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明細書 :DNAカセット、ベクター、形質転換細胞、形質転換動物、機能性遺伝子発現動物及び解析装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2014-143962 (P2014-143962A)
公開日 平成26年8月14日(2014.8.14)
発明の名称または考案の名称 DNAカセット、ベクター、形質転換細胞、形質転換動物、機能性遺伝子発現動物及び解析装置
国際特許分類 C12N  15/09        (2006.01)
C12N   5/10        (2006.01)
A01K  67/027       (2006.01)
C12M   1/34        (2006.01)
FI C12N 15/00 ZNAA
C12N 5/00 102
A01K 67/027
C12M 1/34 Z
請求項の数または発明の数 16
出願形態 OL
全頁数 21
出願番号 特願2013-015113 (P2013-015113)
出願日 平成25年1月30日(2013.1.30)
発明者または考案者 【氏名】相垣 敏郎
【氏名】金内 太郎
出願人 【識別番号】305027401
【氏名又は名称】公立大学法人首都大学東京
個別代理人の代理人 【識別番号】100150876、【弁理士】、【氏名又は名称】松山 裕一郎
審査請求 未請求
テーマコード 4B024
4B029
4B065
Fターム 4B024AA20
4B024CA01
4B024GA11
4B024HA11
4B029AA07
4B029BB20
4B029FA15
4B065AA90X
4B065AB01
4B065AC20
4B065BA02
4B065CA24
4B065CA44
4B065CA46
4B065CA60
要約 【課題】所望の細胞や臓器中で標的遺伝子を可視化することができ、さらには可視化した遺伝子改変動物を生きたままの状態で精度よく解析することができるように動物の改質を行うことができるDNAカセットを提供すること。
【解決手段】所定の標的DNAと相同組み換えを起こして染色体に導入可能なDNAカセットであって、上記標的DNAの配列の5’側と相同な配列と、上記標的DNAの配列の3’側と相同な配列と、を有し、且つ上記5’側と相同な配列と上記3’側と相同な配列とに挟まれた部分に位置し、染色体導入時に機能を発現する初期機能配列及び一対の組み換え酵素認識配列を具備する保護配列と、上記保護配列及び上記3’側と相同な配列の間に位置し、上記保護配列における少なくとも上記初期機能配列が除去された場合に初めて機能を発現する機能性遺伝子の配列と、を有することを特徴とするDNAカセット。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
所定の標的DNAと相同組み換えを起こして染色体に導入可能なDNAカセットであって、
上記標的DNAの配列の5’側と相同な配列と、
上記標的DNAの配列の3’側と相同な配列と、を有し、
且つ
上記5’側と相同な配列と上記3’側と相同な配列とに挟まれた部分に位置し、染色体導入時に機能を発現する初期機能配列及び一対の組み換え酵素認識配列を具備する保護配列と、
上記保護配列及び上記3’側と相同な配列の間に位置し、上記保護配列における少なくとも上記初期機能配列が除去された場合に初めて機能を発現する機能性遺伝子の配列とを有することを特徴とするDNAカセット。

【請求項2】
上記保護配列において、
上記の組み換え酵素の認識配列は人工イントロン配列内に配置されており、
上記組み換え酵素により一対の組み換え酵素認識配列の間のスタッファー配列が除去された後に5’側と3’側との両人工イントロン配列が融合して、融合配列が形成されるようになされている、
請求項1記載のDNAカセット。

【請求項3】
上記初期機能配列が、緑色蛍光タンパク質(GFP)を具備する、請求項1または2に記載のDNAカセット。

【請求項4】
上記初期機能配列が、
さらに選択マーカーの配列を具備する、
請求項1~3のいずれかに記載のDNAカセット。

【請求項5】
上記選択マーカーの配列が、GMR-w、mini-white、hsp70-whiteである請求項4記載のDNAカセット。

【請求項6】
上記機能性遺伝子が、ルシフェラーゼである請求項1~5のいずれかに記載のDNAカセット。

【請求項7】
上記組み換え酵素の認識配列がloxPである請求項1~6のいずれかに記載のDNAカセット。

【請求項8】
3’側の上記人工イントロン配列が、さらに、上記組み換え酵素認識配列の3’側にCreに認識されるがloxP配列とは相同組み換えを起こさない変異型loxP配列を具備する請求項7に記載のDNAカセット。

【請求項9】
請求項1~8のいずれかに記載のDNAカセットを具備してなるベクター。

【請求項10】
請求項1~8のいずれかに記載のDNAカセットが染色体上に存在する形質転換細胞。

【請求項11】
請求項10記載の形質転換細胞を具備する形質転換動物。

【請求項12】
請求項11記載の形質転換動物にさらに上記組み換え酵素認識配列を認識する組み換え酵素が導入されてなる機能性遺伝子発現動物。

【請求項13】
上記組み換え酵素が組織特異的に発現する酵素である請求項12記載の機能性遺伝子発現動物。

【請求項14】
上記組み換え酵素がCreである請求項12または13に記載の機能性遺伝子発現動物。

【請求項15】
上記機能性遺伝子発現動物が、ショウジョウバエである請求項12~14のいずれかに記載の機能性遺伝子発現動物。

【請求項16】
請求項12~15のいずれかに記載の機能性遺伝子発現動物の解析を行う解析装置であって、
動物の保持部と、
画像を取得するための撮像部と、
情報処理を行う情報処理部と、
を具備する解析装置。

発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、相同組み換えのためのDNAカセット、ベクター、形質転換細胞、形質転換動物、機能性遺伝子発現動物及び解析装置、さらに詳しくは、標的遺伝子の発現制御領域により発現制御を受け所望の細胞や臓器でのみ特定機能を有する遺伝子を発現させることができるDNAカセット、ベクター、形質転換細胞、及び、機能性遺伝子発現動物と、機能性遺伝子発現動物を大量に精度よく解析することが可能な解析装置と、に関するものである。
【背景技術】
【0002】
生理活性物質、薬剤、毒素、食品など化学物質の生体への影響の評価解析は、さまざまな分野で利用される重要な解析であり、分子生物学的手法を用いた解析により遺伝子レベルでの解析を行うことが可能になってきている。
例えば、特許文献1では、化合物をスクリーニングする方法及び有毒化合物を示す代謝反応の治療法に関連するマイクロアレイを用いて解析する手段が提案されている。
また、他の遺伝子レベルの解析手段としては、トランスジェニック動物などの遺伝子改変動物を用い遺伝子の発現を解析する手段が挙げられ、これらの中でも遺伝子の発現を蛍光タンパク質などで可視化することにより解析する手段は動物が生きたままの状態で遺伝子の発現を解析できる。
このため、例えば、特許文献2では、個体を構成する全ての細胞種でのイノシトールリン脂質(PIs)代謝解析を可能とし、様々な内在性あるいは外来性の物質がPIs動態に与える作用を、非侵襲的な条件下で量的、時間的・空間的な側面から明らかにするために、PIs可視化プローブを発現するトランスジェニック動物(PIs可視化動物)を作製する。PIs可視化プローブ遺伝子としては、PI(3,4,5)P3やPI(3,4)P2を可視化するAktプロテインキナーゼPHドメインとGFPとの融合タンパク質をコードするcDNAや、PI(3,4,5)P3を可視化するBtk-PHドメインとGFPとの融合タンパク質をコードするcDNAや、PI(4,5)P2を可視化する配列番号5で示される塩基配列からなる、ホスフォリパーゼCδPHドメインとGFPとの融合タンパク質をコードするcDNA等を発現するトランスジェニック動物が提案されている。
また、遺伝子発現を可視化した形質転換動物の解析に用いる装置としては、例えば、特許文献3のような、主要部が、レーザ走査型顕微鏡検査のための励起光を生成する光源モジュール、励起光をコリメートして偏向を行う走査モジュール、走査モジュールによって用意された走査ビームを顕微鏡光路内で試料の方向に向ける顕微鏡モジュールおよび試料からの光線を受け止め検出する検出モジュールから成るレーザ走査型顕微鏡において、試料が第1および第2の照明光によって照明され、その場合第1照明光LQ1が試料の励起を誘起し、第2照明光LQ2が周期性構造におけるコヒーレント光の回折によって生成され、それが照射横方向および照射軸方向に周期性構造を有している、高度な分解能を持つレーザ走査型顕微鏡が提案されている。
【先行技術文献】
【0003】

