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明細書 :ヘテロ構造を有するフォトニック結晶及びそれを用いた光デバイス

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3881666号 (P3881666)
公開番号 特開2005-275161 (P2005-275161A)
登録日 平成18年11月17日(2006.11.17)
発行日 平成19年2月14日(2007.2.14)
公開日 平成17年10月6日(2005.10.6)
発明の名称または考案の名称 ヘテロ構造を有するフォトニック結晶及びそれを用いた光デバイス
国際特許分類 G02B   6/12        (2006.01)
G02B   6/42        (2006.01)
FI G02B 6/12 Z
G02B 6/12 N
G02B 6/12 F
G02B 6/42
請求項の数または発明の数 15
全頁数 15
出願番号 特願2004-090407 (P2004-090407)
出願日 平成16年3月25日(2004.3.25)
審査請求日 平成17年7月14日(2005.7.14)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504132272
【氏名又は名称】国立大学法人京都大学
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
発明者または考案者 【氏名】野田 進
【氏名】浅野 卓
【氏名】高山 清市
個別代理人の代理人 【識別番号】100095670、【弁理士】、【氏名又は名称】小林 良平
【識別番号】100077171、【弁理士】、【氏名又は名称】竹内 尚恒
審査官 【審査官】牧 隆志
参考文献・文献 特表2002-510400(JP,A)
特表2001-508887(JP,A)
特開平6-88915(JP,A)
特開2002-268105(JP,A)
特開2004-212416(JP,A)
特開2004-334190(JP,A)
Bong-Shik Song et al.,Photonic Devices Based on In-Plane Hetero Photonic Crystals,SCIENCE,2003年 6月 6日,Vol.300,p.1537
浅野卓他,2次元フォトニック結晶による波長分合波デバイス-面内へテロ構造の提案-,2002年(平成14年)春季第49回応用物理学関係連合講演会講演予稿集,2002年 3月27日,第3分冊,p.1039,29p-L-9
調査した分野 G02B 6/12 - 6/14
G02B 6/30
G02B 6/42 - 6/43
G02F 1/00 - 1/13
G02F 1/295 - 1/377
JST7580(JDream2)
JSTPlus(JDream2)
特許請求の範囲 【請求項1】
a)互いに隣接する第1禁制帯領域及び第2禁制帯領域と、
b)両禁制帯領域の境界を斜めに通過する導波路であって、第1禁制帯領域における透過波長帯域の一部である合分波波長帯域が第2禁制帯領域における透過波長帯域外にあるように設定されている幹導波路と、
c)幹導波路の上記境界との交点から第1禁制帯領域内に分岐する導波路であって、その透過波長帯域が前記合分波波長帯域を含むように設定されている枝導波路と、
を備えることを特徴とするヘテロ構造を有するフォトニック結晶。
【請求項2】
幹導波路に沿って複数の禁制帯領域を直列に設け、各禁制帯領域の合分波波長帯域が、禁制帯領域間の境界と幹導波路の交点から枝導波路が分岐する側として定義される上流側にある全ての禁制帯領域における幹導波路の透過波長帯域に含まれるように設定されていることを特徴とする請求項1に記載のヘテロ構造を有するフォトニック結晶。
【請求項3】
最も下流側の禁制帯領域に、該禁制帯領域の幹導波路の透過波長帯域の光を遮断するブロック領域を接続し、該禁制帯領域とブロック領域の境界を幹導波路に対して斜めに形成するとともに、該境界と幹導波路の交点から該禁制帯領域内に分岐する枝導波路を設けたことを特徴とする請求項2に記載のヘテロ構造を有するフォトニック結晶。
【請求項4】
前記禁制帯領域がスラブ状の本体に該本体とは屈折率が異なる領域を周期的に設けた2次元フォトニック結晶により構成されることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のヘテロ構造を有するフォトニック結晶。
【請求項5】
前記幹導波路が前記異屈折率領域の欠陥を線状に設けることにより形成されたものであり、該異屈折率領域の周期が前記禁制帯領域毎に異なることを特徴とする請求項4に記載のヘテロ構造を有するフォトニック結晶。
【請求項6】
前記幹導波路が前記異屈折率領域の欠陥を線状に設けることにより形成されたものであり、該異屈折率領域の形状又は大きさが前記禁制帯領域毎に異なることを特徴とする請求項4に記載のヘテロ構造を有するフォトニック結晶。
【請求項7】
前記異屈折率領域が空気から成ることを特徴とする請求項4~6のいずれかに記載のヘテロ構造を有するフォトニック結晶。
【請求項8】
