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明細書 :微生物の迅速診断を可能とする特異抗体の高効率作製法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2014-087334 (P2014-087334A)
公開日 平成26年5月15日(2014.5.15)
発明の名称または考案の名称 微生物の迅速診断を可能とする特異抗体の高効率作製法
国際特許分類 C12N   5/10        (2006.01)
C12N  15/02        (2006.01)
C12P  21/08        (2006.01)
C07K  16/00        (2006.01)
FI C12N 5/00 102
C12N 15/00 ZNAC
C12P 21/08
C07K 16/00
請求項の数または発明の数 9
出願形態 OL
全頁数 104
出願番号 特願2013-209093 (P2013-209093)
出願日 平成25年10月4日(2013.10.4)
優先権出願番号 2012222032
優先日 平成24年10月4日(2012.10.4)
優先権主張国 日本国(JP)
発明者または考案者 【氏名】冨田 昌弘
出願人 【識別番号】304026696
【氏名又は名称】国立大学法人三重大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100108280、【弁理士】、【氏名又は名称】小林 洋平
審査請求 未請求
テーマコード 4B024
4B064
4B065
4H045
Fターム 4B024AA01
4B024AA11
4B024BA43
4B024GA03
4B064AG27
4B064BJ12
4B064CA10
4B064CA20
4B064CC24
4B064CD30
4B064CE09
4B064CE20
4B064DA01
4B065AA90X
4B065AA90Y
4B065AB04
4B065AC14
4B065BA08
4B065BA30
4B065BD32
4B065BD34
4B065BD39
4B065CA25
4B065CA44
4H045AA11
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA51
4H045BA61
4H045CA40
4H045DA76
4H045EA22
4H045EA29
4H045EA50
4H045FA74
4H045GA20
要約 【課題】微生物の迅速診断を可能とする特異抗体を高効率で作製する方法等を提供する。
【解決手段】下記工程を備えたハイブリドーマ作製法であって、1)生物に対して微生物由来抗原を繰り返し投与し、B細胞表面に抗原特異的レセプターを発現させる免疫工程、2)上記B細胞表面に発現された抗原特異的レセプターとビオチン化抗原とを結合させて、B細胞-ビオチン化抗原複合体とした後、ストレプトアビジンを結合してB細胞-ビオチン化抗原-ストレプトアビジン複合体を作製する工程(1)、3)ミエローマ細胞とビオチンとを結合してビオチン化ミエローマ細胞を作製する工程、4)ビオチン-アビジン反応により架橋させてB細胞-ミエローマ細胞を得る細胞架橋工程、5)B細胞-ミエローマ細胞に直流矩形波の電気パルスを負荷してハイブリドーマを得るハイブリドーマ作製工程、を備えたことを特徴とするハイブリドーマ作製法によって達成される。
【選択図】図3
特許請求の範囲 【請求項1】
下記工程を備えたことを特徴とするハイブリドーマ作製法であって、
1)生物に対して微生物由来抗原を繰り返し投与することにより、生体内の抗体産生B細胞の成熟度を促進し、B細胞表面に抗原特異的レセプターを発現させる免疫工程、
2)上記B細胞表面に発現された抗原特異的レセプターとビオチン化抗原とを結合させて、B細胞-ビオチン化抗原複合体とした後、ストレプトアビジンを結合してB細胞-ビオチン化抗原-ストレプトアビジン複合体を作製するB細胞修飾工程(1)、
3)ミエローマ細胞とビオチンとを結合してビオチン化ミエローマ細胞を作製するミエローマ修飾工程、
4)前記B細胞-ビオチン化抗原-ストレプトアビジン複合体とビオチン化ミエローマ細胞とをビオチン-アビジン反応により架橋させてB細胞-ミエローマ細胞を得る細胞架橋工程、
5)B細胞-ミエローマ細胞に直流矩形波の電気パルスを負荷してハイブリドーマを得るハイブリドーマ作製工程。
【請求項2】
下記工程を備えたことを特徴とするハイブリドーマ作製法であって、
1)生物に対して微生物由来抗原を繰り返し投与することにより、生体内の抗体産生B細胞の成熟度を促進し、B細胞表面に抗原特異的レセプターを発現させる免疫工程、
2')上記B細胞表面に発現された抗原特異的レセプターとストレプトアビジン化抗原とを結合させて、B細胞-抗原-ストレプトアビジン複合体を作製するB細胞修飾工程(2)、
3)ミエローマ細胞とビオチンとを結合してビオチン化ミエローマ細胞を作製するミエローマ修飾工程、
4')前記B細胞-ストレプトアビジン化抗原とビオチン化ミエローマ細胞とをビオチン-ストレプトアビジン反応により架橋させてB細胞-ミエローマ細胞を得る細胞架橋工程、
5)B細胞-ミエローマ細胞に直流矩形波の電気パルスを負荷してハイブリドーマを得るハイブリドーマ作製工程。
【請求項3】
前記免疫工程と前記B細胞修飾工程の間には、目的とする抗原を含まない共通抗原を添加することで、目的外のB細胞を取り除く不要B細胞ブロック工程を設けることを特徴とする請求項1又は2に記載のハイブリドーマ作製工程。
【請求項4】
前記ハイブリドーマ作製工程の後に、6)前記ハイブリドーマに限界希釈法を施して、クローン化するモノクローナル化工程を備えたことを特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記載のハイブリドーマ作製法。
【請求項5】
前記微生物由来抗原は、病原微生物、病原微生物の表面膜タンパク質、リケッチア、レプトスピラ及びインフルエンザウイルスの表面膜タンパク質からなる群から選択されるいずれか一つであることを特徴とする請求項1または2に記載のハイブリドーマ作製法。
【請求項6】
前記病原微生物はリケッチア又はレプトスピラ又はインフルエンザウイルス、病原微生物の表面膜タンパク質はリケッチア又はレプトスピラ又はインフルエンザウイルスの表面膜タンパク質であることを特徴とする請求項3に記載のハイブリドーマ作製法。
【請求項7】
前記インフルエンザウイルスは、新型(H1N1)、香港型及びソ連型からなる群から選択される少なくともいずれか一つであることを特徴とする請求項6に記載のハイブリドーマ作製法。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一つのハイブリドーマ作製法によって得られたハイブリドーマ。
【請求項9】
請求項8のハイブリドーマによって作製されたモノクローナル抗体。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、微生物の迅速診断を可能とする特異抗体の高効率作製法等に関する。
【背景技術】
【0002】
特定の抗原決定基だけと結合する抗体の集合体をモノクローナル抗体といい、B細胞とミエローマ細胞を融合して得られるハイブリドーマから獲得できる。従来、B細胞とミエローマ細胞を融合させてハイブリドーマを得る方法として、PEG法、HVJ法、パールチェイン法、レーザー法、B細胞ターゲティング法などが知られている(特許文献1~3を参照。なお、先行技術文献については、明細書の末尾に纏めて示した。)。このうち特許文献1には、2種類の細胞をPEG法、HVJ法等によって融合させることによって株化細胞を得る技術が、特許文献2には、交流と直流を組み合わせたパールチェイン法によってハイブリドーマを得る装置に関する技術が、特許文献3には、膜タンパク質の立体構造を認識する抗体を発現するハイブリドーマの作製方法に関する技術が、それぞれ開示されている。
しかしながらこれらの手法(特許文献1および2)は、目的抗体を発現するB細胞とミエローマ細胞との融合だけでなく、目的抗体を発現しないB細胞とミエローマ細胞との融合、B細胞同士の融合、ミエローマ細胞同士の融合等も起こるため、得られるハイブリドーマ中における目的ハイブリドーマの割合は数%程度であり、効率が悪かった。
この問題を解決する技術として、発明者は過去に、予め目的のB細胞とミエローマ細胞をビオチン/アビジンにより架橋させておき、電気パルスを処し目的のハイブリドーマを得る方法(次世代ハイブリドーマテクノロジー)を開発した(2001年の学会等にて発表済。)。当該手法は、抗原のB細胞ターゲッティングに基づいて、目的の高親和性・高特異性抗体産生B細胞を選択できる特徴があり、電気パルスを処す際にB細胞とミエローマ細胞を1:1の比率で選択融合を行なうことができる。このため、高効率で目的の高性能モノクローナル抗体産生ハイブリドーマを得ることができる。
【0003】
この手法を用いて、プレセニリン1(アルツハイマー病関連タンパク質)のペプチド配列に対する特異的モノクローナル抗体の作製に成功しているが、抗原として微生物(ウイルス、細菌等)をターゲットとしたモノクローナル抗体の高効率作製には成功していなかった。
一方、近年になって、インフルエンザ診断キットが普及しており、簡易なキットを用いて、A型とB型を区別することもできる。しかし、A型のなかでも亜型(H1N1亜型(ソ連型,新型),H3N2亜型(香港型),H5N1亜型(鳥インフルエンザ)等)まで区別することはできず、これらの亜型を調べるにはPCRを用いた再検査が必要となる。したがって、亜型を特定するまでには費用と時間がかかる。さらに現行の簡易キットでは、各亜型に対応した,投与すべき薬剤を適確に判断できない(なお、鳥インフルエンザのみを検出する抗体はすでに国内機関により開発済である。)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、微生物(特に、新興ウイルス)の迅速診断を可能とする特異抗体を高効率で作製する方法等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
こうして、第1の発明に係わるハイブリドーマ作製法は、下記工程、
1)生物に対して微生物由来抗原を繰り返し投与することにより、生体内の抗体産生B細胞の成熟度を促進し、B細胞表面に抗原特異的レセプターを発現させる免疫工程、
2)上記B細胞表面に発現された抗原特異的レセプターとビオチン化抗原とを結合させて、B細胞-ビオチン化抗原複合体とした後、ストレプトアビジンを結合してB細胞-ビオチン化抗原-ストレプトアビジン複合体を作製するB細胞修飾工程(1)、
3)ミエローマ細胞とビオチンとを結合してビオチン化ミエローマ細胞を作製するミエローマ修飾工程、
4)前記B細胞-ビオチン化抗原-ストレプトアビジン複合体とビオチン化ミエローマ細胞とをビオチン-アビジン反応により架橋させてB細胞-ミエローマ細胞を得る細胞架橋工程、
5)B細胞-ミエローマ細胞に直流矩形波の電気パルスを負荷してハイブリドーマを得るハイブリドーマ作製工程、を備えたことを特徴とする。
【0006】
また、第2の発明に係るハイブリドーマ作製法は、下記工程、
1)生物に対して微生物由来抗原を繰り返し投与することにより、生体内の抗体産生B細胞の成熟度を促進し、B細胞表面に抗原特異的レセプターを発現させる免疫工程、
2')上記B細胞表面に発現された抗原特異的レセプターとストレプトアビジン化抗原とを結合させて、B細胞-抗原-ストレプトアビジン複合体を作製するB細胞修飾工程(2)、
3)ミエローマ細胞とビオチンとを結合してビオチン化ミエローマ細胞を作製するミエローマ修飾工程、
4')前記B細胞-ストレプトアビジン化抗原とビオチン化ミエローマ細胞とをビオチン-ストレプトアビジン反応により架橋させてB細胞-ミエローマ細胞を得る細胞架橋工程、
5)B細胞-ミエローマ細胞に直流矩形波の電気パルスを負荷してハイブリドーマを得るハイブリドーマ作製工程、を備えたことを特徴とする。
上記各発明において、前記免疫工程と前記B細胞修飾工程の間には、目的とする抗原を含まない共通抗原を添加することで、目的外のB細胞を取り除く不要B細胞ブロック工程を設けることが好ましい。
前記ハイブリドーマ作製工程の後に、6)前記ハイブリドーマに限界希釈法を施して、クローン化するモノクローナル化工程を備えることが好ましい。
また、前記微生物由来抗原は、病原微生物、病原微生物の表面膜タンパク質、リケッチア、レプトスピラ及びインフルエンザウイルスの表面膜タンパク質からなる群から選択されるいずれか一つであることが好ましい。また、病原微生物はリケッチア又はレプトスピラ又はインフルエンザウイルス、病原微生物の表面膜タンパク質はリケッチア又はレプトスピラ又はインフルエンザウイルスの表面膜タンパク質であることが好ましい。また、インフルエンザウイルスの場合には、新型(H1N1)、香港型及びソ連型などからなる群から選択される少なくともいずれか一つであることが好ましい。
また、上記ハイブリドーマ作製法によって得られたハイブリドーマ、及びこのハイブリドーマによって作製されたモノクローナル抗体を得ることが好ましい。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、リケッチア・A型インフルエンザウイルスなどの微生物について、抗原抗体反応に基づく簡易検出法を利用して、各々の亜型を診断できる技術を提供できる。また、リケッチアなどの微生物については、表面膜タンパク質の特定アミノ酸配列を用いたペプチドにより抗微生物表面膜タンパク質モノクローナル抗体を得ることができる。これらの抗体を用いることにより、医薬品、迅速診断キットを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】抗体作製に使用したA型インフルエンザの電子顕微鏡写真と、その特性をまとめて示す図である。A型インフルエンザは、毎年世界的な大流行を引き起こす。構成する膜タンパク質(ヘマグルチニンとノイラミニダーゼ)の違いにより亜型に分類される。現在、簡易検査キットが用いられ、早期診断が可能となったが、効果を持つ治療薬がウイルスの亜型によって異なること、検査のタイミングにより検査結果が変わる場合があるなど課題が多い。そこで、より高性能なモノクローナル抗体の作出が必要となる。亜型については、16種類のヘマグルチニン(H)、9種類のノイラミニダーゼ(N)の組み合わせにより、分類される。本研究では、主にH1N1 2009(新型)に対する特異抗体の作製を目指した。
【図2】リケッチア(Rickettsia japonica)の免疫蛍光抗体顕微鏡写真と、その特性をまとめて示す図である。リケッチアは、微生物による感染症で、ダニ等の節足動物を媒介として人に感染し、発疹チフスやリケッチア症を引き起こす。日本では、日本紅班熱(Japanese Spotted Fever)と名付けられ、1999年に4類感染症に指定された。現在、日本各地で患者が確認されており、中でも三重県ではその数が多く、全国1位の発生数である。リケッチアの検査方法としては、血清を用いた免疫蛍光抗体法、血液・皮膚から抽出したDNAを用いた遺伝子診断法(PCR法)などがあるが、診断までに時間が掛かり、特別な施設を要するなどの課題があるため、新たな迅速診断検査方法の確立が必要である。
【図3】免疫方法(1), (2), (4), (5) において、B細胞ターゲティングを用いたモノクローナル抗体作製方法の概要を説明する図である。図中、「B」はB細胞を、「Ag-bio」はビオチン化(bio)抗原(Ag)を、「StAv」はストレプトアビジンを、「M」はミエローマ細胞を、「M-bio」はビオチン化ミエローマ細胞を、「BM」はハイブリドーマをそれぞれ意味する(図4及び図5においても同じ)。
【図4】免疫方法(3) において、B細胞ターゲティングを用いたモノクローナル抗体作製方法の概要を説明する図である。
【図5】免疫方法(6) において、B細胞ターゲティングを用いたモノクローナル抗体作製方法の概要を説明する図である。
【図6】HI試験(Hemagglutiniation Inhibition Test)法の概要を示す図である。図中、小さい●はウイルスを、Y字・T字は抗ウイルス抗体を、大きい●はニワトリ赤血球(シアル酸レセプターあり)をそれぞれ示す。
【図7】免疫蛍光抗体法の原理を示す図である。図中の左側は、スライドガラスとカバーガラスの断面を、右側は、スライドガラス表面上に、「Ag」(抗原:リケッチア感染Vero細胞、Vero細胞、インフルエンザ感染MDCK細胞)と、一次抗体(マウス抗血清またはハイブリドーマ上清)と、FITCを結合した二次抗体とを結合させ、て、励起波長495nmにて、発色させたものを観察する様子を示す。
【図8】架橋剤の特徴を示す図である。MBSは、m-maleimidobenzoyl N-hydroxysuccinimideを、SPDPは、N-succinimidyl 3-(2-pyridyldithio)propionateをそれぞれ示している。MBSについては、官能基がアミノ基とチオール基と反応し、修飾後には、芳香環を含み、チオエーテル結合を形成する。また、SPDPについては、官能基がアミノ基とチオール基と反応し、修飾後には、主に炭化水素からなり、S-S結合を形成する。
【図9】リケッチアペプチド-SPDP-OVAコンジュゲートの調製方法を説明する図である。タンパク質(Ovalbumin(OVA))のリジン(Lys)とSPDPとを結合させて、SPDP-Proteinとした後、未反応のSPDP分子内のNHS基をブロックし透析除去する。透析後のSPDP-Proteinをリケッチアペプチドのシステイン(Cys)と反応させて、リケッチアペプチド-SPDP-Proteinを作製する。
【図10】リケッチアペプチド-MBS-BSAコンジュゲートの調製方法を説明する図である。タンパク質(BSA, StAv)のリジン(Lys)とMBSとを結合させて、MBS-Proteinとした後、未反応のMBS分子内のNHS基をブロックし透析除去する。透析後のMBS-Proteinをリケッチアペプチドのシステイン(Cys)と反応させて、リケッチアペプチド-MBS-Proteinを作製する。
【図11】ポリクローナル抗体亜型特異性(A新型)を確認した結果を示す図である。左上は、A新型MDCK(抗原)によって免疫された抗体の反応結果を示すプレート写真であり、左下は、ELISA法に基づくそのΔOD490nmのデータを示すグラフ、右上は、A新型HA(抗原)によって免疫された抗体の反応結果を示すプレート写真であり、右下は、ELISA法に基づくそのΔOD490nmのデータを示すグラフである。
