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明細書 :ピロール誘導体の製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5842252号 (P5842252)
公開番号 特開2013-184920 (P2013-184920A)
登録日 平成27年11月27日(2015.11.27)
発行日 平成28年1月13日(2016.1.13)
公開日 平成25年9月19日(2013.9.19)
発明の名称または考案の名称 ピロール誘導体の製造方法
国際特許分類 C07D 207/323       (2006.01)
C07D 207/333       (2006.01)
C07D 405/06        (2006.01)
C07D 409/04        (2006.01)
C07B  61/00        (2006.01)
FI C07D 207/323
C07D 207/333
C07D 405/06
C07D 409/04
C07B 61/00 300
請求項の数または発明の数 5
全頁数 28
出願番号 特願2012-050678 (P2012-050678)
出願日 平成24年3月7日(2012.3.7)
審査請求日 平成27年1月27日(2015.1.27)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】801000027
【氏名又は名称】学校法人明治大学
発明者または考案者 【氏名】土本 晃久
【氏名】野見山 翔太
個別代理人の代理人 【識別番号】100064908、【弁理士】、【氏名又は名称】志賀 正武
【識別番号】100106909、【弁理士】、【氏名又は名称】棚井 澄雄
【識別番号】100108578、【弁理士】、【氏名又は名称】高橋 詔男
【識別番号】100126882、【弁理士】、【氏名又は名称】五十嵐 光永
審査官 【審査官】清水 紀子
参考文献・文献 特開2010-235596(JP,A)
特開2009-108045(JP,A)
TSUCHIMOTO T. et al.,Organic Letters,2009年,Vol.11, No.10,p.2129-32
TSUCHIMOTO T. et al.,Chem. Euro. J.,2010年,Vol.16,p.8975-9
調査した分野 C07D 207/323
C07D 207/333
C07D 405/06
C07D 409/04
C07B 61/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY(STN)
特許請求の範囲 【請求項1】
下記一般式(1)で表されるピロール類と、下記一般式(2)で表されるカルボニル化合物と、求核種供与体とを、含フッ素ブレンステッド酸の存在下で反応させることを特徴とする、下記一般式(3)で表されるピロール誘導体の製造方法。
【化1】
JP0005842252B2_000026t.gif
(式中、Rは水素原子、脂肪族基、アリール基、アリールアルキル基、アルキルアリール基又はトリアルキルシリル基であり;R及びRはそれぞれ独立に水素原子、あるいは置換基を有していてもよい脂肪族基、アリール基又はヘテロアリール基であり、相互に結合して環を形成していてもよく;Xは求核種由来の一価の基である。)
【請求項2】
前記Rが、水素原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数6~12のアリール基、又は炭素数7~15のアリールアルキル基であることを特徴とする請求項1に記載のピロール誘導体の製造方法。
【請求項3】
前記R及びRが、それぞれ独立に水素原子、又は置換基を有していてもよい炭素数20以下のアルキル基、アルケニル基若しくはアリール基、あるいは置換基を有していてもよい炭素数19以下のヘテロアリール基であることを特徴とする請求項1又は2に記載のピロール誘導体の製造方法。
【請求項4】
前記Xが、水素原子、シアノ基、アリール基又はヘテロアリール基であることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のピロール誘導体の製造方法。
【請求項5】
前記含フッ素ブレンステッド酸が、フルオロアルキル基、フルオロアルキレン基、フルオロアリール基及びフルオロアリーレン基からなる群から選択される一種以上を有するものであることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載のピロール誘導体の製造方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、ピロール誘導体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ピロール誘導体は、複素環骨格を有することから、医薬品や各種化成品の中間体として重要であるだけでなく、これを繰返し単位とするポリマーとすることで、新規な電子材料等の高機能性材料を開発できる可能性を秘めており、非常に重要な化合物である。
そして、その原料となるピロール類は、例えば、一つ以上の水素原子を各種置換基で置換することにより、新たな物性の付与が可能であり、上記のような目的において所望の機能を有するように、ピロール誘導体の構造を設計することが検討されている。
【0003】
例えば、ピロール誘導体のうち、炭素原子に結合している水素原子がアルキル基で置換されたアルキルピロールは、ピロール類をアルキル化することで、化学合成で容易に得られることから、これまでに種々のものが検討されている。
しかし従来の方法では、ピロール類のアルキル化は、主にピロール類の2位(以下、α位と略記する)で進行する。これは、求電子剤であるアルキル化剤に対して、求核性が高いピロール類のα位が優先的に反応することによる。すなわち、以下に示すように、求核性が低いピロール類の3位(以下、β位と略記する)においてアルキル化を行うことは、非常に困難である。これまでに、β位にアルキル基が導入されたピロール誘導体の製造方法として、例えば、陽イオン交換樹脂を共存させて、酸性条件下でピロール類のアルキル化を行う方法(非特許文献1参照)が開示されているが、α位にアルキル基が導入されたα位置換体が主生成物であることに変わりはない。
【0004】
そこで、β位にアルキル基が導入されたβ位置換体のピロール誘導体を得る方法として、ピロール類のα位に近接する窒素原子に嵩高い置換基を導入し、アルキル化剤がα位よりも立体障害の少ないβ位で反応し易いようにする方法や、ピロール類の5位に電子求引性基を導入し、β位の求核性を向上させて、アルキル化剤と反応し易くする方法(非特許文献2及び3参照)が開示されている。これらに加えて、ピロール類の金属錯体を利用することで、β位にアルキル基を導入する方法(非特許文献4参照)も開示されている。また、ピロール類はα位の求核性が高い、という特性に由来する問題点を克服するために、ピロール骨格の構築とβ位へのアルキル基の導入を並行して行うという手法も開示されている。さらに、インジウム化合物等のルイス酸触媒の存在下、アルキン又はカルボニル化合物とピロール類と求核種供与体とを反応させることによる、ピロール環のβ位への直接的なアルキル基導入方法(非特許文献5及び6参照)が開示されている。そして、非特許文献5には、ブレンステッド酸触媒の存在下で、アルキンとピロール類と求核種供与体とを反応させた場合、ピロール環のβ位へ直接的にアルキル基を導入できなかったことが開示されている。
【0005】
【化1】
JP0005842252B2_000002t.gif

