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明細書 :凹凸構造体の製造方法、パターン形成用モールドの製造方法、及びパターン形成用モールド

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2014-073682 (P2014-073682A)
公開日 平成26年4月24日(2014.4.24)
発明の名称または考案の名称 凹凸構造体の製造方法、パターン形成用モールドの製造方法、及びパターン形成用モールド
国際特許分類 B29C  59/02        (2006.01)
B29C  55/04        (2006.01)
H01L  21/027       (2006.01)
B29K  33/00        (2006.01)
FI B29C 59/02 Z
B29C 55/04 ZNM
H01L 21/30 502D
B29C 59/02 B
B29K 33:00
請求項の数または発明の数 8
出願形態 OL
全頁数 16
出願番号 特願2013-188175 (P2013-188175)
出願日 平成25年9月11日(2013.9.11)
優先権出願番号 2012201948
優先日 平成24年9月13日(2012.9.13)
優先権主張国 日本国(JP)
発明者または考案者 【氏名】谷口 淳
出願人 【識別番号】803000115
【氏名又は名称】学校法人東京理科大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100106002、【弁理士】、【氏名又は名称】正林 真之
審査請求 未請求
テーマコード 4F209
4F210
5F146
Fターム 4F209AA21
4F209AA44
4F209AF01
4F209AG04
4F209AG05
4F209AH33
4F209PA02
4F209PB01
4F209PC01
4F209PC05
4F209PN06
4F209PN09
4F209PQ11
4F209PW26
4F210AA21
4F210AF01
4F210AG03
4F210AG04
4F210AG05
4F210AG26
4F210AH36
4F210AR12
4F210AR20
4F210QA02
4F210QA03
4F210QC01
4F210QD05
4F210QD11
5F146AA28
5F146AA31
要約 【課題】ばらつきの小さい凹凸パターンを有する凹凸構造体を提供する。
【解決手段】凹凸構造体の製造方法は、ラインアンドスペースパターンの凹凸構造を有するパターン形成用モールドをインプリント材に押しあて、上記パターン形成用モールドの形状を上記インプリント材に転写する転写工程と、上記インプリント材から上記パターン形成用モールドを離型する離型工程と、を含み、上記凹凸構造が、光硬化性組成物を硬化させて形成したラインアンドスペースパターンの硬化膜をラインの長手方向に一軸延伸することによりパターン間隔を狭小化せしめたものであることを特徴とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
ラインアンドスペースパターンの凹凸構造を有するパターン形成用モールドをインプリント材に押しあて、前記パターン形成用モールドの形状を前記インプリント材に転写する転写工程と、
前記インプリント材から前記パターン形成用モールドを離型する離型工程と、を含み、
前記凹凸構造が、光硬化性組成物を硬化させて形成したラインアンドスペースパターンの硬化膜をラインの長手方向に一軸延伸することによりパターン間隔を狭小化せしめたものであることを特徴とする凹凸構造体の製造方法。
【請求項2】
前記光硬化性組成物がウレタン(メタ)アクリレートを含む請求項1記載の凹凸構造体の製造方法。
【請求項3】
支持体上に光硬化性組成物を塗布して塗布膜を形成する塗布工程と、
前記塗布膜にラインアンドスペースパターンのモールドを押しあてた状態で該塗布膜に光を照射することにより、ラインアンドスペースパターンの凹凸構造を有する硬化膜を形成する硬化工程と、
前記硬化膜から前記モールドを離型する離型工程と、
前記硬化膜をラインアンドスペースパターンのラインの長手方向に一軸延伸することによりパターン間隔を狭小化せしめる延伸工程と、
を含むことを特徴とするパターン形成用モールドの製造方法。
【請求項4】
前記延伸工程では、前記支持体とともに前記硬化膜を一軸延伸する請求項3記載のパターン形成用モールドの製造方法。
【請求項5】
前記硬化膜から前記モールドを離型した後に、前記支持体から前記硬化膜を剥離する剥離工程を更に含み、
前記延伸工程では、剥離後の前記硬化膜を一軸延伸する請求項3記載のパターン形成用モールドの製造方法。
【請求項6】
前記光硬化性組成物がウレタン(メタ)アクリレートを含む請求項3から5のいずれか1項記載のパターン形成用モールドの製造方法。
【請求項7】
ラインアンドスペースパターンの凹凸構造を有するパターン形成用モールドであって、
前記凹凸構造が、光硬化性組成物を硬化させて形成したラインアンドスペースパターンの硬化膜をラインの長手方向に一軸延伸することによりパターン間隔を狭小化せしめたものであることを特徴とするパターン形成用モールド。
【請求項8】
前記光硬化性組成物がウレタン(メタ)アクリレートを含む請求項7記載のパターン形成用モールド。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、凹凸構造体の製造方法、パターン形成用モールドの製造方法、及びパターン形成用モールドに関する。
【背景技術】
【0002】
ナノインプリント技術は、ナノメートルオーダーのモールドを用いて微細加工を行う技術であり、半導体等の電子デバイス、光デバイス、記録メディア等への利用が検討されている。近年、特に半導体デバイスの分野では、より一層の微細化が要求されており、従来技術によってフィルム上に形成されたラインアンドスペースパターン等の凹凸パターンを、フィルムを変形させることによって縮小するプロセスが提案されている。しかし、これらはポリスチレン樹脂(特許文献1を参照)、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリエチレン樹脂(特許文献2を参照)等、いずれも熱可塑性樹脂を用いたものであった。
【先行技術文献】
【0003】

