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明細書 :認証処理装置及び認証処理方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2015-018547 (P2015-018547A)
公開日 平成27年1月29日(2015.1.29)
発明の名称または考案の名称 認証処理装置及び認証処理方法
国際特許分類 G06T   7/00        (2006.01)
FI G06T 7/00 510A
請求項の数または発明の数 16
出願形態 OL
全頁数 30
出願番号 特願2014-121805 (P2014-121805)
出願日 平成26年6月12日(2014.6.12)
優先権出願番号 2013124929
優先日 平成25年6月13日(2013.6.13)
優先権主張国 日本国(JP)
発明者または考案者 【氏名】佐藤 公則
【氏名】渡邊 睦
【氏名】鹿嶋 雅之
【氏名】中田 達也
出願人 【識別番号】504258527
【氏名又は名称】国立大学法人 鹿児島大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100090273、【弁理士】、【氏名又は名称】國分 孝悦
審査請求 未請求
テーマコード 5B043
Fターム 5B043AA09
5B043BA04
5B043DA05
5B043EA06
5B043GA05
要約 【課題】認証パスワードの漏洩を防止しつつ、認証精度の向上を実現する仕組みを提供する。
【解決手段】登録時に、認証登録者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における複数の登録特徴点の動きに係る登録時系列データを記憶する記憶メモリ1335aと、認証時に、認証対象者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における複数の認証特徴点の動きに係る認証時系列データを取得する特徴点時系列データ取得部1344と、特徴点時系列データ取得部1344で取得した認証時系列データと記憶メモリ1335aに記憶されている登録時系列データとの差異度を算出し、当該差異度に基づいて認証対象者の認証処理を行う認証処理部1345を備える。
【選択図】図2
特許請求の範囲 【請求項1】
登録時に、認証登録者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における4つの特徴点である4つの登録特徴点について当該4つの登録特徴点のうちの異なる2組の登録特徴点間の距離に係る2つの登録口唇特徴と前記4つの登録特徴点により定まる菱形における4つの角度に係る4つの登録口唇特徴とを合わせた6つの登録口唇特徴に係る6つの登録時系列データを記憶する記憶手段と、
認証時に、認証対象者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における4つの特徴点である4つの認証特徴点について当該4つの認証特徴点のうちの異なる2組の認証特徴点間の距離に係る2つの認証口唇特徴と前記4つの認証特徴点により定まる菱形における4つの角度に係る4つの認証口唇特徴とを合わせた6つの認証口唇特徴に係る6つの認証時系列データを取得する取得手段と、
前記取得手段で取得した6つの認証時系列データと前記記憶手段に記憶されている6つの登録時系列データとの差異度を算出し、当該差異度に基づいて前記認証対象者の認証処理を行う認証処理手段と、
を有することを特徴とする認証処理装置。
【請求項2】
前記記憶手段に記憶されている6つの登録時系列データは、前記4つの登録特徴点として、前記認証登録者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における上唇の点、下唇の点、左端の点及び右端の点を用いたものであり、
前記取得手段で取得した6つの認証時系列データは、前記4つの認証特徴点として、前記認証対象者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における上唇の点、下唇の点、左端の点及び右端の点を用いたものであることを特徴とする請求項1に記載の認証処理装置。
【請求項3】
前記記憶手段に記憶されている6つの登録時系列データは、前記認証登録者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における前記上唇の点と前記下唇の点との距離に関する第1の登録時系列データと、前記認証登録者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における前記左端の点と前記右端の点との距離に関する第2の登録時系列データと、当該左端の点と当該右端の点とを結ぶ直線と当該左端の点または当該右端の点と当該上唇の点とを結ぶ直線とのなす角度に関する第3の登録時系列データと、当該左端の点と当該右端の点とを結ぶ直線と当該左端の点または当該右端の点と当該下唇の点とを結ぶ直線とのなす角度に関する第4の登録時系列データと、当該上唇の点と当該下唇の点とを結ぶ直線と当該左端の点または当該右端の点と当該上唇の点とを結ぶ直線とのなす角度に関する第5の登録時系列データと、当該上唇の点と当該下唇の点とを結ぶ直線と当該左端の点または当該右端の点と当該下唇の点とを結ぶ直線とのなす角度に関する第6の登録時系列データであり、
前記取得手段で取得した6つの認証時系列データは、前記認証対象者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における前記上唇の点と前記下唇の点との距離に関する第1の認証時系列データと、前記認証対象者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における前記左端の点と前記右端の点との距離に関する第2の認証時系列データと、当該左端の点と当該右端の点とを結ぶ直線と当該左端の点または当該右端の点と当該上唇の点とを結ぶ直線とのなす角度に関する第3の認証時系列データと、当該左端の点と当該右端の点とを結ぶ直線と当該左端の点または当該右端の点と当該下唇の点とを結ぶ直線とのなす角度に関する第4の認証時系列データと、当該上唇の点と当該下唇の点とを結ぶ直線と当該左端の点または当該右端の点と当該上唇の点とを結ぶ直線とのなす角度に関する第5の認証時系列データと、当該上唇の点と当該下唇の点とを結ぶ直線と当該左端の点または当該右端の点と当該下唇の点とを結ぶ直線とのなす角度に関する第6の認証時系列データであり、
前記認証処理手段は、前記取得手段で取得した前記第1の認証時系列データと前記記憶手段に記憶されている前記第1の登録時系列データとの第1の差異度を算出し、前記取得手段で取得した前記第2の認証時系列データと前記記憶手段に記憶されている前記第2の登録時系列データとの第2の差異度を算出し、前記取得手段で取得した前記第3の認証時系列データと前記記憶手段に記憶されている前記第3の登録時系列データとの第3の差異度を算出し、前記取得手段で取得した前記第4の認証時系列データと前記記憶手段に記憶されている前記第4の登録時系列データとの第4の差異度を算出し、前記取得手段で取得した前記第5の認証時系列データと前記記憶手段に記憶されている前記第5の登録時系列データとの第5の差異度を算出し、前記取得手段で取得した前記第6の認証時系列データと前記記憶手段に記憶されている前記第6の登録時系列データとの第6の差異度を算出して、前記第1~第6の差異度に基づいて前記認証対象者の認証処理を行うことを特徴とする請求項2に記載の認証処理装置。
【請求項4】
前記認証処理手段は、前記第1~第6の差異度を乗算した乗算結果と閾値とを比較し、前記乗算結果が前記閾値以下である場合に、前記認証対象者の認証を許可することを特徴とする請求項3に記載の認証処理装置。
【請求項5】
登録時に、認証登録者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における4つの特徴点である4つの登録特徴点について当該4つの登録特徴点のうちの異なる2組の登録特徴点間の距離に係る2つの登録口唇特徴のうちの1つの登録口唇特徴と前記4つの登録特徴点により定まる菱形における4つの角度に係る4つの登録口唇特徴とを合わせた5つの登録口唇特徴に係る5つの登録時系列データを記憶する記憶手段と、
認証時に、認証対象者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における4つの特徴点である4つの認証特徴点について当該4つの認証特徴点のうちの異なる2組の認証特徴点間の距離に係る2つの認証口唇特徴のうちの前記1つの登録口唇特徴に対応する1つの認証口唇特徴と前記4つの認証特徴点により定まる菱形における4つの角度に係る4つの認証口唇特徴とを合わせた5つの認証口唇特徴に係る5つの認証時系列データを取得する取得手段と、
前記取得手段で取得した5つの認証時系列データと前記記憶手段に記憶されている5つの登録時系列データとの差異度を算出し、当該差異度に基づいて前記認証対象者の認証処理を行う認証処理手段と、
を有することを特徴とする認証処理装置。
【請求項6】
登録時に、認証登録者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における4つの特徴点である4つの登録特徴点について当該4つの登録特徴点のうちの異なる2組の登録特徴点間の距離に係る2つの登録口唇特徴と前記4つの登録特徴点により定まる菱形における4つの角度に係る4つの登録口唇特徴のうちの3つの登録口唇特徴とを合わせた5つの登録口唇特徴に係る5つの登録時系列データを記憶する記憶手段と、
認証時に、認証対象者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における4つの特徴点である4つの認証特徴点について当該4つの認証特徴点のうちの異なる2組の認証特徴点間の距離に係る2つの認証口唇特徴と前記4つの認証特徴点により定まる菱形における4つの角度に係る4つの認証口唇特徴のうちの前記3つの登録口唇特徴に対応する3つの認証口唇特徴とを合わせた5つの認証口唇特徴に係る5つの認証時系列データを取得する取得手段と、
前記取得手段で取得した5つの認証時系列データと前記記憶手段に記憶されている5つの登録時系列データとの差異度を算出し、当該差異度に基づいて前記認証対象者の認証処理を行う認証処理手段と、
を有することを特徴とする認証処理装置。
【請求項7】
登録時に、認証登録者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における4つの特徴点である4つの登録特徴点について当該4つの登録特徴点のうちの異なる2組の登録特徴点間の距離に係る2つの登録口唇特徴に係る2つの登録時系列データを記憶する記憶手段と、
認証時に、認証対象者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における4つの特徴点である4つの認証特徴点について当該4つの認証特徴点のうちの異なる2組の認証特徴点間の距離に係る2つの認証口唇特徴に係る2つの認証時系列データを取得する取得手段と、
前記取得手段で取得した2つの認証時系列データと前記記憶手段に記憶されている2つの登録時系列データとの差異度を算出し、当該差異度に基づいて前記認証対象者の認証処理を行う認証処理手段と、
を有することを特徴とする認証処理装置。
【請求項8】
登録時に、認証登録者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における4つの特徴点である4つの登録特徴点について当該4つの登録特徴点により定まる菱形における4つの角度に係る4つの登録口唇特徴に係る4つの登録時系列データを記憶する記憶手段と、
認証時に、認証対象者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における4つの特徴点である4つの認証特徴点について当該4つの認証特徴点により定まる菱形における4つの角度に係る4つの認証口唇特徴に係る4つの認証時系列データを取得する取得手段と、
前記取得手段で取得した4つの認証時系列データと前記記憶手段に記憶されている4つの登録時系列データとの差異度を算出し、当該差異度に基づいて前記認証対象者の認証処理を行う認証処理手段と、
を有することを特徴とする認証処理装置。
【請求項9】
前記認証登録者および前記認証対象者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇の動きを動画像として撮影する撮影手段と、
前記動画像における口唇の傾きを補正する補正手段と、
を更に有し、
前記記憶手段は、前記認証登録者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際に前記撮影手段により撮影された動画像であって前記補正手段により口唇の傾きが補正された動画像における口唇の前記4つの登録特徴点の動きに係る前記登録時系列データを記憶し、
前記取得手段は、前記認証対象者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際に前記撮影手段により撮影された動画像であって前記補正手段により口唇の傾きが補正された動画像における口唇の前記4つの認証特徴点の動きに係る前記認証時系列データを取得することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の認証処理装置。
【請求項10】
前記撮影手段として赤外線カメラを用い、
前記赤外線カメラは、暗箱内に設置されており、当該暗箱の挿入口から挿入された口唇の動きを動画像として撮影することを特徴とする請求項9に記載の認証処理装置。
【請求項11】
前記認証処理手段は、DPマッチングを用いて前記差異度を算出することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の認証処理装置。
【請求項12】
登録時に、認証登録者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における4つの特徴点である4つの登録特徴点について当該4つの登録特徴点のうちの異なる2組の登録特徴点間の距離に係る2つの登録口唇特徴と前記4つの登録特徴点により定まる菱形における4つの角度に係る4つの登録口唇特徴とを合わせた6つの登録口唇特徴に係る6つの登録時系列データを記憶手段に記憶する記憶ステップと、
認証時に、認証対象者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における4つの特徴点である4つの認証特徴点について当該4つの認証特徴点のうちの異なる2組の認証特徴点間の距離に係る2つの認証口唇特徴と前記4つの認証特徴点により定まる菱形における4つの角度に係る4つの認証口唇特徴とを合わせた6つの認証口唇特徴に係る6つの認証時系列データを取得する取得ステップと、
前記取得ステップで取得した6つの認証時系列データと前記記憶手段に記憶されている6つの登録時系列データとの差異度を算出し、当該差異度に基づいて前記認証対象者の認証処理を行う認証処理ステップと、
を有することを特徴とする認証処理方法。
【請求項13】
登録時に、認証登録者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における4つの特徴点である4つの登録特徴点について当該4つの登録特徴点のうちの異なる2組の登録特徴点間の距離に係る2つの登録口唇特徴のうちの1つの登録口唇特徴と前記4つの登録特徴点により定まる菱形における4つの角度に係る4つの登録口唇特徴とを合わせた5つの登録口唇特徴に係る5つの登録時系列データを記憶手段に記憶する記憶ステップと、
認証時に、認証対象者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における4つの特徴点である4つの認証特徴点について当該4つの認証特徴点のうちの異なる2組の認証特徴点間の距離に係る2つの認証口唇特徴のうちの前記1つの登録口唇特徴に対応する1つの認証口唇特徴と前記4つの認証特徴点により定まる菱形における4つの角度に係る4つの認証口唇特徴とを合わせた5つの認証口唇特徴に係る5つの認証時系列データを取得する取得ステップと、
前記取得ステップで取得した5つの認証時系列データと前記記憶手段に記憶されている5つの登録時系列データとの差異度を算出し、当該差異度に基づいて前記認証対象者の認証処理を行う認証処理ステップと、
を有することを特徴とする認証処理方法。
【請求項14】
登録時に、認証登録者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における4つの特徴点である4つの登録特徴点について当該4つの登録特徴点のうちの異なる2組の登録特徴点間の距離に係る2つの登録口唇特徴と前記4つの登録特徴点により定まる菱形における4つの角度に係る4つの登録口唇特徴のうちの3つの登録口唇特徴とを合わせた5つの登録口唇特徴に係る5つの登録時系列データを記憶手段に記憶する記憶ステップと、
認証時に、認証対象者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における4つの特徴点である4つの認証特徴点について当該4つの認証特徴点のうちの異なる2組の認証特徴点間の距離に係る2つの認証口唇特徴と前記4つの認証特徴点により定まる菱形における4つの角度に係る4つの認証口唇特徴のうちの前記3つの登録口唇特徴に対応する3つの認証口唇特徴とを合わせた5つの認証口唇特徴に係る5つの認証時系列データを取得する取得ステップと、
前記取得ステップで取得した5つの認証時系列データと前記記憶手段に記憶されている5つの登録時系列データとの差異度を算出し、当該差異度に基づいて前記認証対象者の認証処理を行う認証処理ステップと、
を有することを特徴とする認証処理方法。
【請求項15】
登録時に、認証登録者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における4つの特徴点である4つの登録特徴点について当該4つの登録特徴点のうちの異なる2組の登録特徴点間の距離に係る2つの登録口唇特徴に係る2つの登録時系列データを記憶手段に記憶する記憶ステップと、
認証時に、認証対象者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における4つの特徴点である4つの認証特徴点について当該4つの認証特徴点のうちの異なる2組の認証特徴点間の距離に係る2つの認証口唇特徴に係る2つの認証時系列データを取得する取得ステップと、
前記取得ステップで取得した2つの認証時系列データと前記記憶手段に記憶されている2つの登録時系列データとの差異度を算出し、当該差異度に基づいて前記認証対象者の認証処理を行う認証処理ステップと、
を有することを特徴とする認証処理方法。
【請求項16】
登録時に、認証登録者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における4つの特徴点である4つの登録特徴点について当該4つの登録特徴点により定まる菱形における4つの角度に係る4つの登録口唇特徴に係る4つの登録時系列データを記憶手段に記憶する記憶ステップと、
認証時に、認証対象者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における4つの特徴点である4つの認証特徴点について当該4つの認証特徴点により定まる菱形における4つの角度に係る4つの認証口唇特徴に係る4つの認証時系列データを取得する取得ステップと、
前記取得ステップで取得した4つの認証時系列データと前記記憶手段に記憶されている4つの登録時系列データとの差異度を算出し、当該差異度に基づいて前記認証対象者の認証処理を行う認証処理ステップと、
を有することを特徴とする認証処理方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、認証対象者の個人認証を行う認証処理装置及び認証処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、人間の身体的特徴や行動的特徴の情報を用いて個人認証を行うバイオメトリクス認証が普及してきている。そして、このようなバイオメトリクス認証の一種として、音声認証がある(例えば、下記の特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【0003】

