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明細書 :エアブリッジ構造を有する2次元フォトニック結晶及びその製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4063740号 (P4063740)
公開番号 特開2005-077711 (P2005-077711A)
登録日 平成20年1月11日(2008.1.11)
発行日 平成20年3月19日(2008.3.19)
公開日 平成17年3月24日(2005.3.24)
発明の名称または考案の名称 エアブリッジ構造を有する2次元フォトニック結晶及びその製造方法
国際特許分類 G02B   6/12        (2006.01)
G02B   6/13        (2006.01)
FI G02B 6/12 Z
G02B 6/12 M
請求項の数または発明の数 12
全頁数 15
出願番号 特願2003-307657 (P2003-307657)
出願日 平成15年8月29日(2003.8.29)
審査請求日 平成18年7月13日(2006.7.13)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504132272
【氏名又は名称】国立大学法人京都大学
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
発明者または考案者 【氏名】野田 進
【氏名】浅野 卓
【氏名】田中 良典
【氏名】初田 蘭子
個別代理人の代理人 【識別番号】100095670、【弁理士】、【氏名又は名称】小林 良平
審査官 【審査官】日夏 貴史
参考文献・文献 特開2001-272555(JP,A)
国際公開第02/088798(WO,A1)
特開2002-189135(JP,A)
特開2004-111766(JP,A)
初田蘭子 et.al.,2002年秋季第63回応用物理学会学術講演会講演予稿集,2002年 9月24日,p.918, 26a-YA-5
O.J.Painter et.al.,Journal of Lightwave Technology,November 1999, Vol.17 No.11,p.2082-2088
調査した分野 G02B 6/12 - 6/13
特許請求の範囲 【請求項1】
a)スラブ状の本体と、
b)前記本体の下面に設けた基板と、
c)前記本体に所定の周期で格子状に配置された複数の、本体とは屈折率の異なる領域と、
d)前記異屈折率領域の欠陥を点状に設けて成る点状欠陥と、
e)前記本体の前記異屈折率領域を設けた範囲の一部分の範囲のみに面して基板に設けたエアブリッジ空間と、
を備え、前記点状欠陥は前記一部分の範囲内に設けられていることを特徴とするエアブリッジ構造を有する2次元フォトニック結晶。
【請求項2】
前記異屈折率領域は本体に空孔を設けることにより形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載のエアブリッジ構造を有する2次元フォトニック結晶。
【請求項3】
前記点状欠陥を複数設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載のエアブリッジ構造を有する2次元フォトニック結晶。
【請求項4】
前記エアブリッジ空間の範囲は、本体の面内の少なくとも1方向について、前記点状欠陥の外縁から外方に異屈折率領域の周期の1~25周期分であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のエアブリッジ構造を有する2次元フォトニック結晶。
【請求項5】
前記エアブリッジ空間の深さは異屈折率領域の周期の2倍以上であることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のエアブリッジ構造を有する2次元フォトニック結晶。
【請求項6】
前記点状欠陥の近傍に、前記異屈折率領域の欠陥を線状に設けて成る導波路を更に備えることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載のエアブリッジ構造を有する2次元フォトニック結晶。
【請求項7】
前記導波路の一部は、前記エアブリッジ空間に面するエアブリッジ導波路部であり、該エアブリッジ導波路部における導波路の幅が他の部分の導波路の幅よりも所定の大きさだけ広いことを特徴とする請求項6に記載のエアブリッジ構造を有する2次元フォトニック結晶。
【請求項8】
本体層と基板層が積層して成る板材から2次元フォトニック結晶を製造する方法において、
a)前記本体層を貫通するエッチング剤導入用空孔を形成する空孔形成工程と、