【図12】ポリクローナル抗体亜型特異性(Aソ連型)を確認した結果を示す図である。左上は、Aソ連型MDCK(抗原)によって免疫された抗体の反応結果を示すプレート写真であり、左下は、ELISA法に基づくそのΔOD490nmのデータを示すグラフ、右上は、Aソ連型HA(抗原)によって免疫された抗体の反応結果を示すプレート写真であり、右下は、ELISA法に基づくそのΔOD490nmのデータを示すグラフである。
【図13】ポリクローナル抗体亜型特異性(A香港型)を確認した結果を示す図である。左上は、A香港型MDCK(抗原)との反応結果を示すプレート写真であり、左下は、ELISA法に基づくそのΔOD490nmのデータを示すグラフ、右上は、A香港型HA(抗原)によって免疫された抗体の反応結果を示すプレート写真であり、右下は、ELISA法に基づくそのΔOD490nmのデータを示すグラフである。
【図14】A新型HAビオチン化抗原の検証を行った結果を示すグラフである。(a)は、ビオチン化抗原-StAv結合能の確認結果を示すグラフ、(b)は、抗原性の検証結果を示すグラフである。
【図15】免疫方法(1)により、3回免疫後に採血したときのELISA法の結果を示すグラフである。
【図16】免疫方法(1)により、最終免疫後に採血したときの抗体価を調べた結果を示す図である。(a)は、ELISA法による抗体価を確認した結果を示すグラフ、(b)は、HI試験法による抗体価を確認した写真図である。
【図17】免疫方法(1)によって得られたハイブリドーマ上清の抗体価のELISA法の結果を示すグラフである。
【図18】免疫方法(2)により、4回免疫後に採血したときのELISA法の結果を示すグラフである。
【図19】免疫方法(2)により、最終免疫後に採血したときの抗体価を示す図である。(a)は、ELISA法による抗体価を確認した結果を示すグラフ、(b)は、HI試験法による抗体価を確認した写真図である。
【図20】免疫方法(2)によって得られたハイブリドーマ上清の抗体価のELISA法の結果を示すグラフである。
【図21】免疫方法(3)により、3回免疫後に採血したときのELISA法の結果を示すグラフである。
【図22】免疫方法(3)により、最終免疫後に採血したときの抗体価を示す図である。(a)は、ELISA法による抗体価を確認した結果を示すグラフ、(b)は、HI試験法による抗体価を確認した写真図である。
【図23】免疫方法(3)によって得られたハイブリドーマ上清の抗体価のELISA法の結果を示す図である。(a)は、ELISA法による抗体価を確認した結果を示すグラフ、(b)は、24穴プレートで培養したハイブリドーマ上清を用いたELISA法による抗体価を確認した結果を示すグラフ、(c)は、抗体アイソタイプの確認を行った結果を示すグラフ、(d)は、HI試験法による抗体価を確認した写真図である。
【図24】免疫方法(1)~(3)で得られた抗体を免疫蛍光抗体法で評価した結果を示す顕微鏡写真図である。左上の二枚は、免疫方法(1)により得られた抗体の結果、左下の二枚は、免疫方法(3)により得られた抗体の結果、右上の二枚は、免疫方法(2)により得られた抗体の結果、右下の二枚は、陰性対照(Negative Control)をそれぞれ示す。また、それぞれの二枚の写真のうち、左側は位相差顕微鏡写真図を、右側は蛍光顕微鏡写真図を示す。
【図25】インフルエンザを抗原とした実験結果のまとめを示す。免疫方法(1)~(3)のいずれにおいても、3種類のインフルエンザ亜型に対する特異性の確認が可能な抗体が得られた。
【図26】リケッチア感染Vero細胞を用いたビオチン化抗原の検証を行った結果を示すグラフである。
【図27】免疫方法(4)で3回免疫後に得られた抗血清を免疫蛍光抗体法で評価した結果を示す顕微鏡写真図である。左上の二枚は、陽性対照(Positive Control:リケッチア患者血清)の結果、右上の二枚は、陰性対照(Negative Control)の結果、下の三枚は、免疫方法(4)で3回免疫後に得られた抗血清の結果(左から、1/200, 1/800, 1/3200の血清の結果)を、それぞれ示す。また、上側の左右一対の写真のうち、左側は位相差顕微鏡写真図を、右側は蛍光顕微鏡写真図を示す。
【図28】免疫方法(4)により、最終免疫後に採血したときの抗体価を示す図である。(a)は、ELISA法による抗体価を確認した結果を示すグラフ、(b)は、免疫蛍光抗体法による抗体価を確認した写真図である。
【図29】免疫方法(4)によって得られたハイブリドーマのELISA法の結果を示す図である。(a)は、96穴プレートを用いたときの抗体価を確認した結果を示すグラフ、(b)は、24穴プレートで培養したハイブリドーマ上清を用いたときの抗体価を確認した結果を示すグラフである。
【図30】免疫方法(4)によって得られたハイブリドーマ(F1_1, F1_2)の抗体価を免疫蛍光抗体法で確認した結果を示す写真図である。左上の二枚は、リケッチア感染Vero細胞に対するF1_1の反応を確認した結果を、右上の二枚は、Vero細胞に対するF1_1の反応を確認した結果を、左下の二枚は、リケッチア感染Vero細胞に対するF1_2の反応を確認した結果を、右下の二枚は、Vero細胞に対するF1_2の反応を確認した結果を、それぞれ示す。また、それぞれの二枚の写真のうち、左側は位相差顕微鏡写真図を、右側は蛍光顕微鏡写真図を示す。
【図31】免疫方法(5)で3回免疫後に得られた抗血清を免疫蛍光抗体法で評価した結果を示す顕微鏡写真図である。左上の二枚は、陽性対照(Positive Control:リケッチア患者血清)の結果、右上の二枚は、陰性対照(Negative Control)の結果、下の三枚は、免疫方法(5)で3回免疫後に得られた抗血清の結果(左から、1/200, 1/800, 1/3200の血清の結果)を、それぞれ示す。また、上側の左右一対の写真のうち、左側は位相差顕微鏡写真図を、右側は蛍光顕微鏡写真図を示す。
【図32】免疫方法(5)により、最終免疫後に採血したときの抗体価を示すグラフである。
【図33】免疫方法(5)によって得られたハイブリドーマ上清の抗体価のELISA法の結果を示す図である。(a)は、96穴プレートを用いたときの抗体価を確認した結果を示すグラフ、(b)は、24穴プレートで培養したハイブリドーマ上清を用いたときの抗体価を確認した結果を示すグラフ、(c)は、限界希釈後のELISA結果を示すグラフである。
【図34】リケッチアペプチド-SPDP-OVA コンジュゲートの作製を各調製法によって比較した結果を示すSDS-PAGE写真図である。レーン1,10は分子量マーカを、レーン2,9はOVAを、レーン3,8は調製法(1)によって得られたリケッチアペプチド-SPDP-OVAを、レーン4,7は調製法(2)によって得られたリケッチアペプチド-SPDP-OVAを、レーン5,6は調製法(3)によって得られたリケッチアペプチド-SPDP-OVAを、それぞれ示す。タンパク質については、全て2.5μgを電気泳動した。また、レーン2~5については非還元状態にて、レーン6~8については還元状態にて、電気泳動を行った。
【図35】リケッチアペプチド-MBS-BSA コンジュゲート、リケッチアペプチド-MBS-StAv コンジュゲートの作製を行った結果を示すSDS-PAGE写真図である。(a)は、リケッチアペプチド-MBS-BSA(またはStAv)コンジュゲートの結果を、(b)は、リケッチアペプチド-MBS-StAv コンジュゲートの結果を示す。(a)では、レーン1は調製法(1)によって得られたリケッチアペプチド-MBS-StAvを、レーン2はStAvを、レーン3はリケッチアペプチド-MBS-BSAを、レーン4はBSAを、レーン5は分子量マーカを、それぞれ示す。タンパク質については、全て2.5μgを電気泳動した。 (b)では、レーン1,8は分子量マーカを、レーン2,7はStAvを、レーン3,6は調製法(1)によって得られたリケッチアペプチド-MBS-StAvを、レーン4,5は調製法(2)によって得られたリケッチアペプチド-MBS-StAvを、それぞれ示す。タンパク質については、レーン3,4は2.5μgを、レーン5,6は5μgを電気泳動した。
【図36】リケッチアペプチド-MBS-StAvコンジュゲートのビオチンとの反応性を検証した結果を示すグラフである。(a)は、調製法(1),(2)により得られたコンジュゲートのビオチンへの結合能を調べた結果を、(b)は、抗原性の検証を行った結果を、それぞれ示すグラフである。
【図37】免疫方法(6)で4回免疫後に得られた抗血清の反応性を調べた結果を示す。(a)は、ELISA法による確認の結果を示すグラフである。 (b)は、免疫蛍光抗体法で評価した結果を示す顕微鏡写真図である。左の二枚は、4回免疫後に得られた抗血清(1/20)の結果を、右の二枚は、陰性対照(Negative Control)の結果を、それぞれ示す。左右一対の写真のうち、左側は位相差顕微鏡写真図を、右側は蛍光顕微鏡写真図を示す。
【図38】免疫方法(6)で最終免疫後に得られた抗血清の反応性を調べた結果を示す。(a)は、ELISA法による確認の結果を示すグラフである。 (b)は、免疫蛍光抗体法で評価した結果を示す顕微鏡写真図である。左の二枚は、最終免疫後に得られた抗血清(1/20)の結果を、右の二枚は、陰性対照(Negative Control)の結果を、それぞれ示す。左右一対の写真のうち、左側は位相差顕微鏡写真図を、右側は蛍光顕微鏡写真図を示す。
【図39】免疫方法(6)によって得られたハイブリドーマの結果を示す図である。(a)は、ELISA法によりハイブリドーマ上清の抗体価を確認した結果を示すグラフ、(b)は、免疫蛍光抗体法で評価した結果を示す顕微鏡写真図である。(b)のうち、左端の上下二枚は、2.5kV/cmにて融合させて得られたハイブリドーマG6、中央の上下二枚は、2.5kV/cmにて融合させて得られたハイブリドーマF10、右端の上下二枚は、2kV/cmにて融合させて得られたハイブリドーマG11の結果を、それぞれ示す。上下一対の写真のうち、上側は位相差顕微鏡写真図を、下側は蛍光顕微鏡写真図を示す。
【図40】免疫方法(6)によって得られたハイブリドーマ上清の抗体価をELISA法で確認した結果を示すグラフである。(a)は、24穴プレートで培養したハイブリドーマ上清を用いたときの抗体価を確認した結果を示すグラフ、(b)は、ハイブリドーマG11の限界希釈後のELISA結果を示すグラフである。
【図41】免疫方法(6)によって得られたハイブリドーマの抗体アイソタイプを確認した結果を示すグラフである。(a)は、ELISA陽性wellであるG11及びG11D3の抗体アイソタイプを確認した結果を、(b)は、免疫蛍光抗体法陽性wellであるD4, D10, F10及びG6の抗体アイソタイプを確認した結果を、それぞれ示すグラフである。なお、P.C.は、陽性対照(Positive Control)を示す。
【図42】リケッチアに対するモノクローナル抗体を作製した結果のまとめを示す。リケッチア感染Vero細胞を抗原として使用した免疫方法(4), (5)では、いずれもリケッチアに対する抗体産生ハイブリドーマが得られたものの、リケッチアだけでなくVero細胞に対する抗体が含まれていた。一方、これを改良し、リケッチアペプチドを抗原として使用した免疫方法(6)では、リケッチアペプチドに対する抗体産生ハイブリドーマを産生、単離できた。このハイブリドーマのうち、ELISA陽性の抗体アイソタイプはIgGであり、免疫蛍光抗体法陽性の抗体アイソタイプはIgMであった。
【図43】リケッチア表面膜タンパク質のアミノ酸配列(配列番号2)と、抗原としたリケッチアペプチドのアミノ酸配列の位置を示す図である。
【図44】レプトスピラ血清型秋やみBを用いた実験において、<免疫法I>を行ったときの結果を示す図である。左側(ELISA)は、ELISA法の結果を示すグラフ、右側(MAT)は、MATの結果を示す顕微鏡写真図である。
【図45】レプトスピラ血清型秋やみBを用いた実験において、<免疫法II>を行ったときの結果を示す図である。左側(ELISA)は、ELISA法の結果を示すグラフ、右側(MAT)は、MATの結果を示す顕微鏡写真図である。
【図46】レプトスピラ血清型秋やみBを用いた実験において、<免疫法III>を行ったときのELISA法の結果を示すグラフである。
【図47】レプトスピラ血清型秋やみBを用いた実験において、<免疫法IV>を行ったときのELISA法の結果を示すグラフである。
【図48】レプトスピラ血清型秋やみBを用いた実験において、<融合実験I>を行ったときのハイブリドーマ上清を用いた抗体価の確認結果を示すグラフである。
【図49】レプトスピラ血清型秋やみBを用いた実験において、<融合実験III>を行ったときの心臓採血の血清を用いたMATの結果を示す顕微鏡写真図である。
【図50】図49において、抗体価が確認された抗血清について、レプトスピラの他の血清型との交差反応性を検証した結果を示すグラフである。
【図51】レプトスピラ血清型秋やみBを用いた実験において、<融合実験III>を行ったときのハイブリドーマ上清を用いた抗体価の確認結果を示すグラフである。
【図52】新型H1N1ヘマグルチニンを抗原として3回免疫化した後に採血したときの抗体価をELISA法で検証した結果を示すグラフである。
【図53】新型H1N1ヘマグルチニンを抗原として最終免疫後に採血したときの抗体価をELISA法で検証した結果を示すグラフである。
【図54】最終免疫化後の抗体価をHI試験法で検証した結果を示す写真図である。
【図55】ビオチン化抗原のストレプトアビジンとの結合能及び抗原性を示すか否かを検証した結果を示すグラフである。左側は、抗原性を比較した結果を示し、右側は、ストレプトアビジンとの結合能を示す。
【図56】新型H1N1ヘマグルチニンとの反応を示した6個のwell(D10,G2,D7,D1,E3及びE9)について、ハイブリドーマ上清と、三種類のインフルエンザ株及びオブアルブミン(OVA)との反応性を検証した結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本発明の実施形態について、図表を参照しつつ説明するが、本発明の技術的範囲は、これらの実施形態によって限定されるものではなく、発明の要旨を変更することなく様々な形態で実施することができる。
<免疫工程>
目的とする微生物由来抗原に対して特異的な抗体を産生するB細胞を得るために必要となる動物の免疫方法については特に限定されず、いずれの免疫工程を採用することもできる。例えば、抗原の免疫量、免疫回数、抗原の作製方法、免疫方法、免疫動物、免疫場所、アジュバントの種類、リンパ球の摘出場所などについては、一般的に実施されている方法を使用できる。生物としては、非ヒト哺乳類(例えばマウス、ラット、モルモット、ウサギ、ラクダなど)、鳥類(例えば、ニワトリなど)などが例示されるが、これらのうちマウスを用いることが好ましい。動物1匹当たりの抗原投与量としては、一般的には、アジュバントを用いないときは0.1mg~10mg、アジュバントを用いるときは10μg~1mgであるが、これらに限定されない。アジュバントとしては、フロイントコンプリートアジュバント(CFA)、フロイントインコンプリートアジュバント(IFA)、水酸化アルミニウムアジュバント等が挙げられる。抗原の投与方法としては、主として皮下、腹腔内、静脈内、筋肉内、フットパッド等に注入することにより行われる。免疫の間隔・回数は特に限定されず、数日から数週間間隔(好ましくは2~5週間間隔)で、1~10回、好ましくは2~8回の投与を行う。なお、タンパク質をコードする遺伝子(DNA、RNAを含む)を免疫する方法も利用できる。また、生物のリンパ球集団を採取した後に、イン・ビトロ(in vitro)で免疫する生体外免疫法なども適用できる。

【0010】
微生物とは、視認が行えず、顕微鏡などを用いて確認が行える程度の微小な生物を意味する。微生物としては、例えば真正細菌、古細菌、藻類、原生生物、菌類、粘菌、真菌、ウイルスなどが含まれる。微生物には、その微生物特有の抗原が含まれており、その抗原特異的な抗体を得ることにより、微生物特異的な認識方法を作製できる可能性がある。本発明によれば、ウイルス(特に、インフルエンザウイルス)の亜型を特定できる程度の抗体を得られる。
微生物由来抗原とは、微生物(病原微生物を含む)に由来する抗原を意味する。多くの場合に、微生物由来抗原は、タンパク質、或いは糖鎖を備えたタンパク質などである。微生物由来抗原には、微生物から精製されたものを用いても良いし、微生物そのものを用いても良い。微生物そのものを用いる場合には、微生物を単離・精製したものを用いても良いし、他の抗原を含む微生物試料を混合物として使用することもできる。

【0011】
<B細胞修飾工程>
B細胞修飾工程においては、B細胞を含む試料(例えば、脾細胞懸濁液、リンパ節懸濁液)に対して、(1)微生物由来抗原(抗原そのもの、ビオチン化抗原、またはストレプトアビジン化抗原を含む)とB細胞を含む試料とを混合する方法、(2)目的としない特異抗原を含む微生物単体(他の共通抗原を含む)とB細胞を含む試料とを混合して、目的以外のB細胞抗原結合レセプターをブロックする不要B細胞ブロック工程を実施した後、微生物由来抗原とB細胞を含む試料とを混合する方法などがある。上記(2)の方法によれば、目的外のB細胞が除去されるので、特異性がより高い抗体を発現するB細胞が得られやすくなる。
なお、上記工程において、微生物由来抗原は、予めビオチン化させておくことが好ましい。このようにすれば、B細胞-ビオチン化抗原が得られるので、次の細胞架橋工程において使用されるB細胞-ビオチン化抗原-ストレプトアビジン複合体を得るための工程を円滑に進められる。また、上記工程において、微生物由来抗原を予めストレプトアビジン化させておくことにより、B細胞-ストレプトアビジン化抗原が得られるので、次の細胞架橋工程を円滑に進められる。

【0012】
<ミエローマ修飾工程>
B細胞側に付加されたストレプトアビジンを利用して、細胞架橋を行うために、ミエローマをビオチン化する。こうして、ビオチン化ミエローマを作製することで、B細胞-ビオチン化抗原-ストレプトアビジン複合体、またはB細胞-ストレプトアビジン化抗原との細胞架橋工程に資する。
ミエローマ細胞は、生物から単離したB細胞と融合させることで、B細胞を不死化させると共に、B細胞が持っている抗体産生能を維持できる細胞であれば、いずれのものも使用できる。一般的には、マウス由来のミエローマ細胞がよく使用される。例えば、SP2/0, PAI, P3x63Ag8.653 等が例示されるが、特に限定されない。なお、免疫工程において使用した生物に応じて、細胞架橋工程において使用するミエローマ細胞も、その生物に適した細胞種に馴化したものを使用できる。
<細胞架橋工程>
細胞架橋工程では、B細胞側に付加されたストレプトアビジンと、ミエローマ細胞側に付加されたビオチンとを用いることにより、両細胞を効率的に架橋させる。
<ハイブリドーマ作製工程>
