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明細書 :蛍光体及び蛍光体の製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2015-093919 (P2015-093919A)
公開日 平成27年5月18日(2015.5.18)
発明の名称または考案の名称 蛍光体及び蛍光体の製造方法
国際特許分類 C09K  11/59        (2006.01)
C09K  11/08        (2006.01)
FI C09K 11/59
C09K 11/08 B
請求項の数または発明の数 13
出願形態 OL
全頁数 13
出願番号 特願2013-233936 (P2013-233936)
出願日 平成25年11月12日(2013.11.12)
発明者または考案者 【氏名】小嶋 芳行
出願人 【識別番号】899000057
【氏名又は名称】学校法人日本大学
個別代理人の代理人 【識別番号】230100022、【弁護士】、【氏名又は名称】山田 勝重
【識別番号】100084319、【弁理士】、【氏名又は名称】山田 智重
審査請求 未請求
テーマコード 4H001
Fターム 4H001CA04
4H001CF02
4H001XA08
4H001XA14
4H001XA20
4H001YA58
4H001YA67
4H001YA70
要約 【課題】赤の範囲で強度の高い発光を可能とする蛍光体、及びその製造方法を提供することを目的としている。
【解決手段】メタケイ酸ナトリウム水溶液に対し、Yb3+、Ho3+を付活剤として添加した塩化カルシウム混合水溶液を混合し、合成してなる。メタケイ酸ナトリウム水溶液に対し、Yb3+、Ho3+を付活剤として添加した塩化カルシウム混合水溶液を混合する混合工程と、前記混合工程で得られた水溶液をろ過して水和物を得るろ過工程と、前記ろ過工程で得られた水和物を焼成して蛍光体を得る焼成工程とを備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
メタケイ酸ナトリウム水溶液に対し、Yb3+、Ho3+を付活剤として添加した塩化カルシウム混合水溶液を混合し、合成してなることを特徴とする蛍光体。
【請求項2】
付活剤として、さらにCe3+を添加した塩化カルシウム混合水溶液を混合し、合成してなることを特徴とする請求項1に記載の蛍光体。
【請求項3】
Yb3+を、Yb/Caの原子比が0.04~0.06となるように添加し、合成してなることを特徴とする請求項1に記載の蛍光体。
【請求項4】
Ho3+を、Ho/Caの原子比が0.0001~0.003となるように添加し、合成してなることを特徴とする請求項1に記載の蛍光体。
【請求項5】
Ce3+を、Ce/Caの原子比が0.005~0.02となるように添加し、合成してなることを特徴とする請求項2に記載の蛍光体。
【請求項6】
メタケイ酸ナトリウム水溶液に対し、Yb3+、Ho3+を付活剤として添加した塩化カルシウム混合水溶液を混合する混合工程と、
前記混合工程で得られた水溶液をろ過して水和物を得るろ過工程と、
前記ろ過工程で得られた水和物を焼成して蛍光体を得る焼成工程と
を備えることを特徴とする蛍光体の製造方法。
【請求項7】
混合工程において、付活剤としてさらにCe3+添加し、塩化カルシウム混合水溶液を混合することを特徴とする請求項6に記載の蛍光体の製造方法。
【請求項8】
Yb3+を、Yb/Caの原子比が0.04~0.06となるように添加して、前記蛍光体を合成することを特徴とする請求項6に記載の蛍光体の製造方法。
【請求項9】
Ho3+を、Ho/Caの原子比が0.0001~0.003となるように添加して、前記蛍光体を合成することを特徴とする請求項6に記載の蛍光体の製造方法。
【請求項10】
Ce3+を、Ce/Caの原子比が0.005~0.02となるように添加して、前記蛍光体を合成することを特徴とする請求項7に記載の蛍光体の製造方法。
【請求項11】
前記焼成工程における焼成温度は770°Cから860°Cであることを特徴とする請求項6から請求項10のいずれか1項に記載の蛍光体の製造方法。
【請求項12】
前記焼成工程における焼成時間は15分から60分であることを特徴とする請求項6から請求項11のいずれか1項に記載の蛍光体の製造方法。
【請求項13】
前記焼成工程は、大気中又はAr-Hの雰囲気下で行うことを特徴とする請求項6から請求項12のいずれか1項に記載の蛍光体の製造方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な蛍光体とその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、主付活剤に対し、一種類または複数種類の共付活剤を添加し、目的の蛍光色で発光する蛍光体を製造する方法が知られ、その中でケイ酸マグネシウムやケイ酸カルシウムに対して様々な元素の共付活剤を添加し、目的色の発光が得られる蛍光体を製造する方法が試みられている。
【0003】
本願発明者においても、例えば下記特許文献1で示すようにアルミン酸を固溶してなるケイ酸マグネシウムに対し、Eu3+(ユウロピウム)を付活剤として添加し、緑色から赤色の範囲において任意の色彩において発光することを可能とする新規な蛍光体とその製造方法に関する提案を行ったところである。
【先行技術文献】
【0004】

