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明細書 :抗がん作用を有する複素環化合物

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第6004372号 (P6004372)
公開番号 特開2014-084303 (P2014-084303A)
登録日 平成28年9月16日(2016.9.16)
発行日 平成28年10月5日(2016.10.5)
公開日 平成26年5月12日(2014.5.12)
発明の名称または考案の名称 抗がん作用を有する複素環化合物
国際特許分類 C07D 413/12        (2006.01)
A61P  43/00        (2006.01)
A61P  35/00        (2006.01)
A61P   1/18        (2006.01)
A61P   1/04        (2006.01)
A61P   1/16        (2006.01)
A61P  25/00        (2006.01)
A61P  11/00        (2006.01)
A61P  17/00        (2006.01)
A61P  13/10        (2006.01)
A61P  13/08        (2006.01)
A61P  13/12        (2006.01)
A61P  15/00        (2006.01)
A61P   5/00        (2006.01)
A61P  35/02        (2006.01)
A61P  21/00        (2006.01)
A61K  31/42        (2006.01)
C07D 493/08        (2006.01)
A61K  31/422       (2006.01)
FI C07D 413/12 CSP
A61P 43/00 111
A61P 35/00
A61P 1/18
A61P 1/04
A61P 1/16
A61P 25/00
A61P 11/00
A61P 17/00
A61P 13/10
A61P 13/08
A61P 13/12
A61P 15/00
A61P 5/00
A61P 35/02
A61P 21/00
A61K 31/42
C07D 493/08 B
A61K 31/422
請求項の数または発明の数 8
全頁数 36
出願番号 特願2012-235042 (P2012-235042)
出願日 平成24年10月24日(2012.10.24)
審査請求日 平成27年10月19日(2015.10.19)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504157024
【氏名又は名称】国立大学法人東北大学
発明者または考案者 【氏名】不破 春彦
【氏名】佐々木 誠
個別代理人の代理人 【識別番号】230104019、【弁護士】、【氏名又は名称】大野 聖二
【識別番号】100119183、【弁理士】、【氏名又は名称】松任谷 優子
【識別番号】100105991、【弁理士】、【氏名又は名称】田中 玲子
【識別番号】100114465、【弁理士】、【氏名又は名称】北野 健
【識別番号】100156915、【弁理士】、【氏名又は名称】伊藤 奈月
【識別番号】100149076、【弁理士】、【氏名又は名称】梅田 慎介
審査官 【審査官】井上 千弥子
参考文献・文献 米国特許出願公開第2006/0178355(US,A1)
調査した分野 C07D
A61K
A61P
CAplus/REGISTRY(STN)
特許請求の範囲 【請求項1】
下記式1または2で示される複素環オキソ酸とアルコールから構成されるエステル化合物又はその薬理学上許容される塩:
【化1】
JP0006004372B2_000019t.gif
【化2】
JP0006004372B2_000020t.gif
[式中、R1はHであり、R2はC1-C4アルキルであり、
X-R3は、スチリル、C1-C4アルキル、C2-C4アルケニル、又はC2-C4アルキニルであり、
R4は、C1-C10アルキル、C2-C10アルケニル、C2-C10アルキニル、シクロアルキル、ベンジル、又はヘテロシクロアルキルであり、
YはO、N、又はSであり、
R5は、H、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、又はC2-C6アルキニルである]
【請求項2】
X-R3はスチリルであり、R4は、C1-C10アルキル、シクロアルキル、又はベンジルであり、YはOであり、R5は、H、C1-C4アルキル、C2-C4アルケニル、又はC2-C4アルキニルである、請求項1に記載の化合物又はその薬理学上許容される塩。
【請求項3】
下記に示されるいずれかの化合物又はその薬理学上許容される塩:
(Z)-(2R,4S,6S)-2-(2-Methoxy-2-oxoethyl)-6-((E)-styryl)tetrahydro-2H-pyran-4-yl 5-(2-((Z)-3-((methoxycarbonyl)amino)prop-1-en-1-yl)oxazol-4-yl)pent-2-enoate (化合物4);
(Z)-(2S,4R,6R)-2-(2-Methoxy-2-oxoethyl)-6-((E)-styryl)tetrahydro-2H-pyran-4-yl 5-(2-((Z)-3-((methoxycarbonyl)amino)prop-1-en-1-yl)oxazol-4-yl)pent-2-enoate (ent-4) ;
(Z)-(2R,4S,6S)-2-(2-Butoxy-2-oxoethyl)-6-((E)-styryl)tetrahydro-2H-pyran-4-yl 5-(2-((Z)-3-((methoxycarbonyl)amino)prop-1-en-1-yl)oxazol-4-yl)pent-2-enoate (化合物14) ;
(Z)-(2S,4R,6R)-2-(2-Butoxy-2-oxoethyl)-6-((E)-styryl)tetrahydro-2H-pyran-4-yl 5-(2-((Z)-3-((methoxycarbonyl)amino)prop-1-en-1-yl)oxazol-4-yl)pent-2-enoate (ent-14) ;
(Z)-(2R,4S,6S)-2-(2-(Hexyloxy)-2-oxoethyl)-6-((E)-styryl)tetrahydro-2H-pyran-4-yl 5-(2-((Z)-3-((methoxycarbonyl)amino)prop-1-en-1-yl)oxazol-4-yl)pent-2-enoate (化合物15) ;
(Z)-(2S,4R,6R)-2-(2-(Hexyloxy)-2-oxoethyl)-6-((E)-styryl)tetrahydro-2H-pyran-4-yl 5-(2-((Z)-3-((methoxycarbonyl)amino)prop-1-en-1-yl)oxazol-4-yl)pent-2-enoate (ent-15) ;
(Z)-(2R,4S,6S)-2-(2-(Cyclohexyloxy)-2-oxoethyl)-6-((E)-styryl)tetrahydro-2H-pyran-4-yl 5-(2-((Z)-3-((methoxycarbonyl)amino)prop-1-en-1-yl)oxazol-4-yl)pent-2-enoate (化合物16) ;
(Z)-(2S,4R,6R)-2-(2-(Cyclohexyloxy)-2-oxoethyl)-6-((E)-styryl)tetrahydro-2H-pyran-4-yl 5-(2-((Z)-3-((methoxycarbonyl)amino)prop-1-en-1-yl)oxazol-4-yl)pent-2-enoate (ent-16) ;
(Z)-(2R,4S,6S)-2-(2-(Benzyloxy)-2-oxoethyl)-6-((E)-styryl)tetrahydro-2H-pyran-4-yl 5-(2-((Z)-3-((methoxycarbonyl)amino)prop-1-en-1-yl)oxazol-4-yl)pent-2-enoate (化合物17) ;
(Z)-(2S,4R,6R)-2-(2-(Benzyloxy)-2-oxoethyl)-6-((E)-styryl)tetrahydro-2H-pyran-4-yl 5-(2-((Z)-3-((methoxycarbonyl)amino)prop-1-en-1-yl)oxazol-4-yl)pent-2-enoate (ent-17) ;
(Z)-(1R,5S,11R,13R)-3-Oxo-5-propyl-4,15-dioxabicyclo[9.3.1]pentadecan-13-yl 5-(2-((Z)-3-((methoxycarbonyl)amino)prop-1-en-1-yl)oxazol-4-yl)pent-2-enoate (化合物22)
(Z)-(1R,11R,13R)-3-Oxo-4,15-dioxabicyclo[9.3.1]pentadecan-13-yl 5-(2-((Z)-3-((methoxycarbonyl)amino)prop-1-en-1-yl)oxazol-4-yl)pent-2-enoate (化合物27)
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の化合物又はその薬理学上許容される塩を含む、細胞増殖抑制剤。
【請求項5】
細胞ががん細胞である、請求項4に記載の細胞増殖抑制剤。
【請求項6】
がんが膵臓がん、結腸がん、肝臓がん、脳腫瘍、肺がん、扁平上皮がん、膀胱がん、胃がん、膵臓がん、前立腺がん、腎臓がん、結腸直腸がん、乳がん、頭部がん、頸部がん、食道がん、婦人科がん、甲状腺がん、リンパ腫、慢性白血病、及び急性白血病からなる群から選ばれる、請求項5に記載の細胞増殖抑制剤。
【請求項7】
がんが肺がん、腎臓がん、白血病、乳がん又は線維肉腫である、請求項6に記載の細胞増殖抑制剤。
【請求項8】
抗がん剤である、請求項4~7のいずれか1項に記載の細胞増殖抑制剤。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞増殖抑制作用を有する新規な複素環化合物に関する。より詳しくは、マクロライド構造に基づいてデザインされた新規エステル化合物又はその薬理学上許容される塩を有効成分とする、細胞増殖阻害剤及び抗がん剤に関する。
【背景技術】
【0002】
天然には様々なマクロライド化合物が存在し、抗細菌薬、抗真菌薬あるいは免疫抑制薬など様々な生理活性を有するものが知られている。なかでも特に有用なのはマクロライド系抗生物質であり、放線菌より発見されたエリスロマイシンや、そのアナログであるクラリスロマイシン等が知られている。
【0003】
一方、マクロライド化合物のなかには、細胞毒性や免疫活性を通じて抗がん作用を有するものも多く知られており、その1つにネオペルトリド(Neopeltolide)がある。ネオペルトリド(Neopeltolide)は、Neopeltidae科海綿から単離された大環状マクロライドの1つで、種々の癌細胞(P388マウスリンパ性白血病細胞、A-549ヒト肺腺がん細胞、NCI/ADR-RESヒト卵巣肉腫細胞、PANC-1ヒト膵臓癌細胞、DLD-1ヒト大腸腺がん細胞)の増殖抑制のほか、抗真菌(カンジダ)活性を有することが報告されている(非特許文献1及び特許文献1)。
【0004】
ネオペルトリドは、これまでその全合成とNMR解析を通じて、絶対立体配置を含めた構造が明らかにされている(非特許文献2、5)。ネオペルトリドやその誘導体の全合成及び生物活性については、ほかにも多くの研究が報告されている(非特許文献4~6)。発明者らも、鈴木-宮浦カップリング反応を基盤としてネオペルトリドの全合成を達成するとともに、その構造活性相関の解析を行ってきた(非特許文献7~9)。
【0005】
ネオペルトリドは、既存の抗腫瘍性天然物とは異なり、細胞骨格系タンパク質のチューブリンやアクチンには作用しないことが示唆されている。また、ネオペルトリドの標的分子はミトコンドリアcomplex IIIであり、ミトコンドリアATP合成を阻害することにより、細胞毒性を示すとの報告もある(非特許文献3)。しかしながら、ネオペルトリドの強力ながん細胞増殖阻害活性のメカニズムや構造活性相関については、未知の部分が多く、医薬として実用に至ってはいない。
【先行技術文献】
【0006】

