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明細書 :時計装置及び時計プログラム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第6041296号 (P6041296)
公開番号 特開2014-032129 (P2014-032129A)
登録日 平成28年11月18日(2016.11.18)
発行日 平成28年12月7日(2016.12.7)
公開日 平成26年2月20日(2014.2.20)
発明の名称または考案の名称 時計装置及び時計プログラム
国際特許分類 G04G   9/00        (2006.01)
G04B  19/00        (2006.01)
FI G04G 9/00 303D
G04B 19/00 A
請求項の数または発明の数 9
全頁数 21
出願番号 特願2012-173418 (P2012-173418)
出願日 平成24年8月3日(2012.8.3)
審査請求日 平成27年3月23日(2015.3.23)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】801000027
【氏名又は名称】学校法人明治大学
発明者または考案者 【氏名】杉原 厚吉
【氏名】友枝 明保
【氏名】小野 隼
個別代理人の代理人 【識別番号】100064908、【弁理士】、【氏名又は名称】志賀 正武
【識別番号】100106909、【弁理士】、【氏名又は名称】棚井 澄雄
【識別番号】100108578、【弁理士】、【氏名又は名称】高橋 詔男
【識別番号】100126882、【弁理士】、【氏名又は名称】五十嵐 光永
審査官 【審査官】榮永 雅夫
参考文献・文献 鷲野 希望,石原 彰人,「網膜外網状層の生理工学的モデルによるFootstep錯視の解析」,FIT2010 第9回情報科学技術フォーラム 講演論文集,日本,一般社団法人情報処理学会 ,2010年 8月20日,第2分冊,531-532頁
調査した分野 G04G 9/00
G04B 19/00
G04B 45/00
特許請求の範囲 【請求項1】
縞模様が描かれた時計盤と、
指針と、
前記時計盤に描かれた前記縞模様を通過するように前記指針を移動させる処理部
を備え、
前記指針の色は、前記縞模様の一方に同化する色であり、
前記指針の幅のうち前記縞模様を通過する部分の幅は、前記縞模様の縞一本の幅以上である
ことを特徴とする時計装置。
【請求項2】
前記縞模様を通過する部分の幅は、前記縞模様の縞一本の整数倍の幅と等しいことを特徴とする請求項1に記載の時計装置。
【請求項3】
前記縞模様は、所定の点から放射状に延びた複数の線からなる縞模様であって、当該所定の点を中心とする円周上で等間隔となるように描かれた複数の線からなる縞模様であり、
前記処理部は、当該所定の点を回転中心として、前記指針を移動させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の時計装置。
【請求項4】
前記縞模様は、所定の点を共有する複数の同心円と、当該所定の点から延びる放射状の直線とによって区分された複数の円環であって、当該同心円の円周方向に、二以上の色により所定の間隔で配色された縞模様であり、
前記処理部は、当該所定の点を回転中心として、前記指針を移動させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の時計装置。
【請求項5】
前記縞模様は、前記所定の間隔として、等間隔で配色された縞模様であることを特徴とする請求項4に記載の時計装置。
【請求項6】
前記縞模様は、所定の点から螺旋状に延びた複数の対数螺旋からなる縞模様であって、
当該所定の点を中心とする円周上で等間隔となるように描かれた複数の対数螺旋からなる縞模様であり、
前記処理部は、当該所定の点を回転中心として、前記指針を移動させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の時計装置。
【請求項7】
前記縞模様は、格子状の縞模様であって、
前記指針は、前記格子状の縞模様を構成する直線に対して平行な線分を有し、
前記処理部は、当該直線に対して当該線分が平行を保って通過するように、前記指針及び前記格子状の縞模様の少なくとも一方を移動させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の時計装置。
【請求項8】
前記時計盤及び前記指針の少なくとも一方は、表示された画像であることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の時計装置。
【請求項9】
計装置のコンピュータに、
前記時計装置の指針の色は時計盤に描かれた縞模様の一方に同化する色であり、前記指針の幅のうち前記縞模様を通過する部分の幅は前記縞模様の縞一本の幅以上であり、前記時計装置の前記時計盤及び前記指針の少なくとも一方を画像表示する手順と、
前記縞模様を通過するように前記指針を移動させる手順
を実行させるための時計プログラム。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、錯視を利用する時計装置及び時計プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
指針の位置ずれを解消することができる時計装置及び制御プログラムが、特許文献1に開示されている。このように、時計装置は、指針を正確に移動させることが求められている。
【先行技術文献】
【0003】

