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明細書 :デジタルカメラおよび撮像方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4745974号 (P4745974)
登録日 平成23年5月20日(2011.5.20)
発行日 平成23年8月10日(2011.8.10)
発明の名称または考案の名称 デジタルカメラおよび撮像方法
国際特許分類 H04N   5/91        (2006.01)
H04N   5/765       (2006.01)
H04N   5/225       (2006.01)
FI H04N 5/91 Z
H04N 5/91 L
H04N 5/91 J
H04N 5/225 F
請求項の数または発明の数 15
全頁数 13
出願番号 特願2006-537762 (P2006-537762)
出願日 平成17年9月27日(2005.9.27)
国際出願番号 PCT/JP2005/017782
国際公開番号 WO2006/035788
国際公開日 平成18年4月6日(2006.4.6)
優先権出願番号 2004281001
優先日 平成16年9月28日(2004.9.28)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成19年1月10日(2007.1.10)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
【識別番号】504132272
【氏名又は名称】国立大学法人京都大学
発明者または考案者 【氏名】井上 泰彰
【氏名】平沼 義直
【氏名】高埜 恭一
【氏名】黒田 知宏
個別代理人の代理人 【識別番号】100105924、【弁理士】、【氏名又は名称】森下 賢樹
審査官 【審査官】田中 絢子
参考文献・文献 特開2002-232761(JP,A)
特開平05-110972(JP,A)
特開平11-146317(JP,A)
特開2004-236134(JP,A)
特開2002-271672(JP,A)
調査した分野 H04N 5/76-5/956
H04N 5/222-5/257
特許請求の範囲 【請求項1】
格納されているID情報の有効性を判定する有効性判定部と、
撮像部と、
前記有効性判定部において格納されているID情報が有効でないと判定された場合に前記撮像部により撮像された画像のうち、ID情報を所定規則に基づいて示す図形の図形画像を記録する図形記録部と、
前記図形画像として記録された図形が示すID情報を、前記所定規則に基づいて特定するID取得部と、
ID情報とそのID情報により識別される実体情報を対応づけて格納する外部データベースに対し、前記特定されたID情報に対応する実体情報を要求するための実体要求情報を送信する実体情報要求部と、
前記外部データベースから前記特定されたID情報に対応する実体情報を受信し、受信された実体情報と前記特定されたID情報とを対応付けて本デジタルカメラに格納する実体情報受信部と、を備え、
前記有効性判定部は、前記特定されたID情報の有効性を判定し、
本デジタルカメラはさらに、
前記有効性判定部において格納されているID情報が有効と判定された場合または前記特定されたID情報が有効と判定された場合に有効と判定されたID情報に対応する実体情報であって本デジタルカメラに格納されている実体情報を画面表示させる実体情報表示部と、
前記画面表示された実体情報に関連して撮像された被写体の画像と有効と判定されたID情報および有効と判定されたID情報に対応する実体情報の双方または一方を対応づけた被写体情報を記録する被写体情報記録部と、を備えることを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項2】
格納されているID情報の有効性を判定する有効性判定部と、
撮像部と、
前記有効性判定部において格納されているID情報が有効でないと判定された場合に前記撮像部により撮像された画像のうち、ID情報を所定規則に基づいて示す図形の図形画像を記録する図形記録部と、
前記図形画像として記録された図形が示すID情報を、前記所定規則に基づいて特定するID取得部と、
ID情報とそのID情報により識別される実体情報を対応づけた実体情報テーブルを参照して、前記特定されたID情報に対応する実体情報を取得し、取得された実体情報と前記特定されたID情報とを対応付けて本デジタルカメラに格納する実体情報取得部と、を備え、
前記有効性判定部は、前記特定されたID情報の有効性を判定し、
本デジタルカメラはさらに、