【先行技術文献】
【0006】

【非特許文献1】I.Iovel et.al., Synthetic Communications,18(11),1261-1266(1988)
【非特許文献2】J.K.Groves et.al., Canadian Journal of Chemistry,Vol.49,2427-2432(1971)
【非特許文献3】Hugh J.Anderson et.al., Synthesis,353-364,April(1985)
【非特許文献4】W.Dean Harman, Chemical Reviews,Vol.97,No.6,1953-1978(1997)
【非特許文献5】T.Tsuchimoto et.al., Organic Letters,Vol.11,No.10,2129-2132(2009)
【非特許文献6】T.Tsuchimoto et.al., Chemistry A European Journal,Vol.16,8975-8979(2010)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、ピロール類のアルキル化は、工程が単純であるという長所を有する反面、多くの方法においては、α位置換体が主生成物となってしまう問題点を解決できていないのが現状である。これに対し、5位に電子求引性基を有するピロール類を用いる反応や、ピロール類の金属錯体を利用する反応では、いくつかの反応において、高いβ位選択性が実現されているが、ここでは、電子求引性基あるいは金属部位の導入とこれらの除去が必要となるために、多段階の合成過程が避けられないほか、導入できるアルキル基に大きな制限があるなどの問題点があった。また、ピロール骨格の構築とβ位へのアルキル基の導入を並行して行う方法は、工程が複雑になり実用的ではないという問題点があった。また、アルキン又はカルボニル化合物とピロール類と求核種供与体とを反応させる方法においては、一段階でかつ極めて高い選択性で、β位がアルキル化されたピロール誘導体を合成できるが、インジウム化合物等のルイス酸触媒が高価であり、これらルイス酸触媒を反応前にあらかじめ別途調製しておくことが必要であるため、工程数が増加して手間を要するという問題点があった。
そこで、β位にアルキル基等の置換基を有するピロール誘導体の、簡便且つ実用的な新規の製造方法の開発が望まれていた。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みて為されたものであり、β位にアルキル基等の置換基を有するピロール誘導体の新規の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、
本発明は、下記一般式(1)で表されるピロール類と、下記一般式(2)で表されるカルボニル化合物と、求核種供与体とを、含フッ素ブレンステッド酸の存在下で反応させることを特徴とする、下記一般式(3)で表されるピロール誘導体の製造方法を提供する。
【0010】
【化2】
JP0005842252B2_000003t.gif
(式中、Rは水素原子、脂肪族基、アリール基、アリールアルキル基、アルキルアリール基又はトリアルキルシリル基であり;R及びRはそれぞれ独立に水素原子、あるいは置換基を有していてもよい脂肪族基、アリール基又はヘテロアリール基であり、相互に結合して環を形成していてもよく;Xは求核種由来の一価の基である。)
【0011】
本発明のピロール誘導体の製造方法においては、前記Rが、水素原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数6~12のアリール基、又は炭素数7~15のアリールアルキル基であることが好ましい。
本発明のピロール誘導体の製造方法においては、前記R及びRが、それぞれ独立に水素原子、又は置換基を有していてもよい炭素数20以下のアルキル基、アルケニル基若しくはアリール基、あるいは置換基を有していてもよい炭素数19以下のヘテロアリール基であることが好ましい。
本発明のピロール誘導体の製造方法においては、前記Xが、水素原子、シアノ基、アリール基又はヘテロアリール基であることが好ましい。
本発明のピロール誘導体の製造方法においては、前記含フッ素ブレンステッド酸が、フルオロアルキル基、フルオロアルキレン基、フルオロアリール基及びフルオロアリーレン基からなる群から選択される一種以上を有するものであることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、β位にアルキル基等の置換基を有するピロール誘導体の新規の製造方法が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明のピロール誘導体の製造方法は、下記一般式(1)で表されるピロール類(以下、化合物(1)と略記する)と、下記一般式(2)で表されるカルボニル化合物(以下、化合物(2)と略記する)と、求核種供与体とを、含フッ素ブレンステッド酸の存在下で反応させることを特徴とし、下記一般式(3)で表されるピロール誘導体(以下、化合物(3)と略記する)の製造方法である。
本発明は、ピロール類のβ位に、アルキル基又はその一つ以上の水素原子が置換基で置換された置換アルキル基(アルキル基等)を選択的に導入することで、ピロール誘導体を製造するものである。

【0014】
【化3】
JP0005842252B2_000004t.gif

【0015】
(式中、Rは水素原子、脂肪族基、アリール基、アリールアルキル基、アルキルアリール基又はトリアルキルシリル基であり;R及びRはそれぞれ独立に水素原子、あるいは置換基を有していてもよい脂肪族基、アリール基又はヘテロアリール基であり、相互に結合して環を形成していてもよく;Xは求核種由来の一価の基である。)

【0016】
<化合物(1)>
化合物(1)において、Rは、水素原子、脂肪族基、アリール基、アリールアルキル基、アルキルアリール基又はトリアルキルシリル基である。
における脂肪族基は、飽和脂肪族基及び不飽和脂肪族基のいずれでもよい。また、Rにおける脂肪族基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状(脂肪族環式基)のいずれでもよく、直鎖状又は分岐鎖状が好ましい。そして、Rにおける脂肪族基は、炭素数が1~30であることが好ましく、1~20であることがより好ましい。

【0017】
の脂肪族基における直鎖状又は分岐鎖状の飽和脂肪族基(アルキル基)としては、炭素数1~10のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基、1-メチルブチル基、n-ヘキシル基、2-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、2,2-ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、n-ヘプチル基、2-メチルヘキシル基、3-メチルヘキシル基、2,2-ジメチルペンチル基、2,3-ジメチルペンチル基、2,4-ジメチルペンチル基、3,3-ジメチルペンチル基、3-エチルペンチル基、2,2,3-トリメチルブチル基、n-オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、デシル基が例示できる。なかでも炭素数1~6のアルキル基がより好ましい。

【0018】
の脂肪族基における環状のアルキル基は、炭素数が3以上であり、単環構造及び多環構造のいずれでもよく、より具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、1-アダマンチル基、2-アダマンチル基、トリシクロデシル基が例示できる。
前記環状のアルキル基は、炭素数が3~10であることが好ましく、5~10であることがより好ましい。

【0019】
また、前記アルキル基は、シクロペンチルメチル基、1-シクロペンチルエチル基、シクロヘキシルメチル基、1-シクロヘキシルエチル基等の、直鎖状及び/又は分岐鎖状等の鎖状構造と、環状構造とが混在したものであってもよい。ここで、鎖状構造及び環状構造としては、前記アルキル基、又は前記アルキル基から一つ以上の水素原子を除いた基が例示できる。
このような、鎖状構造及び環状構造が混在したアルキル基は、炭素数が4~10であることが好ましい。

【0020】
の脂肪族基における不飽和脂肪族基としては、前記アルキル基において、炭素原子間の一つ以上の単結合(C-C)が二重結合(C=C)又は三重結合(C≡C)に置換されたものが例示でき、これら不飽和結合(二重結合及び三重結合)の数及び位置は特に限定されず、二重結合及び三重結合を共に有していてもよい。

【0021】
前記不飽和脂肪族基は、ピロール環骨格を構成する1位の窒素原子に結合している炭素原子と、該炭素原子に隣接する炭素原子との間の結合が不飽和結合ではないことが好ましく、炭素原子間の不飽和結合が、前記窒素原子に結合している炭素原子から離れている方が好ましく、不飽和結合の数は少ないほど好ましい。

【0022】
の脂肪族基における不飽和脂肪族基は、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルケニル基、あるいは直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキニル基であることが好ましい。

【0023】
におけるアリール基は、単環構造及び多環構造のいずれでもよいが、単環構造であることが好ましい。また、前記アリール基は、炭素数が6~12であることが好ましく、フェニル基であることがより好ましい。

【0024】
におけるアリールアルキル基としては、前記アリール基がアルキレン基に結合した一価の基が例示でき、該アルキレン基としては、Rの脂肪族基におけるアルキル基から一つの水素原子を除いた基が例示できる。また、前記アリールアルキル基は、炭素数が7~15であることが好ましい。
前記アリールアルキル基の好ましいものとしては、フェニルメチル基(ベンジル基)、フェニルエチル基(Ph-(CH-)、3-フェニル-n-プロピル基(Ph-(CH-)、2-フェニル-イソプロピル基(Ph-(CHC-)が例示できる。ここで、「Ph」はフェニル基を示す。

【0025】
におけるアルキルアリール基としては、前記アリール基の水素原子の一つがアルキル基で置換された一価の基が例示でき、該アルキル基としては、Rの脂肪族基におけるアルキル基と同様のものが例示できる。また、前記アルキルアリール基は、炭素数が7~15であることが好ましい。

【0026】
におけるトリアルキルシリル基中のアルキル基としては、Rの脂肪族基におけるアルキル基と同様のものが例示でき、すべて同じでもよいし、すべて異なっていてもよく、二つのみが同じであってもよい。
におけるトリアルキルシリル基は、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基又はトリイソプロピルシリル基が好ましい。

【0027】
上記の中でも、Rは、水素原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数6~12のアリール基、又は炭素数7~15のアリールアルキル基であることが好ましく、水素原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数6~10のアリール基、又は炭素数7~12のアリールアルキル基であることがより好ましい。

【0028】
化合物(1)の特に好ましいものとしては、N-メチルピロール、N-tert-ブチルピロール、N-フェニルピロール、N-ベンジルピロールが例示できる。

【0029】
化合物(1)の使用量は、化合物(2)の種類等に応じて適宜調整すればよいが、通常化合物(2)の2~6倍モル量であることが好ましく、2~5倍モル量であることがより好ましく、2.5~4.5倍モル量であることが特に好ましい。

