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明細書 :包装方法及び包装装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第6083070号 (P6083070)
公開番号 特開2014-156267 (P2014-156267A)
登録日 平成29年2月3日(2017.2.3)
発行日 平成29年2月22日(2017.2.22)
公開日 平成26年8月28日(2014.8.28)
発明の名称または考案の名称 包装方法及び包装装置
国際特許分類 B65B  25/04        (2006.01)
B65D  81/03        (2006.01)
B65D  85/34        (2006.01)
FI B65B 25/04 Z
B65D 81/03 100Z
B65D 85/34 G
請求項の数または発明の数 8
全頁数 16
出願番号 特願2013-028884 (P2013-028884)
出願日 平成25年2月18日(2013.2.18)
審査請求日 平成28年1月18日(2016.1.18)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】304023994
【氏名又は名称】国立大学法人山梨大学
発明者または考案者 【氏名】寺田 英嗣
【氏名】中村 亮太
個別代理人の代理人 【識別番号】100097043、【弁理士】、【氏名又は名称】浅川 哲
審査官 【審査官】浅野 弘一郎
参考文献・文献 特開2005-193935(JP,A)
特開2006-340961(JP,A)
登録実用新案第3056881(JP,U)
特開昭63-304970(JP,A)
特開平07-291232(JP,A)
仏国特許出願公開第01528699(FR,A1)
米国特許出願公開第2009/0117236(US,A1)
米国特許出願公開第2007/0031071(US,A1)
米国特許第07377392(US,B2)
調査した分野 B65B 25/00-25/24
B65D 81/03
B65D 85/34
B31D 5/00
B65B 15/04
B65B 51/08
特許請求の範囲 【請求項1】
帯状に連続する緩衝性を有したシート材を用意し、
このシート材の長手方向に対して折り重なり部分を所定の長さ分形成し、
この折り重なり部分をその先端部分を除いて接合した後、前記先端部分を広げて開口部を形成し、
前記開口部の先端辺の幅方向の一方の端部を前記開口部の内側に通すようにして、前記幅方向に少なくとも一回転させるように捻ることによって、リング状開口した止め輪部分を形成し、
前記開口から折り重なり部分の表面の一部を引き出すことによって、この表面の一部と前記止め輪部分とで囲われた収容空間部を形成し、
この収容空間部内に被包装物を収容することを特徴とする包装方法。
【請求項2】
前記被包装物が収容空間部内に収容された後、収容空間部を絞ることで被包装物を包み込む請求項1に記載の包装方法。
【請求項3】
前記シート材を長手方向に所定の間隔で送り出し、この送り出された間隔ごとに、折り重なり部分を形成し、この折り重なり部分に被包装物が収容される収容空間部を形成することで、シート材の長手方向に沿って複数の収容空間部が配置される請求項1に記載の包装方法。
【請求項4】
帯状に連続する緩衝性を有したシート材を長手方向に沿って搬送するシート搬送ユニットと、
前記シート材の搬送方向に沿って被包装物が収容される収容空間部をシート材によって形成する包装ユニットとを備えた包装装置であって、
前記シート搬送ユニットは、ロール状にセットされたシート材を搬送レーンに載せて長手方向に送り出すシートガイド手段と、
前記搬送レーンを所定位置で停止しながら駆動する搬送駆動手段とを備え、
前記包装ユニットは、前記シート搬送ユニットによって搬送されてくるシート材を所定位置で押し出すようにして重ね合わせることで所定長さの折り重ね部を形成し、この折り重なり部分をその先端部分を除いて接合する折り重ね部形成手段と、
前記先端部分の先端辺を交互に持ち替えながら先端部分を広げて開口部を形成し、前記先端辺の幅方向の一方の端部を前記開口部の内側に通して、幅方向に少なくとも一回転させるように捻ることによって、リング状開口した止め輪部を形成する止め輪部形成手段と、
前記形成された止め輪部を広げながら前記折り重ね部の表面の一部を開口部から引き出すことで、被包装物の収容空間部を形成する収容空間部形成手段と、
前記収容空間部内に被包装物を収容した後、収容空間部を絞ることで被包装物を包み込む収容手段とを備えたことを特徴とする包装装置。
【請求項5】
前記シート材には、前記シート搬送ユニットによって所定の間隔で連続して送り出された箇所ごとに、前記包装ユニットによって形成された被包装物の収容空間部が長手方向に沿って複数形成される請求項4に記載の包装装置。
【請求項6】
前記包装ユニットは、複数の節部、腕部及び先端に開閉可能な一対の把持軸を有するハンド部を有した操作アームを備え、
前記複数の節部及び腕部によって、ハンド部をシート材に向けて移動させ、前記ハンド部に備わる一対の把持軸によってシート材を把持しながら前記折り重ね部形成手段、止め輪部形成手段及び収容空間部形成手段の一連の動作を行う請求項4に記載の包装装置。
【請求項7】
前記シート材は、被包装物に対応する幅を有し、帯状に長く連続形成された不織布が用いられる請求項4に記載の包装装置。
【請求項8】
前記シート材には、山形状あるいは蒲鉾状に加工された複数の隆起部を備える請求項7に記載の包装装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、帯状に長く延びる包装材に対して、果樹等の被包装物を連続して結び付けるようにして収容する包装方法及び包装装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、桃などの果実類を出荷する際に、外形検査やX線検査等によって品質を検査する工程や段ボール等の容器に収める工程等を経て行っている。果実類や精密部品類などの取り扱いに注意を有する被包装物を各種の作業工程に移行する際には、その被包装物が損傷しないように、また、表面に傷などが付かないように、ポリエチレン製発泡ネットや緩衝性を有したシート材などに包んで行っている(特許文献1)。
【0003】
特に、形や大きさが一定していない球状の果実類にあっては、個々に四角形状のシート材を用意し、このシート材に丸め込むようにして包装したり、風呂敷包みのように結び目を付けて包装したりしているのが一般的である。
【0004】
また、個々の被包装物の形状や大きさに対応するようなパッケージを用意し、このパッケージに収容した状態で検査工程や出荷工程に移行させるといったようなことも行われている(特許文献2,3)。
【先行技術文献】
【0005】