ハイブリドーマを得るときの電気パルスの条件は、一般的に実施されている方法を使用できる。一般的には、グルコース、シュークロース、マンニトールなどの糖で浸透圧を調整した低塩濃度の緩衝液で細胞融合を行う。たとえば、0.25 M シュークロース、2mM リン酸緩衝液(pH 7.2)、0.1 mM塩化カルシウム、0.1 mM塩化マグネシウムの緩衝液を例示できるが、浸透圧を調整するための糖の種類と濃度、緩衝能を持たせるための緩衝液の種類と濃度、pH、塩化カルシウムと塩化マグネシウムの濃度は、細胞融合される細胞の性質に応じて適当に最適化される。
電気パルスの条件は、細胞および緩衝液の状態に応じて変化できるが、通常の電気パルスを用いた細胞融合で使用される程度のパルス強度を用いることができる。例えば、1 kV/cm~4 kV/cmの範囲内、好ましくは2 kV/cm~3 kV/cm、より好ましくは2 kV/cm~2.5 kV/cmの強度で行う。パルスの回数は、1~10回程度で実施する。パルス幅(パルス時間)は、通常、10μsを使用する。電気パルスは、たとえばelectro square porator ECM2001(BTX社製)を用いて行うことができる。
細胞融合後の細胞の取り扱いについては、通常のハイブリドーマを作製した後の取り扱いと同様に、すなわち細胞融合後の細胞をHAT培地での選別後にHT培地で培養し、ハイブリドーマを樹立する。培養上清中に存在する抗体の性能は通常行われている方法(例えば、ELISA法、免疫蛍光抗体法など)でスクリーニングできる。

【0013】
<モノクローナル抗体化工程>
樹立したハイブリドーマからモノクローナル抗体を採取する方法として、通常の細胞培養法又は腹水形成法等を使用できる。細胞培養法においては、ハイブリドーマを通常用いられる培地、たとえば10%ウシ胎児血清含有RPMI-1640培地、MEM培地又は無血清培地中で、通常の培養条件(例えば37℃、5% CO2濃度)で7~14日間培養し、その培養上清から抗体を取得する。腹水形成法の場合は、ミエローマ細胞由来の哺乳動物と同種系動物の腹腔内にハイブリドーマをたとえば約1×107個の投与量で投与し、ハイブリドーマを大量に増殖させた後、1~2週間後に腹水を採取する。抗体の精製が必要とされる場合は、硫安塩析法、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過、アフィニティークロマトグラフィーなどの方法を選択し、又はこれらを組み合わせることにより精製できる。
【実施例】
【0014】
<試験方法>
1.材料
今回使用した、A型インフルエンザウイルスについて、図1にまとめた。具体的には3種類の亜型である1 )新型(H1N1)、2 )ソ連型(H1N1)および3 )香港型(H3N2)を用いた。A H1N1 2009インフルエンザウイルス(いわゆる新型インフルエンザウイルス)感染MDCK[Madin-Darby canine kidney(イヌ腎臓由来)]細胞(以下A新型MDCK)(ホルマリン固定済み)、Aソ連型インフルエンザウイルス感染MDCK細胞(以下Aソ連型MDCK)(ホルマリン固定済み)、A香港型インフルエンザウイルス感染MDCK細胞(以下A香港型MDCK)(ホルマリン固定済み)、MDCK細胞、リケッチア(Rickettsia japonica)感染Vero細胞(ホルマリン固定済み)、Vero細胞、リケッチア(Rickettsia japonica)ペプチド(17アミノ酸残基:NH2-CGLIRAANQDYVITRTN-COOH(配列番号1))(リケッチアについては、図2を参照)、免疫蛍光抗体法に用いた抗原スライド、PBS(-)(Dulbecco’s Phosphate Buffered Salts)、無蛍光グリセリン、Polyclonal Rabbit Anti-Mouse Immunoglobulins/FITCは全て三重県保健環境研究所微生物研究課より供与された。
また、レプトスピラ血清型秋やみB(Leptospira interrogans serovar Hebdomadis)(ホルマリン固定済み)および他のレプトスピラ血清型(ホルマリン固定済み)は三重県保健環境研究所微生物研究課より供与された。
Complete Freund’s adjuvant(CFA)及びIncomplete Freund’s adjuvant(IFA)は、和光純薬工業株式会社より購入した。
【実施例】
【0015】
Bovine serum albumin (BSA : ウシ血清アルブミン)、Ovalbumin(OVA : 卵白アルブミン)、SPDP [N-hydroxysuccinimidyl 3-(2-pyridyldithio) propionate]、MBS(m-maleimidobenzoyl N-hydroxysuccinimide)、N-hydroxysuccinimide(NHS)- biotin、はSIGMA社より購入した。Streptavidin,Type II(StAv)、N,N-dimethylformamide(DMF)は、和光純薬工業株式会社より購入した。N-ethylmaleimide(NEM)は、東京化成工業株式会社より購入した。
ELISA法に用いたanti-mouse IgG(H+L)conjugated with HRP(HRP : 西洋ワサビ由来ペルオキシターゼ)は、BIOSOURCE社より購入した。
HI試験法に用いたRDE(II)、A型HI抗血清(A/ブリスベン/59/2007株、A/ウルグアイ/716/2007株)、A型HA [Hemagglutinin(ヘマグルチニン)]抗原:A/ブリスベン/59/2007株(以下Aソ連型HA)、A/ウルグアイ/716/2007株(以下A香港型HA)、A/California/7/2009(NYMC X-179A)(H1N1)pdm株(以下A新型HA)は、デンカ生研株式会社より購入した。
【実施例】
【0016】
2.使用機器
試料を穏やかに混和させるため、Macs Mix(Miltenyi Biotec社)、Mini Disk Rotor(BIO CRAFT社)を使用した。また、電気融合にはelectro square porator ECM2001(BTX社)を使用した。電圧、抵抗などの測定には、optimizer 500 graphic pulse analyzer(BTX社)を使用し、電極には幅2mm、容量1mlのプラチナ製プレパラート型プレートを使用した。
ELISA法のOD490nmの測定には、model 3550 microplate reader(BIO-RAD社)を用い、記録にはVP-550(EPSON社)を使用した。
無菌操作においては、バイオクリーンベンチ(三洋電気株式会社)を、組織培養装置として、炭酸ガスインキュベーター(三洋電気株式会社)を使用した。ハイブリドーマ細胞の確認には、倒立顕微鏡(OLYMPUS社)を使用した。
【実施例】
【0017】
3.インフルエンザウイルスに対するモノクローナル抗体の作製
a. ミエローマ細胞の培養
(1)ミエローマ細胞の解凍
ミエローマ細胞は、PAI(Stocker et al. , 1982)を使用した。液体窒素中に保存してあるPAIを37℃ですばやく解凍させ、クリーンベンチ内に移し、まず初めに、予め用意しておいたRPMI1640完全培地 [ 90% Roswell Park Memorial Institute 1640(RPMI1640 、日水製薬社)+ 10% fetal calf serum(FCS 、MOREGATE)+ 100μg/ml硫酸カナマイシン(明治製菓)+ 2mM L-glutamine(日水製薬社)+ 50μM β- mercaptoethanol ] を10mL入れたコニカルチューブに、解凍したミエローマ細胞を移し、穏やかに混合した。次に室温で800rpm(130g)により、5分間遠心分離した後、上清を除去し、細胞沈殿をRPMI1640完全培地2.5mLで懸濁した。最後に、T-25培養フラスコに移し、37℃、5%CO2インキュベーター内で培養した。翌日、さらに2.5mlのRPMI1640完全培地をフラスコに加えて2~3日ごとに継代を行った。
(2)ミエローマ細胞の継代
T-25培養フラスコの底にはりついたミエローマ細胞を3~4回軽くバンギングして剥がし、RPMI1640完全培地で5~10倍に希釈した。細胞融合を行う際には、大量のミエローマ細胞を用いる必要があるため、細胞融合の1週間前からスケールアップを行った。まず、T-25培養フラスコの4倍のスケールになるようにT-75培養フラスコを用いて培養した。融合2日前には、ミエローマ細胞をcellカウントし、1×105cells/mlの濃度でT-150培養フラスコ2個とT-75培養フラスコ2個にスケールアップして培養した。
【実施例】
【0018】
b. マウス生体内免疫方法(免疫工程)
(1)免疫抗原:インフルエンザウイルス感染MDCK細胞(ホルマリン固定済み)(Aソ連型MDCK、A香港型MDCK、A新型MDCKの3種)
上記抗原を用い、5~10週齢のBALB/cマウス(SPF仕様、メス)に対しそれぞれ免疫化を行った。初回免疫において、マウス1匹あたり抗原タンパクA新型MDCK:15.8μl (絶対量50μg, タンパク量3.15mg/ml)とPBS 84.2μl、Aソ連型MDCK:150μl(絶対量21.3μg, タンパク量0.14mg/ml)、A香港型MDCK:150μl(絶対量17.9μg, タンパク量0.12mg/ml)をそれぞれ等量のComplete Freund’s Adjuvant(CFA)と混合し、5分間のボルテックス処理および2分間のバスタイプソニケーターでの超音波処理によって油中水型のエマルションを調製し、マウスの腹腔内に注射した。2回目の免疫は、初回免疫から2週間後に行い、抗原タンパクA新型MDCK:9.5μl(絶対量30μg)とPBS 90.5μl、Aソ連型MDCK:150μl(絶対量21.3μg)、A香港型MDCK:150μl(絶対量17.9μg)をそれぞれ等量のIncomplete Freund’s Adjuvant(IFA)と混合して、初回免疫と同様の方法で処理後、マウスの腹腔内に注射した。また、以降の免疫化も2回目の免疫と同量で、免疫の間隔は2週間とした。
3回目の免疫化の3日後にマウスの眼窩静脈から採血して、30分間、37℃の恒温槽で血ぺい化後、37℃、10,000rpm(8,200g)で10分間遠心分離し、血清を得た。得られた血清のポリクローナル抗体の亜型特異性をHI試験(後述)により確認した。
【実施例】
【0019】
(2)免疫抗原:インフルエンザウイルスヘマグルチニン(Aソ連型HA、香港型HA、A新型HAの3種)
上記抗原を用い、5~10週齢のBALB/cマウス(SPF仕様、メス)に対しそれぞれ免疫化を行った。初回免疫において、マウス1匹あたり抗原タンパクA新型HA:120μl (絶対量50.4μg, タンパク量0.42mg/ml)、Aソ連型HA:150μl(絶対量43.2μg, タンパク量0.29mg/ml)、A香港型HA:120μl(絶対量50.4μg, タンパク量0.42mg/ml)をそれぞれ等量のCFAと混合し、5分間のボルテックス処理および2分間のバスタイプソニケーターでの超音波処理によって、エマルションを調製し、マウスの腹腔内に注射した。2回目の免疫は、初回免疫から2週間後に行い、抗原タンパクA新型HA:72μl (絶対量30.2μg)とPBS 78μl、Aソ連型HA:105μl(絶対量30.5μg)、A香港型HA:72μl(絶対量30.2μg)とPBS 78μlをそれぞれ等量のIFAと混合して、初回免疫と同様の方法で処理後、マウスの腹腔内に注射した。また、以降の免疫化も2回目の免疫と同量で、免疫の間隔は2週間とした。
3回目の免疫化の3日後にマウスの眼窩静脈から採血して、30分間、37℃の恒温槽で血ぺい化後、37℃、10,000rpm(8,200g)で10分間遠心分離し、血清を得た。得られた血清のポリクローナル抗体の亜型特異性をHI試験(後述)により確認した。
【実施例】
【0020】
(3)免疫抗原:A新型HA(免疫回数4回)(免疫方法(1))(表1)
A新型HAを用い、5~10週齢のBALB/cマウス(SPF仕様、メス)2匹に対し免疫化を行った。初回免疫において、マウス1匹あたりA新型HA 120μl(絶対量50.4μg)を等量のCFAと混合し240μlとし、5分間のボルテックス処理および2分間のバスタイプソニケーターでの超音波処理によって、エマルションを調製し、マウスの腹腔内に注射した。2回目の免疫は、初回免疫から2週間後に行い、マウス1匹あたりA新型HA 72μl(絶対量30.2μg)とPBS 28μlを等量のIFAと混合して200μlとし、初回免疫と同様の方法で処理後、マウスの腹腔内に注射した。また、以降の免疫化も2回目の免疫と同量で、免疫の間隔は2週間とした。
3回目の免疫化の3日後にマウスの眼窩静脈から採血して、30分間、37℃の恒温槽で血ぺい化後、37℃、10,000rpm(8,200g)で10分間遠心分離し、血清を得た。得られた血清のポリクローナル抗体の力価をELISA法(後述)にて測定した。
(4)免疫抗原: A新型HA(免疫回数5回)(免疫方法(2))(表1)
上記b.(3)のマウスに追加免疫を行った。追加免疫は、3回目免疫から2週間後に行い、マウス1匹あたりA新型HA 72μl(絶対量30.2μg)とPBS 28μlを等量のIFAと混合して200μlとし、b.(3)と同様の方法でエマルションを調製後、マウスの腹腔内に注射した。次に、最終免疫を4回目免疫から1か月後に行い、マウス1匹あたりA新型HA 72μl(絶対量30.2μg)とPBS 28μlを等量のIFAと混合して200μlとし、b.(3)と同様の方法で調製後、マウスの腹腔内に注射した。
4回目の免疫化の3日後にマウスの眼窩静脈から採血して、30分間、37℃の恒温槽で血ぺい化後、37℃、10,000rpm(8,200g)で10分間遠心分離し、血清を得た。得られた血清のポリクローナル抗体の力価をELISA法(後述)にて測定した。
【実施例】
【0021】
(5)免疫抗原:A新型HA+A新型MDCK(免疫回数4回)(免疫方法(3))(表1)
5~10週齢のBALB/cマウス(SPF仕様、メス)2匹に対し免疫化を行った。初回免疫において、マウス1匹あたりA新型HA 120μl(絶対量50.4μg)を等量のCFAと混合し240μlとし、5分間のボルテックス処理および2分間のバスタイプソニケーターでの超音波処理によってエマルションを調製し、マウスの腹腔内に注射した。追加免疫は、初回免疫から2週間後に行い、2、4回目はA新型HA 72μl(絶対量30.2μg)とPBS 28μlを等量のIFA、3回目は、10,000gで遠心分離したA新型MDCK 100μl(絶対量213μg, タンパク量2.13mg/ml)を等量のIFAと混合して200μlとし、初回免疫と同様の方法で調製後、マウスの腹腔内に注射した。また、免疫化の間隔はすべて2週間とした。
3回目の免疫化の3日後にマウスの眼窩静脈から採血して、30分間、37℃の恒温槽で血ぺい化後、37℃、10,000rpm(8,200g)で10分間遠心分離し、血清を得た。得られた血清のポリクローナル抗体の力価をELISA法(後述)にて測定した。
【実施例】
【0022】
【表1】
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【実施例】
【0023】
c. ビオチン化抗原の作製法
NHS-biotin(N-hydroxysuccinimide-biotin)1mgをエッペンに秤り取り、DMF(N,N-dimethylformamide)30μlに溶解した。そのうちの10μlをA新型HA抗原溶液(1,000μl , 0.42mg/ml)に加え、室温で45分間ローテーションした。その後、1Mのグリシン溶液を10μl加えて、さらに、室温で45分間ローテーションし、反応を停止させ、クリーンベンチ内で0.22μmフィルターをかけ、無菌化した。
【実施例】
【0024】
d. マウス脾細胞の調製
前述のb.(3)~(5)にて免疫化を行ったマウスをイソフルラン(アボットジャパン株式会社)1mlで充満させたガラスビンの中に入れ、吸入麻酔させた。しばらくして動きが鈍くなり、マウスが麻酔にかかったことを確認した後、注射針で解剖台に固定した。マウスの腹部を、70%アルコールを含ませた脱脂綿で消毒した後、ピンセットで腹部中央付近の外皮をつまみ上げ、解剖用ハサミで外皮に切り込みを入れ、切り口を心臓近くまで広げた。次に、肋骨近くの内皮をピンセットでつまみ、心臓が見えるまで開胸し5ml用注射器を用いて心臓から採血した。その後、心臓採血したマウスを70%エタノールが入った300mlのビーカー内に浸して無菌化し、クリーンベンチ内に敷いたアルミホイルの上に置いた。
脾臓を摘出するために、マウスの左脇腹に解剖用ハサミで外皮に切れ目を入れ、脾臓が見えるところまで外皮を押し広げた。そして、脾臓が露出するように内皮を切った。次にピンセットで脾臓付近の脂肪をつかみ、脾臓と一緒に持ち上げ、ハサミで脾臓の周りの脂肪を切り取りマウスより摘出した。脾臓摘出のための一連の操作は、すべて無菌的に行った。摘出した脾臓は、DMEM [ Dulbecco’s Modified Eagle’s medium(DMEM 、日水製薬社)+ 100μg/ml 硫酸カナマイシン(明治製菓社)]を10ml入れた15mlコニカルチューブに入れ、研究室のクリーンベンチに運んだ。摘出した脾臓は、すぐに10mlのDMEMとともに空のシャーレに移し、少し洗浄した後、すぐにDMEMを10ml入れた別のシャーレに移し、洗浄しながら周りの脂肪をハサミとピンセットを用いて取り除いた。この洗浄をあと3回繰り返し行った。また、最後のシャーレにステンレスメッシュをセットし、そこに脾臓を置いてラバーポリスマンで穏やかに砕いた。
次に、脾細胞懸濁液を50mlコニカルチューブに移した。さらに、ステンレスメッシュをセットしているシャーレを10mlのDMEMで洗浄し、その液を回収し、先ほどの50mlコニカルチューブに加えた。この操作をチューブ内の液量が40mlになるまで繰り返し、その懸濁液を2,000rpm(800g)で5分間遠心分離した後、細胞沈殿を5mlのred blood cell lysing buffer(SIGMA社)で懸濁し、氷中で5分間静置することで赤血球を溶血させた。その後、素早くDMEMを45ml加え、合計50mlにして混和し、2,000rpm(800g)で5分間遠心分離した後、得られた細胞沈殿を2.5mlのDMEMで懸濁することで脾臓細胞を調製した。
【実施例】
【0025】
e. B細胞ターゲッティングに基づく融合法(B細胞修飾工程、細胞架橋工程)
(i)免疫方法(1)、(2)におけるB細胞-ビオチン化抗原複合体の作製(図3)
50μl(絶対量21μg, タンパク量0.42mg/ml)のA新型HAビオチン化抗原を含む2.5mlのDMEMを脾細胞懸濁液2.5mlに混合し、4℃で2時間ローテーションした。その後、2,000rpm(800g)で5分間遠心分離し、得られた細胞沈殿を10mlのDMEMで洗浄後、2.5mlのDMEMで懸濁することでB細胞-ビオチン化抗原複合体とした。
(ii)免疫方法(3)におけるB細胞-ビオチン化抗原複合体の作製(図4)
