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明細書 :メタルプレートレンズ

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第6041349号 (P6041349)
公開番号 特開2014-179876 (P2014-179876A)
登録日 平成28年11月18日(2016.11.18)
発行日 平成28年12月7日(2016.12.7)
公開日 平成26年9月25日(2014.9.25)
発明の名称または考案の名称 メタルプレートレンズ
国際特許分類 H01Q  15/04        (2006.01)
H01P   1/00        (2006.01)
FI H01Q 15/04
H01P 1/00 Z
請求項の数または発明の数 5
全頁数 17
出願番号 特願2013-053575 (P2013-053575)
出願日 平成25年3月15日(2013.3.15)
審査請求日 平成28年2月5日(2016.2.5)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504203572
【氏名又は名称】国立大学法人茨城大学
発明者または考案者 【氏名】鈴木 健仁
個別代理人の代理人 【識別番号】100102635、【弁理士】、【氏名又は名称】浅見 保男
【識別番号】100103735、【弁理士】、【氏名又は名称】鈴木 隆盛
審査官 【審査官】米倉 秀明
参考文献・文献 特開昭62-002954(JP,A)
特開2006-074551(JP,A)
特開2010-213021(JP,A)
調査した分野 H01Q 15/04
H01P 1/00
特許請求の範囲 【請求項1】
中心軸である光軸をz軸とし、z軸に直交する軸をx軸およびy軸とした際に、x-z面に平行であってy軸に沿って所定間隔とされた複数枚の面のそれぞれに、金属製の平板が相互に重なるように配置されているメタルプレートレンズであって、
重なるように配置されている前記平板の内の最も上に配置されている最上部平板と最も下に配置されている最下部平板とを除く複数の前記平板には所定の大きさの複数の貫通穴が形成されており、前記平板の内の中央部に配置されている中央部平板には第1の大きさの前記貫通穴が形成されており、前記中央部平板と前記最上部平板との間、および、前記中央部平板と前記最下部平板との間に配置されている中間部平板には、前記第1の大きさより小さい第2の大きさの前記貫通穴が形成されており、前記中央部平板と前記最上部平板との間、および、前記中央部平板と前記最下部平板との間に複数の前記中間部平板が配置されている場合は、前記中央部平板に近い配置位置の前記中間部平板に形成されている前記貫通穴の前記第2の大きさより、前記中央部平板に遠い配置位置の前記中間部平板に形成されている前記貫通穴の前記第2の大きさが小さくされていることを特徴とするメタルプレートレンズ。
【請求項2】
前記中央部平板においては、前記中央部平板の中央の中央領域に前記第1の大きさの前記貫通穴が複数列形成されており、該中央領域より両側部に向かって複数の側部領域が形成されており、両側部に近くなる前記側部領域ほど前記第1の大きさより小さくされた第3の大きさの前記貫通穴が複数列形成されていることを特徴とする請求項1記載のメタルプレートレンズ。
【請求項3】
前記中央部平板に近く配置された前記中間部平板においては、前記中間部平板の中央の中央領域に前記第2の大きさの前記貫通穴が縦横に配列されて形成されており、該中央領域より両側部に向かって複数の側部領域が形成されており、両側部に近くなる前記側部領域ほど前記第2の大きさより小さくされた第4の大きさの前記貫通穴が複数列形成されていることを特徴とする請求項1または2記載のメタルプレートレンズ。
【請求項4】
前記貫通穴の寸法を調整することにより、屈折率を制御するようにしたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のメタルプレートレンズ。
【請求項5】
重なるように配置されている複数の前記平板の間の間隔を調整することにより、屈折率を制御するようにしたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のメタルプレートレンズ。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
この発明は、テラヘルツ波などの電磁波を集束することのできるメタルプレートレンズに関する。
【背景技術】
【0002】
テラヘルツ電磁波は周波数が0.1~10THz(波長が30μm~3000μm)の電磁波とされており、波長が遠赤外~ミリ波領域とほぼ一致する。テラヘルツ電磁波は、「光」と「ミリ波」に挟まれた周波数領域に存在しているため、光と同様に高い空間分解能でものを見分ける能力と、ミリ波と同様の物質を透過する能力を併せ持っている。テラヘルツ波帯はこれまで未開拓電磁波であったが、この周波数帯の電磁波の特徴を生かした時間領域分光、イメージング及びトモグラフィーによる材料のキャラクタリゼーションへの応用などが検討されてきている。テラヘルツ電磁波を用いると、物質透過性と直進性を兼ね備えるためX線に替わる安全かつ革新的なイメージングが可能になったり、数100Gbps級の超高速無線通信を可能とすることができる。
【0003】
ところで、誘電率・透磁率がともに負の媒質に光が入射すると、負の屈折が起こることがベセラゴにより示され、誘電率および透磁率が負になる人工的な構造が提案された。この誘電率および透磁率が負になる人工的な構造は、原子より十分大きく光波長のスケールより小さい人工構造であり、メタマテリアルといわれている。負の屈折をするメタマテリアルを用いると、平面構造した完全レンズを作成することができる。従来のレンズは、光の波長より小さなものを観察することができない回折限界があるが、完全レンズでは、回折限界を超えた微細なものまで観察することが可能である。
【0004】
メタマテリアルの一例としては、逆の位置にカットを持つ大小二つのリングを組合せた負の透磁率を示す分割リング共振器と、負の誘電率を示す金属ワイヤーとからなる単位セルをマトリクス状に並べたメタマテリアルが知られている(特許文献1参照)。この単位セルを、勾配屈折率を有するように1つの軸に沿って配置するようにして負の屈折率を実現することにより、レンズなどに適用することができる。
【先行技術文献】
【0005】