前記有効性判定部において格納されているID情報が有効と判定された場合または前記特定されたID情報が有効と判定された場合に有効と判定されたID情報に対応する実体情報であって本デジタルカメラに格納されている実体情報を画面表示させる実体情報表示部と、
前記画面表示された実体情報に関連して撮像された被写体の画像と有効と判定されたID情報および有効と判定されたID情報に対応する実体情報の双方または一方を対応づけた被写体情報を記録する被写体情報記録部と、を備えることを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項3】
前記被写体情報記録部は、前記実体情報表示部に前記実体情報が画面表示された直後に撮像された被写体の画像を、有効と判定されたID情報及び有効と判定されたID情報に対応する実体情報の双方又は一方に対応付けて記録することを特徴とする請求項1または2に記載のデジタルカメラ。
【請求項4】
前記被写体情報記録部は、前記被写体の画像に有効と判定されたID情報および有効と判定されたID情報に対応する実体情報の双方または一方を含めた画像情報を前記被写体情報として記録することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のデジタルカメラ。
【請求項5】
前記被写体情報記録部は、前記被写体情報をネットワークを介して外部記録媒体に記録することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のデジタルカメラ。
【請求項6】
前記図形画像が記録された時刻と前記被写体情報を記録すべき時刻の差分時間を計算する差分時間計算部を更に備え、
前記有効性判定部は、前記差分時間が所定値以下であることを条件として前記図形画像として記録された図形が示すID情報を有効と判定することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のデジタルカメラ。
【請求項7】
前記差分時間計算部は、前記ID情報が特定された時刻と前記被写体情報を記録すべき時刻の時間差を差分時間として計算することを特徴とする請求項6に記載のデジタルカメラ。
【請求項8】
自装置の位置を取得する位置取得部と、
前記図形画像が記録されたときの位置と前記被写体情報を記録すべきときの位置との距離を差分距離として計算する差分距離計算部と、を更に備え、
前記有効性判定部は、前記差分距離が所定値以下であることを条件として前記図形画像として記録された図形が示すID情報を有効と判定することを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のデジタルカメラ。
【請求項9】
前記差分距離計算部は、前記ID情報が特定されたときの位置と前記被写体情報を記録すべきときの位置の距離を差分距離として計算することを特徴とする請求項8に記載のデジタルカメラ。
【請求項10】
前記位置取得部は、
自装置を含むセル領域を担当する基地局を検出する基地局検出部と、
前記検出された基地局の基地局アドレスを受信するアドレス受信部と、
基地局アドレスとその基地局の位置情報を対応づけた基地局情報を格納する外部データベースに対し、前記受信された基地局アドレスに対応する基地局の位置情報を要求するための位置要求情報を送信する位置情報要求部と、
前記外部データベースから前記位置情報を受信する位置情報受信部と、を備え、
自装置の位置として、前記受信された位置情報が示す位置を取得することを特徴とする請求項8または9に記載のデジタルカメラ。
【請求項11】
格納されているID情報の有効性を判定する有効性判定部と、
撮像部と、
前記有効性判定部において格納されているID情報が有効でないと判定された場合に前記撮像部により撮像された画像のうち、ID情報を所定規則に基づいて示す図形の図形画像を記録する図形記録部と、
前記図形画像として記録された図形が示すID情報を、前記所定規則に基づいて特定するID取得部と、を備え、
前記有効性判定部は、前記特定されたID情報の有効性を判定し、
本デジタルカメラはさらに、
前記有効性判定部において格納されているID情報が有効と判定された場合または前記特定されたID情報が有効と判定された場合に前記撮像部により撮像された被写体の画像と、有効と判定されたID情報を対応づけた被写体情報を記録する被写体情報記録部と、
を備えることを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項12】
前記被写体情報記録部は、第1の図形画像が撮像されてから新たに第2の図形画像が撮像されるまでに1以上の被写体画像が撮像されたときには、前記第1の図形画像によって示されるID情報と前記1以上の被写体画像を対応づけて被写体情報として記録することを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載のデジタルカメラ。