前記枝導波路を、前記合分波波長帯域内の光が伝播し、幹導波路を伝播する該合分波波長帯域外の所定の波長帯域の光が伝播しないように構成することを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載のヘテロ構造を有するフォトニック結晶。
【請求項9】
前記合分波波長帯域内の光が伝播し、幹導波路を伝播する該合分波波長帯域外の所定の波長帯域の光が伝播しないように、前記枝導波路の幅を設定したことを特徴とする請求項8に記載のヘテロ構造を有するフォトニック結晶。
【請求項10】
前記禁制帯領域がスラブ状の本体を有する2次元フォトニック結晶により構成され、前記枝導波路に接するクラッド部材を設けたことを特徴とする請求項8又は9に記載のヘテロ構造を有するフォトニック結晶。
【請求項11】
前記枝導波路に屈曲部を設けたことを特徴とする請求項8~10のいずれかに記載のヘテロ構造を有するフォトニック結晶。
【請求項12】
前記禁制帯領域がスラブ状の本体に該本体とは屈折率が異なる領域を周期的に設けて成る2次元フォトニック結晶により構成され、前記屈曲部の近傍にある異屈折率領域の大きさ及び/又は形状を他の異屈折率領域のそれらとは異なるものとすることを特徴とする請求項11に記載のヘテロ構造を有するフォトニック結晶。
【請求項13】
前記禁制帯領域がスラブ状の本体に該本体とは屈折率が異なる領域を周期的に設けて成る2次元フォトニック結晶により構成され、前記幹導波路と前記枝導波路の接続部の近傍にある異屈折率領域の大きさ及び/又は形状を他の異屈折率領域のそれらとは異なるものとすることを特徴とする請求項8~12のいずれかに記載のヘテロ構造を有するフォトニック結晶。
【請求項14】
請求項1~13に記載のフォトニック結晶の幹導波路を入力導波路とし枝導波路を出力導波路とする光分波器、及び、枝導波路を入力導波路とし幹導波路を出力導波路とする光合波器として機能することを特徴とする光合分波器。
【請求項15】
請求項1~13に記載のフォトニック結晶と、枝導波路又は第2禁制帯領域側の幹導波路のいずれか一方に設けた光送信器と、その他方に設けた光受信器と、を備えることを特徴とする光送受信器。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、波長分割多重通信等の分野において光合分波器や光送受信器等に用いられるフォトニック結晶に関する。なお、本願において用いる「光」には、光以外の電磁波も含むものとする。
【背景技術】
【0002】
光通信回線は近年、都市間を結ぶ基幹回線のみに留まらず、一般家庭にまで普及しつつある。一般家庭において光通信を利用するためには、各家庭毎に光信号と電気信号を相互に変換する光送受信モジュールが必要となる。この光送受信モジュールは一般的に、光送信器、光受信器、波長合分波器という3つの構成要素から成る。これらのうち、光送信器には主にレーザダイオード(LD)が、光受信器には主にフォトダイオード(PD)が用いられる。波長合分波器には、これまで多層膜誘電体加工を施された平板ガラスタイプのものや、立方体状プリズムタイプのものが用いられてきた。しかし、これらの波長合分波器は比較的大きなものであるため、一般家庭への普及のためには波長合分波器をより小型化することが望ましい。
【0003】
近年、新しい光デバイスとして、フォトニック結晶が注目されている。フォトニック結晶は、誘電体に周期構造を人工的に形成したものである。周期構造は一般に、誘電体本体とは屈折率が異なる領域(異屈折率領域)を本体内に周期的に設けることにより形成される。その周期構造により、結晶中に光のエネルギーに関してバンド構造が形成され、光の伝播が不可能となるエネルギー領域が形成される。このようなエネルギー領域を「フォトニックバンドギャップ」(Photonic Band Gap:PBG)と呼ぶ。PBGが形成されるエネルギー領域(波長帯)は、誘電体の屈折率や周期構造の周期により定まる。
【0004】
このフォトニック結晶中に適切な欠陥を導入することにより、PBG中にエネルギー準位(欠陥準位)が形成され、その欠陥準位に対応する波長の光のみがその欠陥の近傍に存在できるようになる。このような欠陥を有するフォトニック結晶はその波長の光の光共振器として使用することができ、更に、この欠陥を線状に設けることにより導波路として使用することができる。そして、このような導波路の近傍に上記のような光共振器を形成することにより、このフォトニック結晶は波長合分波器となる。この波長合分波器では、導波路内を伝播する様々な波長の光のうち共振器の共振波長に一致する波長の光を外部へ取り出す(分波器)ことができると共に、外部から導波路に導入する(合波器)ことができる。フォトニック結晶を用いた波長合分波器は、従来の多層膜平板ガラスや立方体状プリズムを用いた波長合分波器よりも小型化することができる。
【0005】