50μl(絶対量21μg, タンパク量0.42mg/ml)のA香港型HA抗原(A/ウルグアイ/716/2007株)を含む2.5mlのDMEMを脾細胞懸濁液2.5mlに混合し、4℃で1.5時間ローテーションした(不要B細胞ブロック工程)。その後、2,000rpm(800g)で5分間遠心分離し、得られた細胞沈殿を2.5mlのDMEMで懸濁した。次に、50μl(絶対量21μg, タンパク量0.42mg/ml)のA新型HAビオチン化抗原を含む2.5mlのDMEMを脾細胞懸濁液2.5mlに混合し、4℃で2時間ローテーション後、2,000rpm(800g)で5分間遠心分離し、得られた細胞沈殿を10mlのDMEMで洗浄した。沈殿を2.5mlのDMEMで懸濁することでB細胞-ビオチン化抗原複合体とした。
【実施例】
【0026】
(iii)免疫方法(1)~(3)におけるB細胞-ビオチン化抗原-StAv複合体(微生物-ビオチン-アビジン化B細胞)の作製(B細胞修飾工程(1))
200μl(1mg/ml)のStAvを含む2.5mlのDMEMを前述のe.(i)、(ii)で作製したB細胞-ビオチン化抗原複合体懸濁液2.5mlに混合し、4℃で1時間ローテーションした。その後、2,000rpm(800g)で5分間遠心分離し、得られた細胞沈殿を10mlのDMEMで洗浄後、5mlのDMEMで懸濁することでB細胞-ビオチン化抗原-StAv複合体とした。また、これらの操作後にcellカウントを行った。
(iv)ビオチン-ミエローマ細胞複合体(ビオチン化ミエローマ細胞)の作製(ミエローマ修飾工程)
スケールアップ培養したミエローマ細胞の上清を除去した後、DMEMをフラスコに加えバンギングし、ミエローマ細胞を50mlコニカルチューブに回収した。次に、800rpm(130g)で5分間遠心分離し、細胞沈殿を10mlのPBSで懸濁した。これを再び800rpm(130g)で5分間遠心分離した後、細胞沈殿を5mlのPBSで懸濁し、軽く混和した。一方、10μlのNHS-biotin(N-hydroxysuccinimide-biotin 1mg/30μl DMF)を5mlのPBSに加えておき、両者を素早く混合し、37℃、5% CO2インキュベーター内で30分間ゆっくりとローテーションした。その後、800rpm(130g)で5分間遠心分離し、細胞沈殿を10mlのDMEMで洗浄した。ビオチン化されたミエローマ細胞を10mlのDMEMで懸濁し、ビオチン-ミエローマ細胞複合体とした。また、これらの操作後にcellカウントを行った。
【実施例】
【0027】
(v)B細胞-ビオチン化抗原-StAv-ビオチン-ミエローマ細胞複合体(B細胞-ミエローマ細胞)の作製(細胞架橋工程)
前述のe.(iii)で作製したB細胞-ビオチン化抗原-StAv複合体と、e.(iv)で作製したビオチン-ミエローマ細胞複合体を5:1~1:1の割合で混合した。これを1,000rpm(200g)で10分間遠心分離し、細胞沈殿を1mlのDMEMで懸濁した後、300rpmで1分間遠心した。その後、37℃、5% CO2インキュベーター内で30分間静置し、さらに30分間、37℃、5% CO2インキュベーター内でゆっくりとローテーションした。
(vi)電気パルスによる細胞融合法(ハイブリドーマ作製工程)
ローテーション後1,000 rpm(200 g)にて10分間遠心分離し、2mlのisotonic sucrose buffer [0.25 M sucrose + 2 mM NaH2PO4/Na2HPO4(pH 7.2)+ 0.1 mM MgCl2 + 0.1 mM CaCl2] に懸濁した。これをプラチナ製プレパラート型プレート上に0.5 mlずつ加え、electro square porator ECM 2001により、2.0 kV/cm、2.5 kV/cm(免疫方法(3)のみ2.0kV/cm、2.3kV/cm、2.5kV/cm)(それぞれ10 μsec ×4 times)の条件で直流矩形波を利用した電気融合を行った(Kinosita and Tsong, 1977, 1978; Lo et al., 1984; Tsong and Tomita., 1993; Tomita et al., 2001)。電気融合後、あらかじめ用意しておいた20 mlのRPMI 1640完全培地に各々のパルス条件の融合細胞懸濁液1mLを静かに加え、クリーンベンチ内で60分静置し、96穴プレートに0.2 ml/wellになるように分注した。その後、速やかに37 ℃、5 %CO2インキュベータ内で培養した。翌日、プレートの培養上清を0.1 ml/wellずつ除去し、RPMI 1640完全培地で50倍に希釈したHAT培地 [100μM hypoxanthine + 0.4μM aminopterin + 16μM thymidine(SIGMA社)] を0.1 ml/wellずつ加えた。
【実施例】
【0028】
f. モノクローナル抗体産生ハイブリドーマのクローン化(モノクローナル化工程)
(i)HAT及びHT selection
細胞融合の翌日から2~3日毎に、96穴プレート中の培養上清をRPMI1640完全培地で50倍に希釈したHAT培地で0.1 ml/wellずつ交換した。2週間経過した後、HAT培地をHT培地 [ 100μM hypoxanthine + 16μM thymidine(SIGMA社)] に替え、同様に培地交換の作業を2週間行い、それ以後はRPMI1640完全培地により培地交換を行った。また、培地交換の前に倒立顕微鏡で各wellを検鏡し、ハイブリドーマのコロニー形成の有無について調べ、視野内に30%~40%のコロニーが形成されているwellについては培養上清を取り、ELISA法(後述)にて目的の抗体産生ハイブリドーマの有無を調べた。
(ii)ハイブリドーマの微量スケールアップ培養
ELISA法(後述)により目的の抗体産生ハイブリドーマが確認された陽性wellに対して、パスツールピペットで2~3回のピペッティングを行い、目的のハイブリドーマを剥がした後、細胞懸濁液をすべて回収した。そのうち1滴は元の96穴プレートのwellへ戻し、残りは約0.5mlのRPMI1640完全培地をあらかじめ入れておいた24穴プレートのwellに移した。2~3日毎に培地交換を行い、倒立顕微鏡でwellを検鏡し、ハイブリドーマのコロニー形成具合を調べた。培養上清の色が、元のRPMI1640完全培地から僅かに変化したwell(赤色から淡い橙色)については培養上清を取り、ELISA法(後述)にて目的の抗体産生ハイブリドーマの有無を調べた。また、ハイブリドーマが視野中7~8割程度形成された場合には、ピペットで2~3回ピペッティングすることによって、目的のハイブリドーマを剥がした後、細胞懸濁液をすべて回収し、そのうち1滴を元の24穴プレートに戻し、残りは0.5mlのRPMI1640完全培地をあらかじめ入れておいた24穴プレートの別のwellに移した。移したwellに対しても、培養上清の色が、元のRPMI1640完全培地から僅かに変化し次第培養上清を取り、ELISA法(後述)にて目的の抗体産生ハイブリドーマの有無を調べた。
(iii)限界希釈法(Limiting Dilution)によるハイブリドーマのクローン化
目的の抗体産生ハイブリドーマ(ELISA陽性well、免疫蛍光抗体法陽性well、後述)を、パスツールピペットを用いて、注意深くwellから剥がし、細胞数のカウントを行った。次に、生細胞数が9 cells/well, 3 cells/well, 1 cell/well, 0.5 cells/wellになるようにRPMI1640完全培地(時として、HAT培地またはHT培地)で希釈し、96穴プレートに播種した。その後、37℃、5% CO2インキュベーター内で培養した。2週間継代を行い、培地交換する前に各wellを倒立顕微鏡で観察し、ハイブリドーマ形成の有無を調べた。ハイブリドーマがwell中30~40%形成されている場合は、培養上清を取り、ELISA法(後述)で抗体価を測定し、目的の抗体産生ハイブリドーマの有無を確認した。
【実施例】
【0029】
g. マウス免疫血清の回収
マウス脾細胞の調製(前述3.d)の際、心臓採血によって得られた血液を37℃の恒温槽に30~60分間静置した後、4℃、10,000rpm(5,600g)で10分間遠心分離し、血清を回収した。
h. ELISA(enzyme-linked immunosorbent assay)法
(i)抗体価の確認
抗原を0.1M NaHCO3で10μg/mlに希釈し、96穴プレートに50μl/wellずつまき、4℃でovernight静置することにより、抗原をプレートに吸着させた。次に、プレートをPBSで3回洗浄し、1% gelatin (1g/100ml PBS)を350μl/well加えて37℃で2時間インキュベートしblockingを行った。その後、PBST(PBS+0.05% Triton X-100)で3回洗浄し、一次抗体(培養上清または血清ポリクローナル抗体)を50μl/well加えて37℃で1時間インキュベートした。続いてPBSTで3回洗浄後、PBSTで10,000倍に希釈した二次抗体 [ goat anti-mouse IgG(H+L)conjugated with HRP(horseradish peroxidase)] を50μl/well加え、37℃で1時間インキュベートした。最後に、PBSTで5回洗浄後、発色剤 [ 0.1M sodium citrate buffer(pH5.2)+ o-phenylene diamine(1mg/ml)+0.02% H2O2] を100μl/well加えて37℃で10分間インキュベートして発色させ、1M H2SO4を50μl/well加えて反応を停止した。これをmicroplate readerを用いOD490nm(対照 OD405nm)にて測定を行った。
【実施例】
【0030】
(ii)ビオチン化抗原のStAv結合能
抗原(ビオチン化抗原)を0.1M NaHCO3で10μg/mlに希釈し、96穴プレートに50μl/wellずつまき、4℃でovernight静置することにより、プレートに吸着させた。次に、プレートをPBSで3回洗浄し、1% gelatin (1g/100ml PBS)を350μl/well加えて37℃で2時間インキュベートしblockingを行った。次にPBST(PBS+0.05% Triton X-100)で3回洗浄し、PBSTで10,000倍に希釈したStAv-HRP(ZyMED LABOLATORIES)を加えて37℃で1時間インキュベートした。最後に、PBSTで5回洗浄後、発色剤 [ 0.1M sodium citrate buffer(pH5.2)+ o-phenylene diamine(1mg/ml)+0.02% H2O2 ] を100μl/well加えて37℃で10分間インキュベートして発色させ、1M H2SO4を50μl/well加えて反応を停止した。これをmicroplate readerを用いOD490nm(対照 OD405nm)にて測定を行った。
(iii)抗体のアイソタイプの確認
抗原として抗マウスIgM抗体, 抗マウスIgG抗体を0.1 M NaHCO3で10μg/mlに希釈し、96穴プレートに50μl/wellずつ添加し、4 ℃で一昼夜静置することにより、プレートに吸着させた。次に、プレートをPBSで3回洗浄後、PBSに溶かした1% gelatin (1g/100ml PBS)を350μl/well加えて37 ℃で2時間静置し、ブロッキングを行った。その後、PBST (PBS+0.05 % Triton X-100)で3回洗浄し、一次抗体(培養上清)を50 μl/well加えて37 ℃、1時間インキュベートした。続いてPBSTで3回洗浄後、PBSTで10,000倍に希釈した二次抗体 [goat anti-mouse IgG(H + L)conjugated with HRP(horseradish peroxidase)] を50μl/well加え、37 ℃、1時間インキュベートした。最後に、PBSTで5回洗浄後、発色剤 [0.1 M sodium citrate buffer(pH 5.2) o-phenylene diamine(1 mg/ml)+ 0.02 % H2O2]を100 μl/well加えて、37 ℃で10分間インキュベートして発色させ、1M H2SO4を50μl/well加えて反応を停止した。これをmicroplate readerを用いOD490nm(対照 OD405nm)にて測定を行った。
【実施例】
【0031】
i. HI試験(Hemagglutination Inhibition Test)法(図6)
前処理として、血清中の非特異的インヒビターを除去するためRDE(II)を1:3[血清:RDE(II)=1:3 ]の割合になるように血清に加えて十分に混和後、37℃でovernight静置し、その後56℃で60分加温してRDE(II)の作用を止め、血清の非特異的インヒビターの除去を行った。次に、ニワトリ赤血球をPBSで3回洗浄(2,000rpm、800×g、5分間遠心分離)したものを用いて、0.5vol%(150μl赤血球+30ml PBS)反応用赤血球浮遊液を調製した。丸底プレートの穴番号1~9にPBSを50μl/well加えた後、あらかじめPBSで5倍に希釈したA型HA抗原液50μl(Aソ連型HA:0.058mg/ml、A香港型HA:0.084mg/ml、A新型HA:0.084mg/ml)を穴番号1[1/2希釈、希釈倍数10]のwellに加え、3回ピペッティングした後、そこから50μlとり、次の穴番号へ移した。これを穴番号8[1/256希釈、希釈倍数1280]のwellまで繰り返し、段階希釈した。次に、0.5vol%反応用赤血球浮遊液を穴番号1~9に50μl /well加えて常温で60分間静置し、完全凝集した抗原の最終希釈倍数をその抗原のHA価として決定した。その後、4HA価/25μlとなるようにA型HA抗原液を希釈[最終希釈倍数が80の場合、4HA価/25μlに合わせるためには、HA価は50μl相当で得られた値であるため、8HA/50μlとなるように希釈(80÷8=10、すなわちHA抗原を10倍希釈)]し、PBSを穴番号2~12に25μl/well加えた。続いて、前処理済みの血清を穴番号1に50μl加え、3回ピペッティングした後、そこから25μlとり、次の穴番号へ移した。これを穴番号11まで繰り返し、段階希釈した。次に、4HA価HA抗原液を穴番号1~11に25μl/well加えて常温で30分間静置することで抗原抗体反応させた。最後に、0.5vol%反応用赤血球浮遊液を穴番号1~12に50μl/well加えて常温で60分間静置し、血清の最終希釈倍数を決定した。
【実施例】
【0032】
j. 免疫蛍光抗体法(図7)
ガラスプレートにA新型MDCK細胞の浮遊液(ホルマリン固定済み)をペン先で1滴ずつ落とした後、冷アセトンで固定化し、希釈した血清またはハイブリドーマ上清(希釈なし)をスポットしてある抗原の上に10μlずつ滴下し、37℃で60分間反応させた。反応後、ガラスプレートをPBS(-)内に浸け、5分間振とう洗浄を行った。PBS(-)を取り換え、3回洗浄した後、40倍希釈した二次抗体(Polyclonal Rabbit Anti-Mouse Immunoglobulins / FITC)を10μlずつ添加し、37℃で30分間反応させた。その後、同様にPBS(-)で振とう洗浄し、無蛍光グリセリンを用いてカバーガラスで封入し、位相差顕微鏡及び蛍光顕微鏡(励起波長495nm)を用いて解析した。
【実施例】
【0033】
4.リケッチアに対するモノクローナル抗体の作製
a.ミエローマ細胞の培養
前述3.a.と同様の操作で行った。
b. 抗原溶液の調製
リケッチア(Rickettsia japonica)ペプチド(16アミノ酸残基:NH 2-CGLIRAANQDYVITRTN-COOH:配列番号1)の構築(図43)(Cysteineはコンジュゲート作製に利用)
(i)リケッチアペプチド-SPDP-OVA コンジュゲートの調製(図9)
Ovalbumin(OVA)(1mg/ml×1ml)にSPDP[N-hydroxysuccinimidyl 3-(2-pyridyldithio) propionate]を10μl(1mg/30μl DMF)加え、1時間のローテーションを行った。その後、1M Glycineを10μl加え、30分間のローテーションを行い、SPDP分子内の未反応のNHS(N-hydroxysuccinimide)基をブロックした後、1LのPBSでOVA-SPDPコンジュゲートの透析(1,000 MW cut)を行った。
<調製法(1)>
透析後のOVA-SPDP(SPDP-Protein, 1mg/ml×1ml)をリケッチアペプチド 0.5mgに加え、37℃で2時間インキュベート後、さらに、4℃でovernight静置し、リケッチアペプチド-SPDP-OVAコンジュゲートを作製した。
<調製法(2)>
透析後のOVA-SPDP(1mg/ml×500μl)をDMF 100μlで溶かしたリケッチアペプチド(0.5mg/100μl DMF+400μl PBS)に加え、37℃で2時間インキュベート後、さらに、4℃でovernight静置し、リケッチアペプチド-SPDP-OVAコンジュゲートを作製した。
<調製法(3)>
透析後のOVA-SPDP(1mg/ml×800μl)にDMF 200μlで溶かしたリケッチアペプチド(0.5mg/200μl DMF+300μl PBS)を加え、37℃で2時間インキュベートし、さらに、4℃でovernight静置し、リケッチアペプチド-SPDP-OVAコンジュゲートを作製した。
マウスの免疫に用いるコンジュゲートは、後述の結果より、調製法(1)で作製したコンジュゲートが最適であると判断した。
【実施例】
【0034】
(ii)リケッチアペプチド-MBS-BSA コンジュゲートの調製(図10)
Bovine serum albumin(BSA)(1mg/ml×1ml)に20mMのNEM(N-ethylmaleimide)を50μl加え、37℃で1時間反応させることでBSA内のfreeのCystein残基を1つブロックした。NEM処理を行ったBSAにMBS(m-maleimidobenzoyl N-hydroxysuccinimide)を10μl(1mg/30μL DMF)加え、1時間ローテーションし、BSA-MBS複合体を作製した。その後、1MのGlycineを10μl加え、30分間のローテーションを行い、MBS分子内の未反応のNHS基をブロックした後、1LのPBSでBSA-MBSコンジュゲートの透析(1,000 MW cut)を行った。次に、透析後のBSA-MBS(1mg/ml×900μl)をDMF 100μlで溶かしたリケッチアペプチド(0.5mg/100μl DMF×100μl)に加え、37℃で2時間、4℃でovernight静置することで、リケッチアペプチド-MBS-BSAコンジュゲートを作製した。
