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明細書 :レーザーコンプトン散乱装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5975461号 (P5975461)
公開番号 特開2013-161609 (P2013-161609A)
登録日 平成28年7月29日(2016.7.29)
発行日 平成28年8月23日(2016.8.23)
公開日 平成25年8月19日(2013.8.19)
発明の名称または考案の名称 レーザーコンプトン散乱装置
国際特許分類 H05G   2/00        (2006.01)
H01S   3/00        (2006.01)
H01J  35/00        (2006.01)
FI H05G 2/00 J
H01S 3/00 A
H01J 35/00 Z
請求項の数または発明の数 4
全頁数 21
出願番号 特願2012-021690 (P2012-021690)
出願日 平成24年2月3日(2012.2.3)
審査請求日 平成27年1月30日(2015.1.30)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504151365
【氏名又は名称】大学共同利用機関法人 高エネルギー加速器研究機構
発明者または考案者 【氏名】浦川 順治
【氏名】清水 洋孝
【氏名】本田 洋介
個別代理人の代理人 【識別番号】100093816、【弁理士】、【氏名又は名称】中川 邦雄
審査官 【審査官】伊藤 昭治
参考文献・文献 特開2011-035331(JP,A)
特開平08-195519(JP,A)
特開2003-043528(JP,A)
国際公開第2012/011373(WO,A1)
特開2004-287273(JP,A)
特開2011-228256(JP,A)
特開2000-244044(JP,A)
米国特許出願公開第2007/0047601(US,A1)
調査した分野 H05G 2/00
H01S 3/00
H01J 35/00
特許請求の範囲 【請求項1】
レーザーの自己発振増幅を行うため、少なくとも、励起レーザー光源と、RF強度変調器、ファイバ増幅器1、光共振器、調整ケーブル、及びファイバ増幅器2が順番に環状に連結して成る光周回路と、及び該光周回路の外に連結されて設けられたバースト増幅のためのレーザー耐久性のレーザーパルスの入射角が垂直でない4枚鏡の光共振器である外部共振器から成り
前記外部共振器のフィードバック信号を前記光周回路内の前記光共振器のフィードバック信号から生成させることにより前記外部共振器によるバースト増幅時に共鳴が自動的に維持することができ、且つ、前記外部共振器内のレーザーパルスが前記光周回路のループに戻ることのないように構築された装置であって、
前記光周回路においてレーザーの自己発振増幅が起動されることによって前記光共振器に増幅レーザーが蓄積され、
この蓄積レーザーの一部が前記レーザー耐久性の外部共振器に伝送され、
該外部共振器において自動光共振方式によるバースト増幅と蓄積が行われる一方、該外部共振器に蓄積されたレーザーパルスが前記光周回路のループに戻ることなく外部共振器に大強度のレーザー光が蓄積され
前記外部共振器の中でレーザーコンプトン散乱が行われることを特徴とする
レーザーコンプトン散乱装置。
【請求項2】
レーザーの自己発振増幅を行うため、少なくとも、励起レーザー光源と、RF強度変調器、ファイバ増幅器1、光共振器、調整ケーブル、及びファイバ増幅器2が順番に環状に連結して成る光周回路と、及び該光周回路の外に順番に連結されて設けられたレーザー増幅手段及びバースト増幅のためのレーザー耐久性のレーザーパルスの入射角が垂直でない4枚鏡の光共振器である外部共振器から成り
前記外部共振器のフィードバック信号を前記光周回路内の前記光共振器のフィードバック信号から生成させることにより前記外部共振器によるバースト増幅時に共鳴が自動的に維持することができ、且つ、前記外部共振器内のレーザーパルスが前記光周回路のループに戻ることのないように構築された装置であって、
前記光周回路においてレーザーの自己発振増幅が起動されることによって前記光共振器に増幅レーザーが蓄積され、
この蓄積レーザーの一部が前記レーザー増幅手段に伝送され、該レーザー増幅手段によって増幅され、
この増幅されたレーザーが前記レーザー耐久性の外部共振器に伝送され、
該外部共振器において自動光共振方式によるバースト増幅と蓄積が行われる一方、該外部共振器に蓄積されたレーザーパルスが前記光周回路のループに戻ることなく外部共振器に大強度のレーザー光が蓄積され
前記外部共振器の中でレーザーコンプトン散乱が行われることを特徴とする
レーザーコンプトン散乱装置。
【請求項3】
レーザーの自己発振増幅を行うため、少なくとも、励起レーザー光源と、RF強度変調器、ファイバ増幅器1、レーザー耐久性の光共振器、調整ケーブル、及びファイバ増幅器2が順番に環状に連結して成る光周回路と、及び該光周回路の外に順番に連結されて設けられたレーザー増幅手段及びバースト増幅のためのレーザー耐久性のレーザーパルスの入射角が垂直でない4枚鏡の光共振器である外部共振器から成り
前記外部共振器のフィードバック信号を前記光周回路内の前記レーザー耐久性の光共振器のフィードバック信号から生成させることにより前記外部共振器によるバースト増幅時に共鳴が自動的に維持することができ、且つ、前記外部共振器内の反射レーザーパルスが前記光周回路のループに戻ることのないように構築された装置であって、
前記光周回路においてレーザーの自己発振増幅が起動されることによって前記レーザー耐久性の光共振器に増幅レーザーが蓄積され、
この蓄積レーザーの一部が前記レーザー増幅手段に伝送され、該レーザー増幅手段によって増幅され、
この増幅されたレーザーが前記レーザー耐久性の外部共振器に伝送され、
該外部共振器において自動光共振方式によるバースト増幅と蓄積が行われる一方、該外部共振器に蓄積されたレーザーパルスが前記光周回路のループに戻ることなく外部共振器に大強度のレーザー光が蓄積され
前記外部共振器の中でレーザーコンプトン散乱が行われることを特徴とする
レーザーコンプトン散乱装置。
【請求項4】
レーザーの自己発振増幅を行うため、少なくとも、励起レーザー光源と、RF強度変調器、ファイバ増幅器1、光共振器、調整ケーブル、及びファイバ増幅器2が順番に環状に連結して成る光周回路と、該光周回路の外に順番に連結されて設けられたレーザー増幅手段及びバースト増幅のためのレーザー耐久性のレーザーパルスの入射角が垂直でない4枚鏡の光共振器である外部共振器と、及び前記光共振器と前記レーザー耐久性の外部共振器との間に介挿された、光周回路にある光共振器からのパルス信号を検出し外部共振器にフィードバックするフィードバック検出系及び補正ボードFPGAから成り、
前記外部共振器のフィードバック信号を前記光周回路内の前記光共振器のフィードバック信号から生成させることにより前記外部共振器によるバースト増幅時に共鳴が自動的に維持することができ、且つ、前記外部共振器内のレーザーパルスが前記光周回路のループに戻ることのないように構築された装置であって、
前記光周回路においてレーザーの自己発振増幅が起動されることによって前記光共振器に増幅レーザーが蓄積され、
この蓄積レーザーの一部が前記レーザー増幅手段に伝送され、該レーザー増幅手段によって増幅され、
この増幅されたレーザーが前記レーザー耐久性の外部共振器に伝送され、