【特許文献1】特表2007-521275号
【0007】

【非特許文献1】Wright et al (2007) 70_4121
【非特許文献2】Youngsaye et al (2007) Angew Chem Int Ed 46_9211
【非特許文献3】Ulanovskaya et al (2008) Nat Chem Biol 4_418
【非特許文献4】Vintonyak et al (2008) Chem Eur J 14_11132
【非特許文献5】Custar et al (2009) J Am Chem Soc 131_12406
【非特許文献6】Cui et al (2012) J Org Chem 77_2225
【非特許文献7】Fuwa et al (2008) Angew Chem Int Ed 47_4737
【非特許文献8】Fuwa et al (2009) Chem Eur J 15_12807
【非特許文献9】Fuwa et al (2010) Angew Chem Int Ed 49_3041
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、合成が容易で製剤化に適した新規な化合物と、これを利用した細胞増殖抑制剤、及び抗がん剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明者らは、ネオペルトリドの全合成と構造活性相関の研究過程で、サブマイクロ~マイクロモル濃度でヒトがん細胞の増殖を阻害する、強力な細胞増殖抑制作用を示す新規エステル化合物を見出した。
【0010】
上記化合物の1つの抗がん活性を39系のヒト培養がん細胞パネルを用いた薬剤感受性試験により検定し、各種がん細胞に対する増殖抑制の効果と特徴を解析したところ、当該化合物は特定のがん細胞に対して選択的に作用することが見出された。
【0011】
さらに発明者らは、ネオペルトリドの立体異性体ライブラリーを構築し、ネオペルトリドの立体構造活性相関を解析した結果、本発明の新規エステル化合物(後述する式IとIIの化合物で形成されるエステル化合物)は、ネオペルトリドの活性発現の最小構造単位
に相当することが確認された。
【0012】
すなわち、本発明は、下記式(I)で示される複素環オキソ酸と、下記式(II)又は(III)で示されるアルコールから構成されるエステル化合物又はその薬理学上許容される塩を提供する。
【化1】
JP0006004372B2_000002t.gif
[式中、R1及びR2は、独立して、H、C1-C4アルキル、C2-C4アルケニル、C2-C4アルキニル、アリール、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルである]
【化2】
JP0006004372B2_000003t.gif
[式中、R3は、C1-C10アルキル、C2-C10アルケニル、C2-C10アルキニル、C1-C10ヘテロアルキル、C2-C10ヘテロアルケニル、C2-C10ヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアリール、ヘテロシクロアルキル、又はヘテロシクロアリールであり、
Xは、結合、C1-C4アルキレン、C2-C4アルケニレン、C2-C4アルキニレン、C(O)、SO、S(O)2、N、O、又はSであり、
R4は、C1-C10アルキル、C2-C10アルケニル、C2-C10アルキニル、シクロアルキル、シクロアリール、ヘテロシクロアルキル、又はヘテロシクロアリールであり、
Yは、結合、C1-C4アルキレン、C2-C4アルケニレン、C2-C4アルキニレン、C(O)、SO、S(O)2、O、N、又はSである]
【化3】
JP0006004372B2_000004t.gif
[式中、R5は、H、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、又はC2-C6アルキニルである]
【0013】
好ましくは、式(I)において、R1はHであり、R2はC1-C4アルキルである。また、式(II)において、X-R3はスチリル、C1-C4アルキル、C2-C4アルケニル、又はC2-C4アルキニルであり、式(III)において、R5は、H、C1-C4アルキル、C2-C4アルケニル、又はC2-C4アルキニルである。また、シクロアルキル、シクロアリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアリール等の環状側鎖は、C5-C10であることが好ましい。
【0014】
本発明の化合物の具体的な例としては、例えば、以下の化合物を挙げることができる:
(Z)-(2R,4S,6S)-2-(2-Methoxy-2-oxoethyl)-6-((E)-styryl)tetrahydro-2H-pyran-4-yl 5-(2-((Z)-3-((methoxycarbonyl)amino)prop-1-en-1-yl)oxazol-4-yl)pent-2-enoate (化合物4);
(Z)-(2S,4R,6R)-2-(2-Methoxy-2-oxoethyl)-6-((E)-styryl)tetrahydro-2H-pyran-4-yl 5-(2-((Z)-3-((methoxycarbonyl)amino)prop-1-en-1-yl)oxazol-4-yl)pent-2-enoate (ent-4) ;
(Z)-(2R,4S,6S)-2-(2-Butoxy-2-oxoethyl)-6-((E)-styryl)tetrahydro-2H-pyran-4-yl 5-(2-((Z)-3-((methoxycarbonyl)amino)prop-1-en-1-yl)oxazol-4-yl)pent-2-enoate (化合物14) ;
(Z)-(2S,4R,6R)-2-(2-Butoxy-2-oxoethyl)-6-((E)-styryl)tetrahydro-2H-pyran-4-yl 5-(2-((Z)-3-((methoxycarbonyl)amino)prop-1-en-1-yl)oxazol-4-yl)pent-2-enoate (ent-14) ;
(Z)-(2R,4S,6S)-2-(2-(Hexyloxy)-2-oxoethyl)-6-((E)-styryl)tetrahydro-2H-pyran-4-yl 5-(2-((Z)-3-((methoxycarbonyl)amino)prop-1-en-1-yl)oxazol-4-yl)pent-2-enoate (化合物15) ;
(Z)-(2S,4R,6R)-2-(2-(Hexyloxy)-2-oxoethyl)-6-((E)-styryl)tetrahydro-2H-pyran-4-yl 5-(2-((Z)-3-((methoxycarbonyl)amino)prop-1-en-1-yl)oxazol-4-yl)pent-2-enoate (ent-15) ;
(Z)-(2R,4S,6S)-2-(2-(Cyclohexyloxy)-2-oxoethyl)-6-((E)-styryl)tetrahydro-2H-pyran-4-yl 5-(2-((Z)-3-((methoxycarbonyl)amino)prop-1-en-1-yl)oxazol-4-yl)pent-2-enoate (化合物16) ;
(Z)-(2S,4R,6R)-2-(2-(Cyclohexyloxy)-2-oxoethyl)-6-((E)-styryl)tetrahydro-2H-pyran-4-yl 5-(2-((Z)-3-((methoxycarbonyl)amino)prop-1-en-1-yl)oxazol-4-yl)pent-2-enoate (ent-16) ;
(Z)-(2R,4S,6S)-2-(2-(Benzyloxy)-2-oxoethyl)-6-((E)-styryl)tetrahydro-2H-pyran-4-yl 5-(2-((Z)-3-((methoxycarbonyl)amino)prop-1-en-1-yl)oxazol-4-yl)pent-2-enoate (化合物17) ;
(Z)-(2S,4R,6R)-2-(2-(Benzyloxy)-2-oxoethyl)-6-((E)-styryl)tetrahydro-2H-pyran-4-yl 5-(2-((Z)-3-((methoxycarbonyl)amino)prop-1-en-1-yl)oxazol-4-yl)pent-2-enoate (ent-17) ;
(Z)-(1R,5S,11R,13R)-3-Oxo-5-propyl-4,15-dioxabicyclo[9.3.1]pentadecan-13-yl 5-(2-((Z)-3-((methoxycarbonyl)amino)prop-1-en-1-yl)oxazol-4-yl)pent-2-enoate (化合物22) ;
(Z)-(2S,4R,6R)-2-(2-Methoxy-2-oxoethyl)-6-((E)-styryl)tetrahydro-2H-pyran-4-yl 5-(2-((Z)-3-((methoxycarbonyl)amino)prop-1-en-1-yl)oxazol-4-yl)pent-2-enoate。
【0015】
本発明はまた、上記した化合物又はその薬理学上許容される塩を含む、細胞増殖抑制剤も提供する。
【0016】
本発明のエステル化合物又はその薬理学上許容される塩、及びこれを含む細胞増殖抑制剤は、正常細胞の増殖を抑制しない濃度で、がん細胞の増殖を特異的に抑制する。
【0017】
本発明の化合物及び細胞増殖抑制剤が有効ながんとしては、特に限定されるものではないが、膵臓がん、結腸がん、肝臓がん、脳腫瘍、肺がん、扁平上皮がん、膀胱がん、胃がん、膵臓がん、前立腺がん、腎臓がん、結腸直腸がん、乳がん、頭部がん、頸部がん、食道がん、婦人科がん、甲状腺がん、リンパ腫、慢性白血病、及び急性白血病を挙げることができる。
【0018】
本発明のエステル化合物又はその薬理学上許容される塩は、さまざまながん細胞に対してナノモル~マイクロモルレベルで増殖抑制効果を発揮でき、後述する実施例に示すように、肺がん、腎臓がん、白血病、乳がん又は線維肉腫細胞に対して高い活性を示すことを確認している。
【0019】
上述のとおり、本発明の細胞増殖抑制剤は、正常細胞の増殖を抑制しない濃度で、がん細胞の増殖を特異的に抑制するため、抗がん剤として有用である。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、新規な細胞増殖抑制活性を有するエステル化合物が提供される。本発明のエステル化合物は、ネオペルトリドに匹敵する強力な細胞増殖抑制活性を有し、その作用はがん細胞に特異的で、正常細胞に対する作用は低い。また、本発明のエステル化合物は、公知のネオペルトリドやその誘導体に比較して、簡便に合成でき、側鎖の置換により、所望の特性(安定性、溶解性、ADME等)を付与できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、ネオペルトリド(neopeltolide)と本発明の新規エステル化合物の構造を示す。
【図2】図2は、本発明の新規エステル化合物(化合物14~17及びそのエナンチオマー(ent-14~17))の細胞増殖阻害活性を示す。各グラフの縦軸は細胞増殖率(%)、横軸は薬物濃度(M)の対数値を示す。
【図3】図3は、本発明の新規エステル化合物(化合物4及びそのエナンチオマー(ent-4)、化合物22、化合物27)の細胞増殖阻害活性を示す。各グラフの縦軸は細胞増殖率(%)、横軸は薬物濃度(M)の対数値を示す。
【図4】図4は、ヒト培養がん細胞パネルを用いた新規エステル化合物(化合物22)に対する薬剤感受性試験結果(各パラメータ)を示す。
【図5】図5は、ヒト培養がん細胞パネルを用いた新規エステル化合物(化合物22)に対する薬剤感受性試験結果(細胞増殖率のDose-Response曲線)を示す。各グラフの縦軸は細胞増殖率(%)、横軸は薬物濃度(M)の対数値を示す。
【図6】図6は、ヒト培養がん細胞パネルを用いた新規エステル化合物(化合物22)に対する薬剤感受性試験結果(フィンガープリント:Finger Print)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
1.定義
本明細書において「アルキル」とは、明示しない限り、1~10個、好ましくは1~5個の炭素原子を有する飽和の直鎖状(非分枝状)又は分枝状非環状炭化水素を意味する。代表的な飽和直鎖状(非分枝状)アルキルとしては、-メチル、-エチル、-n-プロピル、-n-ブチル、-n-ペンチル、-n-ヘキシル、-n-ヘプチル、-n-オクチル、-n-ノニル、及びn-デシルが挙げられ;一方、飽和分枝状アルキルとしては、-イソプロピル、-sec-ブチル、-イソブチル、-tert-ブチル、-イソペンチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、2-メチルヘキシル、3-メチルヘキシル、4-メチルヘキシル、5-メチルヘキシル、2,3-ジメチルブチル、2,3-ジメチルペンチル、2,4-ジメチルペンチル、2,3-ジメチルヘキシル、2,4-ジメチルヘキシル、2,5-ジメチルヘキシル、2,2-ジメチルペンチル、2,2-ジメチルヘキシル、3,3-ジメチルペンチル(dimtheylpentyl)、3,3-ジメチルヘキシル、4,4-ジメチルヘキシル、2-エチルペンチル、3-エチルペンチル、2-エチルヘキシル、3-エチルヘキシル、4-エチルヘキシル、2-メチル-2-エチルペンチル、2-メチル-3-エチルペンチル、2-メチル-4-エチルペンチル、2-メチル-2-エチルヘキシル、2-メチル-3-エチルヘキシル、2-メチル-4-エチルヘキシル、2,2-ジエチルペンチル、3,3-ジエチルヘキシル、2,2-ジエチルヘキシル、3,3-ジエチルヘキシルなどが挙げられる。

【0023】
本明細書において「アルケニル」とは、明示しない限り、2~10個、好ましくは1~5個の炭素原子を有しかつ少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含む直鎖状又は分枝状非環状炭化水素を意味する。代表的な直鎖状及び分枝状(C2~C10)アルケニルとしては、-ビニル、-アリール、-1-ブテニル、-2-ブテニル、-イソブチレニル、-1-ペンテニル、-2-ペンテニル、-3-メチル-1-ブテニル、-2-メチル-2-ブテニル、-2,3-ジメチル-2-ブテニル、-1-ヘキセニル、-2-ヘキセニル、-3-ヘキセニル、-1-ヘプテニル、-2-ヘプテニル、-3-ヘプテニル、-1-オクテニル、-2-オクテニル、-3-オクテニル、-1-ノネニル、-2-ノネニル、-3-ノネニル、-1-デセニル、-2-デセニル、-3-デセニルが挙げられる。アルケニル基は、置換されていなくても置換されていてもよい。

【0024】
本明細書において「アルキニル」とは、明示しない限り、2~10個、好ましくは2~5個の炭素原子を有しかつ少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を含む直鎖状又は分枝状非環状炭化水素を意味する。代表的な直鎖状及び分枝状-(C2~C10)アルキニルとしては、-アセチレニル、-プロピニル、-1-ブチニル、-2-ブチニル、-1-ペンチニル、-2-ペンチニル、-3-メチル-1-ブチニル、-4-ペンチニル、-1-ヘキシニル、-2-ヘキシニル、-5-ヘキシニル、-1-ヘプチニル、-2-ヘプチニル、-6-ヘプチニル、-1-オクチニル、-2-オクチニル、-7-オクチニル、-1-ノニニル、-2-ノニニル、-8-ノニニル、-1-デシニル、-2-デシニル、-9-デシニルなどが挙げられる。アルキニル基は、置換されていなくても置換されていてもよい。

【0025】
本明細書において「アリール」とは、明示しない限り、5~10個の環原子を含有する炭素環式芳香族基を意味する。代表例としては、フェニル、トリル、アントラセニル、フルオレニル、インデニル、アズレニル、ピリジニル、及びナフチル、さらには5,6,7,8-テトラヒドロナフチルをはじめとするベンゾ縮合炭素環部分が挙げられるが、これらに限定されるものではない。炭素環式芳香族基は、置換されていなくても置換されていてもよい。一実施形態では、炭素環式芳香族基は、フェニル基である。

【0026】
本明細書において「ヘテロアリール」とは、明示しない限り、5~10員であり、かつ窒素、酸素、及び硫黄から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を有し、かつ少なくとも1個の炭素原子を含有する芳香族ヘテロ環を意味し、単環系及び二環系の両方が包含される。代表的なヘテロアリールは、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサジアゾリル、ピリジル、フリル、ベンゾフラニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、キノリニル、ピロリル、インドリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、ピリミジル、オキセタニル、アゼピニル、ピペラジニル、モルホリニル、ジオキサニル、チエタニル、及びオキサゾリルである。

【0027】
本明細書において「ヘテロシクリル」とは、飽和、不飽和のいずれかであり、かつ窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~4個のヘテロ原子を含有し、しかも窒素及び硫黄ヘテロ原子が場合により酸化されていてもよく、かつ窒素ヘテロ原子が場合により四級化されていてもよい5~7員単環式又は7~10員二環式ヘテロ環を意味し、これらのヘテロシクリルのいずれかがベンゼン環に縮合されている二環が含まれる。ヘテロシクリルは、任意のヘテロ原子又は炭素原子を介して結合されうる。ヘテロシクリルには、先に定義したヘテロアリールが包含される。代表的なヘテロシクリルとしては、モルホリニル、ピロリジノニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ヒダントイニル、バレロラクタミル、オキシラニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロピリミジニル(tetrahydroprimidinyl)、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロピリミジニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオピラニルなどが挙げられる。

