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明細書 :ナノクラスター生成装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B1)
特許番号 特許第5493139号 (P5493139)
登録日 平成26年3月14日(2014.3.14)
発行日 平成26年5月14日(2014.5.14)
発明の名称または考案の名称 ナノクラスター生成装置
国際特許分類 C23C  14/32        (2006.01)
FI C23C 14/32 G
請求項の数または発明の数 16
全頁数 22
出願番号 特願2013-112995 (P2013-112995)
出願日 平成25年5月29日(2013.5.29)
新規性喪失の例外の表示 特許法第30条第2項適用 集会名:JST-ERATO中嶋ナノクラスター集積制御プロジェクト 公開ワークショップ、 開催日:平成25年2月12日
特許法第30条第2項適用 発行者名:科学技術振興機構中嶋ナノクラスター集積制御プロジェクト、刊行物名:JST-ERATO中嶋ナノクラスター集積制御プロジェクト 公開ワークショップ 配付資料、発行年月日:平成25年2月12日
特許法第30条第2項適用 集会名:日本化学会第93春季年会、開催日:平成25年3月24日
特許法第30条第2項適用 発行者名:公益社団法人 日本化学会、刊行物名:日本化学会第93春季年会講演予稿集I 3G8-56、発行年月日:平成25年3月8日
特許法第30条第2項適用 集会名:Symposium on Size Selected Clusters 2013、開催日:平成25年3月4日
特許法第30条第2項適用 発行者名:Universit▲a▼t Konstanz、刊行物名:Book of Abstracts,Symposium on Size Selected Clusters 2013,p.63、発行年月日:平成25年3月3日
特許法第30条第2項適用 集会名:The 8▲th▼ IEEE International Conference on Nano/Micro Engineering and Molecular Systems、開催日:平成25年4月8日
特許法第30条第2項適用 発行者名:Institute of Electrical and Electronics Engineers、刊行物名:Program, The 8▲th▼ IEEE International Conference on Nano/Micro Engineering and Molecular Systems,45p,1P1-014、発行年月日:平成25年4月7日
審査請求日 平成25年7月19日(2013.7.19)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
【識別番号】305018856
【氏名又は名称】株式会社アヤボ
発明者または考案者 【氏名】中嶋 敦
【氏名】角山 寛規
【氏名】張 初航
【氏名】赤塚 紘己
【氏名】塚本 恵三
早期審査対象出願または早期審理対象出願 早期審査対象出願
個別代理人の代理人 【識別番号】100095577、【弁理士】、【氏名又は名称】小西 富雅
【識別番号】100100424、【弁理士】、【氏名又は名称】中村 知公
【識別番号】100179202、【弁理士】、【氏名又は名称】木村 誠司
審査官 【審査官】村岡 一磨
参考文献・文献 特開2013-096004(JP,A)
特開2001-200359(JP,A)
特開2000-144392(JP,A)
特開2008-158091(JP,A)
特開2007-327095(JP,A)
特開2007-162059(JP,A)
国際公開第2005/057716(WO,A1)
特開2012-243309(JP,A)
調査した分野 C23C 14/00-14/58
要約 【課題】ナノクラスター生成装置において、ナノクラスターのサイズ制御及び構造制御を向上させる。また、サイズ及び構造の少なくとも一方が選択されたナノクラスターの収量および収率を増大させる。
【解決手段】ナノクラスター生成装置10は、真空容器11と、パルス放電を行い、プラズマを発生させるスパッタ源13と、スパッタ源13に対し、パルス状の電力を供給するパルス電源16と、スパッタ源13に対し第1の不活性ガスを供給する第1不活性ガス供給手段17と、真空容器11内に収容されるナノクラスター成長セル12と、ナノクラスター成長セル12内に第2の不活性ガスを導入する第2不活性ガス導入手段18と、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
真空容器と、
カソードとしてのターゲットを有し、パルス放電によるマグネトロンスパッタを行い、プラズマを発生させるスパッタ源と、
前記スパッタ源に対し、パルス状の電力を供給するパルス電源と、
前記スパッタ源に対し、第1の不活性ガスを供給する第1不活性ガス供給手段と、
前記真空容器内に収容されるナノクラスター成長セルと、
前記ナノクラスター成長セル内に第2の不活性ガスを導入する第2不活性ガス導入手段と、を備えるナノクラスター生成装置。
【請求項2】
前記パルス状の電力のデューティ比およびピーク放電電力を可変とするように前記パルス電源を制御する制御手段、を更に備える請求項1に記載のナノクラスター生成装置。
【請求項3】
記ターゲットのスパッタ面と、前記ナノクラスター成長セルの内側面は、ナノクラスターを成長させるためのナノクラスター成長空間を規定し、
前記制御手段は、前記ターゲットの前記スパッタ面からの前記ナノクラスター成長空間の延伸距離、前記ナノクラスター成長セル内の前記第2不活性ガスの温度および圧力の少なくとも一つに応じて、前記パルス状の電力のデューティ比及びピーク放電電力の少なくとも一方を可変とする、請求項2に記載のナノクラスター生成装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記パルス状の電力の繰り返し周波数を可変とするように前記パルス電源を制御する、請求項2に記載のナノクラスター生成装置。
【請求項5】
記ターゲットのスパッタ面と、前記ナノクラスター成長セルの内側面は、ナノクラスターが成長するナノクラスター成長空間を規定し、
前記制御手段は、前記ターゲットの前記スパッタ面からの前記ナノクラスター成長空間の延伸距離、前記ナノクラスター成長セル内の前記第2不活性ガスの温度および圧力の少なくとも一つに応じて、前記パルス状の電力の繰り返し周波数を可変とする、請求項4に記載のナノクラスター生成装置。
【請求項6】
前記真空容器は前記ナノクラスター成長セル内で生成したナノクラスターをビームとして取り出すためのビーム取り出し口を有し、
前記ナノクラスター生成装置は更に、前記ビーム取り出し口からの前記ビームの取り出しを許可または禁止のいずれかとするゲートを備え、
前記制御手段は、前記スパッタ源に対するパルス状の電力の供給を開始するタイミングを基準として、前記ゲートによる前記ビーム取り出し口からの前記ビームの取り出しの許可と禁止とを切り替えるタイミングを設定する、請求項~5のいずれか一項に記載のナノクラスター生成装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記ビーム取り出し口からの前記ビームの取り出しを許可する期間と禁止する期間とを、パルス状放電と同期した一定のパターンとして設定し、該設定したパターンに従って、前記パルス状の電力の繰り返し周期と同期させて前記ビーム取り出し口からの前記ビームの取り出しの許可と禁止とを繰り返す、請求項6に記載のナノクラスター生成装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記ビームの取り出しの許可と禁止とを切り替えるタイミングを可変とすることで、前記ビーム取り出し口を介して取り出されるナノクラスターのサイズ及び構造の少なくとも一方を制御する、請求項6または7に記載のナノクラスター生成装置。
【請求項9】
前記ゲートは、電場、磁場、または電磁場により、前記ビーム取り出し口からの前記ビームの取り出しを許可又は禁止する、請求項6~8のいずれか一項に記載のナノクラスター生成装置。
【請求項10】
前記ゲートは、前記ビームの飛行経路を遮断し、又は、開放することにより、前記ビーム取り出し口からの前記ビームの取り出しを禁止し、又は、許可する、請求項6~8のいずれか一項に記載のナノクラスター生成装置。
【請求項11】
前記クラスター成長セルの内部に設置され、前記ナノクラスターの通過を許可し、又は禁止する別のゲートを更に備える、請求項6~10のいずれか一項に記載のナノクラスター生成装置。
【請求項12】
前記第1不活性ガス供給手段は、前記第1不活性ガスを噴射するガス噴射弁を有し、
前記制御手段は、前記ガス噴射弁が間欠的に前記第1不活性ガスを噴射するように、かつ、前記スパッタ源においてパルス放電が発生する期間が、前記ガス噴射弁により前記第1不活性ガスを噴射する期間内に含まれるように、前記スパッタ源及び前記ガス噴射弁を制御する、請求項2~11のいずれか一項に記載のナノクラスター生成装置。
【請求項13】
前記制御手段は、パルス状の電気信号である噴射信号に応じて、前記ガス噴射弁に電力を供給することにより、前記ガス噴射弁を駆動して前記第1不活性ガスを噴射させ、
前記制御手段は、前記噴射信号を、複数のパルス信号群により構成し、かつ、前記噴射信号を構成する前記パルス信号群における複数のパルス信号のデューティ比又は周波数を可変とする、ことを特徴とする請求項12に記載のナノクラスター生成装置。
【請求項14】
前記制御手段は、パルス状の電気信号であるスパッタ信号に応じて、前記スパッタ源に対してパルス状の電力を供給し、
前記制御手段は、前記スパッタ信号を、複数のパルス信号群により構成し、かつ、前記スパッタ信号を構成する前記パルス信号群における複数のパルス信号のデューティ比又は周波数を可変とする、ことを特徴とする請求項2~13のいずれか一項に記載のナノクラスター生成装置。
【請求項15】
前記第1の不活性ガスはアルゴンガスである、請求項1~14のいずれか一項に記載のナノクラスター生成装置。
【請求項16】
前記第2の不活性ガスはヘリウムガスである、請求項1~15のいずれか一項に記載のナノクラスター生成装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、ナノクラスター生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ナノクラスターは、原子一個の増減による性質の変化が著しいことから、ナノクラスター生成において、ナノクラスターを構成する原子数(以下、クラスターサイズという)の分布を制御したナノクラスタービームの手法開発が課題となっている。
直流電源を利用したマグネトロンスパッタリング法(以下DC-MSP法)を用いたナノクラスター源の開発によって上記課題は相対的に向上、改善されている。例えば、非特許文献1のものは、主としてHe分圧を制御することにより、クラスターサイズを制御し得るという可能性を示唆するものである(非特許文献1の図4参照)。また、非特許文献2においては、Heガス用ノズルの形状がクラスターサイズに与える影響についての記載がある(非特許文献2の図4参照)。
しかしながら、サイズ分布制御の困難性、サイズ選択されたナノクラスターイオンビームの強度数十pA(0.6~3×10個/秒)以下と微弱生成量が少ない)といった課題については依然として解決が求められている。
【先行技術文献】
【0003】