【特許文献1】特開2004-67208号公報
【特許文献2】特開2010-249762号公報
【特許文献3】特開2001-252625号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、生産あるいは製造された被包装物をX線照射や目視等によって検査する際には、被包装物の向きを何度も変える必要があるため、このような被包装物のハンドリング回数が増えると、被包装物の表面に傷等が付き易く、場合によっては不良品となってしまうことがある。特に、桃などの果実類にあっては、それによって、商品価値が下がる場合がある。また、従来はこのような包装作業を人手によって行っているため、作業者の注意力や習熟度等によって、被包装物の扱い方や作業スピード等に差が生じてしまうことにもなる。
【0007】
このような被包装物の包装等を自動化する装置は、精密部品などの被包装物を扱う工程では多く採用されているが、果実類などの生鮮品を扱うケースでは、依然として人手に頼る場合が多い。また、従来の果実等の包装に関しては、前述したように、風呂敷包みを模した包装方法や装置、あるいは、被包装物個々に対応した容器などに収める方法や装置等があるが、包装から検査に至るまで、人手を介さず、且つ、被包装物に傷が付かないようにソフトに取り扱うことが可能な包装方法や包装・搬送装置は実現されていなかった。
【0008】
そこで、本発明の目的は、人手を介することなく、桃などの表面に傷がつきやすい被包装物を連続するシート材の所定箇所に包み込むようにして収容することができると共に、前記シート材の長手方向に対して被包装物を所定間隔ごとに連続して配置することのできる包装方法及び包装装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の包装方法は、帯状に連続する緩衝性を有したシート材を用意し、このシート材の長手方向に対して折り重なり部分を所定の長さ分形成し、この折り重なり部分をその先端部分を除いて接合した後、前記先端部分を広げて開口部を形成し、前記開口部の先端辺の幅方向の一方の端部を前記開口部の内側に通すようにして、前記幅方向に少なくとも一回転させるように捻ることによって、リング状開口した止め輪部分を形成し、前記開口から折り重なり部分の表面の一部を引き出すことによって、この表面の一部と前記止め輪部分とで囲われた収容空間部を形成し、この収容空間部内に被包装物を収容することを特徴とする。
【0010】
本発明の包装装置は、帯状に連続する緩衝性を有したシート材を長手方向に沿って搬送するシート搬送ユニットと、前記シート材の搬送方向に沿って被包装物が収容される収容空間部をシート材によって形成する包装ユニットとを備えた包装装置であって、前記シート搬送ユニットは、ロール状にセットされたシート材を搬送レーンに載せて長手方向に送り出すシートガイド手段と、前記搬送レーンを所定位置で停止しながら駆動する搬送駆動手段とを備え、前記包装ユニットは、前記シート搬送ユニットによって搬送されてくるシート材を所定位置で押し出すようにして重ね合わせることで所定長さの折り重ね部を形成し、この折り重なり部分をその先端部分を除いて接合する折り重ね部形成手段と、前記先端部分の先端辺を交互に持ち替えながら先端部分を広げて開口部を形成し、前記先端辺の幅方向の一方の端部を前記開口部の内側に通して、幅方向に少なくとも一回転させるように捻ることによって、リング状開口した止め輪部を形成する止め輪部形成手段と、前記形成された止め輪部を広げながら前記折り重ね部の表面の一部を開口部から引き出すことで、被包装物の収容空間部を形成する収容空間部形成手段と、前記収容空間部内に被包装物を収容した後、収容空間部を絞ることで被包装物を包み込む収容手段とを備えたことを特徴とする。