【特許文献1】特開2002-244697号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した音声認証は、環境音の影響を受けやすく、その認証精度の低下が懸念されるという問題があった。また、上述した音声認証では、認証対象者が発声を行うため、認証パスワードの漏洩が懸念されるという問題(更には正常に発話が行えない人は認証が行えないという問題)があった。
【0005】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、認証パスワードの漏洩を防止しつつ、認証精度の向上を実現する仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の認証処理装置は、登録時に、認証登録者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における4つの特徴点である4つの登録特徴点について当該4つの登録特徴点のうちの異なる2組の登録特徴点間の距離に係る2つの登録口唇特徴と前記4つの登録特徴点により定まる菱形における4つの角度に係る4つの登録口唇特徴とを合わせた6つの登録口唇特徴に係る6つの登録時系列データを記憶する記憶手段と、認証時に、認証対象者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における4つの特徴点である4つの認証特徴点について当該4つの認証特徴点のうちの異なる2組の認証特徴点間の距離に係る2つの認証口唇特徴と前記4つの認証特徴点により定まる菱形における4つの角度に係る4つの認証口唇特徴とを合わせた6つの認証口唇特徴に係る6つの認証時系列データを取得する取得手段と、前記取得手段で取得した6つの認証時系列データと前記記憶手段に記憶されている6つの登録時系列データとの差異度を算出し、当該差異度に基づいて前記認証対象者の認証処理を行う認証処理手段と、を有する。
本発明の認証処理装置における他の態様は、登録時に、認証登録者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における4つの特徴点である4つの登録特徴点について当該4つの登録特徴点のうちの異なる2組の登録特徴点間の距離に係る2つの登録口唇特徴のうちの1つの登録口唇特徴と前記4つの登録特徴点により定まる菱形における4つの角度に係る4つの登録口唇特徴とを合わせた5つの登録口唇特徴に係る5つの登録時系列データを記憶する記憶手段と、認証時に、認証対象者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における4つの特徴点である4つの認証特徴点について当該4つの認証特徴点のうちの異なる2組の認証特徴点間の距離に係る2つの認証口唇特徴のうちの前記1つの登録口唇特徴に対応する1つの認証口唇特徴と前記4つの認証特徴点により定まる菱形における4つの角度に係る4つの認証口唇特徴とを合わせた5つの認証口唇特徴に係る5つの認証時系列データを取得する取得手段と、前記取得手段で取得した5つの認証時系列データと前記記憶手段に記憶されている5つの登録時系列データとの差異度を算出し、当該差異度に基づいて前記認証対象者の認証処理を行う認証処理手段と、を有する。
また、本発明の認証処理装置におけるその他の態様は、登録時に、認証登録者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における4つの特徴点である4つの登録特徴点について当該4つの登録特徴点のうちの異なる2組の登録特徴点間の距離に係る2つの登録口唇特徴と前記4つの登録特徴点により定まる菱形における4つの角度に係る4つの登録口唇特徴のうちの3つの登録口唇特徴とを合わせた5つの登録口唇特徴に係る5つの登録時系列データを記憶する記憶手段と、認証時に、認証対象者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における4つの特徴点である4つの認証特徴点について当該4つの認証特徴点のうちの異なる2組の認証特徴点間の距離に係る2つの認証口唇特徴と前記4つの認証特徴点により定まる菱形における4つの角度に係る4つの認証口唇特徴のうちの前記3つの登録口唇特徴に対応する3つの認証口唇特徴とを合わせた5つの認証口唇特徴に係る5つの認証時系列データを取得する取得手段と、前記取得手段で取得した5つの認証時系列データと前記記憶手段に記憶されている5つの登録時系列データとの差異度を算出し、当該差異度に基づいて前記認証対象者の認証処理を行う認証処理手段と、を有する。
また、本発明の認証処理装置におけるその他の態様は、登録時に、認証登録者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における4つの特徴点である4つの登録特徴点について当該4つの登録特徴点のうちの異なる2組の登録特徴点間の距離に係る2つの登録口唇特徴に係る2つの登録時系列データを記憶する記憶手段と、認証時に、認証対象者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における4つの特徴点である4つの認証特徴点について当該4つの認証特徴点のうちの異なる2組の認証特徴点間の距離に係る2つの認証口唇特徴に係る2つの認証時系列データを取得する取得手段と、前記取得手段で取得した2つの認証時系列データと前記記憶手段に記憶されている2つの登録時系列データとの差異度を算出し、当該差異度に基づいて前記認証対象者の認証処理を行う認証処理手段と、を有する。
また、本発明の認証処理装置におけるその他の態様は、登録時に、認証登録者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における4つの特徴点である4つの登録特徴点について当該4つの登録特徴点により定まる菱形における4つの角度に係る4つの登録口唇特徴に係る4つの登録時系列データを記憶する記憶手段と、認証時に、認証対象者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における4つの特徴点である4つの認証特徴点について当該4つの認証特徴点により定まる菱形における4つの角度に係る4つの認証口唇特徴に係る4つの認証時系列データを取得する取得手段と、前記取得手段で取得した4つの認証時系列データと前記記憶手段に記憶されている4つの登録時系列データとの差異度を算出し、当該差異度に基づいて前記認証対象者の認証処理を行う認証処理手段と、を有する。
【0007】
本発明の認証処理方法は、登録時に、認証登録者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における4つの特徴点である4つの登録特徴点について当該4つの登録特徴点のうちの異なる2組の登録特徴点間の距離に係る2つの登録口唇特徴と前記4つの登録特徴点により定まる菱形における4つの角度に係る4つの登録口唇特徴とを合わせた6つの登録口唇特徴に係る6つの登録時系列データを記憶手段に記憶する記憶ステップと、認証時に、認証対象者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における4つの特徴点である4つの認証特徴点について当該4つの認証特徴点のうちの異なる2組の認証特徴点間の距離に係る2つの認証口唇特徴と前記4つの認証特徴点により定まる菱形における4つの角度に係る4つの認証口唇特徴とを合わせた6つの認証口唇特徴に係る6つの認証時系列データを取得する取得ステップと、前記取得ステップで取得した6つの認証時系列データと前記記憶手段に記憶されている6つの登録時系列データとの差異度を算出し、当該差異度に基づいて前記認証対象者の認証処理を行う認証処理ステップと、を有する。
本発明の認証処理方法における他の態様は、登録時に、認証登録者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における4つの特徴点である4つの登録特徴点について当該4つの登録特徴点のうちの異なる2組の登録特徴点間の距離に係る2つの登録口唇特徴のうちの1つの登録口唇特徴と前記4つの登録特徴点により定まる菱形における4つの角度に係る4つの登録口唇特徴とを合わせた5つの登録口唇特徴に係る5つの登録時系列データを記憶手段に記憶する記憶ステップと、認証時に、認証対象者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における4つの特徴点である4つの認証特徴点について当該4つの認証特徴点のうちの異なる2組の認証特徴点間の距離に係る2つの認証口唇特徴のうちの前記1つの登録口唇特徴に対応する1つの認証口唇特徴と前記4つの認証特徴点により定まる菱形における4つの角度に係る4つの認証口唇特徴とを合わせた5つの認証口唇特徴に係る5つの認証時系列データを取得する取得ステップと、前記取得ステップで取得した5つの認証時系列データと前記記憶手段に記憶されている5つの登録時系列データとの差異度を算出し、当該差異度に基づいて前記認証対象者の認証処理を行う認証処理ステップと、を有する。
また、本発明の認証処理方法におけるその他の態様は、登録時に、認証登録者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における4つの特徴点である4つの登録特徴点について当該4つの登録特徴点のうちの異なる2組の登録特徴点間の距離に係る2つの登録口唇特徴と前記4つの登録特徴点により定まる菱形における4つの角度に係る4つの登録口唇特徴のうちの3つの登録口唇特徴とを合わせた5つの登録口唇特徴に係る5つの登録時系列データを記憶手段に記憶する記憶ステップと、認証時に、認証対象者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における4つの特徴点である4つの認証特徴点について当該4つの認証特徴点のうちの異なる2組の認証特徴点間の距離に係る2つの認証口唇特徴と前記4つの認証特徴点により定まる菱形における4つの角度に係る4つの認証口唇特徴のうちの前記3つの登録口唇特徴に対応する3つの認証口唇特徴とを合わせた5つの認証口唇特徴に係る5つの認証時系列データを取得する取得ステップと、前記取得ステップで取得した5つの認証時系列データと前記記憶手段に記憶されている5つの登録時系列データとの差異度を算出し、当該差異度に基づいて前記認証対象者の認証処理を行う認証処理ステップと、を有する。
また、本発明の認証処理方法におけるその他の態様は、登録時に、認証登録者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における4つの特徴点である4つの登録特徴点について当該4つの登録特徴点のうちの異なる2組の登録特徴点間の距離に係る2つの登録口唇特徴に係る2つの登録時系列データを記憶手段に記憶する記憶ステップと、認証時に、認証対象者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における4つの特徴点である4つの認証特徴点について当該4つの認証特徴点のうちの異なる2組の認証特徴点間の距離に係る2つの認証口唇特徴に係る2つの認証時系列データを取得する取得ステップと、前記取得ステップで取得した2つの認証時系列データと前記記憶手段に記憶されている2つの登録時系列データとの差異度を算出し、当該差異度に基づいて前記認証対象者の認証処理を行う認証処理ステップと、を有する。
また、本発明の認証処理方法におけるその他の態様は、登録時に、認証登録者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における4つの特徴点である4つの登録特徴点について当該4つの登録特徴点により定まる菱形における4つの角度に係る4つの登録口唇特徴に係る4つの登録時系列データを記憶手段に記憶する記憶ステップと、認証時に、認証対象者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における4つの特徴点である4つの認証特徴点について当該4つの認証特徴点により定まる菱形における4つの角度に係る4つの認証口唇特徴に係る4つの認証時系列データを取得する取得ステップと、前記取得ステップで取得した4つの認証時系列データと前記記憶手段に記憶されている4つの登録時系列データとの差異度を算出し、当該差異度に基づいて前記認証対象者の認証処理を行う認証処理ステップと、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、認証パスワードの漏洩を防止しつつ、認証精度の向上を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る認証処理装置の外観の一例を示す模式図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る認証処理装置の機能構成の一例を示す模式図である。
【図3-1】本発明の第1の実施形態に係る認証処理装置による認証処理方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図3-2】図3-1に引き続き、本発明の第1の実施形態に係る認証処理装置による認証処理方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る認証処理装置の口領域抽出部による口領域抽出処理の一例を説明するための図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る認証処理装置の口唇傾き補正部による口唇傾き補正処理の一例を説明するための図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る認証処理装置の特徴点配置部による特徴点配置処理の一例を説明するための図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る認証処理装置の特徴点時系列データ取得部による各特徴点の追跡処理の一例を説明するための図である。
【図8】本発明の第1の実施形態に係る認証処理装置の特徴点時系列データ取得部による各特徴点に係る時系列データ取得処理の一例を説明するための図である。
【図9】本発明の第1の実施形態に係る認証処理装置の認証処理部による差異度の算出処理の一例を説明するための図である。
【図10-1】本発明の第2の実施形態に係る認証処理装置の外観の一例を示す模式図である。
【図10-2】本発明の第2の実施形態に係る認証処理装置の外観の他の一例を示す模式図である。
【図11】本発明の第3の実施形態を示し、6つの時系列データのうちの1つの時系列データを用いなかった場合(即ち、5つの時系列データを用いた場合)の認証精度の検証実験の結果を示す図である。
【図12】本発明の第4の実施形態を示し、距離に関する時系列データ及び角度に関する時系列データの6つの時系列データを用いた場合、距離に関する時系列データのみを用いた場合、及び、角度に関する時系列データのみを用いた場合の認証精度の検証実験の結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態(実施形態)について説明する。

