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明細書 :アクチュエータ装置及びアクチュエータ装置のユニット

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2015-171225 (P2015-171225A)
公開日 平成27年9月28日(2015.9.28)
発明の名称または考案の名称 アクチュエータ装置及びアクチュエータ装置のユニット
国際特許分類 H02N  11/00        (2006.01)
H01L  41/09        (2006.01)
H01L  41/083       (2006.01)
H01L  41/053       (2006.01)
H01L  41/193       (2006.01)
FI H02N 11/00 Z
H01L 41/09
H01L 41/083
H01L 41/053
H01L 41/193
請求項の数または発明の数 7
出願形態 OL
全頁数 21
出願番号 特願2014-044275 (P2014-044275)
出願日 平成26年3月6日(2014.3.6)
発明者または考案者 【氏名】橋本 稔
【氏名】李 毅
出願人 【識別番号】504180239
【氏名又は名称】国立大学法人信州大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100117226、【弁理士】、【氏名又は名称】吉村 俊一
審査請求 未請求
要約 【課題】陽極部材とゲル層とが剥離することがないアクチュエータ装置及びアクチュエータ装置のユニットを提供する。
【解決手段】陽極部材11と陰極部材12とが交互に複数配置され且つ、陽極部材11と陰極部材12との間に誘電性を有する高分子材料からなるゲル層13が設けられているアクチュエータ10と、アクチュエータ10の厚さ方向のあらかじめ設定された寸法よりもアクチュエータ10が伸張することを防止する伸張防止機構40とを備えているアクチュエータ装置1及びこのアクチュエータ装置1を備えたアクチュエータ装置のユニットによって課題を解決する。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
一組の陽極部材と陰極部材とが配置されるか又は陽極部材と陰極部材とが交互に複数配置され且つ、該陽極部材と該陰極部材との間に誘電性を有する高分子材料からなるゲル層が設けられているアクチュエータと、
前記アクチュエータの厚さ方向のあらかじめ設定された寸法よりも前記アクチュエータが伸張することを防止する伸張防止機構と、を備えていることを特徴とするアクチュエータ装置。
【請求項2】
前記伸張防止機構は、前記アクチュエータを内側に収容させている筐体と、前記アクチュエータを内側に収容させている移動フレームとにより構成され、
前記アクチュエータの前記厚さ方向の一端が前記筐体に取り付けられ、前記アクチュエータの前記厚さ方向の他端が前記移動フレームに取り付けられ、
前記移動フレームが前記筐体に対して前記厚さ方向に移動可能に構成され、
前記移動フレームは、あらかじめ設定された前記寸法に前記アクチュエータが伸張した位置で前記筐体に突き当てられる、請求項1に記載のアクチュエータ装置。
【請求項3】
前記筐体は、前記アクチュエータの前記厚さ方向の一端が取り付けられている第1の面と、前記アクチュエータの前記厚さ方向に直交する方向の両側に配置された第2の面及び第3の面と、前記アクチュエータの他端側に配置され、前記第1の面に対向している第4の面と、を有し、
前記移動フレームは、前記アクチュエータの前記厚さ方向の他端が取り付けられている取付板と、前記アクチュエータと前記第2の面及び前記第3の面との間にそれぞれ配置され、前記第1の面を貫いて前記筐体の内側から外側に延びる側板と、前記第1の面よりも外側に配置され、外部に接続可能な接続板と、を備えている、請求項2に記載のアクチュエータ装置。
【請求項4】
第2のアクチュエータが前記筐体の前記第4の面と前記移動フレームの前記取付板との間に配置され、
前記第2のアクチュエータの一端が前記取付板に取り付けられ、他端が前記第4の面に取り付けられている、請求項3に記載のアクチュエータ装置。
【請求項5】
前記アクチュエータを構成している周面の少なくとも1部にゲルを付着させいる、請求項1~4のいずれか1項に記載のアクチュエータ装置。
【請求項6】
一組の陽極部材と陰極部材とが配置されるか又は陽極部材と陰極部材とが交互に複数配置され且つ、該陽極部材と該陰極部材との間に誘電性を有する高分子材料からなるゲル層が設けられているアクチュエータと、
前記アクチュエータの厚さ方向のあらかじめ設定された寸法よりも前記アクチュエータが伸張することを防止する伸張防止機構と、を有するアクチュエータ装置を2個備え、
前記アクチュエータ装置が前記厚さ方向にて向かい合って配置され、前記伸張防止機構同士が接続されていることを特徴とするアクチュエータ装置のユニット。
【請求項7】
一組の陽極部材と陰極部材とが配置されるか又は陽極部材と陰極部材とが交互に複数配置され且つ、該陽極部材と該陰極部材との間に誘電性を有する高分子材料からなるゲル層が設けられているアクチュエータと、
前記アクチュエータの厚さ方向のあらかじめ設定された寸法よりも前記アクチュエータが伸張することを防止する伸張防止機構と、を有するアクチュエータ装置を複数備え、
複数の前記アクチュエータ装置が同じ方向を向いて前記厚さ方向に一列に配置され、前記伸張防止機構同士が接続されていることを特徴とするアクチュエータ装置のユニット。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、アクチュエータ装置及びアクチュエータ装置のユニットに関し、さらに詳しくは、高分子材料からなるゲル層を有するアクチュエータを使用したアクチュエータ装置及びこのアクチュエータ装置を用いたアクチュエータ装置のユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、人間共存型ロボットの研究が活発に行われており、モータに代わる駆動源として小型軽量で柔軟な動きが可能な誘電性を有する高分子材料を用いた次世代型のアクチュエータの開発が注目されている。
【0003】
誘電性を有する高分子材料を用いたアクチュエータは、小型軽量かつ柔軟な動きが可能であり、人工筋肉への応用が期待されている。人工筋肉アクチュエータとして期待されている高分子材料としては、ポリ塩化ビニルやポリメタクリル酸メチルなどがある。その中でも、可塑剤を含有させたポリ塩化ビニルゲルは、生体筋肉に類似し、電気刺激によりクリープ変形もしくはベンディング変形を生じる。
【0004】
特許文献1で提案している技術は、陽極と陰極との間に誘電性を有する高分子材料からなるゲルを設け、陽極と陰極との間に電圧を印加することによって、それらの厚さ方向に収縮させるアクチュエータに関する技術である。この技術は、アクチュエータの厚さ方向の変位Xを制御する方法の技術である。具体的には、アクチュエータに電圧Eを印加したときに、変位Xについてのサンプリング値から、特定の式に基づいて、電圧Eをフィードバック制御している。
【0005】
このアクチュエータの制御方法は、アクチュエータの変位を高精度に制御することができるので、当該アクチュエータの制御方法で制御しているアクチュエータを位置制御用の制御素子等に利用できる。
【先行技術文献】
【0006】