【特許文献1】特開2011-254482号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の負の屈折率を実現できる単位セルを、テラヘルツ波などの波長が短い領域に適用しようとすれば、単位セルの寸法をテラヘルツ波の自由空間における波長の約1/6以下のμmオーダーの微小なサイズとする必要があり、単位セルを作成することが非常に困難となる。
そこで、本発明は、負の屈折率を実現する構造を採用することなくテラヘルツ波などの波長が短い領域においても容易に作成することのできる構造とされたメタルプレートレンズを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明のメタルプレートレンズは、中心軸である光軸をz軸とし、z軸に直交する軸をx軸およびy軸とした際に、x-z面に平行であってy軸に沿って所定間隔とされた複数枚の面のそれぞれに、金属製の平板が相互に重なるように配置されているメタルプレートレンズであって、重なるように配置されている前記平板の内の最も上に配置されている最上部平板と最も下に配置されている最下部平板とを除く複数の前記平板には所定の大きさの複数の貫通穴が形成されており、前記平板の内の中央部に配置されている中央部平板には第1の大きさの前記貫通穴が形成されており、前記中央部平板と前記最上部平板との間、および、前記中央部平板と前記最下部平板との間に配置されている中間部平板には、前記第1の大きさより小さい第2の大きさの前記貫通穴が形成されており、前記中央部平板と前記最上部平板との間、および、前記中央部平板と前記最下部平板との間に複数の前記中間部平板が配置されている場合は、前記中央部平板に近い配置位置の前記中間部平板に形成されている前記貫通穴の前記第2の大きさより、前記中央部平板に遠い配置位置の前記中間部平板に形成されている前記貫通穴の前記第2の大きさが小さくされていることを最も主要な特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明のメタルプレートレンズは、金属製の平板が相互に重なるように配置されているメタルプレートレンズであって、中央部平板と中間部平板とに所定の大きさの貫通穴が形成されており、貫通穴の大きさは、中間部平板より中央部平板の大きさが大きくされている。そして、自由空間を伝播する電磁波の波長より、金属製の平板間を伝播する電磁波の波長が長くなることから、貫通穴が形成されている平板間を伝播する電磁波の波長は、貫通穴が形成されていない平板間を伝播する電磁波の波長より短くなり、貫通穴の大きさが大きくなるほど波長が短くなる度合いが大きくなる。従って、中央部平板を利用して伝播する電磁波の波長は、中間部平板を利用して伝播する電磁波の波長より短くなり、中間部平板を利用して伝播する電磁波の波長は、貫通穴の形成されていない最上部平板および最下部平板を利用して伝播する電磁波の波長より短くなる。上記のように貫通穴を形成した金属製の平板を重ねることでレンズとして作用するようになり、本発明のメタルプレートレンズは、負の屈折率を実現する構造を採用することなくテラヘルツ波などの波長が短い領域に適用しても容易に作成することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施例のメタルプレートレンズの構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施例のメタルプレートレンズの寸法の一例を示す図表である。
【図3】本発明の実施例のメタルプレートレンズにかかる平板の構成を示す平面図である。
【図4】本発明の実施例のメタルプレートレンズにかかる他の平板の構成を示す平面図である。
【図5】本発明にかかるメタルプレートレンズの基準モデルのパラメータおよび各貫通穴の寸法の一例を示す図表である。
【図6】本発明にかかるメタルプレートレンズの基準モデルの解析結果を示す図である。
【図7】本発明にかかるメタルプレートレンズの基準モデルの光軸上の電界強度分布を示す図である。
【図8】本発明にかかるメタルプレートレンズの基準モデルの焦点位置でのx方向およびy方向の電界強度分布を示す図である。
【図9】本発明にかかるメタルプレートレンズのモデル1のパラメータおよび各貫通穴の寸法の一例を示す図表である。
【図10】本発明にかかるメタルプレートレンズのモデル1の解析結果を示す図である。
【図11】本発明にかかるメタルプレートレンズのモデル1の光軸上の電界強度分布、モデル1の焦点位置でのx方向およびy方向の電界強度分布を示す図である。
【図12】本発明にかかるメタルプレートレンズのモデル2のパラメータおよび各貫通穴の寸法の一例を示す図表である。
【図13】本発明にかかるメタルプレートレンズのモデル2の解析結果を示す図である。
【図14】本発明にかかるメタルプレートレンズのモデル2の光軸上の電界強度分布、モデル1の焦点位置でのx方向およびy方向の電界強度分布を示す図である。
【図15】本発明にかかるメタルプレートレンズのモデル3のパラメータの寸法の一例を示す図表である。
【図16】本発明にかかるメタルプレートレンズのモデル3の解析結果を示す図である。
【図17】本発明にかかるメタルプレートレンズのモデル3の光軸上の電界強度分布を示す図である。
【図18】本発明にかかるメタルプレートレンズのモデル4のパラメータの寸法の一例を示す図表である。
【図19】本発明にかかるメタルプレートレンズのモデル4の解析結果を示す図である。
【図20】本発明にかかるメタルプレートレンズのモデル4の光軸上の電界強度分布を示す図である。
【図21】本発明の実施例のメタルプレートレンズの原理を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施例のメタルプレートレンズの構成を示す斜視図を図1に示す。
図1に示す本発明の実施例のメタルプレートレンズ1は、中心軸である光軸をz軸とし、z軸に直交する軸をx軸およびy軸とした際に、x-z面に平行な複数枚の面のそれぞれに、10a、10b、11a、11b、12a、12b、13a、13b、14a、14b、15a、15bの12枚の金属製の平板が所定間隔をもって平行に重なるように配置されて構成されている。最上部に配置された最上部平板10aと、最下部に配置された最下部平板10bには貫通穴が形成されていないが、中央部に配置された2枚の中央部平板15a,15bと、最上部平板10aと中央部平板15aの間に配置された4枚の中間部平板11a,12a,13a,14a、および、最下部平板10bと中央部平板15bとの間に配置された4枚の中間部平板11b,12b,13b,14bには、それぞれ所定の径の貫通穴が形成されている。

