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明細書 :低周波発振回路

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2015-109597 (P2015-109597A)
公開日 平成27年6月11日(2015.6.11)
発明の名称または考案の名称 低周波発振回路
国際特許分類 H03K   3/353       (2006.01)
FI H03K 3/353 F
請求項の数または発明の数 6
出願形態 OL
全頁数 18
出願番号 特願2013-252334 (P2013-252334)
出願日 平成25年12月5日(2013.12.5)
発明者または考案者 【氏名】佐伯 勝敏
出願人 【識別番号】899000057
【氏名又は名称】学校法人日本大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100064908、【弁理士】、【氏名又は名称】志賀 正武
【識別番号】100126882、【弁理士】、【氏名又は名称】五十嵐 光永
【識別番号】100175824、【弁理士】、【氏名又は名称】小林 淳一
審査請求 未請求
要約 【課題】集積回路内に形成することができる低周波発振回路を提供することを目的とする。
【解決手段】低周波発振回路は、電流が供給されることで自励発振を行う自励発振回路と、自励発振回路から供給される信号に応じて発振が励起される第1の他励発振回路と、を備え、第1の他励発振回路は、発振信号の大きさに応じて、自励発振回路に供給される電流を抑制し、自励発振回路は、第1の他励発振回路によって電流が抑制される結果、当該自励発振回路が単体で自励発振を行うときより低い周波数の自励発振を行う。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
電流が供給されることで自励発振を行う自励発振回路と、
前記自励発振回路から供給される信号に応じて発振が励起される第1の他励発振回路と、
を備え、
前記第1の他励発振回路は、
発振信号の大きさに応じて、前記自励発振回路に供給される前記電流を抑制し、
前記自励発振回路は、
前記第1の他励発振回路によって前記電流が抑制される結果、当該自励発振回路が単体で自励発振を行うときより低い周波数の自励発振を行う
ことを特徴とする低周波発振回路。
【請求項2】
さらに、第2~第n(nは、2以上の整数)の他励発振回路を備え、
前記第i(iは、2以上n以下の整数)の他励発振回路は、
前記第(i-1)の他励発振回路から供給される信号によって発振が励起され、
前記自励発振回路は、
前記第1~前記第nの他励発振回路によって前記電流が抑制される結果、当該自励発振回路が単体で自励発振を行うときより低い周波数の自励発振を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の低周波発振回路。
【請求項3】
前記自励発振回路は、
自励発振が励起される基準となる第1の基準電圧源を備え、
前記他励発振回路は、
発振が励起される基準となる第2の基準電圧源として、前記第1の基準電圧源より低い電圧値の電圧源を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の低周波発振回路。
【請求項4】
前記自励発振回路は、
当該自励発振回路によって自励発振された信号を、第1の所定電圧に基づいて積分する第1の積分回路を備え、
前記他励発振回路は、
当該他励発振回路によって発振された信号を、第2の所定電圧に基づいて積分する第2の積分回路を備え、
当該低周波発振回路の発振周波数は、
前記第1の所定電圧及び前記第2の所定電圧の電圧値に基づいて決定する
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の低周波発振回路。
【請求項5】
前記自励発振回路は、
前記第1の積分回路によって蓄積された電荷の総量が所定の値になったタイミングで、当該自励発振回路に接続されている前記他励発振回路に前記電流を供給し、
前記他励発振回路は、
前記第2の積分回路によって蓄積された電荷の総量が所定の値になったタイミングで、発振信号の大きさに応じて、前記自励発振回路に供給される前記電流を抑制する
ことを特徴とする請求項4に記載の低周波発振回路。
【請求項6】
前記第1の積分回路は、第1のコンデンサを備え、
前記第2の積分回路は、第2のコンデンサを備え、
自低周波発振回路の発振周波数は、
前記第1のコンデンサの容量及び前記第2のコンデンサの容量に基づいて決定する
ことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の低周波発振回路。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、低周波発振回路に関する。
【背景技術】
【0002】
発振回路で発振された信号のパルス幅をパルス幅拡大回路が拡大することで、発振回路で発振されたパルス信号より周波数の低いパルス信号を生成する回路が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、一般的な発振回路として、コンデンサと抵抗によるCR発振回路、コイルとコンデンサによるLC同調発振回路などが知られている。このような発振回路を用いて、低周波の信号を発振させるには、一般的に容量の大きなコンデンサが必要である。
【0004】
近年、システムに用いられる集積回路には、小型化、消費電力の低減が求められている。このような要求に応えるため、集積回路の微細化が行われている。例えば、アナログ集積回路の内部に形成できる容量は、約50[fF]~数100[pF]程度である(例えば、非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【0005】