(iii)リケッチアペプチド-MBS-StAv コンジュゲートの調製(図10)
StAv(1mg/ml×1ml)にMBSを10μl(1mg/30μl DMF)加え、1時間ローテーションし、StAv-MBS複合体を作製した。その後、1MのGlycineを10μl加え、30分間のローテーションを行い、MBS分子内の未反応のNHS基をブロックした後、1LのPBSでStAv-MBSコンジュゲートの透析(1,000 MW cut)を行った。
<調製法(1)>
透析後の反応液(1mg/ml×900μl)をDMF 100μlで溶かしたリケッチアペプチド(0.5mg/100μl DMF×100μl)に加え、37℃で2時間インキュベートした後、さらに、4℃でovernight静置し、リケッチアペプチド-MBS-StAvコンジュゲートを作製した。続いて、クリーンベンチ内で0.22μmフィルターをかけ、無菌化した。
<調製法(2)>
透析後の反応液(1mg/ml×950μl)をDMF 50μlで溶かしたリケッチアペプチド(0.5mg/50μl DMF×50μl)に加え、37℃で2時間インキュベート後、さらに、室温でovernightローテーションを行い、リケッチアペプチド-MBS-StAvコンジュゲートを作製した。
B細胞選択抗原として用いるコンジュゲートは、後述の結果より、調製法(2)で作製したコンジュゲートが最適であると判断した。
【実施例】
【0035】
c. ビオチン化抗原の作製
NHS-biotin 1mgをエッペンへ秤り取り、DMF 30μlに溶解した。そのうちの10μlを、1L PBSにて透析を行ったリケッチア感染Vero細胞(500μl, タンパク量0.06mg/ml)へ加え、室温で45分間ローテーションした。その後、1Mのグリシン溶液を10μl加えて室温で45分間ローテーションし、反応を停止させ、クリーンベンチ内で0.22μmフィルターをかけ、無菌化した。
d. マウス生体内免疫方法
(i)免疫抗原:リケッチア感染Vero細胞(ホルマリン固定済み)(免疫回数4回)(免疫方法(4))(表2)
3匹の5~10週齢のBALB/cマウス(SPF仕様、メス)を免疫化した。初回免疫については、マウス1匹あたりリケッチア感染Vero細胞 50μl(絶対量 3μg, タンパク量0.06mg/ml)とPBS 50μlをCFA 100μlと混合して200μlとし、5分間のボルテックス処理および2分間のバスタイプソニケーターでの超音波処理によってエマルションを調製し、マウスの腹腔内に注射した。2回目の免疫は、初回免疫の2週間後に行い、マウス1匹あたりリケッチア感染Vero細胞 30μl(絶対量1.8μg)とPBS 70μlをIFA 100μlと混合して200μlとし、初回免疫と同様の処理をしてエマルションを調製し、マウスの腹腔内に注射した。3回目の免疫は、2回目の免疫と同様に2週間後行った。リケッチア感染Vero細胞の遠心分離後[10,000rpm(5,600g)×10min]上清20μlとPBS 130μlをIFA 150μlと混合して300μlとし、初回免疫と同様の処理をしてエマルションを調製し、マウスの腹腔内に注射した。4回目の最終免疫は、2回目の免疫と同様の処理を行い、2週間間隔をあけて行った。
3回目の免疫化の3日後にマウスの眼窩静脈から採血して、30分間、37℃の恒温槽で血ぺい化後、37℃、10,000rpm(8,200g)で10分間遠心分離し、血清を得た。得られた血清のポリクローナル抗体の力価を免疫蛍光抗体法(後述)にて測定した。
(ii)免疫抗原:リケッチア感染Vero細胞(ホルマリン固定済み)(免疫回数5回)(免疫方法(5))(表2)
d.(i)のマウスに追加免疫を行った。4回目の追加免疫は、リケッチア感染Vero細胞 20μl(絶対量1.2μg)とPBS 80μlをIFA 100μlと混合して200μlとして、d.(i)と同様の処理をしてエマルションを調製し、マウスの腹腔内に注射した。最終免疫(追加免疫)は、リケッチア感染Vero細胞30μl(絶対量1.8μg)とPBS 120μlをIFA 150μlと混合して300μlとし、同様の処理をしてエマルションを調製しマウスの腹腔内に注射した。
【実施例】
【0036】
【表2】
JP2014087334A_000004t.gif
【実施例】
【0037】
(iii)免疫抗原:リケッチアペプチド-SPDP-OVA (免疫回数5回)(免疫方法(6))(表3)
5~10週齢のBALB/cマウス(SPF仕様、メス)を2匹免疫化した。初回免疫において、マウス1匹あたり前述4.b.(i).<調製法(1)>で作製したリケッチアペプチド-SPDP-OVA 100μl(ペプチド絶対量 50μg)を等量のCFAと混合して200μlとし、5分間ボルテックス処理および2分間超音波処理によって、エマルションを調製しマウスの腹腔内に注射した。2回目の免疫は初回免疫から2週間後に行い、リケッチアペプチド-SPDP-OVA 60μl(ペプチド絶対量 30μg)とPBS 40μlを等量のIFAと混合し200μlとし、初回免疫と同様の方法で処理をし、マウスの腹腔内に注射した。また、以降の免疫化も2回目の免疫化と同量で、間隔もすべて2週間とした。2回目以降の免疫化も、前述4.b.(i)<調製法(1)>で作製したリケッチアペプチド-SPDP-OVAコンジュゲートを使用した。
4回目の免疫化の3日後にマウスの眼窩静脈から採血して、30分間、37℃の恒温槽で血ぺい化後、37℃、10,000rpm (8,200g)で10分間遠心分離し血清を得た。得られた血清のポリクローナル抗体の力価をELISA法(後述)にて測定した。
【実施例】
【0038】
【表3】
JP2014087334A_000005t.gif
【実施例】
【0039】
e. マウス脾細胞の調製
前述の4.d.(i)~(iii)のマウスを用いて、前述3.dと同様の操作を行った。
f. B細胞ターゲッティングに基づく融合法
(i)免疫方法(4)におけるB細胞-ビオチン化抗原複合体の作製(図3)
20μl(0.06mg/ml)のビオチン化抗原を含む2.5mlのDMEMを脾細胞懸濁液2.5mlに混合し、4℃で2時間ローテーションした。その後、2,000rpm(800g)で5分間遠心分離し、得られた細胞沈殿を10mlのDMEMで洗浄後、2.5mlのDMEMで懸濁することでB細胞-ビオチン化抗原複合体とした。
(ii)免疫方法(5)におけるB細胞-ビオチン化抗原複合体の作製(図3)
50μl(0.06mg/ml)のビオチン化抗原を含む2.5mlのDMEMを脾細胞懸濁液2.5mlに混合し、4℃で2時間ローテーションした。その後、2,000rpm(800g)で5分間遠心分離し、得られた細胞沈殿を10mlのDMEMで洗浄後、2.5mlのDMEMで懸濁することでB細胞-ビオチン化抗原複合体とした。
(iii)免疫方法(6)におけるB細胞-ペプチド抗原-StAv複合体の作製(図5:B細胞修飾工程(2))
40μl(0.5mg/ml)のリケッチアペプチド-MBS-StAv コンジュゲートを含む2.5mlのDMEMを脾細胞懸濁液2.5mlに混合し、4℃で2時間ローテーションした。その後、2,000rpm(800g)で5分間遠心分離し、得られた細胞沈殿を10mlのDMEMで洗浄後、5mlのDMEMで懸濁することでB細胞-抗原-StAv複合体とした。また、これらの操作後にcellカウントを行った。
(iv)免疫方法(4), (5)におけるB細胞-ビオチン化抗原-StAv複合体の作製
200μl(1mg/ml)のStAvを含む2.5mlのDMEMを前述の4.f.(i)、(ii)で作製したB細胞-ビオチン化抗原複合体懸濁液2.5mlに混合し、4℃で1時間ローテーションした。その後、2,000rpm(800g)で5分間遠心分離し、得られた細胞沈殿を10mlのDMEMで洗浄後、5mlのDMEMで懸濁することでB細胞-ビオチン化抗原-StAv複合体とした。また、これらの操作後にcellカウントを行った。
【実施例】
【0040】
(v)ビオチン-ミエローマ細胞複合体の作製
スケールアップ培養したミエローマ細胞の上清を除去し、新たにDMEMをフラスコに加えた後、バンギングし、ミエローマ細胞を50mlコニカルチューブに回収後、800rpm(130g)で5分間遠心分離し、細胞沈殿を10mlのPBSで懸濁した。これを再び800rpm(130g)で5分間遠心分離した後、細胞沈殿を5mlのPBSで懸濁し、軽く混和した。一方、10μlのNHS-biotin(N-hydroxysuccinimide-biotin 1mg/30μl DMF)を5mlのPBSに加えておき、両者を素早く混合し、37℃、5% CO2インキュベーター内で30分間ゆっくりとローテーションした。その後、800rpm(130g)で5分間遠心分離し、細胞沈殿を10mlのDMEMで洗浄した。ビオチン化されたミエローマ細胞を10mlのDMEMで懸濁し、ビオチン-ミエローマ細胞複合体とした。また、これらの操作後にcellカウントを行った。
(vi)B細胞-ビオチン化抗原-StAv-ビオチン-ミエローマ細胞複合体の作製
前述の4.f.(iii)、(iv)で作製したB細胞‐ペプチド抗原‐StAv、B細胞-ビオチン化抗原-StAv複合体と、ビオチン-ミエローマ細胞複合体を5:1~1:1の割合で混合した。これを1,000rpm(200g)で10分間遠心分離し、細胞沈殿を1mlのDMEMで懸濁した後、300rpm(50g)で1分間遠心した。その後、37℃、5% CO2インキュベーター内で30分間静置し、さらに30分間、37℃、5% CO2インキュベーター内でゆっくりとローテーションした。
(vii)電気パルスによる細胞融合法
ローテーション後、1,000 rpm(200g)にて10分間遠心分離し、2mlのisotonic sucrose buffer [0.25 M sucrose + 2 mM NaH2PO4/Na2HPO4(pH 7.2)+ 0.1 mM MgCl2 + 0.1 mM CaCl2] に懸濁した。これをプラチナ製プレパラート型プレート上に0.5 mlずつ加え、electro square porator ECM 2001により、2.0 kV/cm、2.5 kV/cm(それぞれ10 μsec ×4 times)の条件で直流矩形波を利用して電気融合を行った(Kinosita and Tsong, 1977, 1978; Lo et al., 1984; Tsong and Tomita., 1993; Tomita et al., 2001)。電気融合後、あらかじめ用意しておいた20 mlのRPMI 1640完全培地に各々のパルス条件の融合細胞懸濁液1mlを静かに加え、クリーンベンチ内で60分静置し、96穴プレートに0.2 ml/wellとなるように分注した。その後、速やかに37 ℃、5 %CO2インキュベータ内で培養した。翌日、プレートの培養上清を0.1 ml/wellずつ除去し、RPMI 1640完全培地で50倍に希釈したHAT培地 [100μM hypoxanthine + 0.4μM aminopterin + 16μM thymidine(SIGMA社)] を0.1 ml/wellずつ加えた。
【実施例】
【0041】
g. モノクローナル抗体産生ハイブリドーマのクローン化
前述の3.f.と同様に操作を行った。
h. マウス免疫血清の回収
前述の3.g.と同様に操作を行った。
i. ELISA(enzyme-linked immunosorbent assay)法
(i)抗体価の確認
前述の3.h.(i)と同様にして操作を行った。
(ii)リケッチアペプチド-MBS-StAvのビオチン結合能
抗原(ビオチン化抗原)を0.1M NaHCO3で10μg/mlに希釈し、96穴プレートに50μl/wellずつまき、4℃でovernight静置することにより、プレートに吸着させた。次に、プレートをPBSで3回洗浄し、1% gelatin (1g/100ml PBS)を350μl/well加えて37℃で2時間インキュベートしblockingを行った。次に、PBST(PBS+0.05% Triton X-100)で3回洗浄し、リケッチアペプチド-MBS-StAvを50μl/well加え、37℃、1時間インキュベートした。その後、PBSTで3回洗浄し、一次抗体(血清ポリクローナル抗体)を50μl/well加えて37℃で1時間インキュベートした。続いてPBSTで3回洗浄後、PBSTで10,000倍に希釈した二次抗体[ goat anti-mouse IgG(H+L)conjugated with HRP(horseradish peroxidase)]を50μl/well加え、37℃で1時間インキュベートした。最後に、PBSTで5回洗浄後、発色剤 [ 0.1M sodium citrate buffer(pH5.2)+ o-phenylene diamine(1mg/ml)+0.02% H2O2 ] を100μl/well加えて37℃で10分間インキュベートして発色させ、1M H2SO4を50μl/well加えて反応を停止した。これをmicroplate readerを用いOD490nm(対照 OD405nm)にて測定を行った。
(iii)抗体のアイソタイプの確認
前述の3.h.(iii)と同様にして操作を行った。
【実施例】
【0042】
j. SDS-PAGE(sodium dodecyl sulfate-polyacrylamide gel electrophoresis)
ゲル板を組み立ててその両端をクリップで止め、組み立てた板の間に分離用ゲル [ 3.5ml Acrylamide solution(38.9% acrylamide + 1.1% N,N’-methylene bisacrylamide)+ 2.5ml Lower buffer(1.5M Tris / HCl pH8.8 + 0.4% SDS)+ 4.0ml ミリQ水 ] に重合促進剤TEMED(N,N,N’,N’-teteraethylmethylene diamine)10μlとAPS(Ammonium persulfate)100μl(100mg/ml)を加えた溶液を、ゲル板の上から0.8cm程度の所まで流し込み、平らになるよう蒸留水を両端から100μlずつ重層させた。ゲルが固まったのを確認後、蒸留水を捨て、濃縮用ゲル [ 0.4ml Acrylamide solution + 1.0ml Upper buffer(0.5M Tris / HCL pH6.8 + 0.4% SDS)+ 2.6ml ミリQ水 ] + 4μl TEMED + 40μl APSを流し込み、サンプルコウムを差し込んだ。ゲルが固まったら、サンプルコウムとシールガスケットを外し、電気泳動装置に固定し、Running buffer [ 0.025M Tris + 0.192M Glycine + 0.1% SDS(pH8.3)] を、ゲル板とゲル板の間と下部に加えた。Sample buffer(4.6g SDS + 20ml glycerol + 25ml Upper buffer + 5mg bromophenol blue±10ml β-メルカプトエタノール/100mL)を試料に同量加え、100℃、3分間加熱処理した。それらを20μlずつサンプルコウムによって形成された溝に加え、ゲル板1枚あたり30mAになるように定電流を流し電気泳動した。Sample bufferに含まれるbromophenol blueが分離ゲルの下端まできたら泳動を止め、蒸留水で15分間洗浄した。その後、染色液(BIO-RAD社)を加えバンドが見えるまで振とうし、再度蒸留水で洗浄してバンドを鮮明にした(Laemmli, U.K 1970)。一晩振とうさせた後、ゲルdryerでゲルを2時間乾燥させた。
【実施例】
【0043】
k. 免疫蛍光抗体法(図7)
ガラスプレートにリケッチア感染Vero細胞浮遊液(ホルマリン固定済み)またはリケッチア非感染Vero細胞をペン先で1滴ずつ落として冷アセトンで固定化後、希釈した血清またはハイブリドーマ上清(希釈なし)をスポットしてある抗原の上に10μlずつ滴下し、37℃で60分間反応させた。反応後、ガラスプレートをPBS(-)内に浸け、5分間振とう洗浄を行った。PBS(-)を取り換え、3回洗浄した後、40倍希釈した二次抗体(Polyclonal Rabbit Anti-Mouse Immunoglobulins / FITC)を10μlずつ添加し、37℃で30分間反応させた。その後、同様にPBS(-)で振とう洗浄し、無蛍光グリセリンを用いてカバーガラスで封入し、位相差顕微鏡及び蛍光顕微鏡(励起波長495nm)を用いて解析した。
【実施例】
【0044】
5.レプトスピラ血清型秋やみBに対するモノクローナル抗体の作製
a.ミエローマ細胞の培養
前述3.a.と同様の操作で行った。
b.ビオチン化抗原溶液の調製
10%SDSで溶菌したレプトスピラ100μlをPBS900μlで希釈した。一方でNHS-biotin(N-hydroxysuccinimide-biotin)1mgを別のエッペンに量りとり、DMF( N,N-dimethylformamide )30μlに溶解した。そのうちの10μlを希釈した溶液へ加え、室温で1時間ローテーションした。その後、1Mのグリシン溶液を10μl加えて室温で1時間ローテーションし、反応を停止させ、クリーンベンチ内で0.22μmフィルターをかけ、無菌化した。
c.免疫方法
腹腔内免疫法
抗原溶液を用い、4~5週齢のBALB/cマウス ( SPF仕様、メス)を免疫化した。初回免疫については、抗原溶液と等量のComplete Freund’s adjuvant ( CFA ) と混合し、5分間のボルテックス処理及び2分間のバスタイプソニケーターでの超音波処理によってエマルションを調製し、マウスの腹腔内に注射した。2回目以降の免疫化は、アジュバントをIncomplete Freund’s adjuvant ( IFA ) として初回免疫と同様の方法で行い、2週間間隔で注射した。最後の免疫化の3日後にマウスから無菌的に脾臓を取り出し、B細胞ターゲッティング法に基づきモノクローナル抗体作製実験に用いた。次にその詳細を示した。
【実施例】
【0045】
免疫法(I)
初回免疫に、レプトスピラ150μl(絶対量600μg, 5min 超音波処理)とCFA150μl、その後、2週間毎に2~4回目の追加免疫に、レプトスピラ7.5μl(絶対量30μg)とPBS142.5μlとIFA150μlを用いた。
免疫法(II)
初回免疫に、レプトスピラ150μl(絶対量600μg)とCFA150μl、その後、2週間毎に2~4回目の追加免疫に、レプトスピラ7.5μl(絶対量30μg)とPBS142.5μlとIFA150μlを用いた。
免疫法(III)
初回免疫に、レプトスピラ25μl(絶対量100μg, SDS 5%)とPBS125μlとCFA150μl、その2週間後に2回目の免疫に、レプトスピラ12μl(絶対量50μg)とPBS138μlとIFA150μl、さらに2週間毎の3回目と最終免疫に、レプトスピラ7μl(絶対量30μg)とPBS143μlとIFA150μlを用いた。
