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明細書 :災害・避難情報蓄積配信システム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2016-063506 (P2016-063506A)
公開日 平成28年4月25日(2016.4.25)
発明の名称または考案の名称 災害・避難情報蓄積配信システム
国際特許分類 H04M  11/04        (2006.01)
H04M  11/00        (2006.01)
G06F  13/00        (2006.01)
G08B  25/08        (2006.01)
FI H04M 11/04
H04M 11/00 302
G06F 13/00 540P
G08B 25/08 A
請求項の数または発明の数 4
出願形態 OL
全頁数 14
出願番号 特願2014-192275 (P2014-192275)
出願日 平成26年9月22日(2014.9.22)
発明者または考案者 【氏名】越島 一郎
【氏名】渡辺 研司
【氏名】小池 正人
【氏名】林 拓哉
出願人 【識別番号】304021277
【氏名又は名称】国立大学法人 名古屋工業大学
審査請求 未請求
テーマコード 5B084
5C087
5K201
Fターム 5B084AA02
5B084AA12
5B084AB02
5B084DB20
5B084DC02
5C087AA02
5C087AA03
5C087AA10
5C087AA25
5C087BB12
5C087BB20
5C087DD02
5C087EE18
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF16
5C087FF23
5C087GG83
5K201BA03
5K201BB08
5K201CA08
5K201CC04
5K201EC06
5K201EC08
5K201ED05
5K201EE04
5K201EF09
要約 【課題】非常電源26を持つ携帯電話基地局20と携帯端末30とサーバー10を備え、災害発生時に、緊急速報を携帯端末30に送信する災害情報自動送信手段25を有する緊急速報メール配信システムに関する。
【解決手段】緊急速報として緊急情報キャッシュ4を、地域の地図情報である地図情報収集プログラム1201と、避難場所に関する情報である避難場所収集プログラム1202と、避難方法に関する情報である避難方法収集プログラム1203と、二次災害発生可能性のあるエリアの情報である二次災害収集プログラム1204と、災害発生個所情報である災害発生収集プログラム1205と、道路情報収集プログラム1206とを有する災害・避難情報自動収集手段12と、災害に関するツイートである災害避難ツイート自動抽出収集手段13を備えた緊急情報キャッシュ保存装置11を有する災害・避難情報蓄積配信システム1である。
【選択図】 図1
特許請求の範囲 【請求項1】
非常電源を持つ携帯電話基地局と、
通話および情報取得機能を持つ携帯端末と、
情報を蓄積するサーバーと、を備え、
災害発生時に、緊急速報を前記携帯電話基地局より、前記携帯端末に送信する災害情報自動送信手段を有する緊急速報メール配信システムにおいて、
前記サーバーは、前記緊急速報として緊急情報キャッシュを、
自動で収集し保存する緊急情報キャッシュ保存装置を有することを特徴とする災害・避難情報蓄積配信システム。
【請求項2】
前記緊急情報キャッシュ保存装置は、
地域の地図情報である地図情報収集プログラムと、
災害の種類に応じた避難場所に関する情報である避難場所収集プログラムと、
災害の規模の応じた避難方法に関する情報である避難方法収集プログラムと、
災害の種類に応じた二次災害発生可能性のあるエリアの情報である二次災害収集プログラムと、
災害発生個所情報である災害発生収集プログラムと、
道路情報である道路情報収集プログラムと、
を有する災害・避難情報自動収集手段と、
災害に関するツイートである災害避難ツイート自動抽出収集手段と、を備えたことを特徴とする請求項1に記載する災害・避難情報蓄積配信システム。
【請求項3】
前記携帯端末からのリクエストに対し、前記リクエストを無視するリクエスト処理能力低下手段を具備することを特徴とする請求項1または2に記載する災害・避難情報蓄積配信システム。
【請求項4】
前記携帯端末は、
受信した前記緊急情報キャッシュを、
地図と共に表示する緊急情報キャッシュ表示手段を具備することを特徴とする請求項1乃至3に記載の災害・避難情報蓄積配信システム。