【特許文献1】特開2012-130201号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
陰極と厚さ方向に伸縮可能な部材からなる陽極とでゲルを挟み込んだ基本ユニットを、ゲルを介して単純に積層してアクチュエータを構成した場合、アクチュエータに大きな引っ張り荷重が作用したときに、陽極とゲルとが剥離するおそれがあることが分かった。
【0008】
図9に示すアクチュエータ10を参照して具体的に説明する。アクチュエータ10は、陽極部材11と、陰極部材12と、これら陽極部材11と陰極部材12との間に設けられたゲル層13とからなる基本ユニットが複数積層されて構成されている。アクチュエータ10は、陽極部材11と陰極部材12との間に電圧が印加されたり、電圧の印加を停止したりすることによってその厚さ方向Xに伸縮する。
【0009】
アクチュエータ10に、引っ張り方向の外力F1がかかり、アクチュエータ10が厚さ方向Xに一定の長さL1以上に伸張された場合、陽極部材11とゲル層13とを剥離させるおそれがある。アクチュエータ10は、陽極部材11とゲル層13とが剥離した場合、円滑に伸縮せず、安定した駆動源として利用することができないおそれがある。
【0010】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、引っ張り加重がアクチュエータに作用した場合でも、陽極部材とゲル層との剥離の問題がなく安定した駆動源として用いることができるアクチュエータ装置及びアクチュエータ装置のユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するための本発明に係るアクチュエータ装置は、一組の陽極部材と陰極部材とが配置されるか又は陽極部材と陰極部材とが交互に複数配置され且つ、該陽極部材と該陰極部材との間に誘電性を有する高分子材料からなるゲル層が設けられているアクチュエータと、前記アクチュエータの厚さ方向のあらかじめ設定された寸法よりも前記アクチュエータが伸張することを防止する伸張防止機構と、を備えていることを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、アクチュエータの厚さ方向のあらかじめ設定された寸法よりもアクチュエータが伸張することを防止する伸張防止機構を備えているので、アクチュエータの厚さ方向に大きな引っ張り荷重がかかる長さにまでアクチュエータが伸張されることが防止される。そのため、アクチュエータを構成している陽極部材とゲル層とが剥離することを防止することができる。その結果、円滑に作動する駆動源として用いることができる。
【0013】
本発明に係るアクチュエータ装置において、前記伸張防止機構は、前記アクチュエータを内側に収容させている筐体と、前記アクチュエータを内側に収容させている移動フレームとにより構成され、前記アクチュエータの前記厚さ方向の一端が前記筐体に取り付けられ、前記アクチュエータの前記厚さ方向の他端が前記移動フレームに取り付けられ、前記移動フレームが前記筐体に対して前記厚さ方向に移動可能に構成され、前記移動フレームは、あらかじめ設定された前記寸法に前記アクチュエータが伸張した位置で前記筐体に突き当てられることを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、伸張防止機構が上記のように構成されているので、移動フレームが筐体に突き当たる位置でアクチュエータが伸張することを確実に防止することができる。
【0015】
本発明に係るアクチュエータ装置において、前記筐体は、前記アクチュエータの前記厚さ方向の一端が取り付けられている第1の面と、前記アクチュエータの前記厚さ方向に直交する方向の前記アクチュエータの両側に配置された第2の面及び第3の面と、前記アクチュエータの他端側に配置され、前記第1の面に対向している第4の面と、を有し、前記移動フレームは、前記アクチュエータの前記厚さ方向の他端が取り付けられている取付板と、前記アクチュエータと前記第2の面及び前記第3の面との間にそれぞれ配置され、前記第1の面を貫いて前記筐体の内側から外側に延びる側板と、前記第1の面よりも外側に配置され、外部に接続可能な接続板と、を備えている。
【0016】
この発明によれば、伸張防止機構の筐体及び移動フレームが上記のように構成されているので、伸張防止機構は筐体の第1の面に移動フレームの接続板が突き当てられた位置でアクチュエータが伸張することを防止することができる。
【0017】
本発明に係るアクチュエータ装置において、第2のアクチュエータが前記筐体の前記第4の面と前記移動フレームの前記取付板との間に配置され、前記第2のアクチュエータの一端が前記取付板に取り付けられ、他端が前記第4の面に取り付けられていることを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、2個のアクチュエータのうち、一方のアクチュエータに電圧を印加すると共に他方のアクチュエータに電圧を印加しないことと、他方のアクチュエータに電圧を印加すると共に一方のアクチュエータに電圧を印加しないこととを繰り返し行うことによって、アクチュエータ装置がアクチュエータの厚さ方向の両方の向きに同じか又は略同じ大きさの外力を与えることができる。
【0019】
本発明に係るアクチュエータ装置において、前記アクチュエータを構成している周面にゲルを付着させいることを特徴とする。
【0020】
この発明によれば、アクチュエータを構成している周面にゲルを付着させいるので、アクチュエータが大きく伸縮することを阻止することができる。そのため、アクチュエータ装置に外力を加え、アクチュエータを所定の寸法に伸縮させたとき、アクチュエータを伸縮された状態に維持させたり、微小な距離だけ変位させたりすることができる。
【0021】
上記課題を解決するための本発明に係るアクチュエータ装置のユニットは、一組の陽極部材と陰極部材とが配置されるか又は陽極部材と陰極部材とが交互に複数配置され且つ、該陽極部材と該陰極部材との間に誘電性を有する高分子材料からなるゲル層が設けられているアクチュエータと、前記アクチュエータの厚さ方向のあらかじめ設定された寸法よりも前記アクチュエータが伸張することを防止する伸張防止機構と、を有するアクチュエータ装置を2個備え、前記アクチュエータ装置が前記厚さ方向にて向かい合って配置され、前記伸張防止機構同士が接続されていることを特徴とする。
【0022】
この発明によれば、アクチュエータ装置のユニットは、アクチュエータ装置がその厚さ方向にて向かい合って配置され、伸張防止機構同士が接続されているので、2個のアクチュエータ装置のうち、一方のアクチュエータ装置のアクチュエータに電圧を印加すると共に他方のアクチュエータ装置のアクチュエータに電圧を印加しないことと、他方のアクチュエータ装置のアクチュエータに電圧を印加すると共に一方のアクチュエータ装置のアクチュエータに電圧を印加しないこととを繰り返し行うことによって、アクチュエータ装置が接続されている方向の両方の向きに、アクチュエータ装置が同じか又は略同じ大きさの外力を与えることができる。
【0023】
上記課題を解決するための本発明に係るアクチュエータ装置のユニットは、一組の陽極部材と陰極部材とが配置されるか又は陽極部材と陰極部材とが交互に複数配置され且つ、該陽極部材と該陰極部材との間に誘電性を有する高分子材料からなるゲル層が設けられているアクチュエータと、前記アクチュエータの厚さ方向のあらかじめ設定された寸法よりも前記アクチュエータが伸張することを防止する伸張防止機構と、を有するアクチュエータ装置を複数備え、複数の前記アクチュエータ装置が同じ方向を向いて前記厚さ方向に一列に配置され、前記伸張防止機構同士が接続されていることを特徴とする。
【0024】
この発明によれば、アクチュエータ装置のユニットが、アクチュエータ装置を複数備え、複数のアクチュエータ装置が同じ方向を向いて厚さ方向に一列に配置され、伸張防止機構同士が接続されているので、単独のアクチュエータ装置だけの場合よりも長く変位させることができる。また、複数のアクチュエータ装置のうち、任意に選択した1又は複数のアクチュエータ装置だけを作動させることによってアクチュエータ装置のユニットを構成するすべてのアクチュエータ装置を作動させた場合よりも変位させる寸法を自由に設定することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、陽極部材とゲル層とが剥離することを防止することができるので、アクチュエータ装置を安定した動作を行う駆動源として用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の第1実施形態のアクチュエータ装置を示す斜視図である。
【図2】アクチュエータの構造を示す説明図である。
【図3】図1及び図2に示したアクチュエータ装置のアクチュエータとは異なるゲル層を備えたアクチュエータを説明するための説明図である。
【図4】第1実施形態のアクチュエータ装置の作用を説明するために用いた説明図である。
【図5】周面にゲルが付着されたアクチュエータを用いたアクチュエータ装置の構成及び作用を説明するために用いた説明図である。
【図6】第2実施形態のアクチュエータ装置の構成及び作用を説明するために用いた説明図である。
【図7】第1タイプのアクチュエータ装置のユニットの構成及び作用を説明するために用いた説明図である。
【図8】第2タイプのアクチュエータ装置のユニットの構成及び作用を説明するために用いた説明図である。
【図9】アクチュエータの動作原理を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、本発明の技術的範囲は、以下の記載や図面にのみ限定されるものではない。

