TOP > 国内特許検索 > メタスチン誘導体およびその用途 > 明細書

明細書 :メタスチン誘導体およびその用途

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5700641号 (P5700641)
登録日 平成27年2月27日(2015.2.27)
発行日 平成27年4月15日(2015.4.15)
発明の名称または考案の名称 メタスチン誘導体およびその用途
国際特許分類 C07K   7/06        (2006.01)
C07K   5/097       (2006.01)
A61K  38/00        (2006.01)
A61P  35/04        (2006.01)
A61P   1/18        (2006.01)
A61P  15/00        (2006.01)
A61P   3/10        (2006.01)
A61P  15/08        (2006.01)
A61P  25/28        (2006.01)
FI C07K 7/06 ZNA
C07K 5/097
A61K 37/02
A61P 35/04
A61P 1/18
A61P 15/00
A61P 3/10
A61P 15/08
A61P 25/28
請求項の数または発明の数 5
全頁数 59
出願番号 特願2010-511949 (P2010-511949)
出願日 平成21年4月28日(2009.4.28)
国際出願番号 PCT/JP2009/058409
国際公開番号 WO2009/139298
国際公開日 平成21年11月19日(2009.11.19)
優先権出願番号 2008119235
優先日 平成20年4月30日(2008.4.30)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成24年3月28日(2012.3.28)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504132272
【氏名又は名称】国立大学法人京都大学
【識別番号】000002934
【氏名又は名称】武田薬品工業株式会社
発明者または考案者 【氏名】藤井 信孝
【氏名】大石 真也
【氏名】富田 健嗣
個別代理人の代理人 【識別番号】100080791、【弁理士】、【氏名又は名称】高島 一
【識別番号】100125070、【弁理士】、【氏名又は名称】土井 京子
【識別番号】100136629、【弁理士】、【氏名又は名称】鎌田 光宜
【識別番号】100121212、【弁理士】、【氏名又は名称】田村 弥栄子
【識別番号】100122688、【弁理士】、【氏名又は名称】山本 健二
【識別番号】100117743、【弁理士】、【氏名又は名称】村田 美由紀
審査官 【審査官】鈴木 崇之
参考文献・文献 特表平03-505875(JP,A)
特表2008-506632(JP,A)
特開2004-217651(JP,A)
国際公開第2007/125619(WO,A1)
特開2013-075913(JP,A)
Biopolymers,2007年,Vol. 88, No. 2,P. 272-278
日本薬学会年会要旨集,2008年 3月 5日,Vol. 128th, No. 2,P. 95,26PE-am233
Bioorg. Med. Chem.,2006年,Vol. 14, No. 22,P. 7595-7603
J. Med. Chem.,2007年,Vol. 50, No. 14,P. 3222-3228
Bioorg. Med. Chem. Lett.,2006年,Vol. 16, No. 1,P. 134-137
Oncogene,2003年,Vol. 22,P. 4617-4626
調査した分野 C07K 1/00-7/08
CAplus/REGISTRY(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
PubMed
Thomson Innovation
特許請求の範囲 【請求項1】
式(I)
【化1】
JP0005700641B2_000028t.gif


〔式中、Z、ZおよびZはそれぞれ同一または異なって水素原子またはC1-3アルキルを、
【化2】
JP0005700641B2_000029t.gif


はそれぞれ同一または異なって-CH-,-CO-又は-CS-を、
1は(1)置換されていてもよいC6-12芳香族炭化水素基、
(2)置換されていてもよい、1ないし7個の炭素原子と、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族複素環基、
(3)置換されていてもよいC8-14芳香族縮合環基、
(4)置換されていてもよい、3ないし11個の炭素原子と、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族縮合複素環基、
(5)置換されていてもよい炭素数7以下の非芳香族性環状炭化水素基、および
(6)置換されていてもよい炭素数7以下の非芳香族性複素環基、
から成る群から選ばれる置換基で置換されていてもよいC1-4アルキルを、
2は(1)置換されていてもよい塩基性基を有し、さらに他の置換基を有していてもよいC1-8アルキル、
(2)置換されていてもよい塩基性基を有し、さらに他の置換基を有していてもよいアラルキル、
(3)置換されていてもよい塩基性基を有している炭素数7以下の非芳香族性環状炭化水素基を有し、さらに他の置換基を有していてもよいC1-4アルキル、または
(4)置換されていてもよい塩基性基を有している炭素数7以下の非芳香族性複素環基を有し、さらに他の置換基を有していてもよいC1-4アルキルを、
3は(1)置換されていてもよいC6-12芳香族炭化水素基、
(2)置換されていてもよい、1ないし7個の炭素原子と、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族複素環基、
(3)置換されていてもよいC8-14芳香族縮合環基、
(4)置換されていてもよい、3ないし11個の炭素原子と、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族縮合複素環基、
(5)置換されていてもよい炭素数7以下の非芳香族性環状炭化水素基、および
(6)置換されていてもよい炭素数7以下の非芳香族性複素環基、
から成る群から選ばれる置換基で置換されていてもよいC1-4アルキルを、
Xは
【化3】
JP0005700641B2_000030t.gif


からなる群(群(IV))より選ばれ、
Pは(1)水素原子、
(2)配列番号:67で表わされるアミノ酸配列の第1~49番目のアミノ酸配列のC末端側から任意の連続したまたは不連続に結合したアミノ酸残基、
(3)式 J1-J2-C(J3)(Q3)Y1C(J4)(Q4)Y2C(J5)(Q5)Y3C(J6)(Q6)C(=Z10)-
(式中、J1は(a)水素原子または(b)置換基を有していてもよい環基を含む置換基で置換されていてもよい、(i)C1-15アシル、(ii)C1-15アルキル、(iii)C6-14アリール、(iv)カルバモイル、(v)カルボキシル、(vi)スルフィノ、(vii)アミジノ、または(viii)グリオキシロイルを、
2は(i)C1-6アルキルで置換されていてもよいNH、(ii)C1-6アルキルで置換されていてもよいCH2、(iii)Oまたは(iv)Sを、
3~J6はそれぞれ水素原子またはC1-3アルキルを、
3~Q6はそれぞれ、
(i)置換されていてもよいC6-12芳香族炭化水素基、
(ii)置換されていてもよい、1ないし7個の炭素原子と、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族複素環基、
(iii)置換されていてもよいC8-14芳香族縮合環基、
(iv)置換されていてもよい、3ないし11個の炭素原子と、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族縮合複素環基、
(v)置換されていてもよい炭素数7以下の非芳香族性環状炭化水素基、
(vi)置換されていてもよい炭素数7以下の非芳香族性複素環基、
(vii)置換されていてもよいアミノ、
(viii)置換されていてもよいグアニジノ、
(ix)置換されていてもよいヒドロキシ、
(x)置換されていてもよいカルボキシル、
(xi)置換されていてもよいカルバモイル、および
(xii)置換されていてもよいスルフヒドリル
から成る群から選ばれる置換基を有していてもよいC1-4アルキルまたは水素原子を示し、
3とQ3、J4とQ4、J5とQ5、J6とQ6が結合することで、あるいはJ2とQ3、Y1とQ4、Y2とQ5、Y3とQ6が結合することで環を形成してもよい、
1~Y3はそれぞれ-CON(J13)-、-CSN(J13)-、-C(J14)N(J13)-または-N(J13)CO-(J13およびJ14はそれぞれ水素原子またはC1-3アルキルを示す)
で示される基を示し、
10は水素原子、OまたはSを示す)で表わされる基、
(4)式J1-J2-C(J7)(Q7)Y2C(J8)(Q8)Y3C(J9)(Q9)C(=Z10)-
(式中、J1およびJ2はそれぞれ前記と同意義を、
7~J9はJ3と同意義を、
7~Q9はQ3と同意義を、
2およびY3は前記と同意義を、
10は前記と同意義を示し、
7とQ7、J8とQ8、J9とQ9が結合することで、あるいはJ2とQ7、Y2とQ8、Y3とQ9が結合することで環を形成してもよい。)で表わされる基、
(5)式J1-J2-C(J10)(Q10)Y3C(J11)(Q11)C(=Z10)-
(式中、J1およびJ2は前記と同意義を、
10およびJ11はJ3と同意義を、
10およびQ11はQ3と同意義を、
3は前記と同意義を、
10は前記と同意義を示し、
10とQ10、J11とQ11が結合することで、あるいはJ2とQ10、Y3とQ11が結合することで環を形成してもよい。)で表わされる基、
(6)式J1-J2-C(J12)(Q12)C(=Z10)-
(式中、J1およびJ2は前記と同意義を、
12はJ3と同意義を、
12はQ3と同意義を、
10は前記と同意義を示し、
12とQ12が結合することで、あるいはJ2とQ12が結合することで環を形成してもよい。)で表わされる基、または
(7)式J1-(J1は前記と同意義を示す)で表わされる基を示す。〕で表されるメタスチン誘導体(I)またはその塩。
【請求項2】
(i)4-Fluorobenzoyl-Phe-X-Arg-Trp-NH
(ii)D-Tyr-Asn-Trp-Asn-Ser-Phe-X-Arg-Trp-NH2
(iii)3-(3-Indolyl)propionyl-Asn-Ser-Phe-X-Arg-Trp-NH2
(iv)3-Phenylpropionyl-Asn-Ser-Phe-X-Arg-Trp-NH2
(v)2-(Indol-3-yl)ethylcarbamoyl-Asn-Ser-Phe-X-Arg-Trp-NH2
(vi)D-Tyr-Asn-Pya(4)-Asn-Ser-Phe-X-Arg-Trp-NH2
(vii)TyrΨ(CH2NH)Asn-D-Trp-Asn-Ser-Phe-X-Arg-Trp-NH2
(viii)D-Tyr-D-Asn-Pya(4)-Asn-Ser-Phe-X-Arg-Trp-NH2
(ix)D-Tyr-D-Pya(4)-Asn-Ser-Phe-X-Arg-Trp-NH2
(x)3-Pyridylpropionyl-Asn-Ser-Phe-X-Arg-Trp-NH2
(xi)4-Imidazoleacetyl-Asn-Ser-Phe-X-Arg-Trp-NH2
(xii)4-Nitrobenzoyl-Phe-X-Arg-Trp-NH
(xiii)4-(Aminomethyl)benzoyl-Phe-X-Arg-Trp-NH
(xiv)Pyridine-2-carbonyl-Phe-X-Arg-Trp-NH
(xv)Benzoyl-Phe-X-Arg-Trp-NH
(xvi)4-(Bis-picolylaminomethyl)benzoyl-Phe-X-Arg-Trp-NH、または
(xvii)4-(Guanidinomethyl)benzoyl-Phe-X-Arg-Trp-NH、である請求項1記載のメタスチン誘導体(I)またはその塩。
【請求項3】
請求項1記載のメタスチン誘導体(I)またはその塩を含有してなる医薬組成物。
【請求項4】
癌転移抑制剤、癌の予防・治療剤、または癌増殖抑制剤である請求項記載の医薬組成物。
【請求項5】
膵臓機能調節剤、急性もしくは慢性膵炎または膵癌の予防・治療剤、胎盤機能調節剤、絨毛癌、胞状奇胎、侵入奇胎、流産、胎児の発育不全、糖代謝異常、脂質代謝異常または分娩誘発の予防・治療剤、性腺機能改善剤、ホルモン依存性癌、不妊症、子宮内膜症または子宮筋腫の予防・治療剤、排卵誘発または促進剤、性腺刺激ホルモン分泌促進剤または性ホルモン分泌促進剤、アルツハイマー病および軽度認知障害の予防・治療剤からなる群より選択される1種である請求項記載の医薬組成物。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、メタスチン誘導体およびその用途に関する。
【0002】
(発明の背景)
多くのホルモンや神経伝達物質は細胞膜に存在する特異的なレセプターを通じて生体の機能を調節している。これらのレセプターの多くは共役しているグアニンヌクレオチド結合性蛋白質(guanine nucleotide-binding protein、以下、G蛋白質と略称する)の活性化を通じて細胞内のシグナル伝達を行う。また、これらのレセプターは、7個の細胞膜貫通領域を有する共通した構造をもっていることから、G蛋白質共役型レセプターあるいは7回膜貫通型レセプターと総称される。
【0003】
このようなG蛋白質共役型レセプター蛋白質の一つとして、GPR54遺伝子によってコードされるヒト型レセプター蛋白質[非特許文献1]が知られている。
【0004】
また、上記のGPR54に対するリガンドとして機能する生理活性ペプチドとして、メタスチン(別名:キスペプチン)[非特許文献2]が知られている。
癌の転移は患者の余命を左右する重要な要素である。メタスチンはGPR54アゴニストとして作用することにより肺移行性GPR54発現黒色腫細胞の転移を抑制することが知られている[非特許文献2]。
また、同様にGPR54発現膵癌細胞の転移も抑制することが明らかになっている[非特許文献3]。一方で、脳内GPR54にアゴニストが作用することによりゴナドトロピン等の性ホルモンの放出が促進されること[非特許文献4]、GPR54の機能欠損が性機能低下症の原因になること[非特許文献5]が最近次々に明らかにされている。以上のようにメタスチン/GPR54系は癌転移抑制および性機能疾患の両面において非常に魅力的な創薬標的となっている。
【0005】
本発明者らは、N末端に塩基性官能基としてビス-2-ピコリルアミノ基や、グアニド基を有するペンタペプチド誘導体がGPR54アゴニストであることを見出した[非特許文献6]。さらに、N末端に4-フルオロベンゾイル基を有するリガンドが、これまでに報告されたアゴニスト活性を示す化合物の中で最も強力な生物活性を示すことを見出し、定量的構造活性相関研究によりその構造と活性の関連に関わる情報を得た[非特許文献7]。また、N末端に(i)アリール基または全体として電子吸引性の性質を有するアリール基、(ii)窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群より選択される少なくとも1種のヘテロ原子を含有する置換もしくは非置換の芳香族複素環基、または(iii)低級アルコキシ基、ヒドロキシ低級アルキル基、アミノ低級アルキル基、低級アルカノイルアミノ低級アルキル基、ヒドロキシ置換フェニルカルボニルオキシ基、アミノ基およびヒドロキシル基からなる群より選択される1~3個の電子供与性基で置換されたアリール基を有するように修飾されたペンタペプチドが優れたGPR54アゴニスト活性を有することを見出した[特許文献1]。
【0006】
一方、メタスチン関連ペプチドは、そのC末端のGly-Leuジペプチド間のペプチド結合が複数のマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)により分解を受けることが報告されており、メタスチン関連ペプチドの臨床応用を考慮に入れた場合、MMP阻害剤との併用やMMPによる分解を受けないメタスチン誘導体の利用が必要であることが示唆されている[非特許文献8]。
【先行技術文献】
【0007】

【特許文献1】WO 2007/125619
【0008】

【非特許文献1】フェブス・レターズ(FEBS Letters)第446巻、103-107頁(1999年)
【非特許文献2】ネイチャー(Nature)、第411巻、613-617頁(2001年)
【非特許文献3】バイオケミカル・アンド・バイオフィジカル・リサーチ・コミュニケーション(Biochemical and Biophysical Research Communications)、第315巻、85-92頁(2004年)
【非特許文献4】トレンズ・イン・エンドクリノロジー・アンド・メタボリズム(Trends in Endocrinology and Metabolism)第16巻、249-250頁(2005年)
【非特許文献5】ザ・ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(The New England Journal of Medicine)第349巻、1614-1627頁(2003年)
【非特許文献6】バイオオーガニック・アンド・メディシナル・ケミストリー・レターズ(Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters)、第16巻、134-137頁(2006年)
【非特許文献7】ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(Journal of Medicinal Chemistry)第50巻、3222-3228頁(2007年)
【非特許文献8】オンコジーン(Oncogene)第22巻、4617-4626頁(2003年)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、優れたGPR54アゴニスト活性を有し、血清中で分解を受けにくい化合物(メタスチン誘導体)、および該化合物を含有する医薬組成物の用途を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記課題に鑑みて鋭意検討を行った結果、血清中での分解の端緒になると想定される部位を種々のペプチドミメティクスに置き換えることによって、優れたGPR54アゴニスト活性を維持しつつ、かつ血清中で分解を受けにくいメタスチン誘導体を得ることに成功し、さらにそれらの用途を見出して本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明は、以下の化合物および該化合物を含有する医薬組成物の用途を提供する。
〔1〕 式(I)
【0012】
【化1】
JP0005700641B2_000002t.gif

【0013】
〔式中、Z、ZおよびZはそれぞれ同一または異なって水素原子またはC1-3アルキルを、Z、ZおよびZはそれぞれ同一または異なって水素原子、OまたはSを、
1は(1)置換されていてもよいC6-12芳香族炭化水素基、
(2)置換されていてもよい、1ないし7個の炭素原子と、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族複素環基、
(3)置換されていてもよいC8-14芳香族縮合環基、
(4)置換されていてもよい、3ないし11個の炭素原子と、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族縮合複素環基、
(5)置換されていてもよい炭素数7以下の非芳香族性環状炭化水素基、および
(6)置換されていてもよい炭素数7以下の非芳香族性複素環基、
から成る群から選ばれる置換基で置換されていてもよいC1-4アルキルを、
2は(1)置換されていてもよい塩基性基を有し、さらに他の置換基を有していてもよいC1-8アルキル、
(2)置換されていてもよい塩基性基を有し、さらに他の置換基を有していてもよいアラルキル、
(3)置換されていてもよい塩基性基を有している炭素数7以下の非芳香族性環状炭化水素基を有し、さらに他の置換基を有していてもよいC1-4アルキル、または
(4)置換されていてもよい塩基性基を有している炭素数7以下の非芳香族性複素環基を有し、さらに他の置換基を有していてもよいC1-4アルキルを、
3は(1)置換されていてもよいC6-12芳香族炭化水素基、
(2)置換されていてもよい、1ないし7個の炭素原子と、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族複素環基、
(3)置換されていてもよいC8-14芳香族縮合環基、
(4)置換されていてもよい、3ないし11個の炭素原子と、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族縮合複素環基、
(5)置換されていてもよい炭素数7以下の非芳香族性環状炭化水素基、および
(6)置換されていてもよい炭素数7以下の非芳香族性複素環基、
から成る群から選ばれる置換基で置換されていてもよいC1-4アルキルを、
Xは式(II)
【0014】
【化2】
JP0005700641B2_000003t.gif

【0015】
(式中、na~ndは同一または異なって0~2の整数であり(但しna、nb、ncおよびndの合計は0~2である)、Xa~XdおよびXa~Xdは同一または異なって水素原子、ヒドロキシ、ハロゲン原子、置換されていても良い低級アルキル基を表す。Zは、水素原子、置換されていてもよい炭化水素基を表す。R~R11は同一または異なって、水素原子、ヒドロキシ、ハロゲン原子、置換されていても良い低級アルキルを表す。また、RとRが一緒になって結合を形成しても良く、RとR10が一緒になって結合を形成しても良い。)で表される基を、
Pは(1)水素原子、
(2)配列番号:67で表わされるアミノ酸配列の第1~49番目のアミノ酸配列のC末端側から任意の連続したまたは不連続に結合したアミノ酸残基、
(3)式J1-J2-C(J3)(Q3)Y1C(J4)(Q4)Y2C(J5)(Q5)Y3C(J6)(Q6)C(=Z10)-
(式中、J1は(a)水素原子または(b)置換基を有していてもよい環基を含む置換基で置換されていてもよい、(i)C1-15アシル、(ii)C1-15アルキル、(iii)C6-14アリール、(iv)カルバモイル、(v)カルボキシル、(vi)スルフィノ、(vii)アミジノ、または(viii)グリオキシロイルを、
2は(i)C1-6アルキルで置換されていてもよいNH、(ii)C1-6アルキルで置換されていてもよいCH2、(iii)Oまたは(iv)Sを、
3~J6はそれぞれ水素原子またはC1-3アルキルを、
3~Q6はそれぞれ、
(i)置換されていてもよいC6-12芳香族炭化水素基、
(ii)置換されていてもよい、1ないし7個の炭素原子と、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族複素環基、
(iii)置換されていてもよいC8-14芳香族縮合環基、
(iv)置換されていてもよい、3ないし11個の炭素原子と、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族縮合複素環基、
(v)置換されていてもよい炭素数7以下の非芳香族性環状炭化水素基、
(vi)置換されていてもよい炭素数7以下の非芳香族性複素環基、
(vii)置換されていてもよいアミノ、
(viii)置換されていてもよいグアニジノ、
(ix)置換されていてもよいヒドロキシ、
(x)置換されていてもよいカルボキシル、
(xi)置換されていてもよいカルバモイル、および
(xii)置換されていてもよいスルフヒドリル
から成る群から選ばれる置換基を有していてもよいC1-4アルキルまたは水素原子を示し、
3とQ3、J4とQ4、J5とQ5、J6とQ6が結合することで、あるいはJ2とQ3、Y1とQ4、Y2とQ5、Y3とQ6が結合することで環を形成してもよい、
1~Y3はそれぞれ-CON(J13)-、-CSN(J13)-、-C(J14)N(J13)-または-N(J13)CO-(J13およびJ14はそれぞれ水素原子またはC1-3アルキルを示す)で示される基を示し、
10は水素原子、OまたはSを示す)で表わされる基、
(4)式J1-J2-C(J7)(Q7)Y2C(J8)(Q8)Y3C(J9)(Q9)C(=Z10)-
(式中、J1およびJ2はそれぞれ前記と同意義を、
7~J9はJ3と同意義を、
7~Q9はQ3と同意義を、
2およびY3は前記と同意義を、
10は前記と同意義を示し、
7とQ7、J8とQ8、J9とQ9が結合することで、あるいはJ2とQ7、Y2とQ8、Y3とQ9が結合することで環を形成してもよい。)で表わされる基、
(5)式J1-J2-C(J10)(Q10)Y3C(J11)(Q11)C(=Z10)-
(式中、J1およびJ2は前記と同意義を、
10およびJ11はJ3と同意義を、
10およびQ11はQ3と同意義を、
3は前記と同意義を、
10は前記と同意義を示し、
10とQ10、J11とQ11が結合することで、あるいはJ2とQ10、Y3とQ11が結合することで環を形成してもよい。)で表わされる基、
(6)式J1-J2-C(J12)(Q12)C(=Z10)-
(式中、J1およびJ2は前記と同意義を、
12はJ3と同意義を、
12はQ3と同意義を、
10は前記と同意義を示し、
12とQ12が結合することで、あるいはJ2とQ12が結合することで環を形成してもよい。)で表わされる基、または
(7)式J1-(J1は前記と同意義を示す)で表わされる基を示す。〕で表されるメタスチン誘導体(I)またはその塩。
〔2〕 (i)4-Fluorobenzoyl-Phe-X-Arg-Trp-NH
(ii)D-Tyr-Asn-Trp-Asn-Ser-Phe-X-Arg-Trp-NH2
(iii)3-(3-Indolyl)propionyl-Asn-Ser-Phe-X-Arg-Trp-NH2
(iv)3-Phenylpropionyl-Asn-Ser-Phe-X-Arg-Trp-NH2
(v)2-(Indol-3-yl)ethylcarbamoyl-Asn-Ser-Phe-X-Arg-Trp-NH2
(vi)D-Tyr-Asn-Pya(4)-Asn-Ser-Phe-X-Arg-Trp-NH2
(vii)TyrΨ(CH2NH)Asn-D-Trp-Asn-Ser-Phe-X-Arg-Trp-NH2
(viii)D-Tyr-D-Asn-Pya(4)-Asn-Ser-Phe-X-Arg-Trp-NH2
(ix)D-Tyr-D-Pya(4)-Asn-Ser-Phe-X-Arg-Trp-NH2
(x)3-Pyridylpropionyl-Asn-Ser-Phe-X-Arg-Trp-NH2
(xi)4-Imidazoleacetyl-Asn-Ser-Phe-X-Arg-Trp-NH2
(xii)4-Nitrobenzoyl-Phe-X-Arg-Trp-NH
(xiii)4-(Aminomethyl)benzoyl-Phe-X-Arg-Trp-NH
(xiv)Pyridine-2-carbonyl-Phe-X-Arg-Trp-NH
(xv)Benzoyl-Phe-X-Arg-Trp-NH
(xvi)4-(Bis-picolylaminomethyl)benzoyl-Phe-X-Arg-Trp-NH、または
(xvii)4-(Guanidinomethyl)benzoyl-Phe-X-Arg-Trp-NH
である〔1〕記載のメタスチン誘導体(I)またはその塩。
〔3〕 Xが式(III)
【0016】
【化3】
JP0005700641B2_000004t.gif