【請求項13】
前記ID情報は医師または患者を特定するための情報であって、前記被写体画像は患部画像であることを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載のデジタルカメラ。
【請求項14】
格納されているID情報の有効性を判定するステップと、
格納されているID情報が有効でないと判定された場合にID情報を所定規則に基づいて示す図形を撮像するステップと、
前記撮像された図形の図形画像を記録媒体に記録するステップと、
前記図形画像として記録された図形が示すID情報を、前記所定規則に基づいて特定するステップと、
前記特定されたID情報の有効性を判定するステップと、
格納されているID情報が有効と判定された場合または前記特定されたID情報が有効と判定された場合に被写体を撮像するステップと、
撮像された被写体の画像と、有効と判定されたID情報を対応づけた被写体情報を記録するステップと、
を備えることを特徴とする撮像方法。
【請求項15】
第1の図形画像が撮像されてから新たに第2の図形画像が撮像されるまでに1以上の被写体画像が撮像されたときには、前記第1の図形画像によって示されるID情報と前記1以上の被写体画像を対応づけて被写体情報として記録することを特徴とする請求項14に記載の撮像方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像技術に関し、とくに、被写体と被写体に関連する情報を結びつけて記録するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
バーコードは、さまざまな情報を識別するために広く使用されている。バーコードは、数値情報を所定規則によって図示した図形表現であるといえる。最近では、縦横両方に情報を持たせる2次元コードとよばれるバーコードも普及し始めている。
医療現場においても、バーコードは患者や医師、看護師、薬品などを識別するために広く利用されている。これらのバーコードが示すIDに基づいて、カルテ情報を管理している病院も多い。
【0003】
特許文献1は、患部写真をこのバーコードに基づいて管理するための発明を開示する。この発明の実施態様において、ユーザは患者IDを示すバーコードをバーコードリーダで読み取らせる。読み取られた患者IDは、パーソナルコンピュータなどのコンピュータに一旦保存される。このコンピュータは、医療データベースからその保存されている患者IDに対応する患者情報を取得する。ユーザは、コンピュータからカメラに患者情報を取り込んで確認した上で、患者IDに対応する患者の患部写真を撮る。患部写真の画像ファイルにはヘッダ情報としてこの患者IDが埋め込まれ、このファイルはカメラから外部のデータベースに送信される。そのため、患者IDと患部写真を対応付けて記録しやすいという(特許文献1参照)。

【特許文献1】特開2002-232761号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このような発明の実施態様の場合、ユーザはバーコードリーダとカメラ、さらにはパーソナルコンピュータという3つの機器を所定手順にしたがって操作する必要がある。そのため、ユーザインタフェースは煩雑であり、結果として操作ミスが誘発されやすい。特に、医療現場では、患部画像の取り違えは致命的な結果を引き起こす可能性があり、患者IDと患部写真の正確な対応付けは特に重要である。したがって、本発明者は、IDと被写体の撮影画像を対応づける上で、運用任せにするのではなく対応付けの確実性を保証するための仕組みを設ける必要があると想到した。
【0005】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、簡便なインタフェースにより、被写体画像とその被写体に関連する情報を結びつけて記録するための技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様の撮像装置は、ID情報を所定規則に基づいて示す図形を撮像した上でID情報を特定し、外部データベースからそのID情報に対応する実体情報を受信して画面表示させる。ユーザは、実体情報を確認した上で対応する被写体を撮像する。このとき撮像装置は、被写体画像と、ID情報および実体情報の双方または一方を対応づけた被写体情報を記録する。
【0007】