【0030】
<化合物(2)>
化合物(2)において、R及びRは、それぞれ独立に水素原子、あるいは置換基を有していてもよい脂肪族基、アリール基又はヘテロアリール基である。そして、R及びRは、相互に結合して、R、R、並びにR及びRが結合している炭素原子で環を形成していてもよい。

【0031】
及びRにおける脂肪族基としては、Rにおける脂肪族基と同様のものが例示できる。なかでも、アルキル基又はアルケニル基であることが好ましい。

【0032】
及びRの脂肪族基におけるアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでもよく、炭素数が20以下(1~20)であることが好ましい。
直鎖状又は分岐鎖状の前記アルキル基は、炭素数が1~12であることが好ましく、1~10であることがより好ましく、より具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基、1-メチルブチル基、n-ヘキシル基、2-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、2,2-ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、n-ヘプチル基、2-メチルヘキシル基、3-メチルヘキシル基、2,2-ジメチルペンチル基、2,3-ジメチルペンチル基、2,4-ジメチルペンチル基、3,3-ジメチルペンチル基、3-エチルペンチル基、2,2,3-トリメチルブチル基、n-オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、デシル基が例示できる。
環状の前記アルキル基は、炭素数が3以上であり、単環構造及び多環構造のいずれでもよく、炭素数が20以下であることが好ましく、3~12であることがより好ましく、3~10であることが特に好ましく、より具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、1-アダマンチル基、2-アダマンチル基、トリシクロデシル基が例示できる。
また、前記アルキル基は、シクロペンチルメチル基、1-シクロペンチルエチル基、シクロヘキシルメチル基、1-シクロヘキシルエチル基等の、直鎖状及び/又は分岐鎖状等の鎖状構造と、環状構造とが混在したものであってもよい。ここで、鎖状構造及び環状構造としては、前記アルキル基、又は前記アルキル基から一つ以上の水素原子を除いた基が例示できる。
このような、鎖状構造及び環状構造が混在したアルキル基は、炭素数が4~10であることが好ましい。

【0033】
及びRの脂肪族基におけるアルケニル基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでもよく、Rの脂肪族基におけるアルケニルと同様のものが例示でき、直鎖状又は分岐鎖状であることが好ましい。また、該アルケニル基の炭素数は2以上であり、20以下(2~20)であることが好ましく、2~12であることがより好ましく、2~8であることが特に好ましい。
及びRの脂肪族基におけるアルケニル基は、化合物(2)のR及びRが結合しているカルボニル基を構成する炭素原子に結合している炭素原子が、隣接する炭素原子との間で不飽和結合を形成していないことが好ましく、不飽和結合の数は少ないほど好ましい。

【0034】
及びRにおけるアリール基としては、Rにおけるアリール基と同様のものが例示でき、該アリール基は炭素数が20以下であることが好ましく、12以下であることがより好ましく、フェニル基であることが特に好ましい。

【0035】
及びRにおけるヘテロアリール基としては、前記アリール基のうち、芳香族環骨格を構成する炭素原子の一つ以上がヘテロ原子で置換され、且つ芳香族性を有する基、及び環状の前記不飽和脂肪族基において、環骨格を構成する炭素原子の一つ以上がヘテロ原子で置換され、且つ芳香族性を有する基が例示できる。ここでヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子が例示できる。芳香族環骨格を構成するヘテロ原子の数は、特に限定されないが、1~2であることが好ましい。

【0036】
及びRにおけるヘテロアリール基は、芳香族環骨格を構成する炭素原子及びヘテロ原子の合計数が6~12であることが好ましい。そして、ヘテロアリール基は、炭素数が19以下であることが好ましい。

【0037】
及びRが、相互に結合して環を形成していている場合には、環は単環構造及び多環構造のいずれでもよい。多環構造の環の好ましいものとしては、アダマンチル基、ノルボルニル基が例示できる。
環の炭素数(Rの炭素原子数、Rの炭素原子数、並びにR及びRが共に結合している炭素原子の数(すなわち、「1」)の合計)は、4~15であることが好ましく、5~12であることがより好ましい。

【0038】
及びRにおける脂肪族基、アリール基及びヘテロアリール基は、置換基を有していてもよい。ここで「脂肪族基、アリール基、ヘテロアリール基が置換基を有する」とは、脂肪族基、アリール基、ヘテロアリール基を構成する一つ以上の水素原子が、水素原子以外の基で置換されているか、あるいは脂肪族基、アリール基、ヘテロアリール基を構成する一つ以上の炭素原子が、炭素原子以外の基で置換されていることを指す。そして、水素原子及び炭素原子が共に置換基で置換されていてもよい。

【0039】
及びRにおける水素原子を置換する置換基としては、アルキル基、アリール基、アルキルオキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アルコキシ基、水酸基、シアノ基及びハロゲン原子が例示できる。
及びRにおける置換基としてのアルキル基及びアリール基としては、前記Rにおけるアルキル基及びアリール基と同様のものが例示できる。
及びRにおける置換基としてのアルキルオキシカルボニル基としては、前記Rにおけるアルキル基が酸素原子を介してカルボニル基の炭素原子に結合した一価の基が例示できる。
及びRにおける置換基としてのアルキルカルボニルオキシ基としては、前記Rにおけるアルキル基がカルボニルオキシ基の炭素原子に結合した一価の基が例示できる。
及びRにおける置換基としてのアルコキシ基としては、前記Rにおけるアルキル基が酸素原子に結合した一価の基が例示できる。
及びRにおける置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示できる。

【0040】
水素原子を置換する置換基の数は特に限定されず、R及びRの種類に応じて任意に調整でき、1でもよいし、2以上でもよく、すべての水素原子が置換基で置換されていてもよい。ただし、通常は1~4であることが好ましい。
また、置換基で置換される水素原子の位置は特に限定されないが、通常は、該水素原子が結合している炭素原子が、R及びRが結合している炭素原子(カルボニル基の炭素原子)から離れているほど好ましい。

【0041】
及びRにおける炭素原子を置換する置換基としては、カルボニル基(-C(=O)-)、カルボニルオキシ基(-C(=O)-O-)、アミド基(-NH-C(=O)-)、ヘテロ原子が例示できる。前記ヘテロ原子としては、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ホウ素原子、ケイ素原子が例示できる。なお、これら置換基のうち、カルボニルオキシ基及びアミド基等の左右非対称の置換基においては、その置換の向きは限定されず、いずれでもよい。例えば、カルボニルオキシ基の場合、置換位置で隣接する二つの基(原子)のうち、どちらにカルボニル基の炭素原子(又はカルボニル基に結合している酸素原子)が結合してもよい。

【0042】
炭素原子を置換する置換基の数は特に限定されず、R及びRの種類に応じて任意に調整でき、1でもよいし、2以上でもよい。ただし、通常は1~4であることが好ましい。
また、置換基で置換される炭素原子の位置は特に限定されないが、通常は、R及びRが結合している炭素原子(カルボニル基の炭素原子)に隣接する炭素原子ではないことが好ましい。

【0043】
及びRにおける脂肪族基、アリール基、ヘテロアリール基が置換基を有する場合、これら基の炭素数は、置換基を含めて上記の数値範囲であることが好ましい。
また、置換基が複数の場合、これら置換基はすべて同じでもよいし、すべて異なっていてもよく、一部のみが同じでもよい。

【0044】
及びRの少なくとも一方において、炭素原子がヘテロ原子で置換された化合物(2)には、化合物(1)と同様に複素環骨格を有する化合物があり、これを使用することで、特に有用な化合物(3)が得られる。例えば、複数の炭素原子が酸素原子及びホウ素原子で置換された、下記式(2-1)で表される有機ホウ素部位のホウ素原子が、炭素原子と結合した化合物(2)は、炭素-炭素結合形成反応として有用な鈴木・宮浦カップリング(Suzuki-Miyaura coupling)の原料として好適であり、産業上での有用性が極めて高い。