発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、災害発生時に通信途絶が起こった際に、災害や避難に必要になる情報を携帯電話基地局が独立して携帯端末に対して提供を可能とすることを目的とする技術に関する。具体的には、非常電源を持つ携帯電話基地局と、通話および情報取得機能を持つ携帯端末と、情報を蓄積するサーバーとを備え、災害発生時に、緊急速報を携帯電話基地局から携帯端末に対して送信する災害情報自動送信手段を有する緊急速報メール配信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、災害発生時には災害発生の告知機能として気象庁や国、地方公共団体からの情報を緊急速報メール(Earthquake and Tsunami Warning System)やCBS(Cell Broadcast Service)を用いて輻輳を起こすことなく震度や津波に関する情報を知らせるサービス(緊急速報メール配信システム)が存在する。また緊急情報を配信する技術として、特許文献1に記載された技術がある。
【0003】
特許文献1に記載された技術は、ユーザーの使用する携帯端末と、この携帯端末に無線を介して接続される基地局と、ネットワークを介して接続される災害情報サーバーと要救時に携帯電話基地局のエリア内に存在する携帯端末に向かって発信する。
【0004】
特許文献1に記載されている技術は、災害計測部を備えることで、携帯電話基地局が独自に災害の発生を検知し、これをトリガーに警戒情報を発信する仕組みになっている。この場合、特定の計測可能な災害のみにしか対応できない。特許文献1の記述によると、地震情報を送信するという記述から、ここでの計測可能な災害とは地震を指していることがわかる。つまり近隣での火災や事故、津波などの地震以外の災害は対象外である。また携帯電話基地局で地震が計測できたとしても、災害の詳細や正確性に欠ける。
【0005】
さらに災害発生時には携帯電話基地局間の通信断絶や電源喪失が発生する可能性があるため、有線のネットワークを介しての携帯電話基地局への災害情報の伝達や携帯電話基地局から携帯端末に対して緊急情報を配信させようとする指令の伝達が不可能になる場合も考えられる。現在の緊急速報メールの仕組みは、有線でのネットワークを介して携帯電話基地局に災害情報が行き、携帯電話基地局から携帯端末へと配信されるため、上記のような問題が発生すると情報が配信できなくなる恐れがある
【0006】
さらに、緊急速報メールによって配信されるのは地震の発生の有無や規模といった情報量の少ないものに限られ、タイミングも地震の発生直前に限定されている。そのため災害発生後の避難には有効ではない。つまり避難に必要な情報が確実に提供できていないことがわかる。避難に必要な情報を定義する必要があり、災害発生時にはその情報が提供されるべきである。
【0007】
先にも触れたが特許文献1では地震に関する情報を対象としているが、避難が必要な状況は地震だけとは限らない。大雨、洪水、地震が発生した後の津波などにも対応すべきである。また携帯電話基地局が正常に動作していたとしても、災害情報を要求する携帯端末が増加すると基地局との間で通信頻度が増大し輻輳が発生するため、同様に通信障害が発生する可能性がある。
【先行技術文献】
【0008】

