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明細書 :水溶性超常磁性ナノ粒子

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第6078875号 (P6078875)
公開番号 特開2014-133677 (P2014-133677A)
登録日 平成29年1月27日(2017.1.27)
発行日 平成29年2月15日(2017.2.15)
公開日 平成26年7月24日(2014.7.24)
発明の名称または考案の名称 水溶性超常磁性ナノ粒子
国際特許分類 C01G  49/08        (2006.01)
A61K  49/00        (2006.01)
B82Y  25/00        (2011.01)
B82Y  40/00        (2011.01)
B82Y  30/00        (2011.01)
FI C01G 49/08 A
A61K 49/00 C
B82Y 25/00
B82Y 40/00
B82Y 30/00
請求項の数または発明の数 10
全頁数 19
出願番号 特願2013-002041 (P2013-002041)
出願日 平成25年1月9日(2013.1.9)
審査請求日 平成27年10月9日(2015.10.9)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504155293
【氏名又は名称】国立大学法人島根大学
発明者または考案者 【氏名】佐藤 守之
【氏名】中村 守彦
個別代理人の代理人 【識別番号】110000796、【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
審査官 【審査官】壷内 信吾
参考文献・文献 特表2009-523180(JP,A)
特開昭59-172499(JP,A)
特開平01-181790(JP,A)
国際公開第2009/081700(WO,A1)
特開2000-136327(JP,A)
国際公開第2005/087367(WO,A1)
特開2009-107106(JP,A)
米国特許出願公開第2011/0192800(US,A1)
国際公開第2010/110435(WO,A1)
特開2007-288133(JP,A)
特開2010-062444(JP,A)
米国特許出願公開第2009/0220431(US,A1)
岩崎裕子ほか,ハイパーブランチポリマー表面修飾発光性酸化亜鉛ナノ粒子の合成と性質,高分子学会予稿集,2012年 5月15日,Vol.61, No.1,p.1394
調査した分野 C01G49/00-49/08
A61K39/00-39/44,49/00-49/04
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
特許請求の範囲 【請求項1】
水溶性ハイパーブランチポリマーで表面修飾された水溶性超常磁性ナノ粒子であって、
超常磁性ナノ粒子と、反応性官能基を含有するシランカップリング剤と、水溶性ハイパーブランチポリマー形成モノマーであるアルキレンジグリコールジ(メタ)アクリレート及びトリス-2-アミノアルキルアミンとの反応生成物である、水溶性超常磁性ナノ粒子
【請求項2】
反応性官能基を含有するシランカップリング剤が、アミノアルキルトリアルコキシシランである、請求項に記載の水溶性超常磁性ナノ粒子。
【請求項3】
超常磁性ナノ粒子が、四酸化三鉄(Fe3O4)である、請求項1又は2に記載の水溶性超常磁性ナノ粒子。
【請求項4】
水溶性ハイパーブランチポリマーで表面修飾された水溶性超常磁性ナノ粒子の製造方法であって、
超常磁性ナノ粒子を、反応性官能基を含有するシランカップリング剤で処理することにより、超常磁性ナノ粒子の表面に反応性官能基を導入し、次いで水溶性ハイパーブランチポリマー形成モノマーであるアルキレンジグリコールジ(メタ)アクリレート及びトリス-2-アミノアルキルアミンを反応させる、製造方法
【請求項5】
反応性官能基を含有するシランカップリング剤が、アミノアルキルトリアルコキシシランである、請求項に記載の製造方法
【請求項6】
さらに、下記一般式(2)で表される酸無水物で処理する、請求項4又は5に記載の製造方法
【化1】
JP0006078875B2_000016t.gif
(式中、AはC2-3のアルキレン基を示す。)
【請求項7】
超常磁性ナノ粒子が、四酸化三鉄(Fe3O4)である、請求項~6のいずれか1項に記載の製造方法
【請求項8】
3-アミノプロピルトリメトキシシラン鎖を表面に導入した超常磁性ナノ粒子の存在下に、エチレンジグリコールジ(メタ)アクリレート及びトリス-2-アミノアルキルアミンを反応させることにより、水溶性ハイパーブランチポリマーで表面修飾された水溶性超常磁性ナノ粒子を製造する方法。
【請求項9】
請求項1~のいずれか1項に記載の水溶性超常磁性ナノ粒子を含有する、タンパク質の標識材料。
【請求項10】
請求項1~のいずれか1項に記載の水溶性超常磁性ナノ粒子を含有する、機能性MRI造影剤。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、水溶性超常磁性ナノ粒子、及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、生体適合性を有する超常磁性ナノ粒子について、輸送剤、MRIの造影剤、生体分子の固定/分離、標識剤、及びセンサー等の医学的な応用を目指し、盛んに研究がなされている。これらの用途において、超常磁性ナノ粒子に求められる重要な特性は、水(蒸留水、生理食塩水又はリンゲル液等)に対して良好な溶解性、分散性又は懸濁性を示すこと、及び抗体等と結合可能な官能基を表面に有することである。
【0003】
上記特性を有する超常磁性ナノ粒子として、これまでに、コアに酸化鉄、シェルにポリマー等の有機物を結合したポリマー酸化鉄ナノコンポジットが開発されている(非特許文献1、2)。
【0004】
しかしながら、上記のこれまでに開発された酸化鉄ナノコンポジットは、水に対する分散性が不充分であるという問題があり、また、製造が複雑であることから、時間と経費の点においても課題を有していた。
【先行技術文献】
【0005】

