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明細書 :セスキテルペンラクトン誘導体およびその用途

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2016-050188 (P2016-050188A)
公開日 平成28年4月11日(2016.4.11)
発明の名称または考案の名称 セスキテルペンラクトン誘導体およびその用途
国際特許分類 C07D 307/93        (2006.01)
A61P  35/00        (2006.01)
A61P  35/02        (2006.01)
A61K  31/365       (2006.01)
C07D 493/04        (2006.01)
C07D 407/12        (2006.01)
A61K  36/28        (2006.01)
FI C07D 307/93 CSP
A61P 35/00
A61P 35/02
A61K 31/365
C07D 493/04 101A
C07D 407/12
A61K 35/78 T
請求項の数または発明の数 19
出願形態 OL
全頁数 80
出願番号 特願2014-176365 (P2014-176365)
出願日 平成26年8月29日(2014.8.29)
発明者または考案者 【氏名】田村 啓敏
【氏名】北井 友里加
【氏名】筧 善行
出願人 【識別番号】304028346
【氏名又は名称】国立大学法人 香川大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100115255、【弁理士】、【氏名又は名称】辻丸 光一郎
【識別番号】100129137、【弁理士】、【氏名又は名称】中山 ゆみ
【識別番号】100154081、【弁理士】、【氏名又は名称】伊佐治 創
審査請求 未請求
テーマコード 4C037
4C063
4C071
4C086
4C088
Fターム 4C037UA10
4C063AA01
4C063BB08
4C063CC76
4C063DD71
4C063EE01
4C071AA01
4C071AA08
4C071BB01
4C071BB05
4C071CC12
4C071DD40
4C071EE02
4C071FF15
4C071GG01
4C071HH05
4C071HH08
4C071HH28
4C071JJ06
4C071KK17
4C071LL01
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BA17
4C086CA01
4C086GA02
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZB26
4C086ZB27
4C088AB26
4C088AC05
4C088BA08
4C088BA32
4C088CA02
4C088CA07
4C088NA14
4C088ZB26
4C088ZB27
要約 【課題】抗癌活性を有する新規化合物の提供。
【解決手段】下記式(3)で表される化合物(uvedafolin)に代表されるセスキテルペンラクトンのモノマー又はダイマー誘導体。前記誘導体は、ヤーコン(Smallanthus sonchifolius)等から抽出することによって得ることができる。
JP2016050188A_000070t.gif
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
下記一般式(1)で表されることを特徴とする、セスキテルペンラクトン誘導体、その互変異性体もしくは立体異性体、またはそれらの塩、溶媒和物もしくは水和物。
【化1】
JP2016050188A_000047t.gif
前記一般式(1)中、
は、R1-2であり、
1-2は、下記一般式(2)であり、
【化2】
JP2016050188A_000048t.gif
は、水素原子、ハロゲノ基、アシルオキシ基、またはアミド基であり、
は、水素原子、ヒドロキシ基、アミノ基、シアノ基、メルカプトカルボニル基、メルカプトチオカルボニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルチオカルボニル基、またはアルコキシカルボニル基であり、
は、環A上のC-1、C-2、C-3、C-4およびC-5からなる群から選択された少なくとも1つの炭素原子に結合するアルキル基であり、
は、エポキシ基、アルケニル基、またはアジリジン基であり、
は、水素原子、ハロゲノ基、アシルオキシ基、またはアミド基であり、
は、環B上のC-1、C-2、C-3、C-4およびC-5からなる群から選択された少なくとも1つの炭素原子に結合するアルキル基であり、
Lは、単結合、硫黄原子、NH、または存在せず、
Mは、単結合、硫黄原子、酸素原子、NH、または存在せず、
nは、0~5の範囲の整数であり、
mは、0~5の範囲の整数である。
【請求項2】
前記一般式(1)が、下記化学式(3)で表される、請求項1記載のセスキテルペンラクトン誘導体、その互変異性体もしくは立体異性体、またはそれらの塩、溶媒和物もしくは水和物。
【化3】
JP2016050188A_000049t.gif

【請求項3】
下記一般式(1)で表されるセスキテルペンラクトン誘導体、その互変異性体もしくは立体異性体、またはそれらの塩、溶媒和物もしくは水和物を含むことを特徴とする、抗がん剤。
【化1】
JP2016050188A_000050t.gif
前記一般式(1)中、
は、R1-1またはR1-2であり、
1-1は、水素原子、エポキシ基、アルケニル基、またはアジリジン基であり、
1-2は、下記一般式(2)であり、
【化2】
JP2016050188A_000051t.gif
は、水素原子、ハロゲノ基、アシルオキシ基、またはアミド基であり、
は、水素原子、ヒドロキシ基、アミノ基、シアノ基、メルカプトカルボニル基、メルカプトチオカルボニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルチオカルボニル基、またはアルコキシカルボニル基であり、
は、環A上のC-1、C-2、C-3、C-4およびC-5からなる群から選択された少なくとも1つの炭素原子に結合するアルキル基であり、
は、エポキシ基、アルケニル基、またはアジリジン基であり、
は、水素原子、ハロゲノ基、アシルオキシ基、またはアミド基であり、
は、環B上のC-1、C-2、C-3、C-4およびC-5からなる群から選択された少なくとも1つの炭素原子に結合するアルキル基であり、
Lは、単結合、硫黄原子、酸素原子、NH、または存在せず、
Mは、単結合、硫黄原子、酸素原子、NH、または存在せず、
ただし、R1-1が、エポキシ基の場合、Rは、アシルオキシ基でなく、
1-1が、アルケニル基の場合、Rは、水素原子でなく、
nは、0~5の範囲の整数であり、
mは、0~5の範囲の整数である。
【請求項4】
前記一般式(1)が、下記化学式(3)で表される、請求項3記載の抗がん剤。
【化3】
JP2016050188A_000052t.gif

【請求項5】
前記一般式(1)が、下記化学式(4)で表される、請求項3記載の抗がん剤。
【化4】
JP2016050188A_000053t.gif

【請求項6】
前記一般式(1)が、下記化学式(5)で表される、請求項3記載の抗がん剤。
【化5】
JP2016050188A_000054t.gif

【請求項7】
下記一般式(1)で表されるセスキテルペンラクトン誘導体、その互変異性体もしくは立体異性体、またはそれらの塩、溶媒和物もしくは水和物を含むことを特徴とする、子宮頸がんを除くがんの抗がん剤。
【化1】
JP2016050188A_000055t.gif
前記一般式(1)中、
は、R1-1またはR1-2であり、
1-1は、水素原子、エポキシ基、アルケニル基、またはアジリジン基であり、
1-2は、下記一般式(2)であり、
【化2】
JP2016050188A_000056t.gif
は、水素原子、ハロゲノ基、アシルオキシ基、またはアミド基であり、
は、水素原子、ヒドロキシ基、アミノ基、シアノ基、メルカプトカルボニル基、メルカプトチオカルボニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルチオカルボニル基、またはアルコキシカルボニル基であり、
は、環A上のC-1、C-2、C-3、C-4およびC-5からなる群から選択された少なくとも1つの炭素原子に結合するアルキル基であり、
は、エポキシ基、アルケニル基、またはアジリジン基であり、
は、水素原子、ハロゲノ基、アシルオキシ基、またはアミド基であり、
は、環B上のC-1、C-2、C-3、C-4およびC-5からなる群から選択された少なくとも1つの炭素原子に結合するアルキル基であり、
Lは、単結合、硫黄原子、酸素原子、NH、または存在せず、
Mは、単結合、硫黄原子、酸素原子、NH、または存在せず、
ただし、R1-1が、エポキシ基の場合、RおよびLは、それぞれ、アシルオキシ基および酸素原子でなく、
nは、0~5の範囲の整数であり、
mは、0~5の範囲の整数である。
【請求項8】
前記一般式(1)が、下記化学式(3)で表される、請求項7記載の子宮頸がんを除くがんの抗がん剤。
【化3】
JP2016050188A_000057t.gif

【請求項9】
前記一般式(1)が、下記化学式(4)で表される、請求項7記載の子宮頸がんを除くがんの抗がん剤。
【化4】
JP2016050188A_000058t.gif

【請求項10】
前記一般式(1)が、下記化学式(5)で表される、請求項7記載の子宮頸がんを除くがんの抗がん剤。
【化5】
JP2016050188A_000059t.gif

【請求項11】
前記一般式(1)が、下記化学式(6)で表される、請求項7記載の子宮頸がんを除くがんの抗がん剤。
【化6】
JP2016050188A_000060t.gif

【請求項12】
前記一般式(1)が、下記化学式(7)で表される、請求項7記載の子宮頸がんを除くがんの抗がん剤。
【化7】
JP2016050188A_000061t.gif

【請求項13】
下記一般式(1)で表されるセスキテルペンラクトン誘導体、その互変異性体もしくは立体異性体、またはそれらの塩、溶媒和物もしくは水和物を含むことを特徴とする、子宮頸がんおよび前立腺がんを除くがんの抗がん剤。
【化1】
JP2016050188A_000062t.gif
前記一般式(1)中、
は、R1-1またはR1-2であり、
1-1は、水素原子、エポキシ基、アルケニル基、またはアジリジン基であり、
1-2は、下記一般式(2)であり、
【化2】
JP2016050188A_000063t.gif
は、水素原子、ハロゲノ基、アシルオキシ基、またはアミド基であり、
は、水素原子、ヒドロキシ基、アミノ基、シアノ基、メルカプトカルボニル基、メルカプトチオカルボニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルチオカルボニル基、またはアルコキシカルボニル基であり、
は、環A上のC-1、C-2、C-3、C-4およびC-5からなる群から選択された少なくとも1つの炭素原子に結合するアルキル基であり、
は、エポキシ基、アルケニル基、またはアジリジン基であり、
は、水素原子、ハロゲノ基、アシルオキシ基、またはアミド基であり、
は、環B上のC-1、C-2、C-3、C-4およびC-5からなる群から選択された少なくとも1つの炭素原子に結合するアルキル基であり、
Lは、単結合、硫黄原子、酸素原子、NH、または存在せず、
Mは、単結合、硫黄原子、酸素原子、NH、または存在せず、
nは、0~5の範囲の整数であり、
mは、0~5の範囲の整数である。
【請求項14】
前記一般式(1)が、下記化学式(3)で表される、請求項13記載の子宮頸がんおよび前立腺がんを除くがんの抗がん剤。
【化3】
JP2016050188A_000064t.gif

【請求項15】
前記一般式(1)が、下記化学式(4)で表される、請求項13記載の子宮頸がんおよび前立腺がんを除くがんの抗がん剤。
【化4】
JP2016050188A_000065t.gif

【請求項16】
前記一般式(1)が、下記化学式(5)で表される、請求項13記載の子宮頸がんおよび前立腺がんを除くがんの抗がん剤。
【化5】
JP2016050188A_000066t.gif

【請求項17】
前記一般式(1)が、下記化学式(6)で表される、請求項13記載の子宮頸がんおよび前立腺がんを除くがんの抗がん剤。
【化6】
JP2016050188A_000067t.gif

【請求項18】
前記一般式(1)が、下記化学式(7)で表される、請求項13記載の子宮頸がんおよび前立腺がんを除くがんの抗がん剤。
【化7】
JP2016050188A_000068t.gif

【請求項19】
前記一般式(1)が、下記化学式(8)で表される、請求項13記載の子宮頸がんおよび前立腺がんを除くがんの抗がん剤。
【化8】
JP2016050188A_000069t.gif
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、セスキテルペンラクトン誘導体およびその用途に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、がんは、日本人の死因のトップであり、他の国においても、死因の上位を占めるに致っている。がんの発生および進展には、遺伝的要因、環境的要因等の様々な因子が関連しているが、決定的な治療法は、未だ確立されていない(非特許文献1)。
【0003】
このため、新たな抗がん活性を有する化合物が求められている。
【先行技術文献】
【0004】

【非特許文献1】Thomas, G.M., Improved Treatment for Cervical Cancer - Concurrent Chemotherapy and Radiotherapy, New Engl. J. Med. 340 (1999) 1198-200.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、新たな抗がん活性を有する化合物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明のセスキテルペンラクトン誘導体、その互変異性体もしくは立体異性体、またはそれらの塩、溶媒和物もしくは水和物は、下記一般式(1)で表されることを特徴とする。
【化1】
JP2016050188A_000003t.gif
前記一般式(1)中、
は、R1-2であり、
1-2は、下記一般式(2)であり、
【化2】
JP2016050188A_000004t.gif
は、水素原子、ハロゲノ基、アシルオキシ基、またはアミド基であり、
は、水素原子、ヒドロキシ基、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、アルキルチオカルボニル基、アルコキシカルボニル基、メルカプトカルボニル基、またはメルカプトチオカルボニル基であり、
は、環A上のC-1、C-2、C-3、C-4およびC-5からなる群から選択された少なくとも1つの炭素原子に結合するアルキル基であり、
は、エポキシ基、アルケニル基、またはアジリジン基であり、
は、水素原子、ハロゲノ基、アシルオキシ基、またはアミド基であり、
は、環B上のC-1、C-2、C-3、C-4およびC-5からなる群から選択された少なくとも1つの炭素原子に結合するアルキル基であり、
Lは、単結合、硫黄原子、NH、または存在せず、
Mは、単結合、硫黄原子、酸素原子、NH、または存在せず、
nは、0~5の範囲の整数であり、
mは、0~5の範囲の整数である。
【0007】
本発明の抗がん剤は、下記一般式(1)で表されるセスキテルペンラクトン誘導体、その互変異性体もしくは立体異性体、またはそれらの塩、溶媒和物もしくは水和物を含むことを特徴とする。
【化1】
JP2016050188A_000005t.gif
前記一般式(1)中、
は、R1-1またはR1-2であり、
1-1は、水素原子、エポキシ基、アルケニル基、またはアジリジン基であり、
1-2は、下記一般式(2)であり、
【化2】
JP2016050188A_000006t.gif
は、水素原子、ハロゲノ基、アシルオキシ基、またはアミド基であり、
は、水素原子、ヒドロキシ基、アミノ基、シアノ基、メルカプトカルボニル基、メルカプトチオカルボニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルチオカルボニル基、またはアルコキシカルボニル基であり、
は、環A上のC-1、C-2、C-3、C-4およびC-5からなる群から選択された少なくとも1つの炭素原子に結合するアルキル基であり、
は、エポキシ基、アルケニル基、またはアジリジン基であり、
は、水素原子、ハロゲノ基、アシルオキシ基、またはアミド基であり、
は、環B上のC-1、C-2、C-3、C-4およびC-5からなる群から選択された少なくとも1つの炭素原子に結合するアルキル基であり、
Lは、単結合、硫黄原子、酸素原子、NH、または存在せず、
Mは、単結合、硫黄原子、酸素原子、NH、または存在せず、
ただし、R1-1が、エポキシ基の場合、Rは、アシルオキシ基でなく、
1-1が、アルケニル基の場合、Rは、水素原子でなく、
nは、0~5の範囲の整数であり、
mは、0~5の範囲の整数である。
【0008】
本発明の子宮頸がんを除くがんの抗がん剤は、下記一般式(1)で表されるセスキテルペンラクトン誘導体、その互変異性体もしくは立体異性体、またはそれらの塩、溶媒和物もしくは水和物を含むことを特徴とする。
【化1】
JP2016050188A_000007t.gif
前記一般式(1)中、
は、R1-1またはR1-2であり、
1-1は、水素原子、エポキシ基、アルケニル基、またはアジリジン基であり、
1-2は、下記一般式(2)であり、
【化2】
JP2016050188A_000008t.gif
は、水素原子、ハロゲノ基、アシルオキシ基、またはアミド基であり、
は、水素原子、ヒドロキシ基、アミノ基、シアノ基、メルカプトカルボニル基、メルカプトチオカルボニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルチオカルボニル基、またはアルコキシカルボニル基であり、
は、環A上のC-1、C-2、C-3、C-4およびC-5からなる群から選択された少なくとも1つの炭素原子に結合するアルキル基であり、
は、エポキシ基、アルケニル基、またはアジリジン基であり、
は、水素原子、ハロゲノ基、アシルオキシ基、またはアミド基であり、
は、環B上のC-1、C-2、C-3、C-4およびC-5からなる群から選択された少なくとも1つの炭素原子に結合するアルキル基であり、
Lは、単結合、硫黄原子、酸素原子、NH、または存在せず、
Mは、単結合、硫黄原子、酸素原子、NH、または存在せず、
ただし、R1-1が、エポキシ基の場合、RおよびLは、それぞれ、アシルオキシ基および酸素原子でなく、
nは、0~5の範囲の整数であり、
mは、0~5の範囲の整数である。
【0009】
本発明の子宮頸がんおよび前立腺がんを除くがんの抗がん剤は、下記一般式(1)で表されるセスキテルペンラクトン誘導体、その互変異性体もしくは立体異性体、またはそれらの塩、溶媒和物もしくは水和物を含むことを特徴とする。
【化1】
JP2016050188A_000009t.gif
前記一般式(1)中、
は、R1-1またはR1-2であり、
1-1は、水素原子、エポキシ基、アルケニル基、またはアジリジン基であり、
1-2は、下記一般式(2)であり、
【化2】
JP2016050188A_000010t.gif
は、水素原子、ハロゲノ基、アシルオキシ基、またはアミド基であり、
は、水素原子、ヒドロキシ基、アミノ基、シアノ基、メルカプトカルボニル基、メルカプトチオカルボニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルチオカルボニル基、またはアルコキシカルボニル基であり、
は、環A上のC-1、C-2、C-3、C-4およびC-5からなる群から選択された少なくとも1つの炭素原子に結合するアルキル基であり、
は、エポキシ基、アルケニル基、またはアジリジン基であり、
は、水素原子、ハロゲノ基、アシルオキシ基、またはアミド基であり、
は、環B上のC-1、C-2、C-3、C-4およびC-5からなる群から選択された少なくとも1つの炭素原子に結合するアルキル基であり、
Lは、単結合、硫黄原子、酸素原子、NHまたは存在せず、
Mは、単結合、硫黄原子、酸素原子、NHまたは存在せず、
nは、0~5の範囲の整数であり、
mは、0~5の範囲の整数である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、新たな抗がん活性を有する化合物を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、実施例1において、各セスキテルペンラクトン誘導体存在下におけるHela細胞の生存率の相対値を示すグラフである。
【図2】図2は、実施例1において、各セスキテルペンラクトン誘導体存在下におけるHela細胞のLDH活性の相対値を示すグラフである。
【図3】図3は、実施例1において、各セスキテルペンラクトン誘導体存在下におけるHela細胞の増殖活性の相対値を示すグラフである。
【図4】図4は、実施例2において、核の形態を示す写真である。
【図5】図5は、実施例2において、核の形態を示す写真である。
【図6】図6は、実施例3において、各セスキテルペンラクトン誘導体存在下におけるHela細胞のcaspase-3/7活性を示すグラフである。
【図7】図7は、実施例4において、吸光度を示すグラフである。
【図8】図8は、実施例5において、各セスキテルペンラクトン誘導体存在下におけるHL-60細胞の生存率の相対値を示すグラフである。
【図9】図9は、実施例6において、前記化学式(8)で表されるセスキテルペンラクトン誘導体(以下、「enhydrin」ともいう。)存在下における膀胱がん細胞の増殖活性の相対値を示すグラフである。
【図10】図10は、実施例6において、前記化学式(6)で表されるセスキテルペンラクトン誘導体(以下、「uvedalin」ともいう。)存在下における膀胱がん細胞の増殖活性の相対値を示すグラフである。
【図11】図11は、実施例6において、前記化学式(3)で表されるセスキテルペンラクトン誘導体(以下、「uvedafolin」ともいう。)存在下における膀胱がん細胞の増殖活性の相対値を示すグラフである。
【図12】図12は、実施例7において、uvedalin存在下における前立腺がん細胞の増殖活性の相対値を示すグラフである。
【図13】図13は、実施例7において、uvedafolin存在下における前立腺がん細胞の増殖活性の相対値を示すグラフである。
【図14】図14は、実施例8において、enhydrin存在下における肺がん細胞の増殖活性の相対値を示すグラフである。
【図15】図15は、実施例8において、uvedafolin存在下における肺がん細胞の増殖活性の相対値を示すグラフである。
【図16】図16は、実施例9において、enhydrin存在下における乳がん細胞の増殖活性の相対値を示すグラフである。
【図17】図17は、実施例9において、uvedafolin存在下における乳がん細胞の増殖活性の相対値を示すグラフである。
【図18】図18は、実施例10において、BAK1遺伝子のmRNA発現量を示すグラフである。
【図19】図19は、実施例10において、P53AIP1遺伝子のmRNA発現量を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明のセスキテルペンラクトン誘導体、その互変異性体もしくは立体異性体、またはそれらの塩、溶媒和物もしくは水和物、本発明の抗がん剤、本発明の子宮頸がんを除くがんの抗がん剤、ならびに本発明の子宮頸がんおよび前立腺がんを除くがんの抗がん剤は、前記一般式(1)が、下記化学式(3)で表されることが好ましい。
【化3】
JP2016050188A_000011t.gif

【0013】
本発明の抗がん剤、本発明の子宮頸がんを除くがんの抗がん剤、ならびに本発明の子宮頸がんおよび前立腺がんを除くがんの抗がん剤は、前記一般式(1)が、下記化学式(4)で表されることが好ましい。
【化4】
JP2016050188A_000012t.gif

【0014】
本発明の抗がん剤、本発明の子宮頸がんを除くがんの抗がん剤、ならびに本発明の子宮頸がんおよび前立腺がんを除くがんの抗がん剤は、前記一般式(1)が、下記化学式(5)で表されることが好ましい。
【化5】
JP2016050188A_000013t.gif

【0015】
本発明の子宮頸がんを除くがんの抗がん剤、ならびに本発明の子宮頸がんおよび前立腺がんを除くがんの抗がん剤は、前記一般式(1)が、下記化学式(6)で表されることが好ましい。
【化6】
JP2016050188A_000014t.gif

【0016】
本発明の子宮頸がんを除くがんの抗がん剤、ならびに本発明の子宮頸がんおよび前立腺がんを除くがんの抗がん剤は、前記一般式(1)が、下記化学式(7)で表されることが好ましい。
【化7】
JP2016050188A_000015t.gif

【0017】
本発明の子宮頸がんおよび前立腺がんを除くがんの抗がん剤は、前記一般式(1)が、下記化学式(8)で表されることが好ましい。
【化8】
JP2016050188A_000016t.gif

【0018】
以下、本発明について、例をあげて詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の例に限定されない。また、本発明において、各置換基の説明は、互いに援用できる。

【0019】
<セスキテルペンラクトン誘導体、その互変異性体もしくは立体異性体、またはそれらの塩、溶媒和物もしくは水和物>
本発明のセスキテルペンラクトン誘導体、その互変異性体もしくは立体異性体、またはそれらの塩、溶媒和物もしくは水和物(以下、「セスキテルペンラクトン誘導体」ともいう。)は、前述のように、下記一般式(1)で表されることを特徴とする。
【化1】
JP2016050188A_000017t.gif
前記一般式(1)中、
は、R1-2であり、
1-2は、下記一般式(2)であり、
【化2】
JP2016050188A_000018t.gif
は、水素原子、ハロゲノ基、アシルオキシ基、またはアミド基であり、
は、水素原子、ヒドロキシ基、アミノ基、シアノ基、メルカプトカルボニル基、メルカプトチオカルボニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルチオカルボニル基、またはアルコキシカルボニル基であり、
は、環A上のC-1、C-2、C-3、C-4およびC-5からなる群から選択された少なくとも1つの炭素原子に結合するアルキル基であり、
は、エポキシ基、アルケニル基、またはアジリジン基であり、
は、水素原子、ハロゲノ基、アシルオキシ基、またはアミド基であり、
は、環B上のC-1、C-2、C-3、C-4およびC-5からなる群から選択された少なくとも1つの炭素原子に結合するアルキル基であり、
Lは、単結合、硫黄原子、NH、または存在せず、
Mは、単結合、硫黄原子、酸素原子、NH、または存在せず、
nは、0~5の範囲の整数であり、
mは、0~5の範囲の整数である。

【0020】
本発明において、前記一般式(1)中の前記Rは、前記R1-2である。前記R1-2は、前記一般式(2)である。

【0021】
本発明において、前記一般式(1)中の前記Rは、水素原子、ハロゲノ基、アシルオキシ基、またはアミド基であり、好ましくは、水素原子またはアシルオキシ基である。前記Rがハロゲノ基の場合、前記ハロゲノ基は、特に制限されず、例えば、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基およびヨード基等があげられる。前記Rがアシルオキシ基の場合、前記アシルオキシ基は、例えば、炭素数が1~8の直鎖または分枝アシルオキシ基等があげられる。前記アシルオキシ基は、特に制限されず、例えば、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブタノイルオキシ基、3-クロロブチリルオキシ基、マロニル基等があげられ、好ましくは、アセトキシ基である。前記アシルオキシ基は、例えば、その1つ以上の水素原子が任意の置換基に置換されていてもよい。前記アシルオキシ基における任意の置換基は、特に制限されず、例えば、ヒドロキシ基、ハロゲノ基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシ基、カルバモイル基、チオカルバモイル基等があげられる。前記アシル基は、特に制限されず、例えば、炭素数が1~8の直鎖または分枝アシル基等があげられる。前記Rが前記アミド基の場合、前記アミド基は、特に制限されず、例えば、下記一般式(9)で表される置換基があげられる。前記一般式(9)において、RおよびRは、同一であるかまたは異なり、それぞれ、例えば、水素原子、炭素数1~8の直鎖もしくは分枝アルキル基等があげられる。前記アルキル基は、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等があげられ、好ましくは、メチル基である。

【0022】
【化9】
JP2016050188A_000019t.gif

【0023】
本発明において、前記一般式(1)中のRは、水素原子、ヒドロキシ基、アミノ基、シアノ基、メルカプトカルボニル基、メルカプトチオカルボニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルチオカルボニル基、またはアルコキシカルボニル基であり、好ましくは、水素原子、ヒドロキシ基またはアルコキシ基である。前記Rがアルコキシ基の場合、前記アルコキシ基は、例えば、炭素数が1~8の直鎖もしくは分枝のアルコキシ基があげられる。前記アルコキシ基は、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等があげられ、好ましくは、メトキシ基である。前記アルコキシ基は、例えば、その1つ以上の水素原子が任意の置換基に置換されていてもよい。前記アルコキシ基における任意の置換基は、特に制限されず、例えば、ヒドロキシ基、ハロゲノ基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシ基、カルバモイル基、チオカルバモイル基等があげられる。前記Rがアルキルチオ基の場合、前記アルキルチオ基は、特に制限されず、例えば、炭素数が1~8の直鎖、分枝もしくは環状のアルキルチオ基等があげられる。前記アルキルチオ基は、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n-プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、フェニルチオ基等があげられ、好ましくは、メチルチオ基である。前記アルキルチオ基は、例えば、その1つ以上の水素原子が任意の置換基に置換されていてもよい。前記アルキルチオ基における任意の置換基は、特に制限されず、例えば、ヒドロキシ基、ハロゲノ基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシ基、カルバモイル基、チオカルバモイル基等があげられる。前記Rがアルキルチオカルボニル基の場合、前記アルキルチオカルボニル基は、特に制限されず、例えば、炭素数が1~8の直鎖もしくは分枝のアルキルチオカルボニル基があげられる。前記アルキルチオカルボニル基は、例えば、メチルチオカルボニル基、エチルチオカルボニル基、プロピルチオカルボニル基等があげられる。前記アルキルチオカルボニル基は、例えば、その1つ以上の水素原子が任意の置換基に置換されていてもよい。前記アルキルチオカルボニル基における任意の置換基は、特に制限されず、例えば、ヒドロキシ基、ハロゲノ基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシ基、カルバモイル基、チオカルバモイル基等があげられる。前記Rがアルコキシカルボニル基の場合、前記アルコキシカルボニル基は、特に制限されず、例えば、炭素数が2~8の直鎖もしくは分枝のアルコキシカルボニル基等があげられる。前記アルコキシカルボニル基は、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロピルオキシカルボニル基等があげられる。前記アルコキシカルボニル基は、例えば、その1つ以上の水素原子が任意の置換基に置換されていてもよい。前記アルコキシカルボニル基における任意の置換基は、特に制限されず、例えば、ヒドロキシ基、ハロゲノ基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシ基、カルバモイル基、チオカルバモイル基等があげられる。

【0024】
本発明において、前記一般式(1)中のRは、環A上のC-1、C-2、C-3、C-4およびC-5からなる群から選択された少なくとも1つの炭素原子に結合するアルキル基である。前記Rの結合位置は、特に制限されず、例えば、C-1、C-2、C-3、C-4およびC-5のいずれか1つの炭素原子であり、好ましくは、C-4の炭素原子である。前記Rが存在する場合、前記Rは、1でも複数でもよい。前記Rが複数存在する場合、複数の前記Rは、同一のアルキル基であってもよいし、異なるアルキル基であってもよい。また、前記Rが存在しない場合、C-1、C-2、C-3、C-4およびC-5には、例えば、水素原子が結合している。前記アルキル基は、特に制限されず、例えば、炭素数1~8の直鎖もしくは分枝アルキル基があげられる。前記アルキル基は、例えば、前述のアルキル基の説明を援用できる。