【特許文献1】特開2007-181027
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
このような災害発生時に、緊急速報として、避難に必要な災害・避難情報がストックされておらず、災害を受けた人に届けることができないという課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、災害発生時に、避難に必要な情報をストックし災害速報として提供する災害・避難情報蓄積配信システムである。
発明1は、非常電源を持つ携帯電話基地局と、通話および情報取得機能を持つ携帯端末と、情報を蓄積するサーバーと、を備え、災害発生時に、緊急速報を前記携帯電話基地局より、携帯端末に送信する災害情報自動送信手段を有する緊急速報メール配信システムにおいて、サーバーは、緊急速報として緊急情報キャッシュを、自動で収集し保存する緊急情報キャッシュ保存装置を有することを特徴とする災害・避難情報蓄積配信システムである。
発明2は、緊急情報キャッシュ保存装置は、地域の地図情報である地図情報収集プログラムと、災害の種類に応じた避難場所に関する情報である避難場所収集プログラムと、災害の規模の応じた避難方法に関する情報である避難方法収集プログラムと、災害の種類に応じた二次災害発生可能性のあるエリアの情報である二次災害収集プログラムと、災害発生個所情報である災害発生収集プログラムと、道路情報である道路情報収集プログラムと、を有する災害・避難情報自動収集手段と、災害に関するツイートである災害避難ツイート自動抽出収集手段と、を備えたことを特徴とする発明1に記載する災害・避難情報蓄積配信システムである。
発明3は、携帯端末からのリクエストに対し、リクエストを無視するリクエスト処理能力低下手段を具備することを特徴とする発明1または2に記載する災害・避難情報蓄積配信システムである。
発明4は、携帯端末は、受信した緊急情報キャッシュを、地図をと共に表示する緊急情報キャッシュ表示手段を具備することを特徴とする発明1乃至3に記載の災害・避難情報蓄積配信システムである。
【発明の効果】
【0011】
発明1は、非常電源を持つ携帯電話基地局と、通話および情報取得機能を持つ携帯端末と、情報を蓄積するサーバーと、を備え、災害発生時に、緊急速報を前記携帯電話基地局より、携帯端末に送信する災害情報自動送信手段を有する緊急速報メール配信システムにおいて、サーバーは、緊急速報として緊急情報キャッシュを、自動で収集し保存する緊急情報キャッシュ保存装置を有することを特徴とする災害・避難情報蓄積配信システムである。
発明1により、災害発生時に避難に必要になる情報を携帯電話基地局のサーバーにストックしておき、緊急速報として災害を受けた人が持つ携帯端末に提供することが可能になる。よって、どこにいても周囲の地域情報を含んだ避難情報を受け取ることが可能な災害・避難情報蓄積配信システムを提供できる。
発明2は、緊急情報キャッシュ保存装置は、地域の地図情報である地図情報収集プログラムと、災害の種類に応じた避難場所に関する情報である避難場所収集プログラムと、災害の規模の応じた避難方法に関する情報である避難方法収集プログラムと、災害の種類に応じた二次災害発生可能性のあるエリアの情報である二次災害収集プログラムと、災害発生個所情報である災害発生収集プログラムと、道路情報である道路情報収集プログラムと、を有する災害・避難情報自動収集手段と、災害に関するツイートである災害避難ツイート自動抽出収集手段と、を備えたことを特徴とする発明1に記載する災害・避難情報蓄積配信システムである。
発明2により、避難に必要な情報を緊急情報キャッシュとして、自動で収集し緊急情報キャッシュ保存装置にストックする。ここで避難に必要な情報は以下の情報である。即ち、第一に、携帯電話基地局を中心とした地域の地図情報で、建物、道路の情報を含むものである。第二に、災害毎の避難場所で、避難場所の名称、位置を示す座標、収容可能人数、建物の高さ、推奨避難方法である。第三に、災害毎の二次災害の発生可能性のあるエリアの情報である。第四に、災害の名称、エリアを示す座標である。第五に、道路に関する情報で、道路の車線数や歩道の有無、避難経路に指定されているかどうかである。第六に。災害に関するツイートである。ここで、ベースとなるのは、第一の地図情報である。これに第二からだい五の情報を上書きして表示するからである。また、第六の情報は、第一から第五の情報とは独立した情報である。
発明3は、携帯端末からのリクエストに対し、リクエストを無視するリクエスト処理能力低下手段を具備することを特徴とする発明1または2に記載する災害・避難情報蓄積配信システムである。
災害発生時には、災害により通信断絶や端末のリクエストの急激な増加による輻輳などが発生し携帯電話基地局が情報提供の役割を果たせなくなるが、発明3により、輻輳の発生を抑え、確実に避難に必要な情報を配信することを可能にする
発明4は、携帯端末は、受信した緊急情報キャッシュを、地図と共に表示する緊急情報キャッシュ表示手段を具備することを特徴とする発明1乃至3に記載の災害・避難情報蓄積配信システムである。
発明4により、災害を受けた人は、自分のいる場所から最も近い避難所の位置や経路、付近の2次災害の恐れのある場所等をビジュアル的に見て避難に必要な情報を確実に把握することができる。
以上、災害が発生した場合に、災害を受けた人は、避難に必要な情報を得ることで、自らの命を守る行動を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係る災害・避難情報蓄積配信システムの構成図を示す。
【図2】災害・避難情報自動収集手段の構成図を示す。
【図3】緊急情報キャッシュ表示手段によって表示される地図情報の例を示す。
【図4】サーバーが避難に必要な情報を収集する処理を示すフローチャートを示す。
【図5】携帯電話基地局における処理を示すフローチャートを示す。
【図6】本発明の実施形態に係る通常時の災害・避難情報蓄積配信システムのネットワークを示す。
【図7】本発明の実施形態に係る災害発生の際の通信断絶時の災害・避難情報蓄積配信システムのネットワークを示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下図面を参照にしながら本発明の実施形態を説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、変更、修正、改良を加え得るものである。

