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明細書 :運転支援システム、および運転支援プログラム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2015-153207 (P2015-153207A)
公開日 平成27年8月24日(2015.8.24)
発明の名称または考案の名称 運転支援システム、および運転支援プログラム
国際特許分類 G08G   1/16        (2006.01)
G08G   1/09        (2006.01)
B60R  21/00        (2006.01)
FI G08G 1/16 A
G08G 1/09 H
B60R 21/00 624B
B60R 21/00 621B
B60R 21/00 624J
B60R 21/00 628B
請求項の数または発明の数 5
出願形態 OL
全頁数 18
出願番号 特願2014-027144 (P2014-027144)
出願日 平成26年2月17日(2014.2.17)
発明者または考案者 【氏名】丸茂 喜高
【氏名】中野 尭
出願人 【識別番号】899000057
【氏名又は名称】学校法人日本大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100064908、【弁理士】、【氏名又は名称】志賀 正武
【識別番号】100126882、【弁理士】、【氏名又は名称】五十嵐 光永
【識別番号】100175824、【弁理士】、【氏名又は名称】小林 淳一
審査請求 未請求
テーマコード 5H181
Fターム 5H181AA01
5H181BB04
5H181CC04
5H181CC14
5H181LL01
5H181LL02
5H181LL04
5H181LL08
要約 【課題】運転評価指標を算出するためのシステム構成を簡素化する。
【解決手段】運転支援システムは、先行移動体と自移動体との相対距離および相対速度を算出する第1算出部と、自移動体と後続移動体との相対距離および相対速度を算出する第2算出部と、自移動体の速度を算出する第3算出部と、第1算出部、第2算出部、および第3算出部の算出結果に基づいて、後続移動体の運転評価指標を算出する評価算出部と、評価算出部が算出した運転評価指標を自移動体から後続移動体に通知する通知部とを備える。
【選択図】図2
特許請求の範囲 【請求項1】
先行移動体と自移動体との相対距離および相対速度を算出する第1算出部と、
前記自移動体と後続移動体との相対距離および相対速度を算出する第2算出部と、
前記自移動体の速度を算出する第3算出部と、
前記第1算出部、前記第2算出部、および前記第3算出部の算出結果に基づいて、前記後続移動体の運転評価指標を算出する評価算出部と、
前記評価算出部が算出した前記運転評価指標を前記自移動体から前記後続移動体に通知する通知部と
を備えることを特徴とする運転支援システム。
【請求項2】
前記評価算出部は、
前記後続移動体の速度が所定の範囲内の場合には、前記第1算出部、前記第2算出部、および前記第3算出部の算出結果と、前記後続移動体の速度との少なくともいずれかに基づいて、前記後続移動体の運転評価指標を算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の運転支援システム。
【請求項3】
前記通知部は、
前記評価算出部が算出した前記運転評価指標を示す情報を、前記自移動体が備える表示部に表示することにより、前記運転評価指標を前記自移動体から前記後続移動体に通知する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の運転支援システム。
【請求項4】
前記通知部は、
前記評価算出部が算出した前記運転評価指標を示す情報を、前記後続移動体に送信することにより、前記運転評価指標を前記自移動体から前記後続移動体に通知する
ことを特徴とする請求項1または請求項3に記載の運転支援システム。
【請求項5】
自移動体が備えるコンピュータに、
先行移動体と前記自移動体との相対距離および相対速度を算出する第1算出ステップと、
前記自移動体と後続移動体との相対距離および相対速度を算出する第2算出ステップと、
前記自移動体の速度を算出する第3算出ステップと、
前記第1算出ステップ、前記第2算出ステップ、および前記第3算出ステップによる算出結果に基づいて、前記後続移動体の運転評価指標を算出する評価算出ステップと、
前記評価算出ステップにおいて算出された前記運転評価指標を前記自移動体から前記後続移動体に通知する通知ステップと
を実行させるための運転支援プログラム。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、運転支援システム、および運転支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば、自動車などの移動体について、先行移動体と、さらに先行する移動体(先々行移動体)、および自移動体との間の相対距離や相対速度等に基づいて、自移動体の運転評価指標を算出することにより、運転支援を行う運転支援システムがある(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【0003】

