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明細書 :無線通信システム、中継局装置及び無線通信方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5266474号 (P5266474)
公開番号 特開2010-199998 (P2010-199998A)
登録日 平成25年5月17日(2013.5.17)
発行日 平成25年8月21日(2013.8.21)
公開日 平成22年9月9日(2010.9.9)
発明の名称または考案の名称 無線通信システム、中継局装置及び無線通信方法
国際特許分類 H04W  28/06        (2009.01)
H04W  16/26        (2009.01)
H04W  74/08        (2009.01)
H04B   7/15        (2006.01)
FI H04W 28/06 110
H04W 16/26
H04W 74/08
H04B 7/15 Z
請求項の数または発明の数 6
全頁数 19
出願番号 特願2009-042809 (P2009-042809)
出願日 平成21年2月25日(2009.2.25)
審査請求日 平成23年11月9日(2011.11.9)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
【識別番号】504132272
【氏名又は名称】国立大学法人京都大学
発明者または考案者 【氏名】杉山 隆利
【氏名】梅原 大祐
【氏名】黄 俊翔
個別代理人の代理人 【識別番号】100064908、【弁理士】、【氏名又は名称】志賀 正武
【識別番号】100108453、【弁理士】、【氏名又は名称】村山 靖彦
審査官 【審査官】角田 慎治
参考文献・文献 国際公開第2009/113031(WO,A2)
特開2007-251811(JP,A)
特開2006-197488(JP,A)
特開2005-130479(JP,A)
特開2006-050526(JP,A)
特開2010-81360(JP,A)
特開2010-109555(JP,A)
調査した分野 H04W 4/00-99/00
H04B 7/14-7/22
H04B 7/24-7/26
特許請求の範囲 【請求項1】
無線局間の無線中継を行う中継局装置と、互いに電波が到達不可能で前記中継局装置を介して無線信号の送受信を行う第1の無線局と第2の無線局とを備えた無線通信システムであって、
前記第1の無線局、前記第2の無線局及び前記中継局装置は衝突回避機能付キャリア感知多重アクセス方式に基づいてフレーム単位で無線信号の送受信を行い、
前記第1の無線局又は前記第2の無線局は、データフレーム送信前に送信要求フレームを送信し、前記送信要求フレームに対する応答として受信準備完了フレームを受信した場合にデータフレームを送信し、
前記中継局装置が前記第1の無線局から前記第2の無線局宛のデータフレームを受信した場合、前記中継局装置、前記第1の無線局及び前記第2の無線局間で、前記中継局装置から前記第1の無線局と前記第2の無線局の少なくとも一方に向けた制御フレームと、前記中継局装置が受信した前記第1の無線局から前記第2の無線局宛のデータフレームと前記中継局装置の記憶手段内の前記第2の無線局から前記第1の無線局宛のデータフレームとで排他的論理和の演算処理を行って生成したコーディングデータフレームとを少なくとも含む複数のフレームを、優先度が高い短フレーム間隔で継続的に送受信する
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項2】
前記中継局装置は、前記第1の無線局から前記第2の無線局宛のデータフレームを受信した場合に、前記第2の無線局から前記第1の無線局宛のデータフレームが前記中継局装置の記憶手段内に無いときには、前記短フレーム間隔で継続的に、
前記第2の無線局への送信要求情報を含む前記第1の無線局への応答信号である確認応答フレームを前記第1の無線局と前記第2の無線局とに向けて送信し、
前記第2の無線局から前記第1の無線局宛のデータフレームを受信して前記記憶手段に記憶し、
前記第1の無線局から前記第2の無線局宛のデータフレームと前記記憶手段内の前記第2の無線局から前記第1の無線局宛のデータフレームとで排他的論理和の演算処理を行って生成したコーディングデータフレームを前記第1の無線局と前記第2の無線局とに向けて送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項3】
前記中継局装置は、前記第1の無線局から前記第2の無線局宛のデータフレームを受信した場合に、前記第2の無線局から前記第1の無線局宛のデータフレームが前記中継局装置の記憶手段内に有るときには、前記短フレーム間隔で継続的に、
前記第2の無線局への送信要求情報を含む前記第1の無線局への応答信号である確認応答フレームを前記第1の無線局と前記第2の無線局とに向けて送信し、
前記第1の無線局から前記第2の無線局宛のデータフレームと前記記憶手段内の前記第2の無線局から前記第1の無線局宛のデータフレームとで排他的論理和の演算処理を行って生成したコーディングデータフレームを前記第1の無線局と前記第2の無線局とに向けて送信する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の無線通信システム。
【請求項4】
前記中継局装置は、前記第1の無線局から前記第2の無線局宛のデータフレームを受信した場合に、前記第2の無線局から前記第1の無線局宛のデータフレームが前記中継局装置の記憶手段内に有るときには、前記短フレーム間隔で継続的に、
前記第1の無線局に向けて確認応答フレームを送信し、
前記第2の無線局に向けて送信要求フレームを送信し、
前記送信要求フレームに対する応答として前記第2の無線局から受信準備完了フレームを受信し、その後、
前記第1の無線局から前記第2の無線局宛のデータフレームと前記記憶手段内の前記第2の無線局から前記第1の無線局宛のデータフレームとで排他的論理和の演算処理を行って生成したコーディングデータフレームを前記第1の無線局と前記第2の無線局とに向けて送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項5】
無線局間の無線中継を行う中継局装置と、互いに電波が到達不可能で前記中継局装置を介して無線信号の送受信を行う第1の無線局と第2の無線局とを備えた無線通信システムにおける中継局装置であって、
前記第1の無線局及び前記第2の無線局との間で、衝突回避機能付キャリア感知多重アクセス方式に基づいてフレーム単位で無線信号の送受信を行うものであり、
前記第1の無線局又は前記第2の無線局から、送信要求フレームを受信した場合に、その送信要求フレームに対する応答として当該無線局に受信準備完了フレームを送信し、その受信準備完了フレームに対して当該無線局から送信されたデータフレームを受信し、
前記第1の無線局から前記第2の無線局宛のデータフレームを受信した場合、前記中継局装置、前記第1の無線局及び前記第2の無線局間で、前記中継局装置から前記第1の無線局と前記第2の無線局の少なくとも一方に向けた制御フレームと、前記中継局装置が受信した前記第1の無線局から前記第2の無線局宛のデータフレームと前記中継局装置の記憶手段内の前記第2の無線局から前記第1の無線局宛のデータフレームとで排他的論理和の演算処理を行って生成したコーディングデータフレームとを少なくとも含む複数のフレームを、優先度が高い短フレーム間隔で継続的に送受信する
ことを特徴とする中継局装置。
【請求項6】
無線局間の無線中継を行う中継局装置と、互いに電波が到達不可能で前記中継局装置を介して無線信号の送受信を行う第1の無線局と第2の無線局とを備えた無線通信システムにおける無線通信方法であって、
前記第1の無線局、前記第2の無線局及び前記中継局装置は衝突回避機能付キャリア感知多重アクセス方式に基づいてフレーム単位で無線信号の送受信を行い、
前記第1の無線局又は前記第2の無線局は、データフレーム送信前に送信要求フレームを送信し、前記送信要求フレームに対する応答として受信準備完了フレームを受信した場合にデータフレームを送信し、
前記中継局装置が前記第1の無線局から前記第2の無線局宛のデータフレームを受信した場合、前記中継局装置、前記第1の無線局及び前記第2の無線局間で、前記中継局装置から前記第1の無線局と前記第2の無線局の少なくとも一方に向けた制御フレームと、前記中継局装置が受信した前記第1の無線局から前記第2の無線局宛のデータフレームと前記中継局装置の記憶手段内の前記第2の無線局から前記第1の無線局宛のデータフレームとで排他的論理和の演算処理を行って生成したコーディングデータフレームとを少なくとも含む複数のフレームを、優先度が高い短フレーム間隔で継続的に送受信する
ことを特徴とする無線通信方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、中継局装置を用いて無線局間の無線通信を中継する無線通信システム、中継局装置及び無線通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信はより高速な通信の実現に向けて、高周波数・広帯域化が進んでいる。現状の無線通信システムと同じ構成のシステムでは送信局に対してさらに高い送信電力が要求されるため、各無線局の送信電力の軽減を目的として中継局(あるいは中継局装置;AP(Access Point))を有するマルチホップ無線通信ネットワークの研究開発が行われている(例えば非特許文献2参照)。一方、中継局において複数の宛先へのデータをコーディングすることによって送信するパケット数を低減可能なネットワークコーディング技術が注目を集めている(例えば非特許文献3参照)。特に、無線LAN(Local Area Network)システムにはネットワークコーディングが実験的に実装され、その特性が評価されている(例えば非特許文献4参照)。しかし、ネットワークコーディングを適用した際における、最適なメディアアクセス制御方式の実現手法はこれからの技術的課題である。
【0003】
また、全ての無線局にCSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance;衝突回避機能付キャリア(搬送波)感知多重アクセス)を採用した無線LANシステムにネットワークコーディングを適用した結果が報告されている(例えば非特許文献4参照)。その結果、ネットワークコーディングによってスループットの向上が報告されている。それに対し、Slotted ALOHA(スロッテッドアロハ)による無線中継ネットワークコーディングでは中継局の送信確率の制御によってスループットを向上することが示されている(例えば非特許文献1、5参照)。また、RTS/CTS(Request To Send;送信要求/Clear To Send;受信準備完了)を用いた無線マルチホップネットワークでは、ハンドシェイク時の制御パケットの削減手法が提案されている(例えば非特許文献6参照)。
【先行技術文献】
【0004】