前記フィードバック検出系及び補正ボードにより、該外部共振器において自動光共振方式によるバースト増幅と蓄積が行われる一方、該外部共振器に蓄積されたレーザーパルスが前記光周回路のループに戻ることなく外部共振器に大強度のレーザー光が蓄積され、
前記外部共振器の中でレーザーコンプトン散乱が行われることを特徴とする
レーザーコンプトン散乱装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、バースト増幅によって大強度レーザーパルスを生成し蓄積できるようにした新規のレーザーコンプトン散乱装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、レーザーコンプトン散乱を利用した小型X線発生装置の開発が行われている。レーザーコンプトン散乱とは、パルスレーザーと電子ビームの電子との衝突によってX線が発生することである。そのため、レーザーコンプトン散乱を行うためには1パルス当たりの強度(パルス強度)が非常に高いレーザーの生成と蓄積が必要である。通常、レーザーコンプトン散乱によって10keV程度の準単色X線を発生させるのに必要なレーザーのパルス強度は100マイクロジュール程度あればよいが、産業利用性が高い50keV以上の高輝度準単色X線を発生させるのに必要なレーザーのパルス強度は、少なくとも1ミリジュール程度である。
【0003】
従来、レーザーを生成する手段としてファイバ増幅器や光共振器が知られている。ファイバ増幅器を用いるレーザー生成は、誘導放射物質をドープさせた光ファイバに励起レーザーを入射することによって行われる。ファイバ増幅器を用いる方法は、原理的にはファイバを長くすることによって増幅率を大きくすることは可能ではあるが、共鳴状態がファイバの熱膨張や振動などによって簡単に失われるので、レーザー強度は、あまり高くできない。
【0004】
ファイバ増幅器を用いる方法として、例えば、循環型の多段ファイバ増幅器が提案されている(特許文献1)。これは、同方向ポンピングされた段と逆方向ポンピングされた段との間に減衰器を置くことによって段間のポンピングエネルギーの伝送及び後の段から前の段への信号エネルギーの伝送を阻止する方法である。上記減衰器は、現在でいう光アイソレータに相当するものである。しかし、この方法では、ファイバの熱膨張や振動を抑制することに限界があるので、レーザー強度は、あまり高くできない。
【0005】
ファイバ増幅器を用いる方法として、例えば、ファイバ増幅器と数十GHz帯で駆動するRF(高周波)強度変調器とファブリペロ型フィルタやバンドパスフィルタ等とから構成される高調波モード同期ファイバレーザーや再生モード同期ファイバレーザー等の色々なリングファイバレーザーが、光通信用パルスレーザー発振器の目的のために提案されている(特許文献2、非特許文献1~2)。リングファイバレーザーは、原理的にはファイバを長くするほど増幅倍率を大きくできるので、数十メートルのファイバを用いた10dB(10倍増幅)程度の小型ファイバ増幅器から数十キロメートルのファイバを用いた40dB(1万倍増幅)程度の大型のファイバ増幅器が製造されている。しかし、ファイバを長くするほど熱膨張の影響が大きくなるので、簡単に共鳴状態が失われるという問題がある。前記光通信用の高調波モード同期ファイバレーザーや再生モード同期ファイバレーザーは、熱膨張や振動による基本周波数と変調周波数のずれを抑制するために工夫されたものであるが、これによって生成されるレーザーのパルス強度は、ピコジュールレベルであることがわかる(非特許文献2)。光通信用パルスレーザー発振器は、情報信号伝送速度の高速化が目的(=発振パルス数を数十GHzにすることが目的)であり、パルス強度の高いレーザーを生成するためのものではないからである。
【0006】
他方、光共振器は、誘導放射によって発生するレーザーを向かい合う共振鏡によって反射させながら共振鏡面上のレーザー干渉によって増幅するレーザー増幅手段であり、共振鏡の反射率に依存してレーザーの蓄積を調整できる。光共振器を用いる方法は、原理的にはコンパクトな光共振器によってレーザーの増幅と蓄積が可能である。光共振器には、リング形状のファブリペロ型共振器や反射鏡を持つマイケルソン干渉計型共振器やフォックス・スミス干渉計型共振器等が知られている。
【0007】
光共振器を用いる方法として、例えば、ファブリペロ型共振器や反射鏡を持つフォックス・スミス干渉計型共振器等とGHz帯で駆動するRF強度変調器を用いた単純な構造の光伝送用レーザー発振器が提案されている(特許文献3)。この種のレーザー発振器は、熱変動による共振幅のずれ防止のため、発振出力を高くしてもパルス強度は、高々マイクロジュールレベルが限界であった。
【0008】
光共振器を用いる方法として、例えば、共振鏡としての凹面鏡と共振鏡を機械的に制御するためのピエゾ調整器とを有するフォックス・スミス干渉計型の共振器を用いたSingle-Frequencyのレーザーパルスの生成が報告されている(非特許文献3)。この方法で生成されるレーザーの出力は、精々15mWであることが報告されている。
【0009】
光共振器を用いる方法として、光共振器内に固体レーザー(誘導放出媒体)を設け、レーザーダイオードに電流注入を行うことにより発生させたポンピング光(励起レーザー)を前記固体レーザーに入射してレーザーを発生させることが提案されている(特許文献4)。この方法は、レーザーダイオードが安価で小型であるので、利用性の高いレーザー発生方法ではあるが、強いレーザーに対する劣化防止のための手段が講じられていないので、高強度のレーザー生成と蓄積が困難である。
【0010】
光共振器を用いる方法として、ダイオードでポンピングされるレーザー増幅器が提案されている(特許文献5)。この増幅器は、レーザー活性固体媒体を内部に有する共振器内に強いサーマルレンズを設けることによって、レーザービームを該媒体に合焦させる装置である。しかし、この共振器は、強いレーザーに対する劣化防止のための手段が講じられていないので、高強度のレーザー生成と蓄積が困難である。
【0011】
光共振器を用いる方法として、レーザーコンプトン散乱によるX線を発生させるために、大強度モードロック発振器と光共振器を用いてレーザーを生成する装置が提案されている(特許文献6)。しかし、大強度モードロック発振器は、非常に高価であり、発振器からのレーザーを光共振器に於いて安定に増幅するためには、非常に高度なフィードバック制御技術が必要であるために、精々1000倍程度の増幅が限界であることから、この方法で生成可能なレーザーのパルス強度は、精々100マイクロジュール程度であった。
【0012】
光共振器を用いる方法として、複数の光共振器を直列に配置した多段増幅型レーザーシステムを半導体露光に用いることが提案されている(特許文献7)。この光共振器には、普通の反射鏡が使用されている。レーザーの増幅倍率は、反射鏡のレーザー耐久性と機械的な共鳴幅の制御精度によって制限されるので、この種の光共振器によるレーザー増幅倍率は、1000倍以下である。
【0013】
光共振器によるレーザーの増幅は、共振器長がレーザーの半波長の整数倍に合致する条件が満足されることによって行われる。これを定在波が立つという。定在波の共鳴幅は共振鏡の反射率で決まるので、高増幅率を得ようとして高反射率の鏡を使用する程、狭くなっていく。例えば、増幅率1000倍の共振器では、共鳴幅は共振鏡の位置精度にしてサブナノメートル(10-10m)になり、振動等の環境の擾乱で簡単に共鳴状態が失われる。レーザー共鳴状態を維持させるためには、共振鏡をピエゾ駆動にし、高度なフィードバック制御を行うことが必要とされる。しかし、従来の光共振器は、機械的な制御の限界上、安定に共鳴を維持できる技術的限界は増幅率1000倍程度であった。