【非特許文献1】S. Pratontep, S. J. Carroll, C. Xirouchaki, M. Streun, R. E. Palmer, Rev. Sci. Instrum. 76, 045103 (2005)
【非特許文献2】U. Heiz, F. Vanolli, L. Trento, W.-D. Schneider, Rev. Sci. Instrum. 68, 1986-1994 (1997)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明の目的の一つは、ナノクラスター生成装置において、ナノクラスターのサイズ制御及び構造制御を向上させることにある。また、本発明のもう一つの目的は、ナノクラスターの生成効率を向上させることにより、サイズ及び構造の少なくとも一方が選択されたナノクラスターの収量および収率を増大させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の局面によるナノクラスター生成装置は、
真空容器と、
パルス放電を行い、プラズマを発生させるスパッタ源と、
スパッタ源に対し、パルス状の電力を供給するパルス電源と、
スパッタ源に対し、第1の不活性ガスを供給する第1不活性ガス供給手段と、
真空容器内に収容されるナノクラスター成長セルと、
ナノクラスター成長セル内に第2の不活性ガスを導入する第2不活性ガス導入手段と、を備えるナノクラスター生成装置である。
【発明の効果】
【0006】
上記構成によれば、スパッタ源に対し、パルス状の電力を供給することにより、DC-MSP法の場合と比べて、非常に高いピーク出力の下においても安定な放電が維持でき、実効的な平均出力を高めることができる。これにより、クラスターの生成量を増大させることができる。また、クラスターのサイズ及び構造の選択性が向上する。
【0007】
本発明の第2の局面によれば、上記のナノクラスター生成装置は、パルス状の電力のデューティ比およびピーク放電電力を可変とするようにパルス電源を制御する制御手段、を更に備える。このような制御手段を用いてパルス状の電力のデューティ比とピーク放電電力を最適化することにより、クラスター生成量を極大化することが可能となる。また、クラスターのサイズ及び構造の選択性が向上する。
【0008】
本発明の第3の局面によれば、上記のナノクラスター生成装置において、スパッタ源は、カソードとしてのターゲットを有し、
ターゲットのスパッタ面と、ナノクラスター成長セルの内側面は、ナノクラスターを成長させるためのナノクラスター成長空間を規定し、
制御手段は、ターゲットのスパッタ面からのナノクラスター成長空間の延伸距離、ナノクラスター成長セル内の第2不活性ガスの温度および圧力の少なくとも一つに応じて、パルス状の電力のデューティ比及びピーク放電電力の少なくとも一方を可変とする。
このような構成により、装置構成やクラスター生成条件に応じて、パルス状の電力のデューティ比やピーク放電電力を最適化することができる。
【0009】
本発明の第4の局面によれば、上記のナノクラスター生成装置において、制御手段は、パルス状の電力の繰り返し周波数を可変とするようにパルス電源を制御する。このような制御手段を用いてパルス状の電力の繰り返し周波数を最適化することにより、クラスター生成量を極大化することが可能となる。また、クラスターのサイズ及び構造の選択性が向上する。
【0010】
本発明の第5の局面によれば、上記のナノクラスター生成装置において、スパッタ源は、カソードとしてのターゲットを有し、
ターゲットのスパッタ面と、ナノクラスター成長セルの内側面は、ナノクラスターが成長するナノクラスター成長空間を規定し、
制御手段は、ターゲットのスパッタ面からのナノクラスター成長空間の延伸距離、ナノクラスター成長セル内の第2不活性ガスの温度および圧力の少なくとも一つに応じて、パルス状の電力の繰り返し周波数を可変とする。
このような構成により、装置構成やクラスター生成条件に応じて、パルス状の電力の繰り返し周波数を最適化することができる。
【0011】
本発明の第6の局面によれば、上記のナノクラスター生成装置において、真空容器はナノクラスター成長セル内で生成したナノクラスターをビームとして取り出すためのビーム取り出し口を有し、
ナノクラスター生成装置は更に、ビーム取り出し口からのビームの取り出しを許可または禁止のいずれかとするゲートを備え、
制御手段は、スパッタ源に対するパルス状の電力の供給を開始するタイミングを基準として、ゲートによるビーム取り出し口からのイオンビームの取り出しの許可と禁止とを切り替えるタイミングを設定する。
このような構成によれば、ゲートを操作して特定の時間帯にビーム取出し口に到達するビームのみを選択的に取り出すことができ、例えば、特定のサイズ又は構造を有するクラスターの堆積を行うことができる。
【0012】
本発明の第7の局面によれば、上記のナノクラスター生成装置において、制御手段は、ビーム取り出し口からのビームの取り出しを許可する期間と禁止する期間とを、パルス状放電と同期した一定のパターンとして設定し、該設定したパターンに従って、パルス状の電力の繰り返し周期と同期させてビーム取り出し口からのビームの取り出しの許可と禁止とを繰り返す。
このような構成によれば、パルス状の電力の繰り返し周期と同期した所定の時間帯にビーム取出し口に到達するビームのみを繰り返し取り出すことができ、これにより、特定の性質を有するクラスターイオンの収量及び収率を向上させることが可能となる。なお、例えば、収率とは、スパッタ源のターゲットからクラスター成長セル内に供給されるスパッタ放出粒子の総量に対する、所望のクラスターの生成量の割合として定義することができる。
【0013】
本発明の第8の局面によれば、上記のナノクラスター生成装置において、制御手段は、ビームの取り出しの許可と禁止とを切り替えるタイミングを可変とすることで、ビーム取り出し口を介して取り出されるナノクラスターのサイズ及び構造の少なくとも一方を制御する。
パルス状の電力の繰り返し周期内において発生するナノクラスターのサイズや構造が時間分布を有している場合、上記構成によれば、ビーム取り出し口を介して取り出されるナノクラスターのサイズや構造を制御することが可能となる。
【0014】
本発明の第9の局面によれば、上記のナノクラスター生成装置において、ゲートは、電場、磁場、または電磁場により、ビーム取り出し口からのビームの取り出しを許可又は禁止する。このような構成によれば、上記したような作用を持つゲートを提供することができる。