【0011】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る認証処理装置の外観の一例を示す模式図である。
図1に示すように、本実施形態に係る認証処理装置100は、撮影装置110と、操作入力装置120と、情報処理装置130と、表示装置140と、電気錠装置150を有して構成されている。

【0012】
撮影装置110は、情報処理装置130による制御に基づいて、認証登録者や認証対象者(200)が自身の認証パスワードを発声せずに口パク(リップシンク)した際の口唇210の動きを動画像として撮影する装置である。本実施形態においては、例えば、撮影装置110として、デジタルビデオカメラを用いるものとするが、他の撮影装置を用いることも可能である。

【0013】
操作入力装置120は、例えばセキュリティ管理者等の操作者が情報処理装置130に対して情報の入力を行う際に操作されるものである。この操作入力装置120は、例えば、キーボード120aや、ポインティング・デバイスであるマウス120bを具備して構成されている。

【0014】
情報処理装置130は、認証処理装置100における動作を統括的に制御するものである。

【0015】
表示装置140は、情報処理装置130による制御に基づいて、撮影装置110で撮影された画像を表示したり、各種の情報を表示したりする。

【0016】
電気錠装置150は、情報処理装置130による制御に基づいて、例えば、ドア等の施錠/解錠を行うものである。

【0017】
図2は、本発明の第1の実施形態に係る認証処理装置の機能構成の一例を示す模式図である。ここで、図2において、図1と同様の構成については、同じ符号を付しており、その詳細な説明は省略する。

【0018】
情報処理装置130は、モード設定部131、画像受信部132、登録部133、及び、認証部134の各機能構成を有している。
本実施形態においては、例えば、情報処理装置130のCPU及びROM内に記録されているプログラムから、モード設定部131が構成される。また、例えば、情報処理装置130のCPU及びROM内に記録されているプログラム並びに通信インタフェースから、画像受信部132が構成される。また、例えば、情報処理装置130のCPU及びROM内に記録されているプログラム並びに外部メモリから、登録部133、認証部134が構成される。