【特許文献1】特表2002-523112号公報
【0004】

【特許文献2】特開2006-61026号公報
【0005】

【特許文献3】特開2006-30178号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1で提案されているようにマイクロアレイを用いた方法の場合、大量の遺伝子発現の解析は可能であるが、解析するために細胞や臓器を摘出することが必要なため、生きたままの動物で解析することができず、生体内での継時的な変化を追うことは不可能である。
また、特許文献2で提案されている手段では、遺伝子が体中に幅広く発現し、遺伝子発現を可視化すると体全体が発光してしまうため、生きたままの状態では体全体での発光がノイズとなり所望の細胞や臓器中での遺伝子の発現の状態を把握することができないという問題がある。
また、特許文献3で提案されている手段を用いて解析する場合、解析に時間がかかるため大量に解析するには多大な量力を要するという問題がある。
このため、所望の細胞や臓器中で標的遺伝子を可視化することができ、さらには可視化した遺伝子改変動物を生きたままの状態で精度よく経時的に定量化することができるDNA解析手段の開発が、要望されているのが現状である。

【0007】
したがって、本発明の目的は、所望の細胞や臓器中で標的遺伝子を可視化することができ、さらには可視化した遺伝子改変動物を生きたままの状態で精度よく解析することができるように動物の改質を行うことができるDNAカセット、該DNAカセットを用いてなる形質転換細胞及び形質転換動物、並びにこれらの動物を簡易且つ簡便に、しかも連続的に且つ経時的に定量化することができる解析装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解消すべく鋭意検討した結果、
遺伝子改変動物を作成する際に使用するDNAカセットを改良して、特定の組み換え酵素のみに認識される配列を組み込むことで、遺伝子発現の可視化を制御することが可能であることを知見し、さらに最適な配列構造を得るべく改良を重ね、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の各発明を提供するものである。
1.所定の標的DNAと相同組み換えを起こして染色体に導入可能なDNAカセットであって、
上記標的DNAの配列の5’側と相同な配列と、
上記標的DNAの配列の3’側と相同な配列と、を有し、
且つ
上記5’側と相同な配列と上記3’側と相同な配列とに挟まれた部分に位置し、染色体導入時に機能を発現する初期機能配列及び一対の組み換え酵素認識配列を具備する保護配列と、
上記保護配列及び上記3’側と相同な配列の間に位置し、上記保護配列における少なくとも上記初期機能配列が除去された場合に初めて機能を発現する機能性遺伝子の配列とを有することを特徴とするDNAカセット。
2.上記保護配列において、
上記の組み換え酵素の認識配列は人工イントロン配列内に配置されており、
上記組み換え酵素により一対の組み換え酵素認識配列の間のスタッファー配列が除去された後に5’側と3’側との両人工イントロン配列が融合して、融合配列が形成されるようになされている、
1記載のDNAカセット。
3.上記初期機能配列が、緑色蛍光タンパク質(GFP)を具備する、1または2に記載のDNAカセット。
4.上記初期機能配列が、
さらに選択マーカーの配列を具備する、
1~3のいずれかに記載のDNAカセット。
5.上記選択マーカーの配列が、GMR-w、mini-white、hsp70-whiteである4記載のDNAカセット。
6.上記機能性遺伝子が、ルシフェラーゼである1~5のいずれかに記載のDNAカセット。
7.上記組み換え酵素の認識配列がloxPである1~6のいずれかに記載のDNAカセット。
8.3’側の上記人工イントロン配列が、さらに、上記組み換え酵素認識配列の3’側にCreに認識されるがloxP配列とは相同組み換えを起こさない変異型loxP配列を具備する7に記載のDNAカセット。
9.1~8のいずれかに記載のDNAカセットを具備してなるベクター。
10.1~8のいずれかに記載のDNAカセットが染色体上に存在する形質転換細胞。
11.10記載の形質転換細胞を具備する形質転換動物。
12.11記載の形質転換動物にさらに上記組み換え酵素認識配列を認識する組み換え酵素が導入されてなる機能性遺伝子発現動物。
13.上記組み換え酵素が組織特異的に発現する酵素である12記載の機能性遺伝子発現動物。
14.上記組み換え酵素がCreである12または13に記載の機能性遺伝子発現動物。
15.上記機能性遺伝子発現動物が、ショウジョウバエである12~14のいずれかに記載の機能性遺伝子発現動物。
16.12~15のいずれかに記載の機能性遺伝子発現動物の解析を行う解析装置であって、
動物の保持部と、
画像を取得するための撮像部と、
情報処理を行う情報処理部と、
を具備する解析装置。
【発明の効果】
【0009】
本発明のDNAカセットは、所望の細胞や臓器中でのみ標的遺伝子を可視化することができ、さらには可視化した遺伝子改変動物を生きたままの状態で精度よく解析することができるように動物の改質を行うことができる。このため、標的遺伝子の発現制御領域により発現制御を受け所望の細胞や臓器中でのみ特定の機能を有する遺伝子を発現させ、更にはこれを可視化できる機能性遺伝子発現動物の作成が可能であり、また、形質転換動物作成の際のスクリーニングが容易なものである。
また、本発明のDNAカセットは、組み換え酵素が発現しない環境で特定の機能を有する遺伝子が発現し、組み換え酵素が発現する環境でのみ上記特定の機能を有する遺伝子と異なる機能を有する遺伝子が発現するように構成することで、遺伝子の機能解析などに利用することも可能である。
本発明の形質転換動物は、標的遺伝子の発現制御領域により発現制御を受け所望の細胞や臓器中でのみ特定の機能を有する遺伝子の発現を行い、更にはこれを可視化できる形質転換細胞及び機能性遺伝子発現動物の作製を可能にするものであり、形質転換動物作成の際のスクリーニングが容易なものである。
また、本発明の形質転換動物は、組み換え酵素が発現しない環境で特定の機能を有する遺伝子が発現し、組み換え酵素が発現する環境でのみ上記特定の機能を有する遺伝子と異なる機能を有する遺伝子が発現する動物の作製を可能にするものであり、遺伝子の機能解析などに利用することも可能である。
本発明の機能性遺伝子発現動物は、標的遺伝子の発現制御領域により発現制御を受け所望の細胞や臓器中でのみ遺伝子発現を可視化することができ、所望の細胞や臓器での遺伝子発現の状態を解析することができ、また、体中に幅広く発現するような遺伝子でも特定臓器で機能を発現させて状態解析することができるものである。
また、機能性遺伝子発現動物は、組み換え酵素が発現しない環境で特定の機能を有する遺伝子が発現し、組み換え酵素が発現する環境でのみ上記特定の機能を有する遺伝子と異なる機能を有する遺伝子が発現する動物を作成することができ遺伝子の機能解析などに利用することも可能である。
本発明の解析装置は、遺伝子発現を可視化した遺伝子改変動物を生きたまま精度よく、簡易且つ簡便に、しかも連続的に且つ経時的に定量化することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明のDNAカセットの一実施形態を示す概念図である。
【図2】図2は、本発明の解析装置の一実施形態を示す概念図である。
【図3】図3は、実施例1で作成した本発明のベクターを示す概略図である。
【図4】図4は、実施例1、試験例1、比較例1および比較試験例1の発光を発光顕微鏡で観察した結果を示す図面代用写真である。
【図5】図5は、実施例2、試験例2および比較試験例2の筋肉における発光をルミノメーターで経時的に定量した結果を示す図である。
【図6】図6は、実施例3、試験例3および比較試験例3の神経における発光をルミノメーターで経時的に定量した結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
まず、本発明のDNAカセットについて説明する。