【非特許文献1】T. Zhang, J. Ge,, Y. Hu and Y. Yu, Nano Letters, 7, 3203-3207 (2007)
【非特許文献2】J. Xie, C. Xu, N. Kohler, Y. Hou and S. Sun, Advanced Materials, 19, 3163-3166 (2007)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、水溶性の新規ハイパーブランチポリマーで表面を修飾した水溶性超常磁性ナノ粒子、及びその簡便な製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記の課題に鑑みて鋭意研究を行った結果、細胞毒性を示さず、かつタンパク質やペプチドと結合可能な官能基を表面に有する水溶性超常磁性ナノ粒子を合成することに成功し、本発明に至った。かかる知見に基づき、さらに研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明は、水溶性ハイパーブランチポリマーで表面修飾した水溶性超常磁性ナノ粒子、及びその簡便な製造方法を提供する。
【0009】
項1.水溶性ハイパーブランチポリマーで表面修飾された水溶性超常磁性ナノ粒子。
【0010】
項2.超常磁性ナノ粒子の表面に、反応性官能基を導入し、次いで水溶性ハイパーブランチポリマー形成モノマーを反応させることにより得られる、項1に記載の水溶性超常磁性ナノ粒子。
【0011】
項3.反応性官能基を含有するシランカップリング剤で処理することにより、反応性官能基を導入する、項2に記載の水溶性超常磁性ナノ粒子。
【0012】
項4.反応性官能基を含有するシランカップリング剤が、アミノアルキルトリアルコキシシランである、項2又は3に記載の水溶性超常磁性ナノ粒子。
【0013】
項5.水溶性ハイパーブランチポリマー形成モノマーが、アルキレンジグリコールジ(メタ)アクリレート及びトリス-2-アミノアルキルアミンである、項2~4のいずれか1項に記載の水溶性超常磁性ナノ粒子。
【0014】
項6.さらに、下記一般式(2)で表される酸無水物で処理することにより得られる、項5に記載の水溶性超常磁性ナノ粒子。
【0015】
【化1】
JP0006078875B2_000002t.gif
(式中、AはC2-3のアルキレン基を示す。)
【0016】
項7.超常磁性ナノ粒子が、四酸化三鉄(Fe3O4)である、項1~6のいずれか1項に記載の水溶性超常磁性ナノ粒子。
【0017】
項8.3-アミノプロピルトリメチルアミン鎖を表面に導入した超常磁性ナノ粒子の存在下に、エチレンジグリコールジ(メタ)アクリレート及びトリス-2-アミノアルキルアミンを反応させることにより、水溶性ハイパーブランチポリマーで表面修飾された水溶性超常磁性ナノ粒子を製造する方法。
【0018】
項9.項1~7のいずれか1項に記載の水溶性超常磁性ナノ粒子を含有する、タンパク質の標識材料。
【0019】
項10.項1~7のいずれか1項に記載の水溶性超常磁性ナノ粒子を含有する、機能性MRI造影剤。
【発明の効果】
【0020】
本発明の水溶性超常磁性ナノ粒子は、水への分散性が極めて良好で細胞毒性を示さず、かつタンパク質やペプチドと結合可能な官能基を表面に有している。
【0021】
本発明の水溶性超常磁性ナノ粒子は、超常磁性を示す。
【0022】
本発明の製造方法は、簡便であり、また、安価で入手容易な原料を用いることから、経済的に有利である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】Fe3O4ナノ粒子(アルドリッチジャパン(株))のXRDパターンである。
【図2】Fe3O4-APTMSのXRDパターンである。
【図3】Fe3O4-APTMSのFT-IRスペクトルである。
【図4】Fe3O4-APTMSのXPSスペクトルである。
【図5】Fe3O4-APTMSのTEM画像である。
【図6】Fe3O4-APTMSのTG-DTAである。
【図7】実施例1及び6のFe3O4-APTMS-hypのXRDパターンである。
【図8】実施例1及び6のFe3O4-APTMS-hypのFT-IRスペクトルである。
【図9】実施例6のFe3O4-APTMS-hypのXPSスペクトルである。
【図10】実施例1のFe3O4-APTMS-hypのTEM画像である。
【図11】実施例1のFe3O4-APTMS-hypのTG-DTAである。
【図12】実施例1及び6のFe3O4-APTMS-hyp-sucのXRDパターンである。
【図13】実施例1及び6のFe3O4-APTMS-hyp-sucのFT-IRスペクトルである。
【図14】実施例6のFe3O4-APTMS-hyp-sucのXPSスペクトルである。
【図15】実施例1のFe3O4-APTMS-hyp-sucのTEM画像である。
【図16】実施例1のFe3O4-APTMS-hyp-sucのTG-DTAである。
【図17】実施例1のFe3O4-APTMS、Fe3O4-APTMS-hyp及びFe3O4-APTMS-hyp-sucの磁化率曲線である。
【図18】実施例1のFe3O4-APTMS-hypを用いた造影剤の精製を示した図である。
【図19】実施例1のFe3O4-APTMS-hypを用いた造影剤のMRIモニター結果である。
【図20】実施例1のFe3O4-APTMS-hypの細胞毒性試験結果を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を詳細に説明する。