【特許文献1】特開2009-70254号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような運転支援システムにおいては、先々行移動体が、例えば、先行移動体の陰に入ることにより、自移動体から先々行移動体を検出することが困難な場合がある。したがって、運転支援システムにおいては、先々行移動体の検出方式が複雑になることから、運転評価指標を算出するためのシステム構成を簡素化することができないという問題があった。
【0005】
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、運転評価指標を算出するためのシステム構成を簡素化することができる運転支援システム、および運転支援プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態は、先行移動体と自移動体との相対距離および相対速度を算出する第1算出部と、前記自移動体と後続移動体との相対距離および相対速度を算出する第2算出部と、前記自移動体の速度を算出する第3算出部と、前記第1算出部、前記第2算出部、および前記第3算出部の算出結果に基づいて、前記後続移動体の運転評価指標を算出する評価算出部と、前記評価算出部が算出した前記運転評価指標を前記自移動体から前記後続移動体に通知する通知部とを備えることを特徴とする運転支援システムである。
【0007】
また、本発明の一実施形態は、上記の運転支援システムにおいて、前記評価算出部は、前記後続移動体の速度が所定の範囲内の場合には、前記第1算出部、前記第2算出部、および前記第3算出部の算出結果と、前記後続移動体の速度との少なくともいずれかに基づいて、前記後続移動体の運転評価指標を算出することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の一実施形態は、上記の運転支援システムにおいて、前記通知部は、前記評価算出部が算出した前記運転評価指標を示す情報を、前記自移動体が備える表示部に表示することにより、前記運転評価指標を前記自移動体から前記後続移動体に通知することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の一実施形態は、上記の運転支援システムにおいて、前記通知部は、前記評価算出部が算出した前記運転評価指標を示す情報を、前記後続移動体に送信することにより、前記運転評価指標を前記自移動体から前記後続移動体に通知することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の一実施形態は、自移動体が備えるコンピュータに、先行移動体と前記自移動体との相対距離および相対速度を算出する第1算出ステップと、前記自移動体と後続移動体との相対距離および相対速度を算出する第2算出ステップと、前記自移動体の速度を算出する第3算出ステップと、前記第1算出ステップ、前記第2算出ステップ、および前記第3算出ステップによる算出結果に基づいて、前記後続移動体の運転評価指標を算出する評価算出ステップと、前記評価算出ステップにおいて算出された前記運転評価指標を前記自移動体から前記後続移動体に通知する通知ステップとを実行させるための運転支援プログラムである。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、運転評価指標を算出するためのシステム構成を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係る運転支援システムの一例を示す概要図である。
【図2】本実施形態の演算装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図3】本実施形態の予測運転評価指標を算出するための変数の一例を示す模式図である。
【図4】本実施形態の評価算出部が生成した運転支援情報の一例を示す模式図である。
【図5】本実施形態の表示部が表示する運転支援情報の一例を示す模式図である。
【図6】本実施形態において後続車が表示する運転支援情報の一例を示す模式図である。
【図7】本実施形態の運転支援システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【図8】シミュレーション条件の一例を示すグラフである。
【図9】評価区間における車両速度についてのシミュレーション結果の一例を示すグラフである。
【図10】評価区間における速度差および加速度差についてのシミュレーション結果の一例を示すグラフである。
【図11】評価区間における指標RPおよび燃料消費率についてのシミュレーション結果の一例を示すグラフである。
【図12】運転支援システムの動作の変形例を示すフローチャートである。
【図13】従来の運転支援システムの一例を示す概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。本実施形態の運転支援システム1は、自動車などの移動体について、移動間の相対的な距離および速度に基づく運転指標を算出することにより、ドライバに対する運転支援を行う。
より具体的には、運転支援システム1は、自車から見た先行車との衝突リスクを軽減するためや、燃費を向上させるための運転評価指標をドライバに提示することにより、運転支援を行う。ここで、安全性や燃費をさらに向上させるためには、先行車だけでなく先々行車など、より前方の情報から予測した運転支援を行うことが重要であると考えられる。そこで、本実施形態の運転支援システム1は、先行車だけでなく先々行車も含めた、少なくとも3台の相対関係を考慮した運転評価指標をドライバに提示する。以下の説明において、この運転評価指標を、予測運転評価指標PRE3(プレ・スリー(PREdiction by PRE-PREceding vehicle))とも記載する。なお、この運転支援システム1は、自動車に限らず様々な移動体に適用することができるが、以下の説明においては、自動車に適用した場合を一例に説明する。また、以下の説明において、運転評価指標を算出する車両を自車、自車の走行方向前方の車両を先行車、先行車の走行方向前方の車両を先々行車、自車の走行方向後方の車両を後続車と記載する。