免疫法(IV)
初回免疫に、レプトスピラ25μl(絶対量100μg, SDS 5%)とPBS125μlとCFA150μl、その2週間後に2回目の免疫に、レプトスピラ12μl(絶対量50μg)とPBS138μlとIFA150μl、さらに2週間後に3回目とその3週間後に最終免疫に、レプトスピラ7μl(絶対量30μg)とPBS143μlとIFA150μlを用いた。
d.マウス脾細胞の調製
前述の5.c.免疫方法(I)~免疫方法(IV)にて免疫を行ったマウスを用いて、前述3.dと同様の操作を行った。
【実施例】
【0046】
e.B細胞ターゲッティング法
(1)免疫法(II,III)におけるB細胞-ビオチン化抗原複合体の作製
20μlまたは60μlのビオチン化抗原を含む2.5mlのDMEMを脾細胞懸濁液2.5mlに混合し、4℃で2時間ローテーションした。その後、2000rpm(800g)で5分間遠心分離し、得られた細胞沈殿を10mlのDMEMで洗浄後、2.5mlのDMEMで懸濁することでB細胞-ビオチン化抗原複合体とした。
(2)免疫法(IV)におけるB細胞-ビオチン化抗原複合体の作製
20μlのビオチン化抗原を含む2.5mlのDMEMを脾細胞懸濁液2.5mlに混合し、4℃で1時間ローテーションした。その後、2000rpm(800g)で5分間遠心分離し、得られた細胞沈殿を10mlのDMEMで洗浄後、2.5mlのDMEMで懸濁することでB細胞-ビオチン化抗原複合体とした。
(3)B細胞-ビオチン化抗原-ストレプトアビジン複合体の作製
200μl(1mg/ml)のストレプトアビジンを含む2.5mlのDMEMをB細胞-ビオチン化抗原複合体懸濁液2.5mlに混合し、4℃で1時間ローテーションした。その後、2000rpm(800g)で5分間遠心分離し、得られた細胞沈殿を10mlのDMEMで洗浄後、5mlのDMEMで懸濁することでB細胞-ビオチン化抗原-ストレプトアビジン複合体とした。
(4)ビオチン-ミエローマ細胞複合体の作製
上記3.e.(iv)に記載の方法に従って、ビオチン-ミエローマ細胞複合体を作製した。
【実施例】
【0047】
(5)B細胞-ビオチン化抗原-ストレプトアビジン/ビオチン-ミエローマ細胞複合体の作製と電気パルス負荷による細胞融合
上記3.e.(v)及び(vi)に記載の方法に従って、B細胞-ビオチン化抗原-ストレプトアビジン/ビオチン-ミエローマ細胞複合体を作製し、直流矩形波の電気パルスによる細胞融合法を実施した。
【実施例】
【0048】
f.モノクローナル抗体産生ハイブリドーマのクローン化
(1)HAT及びHT selection
上記3.f.(i)に記載の方法に従い、HAT及びHT selectionを実施した。
(2)ハイブリドーマの微量スケールアップ培養
上記3.f.(ii)に記載の方法に従い、ハイブリドーマの微量スケールアップ培養を行った。
【実施例】
【0049】
(3)限界希釈法 ( Limiting Dilution )によるハイブリドーマのクローン化
上記3.f.(iii)に記載の方法に従い、限界希釈法(Limiting Dilution)を実施した。
g. マウス生体内免疫血清の回収
マウス脾細胞の調製の際の心臓採血により得られた血液を37℃の恒温槽に30~60分間保温した後、37℃、10000rpm ( 5600g ) で10分間遠心分離し、上清の血清を回収した。
h.MAT(顕微鏡下凝集試験)
免疫化を行なったマウスの血清を10倍段階希釈し、国立感染症研究所・病原体検査マニュアルに基づき、各段階希釈の25ulをレプトスピラ生菌培養液25ulと96穴マイクロプレートにて混合した。37℃で3時間静置後、菌の凝集・溶菌を暗視野顕微鏡下で観察した。対照と比較し、菌の半数が凝集もしくは溶菌したものを陽性として判定した。
【実施例】
【0050】
6.新型インフルエンザヘマグルチニン(A新型HA)に対するモノクローナル抗体の作製
a.ミエローマ細胞の培養
前述3.a.と同様の操作で行った。
b.マウス生体内免疫方法(免疫工程)
前述3.b.(2)および3.b.(3)と基本的に同様の操作で行った。
抗原溶液を用い、5~6週齢のBALB/cマウス ( SDF仕様、メス)に免疫化した。初回免疫については、抗原溶液と等容量のComplete Freund’s adjuvant ( CFA ) と混合し、5分間のボルテックス処理及び2分間のバスタイプソニケーターでの超音波処理によってエマルションを調製し、マウスの腹腔内に投与した。2回目以降の免疫化は、アジュバントをIncomplete Freund’s adjuvant ( IFA ) として初回免疫と同様の方法で行い、2~3週間間隔で投与した。最後の免疫化の3日後にマウスから無菌的に脾臓を取り出し、B細胞ターゲッティング法に基づきモノクローナル抗体作製実験に用いた。
【実施例】
【0051】
免疫法
初回免疫に、新型H1N1ヘマグルチニン ( 絶対量 50μg )と同等容量のCFAをマウスに投与した。2~3週間毎に免疫化を行い、2回目以降は新型H1N1ヘマグルチニン( 絶対量30μg )とIFAを同等容量投与した。
c.ビオチン化抗原の作製
前述3.c.と基本的に同様の操作で行った。
NHS-biotin(N-hydroxysuccinimide-biotin)1mgをエッペンに秤り取り、DMF(N,N-dimethylformamide)30μlに溶解した。そのうちの10μlを新型H1N1ヘマグルチニン抗原溶液(1,000μl , 0.42mg/ml)に加え、室温で20分間ローテーションした。その後、1Mのグリシン溶液を10μl加えて、さらに、室温で20分間ローテーションし、反応を停止させ、クリーンベンチ内で0.22μmフィルターをかけ、無菌化した。
【実施例】
【0052】
d.マウス脾細胞の調製
前述の6.b.のマウスを用いて、前述3.d.と同様の操作を行った。
e.B細胞ターゲッティングに基づく融合法(B細胞修飾工程)
免疫方法(I)におけるB細胞-ビオチン化抗原複合体の作製
前述の3.e.(i)と同様の操作を行った。
免疫方法(I)におけるB細胞-ビオチン化抗原-StAv複合体の作製
前述の3.e.(iii)と同様の操作を行った。
ビオチン-ミエローマ細胞複合体の作製(細胞架橋工程)
前述の3.e.(iv)と同様の操作を行った。
B細胞-ビオチン化抗原-StAv-ビオチン-ミエローマ細胞複合体の作製
前述の3.e.(v)と同様の操作を行った。
電気パルスによる細胞融合法
前述の3.e.(vi)と同様の操作を行った。
f.モノクローナル抗体産生ハイブリドーマのクローン化
前述の3.f.と同様の操作を行った。
g.マウス免疫血清の回収
前述の3.g.と同様の操作を行った。
h.ELISA法
(i)抗体価の確認
前述の3.h.(i)と同様の操作を行った。
(ii)ビオチン化抗原のStAv結合能
前述の3.h.(ii)と同様の操作を行った。
i.HI試験法
前述の3.i.と同様の操作を行った。
【実施例】
【0053】
<試験結果>
[1]インフルエンザウイルスを用いた実験結果
I. HI試験法、ELISA法によるポリクローナル抗体の亜型特異性確認
前述の実験方法3.b.(1)、(2)に基づき6種類の抗原(Aソ連型MDCK、Aソ連型HA、A香港型MDCK、A香港型HA、A新型MDCK、A新型HA)で免疫化を行った。3回目の免疫の3日後にマウスの眼窩静脈叢から採血し、得られた血清を用いてHI試験法およびELISA法により亜型特異性を確認した。その結果、HI試験法より、それぞれの亜型に対して特異的なポリクローナル抗体であることが確認できた(図11~図13)。そのため、それぞれの抗原を用いての免疫によって、亜型特異的な抗体産生B細胞を得ることが可能であると判断し、モノクローナル抗体作製実験を行った。なお、本実験ではELISA法による亜型特異性は確認されなかったので、最終的にはHI試験法が亜型特異性の決定に必要と考えられた。しかし、操作の簡便さから、ELISA法も1つの検出法として用いることとした。本研究では、抗原として2009年に新たに出現し、今後も流行が予測されるA新型インフルエンザを用い、A新型インフルエンザウイルス亜型に対して特異的なモノクローナル抗体作製を目指した。
【実施例】
【0054】
II. A新型インフルエンザウイルスに対するモノクローナル抗体作製
1. ビオチン化抗原の作製
A新型HAをマイクロチューブに入れ、NHS-ビオチンを用いてビオチン化を行い、ビオチン化A新型HA(以下bio-A新型HA)を作製した。作製されたbio-A新型HAを用いて、ELISA法によりStAvとの結合能を検証したところ、ビオチンとStAv間の結合性を確認することができた(図14a)。また、ビオチン化によって抗原性が変化していないかをELISA法により確認したところ、A新型HAと比較すると60%程の抗原性の低下が認められたが、ビオチン化後も抗体による認識部位は、完全ではないが保持されていると判断した(図14b)。そのため、以降のモノクローナル抗体作製実験は、上記のbio-A新型HAを用いて行った。
2. 免疫方法(1)のマウスを用いたモノクローナル抗体作製実験
(i)マウス腹腔内免疫:免疫方法(1)(表1)
免疫方法(1)に基づき、A新型HAを用いて免疫化を行った。3回目の免疫の3日後にマウスの眼窩静脈叢から採血し、得られた血清中の抗体価を測定した。その結果、免疫抗原であるA新型HAに対し4,000倍希釈の血清においてΔOD490nm=0.3以上の抗体価を得ることができた(図15)。A香港型に対しても同様に高い抗体価を示しているが、A新型HAとA香港型HAが同様の共通エピトープ部分を含んでいる可能性と、どちらも抗原調製時にウイルス増殖に用いたニワトリ卵由来のOVA等の共通タンパク質が含まれていることから抗体価が高く出ていると考えられた。そのため、A新型HAを用いて最終免疫を行い、その3日後にモノクローナル抗体作製実験を行った。
(ii)融合実験
免疫方法(1)のマウスを用いて、B細胞ターゲティング法による融合実験を行った(図3)。融合時の心臓採血の血清を用いてELISA法により抗体価を確認したところ、A新型HAに対し4,000倍希釈の血清においてΔOD490nm=0.6以上の抗体価を確認することができた(図16a)。また、HI試験法により抗体価を確認したところ、5,120倍まで凝集抑制を確認することができた(図16b)。細胞融合実験の結果、2.0kV/cmで7wells、2.5kV/cmで54wellsのハイブリドーマを確認することができた(表4)。
【実施例】
【0055】
【表4】
JP2014087334A_000006t.gif
【実施例】
【0056】
その中で、2.0kV/cmで5wells、2.5kV/cmで10wellsにおいて、ΔOD490nm=0.2以上の値を示すELISA陽性ハイブリドーマが得られた(図17)。そこで、A新型HAに対してΔOD490nm=0.4前後の抗体価を示した2.5kV/cmのC6、C10、ΔOD490nm=0.6と高い抗体価を示した2.5kV/cmのD3の3wellsのハイブリドーマに対して限界希釈法に基づき、A新型HAに対する抗体産生ハイブリドーマの単離(クローニング)を試みた。その結果、限界希釈法によりハイブリドーマのクローンを単離することができた。しかし、単離されたハイブリドーマの上清を用いてELISA法を行ったところ、A新型HAに抗体価を示さなかった。また、96穴プレートから24穴プレートへ移し、スケールアップを行ったハイブリドーマの上清を用いて、ELISA法により抗体価を確認したところ、徐々に抗体価が低下し、最後にはA新型HAに対する抗体価が確認できなくなった。そのため、ハイブリドーマの培養を中止した。
【実施例】
【0057】
3. 免疫方法(2)のマウスを用いたモノクローナル抗体作製実験
(i)マウス腹腔内免疫:免疫方法(2)(表1)
免疫方法(2)に基づき、A新型HAを用いて免疫化を行った。3回目の免疫の3日後にマウスの眼窩静脈叢から採血し、得られた血清中の抗体価を決定したが、抗体価の上昇は不十分であると判断し、追加免疫を1回行った。追加免疫の3日後に再度マウスの眼窩静脈叢から採血し、血清中の抗体価を測定した。その結果、免疫抗原であるA新型HAに対し2,000倍希釈において、ΔOD490nm=0.6以上の抗体価を得ることができた(図18)。本免疫法においても、A香港型に対して非常に高い抗体価が得られた。A新型HAを用いて最終免疫を行い、その3日後にモノクローナル抗体作製実験を行った。
(ii)融合実験
免疫方法(2)のマウスを用いて、B細胞ターゲティング法による融合実験を行った(図3)。融合時の心臓採血の血清を用いてELISA法により抗体価を確認したところ、A新型HAに対して2,000倍希釈において、ΔOD490nm=0.7以上の抗体価を確認することができた(図19a)。また、HI試験法により抗体価を確認したところ、2,560倍まで凝集抑制を確認することができた(図19b)。細胞融合実験の結果、2.0kV/cmで1well、2.5kV/cmで45wellsのハイブリドーマを確認することができた(表5)。その中で、2.0kV/cmで1well、2.5kV/cmで7wellsにおいて、ΔOD490nm=0.2以上の値を示すELISA陽性ハイブリドーマが得られた(図20)。そこで、A新型HAに対してΔOD490nm=0.4以上の抗体価を示した2.0kV/cmのE2のハイブリドーマに対して限界希釈法に基づき、A新型HAに対する抗体産生ハイブリドーマの分離(クローニング)を試みたが、前述と同様に目的の抗体価の低下が認められた。そのため、ハイブリドーマの培養を中止した。
【実施例】
【0058】
【表5】
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【実施例】
【0059】
4. 免疫方法(3)のマウスを用いたモノクローナル抗体作製実験
(i)マウス腹腔内免疫:免疫方法(3)(表1)
免疫方法(3)に基づき、免疫化を行った。3回目の免疫の3日後にマウスの眼窩静脈叢から採血し、得られた血清中の抗体価を測定した。その結果、免疫抗原であるA新型HAに対し2,000倍希釈においてΔOD490nm=0.35以上の抗体価を得ることができた(図21)。これより、免疫化は成功していると判断し、A新型HAを用いて最終免疫を行い、その3日後にモノクローナル抗体作製実験を行った。
(ii)融合実験
免疫方法(3)のマウスを用いて、B細胞ターゲティング法による融合実験を行った(図4)。融合時の心臓採血の血清を用いてELISA法により抗体価を確認したところ、A新型HAに対して1,000倍希釈においてΔOD490nm=0.5以上の抗体価を確認することができた(図22a)。また、HI試験法により抗体価を確認したところ、1,280倍まで凝集抑制を確認することができた(図22b)。細胞融合実験の結果、2.0kV/cmで7wells、2.3kV/cmで16wells、2.5kV/cmで28wellsのハイブリドーマを確認することができた(表6)。その中で、2.0kV/cmで2wells、2.3kV/cmで3wells、2.5kV/cmで6wellsにおいて、ΔOD490nm=0.1以上の値を示すELISA陽性ハイブリドーマが得られた(図23a)。そこで、A新型HAに対してΔOD490nm=0.1の抗体価を示した2.3kV/cmのH5、ΔOD490nm=0.15の抗体価を示した2.5kV/cmのA2のハイブリドーマを96穴プレートから24穴プレートへ移し、スケールアップを行った。H5については、移動後最初のELISA法での抗体価の確認では抗体価の上昇を確認できた(図23b)。H5のハイブリドーマ上清を用いて、抗体のアイソタイプの確認を行ったところ、IgMタイプとIgGタイプが混在していることが判明した(図23c)。また、H5のハイブリドーマ上清を用いてHI試験による抗体亜型特異性の確認を行ったところ、4倍でわずかに凝集抑制が確認できた(図23d)しかし、その後、継代を続けていくと、H5、A2のどちらも徐々に抗体価が下がり、最後にはA新型HAに対する抗体価が確認できなくなった。そのため、ハイブリドーマの培養を中止した。
【実施例】
【0060】
【表6】
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【実施例】
【0061】
5. 免疫蛍光抗体法による解析
免疫方法(1)、(2)、(3)で得られた融合時の心臓採血血清を用いて、免疫蛍光抗体法による解析を行った。その結果、全ての心臓採血血清において、特異的な蛍光標識が確認され、A新型インフルエンザウイルスに対する抗体の産生を確認することができた(図24)。
6. まとめ
インフルエンザウイルスに対するモノクローナル抗体作製のまとめを図25に示す。
【実施例】
【0062】
[2]リケッチアに対するモノクローナル抗体作製
1. ビオチン化抗原の作製
透析を行ったリケッチア感染Vero細胞(ホルマリン固定済み)をマイクロチューブに入れ、NHS-ビオチンを用いてビオチン化を行い、ビオチン化リケッチア感染Vero細胞(以下bio-リケッチア)を作製した。作製したbio-リケッチアを用いて、ELISA法によりStAvとの結合能を解析したところ、ビオチンとStAvの結合性を確認することができた(図26)。そのため、リケッチア感染Vero細胞のビオチン化は成功していると判断した。
免疫方法(4)、(5)のマウスを用いたモノクローナル抗体作製実験は、bio-リケッチアを用いて行った。
2. 免疫方法(4)のマウスを用いたモノクローナル抗体作製実験
(i)マウス腹腔内免疫:免疫方法(4)(表2)
免疫方法(4)に基づき、免疫化を行った。3回目の免疫の3日後にマウスの眼窩静脈叢から採血し、得られた血清中の抗体価を免疫蛍光抗体法により測定した。その結果、免疫抗原であるリケッチアに対し高い抗体価を確認できた(図27)。これより、免疫化は成功していると判断し、リケッチア感染Vero細胞を用いて最終免疫を行い、その3日後にモノクローナル抗体作製実験を行った。
(ii)融合実験
免疫方法(4)のマウスを用いて、B細胞ターゲティング法による融合実験を行った(図3)。融合時の心臓採血の血清を用いてELISA法により抗体価を確認したところ、リケッチア感染Vero細胞に対し2,500倍希釈において、ΔOD490nm=0.1以上の抗体価を確認することができた(図28a)。また、同じ血清(500倍希釈)を用いて免疫蛍光抗体法により抗体価を確認したところ、リケッチアおよびVero細胞に対する抗体価を確認できた(図28b)。細胞融合実験の結果、2.0kV/cmで22wells、2.5kV/cmで12wellsのハイブリドーマを確認することができた(表7)。その中で、2.0kV/cmで15wells、2.5kV/cmで3wellsにおいて、ΔOD490nm=0.1以上のELISA陽性ハイブリドーマが得られた(図29a)。
【実施例】
【0063】
【表7】
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【実施例】
