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明細書 :冷え状態の判別装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第6090825号 (P6090825)
公開番号 特開2014-033805 (P2014-033805A)
登録日 平成29年2月17日(2017.2.17)
発行日 平成29年3月8日(2017.3.8)
公開日 平成26年2月24日(2014.2.24)
発明の名称または考案の名称 冷え状態の判別装置
国際特許分類 A61B  10/00        (2006.01)
A61B   5/01        (2006.01)
A61B   5/026       (2006.01)
FI A61B 10/00 V
A61B 5/00 101D
A61B 5/02 800Z
請求項の数または発明の数 2
全頁数 12
出願番号 特願2012-176463 (P2012-176463)
出願日 平成24年8月8日(2012.8.8)
審査請求日 平成27年7月7日(2015.7.7)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000113470
【氏名又は名称】ポーラ化成工業株式会社
【識別番号】506158197
【氏名又は名称】公立大学法人 滋賀県立大学
発明者または考案者 【氏名】灘本 知憲
【氏名】森 紀之
【氏名】佐藤 綾
【氏名】中山 由子
【氏名】岡村 実咲
【氏名】安西 麻里子
【氏名】柴田 美帆
個別代理人の代理人 【識別番号】100137338、【弁理士】、【氏名又は名称】辻田 朋子
審査官 【審査官】福田 裕司
参考文献・文献 特開2006-247126(JP,A)
特開2007-204419(JP,A)
特開2009-066120(JP,A)
国際公開第2011/149025(WO,A1)
特開2012-051833(JP,A)
特開2005-111161(JP,A)
特開2011-087919(JP,A)
特開2003-095966(JP,A)
後山 尚久,冷え症の病態の臨床的解析と対応,医学のあゆみ,医歯薬出版株式会社,2005年12月10日,Vol.215,No.11,925~929頁
調査した分野 A61B 10/00
A61B 5/01
A61B 5/026
特許請求の範囲 【請求項1】
冷え自覚を有する対象者の身体の冷え状態を判別する冷え状態の判別装置であって、
対象者の自律神経活動度を算出する活動度算出部と、
自律神経活動度と、身体の冷え状態との相関関係を記憶する記憶部と、
対象者の身体の冷え状態を判別する判別部と、を備え、
前記判別部は、前記活動度算出部により算出した自律神経活動度を、前記記憶部に記憶された自律神経活動度と身体の冷え状態との相関関係に照合し、該対象者の冷え状態を判別することを特徴とし、
前記身体の冷え状態は、末梢部の冷えの状態であるか又は芯部の冷えの状態であるかの分類を含むことを特徴とする、冷え状態の判別装置。
【請求項2】
さらに、対象者の末梢の血流量を測定する血流量測定部を備え、
前記判別部は、末梢部の冷えの状態であると判別した場合に、前記末梢の血流量の測定値と照合し、該測定値が基準値より小さい場合に、該対象者の冷え状態が末梢部の冷えの状態であると確定する、請求項1に記載の冷え状態の判別装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、エステティックなどで利用される冷え状態の判別方法、冷え状態の判別装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
美容の分野において、顧客(対象者)の体調についてカウンセリングし、その結果を基に化粧料やサプリメント、エステティック施術等の種々の美容的手段を提案することが行われている。
このような問診における項目の一つに、冷え性に関するものがある。冷え性を自覚している人は、肌荒れ、だるさなどの副次的な症状を抱えていることが多い。
しかしながら、この冷え性は、疾患ではないため、診断の客観的な定義は存在せず、実際にどのような状態が起こっているのかはあいまいであった。
また、化粧品やサプリメント売り場の店頭やエステサロンなどで、問診のみに基づいて有効なカウンセリングを行うには高度な技術が必要であり、店員にとってストレスとなる場合があった。また、高度な技術を有しない店員によるカウンセリングでは、十分に顧客の状態を把握することができず、適切な商品提案ができず、高い顧客満足度を実現できないという問題があった。
【0003】
ところで、自律神経系である交感神経と副交感神経のバランスは生体の恒常性維持のために重要である。この自律神経系のバランスが低下することにより、体温調整のための指令が体の各器官にうまく伝わらず、冷え性を誘発することなどが指摘されている(特許文献1)。
【0004】
特許文献2には、利用者の自律神経のうち交感神経および副交感神経の優位状態を測定する自律神経状態測定部と、前記利用者に対して加温及び冷却の少なくとも一方の動作を実行する体温調整動作部と、前記自律神経状態測定部によって前記交感神経が優位であると測定されたときに前記体温調整動作部に前記動作を実行させる制御部とを備えていることを特徴とする体温調整システムが記載されている。
【先行技術文献】
【0005】