b)エッチング剤導入用空孔を通してエッチング剤を導入することにより、前記エッチング剤導入用空孔の周囲の基板層をエッチングして該基板層空間を形成するエアブリッジ空間形成工程と、
c)前記本体層の所定の範囲内に所定の大きさだけ本体層を除去して成る空孔を周期的に形成すると共に、前記空孔の点状の欠陥を形成する2次元フォトニック結晶形成工程と、
を有し、
前記空間は前記本体層の前記空孔を形成した範囲内の一部分の範囲のみに面するように前記基板層に形成され、
前記点状欠陥は、前記一部分の範囲内に設けられること、
を特徴とするエアブリッジ構造を有する2次元フォトニック結晶の製造方法。
【請求項9】
前記2次元フォトニック結晶形成工程において、前記点状欠陥の近傍に、前記空孔の線状の欠陥を設けることにより導波路を形成することを特徴とする請求項8に記載のエアブリッジ構造を有する2次元フォトニック結晶の製造方法。
【請求項10】
前記導波路の一部を、前記空間に面したエアブリッジ導波路部とし、該エアブリッジ導波路部における導波路の幅が他の部分の導波路の幅よりも所定の大きさだけ広くなるように導波路を形成することを特徴とする請求項9に記載のエアブリッジ構造を有する2次元フォトニック結晶の製造方法。
ク結晶の製造方法。
【請求項11】
前記板材の本体層はSiから成り、基板層にあって少なくとも前記空間が形成される層はSiO2から成ることを特徴とする請求項8~10のいずれかに記載のエアブリッジ構造を有する2次元フォトニック結晶の製造方法。
【請求項12】
前記エッチング剤はフッ化水素溶液であることを特徴とする請求項11に記載のエアブリッジ構造を有する2次元フォトニック結晶の製造方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、波長分割多重通信等の分野において分合波器等に用いられる2次元フォトニック結晶及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、周期屈折率分布をもった光学機能材料であるフォトニック結晶が注目されている。フォトニック結晶は、その周期屈折率分布により光や電磁波のエネルギーに対してバンド構造が形成され、光や電磁波の伝播が不可能となるエネルギー領域(フォトニックバンドギャップ)が形成されるという特徴を有する。なお、本明細書において用いる「光」には、電磁波を含むものとする。
【0003】
フォトニック結晶中に適切な欠陥を導入することにより、エネルギー準位(欠陥準位)がフォトニックバンドギャップ中に形成される。これにより、フォトニックバンドギャップ中のエネルギーに対応する波長(周波数)範囲のうち、欠陥準位のエネルギーに対応する波長の光のみがその欠陥の位置において存在可能になる。この欠陥を線状に設けることにより導波路が形成され、点状に設けることにより光共振器が形成される。この点状欠陥において共振する光の波長(共振波長)はその形状や屈折率に依存する。
【0004】
この共振器及び導波路を用いて様々な光デバイスを作製することが検討されている。例えば、この共振器を導波路の近傍に配置することにより、導波路内を伝播する様々な波長の光のうち共振器の共振波長に一致する波長の光を導波路から共振器を介して外部へ取り出す分波器として機能すると共に、共振器の共振波長を有する光を外部から共振器を介して導波路に導入する合波器としても機能する分合波器となる。このような分合波器は、例えば光通信の分野において、一本のファイバに複数の波長の光を伝播させてそれぞれの波長の光に別個の信号を乗せる波長分割多重方式通信に用いることができる。
【0005】
フォトニック結晶には1次元結晶、2次元結晶及び3次元結晶があるが、このうち2次元フォトニック結晶は製造が比較的容易であるという利点を有する。その一例として、特許文献1には、高屈折率の板材(スラブ)に、その材料よりも屈折率の低い物質を周期的に配列した2次元フォトニック結晶であって、その周期的配列を線状に欠陥させた導波路と、周期的配列を乱す点状欠陥を導波路に隣接して設けた2次元フォトニック結晶及び光分合波器が記載されている。ここで、低屈折率物質の周期的な配列は、スラブに周期的に空孔を開けて形成することができる。
【0006】

【特許文献1】特開2001-272555号公報([0019]~[0032]、図1)
【0007】
特許文献1の2次元フォトニック結晶においては、スラブは空気中に配置されている。スラブと空気とでは屈折率の差が大きいことから両者の境界では光が全反射する。そのため、この2次元フォトニック結晶では、スラブの面に垂直な方向に光のエネルギーが損失し難い。スラブの面に平行な方向には、フォトニックバンドギャップにより光のエネルギーの損失が防がれる。
【0008】