【特許文献1】特許第4581463号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、時計装置の指針は、滑らかに移動される場合のほか、間欠的に移動される場合がある。例えば、秒針は、1秒毎に間欠的に移動される場合がある。ここで、時計装置の時計盤及び指針は、表示装置の画面に表示された画像でもよいし、物理的な機構でもよい。
しかしながら、時計装置は、指針を間欠的に移動させる場合、指針を間欠的に移動させるための表示処理又は移動機構が必要になってしまうという問題がある。
【0005】
また、時計盤を一周する指針のユニークな動きとして、指針を間欠的に移動させる動作と、指針を滑らかに移動させる動作とを、交互に実行させる場合、指針を間欠的に移動させる表示処理又は移動機構と、指針を滑らかに移動させる表示処理又は移動機構とが必要となるので、処理及び装置の構成が複雑となってしまうという問題がある。
【0006】
本発明は、前記の諸点に鑑みてなされたものであり、指針を間欠的に移動させるための表示処理又は移動機構が無くても、指針が間欠的に移動されているようにユーザに見せることができる時計装置及び時計プログラムを提供することを目的とする。また、指針を伸び縮みさせるための表示処理又は伸び縮み機構が無くても、指針が伸び縮みしているようにユーザに見せることができる時計装置及び時計プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、縞模様が描かれた時計盤と、指針と、前記時計盤に描かれた前記縞模様を通過するように前記指針を移動させる処理部を備え、前記指針の色は、前記縞模様の一方に同化する色であり、前記指針の幅のうち前記縞模様を通過する部分の幅は、前記縞模様の縞一本の幅以上であることを特徴とする時計装置である。
【0008】
本発明の一態様は、前記縞模様を通過する部分の幅は、前記縞模様の縞一本の整数倍の幅と等しいことを特徴とする時計装置である。
【0009】
本発明の一態様は、前記縞模様は、所定の点から放射状に延びた複数の線からなる縞模様であって、当該所定の点を中心とする円周上で等間隔となるように描かれた複数の線からなる縞模様であり、前記処理部は、当該所定の点を回転中心として、前記指針を移動させることを特徴とする時計装置である。
【0010】
本発明の一態様は、前記縞模様は、所定の点を共有する複数の同心円と、当該所定の点から延びる放射状の直線とによって区分された複数の円環であって、当該同心円の円周方向に、二以上の色により所定の間隔で配色された縞模様であり、前記処理部は、当該所定の点を回転中心として、前記指針を移動させることを特徴とする時計装置である。
【0011】
本発明の一態様は、前記縞模様は、前記所定の間隔として、等間隔で配色された縞模様であることを特徴とする時計装置である。
【0012】
本発明の一態様は、前記縞模様は、所定の点から螺旋状に延びた複数の対数螺旋からなる縞模様であって、当該所定の点を中心とする円周上で等間隔となるように描かれた複数の対数螺旋からなる縞模様であり、前記処理部は、当該所定の点を回転中心として、前記指針を移動させることを特徴とする時計装置である。
【0013】
本発明の一態様は、前記縞模様は、格子状の縞模様であって、前記指針は、前記格子状の縞模様を構成する直線に対して平行な線分を有し、前記処理部は、当該直線に対して当該線分が平行を保って通過するように、前記指針及び前記格子状の縞模様の少なくとも一方を移動させることを特徴とする時計装置である。
【0014】
本発明の一態様は、前記時計盤及び前記指針の少なくとも一方は、表示された画像であることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の時計装置である。
【0015】
本発明の一態様は、計装置のコンピュータに、前記時計装置の指針の色は時計盤に描かれた縞模様の一方に同化する色であり、前記指針の幅のうち前記縞模様を通過する部分の幅は前記縞模様の縞一本の幅以上であり、前記時計装置の前記時計盤及び前記指針の少なくとも一方を画像表示する手順と、前記縞模様を通過するように前記指針を移動させる手順を実行させるための時計プログラムである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、処理部は、時計盤に描かれた縞模様を通過するように指針を移動させる。これにより、時計装置及び時計プログラムは、指針を間欠的に移動させるための表示処理又は移動機構が無くても、指針が間欠的に移動されているようにユーザに見せることができる。また、時計装置及び時計プログラムは、指針を伸び縮みさせるための表示処理又は伸び縮み機構が無くても、指針が伸び縮みしているようにユーザに見せることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1実施形態における、時計装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態における、第1例の時計盤及び指針の一例を示す外観図である。
【図3】本発明の第1実施形態における、時計盤及び指針の寸法例を示す図である。
【図4】本発明の第1実施形態における、第2例の時計盤及び指針の一例を示す外観図である。
【図5】本発明の第1実施形態における、第3例の時計盤及び指針の一例を示す外観図である。
【図6】本発明の第1実施形態における、第4例の時計盤及び指針の一例を示す外観図である。
【図7】本発明の第1実施形態における、第5例の時計盤及び指針の一例を示す外観図である。
【図8】本発明の第1実施形態における、第6例の時計盤及び指針の一例を示す外観図である。
【図9】本発明の第1実施形態における、時計装置の動作手順を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第2実施形態における、第7例の時計盤及び指針の一例を示す外観図である。
【図11】本発明の第3実施形態における、第8例の時計盤及び指針の一例を示す外観図である。
【図12】本発明の第3実施形態における、第9例の時計盤及び指針の一例を示す外観図である。
【図13】本発明の第4実施形態における、オブジェクトと、スリットと、視点との位置関係の例を示す図である。
【図14】本発明の第4実施形態における、オブジェクト及びスリットの寸法例を示す図である。
【図15】本発明の第4実施形態における、経路区間の寸法例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態について図面を参照して詳細に説明する。時計装置の時計盤及び指針(オブジェクト)は、表示装置の画面に表示された画像でもよいし、物理的な機構でもよい。第1実施形態では、時計盤及び指針は、表示装置(表示部)の画面に表示された画像であるものとして説明をする。

【0019】
図1には、時計装置の構成例が、ブロック図により示されている。時計システムは、時計装置100aと、通信装置200と、記憶装置300とを備える。この時計システムは、例えば、情報端末に備えられる。
通信装置200は、時計盤の画像情報を他の装置(不図示)から受信し、受信した時計盤の画像情報を、記憶装置300に記憶させる。また、通信装置200は、指針(例えば、時針、分針及び秒針)の画像情報を他の装置(不図示)から受信し、受信した指針の画像情報を、記憶装置300に記憶させる。なお、通信装置200は、時計装置100aに備えられていてもよい。また、通信装置200は、時計装置100aが実行する所定の時計プログラム(例えば、スクリーンセーバーなどのアプリケーション)を、記憶装置300に記憶させてもよい。

【0020】
記憶装置300は、通信装置200が受信した時計盤の画像情報、及び、通信装置200が受信した指針の画像情報を記憶する。記憶装置300は、時計盤の画像情報、及び指針の画像情報を、時計装置100aからの要求に応じて、時計装置100aに出力する。なお、記憶装置300は、時計盤の画像情報、及び指針の画像情報を、予め記憶していてもよい。また、記憶装置300は、時計装置100aに備えられていてもよい。また、記憶装置300は、時計装置100aが実行する所定の時計プログラム(アプリケーション)を記憶してもよい。

【0021】
時計装置100aは、計時部110と、処理部120と、表示部130aとを備える。 計時部110は、時刻情報を処理部120に所定周期で出力する。ここで、時刻情報には、時計盤における指針の位置(回転角)が予め対応付けられているものとする。

【0022】
処理部120は、時計盤の画像情報と、指針の画像情報とを、記憶装置300から取得する。処理部120は、時計盤に描かれた縞模様(後述)を指針が通過するように、時刻情報に予め対応付けられた位置(回転角)まで、画像処理により指針を移動させる。具体的には、処理部120は、時計盤の画像を表示させるための画像処理、及び、時刻情報に予め対応付けられた位置(回転角)に指針の画像を表示させるための画像処理を実行する。ここで、処理部120は、指針を間欠的に移動させるための画像処理を実行することなく、画像処理としては、時計盤に描かれた縞模様(後述)を指針が滑らかに通過するように、時刻情報に応じて指針を移動させる。