【0025】
本発明において、前記一般式(2)中のRは、エポキシ基、アルケニル基、またはアジリジン基であり、好ましくは、エポキシ基、またはアルケニル基である。また、Rは、イソプレン骨格を含む置換基であってもよい。前記Rがエポキシ基の場合、前記エポキシ基は、特に制限されず、例えば、下記一般式(10)で表される構造を含む置換基があげられる。前記一般式(10)において、R10~R13は、同一であるかまたは異なり、それぞれ、例えば、結合手、水素原子または炭素数1~8の直鎖もしくは分枝アルキル基等があげられる。前記一般式(10)において、前記エポキシ基は、例えば、R10~R13のいずれか1つをRとの結合手としてもよいし、R10~R13のアルキル基の炭素原子の結合手をRとの結合手としてもよい。前記アルキル基は、例えば、前述のアルキル基の説明を援用できる。前記エポキシ基は、特に制限されず、例えば、炭素数が2~8の直鎖または分枝エポキシ基があげられる。前記エポキシ基は、例えば、エポキシエタン基、エポキシプロパン基、エポキシブタン基、エポキシペンタン基、エポキシヘキサン基、1-メチルエポキシプロパン基、1-メチルエポキシブタン基等があげられる。前記エポキシ基において、酸素原子が炭素原子に結合する位置は、特に制限されず、前記エポキシ基がエポキシプロパン基の場合、例えば、1,2-エポキシプロパン基であってもよいし、2,3-エポキシプロパン基であってもよい。前記エポキシ基は、好ましくは、1-メチル-1,2-エポキシプロパン基である。前記エポキシ基は、例えば、その1つ以上の水素原子が任意の置換基に置換されていてもよい。前記エポキシ基における任意の置換基は、特に制限されず、例えば、ヒドロキシ基、ハロゲノ基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシ基、カルバモイル基、チオカルバモイル基等があげられる。

【0026】
【化10】
JP2016050188A_000020t.gif

【0027】
前記Rがアルケニル基の場合、前記アルケニル基は、特に制限されず、例えば、下記一般式(11)で表される構造を含む置換基があげられる。前記一般式(11)において、R14~R17は、同一であるかまたは異なり、それぞれ、例えば、結合手、水素原子または炭素数1~8の直鎖もしくは分枝アルキル基等があげられる。前記一般式(11)において、前記アルケニル基は、例えば、R14~R17のいずれか1つをRとの結合手としてもよいし、R14~R17のアルキル基の炭素原子の結合手をRとの結合手としてもよい。前記アルキル基は、前述のアルキル基の説明を援用できる。前記アルケニル基は、特に制限されず、例えば、炭素数が2~8の直鎖または分枝アルケニル基があげられる。前記アルケニル基は、例えば、エチレン基、プロペン基、ブテン基、ペンテン基、ヘキセン基、1-メチルプロペン基、1-メチルブテン基等があげられる。前記アルケニル基において、二重結合の位置は、特に制限されず、前記アルケニル基がプロペン基の場合、例えば、1-プロペン基であってもよいし、2-プロペン基であってもよい。前記アルケニル基は、好ましくは、1-メチルエテン基、または1-メチル-1-プロペン基である。前記アルケニル基は、例えば、その1つ以上の水素原子が任意の置換基に置換されていてもよい。前記アルケニル基における任意の置換基は、特に制限されず、例えば、ヒドロキシ基、ハロゲノ基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシ基、カルバモイル基、チオカルバモイル基等があげられる。

【0028】
【化11】
JP2016050188A_000021t.gif

【0029】
前記Rがアジリジン基の場合、前記アジリジン基は、特に制限されず、例えば、下記一般式(12)で表される構造を含む置換基があげられる。前記一般式(12)において、R18~R21は、同一であるかまたは異なり、それぞれ、例えば、結合手、水素原子または炭素数1~8の直鎖もしくは分枝アルキル基等があげられる。前記一般式(12)において、前記アジリジン基は、例えば、R18~R21のいずれか1つをRとの結合手としてもよいし、R18~R21のアルキル基の炭素原子の結合手をRとの結合手としてもよい。前記アルキル基は、例えば、前述のアルキル基の説明を援用できる。前記アジリジン基は、特に制限されず、例えば、炭素数が2~8の直鎖または分枝アジリジン基があげられる。前記アジリジン基は、例えば、メチルアジリジン基、エチルアジリジン基、プロピルアジリジン基、ブチルアジリジン基、ペンチルアジリジン基、2,3-ジメチルアジリジン基等があげられる。前記アジリジン基において、窒素原子が炭素原子に結合する位置は、特に制限されず、前記アジリジン基がプロピルアジリジン基の場合、例えば、1,2-アジリジルプロパン基であってもよいし、2,3-アジリジルプロパン基であってもよい。前記アジリジン基は、好ましくは、2-メチル-3-エチルアジリジン基である。前記アジリジン基は、例えば、その1つ以上の水素原子が任意の置換基に置換されていてもよい。前記アジリジン基における任意の置換基は、特に制限されず、例えば、ヒドロキシ基、ハロゲノ基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシ基、カルバモイル基、チオカルバモイル基等があげられる。

【0030】
【化12】
JP2016050188A_000022t.gif

【0031】
本発明において、前記一般式(2)中のRは、水素原子、ハロゲノ基、アシルオキシ基、またはアミド基であり、好ましくは、水素原子またはアシルオキシ基である。前記Rは、例えば、前記Rの説明において、「R」を「R」に読み替えて援用できる。本発明において、RおよびRは、例えば、同じでもよいし、異なってもよい。

【0032】
本発明において、前記一般式(2)中のRは、環B上のC-1、C-2、C-3、C-4およびC-5からなる群から選択された少なくとも1つの炭素原子に結合するアルキル基である。前記Rは、例えば、前記Rの説明において、「R」を「R」に、「環A」を「環B」に読み替えて援用できる。本発明において、RおよびRは、例えば、同じでもよいし、異なってもよい。

【0033】
本発明において、前記一般式(1)中のLは、単結合、硫黄原子(S)、NH、または存在しない。また、前記一般式(2)中のMは、単結合、硫黄原子、酸素原子(O)、NH、または存在しない。Lが存在しない場合、環AのC-4およびC-5の炭素原子には、それぞれ2つの水素原子が結合している。また、Mが存在しない場合、環BのC-4およびC-5の炭素原子には、それぞれ2つの水素原子が結合している。本発明において、LとMとは、例えば、同じでもよいし、異なってもよい。

【0034】
本発明において、前記一般式(1)中のRのnは、特に制限されず、0~5の範囲の整数であり、好ましくは、1である。また、本発明において、前記一般式(2)中のRのmは、0~5の範囲の整数であり、好ましくは、1である。本発明において、nとmとは、例えば、同じでもよいし、異なってもよい。

【0035】
本発明において、前記一般式(1)および(2)の前記R~R、LおよびM、RのnおよびRのm、ならびにRおよびRの位置の組合せは、特に制限されない。本発明は、例えば、前記一般式(1)および(2)の前記R~R、LおよびM、RのnおよびRのm、ならびにRおよびRの位置の選択しうる全ての組合せを開示している。前記組合せは、例えば、下記表1の組合せがあげられる。

【0036】
【表1】
JP2016050188A_000023t.gif

【0037】
前記(1-a)の組合せのセスキテルペンラクトン誘導体は、例えば、下記化学式(3)で表されるセスキテルペンラクトン誘導体があげられる。
【化3】
JP2016050188A_000024t.gif

【0038】
本発明において、前記一般式(1)で表されるセスキテルペンラクトン誘導体の塩は、特に制限されず、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩;トリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ジクロヘキシルアミン塩、エタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、ブロカイン塩等の脂肪族アミン塩、N,N-ジベンジルエチレンジアミン等のアラルキルアミン塩;ピリジン塩、ピコリン塩、キノリン塩、イソキノリン塩等の複素環芳香族アミン塩;テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、ベンジルトリメチルアンモニウム塩、ベンジルトリブチルアンモニウム塩、メチルトリオクチルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩等の第4級アンモニウム塩;アルギニン塩、リジン塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩等のアミノ酸塩;塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、過塩素酸塩等の無機酸塩;酢酸塩、プロピオン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、フマール酸塩、酒石酸塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩、アスコルビン酸塩等の有機酸塩、メタンスルホン酸塩、イセチオン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩等のスルホン酸塩等があげられる。本発明において、前記一般式(1)で表されるセスキテルペンラクトン誘導体の溶媒和物は、特に制限されず、例えば、水和物、アンモニア付加物があげられる。

【0039】
本発明において、前記一般式(1)で表されるセスキテルペンラクトン誘導体の互変異性体もしくは立体異性体は、特に制限されず、例えば、理論上可能なすべての互変異性体もしくは立体異性体があげられる。また、本発明において、各置換基の立体配置は、特に制限されない。

【0040】
前記一般式(1)で表される本発明のセスキテルペンラクトン誘導体の製造方法は、特に制限されない。前記製造方法としては、例えば、植物から抽出および精製する方法、有機合成法、酵素等を利用する化学合成法等、従来公知の方法が採用できる。前記植物から抽出および精製する方法は、特に制限されず、例えば、ヤーコン(Smallanthus sonchifolius)等から抽出し、結晶化法、蒸留法、水蒸気蒸留法、超臨界抽出法等により精製する方法があげられる。以下に、一例として、ヤーコンから前記本発明のセスキテルペンラクトン誘導体を抽出および精製する方法を例示するが、本発明のセスキテルペンラクトン誘導体の製造方法は、この例に限定されない。

【0041】
本実施形態のセスキテルペンラクトン誘導体の製造方法は、例えば、ヤーコンからセスキテルペンラクトン誘導体を含む抽出物を抽出する抽出工程、および前記抽出物から、セスキテルペンラクトン誘導体を精製する精製工程を含む。

【0042】
前記抽出工程において、使用する前記ヤーコンの部位は、特に制限されず、例えば、葉、茎、葉茎部(葉柄)、芋、芋皮、花、種子等があげられる。前記ヤーコンは、乾燥前のヤーコンでもよいし、乾燥後のヤーコンでもよい。前記ヤーコンは、例えば、ヤーコン内の酵素の影響が低減し、また保存性に優れることから、好ましくは、乾燥後のヤーコンである。前記乾燥後のヤーコンを使用する場合、前記ヤーコンの乾燥方法は、特に制限されない。また、使用する前記ヤーコンの収穫時期は、特に制限されない。

【0043】
前記セスキテルペンラクトン誘導体の抽出方法は、特に制限されず、抽出する前記セスキテルペンラクトン誘導体の種類に応じて、適宜決定できる。前記抽出方法は、例えば、前記ヤーコンを溶媒に浸漬する方法、ヤーコンを圧搾する方法(圧搾法)、超臨界抽出法等があげられ、好ましくは、圧搾法である。

【0044】
前記ヤーコンを溶媒に浸漬する方法の場合、前記溶媒は、特に制限されず、例えば、水、緩衝液等の水性溶媒、ヘキサン、ペンタン、アセトン、エタノール、エーテル、ジクロロメタン等の有機溶媒があげられ、好ましくは、アセトンである。前記溶媒は、例えば、1種類を使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。また、前記ヤーコンと前記溶媒との混合比は、特に制限されず、例えば、前記ヤーコン1kgに対して、前記溶媒500mL~10Lである。浸漬時間は、特に制限されず、例えば、1分~1時間である。このように抽出したセスキテルペンラクトン誘導体を含む抽出液を前記抽出物としてもよいし、前記抽出液を乾燥させ、析出した固体成分を抽出物としてもよい。

【0045】
前記抽出工程は、例えば、1回行ってもよいし、複数回行ってもよい。

【0046】
前記セスキテルペンラクトン誘導体の精製方法は、特に制限されず、公知の精製方法が使用できる。前記精製方法は、例えば、カラムクロマトグラフ、ゲル浸透クロマトグラフ、液体クロマトグラフ(HPLC)、薄層クロマトグラフ(TLC)、分取HPLC、分取TLC(preparative thin layer chromatography、PTLC)、結晶化法、超臨界抽出法、水蒸気蒸留法、蒸留法等があげられる。

【0047】
前記カラムクロマトグラフにより精製する場合、使用するカラムの充填材は、例えば、シリカゲル、オクタデシル基結合シリカゲル(OctaDecylSilyl結合シリカゲル、ODS)、イオン交換樹脂、分子篩効果を有する粒子等があげられ、使用する溶離用溶媒は、例えば、ヘキサン、ジエチルエーテル、アセトン、ジクロロメタン等があげられる。前記溶離用溶媒は、例えば、1種類を使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。

【0048】
前記HPLCにより精製する場合、使用するカラムの充填材は、例えば、シリカゲル、ODS、イオン交換樹脂等があげられる。使用する移動層用溶媒は、例えば、水、アセトニトリル、メタノール、ジエチルエーテル、ヘキサン、アセトン、ジクロロメタン等があげられる。前記移動層用溶媒は、例えば、1種類を使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。前記充填材と前記移動層用溶媒との組合せは、特に制限されず、前記充填材がシリカゲルの場合、前記移動層用溶媒は、例えば、ヘキサンとジエチルエーテルとの混合溶媒、ヘキサンとアセトンとの混合溶媒、ジクロロメタンとジエチルエーテルとの混合溶媒等があげられる。前記充填材がODSの場合、前記移動層用溶媒は、例えば、アセトニトリルと水との混合溶媒、メタノールと水との混合溶媒等があげられる。

【0049】
前記分取HPLCにより精製する場合、使用するカラムの充填材および移動層用溶媒は、特に制限されず、例えば、前述のHPLCにより精製する場合に使用する前記充填剤および前記移動層用溶媒の説明を援用できる。

【0050】
前記PTLCにより精製する場合、使用する薄層プレートは、例えば、シリカゲル、ODS等を塗布したプレートがあげられる。使用する展開用溶媒は、例えば、水、アセトニトリル、メタノール、ジエチルエーテル、ヘキサン、アセトン、ジクロロメタン等があげられる。前記展開用溶媒は、例えば、1種類を使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。前記薄層プレートの種類と前記移動層用溶媒との組合せは、特に制限されず、前記薄層プレートがシリカゲルを塗布したプレートの場合、前記展開用溶媒は、例えば、ヘキサンとジエチルエーテルとの混合溶媒、ヘキサンとアセトンとの混合溶媒、ジクロロメタンとジエチルエーテルとの混合溶媒等があげられる。