【0045】
【化4】
JP0005842252B2_000005t.gif

【0046】
上記の中でも、R及びRは、それぞれ独立に水素原子、又は置換基を有していてもよい炭素数20以下のアルキル基、アルケニル基若しくはアリール基、あるいは置換基を有していてもよい炭素数19以下のヘテロアリール基であることが好ましい。

【0047】
<求核種供与体>
求核種供与体とは、反応系中で求核種を供与するものであり、該求核種が反応時に中間体に対して求核付加反応することで、化合物(3)が生成する。化合物(3)中のXが、求核種に由来する一価の基である。
求核種供与体としては、このような求核種を供与し得るものであれば公知のいずれのものでもよい。好ましいものとして、具体的には、ヒドリド供与体、シアノイオン供与体、アルケニルスタナン、アリル基(2-プロペニル基)を有する化合物、ビニル基(エテニル基)を有する化合物、アリール化合物又はヘテロアリール化合物が例示できる。例えば、ヒドリド供与体からは、求核種としてヒドリド(H)が供与され、化合物(3)におけるXは水素原子となる。同様に、化合物(3)におけるXは、求核種供与体がシアノイオン供与体である場合にはシアノ基、アルケニルスタナンである場合にはアルケニル基、アリル基(2-プロペニル基)を有する化合物である場合にはアリル基、ビニル基(エテニル基)を有する化合物である場合にはビニル基、アリール化合物である場合にはアリール基、ヘテロアリール化合物である場合にはヘテロアリール基となる。

【0048】
ヒドリド供与体は、ヒドリド(H)を供与し得るものであれば公知のいずれのものでもよい。好ましいものとして、具体的には、シラン化合物及びスタナン化合物が例示できる。

【0049】
ヒドリド供与体における前記シラン化合物としては、アルキルシラン、アルコキシシラン、アリールシラン、アルキルアリールシランが例示できる。
アルキルシランとしては、ジエチルシラン((CHCHSiH)、ジメチルエチルシラン(CHCH(CHSiH)、ジメチルイソプロピルシラン((CHCH(CHSiH)、tert-ブチルジメチルシラン((CHC(CHSiH)、ジエチルイソプロピルシラン((CHCH(CHCHSiH)、シクロヘキシルジメチルシラン(C11(CHSiH)、トリ(n-プロピル)シラン((CHCHCHSiH)、トリエチルシラン((CHCHSiH)、トリイソプロピルシラン(((CHCH)SiH)、トリス(トリメチルシリル)シラン(((CHSi)SiH)が例示できる。
アルコキシシランとしては、トリメトキシシラン((CHO)SiH)、トリエトキシシラン((CHCHO)SiH)が例示できる。
アリールシランとしては、フェニルシラン(CSiH)、ジフェニルシラン((CSiH)、トリフェニルシラン((CSiH)が例示できる。
アルキルアリールシランとしては、フェニルメチルシラン(C(CH)SiH)、フェニルジメチルシラン(C(CHSiH)、ジフェニルメチルシラン((CCHSiH)が例示できる。
これらの中でも、シラン化合物としてはアルキルシランが好ましい。

【0050】
ヒドリド供与体における前記スタナン化合物としては、アルキルスタナン、アリールスタナンが例示できる。
アルキルスタナンとしては、トリ(n-ブチル)スタナン((CHCHCHCHSnH)等のトリアルキルスタナンが例示できる。
アリールスタナンとしては、トリフェニルスタナン((CSnH)等のトリアリールスタナンが例示できる。

【0051】
シアノイオン供与体は、シアノイオン(CN)を供与し得るものであれば公知のいずれのものでもよい。好ましいものとして、具体的には、アルキルシアノシランが例示でき、より具体的には、トリメチルシアノシラン((CHSiCN)、トリエチルシアノシラン((CHCHSiCN)、トリイソプロピルシアノシラン(((CHCH)SiCN)が例示できる。

【0052】
アリル基を有する化合物としては、アリルトリブチルスズ((CHCHCHCHSnCHCH=CH)、アリルトリメチルスズ((CHSnCHCH=CH)等のアリルトリアルキルスズ;テトラアリルスズ(Sn(CHCH=CH)が例示できる。

【0053】
ビニル基を有する化合物としては、アリール基の芳香族環骨格を構成する炭素原子にビニル基が結合したビニルアリール基を有する化合物が好ましく、4-ビニルアニソール(CH=CH-Ph-OCH)が例示できる。
求核種供与体としてビニルアリール基を有する化合物を使用した場合、該化合物は、反応時の中間体に対する通常の反応部位(RとRが共に結合している炭素原子)に加え、さらにピロール環の2位の炭素原子とも反応することで、ピロール環と縮環した新たな環構造を形成することが可能となる。この場合、化合物(3)におけるXは、カチオン性基となる。すなわち、本発明において、化合物(3)は、それ自体が引き続き連続的に反応し得る中間体に該当する化合物であってもよい。

【0054】
求核種供与体としての前記アリール化合物及びヘテロアリール化合物は、単環構造及び多環構造のいずれでもよいが、単環構造であることが好ましい。好ましいアリール化合物としてはベンゼンが例示でき、好ましいヘテロアリール化合物としては、フラン(1-オキサ-2,4-シクロペンタジエン)、チオフェン(チアシクロペンタジエン)が例示できる。また、これらベンゼン、フラン、チオフェン等の置換基を有しない無置換のアリール化合物及びヘテロアリール化合物の一つ以上の水素原子が水素原子以外の基(置換基)で置換されたものも、前記アリール化合物又はヘテロアリール化合物として好ましい。この場合の置換基は、アルキル基、アルコキシ基が好ましい。

【0055】
無置換のアリール化合物及びヘテロアリール化合物に対する前記置換基としてのアルキル基は、直鎖状又は分岐鎖状であることが好ましく、直鎖状であることがより好ましい。そして、炭素数が1~3であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。
無置換のアリール化合物及びヘテロアリール化合物に対する前記置換基としてのアルコキシ基としては、前記アルキル基が酸素原子に結合した一価の基が例示できる。
前記置換基の数は、これらアリール化合物及びヘテロアリール化合物の種類により異なるが、例えば、フラン及びチオフェンの場合には、1~3であり、1であることが好ましい。また、置換基が複数の場合、これら置換基はすべて同じでもよいし、すべて異なっていてもよく、一部のみが同じでもよい。
前記置換基の結合位置は、これらアリール化合物及びヘテロアリール化合物の求核反応時の反応部位以外であればよく、これら化合物の種類により異なるが、例えば、フラン及びチオフェンの場合には、通常、2位であることが好ましい。

【0056】
置換基を有するフランの好ましいものとしては、2-メチルフラン、2-メトキシフランが例示でき、置換基を有するチオフェンの好ましいものとしては、2-メチルチオフェン、2-メトキシチオフェンが例示できる。

【0057】
アルケニルスタナンとしては、テトラビニルスタナン等のテトラアルケニルスタナンが特に好ましい。

【0058】
上記の中でも、求核種供与体としては、ヒドリド供与体、シアノイオン供与体、アリール化合物又はヘテロアリール化合物が好ましく、シラン化合物、アルキルシアノシラン、アリール化合物又はヘテロアリール化合物がより好ましい。
すなわち、前記Xは、水素原子、シアノ基、アリール基又はヘテロアリール基であることが好ましい。

【0059】
求核種供与体の使用量は、化合物(1)及び(2)の種類等に応じて適宜調整すればよいが、通常は、化合物(2)の1~6倍モル量であることが好ましく、1~5倍モル量であることがより好ましく、1~4倍モル量であることが特に好ましい。

【0060】
求核種供与体は、一種を単独で使用することが好ましいが、供与する求核種が同じであれば、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合には、その組み合わせ及び比率は、目的に応じて適宜選択すればよい。