このような波長合分波器として、特許文献1には、板状の本体にそれとは屈折率の異なる領域を周期的に設け、その周期的配置に欠陥を線状に設けることにより導波路を形成するとともに、その導波路に隣接して点状欠陥を設けることにより共振器を形成した2次元フォトニック結晶波長合分波器が記載されている。点状欠陥の大きさや形状を適宜設定することにより、所定の波長の光を合波・分波することができる。また、特許文献2には、周期の異なる複数の領域(禁制帯領域)を有する2次元フォトニック結晶に、複数の禁制帯領域を通過する導波路と、禁制帯領域毎に共振器を設けた2次元フォトニック結晶波長合分波器が記載されている。この構成では、各領域の周期の違いにより、共振器毎に異なる波長の光を合波・分波することができる。
【0006】

【特許文献1】特開2001-272555号公報([0023]~[0027]、図1)
【特許文献2】特開2003-279764号公報([0029]~[0034]、[0057]~[0059]、図17、図18)
【0007】
2次元フォトニック結晶における点状欠陥は、そこで共振する光の波長帯域の幅が狭い。そのため、点状欠陥を有する2次元フォトニック結晶波長合分波器は、共振波長λ0の近傍の波長の光のみを合波・分波する狭帯域フィルタとして好適に用いることができる。一方、LDもその発光波長帯域は非常に狭いが、その発光の中心波長自体は製造等によりばらつきがあり、目的とする波長に厳密に合致した製品を製造することは難しい。従って、2次元フォトニック結晶波長合分波器を光送受信モジュールに用いる場合、LDにおいて使用する波長を点状欠陥共振器の狭い波長帯域内に合わせるように、LDのチューニング(選別)を行う必要がある。このチューニングを行うことにより、点状欠陥を有する2次元フォトニック結晶波長合分波器を用いた高精度の光送受信モジュールを構成することができる。このような光送受信モジュールは、長距離基幹系用のものとして、好適に用いることができる。
【0008】
一方、一般家庭用の光送受信モジュールでは、コストの点からこのようなLDの波長チューニングを行うことは難しい。そのため、波長合分波器の方でこのような、使用されるLDの波長のばらつきを吸収できることが望ましい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、一般家庭用の光送受信モジュール等に好適に用いることができる、一定の幅を持った波長帯域内の光を合波・分波することができるフォトニック結晶を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために成された本発明に係るフォトニック結晶は、
a)互いに隣接する第1禁制帯領域及び第2禁制帯領域と、
b)両禁制帯領域の境界を斜めに通過する導波路であって、第1禁制帯領域における透過波長帯域の一部である合分波波長帯域が第2禁制帯領域における透過波長帯域外にあるように設定されている幹導波路と、
c)幹導波路の上記境界との交点から第1禁制帯領域内に分岐する導波路であって、その透過波長帯域が前記合分波波長帯域を含むように設定されている枝導波路と、
を備えることを特徴とする。
【0011】
上記構成において、幹導波路に沿って複数の禁制帯領域を直列に設け、各禁制帯領域の合分波波長帯域が、禁制帯領域間の境界と幹導波路の交点から枝導波路が分岐する側として定義される上流側にある全ての禁制帯領域における幹導波路の透過波長帯域に含まれるように設定されているようにしてもよい。この場合、最も下流側の禁制帯領域に、該禁制帯領域の幹導波路の透過波長帯域の光を遮断するブロック領域を接続し、該禁制帯領域とブロック領域の境界を幹導波路に対して斜めに形成するとともに、該境界と幹導波路の交点から該禁制帯領域内に分岐する枝導波路を設けることが望ましい。
【0012】
なお、本願においては、便宜上、本発明の2次元フォトニック結晶を光分波器として用いる場合に幹導波路を伝播する光の上流側及び下流側に該る方向を「上流側」及び「下流側」と記載している。
【0013】
前記禁制帯領域がスラブ状の本体に該本体とは屈折率が異なる領域を周期的に設けた2次元フォトニック結晶により構成されることが望ましい。特に、前記幹導波路が前記異屈折率領域の欠陥を線状に設けることにより形成されたものであり、該異屈折率領域の周期が前記禁制帯領域毎に異なることが望ましい。あるいは、前記幹導波路が前記異屈折率領域の欠陥を線状に設けることにより形成されたものであり、該異屈折率領域の周期が前記禁制帯領域毎に異なることが望ましい。また、前記異屈折率領域が空気から成ることが望ましい。
【0014】
前記枝導波路を、前記合分波波長帯域内の光が伝播し、幹導波路を伝播する該合分波波長帯域外の所定の波長帯域の光が伝播しないように構成することが望ましい。この場合、以下のいずれか又はそれらを組み合わせた構成とすることがより望ましい。
(1)前記合分波波長帯域内の光が伝播し、幹導波路を伝播する該合分波波長帯域外の所定の波長帯域の光が伝播しないように、前記枝導波路の幅を設定する。
(2)前記禁制帯領域がスラブ状の本体を有する2次元フォトニック結晶により構成され、前記枝導波路に接するクラッド部材を設ける。
(3)前記枝導波路に屈曲部を設ける。この場合、前記禁制帯領域がスラブ状の本体に該本体とは屈折率が異なる領域を周期的に設けて成る2次元フォトニック結晶により構成され、前記屈曲部の近傍にある異屈折率領域の大きさ及び/又は形状を他の異屈折率領域のそれらとは異なるものとすることがより望ましい。