【0019】
モード設定部131は、例えば、操作入力装置120からの操作入力に基づいて、認証処理装置100における動作モードを設定する処理を行う。ここで、本実施形態では、「登録モード」と「認証モード」の2つの動作モードが設定可能であるものとする。

【0020】
画像受信部132は、撮影装置110により撮影された、認証登録者や認証対象者(200)の口唇210の動きに係る動画像を受信する処理を行う。

【0021】
登録部133は、モード設定部131により「登録モード」が設定された際に、認証登録者の登録処理を行う。
具体的に、登録部133は、口領域抽出部1331、口唇傾き補正部1332、特徴点配置部1333、特徴点時系列データ取得部1334、及び、特徴点時系列データ記憶部1335の各機能構成を有している。また、特徴点時系列データ記憶部1335は、記憶メモリ1335aを含んでいる。

【0022】
登録部133の口領域抽出部1331は、画像受信部132で受信した、認証登録者(200)の口唇210の動きに係る動画像において、口領域を抽出する処理を行う。

【0023】
登録部133の口唇傾き補正部1332は、口領域抽出部1331で抽出した画像(動画像の各フレーム)において口唇の傾きを補正する処理を行う。

【0024】
登録部133の特徴点配置部1333は、口唇について複数の登録特徴点を配置する処理を行う。
具体的に、本実施形態においては、特徴点配置部1333は、複数の登録特徴点として、認証登録者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における上唇の点、下唇の点、左端の点及び右端の点の合計4つの登録特徴点を配置する処理を行う。

【0025】
登録部133の特徴点時系列データ取得部1334は、認証登録者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における複数の登録特徴点の動きに係る登録時系列データを取得する処理を行う。
具体的に、本実施形態においては、特徴点時系列データ取得部1334は、認証登録者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における前記4つの登録特徴点について当該4つの登録特徴点のうちの異なる2組の登録特徴点間の距離に係る2つの登録口唇特徴と前記4つの登録特徴点により定まる菱形における4つの角度に係る4つの登録口唇特徴とを合わせた6つの登録口唇特徴に係る6つの登録時系列データを取得する処理を行う。より具体的に、本実施形態においては、特徴点時系列データ取得部1334は、認証登録者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における上唇の点と下唇の点との距離に関する第1の登録時系列データと、認証登録者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における左端の点と右端の点との距離に関する第2の登録時系列データと、当該左端の点と当該右端の点とを結ぶ直線と当該左端の点または当該右端の点と当該上唇の点とを結ぶ直線とのなす角度に関する第3の登録時系列データと、当該左端の点と当該右端の点とを結ぶ直線と当該左端の点または当該右端の点と当該下唇の点とを結ぶ直線とのなす角度に関する第4の登録時系列データと、当該上唇の点と当該下唇の点とを結ぶ直線と当該左端の点または当該右端の点と当該上唇の点とを結ぶ直線とのなす角度に関する第5の登録時系列データと、当該上唇の点と当該下唇の点とを結ぶ直線と当該左端の点または当該右端の点と当該下唇の点とを結ぶ直線とのなす角度に関する第6の登録時系列データとを含む登録時系列データを取得する処理を行う。

【0026】
登録部133の特徴点時系列データ記憶部1335は、特徴点時系列データ取得部1334で取得した登録時系列データ(即ち、認証登録者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における複数の登録特徴点(具体的に、本実施形態では、上唇の点、下唇の点、左端の点及び右端の点の合計4つの登録特徴点)の動きに係る登録時系列データ)を記憶メモリ1335aに記憶して登録する処理を行う。具体的に、本実施形態においては、特徴点時系列データ記憶部1335は、特徴点時系列データ取得部1334で取得した第1の登録時系列データ~第6の登録時系列データを含む登録時系列データを記憶メモリ1335aに記憶して登録する処理を行う。

【0027】
認証部134は、モード設定部131により「認証モード」が設定された際に、認証対象者の認証処理を行う。
具体的に、認証部134は、口領域抽出部1341、口唇傾き補正部1342、特徴点配置部1343、特徴点時系列データ取得部1344、及び、認証処理部1345の各機能構成を有している。

【0028】
認証部134の口領域抽出部1341は、画像受信部132で受信した、認証対象者(200)の口唇210の動きに係る動画像において、口領域を抽出する処理を行う。

【0029】
認証部134の口唇傾き補正部1342は、口領域抽出部1341で抽出した画像(動画像の各フレーム)において口唇の傾きを補正する処理を行う。

【0030】
認証部134の特徴点配置部1343は、口唇について複数の認証特徴点を配置する処理を行う。
具体的に、本実施形態においては、特徴点配置部1343は、複数の認証特徴点として、認証対象者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における上唇の点、下唇の点、左端の点及び右端の点の合計4つの認証特徴点を配置する処理を行う。

【0031】
認証部134の特徴点時系列データ取得部1344は、認証対象者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における複数の認証特徴点の動きに係る認証時系列データを取得する処理を行う。
具体的に、本実施形態においては、特徴点時系列データ取得部1344は、認証対象者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における前記4つの認証特徴点について当該4つの認証特徴点のうちの異なる2組の認証特徴点間の距離に係る2つの認証口唇特徴と前記4つの認証特徴点により定まる菱形における4つの角度に係る4つの認証口唇特徴とを合わせた6つの認証口唇特徴に係る6つの認証時系列データを取得する処理を行う。より具体的に、本実施形態においては、特徴点時系列データ取得部1344は、認証対象者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における上唇の点と下唇の点との距離に関する第1の認証時系列データと、認証対象者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における左端の点と右端の点との距離に関する第2の認証時系列データと、当該左端の点と当該右端の点とを結ぶ直線と当該左端の点または当該右端の点と当該上唇の点とを結ぶ直線とのなす角度に関する第3の認証時系列データと、当該左端の点と当該右端の点とを結ぶ直線と当該左端の点または当該右端の点と当該下唇の点とを結ぶ直線とのなす角度に関する第4の認証時系列データと、当該上唇の点と当該下唇の点とを結ぶ直線と当該左端の点または当該右端の点と当該上唇の点とを結ぶ直線とのなす角度に関する第5の認証時系列データと、当該上唇の点と当該下唇の点とを結ぶ直線と当該左端の点または当該右端の点と当該下唇の点とを結ぶ直線とのなす角度に関する第6の認証時系列データとを含む認証時系列データを取得する処理を行う。

【0032】
認証部134の認証処理部1345は、特徴点時系列データ取得部1344で取得した認証時系列データと記憶メモリ1335aに記憶されている登録時系列データとの差異度を算出し、当該差異度に基づいて認証対象者の認証処理を行う。
具体的に、本実施形態においては、認証処理部1345は、特徴点時系列データ取得部1344で取得した上述の6つの認証時系列データと記憶メモリ1335aに記憶されている上述の6つの登録時系列データとの差異度を算出し、当該差異度に基づいて認証対象者の認証処理を行う。より具体的に、本実施形態においては、認証処理部1345は、特徴点時系列データ取得部1344で取得した第1の認証時系列データと記憶メモリ1335aに記憶されている第1の登録時系列データとの第1の差異度を算出し、特徴点時系列データ取得部1344で取得した第2の認証時系列データと記憶メモリ1335aに記憶されている第2の登録時系列データとの第2の差異度を算出し、特徴点時系列データ取得部1344で取得した第3の認証時系列データと記憶メモリ1335aに記憶されている第3の登録時系列データとの第3の差異度を算出し、特徴点時系列データ取得部1344で取得した第4の認証時系列データと記憶メモリ1335aに記憶されている第4の登録時系列データとの第4の差異度を算出し、特徴点時系列データ取得部1344で取得した第5の認証時系列データと記憶メモリ1335aに記憶されている第5の登録時系列データとの第5の差異度を算出し、特徴点時系列データ取得部1344で取得した第6の認証時系列データと記憶メモリ1335aに記憶されている第6の登録時系列データとの第6の差異度を算出して、第1~第6の差異度に基づいて認証対象者の認証処理を行う。より詳細に、認証処理部1345は、第1~第6の差異度をDP(Dynamic Programming)マッチングを用いて算出する。また、認証処理部1345は、第1~第6の差異度を乗算した乗算結果と予め定められている閾値とを比較し、前記乗算結果が前記閾値以下である場合には認証対象者の認証を許可する処理を行い、前記乗算結果が前記閾値よりも大きい場合には認証対象者の認証を不許可とする処理を行う。例えば、認証処理部1345は、認証対象者の認証を許可する処理として、電気錠装置150の解錠を行う処理を行い、認証対象者の認証を不許可とする処理として、電気錠装置150の施錠を行う処理を行う。さらに、認証処理部1345は、必要に応じて、認証処理の結果を、表示装置140に表示する処理を行う。

【0033】
次に、認証処理装置100による認証処理方法の処理手順の一例について説明を行う。

【0034】
図3-1は、本発明の第1の実施形態に係る認証処理装置による認証処理方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。

【0035】
図3-1の処理が開始されると、まず、ステップS101において、モード設定部131は、設定されている動作モードが「登録モード」であるか否かを判断する。

【0036】
ステップS101の判断の結果、設定されている動作モードが「登録モード」でない(本実施形態の場合には「認証モード」である)場合には、図3-2に示すフローチャートに遷移する。

【0037】
一方、ステップS101の判断の結果、設定されている動作モードが「登録モード」である場合には、ステップS102に進む。
ステップS102に進むと、撮影装置110は、情報処理装置130による制御に基づいて、認証登録者(200)が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇210の動きを動画像として撮影する処理を行う。

【0038】
続いて、ステップS103において、画像受信部132は、ステップS102で撮影された動画像(認証登録者(200)が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇210の動きに係る動画像)を受信する処理を行う。

【0039】
続いて、ステップS104において、登録部133の口領域抽出部1331は、ステップS103で受信した、認証登録者(200)の口唇210の動きに係る動画像において、口領域を抽出する処理を行う。ここで、ステップS104の具体例について、図4を用いて説明する。