【0017】
(式中、R~R11は同一または異なって、水素原子、ヒドロキシ、ハロゲン原子、置換されていても良い低級アルキルを表す。また、RとRが一緒になって結合を形成しても良く、RとR10が一緒になって結合を形成しても良い。)である、〔1〕記載のメタスチン誘導体(I)またはその塩。
〔4〕 Xが
【0018】
【化4】
JP0005700641B2_000005t.gif

【0019】
からなる群(群(IV))より選ばれる、〔1〕記載のメタスチン誘導体(I)またはその塩。
〔5〕 〔1〕記載のメタスチン誘導体(I)またはその塩のプロドラッグ。
〔6〕 〔1〕記載のメタスチン誘導体(I)またはその塩あるいはそのプロドラッグを含有してなる医薬組成物。
〔7〕 癌転移抑制剤、癌の予防・治療剤、または癌増殖抑制剤である、〔6〕記載の医薬組成物。
〔8〕 膵臓機能調節剤、急性もしくは慢性膵炎または膵癌の予防・治療剤、胎盤機能調節剤、絨毛癌、胞状奇胎、侵入奇胎、流産、胎児の発育不全、糖代謝異常、脂質代謝異常または分娩誘発の予防・治療剤、性腺機能改善剤、ホルモン依存性癌、不妊症、子宮内膜症または子宮筋腫の予防・治療剤、排卵誘発または促進剤、性腺刺激ホルモン分泌促進剤または性ホルモン分泌促進剤、アルツハイマー病および軽度認知障害の予防・治療剤からなる群より選択される1種である、〔6〕記載の医薬組成物。
〔9〕 〔1〕記載のメタスチン誘導体(I)またはその塩を有効成分とし、その有効量が投与対象に投与されることを含む、癌転移抑制方法、癌の予防・治療方法、または癌増殖抑制方法。
〔10〕〔1〕記載のメタスチン誘導体(I)またはその塩を有効成分とし、その有効量が投与対象に投与されることを含む、膵臓機能調節方法、急性もしくは慢性膵炎または膵癌の予防・治療方法、胎盤機能調節方法、絨毛癌、胞状奇胎、侵入奇胎、流産、胎児の発育不全、糖代謝異常、脂質代謝異常または分娩誘発の予防・治療方法、性腺機能改善方法、ホルモン依存性癌、不妊症、子宮内膜症または子宮筋腫の予防・治療方法、排卵誘発または促進方法、性腺刺激ホルモン分泌促進方法または性ホルモン分泌促進方法、あるいはアルツハイマー病および軽度認知障害の予防・治療方法。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、優れたGPR54アゴニスト活性を有し、血清中で分解を受けにくい化合物、ならびに該化合物を含有する医薬組成物を提供することができる。
【0021】
本明細書に記載されるペプチドは、ペプチド標記の慣例に従って左端がN末端(アミノ末端)、右端がC末端(カルボキシル末端)である。
【0022】
1.GPR54アゴニスト活性を有する化合物
本発明の化合物は、下記一般式(I)によって表される。
【0023】
【化5】
JP0005700641B2_000006t.gif

【0024】
~Zに関して
、ZおよびZはそれぞれ同一または異なって水素原子またはC1-3アルキルを、Z、ZおよびZはそれぞれ同一または異なって水素原子、OまたはSを示す。「C1-3アルキル」としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルが用いられる。Z~Zの組合せとしては、Zが水素原子で、Zが水素原子で、Zが水素原子またはC1-3アルキルで、Z、ZおよびZがそれぞれOまたはSである場合が好ましい。Z~Zのより好ましい組合せとしては、(a)Zが水素原子、Zが水素原子、Zが水素原子、ZがO、ZがO、ZがOである場合、(b)Zが水素原子、Zが水素原子、Zが水素原子、ZがO、ZがO、ZがSである場合、(c)Zが水素原子、Zが水素原子、Zがメチル、ZがO、ZがO、ZがOである場合等が挙げられる。なかでも(a)と(b)の場合が好ましい。
【0025】
が水素原子であるとは、
【0026】
【化6】
JP0005700641B2_000007t.gif