【0014】
大強度のレーザーを生成させるには、大出力の励起レーザー光源と大型の光共振器と大出力の高周波発振器を組み合わせることによって可能ではあるが、装置全体が超大型になることから、産業利用には適さない。
【0015】
以上のような状況の中で、本発明者らは、光共振器による増幅が光周回路のフィードバック機能によって自己発振的に繰り返される自己発振増幅機構を発明し、これによって光共振器に3000倍程度の増幅強度を持つレーザーを蓄積することができる画期的なレーザー発生装置を提案した(特許文献8)。この装置によってパルス強度が100マイクロジュール以上のレーザーを生成することができる。しかし、パルス強度が1ミリジュール以上のレーザーを生成することは非常に困難であった。
【0016】
1ミリジュール程度のパルス強度を有するレーザーを生成できるレーザー生成装置の開発には、レーザー耐久性の共振鏡の課題もある。従来、耐レーザー性の共振鏡の材料には、半導体露光装置用の耐レーザー性の高い光学用合成石英ガラス(特許文献9)、耐レーザー損傷特性を有する屈折率の低い高純度シリカガラス材料(特許文献10)、耐レーザー性の高い合成石英ガラス(特許文献11)、耐レーザーに優れたエキシマレーザー用光学石英ガラス(特許文献12)、耐レーザー性の良好なエキシマレーザー用積層金属膜(特許文献13)、高屈折率の酸化タンタル薄膜と低屈折率のシリカ薄膜から成る誘電体多層膜(特許文献14)、サファイア等のセラミック材料(特許文献15)、単結晶酸化チタン薄膜や単結晶酸化ケイ素薄膜等のセラミック薄膜、単結晶ゲルマニウム、銅等の金属材料、単結晶酸化ゲルマニウム薄膜、単結晶ガリウム砒素薄膜、単結晶ガリウムインジウム砒素薄膜等の半導体材料、等が知られている。また、面発光型半導体レーザーなどの光デバイス中に、熱伝導性の高いダイヤモンド層を含む多層膜構造を多層膜反射ミラーとして形成することが提案されている(特許文献16)。
【0017】
しかし、本発明者らの実験によって、前記に挙げた材料から成る共振鏡や反射鏡の殆どが、300マイクロジュール程度のパルス強度を有するレーザーの繰り返し共振によって破壊されることがわかった。
【0018】
以上の説明のように、従来、光共振器やファイバ増幅器を用いた種々のレーザー生成装置は、材料加工用のレーザー生成装置や光通信用のレーザー発振器として知られているが、レーザーコンプトン散乱X線の生成の目的に利用できる大強度レーザーを発生可能な簡易で小型のレーザー生成装置を搭載したレーザーコンプトン散乱装置は、殆ど知られていなかった。
【先行技術文献】
【0019】

【特許文献1】特許公表平6-506059号公報
【特許文献2】特開2000-244044号公報
【特許文献3】特開平6-318751号公報
【特許文献4】特開2002-141589号公報
【特許文献5】特開平5-75189号公報
【特許文献6】特開2009-16488号公報
【特許文献7】特開2011-166169号公報
【特許文献8】特開2011-035331号公報
【特許文献9】特開2010-150097号公報
【特許文献10】特開2010-155778号公報
【特許文献11】特開2009-190958号公報
【特許文献12】特開2000-191329号公報
【特許文献13】特開平10-160915号公報
【特許文献14】特開2006-30288号公報
【特許文献15】特開2004-356479号公報
【特許文献16】特開平10-233558号公報
【0020】

【非特許文献1】G. T. Harvey, L. F. Mollenauer, Harmonically mode-locked fiber ringlaser with an internal Fabry-Perot stabilizer for soliton transm, OPTICSLETTERS, 1993. 01. 15, Vol. 18, No. 2, pp. 107-109
【非特許文献2】O. G. Okhotnikov and M. Guina, Stable single- and dual-wavelengthfiber laser mode locked and spectrum shaped by a Fabry-Perot saturableabsorber, OPTICS LETTERS, 2000. 11. 15, Vol. 25, No. 22, pp. 1624-1626
【非特許文献3】P. W. Smith, Stabilized single-frequency output from a long lasercavity, IEEE Journal of Quantum Electronics, 1965. 11, Vol. QE-1, No. 8, pp.343-348
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明の目的は、バースト増幅によって大強度レーザーバルスの生成及び蓄積ができる簡易で小型のレーザーコンプトン散乱装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、自己発振増幅によるレーザー増幅手段と、及び、更に高い増幅が可能なレーザー耐久性の外部共振器とを連動させることによって、外部共振器においてバースト増幅が可能であり、これによって自己発振増幅だけによる増幅よりも予想外の驚くほど高い増幅が可能であることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0023】
すなわち、本発明は、上記課題を解決するため、
1.
レーザーの自己発振増幅を行うため、少なくとも、励起レーザー光源と、RF強度変調器、ファイバ増幅器1、光共振器、調整ケーブル、及びファイバ増幅器2が順番に環状に連結して成る光周回路と、及び該光周回路の外に連結されて設けられたバースト増幅のためのレーザー耐久性の外部共振器から成る装置であり、
前記光周回路においてレーザーの自己発振増幅が起動されることによって前記光共振器に増幅レーザーが蓄積され、この蓄積レーザーの一部が前記レーザー耐久性の外部共振器に伝送され、該外部共振器においてバースト増幅と蓄積が行われ、
該外部共振器の中でレーザーコンプトン散乱が行われることを特徴とするレーザーコンプトン散乱装置の構成とした。
2.
レーザーの自己発振増幅を行うため、少なくとも、励起レーザー光源と、RF強度変調器、ファイバ増幅器1、光共振器、調整ケーブル、及びファイバ増幅器2が順番に環状に連結して成る光周回路と、及び該光周回路の外に順番に連結されて設けられたレーザー増幅手段及びバースト増幅のためのレーザー耐久性の外部共振器から成る装置であり、
前記光周回路においてレーザーの自己発振増幅が起動されることによって前記光共振器に増幅レーザーが蓄積され、この蓄積レーザーの一部が前記レーザー増幅手段に伝送され、該レーザー増幅手段によって増幅され、この増幅されたレーザーが前記レーザー耐久性の外部共振器に伝送され、該外部共振器においてバースト増幅と蓄積が行われ、
該外部共振器の中でレーザーコンプトン散乱が行われることを特徴とするレーザーコンプトン散乱装置の構成とした。
3.