【0028】
[全体構成]
本発明に係るアクチュエータ装置1は、図1に示すように、アクチュエータ10と、当該アクチュエータ10の厚さ方向Xのあらかじめ設定された寸法よりもアクチュエータ10が伸張することを防止する伸張防止機構40とを備えている。なお、本明細書において、厚さ方向Xとは、図1に示すように、陽極部材11と陰極部材12とが交互に複数配置されている方向を意味する。なお、アクチュエータ装置1は、陽極部材11と陰極部材12とが交互に複数配置されたアクチュエータ10を用いた形態の他に、一組の陽極部材11と陰極部材11とが配置されたアクチュエータを用いた形態も含まれる。ただし、以下では、陽極部材11と陰極部材12とが交互に複数配置されたアクチュエータ10を用いた形態を例にしてアクチュエータ装置1について説明する。

【0029】
アクチュエータ10は、図2に示すように、陽極部材11と陰極部材12とが交互に複数配置され、陽極部材11と陰極部材12との間に誘電性を有する高分子材料からなるゲル層13が設けられることにより構成されている。図2に示す例では、陽極部材11は網状のメッシュ体で構成されている。このアクチュエータ10は、陽極部材11と陰極部材12との間に電圧を印加したり、電圧の印加を停止したりすることによって、陽極部材11と陰極部材12とが交互に配置された当該アクチュエータ10の厚さ方向Xに伸縮する。

【0030】
伸張防止機構40は、アクチュエータ10を内側に収容させている筐体20と、アクチュエータ10を内側に収容させている移動フレーム30とにより構成されている。筐体20は、第1の面21、第2の面22、第3の面23及び第4の面24が四角形の輪郭に一致するようにして配置されて形成されている。また、移動フレーム30は、取付板34、側板32,33及び接続板31が四角形の輪郭に一致するようにして配置されて形成されている。この移動フレーム30は、筐体20に対してアクチュエータ10の厚さ方向Xに移動可能に構成されている。

【0031】
アクチュエータ装置1は、アクチュエータ10が筐体20及び移動フレーム30の内側に配置されて構成されており、アクチュエータ10の厚さ方向Xの一端18が筐体20の第1の面21に取り付けられ、アクチュエータ10の厚さ方向Xの他端19が移動フレーム30の取付板34に取り付けられている。

【0032】
伸張防止機構40を構成している移動フレーム30は、アクチュエータ10の伸縮に伴って筐体20に対してアクチュエータ10の厚さ方向Xに移動するが、アクチュエータ10が、その厚さ方向Xの寸法があらかじめ設定された寸法に伸張されたときに、筐体20によって移動が停止されるように構成されている。

【0033】
本発明のアクチュエータ装置1は、陽極部材とゲル層とが剥離することを防止することができるので、アクチュエータ装置を安定した動作を行う駆動源として用いることができる。

【0034】
以下、アクチュエータ装置1の各構成について図面を適宜に参照しながら詳細に説明する。

【0035】
[第1実施形態]
以下、第1実施形態のアクチュエータ装置に符号1Aを付して説明する。

【0036】
〈アクチュエータ〉
アクチュエータ10は、図1及び図2に示すように、陽極部材11と陰極部材12とがそれらの厚さ方向Xに交互に複数配置され、陽極部材11と陰極部材12との間に誘電性高分子材料からなるゲル層13が設けられて構成されている。このアクチュエータ10は、陽極部材11、陰極部材12及びそれらの間に設けられたゲル層13を1つの基本構成単位として構成されている。アクチュエータ10は、こうした基本構成単位を10層積層して構成されている。ただし、基本構成単位の層の数は、必要に応じて9層以下にしたり、11層以上にしたりすることができる。

【0037】
アクチュエータ10を構成している陽極部材11及び陰極部材12は平面視の形状が四角形に形成されており、ゲル層13はその周縁部が陽極部材11及び陰極部材12の周縁部に一致するように形成されている。なお、図1に示した例は、アクチュエータ10の平面視の形状が四角形に形成されているが、アクチュエータ10の平面視の形状は、四角形以外の多角形や円形等に形成してもよい。

【0038】
(陽極部材)
陽極部材11は、図1に示した例では、導電性を有する金属ファイバーを網状に形成したメッシュ体によって構成されている。この陽極部材11は、線径が0.1mmの金属ファイバーによって、1インチあたりのワイヤーの本数が100本になるメッシュサイズに形成されている。なお、陰極部材12は、必要に応じた線径の金属ファイバーで適切なメッシュサイズに形成されたメッシュ体を用いることができる。

【0039】
(陰極部材)
陰極部材12は、厚さが薄い導電性を有する部材によって構成されている。図1に示した例は、厚さが0.01mmの導電性を有する金属性の部材で形成されている。

【0040】
(ゲル層)
ゲル層13は、ポリ塩化ビニル(PVC)と可塑剤であるアジピン酸ジブチル(DBA)とを、溶媒であるテトラヒドロフラン(THF)内で混合して精製されたものである。このゲル層13は、ポリ塩化ビニルとアジピン酸ジブチルとの重量組成比を調整することによって、その剛性を調整することができる。図1に示した例は、ポリ塩化ビニルとアジピン酸ジブチルとの重量組成比を10:40に調整して精製されたゲル層13が使用されている。

【0041】
そうしたゲル層13は、陽極部材11と陰極部材12との間に電圧を印加したときにその厚さ方向Xに収縮し、電圧の印加を停止したときに元の厚さに復帰する。電圧を印加してゲル層13がその厚さ方向Xに収縮したとき、ゲル層13は陽極部材11のメッシュの隙間に引き込まれる。アクチュエータ10それ自体の収縮は、ゲル層13が陽極部材11のメッシュの隙間に引き込まれ、全体の厚さが薄くなることによって生じる。

【0042】
電圧を印加した際にこのような作用をなすゲル層13としては、ポリ塩化ビニルとアジピン酸ジブチルとを混合して精製したものの他に、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル酸メチル、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ナイロン6、ポリビニルアルコール、ポリカーボネイト、ポリエチレンテレフタレート、ポリアクリロニトリル、シリコーン等の誘電性を有する高分子材料を用いることができる。

【0043】
こうしたアクチュエータ10は、積層された各陽極部材11の左右方向の一方に電源の陽極に接続するための配線15をそれぞれ有し、積層された各陰極部材12の左右方向の他方に電源の陰極に接続するための配線16をそれぞれ有している。

【0044】
なお、アクチュエータは、図3に示すように構成することもできる。図3に示すアクチュエータ110は、基部113a及びその一面側に設けられた突部113aからなるゲル層113b、突部113bの頂部に接して配置される陽極部材111と、陽極部材111に対し、突部113bをその厚さ方向Xに挟む位置に配される陰極部材112とを備えている。このアクチュエータ110は、陽極部材111陰極部材112との間に電圧を印加したときに、突部113bが陽極部材111側に付着するようにクリープ変形し、ゲル113が厚さ方向に収縮する。