【0014】
[従来技術]
ここで、従来の運転支援システムについて、図13を参照して説明する。
図13は、従来の運転支援システムの一例を示す概要図である。なお、以下の説明においては、必要に応じてXYZ直交座標系を用いて説明する。ここで、XY平面は車両が走行する道路面であり、X軸は車両の進行方向を、Y軸は車両の進行方向に直交する方向を示す。また、Z軸は鉛直方向を示す。

【0015】
この従来の運転支援システムにおいて、自車C30は、先行車C20および先々行車C10の位置を測定することにより、運転評価指標を算出して、算出した運転評者指標をドライバに提示する。具体的には、自車C30は、2種類の前方レーダー(先行車レーダーR1、先々行車レーダーR2)と、表示装置500と、不図示の演算装置とを備えている。自車C30は、先行車レーダーR1が射出するビームB10によって、自車C30から見た先行車C20の位置を測定する。また、自車C30は、先々行車レーダーR2が射出するビームB20によって、自車C30から見た先々行車C10の位置を測定する。自車C30の演算装置は、このようにして測定した自車C30から見た、先行車C20および先々行車C10の位置に基づいて、運転評価指標を算出する。また、自車C30の演算装置は、算出した運転評価指標を表示装置500に表示することにより、ドライバに対して運転評者指標を提示する。
なお、ここでは、先行車レーダーR1と先々行車レーダーR2とが、それぞれ別の装置であること一例にして説明したが、これらが一つのレーダー装置として構成されていてもよい。また、ここでは、レーダーによって先行車C20、および先々行車C10の位置を測定する一例にして説明したが、他の方法によって位置を測定してもよい。

【0016】
以上説明したように、従来の運転支援システムでは、自車C30が先行車C20および先々行車C10の位置を測定する。ここで、自車C30から見た先々行車C10は、先行車C20の陰に隠れるなどするため、その位置を測定するためには、システムの構成が複雑になってしまう。本実施形態の運転支援システム1は、次のように構成されるため、運転評価指標を算出するためのシステム構成が簡素である。以下、本実施形態の運転支援システム1について、図1および図2を参照して説明する。

【0017】
[実施形態]
図1は、本発明の実施形態に係る運転支援システム1の一例を示す概要図である。
図2は、本実施形態の演算装置10の構成の一例を示すブロック図である。この運転支援システム1は、自動車C2などの移動体に備えられており、演算装置10、前方レーダー20、後方レーダー30、車速センサ40、表示部50、および通信部60を備えている。なお、以下の説明において、自動車C2を自車C2とも記載する。

【0018】
前方レーダー20は、例えば、自動車C2のフロントグリル部分に備えられており、自動車C2の前方の目標物を検出する。具体的には、この前方レーダー20は、ミリ波のビームB1を車両の前方に照射するとともに、このビームB1が目標物によって反射された反射波を受信することにより、前方の目標物を検出する。また、前方レーダー20は、検出結果に基づいて、前方の目標物の位置を示す情報を、演算装置10に出力する。
なお、運転支援システム1は、この前方レーダー20とともに、または、この前方レーダー20に代えて、カメラなどの画像取得装置を備えていてもよく、この画像取得装置によって、前方の目標物を検出してもよい。

