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明細書 :立体物製造方法及び立体物製造装置、並びに、これらに用いられる板状体、経時固化材若しくはその前駆体、又は凹部形成用部材

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2016-055469 (P2016-055469A)
公開日 平成28年4月21日(2016.4.21)
発明の名称または考案の名称 立体物製造方法及び立体物製造装置、並びに、これらに用いられる板状体、経時固化材若しくはその前駆体、又は凹部形成用部材
国際特許分類 B29C  67/00        (2006.01)
FI B29C 67/00
請求項の数または発明の数 7
出願形態 OL
全頁数 8
出願番号 特願2014-181906 (P2014-181906)
出願日 平成26年9月8日(2014.9.8)
発明者または考案者 【氏名】田中 浩也
出願人 【識別番号】899000079
【氏名又は名称】学校法人慶應義塾
個別代理人の代理人 【識別番号】100106002、【弁理士】、【氏名又は名称】正林 真之
【識別番号】100120891、【弁理士】、【氏名又は名称】林 一好
審査請求 未請求
テーマコード 4F213
Fターム 4F213AC05
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL02
4F213WL73
4F213WL92
要約 【課題】水平面上に簡便に立体物を造形できる立体物製造方法及び立体物製造装置、並びに、上記製造方法及び製造装置に用いられる板状体、経時固化材等、又は凹部形成用部材を提供する。
【解決手段】本発明に係る立体物製造方法は、造形材料を順次積層して立体物7を造形する造形部1と、造形部1によって立体物7が造形される造形台5とを備える立体物製造装置6を用いて立体物7を製造するものであり、少なくとも一方の主平面に凹部を有し、造形部1の作業領域内に配置された板状体2の上記凹部の少なくとも一部に、液状又はスラリー状の経時固化材3を供給し、経時固化材3を固化させて固化物4を得ることにより、板状体2と板状体2の上記凹部の少なくとも一部において水平面を形成する固化物4とを含む造形台5を形成する造形台形成工程と、造形台5中の固化物4上に上記造形材料を順次積層することによって立体物7を造形する造形工程と、を含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
造形材料を順次積層して立体物を造形する造形部と、前記造形部によって前記立体物が造形される造形台とを備える立体物製造装置を用いて立体物を製造する立体物製造方法であって、
少なくとも一方の主平面に凹部を有し、前記造形部の作業領域内に配置された板状体の前記凹部の少なくとも一部に、液状又はスラリー状の経時固化材を供給し、前記経時固化材を固化させて固化物を得ることにより、前記板状体と前記板状体の前記凹部の少なくとも一部において水平面を形成する前記固化物とを含む造形台を形成する造形台形成工程と、
前記造形台中の前記固化物上に前記造形材料を順次積層することによって立体物を造形する造形工程と、
を含む立体物製造方法。
【請求項2】
前記板状体が前記造形部の作業領域内に固定して配置されたものである請求項1に記載の立体物製造方法。
【請求項3】
前記造形台形成工程において、その凹部の少なくとも一部に前記固化物を含む前記板状体が有する前記凹部の少なくとも一部に前記経時固化材を供給する請求項1又は2に記載の立体物製造方法。
【請求項4】
造形材料を順次積層することによって立体物を製造する立体物製造装置であって、
前記造形材料を順次積層して前記立体物の造形を行う造形部と、
前記造形部によって前記立体物が造形される造形台と、
を備え、
前記造形台は、少なくとも一方の主平面に凹部を有し、前記造形部の作業領域内に配置された板状体の前記凹部の少なくとも一部に、液状又はスラリー状の経時固化材を供給し、前記経時固化材を固化させて固化物を得ることにより形成され、前記板状体と前記板状体の前記凹部の少なくとも一部において水平面を形成する前記固化物とを含む立体物製造装置。
【請求項5】
請求項1から3のいずれか1項に記載の立体物製造方法又は請求項4に記載の立体物製造装置に用いられる、少なくとも一方の主平面に凹部を有する板状体。
【請求項6】
請求項1から3のいずれか1項に記載の立体物製造方法又は請求項4に記載の立体物製造装置に用いられる、液状又はスラリー状の経時固化材又はその前駆体。
【請求項7】
請求項1から3のいずれか1項に記載の立体物製造方法又は請求項4に記載の立体物製造装置に用いられる凹部形成用部材であって、前記板状体又は前記造形台とともに凹部を形成するように、前記板状体又は前記造形台に取り付けられる凹部形成用部材。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、立体物製造方法及び立体物製造装置、並びに、上記立体物製造方法及び立体物製造装置に用いられる板状体、経時固化材若しくはその前駆体、又は凹部形成用部材に関する。
【背景技術】
【0002】
立体物を製造する装置として、いわゆる3Dプリンターが知られている。このような装置において3次元の立体物を造形する方法の1つとしては、積層造形法が知られている。例えば、特許文献1には、所望のパターンで基部材上で凝固する多数の層を順次堆積することによって所定の形状の三次元物理的物体を作る装置が開示されている。
【先行技術文献】
【0003】