【0012】
<全体構成>
本発明のDNAカセットは、図1に示すように、
所定の標的DNAと相同組み換えを起こして染色体に導入可能なDNAカセットであって、
上記標的DNAの配列の5’側と相同な配列と、
上記標的DNAの配列の3’側と相同な配列と、を有し、
且つ
上記5’側と相同な配列と上記3’側と相同な配列とに挟まれた部分に位置し、染色体導入時に機能を発現する初期機能配列及び一対の組み換え酵素認識配列を具備する保護配列と、
上記保護配列及び上記3’側と相同な配列の間に位置し、上記保護配列における少なくとも上記初期機能配列が除去された場合に初めて機能を発現する機能性遺伝子の配列と、
を有することを特徴とする。

【0013】
以下、詳述する。
本発明のDNAカセットは所定の標的DNAと相同組み換えを起こしうるものであるが、相同組み換えによる染色体への導入に限らず、ランダムに導入されることにより染色体に導入されてもよい。
<標的DNA>
標的DNAは、動物、植物などの真核生物の任意の遺伝子である。
(所定の標的DNA)
ここで、所定の標的DNAとは、本発明のDNAカセットと相同組み換えする5’非翻訳領域から3’非翻訳領域を具備する遺伝子の配列(以下「標的配列」という場合にはこの配列を意味する)を含むDNAであり、標的配列を含んでいればその他の配列は特に制限されず、標的配列のみからなるDNAであってもよく、他の配列を含むDNAであってもよい。

【0014】
(相同な配列)
ここで、相同な配列とは、相同組み換えを起こす程度に高い同一性を有する配列をいう。

【0015】
(標的DNAの配列の5’側と相同な配列)
標的DNAの配列の5’側と相同な配列とは、標的DNAの5’側に位置する配列と同一性の高い配列をいう。
上記標的DNAの配列の5’側と相同な配列は、5’非翻訳領域~開始コドンの配列である。
上記標的DNAの配列の5’側と相同な配列の長さとしては、ショウジョウバエでは2~3kbであるのが、相同組み換えのしやすさの観点から好ましい。

【0016】
(標的DNAの配列の3’側と相同な配列)
標的DNAの配列の3’側と相同な配列とは、標的遺伝子の3’側に位置する配列と同一性の高い配列をいう。
上記標的DNAの配列の3’側と相同な配列は、終始コドン~3’非翻訳領域の配列である。
上記標的DNAの配列の3’側と相同な配列の長さとしては、ショウジョウバエでは2~3kbであるのが、相同組み換えのしやすさの観点から好ましい。

【0017】
本発明のDNAカセットは、上記標的DNAの配列の5’側及び3’側と相同な配列とにより、上記標的DNAの配列と相同組み換えを起こすことができ、これにより、本発明のDNAカセットの配列は、生体内において標的DNAの遺伝子と同じ発現の制御を極めて高い可能性で受けることができる。

【0018】
<保護配列>
上記保護配列は、図1に示すように、上記5’側と相同な配列と上記3’側と相同な配列とに挟まれた部分に位置し、染色体導入時に機能を発現する初期機能配列及び一対の組み換え酵素認識配列を具備する配列である。
上記保護配列は、図1に示すように、上記組換え酵素により、上記一対の組み換え酵素認識配列の間に位置するスタッファー配列を具備し、該スタッファー配列が除去されるようになされている配列である。上記初期機能配列は上記組み換え酵素認識配列間に位置するスタッファー配列の一部として配置されている。

【0019】
(スタッファー配列)
上記スタッファー配列は、図1に示すように、上記一対の組み換え酵素の認識配列の間に位置し、上記組み換え酵素により除去される配列である。
上記スタッファー配列は、図1に示すように、上記初期機能配列を具備し、初期機能配列としての蛍光タンパク質遺伝子等のレポーター遺伝子や選択マーカーの配列等を少なくとも具備するものであり、これにより所望の機能を発揮する。
このようなスタッファー配列があることにより、上記組み換え酵素によりスタッファー配列が除去される環境では後述する機能性遺伝子の配列が発現し、上記組み換え酵素によりスタッファー配列が除去されていない環境では、上記初期機能配列の機能が発現し得るようになされている。
このため、例えば、上記組み換え酵素を所望の細胞や臓器特異的に発現させることによって、機能性遺伝子も細胞又は臓器特異的に発現するようになり、所望の細胞や臓器中でのみ機能性遺伝子を発現させることができる。
また、例えば、上記組み換え酵素を所望の細胞や臓器特異的に発現させ且つ機能性遺伝子としてレポーター遺伝子を用いた場合、所望の細胞や臓器中でのみで標的遺伝子の発現を可視化することができる。

