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明細書 :有害物質処理剤、その製造方法及び有害物質処理方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2014-147875 (P2014-147875A)
公開日 平成26年8月21日(2014.8.21)
発明の名称または考案の名称 有害物質処理剤、その製造方法及び有害物質処理方法
国際特許分類 B01J  20/12        (2006.01)
C01B  33/20        (2006.01)
B01D  15/00        (2006.01)
B01J  20/30        (2006.01)
C09K   3/00        (2006.01)
FI B01J 20/12 A
C01B 33/20
B01D 15/00 M
B01D 15/00 N
B01J 20/30
C09K 3/00 S
請求項の数または発明の数 9
出願形態 OL
全頁数 18
出願番号 特願2013-017266 (P2013-017266)
出願日 平成25年1月31日(2013.1.31)
発明者または考案者 【氏名】三宅 通博
【氏名】亀島 欣一
【氏名】西本 俊介
【氏名】長澤 博司
出願人 【識別番号】504147243
【氏名又は名称】国立大学法人 岡山大学
【識別番号】390020167
【氏名又は名称】奥多摩工業株式会社
個別代理人の代理人 【識別番号】100088904、【弁理士】、【氏名又は名称】庄司 隆
【識別番号】100124453、【弁理士】、【氏名又は名称】資延 由利子
【識別番号】100135208、【弁理士】、【氏名又は名称】大杉 卓也
【識別番号】100152319、【弁理士】、【氏名又は名称】曽我 亜紀
審査請求 未請求
テーマコード 4D017
4G066
4G073
Fターム 4D017AA01
4D017BA04
4D017BA13
4D017CA05
4D017DB10
4G066AA63A
4G066AA64A
4G066AA80D
4G066AE10B
4G066CA33
4G066CA46
4G066CA56
4G066DA07
4G066FA11
4G073AA03
4G073FD01
4G073FD30
4G073FF10
要約 【課題】本発明は、製造容易かつ低コストの有害物質、特に重金属、芳香族化合物の除去
能を有する材料を提供することを課題とした。
【解決手段】海水で処理した白土、海水で処理したモンモリロナイト、及び/又は海水で処理したバーミキュライト、特に、海水処理した白土が優れた金属及び芳香族化合物の吸着能力を有することを見出して、本発明を完成した。
【選択図】なし
特許請求の範囲 【請求項1】
海水処理した白土、モンモリロナイト、及び/又はバーミキュライトを含む有害物質処理剤。
【請求項2】
海水処理した酸性白土又は活性白土を含む請求項1に記載の有害物質処理剤。
【請求項3】
前記有害物質は、重金属及び/又は芳香族化合物である請求項1又は2に記載の有害物質処理剤。
【請求項4】
前記有害物質がベンゼン環を有するダイオキシン類である請求項1~3のいずれか1に記載の有害物質処理剤。
【請求項5】
白土、モンモリロナイト、及び/又はバーミキュライトを、海水に浸水させることで得られる海水処理白土、海水処理モンモリロナイト、及び/又は海水処理バーミキュライトを含む有害物質処理剤の製造方法。
【請求項6】
海水処理した酸性白土又は活性白土を含む請求項5に記載の有害物質処理剤の製造方法。
【請求項7】
前記有害物質は、重金属及び/又は芳香族化合物である請求項5又は6に記載の有害物質処理剤の製造方法。
【請求項8】
前記有害物質がベンゼン環を有するダイオキシン類である請求項5~7のいずれか1に記載の有害物質処理剤の製造方法。
【請求項9】
請求項1~4のいずれか1に記載の有害物質処理剤又は請求項5~8のいずれか1に記載の製造方法で得られた有害物質処理剤を、重金属及び/又は芳香族化合物を含む溶液に接触させることにより、該溶液中の重金属及び/又は芳香族化合物を除去することを特徴とする有害物質処理方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、海水で処理した白土、モンモリロナイト、及び/又はバーミキュライトを含む有害物質処理剤、該処理剤の製造方法及び該処理剤を使用した有害物質処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
家庭ごみの大半は公営の焼却場で処分されているが、焼却処分の際には微細な飛散灰、炉底に堆積する焼却炉灰に加え、種々の有害物質{塩化水素,ダイオキシン類,硫黄酸化物(SOx),重金属微粒子等}が発生する。
有害物質の大気中への放出を抑制するために、通常の焼却炉では、塩化水素、SOxの固定用に消石灰粉体を、ダイオキシン類の固定用に活性炭粉体を煙道に吹き込み、飛散灰と有害物質を固定化した粉体(以後、飛灰と称す)をバグフィルターで回収している。回収した飛灰中には低融点の鉛のような重金属が含まれるので、飛灰の空気中への飛散を抑えるために水が加えられ、さらに、重金属の溶出を抑えるためにキレート剤が添加されている。
さらに、化学製品工場の跡地の土壌では、法令基準以上の重金属、塩化水素,ダイオキシン類,硫黄酸化物(SOx)が含まれていることが度々報告されている。さらに、該土壌から溶出した水溶液が河川に流れ込むことが問題となっている。
【0003】
重金属を除去する材料について、以下が報告されている。
特許文献1は、「モンモリロナイト族粘土である酸性白土がダイオキシンやハイドロカーボンと鉛を除去できること」を開示している。
しかし、該文献は、「海水で処理した白土、モンモリロナイト、及び/又はバーミキュライト」について開示又は示唆がない。
【0004】
特許文献2は、「膨潤性無機層状化合物としては、特定の化合物に限定されないが、例えば、Na-モンモリロナイト、Ca-モンモリロナイト、酸性白土、合成スメクタイト、Na-ヘクトライト、Li-ヘクトライト、Na-テニオライト、Li-テニオライト及び合成雲母からなる群のうちの少なくとも1つが挙げられる」を開示している。
しかし、該文献は、「海水で処理した白土、モンモリロナイト、及び/又はバーミキュライト」について開示又は示唆がない。
【0005】
特許文献3は、「固体酸には種々あるが、まず酸性白土、フラーズ・アース、モンモリロナイト、ベントナイト、カオリン、クラリット、フロリジンなどの天然の粘土鉱物で比表面積が150m2 /g以上、500m2 /g以下になるように加工しているものが挙げられる。」を開示している。
しかし、該文献は、「海水で処理した白土、モンモリロナイト、及び/又はバーミキュライト」について開示又は示唆がない。
【0006】
本発明者らは、「ナトリウム等で置換した白土を含む有害物質処理剤」を報告している。しかし、本発明の海水で処理した白土を含む有害物質処理剤のベンゼン吸着能は、海水中のナトリウムイオンと同程度の濃度(0.5 M≒11,500 ppm)の塩化ナトリウム水溶液で処理した白土を含む有害物質処理剤のベンゼン吸着能と比較して、約2倍高い。
すなわち、本発明の海水で処理した白土を含む有害物質処理剤は、塩化ナトリウムで処理した白土を含む有害物質処理剤とは明らかに異なる。
【0007】
現在、ごみ焼却時に発生する有害物質の除去材料として、消石灰(塩化水素除去用)、活性炭(ダイオキシン類除去用)、キレート剤(重金属固定用)が使われている。しかし、活性炭、キレート剤が高価であるので、廉価な代替え品が望まれている。
また、従来から陽イオン交換体として知られているモンモリロナイトは高価であると共に、重金属を除去できても、モンモリロナイトの構造からダイオキシンを除去できないので、大量の活性炭が必要であり、高コストとなるという欠点があった。
【先行技術文献】
【0008】