【特許文献1】特開2013-6920号公報
【0005】
ところで本願の発明者は、こうしたケイ酸マグネシウムやケイ酸カルシウムを主付活剤とし、これに様々な付活剤を添加し、目的色の発光が得るべく原料物質を焼成して新規な蛍光体の製造を試みている中、主付活剤としてのケイ酸カルシウムの焼成温度が高すぎると生成される蛍光体が非晶質から結晶質に変化し、いわゆる濃度消光が生じて発光強度が低下する現象を確認した。逆に焼成温度や時間を適度に抑えるよう調整することで、ある波長において極めて発光強度が高く、良好な蛍光体が製造できることが確認され、本発明に係る提案を行うところである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
すなわち本発明は、赤の範囲で強度の高い発光を可能とする蛍光体、及びその製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の蛍光体のうち、請求項1に係るものは、メタケイ酸ナトリウム水溶液に対し、Yb3+、Ho3+を付活剤として添加した塩化カルシウム混合水溶液を混合し、合成してなる蛍光体である。
【0008】
本発明の蛍光体のうち、請求項2に係るものは、付活剤として、さらにCe3+を添加した塩化カルシウム混合水溶液を混合し、合成してなる蛍光体である。
【0009】
本発明の蛍光体のうち、請求項3に係るものは、Yb3+を、Yb/Caの原子比が0.04~0.06となるように添加し、合成してなる蛍光体である。
【0010】
本発明の蛍光体のうち、請求項4に係るものは、Ho3+を、Ho/Caの原子比が0.0001~0.003となるように添加し、合成してなる蛍光体である。
【0011】
本発明の蛍光体のうち、請求項5に係るものは、Ce3+を、Ce/Caの原子比が0.005~0.02となるように添加し、合成してなる蛍光体である。
【0012】
また本発明の請求項6は、メタケイ酸ナトリウム水溶液に対し、Yb3+、Ho3+を付活剤として添加した塩化カルシウム混合水溶液を混合する混合工程と、 前記混合工程で得られた水溶液をろ過して水和物を得るろ過工程と、前記ろ過工程で得られた水和物を焼成して蛍光体を得る焼成工程とを備えることを特徴とする蛍光体の製造方法である。
【0013】
本発明の蛍光体の製造方法のうち、請求項7に係るものは、混合工程において、付活剤としてさらにCe3+添加し、塩化カルシウム混合水溶液を混合することとした蛍光体の製造方法である。
【0014】
本発明の蛍光体の製造方法のうち、請求項8に係るものは、Yb3+を、Yb/Caの原子比が0.04~0.06となるように添加して、蛍光体を合成する蛍光体の製造方法である。
【0015】
本発明の蛍光体の製造方法のうち、請求項9に係るものは、Ho3+を、Ho/Caの原子比が0.0001~0.003となるように添加して、蛍光体を合成する蛍光体の製造方法である。
【0016】
本発明の蛍光体の製造方法のうち、請求項10に係るものは、Ce3+を、Ce/Caの原子比が0.005~0.02となるように添加して、蛍光体を合成する蛍光体の製造方法である。
【0017】
本発明の蛍光体の製造方法のうち、請求項11に係るものは、焼成工程における焼成温度が770°Cから860°Cである蛍光体の製造方法である。
【0018】
本発明の蛍光体の製造方法のうち、請求項12に係るものは、焼成工程における焼成時間が15分から60分である蛍光体の製造方法である。
【0019】
本発明の蛍光体の製造方法のうち、請求項13に係るものは、焼成工程を大気中又はAr-Hの雰囲気下で行う蛍光体の製造方法である。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、赤の範囲で強度の高い発光を可能とする蛍光体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態に係る蛍光体の製造の流れを示すフロー図である。
【図2】実施例1のYb3+Ho3+共付活ケイ酸カルシウム蛍光体において、Ho/Ca原子比変化により得られた各蛍光体のX線回折図である。
【図3】Ho/Ca原子比変化により得られた図2に示す蛍光体の励起・発光スペクトルを示すグラフである。
【図4】実施例1の蛍光体における発光強度に及ぼすHo/Ca原子比変化の影響を示すグラフである。
【図5】実施例2のYb3+Ho3+共付活ケイ酸カルシウム蛍光体において、Yb/Ca原子比変化により得られた各蛍光体のX線回折図である。
【図6】Yb/Ca原子比変化により得られた図5に示す蛍光体の励起・発光スペクトルを示すグラフである。
【図7】実施例2の蛍光体における発光強度に及ぼすYb/Ca原子比変化の影響を示すグラフである。
【図8】実施例3のHo3+Ce3+共付活ケイ酸カルシウム蛍光体において、Ce/Ca原子比変化により得られた各蛍光体のX線回折図である。
【図9】Ce/Ca原子比変化により得られた図8に示す蛍光体の励起・発光スペクトルを示すグラフである。
【図10】実施例3の蛍光体における発光強度に及ぼすCe/Ca原子比変化の影響を示すグラフである。
【図11】実施例4のHo3+Ce3+共付活ケイ酸カルシウム蛍光体において、焼成温度変化により得られた各蛍光体のX線回折図である。
【図12】焼成温度変化により得られた図11に示す蛍光体の励起・発光スペクトルを示すグラフである。
【図13】実施例4の蛍光体における発光強度に及ぼす焼成温度変化の影響を示すグラフである。
【図14】実施例5のYb3+Ho3+Ce3+共付活ケイ酸カルシウム蛍光体において、焼成時間変化により得られた各蛍光体のX線回折図である。
【図15】焼成時間変化により得られた図14に示す蛍光体の励起・発光スペクトルを示すグラフである。
【図16】実施例5の蛍光体における発光強度に及ぼす焼成時間変化の影響を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、本発明の実施形態に係る蛍光体の製造の流れを示すフロー図である。本発明の実施形態に係る蛍光体は、混合工程、ろ過工程、及び焼成工程を順に実行することによって合成する。