本発明の第10の局面によれば、上記のナノクラスター生成装置において、ゲートは、ビームの飛行経路を遮断し、又は、開放することにより、ビーム取り出し口からのビームの取り出しを禁止し、又は、許可する。このような構成によっても、上記したような作用を持つゲートを提供することができる。
【0015】
本発明の第11の局面によれば、上記のナノクラスター生成装置は、クラスター成長セルの内部に設置され、ナノクラスターの通過を許可し、又は禁止する別のゲートを更に備える。
このような構成によれば、クラスター成長セル内部においてゲートにより選別したクラスターを対象として、更にクラスター成長セル内部において成長させたり、あるいは、加速や減速等の制御をしたりすることが可能となる。
【0016】
本発明の第12の局面によれば、上記のナノクラスター生成装置において、第1の不活性ガスはアルゴンガスである。
これによれば、アルゴンガスに基づくプラズマを発生させることができる。
【0017】
本発明の第13の局面によれば、上記のナノクラスター生成装置において、第2の不活性ガスはヘリウムガスである。
この場合、ヘリウムガスを冷媒として用いることで、スパッタ源からの金属原子を冷却・凝集し、ナノクラスターへと成長させることができる。
【0018】
本発明の第14の局面によれば、上記のナノクラスター生成装置において、第1不活性ガス供給手段は、第1不活性ガスを噴射するガス噴射弁を有し、
制御手段は、ガス噴射弁が間欠的に第1不活性ガスを噴射するように、かつ、スパッタ源においてパルス放電が発生する期間が、ガス噴射弁により第1不活性ガスを噴射する期間内に含まれるように、スパッタ源及びガス噴射弁を制御する。
このような構成よれば、噴射弁を用いて第1不活性ガスを間欠的に噴射供給するため、第1不活性ガスを連続的に供給する場合に比べてその使用量を削減することができる。結果として、第1不活性ガスを供給・排出するための装置の小型化を図ることができる。更に上記局面によれば、制御手段は、スパッタ源においてパルス放電が発生する期間が、噴射弁により第1不活性ガスを噴射し供給する期間内に含まれるように、スパッタ源及び噴射弁を制御する。このことにより、第1不活性ガスの噴射による供給が間欠的なものであっても、パルス放電が行われるタイミングにおいては、スパッタ源に対して十分な量の第1不活性ガスが供給されるものとすることができる。これにより、第1不活性ガスに基づくプラズマの発生を確実なものとすることができる。
更には、ヘリウム等の第2不活性ガスの分圧を高く維持することができるため、安定したスパッタリングを行いながら、クラスターの冷却効率を向上させることができる。
【0019】
本発明の第15の局面によれば、上記ナノクラスター生成装置において、制御手段は、パルス状の電気信号である噴射信号に応じて、ガス噴射弁に電力を供給することにより、ガス噴射弁を駆動して第1不活性ガスを噴射させ、
制御手段は、噴射信号を、複数のパルス信号群により構成し、かつ、噴射信号を構成するパルス信号群における複数のパルス信号のデューティ比又は周波数を可変とする。
このような構成により、第1不活性ガスの時間当たりの噴射量(即ち噴射率)を、1噴射期間中に変化させることができる。
【0020】
本発明の第16の局面によれば、上記のナノクラスター生成装置において、制御手段は、パルス状の電気信号であるスパッタ信号に応じて、スパッタ源に対してパルス状の電力を供給し、
制御手段は、電気信号を、複数のパルス信号群により構成し、かつ、電気信号を構成するパルス信号群における複数のパルス信号のデューティ比又は周波数を可変とする。
このような構成によれば、スパッタ源に対してパルス状の電力を供給する態様を任意に変化させることができ、ナノクラスター生成量を向上させる等の目的に応じたより好ましい放電態様を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1実施形態に係るナノクラスター生成装置の概念的構成図である。
【図2】第1実施形態に係るナノクラスター生成装置とイオン検出装置を組み合わせた例を示す説明図である。
【図3】第1実施形態に係るナノクラスター生成装置により生成されたナノクラスターのサイズ分布例を示すグラフである。
【図4】MPP-MSP法とDC-MSP法のそれぞれによるナノクラスターイオンの質量スペクトルを比較して示す図である。
【図5】MPP-MSP法の制御パラメータとイオン強度との関係を示す図である。
【図6】MPP-MSP法における放電電力のクラスターサイズ及びイオン強度への影響を説明するための説明図である。
【図7】MPP-MSP法における放電デューティ比のクラスターサイズ及びイオン強度への影響を説明するための説明図である。
【図8】凝集領域長によるクラスターサイズ及びイオン強度に対する影響を説明するための説明図である。
【図9】アルゴンガス流速の変化によるクラスターサイズ及びイオン強度に対する影響を説明するための説明図である。
【図10】ヘリウムガス流速の変化によるクラスターサイズ及びイオン強度に対する影響を説明するための説明図である。
【図11】本発明の第2実施形態に係るナノクラスター生成装置の概念的構成図である。
【図12】第2実施形態に係るナノクラスター生成装置の制御例を説明するためのタイミングチャートである。
【図13】クラスターイオンのサイズ分布を示す図である。
【図14A】クラスターイオンの発生強度の時間変化を示す図である。
【図14B】図14Aの時点Bにおけるクラスターイオンのサイズ分布を示す図である。
【図14C】図14Aの時点Cにおけるクラスターイオンのサイズ分布を示す図である。
【図15】本発明の第3実施形態に係るナノクラスター生成装置の概念的構成図である。
【図16】本発明の第4実施形態に係るナノクラスター生成装置の概念的構成図である。
【図17】第4実施形態に係るナノクラスター生成装置の制御例を説明するためのタイミングチャートである。
【図18】本発明の変形例によるナノクラスター生成装置の制御例を説明するためのタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態によるナノクラスター生成装置10について説明する。図1は本実施形態のナノクラスター生成装置10の構成を概略的に示す説明図である。ナノクラスター生成装置10は、真空引きされるチャンバ11と、該チャンバ内に設置されるナノクラスター成長セル12と、該ナノクラスター成長セル12内に設置されるスパッタ源13(マグネトロンスパッタ源)を備える。本実施形態のナノクラスター成長セル12は、その周囲を液体窒素ジャケット14で囲まれており、該液体窒素ジャケット14内を液体窒素(N)が流通するように構成されている。ナノクラスター生成装置10は更に、制御システムの構成要素として、制御装置15、スパッタ源用パルス電源16を備える。