【0061】
<含フッ素ブレンステッド酸>
本発明においては、化合物(1)、化合物(2)及び求核種供与体を、含フッ素ブレンステッド酸の存在下で反応させる。従来の方法では、ピロール類のβ位にアルキル基等を導入しようとする際に、ブレンステッド酸を用いると、目的の反応が望み通りに進行しないことがこれまでに報告されている。これに対して、本発明においては、化合物(2)と含フッ素ブレンステッド酸との組み合わせを選択することで、化合物(1)のβ位にアルキル基等を選択的且つ円滑に導入できる。しかも、含フッ素ブレンステッド酸の使用量は触媒量でよい。さらに、含フッ素ブレンステッド酸は、貴金属又は貴金属を含む化合物と比較して安価であり、反応前に手間をかけて調製することも不要である。

【0062】
本発明において、含フッ素ブレンステッド酸とは、フッ素原子を有するプロトン(H)供与体を意味し、フッ素原子を有することで、所望の反応(化合物(1)のβ位へのアルキル基等の導入反応)を行うための、十分なプロトン供与能を有するものである。

【0063】
含フッ素ブレンステッド酸は、その構造中にフッ素原子を有するもの、すなわち、含フッ素電子求引性基(フッ素原子を有する電子求引性基)を有するものであれば特に限定されないが、フルオロアルキル基、フルオロアルキレン基、フルオロアリール基及びフルオロアリーレン基からなる群から選択される一種以上の含フッ素電子求引性基を有するものが好ましい。

【0064】
フルオロアルキル基及びフルオロアルキレン基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでもよいが、直鎖状又は分岐鎖状であることが好ましい。また、フルオロアリール基及びフルオロアリーレン基は、単環構造及び多環構造のいずれでもよいが、単環構造であることが好ましい。

【0065】
フルオロアルキル基、フルオロアルキレン基、フルオロアリール基及びフルオロアリーレン基が有するフッ素原子の数は、特に限定されないが、水素原子の数が少ないほど好ましく、水素原子を有しない、すなわち、水素原子がすべてフッ素原子に置換されたもの(パーフルオロアルキル基、パーフルオロアルキレン基、パーフルオロアリール基及びパーフルオロアリーレン基)が特に好ましい。

【0066】
含フッ素ブレンステッド酸は、フルオロアルキル基、フルオロアルキレン基、フルオロアリール基及びフルオロアリーレン基からなる群から選択される含フッ素電子求引性基を一つ有するものでもよいが、二つ以上有するものが好ましい。二つ以上有する場合、これら複数の含フッ素電子求引性基は、すべて同じでもよいし、全て異なっていてもよく、一部のみが同じであってもよい。また、これら複数の含フッ素電子求引性基が相互に結合して、環を形成していてもよい。
含フッ素ブレンステッド酸は、フルオロアルキル基及び/又はフルオロアルキレン基を必須の含フッ素電子求引性基として有するものが好ましい。

【0067】
含フッ素ブレンステッド酸は、上記のなかでも、フルオロアルキルスルホニル基、フルオロアルキレンスルホニル基、フルオロアリールスルホニル基及びフルオロアリーレンスルホニル基からなる群から選択される一種以上の含フッ素電子求引性基を有するものがより好ましい。例えば、フルオロアルキルスルホニル基を有する含フッ素ブレンステッド酸は、上記のフルオロアルキル基を有する含フッ素ブレンステッド酸に該当する。
また、含フッ素ブレンステッド酸において、フルオロアルキルスルホニル基、フルオロアルキレンスルホニル基、フルオロアリールスルホニル基及びフルオロアリーレンスルホニル基は、供与されるプロトンが結合している原子に直接結合しているものが好ましい。

【0068】
含フッ素ブレンステッド酸は、供与されるプロトンが結合している原子が2価以上であり、3価以上であることが好ましく、窒素原子又は炭素原子であることがより好ましく、これら原子に含フッ素電子求引性基が直接二つ以上結合しているものが特に好ましい。

【0069】
好ましい含フッ素ブレンステッド酸としては、下記式(41)~(46)で表されるものが例示できる。下記式(41)及び(42)で表される含フッ素ブレンステッド酸は、供与されるプロトンが結合している原子が窒素原子であり、該窒素原子にフルオロアルキルスルホニル基(ノナフルオロブタンスルホニル基、トリフルオロメタンスルホニル基)が二つ結合したものである。また、下記式(43)で表される含フッ素ブレンステッド酸は、供与されるプロトンが結合している原子が窒素原子であり、該窒素原子にフルオロアルキレンスルホニル基(ジフルオロメチレンスルホニル基)が二つ結合し、且つこれら基が相互に結合して環を形成したものである。また、下記式(44)で表される含フッ素ブレンステッド酸は、供与されるプロトンが結合している原子が炭素原子であり、該炭素原子にフルオロアルキルスルホニル基(トリフルオロメタンスルホニル基)が二つ、フルオロアリールスルホニル基(ペンタフルオロフェニル基)が一つ、それぞれ結合したものである。また、下記式(45)及び(46)で表される含フッ素ブレンステッド酸は、供与されるプロトンが結合している原子が酸素原子であり、該酸素原子にフルオロアルキルスルホニル基(ノナフルオロブタンスルホニル基、トリフルオロメタンスルホニル基)が一つ結合したものである。

【0070】
【化5】
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【0071】
含フッ素ブレンステッド酸の使用量は、化合物(1)及び(2)の種類等に応じて適宜調整すればよいが、通常は、化合物(2)を基準として、1~12モル%であることが好ましく、1.5~10モル%であることがより好ましく、1.5~8モル%であることが特に好ましい。
このように、含フッ素ブレンステッド酸は、使用量が触媒量でよく、しかも、極めて少量である。また、多数が市販されており、公知の方法に従って容易に調製することもできる。また、貴金属を含まないため安価である。したがって、本発明は極めて汎用性が高い。さらに、金属を含む触媒を使用する必要がないため、本発明は環境へ与える負荷が極めて小さい。

【0072】
含フッ素ブレンステッド酸は、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合には、その組み合わせ及び比率は、目的に応じて適宜選択すればよい。

【0073】
<その他の反応条件>
本発明においては、本発明の効果を損なわない範囲内において、化合物(1)、化合物(2)、求核種供与体及び含フッ素ブレンステッド酸以外に、さらに、その他の成分を使用して、反応させてもよい。例えば、微量の水を共存させることで反応を促進できる場合には、その他の成分として水を併用してもよい。
さらに、例えば、前記式(2-1)で表される有機ホウ素部位のホウ素原子が、炭素原子と結合した化合物等、水に対して不安定な化合物を使用する場合には、その他の成分として脱水剤を併用してもよい。脱水剤としては、無水硫酸マグネシウム等、公知のものが使用でき、使用量は任意に調整できる。

【0074】
本発明において、反応溶媒は、化合物(1)、化合物(2)、求核種供与体及び含フッ素ブレンステッド酸の種類等を考慮して、反応を妨げないものから適宜選択できる。なかでもエーテル化合物(エーテル結合を有する化合物)、ハロゲン化炭化水素(置換基としてハロゲン原子を有する炭化水素)、ニトリル化合物(シアノ基を有する化合物)、ニトロ化合物(ニトロ基を有する化合物)、エステル化合物(エステル結合を有する化合物)、炭化水素が好ましい。
前記エーテル化合物としては、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、1,2-ジメトキシエタン、1,2-ジエトキシエタン等の鎖状又は環状のエーテル化合物が例示できる。
前記ハロゲン化炭化水素としては、1,2-ジクロロエタン、クロロベンゼン等の脂肪族又は芳香族ハロゲン化炭化水素が例示できる。
前記ニトリル化合物としては、プロピオニトリルが例示できる。
前記ニトロ化合物としては、ニトロメタンが例示できる。
前記エステル化合物としては、酢酸エチルが例示できる。
前記炭化水素としては、トルエンが例示できる。
反応溶媒は、これらのなかでも、エーテル化合物、ハロゲン化炭化水素、ニトリル化合物、ニトロ化合物、炭化水素が好ましい。