【特許文献1】特開平03-158228号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
積層造形法を用いた3Dプリンターにおいては、溶融した樹脂等の造形材料をプリンタヘッドから造形台上に吐出して第一層を形成した後、この第一層の上に第二層以降を積層して、立体物が製造される。この際、造形台の表面が水平でないと、造形材料を順次積層するのに不具合をきたしやすく、所望の立体物を製造することが困難となりやすい。
【0005】
従来、造形台の表面の水平を確保するため、例えば、水準器で水平度を確認しながら、造形台下部等に設けられた数点のネジを調整する方法がとられている。このような従来の方法は、煩雑であり、また、高い水平度を確保しにくい。また、最近は、事前に造形台の表面の傾きを自動計測し、それに合わせて、第一層を形成する際に、位置ごとに造形材料の吐出量を変化させて、形成された第一層の上面を水平面とし、第二層以降はこの水平面上に形成する技術が開発されている。しかし、このような技術を用いて製造された立体物は、傾斜面上で形成されたものとなりやすく、水平面上では立体物自体が傾斜してしまうという不具合が生じやすい。
【0006】
本発明は、このような従来の実情に鑑みてなされたものであり、水平面上に簡便に立体物を造形することができる立体物製造方法及び立体物製造装置、並びに、上記立体物製造方法及び立体物製造装置に用いられる板状体、経時固化材若しくはその前駆体、又は凹部形成用部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた。その結果、液状又はスラリー状の経時固化材を凹部内で固化させて水平面を形成し、この水平面上に立体物を造形することにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は以下のものを提供する。
【0008】
本発明の第一の態様は、造形材料を順次積層して立体物を造形する造形部と、上記造形部によって上記立体物が造形される造形台とを備える立体物製造装置を用いて立体物を製造する立体物製造方法であって、少なくとも一方の主平面に凹部を有し、前記造形部の作業領域内に配置された板状体の前記凹部の少なくとも一部に、液状又はスラリー状の経時固化材を供給し、前記経時固化材を固化させて固化物を得ることにより、前記板状体と前記板状体の前記凹部の少なくとも一部において水平面を形成する前記固化物とを含む造形台を形成する造形台形成工程と、上記造形台中の上記固化物上に上記造形材料を順次積層することによって立体物を造形する造形工程と、を含む立体物製造方法である。
【0009】
本発明の第二の態様は、造形材料を順次積層することによって立体物を製造する立体物製造装置であって、上記造形材料を順次積層して上記立体物の造形を行う造形部と、上記造形部によって上記立体物が造形される造形台と、を備え、上記造形台は、少なくとも一方の主平面に凹部を有し、前記造形部の作業領域内に配置された板状体の前記凹部の少なくとも一部に、液状又はスラリー状の経時固化材を供給し、前記経時固化材を固化させて固化物を得ることにより形成され、前記板状体と前記板状体の前記凹部の少なくとも一部において水平面を形成する前記固化物とを含む立体物製造装置である。
【0010】
本発明の第三の態様は、上記立体物製造方法又は上記立体物製造装置に用いられる、少なくとも一方の主平面に凹部を有する板状体である。
本発明の第四の態様は、上記立体物製造方法又は上記立体物製造装置に用いられる、液状又はスラリー状の経時固化材又はその前駆体である。
本発明の第五の態様は、上記立体物製造方法又は上記立体物製造装置に用いられる凹部形成用部材であって、上記板状体又は上記造形台とともに凹部を形成するように、上記板状体又は上記造形台に取り付けられる凹部形成用部材である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、水平面上に簡便に立体物を造形することができる立体物製造方法及び立体物製造装置、並びに、上記立体物製造方法及び立体物製造装置に用いられる板状体、経時固化材若しくはその前駆体、又は凹部形成用部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係る立体物製造方法を模式的に示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る凹部形成用部材の使用形態を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<立体物製造方法>
本発明に係る立体物製造方法は、造形材料を順次積層して立体物を造形する造形部と、上記造形部によって上記立体物が造形される造形台とを備える立体物製造装置を用いて立体物を製造する立体物製造方法であって、少なくとも一方の主平面に凹部を有し、前記造形部の作業領域内に配置された板状体の前記凹部の少なくとも一部に、液状又はスラリー状の経時固化材を供給し、前記経時固化材を固化させて固化物を得ることにより、前記板状体と前記板状体の前記凹部の少なくとも一部において水平面を形成する前記固化物とを含む造形台を形成する造形台形成工程と、上記造形台中の上記固化物上に上記造形材料を順次積層することによって立体物を造形する造形工程と、を含む。
以下、本発明に係る立体物製造方法について、図1を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態に係る立体物製造方法を模式的に示す図である。