【0025】
本発明の水溶性超常磁性ナノ粒子は、新規の水溶性ハイパーブランチポリマーにより超常磁性ナノ粒子表面が修飾された、新規物質である。
1.水溶性超常磁性ナノ粒子
1-1.超常磁性ナノ粒子
本発明の超常磁性ナノ粒子としては、特に限定されないが、例えば、Fe、Mn、Ni、Coの単体及び合金の化合物からなる、強磁性体及びフェリ磁性体の微粒子を用いることができる。具体的には、FeO、Fe、Fe(四酸化三鉄)、MnFe、CoFe、NiFe、Fe、Co、Ni等が挙げられる。中でも、生体適合性の観点から、四酸化三鉄(Fe)が好ましい。

【0026】
また、本発明の超常磁性ナノ粒子は、ナノオーダーの平均粒子径を有するものであれば特に限定されないが、通常、平均粒子径2~40nm程度のものが用いられる。好ましくは、平均粒子径5~30nmである。ここで、平均粒子径とは、TEM(透過型電子顕微鏡)で測定した平均粒子径を指す。

【0027】
1-2.水溶性ハイパーブランチポリマー
本発明の水溶性ハイパーブランチポリマーは、高度に分岐した樹状構造を有する高分子であって、水溶性のものである。

【0028】
以下の製造方法に示すとおり、本発明のハイパーブランチポリマーは、A2型モノマー+B3型モノマーの重付加反応、又はA2+Ax型モノマーの重縮合反応等の反応により形成されるポリマーである。

【0029】
本発明の水溶性ハイパーブランチポリマーは、水溶性である限り、その数平均分子量は問わない。

【0030】
2.製造方法
本発明の水溶性超常磁性ナノ粒子は、下記(1)及び(2)の手順により製造される。(1)超常磁性ナノ粒子表面に、反応性官能基を導入する。
(2)超常磁性ナノ粒子表面の反応性官能基と、水溶性ハイパーブランチポリマー形成モノマーを反応させる。

【0031】
以下、上記(1)及び(2)の手順について、説明する。

【0032】
2-1.超常磁性ナノ粒子表面への反応性官能基の導入
本発明において、超常磁性ナノ粒子は、水溶性ハイパーブランチポリマーにより表面を修飾するために、予め反応性官能基を超常磁性ナノ粒子表面に導入する。例えば、超常磁性ナノ粒子を、水溶性ハイパーブランチポリマー形成モノマーと反応し得る官能基を有するシランカップリング剤で処理することにより、超常磁性ナノ粒子の表面に反応性官能基を導入することができる。

【0033】
上記シランカップリング剤としては、具体的には、下記一般式(1)で表される化合物が挙げられる。

【0034】
【化2】
JP0006078875B2_000003t.gif

【0035】
(式中、RはC1-4アルキル基を示し、RはC1-5アルキレン基を示す。)

【0036】
1-4アルキル基としては、直鎖又は分岐鎖の炭素数1~4のアルキル基が挙げられる。具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基等が挙げられる。