【0023】
混合工程においては、メタケイ酸ナトリウム水溶液に対し、Yb3+、Ho3+、さらにCe3+を付活剤として添加した塩化カルシウム混合水溶液を混合する。
メタケイ酸ナトリウム水溶液は、二酸化ケイ素を炭酸ナトリウム又は水酸化ナトリウムと融解させることによって作製する。作製は、例えば0.5時間撹拌することによって行う(図1のステップS1)。
塩化カルシウム混合水溶液は、塩化カルシウム水溶液に付活剤を添加してから、例えば0.5時間撹拌することによって作製する(ステップS2)。塩化カルシウム混合水溶液において、Yb3+は、Yb/Caの原子比が0.04~0.06となるように添加し、Ho3+は、Ho/Caの原子比が0.0001~0.003となるように添加し、Ce3+は、Ce/Caの原子比が0.005~0.02となるように添加する。
メタケイ酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム混合水溶液の混合は、例えば、室温で0.5時間撹拌することによって行う(ステップS3)。メタケイ酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム混合水溶液は、(Yb3++Ho3++Ce3++Ca3+)/Siの原子比が1.0となるような量を混合する。

【0024】
ろ過工程では、上記混合工程で得られた水溶液をろ過することによって、Yb3+、Ho3+、Ce3+共付活ケイ酸カルシウム水和物を得る(ステップS4、S5)。
焼成工程では、ろ過工程で得られた水和物を焼成して蛍光体を得る(ステップS6、S7)。焼成は、焼成温度が770°Cから860°C、焼成時間が15分から60分、Ar-Hの雰囲気下で行うことが好ましい。焼成は大気中で行っても良い。

【0025】
以下、上記実施形態の実施例について説明する。
(実施例1)
図2は、実施例1のYb3+Ho3+共付活ケイ酸カルシウム蛍光体において、Ho/Ca原子比変化により得られた各蛍光体のX線回折図である。図3は、Ho/Ca原子比変化により得られた図2に示す蛍光体の励起・発光スペクトルを示すグラフである。図4は、実施例1の蛍光体における発光強度に及ぼすHo/Ca原子比変化の影響を示すグラフである。図3及び図4の縦軸は任意単位である。