【発明の効果】
【0011】
本発明に係る包装方法にあっては、人手を介することなく、桃などの表面に傷がつきやすい被包装物をその形状に沿うようにソフトに結び付けるようにして包み込むことができる。また、帯状に長く延びるシート材の所定箇所に複数の被包装物を切れ目なく連続して収容することができる。
【0012】
本発明に係る包装装置にあっては、シート搬送ユニットによって、ロール状にセットされた緩衝性のシート材を順次搬送させながら、このシート材の所定箇所に包装ユニットによって被包装物を収容させるための収容空間部を自動で形成することができる。前記被包装物は、留め具などを必要とせず、シート材のみで被包装物を包装できることから、表面に傷を付けることなく、そのままX線等の検査工程に搬送可能となる。また、連続して供給されるシート材に沿って複数の被包装物を連続して包装することができるので、検査や出荷等の各工程間における被包装物の流れがスムーズになり、作業効率の向上化が図られる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の包装方法で使用するシート材の全体を示す図である。
【図2】上記シート材に形成された折り重なり部分を示す図である。
【図3】上記折り重なり部分を捻りながら折り曲げた状態を示す図である。
【図4】上記折り重なり部分の先端部分を除いて接合した状態を示す図である。
【図5】上記折り重なり部分の先端部分を捻った状態を示す図である。
【図6】上記折り重なり部分の先端部分をさらに捻った状態を示す図である。
【図7】上記先端部分を捻ってできた止め輪部を折り重なり部分に重ねた状態を示す図である。
【図8】上記止め輪部の開口から包装面となる折り重なり部分の一部を引き出した状態を示す図である。
【図9】上記包装面をさらに引き出すことによって収容空間部を形成した状態を示す図である。
【図10】上記収容空間部を絞った状態を示す図である。
【図11】上記シート材の長手方向に沿って収容空間部が複数形成された状態を示す図である。
【図12】本発明の包装装置の全体構成を示す図である。
【図13】シート材を搬送する動作を示す図である。
【図14】上記シート材に折り重ね部を形成する動作を示す図である。
【図15】上記折り重ね部を操作アームAによって引き上げる動作を示す図である。
【図16】上記折り重ね部の先端辺を操作アームAによってk軸周りに180度回転させて捻る動作を示す図である。
【図17】上記先端辺を操作アームBに持ち替える動作を示す図である。
【図18】上記先端辺を操作アームBによってさらにk軸周りに180度回転させて捻る動作を示す図である。
【図19】上記先端辺を操作アームBによって90度回転させて手前に折り返す動作を示す図である。
【図20】上記先端辺を操作アームBによってi軸周りに90度捻るようにして起こす動作を示す図である。
【図21】上記先端辺を操作アームAによって持ち替える動作を示す図である。
【図22】上記持ち替えた操作アームAをi軸周りに90度捻る動作を示す図である。
【図23】上記先端辺の捻り動作によってできた止め輪部の縁を操作アームA,B,Cのハンド部で把持して広げる動作を示す図である。
【図24】操作アームDをk軸方向に押し出すことによって、広げられた止め輪部の中に折り重ね部の包装面を通す動作を示す図である。
【図25】上記包装面を止め輪部の中からさらに引き出すことによって収容空間部を形成する動作を示す図である。
【図26】上記収容空間部を絞り込む動作を示す図である。
【図27】被包装物が収容された上記収容空間部を搬送レーン側のシート材に向けて下降させる状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1乃至図11は、本発明の包装方法による被包装物の包装手順を示したものである。ここでは、シート材の形態の変化状態を中心にして示す。本包装方法では、被包装物のサイズに適合する幅を有し、帯状に長く連続形成された緩衝性のシート材11が用いられる(図1)。このシート材11は、不織布等の柔軟な繊維性素材を用いて形成されており、厚みを厚くしたり、複数枚重ねたりすることによって、一定の緩衝性を持たせている。また、表面を絞り加工するなどして、山形状あるいは蒲鉾状の隆起部を複数形成することで緩衝性を向上させることができる。