【0045】
〈伸張防止機構〉
次に、図1を参照して、伸張防止機構40について説明する。伸張防止機構40は、アクチュエータ10を内側に収容させている筐体20と、アクチュエータ10を内側に収容させている移動フレーム30とにより構成されている。この伸張防止機構40は、アクチュエータ10があらかじめ設定された寸法よりも伸張することを防止することによって、アクチュエータ10がその厚さ方向Xにおいて、自然長又は略自然長よりも伸張することがないようにアクチュエータ10の厚さ方向Xの寸法を規制している。

【0046】
なお、本明細書において、アクチュエータ10の自然長とは、電圧が印加されたり、電圧の印加を停止したりすることによって厚さ方向Xに伸縮するアクチュエータ10において、電圧が印加されていないときのアクチュエータ10の厚さ方向Xの寸法を意味する。

【0047】
筐体20は、第1の面21、第2の面22,第3の面23及び第4の面24が四角形の輪郭に一致して配置されて形成されている。第1の面21と第4の面24とが平行をなし、第2の面22と第3の面23とが平行をなしている。筐体20は、第1の面21、第2の面22、第3の面23及び第4の面24の内側に空間を有しており、アクチュエータ10は、第1の面21、第2の面22、第3の面23及び第4の面24の内側に形成されている空間に収容されている。

【0048】
第1の面21は、アクチュエータ10を構成する陽極部材11及び陰極部材12に対して平行をなしており、アクチュエータ10の厚さ方向Xの一端18がこの第1の面21に取り付けられている。また、第1の面21は、後述する移動フレーム30の側板32,33を貫通させるための細長い貫通孔36を備えている。貫通孔36の長さ及び幅は移動フレーム30の側板32,33の幅及び厚さよりも大きく形成されており、移動フレーム30の側板32,33が貫通孔36に干渉することなくアクチュエータ10の厚さ方向Xに円滑に移動することができるようになっている。第2の面22及び第3の面23はアクチュエータ10の側部が一定の距離だけ離れた位置に配置されて設けられており、第4の面24は、アクチュエータ10の他端19側で、アクチュエータ10の他端19から一定の距離だけ離れた位置で第1の面21に対向するようにして設けられている。

【0049】
筐体20の第2の面22は、アクチュエータ10の厚さ方向Xの中央に対応する位置に、アクチュエータ10を構成している陽極部材11と電源(図示しない)の陽極とを接続している配線15を通すための連絡穴25を備え、筐体20の第3の面23は、アクチュエータ10の厚さ方向Xの中央に対応する位置に、アクチュエータ10を構成している陰極部材12と電源(図示しない)の陰極とを接続している配線16を通すための連絡穴25を備えている。図1に示した例では、図1の左側に位置する第2の面22の穴が、陽極部材11と電源の陽極とを接続している配線を通すための連絡穴25であり、図1の右側に位置する第3の面23の穴が、陰極部材12と電源の陰極とを接続している配線を通すための連絡穴25である。なお、連絡穴25は、束ねられた配線15,16を通すことができればよいので、円形にそれぞれ形成されている。

【0050】
前記移動フレーム30は、取付板34、側板32,33及び接続板31が四角形の輪郭に一致して配置されて形成されており、取付板34、側板32,33及び接続板31の内側が空間になるように構成されている。アクチュエータ10は、取付板34、側板32,33及び接続板31の内側に形成されている空間に収容されている。

【0051】
取付板34は、アクチュエータ10を構成する陽極部材11及び陰極部材12に対して平行をなしており、アクチュエータ10の厚さ方向Xの他端19がこの取付板34に取り付けられている。側板32は、アクチュエータ10の側部と筐体20の第2の面22面との間で、アクチュエータ10の側部及び筐体20の第2の面22に対して一定の距離を空けた位置に配されている。同様に、側板33は、アクチュエータ10の側部と筐体20の第3の面23との間で、アクチュエータ10の側部及び筐体20の第3の面23に対して一定の距離を空けた位置に配されている。この側板32,33は、筐体20の第1の面21に形成された貫通孔36にそれぞれ通されて、筐体20の内側から外側に延びるように第1の面21を貫いて設けられている。接続板31は筐体20の第1の面21よりも外側で第1の面21に対して平行をなして配置されている。この接続板31は、当該アクチュエータ装置1Aとは別体の外部の支持体や他のアクチュエータ装置等に接続するための接続用部材50が取り付けられる部材である。

【0052】
この移動フレーム30の一方の側板32は、アクチュエータ10に対応する位置に、アクチュエータ10を構成している陽極部材11と電源(図示しない)の陽極とを接続している配線15を通すための連絡穴35を備え、移動フレーム30他方の側板33は、アクチュエータ10に対応する位置に、アクチュエータ10を構成している陰極部材12と電源の陰極とを接続している配線16を通すための連絡穴35を備えている。この連絡穴35は、アクチュエータ10の厚さ方向Xに延びる細長い長方形に形成されている。図1に示す例では、図1の左側に位置する側板32の穴が各陽極部材11と電源の陽極とを接続する配線15を通すための連絡穴35であり、図1の右側に位置する側板33の穴が各陰極部材12と電源の陰極とを結ぶ配線16を通すための連絡穴35である。なお、この連絡穴35は、アクチュエータ10の厚さ方向Xに延びる細長い長方形に形成されており、複数の放射状に延びる配線15,16を通すことができるようになっている。

【0053】
こうした構成を有する移動フレーム30は、アクチュエータ10の伸縮に伴って、筐体20に対してアクチュエータ10の厚さ方向Xに移動する。その際、筐体20及び移動フレーム30が、陽極部材11に接続される配線15及び陰極部材12に接続される配線16を通すための連絡穴25,35を備えているので、陽極部材11及び陰極部材12に接続された配線15,16がアクチュエータ装置1Aに絡みついたいりすることが防止される。

【0054】
〈アクチュエータ装置の作用〉
次に、図4を参照して、以上の構成を備えたアクチュエータ装置1Aの作用について説明する。

【0055】
図4(A)は、アクチュエータ10に電圧が印加されていない状態を示している。アクチュエータ10に電圧が印加されていないとき、アクチュエータ10は、その厚さ方向Xの寸法が自然長又は略自然長に維持されている。アクチュエータ10に電圧が印加されていないとき、移動フレーム30は、接続板31と筐体20の第1の面21との間に若干の隙間が形成される位置に保たれている。この状態からアクチュエータ10に電圧を印加したとき、図4(B)に示すように、アクチュエータ10が収縮される。アクチュエータ10が収縮されたことに伴って、移動フレーム30は図4の上方に移動し、移動フレーム30の接続板31と筐体20の第1の面21との間の距離が広がる。この状態からアクチュエータ10に電圧の印加を停止したとき、図4(C)に示すように、アクチュエータ10は自然長又は略自然長まで伸張し、移動フレーム30は図4の下方に移動する。

【0056】
このアクチュエータ装置1Aは、図4(B)示すようにアクチュエータ10が収縮した状態から図4(C)に示すようにアクチュエータ10が自然長又は略自然長に伸張する作用を利用して、接続板31に設けられた接続用部材50に接続した外部の物体(図示しない)を移動させている。