【0020】
<初期機能配列>
上記初期機能配列は、図1に示すように、上記5’側と相同な配列と上記3’側と相同な配列とに挟まれた部分に位置し、染色体導入時に機能を発現する配列であり、上記初期機能配列は組み換え酵素が存在しない環境で発現するようになされており、組み換え酵素が存在する環境において、組み換え酵素により除去される配列である。
ここで、上記初期機能配列は機能性を有する配列を意味し、蛍光タンパク質等のレポーター遺伝子、選択マーカーの配列、公知の機能を有するタンパク質やRNAをコードする遺伝子の配列、正常タンパク質を改変し機能の欠損、弱化、強化もしくは融合するなどで改質したタンパク質をコードする遺伝子の配列などの機能を有する配列をいい、それらを複数具備してもよい。
本発明で用いられる上記初期機能配列は、少なくともレポーター遺伝子及び選択マーカーの配列を具備し、レポーター遺伝子としての緑色蛍光タンパク質及び選択マーカーの配列を具備するのが好ましい。
上記初期機能配列を上記組み換え酵素が存在しない環境で発現させるようにするには、例えば、上述した5’側と相同な配列が具備する開始コドンの配列及び初期機能配列の読枠フレームを合わせた構成とする等通常この種のDNAカセットにおいて採用されている構成を適宜用いることができる。
また、例えば、上記初期機能配列を、正常タンパク質をコードする遺伝子で構成し、後述する機能性配列を該正常タンパク質が変異した病気の原因遺伝子で構成した場合、該病気の原因遺伝子を組み換え酵素が発現する環境でのみ発現するようにさせることができ、特定の組織や環境における遺伝子の機能解析などに利用することも可能である。

【0021】
(組み換え酵素)
ここで、組み換え酵素とは、特異的な核酸配列を認識する活性、前記配列を切断する活性、鎖交換に関与するトポイソメラーゼ活性、及び切断された核酸を結合させるリガーゼ活性を具備する酵素をいう。
上記組み換え酵素としては、上記の活性を具備する人工的に改変がなされた酵素や変異体酵素なども含まれる。
本発明で用いられる組み換え酵素としては、Cre、Cre-EBD、Int、Flpなどが挙げられ、Cre、及び、Cre-EBDが好ましく挙げられる。
ここで、CreとはP1ファージ由来のCre遺伝子をいい、Intとはλファージのインテグラーゼ遺伝子(Int)をいい、FlpとはSaccharomyces cerevisiae由来のFlp遺伝子をいい、Cre-EBDとは、Dev Genes Evol (2001) 211:458~465に開示されるようなCreタンパク質にエストロゲン受容体のリガンド結合ドメイン部分のタンパク質を付加した融合タンパク質で、エストロゲンによりCre-EBDの組み換え活性が発現するようになされているものをいう。

【0022】
(組み換え酵素認識配列)
上記組み換え酵素の認識配列とは、上記組み換え酵素に認識される配列をいい、組み換え酵素の種類により認識配列が異なる。
組み換え酵素と、組み換え酵素の認識配列との関係を表1に示す。

【表1】
JP2014143962A_000003t.gif

即ち、本発明のDNAカセットにおいては、上記組み換え酵素認識配列を認識させるためには、表1に示した組み合わせで組み換え酵素を使用する必要がある。

【0023】
上記組み換え酵素の認識配列は、一対で用いられ、少なくとも一対の組み換え酵素の認識配列の間の遺伝子配列が除去するようになされている。
例えば、上記組み換え酵素の認識配列の対の構成については、上記組換え酵素がCreの場合には上記組換え酵素の認識配列はloxP配列であるが、loxP配列を同方向の対にすることでCreによりloxP間の配列が除去されるように構成する。
また、上記の組換え酵素に認識される配列であれば、人工的に改変がなされている配列や変異型配列も使用できる。人工的に改変がなされた配列としては、例えば、特開平11-196880に開示される改変型loxP配列や、FEBS Letters 499 (2001)147-153ページに開示されるFAS配列などが挙げられる。

【0024】
また、上記保護配列において、上記の組み換え酵素の認識配列は人工イントロン配列内に配置されており、上記組み換え酵素により上記スタッファー配列が除去された後に5’側と3’側の両人工イントロン配列とが融合して、融合配列が形成されるようになされているのが好ましい。すなわち、図1に示すように、上記保護配列を挟むように且つ上記標的DNAの配列の5’側と相同な配列及び上記標的DNAの配列の3’側と相同な配列との間に位置するように、2つの人工イントロン配列が配されて、かかる人工イントロン配列内に上記の組み換え酵素の認識配列が存在するように構成されているのが好ましい。

【0025】
(人工イントロン配列)
ここで、人工イントロン配列は、RNA(mRNA前駆体、pre-mRNAともいう)として転写されたときに、生体内のスプライシング機構により除去されるようになされている配列である。
このような配列としては、転写されたRNA(mRNA前駆体)がスプライセオソームによりスプライシングされる配列で、DNA配列として記載した場合に5’末端にGT(ここでG=グアニン、T=チミン)及び3’末端にAG(A=アデニン、G=グアニン)のジヌクレオチドを有する配列などが挙げられる。

【0026】
(5’側の人工イントロン配列)
上記5’側の人工イントロン配列は、上記の組み換え酵素の認識配列を有するのが好ましい。
例えば、上記5’側の人工イントロン配列は、配列番号1に示すように構成することができる。
配列番号1:
塩基番号1~2にスプライシングのドナーサイト、
塩基番号41~74に組み換え酵素で認識される配列(loxP)、
塩基番号275~276にスプライシングのアクセプターサイト、

【0027】
(3’側の人工イントロン配列)
上記3’側の人工イントロン配列は、上記の組み換え酵素の認識配列を有するのが好ましい。
また、上記組み換え酵素の認識配列がloxPであるとき、上記3’側の人工イントロン配列は、さらに、上記組み換え酵素の認識配列の3’側にCreに認識されるがloxP配列とは相同組み換えを起こさない変異型loxP配列を具備するのが好ましく、FAS配列を具備するのが特に好ましい。
ここで、 FAS配列とはSiegelら著のFEBS Letters 499(2001)、147-153ページに開示されるCreの標的配列のうちの一つである配列をいう。FAS配列は、loxP配列と配列が異なり、loxP配列とは組換えをおこさない。
この構成により、loxP配列とFAS配列とで挟んだ外来DNA配列を、本発明のDNAカセット内のloxP配列とFAS配列との間に正確に導入することが可能となる。
例えば、loxP配列とFAS配列との間の配列をヒト遺伝子のコーディング領域の配列に置換しヒトタンパク質を発現させた場合、それを標的としたin vivo薬剤スクリーニングが可能になる。また、変異型遺伝子で置換して、その変異がどのような機能的影響をもたらすのかを、素早く検証できる。
例えば、上記3’側の人工イントロン配列は、配列番号2のように構成することができる。
配列番号2:
塩基番号1~34に組み換え酵素で認識される配列(loxP)、
塩基番号115~148にFAS配列、
塩基番号269~270にスプライシングのアクセプターサイト、

【0028】
(融合配列)
上記の組み換え酵素認識配列は人工イントロン配列内に配置されており、
上記組み換え酵素により上記スタッファー配列が除去された後に5’側と3’側の両人工イントロン配列とが融合して、融合配列が形成されるようになされている。
融合配列はmRNA前駆体として転写され、mRNAになるときに生体内のスプライシング機構により除去されるようになされている。
これにより、標的遺伝子の配列の5’側と相同な配列と、機能性遺伝子の配列とが、RNAにおいてスプライシングにより連結され、機能性遺伝子が発現する。
上記融合配列の一例として配列番号1と2が融合した配列を、配列番号3に示す。
配列番号:3
塩基番号1~2にスプライシングのドナーサイト(5’側の人工イントロン配列由来)、
塩基番号41~74に組み換え酵素で認識される配列(loxP)、
塩基番号155~188にFAS配列、
塩基番号309~310にスプライシングのアクセプターサイト、(3’側の人工イントロン配列由来)