【非特許文献1】平野 智也、 梅原 大祐、 田野 哲、 守倉 正博、 杉山 隆利、 “無線中継Slotted ALOHAネットワークコーディングシステムにおける中継制御方式の検討”、 信学技報 RCS2008-83、pp.181- 186、2008年8月
【非特許文献2】F. A. Tobagi,“Analysis of a two-hop centralized packet radio network - Part II: Carrier sense multiple access,” IEEE Trans. Commun., vol. COM-28, no. 2, pp. 208-216, Feb. 1980
【非特許文献3】R. Ahlswede et al.,“Network information flow,” IEEE Trans. Inform. Theory, vol. 46, no. 4, pp. 1204-1216, July 2000
【非特許文献4】S. Katti et al., “XOR's in the air: Practical wireless network coding,” Proc. ACM SIGCOMM 2006, pp. 243-254, Sep. 2006
【非特許文献5】D. Umehara et al., “Throughput analysis of wireless relay slotted ALOHA systems with network coding,” Proc. IEEE Globecom 2008, 5 pages, Nov./Dec. 2008
【非特許文献6】C-K. Toh et al., “MARCH: A medium access control protocol for multihop wireless ad hoc networks,” Proc. MILCOM 2000, pp. 512-516, Oct. 2000
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、中継局を有するマルチホップ無線通信ネットワークでは、スループットの向上などのためネットワークコーディングの技術が検討されている。また、CSMA/CAと、ネットワークコーディングの技術との組み合わせも検討されている。しかしながら、従来のCSMA/CAは、ネットワークコーディングの技術との組み合わせにおける最適化を考慮したものではなかった。
【0006】
なお、本発明に係る無線通信システムでは、データが一定の単位で分割されて送受信される。このデータ分割の単位は、パケットあるいはフレームと呼ばれる。本願では、以下、このデータの分割単位をフレームと呼ぶこととする。また、フレームは、マネージメントフレーム、制御フレーム及びデータフレームの3種類に区分されているものとする。マネージメントフレームとしてはビーコンフレーム、オーセンティケーションフレームなどがある。制御フレームとしては、ACKフレーム(Acknowledgment、応答確認フレーム)、RTSフレーム(送信要求フレーム)、CTSフレーム(受信準備完了フレーム)などがある。また、データフレームは、ユーザデータを転送するために用いられる。
【0007】
本発明は、上記の事情を考慮してなされたものであり、無線局間の無線中継を行う中継局装置を備え、CSMA/CA(衝突回避機能付キャリア感知多重アクセス方式)に基づいてフレーム単位で無線信号の送受信を行う無線通信システムにおいて、中継局装置によってネットワークコーディングを行う場合に、スループットをより向上させることができる無線通信システム、中継局装置及び無線通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、無線局間の無線中継を行う中継局装置と、互いに電波が到達不可能で前記中継局装置を介して無線信号の送受信を行う第1の無線局と第2の無線局とを備えた無線通信システムであって、前記第1の無線局、前記第2の無線局及び前記中継局装置は衝突回避機能付キャリア感知多重アクセス方式に基づいてフレーム単位で無線信号の送受信を行い、前記第1の無線局又は前記第2の無線局は、データフレーム送信前に送信要求フレームを送信し、前記送信要求フレームに対する応答として受信準備完了フレームを受信した場合にデータフレームを送信し、前記中継局装置が前記第1の無線局から前記第2の無線局宛のデータフレームを受信した場合、前記中継局装置、前記第1の無線局及び前記第2の無線局間で、前記中継局装置から前記第1の無線局と前記第2の無線局の少なくとも一方に向けた制御フレームと、前記中継局装置が受信した前記第1の無線局から前記第2の無線局宛のデータフレームと前記中継局装置の記憶手段内の前記第2の無線局から前記第1の無線局宛のデータフレームとで排他的論理和の演算処理を行って生成したコーディングデータフレームとを少なくとも含む複数のフレームを、優先度が高い短フレーム間隔で継続的に送受信することを特徴とする無線通信システムである。
【0009】
請求項2記載の発明は、前記中継局装置は、前記第1の無線局から前記第2の無線局宛のデータフレームを受信した場合に、前記第2の無線局から前記第1の無線局宛のデータフレームが前記中継局装置の記憶手段内に無いときには、前記短フレーム間隔で継続的に、前記第2の無線局への送信要求情報を含む前記第1の無線局への応答信号である確認応答フレームを前記第1の無線局と前記第2の無線局とに向けて送信し、前記第2の無線局から前記第1の無線局宛のデータフレームを受信して前記記憶手段に記憶し、前記第1の無線局から前記第2の無線局宛のデータフレームと前記記憶手段内の前記第2の無線局から前記第1の無線局宛のデータフレームとで排他的論理和の演算処理を行って生成したコーディングデータフレームを前記第1の無線局と前記第2の無線局とに向けて送信することを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、前記中継局装置は、前記第1の無線局から前記第2の無線局宛のデータフレームを受信した場合に、前記第2の無線局から前記第1の無線局宛のデータフレームが前記中継局装置の記憶手段内に有るときには、前記短フレーム間隔で継続的に、前記第2の無線局への送信要求情報を含む前記第1の無線局への応答信号である確認応答フレームを前記第1の無線局と前記第2の無線局とに向けて送信し、前記第1の無線局から前記第2の無線局宛のデータフレームと前記記憶手段内の前記第2の無線局から前記第1の無線局宛のデータフレームとで排他的論理和の演算処理を行って生成したコーディングデータフレームを前記第1の無線局と前記第2の無線局とに向けて送信することを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の発明は、前記中継局装置は、前記第1の無線局から前記第2の無線局宛のデータフレームを受信した場合に、前記第2の無線局から前記第1の無線局宛のデータフレームが前記中継局装置の記憶手段内に有るときには、前記短フレーム間隔で継続的に、前記第1の無線局に向けて確認応答フレームを送信し、前記第2の無線局に向けて送信要求フレームを送信し、前記送信要求フレームに対する応答として前記第2の無線局から受信準備完了フレームを受信し、その後、前記第1の無線局から前記第2の無線局宛のデータフレームと前記記憶手段内の前記第2の無線局から前記第1の無線局宛のデータフレームとで排他的論理和の演算処理を行って生成したコーディングデータフレームを前記第1の無線局と前記第2の無線局とに向けて送信することを特徴とする。
【0012】
請求項5記載の発明は、無線局間の無線中継を行う中継局装置と、互いに電波が到達不可能で前記中継局装置を介して無線信号の送受信を行う第1の無線局と第2の無線局とを備えた無線通信システムにおける中継局装置であって、前記第1の無線局及び前記第2の無線局との間で、衝突回避機能付キャリア感知多重アクセス方式に基づいてフレーム単位で無線信号の送受信を行うものであり、前記第1の無線局又は前記第2の無線局から、送信要求フレームを受信した場合に、その送信要求フレームに対する応答として当該無線局に受信準備完了フレームを送信し、その受信準備完了フレームに対して当該無線局から送信されたデータフレームを受信し、前記第1の無線局から前記第2の無線局宛のデータフレームを受信した場合、前記中継局装置、前記第1の無線局及び前記第2の無線局間で、前記中継局装置から前記第1の無線局と前記第2の無線局の少なくとも一方に向けた制御フレームと、前記中継局装置が受信した前記第1の無線局から前記第2の無線局宛のデータフレームと前記中継局装置の記憶手段内の前記第2の無線局から前記第1の無線局宛のデータフレームとで排他的論理和の演算処理を行って生成したコーディングデータフレームとを少なくとも含む複数のフレームを、優先度が高い短フレーム間隔で継続的に送受信することを特徴とする中継局装置である。
【0013】
請求項6記載の発明は、無線局間の無線中継を行う中継局装置と、互いに電波が到達不可能で前記中継局装置を介して無線信号の送受信を行う第1の無線局と第2の無線局とを備えた無線通信システムにおける無線通信方法であって、前記第1の無線局、前記第2の無線局及び前記中継局装置は衝突回避機能付キャリア感知多重アクセス方式に基づいてフレーム単位で無線信号の送受信を行い、前記第1の無線局又は前記第2の無線局は、データフレーム送信前に送信要求フレームを送信し、前記送信要求フレームに対する応答として受信準備完了フレームを受信した場合にデータフレームを送信し、前記中継局装置が前記第1の無線局から前記第2の無線局宛のデータフレームを受信した場合、前記中継局装置、前記第1の無線局及び前記第2の無線局間で、前記中継局装置から前記第1の無線局と前記第2の無線局の少なくとも一方に向けた制御フレームと、前記中継局装置が受信した前記第1の無線局から前記第2の無線局宛のデータフレームと前記中継局装置の記憶手段内の前記第2の無線局から前記第1の無線局宛のデータフレームとで排他的論理和の演算処理を行って生成したコーディングデータフレームとを少なくとも含む複数のフレームを、優先度が高い短フレーム間隔で継続的に送受信することを特徴とする無線通信方法である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、中継局装置が第1の無線局から第2の無線局宛のデータフレームを受信した場合、中継局装置から第1の無線局と第2の無線局とに向けた制御フレームと、中継局装置が受信した第1の無線局から第2の無線局宛のデータフレームと中継局装置の記憶手段内の第2の無線局から第1の無線局宛のデータフレームとで排他的論理和の演算処理を行って生成したコーディングデータフレームとを少なくとも含む複数のフレームが、優先度が高い短フレーム間隔で継続的に送受信されるので、衝突回避等のために待機状態となる時間を従来と比べ低減することができる。従って、従来に比べ、スループットを向上させることができる。
【0015】
また、第2の無線局への送信要求情報を含む第1の無線局への応答信号である確認応答フレームを第1の無線局と第2の無線局とに向けて送信することで、送信要求フレームや受信準備完了フレームの一部を省略することが可能となる。従って、さらにスループットを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明による無線通信システムの一実施形態を示すブロック図である。
【図2】本発明の背景技術としてRTS/CTSを用いたCSMA/CAによるフレームフローを示す模式図である。
【図3】図1に示す中継局装置Rにおけるフレームフローの一例を示す模式図である。
【図4】図3に示すフレームフローに対応する図1の中継局装置Rにおける処理フローを示すフローチャートである。
【図5】図1に示す中継局装置Rにおけるフレームフローの他の例を示す模式図である。
【図6】図5に示すフレームフローに対応する図1の中継局装置Rにおける処理フローを示すフローチャートである。
【図7】ネットワークコーディングの技術とRTS/CTSを用いたCSMA/CAとRTS/CTSを用いないCSMA/CAとを組み合わせる場合の中継局で中継されるデータフレームの無線局間の偏り度合いを示すための特性図である。
【図8】従来のCSMA/CA方式(CSMA/CA)と、本発明の実施形態における制御方式(RITとRIT/TH)とのスループットの比較図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明による無線通信システムの実施形態について説明する。図1に示す無線通信システム1は、中継局装置R、無線局A及び無線局Bから構成されている。中継局装置Rは、無線局A及びB間の無線中継を行う装置である。無線局Aと無線局Bは、互いに電波が到達不可能で中継局装置Rを介して無線信号の送受信を行う無線局である。すなわち、無線局Aと無線局Bは、隠れ端末関係におかれている。なお、以下では、中継局装置R、無線局A及び無線局Bを、送信局あるいは受信局と呼ぶこともある。