【0040】
図4は、本発明の第1の実施形態に係る認証処理装置の口領域抽出部による口領域抽出処理の一例を説明するための図である。
図4に示す画像400は、例えば、撮影装置110により撮影された動画像の1フレームである。そして、例えば、登録部133の口領域抽出部1331は、まず、画像400から鼻の穴の位置に基づいて鼻領域401を検出し、当該鼻領域401に基づいてその下方に位置する口領域402を抽出する。

【0041】
ここで、再び、図3-1の説明に戻る。
図3-1のステップS104の処理が終了すると、ステップS105に進む。
ステップS105に進むと、登録部133の口唇傾き補正部1332は、口領域抽出部1331で抽出した画像(動画像の各フレーム)において口唇の傾きを補正する処理を行う。ここで、ステップS105の具体例について、図5を用いて説明する。

【0042】
図5は、本発明の第1の実施形態に係る認証処理装置の口唇傾き補正部による口唇傾き補正処理の一例を説明するための図である。
図5(a)に示す画像は、例えば、登録部133の口領域抽出部1331により抽出された口領域の画像である。そして、例えば、登録部133の口唇傾き補正部1332は、まず、図5(a)に示す画像を明度値で二値化処理して図5(b)に示す二値化画像を生成し、図5(c)に示すように、当該二値化画像の白色領域に基づいて口端の2点を結ぶ直線500を得る。その後、直線500が画像の水平方向に対して水平になるように、図5(a)に示す口唇を回転させて口唇の傾きを補正し、図5(d)に示す画像を得る。

【0043】
ここで、再び、図3-1の説明に戻る。
図3-1のステップS105の処理が終了すると、ステップS106に進む。
ステップS106に進むと、登録部133の特徴点配置部1333は、口唇について複数の登録特徴点を配置する処理を行う。ここで、ステップS106の具体例について、図6を用いて説明する。

【0044】
図6は、本発明の第1の実施形態に係る認証処理装置の特徴点配置部による特徴点配置処理の一例を説明するための図である。
本実施形態においては、図6に示すように、登録部133の特徴点配置部1333は、口唇における複数の登録特徴点として、口唇における上唇の点601、下唇の点602、左端の点603及び右端の点604の合計4つの登録特徴点を配置する処理を行う。具体的に、本実施形態においては、上唇の点601は、例えば、分離度によるエッジ強調を用いることで口唇のエッジを強調し、このエッジに動的輪郭モデルのsnakesを収束させることで取得される。また、下唇の点602は、例えば、抽出された口領域のLab表色系のa値を使用し、大津の二値化処理により口唇クラス・肌クラスに分割し、口唇クラスの最下点として取得される。また、左端の点603及び右端の点604は、例えば、明度値について二値化処理することで、その最も左端及び右端の点として取得される。

【0045】
ここで、再び、図3-1の説明に戻る。
図3-1のステップS106の処理が終了すると、ステップS107に進む。
ステップS107に進むと、登録部133の特徴点時系列データ取得部1334は、ステップS106で配置した各登録特徴点を追跡し、認証登録者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における複数の登録特徴点の動きに係る登録時系列データを取得する処理を行う。ここで、ステップS107の具体例について、図7~図9を用いて説明する。

【0046】
図7は、本発明の第1の実施形態に係る認証処理装置の特徴点時系列データ取得部による各特徴点の追跡処理の一例を説明するための図である。
図7(a)に示す画像は、例えば、撮影装置110により撮影された動画像の初期のフレームにおける口領域の画像である。また、図7(b)に示す画像は、例えば、撮影装置110により撮影された動画像のt枚目(t≧2)のフレームにおける口領域の画像である。ここで、登録部133の特徴点時系列データ取得部1334は、上唇の点601については、図7(a)に示す上唇の点601-1から図7(b)に示す上唇の点601-2のように追跡し、下唇の点602については、図7(a)に示す下唇の点602-1から図7(b)に示す下唇の点602-2のように追跡し、左端の点603については、図7(a)に示す左端の点603-1から図7(b)に示す左端の点603-2のように追跡し、右端の点604については、図7(a)に示す右端の点604-1から図7(b)に示す右端の点604-2のように追跡する。
この際、例えば、上唇の点601については、図7(a)に示す初期のフレームにおいて上唇の点601-1の周辺をテンプレートとして切り出しておき、テンプレートマッチングを利用することで追跡を行う。また、例えば、下唇の点602については、配置の場合と同様に、抽出された口領域のLab表色系のa値を使用し、大津の二値化処理により口唇クラス・肌クラスに分割し、口唇クラスの最下点を取得することで追跡を行う。また、例えば、左端の点603及び右端の点604は、配置の場合と同様に、明度値について二値化処理を行って、その最も左端及び右端の点を取得することで追跡を行う。

【0047】
図8は、本発明の第1の実施形態に係る認証処理装置の特徴点時系列データ取得部による各特徴点に係る時系列データ取得処理の一例を説明するための図である。
図8において、図8(a)及び図8(c)は図7(a)に相当する画像であり、図8(b)は図7(b)に相当する画像である。
具体的に、本実施形態においては、特徴点時系列データ取得部1334は、図8(a)~図8(c)に示すように(認証登録者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における)上唇の点601と下唇の点602との距離801に関する第1の登録時系列データと、図8(a)~図8(c)に示すように(認証登録者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における)左端の点603と右端の点604との距離802に関する第2の登録時系列データと、図8(c)に示すように左端の点603と右端の点604とを結ぶ直線と左端の点603または右端の点604と上唇の点601とを結ぶ直線とのなす角度803に関する第3の登録時系列データと、図8(c)に示すように左端の点603と右端の点604とを結ぶ直線と左端の点603または右端の点604と下唇の点602とを結ぶ直線とのなす角度804に関する第4の登録時系列データと、図8(c)に示すように上唇の点601と下唇の点602とを結ぶ直線と左端の点603または右端の点604と上唇の点601とを結ぶ直線とのなす角度805に関する第5の登録時系列データと、図8(c)に示すように上唇の点601と下唇の点602とを結ぶ直線と左端の点603または右端の点604と下唇の点602とを結ぶ直線とのなす角度806に関する第6の登録時系列データとを含む登録時系列データを取得する処理を行う。

【0048】
ここで、特徴点時系列データ取得部1334は、例えば、後述する図9(a)に示すような6つの登録時系列データを取得する処理を行う。図9(a)において、「距離上下」は、図8(a)~図8(c)に示す距離801に関する第1の登録時系列データであり、「距離左右」は、図8(a)~図8(c)に示す距離802に関する第2の登録時系列データであり、「角度横上」は、図8(c)に示す角度803に関する第3の登録時系列データであり、「角度横下」は、図8(c)に示す角度804に関する第4の登録時系列データであり、「角度縦上」は、図8(c)に示す角度805に関する第5の登録時系列データであり、「角度縦下」は、図8(c)に示す角度806に関する第6の登録時系列データである。

【0049】
ここで、再び、図3-1の説明に戻る。
図3-1のステップS107の処理が終了すると、ステップS108に進む。
ステップS108に進むと、登録部133の特徴点時系列データ記憶部1335は、ステップS107で取得した登録時系列データ(即ち、認証登録者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における複数の登録特徴点の動きに係る登録時系列データ)を記憶メモリ1335aに記憶して登録する処理を行う。具体的に、本実施形態においては、特徴点時系列データ記憶部1335は、特徴点時系列データ取得部1334で取得した第1の登録時系列データ~第6の登録時系列データを含む登録時系列データを記憶メモリ1335aに記憶して登録する処理を行う。

【0050】
ステップS108の処理が終了すると、図3-1に示すフローチャートの処理を終了する。なお、認証登録者が複数存在する場合には、各認証登録者ごとに図3-1に示すフローチャートの処理が行われて、各認証登録者ごとに自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における複数の登録特徴点の動きに係る登録時系列データが記憶メモリ1335aに記憶されて登録されることになる。

【0051】
上述したように、図3-1のステップS101の判断の結果、設定されている動作モードが「登録モード」でない(本実施形態の場合には「認証モード」である)場合には、図3-2に示すフローチャートに遷移する。
ここで、図3-2は、図3-1に引き続き、本発明の第1の実施形態に係る認証処理装置による認証処理方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。

【0052】
図3-2に示す認証モードに遷移すると、まず、ステップS201において、撮影装置110は、情報処理装置130による制御に基づいて、認証対象者(200)が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇210の動きを動画像として撮影する処理を行う。

【0053】
続いて、ステップS202において、画像受信部132は、ステップS201で撮影された動画像(認証対象者(200)が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇210の動きに係る動画像)を受信する処理を行う。

【0054】
続いて、ステップS203において、認証部134の口領域抽出部1341は、ステップS202で受信した、認証対象者(200)の口唇210の動きに係る動画像において、口領域を抽出する処理を行う。このステップS203の具体的な処理の内容は、図3-1のステップS104において図4を用いて説明した処理と同様である。

【0055】
続いて、ステップS204において、認証部134の口唇傾き補正部1342は、口領域抽出部1341で抽出した画像(動画像の各フレーム)において口唇の傾きを補正する処理を行う。このステップS204の具体的な処理の内容は、図3-1のステップS105において図5を用いて説明した処理と同様である。

【0056】
続いて、ステップS205において、認証部134の特徴点配置部1343は、口唇について複数の認証特徴点を配置する処理を行う。このステップS205の具体的な処理の内容は、図3-1のステップS106において図6を用いて説明した処理と同様である。即ち、本実施形態においては、特徴点配置部1343は、複数の認証特徴点として、認証対象者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における上唇の点、下唇の点、左端の点及び右端の点の合計4つの認証特徴点を配置する処理を行う。