【0011】
本発明にかかるメタルプレートレンズ1において、横幅がwとされ、光軸(z軸)方向の長さがl(小文字のエル)とされ、高さがhとされている。メタルプレートレンズ1の中央には中央部平板15aと中央部平板15bとが間隔d1で配置され、その両側には第4の中間部平板14a,14bが間隔d2でそれぞれ配置されている。また、第4の中間部平板14a,14bの両側に第3の中間部平板13a、13bが間隔d3でそれぞれ配置され、第3の中間部平板13a、13bの両側に第2の中間部平板12a、12bが間隔d4でそれぞれ配置され、第2の中間部平板12a、12bの両側に第1の中間部平板11a,11bが間隔d5でそれぞれ配置されている。そして、第1の中間部平板11a,11bの両側に最上部平板10aと最下部平板10bとが間隔d6でそれぞれ配置されている。各平板10a~15bの厚さは一様であって、tとされている。

【0012】
本発明にかかるメタルプレートレンズ1の設計周波数を0.5THzとした際の寸法の一例を図2に示す。なお、設計周波数の波長をλとして表している
図2に示すように、本発明にかかるメタルプレートレンズ1の光軸(z軸)方向の各平板10a~15bの長さlは約2.1mm(約3.5λ)、x軸方向の各平板10a~15bの横幅wは約4.2mm(約7.0λ)、メタルプレートレンズ1のy軸方向の高さhは約3.77mm(約6.3λ)、各平板10a~15b間の間隔d1~d6は一様の間隔dとされ約0.310mm(約0.52λ)、各平板10a~15bの厚さtは約0.030mm(約0.050λ)とされている。

【0013】
本発明にかかるメタルプレートレンズを構成する各平板の構成を図3および図4に示す。図3(a)は最上部平板10aおよび最下部平板10bの構成を示す平面図であり、図3(b)は第1の中間部平板11a,11bの構成を示す平面図であり、図3(c)は第2の中間部平板12a,12bの構成を示す平面図であり、図4(a)は第3の中間部平板13a,13bの構成を示す平面図であり、図4(b)は第4の中間部平板14a,14bの構成を示す平面図であり、図4(c)は中央部平板15a,15bの構成を示す平面図である。
図3(a)に示すように、最上部平板10aおよび最下部平板10bは、金属製とされた横長の矩形状の平板から構成されており、貫通穴は形成されていない。
図3(b)に示すように、第1の中間部平板11a,11bは、最上部平板10aおよび最下部平板10bの内側に隣接して配置されると共に、同形状の金属製とされた横長の矩形状の平板から構成されており、所定の径とされた半径r1の貫通穴11が全面に所定間隔毎に形成されている。貫通穴11は縦横に形成されているが、貫通穴11が形成される間隔はsとされている。
図3(c)に示すように、第2の中間部平板12a,12bは、第1の中間部平板11a,11bの内側に隣接して配置されると共に、同形状の金属製とされた横長の矩形状の平板から構成されており、半径r1の貫通穴11が両脇の領域g1に所定間隔毎に3列形成されており、貫通穴11が形成されている2つの領域g1で挟まれた中央部の領域g2には半径r1より大きい径の半径r2とされた貫通穴12が縦横に所定間隔毎に形成されている。貫通穴11,12が形成される間隔はsとされている。

