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明細書 :街路灯システム、街路灯ユニット、及び街路灯制御プログラム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2014-225377 (P2014-225377A)
公開日 平成26年12月4日(2014.12.4)
発明の名称または考案の名称 街路灯システム、街路灯ユニット、及び街路灯制御プログラム
国際特許分類 F21V  23/00        (2006.01)
F21S   2/00        (2006.01)
F21S   8/08        (2006.01)
F21Y 101/02        (2006.01)
FI F21V 23/00 140
F21S 2/00 625
F21S 8/08 100
F21V 23/00 115
F21V 23/00 111
F21Y 101:02
請求項の数または発明の数 13
出願形態 OL
全頁数 21
出願番号 特願2013-104044 (P2013-104044)
出願日 平成25年5月16日(2013.5.16)
発明者または考案者 【氏名】藤井 雄作
【氏名】太田 直哉
【氏名】田北 啓洋
【氏名】吉浦 紀晃
出願人 【識別番号】504145364
【氏名又は名称】国立大学法人群馬大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100079049、【弁理士】、【氏名又は名称】中島 淳
【識別番号】100084995、【弁理士】、【氏名又は名称】加藤 和詳
【識別番号】100099025、【弁理士】、【氏名又は名称】福田 浩志
審査請求 未請求
テーマコード 3K014
3K243
Fターム 3K014AA01
3K243MA01
要約 【課題】座標系が異なる街路灯システムが設置される領域が重複する重複領域において座標系に応じた点灯制御を行うことができる。
【解決手段】街路灯システムは、動体を検知する検知手段と、センサユニットの設置場所の位置を少なくとも1つ以上の座標系で定義した位置情報を記憶した記憶手段と、前記動体が検知された場合に前記位置情報を含む動体検知情報を他のユニットへ送信する送信手段と、を含むセンサユニットと、周囲を照明する照明手段と、前記センサユニットから前記動体検知情報を受信する受信手段と、前記動体検知情報を受信した場合において、前記位置情報に基づく前記センサユニットの位置が、前記位置情報が定義された座標系において予め定めた領域内の場合に、前記座標系に応じて予め定めた点灯条件により前記照明手段の点灯及び消灯を制御する制御手段と、を備えた街路灯ユニットと、を含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
動体を検知する検知手段と、センサユニットの設置場所の位置を少なくとも1つ以上の座標系で定義した位置情報を記憶した記憶手段と、前記動体が検知された場合に前記位置情報を含む動体検知情報を他のユニットへ送信する送信手段と、を含むセンサユニットと、
周囲を照明する照明手段と、前記センサユニットから前記動体検知情報を受信する受信手段と、前記動体検知情報を受信した場合において、前記位置情報に基づく前記センサユニットの位置が、前記位置情報が定義された座標系において予め定めた領域内の場合に、前記座標系に応じて予め定めた点灯条件により前記照明手段の点灯及び消灯を制御する制御手段と、を備えた街路灯ユニットと、
を含む街路灯システム。
【請求項2】
前記予め定めた領域は、前記動体が検知された場合に前記照明手段が既に点灯済みであるべき担当領域と、前記担当領域外の領域であって、前記動体が検知された場合に前記照明手段の点灯を開始すべき検知領域と、を含み、
前記制御手段は、前記検知領域に配置された前記センサユニットから前記動体検知情報を受信した場合に前記照明手段を点灯させる
請求項1記載の街路灯システム。
【請求項3】
前記制御手段は、前記検知領域の前記センサユニットから受信した前記動体検知情報と、前記担当領域のセンサユニットから受信した前記動体検知情報とに基づいて、前記検知領域における前記動体の検知と前記担当領域における前記動体の検知との相関値を求め、求めた相関値に基づいて前記照明手段の点灯及び消灯を制御する
請求項2記載の街路灯システム。
【請求項4】
前記街路灯ユニットが、前記検知領域の前記センサユニットから受信した前記動体検知情報と、前記担当領域のセンサユニットから受信した前記動体検知情報とに基づいて、前記検知領域を修正する修正手段
を含む請求項2又は請求項3記載の街路灯システム。
【請求項5】
前記街路灯ユニットが、前記周囲の照度を検知する照度検知手段を備え、前記制御手段が、前記照度検知手段により検知された前記周囲の照度に基づいて前記照明手段による照明の明るさを調整する
請求項1~4の何れか1項に記載の街路灯システム。
【請求項6】
前記センサユニットから受信した前記動体検知情報を他のユニットへ転送する転送手段を備えた中継ユニット
を含む請求項1~5の何れか1項に記載の街路灯システム。
【請求項7】
前記センサユニット及び前記街路灯ユニットの少なくとも一方が、前記転送手段を含む請求項6記載の街路灯システム。
【請求項8】
前記転送手段を含むユニット毎に、転送有効時間、転送可能距離、転送回数の少なくとも一つを含む転送条件が設定され、
前記転送手段は、設定された転送条件に基づいて前記動体検知情報を他のユニットへ転送する
請求項6又は請求項7記載の街路灯システム。
【請求項9】
前記センサユニット及び前記街路灯ユニットの少なくとも一方が、他の前記センサユニット及び他の前記街路灯ユニットの少なくとも一方から受信した前記動体検知情報に基づいて、故障しているセンサユニット、街路灯ユニット、及び中継ユニットの少なくとも一つを検出する故障検出手段
を含む請求項6~8の何れか1項に記載の街路灯システム。
【請求項10】
前記センサユニット及び前記街路灯ユニットの少なくとも一方が、
周囲を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段により撮影された撮影画像から予め定めた動きパターンを検出する動きパターン検出手段と、
前記予め定めた動きパターンを検出した場合に警告する警告手段と、
を含む請求項1~9の何れか1項に記載の街路灯システム。
【請求項11】
前記センサユニット、前記街路灯ユニット、及び前記中継ユニットの少なくとも一つが、動作のログを記録するログ記録手段
を含む請求項6~10の何れか1項に記載の街路灯システム。
【請求項12】
周囲を照明する照明手段と、
動体を検知する検知手段と、センサユニットの設置場所の位置を少なくとも1つ以上の座標系で定義した位置情報を記憶した記憶手段と、前記動体が検知された場合に前記位置情報を含む動体検知情報を他のユニットへ送信する送信手段と、を含むセンサユニットから、前記動体検知情報を受信する受信手段と、
前記動体検知情報を受信した場合において、前記位置情報に基づく前記センサユニットの位置が、前記位置情報が定義された座標系において予め定めた領域内の場合に、前記座標系に応じて予め定めた条件により前記照明手段の点灯及び消灯を制御する制御手段と、
を含む街路灯ユニット。
【請求項13】
コンピュータを、請求項12記載の街路灯ユニットの制御手段として機能させるための街路灯制御プログラム。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、街路灯システム、街路灯ユニット、及び街路灯制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
路上等には莫大な数の防犯灯、街路灯が設置されているが、全く人通りのないときでも、一晩中煌々と点灯されたままとなっており、消費電力が無駄となっている場合がある。
【0003】
現在、全世界において、膨大な電力が、暗いと自動点灯する街路灯により消費されているが、歩行者・通行車両等がまったく無いときにも点灯していることは、省エネルギーの観点から大きな無駄となっている。
【0004】
スマート街路灯システムは、通常の街路灯と、動体検知センサ、近距離通信ネットワークを組み合わせることにより実現され、歩行者・通行車両等が現れる際に、事前に点灯し、それ以外の不要なときには消灯・減光する。
【0005】
例えば特許文献1には、街灯内部または周辺に設置された物体検知センサにより、人や車等の交通の有無を確認し、その状況に応じて街灯ランプの点灯を調整すると共に、その交通の有無の情報を周辺の街灯にも知らせて連動して点灯させることにより、前もって車等が来る前に点灯させておく技術が開示されている。
【0006】
また、特許文献2には、街路灯の座標等を含む管理データと地図データとをリンクさせて目的の街路灯の設置場所や型式等の保守作業に必要な情報を容易に検索できる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【0007】