【0019】
後方レーダー30は、例えば、自動車C2のリアバンパー部分に備えられており、自動車C2の後方の目標物を検出する。具体的には、この後方レーダー30は、ミリ波のビームB2を車両の後方に照射するとともに、このビームB2が目標物によって反射された反射波を受信することにより、後方の目標物を検出する。また、後方レーダー30は、検出結果に基づいて、後方の目標物の位置を示す情報を、演算装置10に出力する。
なお、運転支援システム1は、この後方レーダー30とともに、または、この後方レーダー30に代えて、カメラなどの画像取得装置を備えていてもよく、この画像取得装置によって、後方の目標物を検出してもよい。

【0020】
車速センサ40は、自動車C2の車軸の回転数を計測して、回転数に比例したパルス数のパルス信号(車速パルス)を演算装置10に出力する。

【0021】
演算装置10は、車載コンピュータであり、演算部100と、記憶部200とを備えている。記憶部200は、ROM(Read Only Memory)や、RAM(Random Access Memory)などの半導体記憶素子や、HDD(Hard disk drive)装置を備えており、演算部100が実行するプログラムや、演算部100の演算結果を記憶する。また、この記憶部200には、自車C2の全長を示す情報(自車全長l)が記憶されている。
演算部100は、CPU(Central Processing Unit)を備えており、種々の演算を行う。この演算部100は、その機能部として、第1算出部101、第2算出部102、第3算出部103、評価算出部104、および通知部105を備えている。

【0022】
第1算出部101は、前方レーダー20から供給される前方の目標物の位置を示す情報に基づいて、先行車C1(先行移動体)と自車C2(自移動体)との相対距離および相対速度を算出する。具体的には、第1算出部101は、前方レーダー20から前方の目標物の位置を示す情報を取得する。また、第1算出部101は、この目標物が自動車などの移動体であるか否かを判定する。第1算出部101は、この目標物が自動車であると判定すると、この目標物を先行車C1として識別し、自車C2との相対距離d12と、相対速度Δv12とを算出する。

【0023】
第2算出部102は、後方レーダー30から供給される後方の目標物の位置を示す情報に基づいて、自車C2(自移動体)と後続車C3(後続移動体)との相対距離および相対速度を算出する。具体的には、第2算出部102は、後方レーダー30から前方の目標物の位置を示す情報を取得する。また、第2算出部102は、この目標物が自動車などの移動体であるか否かを判定する。第2算出部102は、この目標物が自動車であると判定すると、この目標物を後続車C3として識別し、自車(自動車C2)との相対距離d23と、相対速度Δv23とを算出する。

【0024】
第3算出部103は、車速センサ40が出力する車速パルスに基づいて、自車C2(自移動体)の速度vを算出する。

【0025】
評価算出部104は、第1算出部101、第2算出部102、および第3算出部103の算出結果に基づいて、後続車C3の運転評価指標を算出する。ここで後続車C3の運転評価指標の一例について説明する。この後続車C3の運転評価指のひとつに指標RP(Risk Perception)がある。指標RPは、前方の自動車との車間距離を、前方の自動車との相対速度で除した衝突余裕時間TTC(Time To Collision)と、前方の自動車との車間距離を自車速で除した車間時間THW(Time HeadWay)によって表される。この衝突余裕時間TTCの逆数は、前方の自動車に対する視角の増加率の時間変化と等価であり、車間時間THWは、自車の絶対速度に依存する安全マージンである。指標RPは、衝突余裕時間TTCと車間時間THWとの、それぞれの逆数の線形和を、ドライバが主観的に感じているリスクとして定義する指標である。後続車C3の前方の自動車(自車C2)に対する指標RPを式(1)に示す。

【0026】
【数1】
JP2015153207A_000003t.gif

【0027】
ここで、衝突余裕時間TTCおよび車間時間THWの添え字「2」は、自車C2を、添え字「3」は、後続車C3をそれぞれ示す。また、この一例においては、式(1)における係数a=1、係数b=5である。