【特許文献1】特開2006-263587
【特許文献2】特開平06-277451
【特許文献3】特開平08-010739
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記の従来技術の問題を解決すべく、製造容易かつ低コストの有害物質、特に重金属、芳香族化合物の除去能を有する材料を提供することを課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、海水で処理した白土(「海水処理白土」と称する場合がある)、海水で処理したモンモリロナイト(「海水処理モンモリロナイト」と称する場合がある)、及び/又は海水で処理したバーミキュライト(「海水処理バーミキュライト」と称する場合がある)、特に海水処理白土が優れた重金属、芳香族化合物の吸着能力を有することを見出して、本発明を完成した。
【0011】
つまり、本発明は、以下の通りである。
1.海水処理した白土、モンモリロナイト、及び/又はバーミキュライトを含む有害物質処理剤。
2.海水処理した酸性白土又は活性白土を含む前項1に記載の有害物質処理剤。
3.前記有害物質は、重金属及び/又は芳香族化合物である前項1又は2に記載の有害物質処理剤。
4.前記有害物質がベンゼン環を有するダイオキシン類である前項1~3のいずれか1に記載の有害物質処理剤。
5.白土、モンモリロナイト、及び/又はバーミキュライトを、海水に浸水させることで得られる海水処理白土、海水処理モンモリロナイト、及び/又は海水処理バーミキュライトを含む有害物質処理剤の製造方法。
6.海水処理した酸性白土又は活性白土を含む前項5に記載の有害物質処理剤の製造方法。
7.前記有害物質は、重金属及び/又は芳香族化合物である前項5又は6に記載の有害物質処理剤の製造方法。
8.前記有害物質がベンゼン環を有するダイオキシン類である前項5~7のいずれか1に記載の有害物質処理剤の製造方法。
9.前項1~4のいずれか1に記載の有害物質処理剤又は前項5~8のいずれか1に記載の製造方法で得られた有害物質処理剤を、重金属及び/又は芳香族化合物を含む溶液に接触させることにより、該溶液中の重金属及び/又は芳香族化合物を除去することを特徴とする有害物質処理方法。
【発明の効果】
【0012】
本発明の海水処理白土、海水処理モンモリロナイト及び海水処理バーミキュライトの芳香族化合物除去能は、それぞれ、未処理白土、未処理モンモリロナイト及び未処理バーミキュライトの芳香族化合物除去能と比較して、優れていた。
さらに、本発明の海水処理白土の重金属除去能は、未処理白土の重金属除去能と比較して、優れていた。
本発明の有害物質処理剤をごみ処理用浄化材料として使えば、重金属、芳香族化合物の除去率を向上させることができ、ごみ処理にかかる費用を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】酸性白土(AC)及び海水処理酸性白土{海水(48)-AC}のPb2+に対する吸着等温線(実施例1)。
【図2】酸性白土(AC)及び海水処理白土{海水(24)-AC、海水(48)-AC}のベンゼンに対する吸着等温線(実施例1)。
【図3】酸性白土(AC)及び海水処理酸性白土{海水(24)-AC、海水(48)-AC}の水に対する吸着等温線(実施例1)。
【図4】酸性白土(AC)及び海水処理酸性白土{海水(24)-AC、海水(48)-AC}の吸着アンモニアの昇温脱離挙動(実施例1)。
【図5】酸性モンモリロナイト(H-Mont)及び海水処理酸性モンモリロナイト(海水-H-Mont)のベンゼンに対する吸着等温線(実施例2)。
【図6】モンモリロナイト(Mont)及び海水処理モンモリロナイト(海水-Mont)のベンゼンに対する吸着等温線(実施例2)。
【図7】バーミキュライト(Verm)及び海水処理バーミキュライト(海水- Verm)のベンゼンに対する吸着等温線(実施例3)。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(本発明の海水で処理した白土を含む有害物質処理剤)
本発明の海水で処理した白土、モンモリロナイト、及び/又はバーミキュライトを含む有害物質処理剤{以後、「本発明の有害物質処理剤」と称する場合がある}は、選択的に、金属(特に重金属)、芳香族化合物を吸着する性質を有する。
なお、本発明の有害物質は、金属(特に重金属)、π結合を有する有機化合物{特に、芳香族化合物(より詳しくは、ダイオキシン類)}等の環境及び/又は生体に悪影響を及ぼす物質を意味する。