レーザーの自己発振増幅を行うため、少なくとも、励起レーザー光源と、RF強度変調器、ファイバ増幅器1、レーザー耐久性の光共振器、調整ケーブル、及びファイバ増幅器2が順番に環状に連結して成る光周回路と、及び該光周回路の外に順番に連結されて設けられたレーザー増幅手段及びバースト増幅のためのレーザー耐久性の外部共振器から成る装置であり、
前記光周回路においてレーザーの自己発振増幅が起動されることによって前記レーザー耐久性の光共振器に増幅レーザーが蓄積され、この蓄積レーザーの一部が前記レーザー増幅手段に伝送され、該レーザー増幅手段によって増幅され、この増幅されたレーザーが前記レーザー耐久性の外部共振器に伝送され、該外部共振器においてバースト増幅と蓄積が行われ、
該外部共振器の中でレーザーコンプトン散乱が行われることを特徴とするレーザーコンプトン散乱装置の構成とした。
【発明の効果】
【0024】
本発明レーザーコンプトン散乱装置は、安定したレーザーの高倍率増幅が自己発振増幅によって行うことができる光共振器内蔵型の光周回路を作り、この光周回路の外にバースト増幅のための少なくともレーザー耐久性の外部共振器を設けているので、自己発振増幅によって作られた光周回路の高倍率増幅レーザーの一部が、レーザー耐久性の外部共振器に入り、該外部共振器において更に1万倍程度に増幅され蓄積されるので、該外部共振器に電子ビームを入射し、レーザーコンプトン散乱を行うことができる。本発明装置におけるレーザー耐久性の外部共振器には、レーザーのパルス強度が少なくとも1ミリジュール以上、出力が10MW程度のレーザーを蓄積できることが確認されている。
【0025】
また、本発明装置におけるレーザー耐久性の外部共振器として用いられる三次元又は二次元4枚鏡光共振器は、レーザーコンプトン散乱反応容器として最も好ましい。
【0026】
また、本発明装置における光共振器内蔵の光周回路の自己発振増幅は非常にコンパクトな手段であるにもかかわらず、従来の大型の大強度モードロックレーザー発振器よりもそれ以上のより高強度のレーザーパルスを安定して発振できること、この大強度モードロックレーザーを光共振器に蓄積し、その一部を外付けの外部共振器によってバースト増幅し蓄積するという非常に高度なことを簡易にできる装置であることから、レーザーコンプトン散乱のために最も好ましい。そして、本発明装置は、超小型のレーザーコンプトン散乱装置として、いろいろな産業に幅広く利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明レーザーコンプトン散乱装置の一つを説明する概念図である。これは、光周回路の外にバースト増幅のためのレーザー耐久性の外部共振器が連結されて設けられている例である。矢印は、光の流れを示す。他の図においても同じ。
【図2】本発明レーザーコンプトン散乱装置の一つを説明する概念図である。これは、光周回路の外にレーザー増幅手段及びバースト増幅のためのレーザー耐久性の外部共振器が連結されて設けられている例である。
【図3】本発明レーザーコンプトン散乱装置の一つを説明する概念図である。これは、光周回路にある光共振器としてレーザー耐久性の光共振器を用い、光周回路の外にレーザー増幅手段及びバースト増幅のためのレーザー耐久性の外部共振器が連結されて設けられている例である。
【図4】本発明レーザーコンプトン散乱装置の一つを説明する概略図である。この装置は、能動モードロック方式による自己発振増幅を行う光周回路の外にバースト増幅のためのレーザー耐久性の外部共振器が連結されて設けられている装置の例である。
【図5】本発明レーザーコンプトン散乱装置の一つを説明する概略図である。この装置は、能動モードロック方式による自己発振増幅を行う光周回路の外にレーザー増幅手段及びバースト増幅のためのレーザー耐久性の外部共振器が連結されて設けられている装置の例である。
【図6】本発明レーザーコンプトン散乱装置の一つを説明する概略図である。この装置は、能動モードロック方式による自己発振増幅を行う光周回路の光共振器としてレーザー耐久性の光共振器を用い、光周回路の外にレーザー増幅手段及びバースト増幅のためのレーザー耐久性の外部共振器が連結されて設けられている装置の例である。
【図7】本発明レーザーコンプトン散乱装置の一つを説明する概略図である。この装置は、再生モードロック方式によって自己発振増幅を行う光周回路の外にバースト増幅のためのレーザー耐久性の外部共振器が連結されて設けられている装置の例である。
【図8】本発明レーザーコンプトン散乱装置の一つを説明する概略図である。この装置は、再生モードロック方式によって自己発振増幅を行う光周回路の外にレーザー増幅手段及びバースト増幅のためのレーザー耐久性の外部共振器が連結されて設けられている装置の例である。
【図9】本発明レーザーコンプトン散乱装置の一つを説明する概略図である。この装置は、再生モードロック方式によって自己発振増幅を行う光周回路にある光共振器としてレーザー耐久性の光共振器を用い、光周回路の外にレーザー増幅手段及びバースト増幅のためのレーザー耐久性の外部共振器が連結されて設けられている装置の例である。
【図10】本発明におけるレーザー耐久性の外部共振器の一つを示す構造図である。
【図11】本発明レーザーコンプトン散乱装置によるレーザーコンプトン散乱を説明する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明におけるバースト増幅とは、短いパスで一瞬にして飛躍的に高い増幅を行うことを意味しており、具体的には、レーザーをレーザー耐久性の外部共振器によって爆発的に増幅、例えば、種レーザーを少なくとも数千倍程度からそれ以上の増幅率で増幅することであり、増幅の程度はレーザー耐久性の外部共振器よりも少ないもののレーザー耐久性の外部共振器の手前に設けたレーザー増幅手段によって非常に高い増幅を行うことでもある。

【0029】
本発明レーザーコンプトン散乱装置は、少なくとも励起レーザー光源と、光共振器、RF強度変調器、調整ケーブル、及びレーザー増幅器から成る光周回路で自己発振増幅を起動することによって生成された高増幅倍率のレーザーの一部が、前記光周回路の外に設けられたバースト増幅のためのレーザー耐久性の外部共振器に入り、該共振器によって更に1万倍程度の増幅と蓄積が行われ、該外部共振器の中でレーザーコンプトン散乱が行われることに最大の特徴がある。

【0030】
これは、「光周回路の外に設けられた外部共振器のフィードバック信号を光周回路内の光共振器のフィードバック信号から生成するので、そのため、外部共振器によるバースト増幅時も共鳴が自動的に維持できる」という、本発明装置が搭載する光増幅蓄積回路ならではの特徴によって成し遂げられるものである。

【0031】
本発明においてバースト増幅のためにレーザー耐久性を有する外部共振器を用いる理由は、光周回路で生成する高増幅倍率のレーザーを外部共振器において更に1万倍程度の増幅と蓄積をするためには、光周回路にある光共振器よりも高いレーザー耐久性を持つ必要があるからである。本発明におけるレーザー耐久性の外部共振器としては、4枚鏡の光共振器が最も好ましい。4枚鏡の光共振器としては、三次元4枚鏡光共振器または二次元4枚鏡光共振器が最も好ましい。それは、レーザーパルスの入射角がミラーに対して垂直になっていないので、反射レーザーパルスが、光周回路のループに戻らないからである。そして、レーザー耐久性の外部共振器として三次元4枚鏡光共振器または二次元4枚鏡光共振器は、レーザーコンプトン散乱のための反応容器として最も好ましい。

