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明細書 :ポリペプチド、遺伝子、発現ベクター、及びタンパク質を小胞体に輸送する方法、並びに、シグナルペプチドの設計方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2014-045730 (P2014-045730A)
公開日 平成26年3月17日(2014.3.17)
発明の名称または考案の名称 ポリペプチド、遺伝子、発現ベクター、及びタンパク質を小胞体に輸送する方法、並びに、シグナルペプチドの設計方法
国際特許分類 C12N  15/09        (2006.01)
C07K  14/47        (2006.01)
C07K  19/00        (2006.01)
C12P  21/02        (2006.01)
FI C12N 15/00 ZNAA
C07K 14/47
C07K 19/00
C12P 21/02 C
請求項の数または発明の数 10
出願形態 OL
全頁数 16
出願番号 特願2012-192318 (P2012-192318)
出願日 平成24年8月31日(2012.8.31)
発明者または考案者 【氏名】小西 達也
【氏名】高田 浩武
【氏名】池田 有理
【氏名】高知尾 尚志
【氏名】佐々木 貴規
出願人 【識別番号】801000027
【氏名又は名称】学校法人明治大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100064908、【弁理士】、【氏名又は名称】志賀 正武
【識別番号】100106909、【弁理士】、【氏名又は名称】棚井 澄雄
【識別番号】100108578、【弁理士】、【氏名又は名称】高橋 詔男
【識別番号】100126882、【弁理士】、【氏名又は名称】五十嵐 光永
審査請求 未請求
テーマコード 4B024
4B064
4H045
Fターム 4B024AA01
4B024AA20
4B024BA80
4B024CA01
4B024CA07
4B024DA02
4B024DA06
4B024DA12
4B024EA02
4B024EA03
4B024EA04
4B024GA11
4B024HA01
4B024HA17
4B064AG01
4B064BJ12
4B064CA19
4B064CC24
4B064DA20
4H045AA10
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA41
4H045CA40
4H045EA20
4H045FA74
要約 【課題】輸送対象とするタンパク質の物性に依存せずに、該タンパク質を効率よく小胞体に輸送できる方法、並びに、該方法に用いられるポリペプチド、遺伝子、及び発現ベクターを提供する。
【解決手段】ポリペプチドは、以下の(a)又は(b)のアミノ酸配列からなり、かつ小胞体への輸送シグナルペプチド活性を有することを特徴とするポリペプチド。特定のアミノ酸配列(a)で表される配列、特定のアミノ酸配列(b)で表される配列、において、1~10個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されているアミノ酸配列。
【選択図】図4
特許請求の範囲 【請求項1】
以下の(a)又は(b)のアミノ酸配列からなり、かつ小胞体への輸送活性を有することを特徴とするポリペプチド。
(a)配列番号1又は2で表されるアミノ酸配列、
(b)配列番号1又は2で表されるアミノ酸配列において、1~10個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されているアミノ酸配列
【請求項2】
請求項1に記載のポリペプチドをコードすることを特徴とする遺伝子。
【請求項3】
以下の(c)~(f)のいずれか一つのDNAからなり、かつ小胞体への輸送活性を有するポリペプチドをコードすることを特徴とする遺伝子。
(c)配列番号3で表される塩基配列からなるDNA、
(d)配列番号3で表される塩基配列において、1~30個の塩基が欠失、置換又は付加されている塩基配列からなるDNA、
(e)配列番号3で表される塩基配列と同一性が80%以上である塩基配列からなるDNA、又は、
(f)配列番号3で表される塩基配列からなるDNAと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる塩基配列からなるDNA