【0015】
(本発明で使用する白土)
本発明で使用する白土は、酸性白土又は活性白土のいずれでも良いが、好ましくは酸性白土を使用する。
本発明で使用する酸性白土の組成は、通常のモンモリロナイト族粘土鉱物の組成とは異なり、SiO2含有量が比較的多く、Al2O3含有量が比較的少ない。例えば、本発明で使用する酸性白土は、山形県で産出される酸性白土を使用することが好ましい。
活性白土は、酸性白土を硫酸等で処理したもので、油脂精製(脱色)剤として工業的に広く利用されている。

【0016】
(本発明で使用するモンモリロナイト)
本発明で使用するモンモリロナイトは、いわゆるスメクタイト群粘土鉱物の一つであり、いずれの産出場所のものを使用することができる。組成の多くは(Na,Ca)1/3(Al,Mg)2Si4O10(OH)2・nH2Oであり、結晶系は単斜晶系である。市販のモンモリロナイトを使用することができるが、好ましくは、酸性モンモリロナイトを使用する。

【0017】
(本発明で使用するバーミキュライト)
本発明で使用するバーミキュライトは、雲母系粘土鉱物の一つであり、いずれの産出場所のも使用することができる。組成の多くは (Mg,Ca)0.7(Mg,Fe2+,Al)6.0(Al,Si)8.0O20(OH)4・8H2Oであり、結晶系は単斜晶系である。
なお、市販品のバーミキュライトも使用することができる。

【0018】
(本発明で使用する海水)
本発明で使用する海水は、世界中の海水を使用することができる。海水の塩分濃度は、一般的には3.1~3.8 mass%で、その主要成分は、Na2+; 10,500~10,800 ppm、K+; 380~410 ppm、Mg2+; 1,270~1300 ppm、Ca2+; 400~420 ppm、Cl-; 18,980~19,400 ppm、Br-; 65~68 ppm、SO42-; 2,640~2,710 ppm、HCO3-; 130~150 ppmであり、海水の密度は平均1.03 g・cm-3である。

【0019】
(海水処理白土、海水処理モンモリロナイト及び海水処理バーミキュライトの製造方法)
白土、モンモリロナイト及びバーミキュライトは、ケイ酸塩の層構造を基本構造とし、このような層構造が数枚積層した微小な単結晶の集合体である。また、このような層構造の積層層間に、Ca、K、Na等のカチオンとそれに配位している水分子が存在している。
本発明の海水処理白土、海水処理モンモリロナイト及び海水処理バーミキュライトの製造方法は、上記の白土、モンモリロナイト及びバーミキュライトの層間のカチオン等を海水中の金属カチオン、アルカリ金属カチオン及び/又はアルカリ土類金属カチオン等に置換することができれば特に限定されない。
例えば、粉末状にした白土を、海水中に入れ、好ましくは攪拌することにより該白土の層間のイオンと該海水中の金属カチオン等とのイオン交換を促進させ、その後該白土を水洗、乾燥することにより海水処理白土を製造することができる。
なお、海水処理モンモリロナイト及び海水処理バーミキュライトも、上記海水処理白土の製造方法と同様な方法で製造することができる。