【0027】
が-CH-であることを意図する。同様に、Zが水素原子であるとは、
【0028】
【化7】
JP0005700641B2_000008t.gif

【0029】
が-CH-であることを意図し、Zが水素原子であるとは、
【0030】
【化8】
JP0005700641B2_000009t.gif

【0031】
が-CH-であることを意図する。
【0032】
に関して
は、(1)置換されていてもよいC6-12芳香族炭化水素基、
(2)置換されていてもよい、1ないし7個の炭素原子と、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族複素環基、
(3)置換されていてもよいC8-14芳香族縮合環基、
(4)置換されていてもよい、3ないし11個の炭素原子と、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族縮合複素環基、
(5)置換されていてもよい炭素数7以下の非芳香族性環状炭化水素基、および
(6)置換されていてもよい炭素数7以下の非芳香族性複素環基、
から成る群から選ばれる置換基で置換されていてもよいC1-4アルキルを示す。
【0033】
「C1-4アルキル」としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル等が用いられる。
「C6-12芳香族炭化水素基」としては、例えば、フェニル、シクロオクタテトラエニル等の単環式のC6-12芳香族炭化水素基等が用いられる。
「1ないし7個の炭素原子と、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族複素環基」としては、例えば、1ないし7個の炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1または2種、1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし14員、好ましくは5ないし10員、より好ましくは5または6員の単環式の芳香族複素環基が用いられる。具体的には、例えばチエニル(例、2-チエニル、3-チエニル)、フリル(例、2-フリル、3-フリル)、ピリジル(例、2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジル)、チアゾリル(例、2-チアゾリル、4-チアゾリル、5-チアゾリル)、オキサゾリル(例、2-オキサゾリル、4-オキサゾリル)、ピラジニル、ピリミジニル(例、2-ピリミジニル、4-ピリミジニル)、ピロリル(例、1-ピロリル、2-ピロリル、3-ピロリル)、イミダゾリル(例、1-イミダゾリル、2-イミダゾリル、4-イミダゾリル)、ピラゾリル(例、1-ピラゾリル、3-ピラゾリル、4-ピラゾリル)、ピリダジニル(例、3-ピリダジニル、4-ピリダジニル)、イソチアゾリル(例、3-イソチアゾリル)、イソオキサゾリル(例、3-イソオキサゾリル)等が用いられる。
「C8-14芳香族縮合環基」としては、例えば、ナフチル(例、1-ナフチル、2-ナフチル)、アンスリル(例、2-アンスリル、9-アンスリル)等が用いられる。
「3ないし11個の炭素原子と、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族縮合複素環基」としては、例えば、3ないし11個の炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1または2種、1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし14員(好ましくは5ないし10員)の2環または3環式の芳香族複素環基、または炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1または2種、1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし14員(好ましくは5ないし10員)の7ないし10員芳香族複素架橋環から任意の1個の水素原子を除いてできる1価の基が用いられる。具体的には、例えばキノリル(例、2-キノリル、3-キノリル、4-キノリル、5-キノリル、8-キノリル)、イソキノリル(例、1-イソキノリル、3-イソキノリル、4-イソキノリル、5-イソキノリル)、インドリル(例、1-インドリル、2-インドリル、3-インドリル)、2-ベンゾチアゾリル、ベンゾ[b]チエニル、(例、2-ベンゾ[b]チエニル、3-ベンゾ[b]チエニル)、ベンゾ[b]フラニル(例、2-ベンゾ[b]フラニル、3-ベンゾ[b]フラニル)等が用いられる。
「炭素数7以下の非芳香族性環状炭化水素基」としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等のC3-7シクロアルキル基等が用いられる。
「炭素数7以下の非芳香族性複素環基」としては、ピロリジニル(例、1-ピロリジニル、2-ピロリジニル、3-ピロリジニル)、オキサゾリジニル(例、2-オキサゾリジニル)、イミダゾリニル(例、1-イミダゾリニル、2-イミダゾリニル、4-イミダゾリニル)、ピペリジニル(例、1-ピペリジニル、2-ピペリジニル、3-ピペリジニル、4-ピペリジニル)、ピペラジニル(例、1-ピペラジニル、2-ピペラジニル)、モルホリノ、チオモルホリノ等の1ないし7個の炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1または2種、1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし10員の非芳香族性複素環基等が用いられる。
【0034】
これら「C6-12芳香族炭化水素基」、「1ないし7個の炭素原子と窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族複素環基」、「C8-14芳香族縮合環基」、「3ないし11個の炭素原子と窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族縮合複素環基」、「炭素数7以下の非芳香族性環状炭化水素基」および「炭素数7以下の非芳香族性複素環基」の置換基としては、例えば、
(1)オキソ、
(2)ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)、
(3)C1-3アルキレンジオキシ(例、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ等)、
(4)ニトロ、
(5)シアノ、
(6)置換されていてもよいC1-6アルキル、
(7)置換されていてもよいC2-6アルケニル、
(8)置換されていてもよいC2-6アルキニル、
(9)置換されていてもよいC3-8シクロアルキル、
(10)置換されていてもよいC6-14アリール、
(11)置換されていてもよいC7-16アラルキル、
(12)置換されていてもよいC1-6アルコキシ、
(13)ヒドロキシ、
(14)置換されていてもよいC6-14アリールオキシ、
(15)置換されていてもよいC7-16アラルキルオキシ、
(16)メルカプト、
(17)置換されていてもよいC1-6アルキルチオ、
(18)置換されていてもよいC6-14アリールチオ、
(19)置換されていてもよいC7-16アラルキルチオ、
(20)置換されていてもよいアミノ[アミノ、置換されていてもよいモノまたはジ-C1-6アルキル-アミノ(例、メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ等)、置換されていてもよいモノまたはジ-C2-6アルケニル-アミノ(例、ビニルアミノ、プロペニルアミノ、イソプロペニルアミノ)、置換されていてもよいC2-6アルキニル-アミノ(例、2-ブチン-1-イル-アミノ、4-ペンチン-1-イル-アミノ、5-へキシン-1-イル-アミノ)、置換されていてもよいモノまたはジ-C3-8シクロアルキル-アミノ(例、シクロプロピルアミノ、シクロヘキシルアミノ)、置換されていてもよいC6-14アリール-アミノ(例、フェニルアミノ、ジフェニルアミノ、ナフチルアミノ)、置換されていてもよいC1-6アルコキシ-アミノ(例、メトキシアミノ、エトキシアミノ、プロポキシアミノ、イソプロポキシアミノ)、ホルミルアミノ、置換されていてもよいC1-6アルキル-カルボニルアミノ(例、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ピバロイルアミノ等)、置換されていてもよいC3-8シクロアルキル-カルボニルアミノ(例、シクロプロピルカルボニルアミノ、シクロペンチルカルボニルアミノ、シクロヘキシルカルボニルアミノ等)、置換されていてもよいC6-14アリール-カルボニルアミノ(例、ベンゾイルアミノ、ナフトイルアミノ等)、置換されていてもよいC1-6アルコキシ-カルボニルアミノ(例、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、プロポキシカルボニルアミノ、ブトキシカルボニルアミノ等)、置換されていてもよいC1-6アルキルスルホニルアミノ(例、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ等)、置換されていてもよいC6-14アリールスルホニルアミノ(例、フェニルスルホニルアミノ、2-ナフチルスルホニルアミノ、1-ナフチルスルホニルアミノ等)]、
(21)ホルミル、
(22)カルボキシ、
(23)置換されていてもよいC1-6アルキル-カルボニル(例、アセチル、プロピオニル、ピバロイル等)、
(24)置換されていてもよいC3-8シクロアルキル-カルボニル(例、シクロプロピルカルボニル、シクロペンチルカルボニル、シクロヘキシルカルボニル、1-メチル-シクロヘキシル-カルボニル等)、
(25)置換されていてもよいC6-14アリール-カルボニル(例、ベンゾイル、1-ナフトイル、2-ナフトイル等)、
(26)置換されていてもよいC7-16アラルキル-カルボニル(例、フェニルアセチル、3-フェニルプロピオニル等)、
(27)置換されていてもよい、炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1または2種、1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし7員複素環カルボニル(例、ニコチノイル、イソニコチノイル、テノイル、フロイル、モルホリノカルボニル、チオモルホリノカルボニル、ピペラジン-1-イルカルボニル、ピロリジン-1-イルカルボニル等)、
(28)エステル化されていてもよいカルボキシル、
(29)置換されていてもよいカルバモイル、
(30)置換されていてもよいC1-6アルキルスルホニル(例、メチルスルホニル、エチルスルホニル等)、
(31)置換されていてもよいC1-6アルキルスルフィニル(例、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル等)、
(32)置換されていてもよいC6-14アリールスルホニル(例、フェニルスルホニル、1-ナフチルスルホニル、2-ナフチルスルホニル等)、
(33)置換されていてもよいC6-14アリールスルフィニル(例、フェニルスルフィニル、1-ナフチルスルフィニル、2-ナフチルスルフィニル等)、
(34)置換されていてもよいC1-6アルキル-カルボニルオキシ(例、アセトキシ、プロピオニルオキシ等)、
(35)置換されていてもよいC6-14アリール-カルボニルオキシ(例、ベンゾイルオキシ、ナフチルカルボニルオキシ等)、
(36)置換されていてもよいC1-6アルコキシ-カルボニルオキシ(例、メトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、プロポキシカルボニルオキシ、ブトキシカルボニルオキシ等)、
(37)置換されていてもよいモノ-C1-6アルキルカルバモイルオキシ(例、メチルカルバモイルオキシ、エチルカルバモイルオキシ等)、
(38)置換されていてもよいジ-C1-6アルキルカルバモイルオキシ(例、ジメチルカルバモイルオキシ、ジエチルカルバモイルオキシ等)、
(39)置換されていてもよいモノ-またはジ-C6-14アリールカルバモイルオキシ(例、フェニルカルバモイルオキシ、ナフチルカルバモイルオキシ等)、
(40)置換されていてもよい複素環基、
(41)スルホ、
(42)スルファモイル、
(43)スルフィナモイル、
(44)スルフェナモイル、
(45)またはこれらの置換基が2個以上(例、2~3個)結合した基等から選ばれる置換基(本明細書中、置換基A群とも称する。本明細書の各基の定義は特に断りのない限り置換基A群の各置換基について言及されたもの(前述および後述)と同義である。)
が用いられる。置換基の数は特に限定されないが、置換可能な位置に1ないし5個、好ましくは1ないし3個有していてもよく、置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一または異なっていてもよい。
【0035】
置換基A群の「エステル化されていてもよいカルボキシル」としては、例えば置換されていてもよいC1-6アルコキシ-カルボニル(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル等)、置換されていてもよいC6-14アリールオキシ-カルボニル(例、フェノキシカルボニル等)、置換されていてもよいC7-16アラルキルオキシ-カルボニル(例、ベンジルオキシカルボニル、フェネチルオキシカルボニル等)等が用いられる。
置換基A群の「置換されていてもよいC1-6アルキル」の「C1-6アルキル」としては、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル等が用いられる。
置換基A群の「置換されていてもよいC2-6アルケニル」の「C2-6アルケニル」としては、例えばビニル、プロペニル、イソプロペニル、2-ブテン-1-イル、4-ペンテン-1-イル、5-へキセン-1-イル等が用いられる。
置換基A群の「置換されていてもよいC2-6アルキニル」の「C2-6アルキニル」としては、例えば2-ブチン-1-イル、4-ペンチン-1-イル、5-へキシン-1-イル等が用いられる。
置換基A群の「置換されていてもよいC3-8シクロアルキル」の「C3-8シクロアルキル」としては、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等が用いられる。
置換基A群の「置換されていてもよいC6-14アリール」の「C6-14アリール」としては、例えばフェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、2-ビフェニリル、3-ビフェニリル、4-ビフェニリル、2-アンスリル等が用いられる。
置換基A群の「置換されていてもよいC7-16アラルキル」の「C7-16アラルキル」としては、ベンジル、フェネチル、ジフェニルメチル、1-ナフチルメチル、2-ナフチルメチル、2,2-ジフェニルエチル、3-フェニルプロピル、4-フェニルブチル、5-フェニルペンチル、2-ビフェニリルメチル、3-ビフェニリルメチル、4-ビフェニリルメチル)等が用いられる。
置換基A群の「置換されていてもよいC1-6アルコキシ」の「C1-6アルコキシ」としては、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等が用いられる。
置換基A群の「置換されていてもよいC6-14アリールオキシ」の「C6-14アリールオキシ」としては、例えば、フェニルオキシ、1-ナフチルオキシ、2-ナフチルオキシ等が用いられる。
置換基A群の「置換されていてもよいC7-16アラルキルオキシ」の「C7-16アラルキルオキシ」としては、例えば、ベンジルオキシ、フェネチルオキシ等が用いられる。
置換基A群の「置換されていてもよいC1-6アルキルチオ」の「C1-6アルキルチオ」としては、例えばメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、sec-ブチルチオ、tert-ブチルチオ等が用いられる。
置換基A群の「置換されていてもよいC6-14アリールチオ」の「C6-14アリールチオ」としては、例えばフェニルチオ、1-ナフチルチオ、2-ナフチルチオ等が用いられる。
置換基A群の「置換されていてもよいC7-16アラルキルチオ」の「C7-16アラルキルチオ」としては、例えばベンジルチオ、フェネチルチオ等が用いられる。
【0036】
置換基A群の「C1-6アルコキシ-カルボニル」、「C1-6アルキル基」、「C2-6アルケニル」、「C2-6アルキニル」、「C1-6アルコキシ」、「C1-6アルキルチオ」、「C1-6アルキル-アミノ」、「C2-6アルケニル-アミノ」、「C2-6アルキニル-アミノ」、「C1-6アルコキシ-アミノ」、「C1-6アルキル-カルボニル」、「C1-6アルキルスルホニル」、「C1-6アルキルスルフィニル」、「C1-6アルキル-カルボニルアミノ」、「C1-6アルコキシ-カルボニルアミノ」、「C1-6アルキルスルホニルアミノ」、「C1-6アルキル-カルボニルオキシ」、「C1-6アルコキシ-カルボニルオキシ」、「モノ-C1-6アルキルカルバモイルオキシ」、「ジ-C1-6アルキルカルバモイルオキシ」の置換基としては、例えばハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、モノ-またはジ-C1-6アルキルアミノ、モノ-またはジ-C6-14アリールアミノ、C3-8シクロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6アルコキシ-カルボニル、C1-6アルキルチオ、C1-6アルキルスルフィニル、C1-6アルキルスルホニル、上記したエステル化されていてもよいカルボキシル、カルバモイル、チオカルバモイル、モノ-C1-6アルキルカルバモイル(例、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル等)、ジ-C1-6アルキルカルバモイル(例、ジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、エチルメチルカルバモイル等)、モノ-またはジ-C6-14アリールカルバモイル(例、フェニルカルバモイル、1-ナフチルカルバモイル、2-ナフチルカルバモイル等)、炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1または2種、1ないし4個のヘテロ原子を含むモノ-またはジ-5ないし7員複素環カルバモイル(例、2-ピリジルカルバモイル、3-ピリジルカルバモイル、4-ピリジルカルバモイル、2-チエニルカルバモイル、3-チエニルカルバモイル等)等から選ばれる1ないし5個の置換基が用いられる。
【0037】
置換基A群の「C6-14アリールオキシ-カルボニル」、「C7-16アラルキルオキシ-カルボニル」、「C3-8シクロアルキル」、「C6-14アリール」、「C7-16アラルキル」、「C6-14アリールオキシ」、「C7-16アラルキルオキシ」、「C6-14アリールチオ」、「C7-16アラルキルチオ」、「C3-8シクロアルキル-アミノ」、「C6-14アリール-アミノ」、「C3-8シクロアルキル-カルボニル」、「C6-14アリール-カルボニル」、「C7-16アラルキル-カルボニル」、「炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1または2種、1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし7員複素環カルボニル」、「C6-14アリールスルホニル」、「C6-14アリールスルフィニル」、「C3-8シクロアルキル-カルボニルアミノ」、「C6-14アリール-カルボニルアミノ」、「C6-14アリールスルホニルアミノ」、「C6-14アリール-カルボニルオキシ」、「モノ-またはジ-C6-14アリールカルバモイルオキシ」の置換基としては、例えばハロゲン原子、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、シアノ、上記した置換されていてもよいC1-6アルキル、上記した置換されていてもよいC2-6アルケニル、上記した置換されていてもよいC2-6アルキニル、上記した置換されていてもよいC3-8シクロアルキル、上記した置換されていてもよいC1-6アルコキシ、上記した置換されていてもよいC1-6アルキルチオ、上記した置換されていてもよいC1-6アルキルスルフィニル、上記した置換されていてもよいC1-6アルキルスルホニル、上記したエステル化されていてもよいカルボキシル、カルバモイル、チオカルバモイル、モノ-C1-6アルキルカルバモイル、ジ-C1-6アルキルカルバモイル、モノ-またはジ-C6-14アリールカルバモイル、炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1または2種、1ないし4個のヘテロ原子を含むモノ-またはジ-5ないし7員複素環カルバモイル等から選ばれる1ないし5個の置換基が用いられる。
置換基A群の「置換されていてもよい複素環基」としては、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、シアノ、上記した置換されていてもよいC1-6アルキル、上記した置換されていてもよいC2-6アルケニル、上記した置換されていてもよいC2-6アルキニル、上記した置換されていてもよいC3-8シクロアルキル、上記した置換されていてもよいC6-14アリール、上記した置換されていてもよいC1-6アルコキシ、上記した置換されていてもよいC1-6アルキルチオ、上記した置換されていてもよいC6-14アリールチオ、上記した置換されていてもよいC7-16アラルキルチオ、上記した置換されていてもよいC1-6アルキルスルフィニル、上記した置換されていてもよいC6-14アリールスルフィニル、上記した置換されていてもよいC1-6アルキルスルホニル、上記した置換されていてもよいC6-14アリールスルホニル、上記したエステル化されていてもよいカルボキシル、カルバモイル、チオカルバモイル、モノ-C1-6アルキルカルバモイル、ジ-低級アルキルカルバモイル、モノ-またはジ-C6-14アリールカルバモイル、炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1または2種、1ないし4個のヘテロ原子を含むモノ-またはジ-5ないし7員複素環カルバモイル等で置換されていてもよい、炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1または2種、1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし14員(単環、2環または3環式)複素環基、好ましくは(i)5ないし14員(好ましくは5ないし10員)芳香族複素環基、(ii)5ないし10員非芳香族複素環基または(iii)7ないし10員複素架橋環から任意の1個の水素原子を除いてできる1価の基等が用いられ、なかでも5員芳香族複素環基が好ましく用いられる。具体的には、例えばチエニル(例、2-チエニル、3-チエニル)、フリル(例、2-フリル、3-フリル)、ピリジル(例、2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジル)、チアゾリル(例、2-チアゾリル、4-チアゾリル、5-チアゾリル)、オキサゾリル(例、2-オキサゾリル、4-オキサゾリル)、キノリル(例、2-キノリル、3-キノリル、4-キノリル、5-キノリル、8-キノリル)、イソキノリル(例、1-イソキノリル、3-イソキノリル、4-イソキノリル、5-イソキノリル)、ピラジニル、ピリミジニル(例、2-ピリミジニル、4-ピリミジニル)、ピロリル(例、1-ピロリル、2-ピロリル、3-ピロリル)、イミダゾリル(例、1-イミダゾリル、2-イミダゾリル、4-イミダゾリル)、ピラゾリル(例、1-ピラゾリル、3-ピラゾリル、4-ピラゾリル)、ピリダジニル(例、3-ピリダジニル、4-ピリダジニル)、イソチアゾリル(例、3-イソチアゾリル)、イソオキサゾリル(例、3-イソオキサゾリル)、インドリル(例、1-インドリル、2-インドリル、3-インドリル)、2-ベンゾチアゾリル、ベンゾ[b]チエニル、(例、2-ベンゾ[b]チエニル、3-ベンゾ[b]チエニル)、ベンゾ[b]フラニル(例、2-ベンゾ[b]フラニル、3-ベンゾ[b]フラニル)等の芳香族複素環基、例えばピロリジニル(例、1-ピロリジニル、2-ピロリジニル、3-ピロリジニル)、オキサゾリジニル(例、2-オキサゾリジニル)、イミダゾリニル(例、1-イミダゾリニル、2-イミダゾリニル、4-イミダゾリニル)、ピペリジニル(例、1-ピペリジニル、2-ピペリジニル、3-ピペリジニル、4-ピペリジニル)、ピペラジニル(例、1-ピペラジニル、2-ピペラジニル)、モルホリノ、チオモルホリノ等の非芳香族複素環基等が用いられる。
【0038】
置換基A群の「置換されていてもよいカルバモイル」としては、上記した置換されていてもよいC1-6アルキル、置換されていてもよいC2-6アルケニル、置換されていてもよいC2-6アルキニル、置換されていてもよいC3-8シクロアルキル、置換されていてもよいC6-14アリール、置換されていてもよい複素環基等で置換されていてもよいカルバモイルが用いられる。具体的には、例えばカルバモイル、チオカルバモイル、モノ-C1-6アルキルカルバモイル(例、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル等)、ジ-C1-6アルキルカルバモイル(例、ジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、エチルメチルカルバモイル等)、C1-6アルキル(C1-6アルコキシ)カルバモイル(例、メチル(メトキシ)カルバモイル、エチル(メトキシ)カルバモイル)、モノ-またはジ-C6-14アリールカルバモイル(例、フェニルカルバモイル、1-ナフチルカルバモイル、2-ナフチルカルバモイル等)、炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1または2種、1ないし4個のヘテロ原子を含むモノ-またはジ-5ないし7員複素環カルバモイル(例、2-ピリジルカルバモイル、3-ピリジルカルバモイル、4-ピリジルカルバモイル、2-チエニルカルバモイル、3-チエニルカルバモイル等)、5ないし7員の環状カルバモイル(例、1-ピロリジニルカルボニル、1-ピペリジニルカルボニル、ヘキサメチレンイミノカルボニル)等が用いられる。
置換基A群の「置換されていてもよいアミノ」としては、上記した置換されていてもよいC1-6アルキル、上記した置換されていてもよいC2-6アルケニル、上記した置換されていてもよいC2-6アルキニル、上記した置換されていてもよいC3-8シクロアルキル、上記した置換されていてもよいC6-14アリール、上記した置換されていてもよいC1-6アルコキシ、ホルミル、上記した置換されていてもよいC1-6アルキル-カルボニル、上記した置換されていてもよいC3-8シクロアルキル-カルボニル、上記した置換されていてもよいC6-14アリール-カルボニル、上記した置換されていてもよいC1-6アルコキシ-カルボニル、上記した置換されていてもよいC1-6アルキルスルホニル、置換されていてもよいC6-14アリールスルホニル)等から選ばれる1または2個の基で置換されていてもよいアミノが用いられる。
より好ましくは、「C6-12芳香族炭化水素基」、「1ないし7個の炭素原子と窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族複素環基」、「C8-14芳香族縮合環基」、「3ないし11個の炭素原子と窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族縮合複素環基」、「炭素数7以下の非芳香族性環状炭化水素基」および「炭素数7以下の非芳香族性複素環基」の置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシ、C1-6アルコキシ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ、アミノ、ニトロ、シアノ等が好ましい。
【0039】
1としては
(1)ベンジル、2-フルオロベンジル、3-フルオロベンジル、4-フルオロベンジル、4-クロロベンジル、3,4-ジフルオロベンジル、3,4-ジクロロベンジル、ペンタフルオロベンジル、4-ヒドロキシベンジル、4-メトキシベンジル、4-トリフルオロメチルベンジル、4-アミノベンジル、4-ニトロベンジル、4-シアノベンジル、フェネチル等の「置換されていてもよいC6-12芳香族炭化水素基を有しているC1-4アルキル」、
(2)2-ピリジルメチル、3-ピリジルメチル、4-ピリジルメチル、2-チエニルメチル、3-チエニルメチル、4-チアゾリルメチル等の「置換されていてもよい、1ないし7個の炭素原子と、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族複素環基を有しているC1-4アルキル」、
(3)1-ナフチルメチル、2-ナフチルメチル、インデン-2-イルメチル等の「置換されていてもよいC8-14芳香族縮合環基を有しているC1-4アルキル」、
(4)3-インドールメチル、1-ホルミルインドール-3-イルメチル、3-ベンゾ[b]チエニルメチル、2-キノリルメチル等の「置換されていてもよい、3ないし11個の炭素原子と、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族縮合複素環基を有するC1-4アルキル」、
(5)シクロヘキシルメチル、シクロペンチルメチル、インダン-2-イルメチル等の「置換されていてもよい炭素数7以下の非芳香族性環状炭化水素基を有するC1-4アルキル」、
(6)4-ピペリジニルメチル、テトラヒドロフルフリル、テトラヒドロフラン-2-イル、テトラヒドロピラン-3-イル、インドリン-3-イル等の「置換されていてもよい炭素数7以下の非芳香族性複素環基を有するC1-4アルキル」等が用いられ、なかでもシクロヘキシルメチル、ベンジル、4-フルオロベンジル、4-ヒドロキシベンジル、ペンタフルオロベンジル、2-ピリジルメチル、4-ピリジルメチル、1-ナフチルメチル、2-ナフチルメチル等が好ましく、特にベンジル、4-フルオロベンジル、シクロヘキシルメチル等が好ましい。
【0040】
に関して
は、(1)置換されていてもよい塩基性基を有し、さらに他の置換基を有していてもよいC1-8アルキル、
(2)置換されていてもよい塩基性基を有し、さらに他の置換基を有していてもよいアラルキル、
(3)置換されていてもよい塩基性基を有している炭素数7以下の非芳香族性環状炭化水素基を有し、さらに他の置換基を有していてもよいC1-4アルキル、または
(4)置換されていてもよい塩基性基を有している炭素数7以下の非芳香族性複素環基を有し、さらに他の置換基を有していてもよいC1-4アルキルを示す。
【0041】
「置換されていてもよい塩基性基」としては、例えば、(1)1または2個のC1-6アルキル、C1-6アシル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、アセチル、プロピオニル等)等を有していてもよいグアニジノ、(2)1ないし3個のC1-6アルキル、C1-6アシル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、アセチル、プロピオニル等)等を有していてもよいアミノ、(3)1または2個のC1-6アルキル、C1-6アシル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、アセチル、プロピオニル等)等を有していてもよいグアニジノで置換されていてもよいC1-6アルキルカルボニル-アミノ(例、アセトアミド)、(4)1ないし3個のC1-6アルキル、C1-6アシル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、アセチル、プロピオニル等)等を有していてもよいアミノで置換されていてもよいC1-6アルキルカルボニル-アミノ(例、アセトアミド)等が用いられる。なかでも、グアニジノ、N-メチルグアニジノ、N,N-ジメチルグアニジノ、N,N’-ジメチルグアニジノ、N-エチルグアニジノ、N-アセチルグアニジノ、アミノ、N-メチルアミノ、N,N-ジメチルアミノ、アミノアセタミド、グアニジノアセタミド、アミジノ等が好ましい。
「置換されていてもよい塩基性基」以外の他の「他の置換基」としては、置換基A群から選ばれる置換基が用いられる。
「C1-8アルキル」としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル等が用いられる。
「アラルキル」としては、例えば、ベンジル、フェネチル、ジフェニルメチル、1-ナフチルメチル、2-ナフチルメチル、2,2-ジフェニルエチル、3-フェニルプロピル、4-フェニルブチル、5-フェニルペンチル、2-ビフェニリルメチル、3-ビフェニリルメチル、4-ビフェニリルメチル等のC7-16アラルキル等が用いられる。
「炭素数7以下の非芳香族性環状炭化水素基」としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等のC3-7シクロアルキル等が用いられる。
「炭素数7以下の非芳香族性複素環基」としては、例えば、1ないし7個の炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1または2種、1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし10員非芳香族性複素環基等が用いられる。具体的には、例えばピロリジニル(例、1-ピロリジニル、2-ピロリジニル、3-ピロリジニル)、オキサゾリジニル(例、2-オキサゾリジニル)、イミダゾリニル(例、1-イミダゾリニル、2-イミダゾリニル、4-イミダゾリニル)、ピペリジニル(例、1-ピペリジニル、2-ピペリジニル、3-ピペリジニル、4-ピペリジニル)、ピペラジニル(例、1-ピペラジニル、2-ピペラジニル)、モルホリノ、チオモルホリノ等が用いられる。
「C1-4アルキル」としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル等が用いられる。
【0042】
としては、例えば、(1)3-グアニジノプロピル、3-(N-メチルグアニジノ)プロピル、3-(N,N-ジメチルグアニジノ)プロピル、3-(N,N’-ジメチルグアニジノ)プロピル、3-(N-エチルグアニジノ)プロピル、3-(N-プロピルグアニジノ)プロピル、3-(N-アセチルグアニジノ)プロピル、4-グアニジノブチル、4-(N-メチルグアニジノ)ブチル、2-グアニジノエチル、2-(N-メチルグアニジノ)エチル、4-アミノブチル、4-(N-メチルアミノ)ブチル、4-(N,N-ジメチルアミノ)ブチル、3-アミノプロピル、2-アミノエチル、アミノメチル、アミノアセタミドメチル、グアニジノアセタミドメチル、2-(グアニジノカルボニル)エチル、(2)4-グアニジノベンジル、4-アミノベンジル、(3)4-グアニジノシクロヘキシルメチル、4-アミノシクロヘキシルメチル、(4)1-アミジノピペリジン-4-イルメチル等が用いられる。なかでも3-グアニジノプロピル、3-(N-メチルグアニジノ)プロピル、3-(N,N-ジメチルグアニジノ)プロピル、3-(N,N’-ジメチルグアニジノ)プロピル、3-(N-エチルグアニジノ)プロピル、3-(N-プロピルグアニジノ)プロピル、3-(N-アセチルグアニジノ)プロピル、4-グアニジノブチル、4-(N-メチルグアニジノ)ブチル、2-グアニジノエチル、2-(N-メチルグアニジノ)エチル、4-アミノブチル、4-(N-メチルアミノ)ブチル、4-(N,N-ジメチルアミノ)ブチル、3-アミノプロピル、2-アミノエチル、アミノアセタミドメチル、グアニジノアセタミドメチル、4-アミノベンジル等が好ましく、特に、3-グアニジノプロピル、3-(N-メチルグアニジノ)プロピル、3-(N,N-ジメチルグアニジノ)プロピル、3-(N,N’-ジメチルグアニジノ)プロピル、3-(N-エチルグアニジノ)プロピル、3-(N-アセチルグアニジノ)プロピル、4-グアニジノブチル、4-(N-メチルグアニジノ)ブチル、2-グアニジノエチル、4-アミノブチル等が好ましい。
【0043】
に関して
は、(1)置換されていてもよいC6-12芳香族炭化水素基、
(2)置換されていてもよい、1ないし7個の炭素原子と、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族複素環基、
(3)置換されていてもよいC8-14芳香族縮合環基、
(4)置換されていてもよい、3ないし11個の炭素原子と、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族縮合複素環基、
(5)置換されていてもよい炭素数7以下の非芳香族性環状炭化水素基、および
(6)置換されていてもよい炭素数7以下の非芳香族性複素環基、
から成る群から選ばれる置換基で置換されていてもよいC1-4アルキルを示す。
なかでも
(1)置換されていてもよいC6-12芳香族炭化水素基、
(2)置換されていてもよい、1ないし7個の炭素原子と、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族複素環基、
(3)置換されていてもよいC8-14芳香族縮合環基、
(4)置換されていてもよい、3ないし11個の炭素原子と、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族縮合複素環基、
(5)置換されていてもよい炭素数7以下の非芳香族性環状炭化水素基、および
(6)置換されていてもよい炭素数7以下の非芳香族性複素環基、
から成る群から選ばれる置換基で置換されているC1-4アルキルが好ましい。
【0044】
「C1-4アルキル」としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル等が用いられる。
「C6-12芳香族炭化水素基」としては、例えば、フェニル、シクロオクタテトラエニル等の単環式のC6-12芳香族炭化水素基等が用いられる。
「1ないし7個の炭素原子と、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族複素環基」としては、例えば、1ないし7個の炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1または2種、1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし14員、好ましくは5ないし10員、より好ましくは5または6員の単環式の芳香族複素環基が用いられる。具体的には、例えばチエニル(例、2-チエニル、3-チエニル)、フリル(例、2-フリル、3-フリル)、ピリジル(例、2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジル)、チアゾリル(例、2-チアゾリル、4-チアゾリル、5-チアゾリル)、オキサゾリル(例、2-オキサゾリル、4-オキサゾリル)、ピラジニル、ピリミジニル(例、2-ピリミジニル、4-ピリミジニル)、ピロリル(例、1-ピロリル、2-ピロリル、3-ピロリル)、イミダゾリル(例、1-イミダゾリル、2-イミダゾリル、4-イミダゾリル)、ピラゾリル(例、1-ピラゾリル、3-ピラゾリル、4-ピラゾリル)、ピリダジニル(例、3-ピリダジニル、4-ピリダジニル)、イソチアゾリル(例、3-イソチアゾリル)、イソオキサゾリル(例、3-イソオキサゾリル)等が用いられる。
「C8-14芳香族縮合環基」としては、例えば、ナフチル(例、1-ナフチル、2-ナフチル)、アンスリル(例、2-アンスリル、9-アンスリル)等が用いられる。
「3ないし11個の炭素原子と、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族縮合複素環基」としては、例えば、3ないし11個の炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1または2種、1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし14員(好ましくは5ないし10員)の2環または3環式の芳香族複素環基、または炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1または2種、1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし14員(好ましくは5ないし10員)の芳香族複素架橋環から任意の1個の水素原子を除いてできる1価の基が用いられる。具体的には、例えばキノリル(例、2-キノリル、3-キノリル、4-キノリル、5-キノリル、8-キノリル)、イソキノリル(例、1-イソキノリル、3-イソキノリル、4-イソキノリル、5-イソキノリル)、インドリル(例、1-インドリル、2-インドリル、3-インドリル)、2-ベンゾチアゾリル、ベンゾ[b]チエニル(例、2-ベンゾ[b]チエニル、3-ベンゾ[b]チエニル)、ベンゾ[b]フラニル(例、2-ベンゾ[b]フラニル、3-ベンゾ[b]フラニル)等が用いられる。
「炭素数7以下の非芳香族性環状炭化水素基」としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等のC3-7シクロアルキル等が用いられる。
「炭素数7以下の非芳香族性複素環基」としては、ピロリジニル(例、1-ピロリジニル、2-ピロリジニル、3-ピロリジニル)、オキサゾリジニル(例、2-オキサゾリジニル)、イミダゾリニル(例、1-イミダゾリニル、2-イミダゾリニル、4-イミダゾリニル)、ピペリジニル(例、1-ピペリジニル、2-ピペリジニル、3-ピペリジニル、4-ピペリジニル)、ピペラジニル(例、1-ピペラジニル、2-ピペラジニル)、モルホリノ、チオモルホリノ等の1ないし7個の炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1または2種、1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし10員の非芳香族性複素環基等が用いられる。
【0045】
これら「C6-12芳香族炭化水素基」、「1ないし7個の炭素原子と窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族複素環基」、「C8-14芳香族縮合環基」、「3ないし11個の炭素原子と窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族縮合複素環基」、「炭素数7以下の非芳香族性環状炭化水素基」および「炭素数7以下の非芳香族性複素環基」の置換基としては、前述の置換基A群と同様なものが挙げられる。置換基の数は特に限定されないが、置換可能な位置に1ないし5個、好ましくは1ないし3個有していてもよく、置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一または異なっていてもよい。
【0046】
は例えば、
(1)ベンジル、2-フルオロベンジル、3-フルオロベンジル、4-フルオロベンジル、4-クロロベンジル、3,4-ジフルオロベンジル、3,4-ジクロロベンジル、ペンタフルオロベンジル、4-ヒドロキシベンジル、4-メトキシベンジル、3-トリフルオロメチルベンジル、4-アミノベンジル、4-ニトロベンジル、4-シアノベンジル、フェネチル等の「置換されていてもよいC6-12芳香族炭化水素基を有しているC1-4アルキル」、
(2)2-ピリジルメチル、3-ピリジルメチル、4-ピリジルメチル、2-チエニルメチル、3-チエニルメチル、4-チアゾリルメチル等の「置換されていてもよい、1ないし7個の炭素原子と、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族複素環基を有しているC1-4アルキル」、
(3)1-ナフチルメチル、2-ナフチルメチル、インデン-2-イルメチル等の「置換されていてもよいC8-14芳香族縮合環基を有しているC1-4アルキル」、
(4)1-インドールメチル、2-インドールメチル、3-インドールメチル、1-ホルミルインドール-3-イルメチル、3-ベンゾ[b]チエニルメチル、2-キノリルメチル等の「置換されていてもよい、3ないし11個の炭素原子と、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族縮合複素環基を有するC1-4アルキル」、
(5)シクロヘキシルメチル、シクロペンチルメチル、インダン-2-イルメチル等の「置換されていてもよい炭素数7以下の非芳香族性環状炭化水素基を有するC1-4アルキル」、
(6)4-ピペリジニルメチル、テトラヒドロフルフリル、テトラヒドロフラン-2-イル、テトラヒドロピラン-3-イル、インドリン-3-イル等の「置換されていてもよい炭素数7以下の非芳香族性複素環基を有するC1-4アルキル」等が用いられ、なかでもベンジル、2-フルオロベンジル、3-フルオロベンジル、4-フルオロベンジル、4-ヒドロキシベンジル、4-アミノベンジル、4-ニトロベンジル、4-クロロベンジル、4-メトキシベンジル、4-シアノベンジル、3-トリフルオロメチルベンジル、3,4-ジクロロベンジル、3,4-ジフルオロベンジル、ペンタフルオロベンジル、3-ピリジルメチル、4-ピリジルメチル、3-インドールメチル、1-ホルミルインドール-3-イルメチル、3-ベンゾ[b]チエニルメチル、2-キノリルメチル、1-ナフチルメチル、2-ナフチルメチル、シクロヘキシルメチル、フェネチル等が好ましく、特にベンジル、2-フルオロベンジル、3-フルオロベンジル、4-フルオロベンジル、4-ヒドロキシベンジル、4-アミノベンジル、4-ニトロベンジル、4-クロロベンジル、4-メトキシベンジル、4-シアノベンジル、3-トリフルオロメチルベンジル、3,4-ジクロロベンジル、3,4-ジフルオロベンジル、ペンタフルオロベンジル、3-ピリジルメチル、4-ピリジルメチル、3-インドールメチル、3-ベンゾ[b]チエニルメチル、1-ナフチルメチル、2-ナフチルメチル、シクロヘキシルメチル等が好ましい。
【0047】
Pに関して
Pは(1)水素原子、
(2)配列番号:67で表わされるアミノ酸配列(ヒトメタスチンの54アミノ酸残基)の第1~49番目のアミノ酸配列のC末端側から任意の連続したまたは不連続に結合したアミノ酸残基、
(3)式J1-J2-C(J3)(Q3)Y1C(J4)(Q4)Y2C(J5)(Q5)Y3C(J6)(Q6)C(=Z10)-
(式中、各記号は前記と同意義を示す)で表わされる基、
(4)式J1-J2-C(J7)(Q7)Y2C(J8)(Q8)Y3C(J9)(Q9)C(=Z10)-
(式中、各記号は前記と同意義を示す)で表わされる基、
(5)式J1-J2-C(J10)(Q10)Y3C(J11)(Q11)C(=Z10)-
(式中、各記号は前記と同意義を示す)で表わされる基、