【請求項4】
タンパク質を小胞体に輸送するための発現ベクターであって、
請求項2又は3に記載の遺伝子と、前記タンパク質をコードする外来遺伝子と、を含むことを特徴とする発現ベクター。
【請求項5】
タンパク質を小胞体に輸送する方法であって、前記タンパク質と請求項1に記載のポリペプチドとからなる融合タンパク質を細胞に導入する工程を有することを特徴とする方法。
【請求項6】
タンパク質を小胞体に輸送する方法であって、請求項4に記載の発現ベクターを細胞に導入する工程を有することを特徴とする方法。
【請求項7】
小胞体への輸送活性を有するシグナルペプチドの設計方法であって、
データベースから、既知のシグナルペプチドを有するタンパク質のアミノ酸配列データを複数抽出する工程Aと、
前記工程Aで抽出されたデータからシグナルペプチド相当領域のデータを抽出する工程Bと、
前記工程Bで抽出されたデータを構成するアミノ酸配列において、アミノ酸残基位置におけるアミノ酸残基の種類の出現度合いを示す位置特異的スコアを算出し、該位置特異的スコアに基づいてモデル配列を設計する工程Cと、
を有することを特徴とするシグナルペプチドの設計方法。
【請求項8】
前記工程Bと前記工程Cの間に、
前記工程Bで抽出されたデータを構成するアミノ酸配列を、所定の相同性を有する配列ごとにクラスタリングし、各クラスターから無作為に代表配列を決定し、該代表配列からなるデータを抽出する工程Dを有する請求項7に記載のシグナルペプチドの設計方法。
【請求項9】
前記位置特異的スコアは、各タンパク質のシグナルペプチド相当領域内の位置に存在するアミノ酸残基の出現頻度である位置特異的アミノ酸出現率と、アミノ酸残基位置における各アミノ酸残基の出現率の平均値である領域全体のアミノ酸出現率と、を用いて
【数1】
JP2014045730A_000009t.gif
から算出されたものである請求項7又は8に記載のシグナルペプチドの設計方法。
【請求項10】
前記位置特異的アミノ酸出現率は、各タンパク質のシグナルペプチド相当領域内の位置pに存在するアミノ酸残基iの出現頻度であり、種類iのアミノ酸残基が位置pに存在するタンパク質の個数を示すnipと、前記出現頻度の調整値を示すεと、アミノ酸残基の種類数sとを用いて、
【数2】
JP2014045730A_000010t.gif
から算出されたものである請求項9に記載のシグナルペプチドの設計方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリペプチド、遺伝子、発現ベクター、及びタンパク質を小胞体に輸送する方法、並びに、シグナルペプチドの設計方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
生体内の多くのタンパク質は、分泌シグナルペプチド(以下、シグナルペプチドという。)、核局在シグナル、ミトコンドリア移行シグナル等のシグナルを有しており、翻訳後、これらのタンパク質は、該シグナルによって各オルガネラに輸送される。
分泌タンパク質及び膜タンパク質の多くは、N末端に24~25アミノ酸残基からなるシグナルペプチドを有する前駆体として翻訳された後、該シグナルペプチドにより、小胞体に移行する。小胞体に移行したこれらタンパク質は、小胞体内でシグナルペプチドの切断等の成熟化を受け、細胞外へ分泌されるか、細胞膜に挿入され、その機能を発揮する。
【0003】
シグナルペプチドを有するタンパク質としては、CD14、CD16b等の受容体、5’-ヌクレオチダーゼ、アルカリフォスファターゼ等の酵素等の生体反応に極めて重要なタンパク質が多く発見されている。また、狂牛病関連のプリオンタンパク質や、癌関連のヒト癌胎児性抗原(CEA)等、重篤な疾患に関わるタンパク質も見出されている。
【0004】
これらのタンパク質の小胞体移行の異常は、成熟化を阻害し、該タンパク質の異常をもたらすものと考えられる。そして、該タンパク質の異常は、適切な生体反応を阻害し、重篤な疾患をもたらすおそれがある。
従って、該タンパク質の異常を抑制すべく、該タンパク質を小胞体に適切に輸送できる技術の開発が求められている。
【0005】
このような要求に対して、隠れマルコフモデルを用いて、タンパク質を小胞体に輸送できるシグナルペプチド(以下、シグナルペプチドという。)の設計方法が提案されている(非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【0006】

