネル幅を固定とした場合の結果を同時に示す。図より、本実施例に係る方法は、チャネル幅を17単位としたときの特性と同等のターン数を要していることが認められた。
【実施例】
【0045】
図10にユーザ数(ノード数)に対する周波数同期補償結果を示す。図より、チャネル幅を17単位にした場合と比較して、提案法ではすべてのユーザ数に対して周波数差をほぼゼロにしている。よって、本発明に係る周波数同期補償方法は、従来法と同等の速度で、高い同期精度を確立していることが確認できた。
図面
【図7】
0
【図1】
1
【図2】
2
【図3】
3
【図4】
4
【図5】
5
【図6】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9