特許文献1に開示されているように、一般にスラブはかなり薄くする必要がある(実施例では約0.25μm)ため、厚さ方向の強度が低い。特に、スラブに多数の空孔を設けることで形成された2次元フォトニック結晶では、更に厚さ方向の強度は低下する。厚さ方向の強度が低いと、例えば製造上での歩留まりが悪くなる等の問題が生じる。
【0009】
2次元フォトニック結晶の強度を高める構成として、結晶を基板上に載置した2次元フォトニック結晶(以下、「基板付フォトニック結晶」とする)が考えられる。この場合、結晶の上面は空気と接するのに対して、結晶の下面は基板と接する。
【0010】
しかし、このような基板付フォトニック結晶に点状欠陥を設けた場合、スラブの上下共に空気である2次元フォトニック結晶(以下、「無基板フォトニック結晶」)に点状欠陥を設けた場合よりも点状欠陥の共振器としての特性が低下する。図1に、基板の有無を除いて同じ形状を有する無基板フォトニック結晶((a))と基板付フォトニック結晶((b))にそれぞれ同じ点状欠陥を設けた場合について、共振器の共振波長スペクトルの実験値を示す。(a)よりも(b)の方がスペクトルの半値幅が広い。そのため、基板付フォトニック結晶は無基板フォトニック結晶の場合よりも共振器の波長分解能が低い。また、共振器の性能を示す値であるQ値は、(a)ではQ=2350であるのに対して(b)ではQ=280と小さく、基板付フォトニック結晶の方が共振器から損失する光のエネルギーが大きい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明が解決しようとする課題は、従来の2次元フォトニック結晶よりも高い機械的強度を有し、且つ共振器の性能が高い2次元フォトニック結晶を提供すると共に、そのような2次元フォトニック結晶を好適に製造する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本願発明者は、無基板フォトニック結晶よりも基板付フォトニック結晶の方が点状欠陥の共振器としての特性が低下する原因が以下の2点にあると考えた。
1点目は、基板付フォトニック結晶では基板の屈折率が空気よりも高いため、スラブの上下共に空気である無基板フォトニック結晶よりも、結晶の下面の方向の光の閉じこめ効果が小さいことである。そのため、共振器の下部から光の漏れが生じ、共振器としての性能が低下する。
【0013】
2点目は、基板付フォトニック結晶では結晶の特性に関するパラメータが上下非対称となることにより、共振器内に存在する光の対称性に起因した影響が生じることである。
無基板フォトニック結晶の場合には、共振器内に存在する光は、結晶面内の方向に電界のみが振動するTE波である。また、フォトニック結晶はTE波に対してフォトニックバンドギャップを形成する。そのため、無基板フォトニック結晶では共振器内のTE波の結晶面内への漏れがフォトニックバンドギャップにより防がれる。それに対して基板付フォトニック結晶では、前記非対称性により、結晶面内の方向に磁界のみが振動するTM波とTE波が結合して共振器内に存在する。TM波に対してはフォトニックバンドギャップが存在しないため、基板付フォトニック結晶では、共振器内のTM波が面内方向に漏れやすく、それゆえ共振器としての性能が低い。
【0014】
本願発明者は、これらを原因とする特性低下が生じることなく、且つ高い機械的強度を確保することができる構成を検討し、以下のようなエアブリッジ構造を有する2次元フォトニック結晶を発明するに至った。即ち、本発明に係るエアブリッジ構造を有する2次元フォトニック結晶は、
a)スラブ状の本体と、
b)前記本体の下面に設けた基板と、
c)前記本体に所定の周期で格子状に配置された複数の、本体とは屈折率の異なる領域と、
d)前記異屈折率領域の欠陥を点状に設けて成る点状欠陥と、
e)前記本体の前記異屈折率領域を設けた範囲の一部分の範囲のみに面して基板に設けたエアブリッジ空間と、
を備え、前記点状欠陥は前記一部分の範囲内に設けられていることを特徴とする。

【0015】
また、エアブリッジ構造を有する2次元フォトニック結晶を好適に製造することができる方法を発明した。即ち、本発明に係るエアブリッジ構造を有する2次元フォトニック結晶の製造方法は、本体層と基板層が積層して成る板材から2次元フォトニック結晶を製造する方法において、
a)前記本体層を貫通するエッチング剤導入用空孔を形成する空孔形成工程と、
b)エッチング剤導入用空孔を通してエッチング剤を導入することにより、前記エッチング剤導入用空孔の周囲の基板層をエッチングして該基板層空間を形成するエアブリッジ空間形成工程と、
c)前記本体層の所定の範囲内に所定の大きさだけ本体層を除去して成る空孔を周期的に形成すると共に、前記空孔の点状の欠陥を形成する2次元フォトニック結晶形成工程と、
を有し、
前記空間は前記本体層の前記空孔を形成した範囲内の一部分の範囲のみに面するように前記基板層に形成され、
前記点状欠陥は、前記一部分の範囲内に設けられること、