【特許文献1】特開平5-308269
【0006】

【非特許文献1】“第4章 CMOS-IC 上の抵抗とコンデンサ(キャパシタ)”、[online]、有限会社アナロジスト、[平成25年11月28日検索]、インターネット<www.analogist.co.jp/TG/chapter4.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の技術では、集積回路内に形成できるコンデンサの容量が限られているため、集積回路内に低周波発振回路を形成することが困難であるという課題があった。
【0008】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、集積回路内に形成することができる低周波発振回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る低周波発振回路は、電流が供給されることで自励発振を行う自励発振回路と、前記自励発振回路から供給される信号に応じて発振が励起される第1の他励発振回路と、を備え、前記第1の他励発振回路は、発振信号の大きさに応じて、前記自励発振回路に供給される前記電流を抑制し、前記自励発振回路は、前記第1の他励発振回路によって前記電流が抑制される結果、当該自励発振回路が単体で自励発振を行うときより低い周波数の自励発振を行うことを特徴としている。
【0010】
また、本発明の一態様に係る低周波発振回路は、さらに、第2~第n(nは、2以上の整数)の他励発振回路を備え、前記第i(iは、2以上n以下の整数)の他励発振回路は、前記第(i-1)の他励発振回路から供給される信号によって発振が励起され、前記自励発振回路は、前記第1~前記第nの他励発振回路によって前記電流が抑制される結果、当該自励発振回路が単体で自励発振を行うときより低い周波数の自励発振を行うようにしてもよい。
【0011】
また、本発明の一態様に係る低周波発振回路であって、前記自励発振回路は、自励発振が励起される基準となる第1の基準電圧源を備え、前記他励発振回路は、発振が励起される基準となる第2の基準電圧源として、前記第1の基準電圧源より低い電圧値の電圧源を備えるようにしてもよい。
【0012】
また、本発明の一態様に係る低周波発振回路であって、前記自励発振回路は、当該自励発振回路によって自励発振された信号を、第1の所定電圧に基づいて積分する第1の積分回路を備え、前記他励発振回路は、当該他励発振回路によって発振された信号を、第2の所定電圧に基づいて積分する第2の積分回路を備え、当該低周波発振回路の発振周波数は、前記第1の所定電圧及び前記第2の所定電圧の電圧値に基づいて決定するようにしてもよい。
【0013】
また、本発明の一態様に係る低周波発振回路であって、前記自励発振回路は、前記第1の積分回路によって蓄積された電荷の総量が所定の値になったタイミングで、当該自励発振回路に接続されている前記他励発振回路に前記電流を供給し、前記他励発振回路は、前記第2の積分回路によって蓄積された電荷の総量が所定の値になったタイミングで、発振信号の大きさに応じて、前記自励発振回路に供給される前記電流を抑制するようにしてもよい。
【0014】
また、本発明の一態様に係る低周波発振回路であって、前記第1の積分回路は、第1のコンデンサを備え、前記第2の積分回路は、第2のコンデンサを備え、自低周波発振回路の発振周波数は、前記第1のコンデンサの容量及び前記第2のコンデンサの容量に基づいて決定するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の低周波発振回路によれば、集積回路内に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本実施形態に係る低周波発振回路の構成を説明する図である。
【図2】本実施形態に係る低周波発振回路の回路図である。
【図3】本実施形態に係る自励発振回路の回路図である。
【図4】本実施形態に係る第1の他励発振回路の回路図である。
【図5】本実施形態に係る第3の他励発振回路の回路図である。
【図6】本実施形態に係る自励発振回路の発振状態の遷移を説明する図である。
【図7】本実施形態に係る自励発振回路の発振状態の遷移を説明する図である。
【図8】本実施形態に係る自励発振回路の発振状態の遷移を説明する図である。
【図9】本実施形態に係る自励発振回路の発振状態の遷移を説明する図である。
【図10】本実施形態に係る自励発振回路を単体で発振させた場合の波形図である。
【図11】本実施形態に係る低周波発振回路の設定の一例を説明する図である。
【図12】図11の設定時の自励発振回路の出力波形図である。
【図13】図11の設定時の第1の他励発振回路の出力波形図である。
【図14】図11の設定時の第2の他励発振回路の出力波形図である。
【図15】図11の設定時の第3の他励発振回路の出力波形図である。
【図16】図2の低周波発振回路1が積分回路のコンデンサCsnを有しない場合の発振周波数の例を説明する図である。
【図17】図2の低周波発振回路1が積分回路のコンデンサCsnを有する場合の発振周波数の例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る低周波発振回路1の構成を説明する図である。
図1に示すように、低周波発振回路1は、1個の自励発振回路10と第1の他励発振回路20-1~第n(nは1以上の整数)の他励発振回路20-nを備えている。なお、第1の他励発振回路20-1~第nの他励発振回路20-nのうち、特に限定しない場合は、単に他励発振回路20という。図1に示した例では、他励発振回路20が3個の例を示しているが、他励発振回路20は1個以上であればよい。
図1において、矢印と白丸との組み合わせは、矢印の始点から矢尻に向けて電流が供給されることを表している。また、図1において、破線の矢印と黒丸との組み合わせは、破線の矢印の始点から矢尻に向けての電流の供給を抑制することを表している。なお、自励発振回路10及び他励発振回路20は、例えば電流入力、電圧出力の回路である。

【0018】
自励発振回路10は、発振を行うために必要な第1の基準電圧源VAを備えている。また、自励発振回路10には、外部の電圧源VDDから電力が供給される。また、自励発振回路10には、外部の電流源から電流が供給される。自励発振回路10は、第1の基準電圧源VAを用いて、自励発振を開始し、発振した信号に応じた電力を符号31が示す矢印と白丸のように第1の他励発振回路20-1に供給する。