【非特許文献1】Barash S,et.al.,Biochem Biophys Res Commun.,(2002) vol.294,pp.835-842.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、非特許文献1に記載の方法は、モデルアミノ酸配列作成のためのデータとしてヒト由来のタンパク質のアミノ酸配列情報しか用いておらず、更に冗長性の排除を行っていないため、シグナルペプチドらしさを示す、配列に偏りのないシグナルペプチドを得るという点では難がある。
このようなシグナルペプチドは、輸送対象とするタンパク質の物性によっては、小胞体輸送を適切に行えないおそれもあり、対象とするタンパク質に依存せずに輸送能力を保持したシグナルペプチドを取得するという点では未だ改良の余地があった。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、輸送対象とするタンパク質の物性に依存せずに、該タンパク質を適切に小胞体に輸送できる方法、並びに、該方法に用いられるポリペプチド、遺伝子、発現ベクター、及びシグナルペプチドの設計方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、バイオインフォマティクス的解析により、自然界にない人工シグナルペプチドを設計し、該シグナルペプチドと輸送対象のタンパク質とを融合させることにより、該タンパク質を小胞体へ効率よく輸送できることを見出し、本発明を完成させた。
【0010】
すなわち、本発明は、ポリペプチド、遺伝子、発現ベクター、及びタンパク質を小胞体に輸送する方法、並びに、シグナルペプチドの設計方法を提供するものである。
【0011】
(1)以下の(a)又は(b)のアミノ酸配列からなり、かつ小胞体への輸送活性を有することを特徴とするポリペプチド。
(a)配列番号1又は2で表されるアミノ酸配列、
(b)配列番号1又は2で表されるアミノ酸配列において、1~10個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されているアミノ酸配列
(2)前記(1)のポリペプチドをコードすることを特徴とする遺伝子。
(3)以下の(c)~(f)のいずれか一つのDNAからなり、かつ小胞体への輸送活性を有するポリペプチドをコードすることを特徴とする遺伝子。
(c)配列番号3で表される塩基配列からなるDNA、
(d)配列番号3で表される塩基配列において、1~30個の塩基が欠失、置換又は付加されている塩基配列からなるDNA、
(e)配列番号3で表される塩基配列と同一性が80%以上である塩基配列からなるDNA、又は、
(f)配列番号3で表される塩基配列からなるDNAと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる塩基配列からなるDNA
(4)タンパク質を小胞体に輸送するための発現ベクターであって、
前記(2)又は前記(3)の遺伝子と、前記タンパク質をコードする外来遺伝子と、を含むことを特徴とする発現ベクター。
(5)タンパク質を小胞体に輸送する方法であって、前記タンパク質と請求(1)のポリペプチドとからなる融合タンパク質を細胞に導入する工程を有することを特徴とする方法。
(6)タンパク質を小胞体に輸送する方法であって、前記(4)の発現ベクターを細胞に導入する工程を有することを特徴とする方法。
【0012】
(7)小胞体への輸送活性を有するシグナルペプチドの設計方法であって、
データベースから、既知のシグナルペプチドを有するタンパク質のアミノ酸配列データを複数抽出する工程Aと、
前記工程Aで抽出されたデータからシグナルペプチド相当領域のデータを抽出する工程Bと、
前記工程Bで抽出されたデータを構成するアミノ酸配列において、アミノ酸残基位置におけるアミノ酸残基の種類の出現度合いを示す位置特異的スコアを算出し、該位置特異的スコアに基づいてモデル配列を設計する工程Cと、
を有することを特徴とするシグナルペプチドの設計方法。
(8)前記工程Bと前記工程Cの間に、
前記工程Bで抽出されたデータを構成するアミノ酸配列を、所定の相同性を有する配列ごとにクラスタリングし、各クラスターから無作為に代表配列を決定し、該代表配列からなるデータを抽出する工程Dを有する前記(7)のシグナルペプチドの設計方法。
(9)前記位置特異的スコアは、各タンパク質のシグナルペプチド相当領域内の位置に存在するアミノ酸残基の出現頻度である位置特異的アミノ酸出現率と、アミノ酸残基位置における各アミノ酸残基の出現率の平均値である領域全体のアミノ酸出現率と、を用いて
【数1】
JP2014045730A_000003t.gif
から算出されたものである前記(7)又は前記(8)のシグナルペプチドの設計方法。
(10)前記位置特異的アミノ酸出現率は、各タンパク質のシグナルペプチド相当領域内の位置pに存在するアミノ酸残基iの出現頻度であり、種類iのアミノ酸残基が位置pに存在するタンパク質の個数を示すnipと、前記出現頻度の調整値を示すεと、アミノ酸残基の種類数sとを用いて、
【数2】
JP2014045730A_000004t.gif
から算出されたものである前記(9)のシグナルペプチドの設計方法。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、輸送対象とするタンパク質の物性に依存せずに、該タンパク質を効率よく小胞体に輸送できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、位置特異的アミノ酸出現率の算出結果を示す。
【図2】図2は、領域全体のアミノ酸出現率の算出結果を示す。
【図3】図3は、位置特異的スコアの算出結果を示す。
【図4】図4(a)は、人工シグナルペプチド-GFP融合タンパク質の分布を示し、 図4(b)は、小胞体の分布を示す。
【図5】図5(a)は、GFPの分布を示し、図5(b)は、小胞体の分布を示す。
【図6】図6(a)は、プリオン由来の天然シグナルペプチド-GFP融合タンパク質の分布を示し、図6(b)は、小胞体の分布を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<シグナルペプチドの設計方法>
本実施形態のシグナルペプチドの設計方法は、小胞体への輸送活性を有するシグナルペプチドの設計方法であって、
データベースから、既知のシグナルペプチドを有するタンパク質のアミノ酸配列データを複数抽出する工程Aと、
前記工程Aで抽出されたデータからシグナルペプチド相当領域のデータを抽出する工程Bと、
前記工程Bで抽出されたデータを構成するアミノ酸配列を、所定の相同性を有する配列ごとにクラスタリングし、各クラスターから無作為に代表配列を決定し、該代表配列からなるデータを抽出する工程Dと、
前記工程Dで抽出されたデータを構成するアミノ酸配列において、アミノ酸残基位置におけるアミノ酸残基の種類の出現度合いを示す位置特異的スコアを算出し、該位置特異的スコアに基づいてモデル配列を設計する工程Cと、
を有する。