この態様によると、ユーザはバーコードリーダのような専用装置でなくデジタルカメラのような汎用の撮像装置によってIDを取得することができる。結果として、ユーザは図形と被写体という2つの対象物を撮影するだけでこれらを結びつけた情報を取得できる。実体情報というのは、ID情報に対応づけられた情報である。たとえば、患者IDに対応する患者名や病状などの属性情報であってもよい。以下、「撮像」とは、被写体の画像を画像情報として撮影装置が取り込むこと、「撮影」とは、その取り込まれた被写体の画像を確定し画像ファイルとして記録媒体に記録させることをいう。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、被写体画像とその被写体に関連する情報を結びつけて記録する上で効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】デジタルカメラの動作を説明するための模式図である。
【図2】デジタルカメラの機能ブロック図である。
【図3】病院における基地局の配置図である。
【図4】デジタルカメラにおけるID格納部のデータ構造図である。
【図5】スケジュールデータベースのデータ構造図である。
【図6】患部ファイルを生成する過程を示すフローチャートである。
【図7】図6のS12における有効判定処理を詳細に示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0010】
100 デジタルカメラ、102 IDカード、104 バーコード、106 IDデータベース、107 スケジュールデータベース、110 患部ファイルデータベース、120 撮像部、130 ID管理部、132 ID抽出部、134 ID格納部、136 有効判定部、140 表示部、142 画像バッファ処理部、144 表示処理部、146 モニタ表示部、148 オンスクリーンアイテム用バッファ処理部、150 制御部、152 患部ファイル生成部、154 時間管理部、156 時刻取得部、158 差分時間計算部、162 位置管理部、164 位置取得部、166 差分距離計算部、170 操作部、172 通信部。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1は、デジタルカメラ100の動作を説明するための模式図である。
IDカード102は、バーコード104を含む。バーコード104は、医師を識別するための医師IDを示す。同図において、IDカード102は「三陽太郎」という医師を特定するカードであり、医師IDは「0281」である。ここでは、「三陽太郎」がデジタルカメラ100のユーザ、すなわち撮影者であるとする。
【0012】
以下、本実施例における処理過程は大きく以下の7つに分けることができる。
(1)ユーザは、まず、自らを特定するためにIDカード102のバーコード104を撮影する。
(2)デジタルカメラ100は、バーコード104の撮影画像から医師ID「0281」を検出する。
(3)デジタルカメラ100は、IDデータベース106に対して、医師ID「0281」に対応する医師についての情報(以下、「医師情報」)を受信する。医師情報とは、たとえば、医師名や所属診療科などの関連情報をいう。以下、このようにIDに関連して、IDデータベース106から得られる情報のことを総称して「実体情報」とよぶ。ここでの実体情報とは医師情報であるといえる。
(4)デジタルカメラ100は、IDデータベース106から受信した医師情報の全部または一部をファインダー画面に表示させる。
(5)ユーザは表示された医師情報を確認した上で、患者108の患部を撮影する。
(6)デジタルカメラ100は、医師ID「0281」と患者108の患部画像を対応づける。デジタルカメラ100は、医師IDの代わりに医師情報を対応づけてもよい。以下、医師IDなどのIDや医師情報などの実体情報と患部画像を対応づけて生成されるファイルのことを「患部ファイル」とよぶ。
(7)デジタルカメラ100は、生成された患部ファイルを患部ファイルデータベース110に送信する。
こうして、患部画像とその撮影者であるユーザを対応づけて記録することができる。すなわち、ユーザはバーコード104と患者108の患部の撮影を行うだけで、2つの画像から得られる情報を対応づけた患部ファイルを生成させることができる。
【0013】
ここでは、撮影者を特定するために医師IDを取得する場合を示したが、患者を特定するための患者IDであっても同様である。この場合には、患者IDや患者IDに関連してIDデータベース106から取得される患者情報と患部画像を対応づけた患部ファイルを生成することができる。医師IDや患者ID、あるいはそれらに関連する実体情報をまとめて患部ファイルを生成してもよい。同図に示すスケジュールデータベース107は、撮影者のスケジュールを管理するためのデータベースである。スケジュールデータベース107は、デジタルカメラ100が主としてIDの有効性を判定するために利用するデータベースであるが、これについては後に詳述する。