【特許文献1】特開2011-165573号公報
【特許文献2】特開2004-119030号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来技術では、座標系が異なる街路灯システムが設置される領域が重複する重複領域の点灯制御については考慮されていないため、当該重複領域において座標系に応じた点灯制御を行うことができない、という問題があった。
【0009】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、座標系が異なる街路灯システムが設置される領域が重複する重複領域において座標系に応じた点灯制御を行うことができる街路灯システム、街路灯ユニット、及び街路灯制御プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明の街路灯システムは、動体を検知する検知手段と、センサユニットの設置場所の位置を少なくとも1つ以上の座標系で定義した位置情報を記憶した記憶手段と、前記動体が検知された場合に前記位置情報を含む動体検知情報を他のユニットへ送信する送信手段と、を含むセンサユニットと、周囲を照明する照明手段と、前記センサユニットから前記動体検知情報を受信する受信手段と、前記動体検知情報を受信した場合において、前記位置情報に基づく前記センサユニットの位置が、前記位置情報が定義された座標系において予め定めた領域内の場合に、前記座標系に応じて予め定めた点灯条件により前記照明手段の点灯及び消灯を制御する制御手段と、を備えた街路灯ユニットと、を含む。
【0011】
請求項2記載の発明は、前記予め定めた領域は、前記動体が検知された場合に前記照明手段が既に点灯済みであるべき担当領域と、前記担当領域外の領域であって、前記動体が検知された場合に前記照明手段の点灯を開始すべき検知領域と、を含み、前記制御手段は、前記検知領域に配置された前記センサユニットから前記動体検知情報を受信した場合に前記照明手段を点灯させる。
【0012】
請求項3記載の発明は、前記制御手段は、前記検知領域の前記センサユニットから受信した前記動体検知情報と、前記担当領域のセンサユニットから受信した前記動体検知情報とに基づいて、前記検知領域における前記動体の検知と前記担当領域における前記動体の検知との相関値を求め、求めた相関値に基づいて前記照明手段の点灯及び消灯を制御する。
【0013】
請求項4記載の発明は、前記街路灯ユニットが、前記検知領域の前記センサユニットから受信した前記動体検知情報と、前記担当領域のセンサユニットから受信した前記動体検知情報とに基づいて、前記検知領域を修正する修正手段を含む。
【0014】
請求項5記載の発明は、前記街路灯ユニットが、前記周囲の照度を検知する照度検知手段を備え、前記制御手段が、前記照度検知手段により検知された前記周囲の照度に基づいて前記照明手段による照明の明るさを調整する。
【0015】
請求項6記載の発明は、前記センサユニットから受信した前記動体検知情報を他のユニットへ転送する転送手段を備えた中継ユニットを含む。
【0016】
請求項7記載の発明は、前記センサユニット及び前記街路灯ユニットの少なくとも一方が、前記転送手段を含む。
【0017】
請求項8記載の発明は、前記転送手段を含むユニット毎に、転送有効時間、転送可能距離、転送回数の少なくとも一つを含む転送条件が設定され、前記転送手段は、設定された転送条件に基づいて前記動体検知情報を他のユニットへ転送する。
【0018】
請求項9記載の発明は、前記センサユニット及び前記街路灯ユニットの少なくとも一方が、他の前記センサユニット及び他の前記街路灯ユニットの少なくとも一方から受信した前記動体検知情報に基づいて、故障しているセンサユニット、街路灯ユニット、及び中継ユニットの少なくとも一つを検出する故障検出手段を含む。
【0019】
請求項10記載の発明は、前記センサユニット及び前記街路灯ユニットの少なくとも一方が、周囲を撮影する撮影手段と、前記撮影手段により撮影された撮影画像から予め定めた動きパターンを検出する動きパターン検出手段と、前記予め定めた動きパターンを検出した場合に警告する警告手段と、を含む。
【0020】
請求項11記載の発明は、前記センサユニット、前記街路灯ユニット、及び中継ユニットの少なくとも一つが、動作のログを記録するログ記録手段を含む。
【0021】
請求項12記載の発明の街路灯ユニットは、周囲を照明する照明手段と、動体を検知する検知手段と、センサユニットの設置場所の位置を少なくとも1つ以上の座標系で定義した位置情報を記憶した記憶手段と、前記動体が検知された場合に前記位置情報を含む動体検知情報を他のユニットへ送信する送信手段と、を含むセンサユニットから、前記動体検知情報を受信する受信手段と、前記動体検知情報を受信した場合において、前記位置情報に基づく前記センサユニットの位置が、前記位置情報が定義された座標系において予め定めた領域内の場合に、前記座標系に応じて予め定めた条件により前記照明手段の点灯及び消灯を制御する制御手段と、を含む。
【0022】
請求項13記載の発明の街路灯制御プログラムは、コンピュータを、請求項12記載の街路灯ユニットの制御手段として機能させる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、座標系が異なる街路灯システムが設置される領域が重複する重複領域において座標系に応じた点灯制御を行うことができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】街路灯システムが設置された状態を示す図である。
【図2】街路灯ユニットの概略構成を示すブロック図である。
【図3】街路灯の概略を示す図である。
【図4】センサユニットの概略構成を示すブロック図である。
【図5】中継ユニットの概略構成を示すブロック図である。
【図6】座標系が重複した領域について説明するための図である。
【図7】街路灯ユニットで実行される処理のフローチャートである。
【図8】センサユニットで実行される処理のフローチャートである。
【図9】中継ユニットで実行される処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。