【0023】
ナノクラスター生成装置10は更に、プラズマを発生させるための第1不活性ガス(例えば、アルゴンガス(Ar))をスパッタ源13に対して供給するための第1不活性ガス供給パイプ17、および、スパッタ源13から発生した金属原子や金属イオンを冷却し凝集させ、ナノクラスターとして成長させるための第2不活性ガス(例えばヘリウムガス(He))をナノクラスター成長セル12内へ供給するための第2不活性ガス供給パイプ18を備える。第2不活性ガス供給パイプ18は、その主要部が、液体窒素ジャケット14内に格納され、液体窒素ジャケット14の内部を螺旋状に周回して、その端部が、ナノクラスター成長セル12の内側に突出している。

【0024】
こうして、液体窒素により冷却されたヘリウム等の第2不活性ガスをナノクラスター成長セル12内に導入することができる。クラスター成長セル12内の圧力が約10~40Paに維持されるようにする(圧力制御のためにクラスター成長セル12に備えられる圧力計、ガス供給系に備えられるマスフローコントローラ等の装置については、図示を省略している。)
ナノクラスター生成装置10は更にターボ分子ポンプ等からなる排気装置19を備え、この排気装置19により、チャンバ11内が所定の真空度(例えば10-1~10-4Pa)まで排気される。

【0025】
スパッタ源13はターゲット131(金属ターゲット)、アノード132、磁石ユニット133から構成され、ターゲット131はカソードとしてスパッタ源用パルス電源16に接続される。第1不活性ガス供給パイプ17からナノクラスター成長セル12内にArガスが供給され、スパッタ源用パルス電源16からパルス状の電力が供給される(即ち、ターゲット131とアノード132の間に高電圧がパルス状に印加される)ことにより、ターゲット131及びアノード132間にグロー放電が生じる。また、磁石ユニット133によりターゲット131の表面付近に磁場を印加することで、本実施形態のナノクラスター生成装置10はマグネトロンスパッタを行い、さらに強いグロー放電を生成することが可能である。

【0026】
本実施形態においては、第1不活性ガス供給パイプ17の先端は、第1不活性ガスをスパッタ源13のターゲット131とアノード132との間の一箇所または複数の箇所から噴射するように構成されている。ただし、このような構成に限らず、第1不活性ガスを、ターゲット131に向かうように供給できる構成である限り、任意の構成を採用可能である。
スパッタ源13は、ナノクラスター成長セル12内に、管軸方向に移動自在に収容される。これにより、ナノクラスター成長領域の管軸方向の延伸距離(成長領域長、すなわち、ターゲット131面からビーム取出し口121までの距離)を規定する。

【0027】
ナノクラスターを生成するためには、液体窒素温度に冷却された第2不活性ガスをナノクラスター成長セル12内に導入した状態で、スパッタ源13に第1不活性ガスを供給するとともに、スパッタ源用パルス電源16からパルス電力を供給する。パルス電力が供給されると、ターゲット131から第2不活性ガス中に、ターゲット13由来の中性原子及びイオン等のスパッタ粒子が集団として放出される。

【0028】
この集団は、スパッタ源13に印加されるパルス電力の繰り返し周波数の間隔で放出されて第2不活性ガスの流れに沿って移動する。この時、集団を構成する中性の原子及びイオン等のスパッタ粒子は第2不活性ガス中において互いに結合して種々のサイズのナノクラスターを生成する。生成したナノクラスターはナノクラスター成長セル12のビーム取出し口121を通過した後、後段のイオン検出装置等へ進入する。

【0029】
イオン検出装置として、例えば図2に示す構成のものを用いることができる。図2に示すイオン検出装置20は、ナノクラスター成長セル12のビーム取出し口121の近傍外側にイオンガイド電極21を有し、これにより、ナノクラスター成長セル12のビーム取出し口121から放出されるナノクラスターイオンをガイドする。図2に示すように、イオン検出装置20は、イオンガイド電極21のビーム取出し口側に設けられる四重極形イオン偏向器22を備える。四重極形イオン偏向器22は、ナノクラスターの内の正イオン或いは負イオンの一方のみを偏向させることにより取り出す。

【0030】
イオン検出装置20は、取り出されたナノクラスターの質量を分析する四重極質量分析計23を有し、特定の質量のナノクラスターのみを取り出して、その生成量をバイアスの印加ができるイオン検出器24(ピコアンメーター)により測定する。例えば、イオン検出器24で測定された100pAの電流は、クラスター量としては、0.6×10個/秒(=1fmol/秒)に相当する。また、イオン検出器24の代わりに成膜基板を配置すれば、特定の質量のナノクラスターのみを成膜基板上に堆積させることができる。

【0031】
(実施例)
次に、上記構成のナノクラスター生成装置10によりナノクラスター生成を実施した例を説明する。以下は、本実施例に関する装置諸元および実験パラメータである。

スパッタ源: Angstrom Sciences社製 ONYX-2
パルス電源: Zpulser社製 AXIA-150
ターゲット: Ag(直径2インチ、純度99.99%)
Arガス流量: 40-200sccm
Heガス流量: 60-600sccm
成長セル内圧力: 10-40Pa
成長セル内径: 110 mm
成長領域長さ: 190-290mm
ビーム取出し口径: 12 mm