(6)式J1-J2-C(J12)(Q12)C(=Z10)-
(式中、各記号は前記と同意義を示す)で表わされる基、または
(7)式J1-(J1は前記と同意義を示す)で表わされる基を示す。
【0048】
「配列番号:67で表わされるアミノ酸配列の第1~49番目のアミノ酸配列のC末端側から任意の連続したまたは不連続に結合したアミノ酸残基」としては、具体的には、
(1)Ser-、
(2)Asn Ser-、
(3)Trp Asn Ser-、
(4)Asn Trp Asn Ser-、(配列番号1)
(5)Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号2)、
(6)Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号3)、
(7)Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号4)、
(8)Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号5)、
(9)Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号6)、
(10)Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号7)、
(11)Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号8)、
(12)Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号9)、
(13)Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号10)、
(14)Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号11)、
(15)Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号12)、
(16)Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号13)、
(17)Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号14)、
(18)Gly Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号15)、
(19)Gln Gly Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号16)、
(20)Pro Gln Gly Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号17)、
(21)Ala Pro Gln Gly Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号18)、
(22)Pro Ala Pro Gln Gly Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号19)、
(23)Ile Pro Ala Pro Gln Gly Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号20)、
(24)Gln Ile Pro Ala Pro Gln Gly Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号21)、
(25)Arg Gln Ile Pro Ala Pro Gln Gly Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号22)、
(26)Ser Arg Gln Ile Pro Ala Pro Gln Gly Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号23)、
(27)His Ser Arg Gln Ile Pro Ala Pro Gln Gly Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号24)、
(28)Pro His Ser Arg Gln Ile Pro Ala Pro Gln Gly Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号25)、
(29)Ala Pro His Ser Arg Gln Ile Pro Ala Pro Gln Gly Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号26)、
(30)Ser Ala Pro His Ser Arg Gln Ile Pro Ala Pro Gln Gly Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号27)、
(31)Leu Ser Ala Pro His Ser Arg Gln Ile Pro Ala Pro Gln Gly Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号28)、
(32)Gly Leu Ser Ala Pro His Ser Arg Gln Ile Pro Ala Pro Gln Gly Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号29)、
(33)Pro Gly Leu Ser Ala Pro His Ser Arg Gln Ile Pro Ala Pro Gln Gly Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号30)、
(34)Gln Pro Gly Leu Ser Ala Pro His Ser Arg Gln Ile Pro Ala Pro Gln Gly Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号31)、
(35)Gln Gln Pro Gly Leu Ser Ala Pro His Ser Arg Gln Ile Pro Ala Pro Gln Gly Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号32)、
(36)Arg Gln Gln Pro Gly Leu Ser Ala Pro His Ser Arg Gln Ile Pro Ala Pro Gln Gly Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号33)、
(37)Ser Arg Gln Gln Pro Gly Leu Ser Ala Pro His Ser Arg Gln Ile Pro Ala Pro Gln Gly Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号34)、
(38)Gly Ser Arg Gln Gln Pro Gly Leu Ser Ala Pro His Ser Arg Gln Ile Pro Ala Pro Gln Gly Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号35)、
(39)Ser Gly Ser Arg Gln Gln Pro Gly Leu Ser Ala Pro His Ser Arg Gln Ile Pro Ala Pro Gln Gly Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号36)、
(40)Ser Ser Gly Ser Arg Gln Gln Pro Gly Leu Ser Ala Pro His Ser Arg Gln Ile Pro Ala Pro Gln Gly Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号37)、
(41)Glu Ser Ser Gly Ser Arg Gln Gln Pro Gly Leu Ser Ala Pro His Ser Arg Gln Ile Pro Ala Pro Gln Gly Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号38)、
(42)Pro Glu Ser Ser Gly Ser Arg Gln Gln Pro Gly Leu Ser Ala Pro His Ser Arg Gln Ile Pro Ala Pro Gln Gly Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号39)、
(43)Pro Pro Glu Ser Ser Gly Ser Arg Gln Gln Pro Gly Leu Ser Ala Pro His Ser Arg Gln Ile Pro Ala Pro Gln Gly Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号40)、
(44)Pro Pro Pro Glu Ser Ser Gly Ser Arg Gln Gln Pro Gly Leu Ser Ala Pro His Ser Arg Gln Ile Pro Ala Pro Gln Gly Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号41)、
(45)Ser Pro Pro Pro Glu Ser Ser Gly Ser Arg Gln Gln Pro Gly Leu Ser Ala Pro His Ser Arg Gln Ile Pro Ala Pro Gln Gly Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号42)、
(46)Leu Ser Pro Pro Pro Glu Ser Ser Gly Ser Arg Gln Gln Pro Gly Leu Ser Ala Pro His Ser Arg Gln Ile Pro Ala Pro Gln Gly Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号43)、
(47)Ser Leu Ser Pro Pro Pro Glu Ser Ser Gly Ser Arg Gln Gln Pro Gly Leu Ser Ala Pro His Ser Arg Gln Ile Pro Ala Pro Gln Gly Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号44)、
(48)Thr Ser Leu Ser Pro Pro Pro Glu Ser Ser Gly Ser Arg Gln Gln Pro Gly Leu Ser Ala Pro His Ser Arg Gln Ile Pro Ala Pro Gln Gly Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号45)、
(49)Gly Thr Ser Leu Ser Pro Pro Pro Glu Ser Ser Gly Ser Arg Gln Gln Pro Gly Leu Ser Ala Pro His Ser Arg Gln Ile Pro Ala Pro Gln Gly Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号46)
等が用いられる。
【0049】
1は、(a)水素原子または(b)置換基を有していてもよい環基を含む置換基で置換されていてもよい、(i)C1-15アシル、(ii)C1-15アルキル、(iii)C6-14アリール、(iv)カルバモイル、(v)カルボキシル、(vi)スルフィノ、(vii)アミジノ、または(viii)グリオキシロイルを示す。
「環基」としては、例えば、「置換されていてもよい芳香族炭化水素基」、「置換されていてもよい芳香族複素環基」、「置換されていてもよい芳香族縮合環基」、「置換されていてもよい芳香族縮合複素環基」、「置換されていてもよい非芳香族性環状炭化水素基」、「置換されていてもよい非芳香族性複素環基」等が用いられ、「芳香族炭化水素基」、「芳香族複素環基」、「芳香族縮合環基」、「芳香族縮合複素環基」としては、前記と同様のものが用いられる。
「非芳香族性環状炭化水素基」としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等のC3-8シクロアルキル等が用いられる。
「非芳香族性複素環基」としては、ピロリジニル(例、1-ピロリジニル、2-ピロリジニル、3-ピロリジニル)、オキサゾリジニル(例、2-オキサゾリジニル)、イミダゾリニル(例、1-イミダゾリニル、2-イミダゾリニル、4-イミダゾリニル)、ピペリジニル(例、1-ピペリジニル、2-ピペリジニル、3-ピペリジニル、4-ピペリジニル)、ピペラジニル(例、1-ピペラジニル、2-ピペラジニル)、モルホリノ、チオモルホリノ等の1ないし7個の炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1または2種、1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし10員の非芳香族性複素環基等が用いられる。
「環基」が有していてもよい置換基としては、前記した置換基A群の置換基と同様のものが用いられる。
「C1-15アシル」としては、例えば、ホルミル、C1-14アルキル-カルボニル(例、アセチル、プロピオニル、ピバロイル等のC1-6アルキル-カルボニル)等が用いられる。
「C1-15アルキル」としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノナニル、デカニル等が用いられる。
「C6-14アリール」としては、例えば、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、ビフェニル等が用いられる。
【0050】
(1)環基を含む置換基で置換されていてもよいC1-15アシルとしては、(i)ホルミル、(ii)C1-14アルキル-カルボニル(例、アセチル、プロピオニル、ピバロイル等のC1-6アルキル-カルボニル)、(iii)C3-8シクロアルキル-カルボニル(例、シクロプロピルカルボニル、シクロペンチルカルボニル、シクロヘキシルカルボニル、1-メチルシクロヘキシルカルボニル等)、(iv)C3-8シクロアルキル-C1-6アルキル-カルボニル(例、シクロプロピルアセチル、シクロペンチルアセチル、シクロヘキシルアセチル等)(v)C6-14アリール-カルボニル(例、ベンゾイル、1-ナフトイル、2-ナフトイル等)、C6-14アラルキル-カルボニル(例、フェニルアセチル、3-フェニルプロピオニル等)、(vi)炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1または2種、1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし7員の単環式複素環カルボニル(例、ニコチノイル、イソニコチノイル、テノイル、フロイル、モルホリノカルボニル、チオモルホリノカルボニル、ピペラジン-1-イルカルボニル、ピロリジン-1-イルカルボニル等)、(vii)炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1または2種、1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし7員の単環式複素環-C1-6アルキルカルボニル(例、3-ピリジルアセチル、4-ピリジルアセチル、2-チエニルアセチル、2-フリルアセチル、モルホリノアセチル、チオモルホリノアセチル、ピペリジン-2-アセチル、ピロリジン-2-イルアセチル等)、(viii)3ないし11個の炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1または2種、1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし14員(好ましくは5ないし10員)の2環または3環式の芳香族複素環カルボニル(例、2-インドールカルボニル、3-インドールカルボニル、2-キノリルカルボニル、1-イソキノリルカルボニル、2-ベンゾ[b]チエニルカルボニル、2-ベンゾ[b]フラニルカルボニル等)、(ix)3ないし11個の炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1または2種、1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし14員(好ましくは5ないし10員)の2環または3環式の芳香族複素環-C1-6アルキルカルボニル(例、2-インドールアセチル、3-インドールアセチル、2-キノリルアセチル、1-イソキノリルアセチル、2-ベンゾ[b]チエニルアセチル、2-ベンゾ[b]フラニルアセチル等)等が用いられ、なかでもアセチル、2-インドールカルボニル、3-インドールカルボニル、3-インドールアセチル、3-インドールプロピオニル、2-インドリンカルボニル、3-フェニルプロピオニル、ジフェニルアセチル、2-ピリジンカルボニル、3-ピリジンカルボニル、4-ピリジンカルボニル、1-ピリジニオアセチル、2-ピリジンアセチル、3-ピリジンアセチル、4-ピリジンアセチル、3-(1-ピリジニオ)プロピオニル、3-(ピリジン-2-イル)プロピオニル、3-(ピリジン-3-イル)プロピオニル、3-(ピリジン-4-イル)プロピオニル、4-イミダゾールアセチル、シクロヘキサンカルボニル、1-ピペリジンアセチル、1-メチル-1-ピペリジニオアセチル、4-ピペリジンカルボニル、2-ピリミジンカルボニル、4-ピリミジンカルボニル、5-ピリミジンカルボニル、2-ピリミジンアセチル、4-ピリミジンアセチル、5-ピリミジンアセチル、3-(ピリミジン-2-イル)プロピオニル、3-(ピリミジン-4-イル)プロピオニル、3-(ピリミジン-5-イル)プロピオニル、ブタノイル、ヘキサノイル、オクタノイル、D-グルクロニル、アミノ-(4-ヒドロキシフェニル)アセチル)等が好ましく用いられる。
(2)環基を含む置換基で置換されていてもよいC1-15アルキルとしては、例えば、(i)モノ-またはジ-C1-15アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノナニル、デカニル)、(ii)モノ-またはジ-C3-8シクロアルキル(例、シクロプロピル、シクロペンチル等)、(iii)モノ-またはジ-C3-8シクロアルキル-C1-7アルキル(例、シクロプロピルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルエチル等)、(iv)モノ-またはジ-C7-15アラルキル(例、ベンジル、フェネチル等)、(v)炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1または2種、1ないし4個のヘテロ原子を含むモノ-またはジ-5ないし7員の単環式複素環-C1-6アルキル(例、3-ピリジルメチル、4-ピリジルメチル、2-チエニルメチル、フルフリル等)、(vi)3ないし11個の炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1または2種、1ないし4個のヘテロ原子を含むモノ-またはジ-5ないし14員(好ましくは5ないし10員)の2環または3環式の芳香族複素環-C1-6アルキル(例、2-インドールメチル、3-インドールメチル、3-(インドール-3-イル)プロピル、2-キノリルメチル、1-イソキノリルメチル、2-ベンゾ[b]チエニルメチル、2-ベンゾ[b]フラニルメチル等)等が用いられ、なかでもメチル、エチル、ベンジル、3-(インドール-3-イル)プロピル等が好ましく用いられる。
(3)環基を含む置換基で置換されていてもよいC6-14アリールとしては、例えば、(i)C6-14炭素環基(例、シクロアルキル、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル等)、(ii)炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1または2種、1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし7員の単環式複素環基(例、3-ピリジル、2-チエニル等)、(iii)3ないし11個の炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1または2種、1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし14員(好ましくは5ないし10員)の2環または3環式の芳香族複素環基(例、2-インドリル、3-インドリル、2-キノリル、1-イソキノリル、2-ベンゾ[b]チエニル、2-ベンゾ[b]フラニル等)等で置換されていてもよいC6-14アリール(例、フェニル、ナフチル、ビフェニル)等が用いられる。
(4)環基を含む置換基で置換されていてもよいカルバモイルとしては、(i)カルバモイル、(ii)モノ-またはジ-C1-15アルキルカルバモイル(例、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル)、(iii)モノ-またはジ-C3-8シクロアルキル-カルバモイル(例、シクロプロピルカルバモイル、シクロペンチルカルバモイル、シクロヘキシルカルバモイル等)、(iv)モノ-またはジ-C3-8シクロアルキル-C1-6アルキル-カルバモイル(例、シクロプロピルメチルカルバモイル、シクロペンチルメチルカルバモイル、2-シクロヘキシルエチルカルバモイル等)、(v)モノ-またはジ-C6-14アリール-カルバモイル(例、フェニルカルバモイル等)、モノ-またはジ-C6-14アラルキル-カルバモイル(例、ベンジルカルバモイル、フェネチルカルバモイル等)、(vi)炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1または2種、1ないし4個のヘテロ原子を含むモノ-またはジ-5ないし7員の単環式複素環カルバモイル(例、3-ピリジンカルバモイル、2-チオフェンカルバモイル、ピペリジン-3-イルカルバモイル等)、(vii)炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1または2種、1ないし4個のヘテロ原子を含むモノ-またはジ-5ないし7員の単環式複素環-C1-6アルキルカルバモル(例、3-ピリジルメチルカルバモイル、2-(ピリジン-2-イル)エチルカルバモイル、2-(ピペリジン-1-イル)エチルカルバモイル等)、(viii)3ないし11個の炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1または2種、1ないし4個のヘテロ原子を含むモノ-またはジ-5ないし14員(好ましくは5ないし10員)の2環または3環式の芳香族複素環カルバモイル(例、4-インドールカルバモイル、5-インドールカルバモイル、3-キノリルカルバモイル、5-キノリルカルバモイル等)、(ix)3ないし11個の炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1または2種、1ないし4個のヘテロ原子を含むモノ-またはジ-5ないし14員(好ましくは5ないし10員)の2環または3環式の芳香族複素環-C1-6アルキルカルボニル(例、ベンズイミダゾール-2-イルメチルカルバモイル、2-(インドール-3-イル)エチルカルバモイル等)、(x)5ないし7員の環状カルバモイル(例、1-ピロリジニルカルボニル、1-ピペリジニルカルボニル、ヘキサメチレンイミノカルボニル等)、(xi)C1-15アシルカルバモイル(ここで言うC1-15アシルは「環基を含む置換基で置換されていてもよいC1-15アシル」の「C1-15アシル」と同意義を示す)、(xii)C1-15アルキルアミノカルバモイル(ここで言うC1-15アルキルは「環基を含む置換基で置換されていてもよいC1-15アルキル」の「C1-15アルキル」と同意義を示す)、(xiii)C6-14アリールアミノカルバモイル(ここで言うC6-14アリールは「環基を含む置換基で置換されていてもよいC6-14アリール」の「C6-14アリール」と同意義を示す)等が用いられ、なかでも2-(インドール-3-イル)エチルカルバモイル等が好ましく用いられる。
(5)環基を含む置換基で置換されていてもよいカルボキシルとしては、(i)C1-15アルキルオキシカルボニル(ここで言うC1-15アルキルは「環基を含む置換基で置換されていてもよいC1-15アルキル」の「C1-15アルキル」と同意義を示す。例、tert-ブチルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、9-フルオレニルメトキシカルボニル)、(ii)C6-14アリールオキシカルボニル(ここで言うC6-14アリールは「環基を含む置換基で置換されていてもよいC6-14アリール」の「C6-14アリール」と同意義を示す。例、フェノキシカルボニル)、等が用いられる。
(6)環基を含む置換基で置換されていてもよいスルフィノとしては、(i)C1-15アルキルスルホニル(ここで言うC1-15アルキルは「環基を含む置換基で置換されていてもよいC1-15アルキル」の「C1-15アルキル」と同意義を示す。例、ベンジルスルホニル)、(ii)C6-14アリールスルホニル(ここで言うC6-14アリールは「環基を含む置換基で置換されていてもよいC6-14アリール」の「C6-14アリール」と同意義を示す。例、トシル)等が用いられる。
(7)環を含む置換基基で置換されていてもよいアミジノとしては、(i)アミジノ、(ii)C1-15アルキルアミジノ(ここで言うC1-15アルキルは「環基を含む置換基で置換されていてもよいC1-15アルキル」の「C1-15アルキル」と同意義を示す。例、N-メチルアミジノ)、(iii)C1-15アシルアミジノ(ここで言うC1-15アシルは「環基を含む置換基で置換されていてもよいC1-15アシル」の「C1-15アシル」と同意義を示す。例、N-アセチルアミジノ)等が用いられる。
(8)環基を含む置換基で置換されていてもよいグリオキシロイルとしては、(i)C1-15アルキルオキザリル(ここで言うC1-15アルキルは「環基を含む置換基で置換されていてもよいC1-15アルキル」の「C1-15アルキル」と同意義を示す。例、エチルオキザリル)、(ii)C6-14アリールオキザリル(ここで言うC6-14アリールは「環基を含む置換基で置換されていてもよいC6-14アリール」の「C6-14アリール」と同意義を示す。例、フェニルオキザリル)等が用いられる。
上記した中でも、J1としては、水素原子、アセチル、4-フルオロベンゾイル、3-インドールカルボニル、3-(インドール-3-イル)プロピオニル、3-フェニルプロピオニル、ジフェニルアセチル、3-(ピリジン-3-イル)プロピオニル、4-イミダゾールアセチル、シクロヘキサンカルボニル、1-ピペリジンアセチル、1-メチル-1-ピペリジニオアセチル、4-ピペリジンカルボニル、ヘキサノイル、アミノ-(4-ヒドロキシフェニル)アセチル、D-グルクロニル、2-(インドール-3-イル)エチルカルバモイル、tert-ブチルオキシカルボニル、9-フルオレニルメトキシカルボニル、アミジノ、フルオロベンゾイル、4-(アミノメチル)ベンゾイル等が好ましく用いられる。なかでも水素原子、アセチル、4-フルオロベンゾイル、3-インドールカルボニル、3-(インドール-3-イル)プロピオニル、3-フェニルプロピオニル、3-(ピリジン-3-イル)プロピオニル、4-イミダゾールアセチル、シクロヘキサンカルボニル、ヘキサノイル、アミノ-(4-ヒドロキシフェニル)アセチル、2-(インドール-3-イル)エチルカルバモイル、9-フルオレニルメトキシカルボニル、アミジノ等が好ましい。
【0051】
2は(1)C1-6アルキルで置換されていてもよいNH、(2)C1-6アルキルで置換されていてもよいCH2、(3)Oまたは(4)Sを示す。
「C1-6アルキル」としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル等が用いられる。
2としては、NHが好ましい。
3~J12はそれぞれ水素原子またはC1-3アルキルを示す。
「C1-3アルキル」としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルが用いられる。
3としては、水素原子が好ましい。
4としては、水素原子が好ましい。
5としては、水素原子が好ましい。
6としては、水素原子が好ましい。
7としては、水素原子が好ましい。
8としては、水素原子が好ましい。
9としては、水素原子が好ましい。
10としては、水素原子が好ましい。
11としては、水素原子が好ましい。
12としては、水素原子が好ましい。
【0052】
3~Q12はそれぞれ、
(1)置換されていてもよいC6-12芳香族炭化水素基、
(2)置換されていてもよい、1ないし7個の炭素原子と、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族複素環基、
(3)置換されていてもよいC8-14芳香族縮合環基、
(4)置換されていてもよい、3ないし11個の炭素原子と、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族縮合複素環基、
(5)置換されていてもよい炭素数7以下の非芳香族性環状炭化水素基、
(6)置換されていてもよい炭素数7以下の非芳香族性複素環基、
(7)置換されていてもよいアミノ、
(8)置換されていてもよいグアニジノ、
(9)置換されていてもよいヒドロキシ、
(10)置換されていてもよいカルボキシル、
(11)置換されていてもよいカルバモイル、および
(12)置換されていてもよいスルフヒドリル
から成る群から選ばれる置換基を有していてもよいC1-4アルキルを示す。
特に、Q3~Q6としては、
(1)置換されていてもよいC6-12芳香族炭化水素基、
(2)置換されていてもよい、1ないし7個の炭素原子と、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族複素環基、
(3)置換されていてもよいC8-14芳香族縮合環基、
(4)置換されていてもよい、3ないし11個の炭素原子と、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族縮合複素環基、
(5)置換されていてもよい炭素数7以下の非芳香族性環状炭化水素基、
(6)置換されていてもよい炭素数7以下の非芳香族性複素環基、
(7)置換されていてもよいアミノ、
(8)置換されていてもよいグアニジノ、
(9)置換されていてもよいヒドロキシ、
(10)置換されていてもよいカルボキシル、
(11)置換されていてもよいカルバモイル、および
(12)置換されていてもよいスルフヒドリル
から成る群から選ばれる置換基を有するC1-4アルキルまたは水素原子が好ましい。
「置換されていてもよいC6-12芳香族炭化水素基」、「置換されていてもよい1ないし7個の炭素原子と窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族複素環基」、「置換されていてもよいC8-14芳香族縮合環基」、「置換されていてもよい3ないし11個の炭素原子と窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族縮合複素環基」、「置換されていてもよい炭素数7以下の非芳香族性環状炭化水素基」および「置換されていてもよい炭素数7以下の非芳香族性複素環基」としては、前記と同様のものが用いられる。
【0053】
(1)置換されていてもよいC6-12芳香族炭化水素基を有しているC1-4アルキルとしては、例えばベンジル、4-ヒドロキシベンジル、2-クロロベンジル、3-クロロベンジル、4-クロロベンジル、4-アミノベンジル等が用いられる。
(2)置換されていてもよい1ないし7個の炭素原子と窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族複素環基を有しているC1-4アルキルとしては、例えば、2-ピリジルメチル、3-ピリジルメチル、4-ピリジルメチル、4-イミダゾールメチル等が用いられる。
(3)置換されていてもよいC8-14芳香族縮合環基を有しているC1-4アルキルとしては、例えば、1-ナフチルメチル、2-ナフチルメチル等が用いられる。
(4)置換されていてもよい3ないし11個の炭素原子と窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族縮合複素環基を有しているC1-4アルキルとしては、例えば、3-インドールメチル、1-ホルミルインドール-3-イルメチル、2-キノリルメチル等が用いられる。
(5)置換されていてもよい炭素数7以下の非芳香族性環状炭化水素基を有しているC1-4アルキルとしては、例えば、シクロヘキシルメチル等が用いられる。
(6)置換されていてもよい炭素数7以下の非芳香族性複素環基を有しているC1-4アルキルとしては、例えば、ピペリジン-1-イルメチル等が用いられる。
(7)置換されていてもよいアミノを有しているC1-4アルキルとしては、例えば、2-アミノエチル、3-アミノプロピル、4-アミノブチル、4-アセタミドブチル等が用いられる。
(8)置換されていてもよいグアニジノを有しているC1-4アルキルとしては、例えば、3-グアニジノプロピル、3-(N-トシル)グアニジノプロピル等が用いられる。
(9)置換されていてもよいヒドロキシを有しているC1-4アルキルとしては、例えば、ヒドロキシメチル、1-ヒドロキシエチル、ベンジルオキシメチル等が用いられる。
(10)置換されていてもよいカルボキシルを有しているC1-4アルキルとしては、例えば、カルボキシルメチル、2-カルボキシルエチル、ベンジルオキシカルボニルメチル等が用いられる。
(11)置換されていてもよいカルバモイルを有しているC1-4アルキルとしては、例えば、カルバモイルメチル、2-カルバモイルエチル、キサンチルカルバモイル等が用いられる。
(12)置換されてもよいスルフヒドリルを有しているC1-4アルキルとしては、例えば、スルフヒドリルメチル、2-(メチルスルフヒドリル)エチル等が用いられる。
(13)無置換のC1-4アルキルとしては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル等が用いられる。
【0054】
3としては、4-ヒドロキシベンジル、3-ピリジルメチル、4-ピリジルメチル、メチル、イソブチル、ヒドロキシメチル、カルボキシメチル、4-アミノブチル等が好ましく用いられ、特に、4-ヒドロキシベンジル、3-ピリジルメチル、4-ピリジルメチル等が好ましく用いられる。
4としては、カルバモイルメチル、2-カルバモイルエチル、4-ヒドロキシベンジル、4-イミダゾールメチル、イソブチル、ヒドロキシメチル、1-ヒドロキシエチル、カルボキシメチル、4-アミノブチル等が好ましく用いられ、特に、カルバモイルメチル、2-カルバモイルエチル、4-ヒドロキシベンジル等が好ましく用いられる。
5としては、ベンジル、2-クロロベンジル、3-クロロベンジル、4-クロロベンジル、4-アミノベンジル、2-ピリジルメチル、3-ピリジルメチル、4-ピリジルメチル、1-ナフチルメチル、2-ナフチルメチル、3-インドールメチル、1-ホルミルインドール-3-イルメチル、2-キノリルメチル、シクロヘキシルメチル、ヒドロキシメチル、1-ヒドロキシエチル、メチル、イソプロピル、イソブチル、sec-ブチル、カルボキシメチル、4-アミノブチル等が好ましく用いられ、特に、ベンジル、2-クロロベンジル、3-クロロベンジル、4-クロロベンジル、4-アミノベンジル、2-ピリジルメチル、3-ピリジルメチル、4-ピリジルメチル、1-ナフチルメチル、2-ナフチルメチル、3-インドールメチル、2-キノリルメチル、シクロヘキシルメチル、1-ヒドロキシエチル、イソプロピル、イソブチル、sec-ブチル等が好ましく用いられる。
6としては、メチル、ヒドロキシメチル、1-ヒドロキシエチル、カルバモイルメチル、2-カルバモイルエチル等が好ましく用いられ、特に、カルバモイルメチル等が好ましく用いられる。
7としては、4-ヒドロキシベンジル、カルバモイルメチル、3-ピリジルメチル等が好ましく用いられ、特に、4-ヒドロキシベンジル等が好ましく用いられる。
8としては、ベンジル、4-ピリジルメチル、2-ナフチルメチル、3-インドールメチル、ヒドロキシメチル、シクロヘキシルメチル、sec-ブチル、1-ヒドロキシエチル等が好ましく用いられ、特に、4-ピリジルメチル、3-インドールメチル、sec-ブチル等が好ましく用いられる。
9としては、カルバモイルメチル等が好ましく用いられる。
10としては、4-ヒドロキシベンジル、3-インドールメチル、メチル、1-ヒドロキシエチル、3-グアニジノプロピル等が好ましく用いられ、特に、3-インドールメチル等が好ましく用いられる。
11としては、カルバモイルメチル等が好ましく用いられる。
12としては、カルバモイルメチル等が好ましく用いられる。
【0055】
1~Y3はそれぞれ式-CON(J13)-、-CSN(J13)-、-C(J14)N(J13)-または-N(J13)CO-(J13およびJ14はそれぞれ水素原子またはC1-3アルキルを示す)で示される基を示す。
13およびJ14で示されるC1-3アルキルとしては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルが用いられる。
13としては、水素原子が好ましい。
14としては、水素原子が好ましい。
1としては、式-CONH-、または-CH2NH-で示される基等が好ましい。
2としては、式-CONH-、または-CH2NH-で示される基等が好ましい。
3としては、式-CONH-で示される基等が好ましい。
【0056】
3とQ3、J4とQ4、J5とQ5、J6とQ6、J7とQ7、J8とQ8、J9とQ9、J10とQ10、J11とQ11、J12とQ12が結合することで環を形成してもよい。この場合、C(J3)(Q3)、C(J4)(Q4)、C(J5)(Q)、C(J6)(Q6)、C(J7)(Q7)、C(J8)(Q8)、C(J9)(Q9)、C(J10)(Q10)、C(J11)(Q11)またはC(J12)(Q12)で、例えば、シクロペンタン、シクロヘキサン、ピペリジン等を形成する。
2とQ3、Y1とQ4、Y2とQ5、Y3とQ6、J2とQ7、Y2とQ8、Y3とQ9、J2とQ10、Y3とQ11、J2とQ12が結合することで環を形成してもよい。
2とQ3、J2とQ7、J2とQ10、J2とQ12が結合して環を形成する場合、J2-C(J3)(Q3)、J2-C(J7)(Q7)、J2-C(J10)(Q10)、J2-C(J12)(Q12)で、例えば、ピロリジン、ピペリジン、チアゾリジンを形成する。
1とQ4、Y2とQ5、Y3とQ6、Y2とQ8、Y3とQ9、Y3とQ11が結合して環を形成する場合、Y1C(J4)(Q4)、Y2C(J5)(Q5)、Y3C(J6)(Q6)、Y2C(J8)(Q8)、Y3C(J9)(Q9)、Y3C(J11)(Q11)で、例えば、ピロリジン-2-カルボニル、ピペリジン-2-カルボニル、チアゾリジン-4-カルボニルを形成する。
【0057】
式J1-J2-C(J3)(Q3)Y1C(J4)(Q4)Y2C(J5)(Q5)Y3C(J6)(Q6)C(=Z10)-で表わされる基としては、例えば、
Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号47)、
Tyr Asn Trp D-Asn Ser-、
Tyr Asn D-Trp Asn Ser-、
Tyr D-Asn Trp Asn Ser-、
D-Tyr Asn Trp Asn Ser-、
Tyr Lys Trp Asn Ser-(配列番号48)、
Tyr Asp Trp Asn Ser-(配列番号49)、
Tyr Tyr Trp Asn Ser-(配列番号50)、
Tyr Leu Trp Asn Ser-(配列番号51)、
Tyr Asn Ala Asn Ser-(配列番号52)、
Tyr Asn Leu Asn Ser-(配列番号53)、
Tyr Asn Ser Asn Ser-(配列番号54)、
Tyr Asn Asp Asn Ser-(配列番号55)、
Tyr Asn Lys Asn Ser-(配列番号56)、
Ala Asn Trp Asn Ser-(配列番号57)、
Leu Asn Trp Asn Ser-(配列番号58)、
Ser Asn Trp Asn Ser-(配列番号59)、
Asp Asn Trp Asn Ser-(配列番号60)、
Lys Asn Trp Asn Ser-(配列番号61)、
Tyr Asn Trp(For) Asn Ser-(配列番号62)、
D-Tyr Asn D-Trp Asn Ser-、
D-Tyr Asn Ala Asn Ser-、
D-Tyr Asn Ser Asn Ser-、
D-Tyr Asn Cha Asn Ser-、
D-Tyr Asn Thr Asn Ser-、
D-Tyr Asn Ile Asn Ser-、
D-Tyr Gln Trp Asn Ser-、
D-Tyr Thr Trp Asn Ser-、
D-Tyr Asn Val Asn Ser-、
D-Tyr D-Asn Trp Asn Ser-、
D-Tyr D-Asn D-Trp Asn Ser-、
D-Tyr Asn Phe Asn Ser-、
D-Tyr Asn Nal(1) Asn Ser-、
D-Tyr Asn Nal(2) Asn Ser-、
D-Tyr Asn Phe(2Cl) Asn Ser-、
D-Tyr Asn Phe(3Cl) Asn Ser-、
D-Tyr Asn Phe(4Cl) Asn Ser-、
D-Tyr Asn Phe(4NH2) Asn Ser-、
D-Tyr Asn Pya(3) Asn Ser-、
D-Tyr D-Asn Phe Asn Ser-、
D-Tyr D-Asn Cha Asn Ser-、
D-Tyr D-Asn Thr Asn Ser-、
D-Tyr Asn Pya(2) Asn Ser-、
D-Tyr Asn Pya(4) Asn Ser-、
D-Tyr D-Ser Trp Asn Ser-、
D-Tyr D-His Trp Asn Ser-、
D-Pya(3) D-Asn Cha Asn Ser-、
D-Pya(3) D-Tyr Cha Asn Ser-、
TyrΨ(CH2NH)Asn Trp Asn Ser-(配列番号63)、
D-Tyr AsnΨ(CH2NH)Trp Asn Ser-、
TyrΨ(CH2NH)Asn D-Trp Asn Ser-、
D-Tyr Asn Ala(2-Qui) Asn Ser-、
D-Tyr Asn D-Pya(4) Asn Ser-、
D-Tyr D-Asn Pya(4) Asn Ser-、
Tyr D-Asn Cha Asn Ser-、
D-Tyr D-Asn Thr Asn Ser-、
D-Tyr D-Asn Pya(4) Asn Ser-等が好ましい。
【0058】
式J1-J2-C(J7)(Q7)Y2C(J8)(Q8)Y3C(J9)(Q9)C(=Z10)-で表わされる基としては、例えば、
Fmoc Asn Trp Asn Ser-(配列番号64)、
D-Asn Trp Asn Ser-、
D-Tyr Trp Asn Ser-、
D-Tyr D-Trp Asn Ser-、
D-Tyr Ser Asn Ser-、
D-Tyr Thr Asn Ser-、
D-Tyr Ile Asn Ser-、
D-Tyr Phe Asn Ser-、
D-Tyr Nal(2) Asn Ser-、
D-Pya(3) Phe Asn Ser-、
D-Pya(3) Trp Asn Ser-、
D-Tyr D-Pya(4) Asn Ser-、
D-Asn Cha Asn Ser-等が好ましい。
式J1-J2-C(J10)(Q10)Y3C(J11)(Q11)C(=Z10)-で表わされる基としては、例えば、
Fmoc Trp Asn Ser-、
Boc Tyr Asn Ser-、
Tyr Asn Ser-、
D-Trp Asn Ser-、
Ac Trp Asn Ser-、
Amidino Trp Asn Ser-、
Ac Ala Asn Ser-、
Ac Arg Asn Ser-、
Ac Thr Asn Ser-等が好ましい。
式J1-J2-C(J12)(Q12)C(=Z10)-で表わされる基としては、
Fmoc Asn Ser-、
3-(Indol-3-yl)propionyl Asn Ser-、
3-Indolecarbonyl Asn Ser-、
3-Indoleacetyl Asn Ser-、
4-(Indol-3-yl)butyryl Asn Ser-、
Diphenylacetyl Asn Ser-、
Hexanoyl Asn Ser-、
Cyclohexanecabonyl Asn Ser-、
2-(Indol-3-yl)ethylcabamoyl Asn Ser-、
3-Pyridylpropionyl Asn Ser-、
4-Imidzoleacetyl Asn Ser-、
Piperidinecarbonyl Asn Ser-、
1-Piperidineacetyl Asn Ser-、
1-Methyl-1-piperidinioacetyl Asn Ser-、
1-Pyridinioacetyl Asn Ser-、
D-Glucronyl Asn Ser-等が好ましい。
Pとして好ましくはJ1-で表わされる基であり、例えば、置換基(例、ハロゲン等)を有していてもよい環基を含む置換基(例、ベンゾイル)等が好ましい。
【0059】
本発明のGPR54アゴニスト活性を有する化合物は、アミド(-CONH2)、カルボキシル(-COOH)、カルボキシレート(-COO-)、アルキルアミド(-CONHR)またはエステル(-COOR)であってもよいが、特にアミド(-CONH2)が好ましい。エステルまたはアルキルアミドのRとしては、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピルもしくはn-ブチル等のC1-6アルキル、シクロペンチル、シクロヘキシル等のC3-8シクロアルキル、フェニル、α-ナフチル等のC6-12アリール、ベンジル、フェネチル、ベンズヒドリル等のフェニル-C1-2アルキル、もしくはα-ナフチルメチル等のα-ナフチル-C1-2アルキル等のC7-14アラルキルのほか、経口用エステルとして汎用されるピバロイルオキシメチル等が挙げられる。
【0060】
Xに関して
本発明において、X部分には、アミド結合は含まれない。X部分は、基本的には、ジペプチドの全長を模倣するための主鎖部分と、Leuのイソブチル基に相当するアルキル側鎖が必要である。主鎖部分の原子数は5~7個である。
【0061】
Xは、具体的には下記一般式(II)で表される。
【0062】
【化9】
JP0005700641B2_000010t.gif