【0023】
表示部130aは、処理部120による画像処理結果に基づいて、時計盤の画像、及び指針の画像を表示する。ここで、間欠的でなく滑らかに指針が移動されるよう処理部120が画像処理を実行しているので、表示部130aは、表示処理としては、時計盤の縞模様を滑らかに通過する指針を表示することになる。

【0024】
図2には、第1例の時計盤及び指針の一例が、外観図により示されている。時計盤には、縞模様が描かれている。また、指針は、その時計盤に描かれた縞模様を通過するように、処理部120により滑らかに移動される。その結果として、フットステップ錯視(Footsteps Illusion)、及び、インチワーム錯視(inchworms Illusion)のうち少なくとも一方が、時計盤を見ているユーザに生じることになる。

【0025】
図2(A)及び(B)には、時計盤に描かれた白黒の縞模様800と、黒色の指針810と、白色の指針820とが示されている。ここで、指針810及び指針820は、縞模様800を右方向に通過するように、いずれも滑らかに移動される。

【0026】
図2(A)では、指針810の左右両端が、縞模様800の黒色の縞と同化して識別不能になることにより、ユーザには、指針810が止まって見える。一方、指針820の左端が、縞模様800の黒色の縞と同化せずに識別可能であることにより、ユーザには、指針820が右方向に移動されて見える。また、図2(B)では、指針820の左右両端が、縞模様800の白色の縞と同化して識別不能になることにより、ユーザには、指針820が止まって見える。一方、指針810の左端が、縞模様800の白色の縞と同化せずに識別可能であることにより、ユーザには、指針810が右方向に移動されて見える。図2(A)及び(B)の繰り返しにより、ユーザには、指針810及び指針820が、あたかも交互に動いているように、すなわち、間欠的に移動されているように見える。ここで、指針の左右両端が識別不能である時間が長いほど、フットステップ錯視が生じ易く、フットステップ錯視の錯視量は多くなる。

【0027】
図3には、時計盤及び指針の寸法例が示されている。図3では、ωは、縞模様800の縞一本の幅を示す符号である。また、xは、指針810の幅を示す符号である。指針810の幅xが、縞模様800の縞一本の幅ωの偶数倍である場合、フットステップ錯視の錯視量T(=(x-ω)/2ω, ω≦x≦2ω)が最大となり、ユーザは、指針810及び指針820が、あたかも間欠的に動いているように見える(フットステップ錯視)。一方、指針810の幅xが、縞模様800の縞一本の幅ωの奇数倍である場合、フットステップ錯視の錯視量T(=(3ω-x)/2ω, 2ω≦x≦3ω)が最小となり、ユーザは、指針810及び指針820が、あたかも伸び縮みしているように見える(インチワーム錯視)。指針820(図2を参照)についても同様である。

【0028】
また、指針810の幅xが、縞模様800の縞一本の幅ωの偶数倍及び奇数倍の中間倍率である場合、ユーザには、フットステップ錯視及びインチワーム錯視の少なくとも一方が生じる。ここで、指針810の幅xが、当該中間倍率よりも偶数倍に近い場合、フットステップ錯視の比重は、インチワーム錯視の比重よりも高くなる。一方、指針810の幅xが、当該中間倍率よりも奇数倍に近い場合、インチワーム錯視の比重は、フットステップ錯視の比重よりも高くなる。

【0029】
錯視が生じ易いという観点から、指針810の幅xは、縞模様800の縞一本の幅ωの整数倍のプラスマイナス30%の範囲内であることが好ましい。また、指針810の幅xは、縞模様800の縞一本の幅ωの整数倍のプラスマイナス15%の範囲内であることがより好ましく、整数倍であることが特に好ましい。

【0030】
また、指針810は、少なくとも一部分が、ユーザに錯視を生じさせる形状であればよい。指針810の一部分が、ユーザに錯視を生じさせる形状である場合、指針810の幅は、該一部分の幅とされる。

【0031】
第2例の時計盤及び指針では、縞模様は、所定の点から放射状に延びた複数の線からなる縞模様であって、当該所定の点を中心とする円周上で等間隔となるように描かれた複数の線からなる縞模様である。また、処理部120は、当該所定の点を回転中心として、指針を移動させる。

【0032】
図4には、第2例の時計盤及び指針の一例が、外観図により示されている。図4(A)には、時計盤に描かれた放射状の縞模様410aと、回転中心400とが示されている。また、図4(B)には、指針420の画像と、回転中心400とが示されている。また、図4(C)には、放射状の縞模様410aに、指針420の画像が、回転中心400が一致するように重畳された画像が示されている。処理部120(図1を参照)は、放射状の縞模様410aを通過するように、回転中心400を回転中心として、指針420を移動させる。表示部130a(図1を参照)は、図4(C)に示された画像を表示する。

【0033】
これにより、指針420のフットステップ錯視、及び、指針420のインチワーム錯視のうち少なくとも一方が、放射状の縞模様410aの縞一本の幅と、指針420の幅との比に応じて、時計盤を見ているユーザに生じることになる。例えば、指針420が秒針であって、ユーザにフットステップ錯視が生じる場合、処理部120は、指針420を間欠的に移動させるための画像処理を実行することなく、指針420が1秒毎に間欠的に移動されているように、ユーザに見せることができる。

【0034】
指針420の幅が、放射状の縞模様410aの縞一本の幅の偶数倍及び奇数倍の中間倍率である場合、ユーザには、フットステップ錯視及びインチワーム錯視の少なくとも一方が生じる。特に、指針420の幅が、放射状の縞模様410aの縞一本の幅の偶数倍と等しい場合、ユーザには、フットステップ錯視が顕著に生じる。一方、指針420の幅が、放射状の縞模様410aの縞一本の幅の奇数倍と等しい場合、ユーザには、インチワーム錯視が顕著に生じる。