を特徴とする。
【発明の実施の形態及び効果】
【0016】
(1)エアブリッジ構造を有する2次元フォトニック結晶
本発明の2次元フォトニック結晶では、面内方向の大きさに比べて厚さが十分薄い板状体であるスラブが本体となる。本体の下面に基板を設ける。この基板は2次元フォトニック結晶の強度を高めるためのものである。なお、ここでは便宜上、基板を設ける面を本体の「下面」と記載したが、本発明の2次元フォトニック結晶は基板を下側にして使用されることに限定されず、任意の向きに配置して使用することができる。
【符号の説明】
【0017】
この本体内に、該本体とは屈折率の異なる領域(異屈折率領域)を複数、所定の周期で格子状に配置する。これにより、その周期により定まる所定の波長帯域の光を本体の面内方向に通さないフォトニックバンドギャップが形成された2次元フォトニック結晶となる。この2次元フォトニック結晶では上記のような構造とすることにより、本体と本体外(空気)との間では両者の屈折率の差により全反射が生じるため、本体と本体外との間で光が漏れることがない。ここで、異屈折率領域を配置する格子には三角格子や正方格子等がある。また、異屈折率領域は、本体よりも屈折率の低いもの及び高いもののいずれであってもよいが、本体に周期的に空孔を空けることにより形成することが望ましい。異屈折率領域を空孔とすることにより、本体との屈折率の差を大きくできると共に、製造時に異屈折率領域の形成が容易であり、更に後述の製造方法を容易に適用することができる。
【0018】
この異屈折率領域の欠陥を点状に設けることにより、点状欠陥を形成する。この点状欠陥には、異屈折率領域を他の異屈折率領域と異なる大きさとしたり欠損させたりしたもの等を用いることができる。また、欠陥を設ける異屈折率領域は1個又は隣接する複数個とすることができる。隣接する複数個の異屈折率領域の欠陥を設けた場合には、該複数個の欠陥が相まって1つの点状欠陥となる。点状欠陥はその形状により定まる波長の光が共振する光共振器として機能する。更に、点状欠陥を複数個設けてもよい。複数の点状欠陥の形状をそれぞれ異なるものとすることにより、各点状欠陥でそれぞれ異なる波長の光を共振させることができる。
【0019】
前記点状欠陥に面して基板の所定の範囲に空間を設ける。この空間は、点状欠陥の直下にのみ形成してもよいが、それよりも広い範囲、即ち点状欠陥の外縁から外方に一定の距離だけ離れた範囲まで形成してもよい。空間を設けた範囲以外では、本体は基板によって支えられる。また、点状欠陥を複数個設けた場合には、各点状欠陥毎にこの空間を設けてもよいし、複数の点状欠陥に面する1個の空間を設けてもよい。本発明の2次元フォトニック結晶は空間(空気)の上に本体による橋を架けたような架橋状の構造となっているため、以下では、この2次元フォトニック結晶の構造を「エアブリッジ構造」と呼び、形成された空間を「エアブリッジ空間」と呼ぶ。
【0020】
2次元フォトニック結晶が上記のようなエアブリッジ構造であることにより、点状欠陥による光共振器の性能は、前記基板付フォトニック結晶よりも高く、前記無基板フォトニック結晶と同等にすることができる。その理由は以下の通りである。まず、点状欠陥の位置では本体の上下共に空気が存在するため、本体の基板側の面でも外部との屈折率の差を大きくすることができ、光の閉じこめ効果が大きい。また、点状欠陥の上下が共に空気であることから、点状欠陥の特性に関するパラメータがその位置で上下対称となる。これにより、共振器内に存在する光はTE波のみとなり、フォトニックバンドギャップにより共振器内に存在する光が結晶の面内方向に漏れることを防ぐことができる。
【0021】
また、本発明の2次元フォトニック結晶は、エアブリッジ空間を設けた範囲以外では基板により支えられるため、機械的強度を確保することができる。特に、異屈折率領域を空孔とした場合には、空孔を設けることにより結晶の機械的強度が低下するため、本発明の構成とすることが有益である。
【0022】
次に、エアブリッジ空間の大きさについて検討する。点状欠陥の直下にのみエアブリッジ空間を形成しても前記基板付フォトニック結晶の場合よりも光共振器の性能は改善するが、より望ましくは、点状欠陥の直下のみならず、点状欠陥の外縁から異屈折率領域の1周期分以上離れた領域までエアブリッジ空間を形成する。このように、より広い範囲までエアブリッジ空間を形成することにより、前記無基板フォトニック結晶と同等の高い光共振器の性能を得ることができる。一方、結晶の強度を確保するために、エアブリッジ空間の形成範囲は一定の大きさ以下とすることが望ましい。この範囲は本体の厚さや異屈折率領域の大きさ・材料等により多少異なるが、通常、本体の面内の少なくとも1方向について、点状欠陥の外縁から外方に異屈折率領域の25周期分以下の範囲とすることが望ましい。この範囲を1方向でも25周期分以下とすればその方向で支えられるため、他の方向をそれ以上の長さにしても結晶の強度を確保することができる。また、エアブリッジ空間の深さは、わずかでもあれば前記基板付フォトニック結晶の場合よりも光共振器の性能が改善するが、より望ましくは、基板への光の漏れや上下非対称性の影響を十分に排除するために、異屈折率領域の周期の2倍以上とすることが望ましい。