【0051】
前記精製工程は、さらに、前記抽出物から、前記セスキテルペンラクトン誘導体を含む粗精製物を精製する粗精製工程を含み、前記精製工程は、前記粗精製物から、前記セスキテルペンラクトン誘導体を精製する精製工程であることが好ましい。本実施形態の製造方法は、前記粗精製工程を含むことで、例えば、より純度の高い前記セスキテルペンラクトン誘導体を精製することができる。

【0052】
前記セスキテルペンラクトン誘導体の粗精製方法は、特に制限されず、例えば、前記抽出物を粗精製用溶媒と混合し、液体画分を回収する方法等があげられる。前記粗精製用溶媒は、特に制限されず、例えば、エタノール、メタノール、水等があげられる。前記粗精製用溶媒は、例えば、1種類を使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。2種類の前記粗精製用溶媒を用いる場合、前記粗精製用溶媒は、例えば、前記ヤーコン由来のクロロフィルを除去できることから、例えば、70%エタノールが好ましい。このように粗精製したセスキテルペンラクトン誘導体を含む液体画分を前記粗精製物としてもよいし、前記液体画分を乾燥させ析出した固体成分を前記粗精製物としてもよい。

【0053】
本実施形態の製造方法は、例えば、さらに、前述の製造方法等により得られたセスキテルペンラクトン誘導体等を従来公知の方法により、修飾等して、製造してもよい。

【0054】
<抗がん剤>
本発明の抗がん剤は、前述のように、下記一般式(1)で表されるセスキテルペンラクトン誘導体、その互変異性体もしくは立体異性体、またはそれらの塩、溶媒和物もしくは水和物を含むことを特徴とする。
【化1】
JP2016050188A_000025t.gif
前記一般式(1)中、
は、R1-1またはR1-2であり、
1-1は、水素原子、エポキシ基、アルケニル基、またはアジリジン基であり、
1-2は、下記一般式(2)であり、
【化2】
JP2016050188A_000026t.gif
は、水素原子、ハロゲノ基、アシルオキシ基、またはアミド基であり、
は、水素原子、ヒドロキシ基、アミノ基、シアノ基、メルカプトカルボニル基、メルカプトチオカルボニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルチオカルボニル基、またはアルコキシカルボニル基であり、
は、環A上のC-1、C-2、C-3、C-4およびC-5からなる群から選択された少なくとも1つの炭素原子に結合するアルキル基であり、
は、エポキシ基、アルケニル基、またはアジリジン基であり、
は、水素原子、ハロゲノ基、アシルオキシ基、またはアミド基であり、
は、環B上のC-1、C-2、C-3、C-4およびC-5からなる群から選択された少なくとも1つの炭素原子に結合するアルキル基であり、
Lは、単結合、硫黄原子、酸素原子、NH、または存在せず、
Mは、単結合、硫黄原子、酸素原子、NH、または存在せず、
ただし、R1-1が、エポキシ基の場合、Rは、アシルオキシ基でなく、
1-1が、アルケニル基の場合、Rは、水素原子でなく、
nは、0~5の範囲の整数であり、
mは、0~5の範囲の整数である。

【0055】
本発明の抗がん剤は、例えば、前記本発明のセスキテルペンラクトン誘導体の説明を援用できる。

【0056】
本発明において、前記がんの種類は、特に制限されず、例えば、前立腺がん、子宮頸がん、急性前骨髄性白血病、メラノーマ、膀胱がん、乳がん、肺がん、卵巣がん、精巣がん等があげられる。

【0057】
本発明において、前記一般式(1)中、Rは、R1-1またはR1-2である。前記R1-1は、水素原子、エポキシ基、アルケニル基、またはアジリジン基である。前記R1-2は、前記一般式(2)である。前記R1-1がエポキシ基、アルケニル基およびアジリジン基の場合、それぞれ、前記本発明のセスキテルペンラクトン誘導体の前記Rがエポキシ基、アルケニル基およびアジリジン基の場合の説明を援用できる。

【0058】
本発明において、前記一般式(1)中の前記Rは、水素原子、ハロゲノ基、アシルオキシ基、またはアミド基であり、好ましくは、水素原子またはアシルオキシ基である。前記Rは、例えば、前記本発明のセスキテルペンラクトン誘導体の前記Rの説明を援用できる。なお、前記R1-1がエポキシ基の場合、前記Rは、アシルオキシ基でない。また、前記R1-1がアルケニル基の場合、前記Rは、水素原子でない。

【0059】
本発明において、前記一般式(1)中のRは、水素原子、ヒドロキシ基、アミノ基、シアノ基、メルカプトカルボニル基、メルカプトチオカルボニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルチオカルボニル基、またはアルコキシカルボニル基である。前記Rは、例えば、前記本発明のセスキテルペンラクトン誘導体の前記Rの説明を援用できる。

【0060】
本発明において、前記一般式(1)中のRは、環A上のC-1、C-2、C-3、C-4およびC-5からなる群から選択された少なくとも1つの炭素原子に結合するアルキル基である。前記Rは、例えば、前記本発明のセスキテルペンラクトン誘導体の前記Rの説明を援用できる。

【0061】
本発明において、前記一般式(2)中のRは、エポキシ基、アルケニル基、またはアジリジン基であり、好ましくは、エポキシ基またはアルケニル基である。前記Rは、例えば、前記本発明のセスキテルペンラクトン誘導体の前記Rの説明を援用できる。

【0062】
本発明において、前記一般式(2)中のRは、水素原子、ハロゲノ基、アシルオキシ基、またはアミド基であり、好ましくは、水素原子またはアシルオキシ基である。本発明において、RおよびRは、例えば、同じでもよいし、異なってもよい。前記Rは、例えば、前記本発明のセスキテルペンラクトン誘導体の前記Rの説明を援用できる。

【0063】
本発明において、前記一般式(2)中のRは、環B上のC-1、C-2、C-3、C-4およびC-5からなる群から選択された少なくとも1つの炭素原子に結合するアルキル基である。本発明において、RおよびRは、例えば、同じでもよいし、異なってもよい。本発明において、前記Rは、例えば、前記本発明のセスキテルペンラクトン誘導体の前記Rの説明を援用できる。

【0064】
本発明において、前記一般式(1)中のLは、単結合、硫黄原子、酸素原子、NH、または存在しない。また、前記一般式(2)中のMは、単結合、硫黄原子、酸素原子、NH、または存在しない。本発明において、LとMとは、例えば、同じでもよいし、異なってもよい。本発明において、LおよびMは、例えば、それぞれ、前記本発明のセスキテルペンラクトン誘導体のLおよびMの説明を援用できる。

【0065】
本発明において、前記一般式(1)中のRのnは、特に制限されず、0~5の範囲の整数であり、好ましくは、1である。また、本発明において、前記一般式(2)中のRのmは、0~5の範囲の整数であり、好ましくは、1である。本発明において、nとmとは、例えば、同じでもよいし、異なってもよい。

【0066】
本発明において、前記一般式(1)および(2)の前記R~R、LおよびM、RのnおよびRのm、ならびにRおよびRの位置の組合せは、特に制限されない。本発明は、例えば、前記一般式(1)および(2)の前記R~R、LおよびM、RのnおよびRのm、ならびにRおよびRの位置の選択しうる全ての組合せを開示している。前記組合せは、例えば、下記表2の組合せがあげられる。

【0067】
【表2】
JP2016050188A_000027t.gif

【0068】
前記(2-a)の組合せのセスキテルペンラクトン誘導体は、例えば、下記化学式(4)で表されるセスキテルペンラクトン誘導体があげられる。
【化4】
JP2016050188A_000028t.gif

【0069】
前記(2-b)の組合せのセスキテルペンラクトン誘導体は、例えば、下記化学式(5)で表されるセスキテルペンラクトン誘導体があげられる。
【化5】
JP2016050188A_000029t.gif

【0070】
前記一般式(1)で表される本発明の抗がん剤の製造方法は、特に制限されない。前記製造方法としては、例えば、植物から抽出および精製する方法、有機合成法、酵素等を利用する化学合成法等、従来公知の方法が採用できる。前記植物から抽出および精製する方法は、特に制限されず、例えば、ヤーコン(Smallanthus sonchifolius)等から抽出および精製する方法があげられる。前記本発明の抗がん剤の製造方法は、例えば、前記本発明のセスキテルペンラクトン誘導体の製造方法の説明を援用できる。

【0071】
<子宮頸がんを除くがんの抗がん剤>
本発明の子宮頸がんを除くがんの抗がん剤は、前述のように、下記一般式(1)で表されるセスキテルペンラクトン誘導体、その互変異性体もしくは立体異性体、またはそれらの塩、溶媒和物もしくは水和物を含むことを特徴とする。
【化1】
JP2016050188A_000030t.gif
前記一般式(1)中、
は、R1-1またはR1-2であり、
1-1は、水素原子、エポキシ基、アルケニル基、またはアジリジン基であり、
1-2は、下記一般式(2)であり、
【化2】
JP2016050188A_000031t.gif
は、水素原子、ハロゲノ基、アシルオキシ基、またはアミド基であり、
は、水素原子、ヒドロキシ基、アミノ基、シアノ基、メルカプトカルボニル基、メルカプトチオカルボニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルチオカルボニル基、またはアルコキシカルボニル基であり、
は、環A上のC-1、C-2、C-3、C-4およびC-5からなる群から選択された少なくとも1つの炭素原子に結合するアルキル基であり、
は、エポキシ基、アルケニル基、またはアジリジン基であり、
は、水素原子、ハロゲノ基、アシルオキシ基、またはアミド基であり、
は、環B上のC-1、C-2、C-3、C-4およびC-5からなる群から選択された少なくとも1つの炭素原子に結合するアルキル基であり、
Lは、単結合、硫黄原子、酸素原子、NH、または存在せず、
Mは、単結合、硫黄原子、酸素原子、NH、または存在せず、
ただし、R1-1が、エポキシ基の場合、RおよびLは、それぞれ、アシルオキシ基および酸素原子でなく、
nは、0~5の範囲の整数であり、
mは、0~5の範囲の整数である。

【0072】
本発明の子宮頸がんを除くがんの抗がん剤は、例えば、前記本発明のセスキテルペンラクトン誘導体等の説明を援用できる。

【0073】
本発明において、前記がんの種類は、子宮頸がん以外のがんである。前記がんの種類は、例えば、前立腺がん、急性前骨髄性白血病、メラノーマ、膀胱がん、乳がん、肺がん、卵巣がん、精巣がん等があげられる。

【0074】
本発明において、前記一般式(1)中、Rは、R1-1またはR1-2である。前記R1-1は、水素原子、エポキシ基、アルケニル基、またはアジリジン基である。前記R1-2は、前記一般式(2)である。前記R1-1がエポキシ基、アルケニル基およびアジリジン基の場合、それぞれ、前記本発明のセスキテルペンラクトン誘導体の前記Rがエポキシ基、アルケニル基およびアジリジン基の場合の説明を援用できる。

【0075】
本発明において、前記一般式(1)中の前記Rは、水素原子、ハロゲノ基、アシルオキシ基、またはアミド基であり、好ましくは、水素原子またはアシルオキシ基である。前記Rは、例えば、前記本発明のセスキテルペンラクトン誘導体の前記Rの説明を援用できる。なお、前記R1-1がエポキシ基の場合、前記Rは、アシルオキシ基でない。

【0076】
本発明において、前記一般式(1)中のRは、水素原子、ヒドロキシ基、アミノ基、シアノ基、メルカプトカルボニル基、メルカプトチオカルボニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルチオカルボニル基、またはアルコキシカルボニル基であり、好ましくは、水素原子、ヒドロキシ基またはアルコキシ基である。前記Rは、例えば、前記本発明のセスキテルペンラクトン誘導体の前記Rの説明を援用できる。

【0077】
本発明において、前記一般式(1)中のRは、環A上のC-1、C-2、C-3、C-4およびC-5からなる群から選択された少なくとも1つの炭素原子に結合するアルキル基である。前記Rは、例えば、前記本発明のセスキテルペンラクトン誘導体の前記Rの説明を援用できる。

【0078】
本発明において、前記一般式(2)中のRは、エポキシ基、アルケニル基、またはアジリジン基であり、好ましくは、エポキシ基またはアルケニル基である。前記Rは、例えば、前記本発明のセスキテルペンラクトン誘導体の前記Rの説明を援用できる。

【0079】
本発明において、前記一般式(2)中のRは、水素原子、ハロゲノ基、アシルオキシ基、またはアミド基であり、好ましくは、水素原子またはアシルオキシ基である。本発明において、RおよびRは、例えば、同じでもよいし、異なってもよい。前記Rは、例えば、前記本発明のセスキテルペンラクトン誘導体の前記Rの説明を援用できる。

【0080】
本発明において、前記一般式(2)中のRは、環B上のC-1、C-2、C-3、C-4およびC-5からなる群から選択された少なくとも1つの炭素原子に結合するアルキル基である。本発明において、前記RおよびRは、例えば、同じでもよいし、異なってもよい。前記Rは、例えば、前記本発明のセスキテルペンラクトン誘導体の前記Rの説明を援用できる。

【0081】
本発明において、前記一般式(1)中のLは、単結合、硫黄原子、酸素原子、NH、または存在しない。また、前記一般式(2)中のMは、単結合、硫黄原子、酸素原子、NH、または存在しない。本発明において、LとMとは、例えば、同じでもよいし、異なってもよい。なお、前記R1-1がエポキシ基の場合、Lは、酸素原子でない。本発明において、LおよびMは、例えば、それぞれ、前記本発明のセスキテルペンラクトン誘導体のLおよびMの説明を援用できる。

【0082】
本発明において、前記一般式(1)中のRのnは、特に制限されず、0~5の範囲の整数であり、好ましくは、1である。また、本発明において、前記一般式(2)中のRのmは、0~5の範囲の整数であり、好ましくは、1である。本発明において、nとmとは、例えば、同じでもよいし、異なってもよい。

【0083】
本発明において、前記一般式(1)および(2)の前記R~R、LおよびM、RのnおよびRのm、ならびにRおよびRの位置の組合せは、特に制限されない。また、本発明は、例えば、前記一般式(1)および(2)の前記R~R、LおよびM、RのnおよびRのm、ならびにRおよびRの位置の選択しうる全ての組合せを開示している。前記組合せは、例えば、下記表3の組合せがあげられる。

【0084】
【表3】
JP2016050188A_000032t.gif

【0085】
前記(3-a)の組合せのセスキテルペンラクトン誘導体は、例えば、下記化学式(6)で表されるセスキテルペンラクトン誘導体があげられる。
【化6】
JP2016050188A_000033t.gif