上記設定により生成したナノクラスターイオンを、イオン検出装置20により検出した。

【0032】
本実施例で用いたスパッタ源用パルス電源16は、オンオフ時間(オン時間:tON、オフ時間:tOFF)で繰り返し放電を行うものであり、デューティ比(tON/(tON+tOFF)、またはtON/tTOTにおいてtTOT=tON+tOFF)、および、直流電圧DCVによりパワーを制御することが可能な変調パルス電源(Modulated Pulse Power: MPP)である。本実施例で用いたスパッタ源用パルス電源16はパルスジェネレータを内蔵するものであり、同電源16からの供給電圧DCVは80Vから600Vまで制御可能であり、それに伴って、ピーク電圧、ピーク電流が変動する。なお、ピーク放電電力は、ピーク電圧×ピーク電流で表される。

【0033】
図3は、ナノクラスター生成装置10により生成されたAgナノクラスター正イオンのサイズ分布を説明するための説明図であり、スパッタ源用パルス電源16の平均放電電力を約30W、供給電圧DCVを105Vとし、放電の繰り返し周波数を70Hzとした場合の質量スペクトルである。クラスターあたりの質量数(m/Z)を横軸とし、クラスターイオンの生成量に相当するイオン電流(nA)を縦軸とした。

【0034】
図4は、変調パルス電源を用いた変調パルスパワーマグネトロンスパッタリング法(以下、MPP-MSP法という)により得られたAgナノクラスター負イオンの質量スペクトル(a)と、直流マグネトロンスパッタリング法(DC-MSP法)により得られたAgナノクラスター負イオンの質量スペクトル(b)とを比較して表したものである。MPP-MSP法においては、繰り返し周波数を100Hz、ピーク放電電力を200Wとし、平均放電電力を約30Wに制御している。DC-MSP法においては、放電電力を30Wにしている。また、いずれの場合も、Arの流量を100sccmとし、Heの流量を600sccmとしている。図4より、MPP-MSP法における最も支配的な質量数(n=19)は、DC-MSP法における最も支配的な質量数(n=54)から変化していることが分かる。また、MPP-MSP法における上記質量数n=19のイオン量(1.9nA)は、DC-MSP法における上記質量数n=54のイオン量(0.16nA)と比較して10倍程度多いことが分かる。また、生成された全サイズ領域において、MPP-MSP法の方が、クラスター生成強度が高いことがわかる。

【0035】
図5は、変調パルス電源のパラメータを制御することにより、イオン強度を増強できることを示す図である。図5は、(a)放電電力が370Wの場合、(b)放電電力が320Wの場合、(c)放電電力が210Wの場合のイオン強度をそれぞれ表している。図の横軸はクラスターあたりの原子数を示し、縦軸はパルス放電の繰り返し周波数を示す。また、図中の各ますの色合いは、色合いが明るいほど(白色に近いほど)、イオン強度が高いことを示す。本例においては各パルス放電の発生継続時間を一定とした(約1ms)。そのため、パルス放電のデューティ比は繰り返し周波数に比例する(すなわち、繰り返し周波数7Hz~150Hzに対し、デューティ比が約0.007~0.15である)。図5から、ピーク放電電力と放電の繰り返し周波数(またはデューティ比)の2次元的制御(最適化)により、イオン強度(収量および収率)を増強できることが読み取れる。

【0036】
図6は、MPP-MSP法においてピーク放電電力を変化させた場合のクラスターサイズ及びイオン強度への影響を説明するための説明図であり、ピーク放電電力をそれぞれ(a)220W、(b)290W、(c)350W、(d)380W、(e)560Wとした場合のナノクラスター負イオンのサイズ分布をオフセットして表している。いずれの場合もAr流量を120sccm、He流量を600sccm、放電繰り返し周波数を10Hzとした。図6からは、ピーク放電電力に依存してクラスターサイズの分布が変化すること、すなわち、ピーク放電電力が大であるほど、クラスターサイズの分布が大きい方へ変化する傾向があることが読み取れる。

【0037】
図7は、MPP-MSP法において放電のデューティ比tON/tTOTを変化させた場合のクラスターサイズ及びイオン強度への影響を説明するための説明図であり、図上段より、デューティ比tON/tTOTをそれぞれ0.015、0.03、0.06、0.15とした場合をオフセットして表している。併せて、デューティ比tON/tTOT=1の場合、つまりDC-MPP法の場合も比較のため示している。図示するように、最も支配的な質量数は、デューディ比=1としてDC-MPP法とする場合のn=58から、デューティ比tON/tTOT=0.06とする場合のn=19に変化していることが分かる。また、上記各質量数におけるイオン強度については、DC-MPP法の場合の150pA(n=58)と比べて、デューティ比tON/tTOT=0.06とする場合の700pA(n=19)へと、4.7倍程度増強できることが明らかとなった。また、図から、特定のサイズ分布範囲内のイオン強度が最適化されるデューティ比tON/tTOTの範囲が存在することが読み取れる。また、デューティ比tON/tTOTが0.03または0.06の場合が、他の場合と比較して、全体的にイオン強度が高い。

【0038】
図8は、クラスター成長領域長がクラスターサイズ及びイオン強度に与える影響を説明するための説明図であり、(a)210mm、(b)250mm、(c)280mmの場合をそれぞれオフセットして表したものである。いずれの場合も、Arガスの流量を80sccm、Heガスの流量を600sccm、供給電圧DCVを90V、放電の繰り返し周波数を70Hzとしている。
図9は、Arガス流量がクラスターサイズ及びイオン強度に与える影響を説明するための説明図であり、Arガス流量が(a)40sccm、(b)60sccm、(c)100sccm、(d)120sccm、(e)160sccmの場合のクラスターサイズ分布をそれぞれ表したものである。いずれの場合も、Heガスの流量を600sccm、クラスター成長領域長を290mm、供給電圧DCVを90V、放電の繰り返し周波数を70Hzとしている。

【0039】
図10は、Heガス流量の変化がクラスターサイズ及びイオン強度に与える影響を説明するための説明図であり、Heガス流量が(a)140sccm、(b)200sccm、(c)400sccm、(d)600sccmの場合のクラスターサイズ分布をそれぞれオフセットして表したものである。いずれの場合も、Arガスの流速を80sccm、クラスター成長領域長を290mm、供給電圧DCVを90V、放電の繰り返し周波数を70Hzとしている。
これらの図8~図10より、クラスターのサイズ分布とイオン強度が、クラスター成長領域長、Arガス流量、Heガス流量に依存して変化していることが分かる。

【0040】
以上より、本実施形態のナノクラスター生成装置10においては、パルス電力を印加するマグネトロンスパッタリング法を用いているので、従来の直流電力マグネトロンスパッタリング法に比べて、生成するナノクラスターのサイズ選択性が良好になるとともに収量および収率が向上する。

【0041】
さらに、パルス電力の繰り返し周波数、ピーク放電電力、或いは、パルス波形(デューティ比)を制御することによって、生成するナノクラスターのサイズ選択性を向上することができる。