【0015】
最初に、前記用意したシート材11の先端を長手方向に送り出す途中で、この長手方向と直交する方向にシート材11の一部を引き出すようにして二つ折りされた折り重なり部分(折り重ね部)12を所定の長さ分形成する(図2)。

【0016】
前記折り重ね部12の基端部13を支点として90度捻るようにしながら、この折り重ね部12がシート材11の長手方向の平面と同一面となるように折り返す(図3)。このようにして折り返された折り重ね部12は、折り返し辺(先端辺)14から長さL1下がった位置に設定される接合辺17aまでの間を除いて、熱溶着等によって接合させる。そして、前記先端辺14から接合辺17aまでをリング状に広げることによって止め輪部15となる。また、接合辺17aから下の部分は前記止め輪部15に通すことによって、被包装物を収容して包み込むための包装面18となる(図4)。

【0017】
次に、前記先端辺14の一方の端部14aを開口部16の内側を通し、一回転させるように捻り、さらにもう一回転させるように捻る(図5,図6)。このような捻り操作を少なくとも一回行うことによって、折り重ね部12の先端部分に開口部16を有した止め輪部15が形成される。そして、接合辺17aを中心として開口部16が折り重ね部12の包装面18に重なるようにして止め輪部15を折り返す(図7)。

【0018】
前記開口部16が折り重ね部12の包装面18と重なる位置に止め輪部15が折り返された後、開口部16内から包装面18を引き出す(図8)。このようにして引き出された包装面18を止め輪部15の開口部16からさらに引き出すことによって、包装面18の内側と、止め輪部15との間に被包装物を収容するための収容空間部19が形成される(図9)。

【0019】
前記形成された収容空間部19に被包装物(図示せず)を挿入した後、止め輪部15を押さえながら折り重ね部12を基端部13側に引き寄せることによって収容空間部19が絞られ、被包装物全体が緩衝性を有した包装面18に包み込まれるようにして収容される(図10)。本実施形態では、前記収容空間部19が果実の桃を収容するのに適した形態となっている。