【0026】
図1は、本実施形態に係る街路灯システム10を示した。街路灯システム10は、街路灯ユニット12、センサユニット14、及び中継ユニット16を含んで構成されている。各ユニットは、図1では一例として道路18に沿って複数配置されており、サーバやアクセスポイント等が不要なアドホックネットワークを構築している。なお、街路灯ユニット12は、センサユニット14及び中継ユニット16の機能を有し、センサユニット14は中継ユニット16の機能を有する。

【0027】
街路灯ユニット12は、図2に示すように、コントローラ20、LEDアレイ22、通信モジュール24、照度センサ26、動体検知センサ28、及びタイマ30を含んで構成されている。街路灯ユニット12は、図3に示すように、支柱32に取り付けられた街路灯34内に収容される。

【0028】
コントローラ20は、CPU(Central Processing Unit)20A、ROM(Read Only Memory)20B、RAM(Random Access Memory)20C、不揮発性メモリ20D、及び入出力インターフェース(I/O)20Eがバス20Fを介して各々接続された構成となっている。I/O20Eには、LEDアレイ22、通信モジュール24、照度センサ26、動体検知センサ28、及びタイマ30が接続されている。

【0029】
LEDアレイ22は、複数のLEDから構成され、全てのLEDを点灯させる全点灯だけでなく、点灯するLEDの個数を制御することにより複数段階の明るさに調光することが可能である。

【0030】
通信モジュール24は、他のユニットと無線通信するための装置であり、例えば近距離無線通信規格の一つであるZigBee、XBeeを採用した通信モジュールを用いることができる。この場合、通信距離は一例として10~100mである。また、RFID(Radio Frequency IDentification)タグを用いた通信モジュールを用いてもよい。

【0031】
照度センサ26は、街路灯ユニットが設置された場所の明るさを検知するセンサである。

【0032】
動体検知センサ28は、人や車等の動く物体を検知するセンサである。動体検知センサ28としては、例えば受動型赤外線センサ、超音波センサ、レーザセンサ(レーザダイオードとフォトダイオードを組み合わせたセンサ)等のセンサを用いることができるが、センサーライト等に多く用いられる受動型赤外線センサが好適である。また、受動型赤外線センサは、安価で広く普及しているが、環境温度が人間の体温に近くなる夏季において感度が鈍くなる場合があるため、これを補うために超音波センサ等の他のセンサを併用するようにしてもよい。

【0033】
タイマ30は、現在時刻を取得する時計機能及び経過時間を計測する計測機能等を含む。

【0034】
コントローラ20は、後述する街路灯制御プログラムを実行する。この街路灯制御プログラムは、本実施形態では一例として不揮発性メモリ20Dに予め記憶される。CPU20Aは、不揮発性メモリ20Dに記憶された街路灯制御プログラムを読み込んで実行する。不揮発性メモリ20Dに記憶した街路灯制御プログラムは、例えば磁気記憶装置やCD-ROM、DVD-ROM等の光ディスク等を介して書き換え可能である。これにより、街路灯制御アルゴリズムの改良を容易に行うことができる。また、街路灯制御プログラムは、ROM20Cに記録してもよい。

【0035】
センサユニット14は、図4に示すように、コントローラ40、通信モジュール42、動体検知センサ44、及びタイマ46を含んで構成されている。センサユニット14は、図1に示すように道路脇に設けられる場合の他、必要に応じて電柱、家の玄関、フェンス等に設けられる。

【0036】
コントローラ40は、街路灯ユニット12に設けられたコントローラ20と同様の構成であり、I/O40Eには、通信モジュール42、動体検知センサ44、及びタイマ46が接続されている。

【0037】
通信モジュール42、動体検知センサ44、及びタイマ46は、街路灯ユニット12に設けられたものと同様であるので説明は省略する。

【0038】
コントローラ40は、後述するセンサ制御プログラムを実行する。このセンサ制御プログラムは、本実施形態では一例として不揮発性メモリ40Dに予め記憶される。CPU40Aは、不揮発性メモリ40Dに記憶されたセンサ制御プログラムを読み込んで実行する。不揮発性メモリ40Dに記憶したセンサ制御プログラムは、例えば磁気記憶装置やCD-ROM、DVD-ROM等の光ディスク等を介して書き換え可能である。これにより、センサ制御アルゴリズムの改良を容易に行うことができる。また、センサ制御プログラムはROM40Cに記録してもよい。

【0039】
中継ユニット16は、図5に示すように、コントローラ50、通信モジュール52、及びタイマ54を含んで構成されている。

【0040】
コントローラ50は、街路灯ユニット12に設けられたコントローラ20と同様の構成であり、I/O50Eには、通信モジュール52及びタイマ54が接続されている。

【0041】
通信モジュール52及びタイマ54は、街路灯ユニット12に設けられたものと同様であるので説明は省略する。

【0042】
コントローラ50は、後述する中継制御プログラムを実行する。この中継制御プログラムは、本実施形態では一例として不揮発性メモリ50Dに予め記憶される。CPU50Aは、不揮発性メモリ50Dに記憶された中継制御プログラムを読み込んで実行する。不揮発性メモリ50Dに記憶した中継制御プログラムは、例えば磁気記憶装置やCD-ROM、DVD-ROM等の光ディスク等を介して書き換え可能である。これにより、中継制御アルゴリズムの改良を容易に行うことができる。また、中継制御プログラムはROM50Cに記録してもよい。

【0043】
街路灯ユニット12、センサユニット14、及び中継ユニット16の各ユニットは、例えば太陽電池、乾電池、及びAC電源の少なくとも一つを電源として使用できる構成とする。

【0044】
街路灯ユニット12、センサユニット14、及び中継ユニット16の各ユニットの不揮発性メモリ20D、40D、50Dには、各ユニットが設置される場所の位置を示す位置情報が予め記憶される。

