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明細書 :バクテリアセルロースの製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2014-121314 (P2014-121314A)
公開日 平成26年7月3日(2014.7.3)
発明の名称または考案の名称 バクテリアセルロースの製造方法
国際特許分類 C12P  19/04        (2006.01)
FI C12P 19/04 C
請求項の数または発明の数 4
出願形態 OL
全頁数 12
出願番号 特願2013-222983 (P2013-222983)
出願日 平成25年10月28日(2013.10.28)
公序良俗違反の表示 1.テフロン
優先権出願番号 2012256809
優先日 平成24年11月22日(2012.11.22)
優先権主張国 日本国(JP)
発明者または考案者 【氏名】星 徹
【氏名】柿沼 祐香
【氏名】澤口 孝志
【氏名】矢野 彰一郎
出願人 【識別番号】899000057
【氏名又は名称】学校法人日本大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100114890、【弁理士】、【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
【識別番号】100143959、【弁理士】、【氏名又は名称】住吉 秀一
審査請求 未請求
テーマコード 4B064
Fターム 4B064AF12
4B064CA02
4B064CC03
4B064CD14
4B064DA01
4B064DA10
要約 【課題】バクテリアセルロース、特に中空球状のバクテリアセルロースの新規な製造方法を提供する。
【解決手段】疎水性媒体中でセルロース産生菌を培養することを特徴とする、バクテリアセルロースの製造方法。
【選択図】図3
特許請求の範囲 【請求項1】
疎水性媒体中でセルロース産生菌を培養することを特徴とする、バクテリアセルロースの製造方法。
【請求項2】
前記バクテリアセルロースが中空球状である、請求項1記載の製造方法。
【請求項3】
疎水性媒体として、シリコーンオイルを使用する、請求項1又は2記載の製造方法。
【請求項4】
中空球状のバクテリアセルロース。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、バクテリアセルロースの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
微生物がセルロースを生産するという事実は、100年以上前にA.J.Brownによって報告されている。このような、微生物が生産するセルロースは、一般にバクテリアセルロースやバイオセルロースと呼ばれている(以下、「バクテリアセルロース」あるいは「BC」と称する場合がある)。
【0003】
バクテリアセルロースは、植物由来のセルロースには見られない優れた性質を持つことで知られている。たとえば、植物セルロースがリグニンやヘミセルロースなどを含むのに対して、バクテリアセルロースは純粋なセルロースのみであること、バクテリアセルロースの繊維幅が植物セルロースに比べ、100分の1から1000分の1と言われるほど細いこと、水素結合の強さや面配向性に起因した高いヤング率を有すること、液晶を形成することなど、物質としての高付加価値的特性が存在する。
【0004】
このようなバクテリアセルロースの特性を活用し、従来から様々な利用研究が進められている。たとえば、燃料電池電解質膜への利用(非特許文献1)、ガン診断用計測デバイスやUV対策化粧品(非特許文献2)など、工業、医療分野へ向けた開発である。
【0005】
バクテリアセルロースが実際に商品化された事例としては、スピーカ等の音響振動板に利用されたケースがある(特許第2953743号)。また、バクテリアセルロースの生産量を向上させる培地の開発も従来から進められており、多くの技術的提案がなされている(特許第2766165号、特許第2816939号、特許第3809551号、特開平5-1718、特開平7-184675、特開平7-184677、特開平8-34802、特開平9-296003、特開平10-146198、特開平11-181001、特開2000-4895、特開2005-80571等)。
【0006】
しかしながら、先に述べたような利用研究の実用化を促進するためには、バクテリアセルロースの低コスト生産を可能にすることに加えて、種々の形状のバクテリアセルロースを得ることが必要である。この課題を解決する技術として、チューブ状のバクテリアセルロースを作製する方法(非特許文献3)及び球状のバクテリアセルロースを作製する方法(非特許文献4)がすでに報告されている。
【先行技術文献】
【0007】