(4)前記禁制帯領域がスラブ状の本体に該本体とは屈折率が異なる領域を周期的に設けて成る2次元フォトニック結晶により構成され、前記幹導波路と前記枝導波路の接続部の近傍にある異屈折率領域の大きさ及び/又は形状を他の異屈折率領域のそれらとは異なるものとする。
【0015】
上記のいずれかのフォトニック結晶は、幹導波路を入力導波路とし枝導波路を出力導波路とする光分波器、及び、枝導波路を入力導波路とし幹導波路を出力導波路とする光合波器として機能する。
【0016】
また、上記のいずれかのフォトニック結晶と、枝導波路又は第2禁制帯領域側の幹導波路のいずれか一方に設けた光送信器と、その他方に設けた光受信器と、により光送受信器を構成することができる。
【発明の実施の形態及び効果】
【0017】
本発明では、少なくとも2個の禁制帯領域(第1禁制帯領域及び第2禁制帯領域)を有するフォトニック結晶を母体とする(禁制帯領域に関しては後述)。フォトニック結晶は平面的な構造を有する2次元フォトニック結晶、あるいは立体的な構造を有する3次元フォトニック結晶のいずれでもよいが、2次元のものの方が製造が容易である。2次元フォトニック結晶は、例えばスラブ状の本体にそれとは屈折率が異なる領域を周期的に設けることにより形成することができる。ここで異屈折率領域は、本体とは屈折率の異なる有形部材を本体内に埋め込むことにより形成することもできるが、空気(即ち、空孔)とするのが、屈折率の差を大きくすることができるという点、及び製造上の容易さの点より、好適である。
【符号の説明】
【0018】
幹導波路は、第1禁制帯領域及び第2禁制帯領域を通過するように形成する。禁制帯領域は、そこに形成される幹導波路の透過波長帯域(導波路を伝播することのできる波長帯域)が単一である領域を意味する。幹導波路はフォトニック結晶の周期構造を乱した領域を線状に設けることにより形成することができる。
【0019】
ここで、第1禁制帯領域における透過波長帯域の一部が第2禁制帯領域における透過波長帯域外にあるように設定する。この一部波長帯域を「合分波波長帯域」と呼ぶ。フォトニック結晶の周期構造に依存して幹導波路の透過波長帯域が変化するため、禁制帯領域毎の周期構造を異なるものとすることにより、禁制帯領域毎の幹導波路の透過波長帯域を調節することができる。例えば、前記の異屈折率領域を設けた2次元フォトニック結晶の場合には、隣接する異屈折率領域間の距離が禁制帯領域毎に異なるようにすればよい。また、禁制帯領域毎の周期が同じであっても、異屈折率領域の形状や大きさが異なれば同様に幹導波路の透過波長帯域を調節することができる。
【0020】
そして、幹導波路は、禁制帯領域の境界に対して斜めに通過するように形成する(このような境界を「斜め境界」と呼ぶ)。斜め境界の形状は、幹導波路との交点における接線(2次元フォトニック結晶の場合)又は接面(3次元フォトニック結晶の場合)が幹導波路に対して斜めになる、即ち垂直又は平行でないようにすればよく、該交点以外の位置の形状は特に限定されない。
【0021】
更に、斜め境界と幹導波路の交点から分岐する枝導波路を第1禁制帯領域内に設ける。この枝導波路は、その透過波長帯域が第1禁制帯領域の合分波波長帯域を含むように設定する。例えば、異屈折率領域を三角格子状に周期的に設けた2次元フォトニック結晶の場合、第1禁制帯領域の幹導波路に対して60°回転した方向に枝導波路を設けた場合、その枝導波路はその幹導波路と同じ透過波長帯域を有する。この場合、枝導波路の透過波長帯域には第1禁制帯領域の合分波波長帯域が含まれる。なお、この例において幹導波路との成す角度が60°以外であっても、枝導波路が第1禁制帯領域の合分波波長帯域を含む場合もある。
【0022】
本発明のフォトニック結晶の動作を説明する。
第1禁制帯領域側から幹導波路に、合分波波長帯域内の波長の光を含む複数の波長成分の重畳した光を伝播させる。この合分波波長帯域内の波長を有する光は、第1禁制帯領域内の幹導波路は伝播できるが、第2禁制帯領域内の幹導波路を伝播することができない。そのため、この波長の光は、第1禁制帯領域と第2禁制帯領域の間の斜め境界において反射される。反射された光は、その一部が第1禁制帯領域の幹導波路を前記重畳光とは逆方向に伝播するが、それ以外は枝導波路に導入される。ここで、第1禁制帯領域と第2禁制帯領域の間の境界を幹導波路に対して斜めに形成することにより、反射光が幹導波路を逆方向に伝播することを抑制することができる。このように、合分波波長帯域内の波長を有する光を幹導波路から所定の枝導波路に分波する分波器として機能する。同様に、この合分波波長帯域内の波長を有する光を枝導波路から幹導波路に合波する合波器として用いることもできる。
【0023】
上記のような禁制帯領域を幹導波路に沿って3個以上、斜め境界及び枝導波路を(禁制帯領域の数)-1個形成することができる。この場合、各禁制帯領域をそれぞれ上記第1領域として見た時に、それに対応する第2領域との間に斜め境界が形成され、その斜め境界と幹導波路の交点から枝導波路が分岐する。それと共に、各禁制帯領域では、合分波波長帯域内の波長の光が幹導波路を伝播してその領域に達することができるように、幹導波路の上流側にある全ての禁制帯領域における幹導波路の透過波長帯域に、その禁制帯領域の幹導波路の合分波波長帯域が含まれるようにする。
【0024】