【0019】
第1の他励発振回路20-1~第nの他励発振回路20-nそれぞれは、発振を行うために必要な第2の基準電圧源VASを備えている。
第1の他励発振回路20-1には、符号31が示す矢印と白丸のように、自励発振回路10から電力が供給される。ここで、第1の他励発振回路20-1~第nの他励発振回路20-nそれぞれが備える第2の基準電圧源VASの電圧値は、第1の基準電圧源VAの電圧値より低く設定される。この構成によって、第1の他励発振回路20-1は、自励発振回路10から供給される電力によって、発振が励起される。また、第1の他励発振回路20-1は、符号32が示す矢印と白丸のように、発振した信号に応じた電力を第2の他励発振回路20-2に供給する。さらに、第1の他励発振回路20-1は、発振した信号に応じて、符号41が示す破線の矢印と黒丸のように、自励発振回路10に供給される電力を抑制し(引き抜くともいう)、これにより自励発振回路10による発振を抑制している。

【0020】
第2の他励発振回路20-2には、符号32が示す矢印と白丸のように、第1の他励発振回路20-1から電力が供給される。これにより、第2の他励発振回路20-2は、第1の他励発振回路20-1から供給される電力によって、発振が励起される。また、第2の他励発振回路20-2は、符号33が示す矢印と白丸のように、発振した信号に応じた電力を第3の他励発振回路20-3に供給する。さらに、第2の他励発振回路20-2は、発振した信号に応じて、符号42が示す破線の矢印と黒丸のように、自励発振回路10に供給される電力を抑制し、これにより自励発振回路10による発振を抑制している。

【0021】
第3の他励発振回路20-3には、符号33が示す矢印と白丸のように、第2の他励発振回路20-2から電力が供給される。これにより、第3の他励発振回路20-3は、第2の他励発振回路20-2から供給される電力によって、発振が励起される。また、第3の他励発振回路20-3は、発振した信号に応じて、符号43が示す破線の矢印と黒丸のように、自励発振回路10に供給される電力を抑制し、これにより自励発振回路10による発振を抑制している。また、第3の他励発振回路20-3は、発生した発振信号を外部に出力する。

【0022】
以上のように、自励発振回路10が自励発振を開始すると、自励発振回路10から第1の他励発振回路20-1に供給される電力に基づいて、第1の他励発振回路20-1~第nの他励発振回路20-nが励起され発振が同時に開始される。また、自励発振回路10に供給される電流は、第1の他励発振回路20-1~第nの他励発振回路20-nによって抑制される。この結果、自励発振回路10は、第1の他励発振回路20-1~第nの他励発振回路20-nが接続されずに、単体で発振を行ったときと比較して、後述するように、発生する信号のレベルが小さくなり、さらに周期が長くなる。単体で発振を行ったときと比較して、周期が長くなることによって発生する周波数が低くなる。

【0023】
なお、自励発振回路10は、第1の他励発振回路20-1~第nの他励発振回路20-nによって供給される電流が、他励発振回路20の個数に応じて減少する。このため、第3の他励発振回路20-3から出力される信号の周波数は、自励発振回路10に接続される他励発振回路20の個数に応じて低くなる。

【0024】
次に、低周波発振回路1の具体的な回路構成の一例を説明する。
図2は、本実施形態に係る低周波発振回路1の回路図である。なお、図2に示す例は、他励発振回路20が3個の場合である。
図2に示すように、低周波発振回路1は、自励発振回路10、第1の他励発振回路20-1~第3の他励発振回路20-3を備えている。また、低周波発振回路1には、電流源40から電流が供給される。また、低周波発振回路1は、電圧源VDDに接続される。

【0025】
次に、回路間の接続、回路内の接続について、図2~図5を用いて説明する。
まず、自励発振回路10について説明する。
図3は、本実施形態に係る自励発振回路10の回路図である。図3に示すように、自励発振回路10は、発振部101、積分回路102、及び電流供給部103を備えている。

【0026】
発振部101は、電流源40から供給される電流、第1の基準電圧源VAの電圧、各スイッチング素子Mc10~Mc13のセルの大きさ、コンデンサCg1及びCm1の容量に応じた周波数の信号を発振させ、発振させた信号を積分回路102に出力する。なお、電流源40から供給される電流値は、第1の他励発振回路20-1~第3の他励発振回路20-3によって電流値が抑制される。

【0027】
発振部101は、スイッチング素子Mc10~スイッチング素子Mc13、コンデンサCg1、コンデンサCm1、及び第1の基準電圧源VAを備えている。スイッチング素子Mc10及びMc13は、例えばNチャネルMOSFET(電界効果トランジスタ)である。スイッチング素子Mc11及びMc12は、例えばPチャネルMOSFETである。

【0028】
スイッチング素子Mc10のゲートは、スイッチング素子Mc12のドレインとコンデンサCg1の一端とに接続され、ソースは、スイッチング素子Mc11のソースに接続される。スイッチング素子Mc10のドレインは、スイッチング素子Mc12のソースと第1の基準電圧源VAの正極とスイッチング素子Mc13のゲートとに接続され、バックゲートは、接地される。

【0029】
スイッチング素子Mc11のゲートは、接地され、ドレインは、スイッチング素子Mc13のドレインとコンデンサCg1の他端とコンデンサCm1の一端と積分回路102におけるスイッチング素子Ms10のゲートとに接続される。スイッチング素子Mc11のドレインとスイッチング素子Mc13のドレインとコンデンサCg1の他端とコンデンサCm1の一端とスイッチング素子Ms10のゲートとの交点aは、第1の他励発振回路20-1~第3の他励発振回路20-3のスイッチング素子Mi2~Mi4(図2)に接続され、電流源40から電流が供給される。また、スイッチング素子Mc11のバックゲートには、電源VDDから電力が供給される。