【0064】
これらのELISA陽性ハイブリドーマを96穴プレートから24穴プレートへ移してさらに培養した。視野30~40%となったところで培養上清を回収し、同様にELISA法による抗体価の確認を行った。その結果、F1、F1-2、B11-3の3wellsにおいて値は低いが抗体価を得ることができた(図29b)。中には、24穴プレートへ移すと細胞の増殖が停止したものもあり、それについては培養を中止した。
さらに、F1のハイブリドーマをT-25培養フラスコへ移して培養し、視野30~40%となったところで培養上清を回収し、免疫蛍光抗体法による抗体価の確認を行ったところ、抗体価を確認することができた(図30)。ところが、リケッチアに対する抗体だけでなく、コントロールとして用いたVero細胞に対して交差反応性が確認されたため、T-25培養フラスコ内で複数のハイブリドーマ(複数のモノクローナル抗体)が混在していると考えた。しかし、T-25培養フラスコをさらにT-75培養フラスコへとスケールアップを行い、十分にハイブリドーマが増殖しているのを確認し、cell stockした。
【実施例】
【0065】
3. 免疫方法(5)のマウスを用いたモノクローナル抗体作製実験
(i)マウス腹腔内免疫:免疫方法(5)(表2)
免疫方法(5)に基づき、免疫化を行った。3回目の免疫の3日後にマウスの眼窩静脈叢から採血し、得られた血清中の抗体価を免疫蛍光抗体法により測定した。その結果、免疫抗原であるリケッチアに対する抗体価を確認できた(図31)。これより、免疫化は成功していると判断し、リケッチア感染Vero細胞を用いて追加免疫を1回と最終免疫をし、その3日後にモノクローナル抗体作製実験を行った。
(ii)融合実験
免疫方法(5)のマウスを用いて、B細胞ターゲティング法による融合実験を行った(図3)。融合時の心臓採血の血清を用いてELISA法により抗体価を確認したところ、リケッチア感染Vero細胞に対して1,000倍希釈において、ΔOD490nm≒0.04の抗体価を確認することができた(図32)。細胞融合実験の結果、2.0kV/cmで3wells、2.5kV/cmで2wellsのハイブリドーマを確認することができた(表8)。その中で、2.0kV/cmで3wells、2.5kV/cmで2wellsにおいて、ELISA陽性ハイブリドーマが得られた(図33a)。
【実施例】
【0066】
【表8】
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【実施例】
【0067】
これらのELISA陽性ハイブリドーマを96穴プレートから24穴プレートへ移してさらに培養した。視野30~40%となったところで培養上清を回収し、同様にELISAによる抗体価の確認を行った。その結果、H5IIでpositive controlより高い抗体価を得ることができた(図33b)。
さらに、H5に対して、限界希釈法に基づき目的のモノクローナル抗体産生ハイブリドーマの単離(クローニング)を試みた。その結果、2wellsでハイブリドーマの増殖が確認でき、そのうち1wellでpositive controlよりも高い抗体価を得ることができた(図33c)。しかし、免疫方法(4)で得られたハイブリドーマより明らかに抗体価が低いと思われたため、cell stockは行わなかった。
【実施例】
【0068】
4. リケッチアペプチド-タンパクコンジュゲートの作製
前述[2]の2および3の実験結果から、抗原中に含まれるVero細胞に対する抗体も同時に産生され、複数種類の抗原に対するハイブリドーマが作製されたことが判明した。そのため、抗原を純化することで複数種類の抗原に対するハイブリドーマが作製されることを防ぎ、さらに、抗体の特異性の向上を目指し、リケッチアのアミノ酸配列に基づくペプチドを抗原として用いた。
リケッチアペプチド(アミノ酸17残基から成るペプチド:配列番号1)を認識できるモノクローナル抗体を作製する上で、抗原となるリケッチアペプチドは、分子量が小さいため抗原性が低く、マウス内において抗原として認識されにくいと推測された。そのため、リケッチアペプチドの生体内における免疫応答を高めることが、モノクローナル抗体作製にとって重要なポイントと考えられた。
そこで、抗原性の高いキャリアータンパク質であるBSA、OVAをコンジュゲートした抗原を免疫抗原として用い、免疫化を行った。この原理はBSA、OVAに化学修飾剤を用いてリケッチアペプチドを結合させることによってBSA、OVAの本来の抗原性に新たなエピトープ(抗原決定基)としてリケッチアペプチドを付与し、認識させることを目的とした。なお、化学修飾剤にMBSとSPDPの2種類を使用した理由は、化学修飾剤の種類により生体内での化学修飾剤を含むペプチド抗原の認識が変化すると考えたためである。各架橋剤の特徴は図8に示した。
【実施例】
【0069】
(1). リケッチアペプチド-SPDP-OVA コンジュゲートの作製
架橋剤にSPDPを用いて、図9の作製原理に従い、コンジュゲートを作製した。作製されたコンジュゲートをSDS-PAGE(ポリアクリルアミドゲル電気泳動)により確認したところ、調製法(1)~(3)のいずれにおいても分子量がコントロールのOVAと比べ、高分子量側にシフトしたバンドが得られた。これより、目的のペプチド-SPDP-OVAコンジュゲートの作製に成功したと判断した(図34)。免疫には、調製法(1)で作製したコンジュゲートを用いた。
(2). リケッチアペプチド-MBS-BSA コンジュゲートの作製
架橋剤としてMBSを用いて、図10の作製原理に従い、コンジュゲートを作製した。その際、BSAのCys残基数が奇数であったため、freeのCys残基がMBSと反応しないように、NEM処理を行い、freeのCys残基をブロックしてコンジュゲートを作製した。作製したコンジュゲートをSDS-PAGEで確認したところ、分子量がコントロールのBSAと比べ、高分子量側にシフトしたバンドが確認できた。そのため、目的のペプチド-MBS-BSAコンジュゲートが作製されたと考えた(図35a)。
(3). リケッチアペプチド-MBS-StAv コンジュゲートの作製
架橋剤としてMBSを用いて、図10の作製原理に従い、コンジュゲートの作製を行った。作製されたコンジュゲートをSDS-PAGEにより確認したところ、調製法(1)、(2)の両方で分子量がコントロールのStAvと比べ、高分子量側にシフトしたバンドが得られた。これより、目的のペプチド-MBS-StAvコンジュゲート作製に成功したと判断した(図35aおよびb)。
作製されたコンジュゲートを用いて、ELISA法によりビオチンとの結合性の確認を行ったところ、調製法(1)、(2)のどちらもΔOD値が低いながらも、抗体の濃度依存的にビオチン-StAvの結合能を確認することができた。(図36a)。また、同コンジュゲートを用いて、ELISA法により抗原性の検証を行ったところ、調製法(2)でリケッチアペプチドと同程度の抗体価が確認できた(図36b)。そのため、免疫方法(6)のマウスを用いたモノクローナル抗体作製実験のB細胞選択には調製法(2)で作製したコンジュゲートを用いて行った。
【実施例】
【0070】
5. 免疫方法(6)のマウスを用いたモノクローナル抗体作製実験
(i)マウス腹腔内免疫:免疫方法(6)(表 3)
免疫方法(6)に基づき、免疫化を行った。4回目の免疫の3日後にマウスの眼窩静脈叢から採血し、得られた血清中の抗体価を測定した。その結果、リケッチアペプチド-MBS-BSAとタンパク質を結合していないリケッチアペプチド単体に対して抗体価を確認できた(図37a)。また、同様に免疫蛍光抗体法においてもリケッチア感染Vero細胞に対する抗体価を確認できた(図37b)。これより、免疫化は成功していると判断し、リケッチアペプチド-SPDP-OVA(調製法(1)で作製)を用いて最終免疫を行い、その3日後にモノクローナル抗体作製実験を行った。
(ii)融合実験
免疫方法(6)のマウスを用いて、B細胞ターゲティング法による融合実験を行った(図5)。融合時の心臓採血の血清を用いてELISA法により抗体価を確認したところ、リケッチアペプチド-MBS-BSAに対し、1,000倍希釈においてΔOD490nm≒2.0、リケッチアペプチドに対しても1,000倍希釈においてΔOD490nm=1.0以上の高い抗体価を確認することができた(図38a)。また、免疫蛍光抗体法により抗体価を確認したところ、抗体価を確認することができた(図38b)。細胞融合実験の結果、2.0kV/cmで49wells、2.5kV/cmで69wellsのハイブリドーマを確認することができた(表9)。その中で、2.0kV/cmで1wellにおいて、ΔOD490nm=1.0以上の値を示すELISA陽性ハイブリドーマが得られた(図39)。
【実施例】
【0071】
【表9】
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【実施例】
【0072】
また、2.5kV/cmで5wellsにおいて、免疫蛍光抗体法陽性ハイブリドーマが得られた(図39b)。そこで、リケッチアペプチドに対してΔOD490nm=1.0の抗体価を示した2.0kV/cmのG11、免疫蛍光抗体法で陽性を示した2.5kV/cmのD4、D10、F10、G4、G6のハイブリドーマを96穴プレートから24穴プレートへ移し、スケールアップを行った。G11においてELISA法により抗体価の上昇を確認できた(図40a)ため、T-25培養フラスコ、T-75培養フラスコへスケールアップし、抗体価を確認後cell stockを行った。
さらに、G11に対して、限界希釈法に基づきリケッチアペプチドに対する抗体産生ハイブリドーマの単離(クローニング)を試みた。その結果、G11D3でリケッチアペプチドに対してΔOD490nm=1.5以上の高い抗体価を示すハイブリドーマの単離に成功した(図40b)。このハイブリドーマをスケールアップし、抗体価を確認後cell stockを行った。
次に、cell stockの際に回収したハイブリドーマ上清を用いて、抗体アイソタイプの確認を行った。その結果、ELISA陽性であったG11ではIgM、IgGの両方が産生されており、そこから単離に成功したG11D3はIgGタイプであることが判明した(図41a)。また、免疫蛍光抗体法で陽性であったD4、D10、F10、G6はIgMタイプであることが判明した(図41b)。
最終的にG11、G11D3、D4、D10、F10およびG6のcell stockを完了した。
6. まとめ
リケッチアに対するモノクローナル抗体作製のまとめを図42に示した。
【実施例】
【0073】
[3]レプトスピラ血清型秋やみBを用いた実験結果
1.マウス腹腔内免疫化
BALB/cマウスに対してレプトスピラ秋やみBを用いて腹腔内免疫を行なった。<免疫法I,II>において3回免疫後ELISA法とMATにより抗体価の確認ができた(図44, 45)。<免疫法III,IV>においても3回免疫後ELISA法により抗体価の確認ができた(図46, 47)。
2.融合実験I<免疫法IIを使用>
最終免疫の3日後に、B細胞ターゲッティング法に基づき細胞融合実験を行った。その際の心臓採血の血清からは、ELISA法により、抗体価が確認された。
ビオチン化抗原は20μl(絶対量20μg、SDS 0.0020%)を使用した。
細胞融合実験の結果、2.0kV / cmでハイブリドーマ陽性wellが10 wells 、2.5kV / cmでハイブリドーマ陽性wellが14 wells得られた(表10)。その中で、2.5kV/ cmでELISA陽性wellが1wells得られた(図48)。
しかし、ELISA陽性wellを24穴に移して培養し、限界希釈(Limiting Dilution)を行なったが、陽性ハイブリドーマ細胞のクローン化をすることはできなかった。
【実施例】
【0074】
【表10】
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3.融合実験II<免疫法IIIを使用>
最終免疫の3日後に、B細胞ターゲッティング法に基づき細胞融合実験を行った。ビオチン化抗原は60μl(絶対量20μg、SDS 0.016%)を使用した。細胞融合実験では、B細胞セレクションの際に脾細胞が死滅した。脾細胞のセルカウントでは細胞が確認できなかったため、融合実験を中断した。
【実施例】
【0075】
4.融合実験III<免疫法IVを使用>
最終免疫の3日後に、B細胞ターゲッティング法に基づき細胞融合実験を行った。その際の心臓採血の血清からは、ELISA法、MATにより、抗体価が確認された(図49、図50)。さらに、この血清を用いてレプトスピラの他の血清型との交差反応性について検証した(図50)。ビオチン化抗原は20μl(絶対量6.7μg、SDS 0.0026%)を使用した。細胞融合実験の結果、2.0kV / cmでハイブリドーマ陽性wellが45 wells 、2.5kV / cmでハイブリドーマ陽性wellが60 wells得られた(表11)。その中で、2.5kV/ cmでELISA陽性wellが1well得られた(図51)。
【実施例】
【0076】
【表11】
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【実施例】
【0077】
[4]新型H1N1ヘマグルチニン(A新型HA)を用いた実験結果
1. Fusion Iによる結果
(i)免疫化
免疫法は腹腔内免疫法を用いて行った。2回目免疫の3日後に眼窩静脈叢より血液を採取し、ELISA法によって得られた血清中の抗体価(ポリクローナル抗体)を調べたが、抗体価の上昇は不十分であると判断し、追加免疫を行った。追加免疫の3日後に再度マウスの眼窩静脈叢から採血し、血清中の抗体価を測定した。その結果、免疫抗原である新型インフルエンザヘマグルチニン(新型HA)に対し1000倍希釈において、ΔOD490nm=0.5以上の抗体価を得ることができたので(図52)次の免疫化を最終免疫とした。結果として計4回の免疫となり、脾細胞を取り出した時のマウスの週齢は11~12週に達した。脾細胞を取り出す時にマウスの心臓から血液を採取し、融合時の血清抗体価をELISA法とHI試験で確認したところ、ELISA法では新型HAに対し1,000倍希釈において、ΔOD490nm=0.8程度の抗体価を得ることができHI試験では8192倍まで凝集抑制を確認することができた(図53及び図54)。
(ii)B細胞ターゲッティング法を用いたモノクローナル抗体の作製
a)使用したビオチン化抗原の検証
ビオチン化抗原を作製し、ストレプトアビジンとの結合能と抗原性の確認を行ったところ、ストレプトアビジンとの結合能を確認し、抗原性も確認できた(図55)。
b)モノクローナル抗体の作製結果(表12)
2.0 (kV/cm)で融合を行ったプレートにおいて5 wells、2.5 (kV/cm)においては14 wellsのハイブリドーマ陽性が確認でき、そのうち2.5 (kV/cm)のプレートで2 wellsのELISA陽性を確認した。
【実施例】
【0078】
【表12】
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【実施例】
【0079】
(iii)ハイブリドーマ上清の抗体価
2.5 (kV/cm)で融合を行ったプレートのG2 wellにおいて、特に新型に特異的な抗体を産生するハイブリドーマが得られた(図56)
2. Fusion IIによる結果
(i)免疫化
免疫法はFusionIと同様に行った。2回目免疫の3日後に眼窩静脈叢より血液を採取し、ELISA法によって得られた血清中の抗体価(ポリクローナル抗体)を調べたが、抗体価の上昇は不十分であると判断し、追加免疫を行った。追加免疫の3日後に再度マウスの眼窩静脈叢から採血し、血清中の抗体価を測定した。その結果、免疫抗原である新型HAに対し1000倍希釈において、ΔOD490nm=0.6程度の抗体価を得ることができたので(図52)、次の免疫化を最終免疫とした。脾細胞を取り出す時にマウスの心臓から血液を採取し、融合時の血清抗体価をELISA法とHI試験により確認したところ、新型HAに対し1,000倍希釈において、ΔOD490nm=0.7程度の抗体価を得ることができ、HI試験では少なくとも256倍まで凝集抑制を確認することができた(図53及び図54)。
(ii)モノクローナル抗体の作製結果
a)使用したビオチン化抗原の検証
FusionIで使用したものと同じビオチン化新型HAを使用した(図55)。
b) モノクローナル抗体の作製結果(表12)
2.0 (kV/cm)の条件で融合を行ったプレートにおいて4 wells、2.5(kV/cm)のプレートにおいて15 wellsのハイブリドーマ陽性が確認でき、そのうち2.0 (kV/cm)のプレートに1 well、2.5 (kV/cm)のプレートに3 wellsのELISA陽性を確認した。
(iii)ハイブリドーマ上清の抗体価
2.5 (kV/cm)で融合を行ったプレートのD1 wellにおいて、特に新型に特異的な抗体を産生するハイブリドーマが得られた(図56)。
【実施例】
【0080】
<考察>
インフルエンザウイルス(新型を含む)、リケッチア(Rickettsia japonica)およびレプトスピラをモデル抗原として、高性能診断を可能とする検査キットまたは新たな迅速診断検査方法への応用・確立を目指し、モノクローナル抗体作製実験を行った。その結果、A新型インフルエンザウイルスに対するモノクローナル抗体の作製に成功したが、時間の経過とともに抗体価の低下が確認されたため、更なる検討の必要性が示された。また、リケッチアに対するモノクローナル抗体の作製にも成功した。レプトスピラに関しても有望な結果を得ることができた。これらの結果より、B細胞ターゲッティング法に基づくモノクローナル抗体作製法が微生物等に対するモノクローナル抗体作製に有用であることが示唆された。
【実施例】
【0081】
インフルエンザを抗原とした実験(図25)
HI試験法、ELISA法によるポリクローナル抗体の亜型特異性確認
インフルエンザウイルスには数多くの種類の亜型が存在する。それらのウイルス亜型に対して特異的なモノクローナル抗体を作製するためには、亜型特異性を持つ抗体産生B細胞を得ることが不可欠である。そのため、亜型の異なるそれぞれのインフルエンザウイルスでマウスの免疫を行うことにより亜型特異的抗体産生B細胞を得ることが可能であるかを確認する必要があり、3回免疫後のマウスから得た血清を用いて、HI試験法、ELISA法により確認した。その結果、HI試験法により、血清の亜型特異性を確認することができた(図11~図13)。すなわち、亜型特異的抗体産生B細胞が存在することが示唆された。このことから、モノクローナル抗体作製は可能であると判断した。そして、次にモノクローナル抗体作製実験を行った。近年、新たに出現し、今後も流行が予測されるA新型H1N1 2009インフルエンザウイルスをターゲットとし、HI試験法の結果から高い亜型特異性が確認できたA新型H1N1 2009インフルエンザウイルスヘマグルチニン(A新型HA)を抗原として用い、以下のモノクローナル抗体作製実験を試みた。