【0023】
本発明の2次元フォトニック結晶は、点状欠陥の近傍に更に導波路を設けることにより、分合波器として用いることができる。この導波路は、異屈折率領域の欠陥を線状に設けることにより形成される。特に、異屈折率領域を線状に欠損させる、即ち異屈折率領域を設けないことにより形成されることが望ましい。これにより、導波路を流れる複数の波長の重畳光から共振波長の光を分波して結晶外部へ取り出したり、或いは共振波長の光を結晶外部から導波路の重畳光に合波する分合波器となる。
【0024】
このような導波路の一部がエアブリッジ空間に面する場合には、導波路をエアブリッジ導波路部とそれ以外の部分を同じ幅で形成すると、エアブリッジ導波路部の透過波長帯域がそれ以外の部分(「基板導波路部」)の透過波長帯域よりも短波長側にシフトする。導波路全体の透過波長帯域は、前記2つの部分の透過波長帯域の共通部であるため、エアブリッジ導波路部がない場合よりも狭くなる。そこで、エアブリッジ導波路部における導波路の幅を基板導波路部の導波路幅よりも所定の大きさだけ広くすることが望ましい。これにより、エアブリッジ導波路部の透過波長帯域が長波長側にシフトするため、このような透過波長帯域の狭小化を防ぐことができる。
【0025】
但し、2次元フォトニック結晶の製造上の限界等から、導波路がエアブリッジ空間に面する部分と導波路を広くする部分とが一致せず、エアブリッジ導波路部に導波路幅の狭い領域ができたり、基板導波路部に導波路幅の広い領域ができる可能性がある。エアブリッジ導波路部に導波路幅の狭い領域ができると、その領域の導波路透過帯域が上記短波長側のままとなるため、導波路全体の透過波長帯域を広くすることができない。一方、基板導波路部に導波路幅の広い領域ができた場合には、その領域の導波路透過帯域が長波長側にシフトし、短波長側の共通透過波長帯域が小さくなる。しかし、短波長側では、TE波とTM波が混在した光であれば、導波路内でTM波の漏れが生じるものの、共通透過波長帯域外であっても導波可能である。基板導波路部における導波路幅の広い領域がせいぜい異屈折率領域の数周期分であれば、TM波の漏れは実用上問題のない程度に抑えられ、広い共通透過波長帯域を有効に利用することができる。従って、設計上、エアブリッジ導波路部から所定の距離だけ離れた位置まで、導波路の幅が他の部分の導波路の幅よりも所定の大きさだけ広くしておくことにより、製造時に導波路幅を変更する位置がずれたとしても、導波路の共通透過波長帯域が狭くなることを防ぐことができる。
【0026】
(2)エアブリッジ構造を有する2次元フォトニック結晶の製造方法
次に、エアブリッジ構造を有する2次元フォトニック結晶を製造する方法について説明する。この方法は特に異屈折率領域を空孔とした2次元フォトニック結晶を製造する際に好適に用いることができる。
【0027】
本方法では、本体層と基板層が積層して成る板材を材料とする。本体層に2次元フォトニック結晶が形成され、基板層にエアブリッジ空間が形成される。このような板材としては、例えば、本体層がSiから成り、基板層のうち少なくともエアブリッジ空間を設ける部分がSiO2から成る基板を用いることができる。具体的には、Siの厚膜にSiO2薄膜を形成し、更にSiO2薄膜の上にSi薄膜を形成した、市販のSOI(Silicon on insulator)基板を用いることができる。SOI基板の場合、Si薄膜が本体層となり、SiO2薄膜とSi厚膜が基板層となるが、基板層のうちエアブリッジ空間が形成されるのはSiO2薄膜である。
【0028】
まず、板材に本体層を貫通する空孔を形成する(空孔形成工程)。この空孔をここでは「エッチング剤導入用空孔」と呼ぶ。このエッチング剤導入用空孔は、完成後の2次元フォトニック結晶では異屈折率領域の一部になる。但し、この空孔形成工程では全ての異屈折率領域を形成するのではなく、本体層の一部分にのみ形成する。このエッチング剤導入用空孔は、例えばフォトリソグラフィー又は電子ビーム(EB)描画及びエッチングの技術を用いて形成することができる。
【0029】
次に、エッチング剤導入用空孔を通して、基板層にエッチング剤を導入する。これにより、エッチング剤がエッチング剤導入用空孔から基板層に浸入し、基板層がエッチングされる。こうして、エッチング剤導入用空孔の周囲の基板層が除去され、その位置にはエアブリッジ空間が形成される(エアブリッジ空間形成工程)。エッチング剤には、既存のエッチング液やエッチングガスを用いることができる。例えば基板層がSiO2から成る場合にはフッ化水素溶液を用いることができる。