【特許文献1】特開平2009-67731号公報
【特許文献2】特開2011-83498号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、対象者の冷え状態を判別する技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、対象者の冷え状態を判別する技術を求めて鋭意研究努力を重ねた結果、冷え状態は、自律神経活動度によって説明できることを見いだした。
さらに、本発明者は、自律神経活動度と、体幹部(背や腹)の体表温度及び末梢部(手指や足指)の体表温度の差異との間に相関関係があることを見出し、体幹部(背や腹)の体表温度と末梢部(手指や足指)の体表温度の差異によっても、冷え状態を説明できることを見出した。
さらに、本発明者は、さらに、末梢部の血流量に基づいて、末梢部の冷え状態を判別することにより、より正確に冷え状態を説明できることを見出した。
そして、本発明者はこれらの知見に基づいて、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、以下のとおりである。
【0008】
上記課題を解決する本発明は、自律神経活動度又はその代替値と、冷え状態との相関関係に基づいて、対象者の自律神経活動度又はその代替値から、対象者の身体の冷え状態を判別することを特徴とする、冷え状態の判別方法である。
本発明の方法は、医療行為、及び非医療行為の両者を含みうるものである。非医療行為としては、例えば、肌改善、痩身など、美容を目的とした行為が挙げられる。
本発明の方法によれば、客観的に対象者の冷え状態を把握することが可能となる。
【0009】
本発明の好ましい形態では、前記代替値が、体幹部の体表温度と末梢部の体表温度の差異である。
これにより、体表温度の測定という簡単な操作により、冷え状態を判別することが可能となる。
【0010】
本発明の好ましい形態では、さらに、末梢部の血流量から、末梢部の冷え状態を判別することを含む。
末梢部の血流量と末梢部の冷え状態の因果関係は、従来指摘されている。従って、この判別を加えることにより、より正確に冷え状態を判別することができる。
【0011】
また、本発明は、上述した方法で冷え状態を判別し、その結果に基づいて、対象者に用いる冷え改善剤を選択、提案する方法を提供する。冷え改善剤は、本来的には医薬、サプリメント、化粧料などを含む。
【0012】
また、本発明は、対象者の自律神経活動度を算出する活動度算出部と、
対象者の身体の冷え状態を判別する判別部と、を備え、
前記判別部は、自律神経活動度と、冷え状態との相関関係に基づいて、対象者の自律神経活動度から、身体の冷え状態を判別することを特徴とする、冷え状態の判別装置である。
本発明の判別装置によれば、対象者の自律神経活動度から冷え状態を客観的に把握することが可能となる。
【0013】
また、本発明の好ましい形態では、さらに、対象者の末梢の血流量を測定する血流量測定部を備え、前記判別部は、対象者の末梢の血流量から、末梢の冷え状態を判別する。
本発明の判別装置によれば、対象者の冷え状態をより正確に把握することが可能となる。
【0014】
また、本発明は、対象者の体表温度を測定する体温測定部と、
対象者の身体の冷え状態を判別する判別部と、を備え、
前記判別部は、体幹部の体表温度と末梢部の体表温度の差異と冷え状態との相関関係に基づいて、対象者の体幹部の体表温度と末梢部の体表温度から、対象者の身体の冷え状態を判別することを特徴とする、冷え状態の判別装置である。
本発明の判別装置によれば、対象者の体表温度から冷え状態を客観的に把握することが可能となる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、対象者の自律神経活動度、又は体表温度を用いて、冷え状態を判別することができる。すなわち、本発明によれば、カウンセリングなどの場面における問診を簡素化したり、省略したりすることが可能になる。また、問診の補助的手段として用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】冷え群(冷え自覚ありの人)と、非冷え群(冷え自覚なしの人)の血流量を示すグラフである。
【図2】非冷え群と、冷え群[血流量大](芯部群)と、冷え群[血流量小](めぐり群)の血流量を示すグラフである。
【図3】非冷え群と、芯部群と、めぐり群の交感神経活動度を示すグラフである。
【図4】非冷え群と、芯部群と、めぐり群の副交感神経活動度を示すグラフである。
【図5】非冷え群と、芯部群と、めぐり群の交感神経活動度と副交感神経活動度の総和を示すグラフである。
【図6】非冷え群と、芯部群と、めぐり群の腹の体表温度を示すグラフである。
【図7】非冷え群と、芯部群と、めぐり群の背の体表温度を示すグラフである。
【図8】非冷え群と、芯部群と、めぐり群の手指の体表温度を示すグラフである。
【図9】非冷え群と、芯部群と、めぐり群の足指の体表温度を示すグラフである。
【図10】非冷え群と、芯部群と、めぐり群の腹の体表温度と手指の体表温度の差異を示すグラフである。
【図11】非冷え群と、芯部群と、めぐり群の背の体表温度と手指の体表温度の差異を示すグラフである。
【図12】非冷え群と、芯部群と、めぐり群の腹の体表温度と足指の体表温度の差異を示すグラフである。
【図13】非冷え群と、芯部群と、めぐり群の背の体表温度と足指の体表温度の差異を示すグラフである。
【図14】実施例1の判別装置を示す概略図である。
【図15】実施例1の判別装置を示す機能ブロック図である。
【図16】実施例1の判別方法の処理を示すフローチャートである。
【図17】実施例2の判別装置を示す機能ブロック図である。
【図18】実施例2の判別方法の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、自律神経活動度又はその代替値と、冷え状態との相関関係に基づいて、対象者の自律神経活動度又はその代替値から、対象者の身体の冷え状態を判別することを特徴とする、冷え状態の判別方法である。