【0014】
デジタルカメラ100と、IDデータベース106、スケジュールデータベース107、患部ファイルデータベース110はインターネットなどの所定の通信ネットワークを介してデータを送受信してもよいし、IEEE802.11などにより規格策定される無線LAN(Local Area Network)を介してデータを送受信してもよい。
デジタルカメラ100は、ファインダー画面でなく、たとえば、外部の表示装置にIDや実体情報を表示させてもよい。デジタルカメラ100は、患部ファイルデータベース110ではなく内蔵する記録媒体に患部ファイルを記録してもよい。あるいは、デジタルカメラ100は、IDデータベース106に相当するデータベースそのものを内蔵してもよい。
【0015】
患部ファイルは、患部画像ファイルにIDを示すファイルや実体情報を示すファイルをまとめたファイルセットとして生成されてもよい。あるいは、患部画像にIDや実体情報を画像として埋め込むことにより患部ファイルが生成されてもよい。このときの埋め込みはテキストデータを画像として患部画像に重ねることによりなされてもよいし、電子透かしのようにユーザからの視認を制限した態様の埋め込み方法によってなされてもよい。
【0016】
図2は、デジタルカメラ100の機能ブロック図である。ここに示す各ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのCPUをはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0017】
デジタルカメラ100は、撮像部120、表示部140、ID管理部130、時間管理部154、位置管理部162、患部ファイル生成部152、操作部170、通信部172および制御部150を含む。
撮像部120は被写体の撮像を行う。表示部140は、撮像部120を介して取得した被写体画像をはじめとする各種の情報をユーザに表示する。ID管理部130は、バーコード104が示すIDを管理する。時間管理部154は、時刻に関する管理を行う。位置管理部162は、デジタルカメラ100の位置に関する管理を行う。患部ファイル生成部152は、患部ファイルを生成する。操作部170は、ユーザから各種操作を受け付ける。通信部172は、IDデータベース106やスケジュールデータベース107、患部ファイルデータベース110との通信を担当する。通信部172はデジタルカメラ100の位置をセル領域とする基地局との通信も行う。制御部150は、主として操作部170を介したユーザからの操作に応じて、これらの各ブロックを統括的に制御する。
【0018】
撮像部120は、受光処理部122、A/D変換部124および圧縮処理部126を含む。
受光処理部122は、被写体からの光を取り込んで結像させ、この結像された像を電気信号に変換する。受光処理部122は図示しないレンズとCCD(Charge Coupled Devices)を含む。A/D変換部124は、この電気信号をA/D変換する。圧縮処理部126はA/D変換された被写体の画像データを圧縮処理する。
【0019】
表示部140は、画像バッファ処理部142、表示処理部144、モニタ表示部146およびオンスクリーンアイテム用バッファ処理部148を含む。
画像バッファ処理部142は撮像部120が出力する被写体画像を一時的に保持する。画像バッファ処理部142は、JPEG(Joint Photographic Experts Group)形式やMPEG(Moving Picture Experts Group)形式などで圧縮された静止画または動画のデータを一時的に記憶するRAMを含む。また、画像バッファ処理部142は、被写体画像をモニタ表示部146に表示させるときにもこれを保持する。オンスクリーンアイテム用バッファ処理部148は、画像バッファ処理部142が保持する画像に重ね合わせて表示すべきアイコンやテキストを保持する。ここでいうアイコンやテキストは、予めデジタルカメラ100に用意されているものに限らず、バーコード104が示すIDやそれに対応してIDデータベース106から取得された実体情報を含む。
【0020】
表示処理部144は、表示レイアウトを決定し、画像バッファ処理部142が保持する被写体画像のプレーンとオンスクリーンアイテム用バッファ処理部148が保持するアイコンやテキストのプレーンを重ね合わせる。モニタ表示部146は、表示処理部144の指示に従い、表示データをモニタ画面に表示する。モニタ表示部146はLCD(Liquid Crystal Display)を含む。