【0030】
前記エッチングの終了後、本体層に、所定の大きさだけ該本体層を除去して成る空孔を周期的に形成する。この工程により全ての異屈折率領域が形成される。それと共に、エアブリッジ空間に面して本体層に点状欠陥を形成する。点状欠陥は、他の空孔とは異なる径の空孔を設けたり、空孔を欠損させること等により形成する。これらの作業により、本体層に2次元フォトニック結晶が形成される(2次元フォトニック結晶形成工程)。空孔や点状欠陥は、特許文献1に記載の方法と同様に、フォトリソグラフィー又はEB描画及びエッチングの技術等を用いて形成することができる。以上により、点状欠陥の下部にエアブリッジ空間が形成された2次元フォトニック結晶を製造することができる。
【0031】
2次元フォトニック結晶分合波器に用いる場合等、本発明の2次元フォトニック結晶に更に導波路を設ける場合には、前記2次元フォトニック結晶形成工程において、空孔の欠陥を線状に設ければよい。また、形成されたエアブリッジ空間に導波路が面する場合には、前記のようにその部分(エアブリッジ導波路部)の導波路の幅が他の部分よりも広くなるように導波路を形成することが望ましい。更に、製造時に導波路幅を変更する位置がずれたとしても、導波路の共通透過波長帯域が狭くなることを防ぐことができるように、前記のように、エアブリッジ導波路部から所定の距離だけ離れた位置まで、導波路の幅が他の部分の導波路の幅よりも所定の大きさだけ広く形成することが望ましい。
【0032】
本発明の製造方法により、半導体の製造で利用されている既存の技術を用いて、容易に、つまり低コストで、エアブリッジ構造を有する2次元フォトニック結晶を製造することができる。
【実施例1】
【0033】
本発明のエアブリッジ構造を有する2次元フォトニック結晶の構成例を図2に示す。(a)はその斜視図、(b)は平面図、(c)は(b)に示したA-A'方向の断面図(左側)及びB-B'方向の断面図(右側)である。このデバイスは、Siから成る本体層11、SiO2から成るSiO2基板層12及びSiから成るSi基板層13を有する。SiO2基板層12とSi基板層13を合わせて、本体層11を支える基板となる。
【0034】
本体層11に空孔15を三角格子状の周期で配置する。これにより、フォトニックバンドギャップが形成されるため、フォトニックバンドギャップ内のエネルギーに対応する波長の光は本体層内を伝播することができない。ここで、三角格子の周期aは0.41μmとした。また、直線状に並んだ3個の空孔15を欠損させる、即ち3個の空孔を設けないことにより、1個の点状欠陥16を形成する。SiO2基板層12のうち、点状欠陥16の下部の領域にSiO2のない空間17を設ける。この空間17を設ける範囲については、後述する。
【0035】
本体層11の下側でSiO2基板層12に接している領域では、Si(屈折率~3.5)とSiO2(屈折率~1.5)の屈折率の差により、本体層11に垂直な方向に光を閉じ込めることはある程度可能である。しかし、本体層が空気と接している場合と比較するとその閉じ込めは不十分であり、仮に点状欠陥16の直下にSiO2が存在すると、光が点状欠陥16からSiO2基板層12に漏れてしまう。また、点状欠陥16の位置に上下非対称性が生じるため、TE波とTM波の結合が生じて、光が点状欠陥16から本体層11の面内に漏れてしまう。そのため、本実施例では点状欠陥16の下部に空間17を設け、光が点状欠陥16からSiO2基板層12や本体層11の面内に漏れることを防いでいる。
【0036】
図2のような構造の2次元フォトニック結晶について、時間領域差分法(Finite Difference Time Domain method; FDTD法)による計算から、点状欠陥16のQ値を求めた。ここでは、空間17を設ける範囲を点状欠陥16の直下のみ(図3(a))、点状欠陥16から格子1周期分だけ外側まで((b))、同じく2周期分外側まで((c))の場合についてそれぞれQ値を計算した。なお、空間17の深さは2aとした。また、比較のために、本体層11の上下共に全面を空気とした場合(無基板フォトニック結晶)と、点状欠陥16の直下を含む本体層11の下部全面にSiO2基板層12を設けた場合(基板付フォトニック結晶)についてQ値を計算した。これらの計算結果を図4に示す。なお、図4では無基板フォトニック結晶を「無基板」と、基板付フォトニック結晶を「基板付」と略して表記した。(b)、(c)の場合に、無基板フォトニック結晶に設けた点状欠陥と同等のQ値が得られる。従って、空間17は、(b)よりも広い範囲で、本体層11の強度が確保できる範囲とすればよい。以上のように、本実施例の2次元フォトニック結晶により高い性能を有する点状欠陥共振器が実現できることがわかる。