【0030】
コンデンサCm1の他端は、接地される。
スイッチング素子Mc12のゲートは、接地され、バックゲートには、電源VDDから電力が供給される。
スイッチング素子Mc13のソースは、接地される。
第1の基準電圧源VAの負極は、接地される。

【0031】
積分回路102は、電源VDDから供給された電力を、発振部101から出力される電圧値と入力される周波数調整電圧VINTとに応じて積分し、積分した信号を電流供給部103に出力する。

【0032】
積分回路102は、スイッチング素子Ms10~Ms13、及びコンデンサCs1を備えている。スイッチング素子Ms10及びMs13は、例えばNチャネルMOSFETである。スイッチング素子Ms11及びMs12は、例えばPチャネルMOSFETである。なお、スイッチング素子Ms11及びMs12は、カレントミラー回路を構成している。

【0033】
スイッチング素子Ms10のゲートは、発振部101の交点aに接続され、ドレインは、スイッチング素子Ms11のドレインとスイッチング素子Ms11及びMs12のゲートとに接続され、ソースは、接地される。
スイッチング素子Ms11のソースには、電源VDDから電力が供給される。

【0034】
スイッチング素子Ms12のソースには、電源VDDから電力が供給され、ドレインは、スイッチング素子Ms13のドレインとコンデンサCs1の一端と電流供給部103におけるスイッチング素子Me10のゲートとに接続される。
スイッチング素子Ms13のソースは、接地され、ゲートは、周波数調整電圧VINTが供給される。
コンデンサCs1の他端は、接地される。

【0035】
電流供給部103は、発振部101によって発振された信号に応じた電力を第1の他励発振回路20-1に供給する。電流供給部103は、スイッチング素子Me10~Me12を備える。スイッチング素子Me10は、例えばNチャネルMOSFETである。スイッチング素子Me11及びMe12は、例えばPチャネルMOSFETである。なお、スイッチング素子Me11及びMe12は、カレントミラー回路を構成している。

【0036】
スイッチング素子Me10のゲートは、積分回路102の出力が接続され、ドレインは、スイッチング素子Me11のドレインとスイッチング素子Me11及びMe12のゲートとに接続され、ソースは接地される。
スイッチング素子Me11のソースには、電源VDDから電力が供給される。
スイッチング素子Me12のソースには、電源VDDから電力が供給され、ドレインは、第1の他励発振回路20-1に接続される。

【0037】
次に、第1の他励発振回路20-1について説明する。
図4は、本実施形態に係る第1の他励発振回路20-1の回路図である。図4に示すように、第1の他励発振回路20-1は、発振部201、積分回路202、電流供給部203、及び電流引抜部204を備えている。

【0038】
発振部201は、スイッチング素子Mc20~スイッチング素子Mc23、コンデンサCg2、コンデンサCm2、及び第2の基準電圧源VASを備えている。スイッチング素子Mc20及びMc23は、例えばNチャネルMOSFETである。スイッチング素子Mc21及びMc22は、例えばPチャネルMOSFETである。

【0039】
スイッチング素子Mc20のゲートは、スイッチング素子Mc22のドレインとコンデンサCg2の一端とに接続され、ソースは、スイッチング素子Mc21のソースに接続される。スイッチング素子Mc20のドレインは、スイッチング素子Mc22のソースと第2の基準電圧源VASの正極とスイッチング素子Mc23のゲートとに接続され、バックゲートは、接地される。
スイッチング素子Mc21のゲートは、接地され、ドレインは、スイッチング素子Mc23のドレインとコンデンサCg2の他端とコンデンサCm2の一端と積分回路202におけるスイッチング素子Ms20のゲートとに接続される。スイッチング素子Mc21のドレインとスイッチング素子Mc23のドレインとコンデンサCg2の他端とコンデンサCm2の一端とスイッチング素子Ms20のゲートとの交点a2には、自励発振回路10から電流が供給される。また、スイッチング素子Mc21のバックゲートには、電源VDDから電力が供給される。

【0040】
コンデンサCm2の他端は、接地される。
スイッチング素子Mc22のゲートは、接地され、バックゲートには、電源VDDから電力が供給される。
スイッチング素子Mc23のソースは、接地される。
第2の基準電圧源VASの負極は、接地される。

【0041】
積分回路202は、スイッチング素子Ms20~Ms23、及びコンデンサCs2を備えている。スイッチング素子Ms20及びMs23は、例えばNチャネルMOSFETである。スイッチング素子Ms21及びMs22は、例えばPチャネルMOSFETである。

【0042】
スイッチング素子Ms20のゲートは、発振部201の交点a2に接続され、ドレインは、スイッチング素子Ms21のドレインとスイッチング素子Ms21及びMs22のゲートとに接続され、ソースは、接地される。
スイッチング素子Ms21のソースには、電源VDDから電力が供給される。
スイッチング素子Ms22のソースには、電源VDDから電力が供給され、ドレインは、スイッチング素子Ms23のドレインとコンデンサCs2の一端と電流供給部203におけるスイッチング素子Me20のゲートと電流引抜部204におけるスイッチング素子Mi2のゲートに接続される。
スイッチング素子Ms23のソースは、接地され、ゲートは、周波数調整電圧VINTが供給される。
コンデンサCs2の他端は、接地される。