【0014】
本実施形態において、造形台形成工程は、図1(a)及び図1(b)で示される工程である。
まず、図1(a)において、少なくとも一方の主平面に凹部を有し、造形部1の作業領域内に配置された板状体2の上記凹部の少なくとも一部に、液状又はスラリー状の経時固化材3を供給する。凹部の深さは、液状又はスラリー状の経時固化材3を供給することができ、経時固化材3が固化して水平面を有する固化物4が形成される限り、特に限定されず、例えば、1~10cm、好ましくは3~7cmが挙げられる。経時固化材3の供給量としては、特に限定されないが、上記凹部に供給された経時固化材3の深さが、例えば、1~5mm、好ましくは2~4mm程度となる量が挙げられる。

【0015】
造形部1は、後述する立体物製造装置6の一部を構成する。造形部1は、最下部に造形材料の吐出口(図示せず)を有し、この吐出口を通じて造形材料を吐出する。造形材料としては、3Dプリンターにより立体物を製造するのに用いることのできるものであれば、特に限定されず、従来公知の造形材料を用いることができる。造形材料としては、例えば、PLA(ポリ乳酸)樹脂、ABS樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられる。造形部1の作業領域とは、造形部1が造形材料を吐出することができる領域をいう。

【0016】
板状体2は、底面と底面の端部から底面に対し垂直上方に延びる側面とから構成され、底面と側面とで形成される凹部を有する。ただし、板状体2の構成は、上記のものに限定されず、例えば、凹部の断面は、下に凸の円弧等の曲線を輪郭に有するものであってもよい。また、板状体2の底面の形状としては、特に限定されず、例えば、円、楕円や、三角形、四角形(正方形、長方形、平行四辺形、台形等)、六角形等の多角形が挙げられる。

【0017】
板状体2は、1種の材料から形成されていてもよいし、2種以上の材料から形成されていてもよい。例えば、底面と側面とが異なる材料でできていてもよい。この場合、底面としては、例えば、ベニヤ板、MDF板等が挙げられ、側面としては、例えば、プラスチック板、テープ等が挙げられる。

【0018】
板状体2は、造形部1の作業領域内に固定して配置されたものであることが好ましい。本実施形態においては、従来と異なり、板状体2自体の水平は確保する必要がないため、板状体の水平度をネジで調整することは不要であり、板状体2を固定することができる。板状体2を固定して配置することで、特に、板状体2が大型になった場合に、経時固化材3の供給時又は固化時、立体物7の造形時等に板状体2の位置がずれにくくなり、固化物4の形成、立体物7の造形等に不具合が生じにくくなる。板状体2を固定する手段としては、特に限定されず、ビス、テープ、接着剤等が挙げられる。