【0020】
前記シート材11を長手方向に所定の間隔で送り出し、この送り出された間隔ごとに、図2乃至図10に示した手順を実施することで、帯状に長く延びるシート材11の所定箇所に被包装物を収容するための収容空間部19を有した包装部20を複数形成することができる(図11)。このように、連続して延びるシート材11の前記各収容空間部19に桃等の被包装物を収容した状態で搬送しながら、X線照射による品質検査等を実施することができる。また、前記検査の中で、被包装物に検査用の機材等を接触させることなく、必要に応じて向きを変えることができる。

【0021】
なお、前記検査等の各工程が終了した後、出荷する際には、被包装物を包装しているシート材11が緩衝材となるので、そのまま、箱詰め等ができる。その際には、必要に応じて、各被包装物間のシート材11を切り離すことで、所定の数量単位で収容することができる。

【0022】
図12は上記図1乃至図11に示した包装方法を自動化する包装装置31の一実施形態であり、主要な構成部分の初期配置を示したものである。なお、後工程に繋がる部分の構成や制御部等の付随する構成要素については図示を省略して説明する。

【0023】
本包装装置31は、匡体32内にシート材11を搬送させるシート搬送ユニット33と、搬送されてくるシート材11の一部を二つ折りにして溶着し、この溶着された部分のシート材11に対して被包装物を収容するための収容空間部19を形成する包装ユニット35とを備えている。本包装装置31は、シート材11に幅が約20cm程度の不織布を使用し、果実、特に表面に傷が付き易い「桃」を取り扱うのに適した構成となっている。

【0024】
前記シート搬送ユニット33は、図12に示したように、被包装物を包装するための帯状に長いシート材11をロール状にセットするシート取付部36、このシート取付部36から送り出されるシート材11を搬送するループ状の搬送レーン37を有するシートガイド手段と、前記搬送レーン37の内側面に沿って設けられるプーリー38、このプーリー38を回転駆動する回転モータ(図示せず)を有し、前記搬送レーン37を所定位置で停止しながら駆動する搬送駆動手段とを備える。前記搬送レーン37には、所定間隔ごとにシート材11を開閉可能に把持する一対の把持軸39を有するガイドアーム30が設けられており、一対の把持軸39によってシート材11を挟んだ状態で包装ユニット35に向けて搬送される。また、前記ガイドアーム30は、後述する操作アームA~Dによって、シート材11を折り曲げたり、捻ったりする際の押さえ部材としての役割を有している。

【0025】
前記包装ユニット35は、前記シート搬送ユニット33によって搬送されてくるシート材11を所定位置で押し出すようにして重ね合わせることで所定長さの折り重ね部12を形成する折り重ね部形成手段と、前記折り重ね部12の先端辺14の両端部を交互に持ち替えながら少なくとも一回捻ることによって、リング状の止め輪部15を形成する止め輪部形成手段と、前記形成された止め輪部15を広げながら、この止め輪部15より下側の折り重ね部12の中間部分に設定される包装面18を引き出すことで、被包装物の収容空間部19を形成する収容空間部形成手段と、前記収容空間部19内に被包装物を収容した後、収容空間部19を絞ることで被包装物を包み込む収容手段とを備えている。

【0026】
前記折り重ね部形成手段は、図12に示したように、シート材11の搬送方向と直交する方向に設けられ、シート材11をガイドすると共に、ガイドされたシート材11に対して溶着を行う溶着アーム40を備えたシート溶着部34によって行われる。この溶着アーム40には、搬送レーン37によって搬送されてくるシート材11の一部が2つ折りされるようにして引き出された部分が挟持される。この操作は、包装ユニット35に備わる操作アームによって行われ、前記溶着アーム40を通すことによって、図2に示したような所定の長さの折り重ね部12が形成される。また、前記溶着アーム40には、熱源41が設けられており、この熱源41によって前記折り重ね部12の先端部分を残して溶着を行う。

【0027】
前記止め輪部形成手段、収容空間部形成手段及び収容手段は、図12に示したように、3本の操作アームA,B,C,Dによって行われる。操作アームA,B,Cは共通構成となっており、包装装置31の匡体32に取り付けられる第1節部42と、この第1節部42から延びる第1腕部43と、この第1腕部43の先に設けられる第2節部44と、この第2節部44から延びる第2腕部45と、この第2腕部45の先に設けられる第3節部46と、この第3節部46を介して設けられるハンド部47とで構成されている。