【0016】
前記位置特異的スコアは、各タンパク質のシグナルペプチド相当領域内の位置に存在するアミノ酸残基の出現頻度である位置特異的アミノ酸出現率と、アミノ酸残基位置における各アミノ酸残基の出現率の平均値である領域全体のアミノ酸出現率と、を用いて
【数3】
JP2014045730A_000005t.gif
から算出されたものであることが好ましい。

【0017】
更に、前記位置特異的アミノ酸出現率は、各タンパク質のシグナルペプチド相当領域内の位置pに存在するアミノ酸残基iの出現頻度であり、種類iのアミノ酸残基が位置pに存在するタンパク質の個数を示すnipと、前記出現頻度の調整値を示すεと、アミノ酸残基の種類数sとを用いて、
【数4】
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から算出されたものであることが好ましい。
以下、本実施形態のシグナルペプチドの設計方法及び該方法を用いて得られた人工シグナルペプチドについて詳細に説明する。

【0018】
<人工シグナルペプチド>
天然に存在するシグナルペプチドのアミノ酸配列は、輸送対象のタンパク質によってそれぞれ異なる。輸送対象とするタンパク質の物性に依存せずに、タンパク質を効率よく小胞体に輸送することができるシグナルペプチドを設計するために、シグナルペプチド設計装置は、先ず、SWISS-PROT ver.57.0より、シグナルペプチドを有する既知の哺乳類タンパク質のアミノ酸配列データを抽出した。抽出条件は、OC行に”Mammalia”の記述があること、FT SIGNAL行を持ち、同行にPotential、Probableの記述がないこと、アミノ酸配列の先頭がメチオニンであること、の3つの条件を全て満たすものとした。抽出したタンパク質データセットのエントリー数は3880であった。

【0019】
次いで、シグナルペプチド設計装置は、抽出した各タンパク質のアミノ酸配列のデータから、N末端から24アミノ酸残基のシグナルペプチド相当領域のみを切り出した。この領域のデータセットを、CD-HIT(http://weizhong-lab.ucsd.edu/cd-hit/に開示されている。)を用いて70%以上の相同性(アミノ酸配列の同一性)を有する配列ごとにクラスタリングし、各クラスターから無作為に代表配列を決定した。冗長性を排除したタンパク質データセットのエントリー数は1791であった。

【0020】
次いで、シグナルペプチド設計装置は、式(1)を用いて、各タンパク質のシグナルペプチド相当領域内の位置pに存在するアミノ酸残基iの出現頻度(以下、位置特異的アミノ酸出現率という。)を算出した。

【0021】
【数5】
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【0022】
式(1)中、nipは、種類iのアミノ酸残基が位置pに存在するタンパク質の個数を示す。また、εは算出する出現頻度の調整値を示し、ここでは1を用いている。また、sは、アミノ酸残基の種類数を示し、ここでは20を用いている。結果を図1に示す。
次いで、シグナルペプチド設計装置は、位置1から位置24における各アミノ酸の出現率の平均値を、各アミノ酸残基における領域全体のアミノ酸出現率として算出した。結果を図2に示す。

【0023】
次いで、シグナルペプチド設計装置は、式(2)を用いて、位置1から位置24における各アミノ酸の位置特異的スコアを算出した。結果を図3に示す。

【0024】
【数6】
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【0025】
シグナルペプチド設計装置は、シグナルペプチドらしさを示す配列を得るべく、各位置において、位置特異的スコアの高いアミノ酸を選択し、シグナルペプチドのモデル配列を得た。

【0026】
即ち、本実施形態のポリペプチドは、以下の(a)又は(b)のアミノ酸配列からなり、かつ小胞体への輸送活性を有する。
(a)配列番号1又は2で表されるアミノ酸配列、
(b)配列番号1又は2で表されるアミノ酸配列において、1~10個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されているアミノ酸配列

【0027】
前記(a)のアミノ酸配列は、配列番号1又は2で表されるアミノ酸配列である。
配列番号1で表されるアミノ酸配列は、M[DK][PR][KPR][IW][FR][FIL][FIY][FL][FL][IL][LV][IL][IL][GL][CY][HY][EH][DEN][DEN][DE][DE][DE][DEN]である。該アミノ酸配列は一文字表記であり、[ ]内は取り得るアミノ酸残基を示す。
配列番号1で表されるアミノ酸配列の中でも、各位置において位置特異的スコアの最も高いアミノ酸を選択した配列番号2で表されるアミノ酸配列(MKRRWRFFFFLLLLGYYEEDDDDE;該アミノ酸配列は一文字表記である。)が好ましい(図3中、網かけ部参照。)。配列番号2で表されるアミノ酸配列は、正の電荷を有するアミノ酸配列-疎水性アミノ酸配列-負の電荷を有するアミノ酸配列から構成されている。

