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明細書 :リチウム二次電池活物質の製造方法、及びリチウム二次電池

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2014-135239 (P2014-135239A)
公開日 平成26年7月24日(2014.7.24)
発明の名称または考案の名称 リチウム二次電池活物質の製造方法、及びリチウム二次電池
国際特許分類 H01M   4/48        (2010.01)
H01M   4/36        (2006.01)
FI H01M 4/48
H01M 4/36 B
H01M 4/36 C
請求項の数または発明の数 7
出願形態 OL
全頁数 10
出願番号 特願2013-003754 (P2013-003754)
出願日 平成25年1月11日(2013.1.11)
発明者または考案者 【氏名】逢坂 哲彌
【氏名】門間 聰之
【氏名】横島 時彦
【氏名】奈良 洋希
出願人 【識別番号】899000068
【氏名又は名称】学校法人早稲田大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100076233、【弁理士】、【氏名又は名称】伊藤 進
【識別番号】100101661、【弁理士】、【氏名又は名称】長谷川 靖
【識別番号】100135932、【弁理士】、【氏名又は名称】篠浦 治
審査請求 未請求
テーマコード 5H050
Fターム 5H050AA07
5H050BA15
5H050CB02
5H050GA18
5H050GA24
5H050HA02
要約 【課題】 充放電サイクル特性の良いリチウム二次電池活物質12の製造方法を提供する。
【解決手段】 リチウム二次電池活物質12の製造方は、シリコンイオンと、カーボネート系溶媒と、を含む電気めっき液を用いて、Si-O-Cからなる活物質を成膜する電析工程と、リチウムイオンを含み、カーボネート系添加剤を含まない第1の前処理液を用いて、前記活物質を陰極として少なくとも充電を行う第1の前処理工程と、前記第1の前処理工程の後に、前記カーボネート系添加剤を含む第2の前処理液を用いて、前記活物質を陰極として、充放電を行う第2の前処理工程と、を具備する。
【選択図】図2
特許請求の範囲 【請求項1】
シリコンイオンと、カーボネート系溶媒と、を含む電気めっき液を用いて、Si-O-Cからなる活物質を成膜する電析工程と、
リチウムイオンを含み、カーボネート系添加剤を含まない第1の前処理液を用いて、前記活物質を陰極として少なくとも充電を行う第1の前処理工程と、
前記第1の前処理工程の後に、前記カーボネート系添加剤を含む第2の前処理液を用いて、前記活物質を陰極として、充放電を行う第2の前処理工程と、を具備することを特徴とするリチウム二次電池活物質の製造方法。
【請求項2】
前記カーボネート系溶媒が、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、又は、エチルメチルカーボネートから選ばれる1種以上であり、
前記カーボネート系添加剤が、フルオロエチレンカーボネート、又は、ビニレンカーボネートから選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1に記載のリチウム二次電池活物質の製造方法。
【請求項3】
前記第1の前処理液が、前記カーボネート系溶媒を含むことを特徴とする請求項2に記載のリチウム二次電池活物質の製造方法。
【請求項4】
前記第2の前処理工程が、リチウム二次電池の最初の充放電工程であることを特徴とする請求項3に記載のリチウム二次電池活物質の製造方法。
【請求項5】
前記第2の前処理工程の後に、前記カーボネート系添加剤を含まない電解液を用いて、リチウム二次電池の充放電が繰り返し行われることを特徴とする請求項3に記載のリチウム二次電池活物質の製造方法。
【請求項6】
前記Si-O-Cからなる活物質が、シリコンと酸素と10~70at%の炭素とを含有し、シリコンと酸素の組成比がSiOx(0.1≦X<2.0)であり、アモルファスかつ準安定相であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のリチウム二次電池活物質の製造方法。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のリチウム二次電池活物質の製造方法により製造された活物質を具備することを特徴とするリチウム二次電池。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコンを含有するリチウム二次電池活物質の製造方法、及び前記リチウム二次電池活物質を具備するリチウム二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電子機器等の電源としてリチウム二次電池が用いられている。一般的なリチウム二次電池では、負極の活物質として、黒鉛を代表とする炭素材料が用いられている。しかし、黒鉛からなる活物質では、リチウムがLiCの組成までしか挿入できず、理論エネルギー容量は372mAh/gである。
【0003】
シリコンを活物質とすると、負極活物質あたりの理論エネルギー容量が4200mAh/gとなり、大容量のリチウム二次電池が実現可能とされている。
【0004】
しかし、シリコンを活物質とする負極は、充放電するときに大きな体積変化を伴う。このため、活物質の脱落等が発生し、充放電を繰り返すと容量が低下するという問題があった。このため、活物質の第三金属との合金化、カーボン材料とのコンポジット化、薄膜化、多孔質化及び集電体の粗面化等が検討されている。
【0005】
発明者らは、特開2012-89267号公報及び特開2012-204195号公報において、シリコンと酸素と炭素とが均一に分散しており、シリコンと酸素の組成比がSiOx(0.1≦X<2.0)であり、アモルファスかつ準安定相のSi-O-Cからなる活物質を用いることで、充放電による容量変化が小さいリチウム二次電池が提供できることを開示している。この活物質は、シリコンイオン、酸素及び炭素を含有する電解液から、電気化学的成膜法により製造される。
【0006】
しかし、充放電サイクル特性のより良好なリチウム二次電池が求められていた。
【0007】
ここで、特開2005—116264号公報には、薄帯上にシリコンを電析することにより、リチウム二次電池の負極を製造する方法が開示されている。しかし、上記公報には、析出したSiが酸化してSiO或いはSiOに転化することを防止するように留意することが記載されている。すなわち酸化状態のシリコンを電析する発明は積極的に除外されている。
【0008】
また、特開2007-19027号公報には、エチレンカーボネート系化合物を含む有機溶媒を用いたリチウム二次電池において、エチレンカーボネート系化合物がシリコン負極の表面にSEI(Solid Electrolyte Interphase)層を形成することが開示されている。
【先行技術文献】
【0009】