例えば、図1に示すように、禁制帯領域12内にある幹導波路に透過波長帯域121を形成し、それよりも短波長側にシフトするように禁制帯領域11内にある幹導波路の透過波長帯域111を形成する。そして、禁制帯領域11から見て禁制帯領域12の反対側(斜め境界の反対側)にある禁制帯領域13、禁制帯領域14、...内の幹導波路に、順に長波長側にシフトするように透過波長帯域131、141、...を形成する。これにより、透過波長帯域121には含まれ透過波長帯域111には含まれない合分波波長帯域122は、禁制帯領域12、13、14、...内の幹導波路を透過することはできるが、禁制帯領域11内の幹導波路を透過することができないため、禁制帯領域11と禁制帯領域12の斜め境界において反射される。同様に、禁制帯領域13、14、...内の幹導波路に合分波波長帯域132、142、...が形成され、これらに含まれる波長の光が禁制帯領域12-13間、禁制帯領域13-14間、...の斜め境界において反射される。
【0025】
禁制帯領域を3個以上設けた場合、前記のように、幹導波路の最も下流側にある禁制帯領域に、該禁制帯領域内の幹導波路における透過波長帯域内の波長の光を通さないブロック領域を接続し、該禁制帯領域とブロック領域の境界に対して幹導波路を斜めに形成し、該境界と幹導波路の交点から該禁制帯領域内に分岐する枝導波路を設けることが望ましい。このようなブロック領域は、この禁制帯領域の透過波長帯域がフォトニックバンドギャップ内に含まれるようなフォトニック結晶により構成することができる。この構成においては、重畳波又は前記所定波長帯域の光が枝導波路から入出力される。このような枝導波路を設けることにより、その禁制帯領域においても他の禁制帯領域と同様に光を入出力することができる。例えば、この枝導波路と他の枝導波路を平行に形成することができるため、全ての入出力部をフォトニック結晶の同じ側面に設けることができる。
【0026】
フォトニック結晶内に導波路と点状欠陥共振器を形成した従来の波長合分波器では、共振器の共振波長周辺の狭い波長帯域にある光のみを合波・分波している。それに対して、本発明のフォトニック結晶を用いた波長合分波器では、合分波波長帯域内にある全ての波長の光が合波・分波される。そのため、合波・分波される光の波長帯は、点状欠陥共振器を用いた場合よりも広い幅を有する。そのため、LDから発せられる光の波長に設計値からのばらつきが生じた場合にも、本発明のフォトニック結晶波長合分波器ではそのばらつきが合分波波長帯域内にあれば合波・分波することができる。このように波長のばらつきに対応することにより、光通信機器のコストを低減することができるようになる。
【0027】
次に、枝導波路内を導波する光について検討する。分波の際には、前記合分波波長帯域内にある波長の光が全て第2禁制帯領域との境界において反射されるのに加えて、第2領域内の幹導波路を伝播できる光の一部も該境界において反射される。そのため、枝導波路内に所望の波長帯域以外の波長の光が混入する恐れがある。このような不要な波長の光の伝播を排除又は低減するために、枝導波路を、前記合分波波長帯域内の所定の波長帯域の光が伝播し、幹導波路を伝播する該合分波波長帯域外の所定の波長帯域の光が伝播しないように構成することが望ましい。
【0028】
そのような枝導波路は、例えば、(1)導波路の幅を異なるものとすることにより、透過波長帯域がシフトしたり、その幅が増加又は減少することを利用して、枝導波路の幅を適宜設定することにより形成することができる。あるいは、(2)2次元フォトニック結晶中の枝導波路に接するように、空気よりも屈折率の高い部材(クラッド部材)を設けることにより一部の波長帯域の光が結晶外部に漏れることを利用してもよい。この場合、クラッド部材はスラブの上下いずれの面に設けてもよい。このようなクラッド部材を設けることについては、田中良典他、『2次元フォトニック結晶導波路に与えるTM-likeスラブモードの影響』、第50回応用物理学関係連合講演会講演予稿集第3分冊(2003年)、1129ページ(社団法人応用物理学会発行)に記載されている。合分波波長帯域外の所定の波長帯域の光が結晶外部に漏れるようにクラッド部材を設けることにより、合分波波長帯域外の所定の波長帯域の光が枝導波路を伝播しないようにすることができる。また、(3)スラブ状の本体に異屈折率領域を周期的に設けた2次元フォトニック結晶において、幹導波路と枝導波路の接続部の近傍にある異屈折率領域(前記屈曲部を設けた場合には、その近傍の異屈折率領域でもよい)の大きさ、形状又はその双方を他の異屈折率領域のそれらとは異なるものにしても、その枝導波路の透過波長帯域を制御することができる。更に、(4)所定の角度をもって屈曲する形状を有する枝導波路を形成してもよい。この場合、屈曲部を透過する波長帯域を狭くすることができる。このことは A. Chutinun 他、フィジカルレビューB(Physical Review B)、第62巻(2000年)、4488-4491ページ(アメリカ物理学会発行)に記載されている。また、(4)においてスラブ状の本体に異屈折率領域を周期的に設けた2次元フォトニック結晶を用いる場合には、更に屈曲部の近傍にある異屈折率領域の大きさ、形状又はその双方を他の異屈折率領域のそれらとは異なるものとすることにより、より適切に枝導波路の透過波長帯域を制御することができる。