【0028】
この指標RPをもとに、先行車C1の挙動から予測した運転を評価する指標について検討する。無駄な加速や減速を抑制するためには、先々行車との相対速度が小さくなることが望ましい。そのため、相対速度が影響を及ぼす指標である衝突余裕時間TTCを先行車C1に対して適用する。しかし、これだけでは、後続車C3が、先行する自動車C2と衝突する危険性があるため、潜在的な衝突リスクを自動車C2との車間時間THWも使用することで安全を補償する.このとき、衝突余裕時間TTCの逆数は、車両に対する視角の増加率の時間変化と等価である。衝突余裕時間TTCを先行車C1に対して適用することから、後続車C3と先行車C1との車間距離が、後続車C3と自動車C2おおよそ2倍であるため、一例として、係数bを式(1)の2倍にする。これを予測運転評価指標PRE3(プレ・スリー(PREdiction by PRE-PREceding vehicle))とし、式(2)に示す。

【0029】
【数2】
JP2015153207A_000004t.gif

【0030】
ここで、式(2)に示す各変数を図3を参照して説明する。
図3は、本実施形態の予測運転評価指標PRE3を算出するための変数の一例を示す模式図である。速度vは、先行車C1の速度を示し、速度vは、後続車C3の速度を示す。また、距離d13は、先行車C1と後続車C3との相対距離を示し、距離d23は、自車C2と後続車C3との相対距離を示す。この速度v、速度v、および距離d13は、次のようにして求めることができる。すなわち、先行車C1と自車C2との相対距離d12、相対速度Δv12と、後続車C3と自車C2との相対距離d23、相対速度Δv23と、自車全長l、および自車C2の車速vを用いて、式(3)に示すように求めることができる。

【0031】
【数3】
JP2015153207A_000005t.gif

【0032】
したがって、予測運転評価指標PRE3は、式(4)のように表すことができる。

【0033】
【数4】
JP2015153207A_000006t.gif

【0034】
上述したように、第1算出部101は、先行車C1と自車C2との相対距離d12、および相対速度Δv12を算出する。また、第2算出部102は、自車(自動車C2)との相対距離d23と、相対速度Δv23とを算出する。また、第3算出部103は、自車C2の速度vを算出する。また、記憶部200には、自車全長lが記憶されている。
評価算出部104は、記憶部200から読み出した自車全長lと、各算出部から取得した相対距離d12、相対速度Δv12、相対距離d23、相対速度Δv23、および自車C2の速度vに基づいて、予測運転評価指標PRE3を算出する。また、評価算出部104は、算出した予測運転評価指標PRE3に基づいて、後続車C3のドライバに対する運転支援情報を生成する。この運転支援情報の一例について、図4を参照して説明する。

【0035】
図4は、本実施形態の評価算出部104が生成した運転支援情報の一例を示す模式図である。この運転支援情報とは、後続車C3の速度が適切であるのか否か、また、適切でない場合に、加速が必要であるのか、減速が必要であるのかを、後続車C3のドライバに対して通知する情報である。この一例においては、評価算出部104は、加速側に3段階、減速側に3段階の階調によって、運転支援情報を生成する。具体的には、評価算出部104は、算出した予測運転評価指標PRE3が、加速側しきい値a1~減速側しきい値d1の範囲である場合、後続車C3の速度が適切であることを示す運転支援情報(図4(c)または(d))を生成する。また、評価算出部104は、算出した予測運転評価指標PRE3が、加速側しきい値a1~加速側しきい値a2の範囲である場合、加速が必要であることを示す運転支援情報(図4(b))を生成する。また、評価算出部104は、算出した予測運転評価指標PRE3が、加速側しきい値a2を超える範囲である場合、強い加速が必要であることを示す運転支援情報(図4(a))を生成する。また、評価算出部104は、算出した予測運転評価指標PRE3が、減速側しきい値d1~減速側しきい値d2の範囲である場合、減速が必要であることを示す運転支援情報(図4(e))を生成する。また、評価算出部104は、算出した予測運転評価指標PRE3が、減速側しきい値d2を超える範囲である場合、強い減速が必要であることを示す運転支援情報(図4(f))を生成する。