【0063】
式中、
na~ndは同一または異なって0~2の整数であり(但しna、nb、ncおよびndの合計は0~2である)、Xa~XdおよびXa~Xdは同一または異なって水素原子、ヒドロキシ、ハロゲン原子、置換されていても良い低級アルキル基を表す。Zは、水素原子、置換されていてもよい炭化水素基を表す。置換されていてもよい炭化水素基とは、上記した置換されていてもよいC1-6アルキル、上記した置換されていてもよいC2-6アルケニル、上記した置換されていてもよいC2-6アルキニル、上記した置換されていてもよいC1-6アルコキシ、ホルミル、上記した置換されていてもよいC1-6アルキル-カルボニル、上記した置換されていてもよいC3-8シクロアルキル-カルボニル、上記した置換されていてもよいC1-6アルコキシ-カルボニル、上記した置換されていてもよいC1-6アルキルスルホニルを表す。R~R11は同一または異なって、水素原子、ヒドロキシ、ハロゲン原子、置換されていても良い低級アルキルを表す。置換されていても良い低級アルキルとは、具体的には、メチル、ハロメチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシルとこれらの分岐型アルキルを表す。さらに具体的には、イソプロピル、イソブチル、sec-ブチルであることが好ましい。また、RとRが一緒になって結合を形成しても良く、RとR10が一緒になって結合を形成しても良い。好ましくは、Xは、下記構造式(III):
【0064】
【化10】
JP0005700641B2_000011t.gif

【0065】
で表される部分である。式中、R~R11は同一または異なって、水素原子、ヒドロキシ、ハロゲン原子、置換されていても良い低級アルキルを表す。また、RとRが一緒になって結合を形成しても良く、RとR10が一緒になって結合を形成しても良い。
【0066】
なかでも好ましくは、Xは、下記構造式群(IV)から選ばれる部分である。
【0067】
【化11】
JP0005700641B2_000012t.gif

【0068】
本発明において優れたGPR54アゴニスト活性を発揮し得る好ましい化合物としては、例えば、下記一般式(V)の化合物が挙げられる。
【0069】
【化12】
JP0005700641B2_000013t.gif