【特許文献1】特開2006-224659号公報
【特許文献2】特開2008-100419号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
熱可塑性樹脂のフィルムを変形させるには、樹脂のガラス転移温度以上に再度加熱する必要があるため、あらかじめ形成された凹凸パターンにクラックが生じたり、形状がゆがんだりして精度が低下するおそれがあった。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑みなされたもので、ばらつきの小さい凹凸パターンを有する凹凸構造体及びパターン形成用モールドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、光硬化性組成物を用いることにより上記課題を解決できることを見出し、以下のような本発明を完成するに至った。
【0007】
本発明の第一の態様は、ラインアンドスペースパターンの凹凸構造を有するパターン形成用モールドをインプリント材に押しあて、上記パターン形成用モールドの形状を上記インプリント材に転写する転写工程と、上記インプリント材から上記パターン形成用モールドを離型する離型工程と、を含み、上記凹凸構造が、光硬化性組成物を硬化させて形成したラインアンドスペースパターンの硬化膜をラインの長手方向に一軸延伸することによりパターン間隔を狭小化せしめたものであることを特徴とする凹凸構造体の製造方法である。
【0008】
本発明の第二の態様は、支持体上に光硬化性組成物を塗布して塗布膜を形成する塗布工程と、上記塗布膜にラインアンドスペースパターンのモールドを押しあてた状態で該塗布膜に光を照射することにより、ラインアンドスペースパターンの凹凸構造を有する硬化膜を形成する硬化工程と、上記硬化膜から上記モールドを離型する離型工程と、上記硬化膜をラインアンドスペースパターンのラインの長手方向に一軸延伸することによりパターン間隔を狭小化せしめる延伸工程と、を含むことを特徴とするパターン形成用モールドの製造方法である。
【0009】
本発明の第三の態様は、ラインアンドスペースパターンの凹凸構造を有するパターン形成用モールドであって、上記凹凸構造が、光硬化性組成物を硬化させて形成したラインアンドスペースパターンの硬化膜をラインの長手方向に一軸延伸することによりパターン間隔を狭小化せしめたものであることを特徴とするパターン形成用モールドである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ばらつきの小さい凹凸パターンを有する凹凸構造体及びパターン形成用モールドを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明のパターン形成用モールドの製造方法の一例であるパターン形成用モールドの製造方法(1)を示す図である。
【図2】本発明のパターン形成用モールドの製造方法の一例であるパターン形成用モールドの製造方法(2)を示す図である。
【図3】ラインアンドスペースパターンを有する硬化膜の表面の一例を示すSEM画像であり、(a)は離型工程後のパターンを示し、(b)は延伸工程後のパターンを示す。
【図4】図3(b)のパターンを転写した凹凸構造体の表面のSEM画像である。
【図5】ラインアンドスペースパターンを有する延伸工程後の硬化膜について、スペース幅、ライン幅、高さを測定した測定箇所を示す図である。
【図6】ラインアンドスペースパターンを有するPETシートを延伸した後の表面を示すSEM画像である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態になんら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。