【0014】
図4(a)に示すように、第3の中間部平板13a,13bは、第2の中間部平板12a,12bの内側に隣接して配置されると共に、同形状の金属製とされた横長の矩形状の平板から構成されており、半径r1の貫通穴11が両脇の領域g1に所定間隔毎に3列形成されており、貫通穴11が形成されている領域g1に隣接する中央側の2つの領域g3に、半径r1より大きい径の半径r2とされた貫通穴12が所定間隔毎に3列形成されている。さらに、貫通穴12が形成されている2つの領域g3で挟まれた中央部の領域g4には、半径r2より大きい径の半径r3とされた貫通穴13が所定間隔毎に縦横に形成されている。貫通穴11,12,13が形成される間隔はsとされている。
図4(b)に示すように、第4の中間部平板14a,14bは、第3の中間部平板13a,13bの内側に隣接して配置されると共に、同形状の金属製とされた横長の矩形状の平板から構成されており、半径r1の貫通穴11が両脇の領域g1に所定間隔毎に3列形成されており、貫通穴11が形成されている領域g1に隣接する中央側の2つの領域g3に、半径r1より大きい径の半径r2とされた貫通穴12が所定間隔毎に3列形成されている。さらに、貫通穴12が形成されている領域g3に隣接する中央側の2つの領域g5に、半径r2より大きい径の半径r3とされた貫通穴13が所定間隔毎に2列形成されており、貫通穴13が形成されている2つの領域g5で挟まれた中央部の領域g6には、半径r3より大きい径の半径r4とされた貫通穴14が所定間隔毎に8列形成されている。貫通穴11,12,13,14が形成される間隔はsとされている。
図4(c)に示すように、2枚の中央部平板15a,15bは、第4の中間部平板14a,14bの間に配置されると共に、同形状の金属製とされた横長の矩形状の平板から構成されており、半径r1の貫通穴11が両脇の領域g1に所定間隔毎に3列形成されており、貫通穴11が形成されている領域g1に隣接する中央側の2つの領域g3に、半径r1より大きい径の半径r2とされた貫通穴12が所定間隔毎に3列形成されている。さらに、貫通穴12が形成されている領域g3に隣接する中央側の2つの領域g5に、半径r2より大きい径の半径r3とされた貫通穴13が所定間隔毎に2列形成されており、貫通穴13が形成されている領域g5に隣接する中央側の2つの領域g7に、半径r3より大きい径の半径r4とされた貫通穴14が所定間隔毎に2列形成されている。そして、貫通穴14が形成されている領域g7に挟まれた中央部の領域g8には、半径r4より大きい径の半径r5とされた貫通穴15が所定間隔毎に4列配列されて形成されている。貫通穴11,12,13,14,15が形成される間隔はsとされている。

【0015】
次に、本発明にかかるメタルプレートレンズ1の基準モデルのパラメータの寸法を図5(a)に、各平板10a~15bに形成されている貫通穴11~15の半径r1~r5の寸法を図5(b)に示す。図5(a)(b)においては設計周波数fが0.5THzとされ、設計周波数fの自由空間の波長λは600μmとされている。
本発明にかかる基準モデルのメタルプレートレンズ1の光軸(z軸)方向の各平板10a~15bの長さlは約2.1mm(約3.5λ)とされ、x軸方向の各平板10a~15bの横幅wは約4.2mm(約7.0λ)とされ、図5(a)に示すように、メタルプレートレンズ1のy軸方向の高さhは約3.77mm(約6.3λ)とされ、各平板10a~15b間の間隔d1~d6は一様の間隔dとされ約0.310mm(約0.52λ)とされ、各平板10a~15bの厚さtは約30μm(約0.05λ)とされている。また、各平板11a~15bに形成されている貫通穴11の半径r1は約5.0μm(約0.0083λ)とされ、各平板12a~15bに形成されている貫通穴12の半径r2は約40μm(約0.067λ)とされ、各平板13a~15bに形成されている貫通穴13の半径r3は約65μm(約0.11λ)とされ、各平板14a~15bに形成されている貫通穴14の半径r4は約80μm(約0.13λ)とされ、中央部平板15a,15bに形成されている貫通穴15の半径r5は約85μm(約0.14λ)とされている。また、貫通穴11~15を形成するx方向とz方向の間隔sを約0.175mm(約0.29λ)としている。

【0016】
図5(a)(b)に示す寸法とされた本発明にかかるメタルプレートレンズ1の解析結果を図6に示し、光軸上の電界強度分布を図7に示す。
これらの図に示すように、本発明にかかるメタルプレートレンズ1に入射する入射波は、電界成分Eがx軸方向、磁界成分Hがy軸方向とされたz軸方向に伝播するTEモードの入射波とされ、その周波数は0.5THzとされている。この場合、平板10a~15bにおける隣接する2枚の平板によりウェーブガイドが形成され、各平板間の間隔dは約0.310mm(約0.52λ)とされていることから、ウェーブガイドの遮断周波数は0.5THzより低い約0.48THzとなって、0.5THzの入射波は伝搬可能とされている。図6,図7を参照すると、基準モデルのメタルプレートレンズ1では、電界強度の極大値がメタルプレートレンズ1の後端から、約0.55mm(約0.92λ)の位置になり、集光位置での電界強度は入射波の約3.7倍となっている。

【0017】
このように、基準モデルのメタルプレートレンズ1では、中央の光軸(z軸)上でメタルプレートレンズ1の後端から約0.55mm(0.92λ)の位置が3次元的に集光する焦点となっていることが分かる。
また、この焦点位置でのx方向の電界強度分布を図8(a)に、この焦点位置でのy方向の電界強度分布を図8(b)に示す。これらの図を参照すると、上記焦点位置において3次元的に入射波が集光していることを理解することができる。このように、基準モデルのメタルプレートレンズ1はレンズとして作用していることが分かる。