【0014】
(構成)
図1は、本発明の実施形態に係る災害・避難情報蓄積配信システム1の構成図を示す。図1に示すように、災害・避難情報蓄積配信システム1はサーバー10と、携帯電話基地局20と、仕様者の所持する携帯端末30からなる。サーバー10と携帯電話基地局20はLANによって接続され、携帯電話基地局20と携帯端末30は災害発生時にはブロードキャスト40によって接続される。また携帯電話基地局20は通常時にはインターネット50と接続されている。

【0015】
サーバー10は、災害・避難情報自動収集手段12と、災害避難ツイート自動抽出収集手段13を持つ緊急情報キャッシュ保存装置11と、非常電源(サーバー)15と、非常電源切り替え手段14とを備えている。このサーバー10は携帯電話基地局20に設置される。サーバー10は緊急情報キャッシュ保存装置11の災害・避難情報自動収集手段12と、災害避難ツイート自動抽出収集手段13によって収集された避難に必要な情報を緊急情報キャッシュ4として保存しておく。

【0016】
携帯電話基地局20は、通信手段21と、災害発生信号受信手段22と、リクエスト処理能力低下手段23と、非常電源切り替え手段24と、災害情報自動送信手段25と、非常電源(携帯電話基地局)26を備えている。携帯電話基地局20はインターネット50とは有線でつながっており、その詳細を記述したものが図2になる。また携帯端末30とは無線で接続されている。

【0017】
携帯端末30は、緊急情報キャッシュ受信可能手段31と、警告音性発生手段32と、緊急情報キャッシュ表示手段33とを備えている。携帯端末30は記憶装置を備えており、緊急情報キャッシュ受信可能手段31によって受け取った緊急情報キャッシュ4を保存する。

【0018】
図2は緊急情報キャッシュ保存装置11の持つ機能を表した図である。この図2について説明する。緊急情報キャッシュ保存装置11は災害・避難情報自動収集手段12と災害・避難ツイート自動抽出収集手段13を持つ。災害・避難情報自動収集手段12は枠に囲まれた6つのプログラムを持つ。
地図情報収集プログラム1201は携帯電話基地局20を中心とした、地域の地図情報を収集する。
避難場所収集プログラム1202は災害の種類に応じた避難場所の名称、座標、建物の大きさ、収容人数の情報を収集する。
避難方法収集プログラム1203は災害の規模の応じた避難先の場所の名称、経路、利用可能な移動方法の情報を収集する。
二次災害収集プログラム1204は災害に応じた二次災害発生可能性のあるエリアの座標、起こりうる二次災害の名称の情報を収集する。
災害発生収集プログラム1205は、災害の名称、災害が発生した場所の名称、災害が発生した場所の座標の情報を収集する。
道路情報収集プログラム1206は道路の車線数、歩道の有無、避難経路かどうかの識別情報を収集する。
これらのプログラムは変化に合わせて情報を更新するため先に保存の対象となる情報源と保存する場所を先に決定している。さらにRSSを利用することで更新を監視し、情報源の更新にあわせてサーバー10に蓄積された緊急情報キャッシュ4を更新する
災害・避難ツイート自動抽出収集手段13では主に公的機関の災害や避難に関するツイートを収集する。

【0019】
表1は緊急情報キャッシュ4として保存される情報の格納形式の例を示す。この格納形式はサーバー10が保持しており、この格納形式に合わせて収集された避難に必要な情報が格納される。これにより情報のメタデータが付随することになるため情報の理解と活用を促すことができる。
【表1】
JP2016063506A_000003t.gif