【0043】
電流供給部203は、スイッチング素子Me20~Me22を備える。スイッチング素子Me20は、例えばNチャネルMOSFETである。スイッチング素子Me21及びMe22は、例えばPチャネルMOSFETである。
電流供給部203における素子間の接続は、電流供給部103における素子間の接続と同じである。スイッチング素子Me20~Me22は、スイッチング素子Me10~Me12に対応する。

【0044】
電流引抜部204は、自励発振回路10に電流源40から供給される電流を、積分回路202に応じて制御されるスイッチング素子Mi2によって抑制する(引き抜く)。
電流引抜部204は、スイッチング素子Mi2を備える。スイッチング素子Mi2は、例えばNチャネルMOSFETである。
スイッチング素子Mi2のゲートは、積分回路202におけるスイッチング素子Ms22のドレインとスイッチング素子Ms23のドレインとコンデンサCs2の一端と電流供給部203におけるスイッチング素子Me20のゲートとに接続される。スイッチング素子Mi2のドレインには、電流源40から電流が供給され、さらに自励発振回路10、及び第2の他励発振回路20-2~第3の他励発振回路20-3に接続される。スイッチング素子Mi2のソースは、接地される。

【0045】
次に、第2の他励発振回路20-2における素子間の接続は、第1の他励発振回路20-1と同じである。図2に示すように、第2の他励発振回路20-2は、発振部211、積分回路212、電流供給部213、及び電流引抜部214を備えている。
図2のように、スイッチング素子Mc30~スイッチング素子Mc33は、スイッチング素子Mc20~スイッチング素子Mc23に対応する。コンデンサCg3は、コンデンサCg2に対応し、コンデンサCm3は、コンデンサCm2に対応する。スイッチング素子Mc33のドレインとコンデンサCg3の他端とスイッチング素子Mc31のドレインとコンデンサCm3の一端との交点a3には、第1の他励発振回路20-1から電流が供給される。
また、スイッチング素子Ms30~Ms33は、スイッチング素子Ms20~Ms23に対応し、コンデンサCs3は、コンデンサCs2に対応する。スイッチング素子Me30~Me32は、スイッチング素子Me20~Me22に対応し、スイッチング素子Mi3は、スイッチング素子Mi2に対応する。

【0046】
次に、第3の他励発振回路20-3について説明する。
図5は、本実施形態に係る第3の他励発振回路20-3の回路図である。図5に示すように、第3の他励発振回路20-3は、発振部221、積分回路222、及び電流引抜部224を備えている。

【0047】
発振部221における素子間の接続は、第1の他励発振回路20-1の発振部201と同じである。スイッチング素子Mc40~スイッチング素子Mc43は、スイッチング素子Mc20~スイッチング素子Mc23に対応する。コンデンサCg4は、コンデンサCg2に対応し、コンデンサCm4は、コンデンサCm2に対応する。スイッチング素子Mc43のドレインとコンデンサCg4の他端とスイッチング素子Mc41のドレインとコンデンサCm4の一端との交点a4には、第2の他励発振回路20-2から電流が供給される。

【0048】
積分回路222における素子間の接続は、第1の他励発振回路20-1の積分回路202と同じである。スイッチング素子Ms40~Ms43は、スイッチング素子Ms20~Ms23に対応し、コンデンサCs4は、コンデンサCs2に対応する。

【0049】
電流引抜部224は、スイッチング素子Mi4を備える。スイッチング素子Mi4は、例えばNチャネルMOSFETである。
スイッチング素子Mi4のゲートは、積分回路222におけるスイッチング素子Ms42のドレインとスイッチング素子Ms43のドレインとコンデンサCs4の一端とに接続される。スイッチング素子Mi4のドレインには、電流源40から電流が供給され、さらに自励発振回路10、及び第1の他励発振回路20-1~第2の他励発振回路20-2に接続される。スイッチング素子Mi4のソースは、接地される。

【0050】
なお、上述した各回路において、スイッチング素子Mc10、Mc11、Mc20、Mc21、Mc30、Mc31、Mc40、Mc41以外の各スイッチング素子のソースとドレインとは、逆であってもよい。

【0051】
次に、低周波発振回路1の動作について、図6~図9を用いて説明する。
図6~図9は、本実施形態に係る自励発振回路10の発振状態の遷移を説明する図である。なお、図6~図9において、符号y1~y6が示す鎖線、一点鎖線、二点鎖線は、電流が流れる経路を表している。

【0052】
自励発振回路10の発振部101は、第1の基準電圧源VAの電圧値に応じて、自励発振が開始される。発振が始まると、初期状態において、Mc13のドレインとソースと間の電圧が0であり、このとき,Mc13に電流は流れず、図6の符号y1が示す一点鎖線のように、第1の基準電圧源VAから、スイッチング素子Mc12、コンデンサCg1を介してコンデンサCm1の向きに電流が流れる。
次に、第1の基準電圧源VAから、スイッチング素子Mc12、コンデンサCg1を介してCm1へ流れていた電流により、Cm1に電荷が蓄積される。そして、コンデンサCm1の両端に、ある程度の電位差が生じると、Mc13のドレインとソースと間の電圧が0でなくなるため、図7の符号y2が示す一点鎖線のようにスイッチング素子Mc13を介してグランドに電流が流れる。