【0035】
錯視が生じ易いという観点から、指針420の幅は、放射状の縞模様410aの縞一本の幅の整数倍のプラスマイナス30%の範囲内であることが好ましい。また、指針420の幅は、放射状の縞模様410aの縞一本の幅の整数倍のプラスマイナス15%の範囲内であることがより好ましく、整数倍であることが特に好ましい。

【0036】
放射状の縞模様410aは、回転中心400から放射状に延びた複数の線からなる縞模様であって、回転中心400を中心とする円周上で等間隔となるように描かれた複数の線からなる縞模様である。ここで、放射状の縞模様410aは、時計盤の全体に描かれていてもよいし、時計盤の一部に描かれてもよい。また、放射状の縞模様410aの縞一本の幅は、指針420の幅に対して、フットステップ錯視を生じさせる幅である部分と、インチワーム錯視を生じさせる幅である部分とが、一つの時計盤に混在していてもよい。

【0037】
また、指針420は、少なくとも一部分が、ユーザに錯視を生じさせる形状であればよい。指針420の一部分が、錯視を生じさせる形状である場合、指針420の幅は、該一部分の幅とされる。

【0038】
例えば、指針420a、指針420b及び指針420c(いずれも不図示)のように、指針420が複数ある場合、これら複数の指針420のうち少なくとも一つの指針の幅は、放射状の縞模様410aの縞一本の幅の整数倍、又は、偶数倍及び奇数倍の中間倍率とされてもよい。また、これら全ての指針420の幅は、放射状の縞模様410aの縞一本の幅の整数倍と、又は、偶数倍及び奇数倍の中間倍率とされてもよい。

【0039】
第3例の時計盤及び指針では、縞模様は、所定の点から放射状に延びた複数の線からなる縞模様であって、当該所定の点を中心とする円周上で等間隔となるように描かれた複数の線からなる縞模様である。また、処理部120は、当該所定の点を回転中心として、指針を移動させる。

【0040】
図5には、第3例の時計盤及び指針の一例が、外観図により示されている。図5(A)には、時計盤に描かれた放射状の縞模様430及び縞模様431と、回転中心400とが示されている。ここで、縞模様430及び縞模様431は、それぞれの縞の幅が異なっていてもよい。また、図5(B)には、指針440の画像と、回転中心400とが示されている。また、図5(C)には、放射状の縞模様430及び縞模様431に、指針440の画像が、回転中心400が一致するように重畳された画像が示されている。処理部120は、放射状の縞模様430及び縞模様431を通過するように、回転中心400を回転中心として、指針440を移動させる。表示部130aは、図5(C)に示された画像を表示する。

【0041】
これにより、指針440のフットステップ錯視、及び、指針440のインチワーム錯視のうち少なくとも一方が、指針440の幅に応じて、時計盤を見ているユーザに生じることになる。例えば、指針440が秒針であって、ユーザにフットステップ錯視が生じる場合、処理部120は、指針440を間欠的に移動させるための画像処理を実行することなく、指針440が1秒毎に間欠的に移動されているように、ユーザに見せることができる。

【0042】
指針440の幅が、縞模様430の縞一本の幅の偶数倍及び奇数倍の中間倍率である場合、指針440が縞模様430を通過する際に、ユーザには、フットステップ錯視及びインチワーム錯視の少なくとも一方が生じる。特に、指針440の幅が、放射状の縞模様430の縞一本の幅の偶数倍と等しい場合、ユーザには、フットステップ錯視が顕著に生じる。一方、指針440の幅が、放射状の縞模様430の縞一本の幅の奇数倍と等しい場合、ユーザには、インチワーム錯視が顕著に生じる。縞模様431についても同様である。

【0043】
錯視が生じ易いという観点から、指針440の幅は、放射状の縞模様430又は縞模様431の縞一本の幅の整数倍のプラスマイナス30%の範囲内であることが好ましい。また、指針440の幅は、放射状の縞模様430又は縞模様431の縞一本の幅の整数倍のプラスマイナス15%の範囲内であることがより好ましく、整数倍であることが特に好ましい。

【0044】
例えば、指針440の幅が、縞模様430の縞一本の幅の偶数倍であり、且つ、縞模様431の縞一本の幅の奇数倍である場合、指針440が時計盤を一周する間に、ユーザには、縞模様430を通過中の指針440に対してフットステップ錯視が生じ、縞模様431を通過中の指針440に対してインチワーム錯視が生じる。これにより、例えば、指針440が秒針であれば、処理部120は、指針440を滑らかに移動させる画像処理を実行するだけで、指針440が1秒毎に間欠的に移動しているような動きと、指針440が伸び縮みしているような動きとの両方を、ユーザに見せることができる。なお、縞模様430及び縞模様431は、時計盤の全体に描かれていてもよいし、時計盤の一部に描かれてもよい。この場合、縞模様が描かれていない領域を通過している指針440は、ユーザに錯視を生じさせない。

【0045】
また、指針440は、少なくとも一部分が、ユーザに錯視を生じさせる形状であればよい。指針440の一部分が、ユーザに錯視を生じさせる形状である場合、指針440の幅は、該一部分の幅とされる。

【0046】
第4例の時計盤及び指針では、縞模様は、所定の点を共有する複数の同心円と、当該所定の点から延びる放射状の直線とによって区分された複数の円環であって、当該同心円の円周方向に、二以上の色により所定の間隔で配色された模様(以下、「チェック柄様の縞模様」という)である。また、処理部120は、当該所定の点を回転中心として、指針を移動させる。また、チェック柄様の縞模様は、前記所定の間隔として、等間隔で配色された縞模様(以下「チェック柄の縞模様」という)でもよい。錯視が生じ易いという観点から、前記所定の間隔は、等間隔のプラスマイナス30%の範囲内であることが好ましい。また、前記所定の間隔は、等間隔のプラスマイナス15%の範囲内であることがより好ましく、等間隔であることが特に好ましい。

【0047】
図6には、第4例の時計盤及び指針の一例が、外観図により示されている。図6(A)には、時計盤に描かれた縞模様としての放射状のチェック柄の縞模様450及びチェック柄の縞模様451と、回転中心400とが示されている。ここで、チェック柄の縞模様450及びチェック柄の縞模様451は、それぞれの縞の幅が異なっていてもよい。また、図6(B)には、指針460の画像と、回転中心400とが示されている。また、図6(C)には、放射状のチェック柄の縞模様450及びチェック柄の縞模様451に、指針460の画像が、回転中心400が一致するように重畳された画像が示されている。処理部120は、放射状のチェック柄の縞模様450及びチェック柄の縞模様451を通過するように、回転中心400を回転中心として、指針460を移動させる。表示部130aは、図6(C)に示された画像を表示する。