【0086】
前記(3-b)の組合せのセスキテルペンラクトン誘導体は、例えば、下記化学式(7)で表されるセスキテルペンラクトン誘導体があげられる。
【化7】
JP2016050188A_000034t.gif

【0087】
前記一般式(1)で表される本発明の子宮頸がんを除くがんの抗がん剤の製造方法は、特に制限されない。前記製造方法としては、例えば、植物から抽出および精製する方法、有機合成法、酵素等を利用する化学合成法等、従来公知の方法が採用できる。前記植物から抽出および精製する方法は、特に制限されず、例えば、ヤーコン(Smallanthus sonchifolius)等から抽出および精製する方法があげられる。前記本発明の子宮頸がんを除くがんの抗がん剤の製造方法は、例えば、前記本発明のセスキテルペンラクトン誘導体の製造方法の説明を援用できる。

【0088】
<子宮頸がんおよび前立腺がんを除くがんの抗がん剤>
本発明の子宮頸がんおよび前立腺がんを除くがんの抗がん剤は、前述のように、下記一般式(1)で表されるセスキテルペンラクトン誘導体、その互変異性体もしくは立体異性体、またはそれらの塩、溶媒和物もしくは水和物を含むことを特徴とする。
【化1】
JP2016050188A_000035t.gif
前記一般式(1)中、
は、R1-1またはR1-2であり、
1-1は、水素原子、エポキシ基、アルケニル基、またはアジリジン基であり、
1-2は、下記一般式(2)であり、
【化2】
JP2016050188A_000036t.gif
は、水素原子、ハロゲノ基、アシルオキシ基、またはアミド基であり、
は、水素原子、ヒドロキシ基、アミノ基、シアノ基、メルカプトカルボニル基、メルカプトチオカルボニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルチオカルボニル基、またはアルコキシカルボニル基であり、
は、環A上のC-1、C-2、C-3、C-4およびC-5からなる群から選択された少なくとも1つの炭素原子に結合するアルキル基であり、
は、エポキシ基、アルケニル基、またはアジリジン基であり、
は、水素原子、ハロゲノ基、アシルオキシ基、またはアミド基であり、
は、環B上のC-1、C-2、C-3、C-4およびC-5からなる群から選択された少なくとも1つの炭素原子に結合するアルキル基であり、
Lは、単結合、硫黄原子、酸素原子、NH、または存在せず、
Mは、単結合、硫黄原子、酸素原子、NH、または存在せず、
nは、0~5の範囲の整数であり、
mは、0~5の範囲の整数である。

【0089】
本発明の子宮頸がんおよび前立腺がんを除くがんの抗がん剤は、例えば、前記本発明のセスキテルペンラクトン誘導体等の説明を援用できる。

【0090】
本発明において、前記がんの種類は、子宮頸がんおよび前立腺がん以外のがんである。前記がんの種類は、例えば、急性前骨髄性白血病、メラノーマ、膀胱がん、乳がん、肺がん、卵巣がん、精巣がん等があげられる。

【0091】
本発明において、前記一般式(1)中、Rは、R1-1またはR1-2である。前記R1-1は、水素原子、エポキシ基、アルケニル基、またはアジリジン基である。前記R1-2は、前記一般式(2)である。前記R1-1がエポキシ基、アルケニル基およびアジリジン基の場合、それぞれ、前記本発明のセスキテルペンラクトン誘導体の前記Rがエポキシ基、アルケニル基およびアジリジン基の場合の説明を援用できる。

【0092】
本発明において、前記一般式(1)中の前記Rは、水素原子、ハロゲノ基、アシルオキシ基、またはアミド基であり、好ましくは、水素原子またはアシルオキシ基である。前記Rは、例えば、前記本発明のセスキテルペンラクトン誘導体の前記Rの説明を援用できる。

【0093】
本発明において、前記一般式(1)中のRは、水素原子、ヒドロキシ基、アミノ基、シアノ基、メルカプトカルボニル基、メルカプトチオカルボニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルチオカルボニル基、またはアルコキシカルボニル基であり、好ましくは、水素原子、ヒドロキシ基またはアルコキシ基である。前記Rは、例えば、前記本発明のセスキテルペンラクトン誘導体の前記Rの説明を援用できる。

【0094】
本発明において、前記一般式(1)中のRは、環A上のC-1、C-2、C-3、C-4およびC-5からなる群から選択された少なくとも1つの炭素原子に結合するアルキル基である。前記Rは、例えば、前記本発明のセスキテルペンラクトン誘導体の前記Rの説明を援用できる。

【0095】
本発明において、前記一般式(2)中のRは、エポキシ基、アルケニル基、またはアジリジン基であり、好ましくは、エポキシ基またはアルケニル基である。前記Rは、例えば、前記本発明のセスキテルペンラクトン誘導体の前記Rの説明を援用できる。

【0096】
本発明において、前記一般式(2)中のRは、水素原子、ハロゲノ基、アシルオキシ基、またはアミド基であり、好ましくは、水素原子またはアシルオキシ基である。本発明において、RおよびRは、例えば、同じでもよいし、異なってもよい。前記Rは、例えば、前記本発明のセスキテルペンラクトン誘導体の前記Rの説明を援用できる。

【0097】
本発明において、前記一般式(2)中のRは、環B上のC-1、C-2、C-3、C-4およびC-5からなる群から選択された少なくとも1つの炭素原子に結合するアルキル基である。本発明において、RおよびRは、例えば、同じでもよいし、異なってもよい。前記Rは、例えば、前記本発明のセスキテルペンラクトン誘導体の前記Rの説明を援用できる。

【0098】
本発明において、前記一般式(1)中のLは、単結合、硫黄原子、酸素原子、NHまたは存在しない。また、前記一般式(2)中のMは、単結合、硫黄原子、酸素原子、NHまたは存在しない。本発明において、LとMとは、例えば、同じでもよいし、異なってもよい。本発明において、LおよびMは、例えば、それぞれ、前記本発明のセスキテルペンラクトン誘導体のLおよびMの説明を援用できる。

【0099】
本発明において、前記一般式(1)中のRのnは、特に制限されず、0~5の範囲の整数であり、好ましくは、1である。また、本発明において、前記一般式(2)中のRのmは、0~5の範囲の整数であり、好ましくは、1である。本発明において、nとmとは、例えば、同じでもよいし、異なってもよい。

【0100】
本発明において、前記一般式(1)および(2)の前記R~R、LおよびM、RのnおよびRのm、ならびにRおよびRの位置の組合せは、特に制限されない。また、本発明は、例えば、前記一般式(1)および(2)の前記R~R、LおよびM、RのnおよびRのm、ならびにRおよびRの位置の選択しうる全ての組合せを開示している。前記組合せは、例えば、下記表4の組合せがあげられる。

【0101】
【表4】
JP2016050188A_000037t.gif

【0102】
前記(4-a)の組合せのセスキテルペンラクトン誘導体は、例えば、下記化学式(8)で表されるセスキテルペンラクトン誘導体があげられる。
【化8】
JP2016050188A_000038t.gif

【0103】
前記一般式(1)で表される本発明の子宮頸がんおよび前立腺がんを除くがんの抗がん剤の製造方法は、特に制限されない。前記製造方法としては、例えば、植物から抽出および精製する方法、有機合成法、酵素等を利用する化学合成法等、従来公知の方法が採用できる。前記植物から抽出および精製する方法は、特に制限されず、例えば、ヤーコン(Smallanthus sonchifolius)等から抽出および精製する方法があげられる。前記本発明の子宮頸がんおよび前立腺がんを除くがんの抗がん剤の製造方法は、例えば、前記本発明のセスキテルペンラクトン誘導体の製造方法の説明を援用できる。

【0104】
<セスキテルペンラクトン誘導体、その互変異性体もしくは立体異性体、またはそれらの塩、溶媒和物もしくは水和物の使用>
本発明は、がんを治療するための前記一般式(1)で表されるセスキテルペンラクトン誘導体、その互変異性体もしくは立体異性体、またはそれらの塩、溶媒和物もしくは水和物である。また、本発明は、がん治療用医薬の製造のための前記一般式(1)で表されるセスキテルペンラクトン誘導体、その互変異性体もしくは立体異性体、またはそれらの塩、溶媒和物もしくは水和物の使用である。本発明において、例えば、前記本発明のセスキテルペンラクトン誘導体等の説明を援用できる。前記がんは、例えば、子宮頸がんを除くがんであってもよいし、子宮頸がんおよび前立腺がんを除くがんであってもよい。

【0105】
前記一般式(1)で表されるセスキテルペンラクトン誘導体は、例えば、前記本発明の抗がん剤における、前記一般式(1)で表されるセスキテルペンラクトン誘導体であってもよいし、前記本発明の子宮頸がんを除くがんの抗がん剤における、前記一般式(1)で表されるセスキテルペンラクトン誘導体であってもよいし、前記本発明の子宮頸がんおよび前立腺がんを除くがんの抗がん剤における、前記一般式(1)で表されるセスキテルペンラクトン誘導体であってもよい。

【0106】
<がん治療方法>
本発明のがん治療方法は、被検体に、前記一般式(1)で表されるセスキテルペンラクトン誘導体、その互変異性体もしくは立体異性体、またはそれらの塩、溶媒和物もしくは水和物を投与することを特徴とする。本発明においては、前記セスキテルペンラクトン誘導体を使用することが特徴であって、その他の構成や条件等は、特に制限されない。本発明のがん治療方法において、例えば、前記本発明のセスキテルペンラクトン誘導体等の説明を援用できる。前記がんは、例えば、子宮頸がんを除くがんであってもよいし、子宮頸がんおよび前立腺がんを除くがんであってもよい。

【0107】
前記一般式(1)で表されるセスキテルペンラクトン誘導体は、例えば、前記本発明の抗がん剤における、前記一般式(1)で表されるセスキテルペンラクトン誘導体であってもよいし、前記本発明の子宮頸がんを除くがんの抗がん剤における、前記一般式(1)で表されるセスキテルペンラクトン誘導体であってもよいし、前記本発明の子宮頸がんおよび前立腺がんを除くがんの抗がん剤における、前記一般式(1)で表されるセスキテルペンラクトン誘導体であってもよい。