【0018】
ここで、本発明にかかるメタルプレートレンズ1において入射波が集束される原理を図21を参照して説明する。所定の径の貫通穴21が形成された金属製とされた2枚の矩形状の平板20a,20bを対向するよう配置した構成が図21(a)に示されており、貫通穴の形成されていない金属製とされた2枚の矩形状の平板30a,30bを対向するよう配置した構成が図21(b)に示されている。
図21(b)に示す2枚の矩形状の平板30a,30bによりウェーブガイドが形成されており、このウェーブガイドに電界成分Eがx軸方向、磁界成分Hがy軸方向とされたz軸方向に伝播する波長λoの入射波が入射されると、平板30a,30bからなるウェーブガイドを伝搬する入射波の波長は波長λgとなる。この場合、λo<λgとなりウェーブガイド内においては波長が長くなる。また、図21(a)に示す所定の径の貫通穴21が縦横に配列されて形成された2枚の矩形状の平板20a,20bによりウェーブガイドが形成されており、このウェーブガイドに電界成分Eがx軸方向、磁界成分Hがy軸方向とされたz軸方向に伝播する波長λoの入射波が入射されると、平板20a,20bからなるウェーブガイドを伝搬する入射波の波長は波長λaとなる。この場合、貫通穴21が設けられていることからλo<λaとなりウェーブガイド内においては波長が長くなる。しかし、貫通穴21が形成されていることから波長が長くなる割合が少なくなり、λa<λgとなって、λo<λa<λgとなる。

【0019】
本発明にかかるメタルプレートレンズ1において、2枚の中央部平板15a,15bには、中央部に最大径の半径r5の貫通穴15が形成されており、その両側に2番目に径が大きい半径r4の貫通穴14が形成され、その両側に3番目に径が大きい半径r3の貫通穴13が形成され、その両側に4番目に径が大きい半径r2の貫通穴12が形成され、その両側に一番径が小さい半径r1の貫通穴11が形成されている。また、中央部平板15a,15bの上下に隣接する第4の中間部平板14a,14bには、中央部に2番目に径が大きい半径r4の貫通穴14が形成され、その両側に3番目に径が大きい半径r3の貫通穴13が形成され、その両側に4番目に径が大きい半径r2の貫通穴12が形成され、その両側に一番径が小さい半径r1の貫通穴11が形成されている。さらに、第4の中間部平板14a,14bの上下に隣接する第3の中間部平板13a,13bには、中央部に3番目に径が大きい半径r3の貫通穴13が形成され、その両側に4番目に径が大きい半径r2の貫通穴12が形成され、その両側に一番径が小さい半径r1の貫通穴11が形成されている。さらに、第3の中間部平板13a,13bの上下に隣接する第2の中間部平板12a,12bには、中央部の大きい領域に3番目に径が大きい半径r3の貫通穴13が形成され、その両側に4番目に径が大きい半径r2の貫通穴12が形成され、その両側に一番径が小さい半径r1の貫通穴11が形成されている。さらにまた、第2の中間部平板12a,12bの上下に隣接する第1の中間部平板11a,11bには、中央部の広い領域に4番目に径が大きい半径r2の貫通穴12が形成され、その両側に一番径が小さい半径r1の貫通穴11が形成されている。さらにまた、第1の中間部平板11a,11bの上下に隣接する最上部平板10aと最下部平板10bには、貫通穴は形成されていない。

【0020】
そして、隣接する各平板によりそれぞれウェーブガイドが形成されることから、本発明にかかるメタルプレートレンズ1においては、中央部平板15a,15bの中央部には大きな径の貫通穴が形成されていることから、中央部を伝搬している入射波の波長は自由空間波長に近い波長となり、中央部から上下左右方向に遠ざかるにつれて平板に形成されている貫通穴の径が次第に小さくなっていくことから、中央部から上下左右方向に遠ざかるにつれて伝搬する入射波の波長は次第に自由空間波長より長くなっていくようになる。これにより、入射波が集束されてレンズとして作用するようになる。

【0021】
次に、基準モデルのメタルプレートレンズ1において、貫通穴11~13の半径r1~r3の寸法を変更したモデル1のメタルプレートレンズ1について説明する。本発明にかかるメタルプレートレンズ1のモデル1のパラメータの寸法を図9(a)に、各平板10a~15bに形成されている貫通穴11~15の半径r1~r5の寸法を図9(b)に示す。図9(a)(b)においては設計周波数fが0.5THzとされ、設計周波数fの自由空間の波長λは600μmとされている。
本発明にかかるモデル1のメタルプレートレンズ1の光軸(z軸)方向の各平板10a~15bの長さlは約2.1mm(約3.5λ)とされ、x軸方向の各平板10a~15bの横幅wは約4.2mm(約7.0λ)とされ、図9(a)に示すように、メタルプレートレンズ1のy軸方向の高さhは約3.77mm(約6.3λ)とされ、各平板10a~15b間の間隔d1~d6は一様の間隔dとされ約0.310mm(約0.52λ)とされ、各平板10a~15bの厚さtは約30μm(約0.05λ)とされている。また、各平板11a~15bに形成されている貫通穴11の半径r1は約15μm(約0.025λ)とされ、各平板12a~15bに形成されている貫通穴12の半径r2は約50μm(約0.083λ)とされ、各平板13a~15bに形成されている貫通穴13の半径r3は約70μm(約0.12λ)とされ、各平板14a~15bに形成されている貫通穴14の半径r4は約80μm(約0.13λ)とされ、中央部平板15a,15bに形成されている貫通穴15の半径r5は約85μm(約0.14λ)とされている。また、貫通穴11~15を形成するx方向とz方向の間隔sを約0.175mm(約0.29λ)としている。