【0020】
図3は緊急情報キャッシュ表示手段33によって端末に地図と共に表示される避難情報の表示画面の例である。画面の上部に災害発生個所情報を表示する。地図上に、携帯端末30をもつユーザーの現在位置と避難所、および避難経路を表示する。避難経路には車線数、歩道の有無も表示する。また、二次災害発生の可能性が有る場合、そのエリアを表示(図3では右下の楕円で表示)する。
よって、災害情報、現在地、近くの避難場所情報、避難場所までの経路、二次災害発生エリア情報などの緊急情報キャッシュ4で集められた情報を地図情報に重ね合わせるように合わせるようにして表示する。またGPSを活用することで自身の位置を把握しながら周辺の情報を知り避難することが可能になる。

【0021】
(機能)
図1を用いて、災害・避難情報蓄積配信システム1の機能について説明する。災害・避難情報自動収集手段12は通常時に携帯電話基地局20の通信手段21によりインターネット50を通じて公的機関の公表する災害・避難に有用な情報と、携帯電話基地局20を中心とした地域情報を収集する。この情報には携帯電話基地局20を中心とした地域情報を含むため、災害発生時に携帯端末30の所持者がどこにいたとしても、付近の地図や経路を含む避難に必要となる情報を利用することが可能になる。さらに全国の地図情報ではなく携帯電話基地局20を中心とした地域情報のみを対象とするために収集、保存、さらに発信する情報量を抑えることができるという利点もある。

【0022】
災害避難ツイート自動抽出収集手段12は通常時に携帯電話基地局20とインターネット50を通じてツイッターから災害・避難に関する有用なツイートを抽出し収集する。

【0023】
緊急情報キャッシュ保存手段13は災害・避難情報自動収集手段12と災害避難ツイート自動抽出収集手段12によって収集された情報である緊急情報キャッシュ4をサーバー10の持つ記憶装置に災害の種類に応じて保存する。

【0024】
非常電源切り替え手段14、24は災害発生時に電源供給が滞った際に、自動的に起動しサーバー10と携帯電話基地局20に電源を供給する装置である。なおこのシステムは災害発生時から避難完了までの短い機関に機能すれば良いため、その間にシステムを可動出来るだけの電源容量があれば良い。

【0025】
通信手段21は携帯電話基地局20の基本的な機能であり、通常時は携帯端末30とインターネット50の通信を仲介する。災害時にはインターネット50を繋ぐこの通信手段21が機能しないことを想定している。

【0026】
災害発生信号受信手段22は、通信手段21を介した通知や電波を用いて、気象庁、国、地方公共団体、近隣の消防署、警察署から災害発生を知らせる通信の受信を行う。災害発生信号受信手段22の受信を切欠として災害情報自動送信手段25とリクエスト処理能力低下手段23が動作を始める。

【0027】
リクエスト処理能力低下手段23は災害発生信号受信手段22からの災害が発生したという信号を受け取ることで動作を始め、災害情報自動送信手段25によって緊急情報キャッシュ4が送信できるようなネットワーク構成に切り替える処理を行う。例えばたくさんの携帯端末30の使用者が同時に情報を求めるあまり輻輳が起きることがあるが、携帯端末30側のリクエストを無視するようにして輻輳が発生しないようにする。

【0028】
災害情報自動送信手段25は災害発生を検知後にサーバー10から緊急情報キャッシュ4を取り出し、ブロードキャスト40を用いて携帯電話基地局20のエリア内に存在する携帯端末30に向けて配信する。

【0029】
緊急情報キャッシュ受信可能手段31は災害発生時に携帯電話基地局20から送られてきた緊急情報キャッシュ4を受け取る処理を行う。なお受け取った緊急情報キャッシュ4は携帯端末30の記憶装置に保存される。