【0045】
位置情報は、座標系に応じて設定される。座標系としては、一例として以下に示す座標系A~Cを用いることができるが、これに限られるものではない。

【0046】
(座標系A)
例えば座標系Aとして、GPS(Global Positioning System)等により得られる地球上の緯度・経度を用いた座標系を用いることができる。この場合、位置情報は以下の情報で構成される。
(x1、y1、a)
ここで、x1、y1は、GPS等により得られる地球上の緯度・経度である。aは、例えば、以下のように2つの分類(定義)を表す。
a=1:照明対象(道路、公園内など)
a=2:照明対象外(道路、公園内などの照明対象以外の場所。例えば、個人宅の敷地内、玄関の外・中、集合住宅の敷地内、会社、学校、工場など。)
なお、上記の2つの分類だけでなく、さらに、例えば以下のような定義を加えても良い。
a=3:集合住宅の敷地(建物の外)
a=4:集合住宅のエントランス内外(建物の内外)
a=5:集合住宅の建物内部の公共スペース
a=6:集合住宅の建物内部の個人スペース

【0047】
上記のように細かく分類することにより、よりきめ細かな点灯制御が可能となる。特に、集合住宅の外廊下などを対象とした「独自の座標系による、独自の制御アルゴリズム」の導入をする際には、こうした細分化は有効である。

【0048】
(座標系B)
また、座標系Bとして、住所をそのまま用いた座標系を用いることができる。さらに、同一住所内の場所をさらに特定するための記号・数字、照明対象であるか否かを表す記号を付与するようにしてもよい。この場合、位置情報は以下の情報で構成される。
(x2、y2、a)
ここで、x2は住所を表す情報であり、例えば住所が「群馬県天神町1-5-1」であれば、「群馬県+天神町+1+5+1」のように表された情報である。また、y2は、同一住所内の場所をさらに特定するための記号・数字であり、予め定めておく。また、aは座標系Aと同様であるので説明は省略する。

【0049】
(座標系C)
また、座標系Cとして、独自に定めた座標系を用いるようにしてもよい。この場合、位置情報は以下の情報で構成される。
(x3、a)
ここで、x3は、例えば、町内Aで設定する場合、町内の各通りに名前を付け、その位置を、端から順番に付けた番号で表された情報であり、例えば、「東町南北12通25」のように表された情報である。この場合、「東町南北12通」と名付けられた通りの、「一つの端から、25%の位置」という意味とすることができる。また、x3は、例えば「○○マンション□階」のようにマンション名やマンションの階数を表す情報としてもよく、任意に設定できる。また、aは座標系Aと同様であるので説明は省略する。

【0050】
街路灯ユニット12、センサユニット14、及び中継ユニット16の各ユニットは、複数の座標系に属することができる。あるユニットが2つの座標系に属しているということは、すなわち、当該ユニットが、2つの座標系がオーバーラップしている場所に存在することを意味する。例えば、図6に示すように、座標系Aで定義された領域60Aと座標系Bで定義された領域60Bとが重複する領域に存在する街路灯ユニット12の不揮発性メモリ20Dには、座標系Aで定義された位置情報及び座標系Bで定義された位置情報の2つの位置情報が予め記憶される。

【0051】
また、街路灯ユニット12の不揮発性メモリ20Dには、予め定めた担当領域を特定する担当領域情報及び予め定めた検知領域を特定する検知領域情報が記憶される。担当領域情報及び検知領域情報は、その街路灯ユニット12の座標系に従って定義される。また、担当領域情報及び検知領域情報は、その街路灯ユニット12の座標系ではない座標系に従って定義することもできる。

【0052】
ここで、担当領域とは、当該領域内で人や車等の動体の存在や動きが検知された時点で、当該街路灯ユニット12のLEDアレイ22が点灯済みの状態になっていなければならない領域として定義される。

【0053】
また、検知領域とは、担当領域の外側の領域に設定され、その領域内で動体の存在や動きが検知された場合に、当該街路灯ユニット12のLEDアレイ22が点灯を開始するべき領域として定義される。なお、検知領域は、担当領域の外側の領域だけでなく、例えば担当領域内に検知領域が飛び地のように設けられた場合のように、担当領域と検知領域とが入り組む場合もある。例えば、前述の座標系Aにおける座標(x、y、a)を例に説明する。この場合、担当領域は、a=1の場所に限定される。x、yの値(緯度、経度)がほとんど同じであっても、a=2の位置は、担当領域外となる。例えば道路などで構成される担当領域に取り囲まれた住宅の敷地内(建物の内と外)は、検知領域として設定される場合がある。この場合、住宅の居住者が家から出たときに、その近隣の街路灯を自動的に点灯させることが可能となる。

【0054】
また、街路灯ユニット12、センサユニット14、及び中継ユニット16の各ユニットには、座標系毎に固有のIDが付与される。

【0055】
次に、各ユニット間で通信される通信データセット(動体検知情報)について説明する。詳細は後述するが、街路灯ユニット12及びセンサユニット14は、動体を検知した場合に通信データセットを他のユニットへ送信する。また、街路灯ユニット12及びセンサユニット14は、他のユニットから通信データセットを受信した場合に、受信した通信データセットを他のユニットへ転送する。中継ユニット16は、他のユニットから通信データセットを受信した場合に、受信した通信データセットを他のユニットへ転送する。

【0056】
なお、通信データセットを他のユニットへ送信する際、個々のユニットを指定して送信することは通信効率が悪いため、ブロードキャストで送信するが、マルチキャストで送信するようにしてもよい。マルチキャストで送信する場合、ユニット毎に送信先を手動で予め設定(ユニットの設置時等に設定)してもよいし、自動で設定されるようにしてもよい。自動で設定する場合、例えば各街路灯ユニットが担当領域情報及び検知領域情報をブロードキャストで送信し、これを受信したセンサユニット14や中継ユニットは、自身の位置が担当領域や検知領域に含まれるか否かを判断し、含まれる場合は、その街路灯ユニットの全てをマルチキャストによる送信先として設定することができる。

【0057】
以下、マルチキャストの実現方法について具体的に説明する。
予めマルチキャスト用のアドレスを定めておく場合、例えば、あるユニットを検知領域及び担当領域に含むユニットすべてをマルチキャストの対象として設定する。つまり、あるユニットが生成する情報を必要とするユニットすべてがマルチキャストの対象となる。具体的なアドレスとしては「ユニットID-M」のように、ユニットのIDに「M」を付すことでマルチキャストであることがわかるようにアドレスを拡張する。各ユニットは、マルチキャストアドレス宛の通信データセットを受信した場合、その通信データセットを転送するか否かを判断する。