【0026】
実施例1では、図1に示す各工程において以下の条件で蛍光体の合成を行った。
(1)混合工程:
原子比Yb/Caが0.05となるように、塩化カルシウム水溶液に対して、付活剤として塩化イッテルビウムを添加した。また、塩化カルシウム水溶液に対して、付活剤として塩化ホルミウムを添加した。塩化ホルミウムの添加量により、原子比Ho/Caが0.0001、0.0003、0.0004、0.0005、0.0007、0.001、0.003となる7つの試料を作製した。
(2)ろ過工程では、Yb3+、Ho3+共付活ケイ酸カルシウム水和物としてβ-ウォラストナイトを得た。
(3)焼成工程:以下の条件で焼成を行った。
焼成雰囲気(加熱雰囲気):Air(大気)
焼成温度(加熱温度):830°C
焼成時間:0.5時間

【0027】
スペクトルの測定においては、蛍光体に対して励起波長λex=980nmの励起光を照射し、分光器のスリット幅(バンド幅)を5nmに設定した。
この結果、図3に示すように、波長546nmの緑色光のほかに波長659nmの赤色光が観測された。この赤色光は緑色光よりも発光強度が非常に高くなっている。波長659nmの赤色光は、図4に示すように、原子比Ho/Caが0.0003、0.0004、0.0005、0.0007、0.001のときに発光強度が特に高く、0.0005のときが発光強度のピークである。

【0028】
(実施例2)
図5は、実施例2のYb3+Ho3+共付活ケイ酸カルシウム蛍光体において、Yb/Ca原子比変化により得られた各蛍光体のX線回折図である。図6は、Yb/Ca原子比変化により得られた図5に示す蛍光体の励起・発光スペクトルを示すグラフである。図7は、実施例2の蛍光体における発光強度に及ぼすYb/Ca原子比変化の影響を示すグラフである。図6及び図7の縦軸は任意単位である。

【0029】
実施例2においても、図1に示す各工程において以下の条件で蛍光体の合成を行った。
(1)混合工程:
原子比Ho/Caが0.0005となるように、塩化カルシウム水溶液に対して、付活剤として塩化ホルミウムを添加した。また、塩化カルシウム水溶液に対して、付活剤として塩化イッテルビウムを添加した。塩化イッテルビウムの添加量により、原子比Yb/Caが0.04、0.05、0.06となる3つの試料を作製した。
(2)ろ過工程では、Yb3+、Ho3+共付活ケイ酸カルシウム水和物としてβ-ウォラストナイトを得た。
(3)焼成工程:以下の条件で焼成を行った。
焼成雰囲気(加熱雰囲気):Air(大気)
焼成温度(加熱温度):830°C
焼成時間:0.5時間

【0030】
スペクトルの測定においては、蛍光体に対して励起波長λex=980nmの励起光を照射し、分光器のスリット幅(バンド幅)を5nmに設定した。
この結果、図6に示すように、波長546nmの緑色光のほかに波長659nmの赤色光が観測された。この赤色光は緑色光よりも発光強度が非常に高くなっている。図7に示すように、波長659nmの赤色光は、原子比Yb/Caが0.05のときが発光強度のピークである。

【0031】
(実施例3)
図8は、実施例3のHo3+Ce3+共付活ケイ酸カルシウム蛍光体において、Ce/Ca原子比変化により得られた各蛍光体のX線回折図である。図9は、Ce/Ca原子比変化により得られた図8に示す蛍光体の励起・発光スペクトルを示すグラフである。図10は、実施例3の蛍光体における発光強度に及ぼすCe/Ca原子比変化の影響を示すグラフである。図9及び図10の縦軸は任意単位である。

【0032】
実施例3においても、図1に示す各工程において以下の条件で蛍光体の合成を行った。
(1)混合工程:
原子比Yb/Caが0.05、Ho/Caが0.0005となるように、塩化カルシウム水溶液に対して、付活剤として塩化イッテルビウムと塩化ホルミウムを添加した。また、塩化カルシウム水溶液に対して、付活剤として塩化セリウムを添加した。塩化セリウムの添加量により、原子比Ce/Caが0.005、0.010、0.015、0.020となる4つの試料を作製した。
(2)ろ過工程では、Yb3+、Ho3+、Ce3+共付活ケイ酸カルシウム水和物としてβ-ウォラストナイトを得た。
(3)焼成工程:以下の条件で焼成を行った。
焼成雰囲気(加熱雰囲気):Ar-H
焼成温度(加熱温度):830°C
焼成時間:0.5時間