【0042】
(第2実施形態)
次に、図11を参照して、本発明の第2実施形態に係るナノクラスター生成装置100について説明する。図11(A)に示すように、本実施形態に係るナノクラスター生成装置100は、第1実施形態に係るナノクラスター生成装置10の構成に加えて、ナノクラスター成長セル12のビーム取出し口121をナノクラスターイオンが通過することを許可または禁止するゲート30、ゲート用パルス電源31、遅延発生器32を備える。

【0043】
ゲート30は、例えば金属メッシュ電極であり、チャンバ11内のナノクラスター成長セル12のビーム取出し口121付近に設置され、ナノクラスターイオンの内の一方の極性のナノクラスターイオンのみにつき、その通過を許可または禁止するために用いられる。

【0044】
次に、本実施形態に係るナノクラスター生成装置100の制御システムおよび制御方法について説明する。ナノクラスター生成装置100の制御システムは、図11(B)に示すように、制御装置15、スパッタ源用パルス電源16、遅延発生器32、ゲート用パルス電源31により構成される。制御装置15は、パルスジェネレータ151を有する。ただし、制御装置15を備えず、パルスジェネレータがスパッタ源用パルス電源16に内蔵されているものであっても良い。スパッタ源用パルス電源16は、スパッタ信号発生器161、及び、スパッタ源用電源本体162を有する。ゲート用パルス電源31は、ゲート信号発生器311、及び、ゲート用電源本体312を有する。
クラスターを生成する際、パルスジェネレータ151はパルス状のクロック信号を発生し、スパッタ源用パルス電源16のスパッタ信号発生器161に送る。

【0045】
スパッタ信号発生器161は、クロック信号を受け取るとパルス状のスパッタ信号を生成し、スパッタ源用電源本体162に送るとともに、同期信号を遅延発生器32に送る。スパッタ源用電源本体162は、スパッタ信号がオンの間、スパッタ源13にパルス状の高電圧を印加する。

【0046】
遅延発生器32は同期信号を受け取ると、同期信号を基準とする所定のディレイを有するディレイ信号を発生し、当該ディレイ信号をゲート用パルス電源31に送る。ゲート用パルス電源31のゲート信号発生器311は、ディレイ信号を受け取るとパルス状のゲート信号を生成し、ゲート用電源本体312に送る。ゲート用電源本体312は、ゲート信号に応じて、ゲートに電圧を印加する。例えば、ゲート用電源本体312は、ゲート信号がオフの間のみ、ゲートに正または負の電圧を印加する。

【0047】
次に、図12のタイミングチャートを参照して、制御装置15、スパッタ源用パルス電源16、遅延発生器32、ゲート用パルス電源31からなるナノクラスター生成装置100の制御システムによるパルス放電制御及びゲート制御について説明する。図12に示す例においては、制御装置15からのクロック信号に基づき時刻s1にスパッタ信号が発せられると、直後の時刻s3に、スパッタ源13においてパルス放電が発生する。

【0048】
スパッタ信号発生器161は、時刻s1に、遅延発生器32に対して同期信号を送る。遅延発生器32は、受け取った同期信号を基準とする所定のディレイを有するディレイ信号を発生し、当該ディレイ信号をゲート用パルス電源31に送る。ゲート用パルス電源31のゲート信号発生器311は、ディレイ信号を受け取るとパルス状のゲート信号(t1~t2)を生成し、ゲート用電源本体312に送る。ゲート用電源本体312は、ゲート信号に応じて、ゲートに電圧を印加する。本例では、ゲート信号がオフの間のみ、ゲートに正の電圧+Vを印加し、ゲート信号がオンの間のみ、ゲートに印加する電圧を0Vとする。ゲートに正の電位+Vが印加されている間は、クラスター成長セル12のビーム取出し口121から放出される正のクラスターイオンはゲート30に跳ね返され、ゲート30を通過することができない。ゲート30の電位が0Vの間のみ、正のクラスターイオンはゲート30を通過することができ、後段のイオン検出装置等へと進入することができる。このようにゲート30の電位を0Vとし、通過の許可/不許可の対象とする符号のクラスターイオンの通過を許可する時間枠(t1~t2)を、通過許可ウィンドウと呼ぶこととする。

【0049】
このような構成において、スパッタ信号の立ち上がり時s1から、ゲート信号の立ち上がり時t1までのディレイΔtを種々変更しながら、後段のイオン検出装置(例えば図1のイオン検出装置20)により検出されたクラスターイオンのサイズを測定した結果を図13に示す。図13においては、スパッタ信号が立ち上がった時刻s1からの各経過時間におけるクラスターイオンのサイズの分布をプロットしたものであり、下から順に、0ms、40ms、50ms、60ms、70ms、90ms、100ms、140msの時点のものを表している。図示されるように、スパッタ信号が発せられ、パルス放電が始まってから時間が経過するに従い、検出されるクラスターイオンのサイズの分布が変化する、つまり、クラスターサイズが時間分布を有していることが分かる。この例においては、クラスター成長領域長を290mm、供給電圧を120V、繰り返し周波数を7Hz、通過許可ウィンドウを4msとしている。

【0050】
図13において、質量数4000付近のイオン電流が50ms~70msの範囲で高く、90msにおいて一旦小さくなり、100msで再び増加していることが分かる。このことから、同じサイズのクラスターであっても、飛行時間が異なるものがあることが読み取れる。同じサイズのクラスターの飛行時間に差が生じるのは、それらの移動度の差に起因していることが考えられる。すなわち、同じサイズのクラスターであって、構造の異なるもの(構造異性体)が、異なる時間帯にゲート30に到達し、取り出されていることを示唆するものである。

【0051】
図14Aは、スパッタ信号が発せられてからの経過時間を横軸として、1回のパルス放電周期中の各時刻において検出されるイオン量を縦軸に黒丸によりプロットしたものである。曲線は近似曲線である。図示するように、時刻0においてスパッタ信号が発せられその直後に放電が生じると、クラスターイオンがクラスター成長セル12内を飛行してゲート30に最初に到達するまでの飛行時間の経過の後、クラスターイオンが検出され始める。
イオン発生量がピークとなる時点Bに通過許可ウィンドウを設定することで、その時点におけるクラスターイオンのみを取り出すことができ、これを別途の計測装置により計測することで、クラスターサイズ分布を計測した結果を図14Bに示す。同様に計測したパルス後半での時点Cにおけるクラスターサイズ分布(図14C)と比べると、ピーク時点Bにおけるクラスターサイズ分布がより大きい方へ遷移していることが、この図からもわかる。

【0052】
よって、ディレイΔtを変更して、パルス放電に同期した所定の時間帯(通過許可ウインドウ)にのみクラスターイオンの通過を許可することにより、サイズ分布が高精度に制御されたナノクラスタービームを得ることが可能となる。同じ操作を繰り返し周期ごとに繰り返すことにより、サイズ分布が高精度に制御されたナノクラスタービームの収量を増やすことができる。