【0028】
本明細書において「薬理学上許容される塩」とは、無機の酸及び塩基ならびに有機の酸及び塩基を含めて薬理学上許容される無毒の酸又は塩基から調製される塩を意味する。本発明の化合物に好適な薬理学上許容される塩基付加塩としては、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、及び亜鉛から作製される金属塩、又はリシン、N,N'-ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン(n-メチルグルカミン)、及びプロカインから作製される有機塩が挙げられるが、これらに限定されるものではない。好適な無毒の酸としては、無機及び有機の酸、たとえば、酢酸、アルギン酸、アントラニル酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、樟脳スルホン酸、クエン酸、エテンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、フロ酸、ガラクツロン酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルタミン酸、グリコール酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムチン酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、フェニル酢酸、リン酸、プロピオン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、スルファニル酸、硫酸、酒石酸、及びp-トルエンスルホン酸が挙げられるが、これらに限定されるものではない。特定の無毒の酸としては、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、及びメタンスルホン酸が挙げられる。したがって、特定の塩の例としては、塩酸塩及びメシル酸塩が挙げられる。他の塩は、当技術分野で周知であり、たとえば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 18th eds等に記載されている。

【0029】
本発明の化合物又はその薬理学上許容される塩は、溶媒和物、水和物、包接体、プロドラッグの形態であってもよい。

【0030】
ここで「溶媒和物」とは、非共有結合分子間力により結合された化学量論量又は非化学量論量の溶媒をさらに含む本発明の化合物又はその塩を意味する。好ましい溶媒は、揮発性、非毒性、かつ/又は極微量でヒトへの投与に適合性である。

【0031】
「水和物」とは、非共有結合分子間力により結合された化学量論量又は非化学量論量の水をさらに含む本発明の化合物又はその塩を意味する。

【0032】
「包接体」とは、内部にトラップされたゲスト分子(たとえば、溶媒又は水)を有する空間(たとえば、チャネル)を含む結晶格子の形態の本発明の化合物又はその塩を意味する。

【0033】
また「プロドラッグ」とは、生物学的条件下(in vitro又はin vivo)で加水分解、酸化、又はそれ以外の反応を起こして活性な化合物(とくに、本発明の化合物)を提供することのできる本発明の化合物を意味する。プロドラッグの例としては、生加水分解性アミド、生加水分解性エステル、生加水分解性カルバメート、生加水分解性カーボネート、生加水分解性ウレイド、及び生加水分解性ホスフェート類似体のような生加水分解性部分を含む本発明の化合物の代謝物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。好ましくは、カルボキシル官能基を有する化合物のプロドラッグは、カルボン酸の低級アルキルエステルである。カルボキシレートエステルは、分子上に存在するカルボン酸部分のいずれかをエステル化することにより都合よく形成される。プロドラッグは、典型的には、Burger's Medicinal Chemistry and Drug Discovery 6th ed.等に記載されているような周知の方法を用いて調製することができる。

【0034】
本明細書において「細胞増殖抑制剤」とは、細胞の増殖を抑制する薬物である。細胞の種類は限定されないが、後述する抗がん剤としての利用を考慮すると、正常細胞への作用は小さく、特定のがん細胞にのみ増殖阻害効果を示すことが好ましい。

【0035】
本明細書において「抗がん剤」とは、がんの治療、予防に使用される医薬組成物である。「治療」という用語には、原発性、局所性、又は転移性のがん組織を根絶、除去、改善、又は抑制すること;及びがんの進展を最小化又は遅延することが包含される。また「予防」という用語には、患者におけるがんの再発、進展、又は発生を予防することが包含される。

【0036】
2.本発明のエステル化合物
本発明にかかるエステル化合物は、ネオペルトリドの全合成と立体構造活性相関の研究過程において見出された化合物で、下記式(I)で示される複素環オキソ酸と、下記式(II)又は(III)で示されるアルコールから構成されるエステル化合物又はその薬理学上許容される塩である。本発明のエステル化合物は、がん細胞等の異常増殖を伴う細胞に対して、増殖抑制作用を発揮する。

【0037】
第1の実施形態において、本発明のエステル化合物は下記式(I)で示される複素環オキソ酸と、下記式(II)で示されるアルコールから構成されるエステル化合物1又はその薬理学上許容される塩である。

【0038】
【化4】
JP0006004372B2_000005t.gif
[式中、R1及びR2は、独立して、H、C1-C4アルキル、C2-C4アルケニル、C2-C4アルキニル、アリール、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルである]

【0039】
【化5】
JP0006004372B2_000006t.gif
[式中、R3は、C1-C10アルキル、C2-C10アルケニル、C2-C10アルキニル、C1-C10ヘテロアルキル、C2-C10ヘテロアルケニル、C2-C10ヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアリール、ヘテロシクロアルキル、又はヘテロシクロアリールであり、
Xは、結合、C1-C4アルキレン、C2-C4アルケニレン、C2-C4アルキニレン、-C(O)-、-SO-、-S(O)2-、O、N、又はSであり、
R4は、C1-C10アルキル、C2-C10アルケニル、C2-C10アルキニル、シクロアルキル、シクロアリール、ヘテロシクロアルキル、又はヘテロシクロアリールであり、
Yは、結合、C1-C4アルキレン、C2-C4アルケニレン、C2-C4アルキニレン、C(O)、SO、S(O)2、O、N、又はSである]
【化6】
JP0006004372B2_000007t.gif

【0040】
好ましくは、エステル化合物1は下記の立体配座をとる。
【化7】
JP0006004372B2_000008t.gif

【0041】
第2の実施形態において、本発明のエステル化合物は上記式(I)で示される複素環オキソ酸と、下記式(III)で示される14員環構造を有するアルコールから構成されるエステル化合物2又はその薬理学上許容される塩である。

【0042】
【化8】
JP0006004372B2_000009t.gif
[式中、R5は、H、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、又はC2-C6アルキニルである]

【0043】
【化9】
JP0006004372B2_000010t.gif

【0044】
好ましくは、エステル化合物1は下記の立体配座をとる。
【化10】
JP0006004372B2_000011t.gif

【0045】
好ましくは、上記式(I)において、R1はHであり、R2はC1-C4アルキルであり、式(II)において、X-R3はスチリル、C1-C4アルキル、C2-C4アルケニル、又はC2-C4アルキニルであり、式(III)において、R5は、H、C1-C4アルキル、C2-C4アルケニル、又はC2-C4アルキニルである。また、シクロアルキル、シクロアリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアリール等の環状側鎖は、C5-C10であることが好ましい。

【0046】
図1に、本発明のエステル化合物の一例として、第1の実施形態に該当する化合物4、14-17及びそのエナンチオマー(ent-)4、14-17、ならびに、第2の実施形態に該当する化合物22及び27を示す。

【0047】
3.本発明のエステル化合物の合成
本発明のエステル化合物は、例えば、オキサン環部分とオキサゾールを含む側鎖部分との縮合を利用して合成できる(前掲、Fuwa et al (2010) Angew Chem Int Ed 49_3041参照)。後述する合成実施例に示すように、縮合法には光延反応(Mitsunobu (1981) Synthesis 1参照)が好適である。

【0048】
4.細胞増殖抑制剤
本発明は、式(I)で示される複素環オキソ酸と、式(II)又は(III)で示されるアルコールから構成されるエステル化合物又はその薬理学上許容される塩を有効量含む細胞増殖抑制剤を提供する。

【0049】
天然物であるネオペルトリドについては、ミトコンドリアcomplex IIIを標的分子とし、ミトコンドリアにおける酸化的リン酸化を阻害し、ATP合成を抑制することにより、細胞毒性(抗腫瘍活性)を示すとの報告がある(Ulanovskaya et al (2008) Nat Chem Biol 4_418)。本発明において開示する化合物群は、後述するようにネオペルトリドに匹敵する細胞増殖阻害活性を示す。またその活性を得るための必要な最小構造単位で構成される立体配座についてもネオペルトリドと同様(いす型配座)である。本発明の化合物群の細胞増殖阻害活性は、ネオペルトリドと同様にATP合成阻害効果によって発揮されているものが含まれていると考えられる。

【0050】
なお、「有効量」とは、目的とする細胞の増殖を抑制するのに十分な量を意味する。細胞増殖抑制剤が医薬として治療目的で利用される場合には、正常細胞に重大な作用を及ぼすことなく、目的とする細胞の増殖のみを抑制するのに十分な量を意味する。

【0051】
標的細胞の好適な例はがん細胞である。がんは特に限定されず、膵臓がん、結腸がん、肝臓がん、脳腫瘍、肺がん、扁平上皮がん、膀胱がん、胃がん、膵臓がん、前立腺がん、腎臓がん、結腸直腸がん、乳がん、頭部がん、頸部がん、食道がん、婦人科がん、甲状腺がん、リンパ腫、慢性白血病、及び急性白血病を挙げることができる。

【0052】
本発明のエステル化合物は、特定のがん細胞に対してとくに顕著な細胞増殖抑制効果を示し、正常細胞には大きな作用を与えないことが確認されている。そのような特定のがん細胞は、例えば、肺がん細胞、腎臓がん細胞、白血病細胞、乳がん細胞、又は線維肉腫細胞が挙げられる。また、天然物であるネオペルトリドの作用から、膵臓がんに対する顕著な効果も期待される。

【0053】
本発明の細胞増殖抑制剤は、in vitroで用いてもin vivoで用いてもよい。in vivoで使用する場合、投与は経口、非経口投与のいずれであってもよい。特に好ましくは非経口投与による投与方法であり、係る投与方法としては具体的には、注射投与、経鼻投与、経肺投与、経皮投与などが挙げられる。注射投与としては、静脈内注射、筋肉内注射、腹腔内注射、皮下注射が例示できる。投与方法は、患者の年齢、症状により適宜選択することができる。

【0054】
本発明の細胞増殖抑制剤の投与量は、その使用目的、投与経路等によって適宜決定される。in vitroでの細胞増殖の阻害の場合には、その培養スケールによって適宜調整される。ヒトに投与する場合は、例えば、一回の投与につき体重1kgあたり0.0001mgから1000mgの範囲で投与量が選択できる。あるいは、例えば、患者あたり0.001から100000mg/bodyの範囲で投与量が選択できる。しかしながら、本発明の細胞増殖抑制剤の投与量は上記投与量に制限されるものではない。

【0055】
本発明の細胞増殖抑制剤は、薬理学上許容される担体や添加物を含むものであってもよい。そのような担体や添加物としては、例えば界面活性剤、賦形剤、着色料、着香料、保存料、安定剤、緩衝剤、懸濁剤、等張化剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、流動性促進剤、矯味剤等が挙げられるが、これらに制限されず、その他常用の担体が適宜使用できる。具体的には、軽質無水ケイ酸、乳糖、結晶セルロース、マンニトール、デンプン、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、中鎖脂肪酸トリグリセライド、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、白糖、カルボキシメチルセルロース、コーンスターチ、無機塩類等を挙げることができる。

【0056】
5.抗がん剤
本発明は、式(I)で示される複素環オキソ酸と、下記式(II)又は(III)で示されるアルコールから構成されるエステル化合物又はその薬理学上許容される塩の治療的有効量を含む抗がん剤を提供する。

【0057】
ここで、「有効量」とは、原発性、局所性、又は転移性のがん細胞又はがん組織を、破壊、改善、抑制、又は除去;がんの進展を遅延又は最小化;あるいはがんの治療上の利点を提供するのに、十分である本発明の化合物量を意味する。また、「有効量」には、がん又は新生物細胞の死滅を引き起こすのに十分である本発明の化合物の量も包含される。

【0058】
治療対象であるがんは特に限定されず、膵臓がん、結腸がん、肝臓がん、脳腫瘍、肺がん、扁平上皮がん、膀胱がん、胃がん、膵臓がん、前立腺がん、腎臓がん、結腸直腸がん、乳がん、頭部がん、頸部がん、食道がん、婦人科がん、甲状腺がん、リンパ腫、慢性白血病、及び急性白血病を挙げることができる。

【0059】
本発明の抗がん剤は、薬剤感受性試験の結果から、様々ながんに対して強い抗がん活性を示すことが予測される。なかでも、肺がん、腎臓がん、白血病、乳がん、及び線維肉腫に対して有用であることが予測される。

【0060】
本発明の抗がん剤の投与方法は、経口、非経口投与のいずれかによって実施できる。特に好ましくは非経口投与による投与方法であり、係る投与方法としては具体的には、注射投与、経鼻投与、経肺投与、経皮投与などが挙げられる。注射投与の例としては、例えば、静脈内注射、筋肉内注射、腹腔内注射、皮下注射などによって全身又は局部的に投与できる。投与方法は、患者の年齢、症状により適宜選択することができる。

【0061】
投与量としては、例えば、一回の投与につき体重1kgあたり0.0001mgから1000mg、好ましくは0.001mgから100mg、より好ましくは0.01mgから10mgの範囲で投与量が選択できる。あるいは、例えば、患者あたり0.001から100000mg/body、好ましくは0.01mgから1000mg/body、より好ましくは0.1mgから100mg/bodyの範囲で投与量が選択できる。しかしながら、本発明の抗がん剤はこれらの投与量に制限されるものではない。

【0062】
本発明の抗がん剤は、常法に従って製剤化することができ(例えば、Remington's Pharmaceutical Science, latest edition, Mark Publishing Company,Easton,U.S.A)、薬理学上許容される担体や添加物を共に含むものであってもよい。そのような単体や添加物としては、例えば界面活性剤、賦形剤、着色料、着香料、保存料、安定剤、緩衝剤、懸濁剤、等張化剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、流動性促進剤、矯味剤等が挙げられるが、これらに制限されず、その他常用の担体が適宜使用できる。具体的には、軽質無水ケイ酸、乳糖、結晶セルロース、マンニトール、デンプン、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、中鎖脂肪酸トリグリセライド、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、白糖、カルボキシメチルセルロース、コーンスターチ、無機塩類等を挙げることができる。