【0033】
スペクトルの測定においては、蛍光体に対して励起波長λex=980nmの励起光を照射し、分光器のスリット幅(バンド幅)を2.5nmに設定した。
この結果、図9に示すように、波長546nmの緑色光のほかに波長659nmの赤色光が観測された。この赤色光は緑色光よりも発光強度が非常に高くなっている。図10に示すように、波長659nmの赤色光は、原子比Ce/Caが0.010のときが発光強度のピークである。

【0034】
(実施例4)
図11は、実施例4のHo3+Ce3+共付活ケイ酸カルシウム蛍光体において、焼成温度変化により得られた各蛍光体のX線回折図である。図12は、焼成温度変化により得られた図11に示す蛍光体の励起・発光スペクトルを示すグラフである。図13は、実施例4の蛍光体における発光強度に及ぼす焼成温度変化の影響を示すグラフである。図12及び図13の縦軸は任意単位である。

【0035】
実施例4においても、図1に示す各工程において以下の条件で蛍光体の合成を行った。
(1)混合工程:
原子比Yb/Caが0.05、Ho/Caが0.0005、Ce/Caが0.01となるように、塩化カルシウム水溶液に対して、付活剤として塩化イッテルビウム、塩化ホルミウム、及び塩化セリウムを添加した。
(2)ろ過工程では、Yb3+、Ho3+、Ce3+共付活ケイ酸カルシウム水和物としてβ-ウォラストナイトを得た。
(3)焼成工程:以下の4つの条件で焼成を行った。
焼成雰囲気(加熱雰囲気):Ar-H
焼成温度(加熱温度):770°C、800°C、830°C、860°C、
焼成時間:0.5時間

【0036】
スペクトルの測定においては、蛍光体に対して励起波長λex=980nmの励起光を照射し、分光器のスリット幅(バンド幅)を2.5nmに設定した。
この結果、図12に示すように、波長546nmの緑色光のほかに波長659nmの赤色光が観測された。この赤色光は緑色光よりも発光強度が非常に高くなっている。図13に示すように、波長659nmの赤色光は、焼成温度が830°Cのときが発光強度のピークである。

【0037】
(実施例5)
図14は、実施例5のYb3+Ho3+Ce3+共付活ケイ酸カルシウム蛍光体において、焼成時間変化により得られた各蛍光体のX線回折図である。図15は、焼成時間変化により得られた図14に示す蛍光体の励起・発光スペクトルを示すグラフである。図16は、実施例5の蛍光体における発光強度に及ぼす焼成時間変化の影響を示すグラフである。図15及び図16の縦軸は任意単位である。

【0038】
実施例5においても、図1に示す各工程において以下の条件で蛍光体の合成を行った。
(1)混合工程:
原子比Yb/Caが0.05、Ho/Caが0.0005、Ce/Caが0.01となるように、塩化カルシウム水溶液に対して、付活剤として塩化イッテルビウム、塩化ホルミウム、及び塩化セリウムを添加した。
(2)ろ過工程では、Yb3+、Ho3+、Ce3+共付活ケイ酸カルシウム水和物としてβ-ウォラストナイトを得た。
(3)焼成工程:以下の3つの条件で焼成を行った。
焼成雰囲気(加熱雰囲気):Ar-H
焼成温度(加熱温度):830°C
焼成時間:15分、30分、60分

【0039】
スペクトルの測定においては、蛍光体に対して励起波長λex=980nmの励起光を照射し、分光器のスリット幅(バンド幅)を2.5nmに設定した。
この結果、図15に示すように、波長546nmの緑色光のほかに波長659nmの赤色光が観測された。この赤色光は緑色光よりも発光強度が非常に高くなっている。図16に示すように、波長659nmの赤色光は、焼成時間が30分(0.5時間)のときが発光強度のピークである。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明に係る蛍光体及びその製造方法により得られる蛍光体は、メタケイ酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム混合水溶液を混合して得られるケイ酸カルシウム水和物を母体とするものであり、この構成によって安定な酸化物を母体とした蛍光体での赤色発光が可能となる。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
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【図13】
12
【図14】
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【図15】
14
【図16】
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