【0037】
本体層11に形成する点状欠陥には図2に示したもの以外にも様々なものがある。そのいくつかの例を図5に示す。(a)は、空孔15のうちの1つの径を他の空孔よりも大きくして点状欠陥161を形成したものである。このような点状欠陥は、その径を変化させることにより共振波長を容易に制御することができる。(b)は、同一の点状欠陥を2個並置したものである。これら2個の点状欠陥1621及び1622に対して1つの空間172を設けている。2個の点状欠陥1621及び1622は同じ波長の光に共振し、1個の共振器として機能する。(c)及び(d)は、1つのフォトニック結晶上に異なる複数の点状欠陥163~165を配置したものである。各点状欠陥163~165ではそれぞれ異なる波長の光を共振する。(c)では各点状欠陥毎に面してそれぞれ空間173~175を設けている。それに対して(d)ではこれらの点状欠陥163~165の全てに共通する1つの空間176を設けている。この空間176は空間173~175よりも大きいが、点状欠陥163~165の配列方向に垂直な面内方向の長さLが短いため、十分な強度が確保できる。
【0038】
図6に、本発明の2次元フォトニック結晶に導波路を設ける例を示す。導波路18は、空孔15を線状に欠損させる、即ち空孔15を設けないことにより構成される。また、空孔15を配列した三角格子の格子点から単に空孔15を欠損させてもよいが、更に空孔15の配列をずらして導波路18の幅を適宜設定することにより、導波路を透過する光の波長帯を調節することができる。点状欠陥の近傍にこのような導波路を設けることにより、導波路を流れる複数の波長の重畳光から共振波長の光を分波して結晶外部へ取り出したり、或いは共振波長の光を結晶外部から導波路の重畳光に合波する分合波器となる。
【実施例2】
【0039】
次に、本発明のエアブリッジ構造を有する2次元フォトニック結晶の製造方法の一実施例について、図7を用いて説明する。
Siから成る本体層11、SiO2基板層12及びSi基板層13の3層から成るSOI基板21を用意する。SOI基板21には市販のものを用いることができる。まず、本体層11にエッチング剤導入用空孔22を2個空ける((a))。エッチング剤導入用空孔22の形成は、例えば、本体層11の表面にEBレジストを塗布してエッチング剤導入用空孔22の位置にEB描画を行った後、エッチングガス(例えばSF6)を用いてドライエッチングを行うことにより行う。次に、SOI基板21をフッ化水素水溶液23中に浸す((b))。エッチング剤導入用空孔22から浸入したフッ化水素水溶液は、本体層11とSi基板層13には影響を及ぼすことなくSiO2基板層12のみをエッチングする。これにより、エッチング剤導入用空孔22から一定の距離まで、SiO2基板層12がエッチングされ、エアブリッジ空間24が形成される。次に、異屈折率領域となる空孔25を三角格子状に形成すると共に、エアブリッジ空間24上の位置に配置されるように、空孔が欠損した点状欠陥26を形成する。ここで、エッチング剤導入用空孔22が異屈折率領域の空孔の1つになるように、SOI基板21の位置を調整する。この空孔25の形成もエッチング剤導入用空孔22と同様にEB描画とドライエッチングの手法を用いて行う。こうして、本発明のエアブリッジ構造を有する2次元フォトニック結晶が完成する。
【0040】
更に導波路を設ける場合には、(c-1)の代わりに、(c-2)に示すように導波路27の位置の格子点には空孔25を空けないようにすればよい。
【0041】
本実施例により製造された2次元フォトニック結晶の走査電子顕微鏡(SEM)写真を図8に示す。(a)及び(b)はこの2次元フォトニック結晶を本体層11の上部から見たものである。この例では、点状欠陥と導波路を形成している。変色して見える領域31では、その本体層11の直下にエアブリッジ空間が形成されている。領域31の境界付近におけるSOI基板21の断面を斜め上方から撮影したSEM写真を(c)に示す。SiO2基板層12がエッチングされ、エアブリッジ空間32が形成されている。また、SiO2基板層12が斜めにエッチングされている(符号33)のは、本体層に近いSiO2基板層12上部の方がエッチング剤導入用空孔22から遠いところまでエッチングされること、及びSiO2の結晶性によるためである。
【0042】
図8の(a)と(b)では、導波路とエアブリッジ空間との間の位置が異なる。(a)では導波路の一部が領域31を通過しているのに対して、(b)では導波路全体が領域31の外を通過している。但し、導波路と点状欠陥との位置関係については、(a)と(b)との違いはない。(b)では、点状欠陥をエアブリッジ空間上に配置して導波路をエアブリッジ空間以外に配置するために、点状欠陥の外縁を領域31の端にほぼ接する位置に配置した。
【0043】