【0063】
本発明の抗がん剤は、がん細胞のみに選択的に作用し、ごく低濃度で細胞の増殖を阻害するが、高濃度でも細胞を死滅させることがない。それゆえ、他の抗がん剤との併用効果や多剤耐性克服効果が期待される。
【実施例】
【0064】
以下、実施例及び試験例により本発明について具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例や試験例に限定されるものではない。
【実施例】
【0065】
[合成実施例1] 化合物4及びent-4の合成
以下のスキームにしたがって、化合物4及びそのエナンチオマー(ent-4)を合成した。
【化11】
JP0006004372B2_000012t.gif
【実施例】
【0066】
化合物1は文献公知の方法に従って合成した(H. Fuwa, A. Saito, M. Sasaki, Angewandte Chemie International Edition, 49, 3041 (2010))。化合物ent-1は、化合物1と同様に合成した。化合物3は文献公知の方法に従って合成した(Y. Yang, J. Janjic, S. A. Kozmin, Journal of the American Chemical Society, 124, 13670 (2002); K. R. Hornberger, C. L. Hamblett, J. L. Leighton, Journal of the American Chemical Society, 122, 12894 (2000)参照)。
【実施例】
【0067】
ベンジルオキシメチル基の脱保護(GP1):
ベンジルオキシメチルエーテル(1モル当量)のアセトニトリル溶液にリチウムテトラフルオロボラート(40モル当量)の水溶液を加え、反応混合物を70 ℃で撹拌した。反応の終結を薄層クロマトグラフィーで確認した後、反応混合物を室温まで冷却し、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤をろ過した後、ろ液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、対応するアルコールを得た。
【実施例】
【0068】
光延反応(GP2):
アルコール(1モル当量)とカルボン酸(3モル当量)のベンゼン溶液にトリフェニルホスフィン(3モル当量)とジイソプロピルアゾジカルボキシラート(3モル当量)を加え、室温で撹拌した。反応の終結を薄層クロマトグラフィーで確認した後、反応混合物を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、対応するエステルを得た(O. Mitsunobu, Synthesis, 1 (1981); K. C. K. Swamy, N. N. B. Kumar, E. Balaraman, K. V. P. P. Kumar, Chemical Reviews, 109, 2551 (2009))。
【実施例】
【0069】
1-1) GP1に従い、化合物2及びent-2を合成した。
Methyl 2-((2R,4R,6S)-4-hydroxy-6-((E)-styryl)tetrahydro-2H-pyran-2-yl)acetate (2):無色油状物;[α]D23 -35.8 (c 1.00, CHCl3); IR (film) 3420, 2947, 1736, 1495, 1436, 1367, 1327, 1266, 1195, 1152, 1069, 968, 749 cm-1; 1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.37-7.33 (m, 2H), 7.30-7.27 (m, 2H), 7.21 (m, 1H), 6.56 (d, J = 16.0 Hz, 1H), 6.17 (dd, J = 16.0, 6.0 Hz, 1H), 4.02 (m, 1H), 3.93-3.85 (m, 2H), 3.68 (s, 3H), 2.68 (dd, J = 15.6, 7.3 Hz, 1H), 2.47 (dd, J = 15.6, 5.5 Hz, 1H), 2.08-2.03 (m, 2H), 1.36 (ddd, J = 11.5, 11.5, 11.5 Hz, 1H), 1.25 (ddd, J = 11.5, 11.5, 11.5 Hz, 1H), one proton missing due to H/D exchange; 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 171.4, 136.6, 130.6, 129.1, 128.5 (2C), 127.7, 126.5 (2C), 76.0, 72.1, 67.7, 51.7, 40.8 (2C), 40.4; HRMS (ESI) calcd for C16H20O4Na ([M + Na]+) 299.1254, found 299.1250.
Methyl 2-((2S,4S,6R)-4-hydroxy-6-((E)-styryl)tetrahydro-2H-pyran-2-yl)acetate (ent-2):無色油状物;[α]D23 +35.5 (c 1.00, CHCl3); NMRスペクトルデータは2と完全に一致。
【実施例】
【0070】
1-2) GP2に従い、化合物4及びent-4を合成した。
(Z)-(2R,4S,6S)-2-(2-Methoxy-2-oxoethyl)-6-((E)-styryl)tetrahydro-2H-pyran-4-yl 5-(2-((Z)-3-((methoxycarbonyl)amino)prop-1-en-1-yl)oxazol-4-yl)pent-2-enoate (4):
無色油状物;[α]D24 +1.00 (c 0.57, CH3OH); IR (film) 3735, 3630, 2883, 1716, 1558, 1507, 1455, 668, 647 cm-1; 1H NMR (600 MHz, CD3OD) δ 7.67 (s, 1H), 7.37 (d, J = 7.4 Hz, 2H), 7.29 (dd, J = 7.4, 7.4 Hz, 2H), 7.21 (dd, J = 7.4, 7.4 Hz, 1H), 6.55 (d, J = 16.1 Hz, 1H), 6.40 (ddd, J = 11.5, 7.4, 7.4 Hz, 1H), 6.26 (d, J = 11.9 Hz, 1H), 6.17 (dd, J = 16.1, 5.9 Hz, 1H), 6.01 (ddd, J = 11.9, 5.9, 5.9 Hz, 1H), 5.91 (d, J = 11.5 Hz, 1H), 5.27 (m, 1H), 4.38 (dd, J = 11.5, 5.9 Hz, 1H), 4.30-4.29 (m, 2H), 4.24 (m, 1H), 3.68 (s, 3H), 3.63 (s, 3H), 3.03 (dd, J = 14.6, 7.3 Hz, 2H), 2.73 (dd, J = 7.3, 7.3 Hz, 2H), 2.57-2.48 (m, 2H), 1.91 (m, 2H), 1.69 (m, 1H), 1.61 (m, 1H), one proton missing due to H/D exchange; 13C NMR (150 MHz, CD3OD) δ 173.3, 166.9, 161.9, 159.6, 150.1, 142.2, 139.1, 138.2, 136.0, 131.6, 130.7, 129.6 (2C), 128.7, 127.5 (2C), 121.7, 115.9, 74.4, 70.7, 68.7, 52.6, 52.2, 41.7, 41.0, 36.5, 35.8, 29.1, 26.4; HRMS (ESI) calcd for C29H34N2O8Na ([M + Na]+) 561.2207, found 561.2204; HPLC (COSMOSIL 5C18AR-II column (4.6 mm I.D. × 150 mm), 60% CH3CN/H2O, flow rate: 0.5 mL/min, UV detection: 254 nm): tR = 14.7 min (99% purity).
【実施例】
【0071】
(Z)-(2S,4R,6R)-2-(2-Methoxy-2-oxoethyl)-6-((E)-styryl)tetrahydro-2H-pyran-4-yl 5-(2-((Z)-3-((methoxycarbonyl)amino)prop-1-en-1-yl)oxazol-4-yl)pent-2-enoate (ent-4):
無色油状物;[α]D24 -2.2 (c 0.16, CH3OH); NMRスペクトルデータは4と完全に一致した。HPLC (COSMOSIL 5C18AR-II column (4.6 mm I.D. × 150 mm), 60% CH3CN/H2O, flow rate: 0.5 mL/min, UV detection: 254 nm): tR = 14.7 min (97% purity).
【実施例】
【0072】
[合成実施例2] 化合物14~17及びent-14~ent-17の合成
以下のスキームにしたがって、化合物14~17及びそのエナンチオマー(ent-14~ent-17)を合成した。
【化12】
JP0006004372B2_000013t.gif
【実施例】
【0073】
エステルの加水分解の実施例(GP3):
エステル(1モル当量)のジエチルエーテル溶液に、カリウムトリメチルシラノアート(3モル当量)を加え、反応混合物を室温で撹拌した。反応の終結を薄層クロマトグラフィーで確認した後、氷冷下で反応混合物に希塩酸(1 M)を加えてpHを4に調製し、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤をろ過した後、ろ液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、対応するカルボン酸を得た(E. D. Laganis, B. L. Chenard, Tetrahedron Letters, 25, 5831 (1984)参照)。
【実施例】
【0074】
椎名法によるエステル化の実施例(GP4):
カルボン酸(1モル当量)のジクロロメタン溶液に、アルコール(1.3モル当量)、トリエチルアミン(3モル当量)、4-ジメチルアミノピリジン(0.3モル当量)及び2-メチル-6-ニトロ安息香酸無水物(1.5モル当量)を加え、反応混合物を室温で撹拌した。反応の終結を薄層クロマトグラフィーで確認した後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水と飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウム乾燥した後、乾燥剤をろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、対応するエステルを得た(I. Shiina, M. Kubota, H. Oshiumi, M. Hashizume, The Journal of Organic Chemistry, 69, 1822 (2004)参照)。
【実施例】
【0075】
2-1) GP3に従って化合物5及びent-5を合成した。
2-((2R,4R,6S)-4-((benzyloxy)methoxy)-6-((E)-styryl)tetrahydro-2H-pyran-2-yl)acetic acid (5):
黄色油状物;[α]D18 +5.4 (c 1.00, CHCl3); IR (film) 3029, 2947, 1711, 1496, 1450, 1267, 1169, 1038, 967, 747, 695 cm-1; 1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 7.37-7.26 (m, 9H), 7.22 (m, 1H), 6.56 (d, J = 15.5 Hz, 1H), 6.17 (dd, J = 15.5, 6.5 Hz, 1H), 4.83 (s, 2H), 4.62 (s, 2H), 4.05 (dd, J = 11.0, 6.0 Hz, 1H), 3.93-3.84 (m, 2H), 2.70 (dd, J = 16.5, 8.0 Hz, 1H), 2.54 (dd, J = 16.5, 5.5 Hz, 1H), 2.15-2.05 (m, 2H), 1.43 (ddd, J = 12.0, 12.0, 12.0 Hz, 1H), 1.33 (ddd, J = 12.0, 12.0, 12.0 Hz, 1H); 13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ 175.5, 137.7, 136.5, 130.7, 128.9, 128.49 (2C), 128.46 (2C), 127.9 (2C), 127.8, 127.7, 126.5 (2C), 92.5, 76.3, 72.4, 71.9, 69.6, 40.8, 38.2, 37.7; HRMS (ESI) calcd for C23H25O5 [(M - H)-] 381.1697, found 381.1708.
【実施例】
【0076】
2-((2S,4S,6R)-4-((benzyloxy)methoxy)-6-((E)-styryl)tetrahydro-2H-pyran-2-yl)acetic acid (ent-5):
[α]D21 -5.4 (c 1.00, CHCl3); NMRスペクトルデータは化合物5と完全に一致した。
【実施例】
【0077】
2-2) GP4に従って化合物6~9及びent-6~ent-9を合成した。
Butyl 2-((2R,4R,6S)-4-((benzyloxy)methoxy)-6-((E)-styryl)tetrahydro-2H-pyran-2-yl)acetate (6):
無色油状物;[α]D25 +9.6 (c 1.00, CHCl3); IR (film) 3749, 3047, 2359, 1507, 673 cm-1; 1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.36-7.32 (m, 6H), 7.30-7.27 (m, 3H), 7.21 (m, 1H), 6.55 (d, J = 16.0 Hz, 1H), 6.17 (dd, J = 16.0, 6.0 Hz, 1H), 4.84 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 4.82 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 4.62, (s, 2H), 4.09 (dd, J = 6.9, 6.9 Hz, 2H), 4.02 (m, 1H), 3.89 (m, 2H), 2.66 (dd, J = 15.1, 7.8 Hz, 1H), 2.46 (dd, J = 15.6, 5.9 Hz, 1H), 2.13-2.06 (m, 2H), 1.62-1.57 (m, 3H), 1.44-1.29 (m, 3H), 0.89 (t, J = 7.3 Hz, 3H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 171.0, 137.7, 136.7, 130.4, 129.3, 128.5 (4C), 127.9 (2C), 127.8, 127.6, 126.5 (2C), 92.5, 76.1, 72.6, 72.3, 69.6, 64.4, 41.3, 38.3, 37.9, 30.6, 19.1, 13.7; HRMS (ESI) calcd for C27H34O5Na [(M + Na)+] 461.2304, found 461.2284.
【実施例】
【0078】
Butyl 2-((2S,4S,6R)-4-((benzyloxy)methoxy)-6-((E)-styryl)tetrahydro-2H-pyran-2-yl)acetate (ent-6):
[α]D26 -9.9 (c 1.00, CHCl3); NMRスペクトルデータは、化合物6と完全に一致した。