【0020】
(海水処理白土の製造方法)
本発明の海水処理白土の製造方法は、例えば以下の方法が挙げられるが、特に限定されない。
酸性白土1~100gを海水100~1000cm3中で数十時間攪拌し、固液分離後、洗浄、乾燥により得る。

【0021】
(海水処理白土、海水処理モンモリロナイト及び海水処理バーミキュライトの組成)
本発明の海水処理白土(特に、酸性白土)の組成は、白土(特に、酸性白土)の組成とは明らかに異なる。例えば、海水処理白土の組成中のCaO濃度(重量%)は0.2~1.2、好ましくは0.25~0.8、より好ましくは0.3~0.6であり、Na2O濃度(重量%)は0.2~1.4、好ましくは0.4~1.2、より好ましくは0.4~1.0である。
本発明の海水処理酸性モンモリロナイトの組成は、酸性モンモリロナイトの組成とは明らかに異なる。例えば、海水処理酸性モンモリロナイトの組成中のNa2O濃度(重量%)は0.2~1.0、好ましくは0.3~0.8、より好ましくは0.4~0.7である。
本発明の海水処理モンモリロナイトの組成は、モンモリロナイトの組成とは明らかに異なる。例えば、海水処理モンモリロナイトの組成中のMgO濃度(重量%)は3.8~5.2、好ましくは4.0~5.1、より好ましくは4.2~5.0である。
本発明の海水処理バーミキュライトの組成は、バーミキュライトの組成とは明らかに異なる。例えば、海水処理バーミキュライトの組成中のCaO濃度(重量%)は0.7~4.2、好ましくは1.0~4.0、より好ましくは2.0~3.8である。

【0022】
(本発明で処理する媒体)
本発明の有害物質処理剤を用いて処理する媒体は、処理する有害物質によって異なる。
重金属を処理する場合には、媒体は好ましくは、液体である。例えば、水溶性排出物、特に一般あるいは産業廃棄物に由来する水溶性排出物を対象とするが、特に限定されない。
より詳しくは、廃棄物、特に家庭の塵埃、産業廃棄物又は病院廃棄物の焼却から生じる燃焼飛灰の洗浄からの水溶液、土壌から流出した水溶液、又は、土壌の洗浄からの水溶液で形成される水溶性排出物が媒体である。また、ごみ焼却飛灰の空気中への飛散を抑えるため、該飛灰に適当量の水を加えるので、該飛灰から溶出する重金属を水溶性排出物とすることができる。
芳香族化合物を処理する場合には、媒体は好ましくは、気体である。例えば、有機物質を含むゴミから排出するガスを対象とするが、特に限定されない。
より詳しくは、廃棄物、特に家庭の塵埃、産業廃棄物又は病院廃棄物の焼却から生じるガスが媒体である。

【0023】
(処理する媒体に含まれているアンモニア及び金属)
処理する媒体に含まれているアンモニア及び金属、特に重金属としては、カドミウム、クロム、コバルト、銅、スズ、マンガン、水銀、ニッケル、鉛、タリウム、銀、亜鉛、鉄、セシウムからの金属から1以上選ばれるものを例示することができる。
特に本発明の処理剤で処理する重金属としては、ニッケル、亜鉛、カドミウム及び鉛である。
なお、除去しようとする重金属は、通常、イオンの形態、特にそのそれぞれの陽イオンの形態(例えば、Cr3+、Cu2+、Ni2+、Fe2+、Fe3+、Cd2+、Hg2+、Pb2+、Zn2+又はCs+)をなす。

【0024】
(処理する媒体に含まれているπ結合を有する有機化合物)
処理する媒体、特にガス状の媒体に含まれているπ結合を有する有機化合物、特に芳香族化合物としては、トルエン、トリフェニルメタン、ベンゼン、フェノール、ナフタレン等を例示することができる。また、いわゆるダイオキシン類であるポリ塩化ジベンゾパラジオキシン (PCDD)特に2,3,7,8-テトラクロロジベンゾ-1,4-ジオキシン(TCDD)、ポリ塩化ジベンゾフラン (PCDF)特に2,3,7,8-テトラクロロジベンゾフラン(TCDF)、ポリ塩化ビフェニルも例示することができる。本発明において、ベンゼンに対する吸着能が確認できれば、ベンゼン環を有するダイオキシン類に対しても吸着能があるといえる。
したがって、本発明の海水で処理した白土を含む有害物質処理剤のベンゼン環を有するダイオキシン吸着能は、海水中のナトリウムイオンと同程度の濃度の塩化ナトリウム水溶液で処理した白土を含む有害物質処理剤のベンゼン環を有するダイオキシン吸着能と比較して、非常に高いと考えられる。