【0070】
(式中、Rは、2-ピロリル、4-メトキシフェニル、4-クロロフェニル、4-フルオロフェニルを表し、Xは上記と同義である。)
【0071】
上記のようにして得られる本発明の化合物は、GPR54アゴニスト活性を有する。本発明においてアゴニスト活性とは、フルアゴニストおよびパーシャルアゴニストの両方の活性を含むものである。
【0072】
また、上記一般式(I)で示される本発明の化合物には、幾何異性体、立体異性体、光学異性体等の異性体も包含される。
【0073】
2.医薬組成物
本発明は、上記の方法によって得られる化合物および/またはその薬学的に許容される塩を有効成分とし、薬学的に許容される賦形剤、希釈剤または担体を含む医薬組成物をも提供する。
【0074】
本発明のメタスチン誘導体(I)の塩としては、例えば金属塩、アンモニウム塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩等が挙げられる。金属塩の好適な例としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩等のアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩等が挙げられる。有機塩基との塩の好適な例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、2,6-ルチジン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N'-ジベンジルエチレンジアミン等との塩が挙げられる。無機酸との塩の好適な例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等との塩が挙げられる。有機酸との塩の好適な例としては、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸等との塩が挙げられる。塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、アルギニン、リジン、オルニチン等との塩が挙げられ、酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、アスパラギン酸、グルタミン酸等との塩が挙げられる。
このうち、薬学的に許容し得る塩が好ましい。例えば、化合物内に酸性官能基を有する場合にはアルカリ金属塩(例、ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(例、カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩等)等の無機塩、アンモニウム塩等が、また、化合物内に塩基性官能基を有する場合には、例えば塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等無機酸との塩、または酢酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸等の有機酸との塩が好ましい。
【0075】
本発明のメタスチン誘導体(I)は、自体公知のペプチドの合成法に従って製造することができる。ペプチドの合成法としては、例えば固相合成法、液相合成法のいずれによっても良い。すなわち、本発明のペプチドを構成し得る部分ペプチドもしくはアミノ酸と残余部分とを縮合させ、生成物が保護基を有する場合は保護基を脱離することにより目的のペプチドを製造することができる。公知の縮合方法や保護基の脱離法としては例えば、以下の(1)~(5)に記載された方法が挙げられる。
(1)M. Bodanszky および M.A. Ondetti、ペプチド シンセシス (Peptide Synthesis),Interscience Publishers, New York (1966年)
(2)SchroederおよびLuebke、ザ ペプチド(The Peptide), Academic Press, New York (1965年)
(3)泉屋信夫他、ペプチド合成の基礎と実験、 丸善(株) (1975年)
(4)矢島治明および榊原俊平、生化学実験講座 1、 タンパク質の化学IV、 205、(1977年)
(5)矢島治明監修、続医薬品の開発 第14巻 ペプチド合成 広川書店
また、反応後は通常の精製法、例えば、溶媒抽出・蒸留・カラムクロマトグラフィー・液体クロマトグラフィー・再結晶等を組み合わせて本発明のペプチドを精製単離することができる。上記方法で得られるペプチドが遊離体である場合は公知の方法によって適当な塩に変換することができるし、逆に塩で得られた場合は、公知の方法によって遊離体に変換することができる。
【0076】
保護されたアミノ酸またはペプチドの縮合に関しては、ペプチド合成に使用できる各種活性化試薬を用いることができるが、特に、トリスフォスフォニウム塩類、テトラメチルウロニウム塩類、カルボジイミド類等がよい。トリスフォスフォニウム塩類としてはベンゾトリアゾール-1-イルオキシトリス(ピロリジノ)フォスフォニウムヘキサフルオロフォスフェイト(PyBOP)、ブロモトリス(ピロリジノ)フォスフォニウムヘキサフルオロフォスフェイト(PyBroP)、7-アザベンゾトリアゾール-1-イルオキシトリス(ピロリジノ)フォスフォニウムヘキサフルオロフォスフェイト(PyAOP)、テトラメチルウロニウム塩類としては2-(1H-ベンゾトリアゾル-1-イル)-1,1,3,3ヘキサフルオロフォスフェイト(HBTU)、2-(7-アザベンゾトリアゾル-1-イル)-1,1,3,3ヘキサフルオロフォスフェイト(HATU)、2-(1H-ベンゾトリアゾル-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレイト(TBTU)、2-(5-ノルボルネン-2,3-ジカルボキシイミド)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレイト(TNTU)、O-(N-スクシミジル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレイト(TSTU)、カルボジイミド類としてはDCC、N,N’-ジイソプロピルカルボジイミド(DIPCDI)、N-エチル-N’-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI・HCl)等が挙げられる。これらによる縮合にはラセミ化抑制剤(例えば、HONB,HOBt,HOAt,HOOBt等)の添加が好ましい。縮合に用いられる溶媒としては、ペプチド縮合反応に使用し得ることが知られている溶媒から適宜選択され得る。例えば無水または含水のN,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン等の酸アミド類、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、トリフルオロエタノール、フェノール等のアルコール類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、ピリジン等の三級アミン類、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類あるいはこれらの適宜の混合物等が用いられる。反応温度はペプチド結合形成反応に使用され得ることが知られている範囲から適宜選択され、通常約-20~50℃の範囲から適宜選択される。活性化されたアミノ酸誘導体は通常1.5~6倍過剰で用いられる。固相合成の場合にはニンヒドリン反応を用いたテストの結果、縮合が不十分な場合には保護基の脱離を行うことなく縮合反応を繰り返すことにより十分な縮合を行うことができる。反応を繰り返しても十分な縮合が得られないときには、無水酢酸またはアセチルイミダゾール等を用いて未反応アミノ酸をアシル化して、後の反応に影響を及ぼさないようにすることができる。
【0077】
原料アミノ酸のアミノ基の保護基としては、例えば、Z、Boc、tert-ペンチルオキシカルボニル、イソボルニルオキシカルボニル、4-メトキシベンジルオキシカルボニル、Cl-Z、Br-Z、アダマンチルオキシカルボニル、トリフルオロアセチル、フタロイル、ホルミル、2-ニトロフェニルスルフェニル、ジフェニルホスフィノチオイル、Fmoc等が挙げられる。カルボキシル基の保護基としては、例えばRとして上記したC1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C7-14アラルキルの他、アリル、2-アダマンチル、4-ニトロベンジル、4-メトキシベンジル、4-クロロベンジル、フェナシル基およびベンジルオキシカルボニルヒドラジド、tert-ブトキシカルボニルヒドラジド、トリチルヒドラジド等が挙げられる。
セリンおよびスレオニンの水酸基は、例えばエステル化またはエーテル化によって保護することができる。このエステル化に適する基としては例えばアセチル等の低級(C2-4)アルカノイル、ベンゾイル等のアロイル基等の有機酸から誘導される基等が挙げられる。また、エーテル化に適する基としては、例えばベンジル、テトラヒドロピラニル、tert-ブチル、トリチル(Trt)等である。
チロシンのフェノール性水酸基の保護基としては、例えばBzl、2,6-ジクロルベンジル、2-ニトロベンジル、Br-Z、tert-ブチル等が挙げられる。
ヒスチジンのイミダゾールの保護基としては、Tos、4-メトキシ-2,3,6-トリメチルベンゼンスルホニル(Mtr)、DNP、Bom、Bum、Boc、Trt、Fmoc等が挙げられる。
アルギニンのグアニジノ基の保護基としてはTos、Z、4-メトキシ-2,3,6-トリメチルベンゼンスルフォニル(Mtr)、p-メトキシベンゼンスルフォニル(MBS)、2,2,5,7,8-ペンタメチルクロマン-6-スルフォニル(Pmc)、メシチレン-2-スルフォニル(Mts)、2,2,4,6,7-ペンタメチルジヒドロベンゾフラン-5-スルホニル(Pbf)、Boc、Z、NO等が挙げられる。
リジンの側鎖アミノ基の保護基としてはZ、Cl-Z、トリフルオロアセチル、Boc、Fmoc、Trt、Mtr、4,4-ジメチル-2,6-ジオキソサイクロヘキシリデンエイル(Dde)等が挙げられる。
トリプトファンのインドリル保護基としてはフォルミル(For)、Z、Boc、Mts、Mtr等が挙げられる。
アスパラギン、グルタミンの保護基としてはTrt、キサンチル(Xan)、4,4’-ジメトキシベンズヒドリル(Mbh)、2,4,6-トリメトキシベンジル(Tmob)等が挙げられる。
原料のカルボキシル基の活性化されたものとしては、例えば対応する酸無水物、アジド、活性エステル[アルコール(例、ペンタクロロフェノール、2,4,5-トリクロロフェノール、2,4-ジニトロフェノール、シアノメチルアルコール、パラニトロフェノール、HONB、N-ヒドロキシスクシミド、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール(HOAt)とのエステル]等が挙げられる。原料のアミノ基の活性化されたものとしては、例えば対応する亜リン酸アミドが挙げられる。
【0078】
保護基の除去(脱離)方法としては、例えばPd黒あるいはPd炭素等の触媒の存在下での水素気流中での接触還元や、また、無水フッ化水素、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、臭化トリメシルシラン(TMSBr)、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート、テトラフルオロホウ酸、トリス(トリフルオロ)ホウ素、三臭化ホウ素あるいはこれらの混合液等による酸処理や、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、ピペリジン、ピペラジン等による塩基処理、また液体アンモニア中ナトリウムによる還元等も挙げられる。上記酸処理による脱離反応は一般に-20~40℃の温度で行われるが、酸処理においてはアニソール、フェノール、チオアニソール、メタクレゾール、パラクレゾールのようなカチオン捕捉剤や、ジメチルスルフィド、1,4-ブタンジチオール、1,2-エタンジチオール等の添加が有効である。また、ヒスチジンのイミダゾール保護基として用いられる2,4-ジニトロフェニル基はチオフェノール処理により除去され、トリプトファンのインドール保護基として用いられるホルミル基は上記の1,2-エタンジチオール、1,4-ブタンジチオール等の存在下の酸処理による脱保護以外に、希水酸化ナトリウム、希アンモニア等によるアルカリ処理によっても除去される。
原料の反応に関与すべきでない官能基の保護および保護基、ならびにその保護基の脱離、反応に関与する官能基の活性化等は公知の保護基あるいは公知の手段から適宜選択し得る。
【0079】
ペプチドのアミド体を得る方法としては、アミド体合成用樹脂を用いて固相合成するかまたはC末端アミノ酸のα-カルボキシル基をアミド化した後、アミノ基側にペプチド鎖を所望の鎖長まで延ばした後、該ペプチド鎖のN末端のα-アミノ基の保護基のみを除いたペプチドとC末端のカルボキシル基の保護基のみを除いたペプチド(またはアミノ酸)とを製造し、この両ペプチドを上記したような混合溶媒中で縮合させる。縮合反応の詳細については上記と同様である。縮合により得られた保護ペプチドを精製した後、上記方法により全ての保護基を除去し、所望の粗ポリペプチドを得ることができる。この粗ペプチドは既知の各種精製手段を駆使して精製し、主要画分を凍結乾燥することで所望のペプチドのアミド体を得ることができる。
【0080】
本発明のメタスチン誘導体(I)が、コンフィギュレーショナル アイソマー(配置異性体)、ジアステレオマー、コンフォーマー等として存在する場合には、所望により、前記の分離、精製手段によりそれぞれを単離することができる。また、本発明の化合物がラセミ体である場合には、通常の光学分割手段によりS体およびR体に分離することができる。
本発明のメタスチン誘導体(I)に立体異性体が存在する場合には、この異性体が単独の場合およびそれらの混合物の場合も本発明に含まれる。
また、本発明のメタスチン誘導体(I)は、水和物または非水和物であってもよい。
本発明のメタスチン誘導体(I)は同位元素(例、3H、14C、35S)等で標識されていてもよい。
【0081】
本発明のメタスチン誘導体(I)またはその塩(以下、本発明のメタスチン誘導体(I)と略記する)のプロドラッグは、生体内における生理条件下で酵素や胃酸等による反応により本発明のメタスチン誘導体(I)に変換するメタスチン誘導体、すなわち酵素的に酸化、還元、加水分解等を起こして本発明のメタスチン誘導体に変化するメタスチン誘導体、胃酸等により加水分解等を起こして本発明のメタスチン誘導体(I)に変化するメタスチン誘導体をいう。
本発明のメタスチン誘導体(I)のプロドラッグとしては、本発明のメタスチン誘導体(I)のアミノ基がアシル化、アルキル化、リン酸化されたメタスチン誘導体(例えば、本発明のメタスチン誘導体(I)のアミノ基がエイコサノイル化、アラニル化、ペンチルアミノカルボニル化、(5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソレン-4-イル)メトキシカルボニル化、テトラヒドロフラニル化、ピロリジルメチル化、ピバロイルオキシメチル化、tert-ブチル化されたメタスチン誘導体等);本発明のメタスチン誘導体(I)の水酸基がアシル化、アルキル化、リン酸化、ホウ酸化されたメタスチン誘導体(例えば、本発明のメタスチン誘導体(I)の水酸基がアセチル化、パルミトイル化、プロパノイル化、ピバロイル化、スクシニル化、フマリル化、アラニル化、ジメチルアミノメチルカルボニル化されたメタスチン誘導体等);本発明のメタスチン誘導体(I)のカルボキシ基がエステル化、アミド化されたメタスチン誘導体(例えば、本発明のメタスチン誘導体(I)のカルボキシ基がエチルエステル化、フェニルエステル化、カルボキシメチルエステル化、ジメチルアミノメチルエステル化、ピバロイルオキシメチルエステル化、エトキシカルボニルオキシエチルエステル化、フタリジルエステル化、(5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソレン-4-イル)メチルエステル化、シクロヘキシルオキシカルボニルエチルエステル化、メチルアミド化されたメタスチン誘導体等);等が挙げられる。これらのメタスチン誘導体は自体公知の方法によって本発明のメタスチン誘導体(I)から製造することができる。
また、本発明のメタスチン誘導体(I)のプロドラッグは、広川書店1990年刊「医薬品の開発」第7巻分子設計163頁から198頁に記載されているような生理的条件で本発明のメタスチン誘導体(I)に変化するものであってもよい。
【0082】
本発明のメタスチン誘導体(I)またはその塩のプロドラッグ(以下、本発明の化合物と略記する場合がある)は癌転移抑制活性または癌増殖抑制活性を有するため、癌転移抑制剤または癌増殖抑制剤として、あらゆる癌(例えば、肺癌、胃癌、肝癌、膵癌、大腸癌、直腸癌、結腸癌、前立腺癌、卵巣癌、子宮頚癌、乳癌等)の予防・治療剤等の医薬組成物として有用である。
さらに、本発明の化合物は膵臓機能調節作用を有するため、膵臓機能調節剤として、種々の膵臓疾患(例えば、急性または慢性膵炎、膵癌等)の予防・治療剤として有用である。
また、本発明の化合物は胎盤機能調節作用を有するため、胎盤機能調節剤として、例えば、絨毛癌、胞状奇胎、侵入奇胎、流産、胎児の発育不全、糖代謝異常、脂質代謝異常または分娩誘発の予防・治療剤等の医薬組成物として有用である。
さらに、本発明の化合物は血糖上昇作用、膵グルカゴン分泌促進作用、尿生成促進作用を有しているので、血糖上昇剤、膵グルカゴン分泌促進剤、尿生成促進剤として、例えば、肥満、高脂血症、2型糖尿病、低血糖症、高血圧、糖尿病神経障害、糖尿病腎症、糖尿病網膜症、浮腫、排尿困難症、インスリン抵抗性、不安定糖尿病、脂肪萎縮、インスリンアレルギー、インスリノーマ、動脈硬化、血栓性疾患または脂肪毒性の予防・治療剤等の医薬組成物として有用である。
さらに、本発明の化合物は、性腺刺激ホルモン(例、FSH、LH等)分泌促進作用、性ホルモン〔例、アンドロゲン(例、テストステロン、アンドロステンジオン等)、エストロゲン(例、エストラジオール、エストロン等)、プロゲステロン等〕分泌促進作用、性腺機能改善作用、排卵誘発または促進作用、性成熟作用等を有しているので、例えば、性腺機能改善剤、排卵誘発または促進剤、性腺刺激ホルモン分泌促進剤または性ホルモン分泌促進剤、ホルモン依存性癌〔例、前立腺癌、乳癌等〕、不妊症〔例、月経不順、月経困難症、無月経症、体重減少性無月経症、続発性無月経症、無排卵症、卵巣機能低下症、性腺機能低下症、精子形成障害、性機能低下症(例、インポテンス等)、性器萎縮症、精巣萎縮症、精巣機能障害、無精子症、低アンドロゲン血症等〕、子宮内膜症、子宮筋腫等の予防・治療剤として使用することができる。
さらに、本発明の化合物は、アルツハイマー病、軽度認知障害等の予防・治療剤等として有用である。
さらに、本発明の化合物は、天然型メタスチン、例えばメタスチン54(1-54)やメタスチン10(45-54)に比べて、優れた血中安定性を有している。
【0083】
本発明の化合物を含有してなる医薬組成物は、特開2004-217651号公報に記載の方法により製造されることができ、投与量や投与経路等も特開2004-217651号公報の記載から当業者が適宜決定することができる。
【0084】
さらに、本発明の化合物は、本発明の化合物以外の薬物と併用して使用することができる。
本発明の化合物と併用し得る薬物(以下、併用薬物と略記する場合がある)としては、例えば、癌治療のための化学療法剤、ホルモン療法剤、免疫療法剤等を挙げることができる。
該「化学療法剤」としては、例えばアルキル化剤、代謝拮抗剤、抗癌性抗生物質、植物由来抗癌剤等が挙げられる。
「アルキル化剤」としては、例えば、ナイトロジェンマスタード、塩酸ナイトロジェンマスタード-N-オキシド、クロラムブチル、シクロフォスファミド、イホスファミド、チオテパ、カルボコン、トシル酸インプロスルファン、ブスルファン、塩酸ニムスチン、ミトブロニトール、メルファラン、ダカルバジン、ラニムスチン、リン酸エストラムスチンナトリウム、トリエチレンメラミン、カルムスチン、ロムスチン、ストレプトゾシン、ピポブロマン、エトグルシド、カルボプラチン、シスプラチン、ミボプラチン、ネダプラチン、オキサリプラチン、アルトレタミン、アンバムスチン、塩酸ジブロスピジウム、フォテムスチン、プレドニムスチン、プミテパ、リボムスチン、テモゾロミド、トレオスルファン、トロフォスファミド、ジノスタチンスチマラマー、カルボコン、アドゼレシン、システムスチン、ビゼレシン等が挙げられる。
「代謝拮抗剤」としては、例えば、メルカプトプリン、6-メルカプトプリンリボシド、チオイノシン、メトトレキサート、エノシタビン、シタラビン、シタラビンオクフォスファート、塩酸アンシタビン、5-FU系薬剤(例、フルオロウラシル、テガフール、UFT、ドキシフルリジン、カルモフール、ガロシタビン、エミテフール等)、アミノプテリン、ロイコボリンカルシウム、タブロイド、ブトシン、フォリネイトカルシウム、レボフォリネイトカルシウム、クラドリビン、エミテフール、フルダラビン、ゲムシタビン、ヒドロキシカルバミド、ペントスタチン、ピリトレキシム、イドキシウリジン、ミトグアゾン、チアゾフリン、アンバムスチン等が挙げられる。
「抗癌性抗生物質」としては、例えば、アクチノマイシンD、アクチノマイシンC、マイトマイシンC、クロモマイシンA3、塩酸ブレオマイシン、硫酸ブレオマイシン、硫酸ペプロマイシン、塩酸ダウノルビシン、塩酸ドキソルビシン、塩酸アクラルビシン、塩酸ピラルビシン、塩酸エピルビシン、ネオカルチノスタチン、ミスラマイシン、ザルコマイシン、カルチノフィリン、ミトタン、塩酸ゾルビシン、塩酸ミトキサントロン、塩酸イダルビシン等が挙げられる。
「植物由来抗癌剤」としては、例えば、エトポシド、リン酸エトポシド、硫酸ビンブラスチン、硫酸ビンクリスチン、硫酸ビンデシン、テニポシド、パクリタキセル、ドセタクセル、ビノレルビン等が挙げられる。
該「ホルモン療法剤」としては、例えば、ホスフェストロール、ジエチルスチルベストロール、クロロトリアニセリン、酢酸メドロキシプロゲステロン、酢酸メゲストロール、酢酸クロルマジノン、酢酸シプロテロン、ダナゾール、アリルエストレノール、ゲストリノン、メパルトリシン、ラロキシフェン、オルメロキフェン、レボルメロキシフェン、抗エストロゲン(例、クエン酸タモキシフェン、クエン酸トレミフェン等)、ピル製剤、メピチオスタン、テストロラクトン、アミノグルテチイミド、LH-RHアゴニスト(例、酢酸ゴセレリン、ブセレリン、リュープロレリン等)、ドロロキシフェン、エピチオスタノール、スルホン酸エチニルエストラジオール、アロマターゼ阻害薬(例、塩酸ファドロゾール、アナストロゾール、レトロゾール、エキセメスタン、ボロゾール、フォルメスタン等)、抗アンドロゲン(例、フルタミド、ビカルタミド、ニルタミド等)、5α-レダクターゼ阻害薬(例、フィナステリド、エプリステリド等)、副腎皮質ホルモン系薬剤(例、デキサメタゾン、プレドニゾロン、ベタメタゾン、トリアムシノロン等)、アンドロゲン合成阻害薬(例、アビラテロン等)、レチノイドおよびレチノイドの代謝を遅らせる薬剤(例、リアロゾール等)等が挙げられ、なかでもLH-RHアゴニスト(例、酢酸ゴセレリン、ブセレリン、リュープロレリン等)が好ましい。
該「免疫療法剤(BRM)」としては、例えば、ピシバニール、クレスチン、シゾフィラン、レンチナン、ウベニメクス、インターフェロン、インターロイキン、マクロファージコロニー刺激因子、顆粒球コロニー刺激因子、エリスロポイエチン、リンホトキシン、BCGワクチン、コリネバクテリウムパルブム、レバミゾール、ポリサッカライドK、プロコダゾール等が挙げられる。
【0085】
本発明の化合物と併用薬物とを組み合わせることにより、
(1)本発明の化合物または併用薬物を単独で投与する場合に比べて、その投与量を軽減することができる、
(2)患者の症状(軽症、重症等)に応じて、本発明の化合物と併用薬物を選択することができる、
(3)本発明の化合物と作用機序が異なる併用薬物を選択することにより、治療期間を長く設定することができる、
(4)本発明の化合物と作用機序が異なる併用薬物を選択することにより、治療効果の持続を図ることができる、
(5)本発明の化合物と併用薬物とを併用することにより、相乗効果が得られる、等の優れた効果を得ることができる。
以下、本発明の化合物と併用薬物を併用して使用することを「本発明の併用剤」と称する。
本発明の併用剤の使用に際しては、本発明の化合物と併用薬物の投与時期は限定されず、本発明の化合物またはその医薬組成物と併用薬物またはその医薬組成物とを、投与対象に対し、同時に投与してもよいし、時間差をおいて投与してもよい。併用薬物の投与量は、臨床上用いられている投与量に準ずればよく、投与対象、投与ルート、疾患、組み合わせ等により適宜選択することができる。
本発明の併用剤の投与形態は、特に限定されず、投与時に、本発明の化合物と併用薬物とが組み合わされていればよい。このような投与形態としては、例えば、(1)本発明の化合物と併用薬物とを同時に製剤化して得られる単一の製剤の投与、(2)本発明の化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の投与の製剤の同一投与経路での同時投与、(3)本発明の化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での時間差をおいての投与、(4)本発明の化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での同時投与、(5)本発明の化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での時間差をおいての投与(例えば、本発明の化合物;併用薬物の順序での投与、あるいは逆の順序での投与)等が挙げられる。
【0086】
本発明の併用剤は、特開2004-217651号公報に記載のようにして製造することができ、投与経路、投与方法、投与形態、投与量等も特開2004-217651号公報の記載により当業者が適宜決定することができる。
【0087】
3.適用
本発明の化合物は、7回膜貫通型受容体であるGPR54に特異的に結合して受容体を活性化し、その内因性リガンドであるメタスチン(別名:キスペプチン)の作用を増強し得る。したがって、本発明の化合物は、GPR54の活性化およびそれに伴うメタスチンの作用増強が、その予防または治療(症状の改善、緩和または治癒を目的とする処置を含む)に有効な疾患に好適に用いることができる。具体的には以下のような疾患が例示される。
【0088】
メタスチンは、癌転移、性機能の制御等に関わる内因性リガンドである。
メタスチンが、肺移行性GPR54発現黒色腫細胞の転移(metastasis)を有意に阻害すること、膵癌細胞の移動を抑制し得ること等が報告されている。したがって、本発明の化合物を含有する医薬組成物は、黒色腫、膵臓癌等の癌の転移抑制剤として使用できる。
【0089】
さらに、本発明の化合物は、性機能低下抑制作用を有することから、性ホルモンまたは性腺刺激ホルモンの分泌調節異常を改善することも可能である。また、本発明の限定的解釈を望むものではないが、例えば、本発明の化合物がGPR54アゴニストとして作用することにより、細胞の遊走能が抑制され、受精卵の着床が促されることによって、不妊治療剤としての効果も期待される。
【0090】
また、Jean-Marc Navenot et al., Cancer Res. 2004; 65:22. November 15, 2005により、KiSS-1遺伝子産物由来のkisspeptin-10(kp-10)がGPR54を活性化し、CXCR4のはたらきを抑制することが明らかとなった。CXCR4は、G蛋白質共役型レセプター蛋白質の一つとしてCXCR4遺伝子によってコードされるヒト型レセプター蛋白質であり、癌転移・増殖、慢性関節リューマチ、肺線維症、慢性リンパ性B細胞白血病、HIV感染等の様々な疾患に関与していることが知られている。
【0091】
したがって、本発明の化合物を含有する医薬組成物は、CXCR4が関与する疾患に抑制的に働くと予想される。CXCR4が関与する疾患としては、エイズ、慢性リンパ性B細胞白血病、CXCR4を発現している癌種、例えば、口腔癌、咽頭癌、口唇癌、舌癌、歯肉癌、鼻咽頭癌、食道癌、胃癌、小腸癌、結腸癌を含む大腸癌、肝臓癌、胆のう癌、膵臓癌、鼻腔癌、肺癌、骨肉腫、軟部組織癌、皮膚癌、黒色腫、乳癌、子宮癌、卵巣癌、前立腺癌、精巣癌、陰茎癌、膀胱癌、腎臓癌、脳腫瘍、甲状腺癌、リンパ腫、白血病、慢性関節リューマチ等が挙げられる。また、火傷等の外傷においてもCXCR4の関与が示唆されていることから、火傷等の治癒を目的として本発明の化合物を含む医薬組成物を適用することができると考えられる。
【0092】
したがって、本発明のメタスチン誘導体(I)またはその塩あるいはそれらのプロドラッグは、例えば、血糖上昇剤、膵グルカゴン分泌促進剤、尿生成促進剤として有用である。さらには、メタスチン受容体アゴニストは、例えば、肥満、高脂血症、2型糖尿病、低血糖症、高血圧、糖尿病神経障害、糖尿病腎症、糖尿病網膜症、浮腫、排尿困難症、インスリン抵抗性、不安定糖尿病、脂肪萎縮、インスリンアレルギー、インスリノーマ、動脈硬化、血栓性疾患または脂肪毒性の予防・治療剤として有用である。
本発明のメタスチン誘導体(I)またはその塩あるいはそれらのプロドラッグはまた、血糖低下剤、膵グルカゴン分泌抑制剤、尿生成抑制剤として有用である。さらには、メタスチン受容体アンタゴニストは、例えば、糖尿病、耐糖能障害、ケトーシス、アシドーシス、糖尿病神経障害、糖尿病腎症、糖尿病網膜症、頻尿、夜尿症、高脂血症、性機能障害、皮膚疾患、関節症、骨減少症、動脈硬化、血栓性疾患、消化不良または記憶学習障害の予防・治療剤として使用することができる。
本発明のメタスチン誘導体(I)またはその塩あるいはそれらのプロドラッグは塩を形成していてもよく、例えば、生理学的に許容される酸(例、無機酸、有機酸等)や塩基(例、アルカリ金属等)等との塩が用いられ、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。この様な塩としては、例えば、無機酸(例、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸等)との塩、あるいは有機酸(例、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等)との塩等が用いられる。
本発明のメタスチン誘導体(I)またはその塩あるいはそれらのプロドラッグを上述の予防・治療剤として使用する場合、常套手段に従って実施することができる。例えば、前記したメタスチンを含有する医薬組成物と同様にして、錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、マイクロカプセル剤、無菌性溶液、懸濁液剤等とすることができる。
このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、例えば、ヒトまたは温血動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、トリ、ネコ、イヌ、サル、チンパンジー等)に対して投与することができる。
該物質の投与量は、その作用、対象疾患、投与対象、投与ルート等により差異はあるが、例えば、メタスチン受容体アゴニストを経口投与する場合、一般的に成人(体重60kg当たり)においては、一日につき該化合物を約0.1~100mg、好ましくは約1~50mg、より好ましくは約1~20mg投与する。非経口的に投与する場合は、該物質の1回投与量は投与対象、対象疾患等によっても異なるが、例えば、メタスチン受容体アゴニストを注射剤の形で通常成人(体重60kg当たり)に投与する場合、一日につき該化合物を約0.01~30mg程度、好ましくは約0.1~20mg程度、より好ましくは約0.1~10mg程度を静脈注射により投与するのが好都合である。他の動物の場合も、体重60kg当たりに換算した量を投与することができる。
【0093】
本発明は、更に以下の実施例、製剤例および試験例によって詳しく説明されるが、これらの例は単なる実施であって、本発明を限定するものではなく、また本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。
以下の実施例中の「室温」は通常約10~35℃を示す。%は、収率はmol/mol%を、クロマトグラフィーで用いられる溶媒は体積%を、その他は重量%を示す。プロトンNMRスペクトルで、OHやNHプロトン等ブロードで確認できないものについてはデータに記載していない。「擬ペンタペプチド」は、Phe-Gly-Leu-Arg-Trp(配列番号65)で表されるアミノ酸配列において、Gly-Leuの間のアミド結合を改変した構造を含むペンタペプチドを意味する。
その他の本文中で用いられている略号は下記の意味を示す。
【0094】
略名 和名
Ac:アセチル
Boc:tert-ブトキシカルボニル
Cha:シクロヘキシルアラニン
Fmoc:9-フルオレニルメトキシカルボニル
HONB:N-ヒドロキシ-5-ノルボルネン-2,3-ジカルボキシイミド
Nal(1):1-ナフチルアラニン
Nal(2):2-ナフチルアラニン
Phe(2Cl):2-クロロフェニルアラニン
Phe(3Cl):3-クロロフェニルアラニン
Phe(4Cl):4-クロロフェニルアラニン
Phe(4NH2):4-アミノフェニルアラニン
Pya(2):2-ピリジルアラニン
Pya(3):3-ピリジルアラニン
Pya(4):4-ピリジルアラニン
Trp(For):Nin-ホルミルトリプトファン
TyrΨ(CH2NH)Asn:TyrとAsnとの間の-CONH-結合が-CH2NH-結合に置換されていることを示す。
Me:メチル基
Mts:メシチレンスルホニル基
t-Bu:tert-ブチル基
Ph:フェニル基
THF:テトラヒドロフラン
DBU:ジアザビシクロウンデセン
Et:エチル基
i-Bu:イソブチル基
DMF:ジメチルホルムアミド
TMS:トリメチルシリル基
TFA:トリフルオロ酢酸
Fmoc-OSu:N-(9-フルオレニルメチルオキシカルボニルオキシ)スクシンイミド
TES:トリエチルシリル基
m-CPBA:メタクロロ過安息香酸
DIC:ジイソプロピルカルボジイミド
【0095】
本明細書および図面において、塩基やアミノ酸等を略号で表示する場合、IUPAC-IUB Commision on Biochemical Nomenclature による略号あるいは当該分野における慣用略号に基づくものであり、その例を下記する。またアミノ酸に関し光学異性体があり得る場合は、特に明示しなければL体を示すものとする。
【0096】
Gly:グリシン
Ala:アラニン
Val:バリン
Leu:ロイシン
Ile:イソロイシン
Ser:セリン
Thr:スレオニン
Glu:グルタミン酸
Asp:アスパラギン酸
Lys:リジン
Arg:アルギニン
His:ヒスチジン
Phe:フェニルアラニン
Tyr:チロシン
Trp:トリプトファン
Pro:プロリン
Asn:アスパラギン
Gln:グルタミン
【実施例】
【0097】
本実施例に記載の化合物の製造方法を以下に示す。
工程1:ジペプチド構造の合成(1)
【0098】
【化13】
JP0005700641B2_000014t.gif