【0028】
前記(b)としては、例えば、上述した正の電荷を有するアミノ酸配列-疎水性アミノ酸配列-負の電荷を有するアミノ酸配列からなる構成を維持した変異であって、小胞体への輸送活性を保持している変異を有するポリペプチドが挙げられる。

【0029】
ここで、欠失、置換、又は付加されてもよいアミノ酸の数としては、1 ~10個が好ましく、1 ~ 5個がより好ましい。尚、欠失、置換されてもよいアミノ酸としては、各位置において位置特異的スコアが高いアミノ酸のなかで、当該位置特異的スコアがより低いアミノ酸が好ましく、置換するアミノ酸としては各位置において位置特異的スコアがより高いアミノ酸が好ましい。
本実施形態のポリペプチドを構成するアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸に変異を導入することは、周知技術を使用して容易に行われる。
例えば、公知の点変異導入法に従えば、ポリペプチドをコードする遺伝子中の任意の塩基を変異させることができる。また、ポリペプチドをコードする遺伝子中の任意の部位に対応するプライマーを設計して欠失変異体または付加変異体を作製することができる。

【0030】
<人工シグナルペプチドをコードする遺伝子>
本実施形態の遺伝子は、前記(a)又は(b)のアミノ酸配列からなり、かつ小胞体への輸送活性を有するポリペプチドをコードする。
また、本実施形態の遺伝子は、以下の(c)~(f)のいずれか一つのDNAからなり、かつ小胞体への輸送シグナルペプチド活性を有するポリペプチドをコードする。
(c)配列番号3で表される塩基配列からなるDNA、
(d)配列番号3で表される塩基配列において、1~30個の塩基が欠失、置換又は付加されている塩基配列からなるDNA、
(e)配列番号3で表される塩基配列と相同性(塩基配列の同一性)が80%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上である塩基配列からなるDNA、又は、
(f)配列番号3で表される塩基配列からなるDNAと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる塩基配列からなるDNA

【0031】
ここで、欠失、置換、又は付加されてもよい塩基の数としては、1 ~30個が好ましく、1 ~15個がより好ましく、1 ~10個が特に好ましく、1 ~ 5個が最も好ましい。

【0032】
本発明及び本願明細書において、「ストリンジェントな条件下」とは、例えば、Molecular Cloning-A LABORATORY MANUAL THIRD EDITION(Sambrookら、Cold Spring Harbor Laboratory Press)に記載の方法が挙げられる。例えば、5×SSC(20×SSCの組成:3M 塩化ナトリウム,0.3M クエン酸溶液,pH7.0)、0.1重量% N-ラウロイルサルコシン、0.02重量%のSDS(ドデシル硫酸ナトリウム)、2重量%の核酸ハイブリダイゼーション用ブロッキング試薬、及び50%フォルムアミドから成るハイブリダイゼーションバッファー中で、55~70℃で数時間から一晩インキュベーションを行うことによりハイブリダイズさせる条件を挙げることができる。なお、インキュベーション後の洗浄の際に用いる洗浄バッファーとしては、好ましくは0.1重量%SDS含有1×SSC溶液、より好ましくは0.1重量%SDS含有0.1×SSC溶液である。

【0033】
<シグナル配列含有発現ベクター>
本実施形態のベクターは、タンパク質を小胞体に輸送するための発現ベクターであって、上述したシグナルペプチドをコードする本実施形態の遺伝子(以下、シグナル配列ともいう。)と、前記タンパク質をコードする外来遺伝子と、を含む。
該発現ベクターは、シグナルペプチドと輸送対象のタンパク質とを、細胞内で融合タンパク質として発現させるためのものであり、シグナル配列と外来遺伝子とを連結することにより得られる。
該発現ベクターにおけるシグナル配列の位置は、発現したシグナルペプチドが、小胞体への輸送能力を有していれば特に限定されず、公知のシグナルペプチドの知見から、外来遺伝子の5’末端側に位置していることが好ましい。

【0034】
本実施形態の発現ベクターに用いられるベクターとしては、対象とする細胞内で複製可能なものであって、輸送対象のタンパク質を発現できるプロモーターを有するものであれば特に限定されない。