【実施例】
【0082】
A新型インフルエンザウイルスに対するモノクローナル抗体作製
A新型HAを用いてビオチン化を試みた結果、ビオチン/ストレプトアビジン間の特異結合、抗原性ともに確認できた(図14)。しかし、抗原性においてはビオチン化以前の状態と比べ、半分以下に抗原性が低下した(図14b)。これは、ヘマグルチニンに存在する複数のエピトープ内のLys残基にビオチンが結合し、抗体が認識しなくなったためと考えられる。抗原性はΔOD490nm=0.2であるところから十分であると判断し、作製したビオチン化抗原を用いて以下のモノクローナル抗体作製実験に用いた。
免疫方法(1)、(2)に基づく免疫を行ったマウスから得られた血清において、どちらもA新型HAに対する抗体価を確認することができた(図15, 16, 18 及び19)。しかし、A新型インフルエンザウイルス感染MDCK細胞(A新型MDCK)に対しての抗体価は得られなかった。また、亜型の異なるA香港型HA、A香港型インフルエンザウイルス感染MDCK細胞(A香港型MDCK)に対しても高い抗体価が得られたことから、A新型インフルエンザウイルスとA香港型インフルエンザウイルス間に共通抗原が存在することが示唆された。同血清を用いて免疫蛍光抗体法による解析を行ったところ、どちらもA新型MDCKに対する抗体価を確認できた(図24)。この結果より、ELISA法においてA新型MDCKに反応性を示さなかったのは、抗原液内に含まれているウイルス量が異なるためであると推測される。ELISAプレートにプレーティングしたタンパク量はA新型HA(10μg/ml×50μl)と同じだが、実際のタンパク量はMDCK細胞を含む全体のタンパク量であり、ウイルスのみの量ではない。そのため、ウイルスのみで考えたときでは量が異なっており、その差によって抗体価が得られなかったと考えられる。OVAに対しても抗体価が上がっている点については、用いた免疫抗原であるA新型HAがニワトリの有精卵を使用して作られているA新型HAであり、抗原液内に卵の成分であるOVAが混在しているためであると考えられる。
【実施例】
【0083】
免疫方法(3)では、3回目の免疫でA新型MDCKをマウスに投与することで、HA部分だけでなくウイルス全体に対する反応を高めようと考えた。しかし、同時にMDCK細胞に対しても免疫応答が起こり、最終免疫後の抗体価はMDCK細胞に高く出る結果となった(図22)。A新型HAに対する抗体価の上昇はわずかであったことから、2種類の抗原を用いて免疫を行うことは、現時点で有効でないと考えられる。
免疫方法(1)、(2)、(3)に基づいて免疫化したマウスを用いてB細胞ターゲッティング法に基づき融合実験を行った結果、A新型HAに対する抗体産生ハイブリドーマの作製が示唆された(図17, 20及び23)。また、免疫方法(3)のマウスを用いた融合実験では、選択効率を高めるために、ビオチン化されていないOVAをビオチン化A新型HA抗原より先に脾臓細胞懸濁液(目的の感作B細胞を含む)と混合し、目的外である抗原認識レセプターをブロックしようと考えた。しかし、免疫方法(1)、(2)のマウスを用いた融合実験に比べ、ELISA陽性効率において大きな変化は認められなかった(表6)。詳しくハイブリドーマの抗体価を調べると、A新型HAよりもA香港型HAに対して高い抗体価を示した(図23b)。H5-(2)のwellに対してHI試験で亜型特異性を調べたところ、わずかではあるがA新型HAのみに特異性を確認することができた(図23d)。免疫方法(1)、(2)、(3)の全ての最終免疫後の血清において、ELISA法による確認では、免疫抗原であるA新型HAよりA香港型HAに対して高い抗体価を示す傾向が確認できた。一方、HI試験による亜型特異性の確認ではA新型HAのみに抑制が確認された(図16b, 19b及び22b)。後者から判断して、亜型特異性を示すポリクローナル抗体を得ることができ、同時に免疫方法としては有用であることが示された。
【実施例】
【0084】
免疫方法(1)、(2)、(3)の融合実験で得られたハイブリドーマ全てにおいて、培養を継続すると抗体価が低下し、最終的に抗体価が認められなくなった。この原因として、本実験に長期間継代を続けてきたミエローマ細胞を使用したことが考えられる。そのため、融合後の増殖能が低くなった可能性がある。もう1つの理由として、ミエローマ細胞と脾臓細胞の融合の際に細胞膜にHAが入り込み、ハイブリドーマの増殖に影響を及ぼしている可能性があげられる。しかし、この場合は、融合後の初期増殖に影響を及ぼす可能性が大きいと推測させる。その確認のため、ハイブリドーマを用いて可視化解析を行う必要があると思われる。
今回の実験では、A新型インフルエンザウイルスヘマグルチニンに対する抗体産生ハイブリドーマの作製を目指した。その結果、B細胞ターゲッティング法に基づくハイブリドーマ作製法は、亜型特異性を持つ抗体産生ハイブリドーマの作製に有用であることが示された。しかし、その親和性・特異性は検査キットへ応用するには不十分であり、継代を続けると抗体産生能が低下する点で、さらなる改善が必要であると考えられる。
【実施例】
【0085】
リケッチアに対するモノクローナル抗体作製(図42)
検査方法の確立していないリケッチアに対するモノクローナル抗体の作製を目指し、本研究ではリケッチア感染Vero細胞とリケッチア表面タンパクのペプチドを抗原として実験を行った。
まず初めに、リケッチア感染Vero細胞を用いてマウスの免疫化を行った(免疫方法(4)、(5))。免疫後のマウスの血清から抗体価を得ることができたため、抗原量は十分であったと判断できる。
免疫方法(4)に基づき免疫したマウスを用いた融合実験の結果、目的のリケッチアに対する抗体産生ハイブリドーマの作製に成功した。しかし、ハイブリドーマ培養上清を用いた免疫蛍光抗体法の結果(図30)から判断して、リケッチア感染Vero細胞を固定化したものだけでなく、コントロールとして用いたVero細胞を固定化したものに対しても交差反応性が確認されたことから、目的のリケッチアに対する抗体産生ハイブリドーマのみではなく、Vero細胞に対する抗体産生ハイブリドーマを含む少なくとも2種類あったと考えられる。これは、B細胞選択の際にビオチン化リケッチアを用いたが、中にはビオチン化Vero細胞も存在していたために、リケッチアのみを選択できなかった可能性が考えられる。そのため、今回用いたビオチン化抗原を、より純度の高いものにする必要があると考えた。また、24穴プレートへELISA陽性wellのハイブリドーマを移したが、細胞増殖の確認できないwellがあったという点で、実際はハイブリドーマではない可能性が推測される。
【実施例】
【0086】
免疫方法(5)に基づき免疫したマウスを用いた融合実験では、免疫方法(4)のマウスを用いた場合と比べ、抗体価が低くなった(図32)。この理由として、マウスに対する初回免疫から細胞融合に至るまでの時間が長く経過したため抗体価が下がったと考えられる。また、得られたハイブリドーマの数が少なかった点では、選択抗原の量が少なかったことが起因していると考えられる。目的のハイブリドーマを単離するために限界希釈法を行ったところ、純化したハイブリドーマを得ることができたが、リケッチアに対するモノクローナル抗体産生ハイブリドーマとVero細胞に対するモノクローナル抗体産生ハイブリドーマとを選別できたかは、今後検証する必要がある。
次に、リケッチアの表面タンパクに対するペプチドを合成し、そのペプチド配列に対するモノクローナル抗体作製実験を行った。リケッチアは微生物であるが、一般の細菌よりも小形で、通常の濾過器では分離できない。また、単独で増殖ができない偏性細胞内寄生性であり、リケッチア単体での分離は難しいため、表面タンパクのペプチドを用いることで、純度が高い抗原として利用できると考えた。
【実施例】
【0087】
まず、リケッチアペプチド単体では抗原性が低いため、抗原性の高いキャリアータンパク質と結合させる必要があり、架橋剤を用いてペプチドとタンパク質のコンジュゲートを作製した。免疫化に用いるOVAには架橋剤としてSPDPを用いた。SPDPは主に炭化水素からなる構造であり、抗原性が低く、架橋剤部分または架橋剤を含む部分に対しては抗体が作製されにくいと考えた(図8及び9)。本研究において、リケッチアペプチドに対する抗体の作製を目的としており、B細胞選択やスクリーニングの際に目的の抗体だけを認識できるように工夫する必要がある。そのため、架橋剤とキャリアータンパク質が異なるコンジュゲートを作製する必要があった。これらのコンジュゲートの作製は、SDS-PAGEの結果でコントロールのタンパク質であるBSA、OVA、StAvに対して、高分子側にバンドがシフトしていることから成功したと判断した(図34及び35)。
免疫方法(6)に基づいて免疫を行ったマウスの血清において、ELISA法に基づき解析したところ、リケッチアペプチド-MBS-BSAおよびタンパク質を結合していないリケッチアペプチド単体に対する抗体価の上昇を確認することができた。架橋剤およびキャリアータンパク質が異なるコンジュゲートおよびリケッチアペプチド単体に対して交差反応性があることは、抗体の反応部位がリケッチアペプチドを含んでいることを強く示唆するものである。
【実施例】
【0088】
免疫方法(6)のマウスを用いて融合実験を行ったところ、多くのハイブリドーマが得られた。しかし、ELISA陽性ウェルは少なく、効率としては非常に低いものとなった(表9, 図39a)。一方、免疫蛍光抗体法に基づくスクリーニングを行った結果、ELISA法では陰性と判断されたウェルの中に、陽性と判断されるものが存在した(図39b)。2つのスクリーニングにおいて、ELISA法ではリケッチアペプチドを抗原として用い、免疫蛍光抗体法ではアセトンで固定化したリケッチア感染Vero細胞を用いた。前述の通り、リケッチアペプチドはリケッチアの表面タンパク質のアミノ酸配列に基づきペプチドとして合成しているものであるため、どちらにも反応性があるはずである。この考察として、リケッチアペプチド内に複数のエピトープが存在することが考えられる。合成したリケッチアペプチドには、架橋剤による修飾を行うために、N末端部分にCysをつけて合成した。しかし、Cysを含む配列は、本来のリケッチアには存在しない配列である。エピトープの1つがリケッチアペプチドの末端部分付近に存在し、抗体がCysも含めて認識したため、リケッチアペプチドには反応性を示すが、リケッチアには反応を示さないと推測される。一方、免疫蛍光抗体法陽性wellにおいてELISA法では反応が見られていないことから、ペプチドのELISA抗原のプレーティングに起因する可能性も考えられる。ELISAプレートに抗原をプレーティングした際、抗体が認識するエピトープの部分がプレートに吸着したため抗体と結合しなかったと予想される。また、1次構造を保持したペプチドによる免疫において、2次構造を認識する抗体が産生された可能性がある。本来は、1次構造の抗原の免疫から得られる抗体は1次構造を認識するものと考えられるが、稀に2次構造を認識する抗体が得られることがある。今回得られたハイブリドーマから産生される抗体が2次構造を認識していたために、ELISA法のような1次構造の抗原には反応を示さず、免疫蛍光抗体法のような高次構造を保持したままの抗原に反応を示した可能性がある。
今回、リケッチアに対するモノクローナル抗体産生ハイブリドーマが作製できたことは確かであり、これは大きな進歩であると考えられる。用いる抗原の違いにより異なるスクリーニング結果が得られた原因について、さらに検討する必要があると考えられる。
【実施例】
【0089】
レプトスピラ血清型秋やみBを用いた実験
マウス腹腔内免疫化実験
<免疫法I, II>のMATによる抗体価の検証では、比較対照として秋やみB以外のワイル、カニコーラ、秋やみA、秋やみC、ピロゲネスの各血清型と反応(写真は秋やみCとマウス血清(200倍希釈))させたが、菌の凝集や溶菌は確認されなかった。よって、秋やみBに特異的な抗体が作製されているとわかった。レプトスピラのELISA法による抗血清の抗体価検証では、あまり高い抗体価を得ることができなかった。原因であるが、用いた菌体はタンパク定量やビオチン化抗原を作製する際は溶菌し均質化ていることが求められる。よって本研究では、レプトスピラ秋やみBを10%界面活性剤SDS(Sodium Dodecyl Sulfate)を用いて菌を壊してから使用している。しかしながら、このとき用いた界面活性剤がプレートへの吸着を阻害しているものと考えられたため、菌体そのままをプレーティングに用いて実施した。しかし、その方法も菌の表面タンパクに特異的な抗体のみしか測定できないといった欠点があった。その後、ELISA法の確立を模索し、<免疫法III, IV>においては、World Health Organization(WHO)の推奨する抗原プレーティング方法を用いてELISA法を行うことで検証した(図46、図47)。
【実施例】
【0090】
融合実験
融合実験Iでは、ハイブリドーマ細胞のELISA陽性wellを得ることはできたが、Limiting Dilutionを行ったが、クローン化することはできなかった。原因として、目的のハイブリドーマ細胞をうまく移すことができず、目的のハイブリドーマ細胞は増殖能が低いため他の細胞の増殖に成長が阻害され死滅したのではないかと考えられる。
融合実験IIでは、脾細胞が死滅したため融合を中断した。実験過程で脾細胞が死滅する可能性がある物質は、ビオチン化抗原を調製する際に用いたSDSが悪影響を与えたのではないかと考え、融合実験I, IIにおいてSDSのFinalの濃度を算出した。
融合実験Iでは0.0020%、融合実験IIでは0.016%であった。
上記のように、比較すると融合実験IIにおけるFinal濃度が高い。
よって、この結果を踏まえて融合実験IIIにおいては0.0026%になるようにビオチン化抗原の量を調整した。
その結果、ハイブリドーマ陽性wellが多く確認できた。しかし、ELISA法による陽性wellは1wellのみであった。HATセレクションの際に、ミエローマ細胞や非特異的に融合した細胞が死滅せずに増え続けたことが原因と考えられる。
また、心臓採血の交差反応性の検証により、ワイル病との交差反応性があることが示唆された。
融合実験IIIにおいても、ハイブリドーマ陽性wellは多く確認できたが、レプトスピラに特異的な抗体の産生は僅かしか見られなかった。HATセレクションを行ったにも関わらずミエローマ細胞が死滅せず、増殖し続けたことや非特異的に融合した細胞が作製されたことが推測できる。
【実施例】
【0091】
新型H1N1ヘマグルチニン(A新型HA)を用いた実験
2匹のマウスを使用し、B細胞ターゲッティング法を用いて細胞融合実験を行い、新型インフルエンザに対する特異的モノクローナル抗体作製を行った。結果として特異性の高いモノクローナル抗体が得られた。
今回融合実験を行った際のハイブリドーマ陽性well数は多いものとは言えない。しかし、ハイブリドーマ陽性well数と新型に対するELISA陽性well数を比較してみると、ハイブリドーマ陽性well数38 wellsに対し、新型に対するELISA陽性well数は6 wellsと、実に得られたハイブリドーマの約16%が目的の抗原に対する抗体を産生していた。融合効率は高いとは言えないが、PEG法などの従来の方法の課題を考えると、目的のハイブリドーマが得られる確率から言えば十分な値である。これはB細胞ターゲッティング法の有用性が起因すると考えられる。
今回の実験においてハイブリドーマ陽性wellが十分に得られなかった原因の一つとして、プレート数に対する細胞数の多さにあると考えられる。2つの実験での脾細胞数とミエローマ細胞数の細胞数の平均は脾細胞が1.8×108 cells、ミエローマ細胞数は3.0×107 cellsであった。これに対し今回の実験では効率化を図るため2枚のプレートしか使用しなかった。単純な計算ではあるが、192 wells分のwell数に対し脾細胞、ミエローマ細胞合わせて2.1×108 cells分の細胞が存在したことになる。これは1 well当たりに約1.1×106 cellsもの細胞が存在することを示し、細胞の密集による影響によって目的の抗体産生ハイブリドーマの増殖が阻害され、得られたハイブリドーマの減少が起きたのではないかと考えられる。今後、1 well当たりの細胞密度を減らすことによって、ハイブリドーマ陽性well数を増やすことができれば、それに伴って目的の抗体を産生するハイブリドーマも多く得られるはずであり、本実験結果においてB細胞ターゲッティング法の有用性を再確認できた。
【実施例】
【0092】
このように本実施形態によれば、リケッチア・新型インフルエンザウイルスを含むA型インフルエンザウイルス・レプトスピラ血清型秋やみBなどの微生物について、抗原抗体反応に基づく簡易検出法を利用して、各々の亜型を診断できる技術を提供できた。また、リケッチアなどの微生物については、表面膜タンパク質の特定アミノ酸配列を用いたペプチドにより抗微生物表面膜タンパク質モノクローナル抗体を得ることができた。これらの抗体を用いることにより、医薬品、迅速診断キットを提供できる。
【先行技術文献】
【0093】

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【特許文献2】特開2008-259493号公報
【特許文献3】特開2006-6250号公報
【0094】

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【非特許文献30】吉田芳哉 (2003) : リケッチア感染症診断法の現状と問題点. 神奈川県衛生研究所研究報告 33, 69-74.
図面
【図52】
0
【図53】
1
【図55】
2
【図56】
3
【図1】
4
【図2】
5
【図3】
6
【図4】
7
【図5】
8
【図6】
9
【図7】
10
【図8】
11
【図9】
12
【図10】
13
【図11】
14
【図12】
15
【図13】
16
【図14】
17
【図15】
18
【図16】
19
【図17】
20
【図18】
21
【図19】
22
【図20】
23
【図21】
24
【図22】
25
【図23】
26
【図24】
27
【図25】
28
【図26】
29
【図27】
30
【図28】
31
【図29】
32
【図30】
33
【図31】
34
【図32】
35
【図33】
36
【図34】
37
【図35】
38
【図36】
39
【図37】
40
【図38】
41
【図39】
42
【図40】
43
【図41】
44
【図42】
45
【図43】
46
【図44】
47
【図45】
48
【図46】
49
【図47】
50
【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
54
【図54】
55