【0032】
また、本発明は、光周回路にある光共振器に蓄積されたレーザーが外付けのレーザー増幅手段によってさらに増幅され、外付けのレーザー耐久性の外部共振器に伝送されることもできる。レーザー耐久性の外部共振器の手前にレーザー増幅手段が設けられることによって、前記の「光周回路の外に設けられた外部共振器のフィードバック信号を光周回路内の光共振器のフィードバック信号から生成する」ことを非常に簡易に行うことができる。この方式は、いわば、光共振器の自動光共振方式である。この方式を搭載した本発明装置は、光周回路にある光共振器に蓄積されたレーザーが外付けのレーザー増幅手段によってさらに増幅されるのであるが、この増幅レーザーは、外付けのレーザー耐久性の外部共振器の共鳴条件を自然に満足しているので、該外部共振器によって難なく増幅及び蓄積が行えるという優れた特徴がある。

【0033】
これは、光周回路にある光共振器からのパルス信号を検出しフィードバックするための、例えば、[λ/2ミラー→ポーラライズビームスプリッタ(PBS)→S-wave polarizer→フォトディテクタ→differential amplifier→フォトディテクタ→P-wave polarizer→PBS]のフィードバック検出系を補正ボード(FPGA)に繋ぎ、これを外部共振器の共振器長と角度を調整するための位置調整手段及び角度調整手段に連結することによって、例えば、位置調整手段を0.1nmの制御精度で難なく行うことができることから成し得る。外付けのレーザー増幅手段として大増幅が可能なコンパクトな増幅手段を用いることによってバースト増幅が可能であるので、レーザー耐久性の外部共振器の手前に上記のような増幅手段を設けることは、より好ましい。

【0034】
また、本発明は、前記外付けのレーザー増幅手段及びレーザー耐久性の外部共振器が設けられるとともに、光周回路にある光共振器としてレーザー耐久性の外部共振器を用いることもできる。こうすることによって、光周回路にある光共振器もレーザー耐久性の外部共振器と同様にバースト増幅と蓄積ができる。その結果、外付けの外部共振器だけの場合よりも驚異的なパルス強度を有するレーザーをレーザー耐久性の外部共振器に蓄積することができるので、最も好ましい。

【0035】
以下に図面を参照しつつ本発明の一側面を実施形態(以下、「本実施形態」とも表記する)として詳細に説明する。
【実施例】
【0036】
図1は、本発明レーザーコンプトン散乱装置の一つを説明する概念図である。これは、自己発振増幅を行うための光周回路が作られ、この光周回路の外にバースト増幅のためのレーザー耐久性の外部共振器が設けられ、自己発振増幅によって増幅された光周回路のレーザーが光共振器から外部共振器に入り、該外部共振器においてレーザーのバースト増幅と蓄積が行われ、該外部共振器の中でレーザーコンプトン散乱が行われる装置である。
【実施例】
【0037】
自己発振増幅を行うための光周回路は、少なくとも励起レーザー光源→RF強度変調器→ファイバ増幅器1→光共振器→調整ケーブル→ファイバ増幅器2→RF強度変調器がこの順番で環状に連結されて成る。そして、励起レーザー光源からファイバ増幅器2とRF強度変調器間の光周回路に励起レーザーが入射される。矢印は、光の流れを示す。他の図においても同じ。なお、調整ケーブルとは、光周回路の光路長を微調整するためのものである。
【実施例】
【0038】
図1において、自己発振増幅は、先ず励起レーザー光源から発せられた励起レーザーによってファイバ増幅器の自然放射が起こり、自然放射によって発生した光ノイズから始まる。ノイズ光のうちたまたま光共振器の共鳴幅に受け入れられたスペクトル成分が光共振器を通過する。これが、光周回路の周期で強度変調されるようにMHz帯のRF強度変調器によって強制的(能動的)に強度変調される。
【実施例】
【0039】
この強度変調されたレーザーが、所謂、種光である。この種光が、ファイバ増幅器1内で誘導放射を起こして新たなレーザーが発生し、ファイバ増幅器1を通過する間に次々と発生過程で増幅される。これを数100MHz(例えば357MHz)の繰り返しで動作する光共振器を通すと、光周回路を伝搬するレーザーパルスの繰り返しが、光共振器の繰り返しになる。
【実施例】
【0040】
ここで、光周回路の周期は、数十MHz(例えば35.7MHz)であり、光共振器の繰り返しの整数分の1になるように調整されている。このように数100MHzの光共振器を光周回路内に入れることによって、光周回路の周期が光共振器の周期に変換される。これによって、光共振器による増幅とファイバ増幅器1及び2による増幅とが自己発振によって協調的に行われるようになる。このことを自己発振増幅という。
【実施例】
【0041】
この自己発振増幅は、ループ利得が1以上で始まり、釣り合い状態(ループ利得が1の状態)になるまで、数百ミクロ秒から数ミリ秒以内で行われる。この過程で、光共振器の例えば90%反射率の光共振鏡によって共鳴状態を満足するレーザーを蓄積して、一部を透過させ、光周回路に戻す。光周回路に戻されたレーザーは、ファイバ増幅器1及び2で誘導放射を起こすので、誘導放射によるレーザーは、自然に光共振器の共鳴状態になっている。この増幅過程が自己発振増幅によってエンドレスに繰り返されるので、その結果、非常に強度の高いレーザーが光共振器に蓄積される。
【実施例】
【0042】
そして、光共振器に蓄積されたレーザーの一部が外部共振器に入り、外部共振器においてバースト増幅され蓄積される。この光周回路では、外部共振器のフィードバック信号が光周回路にある光共振器の信号から生成されるので、バースト増幅時も共鳴が自動的に維持される。この装置では、種レーザーは、光周回路にあるファイバ増幅器及び光共振器によって約10倍から約1000倍程度増幅されるので、光共振器にはパルス強度が種レーザーの約10倍から約10倍のレーザーが蓄積される。この蓄積レーザーの一部がバースト増幅のためのレーザー耐久性の外部共振器に入り、更に約1万倍程度増幅され得るので、外部共振器に種レーザーの約10から約10倍のパルス強度のレーザーを蓄積できる。
【実施例】
【0043】
図2は、本発明レーザーコンプトン散乱装置の一つを説明する概念図である。これは、自己発振増幅を行うための光周回路が作られ、この光周回路の外にレーザー増幅手段とバースト増幅のためのレーザー耐久性の外部共振器が設けられ、自己発振増幅によって増幅された光周回路のレーザーが光共振器からレーザー増幅手段に入り、該レーザー増幅手段によって増幅され、この増幅されたレーザーがレーザー耐久性の外部共振器に入り、該外部共振器においてレーザーのバースト増幅と蓄積が行われ、該外部共振器の中でレーザーコンプトン散乱が行われる装置である。
【実施例】
【0044】