【0013】
≪パターン形成用モールドの製造方法≫
本発明のパターン形成用モールドの製造方法は、支持体上に光硬化性組成物を塗布して塗布膜を形成する塗布工程と、上記塗布膜にラインアンドスペースパターンのモールドを押しあてた状態で該塗布膜に光を照射することにより、ラインアンドスペースパターンの凹凸構造を有する硬化膜を形成する硬化工程と、上記硬化膜から上記モールドを離型する離型工程と、上記硬化膜をラインアンドスペースパターンのラインの長手方向に一軸延伸することによりパターン間隔を狭小化せしめる延伸工程と、を含むことを特徴とする。
具体的には、下記の2つの製造方法が挙げられる。

【0014】
<パターン形成用モールドの製造方法(1)>
パターン形成用モールドの第一の製造方法は、支持体上に光硬化性組成物を塗布して塗布膜を形成する塗布工程と、上記塗布膜にラインアンドスペースパターンのモールドを押しあてた状態で該塗布膜に光を照射することにより、ラインアンドスペースパターンの凹凸構造を有する硬化膜を形成する硬化工程と、上記硬化膜から上記モールドを離型する離型工程と、上記硬化膜を上記支持体とともにラインアンドスペースパターンのラインの長手方向に一軸延伸することによりパターン間隔を狭小化せしめる延伸工程と、を含むことを特徴とする。以下、本発明のパターン形成用モールドの製造方法の各工程について、図1を用いて詳細に説明する。

【0015】
[塗布工程]
塗布工程は、支持体10上に、光硬化性組成物を塗布して塗布膜20を形成する工程である(図1(a))。

【0016】
本発明で用いられる支持体10の材料としては、熱可塑性樹脂が好ましく、例えば、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリカーボネート等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂からなる基板、シートを用いると、後工程の延伸工程において、硬化膜と支持体とを一体化したまま延伸することができる。また、透明性を有するため、後工程の硬化工程において、支持体側から光を照射することができる。

【0017】
本発明で用いられる光硬化性組成物は、硬化膜の伸び率が50%以上のものが好ましい。より好ましくは硬化膜の伸び率が100%以上のものであり、更に好ましくは200%以上のものである。ここで硬化膜の伸び率とは、JIS K-7161のプラスチックフィルム試験法に準じた切断時伸び率を意味し、(試験片の標線間距離の増加/試験片の標線間距離)×100(%)で表される値である。

【0018】
上記光硬化性組成物は、光重合性モノマーと光重合開始剤とを少なくとも有する。
上記光重合性モノマーとしては、光ラジカル重合性官能基を有することが好ましく、例えば、エチレン性不飽和結合を有する官能基が挙げられ、(メタ)アクリレート基、ビニル基、アリル基、スチリル基が好ましく、(メタ)アクリレート基がより好ましい。特に、光硬化性組成物の硬化膜の伸び率を高める光重合性モノマーとして、ウレタン(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性アクリレート等を含有することが好ましく、ウレタン(メタ)アクリレートを含有することがより好ましい。

【0019】
具体的には、ウレタン(メタ)アクリレートとしては、脂肪族イソシアネート化合物と脂環族イソシアネート化合物とのモル比が80/20~20/80としてなるイソシアネート化合物と、エステル系ポリオール、エーテル系ポリオール又はポリカーボネート系ポリオールからなるポリオール化合物と、水酸基を有するアクリレート化合物とから製造されるウレタンアクリレート(特開2004-155893号公報参照)、分子量4000以上で1分子中に2~3個のアクロイル基又はメタクリロイル基を有するウレタンオリゴマー(特開平5-255631号公報参照)、トリ-~ヘキサ-イソシアネート1モルと水酸基を有するジ(メタ)アクリレート及び/又は水酸基を有するトリ(メタ)アクリレートとの反応によって得られる(メタ)アクリロイル基を含有するウレタンオリゴマー(特開2011-219660号公報参照)、(メタ)アクリロイル基を1分子あたりの平均として1個以上を有するウレタン結合型共役ジエン系ポリマー(特開2003-192750号公報参照)、トクシキ製AUP-800、AUP-803、AUP-805、東亜合成製アロマックスM-1100、M-1200、第一工業製薬製R-1235、日本曹達製TE-2000等を挙げることができる。
また、エチレンオキシド変性アクリレートとしては、東亞合成製アロマックスM-110、M-111等を挙げることができる。
これらの中でも特にトクシキ社製AUP-800、AUP-803、AUP-805を好適に用いることができる。