【0029】
<レポーター遺伝子>
上記初期機能配列は、図1に示すように、少なくともレポーター遺伝子及び選択マーカーの配列を具備する。
上記レポーター遺伝子とは、遺伝子の発現を確認するために用いる遺伝子をいい、蛍光タンパク質遺伝子、ルシフェラーゼなどの発光反応を触媒するタンパク質の遺伝子、β-ガラクトシターゼなどの発色反応を触媒するタンパク質の遺伝子が挙げられる。
上記初期機能配列として上記レポーター遺伝子を用いる場合、上記レポーター遺伝子の配列は、5’側の人工イントロン配列の3’側に配置されるのが好ましい。これにより、転写後のRNAにおいて、5’側の人工イントロン配列は、スプライシングにより除去され、上記標的遺伝子の配列の5’側と相同な配列と、上記レポーター遺伝子の配列とが連結される。
また、この構成により、上記初期機能配列としてのレポーター遺伝子は、組み換え酵素が存在しない環境で標的遺伝子の発現パターンを示す。
(蛍光タンパク質遺伝子)
上記蛍光タンパク質遺伝子としては、緑色蛍光タンパク質(GFP)、赤色蛍光タンパク質(RFP)、シアン蛍光タンパク質(CFP)、黄色蛍光タンパク質(YFP)が挙げられ、緑色蛍光タンパク質が好ましく挙げられる。
また、本発明で用いることができる上記蛍光タンパク質は、人工的に改変されたものも含まれる。

【0030】
(選択マーカーの配列)
上記選択マーカーの配列は、本発明のDNAカセットで動物を形質転換した際に該DNAカセットの移入があった個体を外部から判別しやすくするために使用するための機能をもつ配列であり、組織特異的な発現を示す遺伝子、体色や体の組織に変化を及ぼす遺伝子、薬剤選択マーカーとしての遺伝子などの配列やそれらの融合配列なども用いることができる。
例えば、上記選択マーカーの配列としては、GMR-w、mini-white、hsp70-whiteなどの配列が好ましく挙げられる。
ここで、GMR-wとは、Genetics.(2008)Sep;180(1):703-7ページに開示されるGMRの下流にショウジョウバエのwhite遺伝子を連結させた配列をいう。
GMRはショウジョウバエの複眼原基特異的プロモーター配列をいい、rhodopsin1遺伝子のプロモーターに由来する配列を5コピー隣接して並べた配列である。また、whiteはショウジョウバエのwhite遺伝子をいい、それらを改変した配列を用いてもよい。
ここで、mini—whiteとは、Zhangら著Proc. Natl. Acad. Sci. USA(92)5525-5529ページに開示されるwhite遺伝子をコンパクトに改変した配列である。
また、hsp70-whiteとは、ショウジョウバエのhsp70遺伝子のプロモーターの配列の下流に上記のwhite遺伝子を連結させた配列をいう。
例えば、上記保護配列がGMR-wを具備する本発明のDNAカセットの配列を白眼のショウジョウバエの系統に移入した場合、ショウジョウバエの眼はGMR-wにより赤くなる。
これにより、移入DNAの検出や顕微鏡などを使用することなしに肉眼で、本発明のDNAカセットが染色体上に移入された個体を選別することができるため、遺伝子改変動物作成の労力を大きく減らすことができる。
また、本発明のDNAカセットによる形質転換動物は、上記選択マーカーを生殖細胞で保護配列が切り出されたものをみわける際に便利なマーカーとして利用することができる。

【0031】
上記スタッファー配列には、図1に示すように、上記初期機能配列に加えてさらにポリAシグナル配列等の初期機能配列の転写の終結やmRNAの安定化等種々機能付加のための機能付加配列をさらに配置することができる。
(ポリAシグナル配列)
ポリAシグナル配列は、上記蛍光タンパク質遺伝子の3’側に配置されるのが好ましい。
ここで、ポリAシグナル配列は、転写されたmRNAにポリAを付加する機能を有する配列をいう。
具体的には、ポリAシグナル配列としては、SV40polyA配列などの配列が挙げられる。
ポリAシグナル配列は、図1に示すように、上記蛍光タンパク質遺伝子の配列と、上記選択マーカーの配列との間に位置するのが好ましい。
これにより、蛍光タンパク質遺伝子の配列の転写を停止させることができ、かつ、蛍光タンパク質遺伝子のmRNAを安定化させ蛍光タンパク質の発現効率を高めることができる。

【0032】
<機能性遺伝子>
本発明のDNAカセットにおいて、機能性遺伝子は、上記組み換え酵素によりスタッファー配列が除去される環境で、発現するようになされている。
上記機能性遺伝子としては、初期機能配列と同様の遺伝子が挙げられ、中でもレポーター遺伝子が好ましく挙げられる。
ただし、上記機能性遺伝子は上記初期機能配列と異なる遺伝子を選択する必要がある。
上記レポーター遺伝子としては、上記初期機能配列と同様に、ルシフェラーゼ遺伝子を好ましく挙げることができるが、この他に蛍光タンパク質の遺伝子、β-ガラクトシターゼなどの発色反応を触媒するタンパク質の遺伝子等を用いることもできる。
機能性遺伝子としてレポーター遺伝子を用いることにより、遺伝子発現を定量的に解析することができ、特に機能性遺伝子としてルシフェラーゼ遺伝子を用いることにより、遺伝子発現を可視光領域で定量的に解析することができる。
ここで、ルシフェラーゼとは、ホタルや発光バクテリアなどの生物発光において、発光物質が光を放つ化学反応を触媒する作用を持つ酵素の総称をいい、上記の特徴を具備した酵素や人工的に改変がなされた酵素も含まれる。
また、励起光を必要とせず可視光領域にて観察を行うことができるため高価な設備を必要とせずに観察できる。また、励起光の照射による動物への悪影響を低減することができる。
機能性遺伝子発現動物の機能性遺伝子としてルシフェラーゼ遺伝子を用いる場合は、基質であるルシフェリンを餌などに混合し動物に与えることなどで、ルシフェラーゼ遺伝子が発現する組織や細胞を発光させることができる。

【0033】
(製造方法)
本発明のDNAカセットは、プラスミド、ファージ、BACなどのDNAの断片や、PCRなどによるDNAの増幅産物、化学合成などにより得られるDNAを用いて、ライゲーション反応や、組み換え反応などによる連結、または制限酵素処理による切断などの公知の手法を応用して作製することができる。

【0034】
次に、本発明のベクターについて説明する。
本発明のベクターは、本発明のDNAカセットを具備するベクターである。
本発明のベクターは、本発明のDNAカセットを公知のベクターに、ライゲーション反応や、組み換え反応などの公知の方法で連結させることにより作製することができる。
本発明のベクターの作製には、公知のプラスミド、ファージなどのベクターを用いることができる。