【0053】
図11の例においては、ゲート30を金属メッシュとしたが、本発明はこれに限られない。即ち、電場、磁場、または電磁場を用いてクラスターイオンの通過を許可または禁止し、または、飛行軌道を変更することができる装置(例えば、デフレクタ等)であればゲート30として用いることが可能である。更には、中性クラスターに対してレーザ照射や電子線照射等を行いイオン化すれば、中性クラスター由来のクラスターイオンについても、ゲート30により通過の許可/禁止の操作を行うことができる。
更に、上記に限らず、ビームの飛行経路を物理的に遮断したり、開放したりすることで、ビームの通過を禁止し、あるいは許可するといった操作を行い得るシャッターや、所定のスリットを有し、高速に回転し得る円盤等の機械的な装置を、ゲート30の代わりに用いても良い。この場合、中性クラスター、クラスターイオンのいずれに対してもゲートとして用いることができる。

【0054】
(第3実施形態)
次に、図15を参照して、本発明の第3実施形態に係るナノクラスター生成装置200について説明する。本実施形態のナノクラスター生成装置200は、クラスター成長セル12内部にもゲートを備えることを特徴とする。すなわち、図15に示すように、ゲートとして、クラスターイオン成長セル12内部に設置される第1ゲート40と、クラスター成長セル12のビーム取出し口121付近に設置される第2ゲート50とを有する。更に、第1ゲート用パルス電源41と、第2ゲート用パルス電源51を備える。更に、第1ゲート40に印加される電圧が、その上流側および下流側の電場に影響を与えることを回避するために、第ゲート40を覆う金属製のグランド部材42(例えば、金属メッシュ)を備えている。グランド部材42の電位はクラスター成長セル12と同電位とされている。第1ゲート40は、クラスター成長セル12の内部空間の中心付近に延在している。

【0055】
クラスター成長セル12の内部空間は、第1ゲート40によって、上流側の領域と、下流側の領域に区画されている。この上流側の領域において成長したクラスターイオンが第1ゲート40を通過することを、第2実施形態において説明したのと同様の制御を第1ゲート40について行うことにより、許可したり禁止したりすることができる。すなわち、第1ゲート40につき所定の通過許可ウィンドウを設定することで、正または負のクラスターイオンにつき、特定のサイズ分布を有するクラスターイオンのみを、第1ゲート40を選択的に通過させることができる。

【0056】
そして本実施形態においては、クラスター成長セル12の内部であって第1ゲート40の下流側の領域は、第1ゲート40を通過したナノクラスターイオンの飛行軌道や飛行速度を制御する領域として構成されている。図15に示すものは、クラスター成長セル12内に設置された複数のイオン運動制御電極60により、通過するクラスターイオンを加速または減速したり、その飛行経路を変更したりすることによって、クラスターイオンの質量や移動度の違いを利用して、クラスターイオンの成長の促進や抑制、サイズや構造の選択制御を行うものである。イオン運動制御電極60はイオン運動制御器61による電圧の印加により制御され、イオン運動制御器61は、スパッタ信号と同期して遅延発生器32から発せられる制御信号により制御される。
ナノクラスターイオンの飛行軌道や飛行速度を制御する方法はこれに限定されず、電磁場等を利用して、クラスターイオンの飛行軌道や飛行速度を制御可能であれば、いかなる構成を用いても良い。

【0057】
(第4実施形態)
次に、図16を参照して、本発明の第4実施形態に係るナノクラスター生成装置300について説明する。図16(A)に示すように、本実施形態に係るナノクラスター生成装置300は、第1実施形態のナノクラスター生成装置10の構成に加え、第1不活性ガスとしてのArガスを噴射する噴射弁70と、噴射弁70の動作を制御する噴射弁用パルス電源71を備える。これにより、Arガスをパルス状に噴射することが可能となっている。すなわち、噴射弁70はチャンバ11の外側に設置され、噴射弁用パルス電源71からパルス状に電力が供給されることにより、第1不活性ガス供給パイプ17を介して、間欠的にArガスを噴射可能である。第不活性ガス供給パイプ17の開口部から噴射されたArガスは、ターゲット131のスパッタ面近傍のアノード132の内周面の一箇所または複数個所から、ターゲット131と略並行に噴出し、所定の角度をもって広がる。なお、Arガスは、図示しない高圧ガス供給装置から噴射弁70に供給される。高圧ガス供給装置は例えば、Arガスを貯蔵するArガスタンクおよび圧力調整器、マスフローコントローラ等からなる。

【0058】
噴射弁70としては、例えば、自動車用燃料噴射弁(例えば、ディーゼルエンジン用インジェクタ)を用いることができる。弁の駆動方式による分類においては、電磁バルブや、ピエゾバルブでも良く、下記に述べる駆動を実行可能であればどのような方式の噴射弁でも用いることができる。

【0059】
次に、本実施形態に係るパルススパッタ装置300の制御システムおよび制御方法について説明する。パルススパッタ装置300の制御システムは、図16(B)に示すように、制御装置15、スパッタ源用パルス電源16、遅延発生器32、ゲート用パルス電源31、及び、噴射弁用パルス電源71により構成される。噴射弁用パルス電源71は、噴射信号発生器711、及び、噴射弁用電源本体712を有する。他の構成については第2実施形態と同様である。

【0060】
パルスジェネレータ151はパルス状のクロック信号を発生し、遅延発生器32に送る。遅延発生器32は多チャンネルディレイ装置であり、クロック信号を基準とする第1のディレイを有する第1ディレイ信号と、第1のディレイとは異なる第2のディレイを有する第2ディレイ信号と、更に異なる第3のディレイを有する第3ディレイ信号を発生する。そして、第1ディレイ信号をスパッタ源用パルス電源16に送り、第2ディレイ信号を噴射弁用パルス電源71に送り、第3ディレイ信号をゲート用パルス電源31に送る。

【0061】
スパッタ源用パルス電源16のスパッタ信号発生器161は、第1ディレイ信号を受け取るとパルス状のスパッタ信号を生成し、スパッタ源用電源本体162に送る。スパッタ源用電源本体162は、スパッタ信号がオンの間、スパッタ源13にパルス状の高電圧を印加する。
噴射弁用パルス電源71の噴射信号発生器711は、第2ディレイ信号を受け取るとパルス状の噴射信号を生成し、噴射弁用電源本体712に送る。噴射弁用電源本体712は、噴射信号に応じて、噴射弁70にパルス状の電力を供給する(例えば、噴射信号がオンの間、噴射弁70に電圧を印加する)。
以上により、噴射弁70から金属ターゲット131のスパッタ面近傍に対してArガスが供給され、スパッタ源13でパルス放電が生じることで、金属ターゲット131からスパッタ粒子が放出される。以降はゲート30の動作を含み、第2実施形態と同様である。特に、スパッタ源用パルス電源16とゲート用パルス電源31の制御については、本実施形態では2つのディレイ信号を用いているものの、実質的には図12と同様である。

【0062】
次に、図17を参照して、本実施形態の制御システムによるパルス放電制御及び不活性ガス供給制御について説明する。図17に示す例においては、時刻s1にスパッタ信号が発せられると、システム毎に異なる遅れ時間の経過後の時刻s3に、スパッタ源13においてパルス放電が発生する。
一方、時刻r1に噴射信号が発せられると、噴射弁70のアクチュエータが駆動を開始する。こうして、時刻r1から遅れ時間が経過した時刻r3において、噴射弁70の噴射孔からのArガスの噴射が開始される。
時刻r2において噴射信号がオフになると、遅れ時間の経過後の時刻r4において、Arガスの噴射が終了する。