【0018】
本発明にいう「冷えの状態」とは、冷えの自覚に関係する客観的な身体の状態を意味する。
冷えの状態は、少なくとも2つのカテゴリに分類することができる。たとえば、血液のめぐりが良好でないことに起因して、末梢部が冷えている「末梢冷え」と、それ以外の原因に関係する「芯部冷え」と、に分類することができる。なお、本明細書において、分類の概念を説明する便宜上「芯部冷え」、「芯部」という表現を用いているが、必ずしも体幹部の体温が低い状態を指しているわけではない。
すなわち、本発明の冷えの状態の判別方法の好ましい形態は、冷えを自覚している人の身体の状態が、従来「冷えの状態」を説明する指標として典型的に示されてきた末梢部の冷えの状態であるのか、それ以外の状態であるのかを分類するものである。また、言い換えれば、冷えの状態ではあるが血液のめぐりが悪い状態であるのか、よい状態であるのかを分類するものでもある。

【0019】
本発明に言う「自律神経活動度」とは、交感神経の活動度、副交感神経の活動度、又はこれらの総和である。交感神経の活動度と副交感神経の活動度、及びその総和は、心拍変動の時系列データから、それぞれ、呼吸変動に対応する高周波変動成分(HF成分)と血圧変動であるメイヤー波(Mayer wave)に対応する低周波成分(LF成分)を抽出することにより算出することができる。この算出方法は公知の方法を用いることができる。これらの算出は、市販のソフトウェアを用いて行うことができる。たとえば、心電図解析ソフトであるFluclet(大日本住友製薬株式会社製)を用いることができる。
また、「自律神経活動度の代替値」としては、自律神経活動度と相関のある値が挙げられ、体幹部の体表温度と末梢部の体表温度の差異が挙げられる。体幹部としては腹又は背が挙げられ、末梢部としては足指又は手指が挙げられる。
体表温度は、皮膚温測定装置を用いて測定することができる。たとえば、皮膚温測定装置である6ch THERMOMETER(バイオリサーチ株式会社製)、DETA COLLECTOR AM-8000K TYPEK -200~1370℃(安立計器株式会社製)を用いることができる。