【0020】
上記の光重合性モノマーに加えて、反応性希釈剤を用いてもよい。反応性希釈剤は、単官能、多官能のいずれであってもよい。単官能重合性モノマーとしては、イミドアクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、アクロイルモルホリンジメチルアクリルアミド、ビニルカプロラクトン、N-ビニル-2-ピロリドン等を挙げることができる。多官能重合性モノマーとしては、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8-オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA変性のジ(メタ)アクリレート、ビス(アクリロキシネオペンチルグリコール)アジペート、ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシビバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールF変性のジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド付加物トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。

【0021】
上記反応性希釈剤の使用量は、上記光重合モノマー100重量部に対し、0~100重量部が好ましく、0~50重量部がより好ましい。

【0022】
上記光重合開始剤としては、公知のものを用いることができ、例えば、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジル、2-クロロチオキサントン、オリゴ(2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパンオン)、アントラキノン、ビイミダゾール、チオキサントン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノ-1-プロパン等を挙げることができる。これらの光重合開始剤は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

【0023】
上記光重合開始剤の使用量は、上記光重合モノマー100重量部に対し、0.1~15重量部が好ましく、2~10重量部がより好ましい。

【0024】
本発明に用いる光硬化性組成物には、有機溶剤を添加してもよい。有機溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソアミルケトン等のケトン類、メタノール、エタノール、プロパノール、n-ブタノール等のアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の多価アルコール誘導体、乳酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、メトキシプロピオン酸メチル等のエステル類、アニソール、エチルベンジルエーテル、エチルベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族系有機溶剤を挙げることができる。これらの有機溶剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

【0025】
上記有機溶剤の使用量は、光硬化性組成物の0~70質量%が好ましく、0~50質量%がより好ましい。

【0026】
また、本発明で用いる光硬化性組成物には、必要に応じて、光重合促進剤、光増感剤、レベリング剤、界面活性剤、酸化防止剤、分散剤、消泡剤、光安定剤、紫外線吸収剤、無機充填剤、有機充填剤、無機顔料、有機顔料等の他の成分を添加してもよい。

【0027】
上記光硬化性組成物の上記支持体10への塗布は、公知の方法によって行えばよく、スピンコート法、ドクターブレード法、ディップ法等で行えばよい。
上記塗布膜20の膜厚は、10~500μmが好ましく、50~200μmがより好ましい。

【0028】
[硬化工程]
硬化工程では、塗布膜20にラインアンドスペースパターンのモールド30を押し付け(図1(b))、塗布膜20に光を照射して硬化させ、硬化膜40を形成させる(図1(c))。

【0029】
上記モールド30は、ラインアンドスペースパターンのものであって、パターン間隔が10~2000nmのものを用いることが好ましく、20~500nmのものを用いることがより好ましい。また、パターンの深さは、10~2000nmのものを用いることが好ましく、50~500nmのものを用いることがより好ましい。上記モールド30は、石英、シリコン、シリコンカーバイド、ニッケル、タンタル等の公知の材料を用いて作製されたものを用いればよい。

【0030】
上記モールド30を上記塗布膜20に押し付け、その状態のまま、塗布膜20に紫外線を照射して硬化させ、硬化膜40を形成させる。紫外線の照射は、透明な樹脂製の支持体10側から行うか、又は、モールド30が石英製の場合はモールド側から行えばよい。紫外線照射条件としては100~2000mJ/cm程度が好ましい。

【0031】
[離型工程]
離型工程は、上記硬化膜40から上記モールド30を離型する工程である(図1(d))。モールドの形状が硬化膜に転写された、ラインアンドスペースパターンの凹凸構造が得られる。

【0032】
[延伸工程]
延伸工程は、上記硬化膜40と上記支持体10とをラインアンドスペースパターンのラインの長手方向(図中矢印)に一軸延伸してパターン間隔を狭小化せしめる工程である(図1(e))。