【0025】
(本発明の有害物質処理剤の使用方法)
本発明の有害物質処理剤の使用方法は、以下を例示することができるが、特に限定されない。
重金属を除去する場合
(1)海水処理白土粉末、海水処理モンモリロナイト粉末、及び/又は海水処理バーミキュライト粉末を、除去対象の金属を含む溶液に添加、攪拌することにより、該金属を吸着させる。さらに、使用済み粉末を該溶液から固液分離することにより、該溶液から該金属を除去する。
(2)海水処理白土粉末、海水処理モンモリロナイト粉末、及び/又は海水処理バーミキュライト粉末を、カラムに充填する。さらに、除去対象の金属を含む溶液を該カラムに通して、該金属を該溶液から分離する。
(3)海水処理白土粉末、海水処理モンモリロナイト粉末、及び/又は海水処理バーミキュライト粉末と除去対象の金属を含む固体とを水中で混合し、該固体から溶出する該金属を該白土で吸着除去する。

【0026】
芳香族化合物を除去する場合
(1)海水処理白土粉末、海水処理モンモリロナイト粉末、及び/又は海水処理バーミキュライト粉末を、除去対象の芳香族化合物を含むガスに接触させることにより、該芳香族化合物を吸着させる。さらに、使用済み粉末を該ガスから分離することにより、該ガスから該芳香族化合物を除去する。
(2)海水処理白土粉末、海水処理モンモリロナイト粉末、及び/又は海水処理バーミキュライト粉末を、カラムに充填する。さらに、除去対象の芳香族化合物を含むガスを該カラムに通して、該芳香族化合物を該ガスから分離する。

【0027】
加えて、使用済の有害物質処理剤を海水またはナトリウムイオンを含む水溶液で洗浄することにより、再利用することができる。
また、本発明の有害物質処理剤の使用時における条件として、常温又は常圧条件下で行うことができる。さらに、本発明の有害物質処理剤は、有害な物質を含んでいないので、特別な施設内で使用する必要がない。

【0028】
以下に本発明を実施例により具体的に説明する。なお、これらの実施例は本発明を説明するためのものであって、本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例1】
【0029】
(海水処理白土の特性評価)
海水処理白土の構造、組成、重金属吸着能及び有害芳香族吸着能を、白土の構造、組成、重金属吸着能及び有害芳香族吸着能と比較して、評価した。詳細を以下に示す。
【実施例1】
【0030】
(使用した酸性白土)
酸性白土(AC)は、山形県鶴岡市産の水澤化学工業(株)社製品を使用した。より詳しくは、ACは、解砕後、110 ℃で乾燥することで調製した。
【実施例1】
【0031】
(海水処理白土の製造方法)
岡山港沖で採取した海水500 cm3に酸性白土(AC)5 g(固液比1g/100 cm3)を加え、室温で24時間又は48時間撹拌により処理した。固液分離後、110℃で乾燥して実験試料{海水(24)-AC:24時間の海水処理、海水(48)-AC:48時間の海水処理}とした。
【実施例1】
【0032】
(海水処理白土の構造、組成の評価)
粉末X線回折法(XRD)による海水(24)-AC及び海水(48)-ACの結晶構造に関し、両者ともACと同様に、主成分はモンモリロナイトであり、少量のα-クリストバライトとα -石英を含んでいた。海水処理により、底面間隔がACより狭くなったが、基本構造は保持されていた。
蛍光X線分析法(XRF)によるAC、海水(24)-AC、海水(48)-ACの組成分析結果を下記表1に示す。海水処理により、CaO量が減り、Na2O量が増え、さらに、MgOとK2Oが僅かに増えたことを確認した。
BET法によるAC、海水(24)-AC及び海水(48)-ACの比表面積は、それぞれ、80、86及び88 m2/gで、海水処理による変化はほとんど見られなかった。
なお、使用したXRD、XRF及び比表面積の測定で使用したBET法の条件は、以下の通りである。
1.XRD RINT2100/PC(リガク)、線源;CuKα、電圧;40 kV、電流;30 mA
2.XRF ZSX Primus(リガク)、線源;RhKα 、電圧;50 kV、電流;30 mA
3.BET法 BELSORP 18SP (日本ベル)、前処理;200℃ 12 h、測定温度;77 K、吸着種;窒素、窒素吸着等温線から算出
【実施例1】
【0033】
【表1】
JP2014147875A_000002t.gif
【実施例1】
【0034】
(海水処理白土の重金属吸着能評価)
Pb2+を海水処理白土の重金属の除去対象として評価した。詳細は、以下の通りである。
【実施例1】
【0035】
海水(48)-AC又はAC 0.5 gを約10~1500 ppmのPbCl2水溶液に加え、48時間振とう器で攪拌した。攪拌後遠心分離器により固液分離を行い、ろ液中の鉛イオン濃度を原子吸光分析法で分析し、下記「式1」に記載の式1により吸着量(除去量)Qe(mmol・g-1)を算出した。なお、下記式1のCi及びCeは、それぞれ、初期濃度(mmol・dm-3)及び平衡濃度(mmol・dm-3) を意味する。また、V は海水の体積(dm3)、Wは試料の質量(g)を意味する。