【0099】
製造例1 化合物4の製造
tert-ブチル (4S,2Z)-4,5-[N-(2,4,6-トリメチルフェニルスルホニル)エピミノ]-2-プロペノエート
化合物2を用いてTetrahedron 2007, 63, 9243-9254に記載された方法で化合物3を合成した。化合物3(605mg、2.13mmol)を含むCHCl(28mL)の攪拌溶液に、水素化ジイソブチルアルミニウム(0.99Mトルエン溶液(4.5mL、4.55mmol)を-78℃アルゴン下で滴下した。30分後、-78℃で攪拌しながら0.5NのRochelle塩水溶液を添加し、混合物をEtOで抽出した。抽出物は食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥させた。減圧下での濃縮により生じた油状のアルデヒドは、精製せずに次のステップにそのまま使用した。(o-MePhO)P(O)CHCOt-Bu(882mg、2.34mmol)を含むTHF(15mL)の攪拌溶液にNaI(383mg、2.56mmol)およびDBU(350μl、2.34mmol)を4℃アルゴン下で添加した。10分間攪拌後、上記アルデヒドのTHF(6mL)溶液を-78℃で混合物に滴下し、混合物を-78℃で1時間攪拌した。混合物を-40℃まで加温し、その温度で11時間攪拌した。水で反応を停止させ、EtOAcで抽出した。抽出物は飽和NHCl食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥させた。減圧下で濃縮し、続いてn-ヘキサン-EtOAc(14:1)を溶離液としてシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーによって、無色の油状物として化合物4(600mg、収率80%)を得た。
[α]22D-114.3 (c 1.85,CHCl3); 1H NMR(400 MHz, CDCl3) δ 1.49(s, 9H), 2.20 (d, J = 4.1Hz, 1H), 2.29 (s, 3H), 2.69 (s, 6H), 2.93 (d, J = 7.3Hz, 1H), 4.52 (ddd, J=8.0, 7.3, 4.1Hz, 1H), 5.58 (dd, J = 11.7, 8.0Hz, 1H), 5.83(d, J = 11.7 Hz, 1H), 6.95 (s, 2H); 13C NMR (100MHz, CDCl3) δ20.9, 22.9, 28.0, 33.3, 36.0, 81.1, 126.2, 131.7, 132.4, 140.1, 141.9, 143.0, 164.6. HRMS (FAB), m/z calcd for C18H26NO4S (MH) 352.1583, found : 352.1585
【0100】
製造例2 化合物5の製造
tert-ブチル (2R,3E)-2-イソブチル-5-[N-(2,4,6-トリメチルフェニルスルホニル)アミノ]-3-ペンテノエート
-78℃でCuCN(108mg、1.20mmol)およびLiCl(102mg、2.40mmol)を含む乾燥THF(2.4mL)の攪拌溶液に、2.0Mのi-BuMgClを含むTHF600μLをシリンジで添加した。混合物を4℃まで加温し、30分間4℃で攪拌した。化合物4(105mg、0.300mmol)を含む乾燥THF(3mL)溶液を上記試薬に攪拌しながら滴下し、30分間そのまま攪拌し、飽和NHCl溶液および28% NHOH溶液の混合物(1:1)6mLにより-78℃で反応を停止させた。溶液の濃縮後、残渣をEtOで抽出し、抽出物を食塩水で洗浄してMgSOで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、残渣をn-ヘキサン-EtOAc(5:1)を溶出液としてシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーで精製し、無色固体として化合物5(110mg、収率90%)を得た。
mp 51-53 ℃; [α]23D -22.0 (c 1.00, CHCl3); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.84 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 0.87 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 1.17-1.26 (m, 1H), 1.42 (s, 9H), 1.45-1.54 (m, 2H), 2.30 (s, 3H), 2.63 (s, 6H), 2.88 (ddd, J = 8.5, 7.3, 7.3 Hz, 1H),3.51 (dd, J = 6.1, 6.1 Hz, 2H), 4.43 (t, J = 6.1 Hz, 1H), 5.41 (dt, J = 15.4, 6.1 Hz, 1H), 5.55 (dd, J = 15.4, 8.5 Hz, 1H), 6.96 (s, 2H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ20.9, 22.3, 22.4, 23.0, 25.6, 28.0, 41.4, 44.5, 47.7, 80.6, 126.7, 132.0, 132.7, 133.6, 139.0, 142.2, 173.3. Anal. Calcd for C22H35NO4S: H, 8.61; C, 64.51; N, 3.42. Found: H, 8.33; C, 64.39; N, 3.48
【0101】
製造例3 化合物6の製造
tert-ブチル (S)-2-イソブチル-5-[N-(2,4,6-トリメチルフェニルスルホニル)アミノ]ペンタノエート
化合物5(2.05g、5.00mmol)を含むMeOH(50mL)溶液に5% Pd/C(50mg)を添加し、混合物を室温水素雰囲気下で14時間攪拌した。混合物はセライトを通してろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。n-ヘキサンを用いた再結晶により無色固体として化合物6(2.06g、収率100%)を得た。
mp 54-56 ℃; [α]24D +0.9 (c 1.31, CHCl3); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.85 (d, J= 6.3 Hz, 3H), 0.86 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 1.02-1.13 (m, 1H), 1.28-1.57 (m, 15H),2.15-2.25 (m, 1H), 2.30 (s, 3H), 2.64 (s, 6H), 2.89 (ddt, J = 6.6, 6.3, 3.9 Hz,2H), 4.59 (dd, J = 6.3, 6.3 Hz, 1H), 6.96 (s, 2H);13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 20.9, 21.9, 22.9, 23.1, 26.0, 27.4, 28.0, 29.9, 41.9, 42.4, 43.9, 80.2, 131.9, 133.6, 139.0, 142.1, 175.5. Anal. Calcd for C22H37NO4S: H, 9.06; C, 64.20; N, 3.40. Found: H, 9.32; C, 64.02; N, 3.37
【0102】
製造例4 化合物7の製造
tert-ブチル (E)-2-イソブチル-5-[N-(2,4,6-トリメチルフェニルスルホニル)アミノ]-2-ペンテノエート
化合物5(1.02g、2.50mmol)を含むDMF(25mL)溶液にDBU(1.87mL、12.5mmol)を添加し、混合物を室温で20時間攪拌した。溶液の濃縮後、残渣をEtOで抽出し、抽出物を1N HClおよび食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をn-ヘキサン-EtOAc(6:1)を溶出液としてシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーで精製し、無色固体として化合物7(960mg、収率94%)を得た。
mp 53-54 ℃; 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.82 (d, J = 6.8 Hz, 6H), 1.47 (s, 9H), 1.61-1.72 (m, 1H), 2.06 (d, J = 7.3 Hz, 2H), 2.30 (s, 3H), 2.31 (dt, J = 7.3, 7.3 Hz, 6H), 2.63 (s, 6H), 3.02 (dt, J = 7.3, 6.3 Hz, 2H), 4.61 (t, J = 6.3 Hz, 1H), 6.46 (t, J = 7.3 Hz, 1H), 6.96 (s, 2H); 13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ 20.9, 22.4, 22.9, 28.0, 28.4, 29.0, 35.7, 41.7, 80.3, 132.0, 133.6, 136.2, 136.2, 139.1, 142.3, 166.9. Anal. Calcd for C22H34NO4S: H, 8.61; C, 64.51; N, 3.42. Found: H, 8.60; C, 64.47; N, 3.27
【0103】
製造例5 化合物8の製造
(2R,3E)-2-イソブチル-5-[N-(9-フルオレニルメトキシカルボニル)アミノ]-3-ペンテン酸
室温で化合物5(819mg、2.00mmol)を1Mチオアニソール-1M TMSBr-TFA(40mL)に溶解し、混合物を室温で1日攪拌した。減圧下で濃縮して油状の残渣を得、氷冷した乾燥ジエチルエーテル中に注いだ。生じたペレットを遠心分離により採集し、氷冷した乾燥ジエチルエーテルにより洗浄し、水(10mL)に溶解した。トリエチルアミン(1.65mL、12.0mmol)、およびFmoc-OSu(670mg、2.00mmol)を含むCHCN(10mL)を上記溶液に4℃で連続的に添加した。室温で3時間攪拌した後、混合物をEtOAcで抽出した。反応を4℃で1M HClを用いて停止させた。減圧下で濃縮した後、生じた残渣をEtOAcで抽出した。抽出物を1M HCl、食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥させた。減圧下で濃縮し、1%酢酸を含有するn-ヘキサン-EtOAc(2:1)を溶離液としてシリカゲルを用いてフラッシュクロマトグラフィーを行った。溶出液を食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濃縮して無色固体として化合物8(400mg、2工程で収率51%)を得た。
mp 146-148 ℃; [α]24D -30.8 (c 1.01, CHCl3); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.88 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 0.91 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 1.35-1.47 (m, 1H), 1.52-1.70 (m, 2H), 3.04-3.17 (m, 1H), 3.67-3.88 (m, 2H), 4.21 (t, J = 6.6 Hz, 1H), 4.41 (d, J = 6.6 Hz, 2H), 4.79-4.91 (m, 1H), 5.48-5.68 (m, 2H), 7.30 (dd, J = 7.6, 7.3 Hz, 2H), 7.39 (dd, J = 7.3, 7.3 Hz, 2H), 7.58 (d, J = 7.3 Hz, 2H), 7.75 (d, J = 7.6 Hz, 2H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 22.1, 22.5, 25.5, 41.1, 42.6, 46.7, 47.2, 66.7, 120.0, 125.0, 127.0, 127.7, 129.2, 130.0, 141.3, 143.9, 156.2, 179.7
【0104】
製造例6 化合物9の製造
(S)-2-イソブチル-5-[N-(9-フルオレニルメトキシカルボニル)アミノ]ペンタン酸
化合物8の合成で記載した方法により、化合物6(823mg、2.0mmol)から無色固体の化合物9(362mg、2工程で収率46%)を得た。
mp 136-137 ℃; [α]24D +1.6 (c 1.09, CHCl3); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.89 (d,J = 6.6 Hz, 3H), 0.91 (d, J = 6.6 Hz, 3H), 1.20-1.31 (m, 1H), 1.38-1.67 (m, 6H), 2.38-2.50 (m, 1H), 3.20 (dt, J = 7.6, 5.6 Hz, 1H), 4.20 (t, J = 6.8 Hz, 1H), 4.39 (d, J = 6.8 Hz, 2H), 4.84 (t, J = 5.6 Hz, 1H), 7.30 (dd, J = 7.6, 7.3 Hz, 2H), 7.39 (dd, J = 7.6, 7.3 Hz, 2H), 7.58 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 7.76 (d, J = 7.6 Hz, 2H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 22.1, 23.0, 26.1, 27.8, 29.7, 40.9, 41.5, 43.1, 47.2, 66.6, 120.0, 125.0, 127.0, 127.7, 141.3, 143.9, 156.5, 181.7. HRMS (FAB), m/z calcd for C24H30NO4(MH+) 396.2169, found: 396.2180
【0105】
製造例7 化合物10の製造
(E)-2-イソブチル-5-[N-(9-フルオレニルメトキシカルボニル)アミノ]-2-ペンテン酸
化合物8の合成で記載した方法により、化合物7(778mg、1.90mmol)から無色固体の化合物10(428 mg、2工程で収率57%)を得た。
mp 162-163 ℃; 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ0.81 (d, J = 6.6 Hz, 6H), 1.60-1.75 (m, 1H), 2.10 (d, J = 7.1 Hz, 2H), 2.30 (dt, J = 7.3, 6.6 Hz, 2H), 3.07 (dt, J =6.6, 6.1 Hz, 2H), 4.19 (t, J = 6.8 Hz, 1H), 4.28 (d, J = 6.8 Hz, 2H), 6.67 (t, J = 7.3 Hz, 1H), 7.31 (dd, J = 7.6, 7.3 Hz, 2H), 7.37-7.43 (m, 3H), 7.66 (d, J =7.6 Hz, 2H), 7.87 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 12.10 (s, 1H); 13C NMR (125 MHz, DMSO-d6) δ22.2, 27.7, 28.8, 35.1, 39.4, 46.7, 65.2, 120.1, 125.1, 127.0, 127.5, 133.0, 139.2, 140.7, 143.9, 156.0, 168.7. HRMS (FAB), m/z calcd for C24H28NO4(MH+) 394.2013, found: 394.2015
【0106】
工程2:ジペプチド構造の合成(2)
【0107】
【化14】
JP0005700641B2_000015t.gif