【0037】
1-5アルキレン基としては、直鎖又は分岐鎖の炭素数1~5のアルキレン基が挙げられる。具体的には、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、2-メチルトリメチレン基、2,2-ジメチルトリメチレン基、1-メチルトリメチレン基、メチルメチレン基、エチルメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基等が挙げられる。

【0038】
上記一般式(1)で表される化合物としては、例えば、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。

【0039】
一般式(1)で表されるシランカップリング剤において、アミノ基は末端にあることが好ましいが、末端になくてもよい。また、Rは、アルキレン基以外の基、例えば、-O(CH)n-(ここで、n=2~10)、-[Si(CHO]n-(ここで、n=1~6)、-[Si(CO]n-(ここで、n=1~6)、-[Si(OCHO]n-(ここで、n=1~6)、-[Si(OCO]n-(ここで、n=1~6)等であってもよい。このようなシランカップリング剤としては、具体的には、3-(2-アミノエチルアミノ)プロピルトリエトキシシラン、3-(2-アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。

【0040】
さらに、一般式(1)で表されるシランカップリング剤において、水溶性ハイパーブランチポリマー形成モノマーと反応し得る官能基としては、アミノ基以外にも、例えば、メルカプト基、グリシジル基、ウレイド基、ビニル基等の基であってもよい。

【0041】
アミノ基以外の反応性官能基を有するシランカップリング剤としては、具体的には、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3-ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3-ビニルプロピルトリエトキシシラン、3-ビニツプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。

【0042】
また、シランカップリング剤は、前記一般式(1)のようなトリアルコキシシラン化合物でなくてもよく、例えば、ジアルコキシシラン化合物、モノジアルコキシシラン化合物であってもよいし、超常磁性ナノ粒子と反応する官能基が、アルコキシ基以外の基、例えば、イソシアネート基、メルカプト基、グリシジル基、ウレイド基、ビニル基等であってもよい。

【0043】
上記式(1)で表される、末端にアミノ基を有する化合物を用いて超常磁性ナノ粒子表面をアミノ基で修飾する場合、その反応は、下記反応式-1で示されるとおりである。

【0044】
【化3】
JP0006078875B2_000004t.gif

【0045】
(式中、●は超常磁性ナノ粒子を示し、RはC1-4アルキル基を示し、RはC1-5アルキレン基を示す。)

【0046】
すなわち、超常磁性ナノ粒子の表面のヒドロキシル基と、シランカップリング剤の反応により、アルコールが脱離し、超常磁性ナノ粒子の表面にアミノ基が結合される。

【0047】
アルコキシシランカップリング剤を用いて超常磁性ナノ粒子を処理する場合、超常磁性ナノ粒子を、アルコール及び水からなる混合溶媒に懸濁させ、この懸濁液中にシランカップリング剤を投入攪拌することにより、シランカップリングと超常磁性ナノ粒子のヒドロキシル基との反応が行われる。

【0048】
超常磁性ナノ粒子表面への官能基の付加は、上記のように1段階反応によってもよいし、必要に応じ、2段階で行われてもよい。例えば、上記反応式-1に示されるように、まず超常磁性ナノ粒子をアミノアルキルトリアルコキシシランで処理することにより表面アミノ基修飾超常磁性ナノ粒子を調製した後、得られた表面アミノ基修飾超常磁性ナノ粒子を、下記一般式(2)で表される酸無水物などで処理することにより、下記反応式-2で示されるように、表面カルボキシル基修飾超常磁性ナノ粒子を調製することができる。

【0049】
【化4】
JP0006078875B2_000005t.gif

【0050】
(式中、AはC2-3のアルキレン基を示す。)

【0051】
【化5】
JP0006078875B2_000006t.gif

【0052】
(式中、●は超常磁性ナノ粒子を示し、RはC1-5アルキレン基を示し、RはC2-3のアルキレン基を示す。)

【0053】
2-3のアルキレン基としては、具体的には、エチレン基、トリメチレン基が挙げられる。

【0054】
2-2.水溶性ハイパーブランチポリマーによる超常磁性ナノ粒子の表面修飾
上記1-1.の方法により得られた、表面が反応性官能基で修飾された超常磁性ナノ粒子に、水溶性ハイパーブランチポリマー形成モノマーを反応させることにより、水溶性ハイパーブランチポリマーで表面修飾された超常磁性ナノ粒子を製造する。