【0033】
延伸を行う前に、あらかじめ上記硬化膜40と上記支持体10とを加熱することが好ましい。加熱の温度は、上記支持体を形成する熱可塑性樹脂のガラス転移温度以上にすることが好ましい。

【0034】
上記硬化膜40と上記支持体10とは一体となっているため、延伸しやすさは上記支持体10の材質に依存する。延伸倍率を上げるためには、支持体10に伸び率の高い熱可塑性樹脂を用いるとよい。

【0035】
上記硬化膜40と上記支持体10とを加熱下延伸すると、延伸倍率に応じてラインアンドスペースパターンのパターン間隔を狭小化することができる。延伸状態を保持したまま、上記支持体10が硬化する温度まで冷却すると、パターン間隔を狭小化せしめたラインアンドスペースの凹凸構造50を得ることができる。より狭いパターン間隔の凹凸構造50を得たい場合には、細かいパターンのモールド30を用いればよい。例えば、本発明によって得られたパターン形成用モールドを、石英基板上の光インプリント材に転写し、これをマスクとして下層の石英をエッチングして新たなモールドを作製し、再び本発明のパターン形成用モールドの製造方法に用いれば、よりパターン間隔の狭い凹凸構造50を得ることができる。

【0036】
<パターン形成用モールドの製造方法(2)>
パターン形成用モールドの第二の製造方法は、支持体上に光硬化性組成物を塗布して塗布膜を形成する塗布工程と、上記塗布膜にラインアンドスペースパターンのモールドを押しあてた状態で該塗布膜に光を照射することにより、ラインアンドスペースパターンの凹凸構造を有する硬化膜を形成する硬化工程と、上記硬化膜から上記モールドを離型する離型工程と、上記支持体から上記硬化膜を剥離する剥離工程と、剥離後の上記硬化膜をラインアンドスペースパターンのラインの長手方向に一軸延伸することによりパターン間隔を狭小化せしめる延伸工程と、を含むことを特徴とする。以下、本発明のパターン形成用モールドの製造方法の各工程について、図2を用いて詳細に説明する。

【0037】
[塗布工程]
塗布工程は、支持体10上に光硬化性組成物を塗布して塗布膜20を形成させる工程である(図2(a))。

【0038】
本発明で用いられる支持体10としては、ガラス、シリコン、ニッケル、タンタル等の無機材料、又は、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリテトラフルオロエチレン、シクロオレフィンポリマー等の樹脂の基板やシートが挙げられる。これらのうち、後工程で支持体10から硬化膜を容易に剥離するには、ガラス又はシクロオレフィンポリマーの基板やシートを用いることが好ましい。

【0039】
本発明で用いられる光硬化性組成物は、上記パターン形成用モールドの製造方法(1)で用いたものと同様のものを用いればよい。
支持体10上へ、上記光硬化性組成物を塗布する方法としては、ドクターブレード法を用いることが好ましい。形成する塗布膜20の膜厚は10~500μmが好ましく、50~500μmがより好ましい。

【0040】
[硬化工程]
硬化工程では、塗布膜20にラインアンドスペースパターンのモールド30を押し付け(図2(b))、塗布膜20に光を照射して硬化させ、硬化膜40を形成させる(図2(c))。

【0041】
上記支持体10にシリコン、ニッケル、タンタル等の不透明材料を用いた場合には、モールド30に石英製等の透明なものを用いるとよい。支持体10、モールド30のいずれか透明な面から塗布膜20に紫外線を照射して、硬化膜40を形成させる。硬化膜40は10~500μmの厚みを有し、硬化前の塗布膜20に比べ収縮する。

【0042】
[離型工程]
離型工程は、上記硬化膜40と上記モールド30とを離型する工程である(図2(d))。モールドの形状が硬化膜に転写された、ラインアンドスペースパターンの凹凸構造が得られる。

【0043】
[剥離工程]
剥離工程は、上記硬化膜40を上記支持体10から剥離する工程である(図2(e))。
ピンセットでつまむ等して剥離することができる。剥離した硬化膜40の膜厚は50~200μmが好ましく、100~200μmがより好ましい。