【0048】
指針460の幅が、チェック柄の縞模様451の縞一本の幅の偶数倍及び奇数倍の中間倍率である場合、指針460がチェック柄の縞模様451を通過する際に、ユーザには、フットステップ錯視及びインチワーム錯視の少なくとも一方が生じる。特に、指針460の幅が、チェック柄の縞模様451の縞一本の幅の偶数倍と等しい場合、ユーザには、フットステップ錯視が顕著に生じる。一方、指針460の幅が、チェック柄の縞模様451の縞一本の幅の奇数倍と等しい場合、ユーザには、インチワーム錯視が顕著に生じる。チェック柄の縞模様450についても同様である。

【0049】
錯視が生じ易いという観点から、指針460の幅は、放射状の縞模様450又は縞模様451の縞一本の幅の整数倍のプラスマイナス30%の範囲内であることが好ましい。また、指針460の幅は、放射状の縞模様450又は縞模様451の縞一本の幅の整数倍のプラスマイナス15%の範囲内であることがより好ましく、整数倍であることが特に好ましい。

【0050】
チェック柄の縞模様451は、指針460の回転中心400を共有する複数の同心円と、回転中心400から延びる放射状の直線とによって区分された複数の円環であって、当該同心円の円周方向に、二以上の色により等間隔で配色された模様である。ここで、チェック柄の縞模様451は、時計盤の全体に描かれていてもよいし、時計盤の一部に描かれてもよい。また、チェック柄の縞模様451の縞一本の幅は、指針460の幅に対して、フットステップ錯視を生じさせる幅である部分と、インチワーム錯視を生じさせる幅である部分とが、一つの時計盤に混在していてもよい。チェック柄の縞模様450についても同様である。また、前記複数の同心円は、ユーザに錯視を生じさせるという効果を損ねない範囲で、略同心円の形状とされてもよい。

【0051】
これにより、指針460のフットステップ錯視、及び、指針460のインチワーム錯視のうち少なくとも一方が、チェック柄の縞模様450及びチェック柄の縞模様451の縞一本の幅と、指針460の幅との比に応じて、時計盤を見ているユーザに生じることになる。例えば、指針460が秒針であって、ユーザにフットステップ錯視が生じる場合、処理部120は、指針460を間欠的に移動させるための画像処理を実行することなく、指針460が1秒毎に間欠的に移動されているように、ユーザに見せることができる。

【0052】
例えば、指針460の幅が、縞模様450の縞一本の幅の偶数倍であり、且つ、縞模様451の縞一本の幅の奇数倍である場合、指針460が時計盤を一周する間に、ユーザには、縞模様450を通過中の指針460に対してフットステップ錯視が生じ、縞模様451を通過中の指針460に対してインチワーム錯視が生じる。これにより、例えば、指針460が秒針であれば、処理部120は、指針460を滑らかに移動させる画像処理を実行するだけで、指針460が1秒毎に間欠的に移動しているような動きと、指針460が伸び縮みしているような動きとの両方を、ユーザに見せることができる。なお、縞模様450及び縞模様451は、時計盤の全体に描かれていてもよいし、時計盤の一部に描かれてもよい。

【0053】
また、指針460は、少なくとも一部分が、ユーザに錯視を生じさせる形状であればよい。指針460の一部分が、ユーザに錯視を生じさせる形状である場合、指針460の幅は、該一部分の幅とされる。

【0054】
第5例の時計盤及び指針では、縞模様は、所定の点から放射状に延びた複数の線からなる縞模様であって、当該所定の点を中心とする円周上で等間隔となるように描かれた複数の線からなる縞模様である。処理部120は、当該所定の点を回転中心として、指針を移動させる。

【0055】
図7には、第5例の時計盤及び指針の一例が、外観図により示されている。図7(A)には、時計盤に描かれた放射状の縞模様470及び縞模様471と、回転中心400とが示されている。ここで、縞模様470及び縞模様471は、それぞれの縞の幅が異なっていてもよい。また、図7(B)には、指針480の画像と、回転中心400とが示されている。ここで、指針480の画像には、凸部があってもよい。また、図7(C)には、放射状の縞模様470及び縞模様471に、指針480の画像が、回転中心400が一致するように重畳された画像が示されている。処理部120は、放射状の縞模様470及び縞模様471を通過するように、回転中心400を回転中心として、指針480を移動させる。表示部130aは、図7(C)に示された画像を表示する。

【0056】
指針480の幅が、縞模様470の縞一本の幅の偶数倍及び奇数倍の中間倍率である場合、指針480が縞模様470を通過する際に、ユーザには、フットステップ錯視及びインチワーム錯視の少なくとも一方が生じる。特に、指針480の幅が、放射状の縞模様470の縞一本の幅の偶数倍と等しい場合、ユーザには、フットステップ錯視が顕著に生じる。一方、指針480の幅が、放射状の縞模様470の縞一本の幅の奇数倍と等しい場合、ユーザには、インチワーム錯視が顕著に生じる。縞模様471についても同様である。

【0057】
また、指針480は、少なくとも一部分が、ユーザに錯視を生じさせる形状であればよい。指針480の一部分が、錯視を生じさせる形状である場合、指針480の幅は、該一部分の幅とされる。

【0058】
これにより、指針480のフットステップ錯視、及び、指針480のインチワーム錯視のうち少なくとも一方が、放射状の縞模様470の縞一本の幅と、指針480の幅(例えば、指針480の凸部の幅)との比に応じて、時計盤を見ているユーザに生じることになる。放射状の縞模様471についても同様である。

【0059】
例えば、指針480が秒針であって、指針480の一部分がユーザにフットステップ錯視を生じさせる場合、処理部120は、指針480を間欠的に移動させるための画像処理を実行することなく、指針480の当該一部分が1秒毎に間欠的に移動されているように、ユーザに見せることができる。一方、指針480が秒針であって、指針480の一部分がユーザにインチワーム錯視を生じさせる場合、処理部120は、指針480を伸び縮みさせながら移動させるための画像処理を実行することなく、指針480の当該一部分が伸び縮みしながら移動されているように、ユーザに見せることができる。