【0018】
図1に示す中継局装置Rは、無線信号の送受信を行うための通信制御装置11と、無線局Aや無線局Bから受信したデータフレームを記憶するための記憶装置(記憶手段)12とを備えている。この場合、記憶装置12は、無線局Bから受信した無線局A宛のデータフレームを記憶するためのバッファA13と、無線局Aから受信した無線局B宛のデータフレームを記憶するためのバッファB14とを有している。

【0019】
また、無線局Aは、無線信号の送受信を行うための通信制御回路21と、中継局装置Rを介して無線局B宛に送信したデータフレームを記憶するためのバッファ23を有する記憶装置22とを備えている。無線局Bは、無線信号の送受信を行うための通信制御回路31と、中継局装置Rを介して無線局B宛に送信したデータフレームを記憶するためのバッファ33を有する記憶装置32とを備えている。

【0020】
以上の構成で、図1の中継局装置Rは、一方、無線局Aから受信した無線局B宛のデータフレーム41を一旦バッファB14に記憶した後、所定のタイミングで読み出して無線局B宛に送信し、他方、無線局Bから受信した無線局A宛のデータフレーム42を一旦バッファA13に記憶した後、所定のタイミングで読み出して無線局A宛に送信することで、無線信号を中継する。この場合、データフレーム41に含まれるデータが「a」、データフレーム42に含まれるデータが「b」であるとする。

【0021】
その際、中継局装置Rは、無線局Aから無線局B宛のデータフレーム41(データ「a」)を受信した場合に、バッファA13内に無線局Bから無線局A宛のデータフレーム42(データ「b」)が存在していたときには、データフレーム41とデータフレーム42とで排他的論理和の演算処理を行ってコーディングデータフレーム43を生成する。そして、生成したコーディングデータフレーム43を、無線局Aと無線局Bとに向けて送信する(ブロードキャストする)。また、中継局装置Rは、無線局Bから無線局A宛のデータフレーム42(データ「b」)を受信した場合に、バッファB14内に無線局Aから無線局B宛のデータフレーム41(データ「a」)が存在していたときには、データフレーム42とデータフレーム41とで排他的論理和の演算処理を行ってコーディングデータフレーム43を生成する。そして、生成したコーディングデータフレーム43を、無線局Aと無線局Bとに向けて送信する(ブロードキャストする)。データフレーム41のデータが「a」、データフレーム42のデータが「b」である場合、コーディングデータフレーム43のデータは「a xor b 」となる(なお、本明細書では排他的論理和を「xor」で表しているが、図1では「○」の中に「+」を記した記号で表している)。

【0022】
一方、無線局Aは、中継局装置Rへ無線局B宛のデータフレーム41(データ「a」)を送信した際に、バッファ23に送信したデータフレーム41を記憶している。そして、中継局装置Rからコーディングデータフレーム43(データ「a xor b 」)を受信した場合、バッファ23内のデータフレーム41とコーディングデータフレーム43とで排他的論理和の演算処理を行って、無線局Bが無線局A宛に送信したデータフレーム42のデータ「b」を復号する。すなわち、a xor(a xor b )=bの演算処理によって、データ「b」が求められる。また、無線局Bは、中継局装置Rへ無線局A宛のデータフレーム42(データ「b」)を送信した際に、バッファ33に送信したデータフレーム42を記憶している。そして、中継局装置Rからコーディングデータフレーム43(データ「a xor b 」)を受信した場合、バッファ33内のデータフレーム42とコーディングデータフレーム43とで排他的論理和の演算処理を行って、無線局Aが無線局B宛に送信したデータフレーム41のデータ「a」を復号する。すなわち、b xor(a xor b )=aの演算処理によって、データ「a」が求められる。

【0023】
他方、中継局装置Rは、無線局Aから無線局B宛のデータフレーム41(データ「a」)を受信した場合に、バッファA13内に無線局Bから無線局A宛のデータフレーム42(データ「b」)が無いときには、データフレーム41がバッファB14に一旦記憶される。そして、中継局装置Rは、所定の待機時間経過後に、バッファB14に記憶されているデータフレーム41内のデータ「a」を含むデータフレーム45を生成して無線局Bに向けて送信する。また、中継局装置Rは、無線局Bから無線局A宛のデータフレーム42(データ「b」)を受信した場合に、バッファB14内に無線局Aから無線局B宛のデータフレーム41(データ「a」)が無いときには、データフレーム42がバッファA13に一旦記憶される。そして、中継局装置Rは、所定の待機時間経過後に、バッファA13に記憶されているデータフレーム42内のデータ「b」を含むデータフレーム44を生成して無線局Aに向けて送信する。

【0024】
上記待機時間は、無線局Aと無線局Bの双方からデータを受信することでコーディングデータフレーム43を作成可能となる状態が発生する確率を高めるために設定されたものである。この待機時間が長ければコーディング可能となる確率も高くなる。しかし、待機時間を長くすると、待機状態におかれたデータの伝送遅延を増加させることになる。したがって、待機時間は適切な値に設定することが望ましい。待機時間の設定値は、例えばシミュレーション結果などを用いて設定することができる。本実施形態においては、適切な待機時間を設けることで、ネットワークコーディングの技術を用いる場合に、特に不均一トラフィック環境において問題となるスループット低下を抑制するとともに、データフレーム伝送遅延を補償することが可能になる。さらに、不均一なトラフィックが生じる環境において、コーディング不可能な状態でも、所定の待機時間を超えた場合にコーディングしていないデータフレームを高確率で送信することによって、中継局装置Rのバッファ容量を大量に消費せずにすむという効果がある。

【0025】
また、図1に示す本実施形態の無線局A、無線局B及び中継局装置Rは、送信要求フレーム(RTSフレーム)と受信準備完了フレーム(CTSフレーム)を用いた衝突回避機能付キャリア感知多重アクセス方式(CSMA/CA)に基づいてフレーム単位で無線信号の送受信を行う。CSMA/CAは、無線信号の衝突を回避するため、送信局が無線信号の送信前に、他の送信局が無線信号(すなわちキャリア(搬送波))を送信していないことを感知するようにしたアクセス方式である。また、RTS/CTSを用いたCSMA/CAは、本実施形態のように、無線局A及びB間で互いに電波が到達不可能な場合(つまり他の送信局が送信する無線信号を感知することができない送信局が存在する場合)、すなわち隠れ端末問題が発生する場合に対する対策機能を備えたCSMA/CAである。RTSフレームは、無線信号の送信を行おうとする送信局が送信要求(フレームを送信したいとう要求)を行うために送信する制御フレームである。このRTSフレームには、RTSフレームの送信局のアドレス、受信局のアドレス、必要な期間(デュレーション)などが含まれている。CTSフレームは、RTSフレームの受信局アドレスで指定された受信局が受信準備を完了した場合に送信する制御フレームである。CTSフレームは、CTSフレームの送信局のアドレスとCTSフレームの受信局のアドレスなどが含まれている。無線局A又は無線局Bから中継局装置Rに対してRTSフレームを送信し、中継局装置RからCTSフレームを受信した場合に、データフレームを送信するようにすることで、送信局が他の送信局からの無線信号を感知できないときでも、信号の衝突を回避することができる。

【0026】
また、他の制御フレームであるACKフレームは、フレームを正常に受信した場合にその確認応答のために用いられるフレームである。ACKフレームには、受信局のアドレスなどが含まれている。また、ユーザデータを転送するためのデータフレームには、受信局アドレス(宛先アドレス)、送信局アドレス(送信元アドレス)、中継局装置Rのアドレスと、送信するユーザデータなどが含まれている。データフレームの受信局アドレスに予め設定されているブロードキャストアドレスを設定することで複数の受信局に向けてデータフレームを送信することができる。