【0053】
また、第1の基準電圧源VAからコンデンサCg1へ電流が流れることにより、コンデンサCg1に電荷が蓄積する。これにより、コンデンサCg1の両端に生ずる電圧が、Mc10のしきい値電圧より高くなると、図8に示したように、符号y2が示す鎖線のように第1の基準電圧源VAから、スイッチング素子Mc12、コンデンサCg1を介してスイッチング素子Mc13を介してグランドに電流が流れ、または符号y3が示す一点破線のように第1の基準電圧源VAから、スイッチング素子Mc10及びMc11を介してスイッチング素子Mc13を介してグランドに電流が流れ、または符号y3が示す一点破線のように第1の基準電圧源VAから、スイッチング素子Mc10及びMc11を介してコンデンサCm1に電流が流れる。

【0054】
ここで、自励発振回路10における発振波形の振幅値は、スイッチング素子Mc10とMc11との負性抵抗回路中のPMOSFETであるMc11のボディに印加された電圧値に依存する。
出力の振幅を決定するコンデンサCm1にかかる電圧値がスイッチング素子Mc11のボディに印加されている電圧源の電圧値VDDを超えると、スイッチング素子Mc11のソースとボディとの接続がPN接合の順方向接続になる。このため、コンデンサCm1に蓄積されたエネルギーは、符号y4の一点鎖線が示すようにスイッチング素子Mc13を介してグランドに流れるだけではなく、符号y5が示す破線のようにスイッチング素子Mc11と電圧源VDDを介してグランドに流れる。また、符号y6が示す二点鎖線のように、コンデンサCg1に蓄積されたエネルギーは、スイッチング素子Mc12、及び第1の基準電圧源VAを介してグランドに流れる。

【0055】
なお、図6~図9では、自励発振回路10に発振について説明したが、第1の他励発振回路20-1~第3の他励発振回路20-3の発振における発振状態の遷移は同様である。ただし、第1の他励発振回路20-1は、自励発振回路10から供給された電流によって発振が励起され、第2の他励発振回路20-2は、第1の他励発振回路20-1から供給された電流によって発振が励起され、第3の他励発振回路20-3は、第2の他励発振回路20-2から供給された電流によって発振が励起される。

【0056】
図10は、本実施形態に係る自励発振回路10を単体で発振させた場合の波形図である。図10において、横軸は時刻、縦軸は電圧である。また、符号g1が示す波形は、発振波形である。
図10の符号g1が示す波形のように、発振波形の周期は約0.4[usec]、周波数は約2.5[MHz]である。また、発振波形のピーク電圧値は、約1.4[V]である。なお、発振周波数は、第1の基準電圧源VAの電圧値、各スイッチング素子のサイズ、電圧源VDDの電圧値、コンデンサCg1及びCm1の容量に応じて、変化させることができる。また、出力の振幅は、コンデンサCm1によって決定される。

【0057】
自励発振回路10の発振部101は、第1の基準電圧源VAの電圧値が所定の電圧値であるとき発振が発生する。一方、第1の基準電圧源VAの電圧値が所定の電圧値未満であるとき発振が発生しない。このため、第1の他励発振回路20-1~第3の他励発振回路20-3の第2の基準電圧源VASの電圧値は、第1の基準電圧源VAの電圧値未満に設定される。

【0058】
図11は、本実施形態に係る低周波発振回路1の設定の一例を説明する図である。
図11(A)は、自励発振回路10と第1の他励発振回路20-1~第3の他励発振回路20-3における各スイッチング素子のアスペクト比の例を説明する図である。なお、図11(A)において、n=1は、自励発振回路10におけるスイッチング素子のアスペクト比、n=2~4は、第1の他励発振回路20-1~第3の他励発振回路20-3におけるスイッチング素子のアスペクト比である。ここで、アスペクト比とは、幅Wと長さLとの比である。また、図11(B)において、n=1は、自励発振回路10における各コンデンサ、n=2~4は、第1の他励発振回路20-1~第3の他励発振回路20-3における各コンデンサである。
図11(A)のように、スイッチング素子Mcn0(n=1~4)、Mcn1、Mcn2、Mcn3、Msn0、Msn1、Msn2、Msn3、Men0、Men1、Men2、Minそれぞれのアスペクト比は10、10、0.1、0.14、2.2、2.2、0.088、1、2.3、2.3、1である。
図11(A)に示した例では、自励発振回路10と第1の他励発振回路20-1~第3の他励発振回路20-3におけるスイッチング素子のアスペクト比は等しい。

【0059】
図11(B)は、自励発振回路10と第1の他励発振回路20-1~第3の他励発振回路20-3における各コンデンサの容量の例を説明する図である。
図11(B)のように、発振部101、201、211、221のコンデンサCgn及びコンデンサCmn、積分回路102、202、212、222のコンデンサCsnそれぞれの容量は900[fF]である。
図11(B)に示した例では、自励発振回路10と第1の他励発振回路20-1~第3の他励発振回路20-3における各コンデンサCgn、Cmn、Csn(n=1~4)の容量はそれぞれ等しく、かつ900[fF]と非常に小さな容量である。

【0060】
図11(C)は、自励発振回路10と第1の他励発振回路20-1~第3の他励発振回路20-3における各電源の電圧値の例を説明する図である。
図11(C)のように、第1の基準電圧源VAの電圧値は1.5[V]、第2の基準電圧源VASの電圧値は0.6[V]、周波数調整電圧VINTの電圧値は0.13[V]、電圧源VDDの電圧は1.8[V]である。
図11(C)のように、自励発振回路10における第1の基準電圧源VAの電圧値は、第1の他励発振回路20-1~第3の他励発振回路20-3における第2の基準電圧源VASの電圧値よりも高い。
図11の設定にした場合、第3の他励発振回路20-3から得られる発振信号の周波数は、約6[Hz]である。すなわち、自励発振回路10のみを発振して得られる発振周波数と比較して、非常に低い周波数の信号が得られている。