(a)及び(b)の2次元フォトニック結晶について、導波路から点状欠陥に分波される光の分波スペクトルを測定した結果を図9に示す。この図には併せて、無基板フォトニック結晶及び基板付フォトニック結晶の分波スペクトルの測定結果を示す。点状欠陥のQ値は、(a)ではQ=1600、(b)ではQ=900であった。(a)、(b)共に基板付フォトニック結晶の場合よりも高いQ値が得られ、特に(a)では無基板フォトニック結晶のQ値と同等の値が得られた。(b)におけるQ値は無基板フォトニック結晶のQ値よりもやや低いが、これは(b)においては点状欠陥の外縁を領域31の端にほぼ接する位置に配置したために点状欠陥の下にSiO2が多少残存していることによると考えられる。
【実施例3】
【0044】
次に、エアブリッジ構造を有する2次元フォトニック結晶において、エアブリッジ空間の直上に導波路を設けた場合の導波路透過帯域を解析した結果を示す。
まず、図10(a)に示すように、SiO2基板層の直上の領域41とエアブリッジ空間44の直上の領域42の導波路の幅が等しい(幅が空孔43の周期aの1.11倍)場合、領域41と領域42の導波路を共に光が透過する帯域は、図10(b)に示す共通帯域45になる。なお、(b)の縦軸は光の周波数に空孔43の周期を乗じて光速で除した規格化周波数であり、横軸は光の波数を示す。また、網掛け部は、導波路内にTE波がTM波と結合し、TM波が面内方向に漏れるため、導波路透過帯として用いるには好ましくない周波数帯域を示す。
【0045】
それに対して、図11(a)に示すように、空孔43の位置を調節することにより領域42の導波路の幅を空孔43の周期aの1.16倍に拡げた場合、図11(b)に示すように領域42の導波路透過帯域が低周波数側にシフトし、導波路の幅を拡げない場合よりも共通帯域46を広くすることができる。
【0046】
次に、エアブリッジ構造を有する2次元フォトニック結晶を製造する際に、導波路の幅を拡げる領域の境界がエアブリッジ空間の境界からずれた場合について、上記と同様の解析を用いて検討する。図12(a)のように、エアブリッジ空間50の直上に導波路の狭い領域51が存在する場合、図12(b)に示すように、帯域53の光は領域51内の導波路を透過できないため、導波路全体の透過帯域55が上記ずれのない場合よりも狭くなる。それに対して、図13(a)のように、エアブリッジ空間50の外側に導波路の広い領域52が存在する場合、図13(b)に示すように、帯域54の光は、TM波がスラブの面内方向に漏れるものの、導波路全体を伝播可能である。領域52が狭ければこの漏れの影響は小さい。それ以外の帯域では領域52が影響を及ぼすことはない。従って、エアブリッジ空間50の外側に導波路の広い領域52が存在しても導波路の共通透過波長帯域56が狭くなることはない。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】従来の無基板フォトニック結晶((a))と基板付フォトニック結晶((b))に設けた点状欠陥の共振波長スペクトルの実験値。
【図2】本発明のエアブリッジ構造を有する2次元フォトニック結晶の一実施例を示す斜視図、平面図及び断面図。
【図3】点状欠陥のQ値の計算対象としたエアブリッジ空間を示す図。
【図4】本実施例における点状欠陥のQ値を計算した結果を示すグラフ。
【図5】本実施例における点状欠陥の他の例を示す平面図。
【図6】本実施例における導波路の一例を示す平面図。
【図7】本発明のエアブリッジ構造を有する2次元フォトニック結晶の製造方法の一実施例を示す図。
【図8】本実施例で製造されたエアブリッジ構造を有する2次元フォトニック結晶のSEM写真。
【図9】本実施例で製造されたエアブリッジ構造を有する2次元フォトニック結晶及び従来の2次元フォトニック結晶の分波スペクトルを示すグラフ。
【図10】導波路の幅が一様である場合の導波路透過帯域を示す図。
【図11】エアブリッジ空間直上の導波路の幅を広くした場合の導波路透過帯域を示す図。
【図12】エアブリッジ空間の直上に導波路の狭い領域が存在する場合の導波路透過帯域を示す図。
【図13】エアブリッジ空間の外側に導波路の広い領域が存在する場合の導波路透過帯域を示す図。
【0048】
11…本体層
12…SiO2基板層
13…Si基板層
15、25、43…空孔
16、161,1621、1622、163、164、165、26…点状欠陥
17、171、172、173、174、175、176…空間
18、27…導波路
21…SOI基板
22…エッチング剤導入用空孔
23…フッ化水素水溶液
24、32、44、50…エアブリッジ空間
図面
【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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