【特許文献1】特開2012-89267号公報
【特許文献2】特開2012-204195号公報
【特許文献3】特開2005—116264号公報
【特許文献4】特開2007-19027号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、良好な充放電サイクル特性を示すリチウム二次電池活物質を製造できるリチウム二次電池活物質の製造方法、及び、前記活物質を具備するリチウム二次電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
実施形態のリチウム二次電池活物質の製造方法は、シリコンイオンと、カーボネート系溶媒と、を含む電気めっき液を用いて、Si-O-Cからなる活物質を成膜する電析工程と、リチウムイオンを含み、カーボネート系添加剤を含まない第1の前処理液を用いて、前記活物質を陰極として少なくとも充電を行う第1の前処理工程と、前記第1の前処理工程の後に、前記カーボネート系添加剤を含む第2の前処理液を用いて、前記活物質を陰極として、充放電を行う第2の前処理工程と、を具備する。
【0012】
また、別の実施形態のリチウム二次電池は、シリコンイオンと、カーボネート系溶媒と、を含む電気めっき液を用いて、Si-O-Cからなる活物質を成膜する電析工程と、リチウムイオンを含み、カーボネート系添加剤を含まない第1の前処理液を用いて、前記活物質を陰極として少なくとも充電を行う第1の前処理工程と、前記第1の前処理工程の後に、前記カーボネート系添加剤を含む第2の前処理液を用いて、前記活物質を陰極として、充放電を行う第2の前処理工程と、を具備する製造方法により製造された活物質を具備する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、良好な充放電サイクル特性を示すリチウム二次電池活物質を製造できるリチウム二次電池活物質の製造方法、及び、前記活物質を具備するリチウム二次電池を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施形態のリチウム二次電池の構成を説明するための断面図である。
【図2】第1実施形態の活物質の製造方法のフローチャートである。
【図3】実施形態の活物質の製造装置を説明するための模式図である。
【図4】実施形態の活物質を具備する電池等の充放電サイクル特性評価結果である。
【図5】第2実施形態の活物質の製造方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
最初に、実施形態の製造方法により製造されたリチウム二次電池活物質(以下「活物質」という)12を具備するリチウム二次電池(以下、「電池」という)10等について簡単に説明する。図1に示すように電池10は、例えば、集電体11上に形成された活物質12を有する負極13と、正極14と、負極13と正極14との間に配置されて貯留領域17を形成するセパレータ15と、貯留領域17中に充填される電解液16と、封止構造部18と、を有する。すなわち、電池10の基本構成要素は、負極13と、正極14と、電解液16と、である。