【0027】
なお、本実施形態における送信タイミングの決定は、CSMA/CAの2進スロット指数バックオフアルゴリズムに従って行われる。また。無線局AとB、中継局装置Rは同一のチャネル(周波数帯)を用いるものとする。従って、1つの局が2つ以上のフレームを同時に受信することはできない。無線局AとBの間には干渉がないため、一方の無線局がフレームを送信しているときでも他方の無線局は中継局装置Rのフレームを受信できる。無線局AとB、中継局装置Rはそれぞれ、単一の無指向性アンテナを有し、フレームの送信と受信は同時にできない。

【0028】
このように、本実施形態の無線通信システムは、ネットワークコーディングの技術に、RTS/CTSを用いたCSMA/CAによるアクセス制御の技術を組み合わせたものである。そして、本実施形態の無線通信システムは、無線中継におけるフレームフローに特徴となる構成を採用することで、両技術を組み合わせる場合のフレーム効率、すなわちスループットの向上を図ったものである。以下、図2~図5を参照して、本発明で採用したフレームフローについて説明する。ただし、図2は、図3及び図5に示す本発明が特徴とする構成を比較説明するための背景となる技術を示したものである。

【0029】
図2は、図1と同じ無線通信システムの構成において中継局装置Rで送受信されるフレームの時系列の並びを示す模式図である。図2(a)と図2(b)はともに無線局AからRTSフレームが送信され、中継局装置Rに正しく受信された場合の動作を示している。ただし、図2(a)は中継局装置Rに無線局Bから無線局A宛のデータフレームが無い場合、図2(b)は中継局装置Rに無線局Bから無線局A宛のデータフレームがある場合の動作を示している。

【0030】
各図において、点線で示したブロックは、無線局A、B及び中継局装置Rが競合する可能性がある時間に中継局装置Rで送受信されたフレームあるいは時間間隔である。つまり、これらのフレームは、必ずこの時刻に送受信できるとは限らない。

【0031】
また、右上がりの斜線で網掛けしたブロックはSIFS(Short Inter Frame Space;短フレーム間隔)、右下がり斜線で網掛けしたブロックはDIFS(Distributed Inter Frame Space;分散制御用フレーム間隔)である。例えば、IEEE802.11規格では、IFS(Inter Frame Space;フレーム間隔)による優先制御が定義されている。CSMAでは、送信信号が無くなった時から、各送信局に対して割り当てられている所定のIFS時間と、バックオフと呼ばれるランダムな時間との間、キャリアセンスが行われる。そしてその間継続して無線信号を感知しなかった送信局が無線信号の送信権利を得る。このIFSの長さを複数種類定義することで優先権の制御が行われる。IFSの種類としては、SIFS及びDIFSと、PIFS(Point coordination function IFS;ポーリング用フレーム間隔)との3種類が定義されている。これらのうち、SIFSが最も短く、優先度が最優先(最高)となるIFSである。ACKフレームを送信する前の間隔などとして設定されている。PIFSは、次の優先度を持ち、集中制御に使用される。そして、DIFSが、最も長く、優先度が低優先(最低)となるIFSである。分散制御に使用される。

【0032】
図2(a)に示す中継局装置Rに無線局Bから無線局A宛のデータフレームが無い場合、まず無線局Aから中継局装置RにRTSフレーム101が送信され、中継局装置Rで受信される。次に、SIFS102を置いて中継局装置Rから無線局AにCTSフレーム103が送信される。次に、無線局AはSIFS104を置いてデータフレーム105を送信し、中継局装置Rがこれを受信する。中継局装置RはSIFS106を置いて無線局Aに対してデータフレーム105が正常に受信されたことを示すACKフレーム107を送信し、無線局Aがこれを受信する。この後、DIFS108と、ランダムな個数のスロットタイム109、110、111、112からなるバックオフと呼ばれる遅延時間とが経過した後、中継局装置Rが無線局BにRTSフレーム113を送信する。RTSフレーム113を受信した無線局Bは、SIFS114を置いてCTSフレーム115を中継局装置Rに対して送信する。中継局装置Rは、SIFS116を置いて無線局Aから受信したデータフレーム105に基づいて生成したデータフレーム117を無線局Bに送信する。

【0033】
図2(b)に示す中継局装置Rに無線局Bから無線局A宛のデータフレームがある場合、まず無線局Aから中継局装置RにRTSフレーム101が送信され、中継局装置Rで受信される。次に、SIFS102を置いて中継局装置Rから無線局AにCTSフレーム103が送信される。次に、無線局AはSIFS104を置いてデータフレーム105を送信し、中継局装置Rがこれを受信する。中継局装置RはSIFS106を置いて無線局Aに対してデータフレーム105が正常に受信されたことを示すACKフレーム107を送信し、無線局Aがこれを受信する。この後、DIFS108と、ランダムな個数のスロットタイム109、110、111、112、…からなるバックオフ(遅延時間)とが経過した後、中継局装置Rが無線局Bに向けてRTSフレーム201を送信する。RTSフレーム201を受信した無線局Bは、SIFS202を置いてCTSフレーム203を中継局装置Rに対して送信する。中継局装置Rは、SIFS204を置いて、無線局Aから受信したデータフレーム105と記憶している無線局Bから無線局A宛のデータフレームとを排他的論理和することで生成したデータフレーム205を無線局Aと無線局Bに向けてブロードキャストで送信する。

【0034】
このように、図2(a)及び(b)に示す場合には、中継局装置Rが無線局Aからデータフレーム107を受信してACKフレーム107を送信した後に、DIFS108と、ランダムな個数のスロットタイム109、110、111、112、…からなるバックオフと呼ばれる遅延時間とからなる中継局装置Rが待機状態となる時間が発生している。

【0035】
図3は、図1に示す無線通信システムの構成において中継局装置Rで送受信されるフレームの本発明が特徴とする時系列の並びを示す模式図である。図3(a)と図3(b)はともに無線局AからRTSフレームが送信され、中継局装置Rに正しく受信された場合の動作を示している。ただし、図3(a)は中継局装置Rに無線局Bから無線局A宛のデータフレームが無い場合、図3(b)は中継局装置Rに無線局Bから無線局A宛のデータフレームがある場合の動作を示している。なお、図3において、図2と同一の構成には同一の符号を用いている。

【0036】
また、図2と同様に、図3において、点線で示したブロックは、無線局A、B及び中継局装置Rが競合する可能性がある時間に中継局装置Rで送受信されたフレームあるいは時間間隔である。つまり、これらのフレームは、必ずこの時刻に送受信できるとは限らない。また、右上がりの斜線で網掛けしたブロックはSIFSである。