【0035】
次に、本発明の形質転換細胞について説明する。
本発明の形質転換細胞は、本発明の上記DNAカセットを1つ以上染色体上に有する細胞をいう。
本発明の形質転換細胞は、細胞に本発明のDNAカセットや本発明のベクターををリン酸カルシウム法、リポフェクション法やエレクトロポレーション法などの公知の方法で導入し形質転換させることにより得ることができる。
また、形質転換動物や後述する機能性遺伝子発現動物の組織などから細胞を採取しても得ることができる。

【0036】
<形質転換動物>
次に、本発明の形質転換動物について説明する。
本発明の形質転換動物は、本発明の上記DNAカセットを1つ以上染色体上に有する上記形質転換細胞を含有するヒト以外の動物をいい、後述する組み換え酵素が導入される以前のDNAカセットが染色体上に導入された段階の動物である。
動物としては、昆虫、哺乳類(マウス、ラット、ハムスターなど)、魚類など形質転換が可能な動物が挙げられるが、本発明のDNAカセットがレポーター遺伝子を具備する場合は胚や成体において体内の発光が体外に透過する動物が好ましい。
例えば、昆虫であればショウジョウバエ、魚類であればメダカやゼブラフィッシュ、尾索動物のカタユウレイボヤなどが好ましく挙げられ、ショウジョウバエが特に好ましく挙げられる。
ショウジョウバエは、体色が薄いためレポーター遺伝子としてのルシフェラーゼや蛍光タンパク質の体内の発光を体外へ透過しやすく、微弱な発光も観察できるため好ましい。
また、ショウジョウバエは、ヒトと相同な遺伝子を多数有し、遺伝子の研究材料として古くから研究され高度な解析技術が確立されているため、組織特異的に遺伝子を発現させるための系統も充実しており好ましい。
また、ショウジョウバエは、飼育が容易で、体型も小さく、生活環も約10日余りと短く、低コスト化が可能であることから好ましい。

【0037】
本発明の形質転換動物は、本発明のDNAカセットをインジェクション法、エレクトロポレーション法などの公知の方法で移入し、移入後の動物を初期機能性配列の発現(眼色や、蛍光タンパク質の発現)を指標に選抜することにより得ることができる。

【0038】
<機能性遺伝子発現動物>
次に、本発明の機能性遺伝子発現動物について説明する。
ここで、機能性遺伝子発現動物とは、本発明の形質転換動物(本発明の本発明の上記DNAカセットを1つ以上染色体上に有する動物)にさらに上記組み換え酵素の認識配列を認識する組み換え酵素が発現する動物をいう。
上記機能性遺伝子発現動物は、標的遺伝子が発現する組織で且つ上記の組み換え酵素が発現する部位において、上記機能性遺伝子が発現するようになされている。
上記の組み換え酵素は、組織特異的に発現するようになされているのが好ましい。
例えば、上記組み換え酵素が組織特異的に発現するようになされている場合、上記組み換え酵素が発現する組織でのみ機能性遺伝子を発現させることができる。
また、例えば、機能性遺伝子としてレポーター遺伝子を用いた場合、標的遺伝子が体全体に発現し体全体が発光するなどの理由で観察ができなかったものが、特定の組織に限定してレポーター遺伝子を発現させることで観察できるようになる。

【0039】
また、本発明の機能性遺伝子発現動物が同一個体に複数のDNAカセットを持ち、且つ、それらのDNAカセットが機能性遺伝子として波長が異なるレポーター遺伝子を持つように構成した場合、同時に複数の遺伝子の発現をモニターすることも可能である。
また、例えば、標的遺伝子としてショウジョウバエのゲノムの全ての遺伝子において、本発明の機能性遺伝子発現動物を作製しライブラリー化すれば、マイクロアレイと同様にゲノムの全遺伝子の発現データを解析ができ高い時間空間分解能で取得可能な網羅的解析が可能になる。

【0040】
本発明の機能性遺伝子発現動物の作製手段としては、例えば、本発明の形質転換動物に、組織特異的プロモーターの下流に上記組み換え酵素を組み込み、組織特異的に上記組み換え酵素が発現するようにした配列をもつDNAを移入することなどが挙げられる。
また、例えば、本発明の機能性遺伝子発現動物に、GAL4-UASシステムを用い組織特異的にGAL4を発現しUASの下流に上記組み換え酵素を組み込んだDNAを有する系統と交配しその子孫を得ることが挙げられる。

【0041】
上記組み換え酵素の認識配列を認識する組み換え酵素としては、Creが好ましく、中でもCre-EBDが好ましい。
Cre-EBDを用いた場合、動物にエストロゲンを与えることでCre-EBDが活性をもち、スタッファー配列を除去することができる。
また、Creは細胞毒性を示すことが知られており、エストロゲンの投与を必要最小限にとどめることでCre-EBDの組み換え活性の発現の時間も最小限になり、細胞毒性を大きく減らすことができる。

【0042】
次に、本発明の機能性遺伝子発現動物の利用方法について説明する。
本発明の機能性遺伝子発現動物が具備する本発明のDNAカセットの機能性遺伝子がルシフェラーゼである場合を例にして説明する。
本発明の形質転換動物であり上記組み換え酵素が発現する可能性のあるショウジョウバエの成虫を、交配や遺伝子導入などの手段で準備する。
得られたショウジョウバエの成虫に、ルシフェリンを混合した餌を与え、上記組み換え酵素が発現する部位を発光させる。
上記組み換え酵素が発現する部位の発光を観察し、発光している個体を選別することで、本発明のDNAカセットが導入され且つ所望の臓器で上記組み換え酵素が発現する機能性遺伝子発現動物を得る。
なお、上記組み換え酵素がCre-EBDの場合、餌にさらにエストロゲンを添加することで、Cre-EBDが発現する部位を発光させることができる。
なお、ルシフェリン及びエストロゲンを混合した餌は、たとえば、餌1mLに対し、ルシフェリン0.1~1mg及びエストロゲン0.1~1mgを添加したものである。
そして、得られた機能性遺伝子発現動物を顕微鏡やルミノメーターなどの発光定量装置や後述する解析装置により、種々条件下における発光の有無や強度を測定することで、環境や投与物質による生体への影響を定性的且つ定量的に分析することができる。