【非特許文献1】セルロース学会第13回年次大会講演要旨集、p73、2006
【非特許文献2】化学と生物、45、p600-601、2007
【非特許文献3】Ananda Putra,et al.Polymer, 2008,49,1885-1891
【非特許文献4】Yang Hu, et al., Biomacromolecules, 2010,11,1727-1734
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、簡便かつ効率的にバクテリアセルロースを製造できる新規な製造方法を提供することを課題とする。また、本発明は、従来技術では製造ができなかった形状、例えば、中空球状やシート状のバクテリアセルロースの製造を可能にする方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明者が鋭意検討した結果、疎水性媒体中でセルロース産生菌を培養することが可能であり、それにより中空球状のバクテリアセルロースが得られるという新規な知見を得ることにより、本発明を完成させた。
【0010】
すなわち、本発明は、疎水性媒体中でセルロース産生菌を培養することを特徴とする、バクテリアセルロースの製造方法に関する。
【0011】
また、本発明は、前記バクテリアセルロースが中空球状又はシート状である、前記製造方法に関する。
【0012】
また、本発明は、疎水性媒体として、シリコーンオイルを使用する、前記製造方法に関する。
【0013】
さらに、本発明は中空球状のバクテリアセルロースに関する。なお、本明細書において、「球状」とは、丸みを帯びた形状のことを言い、真球状等の形状に限られるものではない。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るバクテリアセルロースの製造方法によれば、簡便且つ効率的にバクテリアセルロースの製造が可能であるとともに、従来技術では不可能であった形状、例えば中空球状やシート状のバクテリアセルロースの製造も可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、乾燥後のエアロゲルの赤外吸収スペクトル(IR)を示す。
【図2】図2は、サラダオイルを使用した場合と、シリコーンオイルを使用した場合の、培養日数対セルロース生成量の違いを示す。
【図3】図3は、実施例4の培養時の写真及び得られたエアロゲルの写真を示す。
【図4】図4は、乾燥後のバクテリアセルロースのSEM像を示す。
【図5】図5は、実施例5で得られた中空球状バクテリアセルロースゲルの写真を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を、実施形態に即して詳細に説明する。

【0017】
本発明に係るバクテリアセルロースの製造方法は、疎水性媒体中でセルロース産生菌を培養することを特徴とする。疎水性媒体中で、セルロースゲルの製造が可能である原因は定かではないが、おそらく疎水性媒体中の溶存酸素により、培養液と疎水性媒体との界面でセルロースの産生が進行したものと考えられる。

【0018】
疎水性媒体としては、特に制限されるものではなく、たとえば、飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸等の脂肪酸、脂肪族炭化水素類、環状炭化水素類、芳香族炭化水素類、複素環式化合物類、シリコーンオイルなどがあげられる。

【0019】
飽和脂肪酸としては、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘプタデカン酸、トクタデカン酸等の、炭素数4~30の直鎖又は分岐の飽和脂肪酸があげられる。不飽和脂肪酸としては、ヘキサデカン酸、オクタデカン酸、イコサン酸等の、炭素数4~30の直鎖又は分岐の不飽和脂肪酸があげられる。脂肪族炭化水素としては、ヘキサン、ヘプタン、デカン等の、炭素数4~30の脂肪族炭化水素があげられる。環状炭化水素としては、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の、炭素数6~30の環状炭化水素があげられる。芳香族炭化水素としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレン等があげられる。複素環式化合物としては、イミダゾール、ピリジンなどがあげられる。シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル、環状シリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、高級脂肪酸エステル変性シリコーンオイル、アルキル・アラルキル変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、アルキル・ポリエーテル変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイルなどがあげられる。これらのうち、バクテリアセルロースの培養のために必要な酸素透過性を有する観点から、シリコーンオイルを使用することが好ましい。なお、疎水性媒体は一種を単独で使用しても、二種以上を組み合わせて使用しても良い。

【0020】
中空状のバクテリアセルロースを製造するためには、疎水性媒体の比重が培養液の比重とほぼ同等、好ましくは±10%、さらに好ましくは±5%の範囲であることが好ましい。疎水性媒体の比重と培養液の比重がほぼ同等であることにより、培養液が疎水性媒体中に浮遊し、整った中空状のバクテリアセルロースゲルの製造が可能となる。