【0037】
図3(a)に示す中継局装置Rに無線局Bから無線局A宛のデータフレームが無い場合、まず無線局Aから中継局装置RにRTSフレーム101が送信され、中継局装置Rで受信される。次に、SIFS102を置いて中継局装置Rから無線局AにCTSフレーム103が送信される。次に、無線局AはSIFS104を置いてデータフレーム105を送信し、中継局装置Rがこれを受信する。中継局装置RはSIFS106を置いて無線局Aに対してデータフレーム105が正常に受信されたことを示すACKフレーム107を送信し、無線局Aがこれを受信する。この後、SIFS301の後、所定の待機時間(WAIT)302が発生する。そして、待機時間302経過後に、中継局装置Rが無線局BにRTSフレーム303を送信する。RTSフレーム303を受信した無線局Bは、SIFS304を置いてCTSフレーム305を中継局装置Rに対して送信する。中継局装置Rは、SIFS306を置いて無線局Aから受信したデータフレーム105に基づいて生成したデータフレーム307を無線局Bに送信する。

【0038】
図3(b)に示す中継局装置Rに無線局Bから無線局A宛のデータフレームがある場合、まず無線局Aから中継局装置RにRTSフレーム101が送信され、中継局装置Rで受信される。次に、SIFS102を置いて中継局装置Rから無線局AにCTSフレーム103が送信される。次に、無線局AはSIFS104を置いてデータフレーム105を送信し、中継局装置Rがこれを受信する。中継局装置RはSIFS106を置いて無線局Aに対してデータフレーム105が正常に受信されたことを示すACKフレーム107を送信し、無線局Aがこれを受信する。この後、SIFS401が経過した後、中継局装置Rが無線局Bに向けてRTSフレーム402を送信する。RTSフレーム402を受信した無線局Bは、SIFS403を置いてCTSフレーム404を中継局装置Rに対して送信する。中継局装置Rは、SIFS405を置いて、無線局Aから受信したデータフレーム105と記憶している無線局Bから無線局A宛のデータフレームとを排他的論理和することで生成したコーディングデータフレーム406を無線局Aと無線局Bに向けてブロードキャストで送信する。

【0039】
このように、図3(a)及び(b)に示す場合には、IFSとしてSIFSのみを用い、DIFSなどを使用せずに、アクセス制御を行うことが可能となる。また、バックオフによるキャリアセンスは必ずしも必要ではない。また、図3(b)に示す、ネットワークコーディングによるコーディングデータフレームの送信が可能な場合には、競合区間(点線で示すブロック)を発生させずに、SIFS間隔で継続的に、制御フレームとコーディングデータフレームとを送受信することができる。

【0040】
図4は、図3に示すフレームフローに対応する図1の中継局装置Rにおける処理フローを示すフローチャートである。この図4の処理フローは、キャリアセンス状態にある中継局装置Rで無線信号を送信し若しくは受信し又は無線信号の衝突状態を検知した場合の処理の流れを示している。中継局装置Rはデータ(DATA)を送信する場合(ステップS101で「送信」)、中継局装置Rから無線局A又はBにRTSフレームを送信する(ステップS102)。中継局装置Rは、最大所定のタイムアウト時間(Timeout)、無線局A又はBからCTSフレームが送られてくるのを待ち(ステップS103)、タイムアウト時間経過前にCTSフレームが送られてきた場合にはそれを受信する(ステップS104)。中継局装置Rは、次に、無線局A又はBにデータフレームを送信する(ステップS105)。無線局A又はBで正常に受信された場合には無線局A又はBからACKフレームが送信されるので、中継局装置Rはこれを受信する(ステップS106)。次に所定の待機時間が設定され(ステップS107)、中継局装置Rはキャリアセンス状態に戻る。

【0041】
一方、キャリアセンス状態にある中継局装置Rで無線局A又はBからRTSフレーム(図3のRTSフレーム101に対応)を受信した場合(ステップS101で「受信」からステップS108)、中継局装置Rは、SIFS(SIFS102に対応)を置いて、無線局A又はBへCTSフレーム(CTSフレーム103に対応)を送信する(ステップS109)。そして、中継局装置Rは、SIFS(SIFS104に対応)を置いて、無線局A又はBからデータフレーム(データフレーム105に対応)を受信する(ステップS110)。中継局装置Rは、正常にデータを受信した場合、SIFS(SIFS106に対応)を置いて、無線局A又はBへACKフレーム(ACKフレーム107に対応)を送信する(ステップS111)。ここで、コーディング可能である場合、すなわちバッファA13又はB14にコーディング対象のデータが格納されていた場合(ステップS112で「Y」)、中継局装置Rは、SIFS(SIFS401に対応)を置いて、無線局B又はAへRTSフレーム(RTSフレーム402に対応)を送信する(ステップS113)。中継局装置Rは、SIFS(SIFS403に対応)を置いて無線局B又はAからCTSフレーム(CTSフレーム404に対応)を受信した場合(ステップS114)、中継局装置Rは、SIFS(SIFS405に対応)を置いて、無線局A及びBへコーディングデータフレーム(コーディングデータフレーム406に対応)を送信する(ステップS115)。次に所定の待機時間が設定され(ステップS107)、中継局装置Rはキャリアセンス状態に戻る。なお、コーディング可能でない場合(ステップS112で「N」の場合)、中継局装置Rは、所定の待機時間(待機時間(WAIT)302に対応)を設定した後(ステップS107)、キャリアセンス状態に戻る。

【0042】
また、キャリアセンス状態で送信信号の衝突を検知した場合(ステップS101で「衝突」の場合)又はデータ送信時にRTSフレーム送信後タイムアウト時間が経過した場合(ステップS103で「Y」の場合)には、所定の待機時間が設定され(ステップS107)、中継局装置Rはキャリアセンス状態に復帰する。

【0043】
このように、中継局装置Rにおいて、図3のフレームフロー(すなわち図4のフロー)に従って無線信号を送受信する場合、コーディング可能であれば、即時に(すなわちSIFS間隔で)、コーディングデータフレームの送信を行うことが可能となる(図4のステップS108~S115の一連の処理)。

【0044】
図5は、図1に示す無線通信システムの構成において中継局装置Rで送受信されるフレームの本発明が特徴とする他の時系列の並びを示す模式図である。図5(a)と図5(b)と図5(c)はともに無線局AからRTSフレームが送信され、中継局装置Rに正しく受信された場合の動作を示している。ただし、図5(a)は中継局装置Rに無線局Bから無線局A宛のデータフレームが無く、無線局Bに送信データが無い場合、図5(b)は中継局装置Rに無線局Bから無線局A宛のデータフレームが無く、無線局Bに送信データがある場合、図5(c)は中継局装置Rに無線局Bから無線局A宛のデータフレームがある場合の動作を示している。また、図5において、図2と同一の構成には同一の符号を用いている。

【0045】
また、図2と同様に、図5において、点線で示したブロックは、無線局A、B及び中継局装置Rが競合する可能性がある時間に中継局装置Rで送受信されたフレームあるいは時間間隔である。つまり、これらのフレームは、必ずこの時刻に送受信できるとは限らない。また、右上がりの斜線で網掛けしたブロックはSIFSである。

【0046】
図5(a)に示す中継局装置Rに無線局Bから無線局A宛のデータフレームが無く、無線局Bに送信データが無い場合、まず無線局Aから中継局装置RにRTSフレーム101が送信され、中継局装置Rで受信される。次に、SIFS102を置いて中継局装置Rから無線局AにCTSフレーム103が送信される。次に、無線局AはSIFS104を置いてデータフレーム105を送信し、中継局装置Rがこれを受信する。中継局装置RはSIFS106を置いて無線局A及び無線局Bに対してACKフレーム501を送信し、無線局A及び無線局Bがこれを受信する。