【0020】
末梢の血流量は、生体組織表面に入射させたレーザー光の散乱光を検出し、その信号を解析することによって算出することができる。データの収集位置は、手首や足首等とすればよい。この測定及び算出には公知の方法を用いることができる。たとえば、半導体レーザー血流装置であるALF21D(株式会社ADVANCE製)を用いることができる。

【0021】
<試験>
以下、本発明の基礎となる知見を裏付ける各種試験結果を示す。
49人の女性パネラーに対し、専門家により、普段の生活において冷えを感じるか否かを問診してもらった。その結果、冷えを感じると回答した人は43人、冷えを感じないと回答した人は6人であった。
また、同じ女性パネラーに対し、以下の方法により各測定を行った。
<試験条件(環境)>
室温:24℃±0.5、湿度50%±10%
試験開始までのプロトコール:
1.3時間以上の絶食
2.上記の環境温度の前室にて25分間安静(この間にアンケート実施)
3.測定室に入室後、各種装置を取り付け後、15分間安静(その間自律・血流・体表温度は測定開始)にし、15分間測定を行った。そのうち最後の3分間に取得したデータを用いた。

【0022】
<使用装置とデータの取得方法>
1.自律神経活動度:
心電図計(AMPLIFIER CASE 三栄メディカルサポート株式会社)電極(ディスポ電極 M ビトロード M-150 日本光電株式会社)
心電図解析ソフト(Fluclet 大日本住友製薬株式会社)を用い、心拍変動をフーリエ変換した値につき、5秒ごとにデータを取得後、1分間平均として求めた。
2.体表温度:
皮膚温測定装置(6ch THERMOMETER バイオリサーチ(株)、DETA COLLECTOR AM-8000K TYPEK -200~1370℃ 安立計器(株))
お腹、背中、手指先、足指先、に装置を装着し、自動で体表温度を測定。1秒ごとにデータを取得後、1分間平均として求めた。
3.血流量:半導体レーザー血流装置(ALF21D(株)ADVANCE)
手首について、自動で体表温度を測定。1秒ごとにデータを取得後、1分間平均として求めた。

【0023】
図1~13に測定結果を示す。
図1は、問診で冷えを感じると回答した人の群(自覚あり)と、冷えを感じないと回答した人の群(自覚なし)の血流量の平均値を示すものである。
その結果、冷えの自覚がある人の群の血流量の平均値は、冷えの自覚がない人の群のそれより大きいことが判明した。

【0024】
ここで、各被験者個々の測定値を分析すると、冷え自覚ありの人でも血流量に個人差があることから、全被験者の血流量の平均値である11ml/min/100gを基準とし、この基準より血流量が大きい人と血流量が小さい人に群分けした。その結果、基準より血流量が大きい人は21人、反対に基準より血流量が小さい人は22人であった。これらの各群について血流量の平均を算出した。

【0025】
図2は、冷えを感じないと回答した人と、冷えを感じると回答した人のうち基準より血流量が大きい人と、冷えを感じると回答した人のうち基準より血流量が小さい人の血流量(平均値)を示すものである。
図2から分かるように、冷えを感じると回答した人の中には、冷えを感じないと回答した人の血流量よりも血流量が大きい人が多数いることが分かった。これより、冷えの自覚は、血流量のみでは説明しきれないことが判明した。
ここで、冷えを感じる人の中で、血流量が基準値より大きい人を末梢が冷えていないという意味で「芯部冷え」(「芯部」とも記載)、血流量が基準値より小さい人を末梢まで血液が十分にめぐっていないという意味で「めぐりが悪い」(「めぐり」とも記載)とカテゴライズした。