【0029】
これらの方法により枝導波路の透過波長帯域を制御して合分波波長帯域外の所定の波長帯域を含まないようにしたり、そのような所定波長帯域の光が結晶外部に漏れるようにしたりすることにより、当該所定波長帯域の光が枝導波路を伝播しないようにすることができる。
【0030】
本発明のフォトニック結晶の枝導波路又は第2禁制帯領域側の幹導波路のいずれか一方に光送信器を設け、その他方に光受信器を設けることにより、光送受信器が構成される。従来の光送受信器と同様に、光送信器にはLDを、光受信器にはPDを用いることができる。光送信器を幹導波路の上記位置に、光受信器を枝導波路に設けた場合には、合分波波長帯域内の波長の光を受信用の信号に、上記位置における幹導波路の透過波長帯域内の波長の光を送信用の信号に用いる。この場合、受信用の信号は斜め境界により反射されて枝導波路を介して光受信器に受信され、送信用の信号は斜め境界により反射されることなく光送信器から外部へ送信される。これとは逆に、光受信器を幹導波路に、光送信器を枝導波路に設けた場合には、送信用と受信用の波長帯域を上記とは正反対にすればよい。
【実施例】
【0031】
本発明に係るヘテロ構造を有するフォトニック結晶の第1の実施例を、図2の平面図を用いて説明する。本体21はスラブ状の形状を有し、例えばSiやGaAs等の材料から成る。本体21は2つの禁制帯領域211及び212に分かれる。これら2つの禁制帯領域211及び212に、半径がr1及びそれよりも大きいr2である円柱状(図2では円形で表す)の空孔221及び222を三角格子状に周期的に配置する。三角格子の周期は、禁制帯領域211ではa1とし、禁制帯領域212ではそれよりも大きいa2とする。このように空孔を周期的に配置することにより、禁制帯領域毎に、周期に応じた波長帯域のPBGが形成される。本実施例では空孔の半径の比r1:r2と三角格子の周期の比a1:a2を等しくする。
【0032】
禁制帯領域211と212の境界23は、三角格子の3辺のうち1つの辺に平行に形成する。境界23にはそれを形成のために何らかの部材を設ける必要はなく、空孔の周期及び/又は大きさを境界23の両側で異なるものとするだけでよい。
【0033】
三角格子の3辺の方向のうち境界23の方向とは異なる方向に、空孔221及び222を線状に欠損させることにより、両禁制帯領域211及び212を通過する幹導波路24を設ける。このように形成された幹導波路24は、境界23から60°傾いた方向を向く。
【0034】
境界23と幹導波路24の交点から、三角格子の3辺の方向のうち境界23及び幹導波路24の方向とは異なる方向に、空孔222を線状に欠損させることにより枝導波路25を禁制帯領域212内に設ける。従って、枝導波路25は幹導波路に60°の角度で交わる方向に形成される。
【0035】
本実施例の2次元フォトニック結晶を波長合分波器として用いた場合の動作を説明する。この波長合分波器の分波器としての機能は、禁制帯領域212の端部側(図2の符号262の側)から境界23に向けて様々な波長の重畳波を幹導波路24に入力し、それぞれ異なる波長帯域の光を幹導波路24の禁制帯領域211の端部側(符号261の側)、及び枝導波路25(符号263の側)に分波するものである。
【0036】
ここで、幹導波路24及び枝導波路25の透過波長帯域を検討する。まず、本実施例のようにr1:r2とa1:a2を等しく、且つ1よりも小さくした場合、禁制帯領域211内の幹導波路24の透過波長帯域311は、図3に示すように禁制帯領域212の透過波長帯域312よりも短波長側にシフトする。従って、透過波長帯域312内の長波長側には、透過波長帯域311に含まれない合分波波長帯域32が形成される。一方、枝導波路25は、禁制帯領域212内の幹導波路24と同様の周期構造の乱れを有するため、この禁制帯領域212内の幹導波路24と同じ透過波長帯域を有する。
【0037】
幹導波路24中を伝播する重畳波のうち合分波波長帯域32内の波長を有する光(以下、「光2」とする)は透過波長帯域311に含まれないため、禁制帯領域211内の幹導波路24を伝播することができない。そのため、光2は境界23において反射される。反射された光2は、一部は入力側(禁制帯領域212側)の幹導波路24に戻るが、大半は枝導波路25に導入される。
【0038】
一方、幹導波路24中を伝播する重畳波のうち透過波長帯域311及び312の双方に含まれる波長帯域33内の波長を有する光(「光1」とする)は、境界23を通過して幹導波路24の禁制帯領域211側から取り出される。
【0039】
以上のように、光1は幹導波路24の禁制帯領域211側に、光2は枝導波路25側に、それぞれ分波される(図4(a))。それに対して、光1を幹導波路24の禁制帯領域211側から導入し、光2を枝導波路25から導入すると、これらの光は合波されて幹導波路24の禁制帯領域212側から取り出される(図4(b))。
【0040】