【0035】
使用可能なベクターとしては、例えば、プラスミドDNA、ファージDNA等が挙げられる。プラスミドDNAとしては、大腸菌由来のプラスミド(例えばpBR322、pBR325、pUC118、pUC119、pUC18、pUC19、pCBD-C等)、枯草菌由来のプラスミド(例えばpUB110、pTP5、pC194等)、酵母由来のプラスミド(例えばYEp13、YEp24、YCp50、YIp30等)、ほ乳動物細胞由来プラスミド(例えばpCAT3、pcDNA3.1、pCMV等)等が挙げら、対象とする細胞の性質に応じて選択することができる。

【0036】
本実施形態で用いられるプロモーターとしては、輸送対象のタンパク質の発現を行う細胞に対応した適切なプロモーターであれば特に限定されない。
例えば、動物細胞を宿主として用いる場合は、SRαプロモーター、CMVプロモーター、SV40プロモーター、LTRプロモーター、HSV-TKプロモーター、EF-1αプロモーター等が挙げられる。
宿主が大腸菌である場合には、tacプロモーター、trpプロモーター、lacプロモーター、recAプロモーター、λPLプロモーター、lppプロモーター等が、宿主が枯草菌である場合には、SPO1プロモーター、SPO2プロモーター、penPプロモーター等が挙げられる。
宿主が酵母である場合には、PHO5プロモーター、PGKプロモーター、GAPプロモーター、ADHプロモーター等が挙げられる。
宿主が昆虫細胞である場合は、ポリヘドリンプロモーター、P10プロモーターなどが好ましい。

【0037】
本実施形態の発現ベクターには、タンパク質をコードする外来遺伝子、プロモーター以外にも、選択マーカー、ターミネーター、エンハンサー、スプライシングシグナル、ポリA付加シグナル、リボソーム結合配列(SD配列)、SV40複製起点(SV40ori)などを連結することができる。
更に、輸送対象のタンパク質を小胞体に局在させるために、外来遺伝子の3’末端側に、KDELシグナルをコードする遺伝子を連結させてもよい。係る場合、外来遺伝子の有する翻訳終止コドンを削除しておくことが好ましい。
選択マーカーとしては、特に限定されず、ハイグロマイシン耐性マーカー(Hygr)、ジヒドロ葉酸還元酵素遺伝子(dhfr)、アンピシリン耐性遺伝子(Ampr)、カナマイシン耐性遺伝子(Kanr)、ネオマイシン耐性遺伝子(Neor, G418)などが利用可能である。

【0038】
本実施形態の発現ベクターの構築は、クローニングされた外来遺伝子を制限酵素で消化して、ベクターのマルチクローニングサイトに挿入することにより行われる。挿入する外来遺伝子はその5’末端側に翻訳開始コドンとしてのATGを有してもよい。翻訳開始コドンを有するシグナル配列が外来遺伝子の5’末端側に位置する場合には、挿入する外来遺伝子はその5’末端側に翻訳開始コドンとしてのATGを有していなくともよい。
また3’末端側には翻訳終止コドンとしてのTAA、TGA又はTAGを有していてもよい。これらの翻訳開始コドンや翻訳終止コドンは、適当な合成DNAアダプターを用いて付加することもできる。挿入する外来遺伝子は、該外来遺伝子中にコードされている輸送対象のタンパク質が宿主細胞中で発現されるように(インフレームに)ベクターに組み込まれることが必要である。

【0039】
タンパク質を小胞体に輸送するに際し、シグナルペプチドと輸送対象のタンパク質とからなる融合タンパク質を発現精製した後、該融合タンパク質をマイクロインジェクション等の手段により、細胞内に導入することもできる。
係る場合、該融合タンパク質を発現させる為に用いられる発現ベクターとしては、宿主細胞に該融合タンパク質を発現させる細胞系ベクター;適当な細胞から抽出されたタンパク質合成能を有する成分からなるタンパク質翻訳系において、該融合タンパク質を発現させる無細胞系ベクターが挙げられる。

【0040】
細胞系ベクターとしては、上述した宿主細胞に適した公知の発現ベクターが用いられる。
無細胞系ベクターとしては、T7プロモーターを有する発現ベクターやT3プロモーターを有する発現ベクター;SP6プロモーター又はT7プロモーターを有するpEU系プラスミド等の小麦無細胞タンパク質合成用ベクター等が挙げられる。