【0058】
また、各ユニットの判断方法の設定は手動及び自動で行うことができる。設定内容は、例えば転送の有無、転送する場合は方向、通信データセットの内容の書き換えの有無等である。この設定内容を自動で設定する方法の一例としては、各街路灯ユニット12が自身の担当領域と検知領域の情報を通信データセットにより送信する。そして、その情報を受信した各ユニットは、その担当領域及び検知領域に含まれているユニットそれぞれについて、「ユニットID-M」宛の通信データセットをどのユニットに転送するべきか又は破棄するべきかを自動で設定する。

【0059】
また、各ユニットは、常時受信する通信データセットから、発信元IDと転送元IDの情報を得ることにより、ネットワーク構造を把握することができる。一例として、受信した通信データセットに含まれる発信元IDと転送元IDから、各IDを持つユニットの隣接状態を把握することができる。このネットワーク構造の情報に基づき通信データセットの転送方向を決定することができる。また、マルチキャストのアドレスに含まれるユニットのネットワーク構造における場所を把握することができ、マルチキャストの転送方向を決定することもできる。

【0060】
本実施形態では、通信データセットには、以下の情報を含むが、通信データセットの構成はこれに限られるものではない。なお、以下に示す[]内の数字は通信データセットの配列番号を示す。
[0]:当該通信データセットに含まれる座標系の個数N
[1.1]:座標系ID、座標系種類
[1.2]:情報の種類
[1.3]:転送回数:n(今回を含めた転送回数)
[1.4]:発信元ID(座標系におけるID、位置情報、発信時刻)
ここで、位置情報は、例えば上記の座標系Aの場合は(x、y、a)である。
[1.5]:転送元ID(座標系におけるID、位置情報、転送時刻)
[1.6]:転送元ID(座標系におけるID、位置情報、転送時刻)
・・・
[1.(n+4)]:転送元ID(座標系におけるID、座標情報、転送時刻)
上記[1.1]~[1.(n+4)]は座標系の数Nだけ続く。

【0061】
「座標系ID」としては、固有のものを用いることが望ましい。例えばインターネットのドメイン名のように、或る機関が一元的に管理することが望ましい。ただし、GUID(Globally Unique Identifier)のように、確率的に一意であることが保証されたIDを座標系毎に割り振るようにしてもよい。

【0062】
また、「情報の種類」は、例えば、(I、d)とし、以下のように定義することができるが、これに限られるものではない。
I:検知の強度(例:I=0:微弱な動体検知あり、I=1:大きな動体検知あり)
d:方向(例:d=nnw:北北東)

【0063】
また、「座標系におけるID」は、当該座標系における、当該ユニットの「名称」でもよい。当該座標系内部においては、ユニークであることが望ましい。

【0064】
また、「発信時刻」は、通信データセットを発信した時刻(動体を検知した時刻)である。また、「転送時刻」は、通信データセットを転送した時刻である。時刻は、各ユニットに設けられたタイマ30、46、54により取得することができる。

【0065】
なお、各ユニット間の通信は、原則として同一座標系内でのみ行われるが、異なる座標系において通信することも可能であり、その場合は、各座標系におけるIDをそのまま利用してもよいし、IDを変換してもよい。また、複数の座標系にまたがる街路灯ユニット12、センサユニット14、中継ユニット16の各ユニットが異なる座標系へ転送することも可能である。

【0066】
次に、街路灯ユニット12のCPU20Aにおいて実行される街路灯制御処理を図7に示すフローチャートを参照して説明する。図7に示す街路灯制御処理は、街路灯ユニット12に電源が投入されると実行される。

【0067】
まず、ステップ100では、通信モジュール24を介して他のユニットから通信データセットを受信したか否かを判断し、受信した場合はステップ102へ移行し、受信していない場合はステップ126へ移行する。

【0068】
ステップ102では、通信データセットに含まれる座標系の種類が、自身のユニットの座標系と同じであるか否かを判断し、同じである場合はステップ104へ移行し、同じでない場合はステップ100へ戻る。なお、自身のユニットが複数の座標系の領域に属する場合は、何れかの座標系と同じであればステップ104へ移行する。なお、担当領域及び検知領域の定義において、自身のユニットの座標系と同じでない座標系を利用する場合には、ステップ102は実行せず、ステップ100から直接ステップ104へ移行する。

【0069】
ステップ104では、受信した通信データセットに含まれる発信元IDの位置情報で表される発信元のユニットの位置が、不揮発性メモリ20Dに記憶された検知領域情報で表される検知領域内であるか否かを判断する。そして、発信元のユニットの位置が検知領域内の場合はステップ106へ移行し、検知領域外の場合はステップ110へ移行する。

【0070】
ステップ106では、座標系毎に予め定められた点灯条件を満たすか否かを判断する。例えば、検知領域において動体を検知した時刻、すなわち通信データセットに含まれる発信時刻から一定時間以内(例えば5分以内)であることを点灯条件として設定することができる。そして、点灯条件を満たす場合はステップ108へ移行し、点灯条件を満たさない場合はステップ120へ移行する。

【0071】
ステップ108では、タイマ30に対して点灯時間を設定し、LEDアレイ22を例えば全点灯させる。タイマ30は、設定された点灯時間を経過するとコントローラ20に通知する。

【0072】
なお、点灯時間は複数定義することもできる。一例として、受信した通信データセットの発信元ID、転送元ID等の通信データセットの情報に応じて点灯時間を定義できる。

【0073】
点灯時間は、長すぎると無駄に電力を消費し、短すぎると動体が存在するにもかかわらず非点灯状態になってしまう虞があることから、数分~数十分の間の予め定めた時間(例えば10分間)に設定する。

【0074】
また、自身のユニットが複数の座標系の領域に属する場合は、座標系毎に点灯時間が予め設定され、通信データセットに含まれる座標系の種類に応じた点灯時間が設定される。後述する点灯時間の設定も同様である。このように座標系に応じて点灯時間を設定することができるため、座標系に応じて適切に点灯制御することができる。

【0075】
一方、ステップ110では、ステップ100で受信した通信データセットに含まれる発信元IDの位置情報で表される発信元のユニットの位置が、不揮発性メモリ20Dに記憶された担当領域情報で表される担当領域内であるか否かを判断する。そして、発信元のユニットの位置が担当領域内の場合はステップ112へ移行し、担当領域外の場合はステップ120へ移行する。