【0036】
通知部105は、評価算出部104が算出した予測運転評価指標PRE3を自車C2(自移動体)から後続車C3(後続移動体)に通知する。具体的には、この通知部105は、表示部50に評価算出部104が生成した運転支援情報を供給する。

【0037】
表示部50は、後続車C3から見える位置(例えば、自車C2のリア・ウインド付近)にLED(Light Emitting Diode)ディスプレイを備えており、このLEDディスプレイに、通知部105から供給される運転支援情報を表示する。すなわち、通知部105は、評価算出部104が算出した運転評価指標を示す情報を、自車C2(自移動体)が備える表示部50に表示することにより、運転評価指標を自車C2(自移動体)から後続車C3(後続移動体)に通知する。ここで、図5を参照して表示部50が表示する運転支援情報の一例について説明する。

【0038】
図5は、本実施形態の表示部50が表示する運転支援情報の一例を示す模式図である。表示部50は、通知部105から加速が必要であることを示す運転支援情報が供給されると、図5(a)に示す上向き矢印の画像を表示する。このとき、表示部50は、必要な加速の強さに応じた速さによって、上向き矢印が上方向に移動する動画像を表示してもよい。また、表示部50は、通知部105から減速が必要であることを示す運転支援情報が供給されると、図5(b)に示す下向き矢印の画像を表示する。このとき、表示部50は、必要な減速の強さに応じた速さによって、下向き矢印が下方向に移動する動画像を表示してもよい。

【0039】
また、運転支援システム1は、後続車C3に、この運転支援情報の画像を表示する構成であってもよい。この場合、通知部105は、評価算出部104が算出した運転評価指標を示す情報を、後続車C3に送信することにより、運転評価指標を自車C2(自移動体)から後続車C3(後続移動体)に通知する。具体的には、通知部105は、通信部60に運転評価指標を示す情報を供給する。図1に示すように、通信部60は、アンテナ61を介して車両間で情報のやり取りを行う。自車C2の通信部60は、評価算出部104が算出した運転評価指標を示す情報を、アンテナ61を介して後続車C3に送信する。後続車C3は、アンテナ61を介して運転評価指標を示す情報を受信する。また、後続車C3は、例えば、フロントガラスWSに画像を投影するヘッドアップディスプレイ装置を備えている。後続車C3は、受信した運転評価指標を示す情報に基づく画像を、このヘッドアップディスプレイ装置によってフロントガラスWSに投影する。このヘッドアップディスプレイ装置が投影する画像の一例について、図6を参照して説明する。

【0040】
図6は、本実施形態において後続車C3が表示する運転支援情報の一例を示す模式図である。後続車C3は、先行する自動車(自車C2)から受信した運転評価指標を示す情報に基づいて、運転支援用の画像を生成する。また、後続車C3は、生成した画像をヘッドアップディスプレイ装置によってフロントガラスWSの表示領域50aに投影する。このように構成することによっても、自車C2は、後続車C3に対して、運転評価指標を通知することができる。

【0041】
[運転支援システムの動作]
次に、図7を参照して、運転支援システム1の動作について説明する。
図7は、本実施形態の運転支援システム1の動作の一例を示すフローチャートである。このフローチャートは、運転支援システム1が行う1サイクルの動作について示している。運転支援システム1は、この動作を繰り返し行うことにより、後続車C3のドライバに対する運転支援を行う。

【0042】
第3算出部103は、車速センサ40が出力する車速パルスを取得する(ステップS10)。次に、第3算出部103は、ステップS10において取得した車速パルスに基づいて、自車C2の速度vを算出する(ステップS20)。

【0043】
次に、第1算出部101は、前方レーダー20から前方の目標物の位置を示す情報を取得し(ステップS30)、取得した情報に基づいて先行車C1と自車C2との相対距離d12、相対速度Δv12を算出する(ステップS40)。

【0044】
次に、第2算出部102は、後方レーダー30から供給される後方の目標物の位置を示す情報を取得し(ステップS50)、取得した情報に基づいて、自車C2と後続車C3との相対距離d23、相対速度Δv23を算出する(ステップS60)。