【0047】
このACKフレーム501は、本実施形態で定義されたフレーム構成を有し、無線局Aに対してデータフレーム105が正常に受信されたことを示すとともに、無線局Bへの送信要求を示すための情報(送信要求情報)を含んで構成されているものとする。ACKフレーム501は、例えば、ACKフレーム501を受信する受信局のアドレス(この場合、受信局Aのアドレスと受信局Bのアドレス)とを含んで構成される。また、アドレスが含まれるフレーム内の位置や、他の付加情報を用いて、複数の受信局のアドレスのなかで確認応答の送り先のアドレスと送信要求情報の送り先のアドレスとが識別できるようになっているものとする。

【0048】
ACKフレーム501が送信された後のさらにSIFS502の後、所定の待機時間(WAIT)504が発生する。そして、待機時間504経過後に、中継局装置Rが無線局BにRTSフレーム504を送信する。RTSフレーム504を受信した無線局Bは、SIFS505を置いてCTSフレーム506を中継局装置Rに対して送信する。中継局装置Rは、SIFS507を置いて無線局Aから受信したデータフレーム105に基づいて生成したデータフレーム508を無線局Bに送信する。

【0049】
図5(b)に示す中継局装置Rに無線局Bから無線局A宛のデータフレームが無く、無線局Bに送信データがある場合、まず無線局Aから中継局装置RにRTSフレーム101が送信され、中継局装置Rで受信される。次に、SIFS102を置いて中継局装置Rから無線局AにCTSフレーム103が送信される。次に、無線局AはSIFS104を置いてデータフレーム105を送信し、中継局装置Rがこれを受信する。中継局装置RはSIFS106を置いて無線局A及び無線局Bに対してACKフレーム601を送信し、無線局A及び無線局Bがこれを受信する。このACKフレーム601は、上記ACKフレーム501と同様に、無線局Aに対してデータフレーム105が正常に受信されたことを示すとともに、無線局Bへの送信要求を示すための情報を含んでいる。この後、SIFS602が経過した後、無線局Bが無線局A宛のデータフレーム603を中継局装置Rに対して送信し、中継局装置Rがデータフレーム603を受信して記憶する。中継局装置Rは、SIFS604を置いて、無線局Aから受信したデータフレーム105と記憶した無線局Bから無線局A宛のデータフレーム(データフレーム603)とを排他的論理和することで生成したコーディングデータフレーム605を無線局Aと無線局Bに向けて送信する。

【0050】
図5(c)に示す中継局装置Rに無線局Bから無線局A宛のデータフレームがある場合、まず無線局Aから中継局装置RにRTSフレーム101が送信され、中継局装置Rで受信される。次に、SIFS102を置いて中継局装置Rから無線局AにCTSフレーム103が送信される。次に、無線局AはSIFS104を置いてデータフレーム105を送信し、中継局装置Rがこれを受信する。中継局装置RはSIFS106を置いて無線局A及び無線局Bに対してACKフレーム701を送信し、無線局A及び無線局Bがこれを受信する。このACKフレーム701は、上記ACKフレーム501、601と同様に、無線局Aに対してデータフレーム105が正常に受信されたことを示すとともに、無線局Bへの送信要求を示すための情報を含んでいる。この後、SIFS702が経過した後に中継局装置Rは、無線局Aから受信したデータフレーム105と記憶している無線局Bから無線局A宛のデータフレームとを排他的論理和することで生成したコーディングデータフレーム703を無線局Aと無線局Bに向けて送信する。

【0051】
このように、図5(a)、(b)及び(c)に示す場合には、IFSとしてSIFSのみを用い、DIFSなどを使用せずに、アクセス制御を行うことが可能となる。また、バックオフによるキャリアセンスは必ずしも必要ではない。また、図5(b)、(c)に示す、ネットワークコーディングによるコーディングデータフレームの送信が可能な場合には、競合区間(点線で示すブロック)を発生させずに、SIFS間隔で継続的に、制御フレームとデータフレームとコーディングデータフレームとを送受信することができる。

【0052】
また、図5(b)及び(c)に示す場合は、図3に示すコーディングデータフレーム406送信前のRTSフレーム402、CTSフレーム404に相当する制御フレームの送受信を省略することができる。これによってさらなるフレーム効率の向上が図れる。

【0053】
図6は、図5に示すフレームフローに対応する図1の中継局装置Rにおける処理フローを示すフローチャートである。この図6の処理フローは、キャリアセンス状態にある中継局装置Rで無線信号を送信し若しくは受信し又は無線信号の衝突状態を検知した場合の処理の流れを示している。中継局装置Rはデータ(DATA)を送信する場合(ステップS201で「送信」)、中継局装置Rから無線局A又はBにRTSフレームを送信する(ステップS202)。中継局装置Rは、最大所定のタイムアウト時間(Timeout)、無線局A又はBからCTSフレームが送られてくるのを待ち(ステップS203)、タイムアウト時間経過前にCTSフレームが送られてきた場合にはそれを受信する(ステップS204)。中継局装置Rは、次に、無線局A又はBにデータフレームを送信する(ステップS205)。無線局A又はBで正常に受信された場合には無線局A又はBからACKフレームが送信されるので、中継局装置Rはこれを受信する(ステップS206)。次に所定の待機時間が設定され(ステップS207)、中継局装置Rはキャリアセンス状態に戻る。

【0054】
一方、キャリアセンス状態にある中継局装置Rで無線局A又はBからRTSフレーム(図5のRTSフレーム101に対応)を受信した場合(ステップS201で「受信」からステップS208)、中継局装置Rは、SIFS(SIFS102に対応)を置いて、無線局A又はBへCTSフレーム(CTSフレーム103に対応)を送信する(ステップS209)。そして、中継局装置Rは、SIFS(SIFS104に対応)を置いて、無線局A又はBからデータフレーム(データフレーム105に対応)を受信する(ステップS210)。中継局装置Rは、正常にデータを受信した場合、SIFS(SIFS106に対応)を置いて、無線局A及びBへACKフレーム(ACKフレーム501、601又は701に対応)を送信する(ステップS211)。ここで、コーディング可能である場合、すなわちバッファA13又はB14にコーディング対象のデータが格納されていた場合(ステップS212で「Y」)、中継局装置Rは、SIFS(SIFS702に対応)を置いて、無線局A及びBへコーディングデータフレーム(コーディングデータフレーム703に対応)を送信する(ステップS213)。そして所定の待機時間が設定され(ステップS207)、中継局装置Rはキャリアセンス状態に戻る。

【0055】
一方、コーディング可能でない場合(ステップS212で「N」)に、中継局装置RがSIFS(SIFS602に対応)を置いて無線局B又はAからデータフレーム(データフレーム603に対応)を受信したときには(ステップS214で「Y」からステップS215)、中継局装置Rは、SIFS(SIFS604に対応)を置いて、無線局A及びBへコーディングデータフレーム(コーディングデータフレーム605に対応)を送信する(ステップS213)。そして所定の待機時間が設定され(ステップS207)、中継局装置Rはキャリアセンス状態に戻る。