【0057】
なお、このアクチュエータ装置1Aの外部から移動フレーム30を下方に向けて押し下げる力が移動フレーム30に作用した場合でも、このアクチュエータ装置1Aは、伸張防止機構40を備えているので、アクチュエータ10の陽極部材11とゲル層13とが剥離するような引っ張り荷重が作用する長さに引っ張られることは防止される。

【0058】
具体的に、伸張防止機構40の作用を説明する。アクチュエータ装置1Aの外部から移動フレーム30を下方に向けて押し下げる力が移動フレーム30に作用したと仮定する。その場合、アクチュエータ10の厚さ方向Xの一端18が筐体20の第1の面21に取り付けられていると共に、アクチュエータ10の他端19が移動フレーム30の取付板34に取り付けられているので、移動フレーム30の移動に伴って、アクチュエータ10は伸張する。しかしながら、移動フレーム30が下方に移動した場合、移動フレーム30の接続板31が筐体20の第1の面21に突き当たる。そのため、移動フレーム30は、接続板31が筐体20の第1の面21に突き当たった位置よりも下側に移動することが防止される。その結果、アクチュエータ10は、接続板31が筐体20の第1の面21に突き当たった位置よりも伸張することが防止される。

【0059】
なお、接続板31が第1の面21に突き当たる位置は、アクチュエータ10の厚さ方向の寸法が、アクチュエータ10を構成する陽極部材11とゲル層13とが剥離しない範囲であれば、特に限定されない。しかしながら、接続板31が第1の面21に突き当たる位置は、アクチュエータ10の厚さ方向Xの寸法が自然長又は略自然長にアクチュエータ10が伸張したときに、接続板31が第1の面21に突き当たるように伸張防止機構40を設定するとよい。このように設定することによって、アクチュエータ10は収縮される領域でのみ使用され、引っ張り荷重がアクチュエータ10に作用することがない。

【0060】
アクチュエータ10は、接続板31が筐体20の第1の面21に突き当たった位置よりも伸張することが防止される結果、引っ張り荷重がアクチュエータ10に作用することがなく、アクチュエータ10を構成する正極部材とゲル層13とが剥離されることが防止される。

【0061】
次に、図5を参照して、アクチュエータ10の周面にゲルを付着させているアクチュエータ装置1Aについて説明する。なお、図5に示したアクチュエータ装置1Aは、アクチュエータ10の周面にゲルを付着させたこと以外の構成は、図1から図4に示したアクチュエータ装置1Aの構成と同じである。そのため、図5に示したアクチュエータ装置1Aは、図1から図4に示したアクチュエータ装置1Aと同じ構成には同じ符号付してその説明を省略する。また、アクチュエータ10の周面に付着させたゲルは図面には特に示していない。なお、アクチュエータ装置1Aは、陽極部材11と陰極部材12とが交互に複数配置されたアクチュエータ10を用いた形態の他に、一組の陽極部材11と陰極部材11とが配置されたアクチュエータを用いた形態も含まれる。ただし、以下では、陽極部材11と陰極部材12とが交互に複数配置されたアクチュエータ10を用いた形態を例にしてアクチュエータ装置1Aについて説明する。

【0062】
なお、本明細書において、アクチュエータ10の周面とは、アクチュエータ10を構成している陽極部材11、陰極部材12及びゲル層13の周縁により構成されている面を意味する。

【0063】
このアクチュエータ装置1Aのアクチュエータ10は、高分子材料からなるゲルが周面に付着されることによって、当該アクチュエータ10の剛性がゲルを付着させない場合よりも向上している。アクチュエータ10の周面に付着されたゲルは、アクチュエータ10がその厚さ方向Xに微小な距離tだけ変位することを許容している。アクチュエータ10の周面に付着させるゲルとしては、例えば、ポリ塩化ビニルを用いることができる。また、使用するゲルとしては、ポリ塩化ビニルの他に、ポリメタクリル酸メチル、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ナイロン6、ポリビニルアルコール、ポリカーボネイト、ポリエチレンテレフタレート、ポリアクリロニトリル、シリコーン等の誘電性を有する高分子材料を用いることができる。

【0064】
次に、図5を参照して、このアクチュエータ装置1Aの作用について説明する。

【0065】
図5(A)は、アクチュエータ10に電圧が印加されていない状態を示している。アクチュエータ10に電圧が印加されていないとき、アクチュエータ10は、その厚さ方向Xの寸法が自然長又は略自然長に維持されている。アクチュエータ10に電圧が印加されていないとき、移動フレーム30は、接続板31と筐体20の第1の面21との間に若干の隙間が形成される位置に保たれている。この示す状態から、図5(A)の矢印に示すように、アクチュエータ装置1Aに外力Fを付加し、図5(B)に示すように、アクチュエータ10を微小な距離tだけ収縮させる。アクチュエータ10が微小な距離tだけ収縮されたことに伴って、移動フレーム30は図5の上方に微小な距離tだけ移動する。この状態からアクチュエータ10に電圧の印加した場合、図5(B)に示すように、アクチュエータ10を収縮させる力fが当該アクチュエータに作用する。ところが、アクチュエータ10は、その周面に付着されたゲルによってその収縮が拘束されているため、は図5(C)に示すように、アクチュエータ10は収縮せず、アクチュエータ10が微小な距離tだけ収縮された状態が維持される。そのため、移動フレーム30も下方に移動せず、移動フレーム30の位置が維持される。すなわち、図5(C)に示したアクチュエータ装置1Aの状態は、図5(B)に示したアクチュエータ装置1Aの状態から殆ど変化せず、図5(B)に示した状態がそのまま維持される。

【0066】
このアクチュエータ装置1Aは、腰サポート用アシストウェア、脚部サポート用アシストスパッツ等、身体各部のサポートを行う装置等に適用することができる。

【0067】
[第2実施形態]
次に、図6を参照して第2実施形態のアクチュエータ装置1Bについて説明する。なお、第2実施形態のアクチュエータ装置1Bについては、第1実施形態のアクチュエータ装置1Aと同じ構成については概要のみを説明し、異なる構成についてのみ詳細に説明する。また、アクチュエータ装置1Bは、陽極部材11と陰極部材12とが交互に複数配置されたアクチュエータ10を用いた形態の他に、一組の陽極部材11と陰極部材11とが配置されたアクチュエータを用いた形態も含まれる。ただし、以下では、陽極部材11と陰極部材12とが交互に複数配置されたアクチュエータ10を用いた形態を例にしてアクチュエータ装置1Bについて説明する。

【0068】
〈アクチュエータ装置の構成〉
このアクチュエータ装置1Bは、1つのアクチュエータ装置1Bに第1のアクチュエータ10a及び第2のアクチュエータ10bの2つのアクチュエータ10a,10bが用いられている。基本的な構成は、第1実施形態のアクチュエータ装置1Aと同じであり、アクチュエータ10a,10bと、このアクチュエータ10a,10bの厚さ方向Xのあらかじめ設定された寸法よりもアクチュエータ10a,10bが伸張することを防止する伸張防止機構40bとによって構成されている。

【0069】
このアクチュエータ装置1Bに用いられている2つのアクチュエータ10a,10bの基本的な構成は、第1実施形態のアクチュエータ装置1Aに用いられているアクチュエータ10と同じであり、陽極部材11と陰極部材12とが交互に複数配置され且つ、陽極部材11と陰極部材12との間に誘電性を有する高分子材料からなるゲル層13が設けられることによって構成されている。また、陽極部材11は、網状のメッシュ体で構成されている。このアクチュエータ10a,10bは、陽極部材11と陰極部材12との間に電圧を印加したり、印加した電圧を停止したりすることによって、陽極部材11と陰極部材12とが交互に配置された当該アクチュエータ10a,10bの厚さ方向Xに伸縮する。