【0063】
この一連の動作において、遅延発生器32が第1、第2ディレイ信号によりスパッタ信号の送信開始時刻s1と噴射信号の送信開始時刻r1を適切に制御し、スパッタ信号発生器161がスパッタ信号の送信終了時刻s2(あるいはスパッタ信号の継続時間)を適切に制御し、噴射信号発生器711が噴射信号の送信終了時刻r2(あるいは噴射信号の継続時間)を適切に制御することにより、パルス放電が実際に生じる期間s3~s4の全体が、Arガスが実際に噴射される期間r3~r4内に含まれるようにしている。
このようにすることで、Arガスを連続的に供給する場合と比べてその供給量を大幅に低減しつつも、Arガスが実際に利用される期間、即ち、パルス放電の発生する期間の直前から直後までの期間において、必要な量のArガスを確実に供給することができる。

【0064】
第1、第2ディレイ信号のディレイを適切に設定することにより、Arガスの噴射が実際に開始される時刻r3からパルス放電が実際に開始される時刻s3までに所定の遅れ時間を設定することが好ましい。これによって、スパッタリングに十分な量のArガスがターゲット131に対して供給されている状態でパルス放電を発生させることができる。

【0065】
また、実際のパルス放電が終了する時刻s4から実際のArガスの噴射が終了する時刻r4までには、所定の遅れ時間を設定することが好ましい。これにより、スパッタリングの完了以降までArガスの噴射を継続することができる。こうして、噴射弁70の噴射孔がスパッタ粒子(金属粒子)の堆積により閉塞されることを、噴射弁70の噴射孔から噴出し続けるArガスの流れにより抑制することができる。

【0066】
なお、Arガスの間欠的な供給により、Arガスの供給及び排出のための装置の小型化を図るという十分な効果を得るためには、噴射弁70のデューティ比(つまり、噴射弁70が実際に噴射を行っている時間の割合)を50%以下とすることが好ましい。

【0067】
本実施形態においては、第1不活性ガス供給パイプ17の先端は、第1不活性ガスをスパッタ源13のターゲット131とアノード132との間の一箇所または複数の箇所から噴射するように構成されている。ただし、このような構成に限らず、第1不活性ガスがターゲット131に向かうように第1不活性ガスを供給できる構成である限り、任意の構成を採用することができる。
また、Arガスをターゲット131に向かって噴射供給できる限り、噴射弁70はチャンバ11内部や、クラスター成長セル12内部、あるいは、スパッタ源13内部に設置されていても良い。

【0068】
(変形例)
上記各実施形態においては、スパッタ源用パルス電源16のスパッタ信号発生器161が発するスパッタ信号を、単一のパルス状信号とした(図12参照)が、これに限らず、図18の上段に示すように、スパッタ信号を、複数のマイクロパルス信号からなる信号群として発するようにしても良い。この場合、スパッタ信号発生器161を、マイクロパルス発生器により構成する方法が考えられる。その一つの例として、変調パルス電源の利用が挙げられる。各マイクロパルス信号のパルス幅は例えば約10マイクロ秒であり、これを複数、引き続いて発することにより、全体として約100マイクロ秒~3ミリ秒の期間に及ぶ信号群としてスパッタ信号を発する。そしてスパッタ源用電源本体162は、受け取ったスパッタ信号に応じて、スパッタ源13に対して電力を供給する。

【0069】
このような構成によれば、各マイクロパルス信号を制御することにより、1周期ごとの放電期間中に、供給する電力を可変とすることができる。図18の例においては、期間s1~s2においてマイクロパルス信号の周波数を比較的低くし(すなわち、マイクロパルス信号群を疎とし)、期間s2~s3のマイクロパルス信号の周波数を比較的高くしている(すなわち、マイクロパルス信号群を密としている)。これにより、スパッタ源13に供給される電力は、電力印加初期の期間s4~s5においては比較的小さな値となり、それ以降、印加終了までの期間s5~s6においては比較的大きな値となっている。これにより、放電初期において比較的弱い放電によりArに基づくプラズマが着火し、放電の後期においては、より多量のプラズマを発生させることができる。このようなプラズマ発生態様は、より安定したプラズマの発生、ひいては、より多量の金属原子を放出させるために好ましい。なお、マイクロパルス信号の周波数を可変とすることに限らず、あるいはそれに加えて、マイクロパルス信号のデューティ比を可変としても良い。また、スパッタ源用電源本体162の電圧値を変更しても良い。また、噴射信号発生器711についても、スパッタ信号発生器161と同様、マイクロパルス発生器により構成しても良い。

【0070】
上記各実施形態においては、スパッタ源13をクラスター成長セル12内に設置するものとしたが、本発明はこれに限定されない。即ち、スパッタ源13がチャンバ11内部にあり、スパッタ源13のターゲット131から弾き出された金属原子が直後にクラスター成長セル12内部へと速やかに進入できる構成となっている限り、スパッタ源13はクラスター成長セル12の外部に配置されていても良い。

【0071】
図15に示す第3実施形態で用いたグランド部材42を、クラスター成長セル12のビーム取出し口121近辺に設置されるゲート30、50に用いることで、その上流もしくは下流の電位に対する影響を回避することも可能である。

【0072】
上記各実施形態では液体窒素による冷却ジャケット14を用いた。本発明はこれに限定されず、例えば、液体ヘリウムをクラスター成長セル12内部へ導入する構成とすることによって、冷却ジャケット14を省略しても、同様のクラスター生成・成長効果を得ることができる。
上記の各実施形態において説明した制御システムの構成(図11(B)、図16(B)その他参照)は一例に過ぎず、上記した各制御と同様の制御を行い得るものであれば、どのようなシステム構成を採用しても良い。例えば、図11(B)のパルスジェネレータ151からのクロック信号が、直接、遅延発生器32に送られるような構成とすること等も可能である。
上記の各実施形態および変形例において説明した各構成や各制御方法は、可能な限り任意に組み合わせて用いることができ、そのような組み合わせも本発明に属するものである。
【符号の説明】
【0073】
10、100、200、300 ナノクラスター生成装置
11 チャンバ
12 クラスター成長セル
13 スパッタ源
14 冷却ジャケット
15 制御装置
16 スパッタ源用パルス電源
17 第1不活性ガス供給パイプ
18 第2不活性ガス供給パイプ
19 排気装置
20 イオン検出装置
21 イオンガイド
22 四重極形イオン偏向器
23 四重極質量分析計
24 イオン検出器
30 ゲート
31 ゲート用パルス電源
32 遅延発生器
40 第1ゲート
41 第1ゲート用パルス電源
42 グランド部材
50 第2ゲート
51 第2ゲート用パルス電源
60 イオン運動制御電極
61 イオン運動制御器
70 噴射弁
71 噴射弁用パルス電源
図面
【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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