【実施例】
【0079】
Hexyl 2-((2R,4R,6S)-4-((benzyloxy)methoxy)-6-((E)-styryl)tetrahydro-2H-pyran-2-yl)acetate (7):
黄色油状物;[α]D 26 +8.3 (c 1.00, CHCl3); IR (film) 3735, 3057, 2925, 2359, 1732,1457, 1038, 691 cm-1; 1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.35-7.33 (m, 6H), 7.30-7.27 (m, 3H), 7.21 (m, 1H), 6.55 (d, J = 16.0 Hz, 1H), 6.17 (dd, J = 15.6, 5.5 Hz, 1H), 4.83 (s, 2H), 4.62 (s, 2H), 4.08 (dd, J = 6.4, 6.4 Hz, 2H), 4.02 (m, 1H), 3.92-3.86 (m, 2H), 2.66 (dd, J = 16.8, 7.4 Hz, 1H), 2.46 (dd, J = 15.1, 5.5 Hz, 1H), 2.13-2.06 (m, 2H), 1.60 (ddd, J = 14.2, 6.8, 6.8 Hz, 2H), 1.41 (ddd, J = 11.5, 11.5, 11.5 Hz, 1H), 1.35-1.24 (m, 7H), 0.86-0.83 (m, 3H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 171.0, 137.7, 136.7, 130.4, 129.3, 128.5 (4C), 127.9 (2C), 127.7, 127.6, 126.5 (2C), 92.5, 76.1, 72.6, 72.3, 69.6, 64.7, 41.3, 38.3, 37.9, 31.4, 28.6, 25.5, 22.5, 14.0; HRMS (ESI) calcd for C29H38O5Na [(M + Na)+] 489.2617, found 489.2067.
【実施例】
【0080】
Hexyl 2-((2S,4S,6R)-4-((benzyloxy)methoxy)-6-((E)-styryl)tetrahydro-2H-pyran-2-yl)acetate (ent-7):
[α]D27 -9.2 (c 1.00, CHCl3); NMRスペクトルデータは、化合物7と完全に一致した。
【実施例】
【0081】
Cyclohexyl 2-((2R,4R,6S)-4-((benzyloxy)methoxy)-6-((E)-styryl)tetrahydro-2H-pyran-2-yl)acetate (8):
無色油状物;[α]D 27 +4.0 (c 1.00, CHCl3); IR (film) 3750, 3047, 2359, 1698, 1541, 685 cm-1; 1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.36-7.32 (m, 6H), 7.30-7.27 (m, 3H), 7.21 (m, 1H), 6.55 (d, J = 16.0 Hz, 1H), 6.17 (dd, J = 16.0, 5.9 Hz, 1H), 4.83 (d, J = 2.3 Hz, 2H), 4.79 (ddd, J = 12.4, 8.7, 3.7 Hz, 1H), 4.62, (s, 2H), 4.02 (dddd, J = 11.5, 5.5, 1.9, 1.9 Hz, 1H), 3.92-3.86 (m, 2H), 2.64 (dd, J = 15.1, 7.8 Hz, 1H), 2.45 (dd, J = 14.6, 5.5 Hz, 1H), 2.13-2.06 (m, 2H), 1.82-1.80 (m, 2H), 1.71-1.68 (m, 2H), 1.50 (m, 1H), 1.44-1.38 (m, 3H), 1.37-1.30 (m, 3H), 1.24 (m, 1H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 170.4, 137.7, 136.7, 130.4, 129.3, 128.5 (2C), 128.5 (2C), 127.9 (2C), 127.8, 127.6, 126.4 (2C), 92.5, 76.0, 72.74, 72.66, 72.5, 69.6, 41.7, 38.3, 37.8, 31.6, 31.5, 25.4, 23.6 (2C); HRMS (ESI) calcd for C29H36O5Na [(M + Na)+] 487.2460, found 487.2436.
【実施例】
【0082】
Cyclohexyl 2-((2S,4S,6R)-4-((benzyloxy)methoxy)-6-((E)-styryl)tetrahydro-2H-pyran-2-yl)acetate (ent-8):
[α]D28 -5.3 (c 1.00, CHCl3); NMRスペクトルデータは、化合物8と完全に一致した。
【実施例】
【0083】
Benzyl 2-((2R,4R,6S)-4-((benzyloxy)methoxy)-6-((E)-styryl)tetrahydro-2H-pyran-2-yl)acetate (9):
無色油状物;[α]D 27 +8.2 (c 1.00, CHCl3); IR (film) 3749, 3055, 2356, 1733, 1507, 687 cm-1; 1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.36-7.32 (m, 8H), 7.31-7.25 (m, 6H), 7.22 (m, 1H), 6.54 (d, J = 16.0 Hz, 1H), 6.17 (dd, J = 16.0, 5.9 Hz, 1H), 5.14 (d, J = 5.0 Hz, 2H), 4.82 (d, J = 3.2 Hz, 2H), 4.61, (s, 2H), 4.02 (dddd, J = 11.5, 5.9, 1.9, 1.9 Hz, 1H), 3.93-3.86 (m, 2H), 2.72 (dd, J = 15.1, 7.7 Hz, 1H), 2.52 (dd, J = 15.1, 5.1 Hz, 1H), 2.13-2.05 (m, 2H), 1.42 (m, 1H), 1.32 (m, 1H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 170.8, 137.7, 136.7, 135.9, 130.4, 129.2, 128.5 (2C), 128.5 (2C), 128.5 (2C), 128.1, 128.0, 127.8, 127.9, 127.8, 127.9, 127.8, 127.6, 126.5, 92.5, 76.1, 72.5, 72.3, 69.6, 66.3, 41.3, 38.3, 37.8; HRMS (ESI) calcd for C30H32O5Na [(M + Na)+] 495.2147, found 495.2146.
【実施例】
【0084】
Benzyl 2-((2S,4S,6R)-4-((benzyloxy)methoxy)-6-((E)-styryl)tetrahydro-2H-pyran-2-yl)acetate (ent-9):
[α]D26 -7.4 (c 1.00, CHCl3); NMRスペクトルデータは、化合物9と完全に一致した。
【実施例】
【0085】
2-3) GP1に従って化合物10~13及びent-10~ent-13を合成した。
Butyl 2-((2R,4R,6S)-4-hydroxy-6-((E)-styryl)tetrahydro-2H-pyran-2-yl)acetate (10):
無色油状物;[α]D27 -31.0 (c 1.00, CHCl3); IR (film) 3839, 3421, 3057, 2956, 2871, 2360, 1733, 1188, 673 cm-1; 1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.35-7.34 (m, 2H), 7.30-7.27 (m, 2H), 7.21 (m, 1H), 6.56 (d, J = 15.5 Hz, 1H), 6.17 (dd, J = 15.6, 5.5 Hz, 1H), 4.09 (dd, J = 6.4, 6.4 Hz, 2H), 4.02 (m, 1H), 3.94-3.85 (m, 2H), 2.66 (dd, J = 15.6, 7.3 Hz, 1H), 2.47 (dd, J = 15.1, 5.5 Hz, 1H), 2.09-2.03 (m, 2H), 1.62-1.57 (m, 3H), 1.40-1.33 (m, 2H), 1.26 (ddd, J = 11.5, 11.5, 11.5 Hz, 1H) 0.89 (t, J = 7.4 Hz, 3H), one proton missing due to H/D exchange; 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 171.1, 136.7, 130.5, 129.2, 128.5 (2C), 127.6, 126.5 (2C), 76.0, 72.6, 72.3, 67.8, 64.5, 41.2, 40.5, 30.6, 19.1, 13.7; HRMS (ESI) calcd for C19H26O4Na [(M + Na)+] 341.1729, found 341.1702.
【実施例】
【0086】
Butyl 2-((2S,4S,6R)-4-hydroxy-6-((E)-styryl)tetrahydro-2H-pyran-2-yl)acetate (ent-10):
[α]D 27 +33.6 (c 1.00, CHCl3); NMRスペクトルデータは、化合物10と完全に一致した。
【実施例】
【0087】
Hexyl 2-((2R,4R,6S)-4-hydroxy-6-((E)-styryl)tetrahydro-2H-pyran-2-yl)acetate (11):
無色油状物;[α]D28 -27.8 (c 1.00, CHCl3); IR (film) 3839, 3421, 3057, 2930, 2871, 2360, 1733, 1188, 673 cm-1; 1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.35-7.34 (m, 2H), 7.30-7.27 (m, 2H), 7.21 (m, 1H), 6.56 (d, J = 16.0 Hz, 1H), 6.17 (dd, J = 16.1, 6.0 Hz, 1H), 4.08 (dd, J = 6.9, 6.9 Hz, 2H), 4.03 (m, 1H), 3.89 (m, 2H), 2.67 (dd, J = 15.6, 7.8 Hz, 1H), 2.47 (dd, J = 15.1, 5.5 Hz, 1H), 2.09-2.03 (m, 2H), 1.63-1.58 (m, 2H), 1.39-1.23 (m, 8H), 0.85-0.83 (m, 3H), one proton missing due to H/D exchange; 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 171.1, 136.7, 130.5, 129.2, 128.5 (2C), 127.6, 126.5 (2C), 76.0, 72.2, 67.8, 64.8, 41.2, 40.9, 40.5, 31.4, 28.6, 25.5, 22.5, 14.0; HRMS (ESI) calcd for C21H30O4Na [(M + Na)+] 369.2042, found 369.2034.
【実施例】
【0088】
Hexyl 2-((2S,4S,6R)-4-hydroxy-6-((E)-styryl)tetrahydro-2H-pyran-2-yl)acetate (ent-11):
[α]D25 +31.5 (c 1.00, CHCl3); NMRスペクトルデータは、化合物11と完全に一致した。
【実施例】
【0089】
Cyclohexyl 2-((2R,4R,6S)-4-hydroxy-6-((E)-styryl)tetrahydro-2H-pyran-2-yl)acetate (12):
無色油状物;[α]D26 -31.8 (c 1.00, CHCl3); IR (film) 3745, 3421, 3057, 2956, 2871, 2356, 1733, 1152, 673 cm-1; 1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.35-7.34 (m, 2H), 7.30-7.27 (m, 2H), 7.21 (m, 1H), 6.56 (d, J = 16.1 Hz, 1H), 6.17 (dd, J = 16.1, 6.0 Hz, 1H), 4.79 (ddd, J = 12.8, 8.8, 4.1 Hz, 1H), 4.02 (dddd, J = 11.5, 5.9, 1.8, 1.8 Hz, 1H), 3.93-3.85 (m, 2H), 2.65 (dd, J = 15.1, 7.7 Hz, 1H), 2.46 (dd, J = 15.1, 5.9 Hz, 1H), 2.09-2.03 (m, 2H), 1.82-1.80, (m, 2H), 1.70-1.68 (m, 2H), 1.50 (m, 1H), 1.45-1.23 (m, 7H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 170.4, 136.7, 130.4, 129.2, 128.5 (2C), 127.6, 126.4 (2C), 75.9, 72.8, 72.4, 67.8, 41.5, 40.9, 40.4, 31.6, 31.5, 25.4, 23.6 (2C); HRMS (ESI) calcd for C21H28O4Na [(M + Na)+] 367.1885, found 367.1874.
【実施例】
【0090】
Cyclohexyl 2-((2S,4S,6R)-4-hydroxy-6-((E)-styryl)tetrahydro-2H-pyran-2-yl)acetate (ent-12):
[α]D27 +35.3 (c 1.00, CHCl3); NMRスペクトルデータは、化合物12と完全に一致した。
【実施例】
【0091】
Benzyl 2-((2R,4R,6S)-4-hydroxy-6-((E)-styryl)tetrahydro-2H-pyran-2-yl)acetate (13):
無色油状物;[α]D28 -29.5 (c 1.00, CHCl3); IR (film) 3854, 3421, 3057, 2956, 2919, 2357, 1733, 1185, 673 cm-1; 1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.35-7.26 (m, 9H), 7.22 (m, 1H), 6.55 (d, J = 15.6 Hz, 1H), 6.17 (dd, J = 16.1, 5.5 Hz, 1H), 5.14 (d, J = 5.0 Hz, 2H), 4.02 (dddd, J = 11.0, 5.5, 1.9, 1.9 Hz, 1H), 3.93-3.87 (m, 2H), 2.72 (dd, J = 15.6, 7.8 Hz, 1H), 2.53 (dd, J = 15.1, 5.0 Hz, 1H), 2.09-2.02 (m, 2H), 1.35 (ddd, J = 11.5, 11.5, 11.5 Hz, 1H), 1.26 (m, 1H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 170.8, 136.6, 135.9, 130.5, 129.1, 128.5 (2C), 128.5 (2C), 128.2, 128.0 (2C), 127.7, 126.5 (2C), 76.0, 72.2, 67.8, 66.3, 41.1, 40.9, 40.4; HRMS (ESI) calcd for C22H24O4Na [(M + Na)+] 375.1572, found 375.1551.