【0055】
水溶性ハイパーブランチポリマーは、基本的に、A2型モノマー+B3型モノマーの重付加反応、又はA2+Ax型モノマーの重縮合反応等の反応により形成される。ここで、AとBは異なる官能基を意味し、数字及びxは、1分子内の官能基の数を表す。すなわち、表面が反応性官能基で修飾された超常磁性ナノ粒子に、A2型モノマー+B3型モノマーを重付加させる、又はA2+Ax型モノマーを重縮合させることにより、水溶性ハイパーブランチポリマーで表面修飾された超常磁性ナノ粒子を製造することができる。中でも、A2型モノマー+B3型モノマーの重付加反応が好ましい。

【0056】
A2型モノマー+B3型モノマーの重付加反応は、例えば、アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート等のA2型モノマー、及びトリス-2-アミノアルキルアミン等のB3型モノマーを、溶媒中或いは無溶媒下、塩基存在下で重付加させることにより行われる。

【0057】
アルキレングリコールジ(メタ)アクリレートとしては、具体的には、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ヘキサメチレンジメタクリレート、オクタメチレンジメタクリレート、ヘキサメチレンジアクリレート、オクタメチレンジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート等を挙げることができる。

【0058】
トリス-(2-アミノアルキル)アミンとしては、具体的には、トリス-(2-アミノエチル)アミン、トリス-(2-アミノメチル)アミン、トリス-(2-アミノプロピル)アミン等を挙げることができる。

【0059】
例えば、エチレングリコールジメタクリレート及びトリス-(2-アミノエチル)アミンを用いる場合、下記反応式-3で表される反応となる。

【0060】
【化6】
JP0006078875B2_000007t.gif

【0061】
この反応に用いられる溶媒としては、該反応に対して不活性な溶媒である限り公知の溶媒を広く使用することができる。例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、石油エーテル等の脂肪族もしくは脂環式炭化水素系溶媒、ベンゼン、クロロベンゼン、ニトロベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、塩化メチレン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、メチル-tert-ブチルエーテル等のエーテル系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル系溶媒、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルホルムアニリド、N,N'-ジメチルイミダゾリノン、N-メチルピロリドン等のアミド系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、スルホラン等のスルホン系溶媒を挙げることができる。これらの溶媒は、1種を単独で又は2種以上混合して使用される。

【0062】
これらの溶媒は、原料となるモノマーの総重量に対し、通常1~20倍重量程度、好ましくは2~10倍重量程度使用される。

【0063】
塩基としては、例えば、ピリジン、ジエチルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、モルフォリン、ピペラジン、2-ピコリン、3-ピコリン、4-ピコリン、ジアザビシクロウンデセン(DBU)、ジアザビシクロノネン(DBN)等が挙げられる。

【0064】
塩基は、原料となるモノマーの総重量に対し、通常、0.005~0.1倍重量程度、好ましくは、0.01~1/90倍重量程度使用される。

【0065】
上記A2型モノマーとB3型モノマーとの使用割合は、広い範囲内から適宜選択することができるが、後者1モルに対して、前者を1.5モルより過剰に使用するのが好ましく、1.51~1.8モル使用するのがより好ましい。

【0066】
該反応は、通常、0~40℃で行うことができる。10~25℃で反応を行うのが好ましい。

【0067】
反応時間は、原料化合物の種類及び反応温度等により異なり、一概には言えないが、通常、3~5時間程度である。

【0068】
A2型モノマー+Ax型モノマーの重縮合反応は、例えば、1級水酸基を2個有するアルカンジオール等のA2型モノマー、及び1級水酸基を3~4個有するアルキルポリオール等のAx型モノマーを、酸触媒存在下に、脱水縮合させることにより行われる。

【0069】
1級水酸基を2個有するアルカンジオールとしては、炭素数2~8のアルカンジオールが挙げられ、具体的には、1,2-エタンジオール(エチレングリコール)、1,2-プロパンジオール(プロピレングリコール)、1,3-プロパンジオール(トリメチレングリコール)、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール等が挙げられる。

【0070】
1級水酸基を3~4個有するアルキルポリオールとしては、例えば、トリオール、テトラオールが挙げられる。トリオールとしては、具体的には、トリメチロールメタン、トリメチロールエタン等が挙げられ、テトラオールとしては、例えば、ペンタエリスリトールが挙げられる。

【0071】
酸触媒としては、例えば、硫酸、p-トルエンスルホン酸、固体酸触媒等が挙げられる。

【0072】
酸触媒は、原料となるモノマーの総重量に対し、通常、0.001~0.3倍重量程度、好ましくは、0.002~0.2倍重量程度使用される。

【0073】
上記A2型モノマーとAx型モノマーとの使用割合は、広い範囲内から適宜選択することができるが、前者1モルに対して、後者を1モル以上使用するのが好ましく、1~1.5モル使用するのがより好ましい。