【0021】
ID管理部130は、ID抽出部132、ID格納部134および有効判定部136を含む。
撮像部120がバーコード104を撮影すると、その画像は一時的に画像バッファ処理部142に保持される。制御部150は、ID抽出部132に指示してこのバーコード104の画像からIDを抽出させる。ID抽出部132は、バーコードという図形情報からIDを抽出する。ID抽出部132は、抽出したIDをID格納部134に格納する。通信部172は、このIDに対応する実体情報をIDデータベース106から取得し、IDに対応してID格納部134に格納する。また、ID格納部134は、時間管理部154や位置管理部162から取得されるIDの取得時刻や取得場所に関する情報、および撮像部120で撮影されたバーコード自身の画像情報も格納する。ID格納部134のデータ構造については図4に関連して後に詳述する。
有効判定部136は、ID格納部134が格納するIDに基づいて患部ファイル生成部152が患部ファイルを生成してもよいか否かを判定する。有効判定部136は、たとえばID格納部134に格納される古いIDと新たに取得される患者画像が間違って対応づけられるのを防ぐためにこのような判定処理を実行する。この有効判定処理については、特に図7のフローチャートに関連して詳述する。
【0022】
時間管理部154は、時刻取得部156と差分時間計算部158を含む。
時刻取得部156は時刻を取得する。差分時間計算部158は、バーコード104の撮影時刻と現在時刻の時間差を差分時間として計算する。差分時間計算部158は、ID抽出部132がIDを抽出した時刻と現在時刻の時間差を差分時間として計算してもよい。有効判定部136は、患部画像の撮影時において、差分時間が所定値より長ければIDを再取得するように判定する。すなわち、IDの取得と患部画像の取得の間の時間が長い場合には、これらを結びつけて患部ファイルが生成されないように処置される。これは、通常、IDの取得と患部画像の取得は一連の作業として行われることを前提とするためである。
【0023】
位置管理部162は、位置取得部164と差分距離計算部166を含む。
位置取得部164はデジタルカメラ100の現在位置を取得する。本実施例において位置取得部164は、通信部172を介してデジタルカメラ100が位置するセル領域を担当する基地局を検出させる。そして、その基地局が存在するエリア(以下「セクション」という。詳しくは図3で後述する)を、デジタルカメラ100の現在位置として取得する。なお、位置取得部164はGPS(Global Positioning System)などの位置検出手段によりデジタルカメラ100の現在位置を検出してもよい。
差分距離計算部166は、バーコード104の撮影位置と現在位置の距離を差分距離として計算する。本実施例において差分距離計算部166はバーコード104の撮影時におけるセクションと現在のセクションが一致するか否かにより差分距離の大小を判定する。差分距離計算部166は、ID抽出部132がIDを抽出したときのデジタルカメラ100の位置と現在位置の距離を差分距離として計算してもよい。
【0024】
有効判定部136は、患部画像の撮影時において、差分距離が所定値より長ければIDを再取得するように判定する。本実施例においては、IDが取得されたときのセクションと、患部画像が取得されたときにセクションが一致しなければ、有効判定部136は「差分距離が所定値以上である」としてIDを再取得するように判定する。すなわち、IDの取得場所と患部画像の取得場所が一致しない、もしくは、その場所が一定の閾値以上に離れている場合には、これらを結びつけて患部ファイルが生成されないように処置される。これも、通常、IDの取得と患部画像の取得は、一連の作業として行われることを前提とするためである。
【0025】
図3は、病院180における基地局の配置図である。
病院180には、AP1からAP6に示す6つの位置に基地局が配置されている。このうち、AP1とAP2は、セクション1とよばれるエリアに含まれる。同様に、AP3とAP4はセクション2、AP5とAP6はセクション3に含まれる。セクションは例えば病棟や診療科ごとに設定されてもよい。
【0026】
通信部172は、デジタルカメラ100が存在する位置をセル領域とする基地局と接続する。通信部172は、接続先となる基地局のMAC(Media Access Control)アドレスを取得する。位置取得部164は、通信部172を介して図示しない外部データベースとアクセスし、当該MACアドレスに基づいて基地局が含まれるセクションを検出する。このデータベースは、各基地局のMACアドレスと、それらの基地局が所属するセクションを対応づけたデータベースである。このようにして、位置取得部164は簡易に現在位置をセクション単位で特定できる。