【0016】
次に、図2のフローチャートに沿って、実施形態の活物質12の製造方法について説明する。

【0017】
<ステップS11> 電析
図3に示すように、活物質12は、電気めっき液30を用いて電析を行うことで製造される。例えば電析装置20は、白金線23を陽極とし、銅箔22を陰極としている。銅箔22は集電体11であり、負極13の一部となる。

【0018】
参照電極21としては、Li/Li(TBAClO)を用いた。TBAは、Tetra Butyl Ammoniumの略号である。

【0019】
電気めっき液30は、シリコンイオンとカーボネート系溶媒とを含む。例えば、電気めっき液30は、0.5M/リットルのSiClと、0.5M/リットルのTBAClOと、プロピレンカーボネート(PC)と、からなる。SiClはシリコンイオン供給源であり、TBAClOは電解質イオン供給源であり、PCはカーボネート系溶媒である。

【0020】
なお、本発明では、カーボネート系化合物を、カーボネート系溶媒とカーボネート系添加剤とに明瞭に区別している。カーボネート系溶媒とカーボネート系添加剤とは類似しているが、陰極面への吸着能力に差がある。すなわち、カーボネート系溶媒も、カーボネート系添加剤と同じように、「-O-(C=O)-」構造を有するが、C、H、Oから構成されており、求核性及び求電子性が比較的小さい。これに対して、カーボネート系添加剤は、F等の極性原子による分極又は二重結合等による、求核性及び求電子性がある。

【0021】
例えば、PC、EC、ブチレンカーボネート(BC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジプロピルカーボネートがカーボネート系溶媒である。

【0022】
そして、例えば、フルオロエチレンカーボネート(FEC)に代表される含フッ素環状化合物又は含フッ素鎖状化合物、ビニレンカーボネート(VC)に代表される含多重結合化合物が、カーボネート系添加剤である。

【0023】
カーボネート系溶媒もカーボネート系添加剤も、共に陰極界面において、膜中へのO及びCの共析に寄与する。そして、カーボネート系溶媒、又は、カーボネート系添加剤の少なくともいずれかを含む電気めっき液から製造された活物質12は、アモルファスかつ準安定相のSi-O-Cからなる。このため、カーボネート系添加剤が、電気めっき液30に入っていてもよい。

【0024】
実施形態の活物質の製造方法では、電流密度I=1.0mA/cmにて2C(クーロン)/cmの通電電気量に制御し、活物質12を集電体11である、80μmの銅箔22上に成膜して負極13を製造した。

【0025】
エネルギー分散型蛍光X線分析装置(EDX)を用い、活物質12を構成する元素の面内分布(マッピング)を測定したところ、SiとOとCとが均一に分散していた。

【0026】
次に、X線回折(XRD)解析を行ったところ、Si(111)、Si(220)、Si(311)、Si(400)に相当するピークは確認されなかった。すなわち、活物質12はアモルファス(非晶質)であった。逆に言えば、本発明においてアモルファスとは、通常のXRD解析においてピークが確認されない状態を意味する。

【0027】
次に、X線光電子分光法(XPS:X-ray Photoelectron Spectroscopy)による活物質12の解析を行った。活物質12のSi 2p3/2の結合エネルギーは、Siであることを示す99.5eV又はSiOであることを示す103.5eVではなく、その間の101eV~103eVであった。