【0074】
該反応は、通常、120~250℃で行うことができる。140~220℃で反応を行うのが好ましい。

【0075】
反応時間は、原料化合物の種類及び反応温度等により異なり、一概には言えないが、通常、1~40時間程度である。

【0076】
また、上記反応により得られたハイパーブランチポリマーの末端遊離基を、他の官能基に変換することもできる。例えば、末端遊離基がアミノ基の場合に、酸無水物を反応させることにより、その末端をカルボキシル基に変換したり、末端遊離基がカルボキシル基の場合に、アミノ基含有化合物を反応させることにより、その末端をアミノ基に変換したり、末端遊離基がビニル基の場合に原子移動ラジカル重合(ATRP)により、その末端に、ポリマー鎖をグラフトさせたりすることができる。

【0077】
具体的には、ハイパーブランチポリマーの末端遊離基がアミノ基の場合、カルボキシル基含有化合物として、前記一般式(2)で表される酸無水物で処理することにより、その末端をカルボキシル基に変換することができる。

【0078】
例えば、前記反応式-3で得られた水溶性超常磁性ナノ粒子に、上記一般式(2)で表される酸無水物として、無水コハク酸を用いて処理する場合、下記反応式-4で表される反応となる。

【0079】
【化7】
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【0080】
この反応には、公知の環状酸無水物のアミド化の条件を広く適用できる。例えば、前記反応式-3で得られた水溶性超常磁性ナノ粒子に、前記一般式(2)で表される酸無水物を、溶媒中或いは無溶媒下、塩基存在下に反応させることにより行われる。

【0081】
この反応に用いられる溶媒としては、該反応に対して不活性な溶媒である限り公知の溶媒を広く使用することができる。例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、クロロホルム、ジクロロメタン等が挙げられる。

【0082】
これらの溶媒は、原料となる酸無水物の総重量に対し、通常、1~20倍重量程度、好ましくは2~10倍重量程度使用される。

【0083】
塩基としては、例えば、ピリジン、トリエチルアミン等が挙げられる。

【0084】
塩基は、原料となる酸無水物の総重量に対し、通常、0.005~0.1倍重量程度、好ましくは、0.01~1/90倍重量程度使用される。

【0085】
該反応は、通常、10~40℃で行うことができる。10~25℃で反応を行うのが好ましい。

【0086】
反応時間は、原料化合物の種類及び反応温度等により異なり、一概には言えないが、通常、1~48時間程度である。

【0087】
このように、遊離のアミノ基をカルボキシル基に変えることにより、酸に対する安定性を付与することができる。

【0088】
3.用途
本発明の水溶性超常磁性ナノ粒子は、その表面にタンパク質やペプチドと結合可能な官能基を有することから、例えば、タンパク質の標識材料、機能性MRI造影剤等の用途に用いることができる。