【0060】
したがって、ユーザにフットステップ錯視を生じさせる部分と、ユーザにインチワーム錯視を生じさせる部分との両方を、指針480が有する場合、単一の指針480に対して、ユーザには、フットステップ錯視とインチワーム錯視との両方が、ほぼ同時に生じることになる。

【0061】
例えば、指針480の一部分の幅が、縞模様470の縞一本の幅の偶数倍であり、且つ、縞模様471の縞一本の幅の奇数倍である場合、指針480が時計盤を一周する間に、ユーザには、縞模様470を通過中の指針480の一部分に対してフットステップ錯視が生じ、縞模様471を通過中の指針480の一部分に対してインチワーム錯視が生じる。これにより、例えば、指針480が秒針であれば、処理部120は、指針480を滑らかに移動させる画像処理を実行するだけで、指針480の一部分が1秒毎に間欠的に移動しているような動きと、指針480の一部分が伸び縮みしているような動きとの両方を、ユーザに見せることができる。なお、縞模様470及び縞模様471は、時計盤の全体に描かれていてもよいし、時計盤の一部に描かれてもよい。

【0062】
第6例の時計盤及び指針では、縞模様は、所定の点から螺旋状に延びた複数の対数螺旋からなる縞模様であって、当該所定の点を中心とする円周上で等間隔となるように描かれた複数の対数螺旋からなる縞模様である。処理部120は、当該所定の点を回転中心として、指針を移動させる。

【0063】
図8には、第6例の時計盤及び指針の一例が、外観図により示されている。図8(A)には、時計盤に描かれた螺旋状の縞模様490と、回転中心400とが示されている。また、図8(B)には、指針500の画像と、回転中心400とが示されている。ここで、指針500の端の形状は、移動する指針500の端と縞模様490の端とが一致するように、定められてもよい。また、図8(C)には、螺旋状の縞模様490に、指針500の画像が、回転中心400が一致するように重畳された画像が示されている。処理部120は、螺旋状の縞模様490を通過するように、回転中心400を回転中心として、指針500を移動させる。表示部130aは、図8(C)に示された画像を表示する。

【0064】
螺旋状の縞模様490は、回転中心400から螺旋状に延びた複数の対数螺旋からなる縞模様であって、回転中心400を中心とする円周上で等間隔となるように描かれた複数の対数螺旋からなる縞模様である。ここで、螺旋状の縞模様490は、対数螺旋がそれぞれ交差しない縞模様でもよいし、対数螺旋がそれぞれ交差する縞模様でもよい。また、螺旋状の縞模様490は、時計盤の全体に描かれていてもよいし、時計盤の一部に描かれてもよい。また、螺旋状の縞模様490の縞一本の幅は、指針500の幅に対して、フットステップ錯視を生じさせる幅である部分と、インチワーム錯視を生じさせる幅である部分とが、一つの時計盤に混在していてもよい。

【0065】
また、指針500は、少なくとも一部分が、ユーザに錯視を生じさせる形状であればよい。指針500の一部分が、錯視を生じさせる形状である場合、指針500の幅は、該一部分の幅とされる。

【0066】
これにより、指針500のフットステップ錯視、及び、指針500のインチワーム錯視のうち少なくとも一方が、指針500の形状に応じて、時計盤を見ているユーザに生じることになる。より具体的には、ユーザには、時計盤における異なる方向に錯視が同時に生じる結果、指針500がうねりながらその形状及び大きさを変えるように見える。また、例えば、指針500が秒針である場合、処理部120は、指針500の形状及び大きさを指針の移動に応じて変化させるための画像処理を実行することなく、指針500が形状及び大きさを変化させながら1秒毎に移動されているように、ユーザに見せることができる。

【0067】
次に、時計装置の動作手順の例を説明する。
図9は、時計装置の動作手順を示すフローチャートである。
(ステップS1)処理部120(図1を参照)は、時刻情報を計時部110から取得する。
(ステップS2)処理部120は、時計盤の画像情報と、指針の画像情報とを、記憶装置300から取得する。
(ステップS3)処理部120は、時計盤に描かれた縞模様を指針が通過するように、時刻に予め対応付けられた位置(回転角)(例えば、数字「12」が描かれている位置(回転角))まで、画像処理により指針を移動させる。ここで、処理部120は、画像処理としては、時計盤に描かれた縞模様を指針が滑らかに通過するように、時刻情報に応じて指針を移動させる。
(ステップS4)処理部120は、画像処理結果を、表示部130a(図1を参照)に表示させる。

【0068】
以上のように、時計装置100aは、時計盤に描かれた縞模様(例えば、縞模様800)を通過するように指針(例えば、指針810)を移動させる処理部120を備え、前記指針の幅のうち前記縞模様を通過する部分の幅は、前記縞模様の縞一本の幅以上である。
また、時計プログラムは、指針の幅のうち、縞模様を通過する部分の幅が、前記縞模様の縞一本の幅以上である時計装置のコンピュータに、時計盤に描かれた縞模様を通過するように指針を移動させる手順を実行させる。
この構成により、処理部120は、時計盤に描かれた縞模様を通過するように指針を移動させる。これにより、時計装置100a及び時計プログラムは、指針を間欠的に移動させるための表示処理又は移動機構が無くても、指針が間欠的に移動されているようにユーザに見せることができる。また、時計装置及び時計プログラムは、指針を伸び縮みさせるための表示処理又は伸び縮み機構が無くても、指針が伸び縮みしているようにユーザに見せることができる。また、ユーザは、時計装置100aの時計盤の指針の動きを、見て楽しむことができる。すなわち、時計装置100aは、ユーザの目を惹くことができる。