【0028】
前記第1節部42は、匡体32に対して360度の範囲で回転可能な台座部に第1腕部43の一端が180度の範囲で回動可能に取り付けられており、第1腕部43と第2腕部45とは第2節部44を介して180度の範囲で回動可能に取り付けられている。また、ハンド部47は、平行に延びる一対の把持軸48を有しており、前記第2腕部45の先に設けられる第3節部46を介して自由に回動可能となっている。これによって、各操作アームA,B,Cは、人間の腕と同様な三次元的な動きを可能にしている。また、前記一対の把持軸48は、シート材11を把持する位置と離間する位置との間で開閉可能となっており、シート材11の厚みや各動作に応じて適切な把持力となるように開閉駆動される。

【0029】
操作アームAは、搬送レーン37によって搬送されてくるシート材11から被包装物を個々に包装するのに必要な長さ分の折り重ね部12を形成する動作を行う。また、操作アームB,Cは、操作アームAと共に、前記形成された折り重ね部12の折り返し辺(先端辺)14を中心として、被包装物を収容するための止め輪部15を形成し、操作アームDによって前記止め輪部15内に前記折り重ね部12の包装面18を突出させて被包装物を収容するための収容空間部19を形成する動作を行う。

【0030】
次に、上記シート搬送ユニット33及び包装ユニット35からなる包装装置31の一連の動作を、図13乃至図27に基づいて説明する。また、各動作の方向については、3次元の座標(i軸,j軸,k軸)を用い、シート材11の各動作時の形態については、図1乃至図11を参照するものとする。なお、操作アームA,B,Cを構成する各ハンド部47については、それぞれハンド部Ah,Bh,Chとして説明する。

【0031】
最初に、図12及び図13に示したように、シート取付部36にロール状のシート材11をセットし、このシート材11の先端を引き出し、搬送レーン37に設けられているガイドアーム30の一対の把持軸39に通して把持させる。このようにして、シート材11の取り付けが完了した後、プーリー38を回転駆動させることによって、シート材11が操作アームAが待機している位置に向けて送り出される。このとき、操作アームAは、ハンド部Ahがシート材11の搬送方向に対して直交する方向の上方に待機される。

【0032】
図14に示すように、前記シート材11がシート溶着部34の前を通過したところで、一旦搬送レーン37を停止する。そして、溶着アーム40と対向する位置にあるシート材11に向けて操作アームAのハンド部Ahを下降させ、このハンド部Ahに備わる一対の把持軸48によってシート材11を把持する。そして、一対の把持軸48によってシート材11を把持した状態のまま、シート材11の搬送方向と直交するk軸方向に設けられているシート溶着部34に向けて引き出す。このシート溶着部34に備わる複数の溶着アーム40の間を通すことによって、所定の長さに2つ折りされ、熱源41によって溶着した折り重ね部12が形成される。なお、前記折り重ね部12の先端部分は被包装物を収容する止め輪部15からなる収容空間部19となるため、図4に示したように、先端辺14から接合辺17aまでを除いて溶着される。したがって、前記先端辺14から接合辺17aまでの間は溶着されないように溶着アーム40から外れた位置まで引き出される。

【0033】
前記折り重ね部12がシート溶着部34によって溶着された後、図15に示すように、操作アームAを駆動して折り重ね部12の先端辺14をハンド部Ahで把持したまま、上方(j軸)方向に90度で折り返す。前記ハンド部Ahをk軸周りに90度捻りながら折り返すことによって、搬送レーン37側のシート材11に対して折り重ね部12が逆T字状となるように保持される。この動作は、前記折り重ね部12の基端部13を挟む位置にある一対のガイドアーム30の各把持軸39によって支持されながら行われる。