【0028】
Si 2p3/2の結合エネルギーが101eV~103eVのSi酸化物は、SiOである。SiOは、SiOのような安定相ではなく、非平衡状態の準安定相である。このため、SiOの構造等は不明であるが、活物質12に含有されているSiは、準安定相であることが判明した。

【0029】
なお、準安定相とは熱平衡状態では存在しない相のことであり、熱力学的には不安定ではあるが、何らかの条件が満たされれば暫定的に存在し得る相である。

【0030】
次に、活物質12のグロー放電発光分光分析(GDOES)による組成分析結果を以下に示す。なお、以下は、表面汚染及び集電体11の影響が少ない、活物質12の表面から深さ1μmの場所の値である。

【0031】
Si : 35.6at%
O : 45.9at%
C : 18.5at%
O/Si=1.29

【0032】
以上のXPSおよびGDOESによる解析結果が示すように、活物質12のSi/Oは、SiOx(X=1.29)の状態であった。なお、より厳密には、活物質12は大量の炭素を含有していることから、「Si-Ox-C(X=1.29、Y:未測定)の状態である。

【0033】
活物質12の中の炭素は、活物質12のアモルファス化及び準安定相化に寄与している。

【0034】
すなわち、活物質12は、活物質粉末+導電助剤+バインダ、コアシェル構造、又はμmオーダーレベルのマトリック構造等のバルク的混合物ではなく、原子レベル又はnmオーダーレベルのマトリック構造を有する準安定相のアモルファスである。

【0035】
<ステップS12> 第1の前処理
第1の前処理では、リチウムイオンを含み、カーボネート系添加剤を含まない第1の前処理液を用いて、電析により形成された活物質12を陰極として、少なくとも充電が行われる。

【0036】
第1の前処理液を用いて充電処理されると、活物質12のSiOx(X≦2.0)のシリコンは、リチウムと反応し合金化する。リチウム合金化した活物質12は、シリコンと、酸素と、炭素と、リチウムと、を含有し、リチウムは酸化状態である。

【0037】
なお、第1の前処理液は、カーボネート系溶媒を含むことが好ましい。これは、適度なO、Cの混入反応により、充放電による容量変化がより小さくなるためである。

【0038】
第1の前処理には、電析装置20と同様の三極式セルを用いた。作用極は負極13を用い、対極はLi箔を用い、参照電極は、Li/Liを用い、電解液は、1M LiClO/EC:PC(1:1 vol%)を用いた。

【0039】
なお、第1の前処理において、充電の後に放電を行ってもよい。

【0040】
<ステップS13> 第2の前処理(電池の充放電)
第1の前処理工程の後に、カーボネート系添加剤を含む第2の前処理液を用いて、活物質12を陰極として、充放電を行う第2の前処理工程が行われる。なお、第1の前処理が、充電処理だけの場合には、放電の後に充電が行われる。

【0041】
カーボネート系添加剤を含む第2の前処理液を用いた第2の前処理により、リチウム合金化した活物質12の表面に、強固なSEI層が形成される。

【0042】
本実施形態においては、第2の前処理液が電解液16の場合であるため、第2の前処理は電池10の最初の充電と見なすことができる。

【0043】
電池10の充放電サイクル特性を評価するには、電析装置20と同様の三極式セルを用いた。作用極は負極13を用い、対極はLi箔を用い、参照電極は、Li/Li(TBAClO)を用い、電解液は、カーボネート系添加剤を含む、1M LiClO/EC:PC(1:1 vol%)を用いた。

【0044】
なお、電気めっき液30、前処理液1、前処理液2、電解液16は、ジメトキシエタン(DME)、ジエトキシエタン(DEE)、アセトニトリル、プロピルニトリル、エチルエーテル、ジメチルスルホキシド、又はメチルピロリドン等の非水溶媒を含んでいても良い。

【0045】
定電流充放電試験(サイクル試験)は、50μA/cm、0.01V~1.2Vの電位範囲で行った。

【0046】
なお、「カーボネート系添加剤を含む電解液16にてリチウム合金化を行う」、すなわち、「カーボネート系添加剤を含まない第1の前処理液による第1の前処理を行わない」、比較例の電池(活物質)についても、試作/評価を行った。