【0021】
バクテリアセルロース産生菌としては、特に制限はないが、Acetobacter属、Agrobacterium属、Rhizobium属、Sarcina属、Pseudomonas属、Achromobacter属、Alcaligenes属、Aerobacter属、Azotobacter属、Gluconacetobacter属などがある。これらのうち、入手および取り扱いのしやすさから、アセトバクター・キシリナム(Acetobacter xylinum)、アセトバクター・パスツリアヌス(A. pasteurianus)、グルコナセトバクター・キシリナス(Gluconacetobacter xylinus)等の酢酸菌が最も好ましい。

【0022】
疎水性媒体中でセルロース産生菌を培養する具体的な方法としては、たとえば、疎水性媒体中に、セルロース産生菌及び適切な栄養素を含んだ培養液を滴下し、適当な温度で静置培養、振盪培養または通気攪拌培養することがあげられる。

【0023】
培養液には、適切な栄養素が含まれていることが必要であり、場合により、浸透圧及び/又は水素イオン濃度を培養に適する範囲に調節することも必要である。たとえば、酢酸菌であれば、培養液には、炭素源として、グルコース(ぶどう糖)、シュクロース(砂糖)、マルトース、フラクトース、マンノース、マンニトール、ソルビトール、エリスリトール、転化糖、セロビオース、パルプスラッジ加水分解物、各種モラセス(廃糖蜜)、又はその他グリセリンを含む。特に、グルコースを含むことが好ましい。ただし、炭素源は、グルコースのみからなる必要はなく、50%以下の他の糖類、例えば果糖、砂糖、マンノース等との混合物であってもよい。上記した炭素源を含有する澱粉水解物、シトラスモラセス、ビートモラセス、ビート搾汁、サトウキビ搾汁、果汁等をグルコースに添加して使用することもできる。

【0024】
本発明で上記炭素源以外に必要とされる培地に添加されるものとしては、pH調整剤、消泡剤、コーンスティプリカー、アミノ酸等の各種窒素源とNa,K、Ca、Fe、Zn、Mn,Cu、Mg等の金属イオン源、あるいは各種ビタミン類を通常微生物生産培地に配合する程度配合することができる。

【0025】
具体的には、金属イオンを含む化合物としてはFeSO4、CaCl2、Na2MoO4、ZnSO4、MnSO4、CuSO4、MgSO4等の水和塩等を挙げることができる。

【0026】
ビタミン類としては、イノシトール、ニコチン酸、ピリドキシ塩酸塩、チアミン塩酸塩、パントテン酸カルシウム、リボフラビン、p-アミノ安息香酸、葉酸、ビオチン等を挙げることができる。

【0027】
また、バクテリアセルロースを産生する培養時にエタノールを添加することがバクテリアセルロースの産生量が向上するため好ましい。このエタノールの添加は一度に添加してもよく、逐次的に添加してもよい。エタノールの添加量は、1.0g/L~6.0g/Lの範囲が好ましい。

【0028】
培養液のpHは、酢酸菌が生育できバクテリアセルロースが産生する限り特に限定されないが、一般的にはpH3~7の範囲内で培養することができる。好ましくはpHは4~6であり、例えば、5付近のpHに設定することができる。pH調整は任意のアルカリ及び酸を用いて行うことができ、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム又は炭酸ナトリウム等のアルカリ、並びに酢酸、クエン酸、塩酸、硫酸又は硝酸等の酸を使用することができる。

【0029】
本発明の酢酸菌を用いてバクテリアセルロースを産生する際の培養温度は通常10~50℃の範囲内であり、好ましくは10~40℃、より好ましくは20~40℃、さらに好ましくは25~35℃である。