【0045】
次に、評価算出部104は、算出した速度v、相対距離d12、相対速度Δv12、相対距離d23、相対速度Δv23に基づいて、予測運転評価指標PRE3を算出する(ステップS70)。

【0046】
次に、評価算出部104は、算出した予測運転評価指標PRE3に基づいて、運転支援情報(通知用情報)を生成し、生成した情報を通知部105に出力する(ステップS80)。

【0047】
次に、通知部105は、表示部50に運転支援情報を出力する。表示部50は、通知部105から供給された運転支援情報に基づく画像を表示する(ステップS90)。

【0048】
以上説明したように、本実施形態の運転支援システム1は、自車C2が先行車C1と後続車C3との相対距離、および相対速度を測定して予測運転評価指標PRE3を算出する。また、運転支援システム1は、算出した予測運転評価指標PRE3を示す情報を後続車C3に通知する。これにより、運転支援システム1は、例えば、先々行車の位置を測定することなく、3車間の相対的な距離・速度に基づいて運転評価指標を算出することができる。このため、運転支援システム1は、先々行車の位置を測定する場合に比べて、運転評価指標を算出するためのシステム構成を簡素化することができる。

【0049】
次に、図8から図11を参照して、本実施形態の運転支援システム1によるシミュレーション結果について説明する。
図8は、シミュレーション条件の一例を示すグラフである。同図において、横軸は時間を、縦軸は先行車C1および自車C2の速度を示す。同図に示す、先行車C1と、自車C2との速度の時間変化をシミュレーション条件にして、後続車C3の速度の変化を求める。このシミュレーション条件は、一般的な追従状況を想定し、先行車C1の速度変化に対して、自車C2の速度変化に遅れが生じるという状況を模擬する。また、評価区間は、自車C2による先行車C1の追従が安定する区間とし、先行車C1の2回目の12[m/s]定速区間の始めから、最後の12[m/s]定速区間の終わりまでとする。

【0050】
図9は、評価区間における車両速度についてのシミュレーション結果の一例を示すグラフである。同図に示すように、本実施形態の運転支援システム1による支援なしの場合に比べ、支援ありの場合には、後続車C3と先行車C1との相対速度が小さい。すなわち、運転支援システム1による支援がある場合には、無駄な加減速が少ない追従が可能であることがわかる。

【0051】
図10は、評価区間における速度差および加速度差についてのシミュレーション結果の一例を示すグラフである。同図(a)に示すように、本実施形態の運転支援システム1による支援なしの場合に比べ、支援ありの場合には、後続車C3と先行車C1との速度のRMS誤差が小さい。また、同図(b)に示すように、本実施形態の運転支援システム1による支援なしの場合に比べ、支援ありの場合には、後続車C3と先行車C1との加速度のRMS値が小さい。すなわち、運転支援システム1による支援がある場合には、無駄な加減速が少ない追従が可能であることがわかる。

【0052】
図11は、評価区間における指標RPおよび燃料消費率についてのシミュレーション結果の一例を示すグラフである。同図(a)に示すように、本実施形態の運転支援システム1による支援なしの場合に比べ、支援ありの場合には、指標RPの標準偏差が小さい。ここで、指標RPは衝突リスクを示しており、その標準偏差は衝突リスクの変動幅を示している。すなわち、運転支援システム1による支援がある場合には、衝突リスクの変動幅が小さい、安定した追従が可能であることがわかる。また、同図(b)に示すように、本実施形態の運転支援システム1による支援なしの場合に比べ、支援ありの場合には、同一量の燃料で走行できる距離が長い、つまり燃料消費率が良好であることを示している。すなわち、運転支援システム1による支援がある場合には、燃費を向上させることが可能であることがわかる。これは、運転支援システム1による支援がある場合には、無駄な加減速が抑制されたことと加減速度が小さくなったためと考えられる。すなわち、運転支援システム1によって予測運転評価指標PRE3をドライバに提示することにより、ドライバはエコ運転を意識しなくてもエコ運転が行えるようになり、燃費が良くなることが示唆された。