【0076】
ステップ112では、すでにLEDアレイ22が点灯している状態か否かを判断し、すでに点灯している場合はステップ114へ移行し、消灯している場合はステップ116へ移行する。なお、後述するステップ134でLEDアレイ22を消灯させずに減灯させた場合においてステップ112で減灯していると判断した場合はステップ116へ移行する。

【0077】
ステップ114では、すでにLEDアレイ22が点灯している状態なので、タイマ30に対して点灯時間(例えば5分間)を再設定する。これにより、担当領域で動体が検知されている間は、点灯時間がその都度再設定され、点灯状態が継続される。

【0078】
一方、ステップ116では、LEDアレイ22を例えば全点灯させる。ところで、検知領域は担当領域外に設定されるので、通常は検知領域で動体が検知されてから担当領域で動体が検知されるはずである。従って、ステップ104で検知領域でないと判定され、且つステップ110で担当領域であると判定された場合において、ステップ112で非点灯と判定された場合は、検知領域内のユニット(中継ユニット16も含む)が故障している等の何らかのエラーが発生していると考えられる。

【0079】
そこで、ステップ118では、予め定めたエラー処理を実行すると共に、エラーが発生した時刻等を含むエラー情報をログ情報として不揮発性メモリ20Dに記憶させる。このエラー処理では、例えば、タイマ30に対して点灯時間を設定しない(点灯しっぱなし)又は点灯時間を長期間(例えば1週間)に設定する。街路灯が点灯されない状態を回避するためである。この場合、全点灯ではなく、30%程度の明るさに減灯して点灯させるようにしてもよい。

【0080】
また、エラーが発生した際に、検知領域の外側で且つ検知領域に近い予め定めた領域内のユニットであって、動体を検知して通信データセットを発信したユニットが存在する場合には、そのユニットの位置も検知領域に含めるように検知領域情報を変更するようにしてもよい。これにより検知領域が拡大するが、拡大しすぎないように、拡大の許容範囲を予め設定しておくことが望ましい。

【0081】
また、エラーが最後に発生してから予め定めた時間エラーが発生していない場合は、通常の制御に戻すようにしてもよい。

【0082】
また、街路灯ユニットごとに、現時点での動作状態、例えばエラーが発生しておらず通常制御で動作中なのか、エラーが発生しておりエラー処理に基づいて動作中なのか等を示す動作状態を、例えば路上からの視認性が良好なLED等のインジケータにより表示するようにしてもよい。

【0083】
また、一定期間以上(例えば、1か月以上)、エラーが発生し続けており、通常制御での動作ができない場合は、故障中であることを示す特別な表示をインジケータに表示させたり、点灯状態を変化させたりする(例えば弱い点滅状態にする等)ようにしてもよい。これにより、故障・不具合を速やかに認識させることができる。

【0084】
ステップ120では、座標系に応じて予め定められた転送条件を満たすか否かを判断し、転送条件を満たす場合はステップ122へ移行し、転送条件を満たさない場合はステップ124へ移行する。ここで、転送条件を満たす場合の例としては、例えば通信データセットに含まれる転送回数が予め定めた上限値以下であること、転送距離が予め定めた上限値以下であること、動体検知からの経過時間が予め定めた上限値以下であること、通信データセットに含まれる転送元IDに自身のIDが含まれていないこと等が挙げられる。なお、転送距離は、座標系が緯度・経度を用いた座標系であれば、通信データセットに含まれる発信元IDの位置情報と自身の位置情報とに基づいて算出することができる。また、動体検知からの経過時間は、通信データセットに含まれる発信元の発信時刻と現在時刻から算出することができる。

【0085】
なお、転送条件は、各ユニットで記憶しておく場合に限らず、発信元のユニット又は中継元のユニットが、その後の転送条件を通信データセットに付加して送信するようにしてもよい。

【0086】
ステップ122では、ステップ100で受信した通信データセットを他のユニットへ転送する。この場合、通信データセットに自身のユニットの座標系と異なる座標系のユニットの情報が含まれている場合には、この情報を削除して転送するようにしてもよい。例えば、通信データセットに含まれる転送元IDのリストのうち、自身のユニットの座標系と異なる転送元IDを削除する。なお、必要に応じて、異なる座標系のユニットに通信データセットを転送するようにしてもよい。この場合、受信した通信データセットをそのまま転送してもよいし、異なる座標系の情報を転送先のユニットの座標系に応じた情報に変換して転送してもよい。

【0087】
このように、転送条件を満たさない場合は通信データセットを転送しないため、必要のない情報が無駄に送信されるのを防ぐことができ、ネットワークに無駄な負荷がかかるのを防ぐことができる。

【0088】
ステップ124では、通信データセットの受信時刻、通信データセットの内容、及び点灯状態(点灯時間等)をログ情報として不揮発性メモリ20Dに記憶させる。

【0089】
ステップ126では、動体検知センサ28により動体が検知されたか否かを判断し、動体が検知された場合はステップ128へ移行し、動体が検知されていない場合はステップ132へ移行する。

【0090】
ステップ128では、ステップ108と同様に、タイマ30に対して点灯時間を設定し、LEDアレイ22を例えば全点灯させる。

【0091】
ステップ130では、通信データセットを生成して他のユニットへ送信すると共に、ステップ124と同様に、通信データセットの受信時刻、通信データセットの内容、及び点灯状態等をログ情報として不揮発性メモリ20Dに記憶させる。

【0092】
なお、通信データセットの送信は、前回の送信後一定時間経過してから実行するようにしてもよい。これにより、通信量を削減することができる。例えば、動体の検知が短い時間間隔で続いた場合でも送信間隔を1分間以上と定めておくことにより、通信データセットの過剰な送信、すなわちネットワーク上での通信情報の氾濫を防止することができる。

【0093】
ステップ132では、タイマ30から、設定された点灯時間が終了したことを通知されたか否かを判断し、点灯時間が終了したことを通知された場合はステップ134へ移行し、点灯時間が終了したことを通知されていない場合はステップ100へ移行する。

【0094】
ステップ134では、LEDアレイ22を消灯させる。なお、LEDアレイ22の全てのLEDを消灯させるのではなく、一部のLEDのみ点灯させ、他のLEDを消灯させることにより減灯するようにしてもよい。これにより、動体が存在するにも拘わらず動体を検知できなかった場合に、街路灯が消灯された状態となってしまうのを防ぐことができる。

【0095】
なお、点灯時間の設定だけでなく、上記で説明した各ステップの処理は、座標系毎に異なる処理とすることができる。これにより、座標系毎に適切な点灯制御を行うことができる。