【0043】
上記機能性遺伝子発現動物解析装置について図面を参照して説明する。
図2に示す解析装置101は、機能性遺伝子発現動物の解析を行う解析装置であって、
動物の保持部110と、画像を取得するための撮像部120と、情報処理を行う情報処理部130と、を具備する。
さらに詳細には、保持部110は、縦長の試験管状の部屋111が複数個連設されて形成されており、本実施形態では縦6室×横8室の計48室からなる。そして、各部屋の上部開口はそれぞれ透明で内部が撮影可能な蓋材(図示せず)により封止可能となされている。
撮像部120は、各部屋の内部が個別に、複数個を同時にもしくはすべてを同時に撮影できるようになっているカメラからなる。そして、保持部110の上部に、公知の移動用機器を介して配置されており、上方から撮影するように構成されている。
情報処理部130は、カメラで撮影した画像を入力して保存するメモリー部131と、入力した情報を処理するCPU132と、処理するためのプログラムを保存すると共にCPU132で処理して得られた情報を保存する保存部133とからなる。これらの各部はハウジング134内に設置されており、撮像部120とはケーブル122を介して連結されている。
そして、本実施形態の解析装置を用いて機能性遺伝子発現動物の解析を行うには、まず、各部屋111内に機能性遺伝子発現動物を入れて蓋で封止する。この状態でそれぞれの部屋内の動物に所望の処理を行いその際の作用を、撮像部120で映像を取得することで観察する。この際、観察は撮像部120を順次移動させながら各部屋111の上部から各部屋111を順次撮影することで行う。ついで撮影した画像を時間とともに記録しつつ、撮影した画像の処理を行い、経時的な変化を記録し、保存部に保存する。そして、これらの画像を部屋ごとに経時的に並べて観察することで機能性遺伝子発現動物に対する影響を分析できる。
なお、上述した例では、撮像部120が各部屋の内部を個別に撮影できるようになっているカメラを用い順次移動させながら各部屋111を順次撮影する場合の例を示したがこれらに限定されるものではない。
例えば、部屋全体の画像を一度に取得可能なカメラを用いて画像の取得をし、解析時に各部屋のデータを分離して解析をしてもよい。また、複数のカメラを用いて同時に各部屋の内部を撮影し、個別に解析するようにしてもよい。
【実施例】
【0044】
以下、本発明について実施例及び比較例を示してさらに具体的に説明するが本発明はこれらに何ら制限されるものではない。
【実施例】
【0045】
〔実施例1〕
<DNAカセットの製造>
標的遺伝子としてのショウジョウバエのThor(4E-BP)の5’末端の部分を特異的に増幅しDNAの増副産物を得る(PCR)ため、以下のプライマー1及び2を設計した。
プライマー1(配列番号4):
ATGGGGTTAACTCGACTGGATGAATGTGGATGGATG
プライマー2(配列番号5):
AGATGCTCACCTGCATCTTAGCTGATTGATTGGATTG
なお、プライマー1には、形質転換用ベクター配列である配列番号8の426~444の部分の配列をアダプターとして導入し、プライマー2には、形質転換用ベクター配列である配列番号8の3409~3421の部分の配列をアダプターとして導入した。
標的遺伝子としてのThor(4E-BP)の3’末端の部分を特異的に増幅するため、
以下のプライマー3及び4を設計した。
プライマー3(配列番号6):
GCTTCTAAGCTGTAAGGGGTGTGGCGTGTACAC
プライマー4(配列番号7):
GGGCCCCAAAGGATCTGACAACGACATAGACGAGACC
なお、プライマー3には、形質転換用ベクター配列である配列番号8の9613~9622の部分の配列をアダプターとして導入し、プライマー4には、形質転換用ベクター配列である配列番号8の11588~11602の部分の配列をアダプターとして導入した。
設計したプライマーを用いて、PCR法により標的遺伝子としてのThor(4E-BP)の5’末端の部分及び3’末端の部分DNA断片を増幅し、In-Fusion Advantage PCR Cloning Kit(Clontech社)のマニュアルに従いCloning Enhancerにより処理した。
処理後の標的遺伝子としてのThor(4E-BP)の5’末端の部分及び3’末端の部分DNA断片と、予め作成したDNA断片5’側の人工イントロン、初期機能性配列としての緑色蛍光タンパク質、GMR-wを具備する保護配列、3’側の人工イントロン配列および機能性配列としてのルシフェラーゼ遺伝子を具備するDNA断片(配列番号8の3409~9622部分)と、予めpUC57に、相同組換えに必要な配列(I-SceI,FRT,attB)を導入し作成した形質転換用ベクターの断片(配列番号8の11566~14005に1~444が連結した配列)と、を混合し、In-Fusion Advantage PCR Cloning Kit(Clontech社)を用いて、組み換え反応を行い、本発明のDNAカセットを含むベクターを得た。
得られたDNAを大腸菌に形質転換し、LB培地で、37℃で16時間培養後、大腸菌を集菌し、プラスミド精製キットによりプラスミドを精製した。
得られたDNAカセットを具備する本発明のベクターを図3に示し、その配列を配列番号8に示す。
配列番号8:
塩基番号1~440:形質転換用ベクターの配列
塩基番号441~3408:標的DNA(Thor(4E-BP))の5’非翻訳領域~開始コドン。
塩基番号3412~3413:保護配列の5’側の人工イントロン配列のスプライシングのドナーサイト。
塩基番号3452~3485:保護配列の組み換え酵素認識配列(5’側の人工イントロン配列の組み換え酵素認識配列(loxP)。)
塩基番号3686~3687:保護配列の5’側の人工イントロン配列のスプライシングのアクセプターサイト。
塩基番号3688~3705:保護配列の初期機能配列としての緑色蛍光タンパク質(GFP)の第2コドン~終始コドン直前の塩基。
塩基番号3706~4404:保護配列のポリAシグナル配列(SV40のポリAシグナルを含む3’非翻訳領域。)
塩基番号4693~7709:保護配列の初期機能配列としての選択マーカーの配列(GMR-white)の遺伝子領域
塩基番号7732~7765:保護配列の組み換え酵素認識配列(3’側の人工イントロン配列の組み換え酵素認識配列(loxP)。
塩基番号7846~7879:保護配列の3’側の人工イントロン配列のFAS配列。
塩基番号8000~8001:保護配列の3’側の人工イントロン配列のスプライシングのアクセプターサイト。
塩基番号8002~9624:機能性遺伝子としてのレポーター遺伝子(ルシフェラーゼ)の第2コドン~終始コドン直前の塩基。
塩基番号9625~11587:標的DNA(Thor(4E-BP))の終始コドン~3’非翻訳領域。
塩基番号11588~14005:形質転換用ベクターの配列
<形質転換動物作製>
得られたDNAカセットをリン酸緩衝液で、濃度400ng/uLに調整した。
濃度調整後のDNAカセット、約1nLを実体顕微鏡下でマイクロインジェクション装置を用いショウジョウバエの1細胞期の受精卵200個にマイクロインジェクションした。
(形質転換動物の1次スクリーニング)
マイクロインジェクションを行った受精卵を25℃、12日間の条件でインキュベーションし、ショウジョウバエの成虫約50匹を得た。