【0069】
また、前記指針(例えば、指針420)の幅のうち、前記縞模様(例えば、縞模様410a)を通過する部分の幅は、前記縞模様の縞一本の整数倍の幅と等しくてもよい。ここで、前記縞模様(例えば、縞模様410a)を通過する部分の幅が、前記縞模様の縞一本の整数倍の幅と等しい場合、ユーザに錯視を生じさせる程度は最大となる。一方、縞模様(例えば、縞模様410a)を通過する部分の幅が、前記縞模様の縞一本の「整数+0.5」倍の幅と等しい場合、ユーザに錯視を生じさせる程度は最小となる。ユーザに錯視を生じさせる程度が最小である場合、ユーザには、その個人差に応じて、フットステップ錯視又はインチワーム錯視が生じる。

【0070】
また、前記縞模様(例えば、縞模様451)は、所定の点(例えば、回転中心400)を共有する複数の同心円と、当該所定の点から延びる放射状の直線とによって区分された複数の円環であって、当該同心円の円周方向に、二以上の色により所定の間隔で配色された縞模様であり、処理部120は、当該所定の点を回転中心として、前記指針(例えば、指針460)を移動させてもよい。ここで、前記縞模様(例えば、縞模様451)は、前記所定の間隔として、等間隔で配色された縞模様でもよい。

【0071】
また、前記縞模様(例えば、縞模様490)は、所定の点(例えば、回転中心400)から螺旋状に延びた複数の対数螺旋からなる縞模様であって、当該所定の点を中心とする円周上で等間隔となるように描かれた複数の対数螺旋からなる縞模様であり、処理部120は、当該所定の点を回転中心として、前記指針を移動させてもよい。
また、前記時計盤及び前記指針の少なくとも一方は、表示された画像でもよい。

【0072】
また、指針が複数ある場合、これら複数の指針のうち少なくとも一つの指針の幅は、縞模様(例えば、縞模様410a)の縞一本の幅の整数倍、又は、偶数倍及び奇数倍の中間倍率とされてもよい。また、これら全ての指針の幅は、縞模様(例えば、縞模様410a)の縞一本の幅の整数倍、又は、偶数倍及び奇数倍の中間倍率とされてもよい。

【0073】
また、前記指針(例えば、指針810)は、少なくとも一部分が、ユーザに錯視を生じさせる形状であればよい。前記指針の一部分が、ユーザに錯視を生じさせる形状である場合、前記指針の幅は、該一部分の幅とされる。

【0074】
[第2実施形態]
第2実施形態では、時計装置の時計盤及び指針が物理的な機構である点が、第1実施形態と相違する。以下では、第1実施形態との相違点についてのみ説明する。

【0075】
図10には、第7例の時計盤及び指針の一例が、外観図により示されている。第2実施形態では、時計盤及び指針は、物理的な機構であるものとして説明を続ける。時計システムは、時計装置100bを備える。また、時計装置100bは、計時部110と、処理部120と、表示部130bとを備える。

【0076】
処理部120は、時計盤としての表示部130bに描かれた縞模様410bを、指針が通過するように、時刻情報に予め対応付けられた位置(回転角)まで、移動処理により指針を移動させる。ここで、処理部120は、指針を間欠的に移動させるための移動処理を実行することなく、移動処理としては、時計盤としての表示部130bに描かれた縞模様410bを、指針420が滑らかに通過するように、時刻情報に応じて指針を移動させる。移動処理として、処理部120は、指針420を移動させるための移動信号を、表示部130bに出力する。これにより、指針420は、表示部130bが有するアクチュエータ(不図示)により、移動信号に応じて移動される。なお、時計盤には、図4~図8にそれぞれ示された縞模様が描かれていてもよい。

【0077】
以上のように、時計装置100bは、時計盤としての表示部130bに描かれた縞模様410bを指針420が通過するように、指針420を移動させる処理部120(図1を参照)と、前記時計盤及び前記指針を表示する表示部130bと、を備える。
この構成により、処理部120は、時計盤としての表示部130bに描かれた縞模様410bを指針420が通過するように、指針420を移動させる。これにより、時計装置100bは、指針420を間欠的に移動させるための移動機構が無くても(移動処理を実行しなくても)、指針420が間欠的に移動されているように、又は、指針420が伸び縮みしているように、ユーザに見せることができる。また、ユーザは、時計装置100bの時計盤としての表示部130bの指針420の動きを、見て楽しむことができる。すなわち、時計装置100bは、ユーザの目を惹くことができる。

【0078】
[第3実施形態]
第3実施形態では、指針が縞模様を通過する形態が、第1実施形態及び第2実施形態と相違する。以下では、第1実施形態及び第2実施形態との相違点についてのみ説明する。また、第3実施形態では、時計装置の時計盤及び指針は、表示装置(表示部)の画面に表示された画像でもよいし、物理的な機構でもよい。以下では、時計装置100a及び時計装置100bをまとめて、「時計装置100」と表記する。

【0079】
図11には、第8例の時計盤及び指針の一例が、外観図により示されている。時計装置100の表示部に描かれた格子状の縞模様630が、指針600及び指針610を通過するように、処理部120(図1を参照)は、縞模様630を移動させる。図11では、処理部120は、縞模様630を左下方向に移動させる。ここで、指針600は、格子状の縞模様630を構成する直線に対して平行な線分を有している。処理部120は、当該直線に対して当該線分が平行を保って通過するように、指針600及び格子状の縞模様630の少なくとも一方を移動させる。

【0080】
これにより、指針600及び指針610のフットステップ錯視、並びに、指針600及び指針610のインチワーム錯視のうち少なくとも一方が、時計盤を見ているユーザに生じることになる。より具体的には、ユーザには、指針600及び指針610がうねりながらその形状及び大きさを変えるように(あたかも、指針600及び指針610の形状の車輪が回転しているように)見える。また、例えば、指針600及び指針610が秒針である場合、処理部120は、指針600及び指針610を間欠的に移動させるための移動処理を実行することなく、指針600及び指針610が1秒毎に間欠的に移動されているように、ユーザに見せることができる。

【0081】
図12には、第9例の時計盤及び指針の一例が、外観図により示されている。時計装置100の表示部に描かれた格子状の縞模様710を、指針700が通過するように、処理部120は、指針700を移動させる。図12では、処理部120は、平面方向に指針700を移動させる。ここで、指針700は、格子状の縞模様710を構成する直線に対して平行な線分を有している。処理部120は、当該直線に対して当該線分が平行を保って通過するように、指針700及び格子状の縞模様710の少なくとも一方を移動させる。