【0057】
続いて、ステップS206において、認証部134の特徴点時系列データ取得部1344は、認証対象者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における複数の認証特徴点の動きに係る認証時系列データを取得する処理を行う。このステップS206の具体的な処理の内容は、図3-1のステップS107において図7及び図8を用いて説明した処理と同様である。即ち、本実施形態においては、特徴点時系列データ取得部1344は、図8(a)~図8(c)に示すように(認証対象者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における)上唇の点601と下唇の点602との距離801に関する第1の認証時系列データと、図8(a)~図8(c)に示すように(認証対象者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における)左端の点603と右端の点604との距離802に関する第2の認証時系列データと、図8(c)に示すように左端の点603と右端の点604とを結ぶ直線と左端の点603または右端の点604と上唇の点601とを結ぶ直線とのなす角度803に関する第3の認証時系列データと、図8(c)に示すように左端の点603と右端の点604とを結ぶ直線と左端の点603または右端の点604と下唇の点602とを結ぶ直線とのなす角度804に関する第4の認証時系列データと、図8(c)に示すように上唇の点601と下唇の点602とを結ぶ直線と左端の点603または右端の点604と上唇の点601とを結ぶ直線とのなす角度805に関する第5の認証時系列データと、図8(c)に示すように上唇の点601と下唇の点602とを結ぶ直線と左端の点603または右端の点604と下唇の点602とを結ぶ直線とのなす角度806に関する第6の認証時系列データとを含む認証時系列データを取得する処理を行う。

【0058】
ここで、特徴点時系列データ取得部1344は、例えば、後述する図9(b)に示すような6つの認証時系列データを取得する処理を行う。図9(b)において、「距離上下」は、図8(a)~図8(c)に示す距離801に関する第1の認証時系列データであり、「距離左右」は、図8(a)~図8(c)に示す距離802に関する第2の認証時系列データであり、「角度横上」は、図8(c)に示す角度803に関する第3の認証時系列データであり、「角度横下」は、図8(c)に示す角度804に関する第4の認証時系列データであり、「角度縦上」は、図8(c)に示す角度805に関する第5の認証時系列データであり、「角度縦下」は、図8(c)に示す角度806に関する第6の認証時系列データである。

【0059】
ここで、再び、図3-2の説明に戻る。
図3-2のステップS206の処理が終了すると、ステップS207に進む。
ステップS207に進むと、認証部134の認証処理部1345は、ステップS206で取得した認証時系列データと記憶メモリ1335aに記憶されている登録時系列データとの差異度を算出する処理を行う。
具体的に、本実施形態においては、認証処理部1345は、特徴点時系列データ取得部1344で取得した第1の認証時系列データと記憶メモリ1335aに記憶されている第1の登録時系列データとの第1の差異度を算出し、特徴点時系列データ取得部1344で取得した第2の認証時系列データと記憶メモリ1335aに記憶されている第2の登録時系列データとの第2の差異度を算出し、特徴点時系列データ取得部1344で取得した第3の認証時系列データと記憶メモリ1335aに記憶されている第3の登録時系列データとの第3の差異度を算出し、特徴点時系列データ取得部1344で取得した第4の認証時系列データと記憶メモリ1335aに記憶されている第4の登録時系列データとの第4の差異度を算出し、特徴点時系列データ取得部1344で取得した第5の認証時系列データと記憶メモリ1335aに記憶されている第5の登録時系列データとの第5の差異度を算出し、特徴点時系列データ取得部1344で取得した第6の認証時系列データと記憶メモリ1335aに記憶されている第6の登録時系列データとの第6の差異度を算出する。この際、認証処理部1345は、第1~第6の差異度をDPマッチングを用いて算出する。ここで、ステップS207の具体例について、図9を用いて説明する。

【0060】
図9は、本発明の第1の実施形態に係る認証処理装置の認証処理部による差異度の算出処理の一例を説明するための図である。
図9(a)は、記憶メモリ1335aに記憶されている、ある認証登録者の登録時系列データを示している。例えば、図9(a)は、ある認証登録者が自身の認証パスワード(本例では「ひらけごま」)を発声せずに口パクした際の口唇210における複数の登録特徴点の動きに係る登録時系列データを示している。
図9(b)は、特徴点時系列データ取得部1344で取得した、認証対象者の認証時系列データを示している。例えば、図9(b)は、認証対象者が自身の認証パスワード(本例では「あいうえお」)を発声せずに口パクした際の口唇210における複数の認証特徴点の動きに係る認証時系列データを示している。
図9(c)は、認証処理部1345で算出された、特徴点時系列データ取得部1344で取得した認証時系列データと記憶メモリ1335aに記憶されている登録時系列データとの差異度を示している。具体的に、図9(c)には、前記第1の差異度として1.896が算出され、前記第2の差異度として6.363が算出され、前記第3の差異度として2.513が算出され、前記第4の差異度として2.649が算出され、前記第5の差異度として2.506が算出され、前記第6の差異度として2.608が算出されたことを示している。そして、図9(c)には、最終的な差異度として、前記第1~第6の差異度を乗算した乗算結果である524.877が算出されたことを示している。

【0061】
なお、記憶メモリ1335aに、複数の認証登録者における登録時系列データが記憶されている場合には、各認証登録者における登録時系列データごとに特徴点時系列データ取得部1344で取得した認証時系列データとの差異度の算出処理が行われる。

【0062】
ここで、再び、図3-2の説明に戻る。
図3-2のステップS207の処理が終了すると、ステップS208に進む。
ステップS208に進むと、認証部134の認証処理部1345は、ステップS207で算出した差異度が予め定められている閾値以下であるか否かを判断する。
ここで、記憶メモリ1335aに、複数の認証登録者における登録時系列データが記憶されている場合においては、例えば、ステップS207で算出される各認証登録者ごとの差異度のうち、最も値の小さい差異度が閾値以下であるか否かを判断する。

【0063】
ステップS208の判断の結果、ステップS207で算出した差異度が閾値以下である場合には、ステップS209に進む。
ステップS209に進むと、認証部134の認証処理部1345は、認証対象者の認証を許可する処理を行う。例えば、認証処理部1345は、認証対象者の認証を許可する処理として、電気錠装置150の解錠を行う処理を行って、認証対象者がドア等を開けて入室できるようにする。さらに、認証処理部1345は、必要に応じて、認証処理の結果(認証OKである旨)を、表示装置140に表示する処理を行う。
その後、図3-2のフローチャートの処理を終了する。

【0064】
一方、ステップS208の判断の結果、ステップS207で算出した差異度が閾値以下でない(即ち、ステップS207で算出した差異度が閾値よりも大きい)場合には、ステップS210に進む。
ステップS210に進むと、認証部134の認証処理部1345は、認証対象者の認証を不許可とする処理を行う。例えば、認証処理部1345は、認証対象者の認証を不許可とする処理として、電気錠装置150の施錠を行う(施錠を維持する)処理を行って、認証対象者がドア等を開けることができずに入室できないようにする。さらに、認証処理部1345は、必要に応じて、認証処理の結果(認証NGである旨)を、表示装置140に表示する処理を行う。
その後、図3-2のフローチャートの処理を終了する。

【0065】
例えば、本実施形態において、予め定められている閾値が15であるとすると、図9(c)に示す例では、最終的な差異度が524.877であるため、この場合は、ステップS208において差異度は閾値以下でないと判断され(S208/NO)、ステップS210において認証不許可処理が行われることになる。

【0066】
第1の実施形態によれば、認証対象者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクすることによって認証処理を行うため、認証パスワードの漏洩を防止することができる。また、認証対象者は、非接触で認証処理を行うことができる。
さらに、第1の実施形態によれば、登録時に、認証登録者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における複数の登録特徴点の動きに係る登録時系列データを記憶手段に記憶しておき、認証時に、認証対象者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における複数の認証特徴点の動きに係る認証時系列データを取得し、当該取得した認証時系列データと記憶手段に記憶されている登録時系列データとの差異度を算出し、当該差異度に基づいて認証対象者の認証処理を行うため、認証対象者のみが知り得る認証パスワードによって認証処理が行えるとともに、認証対象者に固有の口唇の動きによって認証処理が行えるため、認証精度の向上を実現することができる。

【0067】
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態では、撮影装置110として、一般的なデジタルビデオカメラを用いる例を示したが、第2の実施形態では、赤外線カメラ(赤外線ビデオカメラ)を用いる形態である。

【0068】
図10-1は、本発明の第2の実施形態に係る認証処理装置の外観の一例を示す模式図である。図10-1において、図1に示す第1の実施形態に係る認証処理装置の構成と対応する構成には、同じ符号を付している。

【0069】
図10-1に示す例では、赤外線カメラ(赤外線ビデオカメラ)である撮影装置110は、黒色の暗箱160内に設置されており、情報処理装置130による制御に基づいて、当該暗箱内に挿入された認証登録者や認証対象者(200)の顔における口唇210の動きを動画像として撮影するものである。ここで、赤外線カメラ(赤外線ビデオカメラ)である撮影装置110は、例えば、暗箱160の第1の面161に備え付けられている。また、図10-1に示す例では、暗箱160には、第2の面162に、認証登録者や認証対象者(200)の顔を挿入するための挿入口162aが設けられている。

【0070】
図10-2は、本発明の第2の実施形態に係る認証処理装置の外観の他の一例を示す模式図である。図10-2において、図10-1と同様の構成には、同じ符号を付している。

【0071】
図10-2に示す例では、赤外線カメラ(赤外線ビデオカメラ)である撮影装置110は、黒色の暗箱160内に設置されており、情報処理装置130による制御に基づいて、当該暗箱内に挿入された認証登録者や認証対象者(200)の口唇210における動きを動画像として撮影するものである。ここで、赤外線カメラ(赤外線ビデオカメラ)である撮影装置110は、例えば、暗箱160の第1の面161に備え付けられている。また、図10-2に示す例では、暗箱160には、第3の面163に、認証登録者や認証対象者(200)の口唇210領域を挿入するための挿入口163aが設けられている。

【0072】
なお、第2の実施形態においては、第1の実施形態における図2~図9に示す内容については、第1の実施形態と同様に適用可能である。

【0073】
第2の実施形態によれば、暗箱内に設置された赤外線カメラ(赤外線ビデオカメラ)で、暗箱内に挿入された認証対象者の口唇210における動きを動画像として撮影して、認証対象者の認証処理を行うため、認証対象者の口唇210の動きを第三者に見られてしまうという事態を回避することができ、第1の実施形態における効果に加えて、より認証パスワードの漏洩を防止することができる。即ち、よりセキュリティ性を向上させることができる。