【0070】
伸張防止機構40bは、第1のアクチュエータ10a及び第2のアクチュエータ10bを内側に収容させている筐体20bと、第1のアクチュエータ10aを内側に収容させている移動フレーム30とにより構成されている。筐体20bは、第1の面21b、第2の面22b、第3の面23b及び第4の面24bが四角形の輪郭に一致するようにして配置されて形成されている。また、移動フレーム30は、取付板34、側板32,33及び接続板31が四角形の輪郭に一致するようにして配置されて形成されており、筐体20bに対して2つのアクチュエータ10a,10bの厚さ方向Xに移動可能に構成されている。なお、このアクチュエータ装置1Bの移動フレーム30が筐体20bに対してアクチュエータ10a,10bの厚さ方向Xに移動するメカニズムは、第1実施形態のアクチュエータ装置1Aのメカニズムと同じである。

【0071】
筐体20b及び移動フレーム30は、第1のアクチュエータ10aを、当該アクチュエータ装置1Bの上側半分の領域に配置されるようにして、それらの内側に収容している。第1のアクチュエータ10aの厚さ方向Xの一端18aは筐体20bの第1の面21bに取り付けられており、厚さ方向Xの他端19aは移動フレーム30の取付板34の表面に取り付けられている。また、筐体20bは、当該アクチュエータ装置1Bの下側半分の領域に配置されるようにして、その内側に第2のアクチュエータ10bを収容している。第2のアクチュエータ10bの厚さ方向Xの一端18bは移動フレーム30の取付板34の裏面に取り付けられ、厚さ方向Xの他端19bは筐体20bの第4の面24bに取り付けられている。

【0072】
筐体20bの第2の面22bは、第1のアクチュエータ10aの厚さ方向Xの中央に対応する位置に、第1のアクチュエータ10aを構成している陽極部材11と電源(図示しない)の陽極とを接続している配線15aを通すための連絡穴25aを備え、第2のアクチュエータ10bの厚さ方向Xの中央に対応する位置に、第2のアクチュエータ10bを構成している陽極部材11と電源の陽極とを接続している配線15bを通すための連絡穴25bを備えている。連絡穴25a,25bは円形にそれぞれ形成されている。

【0073】
また、筐体20bの第3の面23bは、第1のアクチュエータ10aの厚さ方向Xの中央に対応する位置に、第1のアクチュエータ10aを構成している陰極部材12と電源の陰極とを接続している配線16aを通すための連絡穴25aを備え、第2のアクチュエータ10bの厚さ方向Xの中央に対応する位置に、第2のアクチュエータ10bを構成している陰極部材12と電源の陰極とを接続している配線16bを通すための連絡穴25bを備えている。連絡穴25a,25bは円形にそれぞれ形成されている。

【0074】
移動フレーム30の一方の側板32は、第1のアクチュエータ10aに対応する位置に、第1のアクチュエータ10aを構成している陽極部材11と電源の陽極とを接続している配線を通すための連絡穴35を備え、移動フレーム30の他方の側板33は、第1のアクチュエータ10aに対応する位置に、第1のアクチュエータ10aを構成している陰極部材12と電源の陰極とを接続している配線を通すための連絡穴35を備えている。なお、この連絡穴35は、アクチュエータ10aの厚さ方向Xに延びる細長い長方形に形成されており、複数の放射状に延びる配線を通すことができるようになっている。
〈アクチュエータ装置の作用〉
次に、アクチュエータ装置1Bの作用について説明する。

【0075】
図6(A)は、第1のアクチュエータ10aに電圧が印加され、第2のアクチュエータ10bには電圧が印加されていないアクチュエータ装置1Bの状態を示している。第1のアクチュエータ10aは、電圧が印加されているので、厚さ方向Xに収縮されている。これに対し、第2のアクチュエータ10bは、電圧が印加されていないので、厚さ方向Xに収縮されず、自然長又は略自然長の状態に保たれている。

【0076】
移動フレーム30は、第1のアクチュエータ10aが収縮していること及び、第2のアクチュエータ10bが自然長又は略自然長に保たれていることによって、図6の上方に上昇されている。

【0077】
次に、図6(A)の状態から第1のアクチュエータ10aに電圧を印加することを停止すると共に、第2のアクチュエータ10bに電圧を印加する。その場合、第1のアクチュエータ10aは、図6(B)に示すように、収縮していた状態から伸張し、厚さ方向Xの寸法が自然長又は略自然長になる。第2のアクチュエータ10bは、自然長又は略自然長に保たれていた状態から収縮し、厚さ方向Xの寸法が自然長又は略自然長よりも短くなる。

【0078】
移動フレーム30は、第1のアクチュエータ10aが伸張することによって取付板34が第1のアクチュエータ10aによって押し下げられると共に、第2のアクチュエータ10bが収縮することによって取付板34が第2のアクチュエータ10bにより引き下げられる。そのため、移動フレーム30は、図6の下方に下降されている。

【0079】
このアクチュエータ装置1Bは、図6(A)に示すように移動フレーム30が上昇されている状態から図6(B)に示すように移動フレーム30が下降する動作を利用して、移動フレーム30の接続板31に設けられた接続用部材50を介して外部の物体(図示しない)を当該アクチュエータ装置1B側に引き寄せる方向に移動させている。

【0080】
次に、図6(B)の状態から第1のアクチュエータ10aに電圧を印加すると共に、第2のアクチュエータ10bに電圧を印加することを停止する。その場合、第1のアクチュエータ10aは、図6(C)に示すように、自然長又は略自然長に保たれていた状態から収縮し、厚さ方向Xの寸法が自然長又は略自然長よりも短くなる。第2のアクチュエータ10bは、収縮していた状態から伸張し、厚さ方向Xの寸法が自然長又は略自然長になる。

【0081】
移動フレーム30は、第1のアクチュエータ10aが収縮することによって取付板34が第1のアクチュエータ10aによって引き上げられると共に、第2のアクチュエータ10bが伸張することによって取付板34が第2のアクチュエータ10bにより押し上げられる。そのため、移動フレーム30は、図5の上方に上昇されている。

【0082】
このアクチュエータ装置1Bは、図6(B)に示すように移動フレーム30が下降されている状態から図6(C)に示すように移動フレーム30が上昇する動作を利用して、移動フレーム30の接続板31に設けられた接続用部材50を介して外部の物体(図示しない)を当該アクチュエータ装置1Bから離れる方向に移動させている。

【0083】
このアクチュエータ装置1Bは、2個のアクチュエータ10a,10bのうち、例えば、一方のアクチュエータ10aに電圧を印加すると共に他方のアクチュエータ10bに電圧を印加しないことと、他方のアクチュエータ10bに電圧を印加すると共に一方のアクチュエータ10aに電圧を印加しないこととを繰り返し行うことによって、アクチュエータ装置1Bがアクチュエータ10a,10bの厚さ方向の両方の向きに同じか又は略同じ大きさの外力を与えることができる。

【0084】
なお、アクチュエータを構成している周面の少なくとも1部にゲルを付着させた場合、アクチュエータ装置1Bに外力を付加して移動フレームを微少な距離だけ変位させ、変位した位置に移動フレーム30を維持させることができる。