【0108】
本発明の前記セスキテルペンラクトン誘導体の投与条件は、特に制限されず、例えば、対象となるがん疾患の種類、進行度、患者の年齢等に応じて、投与形態、投与時期、投与量等を適宜設定できる。前記被検体は、例えば、ヒト、ヒトを除く非ヒト動物等があげられ、前記非ヒト動物は、例えば、マウス、ラット、イヌ、サル、ウサギ、ヒツジ、ウマ等の哺乳類があげられる。
【実施例】
【0109】
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明は実施例に記載された態様に限定されるものではない。
【実施例】
【0110】
[実施例1]
ヤーコン葉から前記化学式(3)~(8)で表されるセスキテルペンラクトン誘導体を精製し、前記化学式(3)の構造式を決定した。また、前記セスキテルペンラクトン誘導体がHela細胞に対し、抗がん活性を示すことを確認した。
【実施例】
【0111】
(1)セスキテルペンラクトン誘導体の抽出
0.8kgのヤーコン乾燥葉(三井ヘルプ株式会社社製)を1Lのアセトン(ナカライテスク社製)に浸漬した。前記浸漬後、前記浸漬液をプレス機にて圧搾し、アセトン抽出液を回収した。前記浸漬および抽出工程は合計3回行い、合計3Lのアセトン抽出液を回収した。前記抽出液を吸引ろ過し、ロータリーエバポレータ(EYELA TOKYO RIKAKIKAI CO, LTD社製)を用い乾固した。乾固したアセトン粗抽出物の重量は、22.8gであった。つぎに、前記アセトン粗抽出物に300mLの70%メタノール(ナカライテスク社製)を混合後、液体画分(メタノール抽出液)を回収し、夾雑物を除去した。メタノールによる抽出は合計3回行い、合計900mLのメタノール抽出液を回収した。さらに、ロータリーエバポレータを用い乾固した。乾固したメタノール粗抽出物の重量は、11.1gであった。そして、同様の抽出を再度行い、合計22.3gのメタノール粗抽出物を得た。
【実施例】
【0112】
(2)セスキテルペンラクトン誘導体の精製
22.3gのメタノール粗抽出物に、100mLのアセトンを加え、前記メタノール粗抽出物を溶解した。つぎに、前記溶解液と14.7gのセライト(和光社製)とを混合し、乾固した。さらに、150mLのヘキサンを加え、スラリー状に調製した。そして、前記スラリー状の調製液を、以下の条件でカラムクロマトグラフに供し、合計30分画(Fr1~30)を採取した。
【実施例】
【0113】
(カラムクロマトグラフの分離条件)
(1)カラム: シリカゲルG60カラム
(Merck Gemany社製、口径4.5cm×担体長40cm)
(2)カラム充填液:ヘキサン
(3)溶離条件: 時 間 : 溶媒
0~100分 : ヘキサン
100~700分 : 60%ジエチルエーテル-40%ヘキサン(v/v%)
700~900分 : 70%ジエチルエーテル-30%ヘキサン(v/v%)
900~1100分: 80%ジエチルエーテル-20%ヘキサン(v/v%)
1100~1300分: 90%ジエチルエーテル-10%ヘキサン(v/v%)
1300~1550分: ジエチルエーテル
1550~1800分: アセトン
となるよう、0分から1800分まで連続的に溶媒をカラムに供し、溶離した。
流速: 5mL/min
(4)分取量: 約500mL/分画
【実施例】
【0114】
つぎに、各分画を、以下の条件で、HPLCに供した。
【実施例】
【0115】
(HLPCの分析条件)
(1)送液ポンプ: PU-980 Intelligent HPLC Pump×2
(日本分光社製)
(2)検出器: UV-975 Intelligent UV/VIS
Detector(日本分光社製、測定波長:230nm)
(3)カラム: Inertsil ODS-3
(ジーエルサイエンス株式会社製、内径4.6mm×長さ150mm
4μm 高純度球状シリカゲル、カラム温度:40℃)
(4)溶媒:移動相A 40%アセトニトリル-60%超純水(v/v%)
移動相B 80%アセトニトリル-20%超純水(v/v%)
流速:1mL/min
(5)サンプル注入量:10μL
【実施例】
【0116】
前記HPLCにより、Fr4~Fr7に前記化合物(5)(以下、「polymatin B」ともいう。)および前記化合物(7)(以下、「sonchifolin」ともいう。)が、Fr11~Fr13に前記化合物(6)(以下、「uvedalin」ともいう。)が、Fr12~Fr16に前記化合物(8)(以下、「enhydrin」ともいう。)が、Fr21~Fr22に前記化合物(3)(以下、「uvedafolin」ともいう。)が、Fr24~Fr26に前記化合物(4)(以下、「enhydrofolin」ともいう。)が存在することが確認された。
【実施例】
【0117】
つぎに、uvedafolin、enhydrinおよびuvedalinは、それぞれを含む分画液に、10mg/mLとなるようにジエチルエーテルを混合し、25℃の条件下で結晶化し、精製した。また、enhydrofolinは、enhydrofolinを含む分画液に、10mg/mLとなるようにメタノールを混合し、8℃の条件下で結晶化し、精製した。そして、sonchifolinおよびpolymatin Bは、それぞれを含む分画液を、以下の条件で、PTLCに供した。
【実施例】
【0118】
(PTLCの精製条件)
(1)薄層プレート: シリカゲルプレート
(Merck社製、幅25cm×長さ25cm)
(2)溶媒: 75%ヘキサン-25%アセトン(v/v%)
(3)展開時間: 20分
【実施例】
【0119】
前記PTLCにより、Fr1~5に分画し、それぞれについて紫外線照射し、目視でsonchifolinおよびpolymatin Bを高濃度で含む分画(Fr3および4)を特定した。そして、Fr3および4について、下記の条件で分取HPLCに供し、sonchifolinおよびpolymatin Bを精製した。
【実施例】
【0120】
(分取HPLCの精製条件)
(1)送液ポンプ: LC-10AD
(SHIMADZU社製)
(2)検出器: SPD-10AI UV/VIS Detector
(SHIMADZU社製、測定波長:230nm)
(3)カラム: DEVELOSIL ODS-5
(NOMURA CHEMICAL社製、内径5mm×長さ200mm
カラム温度:40℃)
(4)溶媒:移動相 55%アセトニトリル-45%超純水(v/v%)
流速: 1mL/min
(5)サンプル注入量:10mg
【実施例】
【0121】
そして、前記精製により得られたuvedafolin、enhydrin、uvedalin、enhydrofolin、sonchifolinおよびpolymatin Bの重量は、それぞれ、108.5mg、1299.1mg、120mg、29.6mg、15.0mgおよび7.8mgであった。
【実施例】
【0122】
(3)構造解析
下記の条件で質量分析法(MS)に供し、精製したuvedafolinの質量を測定した。
【実施例】
【0123】
(MS分析条件)
(1)装置: LC-TOF-MS(Waters社製)
(2)溶媒: アセトニトリル
(3)測定方法: ESI法(エレクトロスプレーイオン化法)
【実施例】
【0124】
前記MSにより、uvedafolinは、分子量が809.3384(誤差9.5ppm)であることがわかった。また、uvedafolinは、C435315[M+H]で検出され、分子式はC435215であることがわかった。
【実施例】
【0125】
つぎに、下記の条件で核磁気共鳴法(NMR)に供し、精製したuvedafolinの構造を解析した。
【実施例】
【0126】
(NMRの分析条件)
(1)装置: JNM-ECA型核磁気共鳴装置(日本電子株式会社製)
(2)データ処理装置:Win Alpha NMR オペレーションシステム
(日本電子株式会社製)
(3)溶媒: Acetone-d6、重水(ISOTEC社製)
(4)標準物質: TMS(Tetra Methyl Silane)
(5)周波数: 600MHz
(5)測定方法: 1H-NMR、13C-NMR
DEPT(Distortionless Enhancement by Polarization Transfer)45、90、135
COSY、HETCOR、HMBC、TOCSY、NOESY
【実施例】
【0127】
この結果、uvedafolinは、前記化学式(3)で表される構造を有することがわかった。
【実施例】
【0128】
(4)抗がん活性の測定
各セスキテルペンラクトン誘導体の抗がん活性は、Cell counting kit-8(CCK-8、株式会社同仁化学研究所社製)、Lactate Dehydrogenase(LDH) assayまたはBrdU試験により測定した。
【実施例】
【0129】
(4-1)CCK-8による抗がん活性の測定
96wellプレート(TPP社製)に、40μLの培養液を加え、さらに、50μLの子宮頸がん細胞であるHela細胞を含む細胞液(4×10個/mL)を播種した。前記培養液は、10% FBS(Equitech-bio社製)、100unit/mL ペニシリン、100μg/mL ストレプトマイシン(Invitrogen社製)、10μg/mL HEPES(株式会社同仁化学研究所社製)を含むE-MEM培地(和光社製)を使用した。そして、37℃、95%Oおよび5%CO条件下のインキュベーター内で、前記Hela細胞を24時間培養した。
【実施例】
【0130】
前記培養後の各wellに、Dimethyl sulfoxide(DMSO)に溶解した10μLの各セスキテルペンラクトン誘導体を添加した。enhydrin、uvedalin、sonchifolinおよびpolymatin Bは、それぞれ、5、10または20μmol/Lとなるように、enhydrofolinおよびuvedafolinは、それぞれ、1、2.5または5μmol/Lとなるように添加した。そして、前記添加後24または48時間に、10μLのCCK-8試薬を各wellに添加し、前記培養条件下で3時間インキュベートした。そして、インキュベート後の各wellについて、マイクロプレートリーダー(Thermo Scientific社製)を用いて450nmの吸光度を測定した。
【実施例】
【0131】
また、ブランクは、前記細胞液に代えて、培養液を添加した以外は同様にして、コントロールは、前記セスキテルペンラクトン誘導体に代えて培養液を添加した以外は同様にして、吸光度を測定した。そして、下記数式1に基づき、前記各セスキテルペンラクトン誘導体におけるHela細胞の生存率の相対値を算出した。
【実施例】
【0132】
【数1】
JP2016050188A_000039t.gif
【実施例】
【0133】
また、前記吸光度から、前記各セスキテルペンラクトン誘導体の半数抑制濃度(IC50)を算出した。さらに、前記セスキテルペンラクトン誘導体に代えて、2.5、5、10もしくは20μmol/Lとなるように、抗がん剤であるパルテノリド(parthenolide)またはエトポシド(etoposide)を添加した以外は同様にして、IC50を算出した。
【実施例】
【0134】
生存率の相対値の結果を図1に示す。図1は、各セスキテルペンラクトン誘導体存在下におけるHela細胞の生存率の相対値を示すグラフである。図1において、(A)は、enhydrinの結果を示し、(B)は、uvedalinの結果を示し、(C)は、sonchifolinの結果を示し、(D)は、polymatin Bの結果を示し、(E)は、enhydrofolinの結果を示し、(F)は、uvedafolinの結果を示す。また、図1において、横軸は、各セスキテルペンラクトン誘導体の濃度を示し、縦軸は、生存率の相対値を示し、白色のバーが、前記セスキテルペンラクトン誘導体添加後24時間の結果を示し、黒色のバーが、前記セスキテルペンラクトン誘導体添加後48時間の結果を示す。図1に示すように、いずれのセスキテルペンラクトン誘導体においても、コントロールに対して、有意にHela細胞の生存率が低下した。また、いずれのセスキテルペンラクトン誘導体において、濃度依存的に、Hela細胞の生存率が低下した。
【実施例】
【0135】
つぎに、IC50の結果を表5に示す。表5に示すように、polymatin B、enhydrofolinおよびuvedafolinは、いずれもenhydrin、uvedalin、sonchifolin、parthenolideまたはetoposideに対して、低いIC50を示した。
【実施例】
【0136】
【表5】
JP2016050188A_000040t.gif
【実施例】
【0137】
これらの結果から、polymatin B、enhydrofolinおよびuvedafolinが、子宮頸がんに対して、極めて優れた抗がん活性を奏することがわかった。
【実施例】
【0138】
(4-2)LDH assayによる抗がん活性の測定
50μLのHela細胞液(1×10個/mL)を播種した以外は、前記(4-1)と同様にして、前記各セスキテルペンラクトン誘導体を添加した。そして、前記添加後24または48時間の各wellについて、LDHキット(Roche社製)を用い、添付のプロトコルにしたがって、492nmの吸光度を測定した。また、ブランクは、前記細胞液に代えて、培養液を添加した以外は同様にして、コントロール1は、添加後24または48時間のwellに5μL Lysis solutionを添加し、15分間インキュベートした以外は同様にして、コントロール2は、前記各セスキテルペンラクトン誘導体に代えて、1%DMSO溶液を添加した以外は同様にして、492nmの吸光度を測定した。
【実施例】
【0139】
そして、各wellの吸光度から、ブランクの吸光度を引き、補正後の吸光度を算出した。さらに、コントロール2の補正後の吸光度を0%、コントロール1の補正後の吸光度を100%とし、前記各セスキテルペンラクトン誘導体におけるHela細胞のLDH活性の相対値を算出した。また、前記補正後の吸光度から、前記各セスキテルペンラクトン誘導体の半数抑制濃度(IC50)を算出した。さらに、前記セスキテルペンラクトン誘導体に代えて、2.5、5、10もしくは20μmol/Lとなるように、parthenolideまたはetoposideを添加した以外は同様にして、IC50を算出した。
【実施例】
【0140】
LDH活性の結果を図2に示す。図2は、各セスキテルペンラクトン誘導体存在下におけるHela細胞のLDH活性の相対値を示すグラフである。図2において、(A)は、enhydrinの結果を示し、(B)は、uvedalinの結果を示し、(C)は、sonchifolinの結果を示し、(D)は、polymatin Bの結果を示し、(E)は、enhydrofolinの結果を示し、(F)は、uvedafolinの結果を示す。また、図2において、横軸は、各セスキテルペンラクトン誘導体の濃度を示し、縦軸は、LDH活性の相対値を示し、白色のバーが、前記セスキテルペンラクトン誘導体添加後24時間の結果を示し、黒色のバーが、前記セスキテルペンラクトン誘導体添加後48時間の結果を示す。図2に示すように、いずれのセスキテルペンラクトン誘導体においても、セスキテルペンラクトン誘導体未添加(コントロール2、0μmol/L)に対して、有意にHela細胞のLDH活性が上昇した。また、いずれのセスキテルペンラクトン誘導体において、濃度依存的に、Hela細胞のLDH活性が上昇した。
【実施例】
【0141】
つぎに、IC50の結果を表6に示す。表6に示すように、polymatin B、enhydrofolinおよびuvedafolinは、いずれもenhydrin、uvedalin、sonchifolin、parthenolideまたはetoposideに対して、低いIC50を示した。
【実施例】
【0142】
【表6】
JP2016050188A_000041t.gif
【実施例】
【0143】
これらの結果から、polymatin B、enhydrofolinおよびuvedafolinが、子宮頸がんに対して、極めて優れた抗がん活性を奏することがわかった。
【実施例】
【0144】
(4-3)BrdU試験による抗がん活性の測定
50μLのHela細胞液(2×10個/mL)を播種した以外は、前記(4-1)と同様にして、前記各セスキテルペンラクトン誘導体を添加した。そして、前記添加後24または48時間の各wellについて、BrdUキット(Cell Proliferation ELISA、BrdU (colorimetric)、Roche社製)を用い、添付のプロトコルにしたがって、450nmの吸光度を測定した。また、ブランクは、前記細胞液に代えて、前記培養液を添加した以外は同様にして、450nmの吸光度を測定した。コントロールは、前記セスキテルペンラクトン誘導体に代えて、前記培養液を添加した以外は同様にして、吸光度を測定した。
【実施例】
【0145】
そして、各wellの吸光度から、ブランクの吸光度を引き、補正後の吸光度を算出した。さらに、コントロールの補正後の吸光度を100%とし、前記各セスキテルペンラクトン誘導体におけるHela細胞の増殖活性の相対値を算出した。また、前記吸光度から、前記各セスキテルペンラクトン誘導体の半数抑制濃度(IC50)を算出した。さらに、前記セスキテルペンラクトン誘導体に代えて、2.5、5、10もしくは20μmol/Lとなるように、parthenolideまたはetoposideを添加した以外は同様にして、IC50を算出した。
【実施例】
【0146】
増殖活性の結果を図3に示す。図3は、各セスキテルペンラクトン誘導体存在下におけるHela細胞の増殖活性の相対値を示すグラフである。図3において、(A)は、enhydrinの結果を示し、(B)は、uvedalinの結果を示し、(C)は、sonchifolinの結果を示し、(D)は、polymatin Bの結果を示し、(E)は、enhydrofolinの結果を示し、(F)は、uvedafolinの結果を示す。また、図3において、横軸は、各セスキテルペンラクトン誘導体の濃度を示し、縦軸は、増殖活性の相対値を示し、白色のバーが、前記セスキテルペンラクトン誘導体添加後24時間の結果を示し、黒色のバーが、前記セスキテルペンラクトン誘導体添加後48時間の結果を示す。図3に示すように、いずれのセスキテルペンラクトン誘導体においても、セスキテルペンラクトン誘導体未添加に対して、有意にHela細胞の増殖活性が低下した。また、いずれのセスキテルペンラクトン誘導体において、濃度依存的に、Hela細胞の増殖活性が低下した。
【実施例】
【0147】
つぎに、IC50の結果を表7に示す。表7に示すように、polymatin B、enhydrofolinおよびuvedafolinは、いずれもenhydrin、uvedalin、sonchifolin、parthenolideまたはetoposideに対して、低いIC50を示した。
【実施例】
【0148】
【表7】
JP2016050188A_000042t.gif
【実施例】
【0149】
これらの結果から、polymatin B、enhydrofolinおよびuvedafolinが、子宮頸がんに対して、極めて優れた抗がん活性を奏することがわかった。
【実施例】
【0150】
[実施例2]
本発明のセスキテルペンラクトン誘導体が、がん細胞にアポトーシスを誘導することを確認した。
【実施例】
【0151】
16ウェルチャンバースライドに、100μLの培養液を加え、さらに、100μLのHela細胞を含む細胞液(1×10個/mL)を播種した以外は、前記実施例1(4-1)と同様にして、インキュベーター内で、前記Hela細胞を24時間培養した。前記培養後、さらに180μLの前記培養液とDMSOに溶解した20μLの各セスキテルペンラクトン誘導体を添加した。sonchifolinおよびpolymatin Bは、10μmol/Lとなるように、また、enhydrofolinおよびuvedafolinは、5μmol/Lとなるように添加した。そして、前記添加後、前記チャンバースライドは、前記インキュベーター内で、さらに培養した。
【実施例】
【0152】
前記添加後24および48時間に、前記チャンバースライドを回収し、前記培養液を除去した。つぎに、300μLの4℃のリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を添加し、前記チャンバースライドを洗浄した。前記洗浄後、前記チャンバースライドを乾燥させた。前記洗浄および乾燥は、再度行った。
【実施例】
【0153】
さらに、前記チャンバースライドに、200μLの10%ホルマリン溶液を添加し、4℃で1日間固定した。前記固定後、300μLのPBSで前記チャンバースライドを2回洗浄した。つぎに、1μg/mL 4’,6-diamidino-2-phenylindole(DAPI)試薬200μLを添加し、20℃および遮光条件下で、30分間染色した。前記染色後、前記DAPI試薬を除去し、PBSで前記チャンバーを洗浄した。さらに、蛍光退色防止試薬(Roche社製)およびカバーガラスで、前記チャンバースライドを封入した。そして、前記チャンバースライドを、蛍光顕微鏡(OLYMPUS BX51、OLYMPUS社製)で観察した。
【実施例】
【0154】
この結果を図4および5に示す。図4および5は、核の形態を示す写真である。図4は、24時間の結果を示し、図5は、48時間の結果を示す。また、図4および5において、(A)は、コントロールの結果を示し、(B)は、sonchifolinの結果を示し、(C)は、polymatin Bの結果を示し、(D)は、enhydrofolinの結果を示し、(E)は、uvedafolinの結果を示し、図中の白矢印は、アポトーシス細胞を示す。図4に示すように、24時間において、コントロールでは、アポトーシス細胞が見られなかった。これに対し、いずれのセスキテルペンラクトン誘導体でも、24時間において、図中の白矢印で示すように、核の断片化が生じているアポトーシス細胞が多数存在した。また、図5に示すように、48時間においても、コントロールでは、アポトーシス細胞が見られなかった。これに対し、いずれのセスキテルペンラクトン誘導体でも、48時間において、図中の白矢印で示すように、核の断片化が生じているアポトーシス細胞が多数存在した。これらの結果から、セスキテルペンラクトン誘導体が、がん細胞に対してアポトーシスを誘導し、抗がん活性を奏することが示唆された。ただし、本発明は、この推定に、何ら制限されない。
【実施例】
【0155】
[実施例3]
本発明のセスキテルペンラクトン誘導体が、がん細胞において、カスパーゼの活性化を誘導することを確認した。
【実施例】
【0156】
10cmディッシュ(TPP社製)に、10mLのHela細胞を含む細胞液(5×10個/mL)を播種した以外は、前記実施例1(4-1)と同様にして、インキュベーター内で、前記Hela細胞を24時間培養した。つぎに、前記ディッシュの培養液を除去し、10mLの新しい培養液を添加した。そして、前記ディッシュに、DMSOに溶解した10μLの各セスキテルペンラクトン誘導体を添加した。enhydrin、uvedalin、sonchifolinおよびpolymatin Bは、10μmol/Lとなるように、また、enhydrofolinおよびuvedafolinは、5μmol/Lとなるように添加した。前記添加後、前記ディッシュは、前記インキュベーター内で、さらに培養した。そして、前記添加後6、12、または24時間に、前記ディッシュから、前記Hela細胞を回収した。
【実施例】
【0157】
回収後のHela細胞を400gで5分間遠心した後、上清を除き、ペレットを回収した。つぎに、300μLの前記培養液で懸濁した。そして、前記懸濁液について、FAM FLICA(商標) Caspase 3 & 7 Assay Kit(Immunochemistry U.S.A.社製)を用いて、添付のプロトコルにしたがって、前記添加後6、12、または24時間におけるcaspase-3/7活性を測定した。また、コントロールは、前記セスキテルペンラクトン誘導体未添加とした以外は同様にして、前記添加後6、12および24時間におけるcaspase-3/7活性を測定した。そして、各時間について、コントロールのcaspase-3/7活性を1とし、前記各時間の各セスキテルペンラクトン誘導体におけるcaspase-3/7の相対活性を算出した。
【実施例】
【0158】