【0044】
[延伸工程]
延伸工程は、上記硬化膜40をラインアンドスペースパターンのラインの長手方向(図中矢印)に一軸延伸することにより、ラインアンドスペースパターンの凹凸構造50を形成させる工程である(図2(f))。

【0045】
硬化膜40は室温で延伸すればよい。所定の長さに延伸した後固定すると、延伸時の形状を保ったラインアンドスペースパターンの凹凸構造50を得ることができる。支持体10から剥離した硬化膜40は、応力を解除すれば、延伸前の状態に戻るため、1つの硬化膜40から、延伸倍率を変えて延伸することによって、種々のパターン形成用モールドを製造することができる。

【0046】
≪パターン形成用モールド≫
本発明のパターン形成用モールドは、ラインアンドスペースパターンの凹凸構造を有し、上記凹凸構造が、光硬化性組成物を硬化させて形成したラインアンドスペースパターンの硬化膜をラインの長手方向に一軸延伸することによりパターン間隔を狭小化せしめたものであることを特徴とし、上記のパターン形成用モールドの製造方法に従って製造することができる。光硬化性組成物を硬化させて形成したラインアンドスペースパターンの硬化膜は、クラックや、ゆがみが生じにくいため、上記硬化膜を更に延伸してパターン間隔を狭小化しても、パターンの精度が低下しにくい。

【0047】
≪凹凸構造体の製造方法≫
本発明の凹凸構造体の製造方法は、ラインアンドスペースパターンの凹凸構造を有するパターン形成用モールドをインプリント材に押しあて、上記パターン形成用モールドの形状を上記インプリント材に転写する転写工程と、上記インプリント材から上記パターン形成用モールドを離型する離型工程と、を含み、上記凹凸構造が、光硬化性組成物を硬化させて形成したラインアンドスペースパターンの硬化膜をラインの長手方向に一軸延伸することによりパターン間隔を狭小化せしめたものであることを特徴とする。以下、本発明の凹凸構造体の製造方法の各工程について詳細に説明する。

【0048】
[転写工程]
転写工程では、ラインアンドスペースパターンの凹凸構造を有するパターン形成用モールドをインプリント材に押しあて、上記パターン形成用モールドの形状を上記インプリント材に転写する。

【0049】
本発明で用いるパターン形成用モールドは、上記のパターン形成用モールドの製造方法に従って製造されたものを用いればよい。パターンの精度が高いので、その形状を転写して得られる凹凸パターンはばらつきが小さい。

【0050】
本発明で用いるインプリント材は、熱インプリント材、光インプリント材、室温インプリント材のいずれであってもよく、公知の材料を用いればよい。これらのインプリント材を、ガラス基板、ポリエチレンテレフタレートシート等の支持体に塗布し、転写工程に用いるとよい。後工程の離型処理でインプリント材からパターン形成用モールドを離型しやすいように、モールドに離型剤を塗布しておいてもよい。離型剤は公知のものを用いればよく、フッ素系シランカップリング剤等を用いることができる。

【0051】
熱インプリント材としては、熱可塑性樹脂を用いればよく、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリサルフォン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアセタール、ポリアミド等が挙げられる。

【0052】
支持体に塗布した熱インプリント材を樹脂のガラス転移温度以上に加熱後、パターン形成用モールドを押しあて、その状態で冷却すれば、パターン形成用モールドの形状を転写できる。

【0053】
光インプリント材としては、光硬化性のモノマーやオリゴマーと光重合開始剤とを含む材料を用いればよい。光硬化性のモノマーやオリゴマーとしては、光ラジカル重合性官能基を有することが好ましく、例えば(メタ)アクリレート基、ビニル基、アリル基、スチリル基を含むことが好ましく、ベンジル(メタ)アクリレート、スチレン、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルメタクリレート等が挙げられる。また、光重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤を用いることが好ましく、アセトフェノン、ベンジル、ベンゾフェノン、チオキサントン等が挙げられる。

【0054】
支持体に塗布した光インプリント材にパターン形成用モールドを押しあて、その状態で光を照射して硬化させると、パターン形成用モールドの形状を転写できる。光インプリント材を硬化させた後、必要に応じてポストベイクを行ってもよい。