【実施例】
【0092】
Benzyl 2-((2S,4S,6R)-4-hydroxy-6-((E)-styryl)tetrahydro-2H-pyran-2-yl)acetate (ent-13):
[α]D27 +29.9 (c 1.00, CHCl3); NMRスペクトルデータは、化合物13と完全に一致した。
【実施例】
【0093】
2-4) GP2に従って化合物14~17及びent-14~ent-17を得た。
(Z)-(2R,4S,6S)-2-(2-Butoxy-2-oxoethyl)-6-((E)-styryl)tetrahydro-2H-pyran-4-yl 5-(2-((Z)-3-((methoxycarbonyl)amino)prop-1-en-1-yl)oxazol-4-yl)pent-2-enoate (14):
無色油状物;[α]D26 +1.2 (c 1.00, CH3OH); IR (film) 3750, 3339, 2992, 2367, 1716, 1541, 1250, 1161 cm-1; 1H NMR (600 MHz, CD3OD) δ 7.67 (s, 1H), 7.37-7.36 (m, 2H), 7.30-7.27 (m, 2H), 7.21 (m, 1H), 6.55 (d, J = 15.1 Hz, 1H), 6.40 (ddd, J = 11.5, 7.3, 7.3 Hz, 1H), 6.26 (ddd, J = 11.9, 2.3, 2.3 Hz, 1H), 6.18 (dd, J = 16.1, 5.5 Hz, 1H), 6.01 (ddd, J = 11.9, 6.0, 6.0 Hz, 1H), 5.91 (ddd, J = 11.5, 1.8, 1.8 Hz, 1H), 5.28 (ddd, J = 5.5, 2.8, 2.8 Hz, 1H), 4.37 (m, 1H), 4.30-4.22 (m, 3H), 4.14-4.08 (m, 2H), 3.64 (s, 3H), 3.04 (ddd, J = 15.1, 7.3, 1.8 Hz, 2H), 2.73 (dd, J = 7.8, 7.8 Hz, 2H), 2.55-2.48 (m, 2H), 1.94-1.88 (m, 2H), 1.69 (ddd, J = 14.2, 11.9, 2.8 Hz, 1H), 1.64-1.58 (m, 3H), 1.42-1.36 (m, 2H), 0.90 (t, J = 7.3 Hz, 3H), one proton missing due to H/D exchange; 13C NMR (150 MHz, CD3OD) δ 172.9, 166.9, 161.9, 150.1, 142.2, 139.1, 138.2, 136.0, 131.5, 130.7, 129.6 (3C), 128.6, 127.4 (2C), 121.7, 115.9, 74.4, 70.8, 68.8, 65.4, 52.5, 42.2, 41.0, 36.6, 35.8, 31.9, 29.1, 26.4, 20.2, 14.0; HRMS (ESI) calcd for C32H41N2O8Na [(M + Na)+] 581.2863, found 581.2846; HPLC (COSMOSIL 5C18AR-II column (4.6 mm I.D. × 150 mm), 70% CH3CN/H2O, flow rate: 0.5 mL/min, UV detection: 254 nm): tR = 15.8 min (>99% purity).
【実施例】
【0094】
(Z)-(2S,4R,6R)-2-(2-Butoxy-2-oxoethyl)-6-((E)-styryl)tetrahydro-2H-pyran-4-yl 5-(2-((Z)-3-((methoxycarbonyl)amino)prop-1-en-1-yl)oxazol-4-yl)pent-2-enoate (ent-14):
[α]D25 -1.2 (c 1.00, CH3OH); NMRスペクトルデータは、化合物14と完全に一致した。HPLC (COSMOSIL 5C18AR-II column (4.6 mm I.D. × 150 mm), 70% CH3CN/H2O, flow rate: 0.5 mL/min, UV detection: 254 nm): tR = 15.8 min (>99% purity).
【実施例】
【0095】
(Z)-(2R,4S,6S)-2-(2-(Hexyloxy)-2-oxoethyl)-6-((E)-styryl)tetrahydro-2H-pyran-4-yl 5-(2-((Z)-3-((methoxycarbonyl)amino)prop-1-en-1-yl)oxazol-4-yl)pent-2-enoate (15):
無色油状物;[α]D26 +0.7 (c 1.00, CH3OH); IR (film) 3750, 3364, 3099, 3056, 2360, 1732, 1507, 1247, 689 cm-1; 1H NMR (600 MHz, CD3OD) δ 7.67 (s, 1H), 7.37-7.36 (m, 2H), 7.30-7.27 (m, 2H), 7.21 (m, 1H), 6.55 (d, J = 16.0 Hz, 1H), 6.40 (ddd, J = 11.5, 7.4, 7.4 Hz, 1H), 6.26 (m, 1H), 6.18 (dd, J = 16.0, 5.9 Hz, 1H), 6.01 (ddd, J = 12.4, 6.4, 6.4 Hz, 1H), 5.91 (m, 1H), 5.28 (m, 1H), 4.38 (dd, J = 11.9, 5.5 Hz, 1H), 4.30-4.22 (m, 3H), 4.13-4.07 (m, 2H), 3.64 (s, 3H), 3.06-3.02 (m, 2H), 2.73 (dd, J = 7.8, 7.8 Hz, 2H), 2.52-2.51 (m, 2H), 1.94-1.89 (m, 2H), 1.71-1.60 (m, 4H), 1.40-1.27 (m, 6H), 0.86-0.84 (m, 3H), one proton missing due to H/D exchange; 13C NMR (150 MHz, CD3OD) δ 172.9, 166.9, 161.9, 150.1, 142.2, 139.1, 138.2, 136.0, 131.5, 130.7, 129.6 (3C), 128.6, 127.5 (2C), 121.7, 115.9, 74.4, 70.8, 68.8, 65.7, 52.5, 42.2, 41.0, 36.6, 35.8, 32.6, 29.8, 29.1, 26.7, 26.4, 23.6, 14.4; HRMS (ESI) calcd for C34H45N2O8 [(M + H)+] 609.3176, found 609.3191; HPLC (COSMOSIL 5C18AR-II column (4.6 mm I.D. × 150 mm), 75% CH3CN/H2O, flow rate: 0.5 mL/min, UV detection: 254 nm): tR = 18.6 min (91% purity).
【実施例】
【0096】
(Z)-(2S,4R,6R)-2-(2-(Hexyloxy)-2-oxoethyl)-6-((E)-styryl)tetrahydro-2H-pyran-4-yl 5-(2-((Z)-3-((methoxycarbonyl)amino)prop-1-en-1-yl)oxazol-4-yl)pent-2-enoate (ent-15):
[α]D24 -1.1 (c 1.00, CH3OH); NMRスペクトルデータは、化合物15と完全に一致した。HPLC (COSMOSIL 5C18AR-II column (4.6 mm I.D. × 150 mm), 75% CH3CN/H2O, flow rate: 0.5 mL/min, UV detection: 254 nm): tR = 18.6 min (95% purity).
【実施例】
【0097】
(Z)-(2R,4S,6S)-2-(2-(Cyclohexyloxy)-2-oxoethyl)-6-((E)-styryl)tetrahydro-2H-pyran-4-yl 5-(2-((Z)-3-((methoxycarbonyl)amino)prop-1-en-1-yl)oxazol-4-yl)pent-2-enoate (16):
無色油状物;[α]D26 -2.5 (c 1.00, CH3OH); IR (film) 3751, 3566, 3056, 2928, 2854, 2360, 2344, 1716, 1507, 1184, 688 cm-1; 1H NMR (600 MHz, CD3OD) δ 7.67 (s, 1H), 7.37-7.35 (m, 2H), 7.30-7.27 (m, 2H), 7.21 (m, 1H), 6.56 (d, J = 16.0 Hz, 1H), 6.40 (ddd, J = 11.5, 7.3, 7.3 Hz, 1H), 6.26 (ddd, J = 11.9, 1.9, 1.9 Hz, 1H), 6.18 (dd, J = 16.0, 5.5 Hz, 1H), 6.01 (ddd, J = 11.9, 6.0, 6.0 Hz, 1H), 5.91 (ddd, J = 11.5, 1.8, 1.8 Hz, 1H), 5.28 (ddd, J = 5.9, 2.8, 2.8 Hz, 1H), 4.78 (ddd, J = 11.9, 8.3, 3.7 Hz, 1H) 4.38 (dd, J = 11.9, 5.9 Hz, 1H), 4.30-4.23 (m, 3H), 3.63 (s, 3H), 3.04 (ddd, J = 15.1, 7.4, 1.9 Hz, 2H), 2.73 (dd, J = 6.9, 6.9 Hz, 2H), 2.56-2.46 (m, 2H), 1.94-1.89 (m, 2H), 1.85-1.78 (m, 2H), 1.74-1.68 (m, 3H), 1.62 (ddd, J = 14.2, 11.5, 2.7 Hz, 1H), 1.53-1.45 (m, 3H), 1.40-1.29 (m, 3H), one proton missing due to H/D exchange; 13C NMR (150 MHz, CD3OD) δ 172.3, 166.9, 161.9, 150.1, 142.2, 139.1, 138.2, 136.0, 131.5, 130.7, 129.6 (3C), 128.6, 127.4 (2C), 121.7, 115.9, 74.4, 74.0, 70.9, 68.8, 52.6, 42.5, 41.0, 36.6, 35.8, 32.53, 32.46, 29.1, 26.5, 26.4, 24.5 (2C); HRMS (ESI) calcd for C34H43N2O8 [(M + H)+] 607.3019, found 607.3019; HPLC (COSMOSIL 5C18AR-II column (4.6 mm I.D. × 150 mm), 75% CH3CN/H2O, flow rate: 0.5 mL/min, UV detection: 254 nm): tR = 14.7 min (>99% purity).
【実施例】
【0098】
(Z)-(2S,4R,6R)-2-(2-(Cyclohexyloxy)-2-oxoethyl)-6-((E)-styryl)tetrahydro-2H-pyran-4-yl 5-(2-((Z)-3-((methoxycarbonyl)amino)prop-1-en-1-yl)oxazol-4-yl)pent-2-enoate (ent-16):
[α]D24 +2.3 (c 1.00, CH3OH); NMRスペクトルデータは、化合物16と完全に一致した。HPLC (COSMOSIL 5C18AR-II column (4.6 mm I.D. × 150 mm), 75% CH3CN/H2O, flow rate: 0.5 mL/min, UV detection: 254 nm): tR = 14.7 min (>99% purity).
【実施例】
【0099】
(Z)-(2R,4S,6S)-2-(2-(Benzyloxy)-2-oxoethyl)-6-((E)-styryl)tetrahydro-2H-pyran-4-yl 5-(2-((Z)-3-((methoxycarbonyl)amino)prop-1-en-1-yl)oxazol-4-yl)pent-2-enoate (17):
無色油状物;[α]D27 +3.3 (c 1.00, CH3OH); IR (film) 3749, 3363, 3100, 3056, 2919, 2850, 2359, 2329, 1716, 1541, 1251, 1154 cm-1; 1H NMR (600 MHz, CD3OD) δ 7.64 (s, 1H), 7.36-7.33 (m, 4H), 7.30-7.26 (m, 4H), 7.24-7.20 (m, 2H), 6.53 (d, J = 16.0 Hz, 1H), 6.38 (ddd, J = 11.5, 7.3, 7.3 Hz, 1H), 6.24 (ddd, J = 11.9, 1.8, 1.8 Hz, 1H), 6.16 (dd, J = 16.1, 6.0 Hz, 1H), 6.00 (ddd, J = 11.9, 6.4, 6.4 Hz, 1H), 5.89 (ddd, J = 11.5, 1.4, 1.4 Hz, 1H), 5.27 (dd, J = 3.2, 3.2 Hz, 1H), 5.17 (d, J = 12.8 Hz, 1H), 5.14 (d, J = 12.8 Hz, 1H), 4.36 (m, 1H), 4.29-4.25 (m, 3H), 3.62 (s, 3H), 3.04-3.00 (m, 2H), 2.72-2.70 (m, 2H), 2.59-2.57 (m, 1H), 1.93-1.87 (m, 2H), 1.68 (ddd, J = 14.6, 11.9, 3.2 Hz, 1H), 1.64 (ddd, J = 14.6, 11.9, 3.2 Hz, 1H), one proton missing due to H/D exchange; 13C NMR (150 MHz, CD3OD) δ 172.6, 166.9, 161.9, 150.1, 142.2, 139.1, 138.2, 137.6, 136.0, 131.5, 130.7, 129.6 (2C), 129.5 (2C), 129.3 (2C), 129.0, 128.9, 128.7, 127.5 (2C), 121.7, 115.9, 74.4, 70.9, 68.7, 67.2, 52.6, 42.1, 41.0, 36.5, 35.8, 29.1, 26.4; HRMS (ESI) calcd for C35H39N2O8 [(M + H)+] 615.2706, found 615.2705; HPLC (COSMOSIL 5C18AR-II column (4.6 mm I.D. × 150 mm), 70% CH3CN/H2O, flow rate: 0.5 mL/min, UV detection: 254 nm): tR = 14.0 min (95% purity).
【実施例】
【0100】
(Z)-(2S,4R,6R)-2-(2-(Benzyloxy)-2-oxoethyl)-6-((E)-styryl)tetrahydro-2H-pyran-4-yl 5-(2-((Z)-3-((methoxycarbonyl)amino)prop-1-en-1-yl)oxazol-4-yl)pent-2-enoate (ent-17):
[α]D25 -2.2 (c 1.00, CH3OH); NMRスペクトルデータは、化合物17と完全に一致した。HPLC (COSMOSIL 5C18AR-II column (4.6 mm I.D. × 150 mm), 70% CH3CN/H2O, flow rate: 0.5 mL/min, UV detection: 254 nm): tR = 14.0 min (95% purity).