【0036】
JP2014147875A_000003t.gif

【0037】
Pb2+に対する海水(48)-ACとACとの吸着等温線を図1に示す。白土の重金属吸着能(除去性能)は、海水処理により向上し、最大除去量が0.22 mmol/g~0.25 mmol/gになった。海水処理による除去性能が向上したのは、ACの層間のCa+が減り、Na+が増加したことによると考えられる。海水(24)-ACの除去性能は、海水(48)-ACと同様に向上し(データを記載していない)、両者の間には有意な吸着量の差が見られなかった。

【0038】
(海水処理白土の有害芳香族化合物吸着能評価)
ベンゼンを海水処理白土の有害芳香族の除去対象として評価した。詳細は、以下の通りである。

【0039】
1.有害芳香族化合物除去性能の確認
海水(24)-AC及び海水(48)-ACのπ結合を有する有害芳香族化合物除去性能としてベンゼンを除去対象として評価した。AC(0.1g)、海水(24)-AC(0.1 g)及び海水(48)-AC(0.1 g)を真空下200℃で12時間以上前処理を行なった後に、25℃でベンゼンの吸着量をベンゼンの初期導入圧力を1.2 kPa、平衡圧P/P0= 0~1の範囲で測定した。なお、各試料のベンゼン吸着量を以下の条件下でガス吸着測定装置を用いて測定した。
<測定条件>
ガス吸着測定装置:ベルソープ18(日本ベル製)
試料量{AC、海水(24)-AC、海水(48)-AC}:0.1 g
前処理温度:200℃(真空下)
前処理時間:12h以上
吸着ガス:高純度ベンゼン
吸着温度:25℃
空気恒温槽温度:30℃
吸着範囲:相対圧が0~1

【0040】
海水(24)-AC、海水(48)-AC 及びACのベンゼンに対する吸着等温線を図2に示す。
図2の結果から明らかなように、白土(酸性白土)を海水で処理することで、ベンゼン吸着性能が飛躍的に向上したことを確認した。ベンゼン吸着量の序列は、海水(48)-AC>海水(24)-AC>ACであった。特に、海水(48)-AC及び海水(24)-ACのベンゼンの吸着能は、ACの吸着能と比較して、それそれ、約4倍及び約2倍となった。特に、海水(48)-AC及び海水(24)-ACのベンゼンの吸着能は、低圧力域(低濃度域)での吸着等温線が上に凸になり強い選択性を示した。

【0041】
2.水吸着性能の確認
AC(0.1g)、海水(24)-AC(0.1 g)及び海水(48)-AC(0.1 g)を真空下200℃で12時間以上前処理を行なった後に、25℃で水の吸着量を水蒸気の初期導入圧力を0.4 kPa、平衡圧P/P0= 0~1の範囲で測定した。海水(24)-AC、海水(48)-AC 及びACの水に対する吸着等温線を図3に示す。
図3の結果から明らかなように、白土(酸性白土)を海水で処理することで、水吸着性能が低下したことを確認した。水吸着量の序列は、AC>海水(24)-AC>海水(48)-ACであった。水吸着量の序列は、ベンゼン吸着量の序列とは逆になった。
この結果は、海水処理によりACの表面が疎水的になり、π結合電子に吸着性能を示すルイス酸点が増加したと考えられる。
<測定条件>
ガス吸着測定装置:ベルソープ18(日本ベル製)
試料量{AC、海水(24)-AC、海水(48)-AC}:0.1 g
前処理温度:200℃(真空下)
前処理時間:12h以上
吸着ガス:超純水
吸着温度:25℃
空気恒温槽温度:30℃
吸着範囲:相対圧が0~1

【0042】
3.酸点量の確認
アンモニアは、電子供与体であり、電子受容基に吸着する。アンモニアの脱離量が多いこと(酸点量が多いこと)は電子受容基の数が多いことを意味する。 結合を有する化合物は、電子供与体であり、電子受容基に吸着する。従って、酸点量が多いことは、 結合を有する芳香族化合物の吸着量が多いことを意味する。
以上により、上記結果を考慮して、吸着アンモニアの昇温脱離法により酸点量を測定した。詳細は、以下の通りである。