これを個体ごとにwhite系統と交配し、得られた次代のショウジョウバエの成虫の眼を観察し、眼色が赤いもの20匹を選別した。
選別したショウジョウバエをバランサー系統に交配させ、本発明の形質転換動物としてのショウジョウバエを得た。
<機能性遺伝子発現動物の作製>
組み換え酵素Creを生殖細胞でのみ発現するnos-Cre系統と、得られた形質転換動物としてのショウジョウバエとを交配させた。
ここで、nos-Cre系統とは、ショウジョウバエのnos遺伝子プロモーターの下流にCreを連結した配列を染色体上に有する系統で、生殖細胞でCreが発現するようになされている系統である。
その結果、Thor(4-EBP)遺伝子を標的にした本発明のDNAカセットを染色体上に有し、生殖細胞の組織特異的にCreを発現する本発明の機能性遺伝子発現動物としてのショウジョウバエを得た。
<機能性遺伝子発現動物の観察>
得られた本発明の機能性遺伝子発現動物としてのショウジョウバエに、ルシフェリンを混合した餌を与え、生殖細胞の発光を、発光顕微鏡(Olympus社製、「装置名:Bioluminescence Imaging System LV200」)を用いて観察した。
その結果を図4に示す。
なお、ルシフェリンを混合した餌は、餌1gに対し、ルシフェリン640ngを添加したものである。
【実施例】
【0046】
〔比較例1〕(野生型)
機能性遺伝子発現動物の観察において、観察に供する動物を野生型のショウジョウバエに変えた以外は、実施例1と同様にして、生殖細胞の発光を、発光顕微鏡を用いて観察した。
その結果を図4に示す。
【実施例】
【0047】
〔試験例1〕(飢餓ストレス)
実施例1で得られた機能性遺伝子発現動物に飢餓ストレスを与えた。それ以外の条件は実施例1と同様にして、生殖細胞の発光を発光顕微鏡で観察した。
なお、飢餓ストレスの誘導は、飢餓用培地(アガロース1%、グルコース10%、イーストエキストラクト4% ルシフェリン640ng/g)で2日間飼育した形質転換動物を、低栄養培地(通常培地の組成のうち、グルコースとイーストエキストラクトを共に1%に減じたもの)に移し替えることにより行った。
その結果を図4に示す。
【実施例】
【0048】
〔実施例2〕
実施例1で得られた形質転換動物に、組み換え酵素Cre-EBDを筋肉で発現する24B-Gal4/UASp-Cre-EBD系統を交配させて、本発明の機能性遺伝子発現動物を得た。
ここで、24B-Gal4/UASp-Cre-EBD系統とは、ショウジョウバエの24B遺伝子のプロモーターにGAL4遺伝子を連結した配列およびUASプロモーターの下流にCre-EBDを連結した配列を染色体上に有するショウジョウバエの系統をいう。
得られた機能性遺伝子発現動物にルシフェリン及びエストロゲンを混合した餌(餌1gに対し、ルシフェリン640ng及びエストロゲン0.3mg)を与え、餌を与えた後の2,3,4,5及び6日後の機能性遺伝子発現動物の発光をルミノメーターで測定した。
その結果を図5に示す。
【実施例】
【0049】
なお、ルミノメーターを用いた経時的な発光の測定は、以下の条件で行った。
ルミノメーター(BERTHOLD TECHNOLOGIES社製、「装置名Centro LB 960 Microplate Luminometer」)
測定条件:
測定温度:25℃
測定時間:30sec/well
測定用プレート:96ウェル マイクロプレート白(Berthold社)
培地量:40μL/well
プレート用シール:X-Pierce(登録商標) Film(Excel Scientific社)
測定用ソフトウェア:Microwin(Berthold社)
【実施例】
【0050】
〔試験例2〕
実施例2で得られた機能性遺伝子発現動物の発光を観察した。
観察時に与えた餌をエストロゲン含有量が高い餌(餌1gに対し、ルシフェリン640ng及びエストロゲン1mg)に変更した。それ以外は、実施例2と同様にして機能性遺伝子発現動物の発光をルミノメーターで測定した。
その結果を図5に示す。
【実施例】
【0051】
〔比較試験例2〕
実施例2で得られた機能性遺伝子発現動物の発光を観察した。
観察時に与えた餌をエストロゲンを除いた餌(餌1gに対し、ルシフェリン640ng)に変更した。それ以外は、実施例2と同様にして機能性遺伝子発現動物の発光をルミノメーターで測定した。
その結果を図5に示す。
【実施例】
【0052】
〔実施例3〕
実施例1で得られた形質転換動物に、交配するショウジョウバエを組み換え酵素Cre-EBDを神経で発現するelav-Gal4/UASp-Cre-EBD系統に変更して、本発明の機能性遺伝子発現動物を得た。
ここで、elav-Gal4/UASp-Cre-EBD系統とは、ショウジョウバエのelav遺伝子のプロモーターにGAL4遺伝子を連結した配列およびUASプロモーターの下流にCre-EBDを連結した配列を染色体上に有するショウジョウバエの系統をいう。
得られた機能性遺伝子発現動物に与えた餌及び観察は実施例2と同様にして行い機能性遺伝子発現動物の発光をルミノメーターで測定した。
その結果を図6に示す。
【実施例】
【0053】
〔試験例3〕
実施例3で得られた機能性遺伝子発現動物の発光を観察した。
観察時に与えた餌をエストロゲン含有量が高い餌(餌1gに対し、ルシフェリン640ng及びエストロゲン1mg)に変更した。それ以外は、実施例3と同様にして機能性遺伝子発現動物の発光をルミノメーターで測定した。
その結果を図6に示す。
【実施例】
【0054】
〔比較試験例3〕
実施例3で得られた機能性遺伝子発現動物の発光を観察した。
観察時に与えた餌をエストロゲンを除いた餌(餌1gに対し、ルシフェリン640ng)に変更した。それ以外は、実施例3と同様にして機能性遺伝子発現動物の発光をルミノメーターで測定した。
その結果を図6に示す。
【実施例】
【0055】
以下、結果を説明する。
図4は、本発明の機能性遺伝子発現動物の生殖細胞の発光を、発光顕微鏡を用いて観察した結果である。
図4に示す結果から、Thor(4-EBP)遺伝子を標的にした本発明のDNAカセットを染色体上に有し、生殖細胞特異的にCreを発現する本発明の機能性遺伝子発現動物(実施例1)は、Creが発現する組織生殖細胞(卵巣)でのみ強く発光していた。また、飢餓ストレスをかけた個体(試験例1)では発光強度が強くなった。
野生型ショウジョウバエ(比較例1)及びCreを発現しないショウジョウバエ(比較試験例1)は、発光が検出できなかった。
【実施例】
【0056】
図5及び図6は、本発明の機能性遺伝子発現動物の発光をルミノメーターで経時的に測定した結果である。
図5及び図6に示す結果から、筋肉または神経でCre-EBDを発現するショウジョウバエで(実施例2及び3、試験例2及び3)、餌を与えてから3日目以降に発光が観察された。また、発光強度の上昇はエストロゲンの濃度依存的であった。エストロゲンを含まない餌を与えたものは発光が検出できなかった(比較試験例2及び3)。
【実施例】
【0057】
これらの結果から、本発明の機能性遺伝子発現動物の発光を測定することで、目的の遺伝子を経時的に高精度で定量化ができることがわかる。
【符号の説明】
【0058】
101 解析装置
110 保持部
111 部屋
120 撮像部
122 ケーブル
130 情報処理部
131 メモリー部
132 CPU
133 保存部
134 ハウジング
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5