【実施例】
【0101】
[合成実施例3] 化合物22及び27の合成
以下のスキームにしたがって、化合物22及び27を合成した。
【化13】
JP0006004372B2_000014t.gif
【実施例】
【0102】
山口法によるエステル化の実施例(GP5):
カルボン酸(1モル当量)のテトラヒドロフラン溶液に、氷冷下、トリエチルアミン(2モル当量)と2,4,6-トリクロロベンゾイルクロリド(1.05モル当量)を加え、反応混合物を室温で撹拌した。原料のカルボン酸の消失を薄層クロマトグラフィーで確認した後、反応混合物を減圧下濃縮し、トルエンに懸濁させた。この懸濁液に、アルコール(1.1モル当量)と4-ジメチルアミノピリジン(3モル当量)のトルエン溶液を室温で滴下した後、反応混合物を室温で撹拌した。反応の終結を薄層クロマトグラフィーで確認した後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、希塩酸(1 M)、飽和重曹水、飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、乾燥剤をろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、対応するエステルを得た(J. Inanaga, K. Hirata, H. Saeki, T. Katsuki, M. Yamaguchi, Bulletin of the Chemical Society of Japan, 52, 1989 (1979) 参照)。
【実施例】
【0103】
ルテニウムカルベン錯体を用いる閉環メタセシス反応の実施例(GP6):
本反応は、使用直前に凍結脱気処理したジクロロメタンを用いて実施した。エステル(1モル当量)のジクロロメタン溶液に対し、グラブス第二世代触媒と1,4-ベンゾキノンのジクロロメタン溶液を加え、反応混合物を40 ℃で撹拌した。反応の終結を薄層クロマトグラフィーで確認した後、反応混合物を空気に曝して数時間撹拌し、さらに減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、対応するマクロラクトンを得た(A. H. Hoveyda, A. R. Zhugralin, Nature, 450, 243 (2007); M. Scholl, S. Ding, C. W. Lee, R. H. Grubbs, Organic Letters, 1, 953 (1999) 参照)。
【実施例】
【0104】
3-1) GP5に従って化合物19及び24を合成した。
(S)-Non-8-en-4-yl 2-((2R,4R,6S)-4-((benzyloxy)methoxy)-6-((E)-styryl)tetrahydro-2H-pyran-2-yl)acetate (19):
無色油状物;[α]D24 +1.3 (c 1.00, CHCl3); IR (film) 3853, 3734, 3674, 3648, 2938, 1731, 1652, 1558, 1540, 1507, 1456, 1040, 967, 747, 695 cm-1; 1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.35-7.32 (m, 6H), 7.30-7.25 (m, 3H), 7.20 (m, 1H), 6.53 (d, J = 15.8, Hz, 1H), 6.16 (dd, J =15.8, 5.5 Hz, 1H), 5.73 (m, 1H), 4.97-4.89 (m, 3H), 4.82 (dd, J = 9.2, 7.2 Hz, 2H), 4.61 (s, 2H), 4.01 (dddd, J = 11.0, 5.5, 1.4, 1.4 Hz, 1H), 3.89 (m, 2H), 2.62 (dd, J = 15.1, 8.3 Hz, 1H), 2.45 (dd, J = 15.1, 5.2 Hz, 1H), 2.09 (ddd, J = 12.7, 1.7, 1.7 Hz, 2H), 2.00 (ddd, J = 12.4, 1.4, 1.4 Hz, 2H), 1.49-1.23 (m, 10H), 0.83 (t, J = 7.2 Hz, 3H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 170.8, 138.4, 137.7, 136.7, 130.3, 129.2, 128.4(4C), 127.8(2C), 127.7, 127.5, 126.4 (2C), 114.7, 92.4, 76.0, 74.1, 72.6, 72.5, 69.5, 41.7, 38.2, 37.8, 36.4, 33.6, 33.5, 24.5, 18.5, 13.9; HRMS (ESI) calcd for C32H42O5Na ([M + Na]+) 529.2924, found 529.2912.
【実施例】
【0105】
Hex-5-en-1-yl 2-((2R,4R,6S)-4-((benzyloxy)methoxy)-6-((E)-styryl)tetrahydro-2H-pyran-2-yl)acetate (24):
無色油状物;[α]D23 +9.1 (c 1.00, CHCl3); IR (film) 2941, 1732, 1450, 1370, 1325, 1264, 1151, 1039, 746, 694 cm-1; 1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.35-7.33 (m, 6H), 7.30-7.27 (m, 3H), 7.21 (m, 1H), 6.55 (d, J = 16.0 Hz, 1H), 6.17 (dd, J = 16.0, 6.0 Hz, 1H), 5.75 (dddd, J = 16.9, 10.9, 6.8, 6.8 Hz, 1H), 4.98 (ddd, J = 16.9, 3.7, 1.8 Hz, 1H), 4.92 (m, 1H), 4.83 (d, J = 0.9 Hz, 2H), 4.62 (s, 2H), 4.09 (dd, J = 6.4, 6.4, 1.8 Hz, 2H), 4.02 (dddd, J = 11.5, 6.0, 1.8, 1.8 Hz, 1H), 3.93-3.86 (m, 2H), 2.66 (dd, J = 15.6, 7.8 Hz, 1H), 2.46 (dd, J = 15.6, 5.5 Hz, 1H), 2.13-2.02 (m, 4H),1.65-1.60 (m, 2H), 1.46-1.39 (m, 3H), 1.32 (ddd, J = 11.5, 11.5, 11.5 Hz, 1H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 171.0, 138.3, 137.7, 136.7, 130.4, 129.2, 128.5 (4C), 127.9 (2C), 127.7, 127.6, 126.4 (2C), 114.8, 92.5, 76.1, 72.6, 72.3, 69.6, 64.5, 41.3, 38.3, 37.8, 33.2, 28.0, 25.1; HRMS (ESI) calcd for C29H36O5Na ([M + Na]+) 487.2455, found 487.2455.
【実施例】
【0106】
3-2) GP6に従って化合物20及び25を合成した。
(1R,5S,11S,13R,Z)-13-((Benzyloxy)methoxy)-5-propyl-4,15-dioxabicyclo[9.3.1]pentadec-9-en-3-one (20):
無色油状物;[α]D28 -5.3 (c 0.66, CHCl3); IR (film) 3647, 2923, 2871, 2359, 1729, 1540, 1455, 1373, 1263, 1201, 1155, 1041, 735, 698 cm-1; 1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.35-7.31 (m, 3H), 7.29-7.27 (m, 2H), 5.77 (m, 1H), 5.41 (dd, J = 11.2, 6.0 Hz, 1H), 5.04 (m, 1H), 4.81 (s, 2H), 4.60 (s, 2H), 4.03 (dd, J = 11.4, 6.0 Hz, 1H), 3.86-3.82 (m, 2H), 2.64 (dd, J = 15.0, 4.2 Hz, 1H), 2.44 (dd, J = 14.4, 10.2 Hz, 1H), 2.08-1.96 (m, 4H), 1.82 (m, 1H), 1.68-1.23 (m, 9H), 0.88 (t, J = 7.2 Hz, 3H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 170.6, 137.7, 136.7, 129.2, 128.4 (2C), 127.9 (2C), 127.7, 92.5, 74.3, 72.9, 72.2, 72.0, 69.5, 42.1, 37.6, 37.5, 37.4, 33.4, 30.0, 24.6, 18.8, 14.0; HRMS (ESI) calcd for C24H34O5Na ([M + Na]+) 425.2298, found 425.2274.
【実施例】
【0107】
(1R,11S,13R,Z)-13-((Benzyloxy)methoxy)-4,15-dioxabicyclo[9.3.1]pentadec-9-en-3-one (25):
無色油状物;[α]D23 -1.0 (c 0.50, CHCl3); IR (film) 2918, 1729, 1455, 1379, 1310, 1252, 1188, 1095, 1039, 735, 698 cm-1; 1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.35-7.31 (m, 4H), 7.30 (m, 1H), 5.68 (dddd, J = 10.5, 10.5, 6.4, 2.3 Hz, 1H), 5.29 (dd, J = 11.0, 4.1 Hz, 1H), 4.81 (s, 2H), 4.60 (s, 2H), 4.32 (ddd, J = 13.3, 9.6, 3.7 Hz, 1H), 4.15 (ddd, J = 10.9, 4.6, 4.6 Hz, 1H), 4.04 (m, 1H), 3.84 (dddd, J = 11.0, 11.0, 4.6, 4.6 Hz, 1H), 3.76 (m, 1H), 2.51-2.43 (m, 2H), 2.21 (m, 1H), 2.03 (ddd, J = 12.4, 2.3, 2.3 Hz, 1H), 1.99 (ddd, J = 12.4, 2.3, 2.3 Hz, 1H), 1.90-1.79 (m, 2H), 1.60-1.41 (m, 4H), 1.33 (ddd, J = 11.5, 11.5, 11.5 Hz, 1H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 172.1, 137.7, 136.0, 128.6, 128.5 (2C), 127.9 (2C), 127.8, 92.6, 73.5, 72.9, 72.8, 69.6, 63.4, 42.0, 38.2, 37.8, 28.1, 26.6, 25.6; HRMS (ESI) calcd for C21H28O5Na ([M + Na]+) 383.1829, found 383.1834.
【実施例】
【0108】
3-3) GP1に従って化合物21及び26を合成した。
(1R,5S,11R,13S)-13-Hydroxy-5-propyl-4,15-dioxabicyclo[9.3.1]pentadecan-3-one (21):
無色油状物;[α]D21 -9.2 (c 0.59, CHCl3); IR (film) 3420, 2919, 2361, 1732, 1455, 1264, 1041 cm-1; 1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 4.95 (m, 1H), 3.81 (dddd, J = 10.2, 10.2, 4.2, 4.2 Hz, 1H), 3.70 (dddd, J = 15.0, 11.4, 3.6, 1.8 Hz, 1H), 3.37 (m, 1H), 2.58 (dd, J = 12.6, 3.0 Hz, 1H), 2.37 (dd, J = 14.4, 10.2 Hz, 1H), 1.94 (m, 1H), 1.91-1.84 (m, 2H), 1.70 (m, 1H), 1.61-1.55 (m, 4H), 1.47-1.14 (m, 10H), 0.89 (t, J = 7.2 Hz, 3H), one proton missing due to H/D exchange; 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 170.6, 74.4, 73.9, 72.2, 68.2, 42.1, 41.5, 40.2, 35.1, 34.9, 29.9, 26.3, 21.9, 21.6, 19.0, 13.9; HRMS (ESI) calcd for C16H28O4Na ([M + Na]+) 307.1880, found 307.1887.
【実施例】
【0109】
(1R,11R,13S)-13-Hydroxy-4,15-dioxabicyclo[9.3.1]pentadecan-3-one (26):
無色油状物;[α]D23 -9.5 (c 0.25, CHCl3); IR (film) 3389, 22915, 1731, 1540, 1455, 1269, 1186, 994, 666 cm-1; 1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 4.36 (ddd, J = 11.0, 11.0, 3.2 Hz, 1H), 4.06 (ddd, J = 11.0, 4.6, 4.6 Hz, 1H), 3.80 (dddd, J = 10.5, 10.5, 4.6, 4.6 Hz, 1H), 3.66 (m, 1H), 3.27 (dd, J = 10.9, 10.9 Hz, 1H), 2.43-2.40 (m, 2H), 1.96 (m, 1H), 1.86-1.78 (m, 2H), 1.71 (m, 1H), 1.60-1.34 (m, 6H), 1.31-1.15 (m, 4H), one proton missing due to H/D exchange; 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 172.1, 76.3, 73.2, 68.1, 63.9, 42.1, 41.6, 40.5, 33.2, 26.2, 25.4, 24.8, 23.7; HRMS (ESI) calcd for C13H22O4Na ([M + Na]+) 265.1410, found 265.1409.
【実施例】
【0110】
3-4) GP2に従って化合物22及び27を合成した。
(Z)-(1R,5S,11R,13R)-3-Oxo-5-propyl-4,15-dioxabicyclo[9.3.1]pentadecan-13-yl 5-(2-((Z)-3-((methoxycarbonyl)amino)prop-1-en-1-yl)oxazol-4-yl)pent-2-enoate (22):