本実施例では、図5(a)に示すように、ある程度幅を持った波長帯域の光が合波・分波される。それに対して特許文献1や特許文献2等に記載の波長合分波器では、空孔を点状に欠陥させて成る共振器を用いることにより、図5(b)に示すように、共振器における共振波長λ1, λ2,...の近傍のローレンツ分布で表される狭い波長領域の光のみが合波・分波される。そのため、共振器を用いた場合には、合波・分波しようとする光の波長が共振波長からずれると合波・分波されなくなるか、又は合波・分波される光の強度が低下するのに対して、本実施例では光の波長にある程度のずれが生じても合波・分波することができる。
【0041】
境界23が存在することにより、枝導波路25には光2のみならず、幹導波路24内の光1の一部が混入する。この混入を抑制するために、以下の図6、8、又は9に示す構成とすることが望ましい。
【0042】
図6は、枝導波路25の下部に空気よりも屈折率の高い材料から成るクラッド部材27を設けたものである。例えば本体21がSiから成る場合には、市販のSOI(silicon on insulator)基板から本体とクラッド部材を一体として形成できる点で、クラッド部材27の材料にはSiO2を用いることが望ましい。なお、ここではクラッド部材27を枝導波路25の下部に設けたが、これを枝導波路25の上部に設けてもよい。
【0043】
このようなクラッド部材27を設けることによる効果を、図7を用いて説明する。禁制帯領域211内の幹導波路には導波モード611のうちライトライン62よりも低周波数(長波長)側の周波数領域641の光が伝播する。一方、禁制帯領域212内の幹導波路及び枝導波路25には導波モード612のうちライトライン62よりも低周波数側の周波数領域642の光が伝播する。ここで、ライトラインは、それよりも高周波数(短波長)側の光は本体の面外に漏れ出してしまい導波路を伝播できないことを示すものであり、角振動数ω、波数k、光速c、及びスラブの面が接する部材の屈折率nについて、
ω=(c/n)×k …(1)
の関係を満たす直線である。ライトライン62は(1)式のnを空気の屈折率である1としたものである。上記光1の周波数領域は周波数領域641であり、光2の周波数領域643は周波数領域642のうち周波数領域641に含まれない部分である。そして、周波数領域641内の光の一部が枝導波路25に混入する。屈折率が1.45であるSiO2から成るクラッド部材27を枝導波路25に設けることにより、枝導波路25のライトラインはクラッド部材27の無い場合のライトライン62よりも低周波数(長波長)側(図中の符号63)に移動する。従って、クラッド部材27を設けることにより、(1)式のnがSiO2の屈折率である1.45となるため、枝導波路25内に一部混入した光1のうちライトライン63よりも高周波数側の領域65内の光は本体の面外に漏れ出す。そのため、枝導波路25の端部(符号263側)から取り出される光に光1が混入することを抑制することができる。なお、図7では、a1=0.40μm、a2=0.41μm、r1=0.29a1=116nm、r2=0.29a2=119nm、2つの禁制帯領域の境界部距離を0.405μm(=(a1+a2)/2)、そして、禁制帯領域211内の幹導波路24の幅を0.69μm、禁制帯領域212内の幹導波路24及び枝導波路25の幅を0.71μmとして計算した結果を示している。
【0044】
図8に、幹導波路と枝導波路の接続部の近傍にある空孔223の径を他の空孔とは異なるものとする例を示す。この空孔223の径を小さくすることにより、枝導波路25の透過波長帯域のうちの高周波数側にある光の透過率を抑制することができる。これにより、光2よりも周波数の高い光1が枝導波路25中に混入することを抑制することができる。
【0045】
図9に、枝導波路25に屈曲部27を設けた例を示す。この構成では、枝導波路25が屈曲部27において60°傾いた方向に屈曲している。この場合、枝導波路25の透過波長帯域のうちの高周波数側にある光の透過率が、屈曲部を設けない場合よりも低下する(上記のA. Chutinun 他、フィジカルレビューB(Physical Review B)、第62巻(2000年)、4490ページ参照)。これにより、光2よりも周波数の高い光1が枝導波路25中に混入することを抑制することができる。また、屈曲部27に接する空孔224の径を小さくすることにより、更に光1が枝導波路25中に混入することを抑制することができる。
【0046】
幹導波路に対する境界及び枝導波路の角度は図2の例には限られない。例えば、図10に示すように、幹導波路24に(a)90°あるいは(b)30°の角度で交わるように枝導波路25を形成することができる。また、図11に示すように、境界23を幹導波路24に対して30°の角度で交わるように形成することもできる。更に、上記各実施例では設計の容易さの点でr1:r2とa1:a2を等しくしていたが、この両者の比は異なるものであってもよい。例えば、図12に示すように、a1=a2=aとして空孔の径r1, r2のみを禁制帯領域毎に異なるようにしてもよい。
【0047】