【0030】
警告音性発生手段32は緊急情報キャッシュ4を受け取った際に受け取ったことを知らせる警告音性を発生させる。

【0031】
緊急情報キャッシュ表示手段33は緊急情報キャッシュ4を使用者に地図に重ねるようにして情報を提示し、理解しやすい形で表示する。

【0032】
図4のサーバー10が避難に必要な情報を収集する処理を示すフローチャートに従い動作を説明する。
ステップS100ではサーバー10は起動しておりRSSを用いて情報の更新を待つ。ステップS101ではサーバー10がツイートと情報を収集する。ステップS102でサーバー10が収集した情報を緊急情報キャッシュ4として保存する。ステップS103で災害の有無を行政からの災害発生を知らせる信号によって確認し、災害が発生していた場合ステップS104に移行し、なければステップS100に戻る。ステップS104では電源の喪失の有無を確認し、喪失していた場合ステップS105に移行し、電源が維持されている場合ステップS106に移行する。ステップS105ではサーバー10用の非常電源(サーバー)15を起動させる。ステップS106ではネットワークの断絶の有無を確認し、断絶していた場合ステップS107に移行し、接続が維持されていた場合ステップS108に移行する。ステップS108ではサーバー10がツイートと情報を収集する。ステップS109でサーバー10が収集した情報を緊急情報キャッシュ4として保存する。

【0033】
図5の携帯電話基地局20における処理を示すフローチャートに従い動作を説明する。
ステップS200では携帯電話基地局20は起動しており一般的な携帯電話との通信処理を行っている。ステップS201災害の有無を行政からの災害発生を知らせる信号によって確認し、災害が発生していた場合ステップS202に移行し、発生していなければステップS200に戻る。ステップS202では電源の喪失の有無を確認し、喪失していた場合ステップS203に移行し、電源が維持されている場合ステップS204に移行する。ステップS203では携帯電話基地局20用の非常電源(携帯電話基地局)26を起動させる。ステップS204は公的機関が緊急情報キャッシュ4を配信すべきかどうか、どの緊急情報キャッシュ4を配信するか決定する。緊急情報キャッシュ4を配信すると決定した場合ステップS205に移行する。配信しない場合ステップS200に戻る。ステップS205は携帯電話基地局20が緊急情報キャッシュ4を配信しろという命令を受け取った場合ステップS206へ移行する。受信しない場合スッテプS200に戻る。ステップS206は携帯電話基地局20が意図的に携帯端末30からのリクエスト処理能力を低下させる。ステップS207は携帯電話基地局20が基地局のエリア内の携帯端末30に向けてブロードキャスト通信を用いて緊急情報キャッシュ4を配信する。ステップS208は携帯端末30が緊急情報キャッシュ4を受け取り、警告音声を発生させる。ステップS209は携帯端末30の使用者が緊急情報キャッシュ4を利用し避難する。

【0034】
(動作)
(1)通常時の動作
災害の発生していない通常時においてサーバー10は、災害・避難情報自動収集手段12によって、携帯電話基地局20の通信手段21を用いてインターネット50から災害・避難情報を収集する。また同時に災害避難ツイート自動抽出収集手段13によっても災害・避難情報を収集する。収集された情報は緊急情報キャッシュ4としてサーバー10に保存される。この際に保存されていた情報が古く、避難に利用できない場合、情報を更新する。

【0035】
尚、災害・避難情報自動収集手段12によって収集される情報は携帯電話基地局20を中心とした地域情報を含む。この地域情報には、避難場所や土地の高低、避難ルート、災害時に想定される事象などの情報を含む。

【0036】
災害の発生していない通常時において携帯電話基地局20は、通常の携帯電話基地局と同じ動作を行い、携帯端末30との通信を仲介する。この際にはブロードキャスト40による通信は基本的に用いない。

【0037】
災害の発生していない通常時において、携帯端末30は通常の携帯端末と同じ動作を行い、携帯電話基地局20を介して通信を行う。通常時において情報キャッシュ優先度設定手段を用いて優先度の設定、変更が行えるようになっており、通常時に設定しておくことが望ましい。

【0038】
(2)災害発生時の動作
災害発生時には災害発生を知らせる通信が国、気象庁、国地方公共団体、警察、消防から送られる。この信号を携帯電話基地局20の災害発生信号受信手段22が通信手段21を介した通知、電波を利用して受信し、携帯電話基地局20が災害の発生を知る。

【0039】
災害の検知後は災害情報自動送信手段25によってサーバー10から緊急情報キャッシュ4を呼出し、ブロードキャスト40通信を用いて携帯電話基地局20のエリア内に存在する端末に一斉送信される。この際、端末側の情報に対するリクエストを必要とせず、携帯電話基地局20が主体的に情報を発信する。