【0034】
図16に示すように、前記ハンド部Ahで把持されている折り重ね部12の先端辺14をk軸周りに180度回転させて捻った後、このハンド部Ahと対向する位置に操作アームBのハンド部Bhを移動して待機させる。そして、図17に示すように、前記折り重ね部12の先端辺14を操作アームBのハンド部Bhで持ち替えて把持した後、図18に示すように、さらに、k軸周りに180度回転させて捻る。

【0035】
図19に示すように、前記操作アームBのハンド部Bhで把持されている折り重ね部12の先端辺14をj軸周りに90度回転させて手前に折り返した後、図20に示すように、i軸周りに90度捻るようにして手前側に起こす。このとき、ハンド部Bhの先端はj軸方向に向いた状態となる。一方、前記操作アームBのハンド部Bhと対峙する位置に操作アームAのハンド部Ahを移動して待機させる。

【0036】
図21に示すように、前記折り重ね部12の先端辺14を操作アームAのハンド部Ahで持ち替えて把持した後、図22に示すように、i軸周りに90度捻る。

【0037】
次に、図23に示すように、前記折り重ね部12の先端辺14の捻り動作によってできた折り重ね部12の止め輪部15の縁を操作アームA,B,Cの各ハンド部Ah,Bh,Chで把持して広げるようにしてリング状の開口部16を形成する。そして、図24に示すように、操作アームDをk軸方向に押し出すことによって、広げられた止め輪部15の開口部16から折り重ね部12の包装面18が引き出される。

【0038】
図25に示すように、前記止め輪部15の開口部16から折り重ね部12の包装面18を押し出した後、この押し出された包装面18を操作アームCのハンド部Chで持ち替えて前記包装面18をさらに引き出す。これによって、前記引き出された包装面18の内側に被包装物を収容するための収容空間部19が形成される。

【0039】
図26に示すように、前記形成された収容空間部19内に被包装物(図示せず)を挿入した後、ハンド部Ah,Bh,Chを引き合うことによって止め輪部15が結び込まれ、被包装物を包み込むようにして収容空間部19が絞られる。

【0040】
最後に図27に示すように、被包装物が収容された包装部20は、ハンド部Ahによって保持しながら搬送レーン37側のシート材11に向けて下降させる。これによって、連続するシート材11の途中に被包装物が結び付けられるように収容された状態となり、そのまま搬送レーン37に沿ってシート材11を搬送移動させることができる。

【0041】
上記図13乃至図27までの動作をシート材11の送り出しのタイミングに合わせて行うことによって、図11に示したように、帯状に長く延びるシート材11に対して、被包装物が収容される収容空間部19を有した包装部20を所定間隔ごとに複数形成することができる。このようにして複数の包装部20が形成されたシート材11は、不織布等の緩衝性を有した材料のみで切れ目なく形成されているので、X線等の検査工程にそのまま連続搬送することができる。また、前記包装体を所定の箇所で切断することによって、前記包装部20を1個単位あるいは複数個単位で梱包等することができる。

【0042】
本発明の包装装置31は、被包装物である「桃」の形状やサイズ等に合わせてシート材の幅を設定したり、シート材の搬送タイミングや各操作アームの動作をプログラム設定したりすることによって、被包装物に傷等が付かないように、且つ、効率よく搬送及び包装することができる。また、シート材を適宜選定し、シート搬送ユニットや包装ユニットの各動作設定を変更することで、「桃」以外の形状やサイズ等が異なる他の被包装物にも対応可能となる。
【符号の説明】
【0043】
A,B,C,D 操作アーム
Ah,Bh,Ch ハンド部
11 シート材
12 折り重ね部
13 基端部
14 先端辺
14a 端部
15 止め輪部
16 開口部
17a 接合辺
18 包装面
19 収容空間部
20 包装部
30 ガイドアーム
31 包装装置
32 匡体
33 シート搬送ユニット
34 シート溶着部
35 包装ユニット
36 シート取付部
37 搬送レーン
38 プーリー
39 把持軸
40 溶着アーム
41 熱源
42 第1節部
43 第1腕部
44 第2節部
45 第2腕部
46 第3節部
47 ハンド部
48 把持軸
図面
【図1】
0
【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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