【0096】
次に、センサユニット14のCPU40Aにおいて実行されるセンサ制御処理を図8に示すフローチャートを参照して説明する。図8に示すセンサ制御処理は、センサユニット14に電源が投入されると実行される。

【0097】
ステップ200は、図7のステップ100と同様の処理である。また、ステップ202~208は、図7のステップ120~126と同様の処理である。また、ステップ210は、図7のステップ130と同様の処理である。

【0098】
なお、センサユニット14に照度センサを設け、照度センサにより周囲が暗いことが検出された場合にのみ図8に示す処理を実行するようにしてもよい。これにより、周囲が明るい昼間において無駄な通信が行われるのを防ぐことができる。

【0099】
次に、中継ユニット16のCPU50Aにおいて実行される中継制御処理を図9に示すフローチャートを参照して説明する。図9に示す中継制御処理は、中継ユニット16に電源が投入されると実行される。

【0100】
ステップ300は、図7のステップ100と同様の処理である。また、ステップ302~306は、図7のステップ120~124と同様の処理である。

【0101】
以上説明したように、本実施形態では、街路灯ユニット12が、座標系に応じた点灯条件で点灯制御することができる。このため、街路灯システムが設置される領域が重複する重複領域に配置されたユニットは、各々の座標系で設定された動作条件に基づいて動作することができるため、座標系が重複する領域における点灯制御に柔軟に対応することができ、例えば町内単位で街路灯システムを導入することが容易になる。

【0102】
また、本実施形態では、街路灯ユニット12やセンサユニット14に設けられた動体検知センサにより人や車等の動体の有無を検知し、その検知結果に基づいて人や車等の移動先において事前にLEDアレイ22が点灯されるように制御する。これにより、必要のないときにはLEDアレイ22を点灯しないにもかかわらず、LEDアレイ22が常に点灯しているかのように人や車等にみせることができる。

【0103】
なお、本実施形態では、街路灯ユニット12は、検知領域に存在するセンサユニット14が動体を検知した場合にLEDアレイ22を点灯させているが、その後検知された動体が担当領域に必ず存在するとは限らない場合もあり、この場合は点灯が無駄になってしまう。

【0104】
そこで、単独のセンサユニット14により動体が検知されただけで点灯させるのではなく、例えば過去のログ情報に基づいて、検知領域のセンサユニット14における動体の検知履歴と、担当領域のセンサユニット14における動体の検知履歴とに基づいて、検知領域における動体の検知と担当領域における動体の検知との相関値を求め、求めた相関値に基づいてLEDアレイ22を点灯させるか否かを判断するようにしてもよい。

【0105】
例えば、検知領域のセンサユニット14の各々について、動体が検知されてから予め定めた時間以内に担当領域のセンサユニット14及び街路灯ユニット12で動体が検知される割合を相関値として求める。そして、相関値が予め定めた閾値以下の場合、そのセンサユニット14で動体を検知しても担当領域で動体が検知される可能性は低いと判断し、LEDアレイ22を非点灯、または減灯して点灯させる。これにより、無駄な点灯を防ぐことができる。

【0106】
また、上記のように、相関値が閾値以下のセンサユニット14で動体が検知されてもLEDアレイ22を非点灯又は減灯した場合に、その後担当領域のセンサユニット14で動体が検知された場合には、LEDアレイ22を非点灯又は減灯とした判断が誤りであったと考えられる。この場合は、相関値を再度計算し直すようにしてもよい。

【0107】
また、街路灯ユニット12には動体が担当領域に存在する場合には必ず点灯していることが最低限求められるが、この目的を実現するためには、相関値が高いセンサユニット14だけを利用しても不十分な場合がある。例えば、相関値が非常に低いセンサユニット14は点灯の条件として不適格ではあるが、相関値の高いセンサユニット14が動体を検知せず、相関値の低いセンサユニット14が検知した場合のみ、その後動体が担当領域において検知された場合には、その相関値の低いセンサユニット14が動体を検知した場合もLEDアレイ22を点灯させるようにしてもよい。また、相関値が同程度の複数のセンサユニット14が存在する場合、担当領域に近い方のセンサユニット14を優先し、LEDアレイ22を点灯させるか否かの判断をするようにしてもよい。

【0108】
また、検知領域はデフォルト(初期条件)では広めに設定しておき、ログ情報に基づいて必要最小限の広さとなるように検知領域を修正するようにしてもよい。例えば、担当領域において検知した動体が担当領域に入る前に当該動体を検知領域で検知したユニットをログ情報に基づいて推定する。そして、推定したユニットが複数存在する場合には、そのうち無視しても差し支えのない遠方のユニットを特定し、特定したユニットを検知領域から外す。具体的には、特定したユニットの座標を検知領域から除外したり、特定したユニットのIDを排除リストに登録し、排除リストに登録されたIDのユニットからの通信データセットを無視するようにしたりすればよい。これにより、検知領域の大きさを必要最小限の広さとすることができる。

【0109】
また、周囲のユニットと比較して過剰に動体を検知するセンサは故障している可能性が高いため、このようなユニットについても検知領域や担当領域から除外するようにしてもよい。さらに、周囲のユニットと比較して過剰に通信データセットを転送するユニットについても担当領域や検知領域から除外するようにしてもよい。

【0110】
また、 人・車等の動きが頻繁に観測される時間帯は、街路灯ユニット12は、通常の街路灯と同様に、照度センサ26により検出された明るさに基づいて点灯制御するようにしてもよい。例えば、閑静な住宅街であれば、夕暮れから夜8時頃まで等の時間帯は、街路灯ユニット12は、通常の街路灯と同様に照度センサ26により周囲が暗いことが検知された場合にLEDアレイ22を点灯させるようにしてもよい。なお、この時間帯の設定をログ情報の分析結果に基づいて調整するようにしてもよく、外部から設定条件として与えてもよい。

【0111】
また、例えばコンビニエンスストア、飲食店、パチンコ屋、民家の門燈等、個々の街路灯ユニット12の周囲に大きな光量を発するものが存在する場合、街路灯ユニット12自身を減光させ、不必要なエネルギー消費を抑制するようにしてもよい。以下、具体的に説明する。

【0112】
まず、照度センサ26としては、街路灯ユニット12の直下の道路の明るさを計測することが可能な好感度な照度センサを備える。また、LEDアレイ22としては、高速に光量調整を行えるLEDアレイを用いる。