この装置では、種レーザーが光周回路にあるファイバ増幅器及び光共振器で約10倍から約1000倍程度増幅され得るので、光共振器にはパルス強度が種レーザーの約10倍から約10倍のレーザーが蓄積される。この蓄積レーザーの一部が光周回路の外に設けられたレーザー増幅手段に入り、該レーザー増幅手段によって約10倍程度から約1万倍程度増幅される。この増幅されたレーザーがレーザー耐久性の外部共振器に入り、外部共振器において更に約1万倍程度増幅され得るので、外部共振器に種レーザーの約10倍から約1011倍のパルス強度のレーザーを蓄積できる。上記レーザー増幅手段としては、例えば増幅を段階的に行うことができる循環型でない多段ファイバ増幅器、レーザーダイオード励起ファイバ増幅器、レーザーダイオード励起固体レーザー、等を用いることができる。
【実施例】
【0045】
図3は、本発明レーザーコンプトン散乱装置の一つを説明する概念図である。これは、自己発振増幅を行うための光周回路が作られ、光周回路にある光共振器としてレーザー耐久性の光共振器を用い、この光周回路の外にレーザー増幅手段とバースト増幅のためのレーザー耐久性の外部共振器が設けられ、自己発振増幅によって増幅された光周回路のレーザーがレーザー耐久性の光共振器からレーザー増幅手段に入り、該レーザー増幅手段によって増幅され、この増幅されたレーザーがレーザー耐久性の外部共振器に入り、該外部共振器においてレーザーのバースト増幅と蓄積が行われ、該外部共振器の中でレーザーコンプトン散乱が行われる装置である。
【実施例】
【0046】
この装置では、種レーザーが光周回路にあるファイバ増幅器及びレーザー耐久性の光共振器で約10倍から約1万倍程度増幅され得るので、光共振器にはパルス強度が種レーザーの約10倍から約10倍のレーザーが蓄積される。この蓄積レーザーの一部が光周回路の外に設けられたレーザー増幅器に入り、該レーザー増幅器によって約10倍程度から約1万倍程度増幅され、この増幅されたレーザーがレーザー耐久性の外部共振器に入り、外部共振器において更に約1万倍程度増幅され得るので、外部共振器に種レーザーの約10倍から約1012倍のパルス強度のレーザーを蓄積できる。
【実施例】
【0047】
前記自己発振増幅は、RF強度変調器を能動モードロック方式にする場合と再生モードロック方式にする場合の二通りの方式によって行うことができる。能動モードロック方式とは、RF強度変調器を用い、光周回路にある光共振器を通過した共鳴種光を光周回路の周期で強度変調されるようにMHz帯のRF強度変調器によって強制的(能動的)に強度変調することをいう。また、再生モードロック方式とは、自らの発振信号をフィードバック回路によって増幅・再生して作り、これをRF強度変調器の駆動信号として用いることをいう。
【実施例】
【0048】
図4は、本発明レーザーコンプトン散乱装置の一つを説明する概略図である。この装置は、能動モードロック方式による自己発振増幅を行う光周回路の外にバースト増幅のためのレーザー耐久性の外部共振器が連結されて設けられている装置の例である。この装置は、能動モードロック方式による自己発振増幅によって光周回路にある光共振器に蓄積されたレーザーの一部が、外付けのレーザー増幅器に入り、増幅されたのち、レーザー耐久性の外部共振器に入り、該外部共振器においてバースト増幅と蓄積が行われ、該外部共振器の中でレーザーコンプトン散乱が行われる装置である。
【実施例】
【0049】
この装置の能動モードロック方式による自己発振増幅は、例えば、励起レーザー光源LD→分波/合波器WDM→RF強度変調器→ファイバ増幅器1→光共振器→調整ケーブル→ファイバ増幅器2が連結されて成る光周回路で行われる。
【実施例】
【0050】
RF強度変調器としては、MHz帯で駆動する強度変調器を用いる。MHz帯で駆動する強度変調器を用いる主な理由は、レーザーコンプトン散乱のための電子ビームを生成するRF加速器の駆動タイミングに合わせるためとレーザーのパルス強度を大きくするためである。ファイバ増幅器のファイバとしては、通常、Ybがドープされたファイバを用いる。Ybがドープされたファイバを用いる理由は、1064nmのレーザーを効率的に誘導放射させるためである。
【実施例】
【0051】
この装置で、例えば、パルス強度が100ピコジュール程度の種レーザーをこの光周回路で自己発振増幅を行うと、光周回路にあるレーザー増幅器及び光共振器で約10倍から約1000倍程度増幅されるので、光共振器にはパルス強度が約1ナノジュールから約0.1マイクロジュールのレーザーが蓄積される。
【実施例】
【0052】
この蓄積レーザーの一部がレーザー耐久性の外部共振器に入り、更に約1万倍程度増幅され得るので、該外部共振器にパルス強度が約10マイクロジュールから約1ミリジュールのレーザーを蓄積できる。実験的には、外部共振器として光周回路にある光共振器と同じ光共振器を用いると、パルス強度が300マイクロジュール程度に達した時に共振鏡の破壊が見られたが、レーザー耐久性の外部共振器を使用すると、パルス強度が1ミリジュールに達しても共振鏡の破壊は全くみられなかった。
【実施例】
【0053】
図5は、本発明レーザーコンプトン散乱装置の一つを説明する概略図である。この装置は、能動モードロック方式による自己発振増幅を行う光周回路の外にレーザー増幅器及びバースト増幅のためのレーザー耐久性の外部共振器が連結されて設けられている装置の例である。
【実施例】
【0054】
この装置は、光周回路にある光共振器に蓄積されたレーザーの一部が、外付けのレーザー増幅器に入り、該レーザー増幅器によって増幅が行われ、レーザー耐久性の外部共振器に入り、該外部共振器においてバースト増幅と蓄積が行われ、該外部共振器の中でレーザーコンプトン散乱が行われる装置である。
【実施例】
【0055】
外付けのレーザー増幅手段としては、例えば、増幅を段階的に行うことができる多段ファイバ増幅器(循環型ではない)、レーザーダイオード励起ファイバ増幅器、レーザーダイオード励起固体レーザー、等を用いることができる。例えば、[Pre-amp.-Main amp.-Burst-amp.](このバーストは、誘導放射レーザーを爆発的に発生させることをいう)で構成されるレーザーダイオード励起ファイバ増幅器は、Pre-amp.によって約10倍程度の増幅、Main amp.によって約20倍程度の増幅、Burst-amp.によって約50倍程度の増幅が可能(したがってトータル増幅は約1万倍程度)であるので、より好ましい。
【実施例】
【0056】
この装置は、例えば、パルス強度が1ピコジュール程度の種レーザーをこの光周回路で自己発振増幅を行うと、光周回路にあるファイバ増幅器及び光共振器で約10倍から約1000倍程度増幅されるので、光共振器にはパルス強度が約10ピコジュールから約1ナノジュールのレーザーを蓄積できる。この蓄積レーザーの一部が光周回路の外にあるレーザー増幅手段によって約10倍程度から約1万倍程度増幅され、レーザー耐久性の外部共振器に入り、更に約1万倍程度増幅され得るので、該外部共振器にパルス強度が約1マイクロジュールから約100ミリジュールのレーザーを蓄積できる。
【実施例】
【0057】
図6は、本発明レーザーコンプトン散乱装置の一つを説明する概略図である。この装置は、能動モードロック方式による自己発振増幅を行う光周回路の光共振器としてレーザー耐久性の光共振器を用い、光周回路の外にレーザー増幅手段及びバースト増幅のためのレーザー耐久性の外部共振器が連結されて設けられている装置の例である。