【0043】
日本ベル社製のBEL-CATを用い、まずヘリウム流通下で350℃、2時間の前処理を行った後に、100℃まで降温して、アンモニアガスを20 mTorr導入して吸着させた。その後、10 ℃/minで昇温し、試料としてAC(0.1g)、海水(24)-AC(0.1 g)及び海水(48)-AC(0.1 g)に吸着させたアンモニアの脱離量を測定した。各試料からのアンモニアの昇温脱離挙動を図4に示す。
図4の結果から明らかなように、アンモニアの脱離は100~480℃で観測され、約200℃で極大に達した。海水(24)-AC及び海水(48)-AC間には相違が見られなかったが、両者からの脱離アンモニウム量はACからの脱離量より明らかに多かった。この結果より、酸点量の序列は、海水(24)-AC≒海水(48)-AC > ACとなった。加えて、海水、海水(24)-AC及び海水(48)-ACの脱離量は、それぞれ、0.086、0.083及び0.069 mmol・g-1と算出した。

【0044】
以上により、白土、特に、酸性白土を海水で処理することで、重金属除去性能が向上し、更に酸点量が増加しπ結合を有する芳香族化合物に対する除去性能が飛躍的に向上した。
また、本発明者らは、本発明の海水で処理した白土を含む有害物質処理剤のベンゼン吸着能は、海水中に含まれているナトリウムイオンと同程度の濃度(0.5 M≒11,500 ppm)の塩化ナトリウム水溶液で処理した白土を含む有害物質処理剤のベンゼン吸着能と比較して、約2倍高いことを確認している。よって、本発明の海水で処理した白土を含む有害物質処理剤のダイオキシン吸着能は、ベンゼン吸着能と同様に、海水中のナトリウムイオンと同程度の濃度の塩化ナトリウム水溶液で処理した白土を含む有害物質処理剤のダイオキシン吸着能と比較して、非常に高いと考えられる。
すなわち、本発明の海水で処理した白土を含む有害物質処理剤は、ナトリウムで置換した白土を含む有害物質処理剤とは明らかに異なり、かつ異質かつ顕著な効果を有する。
これらの結果は、ベンセン環を有するダイオキシン類に対しても高い吸着性能を示す。
さらに、本発明の処理剤は、白土を室温で24時間以上海水に接触させるだけで芳香族化合物に対する除去性能を向上させることができる。よって、ごみ処理用浄化材料として酸性白土の代わりに、低価格で調製できる本発明の処理剤を使えば、活性炭の使用を減じることができることに加え、重金属の漏出を抑えるために使用するキレート剤の量を減じることができるので、ごみ処理にかかる費用を格段に軽減できる。
【実施例2】
【0045】
(海水処理モンモリロナイトの特性評価)
海水処理モンモリロナイトの構造、組成及び有害芳香族吸着能を、モンモリロナイトの構造、組成及び有害芳香族吸着能と比較して、評価した。詳細を以下に示す。
【実施例2】
【0046】
(使用したモンモリロナイト)
モンモリロナイト(Mont)は、クリミネ工業(株)社製品のNa型モンモリロナイトを使用した。より詳しくは、Na型モンモリロナイトは、解砕後、110 ℃で乾燥することで調製した。
酸性モンモリロナイト(H-Mont)は、アルドリッチ社製 Montmorillonite K10を使用した。さらに、段落「0031」と同様の手順で調製した。
【実施例2】
【0047】
(海水処理モンモリロナイトの製造方法)
酸処理されたモンモリロナイト(酸性モンモリロナイト;H-Mont)5g又はモンモリロナイト(Mont)5gを海水500 cm3に加え、室温で24時間撹拌により処理した。固液分離後、110℃で乾燥して実験試料(海水-H-Mont)とした。
【実施例2】
【0048】
(海水処理酸性モンモリロナイトの構造、組成の評価)
実施例1と同様な方法により、粉末X線回折法により海水-H-Montの結晶構造を検討した結果、底面間隔以外には変化が見られなかった。蛍光X線分析法によるH-Mont及び海水-H-Montの組成分析結果を下記表2に示す。海水処理により、H-MontのNa2O量は増加したことを確認した。
【実施例2】
【0049】
【表2】
JP2014147875A_000004t.gif
【実施例2】
【0050】
(海水処理酸性モンモリロナイトの有害芳香族化合物吸着能評価)
ベンゼンを海水処理酸性モンモリロナイトの有害芳香族の除去対象として評価した。詳細は、以下の通りである。
【実施例2】
【0051】
H-Mont(0.1 g)及び海水-H-Mont(0.1 g)を真空下200℃で12時間以上前処理を行なった後に、段落「0039」と同様に、25℃でベンゼンの吸着量を平衡圧P/P0= 0~1の範囲で測定した。H-Mont及び海水- H-Montのベンゼンに対する吸着等温線を図5に示す。図5の結果から明らかなように、H-Montを海水で処理することで、ベンゼン吸着性能が飛躍的に向上した。海水-H-Montのベンゼン吸着能は、H-Montのベンゼン吸着能と比較して、1.6倍となった。特に、海水-H-Montのベンゼン吸着能は、低圧力域(低濃度域)での吸着等温線が上に凸になり強い選択性を示した。