【0030】
培養方法としては、任意の微生物培養方法を使用することができ、静置培養、振盪培養または通気攪拌培養などを使用することができる。培養操作法としては、回分発酵法、流加回分発酵法、反復回分発酵法及び連続発酵法等を用いることができる。攪拌手段としては、例えばインペラー(攪拌羽根)、エアーリフト発酵槽、発酵ブロスのポンプ駆動循環などを単独または組合せて使用することができる。培養液滴同士の接触融合を回避するために、穴プレート、例えば96穴プレートなどを使用し培養液滴同士を離れた状態で独立維持することができる。また、静置培養、プレートシェーカーによる振盪培養なども使用することができる。

【0031】
培養を行う装置としては、通常の微生物を用いて食品を製造するために用いられる各種の装置を用いることができる。例えば、槽内を一定の温度に保温しうる撹拌機付ジャーファーメンターを用いることができる。培養期間は通常、1~25日間、好ましくは2~18日間である。このような培養によりバクテリアセルロースが乾燥重量で0.001g/L~10.0g/L程度産生される。

【0032】
培養の際には、必要に応じて、界面活性剤を使用することもできる。界面活性剤を使用することにより、疎水性媒体中の培養液滴が細かくなるので、より微細なバクテリアセルロースを製造することができる。

【0033】
本発明の方法によって製造されるバクテリアセルロースはそのまま回収してもよいし、あるいは回収物中に含まれるセルロース性物質以外の不純物を除去する処理を行ってもよい。不純物を除去するためには、水洗、加圧脱水、希酸洗浄、アルカリ洗浄、次亜塩素酸ソーダ及び過酸化水素などの漂白剤による処理、リゾチームなどの菌体溶解酵素による処理、ラウリル硫酸ソーダ、デオキシコール酸などの界面活性剤による処理、または加熱洗浄を単独または組み合わせて行うことにより、セルロース性物質から不純物を除去することができる。また、超臨界二酸化炭素等の超臨界流体を用いて、バクテリアセルロースを乾燥させることもできる。具体的には、バクテリアセルロースの分散媒である水を、非水媒体、例えばエタノールで置換したバクテリアセルロースエタノールゲルを、例えば60℃、20MPaの状態で、超臨界二酸化炭素を、例えば2.0mL/minの流速で流通しながら非水媒体を除去することでエアロゲル化することがあげられる。(非特許文献 星徹、前田英朗、溝渕耕輔、鉄川明日香、澤口孝志、矢野彰一郎、高分子論文集、2010、67(5)、318-325)