【0040】
携帯端末30が緊急情報キャッシュ4受け取ると、警告音性発生手段32により、警告音声が発せられた後、緊急情報キャッシュ表示手段33によって情報が地図と一緒に端末に表示される。

【0041】
災害発生時にサーバー10、携帯電話基地局20の電源供給が滞った際は非常電源切り替え手段14、24が働くことになる。

【0042】
(3)災害発生時の通信
災害発生時にはインターネット50と携帯電話基地局20との接続が災害により断絶する可能性がある。しかし避難に必要な情報はサーバー10に蓄積されているため回線が断絶していても配信することが可能である。また通信が断絶していなくても使用者が一斉に情報を求めるあまり輻輳が起きる可能性があり、この場合は輻輳を防ぐために意図的にユーザーからのリクエストに対する処理能力を低下させるリクエスト処理能力低下手段23が動作する。

【0043】
(効果)
本実施形態の災害・避難情報蓄積配信システム1によって、端末利用者は携帯電話基地局20の通信断絶やや電源喪失が発生したとしても災害発生時に必要な避難に関する情報を確実に取得することができるようになる。

【0044】
またこの情報はブロードキャスト40によって配信されることで、受信可能な端末利用者すべてが受け取ることができ、さらに端末利用者の情報に対するリクエストに答えなくともよいため輻輳を防ぐことになる。

【0045】
配信される緊急情報キャッシュ4は携帯電話基地局20を中心とした地域情報を含むため、より避難に役立つ情報になる。さらに緊急情報キャッシュ表示手段33によって地域の地図を中心とした視覚情報を表示することで端末使用者が初めて訪れる場所で被災したとしても有用になりうる。

【0046】
災害発生時から避難が完了するまでの間に通信が断絶したとしても、避難に必要な情報を入手可能にするところがこのシステムの最も重要な点である。

【0047】
以上に説明したようにこの発明は、携帯電話基地局20の周辺にいる端末使用者に災害発生時に避難に必要な情報を確実に提供することを目的とする有効な災害・避難情報蓄積配信システム1である。