この結果を図6に示す。図6は、各セスキテルペンラクトン誘導体存在下におけるcaspase-3/7活性を示すグラフである。図6(A)および(B)において、横軸は、前記セスキテルペンラクトン誘導体添加後の時間を示し、縦軸は、caspase-3/7の相対活性を示す。また、(A)は、enhydrin、uvedalin、sonchifolin、およびpolymatin Bの結果を示し、バーは、左から、コントロール、enhydrin、uvedalin、sonchifolin、およびpolymatin Bを示す。(B)は、enhydrofolinおよびuvedafolinの結果を示し、バーは、左から、コントロール、enhydrofolinおよびuvedafolinを示す。図6(A)および(B)に示すように、いずれのセスキテルペンラクトン誘導体においても、セスキテルペンラクトン誘導体未添加(コントロール)に対して、caspase-3/7活性が上昇した。これらの結果から、セスキテルペンラクトン誘導体が、カスパーゼの活性化を通じて、抗がん活性を奏することが示唆された。ただし、本発明は、この推定に、何ら制限されない。
【実施例】
【0159】
[実施例4]
本発明のセスキテルペンラクトン誘導体が、NFκB阻害活性を示すことを確認した。
【実施例】
【0160】
10cmディッシュ(TPP社製)にHela細胞を含む細胞液(3×10個/mL)を10mL播種した。そして、37℃、95%Oおよび5%CO条件下のインキュベーター内で、前記Hela細胞を24時間培養した。前記培養後、培養液を除去し、1%FBSを含むE-MEM培地を10mL加えた。さらに、各wellに、DMSOに溶解した10μLの各セスキテルペンラクトン誘導体を添加した。enhydrin、uvedalin、sonchifolin、およびpolymatin Bは、それぞれ、5、10または20μmol/Lとなるように、また、enhydrofolinおよびuvedafolinは、それぞれ、1、2.5または5μmol/Lとなるように添加した。
【実施例】
【0161】
前記セスキテルペンラクトン誘導体添加後6時間に、20ng/mLとなるようにTNF—αを添加した。TNF-α添加後30分に、前記培養液を除去し、前記ディッシュの細胞を回収した。そして、核タンパク質抽出キット(Nuclear Extraction kit、Cayman Chemical社製)を使用して、添付のプロトコルにしたがって、核タンパク質を抽出した。
【実施例】
【0162】
つぎに、10μgの核タンパク質について、NFκB活性測定キット(NFκB(p65) Transcription Factor Assay Kit、Cayman Chemical社製)を使用して、添付のプロトコルにしたがって、450nmの吸光度を測定した。ブランクは、TNF-αを添加しなかった以外は同様にして、コントロールは、前記セスキテルペンラクトン誘導体未添加とした以外は同様にして、450nmの吸光度を測定した。また、下記数式2に基づき、NFκB阻害活性を算出した。
【実施例】
【0163】
【数2】
JP2016050188A_000043t.gif
【実施例】
【0164】
吸光度の結果を図7に示す。図7は、吸光度を示すグラフである。図7において、(A)は、enhydrin、uvedalin、sonchifolin、およびpolymatin Bの結果を示し、(B)は、enhydrofolinおよびuvedafolinの結果を示す。また、図7(A)および(B)において、横軸は、前記サンプルの種類およびサンプルの濃度を示し、縦軸は、吸光度を示す。図7(A)および(B)に示すように、いずれのセスキテルペンラクトン誘導体においても、セスキテルペンラクトン誘導体未添加(コントロール)に対して、吸光度が低下した。
【実施例】
【0165】
つぎに、NFκB阻害活性の結果を表8および9に示す。表8および9に示すように、enhydrin、uvedalin、sonchifolin、polymatin B、enhydrofolinおよびuvedafolinは、高いNFκB阻害活性を示した。
【実施例】
【0166】
【表8】
JP2016050188A_000044t.gif
【実施例】
【0167】
【表9】
JP2016050188A_000045t.gif
【実施例】
【0168】
これらの結果から、enhydrin、uvedalin、sonchifolin、polymatin B、enhydrofolinおよびuvedafolinが、NFκBp65の転写阻害活性を奏することがわかった。また、セスキテルペンラクトン誘導体は、NFκBの転写阻害活性を通じて、抗がん活性を奏することが示唆された。ただし、本発明は、この推定に、何ら制限されない。
【実施例】
【0169】
[実施例5]
本発明のセスキテルペンラクトン誘導体が、白血病細胞に対して抗がん活性を示すことを確認した。
【実施例】
【0170】
96wellプレートに、40μLの培養液を加え、さらに、50μLの白血病細胞を含む細胞液(4×10個/mL)を播種した。前記白血病細胞は、HL-60細胞株(理研バイオリソースセンターより入手)を使用した。そして、37℃、95%Oおよび5%CO条件下のインキュベーター内で、前記HL-60細胞を24時間培養した。
【実施例】
【0171】
前記培養後の各wellに、DMSOに溶解した10μLの各セスキテルペンラクトン誘導体を添加した。enhydrin、uvedalin、sonchifolinおよびpolymatin Bは、それぞれ、0.5、1、2.5、5、10または20μmol/Lとなるように添加した。また、enhydrofolinおよびuvedafolinは、それぞれ、0.05、0.1、0.5、1、2.5、または5μmol/Lとなるように添加した。そして、前記添加後24または48時間に、10μL CCK-8試薬を各wellに添加し、前記培養条件下で3時間インキュベートした。そして、インキュベート後の各wellについて、マイクロプレートリーダー(Thermo Scientific社製)を用いて450nmの吸光度を測定した。
【実施例】
【0172】
また、ブランクは、前記細胞液に代えて、培養液を添加した以外は同様にして、コントロールは、前記セスキテルペンラクトン誘導体に代えて培養液を添加した以外は同様にして、吸光度を測定した。そして、前記実施例1(4-1)と同様にして、前記各セスキテルペンラクトン誘導体におけるHL-60細胞の生存率の相対値を算出した。さらに、前記セスキテルペンラクトン誘導体に代えて、2.5、5、10もしくは20μmol/Lとなるように、parthenolideを、0.05、0.1、0.5、1、2.5、5もしくは10μmol/Lとなるように、etoposideを添加した以外は同様にして、生存率の相対値を算出した。
【実施例】
【0173】
そして、前記吸光度から、前記各セスキテルペンラクトン誘導体、parthenolideおよびetoposideの半数抑制濃度(IC50)を算出した。
【実施例】
【0174】
生存率の相対値の結果を図8に示す。図8は、各セスキテルペンラクトン誘導体存在下におけるHL-60細胞の生存率の相対値を示すグラフである。図8において、(A)は、enhydrinの結果を示し、(B)は、uvedalinの結果を示し、(C)は、sonchifolinの結果を示し、(D)は、polymatin Bの結果を示し、(E)は、enhydrofolinの結果を示し、(F)は、uvedafolinの結果を示し、(G)は、parthenolideの結果を示し、(H)は、etoposideの結果を示す。また、図8(A)~(H)において、横軸は、各セスキテルペンラクトン誘導体、parthenolideまたはetoposideの濃度を示し、縦軸は、生存率の相対値を示し、白色のバーが、前記セスキテルペンラクトン誘導体等添加後24時間の結果を示し、黒色のバーが、前記セスキテルペンラクトン誘導体等添加後48時間の結果を示す。図8(A)~(F)に示すように、いずれのセスキテルペンラクトン誘導体においても、コントロールに対して、有意にHL-60細胞の生存率が低下した。また、いずれのセスキテルペンラクトン誘導体においても、濃度依存的に、HL-60細胞の生存率が低下した。そして、parthenolideおよびetoposideにおいても、コントロールに対して、濃度依存的にHL-60細胞の生存率が低下した。
【実施例】
【0175】
つぎに、IC50の結果を表10に示す。表10に示すように、enhydrin、uvedalin、sonchifolin、polymatin B、enhydrofolinおよびuvedafolinは、parthenolideに対して、いずれも低いIC50を示した。
【実施例】
【0176】
【表10】
JP2016050188A_000046t.gif
【実施例】
【0177】
これらの結果から、enhydrin、uvedalin、sonchifolin、polymatin B、enhydrofolinおよびuvedafolinが、白血病細胞に対して、極めて優れた抗がん活性を奏することがわかった。
【実施例】
【0178】
[実施例6]
本発明のセスキテルペンラクトン誘導体が、膀胱がんに対して抗がん活性を示すことを確認した。
【実施例】
【0179】
(1)enhydrinの抗がん活性
96wellプレートに、40μLの培養液を加え、さらに、50μLの膀胱がん細胞を含む細胞液を播種した。前記膀胱がん細胞は、HT1197細胞およびRT112細胞(全てAmerican Type Culture Collection (ATCC)から入手)を使用した。また、前記膀胱がん細胞としてHT1197細胞を用いる場合、前記細胞液の濃度は、4×10個/mLとし、前記膀胱がん細胞としてRT112細胞を用いる場合、前記細胞液の濃度は、3×10個/mLとした。そして、37℃、95%Oおよび5%CO条件下のインキュベーター内で、前記膀胱がん細胞を24時間培養した。
【実施例】
【0180】
前記培養後の各wellに、DMSOに溶解した10μLのenhydrinを添加した。enhydrinは、前記膀胱がん細胞がHT1197細胞の場合、0.1、0.5、1、1.5、2または3μg/mLとなるように、前記膀胱がん細胞がRT112細胞の場合、0.5、1、1.5、2または3μg/mLとなるように、添加した。そして、前記添加後24、48、72または96時間において、Cell Proliferation Kit I (MTT)(Roche社製)を用い、添付のプロトコルにしたがって、増殖活性を測定した。コントロールは、enhydrinを添加しなかった以外は同様にして、増殖活性を測定した。そして、各時間におけるコントロールの増殖活性を1とし、増殖活性の相対値を算出した。
【実施例】
【0181】
この結果を図9に示す。図9は、enhydrin存在下における前記膀胱がん細胞の増殖活性の相対値を示すグラフである。図9において、(A)は、HT1197細胞の結果を示し、(B)は、RT112細胞の結果を示す。また、図9において、横軸は、enhydrin添加後の培養時間を示し、縦軸は、増殖活性の相対値を示す。図9に示すように、enhydrinは、いずれの膀胱がん細胞に対しても抗がん活性を示した。
【実施例】
【0182】
(2)uvedalinの抗がん活性
enhydrinに代えて、uvedalinを添加し、前記膀胱がん細胞として、HT1197細胞、RT112細胞、J82細胞、および253J細胞(全てATCCから入手)を用い、前記膀胱がん細胞として、J82細胞および253J細胞を用いる場合、前記細胞液の濃度を、3×10個/mLとした以外は、前記実施例6(1)と同様にして、増殖活性の相対値を算出した。uvedalinは、前記膀胱がん細胞がHT1197細胞、RT112細胞、および253J細胞の場合、0.1、0.5、1、1.5、2または3μg/mLとなるように、前記膀胱がん細胞がJ82細胞の場合、3μg/mL、または、2もしくは3μmol/Lとなるように、添加した。
【実施例】
【0183】
この結果を図10に示す。図10は、uvedalin存在下における前記膀胱がん細胞の増殖活性の相対値を示すグラフである。図10において、(A)は、HT1197細胞の結果を示し、(B)は、RT112細胞の結果を示し、(C)は、J82細胞の結果を示し、(D)は、253J細胞の結果を示す。また、図10において、横軸は、uvedalin添加後の培養時間を示し、縦軸は、増殖活性の相対値を示す。図10に示すように、uvedalinは、いずれの膀胱がん細胞に対しても抗がん活性を示した。
【実施例】
【0184】
(3)uvedafolinの抗がん活性
uvedalinに代えて、uvedafolinを添加し、前記膀胱がん細胞として、HT1197細胞、RT112細胞、J82細胞、253J細胞、およびT24細胞(全てATCCから入手)を用い、前記膀胱がん細胞として、T24細胞を用いる場合、前記細胞液の濃度を、3×10個/mLとした以外は、前記実施例6(2)と同様にして、増殖活性の相対値を算出した。uvedafolinは、前記膀胱がん細胞がHT1197細胞、253J細胞およびRT112細胞の場合、0.5、1、1.5、2または3μg/mLとなるように、前記膀胱がん細胞がJ82細胞の場合、1、1.5または2μmol/Lとなるように、前記膀胱がん細胞がT24細胞の場合、0.5、1、2または3μmol/Lとなるように、添加した。
【実施例】
【0185】
この結果を図11に示す。図11は、uvedafolin存在下における前記膀胱がん細胞の増殖活性の相対値を示すグラフである。図11において、(A)は、HT1197細胞の結果を示し、(B)は、RT112細胞の結果を示し、(C)は、J82細胞の結果を示し、(D)は、253J細胞の結果を示し、(E)は、T24細胞の結果を示す。また、図11において、横軸は、uvedafolin添加後の培養時間を示し、縦軸は、増殖活性の相対値を示す。図11に示すように、uvedafolinは、いずれの膀胱がん細胞に対しても抗がん活性を示した。
【実施例】
【0186】
これらの結果から、本発明のセスキテルペンラクトン誘導体が、膀胱がんに対して、極めて優れた抗がん活性を奏することがわかった。
【実施例】
【0187】
[実施例7]
本発明のセスキテルペンラクトン誘導体が、前立腺がんに対して抗がん活性を示すことを確認した。
【実施例】
【0188】
(1)uvedalinの抗がん活性
96wellプレートに、40μLの培養液を加え、さらに、50μLの前立腺がん細胞を含む細胞液(3×10個/mL)を播種した。前記前立腺がん細胞は、Du145細胞、LNcap細胞、およびPc-3細胞(全てATCCから入手)を使用した。そして、37℃、95%Oおよび5%CO条件下のインキュベーター内で、前記前立腺がん細胞を24時間培養した。
【実施例】
【0189】
前記培養後の各wellに、DMSOに溶解した10μLのuvedalinを添加した。uvedalinは、1、1.5、2または3μg/mLとなるように、添加した。そして、前記添加後24、48、72または96時間において、Cell Proliferation Kit I (MTT)(Roche社製)を用い、添付のプロトコルにしたがって、増殖活性を測定した。コントロールは、uvedalinを添加しなかった以外は同様にして、増殖活性を測定した。そして、各時間におけるコントロールの増殖活性を1とし、増殖活性の相対値を算出した。
【実施例】
【0190】
この結果を図12に示す。図12は、uvedalin存在下における前記前立腺がん細胞の増殖活性の相対値を示すグラフである。図12において、(A)は、Du145細胞の結果を示し、(B)は、LNcap細胞の結果を示し、(C)は、Pc-3細胞の結果を示す。また、図12において、横軸は、uvedalin添加後の培養時間を示し、縦軸は、増殖活性の相対値を示す。図12に示すように、uvedalinは、いずれの前立腺がん細胞に対しても抗がん活性を示した。
【実施例】
【0191】
(2)uvedafolinの抗がん活性
uvedalinに代えて、uvedafolinを添加した以外は、前記実施例7(1)と同様にして、増殖活性の相対値を算出した。
【実施例】
【0192】
この結果を図13に示す。図13は、uvedafolin存在下における前記前立腺がん細胞の増殖活性の相対値を示すグラフである。図13において、(A)は、Du145細胞の結果を示し、(B)は、LNcap細胞の結果を示し、(C)は、Pc-3細胞の結果を示す。また、図13において、横軸は、uvedafolin添加後の培養時間を示し、縦軸は、増殖活性の相対値を示す。図13に示すように、uvedafolinは、いずれの前立腺がん細胞に対しても抗がん活性を示した。
【実施例】
【0193】
これらの結果から、本発明のセスキテルペンラクトン誘導体が、前立腺がんに対して、極めて優れた抗がん活性を奏することがわかった。
【実施例】
【0194】
[実施例8]
本発明のセスキテルペンラクトン誘導体が、肺がんに対して抗がん活性を示すことを確認した。
【実施例】
【0195】
(1)enhydrinの抗がん活性
96wellプレートに、40μLの培養液を加え、さらに、50μLの肺がん細胞を含む細胞液(3×10個/mL)を播種した。前記肺がん細胞は、NCI-H358細胞(ヒト細気管支肺胞上皮がん細胞株、DSファーマイバイオメディカル株式会社から入手)、RERF-LC-A細胞(ヒト肺扁平上皮がん細胞株、理研バイオリソースセンターから入手)、およびMAC10細胞(ヒト肺腺ガン細胞株、香川大学医学部付属病院呼吸器・乳腺内分泌外科から入手)を使用した。そして、37℃、95%Oおよび5%CO条件下のインキュベーター内で、前記肺がん細胞を24時間培養した。
【実施例】
【0196】
前記培養後の各wellに、DMSOに溶解した10μLのenhydrinを添加した。enhydrinは、1、1.5、2、2.5、3または3.5μmol/Lとなるように添加した。そして、前記添加後24、48、72または96時間において、Cell Proliferation Kit I (MTT)(Roche社製)を用い、添付のプロトコルにしたがって、増殖活性を測定した。コントロールは、enhydrinを添加しなかった以外は同様にして、増殖活性を測定した。そして、各時間におけるコントロールの増殖活性を1とし、増殖活性の相対値を算出した。
【実施例】
【0197】
この結果を図14に示す。図14は、enhydrin存在下における前記肺がん細胞の増殖活性の相対値を示すグラフである。図14において、(A)は、NCI-H358細胞の結果を示し、(B)は、RERF-LC-A細胞の結果を示し、(C)は、MAC10細胞の結果を示す。また、図14において、横軸は、enhydrin添加後の培養時間を示し、縦軸は、増殖活性の相対値を示す。図14に示すように、enhydrinは、いずれの肺がん細胞に対しても抗がん活性を示した。
【実施例】
【0198】
(2)uvedafolinの抗がん活性
enhydrinに代えて、uvedafolinを添加した以外は、前記実施例8(1)と同様にして、増殖活性の相対値を算出した。
【実施例】
【0199】
この結果を図15に示す。図15は、uvedafolin存在下における前記肺がん細胞の増殖活性の相対値を示すグラフである。図15において、(A)は、NCI-H358細胞の結果を示し、(B)は、RERF-LC-A細胞の結果を示し、(C)は、MAC10細胞の結果を示す。また、図15において、横軸は、uvedafolin添加後の培養時間を示し、縦軸は、増殖活性の相対値を示す。図15に示すように、uvedafolinは、いずれの肺がん細胞に対しても抗がん活性を示した。
【実施例】
【0200】
これらの結果から、本発明のセスキテルペンラクトン誘導体が、肺がんに対して、極めて優れた抗がん活性を奏することがわかった。
【実施例】
【0201】
[実施例9]
本発明のセスキテルペンラクトン誘導体が、乳がんに対して抗がん活性を示すことを確認した。
【実施例】
【0202】
(1)enhydrinの抗がん活性
96wellプレートに、40μLの培養液を加え、さらに、50μLの乳がん細胞を含む細胞液(3×10個/mL)を播種した。前記乳がん細胞は、SK-BR-3細胞(ヒト乳腺腺ガン細胞株、ATCCから入手)およびMCF7細胞(ヒト乳腺上皮がん細胞株、理研バイオリソースセンターから入手)を使用した。そして、37℃、95%Oおよび5%CO条件下のインキュベーター内で、前記乳がん細胞を24時間培養した。
【実施例】
【0203】
前記培養後の各wellに、DMSOに溶解した10μLのenhydrinを添加した。enhydrinは、1、1.5、2、2.5、3または3.5μmol/Lとなるように添加した。そして、前記添加後24、48、72または96時間において、Cell Proliferation Kit I (MTT)(Roche社製)を用い、添付のプロトコルにしたがって、増殖活性を測定した。コントロールは、enhydrinを添加しなかった以外は同様にして、増殖活性を測定した。そして、各時間におけるコントロールの増殖活性を1とし、増殖活性の相対値を算出した。
【実施例】
【0204】
この結果を図16に示す。図16は、enhydrin存在下における前記乳がん細胞の増殖活性の相対値を示すグラフである。図16において、(A)は、SK-BR-3細胞の結果を示し、(B)は、MCF7細胞の結果を示す。また、図16において、横軸は、enhydrin添加後の培養時間を示し、縦軸は、増殖活性の相対値を示す。図16に示すように、enhydrinは、いずれの乳がん細胞に対しても抗がん活性を示した。
【実施例】
【0205】
(2)uvedafolinの抗がん活性
enhydrinに代えて、uvedafolinを添加した以外は、前記実施例9(1)と同様にして、増殖活性の相対値を算出した。
【実施例】
【0206】
この結果を図17に示す。図17は、uvedafolin存在下における前記乳がん細胞の増殖活性の相対値を示すグラフである。図17において、(A)は、SK-BR-3細胞の結果を示し、(B)は、MCF7細胞の結果を示す。また、図17において、横軸は、uvedafolin添加後の培養時間を示し、縦軸は、増殖活性の相対値を示す。図17に示すように、uvedafolinは、いずれの乳がん細胞に対しても抗がん活性を示した。
【実施例】
【0207】
これらの結果から、本発明のセスキテルペンラクトン誘導体が、乳がんに対して、極めて優れた抗がん活性を奏することがわかった。
【実施例】
【0208】
[実施例10]
本発明のセスキテルペンラクトン誘導体が、BAK1およびP53AIP1の発現上昇を誘導することを確認した。
【実施例】
【0209】
10cmディッシュに、10mLの膀胱がん細胞である253J細胞を含む細胞液(10×10個/mL)を播種した。そして、37℃、95%Oおよび5%CO条件下のインキュベーター内で、前記膀胱がん細胞を24時間培養した。
【実施例】
【0210】
前記培養後の各wellに、DMSOに溶解した10μLのuvedafolinを添加した。uvedafolinは、BAK1遺伝子を測定する場合、3または5μmol/Lとなるように添加し、P53AIP1遺伝子を測定する場合、2、3、または4μmol/Lとなるように添加した。そして、前記添加後2、4、6、または8時間において、前記膀胱がん細胞を回収した。つぎに、回収した前記膀胱がん細胞から、Trizol RNA isolation reagents(Life Technologies社製)を用いて、添付のプロトコルにしたがって、RNAを精製した。さらに、前記RNAを鋳型として、逆転写酵素(TaqMan(登録商標) reverse transcriptase、Applied Biosystems社製)を用いて、添付のプロトコルにしたがって、cDNAを逆転写した。
【実施例】
【0211】
得られた前記cDNAを鋳型として、Assay-on Demand Gene Expression Assay(Applied Biosystems社製)およびBio-Rad iCycler PCR Thermal Cycler(Bio-RAD社製)を用い、添付のプロトコルに従ってquantitative Real-time PCR(qRT-PCR)を行い、前記膀胱がん細胞中のBAK1遺伝子およびP53AIP1遺伝子のmRNA発現量、ならびに内部標準であるGAPDH遺伝子のmRNA発現量を測定した。BAK1遺伝子およびP53AIP1遺伝子のmRNA発現量は、GAPDH遺伝子のmRNA発現量に対する相対値として算出した。また、コントロールは、uvedafolinを添加しなかった以外は同様にして、BAK1遺伝子およびP53AIP1遺伝子のmRNA発現量を算出した。前記qRT-PCRにおいて、BAK1遺伝子およびP53AIP1遺伝子の増幅には、以下のアッセイIDのプライマーセット(TaqMan(登録商標)Gene Expression Assay、Applied Biosystems社製)を使用した。また、GAPDH遺伝子の増幅には、GAPDH遺伝子の測定キット(Human GAPD (GAPDH) Endogenous Control、Applied Biosystems社製)を使用した。