【実施例】
【0058】
この装置は、光周回路にあるレーザー耐久性の光共振器に大強度のレーザーが蓄積され、この蓄積レーザーの一部がレーザー増幅手段に入り、該レーザー増幅手段によって増幅され、このレーザーがレーザー耐久性の外部共振器に入り、該外部共振器においてバースト増幅と蓄積が行われ、該外部共振器の中でレーザーコンプトン散乱が行われる装置である。
【実施例】
【0059】
この装置は、例えば、パルス強度が0.1ピコジュール程度の種レーザーをこの光周回路で自己発振増幅を行うと、光周回路にあるファイバ増幅器及びレーザー耐久性の光共振器で約10倍から約1万倍程度増幅されるので、該光共振器にはパルス強度が約1ピコジュールから約1ナノジュールのレーザーを蓄積できる。この蓄積レーザーの一部が光周回路の外にあるレーザー増幅手段によって約10倍から約1万倍程度増幅され、レーザー耐久性の外部共振器に入り、更に約1万倍程度増幅され得るので、該外部共振器にパルス強度が約0.1マイクロジュールから約100ミリジュールのレーザーを蓄積できる。
【実施例】
【0060】
図7は、本発明レーザーコンプトン散乱装置の一つを説明する図である。この装置は、再生モードロック方式によって自己発振増幅を行う光周回路の外にバースト増幅のためのレーザー耐久性の外部共振器が連結されて設けられている装置の例である。
【実施例】
【0061】
この装置は、再生モードロック方式によってレーザーが自己発振増幅され、増幅されたレーザーが光周回路にある光共振器に入り、該光共振器によって増幅と蓄積が行われ、この蓄積レーザーの一部が外付けのレーザー増幅器に入り、該レーザー増幅器によって増幅され、この増幅されたレーザーがレーザー耐久性の外部共振器に入り、該外部共振器においてバースト増幅と蓄積が行われ、該外部共振器の中でレーザーコンプトン散乱が行われる装置である。
【実施例】
【0062】
再生モードロック方式による自己発振増幅は、自らの発振信号をフィードバック回路によって増幅・再生して作り、これをRF強度変調器の駆動信号として用いることに特徴がある。すなわち、10%カプラから一部の光を取り出し、PD1でモニタし、PD1の電気信号をRFamp.で増幅し、例えば357MHz±7MHzのバンドパスフィルタBPFにより、スーパーモードノイズのうち、成長させたい成分を取り出し、フェーズシフタで位相調整をした上で、RFamp.で増幅し、RF強度変調器を駆動させる。この方式に依れば、発振周波数が変動しても、変調信号と周回長との関係は変わらないので、パルス発振が安定する利点がある。
【実施例】
【0063】
図7の再生モードロック方式による自己発振増幅は、光周回路[光共振器→調整ケーブル→光アイソレータPI1→ファイバ増幅器1→PI2→(励起レーザー光源→PI3)→分波/合波器WDM→PI4→MHz帯で駆動するRF強度変調器→PI5→ファイバ増幅器2→PI6→10%カプラ→光共振器]と、及び、この光周回路に分岐したフィードバック回路[10%カプラ→フォトダイオードPD1→スプリッタSP1→RFamp1→バンドパスフィルタBPF→フェーズシフタPS→SP2→RFamp2→MHz帯で駆動するRF強度変調器]によって行われる。上記のように、この再生モードロック方式のRF強度変調器を用いても、能動モードロック方式と同様に、光共振器内に高増幅倍率のレーザーを蓄積することができる。
【実施例】
【0064】
この装置は、例えば、パルス強度が約100ピコジュール程度の種レーザーをこの光周回路で自己発振増幅を行うと、光周回路にあるファイバ増幅器及び光共振器で約10倍から約1000倍程度増幅されるので、光共振器にはパルス強度が約1ナノジュールから約0.1マイクロジュールのレーザーを蓄積できる。この蓄積レーザーの一部が光周回路の外にあるレーザー耐久性の外部共振器に入り、更に約1万倍程度増幅され得るので、外部共振器にパルス強度が約10マイクロジュールから約1ミリジュールのレーザーを蓄積できる。
【実施例】
【0065】
図8は、本発明バースト増幅レーザー生成装置の一つを説明する図である。この装置は、再生モードロック方式によって自己発振増幅を行う光周回路の外にレーザー増幅手段とバースト増幅のためのレーザー耐久性の外部共振器が連結されて設けられている装置の例である。
【実施例】
【0066】
この装置は、光周回路にある光共振器に蓄積されたレーザーの一部が、外付けのレーザー増幅器に入り、該レーザー増幅器によって増幅され、レーザー耐久性の外部共振器に入り、該外部共振器においてバースト増幅と蓄積が行われ、該外部共振器の中でレーザーコンプトン散乱が行われる装置である。
【実施例】
【0067】
この装置は、例えば、パルス強度が1ピコジュール程度の種レーザーをこの光周回路で自己発振増幅を行うと、光周回路にあるファイバ増幅器及び光共振器で約10倍から約1000倍程度増幅されるので、光共振器にはパルス強度が約10ピコジュールから約1ナノジュールのレーザーが蓄積される。この蓄積レーザーの一部が光周回路の外にあるレーザー増幅手段によって約10倍程度から約1万倍程度増幅され、レーザー耐久性の外部共振器に入り、更に約1万倍程度増幅され得るので、該外部共振器にパルス強度が約1マイクロジュールから約100ミリジュールのレーザーを蓄積できる。
【実施例】
【0068】
図9は、本発明レーザーコンプトン散乱装置の一つを説明する概略図である。この装置は、再生モードロック方式によって自己発振増幅を行う光周回路にある光共振器としてレーザー耐久性の光共振器を用い、光周回路の外にレーザー増幅手段とバースト増幅のためのレーザー耐久性の外部共振器が連結されて設けられている装置の例である。
【実施例】
【0069】
この装置は、光周回路にあるレーザー耐久性の光共振器によって大強度のレーザーが蓄積され、この蓄積レーザーの一部がレーザー増幅手段に入り、該レーザー増幅手段によって増幅され、このレーザーがレーザー耐久性の外部共振器に入り、該外部共振器によってバースト増幅と蓄積が行われ、該外部共振器の中でレーザーコンプトン散乱が行われる装置である。
【実施例】
【0070】
この装置は、例えば、パルス強度が0.1ピコジュール程度の種レーザーをこの光周回路で自己発振増幅を行うと、光周回路にあるファイバ増幅器及びレーザー耐久性の光共振器で約10倍から約1万倍程度増幅されるので、該光共振器にはパルス強度が1ピコジュールから約1ナノジュールのレーザーを蓄積できる。この蓄積レーザーの一部が光周回路の外にあるレーザー増幅手段によって約10倍程度から約1万倍程度増幅され、レーザー耐久性の外部共振器に入り、更に約1万倍程度増幅され得るので、該外部共振器にパルス強度が約0.1マイクロジュールから約100ミリジュールのレーザーを蓄積できる。
【実施例】
【0071】
図10は、本発明におけるレーザー耐久性の外部共振器の一例を示す概略図である。該外部共振器は、光共振器構造体(省略)内部の真空雰囲気中に設けられた一対の平面反射鏡と一対の凹面共振鏡と、平面反射鏡の角度調整手段(省略)と、共振器長調整手段(省略)と、光共振器構造体の外部に設けられたレーザーの入射又は出射の光路である二つの光路系(省略)と、電子-ビームの入射口(省略)と、衝突後の電子ビームの出射口(省略)と、レーザーコンプトン散乱によって発生するX線の取り出し口(省略)、等から構成される三次元又は二次元4枚鏡光共振器である。