【0026】
続いて、各群について、交感神経の活動度、副交感神経の活動度の平均値を求めた。
図3~5は、非冷え群、芯部群、めぐり群の交感神経の活動度、副交感神経の活動度、これらの総和の各平均値を示すものである。
図3~5に示すように、交感神経の活動度、副交感神経の活動度、これらの総和のいずれにおいても、各群間で差異が見られた。上記いずれの自律神経活動度についても、めぐり群のほうが、芯部群よりも高かった。

【0027】
そのため、血流量が大きい人(芯部群)は、血流量が小さい人(めぐり群)に比して、交感神経の活動度、副交感神経の活動度、これらの総和のいずれにおいてもが小さい傾向にあることが判明した。また、非冷え群は、交感神経活動度については芯部群、めぐり群のそれより大きいものの、副交感神経活動度についてはめぐり群のそれよりも小さいことが分かった。
これより、交感神経の活動度、副交感神経の活動度、及びその総和から選ばれる自律神経活動度を指標とすることにより、非冷え群と、冷え群を分類することができ、さらに冷え群に関しても、血流量が比較的大きい人と、血流量が比較的小さい人を分類することができることが分かった。
すなわち、自律神経活動度を指標とすることにより、冷えの状態が、血流量が小さいことに起因するかどうかを判別することが可能である。
また、加えて従来知られている血流量の測定値を照合することにより、その判別を確実なものとすることもできる。

【0028】
続いて、各群について、体幹部(腹、背)、末梢部(手指、足指)の体表温度の平均値を算出した。また、各群について、体幹部と末梢部の体表温度の差異の平均値を算出した。
図6~9は、非冷え群、めぐり群、芯部群の各部位の体表温度の平均値を示すものである。
めぐり群は、非冷え群に比べて、比較的末梢部の体表温度が低い傾向にあり、これは従来の知見と矛盾しないものである。一方、体幹部の体表温度は、必ずしも非冷え群が高いというわけではなく、めぐり群が低いというわけでもなかった。従って、体表温度の絶対値を指標として、冷えの状態を十分に説明することはできないことが分かった。
また、図10~13は、非冷え群、めぐり群、芯部群の体幹部と末梢部の体表温度の差異の平均値を示すものである。
いずれの比較においても、体幹部と末梢部の体表温度の差異は、めぐり群、芯部群、非冷え群の順で大きいことが分かった。
これより、体幹部と末梢部の体表温度の差異を指標とすることにより、非冷え群と、冷え群を分類することができ、さらに冷え群に関しても、血流量が比較的大きい人と、血流量が比較的小さい人を分類することができることが分かった。