【0027】
図4は、ID格納部134のデータ構造図である。
ID欄190はIDを示す。種別欄192は、IDに対応する実体情報の種別を示す。撮影時刻欄194は、バーコード104の撮影時刻を示す。ID格納部134はバーコード104の撮影時刻の他にIDの抽出時刻を格納してもよい。位置欄196は、バーコード104の撮影時においてデジタルカメラ100が位置するセクションを示す。ID格納部134はID抽出時においてデジタルカメラ100が位置するセクションについての情報を格納してもよい。名前欄198は、ID欄190に対応する実体情報を示す。同図では、IDに対応する医師や患者の名前を示す。バーコードファイル名欄199は、対応する各バーコードの画像ファイル名を示す。
【0028】
同図においては、ID格納部134は医師と患者についてそれぞれIDを格納している。同図において、医師ID「0281」の医師「三陽太郎」のバーコード104は、「13:11」にセクション1にて撮影されている。また、患者ID「1114」の患者「井川次郎」のバーコード104は、「13:16」にセクション2にて撮影されている。
有効判定部136によりこれらのIDの有効性が認定されれば、患部画像に対してこれらのIDや実体情報が結びつけられて患部ファイルが生成される。また、有効性が認定されなければ、あるいは、ユーザが明示的に指示したときには、IDや実体情報の再取得がなされる。
【0029】
図5は、スケジュールデータベース107のデータ構造図である。
スケジュールデータベース107は、医師や患者などのスケジュールを管理するためのデータベースである。ID欄200はIDを示す。名前欄202は、IDに対応する実体情報として、対応する医師や患者の名前を示す。時刻欄204は時刻を示す。位置欄206は時刻欄204が示す時刻において予定される場所を示す。たとえば、医師ID「0281」の医師「三陽太郎」は、「9:00~12:00」には「セクション1」で診療予定となっている。
【0030】
図6は、患部ファイルを生成する過程を示すフローチャートである。
デジタルカメラ100の電源が投入され、初期化処理がなされた後に同フローチャートに示す処理が実行される。初期化処理においては、時刻取得部156は現在時刻を取得する。また、位置取得部164は、デジタルカメラ100の現在位置として、デジタルカメラ100が位置するセクションを検出する。
【0031】
有効判定部136は、まずID格納部134に医師IDと患者IDが格納されているか判定する(S10)。これらのIDが格納されていれば(S10のY)、有効判定部136はそれらのIDの有効性を判定するために有効判定処理を実行する(S12)。有効判定処理は、患部ファイルを生成するためにID格納部134が格納するIDを患部画像に対応付けできるか判定するための処理である。具体的内容については図7に関連して詳述する。
【0032】
IDが有効と判定されれば(S14のY)、制御部150は表示処理部144に指示してID格納部134が格納するIDと実体情報をモニタ表示部146に表示させる(S16)。このとき、一定時間の経過ごとに時刻取得部156が発生する時間イベントや、ハンドオーバーを契機として位置取得部164が発生する移動イベントによりイベントフラグがオンされていれば(S18のY)、処理はS12に戻り、再度有効性判定処理が実行される。そのようなイベントが発生していなければ(S18のN)、ユーザは患者108の患部を撮影する(S20)。
【0033】
患部ファイル生成部152は、患部画像に対して有効と判定されたIDを埋め込んだ画像ファイルとして患部ファイルを生成する(S22)。通信部172は、この患部ファイルを患部ファイルデータベース110に送信する(S24)。S22においては、患部ファイルにその生成された時刻や生成されたときのデジタルカメラ100の位置に関する情報、および撮像部120で撮影されたバーコード自身の画像情報が更に埋め込まれてもよい。
【0034】
ID格納部134にIDが格納されていないときや(S10のN)、格納されているIDが有効でないと判定されたとき(S14のN)、制御部150は表示処理部144に指示してモニタ表示部146にIDを取得するための撮影を行うよう指示表示させる(S26)。ユーザは、この指示にしたがってバーコード104を撮影する(S28)。撮像部120により撮影されたバーコード104の画像は画像バッファ処理部142に一旦保持される。
【0035】