【0019】
液状又はスラリー状の経時固化材3は、調製時に液状又はスラリー状であり、継時的に固化する材料であれば、特に限定されない。本発明の目的を達成する上では、調製時に液状又はスラリー状であり、上記凹部の少なくとも一部への供給時にも液状又はスラリー状を維持しており、上記供給後、速やかに固化する材料であることが好ましい。液状又はスラリー状の経時固化材3は、いずれの条件で固化するものであってもよく、例えば、常温で固化するものであっても、加熱下で固化するものであってもよく、作業性の観点等から、常温で固化するものであることが好ましい。

【0020】
液状又はスラリー状の経時固化材3の固化物4は、造形部1から吐出された造形材料が形成する第一層を定着させやすいものであることが好ましい。固化物4が第一層を定着させやすいものであると、第二層以降の積層の際に、積層された造形材料の位置にずれ等が生じにくく、所望の立体物を製造しやすい。

【0021】
液状又はスラリー状の経時固化材3の固化物4は、造形部1から吐出された造形材料に対して耐熱性を有するものであることが好ましい。通常、造形材料は、加熱により形成された溶融物として、造形部1から固形物4に対して吐出される。固化物4は、造形部1から吐出された造形材料に対して耐熱性を有するものであると、熱による変形、変性等を受けにくく、固形物4から形成される水平面が維持されやすい。

【0022】
液状又はスラリー状の経時固化材3の固化物4は、製造された立体物が容易に剥離するものであることが好ましい。固化物4がこのような特性を有すると、製造された立体物を固化物4から剥離する際に、当該立体物は不要な力を受けにくく、変形等が生じにくい。

【0023】
液状又はスラリー状の経時固化材3としては、例えば、室温硬化性液状シリコーン組成物、熱硬化性液状シリコーン組成物等の液状シリコーン組成物;石膏スラリー;フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリウレタン等の硬化性樹脂を含む液状組成物(例えば、硬化性樹脂と溶剤とを含む組成物);ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ環状オレフィン等)、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、(メタ)アクリル樹脂、セルロース系樹脂、エラストマー、脂肪族ポリアミド(ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン12、ナイロン6,12等)、芳香族ポリアミド(MXDナイロン等)、芳香族ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂等)、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアリーレンサルファイド(ポリフェニレンサルファイド樹脂等)、ポリスルフォン、ポリイミド、液晶性ポリマー(液晶ポリエステル、液晶ポリエステルアミド、液晶ポリアミド等)等の熱可塑性樹脂の融解物、熱可塑性樹脂を含む固体状組成物の溶融物、熱可塑性樹脂を含む液状組成物(例えば、熱可塑性樹脂と溶剤とを含む組成物)等が挙げられ、シリコーン系組成物、石膏スラリーが好ましく、シリコーン系組成物が好ましい。シリコーン系組成物の市販品としては、例えば、シロプレンRTV-2K 1406(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)等が挙げられる。石膏スラリーの市販品としては、例えば、SLプラスター(吉野石膏(株)製)等が挙げられる。

【0024】
上記凹部が大面積である場合や経時固化材3の固化速度が速い場合等には、上記凹部に供給した経時固化材3の表面を平坦にならしてもよい。これにより、上記のような場合でも、経時固化材3の固化により水平面をより得やすくなる。

【0025】
次に、図1(b)において、経時固化材3を固化させて固化物4を得ることにより、板状体2と板状体2の上記凹部の少なくとも一部において水平面を形成する固化物4とを含む造形台5を形成する。

【0026】
経時固化材3を固化させる方法としては、特に限定されず、経時固化材3の種類に応じて適宜選定することができ、例えば、室温で静置する方法、加熱下で静置する方法等が挙げられる。

【0027】
図1(b)又は図1(c)において、立体物製造装置6は、造形材料を順次積層して立体物を造形する造形部1と、造形部1によって上記立体物が造形される造形台5とを備える。立体物製造装置6は、いわゆる3Dプリンターであり、適宜、図1には示さないフレーム、データ入力部、データ処理部等を有する。立体物製造装置6の構成としては、特に限定されず、例えば、デルタ型(パラレルリンク)3Dプリンターであっても、3軸型3Dプリンターであってもよい。

【0028】
本実施形態において、造形工程は、図1(c)で示される工程である。造形工程では、造形部1から固化物4に造形材料を吐出して、第一層を形成し、この第一層の上に第二層以降を積層して、立体物7を製造する。上記第一層は、固化物4が有する水平面上に形成されるため、その後、造形材料を順次積層して第二層以降を形成する際に不具合が生じにくく、所望の立体物7を容易に製造することができる。