【0074】
(第3の実施形態)
上述した第1の実施形態では、登録時に、第1の登録時系列データ~第6の登録時系列データを記憶メモリ1335aに記憶して登録し、認証時に、第1の認証時系列データ~第6の認証時系列データを取得し、対応する時系列データごとに当該取得した認証時系列データと記憶メモリ1335aに記憶されている登録時系列データとの差異度を算出し、当該算出した各差異度に基づいて認証対象者の認証処理を行うものであった。即ち、上述した第1の実施形態では、6つの時系列データを用いて認証処理を行うものであった。

【0075】
そこで、本発明者は、6つの時系列データのうち、1つの時系列データを用いなかった場合(即ち、5つの時系列データを用いた場合)について、その認証精度の検証実験を行った。

【0076】
図11は、本発明の第3の実施形態を示し、6つの時系列データのうちの1つの時系列データを用いなかった場合(即ち、5つの時系列データを用いた場合)の認証精度の検証実験の結果を示す図である。図11に示す検証実験では、認証登録者の認証パスワードが他人に漏洩した場合を想定した検証実験であり、FAR(False Acceptance Rate)は、当該他人が認証登録者の認証パスワードを発声せずに口パク(リップシンク)した際の他人受入率(%)を示しており、また、FRR(False Rejection Rate)は、当該認証登録者の本人が自身の認証パスワードを発声せずに口パク(リップシンク)した際の本人拒否率(%)を示している。

【0077】
図11に示す認証精度の検証実験では、上述した第1の実施形態における6つの時系列データを用いた場合の認証では、FARが2.85%、FRRが2.91の結果が得られた。

【0078】
図11に示すように、図8(a)~図8(c)に示す距離801(距離上下)に関する第1の時系列データを用いなかった場合(即ち、第2~第6の時系列データを用いた場合)の認証では、FARが2.85%、FRRが2.91の結果が得られた。また、図11には、上述した第1の実施形態における6つの時系列データを用いた場合の認証結果との差異を( )に示している。
また、図11に示すように、図8(a)~図8(c)に示す距離802(距離左右)に関する第2の時系列データを用いなかった場合(即ち、第1,第3~第6の時系列データを用いた場合)の認証では、FARが2.60%、FRRが1.94の結果が得られた。

【0079】
また、図11に示すように、図8(c)に示す角度803(角度横上)に関する第3の時系列データを用いなかった場合(即ち、第1~第2,第4~第6の時系列データを用いた場合)の認証では、FARが3.09%、FRRが2.91の結果が得られた。
また、図11に示すように、図8(c)に示す角度804(角度横下)に関する第4の時系列データを用いなかった場合(即ち、第1~第3,第5~第6の時系列データを用いた場合)の認証では、FARが3.09%、FRRが2.91の結果が得られた。
また、図11に示すように、図8(c)に示す角度805(角度縦上)に関する第5の時系列データを用いなかった場合(即ち、第1~第4,第6の時系列データを用いた場合)の認証では、FARが3.09%、FRRが2.91の結果が得られた。
また、図11に示すように、図8(c)に示す角度806(角度縦下)に関する第6の時系列データを用いなかった場合(即ち、第1~第5の時系列データを用いた場合)の認証では、FARが3.09%、FRRが2.91の結果が得られた。

【0080】
図11に示す認証精度の検証実験の結果から、距離に関する1つの時系列データを用いなかった場合には、認証精度に変化なし、或いは、認証精度が向上する結果が得られた。
また、図11に示す認証精度の検証実験の結果から、角度に関する1つの時系列データを用いなかった場合には、認証精度が低下する結果が得られた。

【0081】
このように、距離に関する1つの時系列データを用いなかった場合、認証精度に変化なし、或いは、認証精度が向上する結果が得られたため、第3の実施形態に係る認証処理装置(更には認証処理方法)として、以下の形態を採用する。

【0082】
第3の実施形態に係る認証処理装置の外観は、図1に示す第1の実施形態に係る認証処理装置100の外観と同様とする態様を適用でき、また、図10-1や図10-2に示す第2の実施形態に係る認証処理装置の外観と同様とする態様も適用できる。

【0083】
また、第3の実施形態に係る認証処理装置の機能構成は、図1に示す第1の実施形態に係る認証処理装置100の機能構成と同様である。また、第3の実施形態に係る認証処理装置による認証処理方法の処理手順は、図3-1及び図3-2に示す第1の実施形態に係る認証処理装置100による認証処理方法の処理手順と同様である。
したがって、以下の説明では、第1の実施形態と異なる部分についてのみ説明を行う。

【0084】
具体的に、本実施形態においては、登録部133の特徴点時系列データ取得部1334は、登録時に、認証登録者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における上述した4つの登録特徴点について当該4つの登録特徴点のうちの異なる2組の登録特徴点間の距離に係る2つの登録口唇特徴のうちの1つの登録口唇特徴(例えば、図8(a)~図8(c)に示す距離802(距離左右)に係る登録口唇特徴)と、上述した4つの登録特徴点により定まる菱形における4つの角度に係る4つの登録口唇特徴と、を合わせた5つの登録口唇特徴に係る5つの登録時系列データを取得する処理を行う。即ち、例えば、特徴点時系列データ取得部1334は、第1の実施形態で説明した登録時系列データのうち、第1の登録時系列データ、及び、第3~第6の登録時系列データを取得する処理を行う。

【0085】
そして、本実施形態においては、登録部133の特徴点時系列データ記憶部1335は、登録時に、特徴点時系列データ取得部1334で取得した5つの登録時系列データ(例えば、第1の登録時系列データ、及び、第3~第6の登録時系列データ)を記憶メモリ1335aに記憶して登録する処理を行う。

【0086】
また、本実施形態においては、認証部134の特徴点時系列データ取得部1344は、認証時に、認証対象者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における上述した4つの認証特徴点について当該4つの認証特徴点のうちの異なる2組の認証特徴点間の距離に係る2つの認証口唇特徴のうちの前記1つの登録口唇特徴に対応する1つの認証口唇特徴(例えば、図8(a)~図8(c)に示す距離802(距離左右)に係る登録口唇特徴)と、上述した4つの認証特徴点により定まる菱形における4つの角度に係る4つの認証口唇特徴と、を合わせた5つの認証口唇特徴に係る5つの認証時系列データを取得する処理を行う。

【0087】
そして、本実施形態においては、認証部134の認証処理部1345は、認証時に、特徴点時系列データ取得部1344で取得した上述の5つの認証時系列データと記憶メモリ1335aに記憶されている上述の5つの登録時系列データとの差異度を算出し、当該差異度に基づいて認証対象者の認証処理を行う。この認証処理部1345による具体的な認証処理の内容は、上述した第1の実施形態における認証処理部1345による認証処理と同様である。

【0088】
第3の実施形態によれば、第1の実施形態における効果に加えて、認証精度の向上を実現することができる。

【0089】
なお、認証精度の向上を実現する観点から考えると、上述したように、4つの特徴点のうちの異なる2組の特徴点間の距離に係る2つの口唇特徴のうちの1つの口唇特徴と、当該4つの特徴点により定まる菱形における4つの角度に係る4つの口唇特徴と、を合わせた5つの口唇特徴に係る5つの時系列データを用いた認証処理を行うことが好適であるが、本実施形態においては、これに限定されるものではない。

【0090】
例えば、認証精度の向上を実現することは困難であるが、第3の実施形態として、図11を用いて説明した他の形態、即ち、上述した4つの特徴点のうちの異なる2組の特徴点間の距離に係る2つの口唇特徴と、当該4つの特徴点により定まる菱形における4つの角度に係る4つの口唇特徴のうちの3つの口唇特徴と、を合わせた5つの口唇特徴に係る5つの時系列データを用いた認証処理を行う形態を適用することも可能である。
この場合、登録部133の特徴点時系列データ取得部1334は、登録時に、認証登録者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における上述した4つの登録特徴点について当該4つの登録特徴点のうちの異なる2組の登録特徴点間の距離に係る2つの登録口唇特徴と、上述した4つの登録特徴点により定まる菱形における4つの角度に係る4つの登録口唇特徴のうちの3つの登録口唇特徴と、を合わせた5つの登録口唇特徴に係る5つの登録時系列データを取得する処理を行う形態を採る。
そして、登録部133の特徴点時系列データ記憶部1335は、登録時に、特徴点時系列データ取得部1334で取得した上述の5つの登録時系列データを記憶メモリ1335aに記憶して登録する処理を行う形態を採る。
また、認証部134の特徴点時系列データ取得部1344は、認証時に、認証対象者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における上述した4つの認証特徴点について当該4つの認証特徴点のうちの異なる2組の認証特徴点間の距離に係る2つの認証口唇特徴と、上述した4つの認証特徴点により定まる菱形における4つの角度に係る4つの認証口唇特徴のうちの前記3つの登録口唇特徴に対応する3つの認証口唇特徴と、を合わせた5つの認証口唇特徴に係る5つの認証時系列データを取得する処理を行う形態を採る。
そして、認証部134の認証処理部1345は、認証時に、特徴点時系列データ取得部1344で取得した上述の5つの認証時系列データと記憶メモリ1335aに記憶されている上述の5つの登録時系列データとの差異度を算出し、当該差異度に基づいて認証対象者の認証処理を行う形態を採る。

【0091】
(第4の実施形態)
上述した第1の実施形態では、登録時に、第1の登録時系列データ~第6の登録時系列データを記憶メモリ1335aに記憶して登録し、認証時に、第1の認証時系列データ~第6の認証時系列データを取得し、対応する時系列データごとに当該取得した認証時系列データと記憶メモリ1335aに記憶されている登録時系列データとの差異度を算出し、当該算出した各差異度に基づいて認証対象者の認証処理を行うものであった。即ち、上述した第1の実施形態では、6つの時系列データを用いて認証処理を行うものであった。

【0092】
そこで、本発明者は、6つの時系列データのうち、図8(a)~図8(c)に示す距離801及び802に関する時系列データのみを用いた場合、並びに、図8(c)に示す角度803~806に関する時系列データのみを用いた場合について、その認証精度の検証実験を行った。

【0093】
図12は、本発明の第4の実施形態を示し、距離に関する時系列データ及び角度に関する時系列データの6つの時系列データを用いた場合、距離に関する時系列データのみを用いた場合、及び、角度に関する時系列データのみを用いた場合の認証精度の検証実験の結果を示す図である。