【実施例】
【0072】
共振器内部を真空にする理由は、1万倍という非常に高いレーザーの増幅を達成するためには、僅かの不純物や浮遊物質によりモードロックレーザーの共鳴が消失することを防ぐ必要があるからである。また、電子ビームとの衝突反応を真空中で行うためである。
【実施例】
【0073】
上記二つの光路系は、それぞれ反射ミラー群とマッチングレンズ群とコリメータレンズ群から成り、共振器構造体の外側において、光共振器の凹面共振鏡の裏側からレーザーの入射又は出射を行える位置にそれぞれ配置されている。
【実施例】
【0074】
平面反射鏡の角度調整手段及び共振器長調整手段は、平面反射鏡の裏面及び凹面共振鏡の裏面と共振器構造体との間に配置され、印可された電圧に応じて変形し、平面反射鏡及び凹面共振鏡の位置等を調整する手段である。平面反射鏡の角度調整手段及び共振器長調整手段としては、それぞれ高精度で制御が行える調整手段を用いるのが好ましい。
【実施例】
【0075】
レーザーは、上記光路系を経て平面反射鏡の裏面に入射され、平面反射鏡から凹面共振器鏡に入射され、対向するもう一つの共振器鏡との間で反射と共振を受けながら蓄積され、共振器長調整手段によって位相を調整される。また、この動作と並行して、光共振器に蓄積されたレーザーの一部が、共振器鏡を透過させられ、共振器鏡の裏面から上記光路系を経て出射される。
【実施例】
【0076】
図10において、平面反射鏡は、モードロックレーザーを平行ビームにして凹面共振鏡に入射させるための反射鏡であり、凹面共振鏡への入射角を最適化するために必要な反射鏡である。光共振器内に一対の平面反射鏡とレーザー耐久性の一対の凹面共振鏡が共に三次元配置された三次元4枚鏡光共振器の構成は、従来の光共振器には殆ど見られない構成である。
【実施例】
【0077】
図10において、共振器長は、凹面共振鏡間のレーザービームのビームウエストをできるだけ小さくするように最適化される。凹面鏡間の中点におけるビームウエスト(ω)は、レーザーの波長(λ)、共振器長(L)、及び凹面鏡の曲率半径(ρ)と式1の関係がある。
【実施例】
【0078】
【数1】
JP0005975461B2_000002t.gif
【実施例】
【0079】
ビームウエストが小さいほどレーザーコンプトン散乱X線のフラックスは大きいので、ωをできるだけ小さくするように共振器長を設定する。一方、曲率半径(ρ)は、ガウスビームを存在させる境界条件から求められる。本発明ではλ=1064nmのレーザーを用いている。Lは、モードロックレーザー(714MHz)の共鳴条件から210mmの整数倍である。Lをρに近づけるほどωを小さくできるので、共振器長は、約1m(ω≒50μm)とするのがよい。
【実施例】
【0080】
図10において、共振器の幅dと共振鏡に入射されるレーザーの入射角αは、凹面共振鏡による水平方向及び垂直方向の収束力が最大になるように最適化される。共振器の幅dは240mm程度、入射角αは0.28radian程度が好ましい。
【実施例】
【0081】
図10において、共振鏡としては、レーザー耐久性の凹面共振鏡が用いられる。平面反射鏡も、レーザー耐久性の反射鏡を用いるのが好ましい。レーザー耐久性の凹面共振鏡としては、例えば、フッ素含有誘電体多層膜がコートされた鏡、単結晶ダイヤモンド薄膜がコートされた鏡が、好ましい。
【実施例】
【0082】
フッ素含有誘電体多層膜がコートされた鏡としては、例えば、合成石英基板上に高屈折率のフッ素含有酸化チタン薄膜とシリカ薄膜が交互に蒸着された鏡を用いることができる。
【実施例】
【0083】
単結晶ダイヤモンド薄膜がコートされた鏡は、例えば、石英基板やサファイア基板等の基板上にCVD(chemical vapor deposition)法やPVD(Physical vapor deposition)法などによってエピタキシャルダイヤモンド薄膜が形成された鏡を用いることができる。
【実施例】
【0084】
本発明では、共振鏡のレーザー耐久性は、繰り返し周波数が357MHz、パルス強度が約0.3ミリジュールのレーザーを一対の共振鏡に入れ10分間共振後、破壊や損傷の程度を調べることによって評価できる。本発明では、この評価方法によって破壊や損傷が全く見られないものが好ましい。
【実施例】
【0085】
図10において、凹面共振鏡及び平面反射鏡の反射率は、モードロックレーザーの共鳴の鋭さ(Finesse)を大きくするように最適化される。Finesse(F)は、反射率(R)と式2の関係がある。
【実施例】
【0086】
【数2】
JP0005975461B2_000003t.gif
【実施例】
【0087】
Rが大きいほどFを大きくすることができる。反射率を大きくするもう一つの理由は、高強度のレーザー衝突によって凹面共振鏡の表面が損傷を受けるのを抑制する(レーザー耐久性を上げる)ためである。
【実施例】
【0088】
一対の凹面共振鏡のうちの一つ及び一対の平面反射鏡のうちの一つは、それぞれ反射率が99%以上であるのが好ましく、反射率が99.9%以上100%未満であるのがさらに好ましい。反射率が99%以下であるとモードロックレーザーのFinesseの低下が大きくなり共振鏡表面でのレーザー衝突による悪影響が生じやすくなるので、99%以上であるのが好ましく、反射率が99.9%以上であればモードロックレーザーのFinesseを非常に大きくできるだけでなくレーザー衝突による悪影響を小さくできるのでさらに好ましい。また、反射率を100%未満とするのは、光周回路の光共振器に蓄積されたレーザーを受光するためである。通常は、反射率が99.99%以上の共振鏡を用いる。
【実施例】
【0089】
図11は、本発明レーザーコンプトン散乱装置によるレーザーコンプトン散乱を説明する概略図である。図11において、光周回路の外に設けられたレーザー耐久性の外部共振器に蓄積されたレーザーを、該外部共振器の中で、外部から外部共振器に入射された電子ビームに衝突させてX線を発生させる。光周回路にある光共振器と外部共振器の共振マッチングは、例えば、フィードバック検出系と補正ボードFPGAを介して行われる。発生したX線は、産業利用性が高い50keV以上の高輝度準単色X線である。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明は、光共振器とファイバ増幅器とRF強度変調器とから成る光周回路が作られ、該光周回路の外にレーザー耐久性の外部共振器が連結されている装置であるので、光周回路で作られる安定した高増幅のレーザーが、さらに、外付けの外部共振器においてバースト増幅と蓄積とが行われ、該外部共振器の中でレーザーコンプトン散乱が行われるレーザーコンプトン散乱装置であるので、簡易で小型のレーザーコンプトン散乱装置として利用可能である。
図面
【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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