【0113】
そして、定期的にLEDアレイ22の光量を10~20%程度、照度センサ26の応答時間程度の時間低下させ、照度センサ26による路面の光量変化量を計測する。その結果に基づいて、路面の照度に対する、LEDアレイ22が発する最大光量の寄与と、外部の光源からの寄与との寄与比を算出する。そして、照度センサ26で検出される照度が、LEDアレイ22が発する最大光量だけにより路面の照度と同一となるようにLEDアレイ22の光量を減少させる。

【0114】
また、減灯中に、照度センサ26により検出された照度が、照度不足を表す予め定めた閾値以下と判断された場合は、直ちに、LEDアレイ22の光量を必要なだけ増大させるようにしてもよい。

【0115】
また、外部の光源からの光量が十分に大きく、LEDアレイ22の発光を減少させる場合、ある程度の長い期間をかけて徐々に行うことが望ましい。例えば、LEDアレイ22の光量の50%が余分と判断された場合、まず、数分間かけて10%減光する。そこで、上記と同様に寄与比を計算し、LEDアレイ22の光量を減少させる。このように徐々に減光させていくことにより、街路灯間のハンチングを防止することができる。

【0116】
また、街路灯ユニット12にカメラを設け、カメラにより撮影された撮影画像に基づいて動体の種類、動きの速さ、方向等を画像処理により推定し、推定した情報に基づいて点灯制御するようにしてもよい。例えば、撮影画像から特定の動きパターン(例えば不審者の動き)を検出した場合に、LEDアレイ22を点滅させる等により点灯状態を変更したり、警告音を発生したりすることにより警告するようにしてもよい。これにより、不審者の存在を周辺の住民に認識させることが可能となる。

【0117】
また、照度センサにより検出した明るさのみに基づいて点灯制御するカメラ付街路灯としては、いわゆる「e自警カメラ」2台をLED街路灯に内蔵した「e自警灯」等が市販されている。街路灯ユニット12のコントローラ12(CPU)を、e自警灯等におけるカメラ制御、画像ファイルの暗号化等を行うコントローラと共通化して、さらに上記の画像処理機能を追加するようにしてもよい。

【0118】
また、街路灯ユニット12、センサユニット14、中継ユニット16のタイマにより取得される時刻は一致している必要がある。この時計の時刻合わせの方法としては、例えば、一部のユニットに電波時計、インターネット等の外部からの正確な時間情報を受信できる機能を装備させ、これに他のユニットの時刻を合わせる方法がある。また、電波時計を装備したユニットから通信データセットを送信したり、中継したりする際に送信時刻、中継時刻の情報が電波時計に基づくものである旨の記述を加えるようにして、他のユニットがこれに時刻を合わせるようにしてもよい。

【0119】
また、人・車から動体の位置情報を受信して動体の位置を把握し、この位置に基づいて点灯制御するようにしてもよい。例えばGPS機能付きの携帯電話から送信された位置情報を用いても良い。

【0120】
また、本実施形態では、ログ情報を不揮発性メモリに記憶する場合について説明したが、磁気記録装置やCD-ROM等の光ディスクに記録するようにしてもよい。この場合、磁気記録装置や光ディスク記録装置を各ユニットに設ける。また、各ユニットに記憶されたログ情報は、パーソナルコンピュータやタブレット端末から無線通信により取得できるようにしてもよい。また、ログ情報を管理するサーバを設置してログ情報を集中管理するようにしてもよい。

【0121】
また、予め許可・認証を受けたスマートフォン(歩行者等)、カーナビシステム(車等)からの点灯要請を受け付けた場合にLEDアレイ22を点灯させるようにしてもよい。これにより、より確実で無駄のない点灯動作が可能となる。例えばスマートフォンやカーナビシステムが、取得したGPS情報等から自身の移動方向等を判断して点灯要請する。具体的には、点灯要請するタイミングとしては、例えば、(1)歩行者や車が、予め定めた距離(例えば歩行者の場合は10m、車の場合は100m)以上連続して動いている場合、(2)予め定めた距離以上の距離を、予め定めた速度(例えば歩行者の場合は時速1km、車の場合は時速20km)以上で且つ予め定めた時間(例えば10秒間)以上連続して動いている場合等がある。

【0122】
このような点灯要請を受けた場合にのみLEDアレイ22を点灯させることにより、誤動作の可能性を低減することができる。特に、家の中等の検知領域外からの信号を誤って家の外の検知領域内からの信号と判断してしまうのを防ぐことができる。

【0123】
また、スマートフォンやカーナビシステムから、これらの装置を識別するIDや装置の位置情報等を送信するようにし、各ユニットでは、受信した情報を通信データセットに含むようにしてもよい。これによりスマートフォンやカーナビシステム等の移動方向をより確実に特定することができる。この場合、各ユニットは、移動方向に基づいて、LEDアレイ22を点灯するか否かを判断したり、通信データセットを転送するか否かを判断したりする。例えば、移動方向が離れる方向の場合には、LEDアレイ22を点灯させないようにしたり、通信データセットを転送しないようにする等の制御が可能となる。このように、移動方向に基づいてLEDアレイ22を点灯するか否かの判断や通信データセットを転送するか否かの判断を行うことにより、無駄な点灯を防ぐことができる。

【0124】
また、点灯ミス等のエラーが発生した場合、そのエラー情報のレポートを作成し、自動又は手動でエラーレポートの送信を行うようにしてもよい。これにより、より確実で無駄のない点灯制御が実現できる。スマートフォンの場合は、電子メール等で予め定め宛先に送信することができる。また、カーナビシステムでインターネット接続ができない場合は、メモリカードにエラーレポートのファイルを保存したり、ZigBeeやブルーツゥース等を用いた無線通信によりスマートフォン等に転送することができる。

【0125】
また、スマートフォン、カーナビシステムだけでなく、中継ユニット16の機能を含む携帯ユニットや車載 ユニットを歩行者や車が持つことにより、より確実で無駄のない点灯制御が可能となる。携帯ユニットや車載ユニットは、中継ユニット16の機能に加えてGPS機能を内蔵することが望ましく、さらに前述した点灯要請の機能、ID等の送信機能、エラー情報の作成機能等を持つことが望ましい。
【符号の説明】
【0126】
10 街路灯システム
12 街路灯ユニット
14 センサユニット
16 中継ユニット
20、40、50 コントローラ
22 LEDアレイ
24、42、52 通信モジュール
26 照度センサ
28 動体検知センサ
30、46、54 タイマ
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8