本発明に係るヘテロ構造を有するフォトニック結晶の第2実施例を図13に示す。このフォトニック結晶は、本体41上に禁制帯領域を直列に3つ以上(禁制帯領域411、412、413、...)設けたものであり、それぞれ隣接する禁制帯領域間に境界432、433、...が形成される。各禁制帯領域の空孔421、422、423、...は、周期a1, a2, a3,...、径r1, r2, r3, ...で形成される。これらの値はa1<a2第2実施例のフォトニック結晶を波長合分波器に用いた場合、各枝導波路452、453、...が属する禁制帯領域及びそれよりも空孔の周期・径が大きい方の全ての禁制帯領域内の幹導波路44の透過波長帯域に含まれ、それよりも空孔の周期・径が小さい方の禁制帯領域内の幹導波路44の透過波長帯域に含まれない波長帯の光が、境界432、433、...に反射され、その枝導波路452、453、...に導入される。また、全ての禁制帯領域の透過波長帯域に含まれる波長の光は幹導波路44の禁制帯領域411側から取り出される。これにより、それぞれ異なる波長帯の光が分波され、幹導波路44の禁制帯領域411側及び各枝導波路より取り出される。また、各波長の光を逆向きに導入することにより、このフォトニック結晶は合波器として機能する。
【0049】
図14に、第2実施例の変形例を示す。この構成は、図13の禁制帯領域411に隣接して、幹導波路を形成しない2次元フォトニック結晶46を設けたものである。この2次元フォトニック結晶46は、そのフォトニックバンドギャップに禁制帯領域411における幹導波44の透過波長帯域が含まれるように周期構造が形成される。禁制帯領域411と2次元フォトニック結晶46の境界431は、幹導波路44に対して斜めに形成する。また、禁制帯領域411にも他の禁制帯領域と同様に枝導波路451を形成する。上記図13の構成では禁制帯領域411においては幹導波路44から光が出入力されるされるのに対して、図14の構成では、禁制帯領域411における出入力光も他の禁制帯領域と同様に枝導波路から出入力される。そのため、全ての出入力光を同じ方向から出入力することができる。
【0050】
第1実施例のフォトニック結晶を用いた光送受信器について図15を用いて説明する。禁制帯領域211側の幹導波路24にLD51を、枝導波路25にPD52を設ける。また、禁制帯領域212側の幹導波路24に光ファイバ53を接続する。LD51及びPD52は、一般家庭等に設置される通信機器に接続されるものであり、光ファイバ53は光通信回線に接続される。通信機器から出力される電気信号はLD51により所定の波長の光信号に変換され、光通信回線に送信される。また、光通信回線から受信した光信号はPD52により電気信号に変換され、通信機器に入力される。本実施例では、LD51側(通信機器から光通信回線への送信側)で上記光1の波長帯域を、PD52側(光通信回線から通信機器への受信側)で上記光2の波長帯域を使用することにより、送信信号と受信信号を波長分離して使用することができる。この場合、光1の波長帯域が一定の幅を有するため、LD51の波長帯域にばらつきがあったとしても、ある程度の範囲内であれば送受信に影響を及ぼさない。なお、LD51とPD52の位置、及びLD51及びPD52で使用する光の波長帯域を、上記のものとは入れ替えても光送受信器を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明において各禁制帯領域内の導波路に形成される透過波長帯域の一例を示す図。
【図2】本発明に係る2次元フォトニック結晶の第1実施例を示す平面図。
【図3】本実施例の2次元フォトニック結晶の導波路透過波長帯域を示す図。
【図4】本実施例の2次元フォトニック結晶の(a)分波器、及び(b)合波器としての機能を示す平面図。
【図5】(a)本実施例、及び(b)従来の2次元フォトニック結晶において合波・分波される光の波長帯域を示す図。
【図6】本実施例の2次元フォトニック結晶の枝導波路下部にクラッド部材を設けた例を示す平面図。
【図7】クラッド部材の有無によるライトラインの変化を示すグラフ。
【図8】本実施例の2次元フォトニック結晶の、幹導波路と枝導波路の接続部の近傍にある空孔の径を調節する例を示す平面図。
【図9】本実施例の2次元フォトニック結晶の枝導波路に屈曲部を設けた例を示す平面図。
【図10】第1実施例の変形例を示す平面図。
【図11】第1実施例の変形例を示す平面図。
【図12】第1実施例の変形例を示す平面図。
【図13】本発明に係る2次元フォトニック結晶の第2実施例を示す平面図。
【図14】第2実施例の変形例を示す平面図。
【図15】本発明に係る2次元フォトニック結晶を用いた光送受信器の一実施例を示す平面図。
【0052】
11、12、13、14、211、212、411、412、413…禁制帯領域
111、121、131、141、311、312…透過波長帯域
122、132、142、32…合分波波長帯域
21…本体
221、222、421、422、423…空孔
23、432、433…境界
24、44…幹導波路
25、452、453…枝導波路
26…境界23の垂線
51…LD
52…PD
53…光ファイバ
611、612…導波モード
62…空気のライトライン
63…SiO2のライトライン
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
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【図14】
13
【図15】
14