【0022】
図9(a)(b)に示す寸法とされた本発明にかかるモデル1のメタルプレートレンズ1の解析結果を図10に示し、その光軸上の電界強度分布を図11(a)に示す。
これらの図に示すように、本発明にかかるモデル1のメタルプレートレンズ1に入射する入射波は、電界成分Eがx軸方向、磁界成分Hがy軸方向とされたz軸方向に伝播するTEモードの入射波とされ、その周波数は0.5THzとされている。この場合、平板10a~15bにおける隣接する2枚の平板によりウェーブガイドが形成され、各平板間の間隔dは約0.310mm(約0.52λ)とされていることから、ウェーブガイドの遮断周波数は0.5THzより低い約0.48THzとなって、0.5THzの入射波は伝搬可能とされている。図10,図11(a)を参照すると、モデル1のメタルプレートレンズ1では、電界強度の極大値がメタルプレートレンズ1の後端から、約0.86mm(約1.4λ)の位置になり、集光位置での電界強度は入射波の約4.0倍となっている。

【0023】
このように、モデル1のメタルプレートレンズ1では、貫通穴11~13の半径r1~r3を図9(b)に示すように変更したことにより、中央の光軸(z軸)上でメタルプレートレンズ1の後端から約0.31mm遠くなって約0.86mm(約1.4λ)の位置が3次元的に集光する焦点となって、入射波に対する電界強度は4.0倍に向上していることが分かる。
また、この焦点位置でのx方向の電界強度分布を図11(b)に、この焦点位置でのy方向の電界強度分布を図11(c)に示す。これらの図を参照すると、上記焦点位置において3次元的に入射波が集光していることを理解することができる。このように、モデル1のメタルプレートレンズ1はレンズとして作用していることが分かる。

【0024】
次に、基準モデルのメタルプレートレンズ1において、中央部平板15a,15bを省略して第1の中間部平板11a、11bないし第4の中間部平板14a,14bと最上部平板10a、最下部平板10bとの10枚の平板でメタルプレートレンズ1を構成すると共に、貫通穴11~14の半径r1~r4の寸法を変更したモデル2のメタルプレートレンズ1について説明する。本発明にかかるメタルプレートレンズ1のモデル2のパラメータの寸法を図12(a)に、各平板10a~14bに形成されている貫通穴11~14の半径r1~r4の寸法を図12(b)に示す。図12(a)(b)においては設計周波数fが0.5THzとされ、設計周波数fの自由空間の波長λは600μmとされている。
本発明にかかるモデル2のメタルプレートレンズ1の光軸(z軸)方向の各平板10a~14bの長さlは約2.1mm(約3.5λ)とされ、x軸方向の各平板10a~14bの横幅wは約4.2mm(約7.0λ)とされ、図12(a)に示すように、メタルプレートレンズ1のy軸方向の高さhは約3.09mm(約5.15λ)とされ、各平板10a~14b間の間隔d2~d6は一様の間隔dとされ約0.310mm(約0.52λ)とされ、各平板10a~14bの厚さtは約30μm(約0.05λ)とされている。また、各平板11a~14bに形成されている貫通穴11の半径r1は約25μm(約0.042λ)とされ、各平板12a~14bに形成されている貫通穴12の半径r2は約55μm(約0.092λ)とされ、各平板13a~14bに形成されている貫通穴13の半径r3は約75μm(約0.13λ)とされ、第4の中間部平板14a,14bに形成されている貫通穴14の半径r4は約85μm(約0.14λ)とされている。また、貫通穴11~14を形成するx方向とz方向の間隔sを約0.175mm(約0.29λ)としている。

【0025】
図12(a)(b)に示す寸法とされた本発明にかかるモデル2のメタルプレートレンズ1の解析結果を図13に示し、光軸上の電界強度分布を図14(a)に示す。
これらの図に示すように、本発明にかかるモデル2のメタルプレートレンズ1に入射する入射波は、電界成分Eがx軸方向、磁界成分Hがy軸方向とされたz軸方向に伝播するTEモードの入射波とされ、その周波数は0.5THzとされている。この場合、平板10a~14bにおける隣接する2枚の平板によりウェーブガイドが形成され、各平板間の間隔dは約0.310mm(約0.52λ)とされていることから、ウェーブガイドの遮断周波数は0.5THzより低い約0.48THzとなって、0.5THzの入射波は伝搬可能とされている。図13,図14(a)を参照すると、モデル2のメタルプレートレンズ1では、電界強度の極大値がメタルプレートレンズ1の後端から、約0.19mm(約0.32λ)の位置になり、集光位置での電界強度は入射波の約4.4倍となっている。

【0026】
このように、モデル2のメタルプレートレンズ1では、中央部平板15a,15bを省略して平板の数を10枚とすると共に、貫通穴11~14の半径r1~r4の寸法を変更したことにより、中央の光軸(z軸)上でメタルプレートレンズ1の後端から約0.36mm(約0.60λ)近くなって約0.19mm(約0.32λ)の位置が3次元的に集光する焦点となって、入射波に対する電界強度は4.4倍に向上していることが分かる。
また、この焦点位置でのx方向の電界強度分布を図14(b)に、この焦点位置でのy方向の電界強度分布を図14(c)に示す。これらの図を参照すると、上記焦点位置において3次元的に入射波が集光していることを理解することができる。このように、モデル2のメタルプレートレンズ1はレンズとして作用していることが分かる。