【0089】
例えば、本発明の水溶性超常磁性ナノ粒子表面上の当該官能基に、がんを認識する抗体を結合して機能性MRI造影剤とすれば、がんを体外からモニターすることができる。あるいは、アルツハイマー病の原因物質であるアミロイドと結合性を示すペプチドと架橋させて機能性MRI造影剤とすれば、アルツハイマー病型認知症を検知することができる。
【実施例】
【0090】
以下、本発明について、具体的な実施例に基づいて、さらに詳細を説明する。本発明は、以下の実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。
【実施例】
【0091】
また、各種測定方法は下記のとおりである。
<粉末XRD測定>
試料を乳鉢ですりつぶした後、粉末用セルに成形した。この粉末用セルについて、Rigaku X-ray Diffractometer X線発生装置を用いて測定した。
<FT-IR(赤外吸収スペクトル)測定>
試料及びKBrを乳鉢で粉末混合し、ミクロ錠剤成形器によって成形した。この成形された試料について、Jasco FT-IR 660 plus spectrometerを用いて測定した。
<XPS測定>
試料を、両面テープを用いて金属板に付着させ、クレイトス アナリティカル リミテッド AXIS-HSiを用いて測定を行った。
<TEM画像(電子顕微鏡)測定>
エタノールに分散させた試料を網目状のセルですくい、十分に乾燥させた後、Transmission Electron Microscopeを用いて測定を行った。
<TG-DTA測定>
試料を乳鉢ですりつぶした後、示差熱・熱重量分析を、昇温速度毎分10℃、空気中で、Rigaku TAS-100を用いて行った。
<磁化率測定>
試料を乳鉢ですりつぶした後、これをグリスと混合し、得られた混合物をカプセルに入れ、カンタム・デザイン 磁気特性測定装置 MPMSを用いて測定した。
<元素分析>
十分に乾燥させた試料を乳鉢ですりつぶした後、ヤナコ分析工業(株)のCHN コーダーを用いて測定した。
【実施例】
【0092】
実施例1
(1)Fe3O4-APTMSの合成
【実施例】
【0093】
【化8】
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【実施例】
【0094】
50mLのナスフラスコに、エタノール:水=95:5(容量比)の混合溶媒を10mL調製し、これにFe3O4ナノ粒子(アルドリッチジャパン(株))を0.5157g(0.002227mol)を量り入れた。超音波洗浄器を用いて懸濁液とし、さらに3-アミノプロピルトリメチルアミン(APTMS)(アルドリッチジャパン(株))を5mL加えた。この時のナノ粒子とAPTMSのモル比は、1:4.5であった。この溶液を室温で24時間撹拌し、得られた生成物を、メタノールを用いて4回撹拌洗浄し、遠心分離によって取り出した。これを24時間減圧乾燥することにより、Fe3O4-APTMSを0.4869g得た。
【実施例】
【0095】
得られたFe3O4-APTMSについて、XRDパターン、FT-IRスペクトル、XPSスペクトル、TEM画像、TG-DTA及び磁化率を測定し、結果を図2~6及び図17に示した。また、元素分析の結果、C,7.43%, H,1.42%,N,1.56%であった。
【実施例】
【0096】
(2)Fe3O4-APTMS-hypの合成
【実施例】
【0097】
【化9】
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【実施例】
【0098】
50mLのナスフラスコに、Fe3O4-APTMS、エチレングリコールジメタクリレート(EGD)(東京化成工業株式会社):トリス(2-アミノエチル)アミン(TAEA)(東京化成株式会社)を、下記表1に示したとおり、EGD:TAEA=1:1に対し、Fe3O4-APTMS 0.0195gのモノマー比で入れ、ピリジン(和光純薬工業株式会社)を1滴加えた。5時間撹拌後、粘性が出たため、クロロホルム(和光純薬工業株式会社)を2mL添加して生成物を溶解した。これを、石油エーテル(和光純薬工業株式会社)40mLに入れ、30分撹拌後、1時間放置した。その後、上澄みを捨て、再度石油エーテル40mLを加えた。さらに、30分撹拌から石油エーテル追加までの手順を3回繰り返した。これを洗浄後、蒸留アセトン(和光純薬工業株式会社)を20mL加え、生成物を溶解し、蒸留アセトンを用いて3日間透析した後、48時間減圧乾燥した。乾燥後は黒色フィルム状の物質と黄色フィルム状の物質とが生成したため、別々に取り出した。
【実施例】
【0099】
得られたFe3O4-APTMS-hypについて、XRDパターン、FT-IRスペクトル、TEM画像、TG-DTA及び磁化率を測定し、結果を図7、8、10、11及び図17に示した。また、元素分析の結果、C,44.65%, H,8.27%,N,13.39%であった。
【実施例】
【0100】
(3)Fe3O4-APTMS-hyp-sucの合成
【実施例】
【0101】
【化10】
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【実施例】
【0102】
200mLのナスフラスコに、Fe3O4-APTMS-hypを0.1488g入れ、無水N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)(和光純薬工業株式会社)を45mL添加した。この溶液を、超音波洗浄器を用いて懸濁液にした。次いで、無水DMF5mLに無水コハク酸(和光純薬工業株式会社)0.0258g(0.000258mol)を溶解した無水コハク酸溶液を、懸濁液に滴下し、窒素置換を行った後、室温にて24時間撹拌した。撹拌終了後、遠心分離器を用いて分離し、得られた生成物を、さらにヘキサン(和光純薬工業株式会社)を用いて5回洗浄した。その後、生成物を24時間減圧乾燥し、Fe3O4-APTMS-hyp-sucを0.1238g得た。
【実施例】
【0103】