時刻取得部156は、これを契機として制御部150からの指示により現在時刻を取得する(S30)。位置取得部164は制御部150からの指示により現在位置を取得する(S32)。ID抽出部132は、画像バッファ処理部142に保持されるバーコード104の画像情報からIDを抽出する(S34)。制御部150は、通信部172に指示して抽出されたIDに対応する実体情報をIDデータベース106から取得させる(S36)。このID情報と実体情報は、図4に示したデータ構造にてID格納部134に格納され、処理はS12に戻る。
【0036】
なお、ユーザは操作部170を介してこれらの処理を中断させることができる。ユーザの操作は、優先度の高いスレッドにて実行されるものであり、同フローチャートに示す処理は、ユーザが患部ファイルを生成するための操作を継続した場合を示すものである。また、同フローチャートは、患部ファイルを生成する過程を示したものであり、ユーザはデジタルカメラ100を通常のカメラとして使用することにより被写体を撮影することもできる。
【0037】
図7は、図6のS12における有効判定処理を詳細に示すフローチャートである。
まず、時刻取得部156は現在時刻を取得する(S40)。位置取得部164は現在位置としてデジタルカメラ100が所属するセクションを検出する(S42)。差分時間計算部158は差分時間を計算し、差分時間が予め定められた所定値、たとえば、5分以内であるか判定する(S44)。差分時間がこの所定値を超える場合には(S44のN)、有効判定部136はIDを無効と判定する(S56)。差分時間は、IDを示すバーコード104の撮影時刻とS40で取得された時刻との時間差でもよいし、IDが抽出された時刻とS44で取得された時刻との時間差であってもよい。さらには、最近に撮影された患部画像の撮影時刻とS44で取得された時刻との時間差であってもよい。
【0038】
差分時間が所定値以内であれば(S44のY)、差分距離が予め定められた所定値以内であるかが判定される。差分距離については判定は実際の距離に基づいて判定されてもよいが、本実施例ではIDの撮影時におけるセクションと、現在のセクションが一致するかにより判定される(S46)。セクションが一致しない場合には(S46のN)、有効判定部136はIDを無効と判定する(S56)。差分距離に基づく判定は、バーコード104の撮影時におけるデジタルカメラ100の位置とS42で取得された位置との距離に基づいて判定されてもよいし、IDの抽出された位置とS42で取得された位置との距離に基づいて判定されてもよい。あるいは、最近患部画像を撮像したときの位置とS42で取得された位置との距離に基づいて判定されてもよい。
【0039】
セクションが一致すれば(S46のY)、制御部150は通信部172に指示してスケジュールデータベース107からスケジュール情報を取得させる(S50)。有効判定部136は、ID格納部134に格納されるIDに対応する医師の、S40において取得された時刻における予定位置がS42において取得されたセクションと一致するか判定する(S52)。一致しなければ(S52のN)、有効判定部136はIDを無効と判定する。一致すれば(S52のY)、有効判定部136はIDを有効と判定する(S54)。
【0040】
以上、実施の形態をもとに本発明を説明した。なお本発明はこの実施の形態に限定されることなく、そのさまざまな変形例もまた、本発明の態様として有効である。
【0041】
本実施例においては、IDとして医師IDや患者IDを例示したが、このほかにも看護師のIDや薬剤師のIDなどを結びつけて患者のカルテに関するファイルが生成されてもよい。また、医療現場に限らず、建設作業現場や事故現場などで撮影を行うときに、その場所、時間、保険会社の担当者名、警察官名、撮影者の氏名を特定するためのIDが撮影されてもよい。
【0042】
今後、RFID(Radio Frequency Identification)などのICタグが普及していくと考えられる。しかし、本発明によればカメラにRFIDの為のハードウェア機構を設ける必要がないというメリットがある。ユーザが、バーコードと被写体の撮影を行うだけで、患部ファイルが生成されるため、カメラ本来の直感的なユーザインタフェースを複雑化させる必要が無い。また、時間や位置、さらには撮影者や患者のスケジュールに基づいて、IDと患部写真まちがった対応付けがなされないように処置されるため、医療現場などでの使用により好適となる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明によれば、被写体画像とその被写体に関連する情報を結びつけて記録する上で効果がある。
図面
【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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