【0027】
上記した本発明にかかる基準モデル、モデル1、モデル2のメタルプレートレンズ1では、どのモデルも3次元的に集光していることが分かる。従って、図1に示すメタルプレートレンズ1の構造を用いることによりレンズとして集光効果を得ることが可能である。また、図7、図11(a)、図14(a)に示す光軸上の電界強度分布を対比すると、モデル1では基準モデルに比べて焦点距離が遠くなっていることから、屈折率は1に近づいていることが分かる。モデル2に関しては、約0.19mm(約0.32λ)の位置で焦点を結んでいるので、屈折率が0に近いと考えられる。この結果より、本発明にかかるメタルプレートレンズ1では、平板11a~15bに形成されている貫通穴11~15の半径r1~r5を変更することによりメタルプレートレンズ1の屈折率を制御することが可能であることが分かる。

【0028】
次に、基準モデルのメタルプレートレンズ1において、平板10a~15bにおける間隔dの寸法を変更したモデル3のメタルプレートレンズ1について説明する。本発明にかかるメタルプレートレンズ1のモデル3のパラメータの寸法を図15に示す。図15においては設計周波数fが0.5THzとされ、設計周波数fの自由空間の波長λは600μmとされている。なお、各平板10a~15bに形成されている貫通穴11~15の半径r1~r5の寸法は基準モデルのメタルプレートレンズ1と同様とされている。
本発明にかかるモデル3のメタルプレートレンズ1の光軸(z軸)方向の各平板10a~15bの長さlは約2.1mm(約3.5λ)とされ、x軸方向の各平板10a~15bの横幅wは約4.2mm(約7.0λ)とされ、図15に示すように、メタルプレートレンズ1のy軸方向の高さhは約4.21mm(約7.02λ)とされ、各平板10a~15b間の間隔d1~d6は一様の間隔dとされ約0.350mm(約0.58λ)とされ、各平板10a~15bの厚さtは約30μm(約0.05λ)とされている。また、貫通穴11~15を形成するx方向とz方向の間隔sを約0.175mm(約0.29λ)としている。

【0029】
図15に示す寸法とされた本発明にかかるモデル3のメタルプレートレンズ1の解析結果を図16に示し、その光軸上の電界強度分布を図17に示す。
これらの図に示すように、本発明にかかるモデル3のメタルプレートレンズ1に入射する入射波は、電界成分Eがx軸方向、磁界成分Hがy軸方向とされたz軸方向に伝播するTEモードの入射波とされ、その周波数は0.5THzとされている。この場合、平板10a~15bにおける隣接する2枚の平板によりウェーブガイドが形成され、各平板間の間隔dは約0.310mm(約0.52λ)とされていることから、ウェーブガイドの遮断周波数は0.5THzより低い約0.48THzとなって、0.5THzの入射波は伝搬可能とされている。図16,図17を参照すると、モデル3のメタルプレートレンズ1では、電界強度の極大値がメタルプレートレンズ1の後端から、約1.54mm(約2.6λ)の位置になり、集光位置での電界強度は入射波の約3.7倍となっている。

【0030】
モデル3のメタルプレートレンズ1では、基準モデルのメタルプレートレンズ1と比べて集光位置は約0.99mm(約1.7λ)だけ遠くなるが、電界強度はほぼ同じである。従って、平板10a~15bにおける間隔dの寸法を大きくすると、焦点距離が遠ざかるようになることから、屈折率が1に近づいていると考えられ、平板10a~15bにおける間隔dを変更することによっても屈折率を変化させることができる。
なお、図7と図17に示す光軸上の電界強度分布を対比すると、電界強度は同程度になるが、モデル3では焦点距離が遠くなっていることが確認できる。これは、貫通穴が形成されていない平板では、平板間の間隔が大きいほど屈折率が1に近づくので、その特性がモデル3のメタルプレートレンズ1にも影響していると考えられる。このように、本発明にかかるメタルプレートレンズ1は、各平板10a~15bの間隔dの変更によっても屈折率の制御が可能となる。

【0031】
次に、基準モデルのメタルプレートレンズ1において、平板10a~15bにおける間隔d1~d6の寸法を変更したモデル4のメタルプレートレンズ1について説明する。本発明にかかるメタルプレートレンズ1のモデル4のパラメータの寸法を図18に示す。図18においては設計周波数fが0.5THzとされ、設計周波数fの自由空間の波長λは600μmとされている。なお、各平板10a~15bに形成されている貫通穴11~15の半径r1~r5の寸法は基準モデルのメタルプレートレンズ1と同様とされている。
本発明にかかるモデル4のメタルプレートレンズ1の光軸(z軸)方向の各平板10a~15bの長さlは約2.1mm(約3.5λ)とされ、x軸方向の各平板10a~15bの横幅wは約4.2mm(約7.0λ)とされている。そして、図18に示すように、メタルプレートレンズ1のy軸方向の高さhは約4.02mm(約6.7λ)とされ、中央部平板15aと中央部平板15bとの間隔d1が約0.36mm(約0.60λ)とされ、中央部平板15a,15bと第4の中間部平板14a,14bとの間隔d2が約0.35mm(約0.58λ)とされ、第4の中間部平板14a,14dと第3の中間部平板13a、13bとの間隔d3が約0.34mm(約0.57λ)とされ、第3の中間部平板13a、13bと第2の中間部平板12a、12bとの間隔d4が約0.33mm(約0.55λ)とされ、第2の中間部平板12a、12bと第1の中間部平板11a,11bとの間隔d5が約0.32mm(約0.53λ)とされ、第1の中間部平板11a,11bと最上部平板10aあるいは最下部平板10bとの間隔d6が約0.31mm(約0.52λ)とされている。各平板10a~15bの厚さtは約30μm(約0.05λ)とされている。また、貫通穴11~15を形成するx方向とz方向の間隔sを約0.175mm(約0.29λ)としている。