【0056】
他方、コーディング可能でない場合(ステップS212で「N」)に、中継局装置RがSIFS(SIFS502に対応)を置いて無線局B又はAからデータフレームを受信しなかったときには(ステップS214で「N」)、所定の待機時間(待機時間503に対応)が設定され(ステップS207)、中継局装置Rはキャリアセンス状態に戻る。

【0057】
また、キャリアセンス状態で送信信号の衝突を検知した場合(ステップS201で「衝突」の場合)又はデータ送信時にRTSフレーム送信後タイムアウト時間が経過した場合(ステップS203で「Y」の場合)には、所定の待機時間が設定され(ステップS207)、中継局装置Rはキャリアセンス状態に復帰する。

【0058】
このように、中継局装置Rにおいて、図5のフレームフロー(すなわち図6のフロー)に従って無線信号を送受信する場合、コーディング可能であれば、即時に(すなわちSIFS間隔で)、コーディングデータフレームの送信を行うことが可能となる(図6のステップS208~S213の一連の処理あるいはステップS208~S212、S214、S215及び213の一連の処理)。また、図5のフレームフロー(あるいは図6のフロー)によれば、図3のフレームフロー(あるいは図4のフロー)に比べて、コーディングデータフレーム送信の際に、RTS/CTSフレーム送受信の手順を省略することができる。また、図5のフレームフロー(あるいは図6のフロー)によれば、状況に応じて即時に(すなわちSIFS間隔で)無線局A又はBへのデータ送信要求を行うことができる。

【0059】
なお、以上をまとめると、図3~図6を参照して説明したように、本実施形態は、中継局装置R、無線局A(第1の無線局)及び無線局B(第2の無線局)間で、中継局装置Rから無線局Aと無線局Bとに向けた制御フレーム(RTSフレーム402、CTSフレーム404、ACKフレーム601、ACKフレーム701)と、中継局装置Rが受信した無線局Aから無線局B宛のデータフレーム105と中継局装置Rの記憶手段(記憶装置12)内の無線局Bから無線局A宛のデータフレーム(データフレーム603に対応するもの等)とで排他的論理和の演算処理を行って生成したコーディングデータフレーム(コーディングデータフレーム406、605、703)とを少なくとも含む複数のフレームを、優先度が高い短フレーム間隔(SIFS)で継続的に(すなわちバックオフやDIFSを挟むこと無しに)送受信することを特徴とする無線通信システムである。

【0060】
次に、図7及び図8を参照して、図1に示す無線通信システムの実施形態の動作特性について説明する。なお、各図は、回線速度としてIEEE 802.11の54 Mbpsモードを用いた例である。図7は、中継局装置Rと無線局Aの間又は中継局装置Rと無線局Bの間で、データフレームの流れにどの程度の偏りが生じるかを確認した結果である。図7では、比較のため、アクセス制御方式として、CSMA/CAを用いる場合と、本実施の形態のようにRTS/CTSを用いたCSMA/CAを用いる場合との両方の特性を示している。図7の横軸は中継局装置Rで送信したデータフレームのうちで送信局Aから送信局Bへのデータフレームの割合を表し、縦軸はその度数分布を表している。実線で示すRTS/CTSを用いたときの分布は、破線で示すRTS/CTSを用いないときの分布と比べ、割合=0.5付近により集中していることがわかる。すなわち、RTS/CTSを用いることで、片方向通信になることを防ぎ(つまり双方向通信が維持され)、ネットワークコーディングが行われる機会を増大させることができることがわかる。

【0061】
一方、図8は、図3及び図5に示す本発明が特徴とするフレームフローを用いた場合と、図2に示すフレームフローを用いる場合とを比較するための特性図である。図8は、図2に示すフレームフローを用いた場合(CSMA/CAとして示した)、図3に示すフレームフローを用いた場合(RITとして示した)、及び図5に示すフレームフローを用いた場合(RIT/RHとして示した)のスループットを示した。また、各場合において、ネットワークコーディングの技術を組み合わせたとき(白抜きの矩形)と、ネットワークコーディングの技術を用いなかったとき(網掛けした矩形)を比較した。なお、RITは、Relay Immediate Transmission、RHはReduced Handshakeの略である。

【0062】
図8に示すように、RITでネットワークコーディングの技術を組み合わせた場合と、RIT/RHでネットワークコーディングの技術を組み合わせた場合は、他と比べてスループットが向上していることがわかる。

【0063】
このように、本実施形態の構成におけるRTS/CTSを用いた中継制御方式は、RTS/CTSによって片方向通信になることを防ぎ、ネットワークコーディングの機会を増大させることができる(図7から)。これによって、中継局装置RにランダムアクセスのCSMA/CAを実装したときのコーディングゲイン(コーディングの効果)を向上させることができる(図8のCSMA/CAのネットワークコーディング(NC)ありと無しから)。また、中継局装置Rから送信する中継データフレームを最優先に送信することによって、更なるコーディングゲインが期待される(図8のRITから)。また、CTSとACKの機能を一つの制御パケットで送信することによるハンドシェークの削減で、更なるコーディングゲインが得られる(図8のRIT/RH)。

【0064】
なお、本発明の実施の形態は上記に限定されず、例えば中継局装置Rや無線局A、Bの数を適宜に増やした構成とすることもできる。また、中継局装置Rや無線局A、Bは、例えば他の電子機器などに組み込まれる形で構成されていてもよい。また、アクセス制御方式は、CSMA/CAという名称に限定されず、同様の機能、すなわちフレーム間隔による優先制御とキャリア感知による衝突回避機能を備えた多重アクセス方式であれば他の付加機能を備えるようなものであっても適用可能であると考えられる。また、図2や図3に示すフレームフローにおいては、RTSフレーム、CTSフレーム、ACKフレーム等の制御フレームやSIFS等のフレーム間隔の名称についても上記に限定されず、隠れ端末問題を解決するための制御フレームや、信号送信権の要求やその可否の応答を示す情報を有するものであれば他の情報を含むフレームを用いることが可能であると考えられる。

【0065】
また、上述の中継局装置R、無線局A及び無線局Bは内部にあるいは組み合わせされる電子機器の内部に、コンピュータシステムを有して構成することができる。そして、上述したネットワークコーディングに係る処理などは、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われるようにすることができる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。

【0066】
なお、特許請求の範囲の記載と、実施形態における各フレームフローとの関係は、次の通りである。請求項1は、各フレームフローに対応する。請求項2は、図5(b)を参照して説明したフレームフローに対応する。請求項3は、図5(c)を参照して説明したフレームフローに対応する。請求項4は、図3(b)を参照して説明したフレームフローに対応する。
【符号の説明】
【0067】
R…中継局装置、A、B…無線局、12…記憶装置、13…バッファA、14…バッファB、106、401、403、405、602、604、702…SIFS、402…RTSフレーム、404…CTSフレーム、601、701…ACKフレーム、603…データフレーム、406、605、703…コーディングデータフレーム。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
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【図7】
6
【図8】
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