【0061】
図12は、図11の設定時の自励発振回路10の出力波形図である。図13は、図11の設定時の第1の他励発振回路20-1の出力波形図である。図14は、図11の設定時の第2の他励発振回路20-2の出力波形図である。図15は、図11の設定時の第3の他励発振回路20-3の出力波形図である。図12~図15において、横軸は時刻、縦軸は電圧である。

【0062】
図12の符号g11に示す波形のように、自励発振回路10の発振波形は、第1の他励発振回路20-1~第3の他励発振回路20-3によって抑制されたため、ピーク電圧値が約0.1[V]、周波数が約6[Hz]である。

【0063】
ここで、図10に示したように自励発振回路10を単体で発振させた場合と、図12に示したように自励発振回路10に3個の他励発振回路20を接続して発振させた場合との比較を行う。
図10に示したように、自励発振回路10を単体で発振させた場合の発振波形は、ピーク電圧値が約1.4[V]、周波数が約2.5「MHz」である。一方、図12に示した発振信号は、図10の発振波形よりピーク電圧値が下がり、さらに周波数が低くなる。ピーク電圧値が下がり、周波数が低くなる理由は、自励発振回路10が、第1の他励発振回路20-1~第3の他励発振回路20-3の発振によって、発振に用いられるエネルギーである電流の供給が引き抜かれる、すなわち抑制されるためである。
このように、第1の他励発振回路20-1~第3の他励発振回路20-3の発振によって電流が抑制されるため、自励発振回路10の発振波形のピーク電圧値が下がる。これにより、発振部101から積分回路102に供給される電力が減少する。この結果、積分回路102のコンデンサCs1に電荷が蓄積されるまで経過の時間が、単体で発振させたときよりも長い時間になる。例えば、図12において、時刻が約2.5[sec]において、積分回路102の蓄積が完了し、電流供給部103のスイッチング素子Me10をオン状態になるように制御する。このタイミングで、スイッチング素子Me12を介して第1の他励発振回路20-1に電流が供給される。そして、時刻が約2.5[sec]から時刻が約0.4[sec]の間、積分回路102は、コンデンサCs1に電荷の蓄積を行う。

【0064】
すなわち、本実施形態の低周波発振回路1において、自励発振回路10は、第1の積分回路102によって蓄積された電荷の総量が所定の値になったタイミングで、当該自励発振回路10に接続されている第1の他励発振回路20-1に電流を供給し、他励発振回路(20-1~20-3)は、第2の積分回路(202、212、222)によって蓄積された電荷の総量が所定の値になったタイミングで、発振信号の大きさに応じて、自励発振回路10に供給される電流を抑制する。

【0065】
このような動作によって、本実施形態では、単体で発振させた場合と比較して、自励発振回路10の発振波形のピーク電圧値が下がり、かつ発振波形の周波数が低くなる。そして、周波数の低くなった電流が、後段の各他励発振回路20に供給されるため、最終段の第3の他励発振回路20-3から、低周波の発振信号を得ることができる。
また、このような構成によって、本実施形態では、自励発振回路10に接続される他励発振回路20の個数が増える程、自励発振回路10から電流が引き抜かれる、すなわち抑制される。このため、自励発振回路10に接続される他励発振回路20の個数が増える程、図12を用いて説明したように、積分回路102における積分時間が長くなり、他励発振回路20に電流が供給される間隔が長くなる。すなわち、本実施形態では、自励発振回路10に接続される他励発振回路20の個数が増える程、発振信号の周波数を低くすることができる。

【0066】
次に、図13の符号g12に示す波形のように、第1の他励発振回路20-1の発振波形は、ピーク電圧値が約0.4[V]、周波数が約6[Hz]である。このように、第1の他励発振回路20-1の発振波形の周波数は、自励発振回路10の発振波形の周波数と同じである。しかしながら、ピーク電圧値は、自励発振回路10のピーク電圧値の約4倍になっている。ただし、ピーク電圧値が0.4[V]が維持される期間は短い。

【0067】
次に、図14の符号g13に示す波形のように、第2の他励発振回路20-2の発振波形は、ピーク電圧値が約1.8[V]、周波数が約6[Hz]である。このように、第2の他励発振回路20-2の発振波形の周波数は、自励発振回路10の発振波形の周波数と同じである。しかしながら、ピーク電圧値は、第1の他励発振回路20-1のピーク電圧値の約4.5倍になっている。なお、図11(C)に示したように、図12~図14の波形は、低周波発振回路1に供給される電圧源VDDの電圧値が1.8[V]の場合であるため、ピーク電圧値が1.8[V]でクランプされている状態である。このため、発振によって発生したエネルギーは、時刻方向に広がっている。このため、第2の他励発振回路20-2において、ピーク電圧値が1.8[V]になっている期間は、約0.07[sec]に広がっている。

【0068】
次に、図15の符号g14に示す波形のように、第3の他励発振回路20-3の発振波形は、ピーク電圧値が約1.8[V]、周波数が約6[Hz]である。第2の他励発振回路20-2と同様にピーク電圧値が1.8[V]でクランプされている状態である。このため、発振によって発生したエネルギーは、時刻方向にさらに広がっている。このため、第3の他励発振回路20-3において、ピーク電圧値が1.8[V]になっている期間は、約0.35[sec]に広がっている。