BAK1遺伝子増幅用プライマーセット
Assay ID: Hs00940249_m1
P53AIP1遺伝子増幅用プライマーセット
Assay ID: Hs00223141_m1
【実施例】
【0212】
BAK1遺伝子のmRNA発現量の結果を図18に示す。図18において、横軸は、uvedafolinの濃度を示し、縦軸は、BAK1遺伝子のmRNAの相対的発現量を示し、グラフは、左からそれぞれ添加後2、4、6および8時間の結果を示す。図18に示すように、いずれの時間においても、uvedafolin添加群は、コントロールに対して、BAK1遺伝子のmRNA発現量が増加した。
【実施例】
【0213】
つぎに、P53AIP1遺伝子のmRNA発現量の結果を図19に示す。図19において、横軸は、uvedafolinの濃度を示し、縦軸は、P53AIP1遺伝子のmRNAの相対的発現量を示し、グラフは、左からそれぞれ添加後4および8時間を示す。図19に示すように、いずれの時間においても、uvedafolin添加群は、コントロールに対して、P53AIP1遺伝子のmRNA発現量が増加した。
【実施例】
【0214】
これらの結果から、本発明のセスキテルペンラクトン誘導体が、BAK1遺伝子およびP53AIP1遺伝子の発現上昇を通じて、抗がん活性を奏することが示唆された。ただし、本発明は、この推定に、何ら制限されない。
【実施例】
【0215】
以上、実施形態および実施例を参照して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態および実施例に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をできる。
【産業上の利用可能性】
【0216】
以上、説明したように、本発明によれば、新たな抗がん活性を有する化合物を提供できる。このため、本発明は、臨床分野および生化学分野等において極めて有用である。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図6】
3
【図7】
4
【図8】
5
【図4】
6
【図5】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
12
【図14】
13
【図15】
14
【図16】
15
【図17】
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【図18】
17
【図19】
18