【0075】
反応溶媒は一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用して混合溶媒としてもよい。二種以上を併用する場合には、その組み合わせ及び比率は、目的に応じて適宜選択すればよい。

【0076】
反応溶媒の使用量は、化合物(2)の濃度が、好ましくは0.05~5mol/L、より好ましくは0.08~3mol/Lとなるように、調整するとよい。

【0077】
<化合物(3)>
本発明においては、例えば、化合物(1)、化合物(2)、求核種供与体及び含フッ素ブレンステッド酸を、必要に応じてその他の成分の共存下、反応溶媒中で混合し、反応させることで、化合物(3)が得られる。
化合物(3)において、Rは、化合物(1)におけるRと同じである。また、化合物(3)において、R及びRは、化合物(2)におけるR及びRと同じである。また、化合物(3)において、Xは前記求核種供与体から供与される求核種に由来する一価の基である。

【0078】
反応温度は、適宜調整すればよく、特に限定されないが、通常は、30~150℃が好ましく、40~130℃がより好ましく、50~120℃が特に好ましい。
反応時間は、反応温度等、その他の反応条件に応じて適宜調整すればよいが、通常は、1~120時間が好ましく、2~100時間がより好ましく、3~80時間が特に好ましい。

【0079】
さらに、本発明においては、化合物(1)、化合物(2)、及び含フッ素ブレンステッド酸を、必要に応じてその他の成分の共存下、反応溶媒中で混合して、一段階目の反応を行い、次いで、求核種供与体を同一反応容器に添加して二段階目の反応を行う、二段階式の反応を適用することで、化合物(3)がより高収率で得られることがある。この場合、一段階目の反応では、化合物(1)と化合物(2)とが反応して、中間体が生成するが、この中間体は比較的安定なことがあるので、その場合には、この中間体を取り出して、必要な処理を行ってから二段階目の反応を行ってもよい。
二段階式の反応の適用の有無は、使用する原料の組み合わせ等に応じて、適宜選択すればよい。

【0080】
一段階目及び二段階目の反応時における温度は、いずれも上記と同様でよい。そして、一段階目と二段階目とで反応温度を変えてもよいし、一段階目及び二段階目のいずれにおいても、反応温度を変化させながら反応させてもよい。
また、反応時間は、一段階目及び二段階目の合計で、上記と同様になるように調整することが好ましい。
化合物(1)、化合物(2)、求核種供与体及び含フッ素ブレンステッド酸等の原料や、反応溶媒の使用量も、上記と同様でよい。

【0081】
本発明においては、公知の手法によって、反応終了後、必要に応じて後処理を行い、化合物(3)を取り出せばよい。すなわち、適宜必要に応じて、ろ過、洗浄、抽出、pH調整、脱水、濃縮等の後処理操作をいずれか単独で、又は二つ以上組み合わせて行い、濃縮、結晶化、再沈殿、カラムクロマトグラフィー等により、化合物(3)を取り出せばよい。また、取り出した生成物は、さらに必要に応じて、結晶化、再沈殿、カラムクロマトグラフィー、抽出、溶媒による結晶の撹拌洗浄等の操作をいずれか単独で、又は二つ以上組み合わせて一回以上行うことで、精製してもよい。

【0082】
化合物(3)は、その種類によっては、別途反応を行うことで、Rを変換することもできる。この反応は、通常、複素環を構成する窒素原子の保護基を変換する反応として知られており、公知の方法を適宜選択できる。例えば、水素原子以外の基であるRを水素原子に変換する反応は、脱保護反応であり、例えば、Rをベンジル基(-Bn)から水素原子に変換する反応(脱ベンジル化反応)が挙げられる。

【0083】
例えば、本発明において、Rが水素原子である化合物(1)を使用した場合に、何らかの理由で化合物(3)の収率が向上しない場合には、Rが水素原子以外の基である化合物を使用して対応する化合物(3)を得た後、該化合物(3)を脱保護反応に供して、Rを水素原子に変換することで、目的物を得ることもできる。