【0055】
室温インプリント材としては、ゾルゲル法によって得られるシロキサンオリゴマー、水素シルセスキオキサン等が挙げられる。

【0056】
支持体に塗布した室温インプリント材にパターン形成用モールドを押しあて、数MPa~数十MPaで押し付けることにより、パターン形成用モールドの形状を転写できる。

【0057】
[離型工程]
離型工程は、上記インプリント材から上記パターン形成用モールドを離型する工程である。離型後、必要に応じてリンス処理を行ってもよい。リンス処理には、フッ素系不活性溶剤、アルコール、超純水等が用いられる。

【0058】
上記の工程を経て、ばらつきの小さい凹凸パターンを有する凹凸構造体を得ることができる。
【実施例】
【0059】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0060】
[試験例1]
UV硬化型ウレタンアクリレート(トクシキ製、AUP-800)40質量部、メチルイソブチルケトン60質量部、光重合開始剤(BASF製、IGRACURE184)2質量部を混合し、光硬化性組成物を調製した。厚さ1mm、2cm×25cmのポリエチレンテレフタレート(PET)シートにスポイトで光硬化性組成物100μlを塗布し、塗布膜を得た。パターン間隔1080nm、高さ450nmのラインアンドスペースモールド(シリコン製)に離型剤オプツールDSX(ダイキン製)を塗布したものを塗布膜に押し付け、その状態で、スポットUV照射装置(ウシオ電機製、SP-IV)を用いて、1000mJ/cmで露光した。露光後、モールドを離型したところ、パターン間隔1080nmのラインアンドスペースパターンを有する硬化膜が得られた。そのSEM画像を図3(a)に示す。
次に、PETシートを熱風で80℃に温めながら、ラインアンドスペースパターンのラインの長手方向に一軸延伸し、元の長さの1.5倍となった状態で5分間維持した。その状態のまま冷却したところ、図3(b)に示すように、スペース幅が縮小したパターン間隔680nmのラインアンドスペースパターンを有する硬化膜(パターン形成用モールド)が得られた。
この表面に、離型剤オプツールDSXを浸漬処理して塗布し、UVナノインプリント用樹脂(東洋合成製、PAK-01)10μlを塗布し、更に接着処理したPETシートを押し付けた。その状態で100mJ/cmで露光した。PETシートとPAK-01とが接着したものをはがすと、図4に示すように、パターン間隔660nmのラインアンドスペースパターンが得られ、図3(b)のパターンがきれいに転写されていた。
【実施例】
【0061】
[試験例2]
UV硬化型ウレタンアクリレート(トクシキ製、AUP-800)19.16質量部、メチルエチルケトン9.83質量部、光重合開始剤(DBF-3624)0.5質量部を混合し、光硬化性組成物を調製した。厚さ100μm、8cm×15cmのゼオノアフィルム(日本ゼオン製、ZF16-100)上に、テーブルコータ(三井電気精機製)を用い、膜厚500μmで光硬化性組成物を伸ばし、塗布膜を得た。パターン間隔8029nm、高さ302nmのラインアンドスペースモールド(石英モールド、NTT-AT製)に離型剤オプツールDSX(ダイキン製)を塗布したものを塗布膜に押し付け、その状態で、スポットUV照射装置(ウシオ電機製、SP-IV)を用いて、1000mJ/cmで露光した。露光後、モールドを離型し、更にゼオノアフィルムをはがしたところ、ライン幅3.664μmのラインアンドスペースパターンを有する厚さ100μmのフィルムが得られた。
得られたフィルムについて、ラインアンドスペースパターンのラインの長手方向に一軸延伸し、元の長さの2倍となった状態で固定した。この状態でのライン幅は2.673μmであった。
【実施例】
【0062】
[試験例3]
1cm角のポリエステルフィルム(東洋紡製、コスモシャイン4300)にフッ素成分を含む変性エポキシ樹脂(オーテックス製、PARQIT OEX-028-X433-3)を塗布し、ニッケル金型を押し付け圧力2.5MPaで5分間押し付け、その状態で、スポットUV照射装置(ウシオ電機製、SP-IV)を用いて、3000mJ/cmで露光した。その後、硬化した変性エポキシ樹脂を金型から離型し、85℃で30分間加熱することで、ラインアンドスペースモールドを作製した。なお、上記の変性エポキシ樹脂は、UV硬化後に加熱することで、フッ素成分が表面に析出し、離型層となる。モールドのライン幅は2747nm、スペース幅は541nm、高さは725nmであった。