【0048】
災害・避難情報蓄積配信システム1は、災害発生時に、避難に必要な情報を提供するシステムである。
発明1は、非常電源(携帯電話基地局)26を持つ携帯電話基地局20と、通話および情報取得機能を持つ携帯端末30と、情報を蓄積するサーバー10と、を備え、災害発生時に、緊急速報を前記携帯電話基地局20より、携帯端末30に送信する災害情報自動送信手段25を有する緊急速報メール配信システムにおいて、サーバー10は、緊急速報として緊急情報キャッシュ4を、自動で収集し保存する緊急情報キャッシュ保存装置11を有することを特徴とする災害・避難情報蓄積配信システム1である。
発明1により、災害発生時に避難に必要になる情報を携帯電話基地局のサーバーにストックしておき、緊急速報として災害を受けた人が持つ携帯端末に提供することが可能になる。よって、どこにいても周囲の地域情報を含んだ避難情報を受け取ることが可能な災害・避難情報蓄積配信システムを提供できる。
発明2は、緊急情報キャッシュ保存装置11は、地域の地図情報である地図情報収集プログラム1201と、災害の種類に応じた避難場所に関する情報である避難場所収集プログラム1202と、災害の規模の応じた避難方法に関する情報である避難方法収集プログラム1203と、災害の種類に応じた二次災害発生可能性のあるエリアの情報である二次災害収集プログラム1204と、災害発生個所情報である災害発生収集プログラム1205と、道路情報である道路情報収集プログラム1206と、を有する災害・避難情報自動収集手段12と、災害に関するツイートである災害避難ツイート自動抽出収集手段13と、を備えたことを特徴とする発明1に記載する災害・避難情報蓄積配信システム1である。
発明2により、避難に必要な情報を緊急情報キャッシュとして、自動で収集し緊急情報キャッシュ保存装置にストックする。ここで避難に必要な情報は以下の情報である。即ち、第一に、携帯電話基地局を中心とした地域の地図情報で、建物、道路の情報を含むものである。第二に、災害毎の避難場所で、避難場所の名称、位置を示す座標、収容可能人数、建物の高さ、推奨避難方法である。第三に、災害毎の二次災害の発生可能性のあるエリアの情報である。第四に、災害の名称、エリアを示す座標である。第五に、道路に関する情報で、道路の車線数や歩道の有無、避難経路に指定されているかどうかである。第六に。災害に関するツイートである。
ここで、ベースとなるのは、第一の地図情報である。これに第二から第五の情報を上書きして表示するからである。また、第六のツイート情報は、第一から第五の情報とは独立した情報である。よって、緊急情報キャッシュとしての優先順序は、第1の地図情報、次に、第二の避難場所、第三の二次災害エリア、第四の災害の名称、エリア座標、第五の道路情報、または第六のツイート情報である。第一の地図情報は、災害発生前に基地局周辺の地図として取得可能であり、その他の情報は、主に災害発生後に取得される情報だからである。
発明3は、携帯端末30からのリクエストに対し、リクエストを無視するリクエスト処理能力低下手段23を具備することを特徴とする発明1または2に記載する災害・避難情報蓄積配信システム1である。
災害発生時には、災害により通信断絶や端末のリクエストの急激な増加による輻輳などが発生し携帯電話基地局が情報提供の役割を果たせなくなるが、発明3により、輻輳の発生を抑え、確実に避難に必要な情報を配信することを可能にする
発明4は、携帯端末30は、受信した緊急情報キャッシュ4を、地図と共に表示する緊急情報キャッシュ表示手段33を具備することを特徴とする発明1乃至3に記載の災害・避難情報蓄積配信システム1である。
発明4により、災害を受けた人は、自分のいる場所から最も近い避難所の位置や経路、付近の2次災害の恐れのある場所等をビジュアルに見て避難に必要な情報を確実に把握することができる。
以上、災害が発生した場合に、災害を受けた人は、避難に必要な情報を得ることで、自らの命を守る行動を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0049】
(使用時の例)
災害の発生していない通常時において、携帯電話基地局20に併設されたサーバー10が災害時に避難に役立つ情報を収集する。これらの収集した情報を緊急情報キャッシュ4として保存する。
突発的な大雨に伴う浸水が発生した。浸水によって電源の喪失が起きたため、非常電源(サーバー)15と非常電源(携帯電話基地局)26が働き、機能を維持した。市から携帯電話基地局20に向かって、大雨の際の緊急情報キャッシュ4を送信する指令を出す。携帯電話基地局20は指令を受け取り、ユーザーからのリクエストを答える機能を低下させる。その後、携帯電話基地局20のエリア内に存在する端末に向かってブロードキャスト40通信を用いて大雨の際の緊急情報キャッシュ4を送信する。端末は警告音とともに緊急情報キャッシュ4を受け取り、使用者は地図を中心とした視覚的な情報を閲覧し、避難に役立てることができる。
【符号の説明】
【0050】
1 災害・避難情報蓄積配信システム
4 緊急情報キャッシュ
10 サーバー
11 緊急情報キャッシュ保存装置
12 災害・避難情報自動収集手段
1201 地図情報収集プログラム
1202 避難場所収集プログラム
1203 避難方法収集プログラム
1204 二次災害収集プログラム
1205 災害発生収集プログラム
1206 道路情報収集プログラム
13 災害・避難ツイート自動抽出収集手段
14 非常電源切り替え手段(サーバー)
26 非常電源(サーバー)
20 携帯電話基地局
21 通信手段
22 災害発生信号受信手段
23 リクエスト処理能力低下手段
24 非常電源切り替え手段(携帯電話基地局)
25 災害情報自動送信手段
26 非常電源(携帯電話基地局)
30 携帯端末
31 緊急情報キャッシュ受信可能手段
32 警告音性発生手段
33 緊急情報キャッシュ表示手段
40 ブロードキャスト
42 消防署・警察署
43 気象庁
50 インターネット
60 無線ネットワーク制御装置(RNC)、
61 加入者パケット交換器(SGSN)、
62 中継パケット交換器(SGSN)、
63 ゲートウェイ















図面
【図1】
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【図2】
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【図3】
2
【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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