【0041】
無細胞系ベクターを用いた融合タンパク質合成においては、先ず、転写系を用いて、cDNAを転写して、mRNAを合成する。係る転写系としては、RNAポリメラーゼにより転写させる従来公知のものが挙げられる。RNAポリメラーゼとしては、例えばT7RNAポリメラーゼが挙げられる。
次いで、翻訳系である無細胞タンパク質合成系を用いて、mRNAを翻訳し、融合タンパク質を合成する。この系にはリボゾーム、翻訳開始因子、翻訳伸長因子、解離因子、アミノアシルtRNA合成酵素等、翻訳に必要な要素が含まれている。このようなタンパク質翻訳系として、大腸菌抽出液、ウサギ網状赤血球抽出液、小麦胚芽抽出液等が挙げられる。
更に、上記翻訳に必要な要素が独立に精製された因子のみからなる再構成型無細胞タンパク質合成系が挙げられる。
細胞系ベクター又は無細胞系ベクターを用いて合成されたタンパク質を精製して用いることが好ましく、精製方法としては、塩析法や各種クロマトグラフィーを用いた方法が挙げられる。発現ベクターが目的タンパク質のN末端又はC末端にヒスチジンタグ等のタグ配列を発現するように設計されている場合には、ニッケルやコバルト等、このタグに親和性を有する物質を用いたアフィニティーカラムによる精製方法が挙げられる。その他、イオン交換クロマトグラフィーやゲルろ過クロマトグラフィー等、適宜組み合わせて精製することにより、融合タンパク質の純度を高めることができる。

【0042】
<タンパク質を小胞体に局在させる方法>
[第一実施形態]
本実施形態のタンパク質を小胞体に輸送する方法は、輸送対象のタンパク質と本実施形態のポリペプチドとからなる融合タンパク質を細胞に導入する工程を有する。導入に用いられる融合タンパク質としては、上述した細胞系ベクター又は無細胞系ベクターを用いて合成されたタンパク質を精製したものが好ましい。
例えば、融合タンパク質を導入する方法としては、物理的方法(マイクロインジェクション法、エレクトロポレーション法)、化学的方法(リポソーム法)等、従来公知の方法が挙げられ、マイクロインジェクション法が好ましい。

【0043】
融合タンパク質が細胞に導入されたか否かの確認は、ウエスタンブロット、蛍光免疫染色等によって行うことができる。また、融合タンパク質にGFP等の蛍光タンパク質を融合させ、該蛍光タンパク質の発する蛍光を観察することによっても行うことができる。
更に、細胞内に導入された融合タンパク質が、小胞体に輸送されたか否かの確認についても同様の方法を用いることができる。蛍光免疫染色及び蛍光タンパク質を用いた確認方法においては、細胞内における融合タンパク質の発現分布を、GRP94等の小胞体マーカータンパク質の発現分布と比較することが好ましい。ウエスタンブロットによる確認方法においては、融合タンパク質が導入された細胞抽出液を分画し、GRP94等の小胞体マーカータンパク質の発現が確認される画分に、融合タンパク質の発現の有無を確認することが好ましい。

【0044】
[第二実施形態]
本実施形態のタンパク質を小胞体に輸送する方法は、上述した本実施形態の発現ベクターを細胞に導入する工程を有する。本実施形態の発現ベクターを細胞内に導入する方法としては、ウイルスベクターを用いる方法、物理的方法(マイクロインジェクション法、エレクトロポレーション法、)、又は化学的方法(リン酸カルシウム共沈殿法、リポソーム法、DEAEデキストラン法、マイクロカプセル法)等、従来公知の方法が挙げられ、化学的方法を用いたトランスフェクションが好ましい。