【0084】
本発明においては、上記のように、化合物(2)及び含フッ素ブレンステッド酸を組み合わせて使用することで、化合物(1)のβ位にアルキル基等を選択的且つ円滑に導入できる。しかも、含フッ素ブレンステッド酸は、使用量が極めて少量であり、多数が市販され、調製も容易である。また、貴金属を含まないため安価である。また、アルキル基等の導入原料である化合物(2)は、カルボニル化合物であり、これらは極めて広範な種類のものを安価且つ容易に入手できるので汎用性が高く、しかも、アルキル基等として広範な種類のものを導入でき、製造できる化合物(3)の構造上の制約が極めて少ない。また、化合物(3)は、短い工程数で複雑な操作を必要とせずに製造できる。さらに、金属を含む触媒が不要なため、本発明は環境へ与える負荷が極めて小さい。このように、本発明は、化合物(3)の簡便且つ実用的な新規の製造方法を提供するものである。
【実施例】
【0085】
以下、具体的実施例により、本発明についてさらに詳しく説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下に示す含フッ素ブレンステッド酸の使用量(mol%)は、すべて化合物(2)を基準とした量である。また、「mmol」は10-3モルを示す。さらに、各略号はそれぞれ以下のものを示す。
Ph:フェニル基
Et:エチル基
t-Bu:tert-ブチル基
Bn:ベンジル基
HNTf:前記式(42)で表される含フッ素ブレンステッド酸
HNNf:前記式(41)で表される含フッ素ブレンステッド酸
HN(SOCFCF:前記式(43)で表される含フッ素ブレンステッド酸
HOTf:前記式(46)で表される含フッ素ブレンステッド酸
HONf:前記式(45)で表される含フッ素ブレンステッド酸
HCTf:前記式(44)で表される含フッ素ブレンステッド酸
【実施例】
【0086】
(実施例1)
表1及び2に示すように、Rがメチル基である化合物(1)(1.80mmol)、Rがメチル基、Rがn-オクチル基である化合物(2)(0.60mmol)、トリエチルシラン(0.90mmol)及びHNTf(3mol%)を1,4-ジオキサン(0.60ml)中で混合し、85℃で5時間反応させた。次いで、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的物である化合物(3101)を取り出した。なお表2中、「収率(%)」は、化合物(2)を基準とした目的物の単離収率(%)を示す。
得られた化合物(3101)のNMRデータを以下に示す。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ0.87 (t, J = 7.2 Hz, 3 H), 1.17 (d, J = 6.9 Hz, 3 H), 1.20-1.35 (m, 12 H), 1.37-1.47 (m, 1 H), 1.48-1.60 (m, 1 H), 2.60 (sext, J = 6.9 Hz, 1 H), 3.60 (s, 3 H), 5.99 (t, J = 2.3 Hz, 1 H), 6.37 (t, J = 2.0 Hz, 1 H), 6.51 (t, J = 2.3 Hz, 1 H).
13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ14.1, 22.2, 22.7, 27.7, 29.4, 29.7, 29.9, 31.8, 31.9, 36.0, 38.8, 106.6, 118.0, 121.2, 131.1.
【実施例】
【0087】
【化6】
JP0005842252B2_000007t.gif
【実施例】
【0088】
(実施例2)
表1及び2に示す条件で反応を行ったこと以外は、実施例1と同様にして化合物(3102)を得た。
得られた化合物(3102)のNMRデータを以下に示す。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ0.88 (t, J = 7.0 Hz, 3 H), 1.17 (d, J = 6.9 Hz, 3 H), 1.22-1.34 (m, 4 H), 1.37-1.48 (m, 1 H), 1.49-1.59 (m, 1 H), 2.60 (sext, J = 6.9 Hz, 1 H), 3.60 (s, 3 H), 5.99 (t, J = 2.2 Hz, 1 H), 6.37 (t, J = 2.0 Hz, 1 H), 6.50 (dd, J = 2.6, 2.3 Hz, 1 H).
13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ14.1, 22.2, 22.9, 29.9, 31.8, 36.0, 38.5, 106.7, 118.0, 121.2, 131.1.
【実施例】
【0089】
【化7】
JP0005842252B2_000008t.gif
【実施例】
【0090】
(実施例3)
表1及び2に示す条件で反応を行ったこと以外は、実施例1と同様にして化合物(3103)を得た。
得られた化合物(3103)のNMRデータを以下に示す。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ0.84 (t, J = 7.5 Hz, 6 H), 1.40-1.51 (m, 2 H), 1.51-1.65 (m, 2 H), 2.25 (tt, J = 8.1, 5.6 Hz, 1 H), 3.60 (s, 3 H), 5.93 (t, J = 2.2 Hz, 1 H), 6.35 (t, J = 1.9 Hz, 1 H), 6.51 (t, J = 2.4 Hz, 1 H).
13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ12.1, 29.0, 36.0, 41.2, 106.9, 119.0, 121.1, 128.6.
【実施例】
【0091】
【化8】
JP0005842252B2_000009t.gif
【実施例】
【0092】
(実施例4)
表1及び2に示す条件で反応を行ったこと以外は、実施例1と同様にして化合物(3104)を得た。なお、表2中、R及びRとして一つの基のみを記載しているが、これは、R及びRが相互に結合して環を形成していることを示す。これは、以降の実施例においても同様である。
得られた化合物(3104)のNMRデータを以下に示す。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ1.45-1.60 (m, 6 H), 1.60-1.67 (m, 2 H), 1.67-1.79 (m, 2 H), 1.93-2.02 (m, 2 H), 2.60-2.69 (m, 1 H), 3.60 (s, 3 H), 5.99 (t, J = 2.0 Hz, 1 H), 6.38 (t, J = 2.0 Hz, 1 H), 6.50 (t, J = 2.6 Hz, 1 H).
13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ26.5, 28.3, 36.0, 36.8, 38.6, 106.8, 117.6, 121.3, 132.5.
【実施例】
【0093】
【化9】
JP0005842252B2_000010t.gif
【実施例】
【0094】
(実施例5)
表1及び2に示すように、Rがメチル基である化合物(1)(2.40mmol)、R及びRが相互に結合してアダマンチル基を形成している化合物(2)(0.60mmol)及びHNTf(3mol%)を1,4-ジオキサン(0.6ml)中で混合し、100℃で24時間反応させた。次いで、トリエチルシラン(0.90mmol)を添加し、さらに100℃で3時間反応させた。次いで、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的物である化合物(3105)を取り出した。なお表2中、「反応時間(h):24→3」との記載は、トリエチルシラン添加前に100℃で24時間、さらにトリエチルシラン添加後に100℃で3時間反応させたことを示す。これは、以降の実施例においても同様である。
得られた化合物(3105)のNMRデータを以下に示す。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ1.51 (d, J = 12.6 Hz, 2 H), 1.75 (s, 3 H), 1.84-1.95 (m, 5 H), 1.99 (d, J = 12.6 Hz, 2 H), 2.15 (s, 2 H), 2.92 (s, 1 H), 3.63 (s, 3 H), 6.02 (t, J = 2.0 Hz, 1 H), 6.42 (dd, J = 3.2, 2.0 Hz, 1 H), 6.54 (t, J = 2.6 Hz, 1 H).
13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ28.15, 28.19, 32.15, 32.17, 36.1, 38.3, 39.0, 42.7, 107.1, 118.8, 121.0, 128.4.
【実施例】
【0095】
【化10】
JP0005842252B2_000011t.gif
【実施例】
【0096】
(実施例6)
表1及び2に示す条件で反応を行ったこと以外は、実施例1と同様にして化合物(3106)を得た。
得られた化合物(3106)のNMRデータを以下に示す。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ1.73 (qd, J = 12.5, 3.0 Hz, 2 H), 2.21 (dq, J = 13.8, 3.3 Hz, 2 H), 2.47 (tt, J = 11.8, 3.3 Hz, 1 H), 2.63-2.70 (m, 2 H), 2.79 (td, J = 12.9, 3.5 Hz, 2 H), 3.61 (s, 3 H), 6.00 (t, J = 2.3 Hz, 1 H), 6.38 (t, J = 2.0 Hz, 1 H), 6.52 (t, J = 2.6 Hz, 1 H).
13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ29.1, 35.6, 36.0, 36.1, 106.4, 117.7, 121.5, 130.1.
【実施例】
【0097】
【化11】
JP0005842252B2_000012t.gif
【実施例】
【0098】
(実施例7)
表1及び2に示す条件で反応を行ったこと以外は、実施例1と同様にして化合物(3107)を得た。
得られた化合物(3107)のNMRデータを以下に示す。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ1.19 (d, J = 6.9 Hz, 3 H), 1.42-1.51 (m, 1 H), 1.55-1.62 (m, 1 H), 1.58 (d, J = 0.6 Hz, 3 H), 1.68 (d, J = 1.2 Hz, 3 H), 1.97 (q, J = 7.4 Hz, 2 H), 2.62 (sext, J = 7.0 Hz, 1 H), 3.60 (s, 3 H), 5.10-5.15 (m, 1 H), 5.99 (t, J = 2.3 Hz, 1 H), 6.37 (t, J = 1.7 Hz, 1 H), 6.51 (t, J = 2.6 Hz, 1 H).
13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ17.7, 22.2, 25.7, 26.1, 31.4, 36.0, 38.7, 106.7, 118.1, 121.3, 125.0, 130.8, 131.1.
【実施例】
【0099】
【化12】
JP0005842252B2_000013t.gif
【実施例】
【0100】
(実施例8)
表1及び2に示す条件で反応を行ったこと以外は、実施例1と同様にして化合物(3108)を得た。
得られた化合物(3108)のNMRデータを以下に示す。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ1.20 (d, J = 6.8 Hz, 3 H), 1.44-1.74 (m, 4 H), 2.03 (s, 3 H), 2.64 (sext, J = 6.9 Hz, 1 H), 3.60 (s, 3 H), 4.04 (t, J = 6.6 Hz, 2 H), 5.97 (t, J = 2.1 Hz, 1 H), 6.37 (t, J = 1.8 Hz, 1 H), 6.51 (t, J = 2.5 Hz, 1 H).