【0032】
図18に示す寸法とされた本発明にかかるモデル4のメタルプレートレンズ1の解析結果を図19に示し、その光軸上の電界強度分布を図20に示す。
これらの図に示すように、本発明にかかるモデル4のメタルプレートレンズ1に入射する入射波は、電界成分Eがx軸方向、磁界成分Hがy軸方向とされたz軸方向に伝播するTEモードの入射波とされ、その周波数は0.5THzとされている。この場合、平板10a~15bにおける隣接する2枚の平板によりウェーブガイドが形成され、各平板間の間隔dは約0.310mm(約0.52λ)以上とされていることから、ウェーブガイドの遮断周波数は0.5THzより低い約0.48THz以下となって、0.5THzの入射波は伝搬可能とされている。図19,図20を参照すると、モデル4のメタルプレートレンズ1では、電界強度の極大値がメタルプレートレンズ1の後端から、約1.02mm(約1.7λ)の位置になり、集光位置での電界強度は入射波の約6.2倍となっている。

【0033】
本発明にかかるモデル4のメタルプレートレンズ1では、中央部の平板間の間隔を大きくし、上下にいくほど間隔を小さくしている。このように、各平板10a~15bの間隔を各層で変更させることにより、メタルプレートレンズ1の中央部と最上部あるいは最下部を通過する電磁波の間で位相差が大きくなるため、焦点位置で基準モデルより高い電界強度を得ることができるようになる。
なお、図6,図10,図13,図16,図19に示すメタルプレートレンズ1の解析は、凹レンズと同様にANSYS社のHFSSを用いて行った。また、解析方法は凹レンズ同様、イメージの原理を利用することにより解析容量が少ない1/4モデルで解析を行っている。
【産業上の利用可能性】
【0034】
以上説明した本発明にかかるメタルプレートレンズは、負の屈折率を実現する構造を採用することなくテラヘルツ波などの波長が短い領域に適用することができるが、テラヘルツ波への適用に限られるものではなく、他の周波数帯のレンズにも適用することができる。適用する際には、上記したλ(波長)で表した電気長の寸法に合うように、各部の物理的寸法を適用する周波数帯の中心波長に合わせて変更すればよい。
以上説明した本発明にかかるメタルプレートレンズを作成する際には、各平板の間に必要な間隔の厚みを有するなるべく1に近い低比誘電率の誘電体を挟んだり、誘電体の表面に金属層を形成することで各平板を誘電体による支持基板で支持するようにして、各平板の間隔を所定間隔に保持することが現実的とされる。この場合、誘電体の比誘電率に応じて波長短縮されることから、波長短縮率を考慮して、上記したλ(波長)で表した電気長の寸法に合うように、各部の物理的寸法を変更するのが好適である。
以上の説明では、本発明にかかるメタルプレートレンズを構成している各平板に形成されている貫通穴の径は中央部から上下左右に向かって次第に小さい径になるようにしたが、貫通穴の径を中央部から上下に向かって次第に小さい径になるようにし、貫通穴の径を中央部から左右に向かっては同径とするようにしてもよい。また、貫通穴の形状を円形としたが、これに限ることはなく貫通穴の形状を三角形、四角形や多角形あるいは楕円形として、その大きさをメタルプレートレンズの中央部は大きく周辺に行くほど小さくすればよい。そして、貫通穴の形状を三角形、四角形や多角形にする場合は、ドリル等で加工して貫通穴を作成することから貫通穴の角部は丸みを帯びるようになる。
なお、本発明のメタルプレートレンズにおける基準モデルないしモデル4の上記した寸法は一例であって、この寸法に限ることはない。また、本発明のメタルプレートレンズの正面から見た形状は矩形状としたが、これに限ることはなく円形や多角形とすることができる。
【符号の説明】
【0035】
1 メタルプレートレンズ、10a 最上部平板、10b 最下部平板、11 貫通穴、11a,11b 第1の中間部平板、12 貫通穴、12a,12b 第2の中間部平板、13 貫通穴、13a,13b 第3の中間部平板、14 貫通穴、14a,14b 第4の中間部平板、15 貫通穴、15a,15b 中央部平板、20a,20b,30a、30b 平板、21 貫通穴
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図7】
5
【図8】
6
【図9】
7
【図11】
8
【図12】
9
【図14】
10
【図15】
11
【図17】
12
【図18】
13
【図20】
14
【図21】
15
【図6】
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【図10】
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【図13】
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【図16】
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【図19】
20