【0029】
以上の知見をもとにして完成した本発明を以下の実施例で、詳述する。
【実施例1】
【0030】
以下、本発明の実施例を図14~16を参照しながら説明する。
図14は、本発明の判別方法を実現するための判別装置1の概略図であり、図15はその機能ブロック図である。
判別装置1は、図14、15に示すように、心電図計2と、血流量測定装置3と、心電図計2及び血流量測定装置3に接続されるコンピュータ端末4と、を備える。
心電図計2は、測定データをコンピュータ端末4の入力部42に渡す。
血流量測定装置3は、測定データをコンピュータ端末4の入力部42に渡す。
コンピュータ端末4は、図15に示すように、CPU41、入力部42、記憶部43、ディスプレイ等の表示部44を有する。また、コンピュータ端末4は、活動度算出部45、判別部46、照合部47を有する。
CPU41は、中央演算処理装置である。
入力部42は、心電図計2及び血流量測定装置3により測定した測定データの入力を受け付ける。
記憶部43は、入力データ、算出データ、判別データなどを記憶するほか、自律神経活動度と冷え状態との相関関係を示す式又はモデルを記憶している。
表示部44は、判別結果を表示する。
【実施例1】
【0031】
活動度算出部45は、入力部42で受け付けた測定データから、フーリエ変換により自律神経活動度を算出する。
判別部46は、活動度算出部45で算出した自律神経活動度の算出値を記憶部43に記憶された式又はモデルに代入することにより、冷え状態を判別する。
照合部47は、判別部46で判別した冷え状態の判別結果を、血流量測定装置3により測定した測定データと照合する。
活動度算出部45、判別部46、照合部47は、専用プログラムによって実現され、専用プログラムがCPU31に解釈・実行されることによって機能する。
【実施例1】
【0032】
図16は、上記判別装置1における冷え状態の判別における処理を示すフローチャートである。
まず、入力部42が、心電図計2により測定した対象者の心拍変動データの入力を受け付ける(S1)。
続いて、入力部42が、血流量測定装置3により測定した対象者の血流量データの入力を受け付ける(S2)。
続いて、活動度算出部45が、入力を受け付けた心拍変動データをフーリエ変換することにより、自律神経活動度を算出する(S3)。
続いて、判別部46が、自律神経活動度を記憶部43に記憶された式又はモデルに代入する(S4)。
そして、判別部46が、対象者が冷えであるか否かを判別する(S51)。その結果、対象者が冷え状態にないと判別した場合は、判別結果を確定し(S6)、表示部44に判別結果を出力する(S7)。一方、対象者が冷え状態にあると判別した場合は、対象者の血液のめぐりが良いのか悪いのかを判別式から判別する(S52)。その結果、対象者の血液のめぐりが悪いと判別した場合は、上記の血流量データと照合しその一致を判断する(S53)。その結果一致であれば、血液のめぐりが悪いことによる冷えであるという判別結果を確定し(S6)、表示部44に、その判別結果を出力する(S7)。
一方、対象者の血液のめぐりが良いと判断した場合は、血液のめぐりが悪いことによらない冷えであるという判別結果を確定し(S6)、表示部44に、その判別結果を出力する(S7)。
また、上記で、血流量データと照合した結果が不一致であれば、心電図データ入力受付を行う(S1)。
【実施例2】
【0033】
以下、本発明の他の好ましい実施形態を、図17、18を参照しながら説明する。
図17は、本発明の判別方法を実現するための判別装置5の機能ブロック図である。
判別装置5は、図17に示すように、体表温度を測定するための体温測定部6と、体温測定部6に接続されるコンピュータ端末7とを備える。
体温測定部6は、サーモグラフィーであり、さまざまな部位の体表温度を一度に測定する。
体温測定部6は、測定データをコンピュータ端末7の入力部72に渡す。
コンピュータ端末7は、図17に示すように、CPU71、入力部72、記憶部73、表示部74を有する。また、コンピュータ端末7は、温度差算出部75、判別部76を有する。
CPU71は、中央演算処理装置である。
入力部72は、体温測定部6により測定した測定データの入力を受け付ける。
記憶部73は、入力データ、算出データなどを記憶するほか、体幹部と末梢部の体表温度の差異と、冷え状態との相関関係を示す式又はモデルを記憶している。
表示部74は、判別結果を表示する。
【実施例2】
【0034】
温度差算出部75は、入力部72で受け付けた様々な部位の測定データから、体幹部と末梢部の体表温度の差異を算出する。
判別部76は、温度差算出部75で算出した体幹部と末梢部の体表温度の差異の数値を記憶部73に記憶された式又はモデルに代入することにより、冷え状態を判別する。温度差算出部75、判別部76は、専用プログラムによって実現され、専用プログラムがCPU71に解釈・実行されることによって機能する。
【実施例2】
【0035】
図18は、上記判別装置4における冷え状態の判別における処理を示すフローチャートである。
まず、入力部71が、体表温度測定部5により測定した対象者の体表温度データの入力を受け付ける(S8)。
続いて、温度差算出部75が、入力を受け付けた各種体表温度データのうち、体幹部の体表温度から末梢部の体表温度を減算することにより、体幹部と末梢部の体表温度の差異を算出する(S9)。
続いて、判別部76が、体幹部と末梢部の体表温度の差異を記憶部73に記憶された式又はモデルに照合し(S10)、冷え状態を判別する(S11)。
続いて、表示部74に、冷え状態の判別結果を出力する(S12)。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は、冷え状態を客観的に評価するのに好適である。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
12
【図14】
13
【図15】
14
【図16】
15
【図17】
16
【図18】
17