13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ21.0, 22.2, 26.7, 31.6, 34.8, 36.0, 64.9, 106.6, 118.1, 121.4, 130.1, 171.3.
【実施例】
【0101】
【化13】
JP0005842252B2_000014t.gif
【実施例】
【0102】
(実施例9)
表1及び2に示す条件で反応を行ったこと以外は、実施例1と同様にして化合物(3109)を得た。なお、ここでは化合物(3109)として、ジアステレオマーの混合物(78/22、モル比)が得られた。
得られた化合物(3109)のNMRデータを以下に示す。
メジャーアイソマー:
1H NMR (500 MHz) δ1.27 (d, J = 7.2 Hz, 3 H), 2.10-2.23 (m, 2 H), 2.88 (td, J = 9.5, 3.8 Hz, 1 H), 3.34 (qd, J = 7.1, 3.8 Hz, 1 H), 3.61 (s, 3 H), 4.10-4.20 (m, 2 H), 6.01 (t, J = 2.3 Hz, 1 H), 6.44 (t, J = 1.7 Hz, 1 H), 6.53 (t, J = 2.4 Hz, 1 H).
13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ16.5, 24.3, 31.7, 36.1, 45.8, 66.7, 107.1, 118.8, 121.8, 126.5, 178.8.
マイナーアイソマー:
1H MNR (500 MHz) δ1.34 (d, J = 7.2 Hz, 3 H), 2.05 (dq, J = 12.7, 8.5 Hz, 1 H), 2.12-2.20 (m, 1 H), 2.68 (td, J = 9.0, 4.5 Hz, 1 H), 3.42 (qd, J = 7.2, 4.3 Hz, 1 H), 3.59 (s, 3 H), 3.93 (td, J = 8.7, 4.4 Hz, 1 H), 4.09 (dt, J = 8.6, 8.0 Hz, 1 H), 6.00 (t, J = 2.3 Hz, 1 H), 6.43 (dd, J = 2.7 Hz, 1 H), 6.50 (t, J = 2.5 Hz, 1H).
13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ19.7, 23.8, 31.7, 36.1, 46.5, 66.8, 107.5, 119.8, 121.5, 124.1, 179.4.
【実施例】
【0103】
【化14】
JP0005842252B2_000015t.gif
【実施例】
【0104】
(実施例10)
表1及び2に示す条件で反応を行ったこと以外は、実施例1と同様にして化合物(3110)を得た。
得られた化合物(3110)のNMRデータを以下に示す。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ1.19 (d, J = 6.9 Hz, 3 H), 1.36-1.61 (m, 4 H), 1.76 (quint, J = 7.0 Hz, 2 H), 2.62 (sext, J = 6.8 Hz, 1 H), 3.51 (t, J = 6.9 Hz, 2 H), 3.60 (s, 3 H), 5.97 (t, J = 2.1 Hz, 1 H), 6.37 (t, J = 2.1 Hz, 1 H), 6.51 (t, J = 2.5 Hz, 1 H).
13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ22.2, 25.0, 31.8, 32.9, 36.0, 37.9, 45.2, 106.6, 118.1, 121.4, 130.5.
【実施例】
【0105】
【化15】
JP0005842252B2_000016t.gif
【実施例】
【0106】
(実施例11)
表1及び2に示す条件で反応を行ったこと以外は、実施例5と同様にして化合物(3111)を得た。
得られた化合物(3111)のNMRデータを以下に示す。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ1.56 (d, J = 7.3 Hz, 3 H), 3.58 (s, 3 H), 4.00 (q, J = 7.2 Hz, 1 H), 5.96 (t, J = 2.1 Hz, 1 H), 6.31 (t, J = 2.1 Hz, 1 H), 6.51 (t, J = 2.3 Hz, 1 H), 7.13-7.21 (m, 1 H), 7.23-7.33 (m, 4 H).
13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ22.8, 36.1, 38.0, 107.5, 118.9, 121.6, 125.7, 127.4, 128.2, 129.7, 147.9.
【実施例】
【0107】
【化16】
JP0005842252B2_000017t.gif
【実施例】
【0108】
(実施例12)
表1及び2に示す条件で反応を行ったこと以外は、実施例5と同様にして化合物(3201)を得た。
得られた化合物(3201)のNMRデータを以下に示す。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ0.87 (t, J = 6.9 Hz, 3 H), 1.18-1.39 (m, 12 H), 1.23 (d, J = 6.9 Hz, 3 H), 1.44-1.63 (m, 2 H), 2.68 (sext, J = 6.9 Hz, 1 H), 6.21 (t, J = 2.3 Hz, 1 H), 6.87 (s, 1 H), 7.02 (t, J = 2.6 Hz, 1 H), 7.19 (t, J = 6.9 Hz, 1 H), 7.34-7.43 (m, 4 H).
13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ14.1, 21.9, 22.7, 27.6, 29.4, 29.6, 29.9, 31.9, 38.5, 109.4, 115.3, 118.7, 119.9, 125.0, 129.4, 133.0, 140.9(一つのシグナルは、他のシグナルに重なったため、明瞭に確認できなかった。).
【実施例】
【0109】
【化17】
JP0005842252B2_000018t.gif
【実施例】
【0110】
(実施例13)
表1及び2に示す条件で反応を行ったこと以外は、実施例1と同様にして化合物(3301)を得た。
得られた化合物(3301)のNMRデータを以下に示す。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ0.88 (s, 9 H), 1.50 (s, 9 H), 2.31 (s, 2 H), 5.93 (t, J = 2.0 Hz, 1 H), 6.55 (t, J = 2.0 Hz, 1 H), 6.70 (t, J = 2.6 Hz, 1 H).
13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ29.4, 30.7, 31.1, 41.9, 54.2, 109.6, 116.3, 116.9, 120.7.
【実施例】
【0111】
【化18】
JP0005842252B2_000019t.gif
【実施例】
【0112】
(実施例14)
表1及び2に示す条件で反応を行ったこと以外は、実施例5と同様にして化合物(3112)を得た。
得られた化合物(3112)のNMRデータを以下に示す。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ1.61 (ddd, J = 13.1, 3.6, 2.7 Hz, 2 H), 1.70-1.77 (m, 3 H), 1.92 (ddd, J = 13.3, 3.6, 2.7 Hz, 2 H), 1.97-2.05 (m, 3 H), 2.41 (dd, J = 13.2, 2.3 Hz, 2 H), 2.46 (t, J = 2.9 Hz, 2 H), 3.64 (s, 3 H), 6.10 (dd, J = 2.9, 1.7 Hz, 1 H), 6.55 (dd, J = 2.3, 1.7 Hz, 1 H), 6.57 (dd, J = 2.9, 2.3 Hz, 1 H).
13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ26.9, 31.5, 34.1, 34.9, 36.4, 37.63, 37.64, 42.9, 106.5, 119.6, 122.1, 123.0, 124.9.
【実施例】
【0113】
【化19】
JP0005842252B2_000020t.gif
【実施例】
【0114】
(実施例15)
表1及び2に示すように、Rがベンジル基である化合物(1)(1.20mmol)、Rがメチル基でRがn-ヘキシル基である化合物(2)(0.30mmol)及びHNTf(5mol%)を1,4-ジオキサン(2.4ml)中で混合し、100℃で8時間反応させた。次いで、2-メチルフラン(0.75mmol)を添加し、さらに70℃で15時間反応させた。次いで、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的物である化合物(3401)を取り出した。なお表2中、「反応温度(℃):100→70」及び「反応時間(h):8→15」との記載は、2-メチルフラン添加前に100℃で8時間、さらに2-メチルフラン添加後に70℃で15時間反応させたことを示す。
得られた化合物(3401)のNMRデータを以下に示す。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ0.85 (t, J = 6.9 Hz, 3 H), 1.07-1.30 (m, 8 H), 1.51 (s, 3 H), 1.77-1.86 (m, 1 H), 1.90-2.00 (m, 1 H), 2.24 (s, 3 H), 5.00 (s, 2 H), 5.80-5.83 (m, 1 H), 5.85 (d, J = 2.9 Hz, 1 H), 6.06 (dd, J = 2.9, 1.7 Hz, 1 H), 6.45 (t, J = 2.0 Hz, 1 H), 6.55 (t, J = 2.6 Hz, 1 H), 7.08 (d, J = 6.9 Hz, 2 H), 7.22-7.35 (m, 3 H).
13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ13.7, 14.1, 22.7, 24.6, 25.2, 29.9, 31.8, 39.1, 41.7, 53.3, 104.4, 105.3, 107.4, 118.0, 120.5, 126.9, 127.4, 128.6, 131.7, 138.5, 149.9, 161.1.
【実施例】
【0115】
【化20】
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【実施例】
【0116】
【表1】
JP0005842252B2_000022t.gif
【実施例】
【0117】
【表2】
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【実施例】
【0118】
(実施例16~25)
表3及び4に示す条件で反応を行ったこと以外は、実施例1と同様にして化合物(3101)を得た。得られた化合物(3101)のNMRデータは、いずれの場合も、実施例1の場合と同様であった。なお表4中、「収率(%)」は、化合物(2)を基準とした目的物の収率(%)を示し、NMRデータから求めたものである。
【実施例】
【0119】
【表3】
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【実施例】
【0120】
【表4】
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【産業上の利用可能性】
【0121】
本発明は、医薬品、各種化成品、高機能性材料等の製造に利用可能である。