【0053】
[変形例]
次に、上述した運転支援システム1の変形例について図12を参照して説明する。
図12は、運転支援システム1の動作の一例を示すフローチャートである。なお、上述した実施形態と同一の構成および動作については、同一の符号を付してその説明を省略する。

【0054】
この運転支援システム1は、ステップS10からステップS70まで、およびステップS80からステップS90まで、上述した運転支援システム1と同様に動作する。この運転支援システム1は、ステップS72からステップS78までにおいて、運転支援システム1と異なる動作を行う。以下、この相違点について説明する。

【0055】
評価算出部104は、算出した速度vと相対速度Δv23とに基づいて、後続車C3の速度vを算出する。また、評価算出部104は、算出した速度vと所定のしきい値とを比較する(ステップS72)。ここで、所定のしきい値とは、例えば、6[m/s]である。この一例の場合、評価算出部104は、後続車C3の速度vが、6[m/s]よりも小さいか否かを判定する。評価算出部104は、後続車C3の速度vが、所定のしきい値よりも小さいと判定した場合(ステップS72;YES)には、処理をステップS76に進める。一方、評価算出部104は、後続車C3の速度vが、所定のしきい値以上であると判定した場合(ステップS72;NO)には、処理をステップS74に進める。

【0056】
後続車C3の速度が所定のしきい値以上(すなわち、所定の範囲外)の場合には、評価算出部104は、ステップS70で算出した予測運転評価指標PRE3と所定のオフセット値との差を予測運転評価指標ΔPRE3(デルタ・プレ・スリー)として算出する(ステップS74)。

【0057】
一方、後続車C3の速度が所定のしきい値未満(すなわち、所定の範囲内)の場合には、評価算出部104は、第1算出部101、第2算出部102、および第3算出部103の算出結果と、後続車C3の速度との少なくともいずれかに基づいて、後続車の運転評価指標を算出する(ステップS76)。この一例では、評価算出部104は、式(5)に示す予測運転評価指標PRE3(プレ・スリー・スター)を算出する。

【0058】
【数5】
JP2015153207A_000007t.gif

【0059】
ここで、安全車間距離dは、後続車C3の低速走行中における自車C2との安全な車間距離を示す。一例として、安全車間距離d=5[m]である。また、目標車間時間THW*は、後続車C3の低速走行中における目標とする車間時間である。一例として、目標車間時間THW*=1.5[s]である。

【0060】
次に、評価算出部104は、ステップS70で算出した予測運転評価指標PRE3と、ステップS76で算出した予測運転評価指標PRE3との差を予測運転評価指標ΔPRE3として算出する(ステップS78)。

【0061】
ステップS80において、評価算出部104は、算出した予測運転評価指標ΔPRE3に基づいて、運転支援情報(通知用情報)を生成し、生成した情報を通知部105に出力する。

【0062】
以上説明したように、この変形例において運転支援システム1は、後続車C3が低速走行中である場合には、予測運転評価指標PRE3に加えて、式(5)に示す予測運転評価指標PRE3を算出する。この予測運転評価指標PRE3は、安全車間距離dに基づいて算出される。このため、予測運転評価指標PRE3によれば、例えば、自車C2が停止しており、後続車C3が低速走行中である場合のように、車速の変化が車間に及ぼす影響が大きい場合においても、確実に車間を保つように運転支援情報を提示することができる。

【0063】
以上、本発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。上述した実施形態に記載の構成を組み合わせてもよい。

【0064】
なお、上記の実施形態における演算装置10が備える各部は、専用のハードウェアにより実現されるものであってもよく、また、メモリおよびマイクロプロセッサにより実現させるものであってもよい。

【0065】
なお、演算装置10が備える各部は、メモリおよびCPU(中央演算装置)により構成され、演算装置10が備える各部の機能を実現するためのプログラムをメモリにロードして実行することによりその機能を実現させるものであってもよい。

【0066】
また、演算装置10が備える各部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、制御部が備える各部による処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。

【0067】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【符号の説明】
【0068】
1…運転支援システム、10…演算装置、50…表示部、60…通信部、101…第1算出部、102…第2算出部、103…第3算出部、104…評価算出部、105…通知部
図面
【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図5】
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【図6】
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