【0047】
(A)第1の前処理あり、電解液16に1vol%のFEC
(B)第1の前処理あり、電解液16に1vol%のVC
(C)第1の前処理なし、電解液16に1vol%のFEC
(D)第1の前処理なし、電解液16に1vol%のVC

【0048】
図4から、第1の前処理を行う本実施形態の効果は明らかである。

【0049】
第1の前処理において、カーボネート系添加剤を含む第1の前処理液を用いた場合、言い換えれば、第1の前処理なしの場合には、最初の充電において、カーボネート系添加剤の分解による多量のO、Cの混入反応が発生するため、リチウム合金化が阻害されたり、表面性が劣化したりするため、特性が悪いと推察される。

【0050】
これに対して、リチウム合金化を行う第1の前処理においてはO、Cの混入反応を抑制し、リチウム合金化された活物質12の表面にカーボネート系添加剤を含む第2の前処理液を用いた第2の前処理を行う、実施形態の製造方法は良好な充放電サイクル特性を示す電池10が製造できる。

【0051】
更に、種々の条件で試作及び充放電サイクル試験を行ったところ、以下の結果を得た。なお、複数回の試作を行い、良好な充放電サイクル特性を示すリチウム二次電池が製造できることを基準に判定を行った。

【0052】
第2の前処理液のカーボネート系添加剤の添加量は、0.001~10vol%の範囲で一定の効果が得られ、特に好ましくは、0.1~5vol%の範囲であった。また、溶媒としてPCを、カーボネート系添加剤としてFECを、含む第2の前処理液が最も良い特性を示した。

【0053】
また、リチウム合金化前の活物質12の炭素量は、10~70at%の範囲で、シリコンと酸素の組成比は、SiOx(0.1≦X<2.0)の範囲のとき、一定の効果が得られた。前記組成の活物質12は、アモルファスかつ準安定相であった。

【0054】
<第2実施形態>
次に第2実施形態のリチウム二次電池活物質の製造方法及びリチウム二次電池10Aについて説明する。本実施形態の製造方法等は、第1実施形態の製造方法等と類似しているので同じ構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。

【0055】
図5のフローチャートに示す、本実施形態の製造方法の電析工程(S21)及び第1の前処理工程(S22)は、すでに説明した第1実施形態のS11及びS12と同じである。

【0056】
そして、本実施形態では、第2の前処理(S23)の後に、電池の充放電(S24)が行われる。すなわち、第2の前処理液と電解液16とが異なる。S23で使用する第2の前処理液はカーボネート系添加剤を含むが、S24で使用する電解液16はカーボネート系添加剤を含まない。

【0057】
第2実施形態の製造方法で製造された活物質を具備する電池10Aは、電池10よりもやや劣るものの、良好な充放電サイクル試験結果が得られた。

【0058】
以上の説明のように、本発明においては、Si-O-C電析活物質のリチウム合金化処理(第1の前処理)を、カーボネート系添加剤を含まない第1の前処理液で行う。その後、カーボネート系添加剤を含む第2の前処理液又は電解液にて充電を行う。

【0059】
従来の製造方法においては、最初の充放電と2回目以降の充放電とを同じ溶液で行っていた。これに対して本発明では、リチウム合金化工程である最初の充電をカーボネート系添加剤を含まない溶液で行い、その後、より安定なSEI層を形成するためにカーボネート系添加剤を含む溶液で充放電を行う。

【0060】
このため、良好な充放電サイクル特性を示すリチウム二次電池活物質を製造できるリチウム二次電池活物質の製造方法、及び、前記活物質を具備するリチウム二次電池を提供できる。

【0061】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。
【符号の説明】
【0062】
10、10A…リチウム二次電池
11…集電体
12…リチウム二次電池活物質
13…負極
14…正極
15…セパレータ
16…電解液
17…貯留領域
18…封止構造部
20…電析装置
21…参照電極
22…銅箔
23…白金線
30…電気めっき液
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4