【0108】
製造例8 化合物11、12の製造
tert-ブチル (2R,3S,4S)-3,4-エポキシ-2-イソブチル-5-[N-(2,4,6-トリメチルフェニルスルホニル)アミノ]ペンタノエート (化合物11)
tert-ブチル (2R,3R,4R)-3,4-エポキシ-2-イソブチル-5-[N-(2,4,6-トリメチルフェニルスルホニル)アミノ]ペンタノエート (化合物12)
化合物5(81.9mg、0.200mmol)を含むCHCl(1mL)の攪拌溶液に、m-CPBA(51.8mg、0.300mmol)を室温で添加し、混合物を室温で20時間攪拌した。反応は飽和チオ硫酸ナトリウムで停止させた。減圧下で濃縮させた後、生じた残渣をEtOAcで抽出した。抽出物は水、1M HCl水溶液、食塩水、5% NaHCO、食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥した。減圧下で濃縮し、n-ヘキサン-EtOAc(8:1)を溶離液としてシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーを行い、化合物11(55.1mg、収率65%)および化合物12(18.3mg、収率22%)を得た。
化合物11:無色固体;mp 109-111 ℃; [α]24D-26.7 (c 1.23, CHCl3); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.88 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 0.88 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 1.19-1.28 (m,1H), 1.45 (s, 9H), 1.49-1.59 (m, 2H), 2.14 (ddd, J = 8.3, 8.3, 6.6 Hz, 1H), 2.30 (s, 3H), 2.63 (s, 6H), 2.85-2.89 (m, 1H), 2.83-3.02 (m, 2H), 3.26 (ddd, J = 13.9, 6.6, 3.4 Hz, 1H), 4.67 (dd, J = 6.6, 6.6 Hz, 1H), 6.96 (s, 2H);13C NMR (100MHz, CDCl3) δ 20.9, 22.1, 22.8, 22.9, 25.9, 28.0, 38.0, 43.4, 46.8, 55.6, 57.6, 81.2, 132.1, 133.5, 139.0, 142.4, 172.5. Anal. Calcd for C22H35NO5S: C, 62.09;H, 8.29; N, 3.29. Found: C, 62.07; H, 8.11; N, 3.28.
化合物12:無色固体; mp 78-80 ℃; [α]24D+13.4 (c 1.00, CHCl3); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.89 (d, J = 6.1 Hz, 6H), 1.40-1.46 (m, 10H), 1.58-1.71 (m, 2H), 2.17 (ddd, J = 7.8, 7.8, 6.1 Hz, 1H), 2.30 (s, 3H), 2.63 (s, 6H), 2.85 (dd, J = 7.8, 1.5 Hz, 1H), 2.92-3.01 (m, 2H), 3.16-3.25 (m, 1H), 4.77-4.85 (m, 1H), 6.96 (s, 2H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 20.9, 22.1, 22.7, 22.9, 25.9, 28.0, 39.0, 43.5, 46.7, 55.0, 57.6, 81.2, 132.0, 133.3, 139.0, 142.3, 171.9. Anal. Calcd for C22H35NO5S: C, 62.09; H, 8.29; N, 3.29. Found: C, 61.90; H, 8.04; N, 3.26
【0109】
製造例9 化合物13の製造
tert-ブチル (4R,2E)-4-ヒドロキシ-2-イソブチル-5-[N-(2,4,6-トリメチルフェニルスルホニル)アミノ]-2-ペンテノエート
化合物11(2.00g、4.70mmol)を含む乾燥THF溶液(47mL)をNaH(60%、752mg、18.8mmol)に4℃で添加した。混合物を室温まで加温し、室温で2時間攪拌した。反応は飽和NHClを用いて4℃で停止させた。減圧下での濃縮の後、残渣はEtOAcで抽出した。抽出物は食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥させた。減圧下で濃縮し、n-ヘキサン-EtOAc(2:1)を溶離液としてシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーを行い、無色固体として化合物13(1.95g、収率98%)を得た。
mp 74-76 ℃; [α]25D -35.8 (c 1.02, CHCl3); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.81 (d, J = 6.6 Hz, 3H), 0.83 (d, J = 6.6 Hz, 3H), 1.46 (s, 9H), 1.60-1.71 (m, 1H), 2.02(dd, J = 13.4, 7.6 Hz, 1H), 2.12 (dd, J = 13.4, 6.9 Hz, 1H), 2.28-2.35 (m, 4H),2.65 (s, 6H), 2.86 (ddd, J = 13.4, 9.0, 4.4 Hz, 1H), 3.03 (ddd, J = 13.4, 8.3, 3.2 Hz, 1H), 4.42 (dddd, J = 9.0, 9.0, 3.7, 3.2 Hz, 1H), 5.19 (dd, J = 8.3, 4.4 Hz, 1H), 6.38 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 6.97 (s, 2H);13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 20.9, 22.0, 22.5, 22.8, 27.9, 28.2, 35.9, 47.3, 67.2, 81.0, 132.1, 133.4, 136.6, 137.4, 139.0, 142.4, 166.7. Anal. Calcd for C22H35NO5S: C, 62.09; H, 8.29; N, 3.29. Found: C, 61.90; H, 8.04; N, 3.34
【0110】
製造例10 化合物14の製造
tert-ブチル (4S,2E)-4-ヒドロキシ-2-イソブチル-5-[N-(2,4,6-トリメチルフェニルスルホニル)アミノ]-2-ペンテノエート
化合物12(979mg、2.30mmol)を含むCHOH(23mL)の攪拌溶液にKCO(1.27g、9.20mmol)を室温で添加した。混合物を50℃まで加温し、その温度で5.5時間攪拌した。減圧下での濃縮後、残渣をEtOAcで抽出した。抽出物を1N HCl、食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥させた。減圧下での濃縮後、n-ヘキサン-EtOAc(2:1)を溶離液としてシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーを行い、無色固体として化合物14(733mg、収率75%)を得た。
mp 72-73 ℃; [α]20D +39.1 (c 1.31, CHCl3); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.81 (d, J = 5.6 Hz, 3H), 0.83 (d, J = 5.6 Hz, 3H), 1.46 (s, 9H), 1.60-1.73 (m, 1H), 2.03(dd, J = 13.2, 7.6 Hz, 1H), 2.12 (dd, J = 13.2, 6.8 Hz, 1H), 2.28 (d, J = 3.9 Hz, 1H), 2.30 (s, 3H), 2.65 (s, 6H), 2.87 (ddd, J = 13.4, 9.0, 4.4 Hz, 1H), 3.03 (ddd, J = 13.4, 8.3, 3.4 Hz, 1H), 4.43 (dddd, J = 9.0, 9.0, 3.9, 3.4 Hz, 1H), 5.17 (dd, J = 8.3, 4.4 Hz, 1H), 6.38 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 6.97 (s, 2H); 13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ 20.9, 22.1, 22.5, 22.8, 28.0, 28.2, 36.0, 47.4, 67.3, 81.0, 132.1, 133.6, 136.7, 137.4, 139.1, 142.4, 166.7. Anal. Calcd for C22H35NO5S: C, 62.09; H, 8.29; N, 3.29. Found: C, 61.97; H, 8.13; N, 3.16
【0111】
製造例11 化合物15の製造
(4R,2E)-5-[N-(9-フルオレニルメトキシカルボニル)アミノ]-4-ヒドロキシ-2-イソブチル-2-ペンテン酸
化合物8の合成で記載した方法により、化合物13(1.16g、2.73mmol)から無色の半固体の化合物15(1.02g、2工程で収率91%)を得た。
[α]20D-1.25 (c 1.03, CHCl3); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.91 (d, J = 6.6 Hz, 6H), 1.75-1.87 (m, 1H), 2.20-2.29 (m, 2H), 3.15-3.26 (m, 1H), 3.36-3.46 (m, 1H), 4.21 (t, J = 6.83 Hz, 1H), 4.44 (d, J = 6.8 Hz, 2H), 4.54-4.62 (m, 1H), 5.26 (dd,J = 5.9, 5.9 Hz, 1H), 6.76 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.31 (dd, J = 7.6, 7.3 Hz, 2H),7.40 (dd, J = 7.3, 7.3 Hz, 2H), 7.59 (d, J = 7.3 Hz, 2H), 7.76 (d, J = 7.6 Hz, 2H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 22.2, 22.5, 28.1, 35.8, 46.2, 47.2, 67.0, 68.0,120.0, 125.0, 127.1, 127.7, 133.9, 141.3, 141.6, 143.8, 157.2, 172.2. HRMS (FAB), m/z calcd for C24H28NO5(MH+) 410.1962, found: 410.1964
【0112】
製造例12 化合物16の製造
(4S,2E)-5-[N-(9-フルオレニルメトキシカルボニル)アミノ]-4-ヒドロキシ-2-イソブチル-2-ペンテン酸
化合物8の合成に記載の方法により、化合物14(1.70g、4.00mmol)から無色の半固体として化合物16(1.40mg、2段階の収率88% )を得た。
[α]21D+1.5 (c 1.27, CHCl3); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.91 (d, J = 6.6 Hz, 6H), 1.75-1.87 (m, 1H), 2.20-2.29 (m, 2H), 3.15-3.26 (m, 1H), 3.36-3.46 (m, 1H), 4.21 (t, J = 6.83 Hz, 1H), 4.44 (d, J = 6.8 Hz, 2H), 4.54-4.62 (m, 1H), 5.26 (dd, J = 5.9, 5.9 Hz, 1H), 6.76 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.31 (dd, J = 7.6, 7.3 Hz, 2H), 7.40 (dd, J = 7.3, 7.3 Hz, 2H), 7.59 (d, J = 7.3 Hz, 2H), 7.76 (d, J = 7.6 Hz, 2H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 22.2, 22.5, 28.1, 35.8, 46.2, 47.2, 67.0, 68.0, 120.0, 125.0, 127.1, 127.7, 133.9, 141.3, 141.6, 143.8, 157.2, 172.2. HRMS (FAB), m/z calcd for C24H28NO5(MH+) 410.1962, found: 410.1972
【0113】
製造例13 化合物17の製造
(4R,2E)-5-[N-(9-フルオレニルメトキシカルボニル)アミノ]-2-イソブチル-4-トリエチルシロキシ-2-ペンテン酸
化合物15(81.9mg、0.200mmol)およびイミダゾール(68.1mg、1.00mmol)を含むCHCl(400μL)の攪拌溶液に、クロロトリエチルシラン(67.0μL、0.400mmol)を4℃で添加した。混合物を4℃で4時間攪拌した。減圧下で濃縮後、残渣をEtOで抽出した。抽出物を1N HCl、食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥させた。減圧下で濃縮後、1% AcOHを含むn-ヘキサン-EtOAc(4:1)を溶離液としてシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより、無色油状物として化合物17(57.1mg、収率55%)を得た。
[α]23D-3.5 (c 2.86, CHCl3); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.57 (q, J = 7.8 Hz, 6H), 0.88-1.00 (m, 15H), 1.80-1.95 (m, 1H), 2.17 (dd, J = 13.2, 7.0 Hz, 1H), 2.29 (dd, J = 13.2, 7.0 Hz, 1H), 3.04-3.20 (m, 1H), 3.30-3.48 (m, 1H), 4.22 (t, J = 6.8 Hz, 1H), 4.39 (dd, J = 6.8, 6.8 Hz, 2H), 4.53-4.64 (m, 1H), 5.08-5.22 (m, 1H),6.75 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.30 (dd, J = 7.6, 7.6 Hz, 2H), 7.39 (dd, J = 7.6, 7.6 Hz, 2H), 7.55-7.63 (m, 2H), 7.75 (d, J = 7.6 Hz, 2H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3)δ 4.8, 6.7, 22.5, 22.5, 28.0, 36.0, 46.4, 47.2, 66.9, 68.4, 119.9, 125.0, 125.1, 127.0, 127.7, 132.3, 141.3, 143.8, 156.4, 172.8. HRMS (FAB), m/z calcd for C30H42NO5Si (MH+) 524.2827, found: 524.2824
【0114】
製造例14 化合物18の製造
(4S,2E)-5-[N-(9-フルオレニルメトキシカルボニル)アミノ]-2-イソブチル-4-トリエチルシロキシ-2-ペンテン酸
化合物17の合成に記載の方法により、化合物16(1.39g、3.40mmol)から無色半固体として化合物18(1.70mg、2工程で収率95%)を得た。
[α]23D+3.5 (c 1.20, CHCl3); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.59 (q, J = 7.8 Hz, 6H), 0.86-0.98 (m, 15H), 1.79-1.94 (m, 1H), 2.19 (dd, J = 13.4, 7.3 Hz, 1H), 2.29 (dd, J = 13.4, 7.3 Hz, 1H), 3.07-3.25 (m, 1H), 3.29-3.46 (m, 1H), 4.22 (t, J = 6.8 Hz, 1H), 4.39 (d, J = 6.8 Hz, 2H), 4.53-4.64 (m, 1H), 4.98-5.20 (m, 1H), 6.74 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.29 (dd, J = 7.6, 7.6 Hz, 2H), 7.38 (dd, J = 7.6, 7.6 Hz, 2H), 7.58 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.77 (d, J = 7.6 Hz, 2H);13C NMR (100 MHz, CDCl3)δ 4.8, 6.7, 22.5, 22.5, 28.0, 36.0, 46.5, 47.2, 66.9, 68.4, 119.9, 125.0, 125.1, 127.0, 127.7, 132.3, 141.3, 143.8, 156.4, 172.7. HRMS (FAB), m/z calcd for C30H42NO5Si (MH+) 524.2827, found: 524.2826
【0115】
工程3:Fmoc固相合成法による擬ペンタペプチドの一般的な合成法
Rink-アミノ樹脂(0.60mmol/g、170mg、0.1mmol)上に、保護されたペプチド鎖を構築した。Fmoc保護されたα-アミノ酸(0.3mmol)もしくは4-フルオロ安息香酸(42mg、0.3mmol)をDMF中でN,N’-ジイソプロピルカルボジイミド(DIC; 46μL、0.3mmol)およびN-ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(HOBt・HO; 46mg、0.3mmol)を用いてカップリングした。擬ペプチド部分構造は、DICとN-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール一水和物(HOAt; 41mg、0.3mmol)とを用いて行った。各カップリング反応の完了を、カイザー試験を用いて確かめた。Fmoc保護基をDMF/ピペリジン溶液(80/20、v/v)で樹脂を処理することにより除去した。得られた樹脂を1M TMSBr-チオアニソール/TFA、m-クレゾールおよび1,2-エタノールジチオールで処理した。濾過により樹脂を除去した後、ろ液を氷冷した乾燥ジエチルエーテルに注いだ。生じた粉末を遠心分離によって採集し、氷冷した乾燥ジエチルエーテルで3回洗浄した。粗生成物を分取HPLCで精製して、所望の擬ペプチドを無色粉末として得た。生物学的試験の前に2つの異なる溶媒システムを用いて各化合物の純度を分析的RP-HPLCにより測定した。
【0116】
製造例15 化合物19の製造
【0117】
【化15】
JP0005700641B2_000016t.gif

【0118】
化合物8(120mg、0.3mmol)を上記工程3のFmocを利用した固相合成法に供した。化合物19をTFA塩として得た(33mg、Rink-アミド樹脂からの収率36%)。
[α]23D-17.5 (c 0.22, CH3OH); HRMS (FAB), m/z calcd for C42H53N9O5F (M+H+) 782.4148, found: 782.4163
【0119】
製造例16 化合物20の製造
【0120】
【化16】
JP0005700641B2_000017t.gif

【0121】
化合物9(120mg、0.3mmol)を、上記工程3のFmocを利用した固相合成法に供した。化合物20をTFA塩として得た(42mg、Rink-アミド樹脂からの収率47%)。
[α]23D-14.3 (c 0.12, CH3OH); HRMS (FAB), m/z calcd for C42H55N9O5F (M+H+) 782.4303, found: 784.4296
【0122】
製造例17 化合物21の製造
【0123】
【化17】
JP0005700641B2_000018t.gif

【0124】
化合物10(120mg、0.3mmol)を、上記工程3のFmocを利用した固相合成法に供した。化合物21をTFA塩として得た(48mg、Rink-アミド樹脂からの収率54%)。
[α]25D+5.0 (c 0.23, CH3OH); HRMS (FAB), m/z calcd for C42H53N9O5F (M+H+) 782.4148, found: 782.4142
【0125】
製造例18 化合物22の製造
【0126】
【化18】
JP0005700641B2_000019t.gif

【0127】
化合物17(160mg、0.3mmol)を上記工程3のFmocを利用した固相合成法に供した。化合物22をTFA塩として得た(51mg、Rink-アミド樹脂からの収率56%)。
[α]27D+1.9 (c 0.12, CH3OH); HRMS (FAB), m/z calcd for C42H53N9O5F (M+H+) 798.4097, found: 798.4092
【0128】
製造例19 化合物23の製造
【0129】
【化19】
JP0005700641B2_000020t.gif

【0130】
化合物18(160mg、0.3mmol)を上記工程3のFmocを利用した固相合成法に供した。化合物23をTFA塩として得た(48mg、Rink-アミド樹脂からの収率53%)。
[α]21D-22.3 (c 0.15, CH3OH); HRMS (FAB), m/z calcd for C42H53N9O6F (M+H+) 798.4097, found: 798.4109
【0131】
工程4:ヒドロキシエチレン型ジペプチドを含むペンタペプチドの合成
【0132】
【化20】
JP0005700641B2_000021t.gif

【0133】
ヒドロキシエチレンジペプチドを含む擬ペンタペプチドの合成方法
化合物22または23(18mg、0.020mmol)を含むCHOH(2mL)の溶液にPd(OAc)(4.5mg、0.020mmol)を添加し、混合物を室温H下で一晩攪拌した。混合物はセライトを通して濾過し、ろ液を減圧下で濃縮した。粗生成物を分取HPLCにより精製して、無色の粉末としてヒドロキシエチレン型ジペプチドを含む所望の擬ペプチドを得た。各化合物の純度は、生物学的試験の前に2つの異なる溶媒システムで分析的RP-HPLCにより測定した。
【0134】
製造例20 化合物24a、24bの製造
【0135】
【化21】
JP0005700641B2_000022t.gif

【0136】
アリルアルコールを含む擬ペンタペプチド22を、変換し、還元された擬ペンタペプチド24a(5.2mg、収率29%)および24b(7.8mg、収率43%)をTFA塩として得た。
化合物24a; [α]25D -7.2 (c 0.10, CH3OH); HRMS (FAB), m/z calcd for C42H55N9O6F (M+H+) 800.4254, found: 800.4263.
化合物24b; [α]25D -3.8 (c 0.11, CH3OH); HRMS (FAB), m/z calcd for C42H55N9O6F (M+H+) 800.4254, found: 800.4257
【0137】
製造例21 化合物25a、25bの製造
【0138】
【化22】
JP0005700641B2_000023t.gif

【0139】
化合物23を変換し、化合物25a(5.4mg、収率30%)および25b(2.9mg、収率16%)をTFA塩として得た。
化合物25a; [α]22D +3.6 (c 0.08, CH3OH); HRMS (FAB), m/z calcd for C42H55N9O6F (M+H+) 800.4254, found: 782.800.4271.
化合物25b; [α]23D +10.7 (c 0.11, CH3OH); HRMS (FAB), m/z calcd for C42H55N9O6F (M+H+) 800.4254, found: 800.4250
【0140】
参考製造例1 化合物1の製造
【0141】
【化23】
JP0005700641B2_000024t.gif

【0142】
WO 2007/125619における製造例20の方法により、化合物1を製造した。
【0143】
参考製造例2 化合物26の製造
【0144】
【化24】
JP0005700641B2_000025t.gif

【0145】
ジペプチドの代わりにFmoc-D-Leu-OH(110mg、0.3mmol)およびFmoc-Gly-OH(89mg、0.3mmol)を、Fmocを利用した固相合成法に供した。化合物26をTFA塩として得た(48mg、Rink-アミド樹脂からの収率52%)。
[α]20D-4.5 (c 0.22, CH3OH); HRMS (FAB), m/z calcd for C41H52N10O6F (M+H+) 798.4052, found: 799.4067
【0146】
製造例15~21で合成した擬ペンタペプチド(化合物19~25b)ならびに参考製造例1および2で合成したペンタペプチド(化合物1、26)について、次の6項目を調べた。
得られた化合物のGPR54アゴニスト活性は、受容体刺激に付随する細胞内Ca2+イオン濃度の上昇をシグナルとして測定するFliprアッセイにより評価した。活性値は、1μMのkisspeptin-10を添加した時のシグナルを100%とし、10nMの化合物を添加した際に見られるシグナルの値(%Activity)として算出した。また、50%のアゴニスト活性を示す化合物の濃度をEC50とした。さらに、QECとして、各化合物の各EC50値をkisspeptin-10のEC50値で除した値も算出した。
ヒトGPR54発現細胞膜画分と[125I]-Metastin40-54を使った結合阻害試験を行い、IC50値を算出した(非特許文献2参照)。IC50値は、標識リガンドのシグナルを50%まで抑制するのに必要な化合物の濃度により定義した。さらに、QICとして、各化合物のIC50値をkisspeptin-10のIC50値で除した値も算出した。
また、血清中での化合物の半減期(t1/2)を測定した。
【0147】
【表1-1】
JP0005700641B2_000026t.gif

【0148】
【表1-2】
JP0005700641B2_000027t.gif

【0149】
さらに、マトリックスプロテアーゼ(MMP)による分解に対する本願発明の抵抗性について調べた。例えば化合物19、25bをMMP2で処理したところ、48時間後においてもほとんど分解されずに残っていたが、kisspeptin-10は約65%しか残っていなかった。また、例えば化合物19、23、25b等をMMP9で処理したところ、72時間後においてもほとんど分解されずに残っていたが、化合物1は約50%しか残っていなかった。
【0150】
したがって、本発明の化合物は既にGPR54アゴニストとして知られている化合物1に匹敵する活性を有し、且つ化合物1に比べ、血中半減期が長く(血清中で分解を受けにくく)、MMPによる分解を受けにくいことが明らかになった。
【産業上の利用可能性】
【0151】
本発明によれば、優れたGPR54アゴニスト活性を有する化合物を提供することができる。本発明の化合物は、7回膜貫通型受容体であるGPR54に特異的に結合して受容体を活性化し、その内因性リガンドであるメタスチン(別名:キスペプチン)の作用を増強する。本発明の化合物は、天然型のメタスチンに比べ、GPR54アゴニスト活性が飛躍的に高められたものである。また、本発明の化合物は、生体内においてペプチダーゼによる分解を受けないように修飾されていることから、効率的にGPR54アゴニストとして作用し得るものである。
【0152】
本発明の化合物を含有する医薬組成物は、GPR54受容体アゴニスト作用を介して、癌の転移抑制剤、ならびに不妊症、性ホルモンおよび性腺刺激ホルモンの分泌調節異常に対する予防・治療剤として有効に使用され得る。
【0153】
また、メタスチンが、癌の転移・増殖、リウマチ性関節炎、肺線維症、HIV感染と密接な関連のあるCXCR4-ケモカイン受容体(CXCR4)に対して抑制的に作用することが明らかとなったことから、本発明の医薬組成物は、これらの疾患の予防・治療剤としても効果があるものと期待される。さらに、副作用が懸念されるCXCR4アンタゴニストやCXCR4モノクローナル抗体に代えて、本発明の医薬組成物を利用することも可能である。
【0154】
本出願は、日本で出願された特願2008-119235(出願日:2008年4月30日)を基礎としており、その内容は本明細書に全て包含されるものである。