【0094】
図12において、「なりすまし実験[1]」は、図11に示す実験と同様に、認証登録者の認証パスワードが他人に漏洩した場合を想定した検証実験である。そして、「なりすまし実験[1]」において、FARは、当該他人が認証登録者の認証パスワードを発声せずに口パク(リップシンク)した際の他人受入率(%)を示しており、また、FRRは、当該認証登録者の本人が自身の認証パスワードを発声せずに口パク(リップシンク)した際の本人拒否率(%)を示している。

【0095】
図12に示す「なりすまし実験[1]」において、上述した第1の実施形態における6つの時系列データを用いた場合の認証では、FARが2.85%、FRRが2.91の結果が得られた。
また、図12に示す「なりすまし実験[1]」において、上述した第1の実施形態における距離に関する時系列データ(図8(a)~図8(c)に示す距離801及び802に関する時系列データ)のみを用いた場合の認証では、FARが15.98%、FRRが14.56の結果が得られた。
また、図12に示す「なりすまし実験[1]」において、上述した第1の実施形態における角度に関する時系列データ(図8(c)に示す角度803~806に関する時系列データ)のみを用いた場合の認証では、FARが2.97%、FRRが2.91の結果が得られた。

【0096】
図12において、「なりすまし実験[2]」は、認証登録者の認証パスワードが他人に漏洩していない場合を想定した検証実験である。そして、「なりすまし実験[2]」において、FARは、当該他人が認証登録者の認証パスワードとは異なる認証パスワードを発声せずに口パク(リップシンク)した際の他人受入率(%)を示しており、また、FRRは、当該認証登録者の本人が自身の認証パスワードを発声せずに口パク(リップシンク)した際の本人拒否率(%)を示している。

【0097】
図12に示す「なりすまし実験[2]」において、上述した第1の実施形態における6つの時系列データを用いた場合の認証では、FARが2.42%、FRRが1.94の結果が得られた。
また、図12に示す「なりすまし実験[2]」において、上述した第1の実施形態における距離に関する時系列データ(図8(a)~図8(c)に示す距離801及び802に関する時系列データ)のみを用いた場合の認証では、FARが14.85%、FRRが15.53の結果が得られた。
また、図12に示す「なりすまし実験[2]」において、上述した第1の実施形態における角度に関する時系列データ(図8(c)に示す角度803~806に関する時系列データ)のみを用いた場合の認証では、FARが3.88%、FRRが3.88の結果が得られた。

【0098】
図12において、「本人パスワード忘却実験」は、認証登録者が自身の認証パスワードを忘れてしまった場合を想定した検証実験である。そして、「本人パスワード忘却実験」において、FARは、当該認証登録者が自身の認証パスワードとは異なる認証パスワードを発声せずに口パク(リップシンク)した際の受入率(%)を示しており、また、FRRは、当該認証登録者が自身の認証パスワードを発声せずに口パク(リップシンク)した際の拒否率(%)を示している。

【0099】
図12に示す「本人パスワード忘却実験」において、上述した第1の実施形態における6つの時系列データを用いた場合の認証では、FARが23.45%、FRRが23.30の結果が得られた。
また、図12に示す「本人パスワード忘却実験」において、上述した第1の実施形態における距離に関する時系列データ(図8(a)~図8(c)に示す距離801及び802に関する時系列データ)のみを用いた場合の認証では、FARが14.81%、FRRが21.35の結果が得られた。
また、図12に示す「本人パスワード忘却実験」において、上述した第1の実施形態における角度に関する時系列データ(図8(c)に示す角度803~806に関する時系列データ)のみを用いた場合の認証では、FARが29.63%、FRRが33.01の結果が得られた。

【0100】
図12に示す認証精度の検証実験の結果から、「なりすまし実験[1]」では、上述した第1の実施形態における6つの時系列データを用いた場合の認証精度が一番高い結果が得られた。
また、図12に示す認証精度の検証実験の結果から、「なりすまし実験[2]」では、上述した第1の実施形態における6つの時系列データを用いた場合の認証精度が一番高い結果が得られた。
また、図12に示す認証精度の検証実験の結果から、「本人パスワード忘却実験」では、上述した第1の実施形態における距離に関する時系列データのみを用いた場合の認証精度が一番高い結果が得られた。即ち、「本人パスワード忘却実験」では、上述した第1の実施形態における距離に関する時系列データのみを用いた場合の方が、上述した第1の実施形態における6つの時系列データを用いた場合よりも、認証精度が高い結果となった。

【0101】
このように、「本人パスワード忘却実験」では、上述した第1の実施形態における距離に関する時系列データのみを用いた場合の方が、上述した第1の実施形態における6つの時系列データを用いた場合よりも、認証精度が高い結果が得られたため、第4の実施形態に係る認証処理装置(更には認証処理方法)として、以下の形態を採用する。

【0102】
第4の実施形態に係る認証処理装置の外観は、図1に示す第1の実施形態に係る認証処理装置100の外観と同様とする態様を適用でき、また、図10-1や図10-2に示す第2の実施形態に係る認証処理装置の外観と同様とする態様も適用できる。

【0103】
また、第4の実施形態に係る認証処理装置の機能構成は、図1に示す第1の実施形態に係る認証処理装置100の機能構成と同様である。また、第4の実施形態に係る認証処理装置による認証処理方法の処理手順は、図3-1及び図3-2に示す第1の実施形態に係る認証処理装置100による認証処理方法の処理手順と同様である。
したがって、以下の説明では、第1の実施形態と異なる部分についてのみ説明を行う。

【0104】
具体的に、本実施形態においては、登録部133の特徴点時系列データ取得部1334は、登録時に、認証登録者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における上述した4つの登録特徴点について当該4つの登録特徴点のうちの異なる2組の登録特徴点間の距離に係る2つの登録口唇特徴(図8(a)~図8(c)に示す距離801(距離上下)及び距離802(距離左右)に係る登録口唇特徴)に係る2つの登録時系列データを取得する処理を行う。即ち、例えば、特徴点時系列データ取得部1334は、第1の実施形態で説明した登録時系列データのうち、第1の登録時系列データ及び第2の登録時系列データを取得する処理を行う。

【0105】
そして、本実施形態においては、登録部133の特徴点時系列データ記憶部1335は、登録時に、特徴点時系列データ取得部1334で取得した2つの登録時系列データ(第1の登録時系列データ及び第2の登録時系列データ)を記憶メモリ1335aに記憶して登録する処理を行う。

【0106】
また、本実施形態においては、認証部134の特徴点時系列データ取得部1344は、認証時に、認証対象者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における上述した4つの認証特徴点について当該4つの認証特徴点のうちの異なる2組の認証特徴点間の距離に係る2つの認証口唇特徴(図8(a)~図8(c)に示す距離801(距離上下)及び距離802(距離左右)に係る登録口唇特徴)に係る2つの認証時系列データを取得する処理を行う。

【0107】
そして、本実施形態においては、認証部134の認証処理部1345は、認証時に、特徴点時系列データ取得部1344で取得した上述の2つの認証時系列データと記憶メモリ1335aに記憶されている上述の2つの登録時系列データとの差異度を算出し、当該差異度に基づいて認証対象者の認証処理を行う。この認証処理部1345による具体的な認証処理の内容は、上述した第1の実施形態における認証処理部1345による認証処理と同様である。

【0108】
第4の実施形態によれば、第1の実施形態における効果に加えて、認証精度の向上を実現することができる。

【0109】
なお、認証精度の向上を実現する観点から考えると、上述したように、4つの特徴点のうちの異なる2組の特徴点間の距離に係る2つの口唇特徴に係る2つの時系列データを用いた認証処理を行うことが好適であるが、本実施形態においては、これに限定されるものではない。

【0110】
例えば、認証精度の向上を実現することは困難であるが、第4の実施形態として、図12を用いて説明した他の形態、即ち、上述した4つの特徴点により定まる菱形における4つの角度に係る4つの口唇特徴に係る4つの時系列データを用いた認証処理を行う形態を適用することも可能である。
この場合、登録部133の特徴点時系列データ取得部1334は、登録時に、認証登録者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における上述した4つの登録特徴点により定まる菱形における4つの角度に係る4つの登録口唇特徴に係る4つの登録時系列データを取得する処理を行う形態を採る。
そして、登録部133の特徴点時系列データ記憶部1335は、登録時に、特徴点時系列データ取得部1334で取得した上述の4つの登録時系列データを記憶メモリ1335aに記憶して登録する処理を行う形態を採る。
また、認証部134の特徴点時系列データ取得部1344は、認証時に、認証対象者が自身の認証パスワードを発声せずに口パクした際の口唇における上述した4つの認証特徴点により定まる菱形における4つの角度に係る4つの認証口唇特徴に係る4つの認証時系列データを取得する処理を行う形態を採る。
そして、認証部134の認証処理部1345は、認証時に、特徴点時系列データ取得部1344で取得した上述の4つの認証時系列データと記憶メモリ1335aに記憶されている上述の4つの登録時系列データとの差異度を算出し、当該差異度に基づいて認証対象者の認証処理を行う形態を採る。

【0111】
(その他の実施形態)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。
即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
このプログラム及び当該プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、本発明に含まれる。

【0112】
なお、上述した本発明の実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。即ち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0113】
100:認証処理装置、110:撮影装置、120:操作入力装置、130:情報処理装置、131:モード設定部、132:画像受信部、133:登録部、1331:口領域抽出部、1332:口唇傾き補正部、1333:特徴点配置部、1334:特徴点時系列データ取得部、1335:特徴点時系列データ記憶部、1335a:記憶メモリ、134:認証部、1341:口領域抽出部、1342:口唇傾き補正部、1343:特徴点配置部、1344:特徴点時系列データ取得部、1345:認証処理部、140:表示装置、150:電気錠装置、210:口唇
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3-1】
2
【図3-2】
3
【図4】
4
【図5】
5
【図6】
6
【図7】
7
【図8】
8
【図9】
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【図10-1】
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【図10-2】
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【図11】
12
【図12】
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