【実施例】
【0063】
UV硬化型ウレタンアクリレート(トクシキ製、AUP-803)40質量部、メチルイソブチルケトン60質量部、光重合開始剤(BASF製、IGRACURE184)2質量部を混合し、光硬化性組成物を調製した。厚さ1mm、2cm×25cmのポリエチレンテレフタレート(PET)シートにスポイトで光硬化性組成物100μlを塗布し、塗布膜を得た。上記で作製したモールドを押し付け圧力2.5MPaで5分間、塗布膜に押し付け、その状態で、スポットUV照射装置(ウシオ電機製SP-IV)を用いて、2000mJ/cmで露光した。露光後、モールドを離型したところ、ラインアンドスペースパターンを有する硬化膜が得られた。
次に、PETシートを熱風で80℃に温めながら、ラインアンドスペースパターンのラインの長手方向に種々の延伸倍率で一軸延伸し、その状態で5分間維持した。その状態のまま冷却したところ、スペース幅が縮小したラインアンドスペースパターンを有する硬化膜が得られた。
【実施例】
【0064】
そして、図5に示すように、硬化膜60の中央の1箇所及びその両隣の2箇所、並びに硬化膜60の延伸方向(図中矢印)の端部の1箇所及びその両隣の2箇所の計6箇所について、スペース幅、ライン幅、高さを測定した。結果を表1に示す。なお、表1では、延伸前のスペース幅、ライン幅、高さから算出した理論値を括弧内に併せて示している。表1から分かるように、延伸後に得られるラインアンドスペースパターンのスペース幅、ライン幅、高さは、位置によるばらつきが小さく、概ね理論値に近いものであった。
【実施例】
【0065】
【表1】
JP2014073682A_000003t.gif
【実施例】
【0066】
[試験例4]
UV硬化型ウレタンアクリレート(トクシキ製、AUP-803)19.16質量部、メチルエチルケトン9.83質量部、光重合開始剤(DBF-3624)0.5質量部を混合し、光硬化性組成物を調製した。厚さ120μm、2cm×2.5cmのUV硬化させたウレタンアクリレートフィルム(トクシキ製、AUP-805)上に、テーブルコータ(三井電気精機製)を用い、膜厚500μmで光硬化性組成物を伸ばし、塗布膜を得た。試験例3で作製したモールドを押し付け圧力2.5MPaで5分間、塗布膜に押し付け、その状態で、スポットUV照射装置(ウシオ電機製、SP-IV)を用いて、1000mJ/cmで露光した。露光後、モールドを離型したところ、ラインアンドスペースパターンを有する厚さ150μmのフィルムが得られた。
得られたフィルムについて、ラインアンドスペースパターンのラインの長手方向に種々の延伸倍率で一軸延伸し、その状態で固定した。
【実施例】
【0067】
そして、試験例3と同様にして計6箇所のスペース幅、ライン幅、高さを測定した。結果を表2に示す。なお、表2では、延伸前のスペース幅、ライン幅、高さから算出した理論値を括弧内に併せて示している。表2から分かるように、延伸後に得られるラインアンドスペースパターンのスペース幅、ライン幅、高さは、位置によるばらつきが小さく、概ね理論値に近いものであった。
【実施例】
【0068】
【表2】
JP2014073682A_000004t.gif
【実施例】
【0069】
[比較試験例1]
厚さ1mm、2cm×25cmのポリエチレンテレフタレート(PET)シートを80℃で加熱した後、パターン間隔1080nm、高さ450nmのラインアンドスペースモールド(シリコン製)を押し付け圧力5MPaで5分間押し付け、モールドを離型することにより、ラインアンドスペースパターンを有するPETシートを得た。
次に、PETシートを熱風で80℃に温めながら、ラインアンドスペースパターンのラインの長手方向に3cmだけ一軸延伸し、その状態のまま冷却した。その結果、図6に示すように、ラインアンドスペースパターンの一部が消失した。
【符号の説明】
【0070】
10:支持体
20:塗布膜
30:モールド
40:硬化膜
50:凹凸構造
60:硬化膜
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図5】
2
【図3】
3
【図4】
4
【図6】
5