【0045】
細胞に導入された発現ベクターが、融合タンパク質を発現しているか否かの確認は、第一実施形態と同様に、ウエスタンブロット、蛍光免疫染色等によって行うことができる。
また、融合タンパク質にGFP等の蛍光タンパク質を融合させ、該蛍光タンパク質の発する蛍光を観察することによっても行うことができる。
更に、細胞内で発現している融合タンパク質が、小胞体に輸送されたか否かの確認についても第一実施形態と同様の方法を用いることができる。
【実施例】
【0046】
次に実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0047】
[人工シグナルペプチド挿入ベクターの作製]
上述した方法で、SWISS-PROT ver.57.0から抽出したデータを用いて、N末端から24アミノ酸残基のシグナルペプチド相当領域において、位置特異的スコアの最も高いアミノ酸を選択し、シグナルペプチドのモデル配列を得た。
このモデル配列から、配列番号3で表される所定の制限酵素サイトを含まない塩基配列[配列:5’- ATGAAGCGACGATGGCGGTTCTTCTTCTTTCTTCTGCTTTTAGGTTATTACGAAGAAGATGATGACGATGAG-3’]を設計した。
【実施例】
【0048】
配列番号3で表される塩基配列の5’末端に、SalIの制限酵素サイト及びコザック配列をこの順に付加し、3’末端にNarIの制限酵素サイトを付加した塩基配列を設計した。この配列に基づいて、以下の配列を有するオリゴヌクレオチドを合成した。
(1) SPmodel-F (配列番号4:97mer)
[配列:5’-TCGACGGCCACCATGAAGCGACGATGGCGGTTCTTCTTCTTTCTTCTGCTTTTAGGTTATTACGAAGAAGATGATGACGATGAGATGGTGAGCAAGG-3’]
(2) SPmodel-R (配列番号5:97mer)
[配列:5’-GCGCCCTTGCTCACCATCTCATCGTCATCATCTTCTTCGTAATAACCTAAAAGCAGAAGAAAGAAGAAGAACCGCCATCGTCGCTTCATGGTGGCCG-3’]
【実施例】
【0049】
これらオリゴヌクレオチドを95℃で10分間インキュベートした後、徐々に反応温度を下げてアニールさせ、二本鎖を形成させた。この二本鎖をSalI及びNarIで制限酵素処理したpAcGFP1vector(GFP発現ベクター)に挿入し、人工シグナルペプチド挿入ベクターを得た。
【実施例】
【0050】
[プリオン由来の天然シグナルペプチド挿入ベクターの作製]
Mighty TA-cloning Kit(Takara社製) を用い、ヒト由来ののゲノムDNAライブラリーからプリオン遺伝子をクローニングした。次に、PCRにより、シグナルペプチドをコードする遺伝子断片を増幅した。増幅産物を、制限酵素SalI及びNcoI(Takara社製)を用いて、制限酵素処理し、pAcGFP1に挿入してプリオン由来の天然シグナルペプチド挿入ベクターを得た。
用いたプライマーの配列を以下に示す。
(1) PrionSP-F (配列番号6:28mer)
[配列:5’-CTACTAGTCATGTCGACCATGGCGAACC-3’]
(2) PrionSP-R (配列番号7:26mer)
[配列:5’-CGGCTGCCCCCCATGGACCATCCTCC-3’]
【実施例】
【0051】
[シグナルペプチド挿入ベクターのHeLa細胞への導入]
作製した人工シグナルペプチド挿入ベクター及びプリオン由来の天然シグナルペプチド挿入ベクター、並びに、ネガティブコントロールとして、pAcGFP1をHeLa細胞にトランスフェクションを行った。以下にその詳細を示す。
トランスフェクション前日に、翌日の細胞密度が40~80%コンフルエントになるように、4ウェルチャンバースライド(BD社製) にHeLa細胞を播種した。尚、用いたHeLa細胞は、RPMI1640(FBS5%含有)で継代培養を行ったものである。
トランスフェクション試薬として、Effectene Transfection Reagent (QIAGEN社製) を使用し、取扱説明書に記載の24ウェルプレート用プロトコールに従いトランスフェクションを行った。トランスフェクションの際、培養液として、MEM (FBS5%含有) を使用した。
トランスフェクションから24時間後、ER-ID (Enzo社製) 付属のプロトコールに従い、3.7%パラホルムアルデヒドを用いて、細胞を固定し、ER-IDによる小胞体の染色を行った。顕微鏡観察のためチャンバーを外し、その上にカバーガラスをかぶせ封入を行った。封入剤として、EverBrite Mounting Medium (Biotium社製) を用いた。また、カバーグラスの四方をFluoromount/Plus (Diagnostic BioSystems社製) で塗り固めた。その後、共焦点レーザー顕微鏡 (Olympus社製) を用い顕微鏡観察を行った。結果を図4~図6に示す。
【実施例】
【0052】
図4(a)は、人工シグナルペプチド-GFP融合タンパク質の分布を示し、 図4(b)は、小胞体の分布を示す。図4(a)及び図4(b)における分布パターンは近似していることから、人工シグナルペプチド-GFP融合タンパク質が小胞体に輸送されていることが確認された。
【実施例】
【0053】
図5(a)は、GFPの分布を示し、図5(b)は、小胞体の分布を示す。図5(a)において、GFPは細胞に均一に分布しており、図5(b)における小胞体の分布パターンとは異なることから、GFP単独では、小胞体特異的に輸送されないことが確認された。
【実施例】
【0054】
図6(a)は、プリオン由来の天然シグナルペプチド-GFP融合タンパク質の分布を示し、図6(b)は、小胞体の分布を示す。図6(a)及び図6(b)における分布パターンは近似していることから、プリオン由来の天然シグナルペプチド-GFP融合タンパク質が小胞体に輸送されていることが確認された。本実施例における実験系が機能していることが確認された。
【実施例】
【0055】
以上、本発明によれば、シグナルペプチドらしさを示す、配列に偏りのないシグナルペプチドを得られるため、輸送対象とするタンパク質の物性に依存せずに、該タンパク質を効率よく小胞体に輸送できることが明らかである。
図面
【図1】
0
【図2】
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【図3】
2
【図4】
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【図5】
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【図6】
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