【0085】
[アクチュエータ装置のユニット]
次に、本発明のアクチュエータ装置のユニットについて説明する。アクチュエータ装置のユニットは、次の2つに大別することができる。なお、以下に説明する第1タイプのアクチュエータ装置のユニット100A及び第2タイプのアクチュエータ装置のユニット100Bのアクチュエータ装置は、アクチュエータが陽極部材11と陰極部材12とを交互に複数配置して構成された形態の他に、一組の陽極部材11と陰極部材11とを配置して構成した形態も含まれる。ただし、以下では、陽極部材11と陰極部材12とが交互に複数配置されたアクチュエータを用いた形態を例にしてアクチュエータ装置のユニット100A,100Bについて説明する。

【0086】
第1タイプのアクチュエータ装置1のユニット100Aは、2個のアクチュエータ装置1を用いて構成されており、アクチュエータ装置1が、その厚さ方向Xに並べて配置され且つ、相互に向かい合って配置されている。アクチュエータ装置1は、陽極部材11と陰極部材12とが交互に複数配置され且つ、陽極部材11と陰極部材12との間に誘電性を有する高分子材料からなるゲル層13が設けられているアクチュエータ10と、アクチュエータ10の厚さ方向Xのあらかじめ設定された寸法よりもアクチュエータ10が伸張することを防止する伸張防止機構40とを有している。伸張防止機構40は、アクチュエータ10を内側に収容させている筐体20と、アクチュエータ10を内側に収容させている移動フレーム30とにより構成されている。そして、アクチュエータ装置1は伸張防止機構40同士が接続されている。なお、伸張防止機構40同士の接続の詳細は、後述する。

【0087】
第2タイプのアクチュエータ装置1のユニット100Bは、複数のアクチュエータ装置1によって構成されており、複数のアクチュエータ装置1は、同じ方向を向いて厚さ方向Xに一列に配置されている。アクチュエータ装置1は、陽極部材11と陰極部材12とが交互に複数配置され且つ、陽極部材11と陰極部材12との間に誘電性を有する高分子材料からなるゲル層が設けられているアクチュエータ10と、当該アクチュエータ10の厚さ方向Xのあらかじめ設定された寸法よりもアクチュエータが伸張することを防止する伸張防止機構40と、を有している。伸張防止機構40は、アクチュエータ10を内側に収容させている筐体20と、アクチュエータ10を内側に収容させている移動フレーム30とにより構成されている。そして、アクチュエータ装置1は伸張防止機構40同士が接続されている。なお、伸張防止機構40同士の接続の詳細は、後述する。

【0088】
まず、図7を参照して第1タイプのアクチュエータ装置1のユニット100Aについて説明する。

【0089】
〈第1タイプのアクチュエータ装置のユニットの構成〉
このアクチュエータ装置1のユニット100Aは、図1から図4に示したアクチュエータ装置1Aを2個用いて構成されている。アクチュエータ装置1のユニット100Aを構成している各アクチュエータ装置1Aは、図1から図4に示したアクチュエータ装置1と構成が同じなので、図7において、同一の構成に同じ符号を付してその説明は省略する。

【0090】
アクチュエータ装置1のユニット100Aは、2個のアクチュエータ装置1Aが厚さ方向Xに並べて配置されている。2個のアクチュエータ装置1Aは相互に向かい合って配置されおり、伸張防止機構40同士が接続されている。具体的には、2個のアクチュエータ装置1Aは、移動フレーム30を構成している接続板31同士が向かい合っており、接続板31同士が接続用部材50によって接続されている。

【0091】
〈第1タイプのアクチュエータ装置のユニットの作用〉
アクチュエータ装置1Aのユニット100Aは、2個のアクチュエータ装置1Aの一方のアクチュエータ装置1Aのアクチュエータ10にのみ電圧を印加し、他方のアクチュエータ装置1Aのアクチュエータ10には電圧を印加しない状態と、この状態とは逆に、他方のアクチュエータ装置1Aのアクチュエータ10にのみ電圧を印加し、一方のアクチュエータ装置1Aのアクチュエータには電圧を印加しない状態とを交互に作り出して使用する。

【0092】
例えば、図7の上側に位置しているアクチュエータ装置1Aのアクチュエータ10にのみ電圧を印加し、図7の下側に位置しているアクチュエータ装置1Aのアクチュエータ10には電圧を印加しない。この場合、図7(A)に示すように、上側のアクチュエータ装置1Aは、アクチュエータ10が収縮し、移動フレーム30が図7の下側に押し下げられる。これに対し、下側のアクチュエータ装置1Aは、アクチュエータ10が自然長又は略自然長のまま維持されている。そのため、移動フレーム30の接続板31と筐体20の第1の面21との間には、隙間がないか又はわずかな隙間が形成される状態になっている。

【0093】
次いで、図7の上側に位置しているアクチュエータ装置1Aのアクチュエータ10への電圧の印加を停止すると共に、図7の下側に位置しているアクチュエータ装置1Aのアクチュエータ10に電圧を印加する。その場合、図7(B)に示すように、上側のアクチュエータ装置1Aは、アクチュエータが自然長又は略自然長まで伸張し、移動フレーム30が図7の上側に押し上げられる。これに対し、下側のアクチュエータ装置1Aは、アクチュエータ10が収縮し、移動フレーム30が上側に引き上げられる。その結果、上側に位置しているアクチュエータ装置1Aの接続板31と筐体20の第1の面21との間の隙間は、ほとんどないか又はわずかに形成される状態になり、下側に位置しているアクチュエータ装置1Aの接続板31と筐体20の第1の面21との間の隙間は広がった態になる。

【0094】
このアクチュエータ装置1Aのユニット100Aは、図7(A)の状態と図7(B)の状態とを交互に繰り返すことによって、アクチュエータ装置1A同士の間に接続された物体等(図示しない)を厚さ方向Xのあらかじめ設定された範囲内で往復運動させる。その際、このアクチュエータ装置1Aのユニット100Aは、2個のアクチュエータ装置1Aのうち、一方のアクチュエータ装置1Aのアクチュエータ10に電圧を印加すると共に他方のアクチュエータ装置1Aのアクチュエータ10に電圧を印加しないことと、他方のアクチュエータ装置1Aのアクチュエータ10に電圧を印加すると共に一方のアクチュエータ装置1Aのアクチュエータ10に電圧を印加しないこととを繰り返し行うことによって、アクチュエータ装置1Aが接続されている方向の両方の向きに、アクチュエータ装置が同じか又は略同じ大きさの外力を与えることができる。

【0095】
なお、このアクチュエータ装置1Aのユニット100Aを構成している各アクチュエータ装置1Aについても、アクチュエータ10の周面にゲルを付着させた場合、アクチュエータ10は微小な距離だけ伸縮する。そのため、アクチュエータ10の周面にゲルを付着させることによって、アクチュエータ装置1Aのユニット100Aは、物体等を微小な距離を往復させる。

【0096】
〈第2タイプのアクチュエータ装置のユニットの構成〉
次に図8を参照して第2タイプのアクチュエータ装置1Aのユニット100Bについて説明する。このアクチュエータ装置1Aのユニット100Bは、図1から図4に示したアクチュエータ装置1Aを3個用いて構成されている。なお、アクチュエータ装置1Aのユニット100Bを構成している各アクチュエータ装置1Aは、図1から図4に示したアクチュエータ装置1Aと構成が同じなので、図8において、同一の構成に同じ符号を付してその説明は省略する。