【0082】
これにより、指針700のフットステップ錯視、並びに、指針700のインチワーム錯視のうち少なくとも一方が、時計盤を見ているユーザに生じることになる。より具体的には、ユーザには、指針700がうねりながらその形状及び大きさを変えるように(あたかも、指針700の形状のコウモリが羽ばたいているように)見える。また、例えば、指針700が秒針である場合、処理部120は、指針700を間欠的に移動させるための移動処理を実行することなく、指針700が1秒毎に間欠的に移動されているように、ユーザに見せることができる。

【0083】
なお、図4~図12では、簡単のために、放射状の縞模様410a及び471、放射状の縞模様430及び431、チェック柄の縞模様450及び451、螺旋状の縞模様490、及び、格子状の縞模様630及び710を別々に説明したが、これらの縞模様は、組み合わされてもよい。また、縞模様は、二以上の色で表されてもよいし、一以上の色の濃淡で表されてもよい。また、白及び黒、又は、補色の関係にある色であれば、錯視が生じやすい。

【0084】
以上のように、前記縞模様(例えば、縞模様630)は、格子状の縞模様であって、前記指針(例えば、指針600)は、前記格子状の縞模様を構成する直線に対して平行な線分を有し、処理部120は、当該直線に対して当該線分が平行を保って通過するように、前記指針及び前記格子状の縞模様の少なくとも一方を移動させてもよい。

【0085】
[第4実施形態]
第4実施形態では、上記の縞模様としてのスリットがオブジェクト(上記の指針に相当)から所定距離だけ離れた位置に配置される点が、第1実施形態~第3実施形態と相違する。以下では、第1実施形態~第3実施形態との相違点についてのみ説明する。

【0086】
図13には、オブジェクトと、スリットと、視点との位置関係の例が示されている。以下では、オブジェクト900からスリット910までの距離を1とする。また、スリット910から視点920(ユーザの眼)までの距離をkと表記する。

【0087】
上記の縞模様としてのスリット910は、オブジェクト900(例えば、広告看板などの物体又は画像)から所定距離だけ離れた位置に配置される。ここで、ユーザは、エスカレータ、エレベータ又は乗り物などの移動体と共に、経路に沿ってオブジェクト900の前を通過することで視点920を移動させながら、スリット910を介してオブジェクト900を観察してもよい。また、オブジェクト900は、トリックアートとして、トリックアート・ミュージアムなどのテーマパークに配置されてもよい。

【0088】
図14には、オブジェクト及びスリットの寸法例が示されている。以下では、スリット910(一本)の幅をωと表記する。また、経路930を移動する視点920からの見通し線により、オブジェクト900を含む仮想平面901に投影されたスリット910(一本)の幅をωと表記する。また、オブジェクト900の幅をLと表記する。また、ユーザにフットステップ錯視が生じる経路区間の長さをFと表記する。ここで、ユーザにフットステップ錯視が生じる経路区間の長さ(図14では、黒色で示された区間)と、ユーザにフットステップ錯視が生じない経路区間(図14では、白色で示された区間)の長さとは、同じであるものとする。

【0089】
図14において、三角形ABCと三角形ADEとは相似である。なぜなら、三角形ABCと三角形ADEとは、角Aが共通し、且つ、角ABCと角ADEとが同位角だからである。したがって、式(1)が成り立つ。

【0090】
【数1】
JP0006041296B2_000002t.gif

【0091】
また、オブジェクト900の幅Lは、フットステップ錯視又はインチワーム錯視のいずれをユーザに生じさせるかに応じて定められる。フットステップ錯視を生じさせる場合、オブジェクト900の幅Lは、投影されたスリット(一本)の幅ωの偶数倍に定められる。一方、インチワーム錯視を生じさせる場合、オブジェクト900の幅Lは、投影されたスリット(一本)の幅ωの奇数倍に定められる。これらを式(2)に示す。また、式(1)及び式(2)により、式(3)が成り立つ。

【0092】
【数2】
JP0006041296B2_000003t.gif

【0093】
【数3】
JP0006041296B2_000004t.gif

【0094】
図15には、経路区間の寸法例が示されている。三角形A’B’C’と三角形A’D’E’とは相似である。なぜなら、三角形A’B’C’と三角形A’D’E’とは、角A’が共通し、且つ、角A’B’C’と角A’D’E’とが同位角だからである。したがって、式(4)が成り立つ。

【0095】
【数4】
JP0006041296B2_000005t.gif

【0096】
フットステップ錯視をより効果的に生じさせるため、オブジェクト900は、複数個配置されてもよい。ここで、複数のオブジェクト900は、フットステップ錯視が生じるタイミングがオブジェクト900毎に異なるように、オブジェクト900を含む仮想平面901に配置される。

【0097】
フットステップ錯視が生じるタイミングがオブジェクト900毎に異なるようにするためには、オブジェクト900と他のオブジェクト900(不図示)との間隔は、投影されたスリット910(一本)の幅ωに基づいて定められる。具体的には、複数のオブジェクト900は、投影されたスリット910(一本)の幅ωの奇数倍(=ω,3ω,5ω,…)の距離だけ互いに離されて配置されてもよい。これにより、複数のオブジェクト900は、フットステップ錯視をより効果的に生じさせることができる。

【0098】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。

【0099】
例えば、スリット910(図13を参照)は、オブジェクト900の背景側、すなわち、オブジェクト900に対して視点920とは反対側に備えられてもよい。

【0100】
なお、上記に説明した時計装置を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、実行処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。

【0101】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。

【0102】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。
さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0103】
100a…時計装置、100b…時計装置、110…計時部、120…処理部、130a…表示部、130b…表示部、200…通信装置、300…記憶装置、400…回転中心、410a…縞模様、410b…縞模様、420…指針、430…縞模様、431…縞模様、440…指針、450…チェック柄の縞模様、451…チェック柄の縞模様、460…指針、470…縞模様、471…縞模様、480…指針、490…縞模様、500…指針、600…指針、610…指針、630…縞模様、700…指針、710…縞模様、800…縞模様、810…指針、820…指針、900…オブジェクト、901…仮想平面、910…スリット、920…視点、930…経路
図面
【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図3】
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【図8】
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