以上により、H-Montを室温で24時間以上海水に接触させるだけで、π結合を有する芳香族化合物に対する除去性能を飛躍的に向上させることができる。
【実施例2】
【0052】
(海水処理モンモリロナイトの構造、組成の評価)
実施例1と同様な方法により、粉末X線回折法により海水-Montの結晶構造を検討した結果、底面間隔以外には変化が見られなかった。蛍光X線分析法によるMont及び海水-Montの組成分析結果を下記表3に示す。海水処理により、Na2O量が減少したのに対し、MgO量が増加し、さらにCaO及びK2Oが僅かに増えた。
【実施例2】
【0053】
【表3】
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【実施例2】
【0054】
(海水処理モンモリロナイトの有害芳香族化合物吸着能評価)
ベンゼンを海水処理モンモリロナイトの有害芳香族の除去対象として評価した。詳細は、以下の通りである。
【実施例2】
【0055】
Mont(0.1 g)及び海水-Mont(0.1 g)を真空下200℃で12時間以上前処理を行なった後に、段落「0039」と同様に、25℃でベンゼンの吸着量を平衡圧P/P0=0~1の範囲で測定した。Mont及び海水-Montのベンゼンに対する吸着等温線を図6に示す。図6の結果から明らかなように、Montを海水で処理することで、ベンゼン吸着性能が向上した。
以上により、Montを室温で24時間以上海水に接触させるだけで、π結合を有する芳香族化合物に対する除去性能を向上させることができる。
【実施例3】
【0056】
(海水処理バーミキュライトの特性評価)
海水処理バーミキュライトの構造、組成及び有害芳香族吸着能を、バーミキュライトの構造、組成及び有害芳香族吸着能と比較して、評価した。詳細を以下に示す。
【実施例3】
【0057】
(使用したバーミキュライト)
バーミキュライト(Verm)は、ベルミテック(株)社製のバーミキュライト 0号品ミクロン(粒子サイズ0.7 mm)を使用した。
【実施例3】
【0058】
(海水処理バーミキュライトの製造方法)
バーミキュライトの層間に、他の粘土鉱物と同様に種々のイオン等を挿入するためには、加熱処理により層間を広げる必要がある。よって、約1000℃で3時間加熱処理したバーミキュライト(Verm)を用いた。
加熱処理済Verm 5gを海水500 cm3に加え、室温で24時間撹拌により処理した。固液分離後、110℃で乾燥して実験試料(海水-Verm)とした。
【実施例3】
【0059】
(海水処理バーミキュライトの構造、組成の評価)
実施例1と同様な方法により粉末X線回折法により海水-Vermの結晶構造を検討した結果、底面間隔以外には変化が見られなかった。
蛍光X線分析法によるVerm と海水-Vermの組成分析結果を下記表4に示す。海水処理により、CaO量が顕著に増加したことを確認した。
【実施例3】
【0060】
【表4】
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【実施例3】
【0061】
(海水処理バーミキュライトの有害芳香族化合物吸着能評価)
ベンゼンを海水処理バーミキュライトの有害芳香族の除去対象として評価した。詳細は、以下の通りである。
【実施例3】
【0062】
Verm(0.1 g)及び海水-Verm(0.1 g)を真空下200℃で12時間以上前処理を行なった後に、段落「0039」と同様に、25℃でベンゼンの吸着量を平衡圧P/P0=0~1の範囲で測定した。Verm及び海水-Vermのベンゼンに対する吸着等温線を図7に示す。図7の結果から明らかなように、Vermを海水で処理することで、ベンゼン吸着性能が向上した。
以上により、Vermを室温で24時間以上海水に接触させるだけで、π結合を有する芳香族化合物に対する除去性能を向上させることができる。
【実施例3】
【0063】
(総論)
上記実施例1~3により、芳香族化合物除去性能を有する酸性白土、酸処理モンモリロナイト等の酸点を有する化合物を海水で処理すると、層間のアルカリ金属イオン量が増え、芳香族化合物除去性能が顕著に向上することが分かった。
さらに、海水処理で得られた有害物質処理剤は、海水中のナトリウムイオン濃度と同程度の塩化ナトリウム水溶液処理で得られた有害物質処理剤と比較して、優れた性質を示した。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明の有害物質処理剤を使えば、重金属及び芳香族化合物の除去率が向上するので、ごみ処理にかかる費用を軽減できる。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
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【図7】
6