【0097】
第2タイプのアクチュエータ装置1Aのユニット100Bは、3個のアクチュエータ装置1Aが同じ方向を向いて厚さ方向Xに一列に配置され、伸張防止機構40同士が接続されている。具体的には、図8に示すアクチュエータ装置1Aのユニット100Bにおいて、図8の最も上側に位置しているアクチュエータ装置1Aと中央に位置しているアクチュエータ装置1Aとは、アクチュエータ装置1Aの筐体20を構成している第4の面24とアクチュエータ装置1Aの移動フレーム30を構成している接続板31とが接続用部材50によって接続されている。同様に、中央に位置しているアクチュエータ装置1Aと図8の最も下側に位置しているアクチュエータ装置1Aとは、アクチュエータ装置1Aの筐体20を構成している第4の面24とアクチュエータ装置1Aの移動フレーム30を構成している接続板31とが接続用部材50によって接続されている。

【0098】
なお、アクチュエータ装置1Aの移動フレーム30を構成している接続板31は、接続用部材50によって、アクチュエータ装置1Aのユニット100Bとは別体である外部の部材に接続されている。また、アクチュエータ装置1Aの筐体20を構成している第4の面24は、接続用部材50によって、アクチュエータ装置1Aのユニット100Bとは別体である外部の部材に接続されている。

【0099】
(第2タイプのアクチュエータ装置1Aのユニットの作用)
第2タイプのアクチュエータ装置1Aのユニット100Bは、アクチュエータ装置1A同士を接続している接続用部材50が、例えば、紐のように軟らかい部材である場合と、例えば、金属棒のように硬い部材である場合とによって、2種類の作用を奏する。

【0100】
アクチュエータ装置1Aのユニット100Bは、アクチュエータ装置1A同士を接続している接続用部材50が、紐のように軟らかい部材である場合、アクチュエータ装置1Aのユニット100Bとは別体である外部の部材同士を引き寄せる1方向に外部の部材を移動させる。

【0101】
例えば、3個のアクチュエータ装置1Aのいずれにも、アクチュエータ10に電圧を当初から印加しておく。その場合、図8(A)に示すように、各アクチュエータ装置1Aのアクチュエータ10は、収縮している。そのため、各アクチュエータ装置1Aの移動フレーム30は、アクチュエータ10によって図8の上側にそれぞれ押し上げられた状態になっている。次いで、各アクチュエータ装置1Aのアクチュエータ10への電圧の印加を停止する。電圧の印加を停止した場合、各アクチュエータ装置1Aのアクチュエータ10は、自然長又は略自然長まで伸張される。そのため、各アクチュエータ装置1Aの移動フレーム30は、アクチュエータ10によって図8の下側に押し下げられる。その結果、図8(B)に示すように、アクチュエータ装置1Aに接続されている部材は、アクチュエータ装置1Aのユニット100Bによって図8の下側に引き下げられる。

【0102】
なお、電圧の印加の停止は、3個のアクチュエータ装置1Aのすべてのアクチュエータ10に同時に行うだけでなく、3個のアクチュエータ装置1Aから任意に選択した1個又は2個のアクチュエータ装置1Aのアクチュエータ10に異なる時間に行ってもよい。また、電圧の印加の停止は、3個のアクチュエータ装置1Aのすべてのアクチュエータ10に行うだけでなく、3個のアクチュエータ装置1Aから任意に選択した1個又は2個のアクチュエータ装置1Aのアクチュエータ10にだけ行ってもよい。

【0103】
これに対し、アクチュエータ装置1Aのユニット100Bは、アクチュエータ装置1A同士を接続している接続用部材50が金属棒のように硬い部材である場合、アクチュエータ装置1Aのユニット100Bとは別体である外部の部材をアクチュエータ装置1Aのユニット100Bに近づける方向及びアクチュエータ装置1Aのユニット100Bから遠ざける方向の2方向に外部の部材を移動させる。

【0104】
例えば、当初は、3個のアクチュエータ装置1Aのいずれにも、アクチュエータ10に電圧を印加しないでおく。その場合、図8(B)に示すように、各アクチュエータ装置1Aのアクチュエータ10は、自然長又は略自然長に保たれている。そのため、各アクチュエータ装置1Aの移動フレーム30は、図8の下側に引き下げられている。次いで、各アクチュエータ装置1Aのアクチュエータ10に電圧を印加する。アクチュエータ10に電圧を印加した場合、アクチュエータ10は収縮し、図8(A)に示すように、各アクチュエータ装置1Aの移動フレーム30がアクチュエータ10によってそれぞれ図8の上側に押し上げられる。その結果、外部の部材は、図8の上側に押し上げられる。次いで、各アクチュエータ装置1Aのアクチュエータ10への電圧の印加を停止する。電圧の印加を停止した場合、各アクチュエータ装置1Aのアクチュエータ10は、自然長又は略自然長まで伸張される。そのため、各アクチュエータ装置1Aの移動フレーム30は、アクチュエータ10によって図8の下側に押し下げられる。その結果、図8(B)に示すように、アクチュエータ装置1Aに接続されている部材は、アクチュエータ装置1Aのユニット100Bによって図8の下側に引き下げられる。

【0105】
なお、電圧の印加は、3個のアクチュエータ装置1Aのすべてのアクチュエータ10に同時に行うだけでなく、3個のアクチュエータ装置1Aから任意に選択した1個又は2個のアクチュエータ装置1Aのアクチュエータ10に異なる時間に行って行ってもよい。同様に、電圧の印加の停止は、3個のアクチュエータ装置1Aのすべてのアクチュエータ10に同時に行うだけでなく、3個のアクチュエータ装置1Aから任意に選択した1個又は2個のアクチュエータ装置1Aのアクチュエータ10に異なる時間に行って行ってもよい。また、電圧の印加及び停止は、3個のアクチュエータ装置1Aのすべてのアクチュエータ10に行うだけでなく、3個のアクチュエータ装置1Aから任意に選択した1個又は2個のアクチュエータ装置1Aのアクチュエータ10にだけ行って行ってもよい。

【0106】
以上、1つのアクチュエータ装置1Aのユニット100Bが3個のアクチュエータ装置1Aによって構成されている場合について説明した。ただし、1つのアクチュエータ装置1Aのユニット100Bは、2個のアクチュエータ装置1Aによって構成したり、4個以上のアクチュエータ装置1Aによって構成したりすることもできる。

【0107】
なお、アクチュエータを構成している周面の少なくとも1部にゲルを付着させた場合、アクチュエータ装置1Bに外力を付加して移動フレームを移動させ、移動させた位置に移動フレーム30を維持させたり、微小な距離だけ戻したりすることができる。

【0108】
以上、アクチュエータ装置のユニットを第1の実施形態のアクチュエータ装置1Aで構成した場合について説明した。しかしながら、アクチュエータ装置のユニットは、第2実施形態のアクチュエータ装置1Bを用いて構成することもできる。
【符号の説明】
【0109】
1,1A,1B アクチュエータ装置
10 アクチュエータ
11 陽極部材
12 陰極部材
13 ゲル層
15,16 配線
18 アクチュエータの厚さ方向の一端
19 アクチュエータの厚さ方向の他端
20 筐体
21 第1の面
22,23 側面
24 第4の面
25,25a,25b 連絡穴
30 移動フレーム
31 接続板
32,33 側板
34 取付板
35 連絡穴
40 伸張防止機構
50 接続用部材
100A,100B アクチュエータ装置のユニット
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8