【0034】
上記のようにして得られたバクテリアセルロースは、作製条件にもよるが、中空状のものであれば、外径が通常100μm~10mm、典型的には500μm~5mmの範囲である。また、中空球状のものについては、内部に薬剤などを充填することも可能であるから、医薬品や食品用の素材として用いることができる。また、疎水性媒体と培養液界面でセルロースが生成することから、例えば、シート状のバクテリアセルロースを製造することも可能である。シート状のバクテリアセルロースは、例えば分離膜、細胞培養シート、組織癒着防止シートなどとして利用することができる。
【実施例】
【0035】
以下、本発明を実施例に則してより詳細に説明する。
[実施例1]:植物性油(サラダオイル)を使用したシート状バクテリアセルロースの製造
試験管中に、酢酸菌(Gluconacetobacter xylinus)、エタノール、母液(D-グルコース、ポリペプトン、硫酸マグネシウム7水和物、酵母エキス、マンニトールを含む)およびビタミン剤(ネオM.V.I-9)の母液混合液(比重1.02)の20mlを充填した。続いて、サラダオイルを添加することにより、母液混合液の上にサラダオイル相を形成した。その後、試験管を3~14日間静置した。
【実施例】
【0036】
培養後、サラダオイルと培養液との界面に生成した固体相を取り出し、純水により洗浄、1.0wt%水酸化ナトリウム水溶液により殺菌、及び0.5wt%次亜塩素酸ナトリウム水溶液により漂白した。続いて、超臨界二酸化炭素中で乾燥させることにより、エアロゲルを得た。
[実施例2]:シリコーンオイルを使用したシート状バクテリアセルロースの製造
サラダオイルの代わりに、シリコーンオイル(信越シリコーン社製、KF-96、比重0.96)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、エアロゲルを得た。
【実施例】
【0037】
実施例1の乾燥後のエアロゲルの赤外吸収スペクトル(IR)図1に示した。図1より、培養液及び疎水性媒体の界面において生成した固体相が、バクテリアセルロースであることがわかる。
【実施例】
【0038】
また、サラダオイルを使用した場合と、シリコーンオイルを使用した場合の、培養日数対セルロース生成量の違いを図2にまとめた。図2より、シリコーンオイル中において、より多くのバクテリアセルロースが生成したことがわかる。
【実施例】
【0039】
[実施例3]:植物性油(サラダオイル)を使用した中空球状バクテリアセルロースの製造
テフロンシャーレ中のサラダオイル(日清オイリオグループ社製、日清キャノーラ油、比重0.91)に、酢酸菌(Gluconacetobacter xylinus)、エタノール、母液(D-グルコース、ポリペプトン、硫酸マグネシウム7水和物、酵母エキス、マンニトールを含む)およびビタミン剤(ネオM.V.I-9)の母液混合液(比重1.02)を、マイクロピペットを使用して滴下することにより、10μl~90μlの母液混合液の液滴をサラダオイル中に形成した。その後、テフロンシャーレを30℃にて7日間静置した。
【実施例】
【0040】
培養後、生成したバクテリアセルロースを取り出し、純水により洗浄、1.0wt%水酸化ナトリウム水溶液により殺菌、及び0.5wt%次亜塩素酸ナトリウム水溶液により漂白した。続いて、超臨界二酸化炭素中で乾燥させることにより、バクテリアセルロースエアロゲルを得た。
【実施例】
【0041】
[実施例4]:シリコーンオイルを使用した中空球状バクテリアセルロースの製造
サラダオイルの代わりに、シリコーンオイル(信越シリコーン社製、KF-54、比重1.07および信越シリコーン社製、KF-56A、比重0.995の混合物)を用いたこと以外は実施例3と同様にして、バクテリアセルロースエアロゲルを得た。
【実施例】
【0042】
図3に、実施例4の培養時の写真及び得られたエアロゲルの写真を示した。また、乾燥後のバクテリアセルロースのSEM像を図4に示した。
【実施例】
【0043】
[実施例5]:シリコーンオイルを使用した中空球状バクテリアセルロースの製造
テフロンシャーレ中のシリコーンオイル(信越シリコーン社製、KF-54、比重1.07および信越シリコーン社製、KF-56A、比重0.995の混合物)に、酢酸菌(Gluconacetobacter xylinus)、エタノール、母液(D-グルコース、ポリペプトン、硫酸マグネシウム7水和物、酵母エキス、マンニトールを含む)およびビタミン剤(ネオM.V.I-9)の母液混合液(比重1.02)を、マイクロピペットを使用して滴下することにより、50μlの母液混合液の液滴、及び20μlの母液混合液の液滴を、それぞれ、シリコーンオイル中に形成した。その後、テフロンシャーレを30℃にて7日間静置した。
【実施例】
【0044】
培養後、生成したバクテリアセルロースを取り出し、純水により洗浄、1.0wt%水酸化ナトリウム水溶液により殺菌、及び0.5wt%次亜塩素酸ナトリウム水溶液により漂白した。図5に、50μlの母液混合液の液滴で得られた、漂白後の中空球状バクテリアセルロースゲルの写真と、20μlの母液混合液の液滴で得られた、漂白後の中空球状バクテリアセルロースゲルの写真を、それぞれ、示した。
【実施例】
【0045】
図5に示すように、50μlの母液混合液の液滴から、直径4mmの中空球状バクテリアセルロースが得られ、20μlの母液混合液の液滴から、直径2~3mmの中空球状バクテリアセルロースが得られた。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明に係るバクテリアセルロースの製造方法によれば、簡便且つ効率的にバクテリアセルロースの製造が可能であるとともに、従来技術では不可能であった形状、例えば中空球状やシート状のバクテリアセルロースの製造も可能になり、医薬品分野及び食料品分や等の種々の分野での利用が期待される。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4