無色油状物;[α]D22 -0.24 (c 0.55, MeOH); IR (film) 3748, 3647, 2949, 2359, 1716, 1540, 1456, 1261, 1182, 579 cm-1; 1H NMR (600 MHz, CD3OD) δ 7.66 (s, 1H), 6.37 (dt, J = 11.7, 4.1 Hz, 1H), 6.27 (ddd, J = 12.1, 2.0, 2.0 Hz, 1H), 6.04 (dt, J = 12.1, 6.2 Hz, 1H), 5.89 (ddd, J = 11.7, 1.7, 1.7 Hz, 1H) 5.22 (dddd, J = 5.8, 5.8, 2.8, 2.8 Hz, 1H), 4.94 (m, 1H), 4.31-4.30 (m, 2H), 4.09 (m, 1H), 3.76 (m, 1H), 3.65 (s, 3H), 3.02 (ddd, J = 14.8, 7.3, 1.7 Hz, 2H), 2.72 (dd, J = 7.3, 7.3 Hz, 2H), 2.65 (dd, J = 14.7, 4.1 Hz, 1H), 2.23 (dd, J = 14.4, 11.0 Hz, 1H), 1.90 (m, 1H), 1.83 (m, 1H), 1.73-1.69 (m, 2H), 1.64-1.20 (m, 14H), 0.92 (t, J = 7.2 Hz, 3H), one proton missing due to H/D exchange; 13C NMR (150 MHz, CD3OD) δ 173.7, 167.8, 162.8, 160.4, 150.8, 143.0, 140.0, 136.7, 122.6, 116.7, 76.2, 73.6, 72.0, 70.0, 53.4, 44.0, 41.8, 37.9, 37.2, 36.9, 36.6, 31.9, 29.7, 28.3, 27.2, 24.0, 23.5, 20.9, 15.1; HRMS (ESI) calcd for C29H42N2O8Na ([M + Na]+) 569.2833, found 569.2845; HPLC (COSMOSIL 5C18AR-II column (4.6 mm I.D. × 150 mm), 60% CH3CN/H2O, flow rate: 0.5 mL/min, UV detection: 254 nm): tR = 30.4 min (>99% purity).
【実施例】
【0111】
(Z)-(1R,11R,13R)-3-Oxo-4,15-dioxabicyclo[9.3.1]pentadecan-13-yl 5-(2-((Z)-3-((methoxycarbonyl)amino)prop-1-en-1-yl)oxazol-4-yl)pent-2-enoate (27):
無色油状物;[α]D25 +4.6 (c 0.20, CH3OH); IR (film) 2918, 1716, 1652, 1558, 1540, 1520, 1507, 1456, 1418, 1251, 1180, 1152 cm-1; 1H NMR (600 MHz, CD3OD) δ 7.67 (s, 1H), 6.37 (dt, J = 11.4, 7.8 Hz, 1H), 6.27 (ddd, J = 11.9, 2.3, 2.3 Hz, 1H), 6.04 (dt, J = 11.9, 5.9 Hz, 1H), 5.88 (ddd, J = 11.4, 1.9, 1.9 Hz, 1H), 5.22 (dddd, J = 6.0, 6.0, 3.2, 3.2 Hz, 1H), 4.31-4.26 (m, 3H), 4.16 (ddd, J = 11.0, 4.1, 4.1 Hz, 1H), 4.01 (dddd, J = 13.7, 11.0, 2.3, 2.3 Hz, 1H), 3.65 (s, 3H), 3.01 (dd, J = 15.1, 7.3 Hz, 2H), 2.71 (dd, J = 7.3, 7.3 Hz, 2H), 2.46 (dd, J = 13.3, 3.2 Hz, 1H), 2.30 (dd, J = 13.3, 11.8 Hz, 1H), 1.84-1.79 (m, 2H), 1.76-1.69 (m, 2H), 1.60-1.38 (m, 8H), 1.35-1.29 (m, 3H), one proton missing due to H/D exchange; 13C NMR (150 MHz, CD3OD) δ 174.0, 166.9, 161.9, 159.6, 149.9, 142.2, 139.1, 136.0, 121.7, 115.9, 74.3, 72.0, 69.2, 65.2, 52.6, 43.1, 41.0, 37.1, 36.1, 34.6, 29.0, 27.3, 26.7, 26.4, 25.3, 25.1; HRMS (ESI) calcd for C26H36N2O8Na ([M + Na]+) 527.2364, found 527.2368; HPLC (COSMOSIL 5C18AR-II column (4.6 mm I.D. × 150 mm), 60% CH3CN/H2O, flow rate: 0.5 mL/min, UV detection: 254 nm): tR = 14.0 min (>99% purity).
【実施例】
【0112】
[試験例1] 新規エステル化合物の抗増殖活性試験
新規エステル化合物(化合物4, 14-17, 22, 27及びent-4, 14-17)の抗増殖活性を、肺がん由来であるA549細胞株、マウスリンパ性白血病由来であるP388細胞株、ヒト繊維肉腫由来であるHT-1080細胞株を使用して調べた。
【実施例】
【0113】
方法
A549細胞は理化学研究所バイオリソースセンター(RIKEN BRC)、HT-1080細胞及びP388細胞はヒューマンサイエンス研究資源バンク(HSRRB)より購入した。A549細胞及びP388細胞は、10% (v/v) ウシ胎児血清/RPMI1640培地中、5% 二酸化炭素雰囲気下、37 ℃で2~5日間培養した。A549細胞及びHT-1080細胞は0.25% トリプシン/EDTA溶液で処理(37 ℃、3~5分間)した後、遠心分離して収穫し、P388細胞は遠心分離して収穫した。
【実施例】
【0114】
収穫したA549細胞及びP388細胞は、RPMI1640培地に懸濁し、細胞懸濁液(2.5 × 105 cells/mL)を調製した。一方、HT-1080細胞はEMEM培地に懸濁し、細胞懸濁液(1.0 × 105 cells/mL)を調製した。96穴マイクロプレートの各ウェルに調製した細胞懸濁液198 μLを分配した後、種々の濃度の化合物の存在下で培養した。希釈液2 μLを分配し、5%二酸化炭素雰囲気下37 ℃で3~5日間培養した。96穴マイクロプレートの各ウェルにWST-8 5 μLを分配した後、5%二酸化炭素雰囲気下37 ℃で3~6時間培養し、マイクロプレートリーダーで吸光度測定を行い、細胞生存率を算出した。
【実施例】
【0115】
結果
各化合物の細胞生存率と濃度の関係を図2及び図3に示す。また、各化合物のIC50値(単位:μM)を表1に示す。
【実施例】
【0116】
【表1】
JP0006004372B2_000015t.gif
【実施例】
【0117】
化合物4, 14-17とそのエナンチオマー(ent-4, 14-17)は、ともにナノモル~マイクロモルレベルで細胞増殖阻害活性を示した。14員環構造を有する化合物22と27もナノモルレベルの強い細胞増殖阻害活性を示したが、5位の立体配置が異なるジアステレオマーの細胞増殖阻害活性は30倍程度弱かった(data not shown)。
【実施例】
【0118】
[試験例2] ヒト培養がん細胞パネルによる薬剤感受性試験
方法
財団法人癌研究会癌化学療法センター分子薬理部に依頼して、39系のヒト培養がん細胞パネルを用いたin vitro 薬剤感受性試験により、化合物22の制がん効果を調べた。
試験は、肺がん7系、胃がん6系、大腸がん5系、卵巣がん5系、脳腫瘍6系、乳がん5系、腎がん2系、前立腺がん2系、及びメラノーマ1系の計39系のがん細胞を96ウェルプレートに播種し、翌日所定の濃度の化合物22を含む検体独液を添加し、2日間培養した後、細胞増殖をスルホローダミンBによる比色定量で測定した。測定結果をコンピュータに入力し、GI50、TGI、LC50の3種類のパラメータを指標として、化合物22に対する各細胞の感受性パターン(増殖率及びフィンガープリント、後述)を解析した。
【実施例】
【0119】
増殖率(%)は、各細胞ごとにPercent Growthの値を薬剤濃度(対数)に対してプロットして臓器がん別にまとめた(図5:Dose-Response曲線)。各曲線が増殖率50%、0%、-50%の横線と交わる点の濃度がそれぞれLog GI50、Log TGI、Log LC50 に相当する。
【実施例】
【0120】
また検定したすべての細胞株についてLog GI50の平均値を求め、この平均値と個々の細胞でのLog GI50値との差(つまり個々の細胞でのGI50が平均値の何倍あるいは何分の一かが対数値で示される)を求め、それらを平均Log GI50値を中心 (目盛0)として左右に棒グラフで描き、フィンガープリント(図6)を作成した。感受性が高い細胞株ほど右側に長くバーが伸びる。
【実施例】
【0121】
結果
結果を図4~6に示す。化合物22(Cpd 22)は、ヒト肺小細胞がん(胸水)細胞株DMS273及びヒト腎がん細胞株ACHNに対して、ナノモル以下のGI50で増殖を阻害した。その他、多くの細胞株に対してもマイクロモル以下のGI50で増殖を阻害したが、細胞株によって薬剤感受性の程度は異なっていた。また、化合物22はごく低濃度でも細胞の増殖を阻害するが、高濃度領域において細胞を死滅させないことが確認された。
【実施例】
【0122】
化合物22は、表2に示す3種の薬剤:アクラルビシン(塩酸塩)、ビンブラスチン(硫酸塩)、メトトレキセートとわずかな相関が認められたが、100以上のそれ以外の薬剤との相関は認められなかった。
【実施例】
【0123】
【表2】
JP0006004372B2_000016t.gif
【実施例】
【0124】
[試験例3] ネオペルトリドの構造活性相関解析
ネオペルトリドの合成過程で得られる様々な中間体やその立体異性体について、細胞増殖阻害活性を比較することで、ネオペルトリドの細胞増殖阻害活性に必要な最小構造単位の特定を試みた。
【実施例】
【0125】
化合物22の細胞増殖阻害活性(IC50 4.9 nM)はネオペルトリドのそれ(IC50 1.3 nM)とほぼ同等であったことから、9位と11位の置換基が細胞増殖阻害活性に及ぼす影響は小さいと確認された(図3参照)。一方、化合物27の細胞増殖阻害活性(IC50 170 nM)はネオペルトリドのそれと比較して1/100程度に低下したことから、13位置換基は細胞増殖阻害活性に重要である(図3参照)。次に、化合物4及びent-4の細胞増殖阻害活性(IC50値)がそれぞれ5670 nM、680 nMであったこと、及び、化合物ent-4と化合物27がほぼ同等の細胞増殖阻害活性を示したことから、ネオペルトリドの大環状骨格構造は強力な細胞増殖阻害活性に重要であるものの、必須ではないことが確認された(図3参照)。化合物14~17及びent-14~ent-17が、それぞれサブマイクロモル濃度でA549細胞の増殖を阻害したことからも、オキサン部分とオキサゾールを含む側鎖部分が活性発現に重要であると確認された(図2参照)。なお、オキサゾールを含む側鎖部分単独では細胞増殖を阻害しないことが報告されている(Fuwa et al (2009) Chem Eur J 15_12807)。
【実施例】
【0126】
結果
ネオペルトリドを構成する14員環部分の5位の立体配置(アキシアル配向)、13位の置換基、及び、オキサン部分の立体配座(いす型配座)が活性に重要であること、9位と11位の置換基は活性に重要ではないことが確認された。最終的に、上記した化合物4及びent-4がネオペルトリドの細胞増殖阻害活性に必要な最小構造単位であると考えられた。
【実施例】
【0127】
【化14】
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【実施例】
【0128】
[試験例4] 新規エステル化合物の標的分子の探索
新規エステル化合物の標的分子の探索を行ない、その強力な細胞増殖阻害活性のメカニズムを解析することを試みる。
【実施例】
【0129】
方法
機能性ナノ磁性微粒子(FGビーズ:多摩川精機株式会社)に化合物(下記A-C)を固定化し、標的分子の探索を行う(S. Sakamoto, M. Hatakeyama, T. Ito, H. Handa, Bioorganic & Medicinal Chemistry, 20, 1990 (2012))。ビーズへの固定化は、オキサゾール含有側鎖は比較的デリケートであるため、穏和な反応条件で実施できるよう、NHS もしくはカルボキシル基を介して行う。
【化15】
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【実施例】
【0130】
[試験例5] 新規エステル化合物の酸化的リン酸化阻害効果
新規エステル化合物の酸化的リン酸化阻害効果は以下のようにして検討できる。
A549細胞株をRPMI1640 (10% FBS)に懸濁し、96穴マイクロプレートの各ウェルに分配後、5%二酸化炭素雰囲気下、37 ℃で24時間培養する。細胞をPBSで洗浄し、培地をRPMI1640 (10% FBS)もしくはグルコース不含RPMI1640 (10% FBS)に置換後、種々の濃度の化合物希釈液を加え、5%二酸化炭素雰囲気下、37 ℃で24時間培養する。各ウェルにWST-8を添加し、37 ℃で3時間培養後、マイクロプレートリーダーで吸光度を測定し、細胞生存率を算出する。
【実施例】
【0131】
化合物が酸化的リン酸化の阻害効果を有していれば、ガン細胞で亢進している嫌気性解糖系のエネルギー源が欠乏すると、ATP合成能力を喪失し、細胞死に至る。グルコース含有液体培地中と比較し、グルコース不含液体培地中で細胞生存率が顕著に低下すれば、化合物が酸化的リン酸化阻害剤であることを示唆する。
【実施例】
【0132】
[試験例6] 新規エステル化合物のATP合成阻害効果
新規エステル化合物のATP合成阻害作用は以下のようにして検討できる。
A549細胞株をRPMI1640 (10% FBS)に懸濁し、96穴マイクロプレートの各ウェルに分配後、5%二酸化炭素雰囲気下、37 ℃で24時間培養する。細胞をPBSで洗浄し、培地をRPMI1640 (10% FBS)もしくはグルコース不含RPMI1640 (10% FBS)に置換後、種々の濃度の化合物希釈液を加え、5%二酸化炭素雰囲気下、37 ℃で24時間培養する。細胞内のATP濃度をCell Titer-Glo Luminescent Cell Viability Assay Kit (Promega)を用いて測定する。
【実施例】
【0133】
化合物への暴露により、ATP(活性)が一貫して減少していれば、ミトコンドリアにおけるATP産生が減少していることを示唆する。さらにATP産生に関与する分子群の変動を解析することよって、化合物がどの分子へ作用して、ATP産生阻害効果を発揮するかがわかる。
【実施例】
【0134】
[試験例6]新規エステル化合物のin vivo腫瘍縮小試験
ヒト肺癌細胞(H460、A549等)を免疫不全マウス(BALB/cAJcl-nu/nu)皮下に接種する。皮下腫瘍容積が約200mm3になった段階で、化合物投与群と対照群に無作為に割付し、投与群には化合物0.2mg/kgを、対照群にはPBS(200μl)とDMSO(5~10μl)を毎日腹腔内投与(1日1回)する。15-25日間観察を行い、皮下腫瘍を体表より確認し、腫瘍径変化をノギスで測定する。A549細胞株はH460細胞株よりも腫瘍の増殖が一般に遅いため、より長い観察を必要とする。観察終了後、マウスを安楽死させ、腫瘍を摘出して腫瘍サイズ及び重量、病理所見を観察する。腫瘍の長径をa、短径をbとしたときの(a x b2)/2=推定腫瘍体積を、day 0における各群の推定腫瘍体積に対する相対値として結果を評価する。
【産業上の利用可能性】
【0135】
本発明によれば、新規な細胞増殖抑制活性を有するエステル化合物が提供される。本発明のエステル化合物は、ナノモル~マイクロモルレベルでがん細胞に特異的な強い細胞増殖抑制効果を発揮する。本発明のエステル化合物は、ネオペルトリドやその誘導体に比較して、簡便に合成でき、側鎖の置換により、製剤化に適した特性(安定性、溶解性等)を付与できるため、細胞増殖抑制剤、抗がん剤として有用である。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5