【0069】
なお、図11の設定であっても、自励発振回路10と第1の他励発振回路20-1~第2の他励発振回路20-2とによる3段構成では、図14の符号g13に示した波形は得られない。この場合、第2の他励発振回路20-2から得られる発振信号の周波数は、6「Hz」ではなく、高い周波数となる。この理由は、第3の他励発振回路20-3が接続されていない場合、自励発振回路10への抑制量が減少するためである。この結果、自励発振回路10の発振信号の周波数が6[Hz]にはならず、例えば数10[Hz]の発振信号となる。

【0070】
一方、さらに低周波の発振信号が必要な場合、第3の他励発振回路20-3の後段に、さらに他励発振回路20を接続していくことで、例えば0.1[Hz]~1[Hz]程度の周波数を得ることも可能である。この場合、図11に示した設定を、さらに変更するようにしてもよい。

【0071】
以上のように、本実施形態の低周波発振回路1は、電流が供給されることで自励発振を行う自励発振回路10と、自励発振回路10から供給される信号に応じて発振が励起される他励発振回路(第1の他励発振回路20-1)と、を備え、他励発振回路(第1の他励発振回路20-1)は、発振信号の大きさに応じて、自励発振回路10に供給される電流を抑制し、自励発振回路10は、他励発振回路(第1の他励発振回路20-1)によって電流が抑制される結果、当該自励発振回路10が単体で自励発振を行うときより低い周波数の自励発振を行う。

【0072】
この構成によって、本実施形態の低周波発振回路1によれば、他励発振回路20を多段接続することで、自励発振回路10を抑圧して低周波の発振信号を得ることができる。そして、本実施形態によれば、図11のように使用するコンデンサの容量が、例えば900[fF]と非常に小さいため、集積回路上に低周波発振回路1を形成することができる。

【0073】
低周波発振回路1において、発振周波数を決定している要素は、図11に示したように、第1の基準電圧源VAの電圧値、第2の基準電圧源VASの電圧値、電圧源VDDの電圧値、周波数調整電圧VINTの電圧値、積分回路102、202、203のコンデンサCsn(n=1~4)の容量、各スイッチング素子のアスペクト比等である。

【0074】
ここで、図11に示した設定において、周波数調整電圧VINTの電圧値のみを変更した場合の周波数について説明する。また、参考として、積分回路102、202、203のコンデンサCsnがある場合と無い場合についても、比較例として説明する。

【0075】
図16は、図2の低周波発振回路1が積分回路102、202、203のコンデンサCsnを有しない場合の発振周波数の例を説明する図である。図17は、図2の低周波発振回路1が積分回路102、202、203のコンデンサCsnを有する場合の発振周波数の例を説明する図である。なお、図16~図17において、2段とは、自励発振回路10と第1の他励発振回路20-1とによる2段構成を表し、3段とは、自励発振回路10と第1の他励発振回路20-1~第2の他励発振回路20-2とによる3段構成を表し、4段とは、自励発振回路10と第1の他励発振回路20-1~第3の他励発振回路20-3とによる4段構成を表している。

【0076】
図16のように、積分回路102、202、203がコンデンサCsnを有していず、周波数調整電圧VINTが0.2[V]の場合、得られる発振周波数は、2段構成では6.1[kHz]、3段構成では2.7[kHz]、4段構成では2[kHz]である。他励発振回路20の段数を増加することで、発振周波数が下がるが、kHzオーダーである。また、周波数調整電圧VINTが0.8[V]の場合、得られる発振周波数は、2段構成では676[kHz]、3段構成では312[kHz]、4段構成では215[kHz]である。すなわち、周波数調整電圧VINTが低い方が高い電圧の場合よりも低い周波数が得られる。

【0077】
図17のように、積分回路102、202、203がコンデンサCsnを有し、周波数調整電圧VINTが0.2[V]の場合、得られる発振周波数は、2段構成では181[Hz]、3段構成では80[kHz]、4段構成では51.7[Hz]である。このように、積分回路102、202、203のコンデンサCsnによって積分が行われることで、コンデンサCsnを有しない場合と比較して、発振周波数は、約1/30~1/40に下がっている。また、周波数調整電圧VINTが0.8[V]の場合、得られる発振周波数は、2段構成では303[kHz]、3段構成では164[kHz]、4段構成では111[kHz]である。コンデンサCsnを有する構成であっても、周波数調整電圧VINTが低い方が高い電圧の場合よりも低い周波数が得られる。
このように、周波数調整電圧VINTを変更することで、出力される周波数を変更することができる。低周波発振回路1の設計者は、目的の周波数に応じた周波数調整電圧VINTを、例えば、シミュレーションや実験によって、予め決定することができる。

【0078】
本実施形態の低周波発振回路1は、例えば0.1Hz~0.5Hzの低周波信号を、容量の大きなコンデンサ等を用いずに集積化したIC、LSIで精度良く生成できる。このようなICやLSIは人型のロボットの制御、及び心拍計や血圧計などの医療機器等に広く適用できる。
【符号の説明】
【0079】
1…低周波発振回路、10…自励発振回路、20、20-1~20-3…他励発振回路、40…電流源、101、201、211、221…発振部、102、202、212、222…積分回路、103、203、213…電流供給回路、204、214、224…電流引抜部
図面
【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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