得られたFe3O4-APTMS-hyp-sucについて、XRDパターン、FT-IRスペクトル、TEM画像、TG-DTA及び磁化率を測定し、結果を図12、13、15~17に示した。また、元素分析の結果、C,45.09%, H,7.93%,N,14.26%であった。
【実施例】
【0104】
実施例2~5
EGD:TAEAの割合を、表1に示したとおりに変更する以外は、実施例1(2)と同様にして、Fe3O4-APTMS-hypを得た。
【実施例】
【0105】
実施例6
EGD:TAEAの割合を、表1に示したとおりに変更する以外は、実施例1(2)と同様にして、Fe3O4-APTMS-hypを得た。得られたFe3O4-APTMS-hypについて、XRDパターン、FT-IRスペクトル及びXPSスペクトルを測定し、結果を図7~9に示した。
【実施例】
【0106】
実施例7
EGD:TAEAの割合を、1 : 1.5に変更する以外は、実施例1(2)と同様にして、Fe3O4-APTMS-hypを得た。得られたFe3O4-APTMS-hypを用いて、実施例1(3)と同様にして、Fe3O4-APTMS-hyp-sucを得た。結果を表2に示した。得られたFe3O4-APTMS-hyp-sucについて、XRDパターン、FT-IRスペクトル及びXPSスペクトルを測定し、結果を図12~14に示した。
【実施例】
【0107】
【表1】
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【実施例】
【0108】
【表2】
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【実施例】
【0109】
試験例1(水に対する溶解性)
実施例1で得られたFe3O4-APTMS-hyp (EGD : TAEA=1 : 1)及びFe3O4-APTMS-hyp-suc (EGD : TAEA=1 : 1)を、乳鉢ですりつぶした後、pH4.0及びpH9.0の緩衝溶液並びに蒸留水に投入し、スターラーを用いて室温で10分間撹拌し、水に対する溶解性を測定した。水に完全に分散するか、あるいは殆ど均一な状態を可溶とした。結果を表3に示した。
【実施例】
【0110】
【表3】
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【実施例】
【0111】
末端の遊離アミノ基をカルボキシル基に変換することにより、酸性水溶液に対する溶解性が向上することが確認できた。
【実施例】
【0112】
試験例2(ゼータ電位)
実施例1及び7で得られたFe3O4-APTMS-hyp (EGD : TAEA)及びFe3O4-APTMS-hyp-suc (EGD : TAEA)を、乳鉢ですりつぶした後、蒸留水に投入し、日本ルフトmodel 502で、ゼータ電位を測定した。結果を表4に示した。なお、比較のためにFe3O4-APTMSについても同様にゼータ電位を測定した。
【実施例】
【0113】
【表4】
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【実施例】
【0114】
Fe3O4-APTMSからFe3O4-APTMS-hypへ、さらにFe3O4-APTMS-hyp-sucへと合成が進むにつれ、平均ゼータ電位の絶対値が小さくなることが確認できた。
【実施例】
【0115】
試験例3(造影剤の精製)
実施例1で得られたFe3O4-APTMS-hypを、抗体タンパク質(ウサギ由来)に、架橋剤EDC (1-ethyl-3-(3-dimethylaminopropyl)carbodiimide hydrochloride)/sulfo-NHS(N-Hydroxysuccinimide)により結合させ、ネオジウム強力磁石によりFe3O4-APTMS-hypと抗体タンパク質との複合体を回収した。未反応の抗体タンパク質は、この操作を3回繰り返す洗浄操作により除去した。図18に精製図を示した。
【実施例】
【0116】
図18に示したとおり、本発明の水溶性超常磁性ナノ粒子は、マクロファージの細胞膜抗原を認識する抗体分子と結合していることが確認された。また、当該結合体は、ネオジウム磁石により簡便に分離することができた。
【実施例】
【0117】
試験例4(生体試験)
実施例1で得られたFe3O4-APTMS-hypを、ザイモサン(βグルカン)に、架橋剤EDC/sulfo-NHSにより結合させ、12時間絶食させたマウスへ胃ゾンデにより強制投与して、動物用MRI装置でモニターした(T1画像)。結果を図19に示した。
【実施例】
【0118】
上記結合体をMRIでモニターした結果、図19に示したとおり、上記結合体は生体内において安定であり、造影剤として活用できることが検証できた。
【実施例】
【0119】
試験例5(細胞毒性試験)
実施例1で得られたFe3O4-APTMS-hypを、PBS(Phosphate buffered saline)に分散させ、濃度勾配希釈した各サンプルを、マウスマクロファージ系細胞株(Raw264.7)の培養液(10% FBS, Dulbecc’s MEM)に添加して、24時間培養した。細胞障害性の有無をMTTアッセイ法により検証した。結果を図20に示した。
【実施例】
【0120】
上記結合体は、100nMの高濃度においても、全く細胞毒性を示さないことが確認できた(図20参照)。
【産業上の利用可能性】
【0121】
本発明の水溶性超常磁性ナノ粒子は、超常磁性を示し、水への分散性が極めて良好であって細胞毒性を示さず、かつタンパク質やペプチドと結合可能な官能基を表面に有するという特性を生かし、例えば、タンパク質の標識材料、機能性MRI造影剤等の用途に用いることができる。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
12
【図14】
13
【図15】
14
【図16】
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【図17】
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【図18】
17
【図19】
18
【図20】
19