【0029】
なお、図1(a)において、板状体2の凹部の少なくとも一部に、液状又はスラリー状の経時固化材3を供給したが、使用済みの造形台5が、液状又はスラリー状の経時固化材3を供給して固化物4を形成ことができる程度の深さを有する凹部を有する場合には、板状体2を用いる代わりに造形台5を用い、造形台5の凹部の少なくとも一部に、液状又はスラリー状の経時固化材3を供給してもよい。このように、本実施形態においては、使用済みの造形台5を再利用することができる。

【0030】
<立体物製造装置>
本発明に係る立体物製造装置は、造形材料を順次積層することによって立体物を製造する立体物製造装置であって、上記造形材料を順次積層して上記立体物の造形を行う造形部と、上記造形部によって上記立体物が造形される造形台と、を備え、上記造形台は、少なくとも一方の主平面に凹部を有し、前記造形部の作業領域内に配置された板状体の前記凹部の少なくとも一部に、液状又はスラリー状の経時固化材を供給し、前記経時固化材を固化させて固化物を得ることにより形成され、前記板状体と前記板状体の前記凹部の少なくとも一部において水平面を形成する前記固化物とを含む。本発明の実施形態に係る立体物製造装置は、図1(b)又は図1(c)に示す通り、造形部1と造形台5とを備える立体物製造装置6である。造形部1、造形台5、及び立体物製造装置6の詳細は、上記の通りである。

【0031】
<少なくとも一方の主平面に凹部を有する板状体>
本発明に係る少なくとも一方の主平面に凹部を有する板状体は、本発明に係る立体物製造方法又は本発明に係る立体物製造装置に用いられるものである。少なくとも一方の主平面に凹部を有する板状体の詳細は、上記の通りである。

【0032】
<液状又はスラリー状の経時固化材又はその前駆体>
本発明に係る液状又はスラリー状の経時固化材又はその前駆体は、本発明に係る立体物製造方法又は本発明に係る立体物製造装置に用いられるものである。液状又はスラリー状の経時固化材の詳細は、上記の通りである。上記前駆体とは、液状又はスラリー状の経時固化材を調製する前の原料をいう。例えば、シリコーン組成物の場合は、シリコーンと硬化触媒とが別々に包装された二液型のシリコーン組成物等が挙げられる。石膏スラリーの場合は、水に分散させる前の石膏粉末又は石膏粉末と添加剤とを含む粉末材料等が挙げられる。熱可塑性樹脂の融解物の場合は、熱で融解させる前の固体状の熱可塑性樹脂等が挙げられる。

【0033】
<凹部形成用部材>
本発明に係る凹部形成用部材は、本発明に係る立体物製造方法又は本発明に係る立体物製造装置に用いられるものであり、上記板状体又は上記造形台とともに凹部を形成するように、上記板状体又は上記造形台に取り付けられる。
以下、本発明に係る凹部形成用部材について、図2を参照して説明する。図2は、本発明の実施形態に係る凹部形成用部材の使用形態を模式的に示す図である。

【0034】
図2(a)において、凹部形成用部材8は、造形台5に取り付けられ、造形台5とともに凹部を形成する。このようにして凹部を形成することにより、使用済みの造形台5における凹部を深くすることができ、この凹部に経時固化材3を供給して固化物4を形成することのできる回数が増加するため、使用済みの造形台5を再利用する回数を増やすことができる。

【0035】
図2(b)において、凹部形成用部材8は、造形台5に取り付けられる代わりに、板状体2に取り付けられ、板状体2とともに凹部を形成する。この場合も、図2(a)の場合と同様に、使用済みの造形台5を再利用する回数を増やすことができる。

【0036】
本発明に係る凹部形成用部材の材料としては、特に限定されず、板状体2の側面の材料と同じであっても異なってもよく、例えば、プラスチック板、テープ等が挙げられる。
【符号の説明】
【0037】
1 造形部
2 板状体
3 経時固化材
4 固化物
5 造形台
6 立体物製造装置
7 立体物
8 凹部形成用部材
図面
【図1】
0
【図2】
1